Webコンピューティング OSとして Linuxを選択。 ワークフローの一環として 電子決済稟議システムを TurboLinux で構築。 ネットワークコンピューティングの世界で、Linuxが持つ可能性に着目した日本タイム シェアでは、企業向けLinuxとして日本で最も定評のあるTurboLinuxを使って、 Webコンピューティングによるワークフローシステムとして、電子決済稟議システムを 構築。Linuxによる新しい発想の業務アプリケーション開発に先鞭をつけ、開発コス ハードウェア DELL POWEREDGE1300/2400 ソフトウェア TurboLinux Server、Oracle8i、 Apache、自社開発 システム構築 日本タイムシェア ト、運用コストの低減と稟議時間の大幅短縮に成功しました。 今後、基幹系システムとの連携やクラスター化など、 システムのグレードアップに取り 組む予定です。独立系SI(システムインテグレータ) として、Linuxの普及・市場拡大 に携わっている同社では、社内での利用実績をベースに、 カスタマイズや汎用パッケ ージ化により積極的に再販していく計画です。 ミッションクリティカルな環境で動く 電子決済稟議システムの構築 つまり 「起案」 「承認」 「回議」 「決済」 という 従来のパソコン用OSに代わる新しいOSとして注目されているのがLinux。 向けて依頼メッセージを電子メールで送り、 そ 4つのフェーズを備え、該当するキーマンへ ト技術を使ったWebコンピュー 特に、 ブラウザーやTCP/IPなどのインターネッ の結果を再び該当部署へ返信するという形 ティングでは、 ネットコンピューティングの世界で大きな実績をもつUNIXの です。 「通常の電子決済稟議システムでは、 PC版であるLinuxに大きな期待が寄せられます。中でも、早くからアジア市 電子メールにすべての情報を盛り込んでい 場に注力し、開発・サポート体制を充実しているTurboLinuxは、企業 るため重くなっています。その欠点を避ける Linuxとして定評の高い製品。日本タイムシェアでは、 このTurboLinuxの ために、弊社では、基本的にイントラネット上 優位性を評価し、Webコンピューティングによるワークフローシステムの電 でデータベースにアクセスしながら稟議書の起案や承認、回議、決済など 子決済稟議システムを構築しました。 を行い、 その情報を電子メールで該当者・部署へ送ることで、一連の業務 「ちょうど、 社内でWebコンピューティングを進めようという大きなテーマがあ ●石井健一氏 を電子化するように工夫しています」と、独自の特長について石井部長は プ りました。これまでは、Webによる通達配信や、全社員一人一人のHP、 説明します。 ロジェクトのHPなどで情報を提供するという一方通行の形態でした。これ TurboLinuxとRAID5による高信頼設計 を発展させてインタラクティブ処理ができる手段としてワークフローを導入し、 ハードウェア構成は、データベースサーバーがデルのPOWEREDGE 社員の情報共有を図らなければならないと考え、 その一環として電子決済 2400( RAID5 構成 /9GB × 3 )、Web サーバーが同じくデルの 稟議システムを構築することにしたのです」。開発の背景について語るのは、 POWEREDGE1300。いずれも、OSはTurboLinuxServer6.0。データベー 営業本部技術企画部の石井健一部長です。 スはOracle8i、WebアプリケーションはApacheです。ノウハウを蓄積する ワークフローシステムは、 出張時の旅費精算やスケジュール管理、 稟議など、 Perlでプログラムを開発。 意味もあったため、 既製品のエンジンは使わずに、 社員間のコミュニケーションを密にし、 関連する業務の効率化・スピードアッ 1.5人×3カ月の開発期間で完成させました。 プを電子的に実現する仕組みです。既存のグループウェアをベースにした 現在、承認や決済に関わる管理職約150人のほか、起案を行うプロダクト 多様な製品が市場に登場していますが、信頼性、パフォーマンス、 コスト、 ●社内向けトップページ User Profile 日本タイムシェア株式会社 自分のIDとパス マネージャークラス約300人が利用しています。管理職は、 保 守 のしやすさなどで優 位な ワードを入力すると、設定されたジョブレベルが示されます。そのメニューに TurboLinux Serverを使って、 ミッ 従い、稟議の内容を確認しながら、起案や承認を行っていくのです。また、 ションクリティカルなワークフローシ 総務部では稟議の内容や予算に応じて回議先を決め、電子メールで承認 ステムを構築しようというのが、 日 依頼をかけます。パソコン操作に不慣れな経営トップ層にも丹念に教育研 本タイムシェアの狙いです。 修を行い、 稟議に関わるすべてのキーマンが利用できる環境をつくり出しま 電子決済稟議システムといっても、 した。 現実の稟議で必要とされる各機能、 日本タイムシェアが指摘する効果は次の4点です。つまり、 (1)稟議の回議 ● 創 業 ● 設 立 ●資 本 金 ●社 員 数 ●売 上 高 ●代 表 者 1968年(昭和43年)4月 1993年(平成5年)10月 3億円 945人(2000年4月末現在) 123億2000万円(2000年3月期) 代表取締役社長 齋藤 實 日本タイムシェアは、30年以上のキャリアをもつシステムインテグレータ。1998年からはエムケ ーシー・スタットのグループ企業となり、 ビジネスのフィールドを広げています。コンサルティングか ら設計、開発、運用までをトータルにカバー。最近では、ERP、SCMソリューションサービスも積 極的に展開。Linuxの啓蒙・普及活動にも力を入れています。ターポリナックスジャパンテクノ ロジーパートナーの一員。 http://www.nts.co.jp linux@nts.co.jp 時間が3分の1に短縮、 (2)TurboLinuxとRAID5の高信頼設計によりシ ションの開発に積極的に取り組む (4) ステムダウンがゼロ(3)TurboLinuxのハイパフォーマンス運用、 考えです。 TurboLinuxとPCサーバー活用により、UNIXベースの3分の1のコストで すでに日本タイムシェアは、 ある放 開発・運用。 送事業者とともに、将来のデジタル RAID5への対応でした。最新マシンのドライバー 「開発で一番苦労した点は、 放送を見越して立ち上げたWebサ が出揃うのに時間がかかるため、 あるコンピューターベンダーがアメリカで 提供していたドライバーを入手して、 組み込んだのです。最新情報をいち早 イトのデータベースサーバーに ●TurboLinux認定エデュケーションセンター TurboLinuxを採用していますが、 くつかみ、的確な対応を取ることが必要だと痛感しました」 と石井部長。こ やはり、 業務アプリケーション開発の必要性を強く感じていました。 うしたトラブルに直面し、解決したことが、今後、同じようなシステムを横展 データベースサーバー 「『アプリケーションサーバーはWindowsでいいが、 開していく際に貴重なノウハウとして活かされることは間違いありません。 とか『クライアントはWindowsを引き続き使うが、 サーバーは にはLinuxを』 日本タイムシェアでは、今後、基幹系システムとの連携やクラスター化を計 Linuxで』という具合に、信頼性を高めるためにLinuxを選択するユーザー 画するとともに、 電子決済稟議システムについては汎用化を押し進め、 パッ というニー がたくさんいます。当然、 『アプリケーションサーバーもLinuxで』 ケージソフトとして外販を予定しています。 ズがあるわけですが、 これまでは対応パッケー Linux導入企業の支援にも力を注ぐ ジの種類が少なかったのがネックになってい ところで、 日本タイムシェアは、 Linuxの市場を大きく育てようと、段階的に啓 ました。その意味で、今回、弊社が開発した 蒙・普及活動を実践しています。第一段階として、 セッティングやサポートの 電子決済稟議システムは、Linux業務アプリ サービスを実施。次に、教育サービスも開始しました。 「TurboLinuxオフィ ケーションの格好のデモシステムにもなると シャルエデュケーションセンター」である同社では、現在、TurboLinux認定 確信しています。その他のワークフロー機能も、 コースのほか、 独自のNTSアドバンストコースも実施。LinuxとWindowsで 今後同様に開発し、 システムに付加すること 構成されるネットワーク環境での共存管理などを、Linux導入企業やLinux ができるメリットがあります」と中西康博課長 ●中西康博氏 を使って新規事業を行う企業の責任者などに対して教育しています。 代理は期待をこめます。 日本タイムシェアでは、 これらの活動を通じて、総論としてLinuxに興味を感 それまでWindowsやUNIXで動か また、Linuxを導入する企業にとっては、 じている企業の担当者に、実際に自社システムの導入に踏み切ってもらう その面でも万 しているシステムを、Linuxに移行する作業が発生しますが、 ためには、具体的な業務アプリケーションが目の前にあることが最も説得 全を期したいと日本タイムシェアは考えています。TurboLinuxの可能性に 力があると考えました。そこで同社では、 より多くのユーザーにLinuxの効用 着目する日本タイムシェア。 ミッションクリティカルな環境で動くワークフロー を伝えるために、 具体的にミッションクリティカルな環境で動く業務アプリケー システムの第一弾を誕生させました。 ●稟議システム運用イメージ図 保管者 決済者 稟議システムサーバー 回議者 E-mailで承認依頼 社内WAN WebブラウザでDBにアクセス 総務部 ●稟議書システムメニュー ●起案項目詳細画面 稟議データベース Mailサーバ 業務部 RASサーバ RASクライアント ●稟議書システムメニュー・HELP画面 第一運用イメージ(現行) 社内WAN PC Web Server Oracle8 第二運用イメージ(将来計画) Web Server Mail Server Web Server Apache Oracle 8i TurboLinux Server 6.0 Perl DBD,DBI HTML Apache Perl DBD,DBI Apache HTML Cluster Cluster TurboLinux TurboLinux RAID5構成 Mail Server Oracle 8i RAID5構成 TurboLinux Server 6.0 社内WAN PC Web Server Perl DBD,DBI HTML Apache 開発PC Perl HTML DBD,DBI 起案者 ●サーバシステム構成イメージ(計画) ●サーバシステム構成イメージ(現行) 開発構成時 起案部門承認者 TurboLinux Server Oracle 8i TurboLinux Server 6.0 DB Server 日本タイムシェア株式会社 芝浦SIセンター DB Server 〒108-0023 東京都港区芝浦 2-3-31 第2高取ビル 経理アプリケーション Server TEL 03-3769-1001 http://www.nts.co.jp Linus Torvalds氏をはじめ、国内外の開発者のみなさまに感謝いたします。 2000.11 ターボリナックス ジャパン株式会社 www.turbolinux.co.jp 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-3-5 モリモビル5F TEL 03-5766-1660 FAX 03-5766-1661 © 2000 TurboLinux Japan, K.K. 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