フランス日本語教師会便り - e-AEJF

フランス日本語教師会便
フランス日本語教師会便り
日本語教師会便り
Association des Enseignants de Japonais en France
第9号
会員の
会員の皆様
もう5月というのにいまだに肌寒いうっとうしい毎日
くせないお骨折りをいただいた実行委員の丹羽恭男さん
が続いていますが、皆様にはお元気で日夜お励みのことと
と山口剛一さん、それから島守玲子さんに心よりお礼申し
思います。今学年も残すところ後わずか、学年を締めくく
上げます。誠心誠意奔走してくださった山口さんの姿に参
り来年度への架け橋の大切な時期、ご健闘をお祈りいたし
加者皆さん深く感じ入ったと思います。丹羽さんの開催裏
ます。
話ならびに参加者の感想記(「特集《2》
」)で、参加され
た方はシンポジウムを反芻し、参加されなかった方は雰囲
さて、この2ヶ月間の会の活動を時間を追ってご報告し
気をおつかみください。
ますと、まず恒例の隔月勉強会が予定通り3月31日(土)
に ENSTA で行われました。参加者は18名。パリ天理日
本年度の本会定例総会が予定通りシンポジウム2日目
本語学校のご協力をもと、天理教語学院日本語科専任講師、
の4月7日にもたれました。本会も設立後4年になり活動
大内泰夫先生をお迎えして「日本語教育でのコンピュータ
も軌道に乗り、会員数も90名と増え、本会の存在もかな
ー利用」というテーマでお話しいただきました。我々教師
り認められるところとなりました。しかし、シンポジウム
にとってコンピューターは今や必要不可欠な道具。教師側
開会式でのご挨拶でパリ日本文化会館の金田副館長がご
の利用、学習者側の利用、インターネットの利用、各種ソ
指摘されたように、本会は日本人会員が圧倒的に多いとこ
フトの活用法からホームページの作り方まで短時間にも
ろからフランスの社会からまだ全面的に認められていな
かかわらず、実演を交えて手際よくご説明いただきました。
いという現状にあります。従来通り私達の地道な努力を重
「特集《1》
」に参加者による感想文が掲載されています。
ねると共に、この現状を好転させていくべく配慮が今後必
大内先生のプログラム(同封)と併せてご一読ください。
要だと考えます。今年は役員改選の時期でもあり、その点
を考慮して、役員改選と増員が決議採択されました。また
次ぎに、今年で第3回目を迎えたフランス日本語教育シ
日本言語学の教授でいらっしゃる Catherine GARNIER 先
ンポジウムが4月6,7,8日と3日間、リヨンで開催され
生と島守玲子先生に顧問をお引き受けいただきました。総
ました。リヨン市は日本語教育の歴史も長く、現在もパリ
会議事録が同封されておりますので、ご参照ください。尚、
に次ぐ日本語教育第2の中心地、このような地で私共のシ
新役員の顔ぶれと任務はお知らせ欄をご覧ください。
ンポジウムを開催できたことは大変意義のあることだと
思います。開催日は折からの国鉄の全国的なストにぶつか
今後の活動予定としては、本年度第3回勉強会が5月2
り、大変な思いをして来られた方も多かったと思います。
6日に開催されます。新宿日本語学校の江副先生を再度お
この悪条件にもかかわらず、参加者数は申込者数66名を
迎えして、
「新実用日本語 II」をご紹介いただくことにな
やや下回る58名でした。アメリカからお出でくださった
りました。多数のご参加をお待ちしております。その他の
牧野成一先生の OPI についての実に明快なご講演とワー
活動予定はお知らせの欄をご参照ください。
クショップを始め、各講師の興味深い講演、参加者達の研
究発表、参加者からの熱心かつ活発な質疑応答、さらに教
また、本号から新試行として「掲示板」を設けることに
師間の歓談交流も交え、本年の大会もまずは盛会のうちに
致しました。売りたい、買いたい、探している、貸して欲
終了いたしました。
しい等々の情報発信に私達のネットワークを大いにご活
本大会の開催のため、会場の提供のみならず資金面でも
用ください。
ひとかたならぬご支援をいただいた CPE Lyon、多大な助
成金をくださった国際交流基金ならびに Fondation de
それでは、次回勉強会でお目にかかるのを楽しみにして
おります。
France、またシンポジウム準備に貴重なご配慮、ご助言を
いただいたパリ日本文化会館、各機関に深く感謝の意を表
役員一同(文責 石井陽子)
します。
最後に、縁の下の力持ちとして、口ではとうてい言いつ
1
(3) 実用日本語エゾエノート
お 知 ら せ
¥1800/FF124
(4) 日本語教授法の一考察3
江副式重箱文法教授法
¥2000/FF138
(5) スキャントークリーダーR300 ¥5000/FF345
本会新役員の
本会新役員の構成
日本語文法を
日本語文法を語ろう会
ろう会 第3回
石井陽子(Ecole polytechnique)
会長
日時 :2001年6月23日(土)
副会長
HALLE 総子(Lycée International de
St-Germain en Laye)
丹羽恭男 (Lycée St Louis)
書記総務 石川弓子 (Université du Havre)
会計
大井絵里 (INALCO)
役員
東伴子 (Université de Grenoble 3)
- 広報担当
NERVI Nadine (Ecole Active Bilingue
Janine Manuel)
14時30分~16時30分
会場: パリ日本文化会館
2階会議室
101 bis, Quai Branly, 75740 Paris
(地下鉄 6 号線、Bir-Hakeim 下車)
テーマ:推量の助動詞
●
教室準備の
教室準備の都合上、
都合上、予め参加人数を
参加人数を文化会館に
文化会館に知らせ
なければなりません。
なければなりません。参加ご
参加ご希望の
希望の方は事前に
事前に事務局
- 中等教育問題および仏文書類担当
までご連絡
までご連絡ください
連絡ください。
ください。
OPI テスター養成
テスター養成ワークショップ
養成ワークショップ
顧問 Catherine GARNIER (Professeur à l’INALCO)
島守玲子 (Maître de conférences, habilitée à
4月に行われたシンポジウム(リヨン)のメインテーマ
diriger des recherches à l’Université de Lyon
3)
は OPI(会話能力到達度測定法)の紹介。牧野成一先生に
よる計6時間にわたる講演、デモンストレーション、ワー
2001年度
2001年度 第3回 勉強会
クショップで参加された方は OPI とは何かがかなり理解
できたと思います。
日時:2001年5月26日(土)
さて、牧野先生からもお話がありましたように、「OPI
13時 ~17時30分
テスター養成ワークショップ」というこのメソッドの正式
なテスターになるための養成講座があります。これは OPI
会場:Ecole Nationale Supérieure de Techniques
を開発普及させている ACTFL(アメリカ外国語教育協会)
Avancées(ENSTA)
32, Bd. Victor, 75739 Paris / Salle 43
Métro : Porte de Versailles(12 号線)または
Balard (8 号線)
の公認のもとに行われるもので、最高10名の受講者が1
人のトレーナーの指導のもと4日間かけて OPI の理論と
インタビューの実践方法を学びます。もっともテスターの
資格認定書を取得するためには、このワークショップの後、
受講者は練習用のインタビュー12人分の録音テープを
プログラム
ACTFL に提出し、その審査に合格したら、さらにテスタ
ー資格試験用のテープ12人分を提出し、審査を受け、合
講師
: 江副隆秀(新宿日本語学校 校長)
格しなければなりません。
テーマ : 「新実用日本語 II」の紹介
この「OPI テスター養成ワークショップ」は日本では年
2回アルク主催で行われています。もしフランスで10名
●
教室準備の
教室準備の都合上、
都合上、参加ご
参加ご希望の
希望の方は事前に
事前に事務局ま
事務局ま
の受講希望者がいれば、フランス日本語教師会が受け皿と
でご連絡
でご連絡ください
連絡ください。
ください。
なって「OPI テスター養成ワークショップ」を組織する事
が可能だと思います。
江副先生著書その
江副先生著書その他
その他の販売
これを受講するには一人当たり約$865(約 FF6600)
かかるようです。この費用には ACTFL への費用、トレー
下記の書籍を次回勉強会会場で販売いたします。
ナーの交通滞在費用、認定書料(OPI tester certificate)
(1) 実用日本語漢字1000
が含まれています。最終的な認定書を取るためにはテスタ
(A) 絵で見る漢字1~100課
ー資格試験用のテープ12人分の審査料が 3000FF ほど
(B) 書き順・語彙リスト
(C) 練習帳
(2) 新実用日本語1
かかります。
¥4000/FF276
この「OPI テスター養成ワークショップ」の受講をご希
¥2000/FF138
望の方は教師会事務局までご連絡ください。
2
前副会長、
前副会長、萬代さんのお
萬代さんのお便
さんのお便りと新住所
りと新住所
でちんぷんかんぷん。最近やっと一人でメールが打てるよ
うになったが,
萬代さんから日本よりの第一報が届きました。ご紹介しま
なんとかもっと利用したいと思っていたので今回の勉強
す。
会はとても興味深いものだった。
前略
ように活用されているかの活用例を紹介してくださった。
天理教語学院の大内泰夫先生をお迎えして先生がどの
利用法としては教師側と学習者側の利用とに分けられる。
大変ご無沙汰いたしております。私が日本に戻りまして
3ヶ月があっという間に過ぎてしまいました。一昨日には
先ず、教師側の利用について
新しい赴任校で辞令を受けいよいよ新しい仕事が始まり
1、成績、名簿管理
ました。栃木県の小さな工業大学ですので、今後厳しい状
2、新出語彙文型の整理
況にさらになると思っております。ちなみに皆様ご存じの
3、教案の作成インターネットの利用
ように日本全体が大きな曲がり角を通過中との感がしま
4、辞書ソフトの活用
す。その意味で大変危なっかしい世の中で、有能な舵取り
5、その他の活用法(ビデオ教材などの
人が必要ですが、才能、魅力に欠ける人達が政治を行い、
教材の作成等)
庶民はますます将来の展望を描けずにいます。
学習者側の利用について
ところで、リヨンでのシンポジウム開催心からお祝い申
マルチメデイア
実際の活用例
し上げます。毎回ですが、会長、実行委員の方々の努力は
1、AOTS 海外技術者研修協会での例
計り知れません。フランスでの日本語教育の発展のために
2、東京日本語学校(長沼スクール)での例
3、天理教語学院での例
このような地道な活動を積み重ねることが、将来確実に実
実際の授業での利用例
を結ぶものと確信しております。私もささやかながら、お
プロジェクトワーク(アンケート調査)での利用例
手伝いできることがありましたら仰ってください。
コンピューター導入のメリット
また、現在この新任校には BELFORT から研究生が6
ヶ月の予定で来ています。機械、電子電気工学、建築、土
問題点
木、情報工学などの分野で研修を希望する学生や若い研究
というプログラムで進められ最後にデモンストレーショ
者がいましたら、お連絡ください。何かお役に立つことが
ンがあった。特に興味深かったのは教師側の利用で新出語
彙文型の整理などは教案を作成する時にとても便利だと
できるかも知れません。
思ったが、最初に時間をかけて細かに入力しないと利用で
以下、新しい連絡先です。シンポジウムの機会にお知ら
きない事がわかった。残念ながら今それをしている時間が
せいたします。
ない。辞書ソフト(新明解辞書等)の活用は本当に便利だ
早々
萬代
宰
と思った。インターネットではいろいろな情報が得られる
が、どのようにしたら速く良い情報を得るのか難しい。ず
自宅:栃木県足利市本城3丁目 3905-7 ニュートン・ヴィレ
ッジ 503 号
っとインターネットにつないでいると電話代がかかるし、
外から電話をしてもいつもお話し中、ということで問題が
Tel:(0284) 21 6532
勤務先:足利工業大学 栃木県足利市大前町 268-1
あると思う。それにしても時間の関係でデモンストレーシ
Tel:(0284) 21 6532 / Fax:(0284) 64 1532 /
ョンが短かったのと、自分の勉強不足で何も質問できなか
Email:mandai@ashitech.ac.jp
ったのが残念だ。皆さんはどのように利用されておられま
すか。コンピューターに詳しい方に一度ゆっくりと教えて
頂きたと思っています。
「
特 集 «1 »
「
特
集 «2»
2001年度
2001年度 第 2 回 勉強会 報告
第2回勉強会(
回勉強会(日本語教育での
日本語教育でのコンピューター
でのコンピューター利用
コンピューター利用)
利用)
第日本語教育シンポジウム
3回
第3回フランス日本語教育
シンポジウム
フランス
日本語教育
フランス日本語教育
日本語教育シンポジウム
シンポジウム
フランス(
日本語教育
リヨン)
リヨン)報告
(リヨン)
リヨン)報告
栗木道子
『IT 革命』という言葉はよく聞くけれど、実際にどん
な事か全然解っていない。コンピューター社会においてき
プログラム
ぼりにならないよう、コンピューターは買ったもののまる
◇講演
3
す明治政府は多くの若者を洋行させた。横浜を出
牧野成一 (米国 プリンストン大学教授)
「プロフィシエンシー・アプローチと日本語教育」
発したフランス船は2ヶ月という長旅の末、マル
久保田美子(ケルン日本文化会館日本語講座主任講師)
セイユ港に錨を下ろした。マルセイユで仏語研修
「OPI 評価と日本語能力試験得点との関係」
を受ける者、パリに向かう者などがいた。繊維、
「会話能力を伸ばすための工夫」
機械、鉱山などの専門技術や商業実務を学ぶ日本
島守玲子(リヨン第3大学助教授)
人がリヨンに集まった。彼らは、ソーヌ河とロー
ヌ河の流れに想いを馳せ、フルヴィエールとクロ
「国文法と日本語文法」
ワ・ルッスの丘に青雲の志を走らせた。日本文化
◇デモンストレーション
牧野成一 (米国 プリンストン大学教授)
を最初にフランスに紹介したギメはリヨンで生ま
「OPI(会話能力測定法)の実践」
れた。日本から帰国後、ギメはこの地で日本人留
学生の世話をした。日仏交流の歴史は短いが、そ
◇ワークショップ
の中でリヨンが演じた役割は小さくなかった。1
牧野成一 (米国 プリンストン大学教授)
8 7 0 年 代 の こ と で あ る 。時 が 移 り 世 が 変 わ っ た 。
「日本語における会話能力の測定とその技法」
◇発表
100年後の1970年代に数人の日本人留学生
1. 瀬賀正章(リヨン第3大学)
がリヨンに到着した。現在、リヨンの日本語教育
2.
「学習者の作文に見られる名詞修飾について-どの
を支えている島守、マレ山崎、山口さんたちだっ
ような名詞修飾を使っているか」
た。
マレ山崎比彩乃(リヨン・アンペール大学)
シンポジウムはフランス国有鉄道のストといっ
しょに始まった。フランスに生きるなら、ストが
怖くてなにができる。シンポジウムの前日は全面
スト、強気だったが、やっぱり困った。遠くから
来る参加者に同情した。ストのない国ルクセンブ
ルグのリンスターさんは隣国のストを避けるため
前々日に家を出た。石井会長は前日に危険を冒し
てパリから車で来てくれた。
シ ン ポ ジ ウ ム 1 日 目 、ス ト は 半 ば 解 除 さ れ た が 、
「テレビ会議システムによる日本語教育」
3.
西尾純和(ISH リヨン言語学研究所―
「終助詞の体系と機能:会話体の日本語と日本語教
育」
4.
イエツ・モード(EHESS)
「
『ようだ』と『らしい』について」
5.
池澤明子(パリ第7大学)
電車は間引きされ出発時刻も到着時刻も無視され
「 «Méthode immédiate » マンツーマンから大人数ま
た。開会日の早朝、山口さんは休むことなく、飲
で、会話クラスを運営する方法」
み物の準備に奮闘していた。私はその脇でクロワ
◇紹介
1.
ッサンを受け皿に一つ一つ丁寧に盛った。開始時
岡田晴彦 (JETRO Lyon)
間の10時には既に30人程の参加者が会場を埋
「ジェトロビジネス日本語能力テストの紹介」
め て い た 。今 回 の シ ン ポ ジ ウ ム の 申 し 込 み は 講 師 、
2. 山下茂、前田哲也、ブリュグ・アリーヌ
団体を含めると64名に達したが、ストのせいで
(CLAIR 地方自治体国際化協会)
7名のキャンセルが出た。開会の挨拶が済み、前
「JET プログラムの紹介」
日に飛行機でリヨン入りしていた久保田先生の講
◇第5回フランス日本語教師会総会
演が始まった。あとで知ったことだが、久保田先
生は私と同じ名古屋の出身だった。道理で郷愁を
「第3回フランス日本語教育シンポジウム
感じる日本語を話すと思った。「日本語」(金田
(リヨン)」を終えてー裏話
一春彦著)の中に『名古屋市方言では8つの母音
がある。これはドイツ語の母音構成に似ている』
シンポジウム実行委員
と書かれているが、ドイツ語訛りの日本語ではな
丹羽恭男
か っ た 。そ の あ と で 参 加 者 の 自 己 紹 介 が 始 ま っ た 。
参加者名簿と本物を見比べた。名は体を表し、体
劇であれば幕が下り、映画であれば画面が暗く
は名を表す。長い名も短い名もあった。
なる。ところで、シンポジウムに終わり方はある
シンポジウム前に参加者名簿を作成しながら気
のかな。プログラムを眺め、終了した項目に1本
がついた。アルファベット書きで1番長かったの
ず つ 赤 線 を 引 い た 。全 て の 項 目 が 塗 り つ ぶ さ れ た 。
がベルランゲ河野紀子さんで20字、1番短かっ
講演者が拍手を浴び、発表者が原稿を閉じ、参加
たのが大井絵里さんでたったの5字。OiEri
者 は 席 を 立 っ た 。私 は 会 場 の 扉 に 鍵 を 掛 け た が 、、、
では味も素っ気も無くなった。生まれて初めて見
「来年はリヨンでやりましょう」と言ったのは
た名前もあった。姓では饗庭(あいば)美佐子さ
1年前のトゥールだった。リヨンはシンポジウム
ん、名では坪井環希子(わきこ)さん。ドイツか
に打ってつけの街だ。時代を遡る。近代化を目指
4
らの参加者の住所で困った。ドイツ語で通りを意
車に同乗、超過勤務をしてもらった。
味 す る ” s tr(stra sse )” は 前 の 言 葉 に 連 結 し た り
ー ーーー ーーー ーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーーーーー ーーー ーーーーーー
しなかったりする。これで四苦八苦した。フラン
もう人通りは絶えた。石堤の下に繋いである
ス 語 の La M ais on de la Cult ure が ド イ ツ 語 で
洗濯の小舟や水浴の屋根舟や橋の礎に激する急流
は K ulturin sti tut と 連 結 し て し ま う 。 ド イ ツ 語
の声のみが心の底に浸むように響く。河下遥かリ
ではフランス語の持つ文化的な意味合いが消え、
ヨン大学の円屋根が黒く聳ゆるあたり、南方行き
筋骨隆々という感じがした。参加者名簿には年齢
の夜汽車の鉄橋を過行くのが見えた。星が二つば
の欄がなかったが、察するところ、別天地ジュネ
かり飛んだ。
ーブから参加された日本語教師大先輩の小根山さ
ー ーーー ーーー ーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーーーーー ーーー ーーーーーー
「ふらんす物語」永井荷風著
ん、最果てのエストニアから来られた高橋さん、
シンポジウム2日目の朝、石川さんを同乗して
私あたりが上の部分ではなかろうか。会場は若い
会場に向かった。環状線を降りるところで、東さ
世代でむんむんとしていた。午前のプログラムは
んたちのグルノーブル組女性専用車に出くわした。
無事消化した。
あの街からの参加者は女性ばかりだった。昨晩の
雨で電柱に張りつけた会場への道標が萎れていた。
参 加 者 は ス ト の 煽 り を ま と も に 受 け 、待 た さ れ 、
遅れ、疲れながらも来てくれた。それでも来れな
シンポジウム会場に着いたとき、コーヒーは既に
い参加者もいた。彼らの分だけ昼食が余った。参
温められクロワッサンは受け皿に盛られていた。
加キャンセルの電話が鳴った。発表を予定してい
山口さんが汗を流して駆けていた。
9時から牧野先生の最初の講演が始まった。著
たレンヌの池田さんは謝罪の電話をくれた。昼食
は同じ建物の4階が当てられていた。山口さんは
名な先生の講演ということで参加者側も必死な構
昼食が始まっても、建物の中を上がったり下がっ
えだった。牧野先生は身軽な人で会場の教壇に音
たりまるでマラソンをしているようだった。昼食
も立てずに飛び乗った。黒板を滑らせるチョーク
が始まって間もなく、リールからアダンさんと野
も軽快そのものだった。1時間半の講演も疾風の
村 さ ん が 加 わ っ た 。私 は ク リ ス ト フ と 話 し な が ら 、
ように過ぎ去った。次の池澤さんは日本語教師に
ワインで喉にチーズを流し込んでいた。山口さん
して置くには惜しい位の声量で自主開発教材につ
はレタスを口に押しやり「じゃ、行って来る」と
いて語ってくれた。ここで昼食時間になった。昼
言い残し、飛び出して行った。牧野先生が空港に
食 に つ い て 一 言 、 食 事 は ” Ins ertion "の 人 た ち に
到着する時間だった。
よ っ て 準 備 さ れ た 。 ” In serti on" は 法 に よ り 処 罰
を受けた人たちの社会復帰を意味する。
午後の発表は瀬賀さん、マレ山崎さん、西尾さ
モードさんだった。発表
午後の講演の一番手は島守さんだった。文法の
者はみんな来ていて揃っていた。興味深い発表が
話に過去の記憶が吹き返し、中学校の教室にいる
続いた。発表者の力量を知っていたから、安心し
気分に陥った。このあと、牧野先生によるOPI
て聞いていた。午後の半ば、野武士のように髪の
生体実験が行われた。教壇の上で愛しい学生クリ
んのリヨン組とイエツ
乱れた山口さんは、黒ずくめの小柄な紳士を同伴
ストフが八つ裂きにされていた。たかが30分ぐ
していた。牧野先生の登場であった。1日目は久
らいだったろうか、シンポジウムを通じて山口さ
保田先生の郷愁を感じる日本語でのワークショッ
んが動きを中断して会場内に着席した唯一の時間
プで終了した。山口さんは台所でコーヒーメーカ
だった。
書を捨て、街に出よう。古代ローマ劇場とリヨ
ーを洗浄していた。
ン旧市街見学。希望者が予定を上回り30人以上
フランス日本語教育シンポジウムには親睦会と
称した「食べ会」がある。この「食べ会」が楽し
に膨れ上がった。山口さんに引率されたグループ
みでシンポジウムに参加した人もいたと言う。こ
が会場を出たあと、石井さんと石川さんと後片づ
こでも山口さんは本領を発揮した。朝は板前、昼
けをした。晩8時頃サン・ジャン大司教教会の前
はタクシーの運転手、晩はレストランの給仕、ま
で山口ガイドに合流した。山口さんは若い女性教
さに怪人3面相。親睦会は陽気な雰囲気の中で進
師に囲まれ益々本領を発揮していた。トラブール
んだ。私は久保田先生、大島さん、山本さん、瀬
の入口で電話をかけている間に、グループを見失
賀さんの近くに陣取った。瀬賀さんの関西弁はど
ってしまった。まるで隠れん坊をしているみたい
ぎつい、難波の人とすぐ分かる。大島さんの関西
だった。この迷路のような路地を抜け、レジスタ
弁 は 丸 み と 柔 ら か さ が あ る 。出 身 は 大 津( 滋 賀 県 )
ンスがナチから逃げ隠れたという話も実感できた。
あ た り で は な い か と 伺 っ た ら 、た だ の 津( 三 重 県 )
ソーヌ河を横切る歩道橋の上、フルヴィエールの
だった。親睦会は11時頃打ち上げになった。外
夜景をバックにグループ全員で斉藤さんのカメラ
は小雨が降っていた。石川さんと共に山口さんの
に収まった。そこからメルシェール通りへひと跨
5
ぎした。「本の都市リヨン」(宮下志郎著)によ
している言語社会学は人間味豊かな学問で観察に
る と 、1 6 世 紀 に は ラ ブ レ ー の 作 品 に と ど ま ら ず 、
重要性を置いていることが分かった。生物学に似
ノストラダムスの「大予言」もこのメルシェール
ている。牧野先生が鈴木孝夫の名前を挙げられた
通り界隈で印刷されたと記されている。現在はレ
ことにも合点が行く。牧野先生はクラシック音楽
ストラン街になっているが、夜の蝶たちが活動し
と建築を愛し、健脚家と伺った。耳を澄まし、目
ていた時代もあった。
を凝らし、歩く姿は言語社会学者。形而上的な言
土曜日の晩、メルシェール通りのレストランは
語学などくそ食らえ、観察だ実践だ。書を捨て、
どこも一杯だった。グループ全員では席は取れな
村に行こう。ボジョレに行こう。久保田、牧野、
いと分かり、小グループに分散した。結局、我々
島守、瀬賀諸先生方は舌鼓を打った。山口さんに
は雨にも寒さにもめげずテラスで食事を取る羽目
続け、走れコウイチ。山口さんは一路ボジョレに
になった。牧野先生、高橋さん、大井さん、中島
車をぶっ飛ばした。
さん、山本さん、大島さん、瀬賀さん、クリスト
4月9日、牧野先生はパリに赴いた。2日間の
フ君、山口さんたちと身を寄せ合って食卓につい
パリ滞在のあと、リヨンに戻られた。帰国便がリ
た。大柄の瀬賀さんとクリストフ君は一番外側、
ヨンから出るためだ。ペラッシュ駅に行き、山口
ついたて役をしてもらった。給仕は気を利かして
さんとパリからのTGVを待った。TGVは着い
天幕を張り出し、ガス灯型のストーブを点けてく
たが、牧野先生は着かなかった。前の駅でTGV
れた。頭上から熱が伝わるので、まさに頭寒足熱
を降車したらしい。山口さんと瀬賀さんと3人で
の反対だった。ちなみに、日本で最初のガス灯は
牧野先生の宿泊予定のホテルの前で待っていると、
1872年にフランス人技師ペルグランによって
遠くから牧野先生が手を振りながら急ぎ足でやっ
横浜で灯された。ワインとストーブで熱くなった
て来た。山口さんが安堵した。教師業はまさに人
頭をたたいたら、文明開化の音がした。牧野先生
情の世界だ。
はリヨン名物料理クネルを賞味された。なにかと
4月12日、牧野先生のアメリカへの帰国日。
聞かれたので、フランスの竹輪だと答えた。急に
早朝、ベルクール広場に近いホテルに先生を迎え
おでんが食べたくなった。11時を過ぎたという
に行った。私がハンドルを握った。山口さんは更
のに、メルシェール通り界隈は人通りが絶えなか
にリヨン案内を続けた。後部席では牧野先生と島
った。街灯で照らされたところだけ小雨が降って
守さんが感心したように頷いていた。サン・テグ
いた。山口さんはみんなと小雨の方へと歩いて行
ジェペリ・リヨン国際空港に無事到着した。リヨ
った。
ンは「星の王子さま」の作者の生まれ故郷だ。鳥
ーーー ーーーーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーーーーー ーーー ーーーーー
が翼を広げた形をした建築物はスペイン人カラト
日 が 暮 れ て き た 。窓 が 既 に 灰 色 に か す み は じ め
ラ バ の 作 。鉄 橋 の ア ー チ を 外 側 に 傾 け た み た い だ 。
る。リヨン特有の黄濁した霧がそろそろソーヌ、
終わり良ければすべて良し、少なからず失敗もあ
ローヌの両河から這いあがる季節がやって来たの
ったが、参加者全員のお陰で、なんと言っても山
だった。
口さんのお陰でここまで来た。空港の地下駐車場
「白い人」
遠藤周作著
ーーー ーーーーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーーーーー ーーー ーーーーー
に車を止め、出発ロビーに向かった。ロビーで旅
シンポジウム3日目の朝、クロワ・ルッスで石
行カバンを持ったツーリスト風の日本人女性が山
川さんと落ち合い、8時半ごろ会場入りした。昨
口さんに挨拶をした。山口さんは立ち止まって返
朝のごとく、コーヒーは既に温められクロワッサ
礼をした。ガイド業はまさに義理の世界だ。
ンは受け皿に盛られていた。山口さんは動の状態
ー ーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーー ーー
フランス! ああフランス! ー 略 ー 旅人の空
に入っていた。OPIワークショップは9時に開
始した。3日目になり、会場には同じ任務に携わ
想と現実とは常に相違すると云うけれど、現実に
る者同士の繋がりが生まれ始めたようだった。私
見たフランスは見ざる時のフランスよりも更に美
は講演と発表の始まりと終わりには会場内にいた。
しく更に優しかった。
「ふらんす物語」永井荷風著
この日のワークショップは途中休憩を挟み計3時
間。会場内にいたのは、やはり始まりと終わりの
ー ーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーー ーーー ーーー ーーーーーーー ーーー ーー
み、キセル参加とでも言えようか。会場外で飲み
牧野先生は島守さんと別れの挨拶を交わしてい
物の準備に追われる山口さんの動きに一つのパタ
た 。山 口 さ ん は 旅 行 カ バ ン を 積 ん だ カ ー ト を 押 し 、
ーンができ上がっていた。
私 は そ の 後 方 を 足 を 引 き ず る よ う に 歩 い た 。駆 け 、
殆どの参加者は2日間、6時間に及ぶ牧野先生
飛び、動き回った山口さんに疲れが出ていた。出
の講演とワークショップに聞き入り、反応した。
国ゲートに通じる自動ドアが開いた。ボジョレを
言語学の知識が皆無な私にも、牧野先生が専門と
詰めた旅行カバンは透視機を通過したが、牧野先
6
生は金属探知コントロールで引っかかった。レイ
この日最後には日本語ビジネス試験を行っている
ンコートのポケットになにか入っていた。先生は
JETRO から試験の概要説明、また日本の地方自治体など
静かに黒い筒をとり出した。拳銃ではなくて折り
に青年を派遣する JET プログラムを推進している CLAIR
たたみ傘だった。傘を持った手を高く振りながら
Paris の事業説明があった。
笑顔でなにか語りかけていた。突然、自動ドアが
<2 日目>
閉まった。牧野先生が消えた。私たちはその場に
この日最初と最後のプログラムは牧野先生による OPI
残された。こうしてシンポジウムは終わった。
(会話能力測定法)の紹介と実践で、まず午前中にこのテ
ストの概要が示され、午後には判定のし方が紹介された。
日本語教育シンポジウム
日本語教育シンポジウム(
シンポジウム(リヨン)
リヨン)について
この測定法によると、学習者は初級、中級、上級、超級の
酒井
いずれかのレベルに判定されるが、各級は更に上・中・下
理恵
の 3 つのレベルに細かく分かれている。このテストは与え
<はじめに>
られたタスクをいかに遂行できるか、言い換えができるか、
6 日(金)から 4 月 8 日(日)にかけて、リヨンにおい
て日本語教育シンポジウムが開催された。フランス日本語
どのようなスピーチレベルを使いこなせるかなどの点を
教師会としての 3 回目のシンポジウム開催に、フランス国
中心に、受験者レベルの限界またはそれを超えると思われ
内のみならず、ケルン、ルクセンブルグからの参加者もあ
る点をつつきながら(
「突き上げ」)、受験者のレベルを判
り、約 50 名が参加する規模の大きな物となった。今回の
定するもので、課ごとの文法事項や語彙の定着率を測るよ
シンポジウムでは会員から 5 名の発表者のほか、ケルン日
うな範囲の決まったテスト(
「学習効果テスト」
)とは違い、
本文化会館に国際交流基金より専門家としていらっしゃ
今まで習った日本語を使って、どういうことができるかと
っている久保田美子先生、リヨン第 3 大学から島守玲子先
いうタスク能力を測るテスト(
「達成度テスト」)である。
生、「日本語基本文法辞典」を始めとし多数の著書がおあ
午後の実践では午前に学んだ OPI を使って、実際に目の
りになるプリンストン大学の牧野成一先生をお迎えして
前でフランス人の日本語学習者を受験者にして牧野先生
おり、参加者にとって、言語学的な面からの日本語のさま
による模擬テストが行われた。
ざまな現象の考察、具体的な教授法、評価法など、日ごろ
また、この日の午前中には池澤先生が ”La methode
教壇に立っているときになかなか 1 人ではカバーしきれ
immediate” に基づき作成なさった教科書を、授業風景を
ないこれらのさまざまな問題に触れ、考える機会を与えら
写したビデオと共に紹介する発表をされたほか、午後には
れたことは参加者にとって有意義なことであったに違い
島守先生が日本人が習う国文法と、外国人が日本語を外国
ない。以下にシンポジウムの進行を日別に紹介する。
語として学習する際の文法を歴史的な観点を交えてわか
りやすくお話し下さった。
<1 日目>
<3 日目>
開会式のあと、まずケルン日本文化会館に国際交流基金
最終日 3 日目には牧野先生によるワークショップが行
から専門家としていらっしゃっている久保田先生の講演
があった。テーマは日本語能力試験と OPI の結果の相関
われた。前日にお話頂いた OPI を使って、どのように受
性についてであり、最近の研究では級が上がるにつれ、2
験者のレベルを判定するのかを、参加者が体験するもので
つの評価には相関関係があるということが示されている
ある。牧野先生が今までに実際なさったテストを録音して
というものであった。
あるものを 2 本聞き、レベルの判定をしてみるものであっ
続いて、参加者からの発表に移る。残念ながらシンポジ
た。正式なテスターになるには、講座を受け、自分が教え
ウムの数日まえから始まった国鉄のストライキのためレ
たことのない学生を被験者にテストを行ったものをレベ
ンヌからいらっしゃって発表する予定だった池田先生が
ル別に数本ずつ録音、判定したものを本部に送らねばなら
到着できず、発表者は 1 名減の 4 名となった。学習者が作
ず、定められた基準に基づき客観的に判断できるようにな
文においてどのような連体修飾節を用いるかを、日本語母
るには相当な訓練も必要になるが、学習者の日本語でのタ
語話者のそれの使い方と比較した研究をなさった瀬賀先
スク遂行能力を測るものとして、日本語能力試験以外にも
生、電話回線を用いて行っている遠隔授業を紹介してくだ
もっと普及してよいテストであるように思われた。
さった山崎先生、終助詞を「質問」
、
「説明」、
「依頼」など
<個人的感想>
の機能別に分け、それらの使われ方の比率を研究された西
尾先生、「ようだ」と「らしい」の使い分けの研究をなさ
一口に日本語を教える、といっても教授法、評価法、文
ったモードさんの 4 名がこの日に発表をされた。その後久
法の解釈などさまざまな方法があります。しかし、私に限
保田先生から「会話能力を伸ばすための工夫」と題したワ
って言えば、授業の準備をし、教壇に立って授業を行い、
ークショップが行われ、ゲームやロールプレーを使った発
宿題の採点をしているうちに、あっという間に時間が過ぎ
話を促す具体的な方法が実演を交えて紹介された。
てしまい、授業の進め方も慣れているやり方に頼りがちに
7
レストランで親睦会でした。楽しい夕べでした。
なり、自分のやっていることを客観的に見たり、他のやり
4月7日二日目、今回はアメリカからこのために、わざ
方を試してみたりする余裕がなくなっていることを実感
しています。シンポジウムに参加することで、知識を得、
わ ざ ご 参 加 く だ さ っ た 牧 野 成 一 先 生 の O P I (Oral
それを応用、加工し、授業に取り入れて生かすことで、そ
Profeciency Interview)についての勉強が出来た事大きな収
こから新しい発見をし、それを報告し合う、という建設的
穫でした。これはACTFLといって、アメリカで色々な
な循環を作ることもシンポジウム開催の目的の一つだと
外国語を学んで居る人々に、それぞれの外国語の会話能力
思います。シンポジウムに参加して得たものを自分の授業
を測定する為に開発された物を牧野先生が日本語の会話
に活かせるかどうかは自分次第。どこまでも精進が必要で
能力測定の為に開発なされ、現在はかなりの人数の方がO
すね。
PI会話能力のテスター(試験官)の資格をもっていらっ
しゃるそうです。牧野成一先生の「OPI(会話能力測定
法)の紹介」がありました。
その後、池澤明子先生「Laméthode Immédiate、マンツー
第3回日本語教育シンポシウム
回日本語教育シンポシウム(
シンポシウム(リヨン)
リヨン)の感想文
マンから大人数まで、会話クラスを有効に運営する方法」
ルクセンブルグ大公国
ルクセンブルグ大公国
の紹介でした。これは直ぐ授業で練習に使える画期的なも
リンスター正子
リンスター正子
のでした。50冊以上買うとかなり割安になるということ
なので、どなたか注文する方がおられたら私も一緒に注文
今回はフランスのリヨンの理工科大学でシンポシウム
させて貰いたいと思いました。
がありました。リヨンは大都会で今年始め頃に新設された
路面電車が走っていて、地下鉄もあり、便利な町でした。
それから、島守玲子先生の「国文法と日本語文法」の講
私の住んでいるルクセンブルグと較べると羨ましいほど
演では、江戸時代の国学者本居宣長、明治時代の山田孝雄、
の良い環境に恵まれた大学都市のように見受けられまし
松下大三郎、時枝誠記、橋本進吉、その後、三上章、寺村
た。ところがフランスの国鉄のストライキが重なった為、
秀夫などの歴史的国文法についてと、これからの日本語教
4/6(金)の朝はまだ皆そろっていず、自己紹介の時はま
育の目指す日本語文法などについて、OHPで沢山説明を
だ着いていない人達が多かったようです。結局60名ぐら
してくださり、大変役に立つお話を聞かせていただきまし
いの方々がフランス、ドイツ、スイス、エストニア、ルク
た。
その後の、牧野成一先生の「OPI(会話能力測定法)
センブルグ、アメリカなどから参加していたようです。
最初に開会式と挨拶があり、そのあと、ケルン日本文化
の実践」では、リヨン理工科大学の学生のクリストフさん
会館からご参加くださった、久保田美子先生の講演「OP
を被験者にした、OPIの実践を実際にご披露いただきま
I評価と日本語能力試験得点との関係」という内容でプリ
した。そのあとで、どの様に判定をするのかなどの詳しい
ントを沢山ご用意くださいました。これは、国際交流基金
説明が有り大変興味深く、色々と勉強させていただきまし
日本語国際センター(浦和)で、非母語話者日本語教師研
た。
修における例として、被験者は32カ国89名の方々に対
二日目の夕方はガイドの山口剛一先生がすべて日本語
して、OPIと日本語能力試験の両方を実施されたときの
で説明してくださる、リヨン市内見物に連れて行ってくだ
事が色々と説明されておりました。分析の結果は、「OP
さいました。旧市街の古い建物のあいだあいだにプライベ
Iの評価と日本語能力試験の結果には穏やかな相関があ
ートな細い通路が迷路のようにそこここにあり、ガイドの
る。」が、ただし、
「日本語能力試験の「聴解」の結果とO
人のみ知っている、暗号数字のボタンを押すと扉が開くと
PIの結果との相関は低かった。」というとても興味深い
いうのは、自分ひとりで行った時には通り抜けられない所
内容でした。
でした。中世の雰囲気に満ち溢れた町並みで、ルクセンブ
ルグの旧市街と何か非常に似通った雰囲気を感じました。
発表もそれぞれとても関心深く聞きましたが、マレ山崎
比彩乃先生のビデオを見ながらの「テレビ会議システムに
リヨン市もルクセンブルグ市もユネスコ世界文化遺産に
よる日本語教育」の発表では、フランスは日本語教育に経
指定されていて昔のたたずまいが良く残されている、共通
済的にも本腰を入れているのだなという印象を深くしま
性を感じました。登山電車のようなのに乗って丘の上の大
した。ルクセンブルグに居る私から見ればとても羨ましい
きなドーム Basilique Notre-Dame de FOURVIERE の所から
内容でした。
リヨン市全景を眺められたのは見栄えがしました。
そのあとで、久保田美子先生のワークショップ「会話能
(4/8)三日目はOPIのワークショップ「日本語における
力を伸ばす為の工夫」では、プリントを沢山用意されてお
会話能力の測定とその技法」でした。被験者に30分でイ
り、その中のあるページを「今すぐ読んで下さい。」とい
ンタビューをして、その会話能力を初級の上、中、下、中
われ「今読んだ所にどんな事が書いてあったか今此処に居
級の上、中、下、上級の上、中、下、超級に分ける判定は
なかった丹羽先生に説明してください」と言われ、私があ
かなり難しく思いました。実際に牧野先生がインタビュー
たってしまい説明しなくてはならず、冷や汗をかきました。
した、テープも何本か聞かせていただき、我々もすぐに、
一日目は Jetro Lyon と Clair Paris の説明を最後に夕方は
初級、中級、上級、の上、中、下とか超級とかを判定しな
8
の違った集合体の全体あるいは一要素を表す。そして、次
ければならないのは、簡単な事ではないと思いました。牧
野先生のOPIのテスター(試験官)になるための講習は
の3つのケースが考えられる。
9人以上ならフランスででもできるそうです。料金は90
①
A は集合体1の全体、B は集合体2の全体
例
0ドルぐらいだそうです。三日間のリヨンでのシンポシウ
②
ムは言葉で表せないほど本当に充実していました。参加者
例
の先生方も質問を活発にしておられて、とても活気に満ち
すべての子供は天使のようだ。
A は集合体1の一要素、B は集合体2の全体
この狼の子は犬のようだ。
③ A は集合体1の一要素、B は集合体2の一要素
た良い雰囲気でした。
例
丹羽恭男先生始め、色々な方々が準備から進行など見え
この子は父親のようだ。
ない所でのご努力、お骨折りのおかげさまでこれだけの素
2)A(名詞 or 名詞句)は B(名詞 or 名詞句)らしい
晴らしい内容の学びをさせていただきました事、感謝に耐
の「らしい」は1つの集合体の全体とその集合体の中の一
えません。日本人の人々の組織力や協力体制の素晴らしさ
要素との関係にあり、その全体または一要素が集合体のす
を再認識しました。たいへんありがとうございました。
べての特性を備えているということをあらわす。この場合
も次の3つのケースが考えられる。
① A は集合体1の一要素、B は集合体1の全体
例
特 集 «3»
この猫は猫らしい猫だ。
② A は集合体1の一要素、B は集合体1の一要素
例
③
日本語文法を
日本語文法を語ろう会
ろう会 第2回 報告
この狼の子はあの狼の子らしい。
A は集合体1の全体、B は集合体1の特性
例
人間は人間らしくする。(この例文は今回の参加
者から出たもの)
「日本語文法を
日本語文法を語ろう会
ろう会 第2回」レポート
今回の会ではこの分析で終わったが、シンポジウムでの
発表の折、牧野先生が次のような解釈を成された。体言に
石井陽子
続くこの用法は、「ようだ」に関しては2つの違う集合体
との類似性が問題なのでメタファー(隠喩)が可能であり、
「日本語文法を語ろう会第1回」に引き続いて今回も
「らしい」の場合は1つの集合体内部の関係で、その集合
「ようだ・らしい」がテーマだった。第1回ではこの2つ
体が持つすべての特性を備える理想的モデルを示すとい
の助動詞の推量(conjecture)を表す用法について勉強し
えるということだ。
たが、今回はこれに加えて、これら助動詞が体言の後に来
モードさんは「ようだ」と「らしい」の各々3つづつ計
たときの用法で、
「ようだ」の場合は類似(ressemblance)
、
6つのケースを明快な図解にしている。これは我々が教室
「らしい」の場合は“~にふさわしい”の意味を表す用法
で説明するのに大いに活用できるというのが参加者達一
について勉強した。リヨンのシンポジウムでモードさんの
同の意見だった。(この図解をお望みの方は事務局を通し
発表を聞いた者にはなから重複するものとなったが、今回
てモードさんよりコピーをいただける。
)
の「語ろう会」参加者の中ではモードさんの発表を聞いた
推量の用法については今回は時間が足りず充分検討で
のは筆者1名だけであった。
きなかった。しかし、この問題は既に前回で取り扱われて
「語ろう会第1回」との相違は、今回はモードさんが用
おり、前号の「便り」(8号)で田島さんが的確にまとめ
意してきてくれた「ようだ・らしい」の図解入り仏文要約
ている。
(例文は載っていない)に沿ってフランス語でほとんど説
今回の勉強会で問題になったことは例文が自然でない
明されたことだ。それは文法事項を説明する際のフランス
と言うことだった。モードさんによると、このような例文
語での文法用語も知りたいという前回の参加者達の希望
はコンテキストなくして出す文なので、不自然になりがち
に答えてくれたものだが、この仏文要約がやや言語学的な
だ。そこでモードさんが我々日本人教師に期待することは
アプローチだったので、参加者たちは多少とまどいを覚え
上記の各ケースに相当する自然な例文を提供する、そのよ
た。モードさんの説明と例文と図解を通して理解したとこ
うな作業だ。実はこれが次回までに我々に科された宿題な
ろを仏文要約をもとにここにまとめてみよう。例文はモー
のである。そして、モードさんの例文のない仏文要約に肉
ドさんが用意した前回の時のコーパス(例文集)とシンポ
付けをし、「語ろう会」作成の「ようだ・らしい」文法カ
ジウム発表のときのコーパスを使用した。
ードを完成していきたいというのがモードさんの希望す
まず、体言の後に来るときの用法から始めよう。
るところである。
1)A(名詞 or 名詞句)は B(名詞 or 名詞句)のよう
次回はモードさんの専門とする推量の助動詞(かもしれ
だ の「ようだ」は2つの違った集合体間の類似
ない、だろう、にちがいない、そうだ等)を扱う。
(ressemblance)を表す。A と B は共通点を持った2つ
《語ろう会で使われた文法用語リスト》
9
命題 proposition
前提 prémisse
よりふえています。市民講座の問題点は、少し日本語がで
帰結 conclusion
推定 inférence
きるようになっても、それを学校以外のところで実際に使
断定 assertion
推量 conjecture
ってみる場や機会がない、JUNKU など日本の本屋へ行って
類似 ressemblance
みても、日本の一般書籍の中に、日本語学習者でも簡単に
読めるものが無い、ということです。
学 校 紹 介
コ ラ ム
パリ市民講座
パリ市民講座
情報提供 石田清子
日本語教師、
日本語教師、私の場合
(文責 アレ総子
アレ総子)
総子)
パリ市民講座(Cours municipal d’Adultes, Ecole de
サジェストペディアに
サジェストペディアに深入りして
深入りして今
りして今まで
Langue) に日本語が開講されたのは、1988年前後のこ
と。現在教師数は日本人5人、フランス人3人、初心者を
松本美栄子
Niveau 1 として Niveau 5 まで、それぞれ週2時間授業を
行っています(Niveau 1 と Niveau 2 のあいだに、わずか
今から考えると苦労ばかりだったと思える日本語教師
でも日本語の単語を知っているとか、独学で少々やったこ
ですが、好きなことだけをやってきたというのも、正直な
とがある、とかいう人のための Faux Débutant というレベ
感想です。
ルを設けています)。教科書は”Parlons japonais”を使用、
日本語に関係する前は、技術通訳として、アルジェリア
これは Niveau 4 の途中で終わりますので、あとは担当教
で仕事をしていたのですが、2 週間現地滞在は、子供をそ
師が適当に教材を選ぶようになっています。
だてるには難しく、別の生計の道をさがしていたところに、
レベル別の生徒数は、
今学年度の数字で Niveau 1 に 150
ルノーで日本語を教えることになり、本格的に方向を変え
人、Faux Débutant に 50 人、2 に 60 人、3 に 30 人、4に
ることにしました。このように自分自身の都合もあるので
25 人が登録しています。Niveau 5 は今年は希望者が少な
すが、通訳の仕事のなかで、「もっと両方が相手の文化に
かったので、開講できませんでした。1 の登録者数がやは
理解があれば、うまくいくのに。」と思う機会がいくらも
りいちばん多いです。開講当時に比べるとレベルの種類も
あり、ことばを学ぶことを通して、相互の文化理解ができ
ふえ、したがって日本語への登録者の全体数もふえている
るのではないかと、常々考えていました。
と言えます。登録者の多いレベルは 30 人ぐらいづつにク
そのころ、いくつかの、語学学校へ履歴書を送ったとこ
ラス分けします。年度末の6月にレベル別の試験があり、
ろ、Ecole francaise de suggestopedie から、返事があり、校
Certificat de capacité を授与します。レベルの設定は
長 Fanny Saferis に会いにいきました。彼女がサジェストペ
市民講座独特のものなので、日本語能力試験などとの関係
ディアをフランスに導入した人です。きさくで素敵な人で、
で客観的に定義することはむずかしいです。生徒にはどん
彼女が書いた、「Revolution dans l'art d'apprendre」を貸して
な人が来るかというと、これは高校生、大学生、失業者、
くれ、もしこんな学び方に合意するなら、日本語のコース
主婦、働いている人(職業は様々)、定年退職者などいろい
を創らないかということになりました。この本は、学ぶと
ろ。男女比率はほぼ半々、なにしろ授業料は年間 500 フラ
いうことに関して、当時の視点から見ると新しいところに
ンと破格の安さ、授業時間は夜ですから、どんな人でも参
目をむけたもので、「苦しみながらまなぶのではなく、楽
加しやすいわけです。(ちなみに、この学校では1年間 500
しいから、学ぶのだ」という、方向を真っ向から出してい
フラン払えば外国語を何か国語でも受講し放題)。動機は、
ました。私のように、自分で納得したことしかできない人
日本文化に興味がある、日本人と結婚している、日本人の
間にとっては、合意どころか、こちらが言いたいことを言
女ともだちがいる、日本に行ったことがある、日本に行っ
ってくれているようで、すぐ同意の電話をいれました。
てみたい、仕事で日本人と関係がある、などこれまた様々
それから、長いサジェストペディア勉強の道が始まりま
です。授業時間の制約もあって、日本の文化紹介の講座は
す。まず、私の研修。時間のゆるすかぎり、ほかのサジェ
特に行っていません。
ストペディア教師の授業を見学しました。カトリーヌのフ
最近の傾向としては、受講者の年齢層が若くなってい
ランス語クラス、ロニーとジュディットの英語クラス、ベ
ること、そして日本に行きたいという人では、単なる観光
アトリックスのドイツ語クラス。同時に、メソッドの創始
旅行ではなくしばらく日本に住んでみたいとか、できれば
者ブルガリア人ロザノフ氏の書いた本、その他サジェスト
日本で仕事をしたいという若者をよくみかけるようにな
ペディアについて書いた本をかたっぱしから読みました。
りました。講座を受けた後で、実際に日本へ行く人は以前
ブルガリアのソフィアでの教師トレーニング申請もしま
10
した。これは、フランス・ブルガリアの関係が悪くなって
グループの仲間がいたから。日本語でのサジェストペディ
いるころで、実現できませんでした。新しい教授法を学ぶ
アに興味をもってくれる日本人教師がいたらと、思って声
のはまず自分がそれで学んでみなければ本当にどういう
をかけたこともあるのですが、長い養成期間
過程で、言語修得が行われているかわからない、というこ
(sensibilisation)が必要なこと、サジェストペディア自体、
とで、
5 週間のスペイン語クラスに学生として入りました。
教師にとって、効率の良くないもので、強く勧めにくいこ
今でも、一緒に、仕事をしているミルタが先生です。スペ
となど、(たとえば、教室の学習環境創りに、時間がかか
イン語を 0 から、始めたのです。この時の経験がいまだに、
る。毎日、少なくとも30分まえには教室に行って、心の
私の教師生活のサポートになっています。言語学習は、私
準備が必要なこと。毎日、前日との内容調節が必要なこ
の場合、フランス語からスペイン語ではなく、日本語から
と。。
。)が、加わり、結局ひとりで、手作りで、やってき
スペイン語であること。母国語の大切さ。文型が分かって
ました。時々、こつこつと集めてきた教室用材料が消えて
いるからといって、コミュニケートできるわけではないこ
なくなるのかと残念に思うときもありますが、しかたのな
と。外国語を話すことの自信・モチベーションの大切さ。
いことなのでしょう。
現在、サジェストペディアを使って、日本語ではなく、
学ぶことの楽しさ。
。。この体験を経て、今度は、1 週間 30
時間の教授法トレーニングコースに参加。サジェストペデ
“日本文化入門”または“インターカルチャー日仏”を進
ィアについて、理論を学び、その主なテクニックを学び、
めていますが、もっと、その形をより効果的なもの、より
テキストの書き方を学ぶびました。日本語のコースを本格
深いものにしたいと、勉強をしているところです。
的に、創る段階に入り、同僚のサジェストペディア教師の
助けを受けて、テキスト作成にかかりました。その途中で、
内部問題により、Ecole francaise de suggestopedie を離れ、
掲 示 板
数人の教師と Geste グループを立てました。それからは、
何もかも自分でやらなければならなくなったのです。生徒
集めから、教室のレンタルまで。もちろん Geste のメンバ
ーが助けあうのですが、各自自分のクラスを編成するのに
◇ 教材出版のお知らせ
手一杯で、日本語学習者特有の問題は、私がやらなければ、
学習者も教師も自分自身として「現実の会話」をしながら、
だれもやってくれません。サジェストペディア・コース:
日本語会話を学べる教材「日本語で!!」①/②を出版し
1 日3時間 30 分の授業で、週5日、これを 4 週間で、合
ます。フランスでの日本語教育事情に合わせた教材です。
計70時間を集中的にやるわけです。こんなクラスを企画
9月中に郵便でお送りできる予定です。1 冊からお申込み
してくれる、既存の学校がなく、でも、これをやりたいば
を受付けております。池澤明子 IKEZAWA Meiko(パリ第
かりに、ここ10年間、パンフレットつくりから学生集め
7大学)/Tel /FAX:01.39.79.45.16 / 7,bd. Victor Hugo
まで、自分でやってきました。いまは、嫌いな人集めの仕
78300 Poissy /almafj@club-internet.fr
事をやる気力がなく、オーガナイザーがそこまでやってく
れるフィンランドの夏大学“日本語サジェストペディアコ
◇ リヨンで紹介された池澤明子さんの本を買いたいので
ース”と、カーンで行われる Belc-Ciep フランス語教師研
すが、まとめて注文すると安くなるので、購入ご希望の方
修の“サジェストペディア教授法”にだけ、本格的なサジ
はどうぞ私の所にご連絡下さい。「便り」に申込書を同封
ェストペディアを使っています。サジェストペディアは、
します。岩月真由子/Tel:01 49 65 09 79
虚構であるけれど、会話の場面をはっきりさせて、進める
ので、(日本語を話す外国人を含め日本人が世界から日本
◇ DIKO の見本を差し上げます。
で行われる国際会議に参加するという設定)たとえば、
フランス語圏の日本語学習者の為につくられた仏和・和仏
「どうも」と「ありがとう」の使い分けなども、場面のな
辞典(定価 280 フラン)の見本を、当教師会の会員の先生方
かで、はっきりしてきます。教師を含め、参加者皆で、共
に差し上げます。生徒さん方にご推薦下さい。一冊に付き
有の時間を綿蜜に創って行くという感じです。学習者は
15%割引させて頂きます。http://kotoba•free•fr
12 名ですから、教師は、グループ全体の言語能力向上と
同時に、各自の個性・特質の向上とのバランスを考え進め
◇「日本語初歩」国際交流基金出版(1957 円)を 90 フラン
ることができます。なんと、多くのエネルギーをこれに費
で売ります。日本で買いましたが、余っていますので。石
やしてきたことか、と思います。これは、ひとえに、GESTE
川弓子/Tel:01 48 06 74 07/Fax:01 43 38 7604
11
フランス日本語教師会便り 第9号
発行:2001年5月発行
発行人:フランス日本語教師会
Association des Enseignants
de Japonais en France (AJF)
2, impasse Archin,
92240 Malakoff
Tél
: 01 46 55 04 22
Fax
: 01 46 57 39 44
Email : ishii-li@wanadoo.fr
12