長崎大学病院におけるモニタリング の実施について H27年10月23日 臨床研究に関する研修会3 はじめに • 研究責任者は侵襲、介入を伴う研究を行う場 合には、信頼性を確保するために研究計画書 にモニタリングの実施体制について定める必 要があります。 【モニタリングの対象となる研究】 介入あり 介入なし 侵襲あり 軽微な侵襲を除く 必須 任意 侵襲なし または 軽微な侵襲 任意 任意 モニタリングとは • 研究が適正に行われていることを確保するた め、研究の進捗状況、研究計画書や各手順書、 関連法規、指針に従って行われているかを研 究責任者が指定した者に行わせる調査のこと モニタリングの実施は研究責任者の責務です 研究責任者は何をすればいいの? STEP1 • 研究責任者は研究計画の複雑さ、位置づけ、 リスクに応じてモニタリングの実施体制、方法 を検討して下さい。 【参考】 臨床試験のモニタリングと監査に関するガイドライン モニタリングに関する標準業務手順書 モニタリング実施に関する手引き モニタリングレベル判定フロー図 モニタリングレベル判定フロー図 侵襲・介入を伴う研究 yes No モニタリング/監査:不要 医師主導治験 No yes レベル 1 GCP遵守 モニタリング データマネジメント 監査 ○ ○ ○ ○ 下記のいずれかに該当する研究 ・先進医療 ・未承認の医薬品を用いる研究 ・新規性が高い研究(※) ・安全面で注意を要する研究(※) ・特に高いデータの信頼性を要する研究(※) yes レベル 2 (※)研究責任者の判断 モニタリング ○ データマネジメント ○ 監査 △ No レベル 3 モニタリング 監査 ○ △ レベルに合わせたモニタリング方法(例) レベル 1 2 3 モニタリング項目 サンプリ ング率 ・臨床研究開始前 ・同意取得時/登録時 ・Visit/評価時 ・SAE発生時 ・症例終了時/中止時 ・研究全体の終了時 ・倫理委員会手続き発生時 ・同意取得 ・重篤な有害事象 ・症例報告書(全項目) ・関連規制・プロトコル遵守 状況 ・倫理委員会手続き 全症例 全項目 ・同意取得時/登録時 ・初回投与時 ・SAE発生時 ・症例終了時/中止時 ・研究全体終了時 ・同意取得 ・重篤な有害事象 ・症例報告書(適格基準、 主要評価項目、副次的評 価項目) ・関連規制・プロトコル遵守 状況 外部委託 など ・同意取得時/登録時 ・初回投与時 ・SAE発生時 ・研究全体終了時 ・同意取得 ・重篤な有害事象 ・症例報告書(適格基準、 主要評価項目) ・関連規制・プロトコル遵守 状況 診療科内の モニタリング担当者 自己点検 実施頻度/タイミング 実施者 外部委託 など 高 低 モニタリング実施体制を検討する際の注意点 • 単施設の場合 • 研究資金、研究の内容を考慮し、実施可能な範囲でモニタリング 計画を立てて下さい。 • 多施設共同研究の場合(長崎大学病院が主幹施設) • 参加施設の現状を把握した上でモニタリング計画を立てて下さい。 • 多施設共同研究の場合(長崎大学病院が参加施設) • モニタリングの実施体制等について十分確認して下さい。人員や 資金の関係で主幹施設が定めたモニタリング計画に対応できな い場合はその研究に参加する事は出来ません。 研究責任者は何をすればいいの? STEP2 研究責任者は決定したモニタリングの実施体 制、方法について研究計画書に記載するか、 別途モニタリング計画書を作成して下さい。 【記載が必要な項目】 ① モニタリングの実施体制 ② モニタリングの手法 ③ モニタリングの実施内容(項目と内容) ④ モニタリング結果の報告に関する記載 ⑤ 不正に関する記載 ⑥ モニタリングの質の確保に関する記載 ⑦ モニタリング計画の変更に関する記載 ①~④については必ず記載 ⑤~⑦については研究ごとに 検討して下さい。 研究責任者は何をすればいいの? STEP3 研究責任者はモニタリング担当者(モニター)を指名 して下さい。 【モニターの要件】 • 臨床研究に関する倫理的原則を理解し、モニタリング業務に必 要な科学的、臨床的知識を有している • 当該研究が準ずる法律、規定について十分に理解している • 研究計画書、研究対象者への説明文書、各種手順書等を十分 に理解している 研究責任者はモニタリング担当者名簿を作成し、 コピーを一部、臨床研究センターへ提出して下さい。 研究責任者は何をすればいいの? STEP4 研究責任者はモニタリングに必要な書類等をモ ニターに提供して下さい。 (研究計画書、手順書、症例報告書等) 研究責任者はモニタリング終了後、モニターが 作成し、提出したモニタリング結果報告書を確 認し、必要に応じて措置等を講じて下さい。 多施設共同研究等で 外部のモニターが入る場合 • 多施設共同研究に参加し、主幹施設よりモニ ターがモニタリングに来る場合は下記の手順 に従って下さい。 研究責任者は事前にモニターの電子カルテIDを 申請(1人1申請)して下さい。 (注意)発行されたIDは研究責任者等が管理し、外部モニターには通知 しないで下さい。 初回モニタリング開始前までにモニターに『個人情 報保護に関する誓約書』に署名してもらい総務課 (総務)へ提出して下さい。 外部モニタリングについて • 質の高い臨床研究を実施する場合、モニタリン グに関しては独立性なども考慮する必要があり ます。 • レベル1、レベル2の研究の実施を予定している 研究者は外部のモニターを雇用する事について も検討して下さい。 • AMEDへ申請する場合、外部スポンサーと委受 託契約を行う研究を実施する際にはモニタリン グに係る費用についても十分に検討し、積算し て下さい。 モニターに指名されたら? • モニタリングを担当する研究の内容を確認し て下さい。 • 研究計画書あるいはモニタリングに関する手 順書に従ってモニタリングを実施して下さい。 • モニタリングの手順などについてわからない 事があれば直接、研究責任者へお問い合わ せ下さい。 モニタリングに必要な書類 • モニタリング計画書 (研究計画書にモニタリングについての詳細が記載されていれば不要) • モニタリング担当者指名書 • モニタリング結果報告書 各種ひな形が臨床研究センターのHPにあります。 必要に応じてご利用ください。 モニタリング支援について 臨床研究ユニットでは実働としてのモニタリング 業務(モニター業務)の支援は行っていません。 • モニタリングについての相談は随時受け付けて います。 • モニタリング実施までのサポートを行います。 ⇒実施体制についての相談、検討 ⇒関連書類の作成支援 等 相談窓口 臨床研究センター 臨床研究ユニット 内線 : 7726 mail : rinshou7726@umin.ac.jp 研究を立案する初期段階、多施設共同研究 を引き受ける前に一度ご相談下さい。 1.ひな形について 2.倫理委員会申請書式の変更予定について 3.研修について ひな形について ・後ろ向き観察研究のひな形(研究計画書、同 意説明文書)ができました。 10月26日にHPに掲載予定 ・前向き研究のひな形を改定しました。 新しいひな形を利用して下さい。 倫理委員会申請書式の変更予定について これまでの問題点 ・申請書の記載内容が類似している項目がある ・医歯薬と病院で申請書の書式が多少異なっている ・定型文が記載されている申請書が多くみられる “ヘルシンキ宣言および、人を対象とした医学系研究 に関する倫理指針に従い・・・“など ・研究計画書のコピペが多い ・申請書と研究計画書の整合性がないものが多々みられる 新たな書式の主なポイント ・医歯薬、病院は統一した書式を使用 但し、医歯薬は紙媒体、病院はCT-Portal ・申請書は、目的によって3種類の書式を準備 ①研究用 ②症例報告・出版・公表原稿用 ③臨床応用計画用 ・他施設から審査を依頼された場合の書式を準備 今後の予定 CT-Portal の変更 ⇓ 平成27年12月 書式に関する説明会 ⇓ 平成28年1月 運用開始(予定) ※作業の進捗によっては変更になる可能性もあります 研修について 研究者等は、研究の実施に先立ち、研究に関連する倫理並びに 当該研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を受け なければならない。また、研究期間中も適宜継続して、教育・研修 を受けなければならない。 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 第2章 第4の3 「適宜継続」は、少なくとも年に1回程度は教育・研修を受けてい くことが望ましい。 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 ガイダンス 年に1回以上研修を受けなければ、研究の申請 ができません。 今後の研修の予定 平成27年10月23日(本日) ・モニタリングについて 平成27年12月 ・倫理委員会申請書類について 平成28年3月 ・《臨床研究・治験推進セミナー》 平成28年6月 ・内容未定 平成28年9月 ・内容未定 平成28年12月 ・内容未定 平成29年3月 ・《臨床研究・治験推進セミナー》 研修のテーマに関する要望が ありましたらご連絡下さい。 臨床研究センター 臨床研究ユニット 連絡先:内線7726
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