TE-5 南極から地球・宇宙を観る 南極地域観測事業の最近の成果 観測支援技術 南極への輸送 南極観測船「しらせ」 、ドロンイングモードランド航空網(DROMLAN) 新「しらせ」による南極への輸送システム 越冬観測から夏観測へのシフト 燃料をはじめとする大量の観測隊用物資の昭和基地への 輸送は、船舶に頼らざるを得ません。新「しらせ」では、観 測隊用燃料タンクの増強、12ft コンテナや新型搭載ヘリコ プターに特化した各種コンテナの採用など、大幅な改良が 加えられました。これにより、国内での物資搭載及び南極 での荷下ろしが効率的に行えるようになりました。 これまで越冬しなければできなかった内陸での野外観測 (た とえばドームふじ基地での氷床掘削やセールロンダーネ山地 での地学調査)が、夏期間に実施できるようになりました。 ▲ 南極観測船「しらせ」 ▲ 12f t コンテナ ▲ 新型搭載ヘリコプター ▲ 氷上輸送 DROMLAN による観測隊員や物資の迅速な 輸送と移動 航空機を利用することにより、南極へのアクセスや撤収 が極めて迅速に行なえるようになりました。 通常、日本を出国して1週間以内に現地での活動をス タ ートさ せ るこ とができ、調査を 終 えての帰 国も 同 様 で す。こ れ により、派遣に要 する期間を大 幅 に 短 縮させるこ とができました。 図:DROMLAN の活動地域 社会的 貢 献 図:セール・ロンダーネ山地地学調査 図:ドームふじ基地での氷床掘削プロジェクト 国際協力 本航空網は、東南極のドロンイ ングモードランドを中心に活動す る 11カ国が共同出資して立ち上 げた組織であり、これまで 10 年 以上に渡って活動を行なってきま した。その有用性は各国が認める ところであり、今後もその利用頻 度の増大が見込まれます。緊急事 態の際にも有効に機能する、南極 での国際協力の一つの表れです。 ▲ ドロイングモードランド 航空網(DROMLAN) [南アフリカ、フィンラン ド、ドイツ、日本、ロシア、 スウェーデン、ノルウェー、 英国、オランダ、ベルギー、 インド] 観測船と航空機の併用により、日本は南極での活動範囲を確実に広げてきました。とくに航空機の 導入は、他国研究者との共同研究の推進にも寄与してきました。今後もより機動的な観測と人的交流の 拡大が期待されます。 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 広報室 190-8518 東京都立川市緑町 10-3 [TEL]042-512-0655 [FAX]042-528-3105 http://www.nipr.ac.jp/ [E-mail]kofositu@nipr.ac.jp 2013.2 Copyright © National Institute of Polar Research All rights reserved.
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