SNIAジャパン関西セミナー講演資料 EMCジャパン西日本支社にて(2013年7月26日) HDDの最新業界動向 2013年7月26日 IDEMA JAPAN 協賛会員 HORI Technology Office ストレージアナリスト 堀内義章 yhoriuchi@datagate.jp 090-8532-7533 アジェンダ IDEMA JAPAN(日本HDD協会)の紹介 世界と日本の経済の動きと課題 今、IT業界に起こっていること ストレージについて スマートフォン、タブレット端末へ時代 HDD業界の動向 HDD業界動向 4K・8Kの導入タイムスケジュールとハイビジョン放送 面記録密度の動向 半導体メモリの動き 今後、期待される分野について まとめと今後について IDEMA JAPANの紹介 http://www.idema.gr.jp ワールドワイドの会員数 日本 130社 82社、米国 30社、 Asia Pacific 18社 IDEMA JAPANの組織と役員会合 組織 会長 :服部正勝(東芝) 副会長:鈴木勲(HOYA)、百束雄一(メディア研究所) 監査 :鈴木勝(キャノンアネルバ) 理事(理事、専務理事、名誉理事) 協賛会員 理事会 年6回前後(8月は宿泊理事会) 主な年間活動 理事会、技術委員会、企画委員会 行事 各種教育講座(入門・中級、専門、信頼性、SSD) 技術委員会 Qurtaly Seminer 年2回(1月、10月) DISKCON JAPAN forum 年1回(6~7月) ヘッド・ディスク部会、コンシューマHDD部会、コンタミネーションコントロール部会 ESDコントロール部会、データ復旧部会 合同報告会合 環境委員会 ストレージ用語辞典(00年初版・日経、08年改定版、12 年改定版) 米国の活動(ATSC=Advanced Storage Technology Consortium) 世界と日本の経済の動きと課題 世界 米国の景気回復基調と株高 日本のアベノミクスによる株高・円安の効果と参院選の勝利の より、衆参のねじれの解消 先進国のインフラ整備事業(鉄道、交通、エネルギー、環境) 新興国のインフラ整備と高度成長 中国のGDP成長率の鈍化、インド・ブラジルの伸び悩み 欧州連合の高失業率と債務残高への対応(緊縮と成長戦略) アフリカ54カ国(人口10億1,990万人、GDP成長率5%<2010 年>)の資源獲得競争と経済成長への期待 世界の経済圏の構成の活発化(TPPは7月23日より参加) 緊縮財政から、緊縮と成長路線への転換 若年層(15~24歳)の失業率の増大 日本 7月の参院選で自民党の圧勝により、衆参ねじれの解消 日銀総裁の交代と黒田金融政策 安倍首相の積極外交とトップセールス(インフラ支援) 株高・円安のよる輸出産業の好決算(2013年3月期) 領土問題の早期対応(中国、韓国、ロシア) アベノミクスの3本の矢の成長路線の実施 国の借金の返還めど(約1千兆円) 新技術による成長路線への転換 日本の伝統と文化を通じた世界への「魂」の売り込み 今後の課題 世界的な財政債務の赤字の解消 新興国・途上国の人口増加と食糧・エネルギー確保 高齢者社会と医療・介護への対応 アジア地域(45カ国)と先進国のGDP成 長率見通し *( )内は今年4月時点の改定見通し (アジア開発銀行) 2013年 2014年 6.3(6.6) 6.4(6.7) 中国 7.7(8.2) 7.5(8.0) インド 5.8(6.0) 6.5(6.5) 東南アジア 5.2(5.4) 5.6(5.7) 1.1(1.0) 1.9(1.9) 米国 2.0(2.0) 2.6(2.6) 欧州 ▲0.5(▲0.3) 1.2(1.2) 日本 1.8(1,2) 1.4(1.4) アジア 主要国先進国 今、IT業界に起こっていること パソコンからスマートフォン、タブレットへの買換え インターネットテレビとスマホ、タブレットの連動 Wi-Fi化と高速通信速度(LTE、LTE-A) クラウド化への展開 データセンターの充実 企業のパソコンのシンクライアント化 学校教育のIT化(タブレットと電子黒板) スーパーコンピュータと活用の新製品開発 ビッグデータの活用・分析 外付けモバイルストレージの増加 HP、デルなどパソコンメーカー、米マイクロソフトなどのタ ブレットへの転換 在宅勤務の増加 農業や医療インターネット診断の遠隔操作 高画質の4K・8Kの試験放送と実用放送のタイムスケジュール ストレージについて 各種ストレージの容量と今後 ストレージの種類 HDD 光(DVD、BD) 現状(枚) 発表または予定 今後のターゲット 3.5型ディスク 1 TB 1.333TB 2.5 TB 2.5型ディスク 500 GB 650GB 1.5 TB 25/50/100GB 128~1024 GB(多層膜) 1 TB (ニアフィールド記録) 300GB 0.8/1.6TB(重ね記録) 3.9 TB NAND型 ~512GB 多値、3~4ビット 1TB SSD型 128GB 多値、3~4ビット 1TB 5.0TB(圧縮) 10TB(圧縮) 15 TB 5.0TB 25/50TB発表 DAT(8mm幅) 320GB(圧縮) 640GB(圧縮) 1.24 TB AIT 800GB(圧縮) 1.6TB(圧縮) 3.2 TB 5型ディスク ホログラム 半導体メモリ MRAM型(SSD) 磁気テープ LTO テープカートリッジ 4GB 各種ストレージの特徴比較 (◎非常に良い、○良い、△やや劣る) 容量 消費 アクセス 形状 信頼性 命寿 価格 電力 速度 重さ 耐衝撃性 温度湿度 HDD ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ 半導体メモリ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 ○ △ DVD・BD ○ ◎ 〇 〇 ○ ○ ◎ ◎ 磁気テープ ○ ○ △ 〇 ○ ○ ◎ ◎ スマートフォン、タブレット端末へ時代 一般携帯電話からスマートフォンへの移行 小型・軽量で、持ち運びに便利 パソコンに比べて、価格的に手頃感(2万円台) パソコンの機能を、スマートフォンで対応可能 米マイクロソフトのタブレット端末「サーフェス」 通信速度の高速化(LTE、LTE-A) スマートフォンで全てのモバイル機器、電子機器に繋がる スマートフォン機能のアプリの充実 スマホで、家庭内の機器の操作が可能 スマホのクラウド活用 電子マネー、チケット購入、ナビゲーション、デジタルカ メラ、映像などが可能 現状の欠点は、バッテリー消耗が早いこと HDD業界の動向 HDDメーカーが3社に集約(Seagate、WD、東芝) データセンターの拡充 インフラ輸出の一環としてのストレージ 米マイクロソフトのタブレットの導入(サーフェス) 小型・軽量・省電力のスマホ・タブレットへの買換えでパソコン 出荷の減少 面記録密度の高容量・実用化の停滞 米マイクロソフトの「ウインドウズ8」の伸び悩みと改訂版(8.1) 2.5(3枚)、3.5インチ(7枚)HDDのディスク枚数の増加 2.5インチHDDへのアルミディスクの使用 パソコンのハイブリッド化(HDDとSSD) 2.5インチHDDの5mm厚製品 外付けHDDの増加 特殊用途のパソコン(株式専用、企業向け特注品など) 米マイクロソフトの新製品ゲーム機「Xbox one」(年内) パソコンのビジネス用途としての買換え需要 スーパーコンピュータで、「京」の100倍の速度の開発着手。2020 年目標。また、その基本ソフト(OS)も新規開発 米WDのエステック(SSDメーカー)の買収。HGST傘下へ HDDと主要部品のメーカー HDD主要部品分野 HDD 会社名 Seagate(Samsung電子)、Western Digital(HGST)、 東芝 (3社) ヘッド (3社) メディア(4社) 専業 1社 TDK 内製 2社 Seagate、Western Digital 専業 2社 昭和電工、富士電機 内製 2社 Seagate、Western Digital アルミ 6社 Seagate、Western Digital、昭和電工、富士電機、 東洋鋼鈑、Kaifa ガラス 4社 コニカミノルタ、シチズン精密、旭硝子、HOYA アルミ 2社 古河電工、神戸製鋼所 ガラス 5社 HOYA、旭硝子、古河電工、オハラ、コニカミノルタ スピンドル 専業 2社 日本電産、ミネベア モータ (4社) 内製 1社 Samsung電機(アルファナテクノロジー) サブ基板 ブランク材 サスペンション(4社) ニッパツ、 Hutchinson、TDK、サンコール その他のHDD周辺関連部品 資料:テクノシステムリサーチ(TSR) HDD周辺部品分野 会社名 ヘッド用セラミック基板(Wafer) 2社 日立金属、京セラ ピボット 4社 ミネベア、SII、NSK、日本電産 VCM 5社 日立金属、信越化学、TDK、 MMI(Plate)、MinAir Base 8社 JCY、MMI、Beyonics、日本電産、 ミネベア、Altum、Shunei、Kuroda Top Cove 8社 JCY、MFT、MATC、MInAir、BMS、NHK、 MATC、MinAik 2013年Q1のHDD・主要部品のシェア HDD 東芝 14.8% Seagate 41.0% WD 44.3% 磁気ヘッド Seagate 33.5% TDK 24.0% WD 25.7% HGST 16.9% メディア 昭和電工 26.7% 富士電機 4.0% Seagate 30.1% スピンドルモーター Alphana 11.4% ミネベア 13.4% 日立GST 15.4% WD Media 23.8% SEMCO 7.1% 日本電産 68.1% 次世代テレビ(4K・8K)の 目標スケジュールと主な行事 次世代TV 年度 2013年 (次世代推進フォーラム設立) 2014年 4Kテレビの試験放送(サッカーW杯ブラジル大会) スーパー 2016年 ハイビジョン 2020年 スマート テレビ ケーブル テレビ 放送予定(世界の主な行事) 8Kテレビの試験放送(ブラジル夏季五輪) 4K、8Kテレビの商用開始(東京立候補の夏季五輪) 2013年中 放送とネットの融合サービスや遠隔視聴サービ ス実現への検討、実装化 2014年以降 放送連動型アプリの実現へ検討、実装化 2013年中 IP-VODのサービス基盤を立ち上げ、30社程度の CATVが参画 2014年以降 IP-VODのサービス基盤を立ち上げ、250社程度が 参画 日本方式の地デジ放送を採用した国・14カ国 日本 (放送開始時期:2003年12月) ブラジル (2007年12月) ペルー (2010年3月) アルゼンチン(2010年4月) ベネスエラ (2011年6月) パラグアイ (2011年8月) ボツナワ (2013年7月予定) フィリッピン・コスタリカ・ボリビア・チリ・エクアドル・ モルディブ・ウルグアイ ISDB-T方式 日本の地上デジタル放送の方式。同じ送信機で通常のハイビジョン放送 と携帯端末用のワンゼグ放送を伝送できるため、導入コストが安い。送 電網が未整備の新興国では、テレビよりも携帯端末で放送を視聴する需 要が多いとみられる。06年のブラジルを手始めに南米のほぼ全域、フィ リッピン、モルディブなどで採用されている。同方式が採用されれば、 日本の放送用機器やテレビ、携帯端末の販売にもつながる。ブラジルで はソニーがテレビを生産する現地工場を増強し、シャープもワンゼグ対 応の携帯電話を販売している。 世界の地上デジタルテレビ放送方式 日本方式 (ISDB-T) 米国方式 (ATSC) 中国方式 (DTMB) マルチキャリア シングルキャリア(アナ ログTV方式の 改良) 欧州方式改良版 と米国方式改良 版が混在。規格 統一がとれてい ない 携帯端末向け 同一のテレビチャンネ 放送 ルで可能(ワンセグ) 別のテレビチャ ンネルが必要 別のテレビチャン ネルが必要 別のテレビチャンネル が必要 緊急警報放送 サービス実施中 サービス未実施 サービス未実施 サービス未実施 伝送方式 マルチキャリア(13セグメ ント構造になって おり、移動体 向けや固定向け の柔軟なサービス が可能) 欧州方式 (DVB-T) NHK放送技術研究所公開(2013年5月29日) 145インチ・プラズマプロジェクタ 1.5TB-50分(1/6圧縮)のメモリ 8K(3,300万画素)・スーパーハイビジョンデモ スパコン世界ランキング 上位10機種 (2013年6月版、Top500) *TFLOPS=テラフロプス、1秒間に1兆回の浮動小数点演算処理能力 順位 開発者 システム 最大性能 設置国/設置機関 (TFLOPS) 1 中国国防科学 天河2号 33,863 中/国防科学技術大学 2 クレイ Titan 17,590 米/DOE科学局オークリッジ国立研 3 IBM Sequoia 17,173 4 富士通 京 10,510 日/理化学研究所 5 IBM Mira 8,587 米DOE科学局アルゴンヌ国立研 6 デル Stampede 5,168 7 IBM JUQUEEN 5,009 独/ユーリッヒ総合研究機構 8 IBM Vulcan 4,293 9 IBM SuperMUC 2,897 独/ライプニッツ計算センター 10 中国国防科学 天河1号A 技術大学 2,566 中/国立天津スパコンセンター 米/DOE国家核安全保障局ローレン スリバモア国立研 米/テキサス大学できさす先端計算 センター 米/DOE国家核安全保障局ローレン スリバモア国立研 面記録密度の動向 TMR-PMR+ECC媒体(現状) ・実用化(垂直記録) :744.1 Gb/in2(東芝) ・開発(熱アシスト記録):1.007Tb/in2(Seagate)、 1.5Tb/in2(TDK) ⇒ TMR-PMR+ECC媒体 ~1 Tb/in2 ⇒ (TMR-PMR+ECC媒体) 又は、shingled write recoding(瓦記録)~2 Tb/in2 ⇒ CPP-GMR ~5 Tb/in2 ⇒ TAMR(HAMR、MAMR)、Energy Assisted Recording probably on BPM/Shingled Write & Two Dimensional Magnetic Recording (TDMR) ~10 Tb/in2 面記録密度 10000 D e ve l o p m e n t 1000 P ro d u c t 100 10 1 20 01 Q 1 Q 20 3 02 Q 1 2 3 Q 3 00 Q 1 Q 20 3 04 Q 1 Q 20 3 05 Q 1 Q 20 3 06 Q 1 Q 20 3 07 Q 1 Q 20 3 08 Q 1 Q 20 3 09 Q 1 2 3 Q 0 01 Q 1 Q 20 3 11 Q 1 2 3 Q 2 01 Q 1 Q 20 3 13 インチ別 2.5 現状 500 発表・導入方向 650 目標 1000 3.5 1000 1333 2500 Q 1 HDDとしての今後の展望 スマートフォン、タブレット端末の伸長で、ノートパソコンは 減少(3~8%減少) 2012年のHDDの実績は5億8,150万台(前年比6%減)、2013年 は5億6、795万台(3%減)と予想 大容量用として、クラウド化・ビッグデータ対応で、データセ ンター向けサーバー、家庭用として外付けHDDなどが伸長 面記録密度の高容量の量産化の遅れにより、ディスク枚数が増 加(2.5インチHDDで3枚、3.5インチHDDで7枚など) ビジネス向けノートパソコンの買い替え需要に期待 特殊用途のパソコンが除々に浸透 今後の製品として、ホームサーバー、医療機器、携帯サーバー、 iVDR、専用アーカイブなどに期待 面記録密度は、2015年頃に熱アシストタイプが量産化 半導体メモリの動き 企業動向 技術開発 インテル(パソコン用)からクアルコム(スマホ用)が有利へ パソコン用DRAM価格の上昇(スマホへのDRAMへ転換のため) 価格低下のための技術開発 450mmシリコンウエハーの導入計画 3次元など立体的半導体構造 3ビット/セル、4ビット/セルの開発 20nm以下の線幅の導入 FRAM、MRAMの導入 製品動向(フラッシュメモリ、SSD) パソコンやサーバーのハイブリッド化 Samsung電子のSSDサーバー(1TB、1.5TB) 携帯電話、タブレット端末、電子書籍、ウルトラブックに導入 注目は、米マイクロソフトのパソコン「サーフェス」(OSはWindowsRT) デジカメ、音楽、USBメモリ、メモリカード 放送機器のカメラ、サーバーへ応用(8KSHVで50分1.5TBのメモリ) 今後、期待される分野について 医療分野(在宅診断・電子カルテ) 農業分野(各種センサーを用いた遠隔農業) 教育分野(電子黒板とタブレット端末) インフラ事業(スマートシティのストレージ構築) モバイル型(各種モバイル機器とiVDRの優位性) 大容量保存機器としての各種サーバー(データーセン ター、企業、家庭、車載、船舶等) 無線接続・USB接続機器(Wi-FiやUSB3.0など) ペーパーレス化のメモリ(フラッシュメモリ・HDD) スマートフォンを中心とした繋がる機器(TV-パソコンー タブレット端末-電子書籍など) 世界の携帯電話・スマートフォン・タブレット 端末・ウルトラモバイルPC・HDDの出荷予側 250,000 200,000 携帯電話総計 一般携帯電話 スマートフォン タブレット端末 ウルトラモバイルPC HDD (万台) 150,000 100,000 50,000 0 2年 1 20 3年 1 20 4年 1 20 5年 1 20 6年 1 20 (「台湾工研院IEK」の資料に、筆者のHDD予測を追加 ) まとめと今後について 世界経済は、まだ不透明感はあるものの、米景気の回復、アベノミ クス効果(円安・株高)や安倍首相のトップ外交に向け、良い方向 に向かっており、衆参のねじれも解消し、後は実体経済の実績待ち これからの社会は、スマートフォンを中心とした、「いつでも、ど こでも、時間に関係なく繋がる」情報化社会へ進展 キーワードは、クラウド、ビッグデータ、モバイル通信の高速化 一般的な個人用ノートパソコンは徐々にスマートフォン、タブレッ ト端末へ移行していくが、ビジネス用は継続 米マイクロソフトのXPサポート終了に伴う切り替え需要 フレッシュメモリやSSDを用いた製品は今後も伸長 米マイクロソフトのタブレット端末「サーフェス」に注目 個人の用途に応じて、ノートパソコン、スマートフォン、タブレッ ト端末は使い分けされ、複数のこれらの機器を所持 年々増加する情報量、クラウド化、ビッグデータなどにより大容量 化の要求は益々強く、面記録密度の技術開発と実用化が急務 今後は遠隔診断や電子カルテ、遠隔農業、ホームサーバー、カー サーバー、携帯サーバー、電子看板用サーバー、国内外インフラ事 業にHDDの大容量機器が重要
© Copyright 2024 Paperzz