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No.
143
August 2010
新アナトミーセンター起工式
寄附講座「総合医療学」
(石川県)を設置
■学事
平成 23 年度医学部・看護学部入試要項
新任教授紹介
教育懇談会
看護学部保護者連絡会・後援会さくら会総会
■学生のページ
平成22年度医学部第1学年早期臨床体験実習
第 2 回バーモント大学春期医学研修報告
■国際交流
華中科技大学同済医学院から訪問団
■学術
第 9 回 KMU 研究推進セミナー
平成 22 年度科学研究費補助金交付決定
■病院
第 33 回北陸診療情報管理研究会
第 1 回健康セミナー
安全管理体制確保のための職員研修会
■管理・運営
次期学長に勝田省吾教授
第 1 回内灘ロマンチックウォーク
学校法人金沢医科大学 平成 21 年度決算
■随想・報告
内灘町の大連市旅順口区文化交流訪問
団に随行して
■同窓会・後援会
金沢医科大学後援協力会総会・懇親会
蝉の声
金沢医科大学報
2
新アナトミーセンター起工式
グランドデザイン第 1 次 5ヵ年計画 第一段階工事に着手
新アナトミーセンター起工式(地鎮祭)
山下理事長による挨拶
平成 22 年 7 月 14 日(水)午前 11 時、体育館・クラ
ブハウス間の建設地において、新アナトミーセン
ター建設工事の起工式(地鎮祭)が執り行われた。
できるホールを設置するなどミュージアム的な色
合いも盛り込んだ」と挨拶があった。
新アナトミーセンターは、鉄骨造地上 4 階建、延
新アナトミーセンターは、既存建物の老朽化や耐
床面積 2,015.84 ㎡で、1 階に法医学解剖室、2 階に
震問題対策から行われる金沢医科大学グランドデ
解剖学処置保存室や展示室、3 階に解剖実習室、4
ザインの第 1 次 5ヵ年計画の第 1 段階として建設さ
階に機械室を配置する。完成は平成 23 年 2 月下旬
れる。
を予定している。 (施設整備計画課 森田剛史記)
式典には、山下公一理事長、山田裕一学長、飯
塚秀明病院長、篠原治道アナトミーセンター長の
ほか、大学・病院関係職員、設計監理の
㈱中島建築事務所ならびに施工業者であ
る清水建設㈱の関係者約 30 名が出席した。
神官による祝詞奏上、代表者による地鎮
行事(鎌・鍬・鋤)が行われ、理事長ほか
関係者が順に玉串を捧げ工事の安全を祈
った。
山下理事長から「解剖学は医学の入門を
象徴する学問である。本施設は、医学生、
看護学生が医学を志した原点に立ちなが
ら、生涯にわたり関心を持ち、学び続け
る心を養う場となるよう、本学美術部員
が解剖学教育をモチーフにした有名な絵
画を模写して壁面を飾り、大人数を収容
新アナトミーセンター完成予想パース
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金沢医科大学報
3
地域医療再生計画による寄附講座
「総合医療学」
(石川県)を設置
公立穴水総合病院内に能登北部地域医療研究所を開設
石川県では、国の地域医療再生計画に基づき、能登
北部地域の医師確保対策の推進および医療の充実に向
け、金沢医科大学に寄附講座を設置することとした。
本学では、県からの要請を受け、寄附講座「総合医
療学」
(石川県)を設け、公立穴水総合病院内に「能登
北部地域医療研究所」を開所し、その活動拠点とする。
寄附講座は、地域医療の再生および地域医療の組織
的確立を目的とし、以下の事業を行う。
(経営企画・広報課 坂田慎一記)
能登北部地域医療研究所開所式
寄附講座の概要
(1 )名称: 寄附講座「総合医療学」
(石川県)
(2 )主な事業内容:
教育(総合医の育成、地域医療従事者の育成)
、後
・地域医療実習(学生)
、初期研修(ローテーター)
期研修(常勤医)
・地域医療における総合医、家庭医、救急医、専
門医、指導医の育成
・地域医療従事者と連携した実習・研修
研究(グローバルな視野での地域医療の研究)
・能登地域の医療の現状調査、介入試験
・能登地域の疫学研究
・研究成果の情報発信(学会、イベント、Web、
刊行物、メディア)
診療(地域医療への支援・充実)
・地域基幹病院での診療、穴水総合病院での診療
支援
・地域全体をカバーする医療体制
・病院機能のデリバリー
(NST:栄養サポートチ
ーム、褥瘡対策、医療安全、感染対策等)
社会貢献(医療を軸とした社会貢献)
・能登北部地区への医師の派遣・斡旋
・地域医療拡充
・地域医療に関する情報発信
(3 )設置: 平成22年8月1日
(4 )活動体制:
所 長 中橋 毅 教授
副所長 能村幸司 講師
副所長 濱中 豊 課長
(5 )石川県からの寄附金額:
総額 120,000 千円 ( 平 成 25 年 度 ま で 毎 年 度 各
30,000 千円、地域医療再生基金から拠出)
能登北部地域医療研究所の表札を公立穴水総合病院の玄関に
掲げた
能登北部の地域医療のフィールドワークの拠点とな
る「能登北部地域医療研究所」が公立穴水総合病院内
に開設され、平成 22 年 8 月 2 日 ( 月 ) 午後 2 時から開所
式が行われた。式には、石川県、金沢医科大学、穴水
町および公立穴水総合病院、近隣の病院関係者が出席
した。
式典では本学山下公一理事長が「能登北部地域医
療環境の充実」
「地域で活躍する総合医の育成」
「グロ
ーバルな視点からの地域医療の調査研究」を行う主旨
で、本学から中橋 毅教授をはじめとする精鋭を派遣
することになったこととそれへの期待を込めたあいさ
つがあり、大畠秀信石川県健康福祉部地域医療推進室
次長、石川宣雄穴水町長からの祝辞が述べられ、倉知
圓公立穴水総合病院長からは「高齢化する社会での地
域医療の研究課題は奥が深い。全面的に支援していき
たい」との励ましが述べられた。これらを受けて中橋
所長は「大学から臨床の現場に踏み出して、世界中の
高齢化・過疎化地域の医療のモデルになるような医療
システムの構築を目指したい。また、本研究所は時限
的なものでなく、永続生のあるものとしたい」と抱負
を述べた。
(能登北部地域医療研究所 濱中 豊記)
金沢医科大学報
学 事
医学部
平成 23 年度
入学試験要項
■一般入学試験
一般入試は、第 1 次試験で学力試験が行われ、合
格者に第 2 次試験として面接試験と小論文を課し、
最終判定が行われる。
一般入試の小論文は、これまで第 1 次試験で受験
者全員に課し、第 2 次試験受験者のみ採点対象とし
ていたが、平成 23 年度より第 2 次試験で実施する。
1. 募集人員 約 70 名
2. 出願期間 平成 22 年 12 月 6 日(月)から
平成 23 年 1 月 11 日(火)まで
3. 試験期日
第 1 次試験 平成 23 年 1 月 20 日(木)
第 2 次試験 平成 23 年 1 月 31 日(月)、
2月1日(火)のうち希望する日
4. 試験科目
、数学、理科(物理 ・
第 1 次試験 外国語(英語)
化学 ・ 生物から 2 科目選択)
第 2 次試験 小論文、グループ面接
5. 試験会場
第 1 次試験 本学/金沢医科大学
東京/TOC ビル本館
大阪/天満研修センター
名古屋/名古屋ガーデンパレス
札幌/札幌ガーデンパレス
仙台/仙台ガーデンパレス
広島/広島ガーデンパレス
福岡/福岡ガーデンパレス
第 2 次試験 本学/金沢医科大学
6. 合格者発表日
第 1 次試験 平成 23 年 1 月 25 日
(火)
第 2 次試験 平成 23 年 2 月 3 日
(木)
■特別推薦(AO )入学試験
学力を中心とした入学試験では評価が困難な学
習意欲、使命感、人間性の評価に重点を置いて選
考が行われる。将来への目標が明確であり、かつ
その目標が本学の求めるものと合致する者につい
て、書類選考や面接に十分な時間をかけ、人物本
位で選抜を行っている。
1. 募集人員
約 10 名
2. 出願資格(次の条件を満たす者)
(1 )平成 22 年 4 月 1 日現在、25 歳以下の者
平成 23 年度 「医学部案内」と「入試ガイド」
(2 )高等学校を卒業した者及び平成 23 年 3 月卒
業見込みの者またはそれと同等以上の学力
があると認めた者
(3 )合格した場合には必ず入学することを確約
できる者
3. 出願要件(次のいずれかに該当する者)
(1 )本学卒業後、出身地の地域医療の発展、向
上に貢献する意志の強固な者
(2 )本学卒業及び本学大学院修了後、本学で教
育、研究、診療に従事し、本学の発展に貢
献する意欲の旺盛な者
(3 )本学卒業後、発展途上国への医療援助など国
際医療援助活動に貢献する意欲の旺盛な者
(4 )上記以外の出願動機で、それが本学建学の
精神に合致していると本学が特に認めた者
4. 出願期間
平成 22 年 9 月 1 日(水)から
平成 22 年 9 月 8 日(水)まで
5. 試験期日及び試験科目
第1次選考 書類選考
第2次選考 平成 22 年 10 月 17 日 (日)
基礎学力テスト、グループ面接、
個人面接
6. 合格者発表日
第1次選考 平成 22 年 9 月24 日(金)
第2次選考 平成 22 年10 月21 日(木)
■公募制推薦入学試験
本学の推薦入試は、医学に対する目的意識が明
4
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金沢医科大学報
確で、人間性豊かな人物を選抜することを目的と
5
のある人材を求める。
して実施している。
指定地域推薦入学は、富山県氷見市に在住し、
学力試験のみの選抜ではなく、面接を重視し、
氷見市の地域医療に貢献する強い意志を持った人
例えば高等学校で指導的役割を果たした実績(クラ
材の育成を目的とし、氷見市長から推薦を受けら
ス代表等)、クラブ活動においてよい成績を修めた
れる者を対象としている。
実績など、学力以外の面でも医師としての資質を
備えた人材を見極めるよう努力がなされている。
1. 募集人員
2. 出願資格
1. 募集人員
2. 出願資格
3.
3.
4.
5.
4.
5.
6.
約 20 名
現役及び 1 浪で全体の評定平均値が
3.8 以上である者
出願期間 平成 22 年 11 月 1 日(月)から
平成 22 年 11 月 10 日(水)まで
試験期日 平成 22 年 11 月 20 日(土)
試験科目 基礎学力テスト、小論文、
グループ面接
合格者発表日 平成 22 年 11 月 25 日(木)
6.
約5名
上記の条件を満たし、現役及び1浪で
全体の評定平均値が4.0以上である者
出願期間 平成 22 年 11 月1 日
(月)から
平成 22 年 11 月 10 日
(水)まで
試験期日 平成 22 年 11 月 20 日(土)
試験科目 基礎学力テスト、小論文、
グループ面接
合格者発表日 平成 22 年11 月 25 日(木)
お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ
■指定校・指定地域推薦入学試験
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1
金沢医科大学入学センター
指定校推薦入学は、石川県内の高等学校 8 校(金
沢大学附属高校、金沢泉丘高校、金沢二水高校、
金沢桜丘高校、小松高校、七尾高校、星稜高校、
金沢高校)を指定校として、県内の地域医療を担う
医師の育成を目的としており、強い使命感と意欲
直通電話:076-218-8063
FAX:076-286-6279
Eメールアドレス:nyusi@kanazawa-med.ac.jp
ホームページ:http://www.kanazawa-med.ac.jp/
大学院医学研究科
平成 23 年度
選抜試験要項
1. 募集人員 35 名
3. 出願期間
・大学の医学部、歯学部又は修業年限 6 年の
平成 22 年10 月4 日(月)から
平成 22 年10 月15 日(金)まで
2. 出願資格 4. 試験期日
平成 22 年10 月28 日(木)
獣医学部を卒業した者及び平成 23 年 3 月卒
5. 試験科目筆記試験(英語)
、面接試験
業見込みの者
6. 合格者発表日 平成 22 年11 月12 日(金)
・外国において、学校教育における 18 年の課
程(最終の課程は医学、歯学又は獣医学)
を修了した者及び平成 23 年 3 月修了見込み
なお、募集人員に満たない場合は追加募集を実
施する。
の者
・文部科学大臣の指定した者
・本大学院が個別の入学資格審査を行い、大
学の医学部、歯学部又は修業年限 6 年の獣
医学部を卒業した者と同等以上の学力があ
ると認めた者で、24 歳に達した者
・本大学院が大学の医学部、歯学部又は修業
年限 6 年の獣医学部を卒業した者と同等以
上の学力があると認めた者
お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1
金沢医科大学教学課(大学院担当)
電話:(代表)076-286-2211(内線 2522 )
FAX: 076-286-6054
Eメールアドレス: d-gakuin@kanazawa-med.ac.jp
ホームページ:http://www.kanazawa-med.ac.jp/
【学事】
金沢医科大学報
6
看護学部
平成 23 年度
入学試験要項
看護学部アドミッションポリシー
(入学者受入方針)
【教育理念と目標】
金沢医科大学看護学部は、人間性豊かな医療人
の育成、知識と技術の追求、人類社会への貢献と
いう本学の建学の精神にもとづいて、安全で質の
高い信頼される看護の実務を行うことができる人
材を養成するために設立された。
本学部学生には、看護の質が医療を必要とする
人の治療の成否にきわめて重要な関係をもち、か
つ生命に直接かかわるものであることを十分に心
得て、その理論、知識、技術を学ぶことが求めら
平成 23 年度 「看護学部案内」と「入試ガイド」
れる。さらに社会における医療、保健、福祉にお
ける役割を認識して、積極的に関与しつつ学習を
進め、日進月歩の医学、変化する社会的条件に的確
に対応できる資質と能力を養うことが求められる。
【求める学生像】
金沢医科大学看護学部では、上記のような条件
に沿って教育・学習を進めるため、下記のような
資質をそなえた人材を求める。
1. 基礎学力:レベルの高い看護学を学ぶために
必要となる、高等学校までに履修した全教科
(特に国語、英語、数学及び理科の各科目)に
■推薦入学試験
1. 募集人員
2. 出願期間
約 20 名
平成 22 年 11 月 1 日(月)から
平成 22 年 11 月 11 日(木)まで
3. 試験期日
平成 22 年 11 月 21 日(日)
4. 試験内容
基礎学力テスト、小論文、
グループ面接
5. 合格者発表日 平成 22 年 11 月 26 日(金)
■一般入学試験
わたるしっかりとした基礎学力をそなえてい
1. 募集人員
ること
2. 出願期間
約 40 名
平成 23 年 1 月 4 日(火)から
平成 23 年 1 月 31 日(月)まで
2. 知的好奇心・持続性:知的好奇心が旺盛で、
学習への集中力、忍耐力、持続性をそなえて
3. 試験期日
平成 23 年 2 月 9 日(水)
いること
4. 試験科目
英語Ⅰ・Ⅱ、数学Ⅰ・Ⅱ・A、
3. 協調性:周囲に対する協調性や思いやりの心
を持ち、いつも自己啓発を怠らないこと
4. 尊重性:人の尊厳に敬意を持って接すること
理科選択(化学Ⅰ・生物Ⅰ・物理Ⅰ
から1科目選択)、グループ面接
5. 合格者発表日 平成 23 年 2 月 16 日(水)
ができること
5. 人間性:自分を含め、人間をいとおしむこと
■編入学試験(第3学年次編入)
お問い合わせ及び入試要項請求は下記へ
1. 募集人員
約 10 名
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学 1 − 1
2. 出願期間
平成 22 年 8 月 16 日(月)から
平成 22 年 8 月 25 日(水)まで
3. 試験期日
平成 22 年 9 月 11 日
(土)
4. 試験内容
英文読解、小論文、個人面接
5. 合格者発表日 平成 22 年 9 月16 日(木)
金沢医科大学入学センター
直通電話:076-218-8063
FAX:076-286-6279
Eメールアドレス:nyusi@kanazawa-med.ac.jp
ホームページ:http://www.kanazawa-med.ac.jp/
【学事】
金沢医科大学報
7
新任教授紹介
医学部
かわさき
能登北部地域医療研究所
やすひろ
なかはし
たけし
川﨑 康弘 教授
中橋 毅 教授
精神神経科学
医学部 高齢医学 臨床教授
このたび平成 22 年 7 月 1 日付けで精神神経科学教授
を拝命いたしました。
物理学の純粋さに惹かれ表日本の総合大学理学部進
平成 22 年 7 月 1 日付けで高齢医学臨床教授、平成 22
年 8 月 1 日付けで金沢医科大学能登北部地域医療研究
所(総合医療学)教授を拝命いたしました。
学を考えていた私が、金沢医科大学に入学し、榎戸秀
私は平成 2 年に大阪大学医学部を卒業し、大阪大学
昭助教授の機知に富む講義を通じて精神医学に魅せら
医学部加齢医学講座(第四内科)に入局いたしました。
れ、温かみのある鳥居方策教授の授業に触れて臨床の
国立大阪南病院循環器科を経て大阪大学医学部加齢医
道に進むことを決意したのは、浪人中に現代芸術など
学講座に帰局後は荻原俊男教授に師事し、主に動脈硬
アンダーグラウンド活動に没頭していた後遺症でもあ
化性疾患の臨床と研究に携わり、平成 10 年に「動脈硬
ると思います。在学中、学友会の執行委員やクラブ活
化巣における血管平滑筋に関する研究」で医学博士号
動を通じて身につけたものが、お互いの尊重が必須な
を取得いたしました。その後米国で 4 年間の研究留学
チーム医療や、戦略を吟味して諦めない研究活動にお
をし、平成 14 年からは金沢医科大学高齢医学講師と
ける私の原動力となりました。
して森本茂人教授のもとで高齢者疾患の臨床、研究、
卒業後は、本学神経精神医学の初代教授でもありま
そして教育に携わってまいりました。
した山口成良教授の主催する金沢大学神経精神医学教
このたび、国が地域の医療再生を目的として策定
室に入局しましたが、出身大学にこだわらない自由な
した地域医療再生計画に則り、石川県による寄付講座
雰囲気のなかで多くのことを学び、また自らを磨くこ
「総合医療学」が金沢医科大学に設置されることとな
ともできたと感謝しております。その後、ドイツとイ
りました。本講座では、医療崩壊の進む能登北部地区
ギリスへの留学や各地の研究者との交流を通じて改め
への医師派遣のみならず、地域医療を再生するための
て実感しましたのは、
「大切なのは自分が発信し続け
人材の育成や研究活動もミッションとしています。そ
ることで、世界から見れば裏日本も表日本もない」と
のため、石川県穴水町や公立穴水総合病院のご支援の
いう、学生時代の指導教員でありました山下公一教授
もと、穴水総合病院内に「能登北部地域医療研究所」
(現理事長)の励ましの言葉であります。
を設置し、現場に密着した活動を行っていくこととな
本学に戻りました今後は、武者修行に出ていた卒業
りました。高齢者の多い地域でもございますので、私
生として、後輩に知る限りの土産話を伝えられればと
のこれまでの経験を生かし、少しでも地域の医療再生
思っております。ともあれ若輩者ゆえ、皆様のご指導
に貢献できればと頑張る所存でございます。
ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。
【略歴】
1985 年
1990 年
1992 年
1998 年
今後とも皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますよう何卒
3月
5月
4月
4月
金沢医科大学医学部卒業
金沢大学大学院医学研究科修了
金沢大学医学部助手(神経精神医学)
福井県立精神病院(現 福井県立病院神経精神
センター)医長
2000 年 7 月 富山医科薬科大学(現 富山大学)医学部附属病
院講師(精神科神経科)
2010 年 7 月 金沢医科大学精神神経科学教授
【略歴】
1985 年
1990 年
1995 年
1998 年
2000 年
3月
3月
6月
7月
7月
東京大学工学部合成化学科卒業
大阪大学医学部医学科卒業
大阪大学医学部加齢医学講座医員
米国 Maryland Research Laboratories 研究員
米国スタンフォード大学血管外科学リサーチ
フェロー
2002 年 4 月 金沢医科大学高齢医学講師
2010 年 7 月 金沢医科大学高齢医学臨床教授
2010 年 8 月 金沢医科大学能登北部地域医療研究所(総合医
療学)教授
【学事】
金沢医科大学報
第 48 回 教育懇談会
Mercer Model:Training the Community
Responsive Physician
講師: Gayle Bina 先生(米国マーサ大学医学部地域医
療学講師)
日時: 平成 22 年 4 月 5 日(月)午後 5 時 30 分
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
第 48 回教育懇談会では、教員・職員・学生を対象
に、米国マーサ大学医学部地域医療学講師のゲイル・
バイナ先生による講演が行われた。演題名は「Mercer
Model:Training the Community Responsive
Physician 」で、パワーポイントを利用し、聴衆が理
解しやすいように、ゆっくりとした口調と歯切れの良
い明快な英語での講演であった。
バイナ先生は、マーサ大学医学部の使命はジョー
ジア州内の医療供給が不十分な地域に役立つプライマ
リーケア医を育成することであるとの話から講演を始
第 49 回 教育懇談会
教育改革と人間力の育成
−金沢工業大学の実践−
講師: 石川憲一先生(金沢工業大学学長)
日時: 平成 22 年 4 月 20 日(火)午後 5 時 30 分
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
第 49 回教育懇談会は金沢工業大学学長の石川憲一
先生を招聘して開催された。懇談会には 150 名弱の教
職員と学生が出席し、その関心の高さをうかがわせ
た。演題は「教育改革と人間力の育成−金沢工業大学の
実践」で、巧みな話術とパワーポイントを利用したプレ
ゼンテーションに出席者は魅了された。
石川先生は、1994 年の学長就任後、100 名を超す教
職員を国内外の大学等に派遣している。大学審議会、
経済関連団体、国際会合による提言を参考としつつ、
金沢工大独自の教育システムを築き上げてきた。平成
16 年度には工学系総合大学への展開を図り、平成 20
年度からは科学技術の発展と社会のニーズに対応する
ため、理工系総合大学へと移行させた。
金沢工大のミッションは高邁な人間形成、深遠な技
術革新、雄大な産学協同である。教育目標を、自ら考
え行動する技術者の育成とし、学生・教員・職員それ
ぞれの行動目標を設定して、教職員と学生が共に学ぶ
教育を実践している。具体的には、大学入学と同時に
8
められた。学生教育のゴール
は学生がすぐれた地域医療医
になることであり、それを達
成するためには住民ベースの
医療概念と医学知識・技術を
教育し、学生が医師になって
から実践できるようにさせる
ことが必要である。マーサ大
学ではマーサモデルとして学
生は初年度に地域医療プログ
ゲイル・バイナ先生
ラムを習得し、2 年目に EBM
(Evidence Based Medicine )に基づく慢性疾患プログ
ラムを完遂させる。さらに 4 年目に指導医の元で地域
医療を実践して、このモデルは完結し、その後、医師
国家試験に合格して、全員がジョージア州の地域医療
で活躍するようになっていると話された。
地域医療の崩壊が叫ばれている日本の大学教育に対
して、穏やかな口調ながら、鋭い問いかけがなされた
講演であり、教育に情熱を注いでいるバイナ先生の講
演に、参加者は深い感銘を受けた。
(医学教育センター長 佐久間 勉記)
開始される修学基礎教育と人
間形成基礎教育に始まり、専
門関連基礎実技教育、創造力
を養うプロジェクトデザイン
教育で、社会人となって役立
つ人材を育成している。興味
深いことに、学生のやる気を
引き出すキャンパスライフと
修学環境の充実のために、夢
考房、穴水湾自然学苑、ライ
石川憲一先生
ティングセンター、自己開発
センターなど約 20 施設を作り
機能させている。また、多くの修学アドバイザー教員
を育成し、そのサポートを受けながら学生は修学ポー
トフォリオを作成して自己研鑽に励んでいる。評価方
法には、
「学力×人間力=総合力」として明確な基準を
設けている。学生サポートに関しては、得意分野を活
かし、お助けケータイなどアイデアの豊富さは枚挙に
いとまがない。
大学ランキングのみならずロボットコンテストなど
でも常に上位に位置する金沢工大の秘密、隠された力
は石川学長が推進してきた教育改革の賜物であり、学
生と教職員がそれぞれに努力して改革に取り組んでき
た結果である印象を受けた。石川学長の講演は本学が
進めている教育改革にとって示唆に富む内容であり、
すでに始まっている金沢工大との医工連携をさらに発
展させる必要性を感じさせる内容であった。
(医学教育センター長 佐久間 勉記)
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
9
第 50 回 教育懇談会
難病対策に関する現状と課題
講師: 難波吉雄先生(厚生労働省健康局疾病対策課
課長)
我が国のがん対策について
講師: 鴨田佐知子先生(厚生労働省健康局がん対
策推進室がん情報専門官・本学生活習慣病
センター助教)
日時: 平成 22 年 4 月 30 日(金)午後 5 時
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
第 50 回教育懇談会は厚生労働省健康局疾病対策課
から難波吉雄先生、厚生労働省健康局がん対策推進室
から鴨田佐知子先生を招聘して開催された。今回も
155 名と多くの職員が出席し、盛会であった。
難波先生は、昭和 47 年から始まっている難病対策
をテーマとして話された。難病対策として、平成 22
年度で計 380 億円程度の予算が組まれている。臨床調
査研究分野では、パーキンソン病の新しい遺伝子治療
法の開発などの成果が得られ、多数の疾患の診療ガイ
ドラインが完成している。難病診療に関わる医療施設
の整備、医療費の自己負担の軽減、保健医療福祉の充
実・連携、QOL の向上を目指す福祉施策の推進が精
第 51 回 教育懇談会
新たな医療制度改革に向けて
−ケア・サイクルの構築−
講師: 辻 哲夫先生(東京大学高齢社会総合研究機構
教授)
日時: 平成 22 年 6 月 17 日(木)午後 5 時 30 分
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
第 51 回教育懇談会は東京大学高齢社会総合研究機
構辻 哲夫先生を招聘して開催された。参加者は 78 名
であった。
辻先生は 2 年前まで厚生労働省で切れ目のない医療
介護、とくに在宅医療の充実を目指した政策を事務次
官・審議官として推進してきた方である。現在の在宅
介護・医療は辻先生抜きでは語れないと言われてお
り、また退官されてもなお、厚生労働省の若手・中堅
官僚(技官・事務官を含む)の中には辻思想を持って
いる人は少なくないと言われている。
その辻先生が本学で今後の激動する医療状況と対策
難破吉雄先生
鴨田佐知子先生
力的に行われていると話され、最後に、難病に関する
今後の課題と政権政党のマニフェストについても触れ
られた。
鴨田先生は、平成 18 年から施行されている「がん対
策基本法」を中心に話された。①放射線療法、化学療
法の推進と従事者の育成、②緩和ケアの推進と従事者
の育成、③がん診療連携拠点病院の整備、④ 5 大がん
に関する地域連携クリティカルパスの整備、⑤がん医
療に関する相談支援と情報提供、⑥がん登録、⑦がん
の予防・早期発見、⑧がん研究の支援、について具体
的に解説された。
日頃、厚労省レベルでの疾病対策はあまり実感がな
いのが現状と思われるが、本学出身の鴨田先生をはじ
めとする先生方の講演は、問題を身近に感じるいい機
会であったと思われた。
(医学部長 栂 博久記)
について語られた。現在地域
の医療崩壊は地方の問題にと
どまっているが、10 年後には
都市部にまで広がり、団塊の
世代を中心とした高齢者の増
加によって対応できなくなる
医療機関が続出し、都市型医
療破綻が訪れるであろう。首
都圏だけで 2 千万人の高齢者
が医療機関に津波のように押
辻 哲夫先生
し寄せると考えられる。その
対応策としては、既存の病院に頼るのではなく在宅で
の介護・医療(緩和医療を含む)を行う在宅医療の充
実が急務である。また柏市(千葉県)で行っている高
齢者医療と高齢者が生活しやすい環境・住宅政策をリ
ンクさせた試みと、さらに介護雇用の創出などの社会
的実験などについて話された。まさに政策立案者でな
ければ話すことのできない幅広い医療行政の内容であ
り、大変興味深いものであった。実際、辻先生の構想
は医療崩壊の危機に瀕した釜石市でも再生に生かされ
ている。先生の益々のご活躍を願うばかりである。
(釜石市健康福祉部地域医療担当部長 高橋昌克記)
【学事】
第 32 回
金沢医科大学報
納骨式
10
が如何に重要であるかを理解するようになる」と、献
体をされた方々のご遺志とご遺族の寛容に敬意と謝意
を表する式辞が述べられた。
その後、参列者全員による献花が行われ、ご献体い
第 32 回納骨式が、平成 22 年 4 月 17 日(土)本学慰霊
碑(納骨堂)前において、ご遺族、天寿会役員、役職
教員、教職員、医学部第 3 学年生、看護学部の代表学
生等、約 180 名の参列のもと厳粛に執り行われた。
ただいた故人に敬意と感謝の念を捧げご冥福をお祈り
した。
続いて、学生を代表し医学部第 3 学年の坂入佐知子
さんが、解剖学実習のために尊いご遺体をお寄せいた
今回納骨が行われたのは、平成 21 年度の解剖学実
だいた故人の崇高なるご遺志と、そのことに快く同意
習に供させていただいた故若崎弥八郎殿をはじめとす
されたご遺族の皆様の深いご理解に、心より尊敬と感
る 30 柱のご遺骨である。
謝の念を捧げる旨のお礼の言葉を述べた。参加した学
ご遺骨は、解剖学Ⅰの八田稔久教授の先導により医
学部第 3 学年生 30 名一人ひとりの胸に抱かれて入場、
解剖学Ⅰの島村英理子講師による御芳名朗誦のなか丁
生は、故人のご恩に報いるためにも、良医をめざし生
涯にわたり努力をするべく誓いをあらたにした。
最後に、解剖学Ⅱの篠原治道教授からご参列いただ
いた皆様へ挨拶があり、式は終了した。
重に納骨された。
(教学課 森 秀男記)
納骨後、米倉秀人教務委員会副委員長(栂 博久医学
部長の代読)から、
「学
生は解剖学実習におい
て人体の構造を直接目
で確かめ、手で触れさ
せていただくことによ
り、精妙な構造を正確
に理解することができ
る。また、解剖学実習
をとおして人体を観察
する方法を学び、医学
において観察すること
学生に抱かれたご遺骨
第 38 回
解剖学実習解剖体 納棺式
お礼の言葉を述べる学生代表の坂入佐知子さん
ご遺体に謝意を表するとともに故人のご冥福をお祈り
し、黙祷を捧げた。
最後に、解剖学Ⅰの八田稔久教授から挨拶があり、
そのあと各班の学生により順次出棺が行われ閉式とな
った。 平成 22 年 7 月 1 日(木)アナトミーセンター2 階実習
室において、第 38 回解剖体納棺式が、解剖学教室の
教職員および実習を修了した医学部第 2 学年生の参列
のもと厳粛に執り行われた。
はじめに、司会進行を務める学生の高橋香織さんが
開式を宣言したあと、各班の学生が 28 体のご遺体に
献花を行った。
次に、各班学生代表により、お棺の蓋に釘を打つ「〆
釘」の儀式が行われた。
学生を代表し林 慧さんが「お礼の言葉」を述べ、解
剖実習で得た多くの知識と経験を糧に一層の努力を重
ね良医への道を歩んでいくことを誓い、参加者全員で
学生による出棺
(教学課 森 秀男記)
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
11
平成 22 年度
金沢医科大学臨床教授(学外)委嘱状授与式
並びに学外臨床実習に係る懇談会
平成 22 年 5 月 19 日(水)午後 7 時からホテル日航金沢において、学外臨床施設から 21 名を招き、山下公一理事
長をはじめ 20 名の教職員が出席して、金沢医科大学臨床教授(学外)委嘱状授与式並びに学外臨床実習に係る懇
談会が開催された。
はじめに、山下理事長が新任の臨床教授(学外)に委嘱状を渡され、学生時代に実地臨床に触れることの大切
さの実体験を話された。続いて和久祥三先生(兵庫県立柏原病院小児科医長)による「住民と医療者が守る地域小
児医療−兵庫県立柏原病院小児科の事例−」の講演が行われた。
引き続き行われた懇親会では活発な意見が交わされ、最後に学外臨床施設を代表して佐藤秀次先生(金沢脳神
経外科病院長)がお礼の言葉を述べられた。
本学では、平成 7 年度から学生が医療チームの一員となり、スチューデントドクターとして行動することを目
的とした Clinical Clerkship(CCS )を導入し、平成 11 年度からは、学外の医療機関において臨床実習を行って
いる。また、平成 12 年度からは、受入施設の指導医師に臨床教授(学外)等委嘱をしており、学外臨床実習の充
実とともに増え、今年度は 43 名にのぼった。
臨床教授(学外)に委嘱された先生方は次の方々で、任期は平成 22 年 4 月 1 日から平成 23 年 3 月 31 日までである。
(学事庶務課 長井竜洋記)
山口 成良
松原愛育会松原病院院長
喜多 一郎
金沢社会保険病院病院長
興村 哲郎
千木病院病院長
宮谷 信行
町立富来病院病院長
宮崎 誠示
南ケ丘病院理事長
関 秀俊
国立病院機構医王病院院長
中村 一郎
岡部病院院長
若林 時夫
石川県済生会金沢病院院長
絈野 謙介
カセノ内科医院院長
岩田 章
金沢赤十字病院院長
倉知 圓
公立穴水総合病院病院長
南 眞司
南砺市民病院院長
山田 燦
サンクリニックやまだ院長
髙田 充彦
医療法人社団 宇野気医院理事長
勝木 建一
やわたメディカルセンター院長
南部 澄
なんぶこども医院院長
村山 和夫
北陸中央病院副院長
的場 宗敏
的場病院院長
根井 仁一
公立南砺中央病院院長
伊藤 順
伊藤病院院長
北田 博久
らいふクリニック理事長
近藤 邦夫
近藤クリニック院長
川崎 英
金沢西病院院長
大島 譲二
医療法人くぼじまクリニック理事長
藤井 博之
博洋会 藤井脳神経外科病院理事長
神野 正博
董仙会 恵寿総合病院理事長
駒井杜詩夫
厚生連高岡病院院長
藤井 久丈
藤聖会 八尾総合病院理事
上野 敏男
浅ノ川総合病院院長
中藤 秀明
医療法人社団 中藤クリニック理事長
上田 博
芳珠記念病院院長
竹内 尚人
木島病院理事長
倉田 孝一
県立高松病院院長
魚谷 知佳
予防医学クリニック院長
前田 敏男
映寿会みらい病院院長
丸岡 達也
医療法人社団 まるおかクリニック理事長
追分 久憲
珠洲市総合病院病院長
佐原 博之
さはらファミリークリニック院長
佐藤 秀次
金沢脳神経外科病院病院長
和久 祥三
兵庫県立柏原病院小児科医長
小森 和俊
公立宇出津総合病院院長
村上 智彦
医療法人財団 夕張希望の杜理事長
京井 優典
国民健康保険志雄病院院長
(卒業年度順、敬称略)
【学事】
金沢医科大学報
教授会歓送迎会
12
山田裕一学長、山下公一理事長の挨拶に続いて送迎
者が紹介され、定年退職された山口宣夫、地引逸亀、
泉 洋一先生および就任者を代表して飯沼由嗣教授が
教授会歓送迎会が、平成 22 年 5 月 11 日(火)午後 6
時 30 分からホテル日航金沢において 88 名が出席し開
催された。
挨拶を述べた。
最後に定年退職者の先生方に記念品の目録と花束が
贈呈され、会場から盛大な拍手が贈られた。
(学事庶務課 出雲淳子記)
対象者の方々は次のとおり。
【退職】
山口宣夫教授 地引逸亀教授 田村暢煕教授
野口昌邦教授 泉 洋一教授
【就任】
(平成 21 年 7 月 1 日∼平成 22 年 4 月 17 日)
窪田 孝教授 辻 裕之教授 岩井邦充教授
飯沼由嗣教授 原 亮教授 紺家千津子教授
川原範夫教授
就任者を代表して挨拶する飯沼由嗣教授
看護学部
平成 22 年度 保護者連絡会
保護者会(後援会さくら会)総会
平成 22 年 6 月 13 日(日)看護学部学生の保護者 130
名が出席し、本学本部棟 4 階講堂で平成 22 年度保護者
連絡会並びに保護者会総会が開催された。
保護者連絡会は、保護者の方に看護学部の現況をお
知らせし、あわせて個別面談を行う目的に午前 10 時
保護者連絡会での山田学長の挨拶
30 分から開催された。山田裕一学長、伊川廣道学部
長の挨拶のあと、北岡和代教務委員長、甲野裕之学生
保護者会総会のあと看護学部 2 号棟ラウンジにおい
副部長、加藤欣子国試対策委員長がそれぞれ教務、学
て懇親会を兼ねた昼食会が行われ、保護者と教職員と
生関係、看護師等国試対策支援の現況を報告、高田昌
がなごやかに歓談した。
美看護部長が本学病院の現況を紹介した。
午後からは希望者に対して、看護学部教員との個別
午前 11 時 40 分から保護者会総会が開催され、平成
面談、学内施設見学が行われた。73 名の保護者から
22 年度保護者会事業計画、保護者会予算を承認し、
個別面談の申し込みがあり、熱心に質問される方も多
保護者会の名称を「看護学部後援会さくら会」と決定
く、学業成績や学生生活に関する様々な事柄について
した。「 さくら会」の名称は医学部の後援会が「橘会」
質疑応答が行われた。また、例年保護者との応対に多
であることに対応したものとなった。看護学部保護者
くの時間を取れないことから、事前にいただいた質問
会は、平成 21 年 11 月に設立され本年度から活動を開
事項とその回答を看護学部棟 1 階に掲示した。併せて
始したものであり、学生の教育環境向上を積極的に支
教務・学生・国試対策の相談コーナーを設置し対応し
援することを計画している。また、1 学年生保護者か
た。次回の保護者連絡会では、より内容を充実させ、
らの新役員と看護学部の学生部連絡会代表の甲野教授
一層看護学部と保護者との連携を深めたい。
が保護者会の監事として新たに承認された。
(看護学部事務課 岡本真一記)
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
13
看護学部
新入学生宿泊研修
看護学部第 4 期生の宿泊研修が、平成 22 年 5 月 20 日
(木)、21 日(金)の 2 日間、学生 65 名、教職員 8 名が
参加し、羽咋市の休暇村能登千里浜を主な会場として
実施された。
この研修は、看護学部新入生が集団生活を通して学
グループ発表会
生・教職員間の親睦を図り、人との交流を広め、コミ
ュニケーション能力を養うことを目的として、昨年に
ラクター・図などで看護像を表し、信頼、人間性、愛、
引き続き行われた。
コミュニケーション、知識・技術などをキーワードと
1 日目の午前中は、命や自己を見つめることを目的
した発表と意見交換が行われた。研修Ⅱでは、岩井邦
とした企画であった。最初に西田幾多郎記念哲学館を
充教授から「勉強の仕方」をテーマに、意識障害並び
訪れ、博士の生涯と思想世界について説明を聞いた後、
に呼吸障害の事例とそこから考えられる病態について
館内を見学した。次に洞谷山永光寺を訪れ、約 700 年
の説明があり、勉強方法について検討した。新入生な
前に建立された古刹の歴史と幽遠な環境に身を置い
がら協調性・ユニークさ・真剣さがあり、頼もしさを
て、座禅を体験し、監寺の法話を聴いた。静寂と敬虔
覚えた。また、夕食時には学生が企画したゲーム等で
の中での思索体験となった。
楽しみ、研修の時とはまた違った学生の姿を見ること
午後からは、自己の考えを持ち他者の意見に耳を傾
ができた。
け、相互検討の中で気付きを得る目的で研修が行われ
翌日は内灘サイクリングターミナルへ移動し、伊川
た。研修Ⅰでは、
「自分が考える看護像」をテーマに 11
廣道学部長ら教職員を交えてバーベキューを行い、楽
グループに分かれて取り組み、活発な討議が展開され
しい時間を過ごし、意義ある 2 日間の研修を終了した。
た。2 日目の発表会では、木・花・ピラミッド・キャ
(基礎看護学 坂井恵子記)
《本学スタッフ新刊著書》
安楽庵策伝 著
髙橋由美子、原 亮、森岡ハインツ 訳・注解
Seisuishō
Lachen, das den Schlaf vertreibt
安 楽 庵 策 伝(1554 − 1642 )著『 醒 睡 笑 』
(寛永版
1628 年)のドイツ語訳。浄土宗の僧侶である策伝
は、
「落語の祖」とも呼ばれる。この説話集には、落
IUDICIUM Verlag( ド イ ツ、
ミュンヘン)
13 × 21 cm、165 頁
定価 12 €
2010 年 4 月 16 日発行
ISBN 978-3-89129-994-4
語でおなじみの話が多数収録されている。言語によ
る笑いは普遍的なものなのか、それとも言語による
制約を否めないものなのか。究極の難問に迫るきっ
かけとなってくれれば、というのが訳者たちの思い
である。巻頭には時代背景などの詳細な解説、巻末
には、人名や地名のほかに、原本の言葉遊びの理解
を容易にする索引を付す。ドイツ東洋文化研究協会
(OAG )の研究助成を受けて刊行。
(一般教育機構 原 亮記)
【学事】
金沢医科大学報
14
学生のページ
平成 22 年度 医学部第 1 学年早期臨床体験実習 (期間:2010 年 5 月 17 日∼ 5 月 21 日)
この早期臨床体験実習は、入学間もない医学生に対して自覚を促すと共に、学習意欲を高めることを柱として
毎年行っている。この実習は、
「医学セミナー」というカリキュラムの一環として行われるもので、実習体験から
テーマを抽出して、論文作成にまで発展させるものである。本年度は、5 月 17 日(月)の施設でのオリエンテー
ションに引き続き、学外施設・学内実習を実施した。
実習に先立ち、4 月には看護学部の高山直子准教授、小泉由美講師、橋本智江助教による福祉および介護、さ
らに実習のポイントについての講義があった。
学外施設実習では、2 組に分かれて 1 組が 2 日ずつ、職員の皆様の指導の下、入所されている方々に様々な形
で接することで、第一線の現場を体験した。学内実習では、地域医療に関する DVD 鑑賞(いのちの作法)
、医学
教育センター 黒田尚宏助教によるパソコン検索実習、さらに野間比南子ひろびろ作業所施設長による講演が行
われた。2 日間とはいえ、学生にとっては初めてと言える貴重な学外実習での経験が、今後の学習の糧となるこ
とを願っている。
最後になりますが、お世話になった各施設の皆様に厚くお礼申し上げます。
(医学セミナーユニット責任者 北村 修記)
〈体験実習を行った施設〉
: ひろびろ作業所、石川療育センター、医王病院、千木病院、
千木町ケアセンター、金沢こども医療福祉センター
七尾方面 : 鶴友苑、青山彩光苑、和光苑、エレガンテなぎの浦
小松市 : 小松こども医療福祉センター、小松陽光苑
能美市 : 芳珠記念病院
野々市町 : 金沢脳神経外科病院
内灘町 : 内灘温泉保養館、デイサービスセンター内灘の風
氷見市 : 金沢医科大学氷見市民病院
金沢市
〈実習レポートから〉
早期臨床体験実習記
実習先: 医療法人社団千木会 千木町ケアセンター
(介護老人保健施設)
お お く ぼ よしまさ
大久保 喜正(医学部第 1 学年)
と暮らしていたので、高齢者介護のことを多少知って
いるつもりでした。でもこの気持ちが甘かったと痛感
しました。今思えば、祖父を介護している母を見てい
るだけだったような気がします。
私がこの実習を通して一番印象に残ったのは、特殊
【実習内容】
・お年寄りとのコミュニケーション
・特殊浴室での入浴の手伝い
・ベッドから車椅子への移動
・食事やお茶の配布
・自力で食べられない方の食事
介助
【何を得たか】
・積極的にコミュニケーションをとる姿勢
・介護をする側の大変さの理解
【全体を通しての感想】
私は、認知症になり最後は介護が必要になった祖父
浴室での入浴の手伝いでした。まず、入浴にかかる時
間でした。初日の午後から夕方の終了時間になるまで
約 4 時間にわたり入浴の手伝いをさせていただきまし
た。これでも作業が比較的順調に進行したそうです。
私は主に衣類の着脱を行いましたが、服の袖に腕を通
すことすらなかなか上手くいかなかったほどで、この
作業だけでもかなり疲れました。浴室は温度と湿度が
高いので、本当に体力のいる実習でした。
次に印象に残っているのは、細かいところまで行き届
いているケアでした。例えば、床擦れを防ぐため、寝た
きりの方に対して各々の体位を変換するために細かい
スケジュールを作成していること、入所者の方がケガ
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
15
学生のページ
をしないように小まめに爪をチェックして適切な長さ
できない、では話になりません。私がこの実習で痛感
に切っていることなどでした。
したことは、この自分の短所を克服しなければならな
3 つ目は、これは印象というよりは改めて気づいた
いということです。
ことですが、私自身が人とのコミュニケーションにお
最後に今回の早期臨床体験実習を通して思ったこと
いて積極性が欠けているということでした。私は人に
は、介護や医療では今までの私が考えもしなかった細
積極的に話しかけることが得意ではなく、入所者の方々
かいところまで気が配られており、それらが人と向か
とコミュニケーションをとるのが余り上手くできなか
い合う職業である以上、どんなに気を配っても配り過
ったような気がします。将来医師になったとしても、
ぎることはないということでした。
患者さんとコミュニケーションをとるのが苦手だから
実習先: ひろびろ作業所
(身体障害者通所授産施設)
あきやま
し づ か
秋山 志津香(医学部第 1 学年)
り、それほど大変ではないだろうと思っていました。
しかし、実際に 2 日間実習を行い、その予想が大きく
間違っていたとわかりました。ただ疲れたのではなく、
障害者の方にとってどのような接し方が一番いいのか
と考えることが多く、接し方が悪かったらどうしよう
【実習内容】
・布の裁断、整理等の作業
・昼食の介護
・トイレ介助の見学
・作業後の清掃
・バザーに向けた販売商品の 箱詰め
【何を得たか】
施設の指導員の方々は利用者さんにいつも笑顔で接
していた。私は最初どのように利用者さんに接したら
よいのかわからず不安になっていたが、徐々に自分ら
しさを出しながら利用者の方と接することができるよ
うになった。
医師を目指す私にとって貴重な経験をさせてもらっ
たと思う。施設の指導員の方々が、心から利用者の方
に寄り添い、共に 1 つのことを達成することに取り組
んでいた作業所の雰囲気はとても温かく感じた。今後
私も人との関わりの中で、このような温かい雰囲気を
作ることに貢献したいと思った。
と不安に思っていたためです。
【全体を通しての感想】
まず実習の冒頭に、
「利用者さんのやろうとしている
ことは極力手伝わないでください」と指示されたこと
に私は驚きました。しかし 2 日間を通して、この方法
が利用者の方にとって意味のあることだと解りました。
すぐに手を差し伸べてしまったら、利用者さんの「自分
でやろう」という気持ちがだんだんと薄れてしまうそ
うです。苦労や困難が生じる中、自分の手を動かして
頑張ることで、自分 1 人で克服できたという実感が湧
くとともに、やり遂げたあとの達成感がとても大きい
ことがわかりました。
私は実習内容を十分に把握していなかったこともあ
す。2日間しかいない私たちのためにわざわざ時間を割
障害者の方と長時間一緒に作業をしたのが初めてだ
ったので、1 日目は何を話したらいいのか分からず、戸
惑ってばかりでした。また昼食の介護をさせていただ
きましたが、うまくできずとても苦労しました。1 日目
の終了時には障害者の方に接する自信がなくなってし
まいましたが、施設の方が私に「変に利用者さんに気を
使ったりしなくてよいのですよ。ありのままの自分で
接してあげてください」とアドバイスしてくださった
おかげで、2 日目はリラックスして接することができま
した。また、2 日目は環境に慣れてきたこともあり、重
度の障害を持つ方々のことばも少しずつ理解できるよ
うになったので、いろいろなお話などができて嬉しく
思いました。
障害者の方々は初めてお会いしたにも拘らず、初日
から声をかけてくださり、挨拶をしたらニコッと微笑
まれる方もいらっしゃいました。また、実習の最後では、
私を含め実習を行った 3 人に折り鶴で作った首飾りを
プレゼントしてくださいました。とても嬉しかったで
いて作ってくださったことにとても感動しました。
私は 2 日間の実習で自分自身成長できたと思います。
障害者の方から学んだことがたくさんありました。
「よ
いお医者さんになってね」という言葉を一生忘れない
と思います。この実習で私は、重度の障害にも拘らず
自分のするべきことを一生懸命頑張って行う姿に、と
ても勇気づけられました。一つひとつのことを大切に
している姿を見て、私もふだん何気なく行っている個々
の行動の意義を考えながら、大切に毎日を過ごしてい
きたいと思いました。また障害者の方と交流する機会
などがあったら、ぜひ参加したいと思います。
【学事】
金沢医科大学報
16
学生のページ
第 2 回バーモント大学春期医学研修報告
(期間:2010 年 3 月 28 日∼ 4 月 25 日)
医学部現 6 学年の学生 5 名(天野圭彗子さん、本橋健史くん、宮内健悟くん、八木夏希さん、安田絵里子さん)が、
米国バーモント大学医学部で 4 週間の研修を行った。以下の報告はそのうちの 2 名によって書かれたものである。
(国際交流センター 相野田紀子記)
より良き医師を目指して:
これからの私たちと後輩たちへ
あまの
た え こ
やすだ
え り こ
天野圭慧子、安田絵里子(医学部第 6 学年)
【研修内容】
バーモント大学医学生とともに行った研修は、毎日
8:30 に始まり 18:30 ごろに終了した。4 週間の内容は次
のとおりである。血液腫瘍内科・循環器内科・内分泌
内科・泌尿器科・一般外科での外来診察および手術の
見学、ならびに病棟回診への参加、症例検討会への参
加、患者の問診・診察およびカルテの記入、病理学部
門での病理解剖実習と組織検査実習。さらに学外研修
として、ニューヨークのコロンビア大学医学部循環器
部門および日本総領事館医務室を訪問した。
【研修で学んだこと】
米国医学生の学び方:バーモント大学医学生と共に
シャドウイング(指導者にぴったりと影のように付い
て行動すること)を行ってみて、医療における医学生
の役割に愕然とさせられた。彼らは単なる“実習生”
ではなく、医療チームの“一員”として医療現場で重
要な役割を果たしているのだ。独立して行った身体診
察の所見を指導医に報告し、指導医との質疑応答を通
して自分自身の意見を述べ議論をしていた。病棟の至
る所で様々なチームが議論をしており、そのあまりの
多さに思わず「本当によくディスカッションをするん
だね」と医学生に言うと、
「言葉にすることで自分の知
識の整理ができるし、自分がどこまで理解できている
か相手に解ってもらえる。ディスカッションを通して
得ることができる知識はたくさんある。黙っていては
何も得られないよ」ということばが彼らから返ってき
た。そのような彼らの行動は常に積極的で、知識の修
得にとても貪欲だった。医学知識だけでなく技術面に
ついても、どんな些細な疑問であろうと指導医に質問
し、より多くのことを吸収しようとする彼らの姿勢を
目の当たりにし感銘を受けた。これから医師として働
き出す私たちも、自ら何かを学び取ろうとする姿勢を
血液腫瘍内科にて。
左から森 雅紀先生、学生、天野、Marc Greenblatt 先生
一般外科にて。Neil H.Hyman 先生と安田
常に持ち続けるべきであり、この貪欲さや意欲こそ忘
れてはならないものだと思った。
人との出逢い:研修中、多くの出逢いがあった。木
田正俊先生をはじめ実際に米国で働く日本人医師の姿
を見る事ができた。先生方は周囲の皆から信頼されお
り、その姿はとても印象深いものであった。研修中は
米国の医学生たちに圧倒され、自分を情けなく感じる
こともあったが、志の高い彼らから受けた良い刺激は
CCS、卒後研修、将来の医師像などを考える上で貴
重な経験となった。
本校には年に 2 回バーモント大学から医学生が訪れ
る。私たちが 5 年生の時に接した医学生たちと、この
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金沢医科大学報
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学生のページ
研修で再会し、週末には彼らと本当に楽しいひと時を
過ごすことができたことは一生の思い出となるだろ
う。
かけがえのないものをもたらしてくれる。私達もこの
出逢いを生かし、今後さらに頑張っていきたい。
【後輩に伝えたいこと】
今回の研修を通して、新たに気づいたことがたくさ
んある。後輩の皆さんも、まずは何にでも挑戦してみ
ることが大切だと思う。そこにはたくさんの出逢いが
ある。日本で英語を学ぶ機会は多くないと思うが、常
に先輩や学内の情報にアンテナをはり、海外から本校
を訪れる学生さんとできるだけ多くの交流を持ってほ
しい。そして、一つひとつの出逢いを大切にしてほし
い。ひとつの出逢いは更なる多くの出逢いにつながり、
最後になりましたが、今回の研修プログラムに携わ
ってくださった皆様に心から感謝いたします。ありが
とうございました。
クラブ
活動
ESS(English Speaking Society )
いわもと た つ や
部 長 岩本
龍哉(医学部第 3 学年)
ESS はネイティブの先生方を交えた定期的な活動
る堅苦しそうな印象とは正反対の、和気あいあいと
を通して、英語によるコミュニケーション能力の向
した雰囲気を持つ団体であるというところに、多く
上を図っています。具体的には、海外の医療系 DVD
のメンバーが惹きつけられるようです。
の視聴や英語の演劇、様々なトピックについての英
定期的なイベントも行っており、中でも、他の部
会話など、その活動は多岐にわたります。
活やサークルにはないイベントがハロウィンパーテ
入部当初の部員の英語力は当然のことながら様々
ィです。メンバーそれぞれが自分たちで仮装衣装を
ですが、時間とともにほとんどの部員が自然に高い
持ち寄り、飲食やハロウィン特有のゲームなどをし
水準へ到達していることは、客観的評価によって証
ながら交流を楽しむというもので、毎年たいへん盛
明されています。そして何よりメンバーはみな根っ
り上がります。
からの英語好きなので、毎回の活動は時間が経つの
今後も新しい活動内容やイベントをメンバー全員で
を忘れてしまうほど活発です。サークル名から受け
企画し、精力的に活動していきたいと考えています。
ハロウィンパーティ
クリスマスパーティ
【学事】
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18
学生のページ
クラブ
活動
柔道部
なると
主 将 鳴戸
けんすけ
謙輔(医学部第 3 学年)
我らが柔道部は現在男子 9 名、女子 5 名の計 14 名
のです。お互いに無理にならないように身体を動か
で活動しています。活動方針は柔道精神に則り、精
すことが理想であり、これは医療の理想とも通じる
力善用・自他共栄を掲げています。つまり、自分の
かと思います。かつて「押さば廻れ、引かば廻れ。
良いところを理解しつつ、余裕があれば他の人にも
球は重心を崩す事が無い」と言った名人がいますが、
手を貸してあげられる人間になろうよ、という方針
全てにおいて自己を崩さず多面的に相手に応じると
で活動しています。
いう姿勢を表したこの言葉は至言でしょう。
さて、近年は武道も下火になっているのか毎年 1
我らが柔道部の特徴としては活動に際し全く費用
∼2 人ずつしか入部せず、往年と比べれば細々とし
がかからないこと、OB の先生方との繋がりが強い
た活動を続けています。また部員の大半は大学に入
ことが挙げられます。練習場所としては武道場を用
学してから始めた初心者ばかりであり、現在は技術
意していただいており、練習に必要な唯一の物であ
の指導者もいないため、西日本医科学生総合体育大
る柔道着も先輩方の使い古しが畳まれて部室に積ん
会での成績も振るってはおりません。しかしなが
であります。研修中の忙しい中を陣中見舞いに訪れ
ら、そんな中でも入部しようと考え自ら門を叩いて
てくださったり、毎年奥飛騨で行われている柔道部
きた学生たちですので、皆どこか自分というものを
OB 会へ学生も呼んでくださったりと、本当に親身
強く持っているように感じます。そういった個性的
に面倒をみてくださいます。本学でも古参の柔道部
な面々ですので、目上の人への徹底した礼儀以外は、 ですが、この火を絶やさず、しかし伝統を固執する
互いの個性を認めて尊重し合うとても穏やかな雰囲
ことなく、後輩たちに伝えていくのが我々の務めと
気で活動しています。
思っています。
柔道の良いところは、互いが全力で戦ったとして
も怪我をしない武道であることです。つまり相手の
姿勢・特徴を把握し、それを利用して相手を制する
西医体での集合写真
練習風景
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国際交流
華中科技大学同済医学院から訪問団
−姉妹校大学院生の受入等について協議−
交流協議風景
華中科技大学の先生方
平成 22 年 5 月 27 日(木)、姉妹校である華中科技大
今回要望が出されたポスドクの受入れについては、本
学同済医学院訪問団を迎え、交流協議および「交歓学
学の受入れ環境を整備すること、大学院生については、
術講演会」が行われた。華中科技大学同済医学院と昭
同済医学院の修士課程−博士課程 6 年間のうち 2 年間
和 60 年に協定を調印して以来、今年で交流 25 年目を
を本学で研究する案が出された。また、2011 年度「交
迎える。その間に受入れた研究者、留学生およびポス
歓学術講演会」は中国武漢の同済医学院において「老
ドクは合計 59 名にも達し、現在も 8 名の同済医学院出
人病の基礎と臨床」のテーマで開催することが決定し
身者が在籍している。相互訪問のたびに交流協議を実
た。その他、医学部生の交換留学についても同済医学
施し、問題点を改善しながら、さらに交流を深め現在
院から提案が出されるなど、交流 25 年目を迎え新しい
に至っている。
交流の方策について、率直な協議が行われた。
今回の交流協議では、今後の姉妹校大学院生の受入
午後には、同済医学院の留学生等と訪問団の懇談の
れ、新たなポスドク研究生の受入れ、本学看護学部生
場を設け、母校の教員たちと直接、留学中の問題や帰
の同済医学院における研修実施の可能性、2011年度「交
国後の就職の相談ができる良い機会となった。
歓学術講演会」のテーマ等について協議された。前回要
※
望の強かった姉妹校大学院生のダブル・ディグリー に
ついては、引き続き担当部門間で協議を進めること、
(国際交流委員長 梅原久範記)
※ダブル・ディグリー:我が国と外国の大学が、教育課
程の実施や単位互換等について協議し、双方の大学がそ
れぞれ学位を授与するプログラム。
文部科学省は、
「他の類似の用語も含め、国内外におい
て多様な用い方がされていることに留意が必要である」
としている。
華中科技大学同済医学院訪問団(敬称略)
団長:馮 敢生 (華中科技大学同済医学院 副院長、同済医
学院附属協和病院 副院長)
団員:万 開元 (華中科技大学 国際交流処常務副処長、同
済医学院 国際交流部部長)
同済医学院の留学生と訪問団との懇談会
肖 克難 (華中科技大学同済医学院 弁公室主任)
毛 靖 ( 同 護理系主任(看護学科科長)、教授)
宮 念樵 ( 同 臓器移植研究所副教授)
黄 肇栄 ( 同 外国語部日本語教授)
【国際交流】
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20
金沢医科大学−華中科技大学同済医学院
交歓学術講演会
Joint Scientific Meeting 2010
平 成 22 年 5 月 27 日( 木 )
、金沢医科大学−華中科
技大学同済医学院「交歓学術講演会」Joint Scientific
Meeting 2010 が本学病院新館 12 階大会議室において
開催された。
これは、華中科技大学同済医学院との姉妹校交流の
一環として、毎年、両大学が交互に「学術講演会」を
開催すると決定されたことに基づくものである。2009
年は武漢の同済医学院での開催予定であったが、新
型インフルエンザの流行により渡航自粛となり、や
森山 学講師
横山 仁教授
宮 念樵副教授
むなく延期となった。その後の協議の末、同済医学院
の本学訪問と「学術講演会」開催の希望を受け、前回
のテーマであった「腎移植」を取り上げ、今回の開催
となった。本学から、泌尿器科学森山 学講師が「腎臓
虚血再還流障害におけるエリスロポイエチンの防御作
用」について、腎臓内科学横山 仁教授が「腎移植後慢
性拒絶における非免疫的非 HLA- クラスⅠ要因」につ
いて、華中科技大学同済医学院臓器移植研究所宮 念
樵 副 教 授 が「Adenovirus-mediated Antisense ERK2
Gene Therapy Inhibits the Process of Epithelialmesenchymal Transition and Ameliorates Chronic
交歓学術講演会会場
Allograft Nephropathy 」について、それぞれ興味深
い発表を英語で行った。教員、学生等約 60 名の参加
れた。参加者や本学在籍の中国人留学生がそれぞれ訪
者があり、活発な質疑応答が行われた。
問団と和やかに交流し、友好を深めあうことができた。
講演会後には、ホテル金沢において懇親会が開催さ
懇親会
(国際交流委員長 梅原久範記)
懇親会にて記念撮影。左から黄 肇栄先生、万 開元先生、山田学長、
毛 靖先生、山下理事長、宮 念樵先生、馮 敢生先生、肖 克難先生
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金沢医科大学報
留学生とその家族
学長と語る会
21
イクリングターミナルにあるバーベキュー用施設で、
平成 22 年7月 14 日(水)午後 5 時半から 2 時間にわた
って行われた。参加者は、中国・ベトナム・バングラ
ディシュからの留学生とその家族 21 人および本学教
職員 14 人の計 36 人で、山田裕一学長の挨拶と勝田省
外国人留学生の本学滞在支援に関する国際交流セン
吾センター長の乾杯で賑やかに始まった。あちこちで
ター新企画の一つとして、昨年夏に「理事長と語る会」
飛び交う日本語と英語、子供たちの賑やかな声、肉を
(学報 140 号、p.23 )を開催したが、この企画をさらに
焼く煙と炎、焼きそばをつくる音などの中、食べなが
発展させ、今年度からは年度前半に「学長と語る会」
、
ら飲みながら、学長・教職員と留学生がつくる和やか
後半に「理事長と語る会」を開催することとした。
な場面は、テントが夕日に染まるまで展開された。
この初めての企画「学長と語る会」が、内灘町営サ
学長の挨拶
(国際交流センター 相野田紀子記)
学長と語り合う留学生達
Center for International Exchange
Kanazawa Medical University
CIE
Café 交流カフェ
第 17 回 2010.5.19(水)17:30~18:30
話 題: Let's enjoy“maccha ”
(抹茶を楽しもう)
担 当: 相野田紀子(国際交流センター)
第 18 回 2010.6.16(水)17:30~18:30
話 題: FIFA World Cup 2010(ワールドカップ 2010 )
担 当: Craig Woods 講師(一般教育英語)、
津田龍佑講師(一般教育体育)
Kaleidoscope
第 11 回 2010.5.14(金)17:30~18:30
読み物: Japanese“ma ”and“wa ”from The Inscrutable
Japanese. Kodansha International, 1997.
担 当: N. Ainoda(国際交流センター)
第 12 回 2010.6.11(金)17:30~18:30
読み物: Why Japanese tend to stay with the same
group? from The Inscrutable Japanese.
Kodansha International, 1997.
担 当: T.T.Pham(公衆衛生学 大学院生)
第 13 回 2010.7.9(金)17:30~18:30
読み物: Concept of nature from Keys to the Japanese
Heart and Soul. Kodansha International, 1996.
担 当: N. Ainoda(国際交流センター)
金沢医科大学報
22
学 術
第9回 KMU 研究推進セミナー
北陸がんプロ教育セミナーと合同開催
日時: 平成 22 年 6 月 18 日(金) 午後 4 時
場所: 金沢医科大学病院新館 12 階大会議室
KMU 研究推進セミナーと北陸がんプロ教育セミナ
ーが合同で、さる 6 月 18 日(金)に学内外から 79 名の
参加者のもと、病院新館 12 階大会議室で開催された。
KMU 研究推進セミナーは本学における研究の活性化
を目指し、研究推進会議が中心となり企画しているも
ので、国内トップの研究者による「特別講演」と前年
度導入された機器を中心とした共同利用研究機器の
活用をめざす技術セミナー的要素を組み込んだ講演の
二部構成となっている。今回は定期的に開催している
「KMU 研究推進セミナー」に加え、北陸がんプロフェ
特別講演:脇田隆字先生
臨床講演:有沢富康先生
ッショナル養成プログラムの「教育セミナー」
(大学院
医学研究科)を合同で行うことにより、がん医療に関
ウイルス第二部部長)による「C 型肝炎ウイルスの複
する理解を深め、研究の活性化と推進を図ることを目
製増殖と持続感染機構の解析」があり、肝炎解明の歴
的として開催された。
史、中でも C 型肝炎ウイルスの発見および最新情報に
セミナー開始にあたって、山田裕一学長から本学に
ついて詳細な説明がなされた。
「肝がん」の主要起因ウ
おける機器活用、臨床研究への期待を込めた挨拶があ
イルスである C 型肝炎ウイルスは、ヒト・チンパンジ
り、続いて総合医学研究所共同利用部門の石垣靖人講
ー体内では簡単に増殖するが、なぜかヒト細胞株では
師から、共同利用機器施設として昨年度導入されたイ
増殖しなかった。脇田先生らは劇症肝炎患者から得ら
ンキュベータ蛍光顕微鏡、走査型電子顕微鏡、ナノズ
れた JFH1 ウイルス株を用い、細胞でのウイルス増殖
ーマー等の紹介および応用例について説明があった。
系を世界で最初に確立したのである。ウイルス発見
今回のテーマ『がん』に関連して、臨床講演では消
から 15 年間以上の謎を解決したことは、まさにブレ
化器内科学の有沢富康教授による「消化管の慢性炎症
ークスルーを成し遂げたものであった。その成果は、
からの発癌 −ポストゲノム時代の臨床に向けて−」の
Nature 誌にも取り上げられ世界各国の肝炎研究者か
講演が行われた。慢性炎症に関わる遺伝子発現とメチ
ら注目を浴びた。今後の肝炎治療薬剤の開発に大いに
ル化の基礎研究に続き臨床への活用等が呈示された。
貢献するであろう。
特別講演では、脇田隆字先生(国立感染症研究所
今回のセミナーには、石川県産業創出支援機構から
のコーディネーターを含め、
『がん』に関心のある若手
研究者を中心に、多くの方が参加された。
なお、出席できなかった方のためにビデオ配信を準
備したのでご活用いただければ幸いである。
(研究推進会議セミナー担当 竹上 勉記)
※本学イントラネット VOD にて供覧中。また、学内
における共同利用研究機器についても本学イントラネッ
ト「総合医学研究所」に記載。
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金沢医科大学報
23
大学院医学研究セミナー
視床下部ペプチドオレキシン系
の摂食と報酬の制御による糖尿
病の治療戦略
てんかん診療の第一線から先端
研究まで
講 師
講 師
日 時
場 所
担 当
笹岡利安先生(富山大学大学院医学薬学
研究部病態制御薬理学教授)
平成 22 年 5 月 13 日(木)18:00∼19:30
病院本館 4 階 C41 講義室
内分泌代謝制御学 古家大祐教授
【講師紹介】
笹岡先生は、1985 年に滋賀医科大学
医学部を卒業、同大学大学院医学研究
科修了、現在に至る。
(詳細は学報 139
号大学院医学研究セミナー記事参照)
【主な研究分野】
加齢に着目した 2 型糖尿病の治療法の
開発、インスリン抵抗性病態の改善に
適した高血圧治療法の開発の 2 テーマ
を柱として、食欲やエネルギー代謝の調節機構が加齢に
伴いどのように変化し、2 型糖尿病の発症に繋がるかをオ
レキシンに着目して解明された。また、高齢化社会にお
いて認知機能を含む QOL を高めるための糖尿病治療の新
たな戦略として、脳におけるインスリン抵抗性の原因で
あるリピッドホスファターゼの阻害を提起されている。
【セミナーの内容】
オレキシンは摂食を司る視床下部ペプチドとして発見
されたが、睡眠と覚醒の調節に重要な役割を担い、ヒト
でオレキシンが欠乏するとナルコレプシーを呈すること
が知られている。笹岡先生らは、オレキシンの欠損が加
齢に伴う耐糖能異常に深く関わることを、オレキシン欠
損マウスを用いた検討により明らかにされた。オレキシ
ンが欠損した 3ヵ月齢のマウスでは、視床下部でのインス
リンとレプチン作用の低下が生じる。6ヵ月齢になると、
PEPCK や G6Pase などの糖新生酵素の遺伝子発現が亢進
して肝蔵での糖代謝に異常を認め、9ヵ月齢になると全身
でのインスリン抵抗性と耐糖能異常を呈する。ヒトでも
慢性の高血糖状態では脳でのオレキシン量が低下するこ
とから、糖尿病とオレキシンとの関連が示唆される。生
理的濃度のオレキシンは、副交感神経を介して、肝臓で
のインスリンとレプチン作用を高めることで、肝糖代謝
の調節に重要な役割を担うことを明らかにされた。さら
に、オレキシンと関連の深いドーパミン神経系は報酬の
制御に重要な役割を担うが、ドーパミン受容体欠損マウ
スは耐糖能異常を呈することを示された。ドーパミン受
容体作動薬であるブロモクリプチンはパーキンソン病の
治療薬として知られているが、その少量投与は視床下部
での作用を介して糖・脂質代謝異常を改善することから、
2 型糖尿病の新規治療薬として、米国では昨年承認され
ている。以上、オレキシン - ドーパミン系を標的とした新
たな糖尿病の治療戦略の可能性と展望を話していただい
た。
(内分泌代謝制御学 古家大祐記)
日 時
場 所
担 当
池田昭夫先生(京都大学大学院医学研究
科脳病態生理学講座臨床神経学准教授)
平成 22 年 5 月 14 日(金)18:00∼19:30
病院本館 4 階 C41 講義室
脳神経治療学 松井 真教授
【講師紹介】
1985 年、佐賀医科大学医学部卒業。1989 年から 2 年
間、米国オハイオ州クリーブランドクリニックへ留学
(神経内科およびてんかん・臨床神経生理部門フェロ
ー)。1991 年、京都大学医学部脳病態生理学講座助手。
2001 年、京都大学医学研究科臨床神経学講師。2007 年、
同准教授。
【主な研究分野】
ヒト難治てんかん焦点の生理学的病態研究。
【セミナーの内容】
以前は発作型という症状を中心とした分類が行われ
ていたが、近年、遺伝子解析や MRI、発作時ビデオ
撮影、さらに PET などを駆使することにより、疾患
分類が発展しつつあることが示された。次に、神経細
胞の過剰放電が起こる部位あるいは伝播の仕方によっ
て、ジストニアや ictal speech(ふんふんと意味ない
ことを言う)、ictal Gerstmann syndrome などが出現
することを、症例提示を交えて解説していただいた。
最後に、脳波上の棘波や鋭波は大脳皮質錐体細胞起源
であり、これに対し直流電位は錐体細胞とグリア関連
電位であるが、脳波で採用している 0.1 という時定数
設定は、1.5Hz 以上の脳波を捉えることを目的として
いるので記録できないこと、したがって将来のてんか
ん研究では、遅い直流成分を分析することで現在の方
法では同定不能なてんかん焦点を明らかにし得る可能
性が示された。
【セミナーの成果】
臨床から細胞レベルでの電位変化にまで亘るてんか
ん学のトピックスを提供いただき、大学院生に発想の
転換を促す有意義なセミナーであった。 (脳神経治療学 松井 真記)
【学術】
金沢医科大学報
24
大学院医学研究セミナー
サイトカインと心疾患、そして
生活習慣病
小児ウイルス性下痢症の現状と
課題:今なぜロタウイルスワク
チンが問題なのか
講 師
講 師
日 時
場 所
担 当
神田享勉教授(金沢医科大学大学院医学
研究科総合内科学教授)
平成 22 年 6 月 3 日(木)18:00∼19:30
病院本館 4 階 C42 講義室
総合内科学 神田享勉教授
【講師紹介】
昭和 53 年に金沢医科大学医学部を
卒業し、昭和 57 年に群馬大学大学院
医学研究科修了(第一病理学)。昭和
60 年にノースカロライナ州立大学に留
学し、平成 12 年、群馬大学医学部文
部教官助教授(総合診療部)の後、平
成 13 年 6 月に金沢医科大学総合診療
科特任教授として赴任。平成 20 年 7 月に金沢医科大学
氷見市民病院総合診療科教授(地域医療学部門)
、平成
21 年 4 月より金沢医科大学氷見市民病院病院長補佐。
【主な研究分野】
病理学、循環器内科学。研究テーマはサイトカイン
の臨床応用。
【セミナーの内容】
サイトカインには多くの種類があるが、特に免疫、
炎症に関係したものが多い。サイトカインは細胞表面
の膜上にある受容体に結合して働き、それぞれに特有
の細胞内シグナル伝達経路の引き金を引き、結果的に
は細胞に生化学的あるいは形態的な変化をもたらす。
臨床で実際使用されているものは、ウイルス性肝炎に
対する IFN- α、免疫疾患特に慢性関節リウマチに対す
る抗 IL-6 受容体抗体と抗 TNF- α抗体、慢性閉塞性動脈
硬化症に対する血管形成を誘導する VEGF と HGF があ
る。ところが近年、免疫とは関連性のないと思われた疾
患で応用されている。たとえば慢性疲労症候群である。
診断基準は、新しく倦怠感が始まり、回復しない、活動
が 50%以上制限されるというもので、これは原因不明
の難治性疾患である。われわれの研究で、疲労中枢は
脳 の 海 馬 で あ り、BDNF(Brain-Derived Neurotropic
Factor )が減少するために神経細胞の不活化が起こり、
神経内分泌系の伝達が崩壊することが分かった。BDNF
はすでに、自閉症やうつ病のマーカーにも応用されて
おり、今後は BDNF が今までにない疲労マーカーとし
て汎用される可能性も示している。
【セミナーの成果】
サイトカインの臨床応用は、近年目覚ましい。神田
らの BDNF の探索は、脳と情動から心臓病へと発展し
ている。参加者も精神疾患とサイトカインなどに興味
を示していた。
(総合内科学 神田享勉記)
日 時
場 所
担 当
中込 治先生(長崎大学大学院医歯薬学総
合研究科感染免疫講座分子疫学分野教授)
平成 22 年 6 月 4 日(金)18:00∼19:30
基礎研究棟 2 階会議室
分子腫瘍学 竹上 勉教授
【講師紹介】
中込先生は 1977 年に秋田大学医学
部を卒業後、1981 年には東北大学大
学院を修了し、医学博士を取得され、
その後秋田大学医学部微生物学講座
助手となり、1982 年講師、1986 年助
教授、1992 年に教授となられた。な
お 1983∼1985 年には米国国立衛生研
究所(NIH )に留学されている。2003 年に長崎大学医
学部教授となり、また 2004 年からは英国リバプール
大学の客員教授となり、現在に至っている。
【主な研究分野】
ウイルス性胃腸炎の原因となるロタウイルスの分子
疫学について長年、活発に研究解析を進めており、研
究論文は 200 編以上になっている。
【セミナーの内容】
本セミナーでは小児下痢症の起因ウイルスであるロ
タウイルス、特にそのワクチンについて焦点を当て分
かりやすく現状を説明された。小児科領域では急性胃
腸炎の 20%、入院患者胃腸炎の 50% がロタウイルスに
よると言われているが、この疾患はワクチンによって
防ぐことができると強調された。しかしながら、その
ワクチンは開発されてから既に 4 年が経っているにも
関わらず普及が進んでいないこと、そのことによる深
刻な状況が示された。日本でのワクチンに対する認知
は先進国の中でも遅れており、院内感染防止の視点か
ら普及が必要だと指摘された。また、有名なビル・ゲ
イツ氏が800万人の子供の命を救うために、10年にわた
り総額100億ドルを拠出してワクチン普及活動を行って
いることにも言及された。
【セミナーの成果】
ウイルス感染症に対する予防策としては、ワクチン
は最も効果的な方法である。その基本的な重要点を今
一度、強調され、最近の「新型」インフルエンザ流行
時における過剰な応答とは異なる適切な感染症対策の
必要性が改めて認識させられた。それは医療における
根本的な考え方を与えるものであり、聴講した大学院
生、研究者にとって大変有益な講演内容となり、質疑
応答も活発に行われた。
(分子腫瘍学 竹上 勉記)
第 143 号/ 2010.8
金沢医科大学報
25
大学院医学研究セミナー
血液交叉灌流系でわかる摘出心
臓の心機能
卵巣癌をモデルにしたがん研究
の符丁と治療戦略
講 師
講 師
日 時
場 所
担 当
高木 都先生(奈良県立医科大学医学部医
学科生理学第二講座教授)
平成 22 年 6 月 11 日(金)18:00∼19:00
基礎研究棟 3 階 D31 講義室
生理機能制御学 芝本利重教授
【講師紹介】
日 時
場 所
担 当
片渕秀隆先生(熊本大学大学院生命科学
研究部生体機能病態学婦人科学分野教授)
平成 22 年 6 月 18 日(金)18:00∼19:30
病院本館 4 階 C41 講義室
生殖周産期医学 牧野田 知教授
【講師紹介】
1970 年に京都大学薬学部薬学科を
1982 年に熊本大学医学部医学専門
卒業後、1980 年岡山大学にて医学博
課程を卒業後、同大学院医学研究科
士を取得。1996 年より奈良県立医科
外科系産科婦人科学で医学博士を取
大学生理学第二教授。2006 年日本平
得。1993 ∼ 1995 年に米国メリーラン
滑筋学会栗山賞など受賞多数。
ド州ジョンズ・ホプキンス大学医学
【主な研究分野】
部病理学講座へ留学。2004 年より熊
心室圧容量曲線による心臓ポンプ機能の解析、遺
伝子導入による心不全治療法の開発、消化管平滑筋の
機能解析など多岐に亘る研究を精力的に推進されてい
る。
本大学医学部産婦人科教授に就任。
【主な研究分野】
ヒト上皮性卵巣癌の組織発生と分子生物学。子宮内
膜癌に於ける分子生物学。婦人生殖臓器に於けるマク
【セミナーの内容】
ロファージの役割。子宮内膜症の発生機序からみた治
高木先生はラット心室圧容量曲線の解析から、新し
い心機能評価の指標である eEmax を提唱された。こ
療戦略。
【セミナーの内容】
れは小動物に対する心機能の指標として世界的に認
卵巣癌の母細胞は腹膜中皮と起源を同一にする卵
められている。また摘出心臓を Tyrode 液ではなく血
巣 表 層 上 皮 ovarian surface epithelium(OSE )細 胞
液で灌流する血液交叉灌流法を開発され、従来は困
と考えた。正常ヒト OSE 細胞の分離・培養に着手し
難であった心室圧容量曲線の長時間計測を可能にさ
た 結 果、 独 自 の scraping method を 開 発 し in vitro
れた。本セミナーでは、血液交叉灌流の方法と利点、
での OSE 研究を可能とした。より安定化した条件
eEmax の測定原理とその意義を解説していただいた。
の OSE を 採 取 し、2 種 類 の 不 死 化 細 胞 株 OSE2a と
また、これらの手法を駆使した isoproterenol 誘発肥
OSE2b2 を獲得した。OSE2a は正常 OSE の性格を残
大心や糖尿病心での収縮拡張機能異常の解析、筋小胞
し、OSE2b2 は造腫瘍能を自然に獲得し、ヌードマウ
体 Ca2+ ポンプ遺伝子導入による心不全治療の可能性
スへの移植実験で未分化癌を形成した。さらにその
など多彩な研究成果をご紹介いただいた。
後もより卵巣腫瘍に近い不死化 OSE 細胞株を開発し、
これらを用いた研究は卵巣癌の発癌機構を分子レベル
【セミナーの成果】
高度な内容を解り易く解説していただき、活発な討
論が行われた。血液交叉灌流法は今後の心機能研究に
不可欠の方法論であり、心機能の実験的研究を志す研
究者・大学院生はもとより、心疾患の治療に携わる臨
床家にも大変有意義なセミナーであったと考える。
(生理機能制御学 倉田康孝記)
で解明し、今後の卵巣癌治療の新たな扉を開くものと
考えられる。
【セミナーの成果】
十数年にわたる高度な研究結果を分かりやすく解説
され、婦人科癌の分子標的治療の礎となる情報をもた
らした。婦人科癌に携わる研究者のみならず大学院生、
他科の研究生にとっても大変有意義なセミナーであっ
た。
(生殖周産期医学 早稲田智夫記)
【学術】
金沢医科大学報
26
大学院医学研究セミナー
がんとアンギオテンシンⅡ産生系
ーがん治療におけるARBの有用性ー
がん薬物療法の分子薬理と最近
の話題
講 師
講 師
日 時
場 所
担 当
太田哲生先生(金沢大学医薬保健学域医
学系がん局所制御学分野消化器・乳腺・
移植再生外科教授)
平成 22 年 6 月 23 日(水)18:00∼19:30
病院本館 4 階 C41 講義室
消化器外科治療学 小坂健夫教授
【講師紹介】
日 時
場 所
担 当
南 博信先生(神戸大学大学院医学研究科
腫瘍血液内科学分野/医学部附属病院
腫瘍血液内科教授)
平成 22 年 6 月 24 日(木)18:00∼19:20
病院新館 12 階特別会議室
腫瘍内科学 元雄良治教授
【講師紹介】
1979 年 に 金 沢 大 学 医 学 部 を 卒 業
南先生は 1986 年(昭和 61 年)に名
後、同大学で医学博士を取得され、
古屋大学医学部をご卒業後、同第 1
2006 年より教授に就任。
内科に入局され、1994 年∼1995 年に
シカゴ大学ご留学後、1996 年より国
【主な研究分野】
膵胆道領域の悪性腫瘍に関する外
立がんセンター東病院に勤務され、
同化学療法科医長を経て、2007 年 6
科治療。
月より現職に就任された。
【セミナーの内容】
膵癌は消化器がんの中でもきわめて“予後の悪いが
【主な研究分野】
ん”である。本セミナーで太田哲生先生は、世界で最
臓器別のご専門は呼吸器内科であるが、国立がんセ
初に発見した“膵癌組織内におけるレニン・アンギオ
ンター東病院時代より臓器横断的ながん薬物療法に従
テンシン系(RAS )非依存性のアンギオテンシンⅡ産
事され、薬物の開発的治療研究、臨床薬理学的研究に
生系”の研究成果を紹介された。まず、腫瘍内で産生
されたアンギオテンシンⅡは、癌間質内に存在する
おいて活躍されている。
【セミナーの内容及び成果】
線維芽細胞の AT1 受容体を介した血管新生の促進や
本セミナーは第 27 回がん診療連携拠点病院研修会
TGF- β 1 を介した癌間質の線維化を促進させて、癌
を兼ねており、当日は化学療法・分子標的薬剤・臨床
細胞の生存に寄与することを示された。さらに、アン
薬理に関心の高い多くの参加者があった。ご講演で
ギオテンシン受容体ブロッカー(ARB )は、間接的に
は、がん薬物療法の最新の話題として、乳癌における
膵癌細胞の上皮・間葉系移行、すなわち癌細胞の浸
HER-2 から始まり、K-ras 遺伝子変異と抗 EGFR 抗体
潤・転移能を抑制していることや、抗がん剤の抗腫瘍
薬の効果予測など、現代の分子標的治療で知っておく
効果を増強させる作用を持ち合わせていることを紹介
べき重要な内容が系統的に述べられた。とくに PARP
された。先生は、癌治療の際には癌細胞にだけ目を向
(poly [ADP-ribose] polymerase )阻害剤 BSI-201 とゲ
けるのではなく、癌間質内での組織リモデリングの亢
ムシタビン/カルボプラチンの併用で転移性トリプル
進にも目を向け、
“ARB を抗がん剤治療の際に併用し
ネガティブ乳癌患者の生存期間が延長する臨床試験
て、組織リモデリングを抑制すること”の重要性を述
の紹介には聴衆が注目し、ご講演後には質問が出た。
べられた。
BRCA 遺伝子変異陽性卵巣癌に有効である PARP 阻害
【セミナーの成果】
膵癌組織におけるアンギオテンシンⅡ産生系の意義
と、ARB の治療応用への可能性について、丁寧にわ
かりやすく解説され、がん治療をめざす研究者、大学
院生、学部学生にとって大変有意義な内容であったと
思われる。
新規薬剤である PARP 阻害剤は他にも多数開発され、
(消化器外科治療学 小坂健夫記)
剤も紹介された。このような活発な開発状況から、今
後のがん薬物療法の無限の可能性が示唆された。最後
には「神戸大学がんプロフェッショナル養成プラン」
の紹介があり、若い人の参加を強く希望されていた。
南先生は国内外で多くの聴衆を前にした講演会を数多
く経験しておられ、日本を代表する腫瘍内科医である
ので、当日は本学で先生を一人占めしてご講演を拝聴
する贅沢を味わったひとときであった。
(腫瘍内科学 元雄良治記)
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
産学官連携
27
第 9 回国際バイオ EXPO
併催 バイオテクノロジー国際会議
2009 年度医学系大学産学連携
ネットワークシンポジウム
平成 22 年 6 月 30 日(水)から 7 月 2 日(金)の 3 日間、
東京ビッグサイトにて開催されたアジア最大のバイオ
平成 22 年 3 月 24 日(水)東京医科歯科大学において、
イベント「第 9 回国際バイオ EXPO 」に、初めて本学
2009 年度医学系大学産学連携ネットワークシンポジ
が出展者として参加した。650 社以上の企業が出展し
ウムが約 100 名参加者のもと開催された。本学からは、
66,750 名の来場者があった。
産学連携推進委員会委員の石垣靖人講師(共同利用部
門)と高田律子産学連携コーディネータが出席した。
基調講演は、テーマを「産学連携 A Personal History」
発表会場で行われたバイオアカデミックフォーラム
では、本学から 5 件の研究発表を行った。国際バイオ
EXPO 公式 HP にあらかじめ「e- ガイドブック」を登録
と題し、京都大学大学院医学研究科の成宮 周教授に
しておくことで、各発表の概要やスケジュールを知る
より次のとおり行われた。
ことができ、なかには本学の研究発表に合わせて来場
1.契約と研究
された方もいた。聴講者が多く、立ち見となった発表
企業と大学との間ではっきりとした共同開発目標を
定め、契約に基づく研究開発が重要である。
2.産学連携と安心
産学連携を専門に行う組織ができたメリットとし
て、
「研究者が研究の権利を心配することなく安心し
もあり、本学の研究成果に高い関心が寄せられている
ことがうかがわれた。
金沢医科大学の各展示ブースには、熱心に質問をす
るお客様も多く、共同研究や製品化への発展が期待さ
れる話もあった。今後の展開が大いに期待される。
(研究推進センター 高田律子記)
て研究に取り組めるようになったこと」が挙げられ
る。アステラス製薬との組織的連携により、創薬現場
を理解した医学研究者の育成ができた。
3.知の創造サイクルと医学の発展
新薬を含む新規治療法の創成は、医学研究者の責務
である。これらは企業との協力なしには成しえないし、
知の創造サイクルを回し、医学を発展させるためにも
必須である。以上、成宮先生は英国製薬会社での留学
体験をもとに提言された。
その後、東京医科歯科大学、札幌医科大学、三重大学、
東北大学、京都大学によるパネルディスカッションが
行われた。大学と産業界との関わり方、大学が主体と
なった国際的な技術移転活動、産業界・官公庁が集中
する大都市圏から離れた地方大学がどのように産学官
〈発表者〉
(発表順)
友杉直久教授(総合医学研究所)
「純炭によるピロリ菌の抑制法の開発」
久原とみ子教授(総合医学研究所)
「メタボロミクスによる遺伝子診断、個別化医療、
化学物質安全性評価」
高林晴夫准教授(FDD-MB センター)
「FDD-MB 3.0 System の展望」
富澤英樹講師(産科婦人科学)
「黄体化未破裂卵胞(LUF )における G-CSF 治療の
有用性」
古家大祐教授(糖尿病・内分泌内科学)
「カロリー制限は SIRT1 活性化を介して老化腎障害
を改善する」
連携を進めていくか等、様々な局面に関する意見交換
が行われた。大学によって、研究者における知財や契
約に対する意識に差があるとの意見があったが、大学
の規模ではなく、各大学における産学連携に対する熱
意の差によるものと考えられる。そういった観点に立
って、本学独自の産学連携活動の在り方を模索してい
く必要性を感じた。
なお、今回の会議から石垣靖人講師が「医学系大学
産学連携ネットワーク運営委員会」の運営委員として
参加することになり、本学にとって、産学連携に関す
る効率のよい情報収集、発信の窓口となっていただけ
るものと期待される。
(研究推進センター 高田律子記)
発表風景
【学術】
金沢医科大学報
28
受 賞
医学生物学電子顕微鏡技術学会
奨励賞 受賞
第 53 回日本腎臓学会学術総会
平成 21 年度 優秀論文賞 受賞
石垣 靖人 講師 (総合医学研究所 共同利用
奥山 宏 助教 (腎臓内科学)
部門)
第 26 回 医 学 生 物 学 電
平 成 22 年 6 月 16 日 ∼
子顕微鏡技術学会が平成
18 日 に 神 戸 国 際 会 議 場
22 年 5 月 14 日 か ら 16 日
で 開 催 さ れ た 第 53 回 日
まで別府で開催され、そ
本腎臓学会学術総会にお
の総会において総合医学
いて優秀論文賞を受賞
研究所共同利用部門の石
しました。対象となった
垣靖人講師が奨励賞を受
のは、日本腎臓学会誌第
賞した。
51 巻第 1 号に掲載された
この学会はその名の
原著論文「当院における
示す通り医学および生物
過 去 30 年 間 の ル ー プ ス
学分野における電子顕微鏡技術の開発と普及を目的と
糸球体腎炎の臨床病理学的検討」で、審査の結果選考
するもので、医学生物学の研究者や電子顕微鏡一筋に
されました。本論文は、1975 年 1 月から 2006 年 6 月ま
10 年 20 年と研鑽を積んできた技術者が議論を戦わせ
での期間に腎生検によりループス糸球体腎炎と診断し
る場でもある。最近は分子生物学的な手法と電子顕微
た 31 例を対象に ISN/RPS 2003 ループス糸球体腎炎改
鏡による形態学的解析との融合にも主眼を移しつつ、
定基準を基に、当科での診断・治療成績および予後を
イオン液体のような革新的な技術についても貪欲に取
検討し、ループス糸球体腎炎の各病型の臨床的特徴を
り組んできている。
報告したものです。
このような状況において、石垣講師は電子顕微鏡下
論文が評価されたことを大変光栄に思っております。
における mRNA の可視化に関して一連の重要な発表
(腎臓内科学 奥山 宏記)
と技術開発を行ったことが高く評価され、今回の受賞
となった。この受賞は、石垣講師の努力と共に、研究
所の竹原照明技術員や退職された栗原孝行元講師の残
した成果の蓄積に加えて、本学に設置されたエネルギー
フィルター型電子顕微鏡の活用、共焦点レーザー顕微
鏡、走査型および透過型電子顕微鏡等の共同利用研究
機器の新規導入が下支えしてきたことも指摘しておき
たい。
近年は分子生物学や病態解析研究が、遺伝子解析を
活かしつつ形態学的な研究領域へも広がりつつある。
このような趨勢から、本学においても研究や診断にお
ける電子顕微鏡の活用はさらに重要性を増すものと期
待される。
(総合医学研究所 竹上 勉記)
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
29
平成 22 年度 科学研究費補助金交付決定
科研対策特別委員会委員長 伊
達 孝 保
昨年 11 月に本学から新規で 193 件の研究課題を応募した結果、23 件 5,530 万円が新たに採択された。その内訳
は、医学部が 18 件、看護学部が 4 件、総合医学研究所が 1 件である。これに継続分を加えると、本学全体で、63 件、
直接経費 8,830 万円、間接経費 2,616 万円、総額 11,446 万円となった。
この数値は、前年度に比べ、件数では 14 件 、 金額では 2,540 万円増となった。金額は、平成 20 年度(58 件、
8,874 万円)並の数字だが、件数は過去最高となっている。来年度の採択向上に向け、今後もご協力をお願いしたい。
平成 22 年度科学研究費補助金交付決定状況(文部科学省・日本学術振興会)
(単位:千円)
件 数
直接経費
基盤研究(A)
研究種目名
1
15,500
4,650
20,150
基盤研究(B)
2
12,500
3,750
16,250
基盤研究(C)
50
49,000
14,700
63,700
挑戦的萌芽研究
1
1,100
―
1,100
若手研究(A)
1
2,100
630
2,730
若手研究(B)
8
8,100
2,430
10,530
63
88,300
26,160
114,460
合 計
間接経費
金 額
〈研究種目、課題番号順〉
種目名
氏名・職名
基盤研究( A ) 梅原久範 教授
一般
(単位:千円)
部門名
血液免疫内科学
研究課題
直接経費
スフィンゴミエリン KO マウスを用いた自己免疫疾患の
発症機序の解明と治療法への応用
小計
基盤研究( B ) 北村 修 教授
一般
1件
間接経費
15,500
4,650
15,500
4,650
法医学
覚醒剤濫用の法医病理学的診断を目指した薬物依存モデ
ル動物による酸化ストレスの解析
3,600
1,080
解剖学Ⅰ
母胎間シグナルリレーの大脳皮質発生における生理学的
意義
8,900
2,670
12,500
3,750
胃癌再発抑制の新しい戦略−治癒手術後潜在再発に対す
る抗癌剤効果予測−
800
240
小島正美 准教授 看護学部
眼鏡、サングラスを介して背後から眼内に侵入する紫外
線の経路とその防御法若手研究
1,000
300
岩淵邦芳 教授
モノユビチキン化 53BP1 による非同末端結合修復制御機
構の解明
1,000
300
八田稔久 教授
小計
基盤研究( C ) 小坂健夫 教授
一般
消化器外科学
生化学Ⅰ
2件
倉田康孝 准教授 生理学Ⅱ
マウス ES 細胞由来心筋細胞の分化成熟過程における分岐
構造の非線形力学的解析
800
240
米倉秀人 教授
生化学Ⅱ
神経−血管相互作用による血管ネットワーク形成に関わ
る遺伝子群の探索と病理機能
900
270
湊 宏 教授
臨床病理学
悪性中皮腫における癌抑制遺伝子異常− ATBF1 遺伝子解
析を中心に−
1,200
360
700
210
中島日出夫 准教授 腫瘍内科学
温熱療法の分子基盤の解明−熱ショック誘導性新規蛋白
質の解析を通して
【学術】
種目名
金沢医科大学報
氏名・職名
基盤研究( C ) 伊藤 透 教授
一般
部門名
30
研究課題
直接経費
間接経費
内視鏡科
短縮ミッドカインを用いた外科的手術が必要な早期胃癌
の新しい診断法
500
150
河合康幸 講師
循環器内科学
新規心筋虚血マーカーである血清デオキシリボ核酸分解
酵素Ⅰによる不安定狭心症診断
100
30
友杉直久 教授
先進医療研究部門
慢性腎不全でのヘプシジン発現制御機構の解明−骨髄造
血関連因子の影響−
500
150
犀川 太 教授
小児科学
システム生物学にもとづく白血病幹細胞モデルの構築と
予測型治療戦略への基盤創成
700
210
渡邉直人 教授
放射線医学
Y-90 標識抗 CD20 抗体治療におけるリンパ球の放射性組
織障害に関する検討
700
210
太田隆英 准教授 分子腫瘍学研究部門 大腸癌の細胞極性の制御異常と悪性化促進における Rho
GDI βの機能解析
1,000
300
佐久間 勉 教授 呼吸器外科学
肺傷害におけるβ受容体機能再生メカニズムの研究
1,000
300
三輪高喜 教授
脳磁図 、 近赤外線分光法を用いた刺激時の脳活動の計測
900
270
吉竹佳の 准教授 生化学Ⅱ
増殖性網膜症の新規治療法の開発− miRNA を標的とし
た血管新生抑制
500
150
芝本利重 教授
生理学Ⅱ
アナフィラキシーショックにおける心機能の統合的研究
500
150
田中卓二
客員教授
病理学Ⅰ
モデル動物を用いた肥満の口腔発がんへの関与に関する研
究
400
120
耳鼻咽喉科学
北岡和代 教授
看護学部
産業領域におけるバーンアウト予防のための介入研究
600
180
中村幸志 講師
健康管理センター
長時間勤務と高血圧発症との関連の追跡研究
700
210
青木秀哲 助教
顎口腔外科学
ポストポリオ症候群と耳鼻咽喉科・歯科的疾患との関連
性についての研究
900
270
坂本保夫 講師
眼科学
調光型特定波長吸収遮光眼鏡の視機能改善効果と白内障
患者の QOL への影響
800
240
野島孝之 教授
臨床病理学
骨軟部腫瘍における ATBF1 遺伝子解析による悪性度評価
の研究
600
180
村木 靖 准教授 微生物学
C 型インフルエンザウイルスの増殖過程における第二の
膜蛋白質 CM2 の役割の解明
800
240
神田享勉 教授
地域医療学
脳ー心臓軸による心筋再生と治療;心筋内アディポネク
チン発現誘導との関連
800
240
古家大祐 教授
内分泌内科学
糖尿病腎症に対するミトコンドリア制御に基づいた新規
治療法の探索
800
240
薄田勝男 准教授 呼吸器外科学
MR 拡散協調と水分子輸送関連遺伝子解析による肺癌悪
性度の研究
700
210
市堰 徹 講師
整形外科学
酸化ストレスの観点からステロイド誘発骨壊死の機序解
明と予防法の開発
900
270
志賀英明 講師
耳鼻咽喉科学
嗅神経経由の輸送を利用した他覚的嗅覚検査の開発
900
270
佐々木 洋 教授 眼科学
マネキン型紫外線測定器による眼部紫外線被曝の測定と
眼部 UV インデックスの提唱
300
90
浜崎優子 助教
看護学部
地域高齢者の介護予防事業への参加状況と生活機能の変
化に関する追跡調査
700
210
長井麻希江 助教 看護学部
職業性ストレス低減のための看護ケアプログラムの開発
とその評価
800
240
分子腫瘍学研究部門 日本脳炎ワクチン未接種乳幼児の感染リスクの予見:基
礎データ収集
800
240
王 芙蓉 研究員 ハイテクリサーチ
センター
アルツハイマー病の新規治療戦略:神経幹細胞の経静脈
的移植
1,600
480
下川 隆 准教授 解剖学Ⅱ
四肢の再生メカニズムの解明:なぜ、手は手になり、足
は足になるのか?
1,600
480
上田善道 教授
骨軟部肉腫の転移と抗癌剤耐性に関わるアクアポリン分
子種の同定と分子機構の解明
1,200
360
村上 学 助教
病理学Ⅱ
第 143 号/2010.8
種目名
氏名・職名
基盤研究( C ) 大原義朗 教授
一般
金沢医科大学報
部門名
31
研究課題
直接経費
間接経費
ピコルナウイルス持続感染を制御する L および L 蛋白の
協調的細胞死制御機序の解明
1,800
西条旨子 准教授 公衆衛生学
ダイオキシン環境暴露が小児の社会情動発達に及ぼす影響
1,900
570
森河裕子 教授
看護学部
男性夜勤交代勤務者における性腺機能と前立腺疾患リスク
900
270
山田裕一 教授
衛生学
日本人健常成人男女における喫煙習慣とその中断(禁煙)
が腎機能に及ぼす影響
1,000
300
横山 仁 教授
腎臓内科学
腎移植コホートにおける機能分子発現と治療効果に関す
るプロテオーム解析
1,500
450
軽度認知障害( MCI )の神経生理学的診断法の確立
1,800
540
微生物学
吉村 弘 准教授 顎口腔外科学
*
540
尾崎 守 助教
人類遺伝学研究部門 羊水染色体検査の限界を MLPA 法、DNA アレイ法はど
臨床
こまで克服できるか。
1,300
390
西部明子 講師
皮膚科学
接触アレルギーにおける角化細胞接着分子と皮膚ランゲ
ルハンス細胞の経時的解析
1,300
390
木南伸一 准教授 消化器外科学
新しいリンパ節転移診断技術の開発−抗体標識ナノビー
ズを用いた迅速転移診断
1,400
420
立花 修 教授
脳神経外科学
症候性ラトケ嚢胞の増大機序における炎症性サイトカイ
ンとアクアポリンの関与
1,900
570
金山景錫 講師
顎口腔外科学
性ホルモン・環境ホルモンの影響による変形性顎関節症
の病態解明
1,300
390
瀬上夏樹 教授
顎口腔外科学
顎関節症の病因病態形成への細菌の関与:患者の滑液と
滑膜における遺伝子解析
2,000
600
桜井志保美 講師 看護学部
認知症高齢者の家族介護者のストレスが血圧に及ぼす影
響と健康支援
1,100
330
前田修子 講師
訪問看護師向け「膀胱留置カテーテル管理」研修プログ
ラムの開発と効果実証
1,100
330
49,000
14,700
1,100
−
1,100
−
2,100
630
2,100
630
600
180
看護学部
小計
挑戦的萌芽研究 紺家千津子 教授 看護学部
ストーマ周囲障害に対するケア実施可能なシステムの開発
小計
若手研究( A ) 山崎松美 助教
看護学部
精神神経科学
1件
2 型糖尿病患者の運動療法の捉え方からみた運動療法看
護教育プログラムの有効性の検証
小計
若手研究( B ) 小泉葉月 助教
50 件
1件
機能的脳画像解析による強迫性障害への認知行動療法の
有効性に関する研究
守屋純二 助教
総合内科学
慢性疲労症候群の漢方治療における中枢神経系の再生機構
500
150
藤田義正 講師
血液免疫内科学
全身性自己免疫疾患における肥満因子レプチンに関する
研究
1,100
330
島崎 都 助教
病理学Ⅱ
肺腺癌微小乳頭状成分の高侵襲性に関わる遺伝子パスウ
ェイの検索とその応用
1,200
360
島村英理子 講師 解剖学Ⅰ
新生児中枢神経発達に影響を及ぼす母乳シグナル伝達物
質の網羅的解析
600
180
初坂奈津子 助手 眼科学
中高齢者の両眼視線解析手法を用いた見え方の質に対す
る新指標
1,300
390
大桑孝子 助教
翻訳後修飾部位の変異体を用いた C 型インフルエンザウ
イルス CM2 蛋白の機能解析
1,600
480
微生物学
町田雄一郎 助教 呼吸器外科学
肺腺癌におけるアクアポリン 1 の発現制御のメカニズム
1,200
360
小計
8件
8,100
2,430
合計
63 件
88,300
26,160
【学術】
金沢医科大学報
32
平成 21 年度 各種助成金等受託状況
【科学研究費補助金(文部科学省・日本学術振興会)】 (研究分担者分)
氏名・職名
部門名
種目名
(単位:千円)
研究課題等
金額
櫻井 勝 講師
公衆衛生学
科学研究費分担研究
各種栄養素摂取の長期変化と生活習慣病発症に関
する大規模疫学研究
100
石垣靖人 講師
RI センター
〃
ウイルス感染に対するスタチン系薬作用の分子基
盤の解明
500
石垣靖人 講師
RI センター
〃
新規ステロイド標的分子 GLCCI1 の機能解析
田中卓二
客員教授
病理学Ⅰ
〃
核内受容体蛋白を分子標的とした肝癌化学予防に
関する研究
1,000
安井由美子 助教
病理学Ⅰ
〃
海洋性カロテノイドの抗炎症作用をターゲットと
した生活習慣病予防機能の解明
1,500
島崎猛夫 講師
腫瘍内科学
〃
GSK3 βのがん促進機能の分子機構解明とその阻
害に基づく消化器がん治療法の開発
200
栂 博久 教授
呼吸器内科学
〃
極限高地生息動物の肺循環特性− Rho キナーゼを
中心とした分子生物学的研究−
100
及川陽三郎
学内講師
医動物学
〃
環東シナ海に収斂される媒介動物の分布特性に基
づく新興再興感染症拡散経路の確定
200
中川秀昭 教授
公衆衛生学
〃
各種栄養素摂取の長期変化と生活習慣病発症に関
する大規模疫学研究
2,400
中川秀昭 教授
公衆衛生学
〃
GIS を用いたベトナムでのダイオキシン類による
環境汚染と健康影響に関する疫学研究
1,000
北岡和代 教授
看護学部
〃
対人援助職のワーク ・ ライフ ・ バランスへの取り組
みとバーンアウト予防に関する研究
200
桜井志保美 講師
看護学部
〃
認知症患者の介護が介護者の睡眠パターンと循環
機能に及ぼす影響と健康支援の開発
250
前田修子 講師
看護学部
〃
訪問看護師対象の「在宅ターミナルケア」に関す
る教育プログラム開発
150
北岡和代 教授
看護学部
〃
対人援助職の離職を防ぐためのバーンアウトの予
防と回復に関する研究
100
森河裕子 教授
看護学部
〃
各種栄養素摂取の長期変化と生活習慣病発症に関
する大規模疫学研究
100
小計
15 件
【文部科学省・日本学術振興会】
氏名・職名
部門名
200
8,000
(単位:千円)
種目名
研究課題等
金額
高林晴夫 准教授
FDD-MB センター
古家大祐 教授
内分泌内科学
竹上 勉 教授
分子腫瘍学研究部門 (独)日本学術振興会ひらめ
き☆ときめきサイエンス委
託事業
遺伝子の中身をのぞこう
480
八田稔久 教授
解剖学Ⅰ
(独)日本学術振興会ひらめ
き☆ときめきサイエンス委
託事業
はやく大きくなあれ
∼我が子に贈るメッセージ∼'09
480
島田ひろき 講師
解剖学Ⅰ
(独)日本学術振興会ひらめ
き☆ときめきサイエンス委
託事業
活性酸素って知っとる?
−不老長寿の献立はできるのか−
480
文部科学省知的クラスター
創成事業
知的クラスター創成事業(第Ⅱ期 ) ほくりく健康創
造クラスター「血液中の有核赤血球の回収・DNA
分析システムの開発」
(独)日本学術振興会二国間 第 8 回日本韓国糖尿病腎症セミナー
交流事業共同研究・セミナー
小計
5件
31,000
1,191
33,631
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
33
【厚生労働省】
氏名・職名
(単位:千円)
部門名
種目名
研究課題等
金額
中川秀昭 教授
公衆衛生学
厚生労働科学研究費補助金
長寿科学総合研究事業
食生活・栄養素摂取状況が高齢者の健康寿命に与
える影響に関する研究 :NIPPON DATA80・90 の
追跡調査
250
杉江茂幸 教授
病理学Ⅰ
がん研究助成金
個体レベルでの発がん予知と予防に関する基盤的
研究
3,000
佐川元保 教授
呼吸器外科学
がん研究助成金
がん検診の評価とあり方に関する研究
5,000
尾山 武 助教
病理学Ⅰ
がん研究助成金
ヒトがん発生に係わる環境要因及び感受性要因に
関する研究
1,700
井上義人 講師
人類遺伝学研究
部門生化
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
カナバン病の実態把握とケア指針作成のための研
究
2,000
友杉直久 教授
先進医療研究部門
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患
(IgG4+MOLPS )の確立のための研究
1,000
竹上 勉 教授
分子腫瘍学研究部門 厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患
(IgG4+MOLPS )の確立のための研究
1,000
松本忠美 教授
整形外科学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
特発性大腿骨頭壊死症の診断・治療・予防法の開
発を目的とした全国学際的研究
1,200
田中惠子 教授
神経内科学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
遠位型ミオパチーの実態調査
1,500
松井 真 教授
神経内科学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
免疫性神経疾患に関する調査研究
1,400
横山 仁 教授
腎臓内科学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
進行性腎障害に関する調査研究
8,500
梅原久範 教授
血液免疫内科学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患
(IgG4+MOLPS )の確立のための研究
9,800
正木康史 准教授
血液免疫内科学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
新規疾患 ,IgG4 関連多臓器リンパ増殖性疾患
(IgG4+MOLPS )の確立のための研究
1,000
梅原久範 教授
血液免疫内科学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
IgG4 関連全身疾患の病態解明と疾患概念確立の
ための臨床研究
1,200
大原義朗 教授
微生物学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
免疫性神経疾患に関する調査研究
1,400
中川秀昭 教授
公衆衛生学
厚生労働科学研究費補助金
難治性疾患克服研究事業
特定疾患の疫学に関する研究
1,500
田中卓二
客員教授
病理学Ⅰ
厚生労働科学研究費補助金
第3次対がん総合戦略研究
事業
がん化学予防剤の開発に関する基礎及び臨床研究
3,000
杉江茂幸 教授
病理学Ⅰ
厚生労働科学研究費補助金
第3次対がん総合戦略研究
事業
疾患モデル動物を用いた環境発がんの初期発生過
程及び感受性要因の解明とその臨床応用に関する
研究
3,000
佐川元保 教授
呼吸器外科学
厚生労働科学研究費補助金
第 3 次対がん総合戦略研究
事業
標準的検診法と精度管理や医療経済的効果に関す
る研究
1,000
森本茂人 教授
高齢医学
国立長寿医療センター長寿
医療研究委託事業
認知症、運動器疾患等の老年病罹患状況及び高齢
者の心身状況把握のための長期疫学的調査研究
4,000
中川秀昭 教授
公衆衛生学
厚生労働科学研究費補助金
循環器疾患等生活習慣病対
策総合研究事業
大規模コホート共同研究による生活習慣病発症予
防データベース構築とその高度利用に関する研究
2,200
中川秀昭 教授
公衆衛生学
厚生労働科学研究費補助金
循環器疾患等生活習慣病対
策総合研究事業
保健指導への活用を前提としたメタボリックシン
ドロームの診断・管理のエビデンス創出のための
横断・縦断研究
2,400
森本茂人 教授
高齢医学
厚生労働科学研究費補助金
循環器疾患等生活習慣病対
策総合研究事業
降圧治療および抗凝固療法の個人の特性に応じた
テーラーメード治療確立に関する研究
500
【学術】
金沢医科大学報
氏名・職名
部門名
34
種目名
研究課題等
金額
田中惠子 教授
神経内科学
厚生労働科学研究費補助金
こころの健康科学研究事業
急性脳炎・脳症のグルタミン酸受容体自己免疫病
態の解明・早期診断・治療法確立に関する臨床研究
1,100
田中卓二
客員教授
病理学Ⅰ
厚生労働科学研究費補助金
食品の安心・安全確保推進
研究事業
食品中の複数の化学物質による健康影響に関する
調査研究
4,500
竹上 勉 教授
分子腫瘍学研究部門 厚生労働科学研究費補助金
新型インフルエンザ等新興
・再興感染症研究事業
我が国における日本脳炎の現状と今後の予防戦略
に関する研究
1,900
古家大祐 教授
内分泌内科学
厚生労働科学研究費補助金
腎疾患対策研究事業
糖尿病性腎症の病態解明と新規治療法開発のため
の評価法の開発
300
竹上 勉 教授
分子腫瘍学研究部門 厚生労働科学研究費補助金
地球規模保健課題推進研究
事業
ウイルス感染症の診断、疫学および予防に関する
研究
−
佐々木 洋 教授
眼科学
熱帯地域における紫外線による眼疾患の実態調査
と小児期眼部被曝の影響の解明に関する研究
3,200
厚生労働科学研究費補助金
地球規模保健課題推進研究
事業
小計 29 件
【その他公的機関】
氏名・職名
68,550
(単位:千円)
部門名
種目名
研究課題等
金額
佐々木 洋 教授
環境原性視覚病態
研究部門
(財)テレコム先端技術研究
支援センター委託事業(総務
省)
ミリ波、準ミリ波帯電波の眼部ばく露による影響
の指針値妥当性の再評価
八田稔久 教授
解剖学Ⅰ
(独)科学技術振興機構・地域
イノベーション創出総合支援
事業
赤血球脱核誘導方法の開発
1,539
中川秀昭 教授
公衆衛生学
(株)東レリサーチセンター
委託事業(環境省)
カドミウム汚染地域における生命予後等に関する
疫学研究
3,000
梶波康二 教授
循環器内科学
(社)医薬品開発支援機構
(APDD )NEDO 委託事業
マイクロドーズ臨床試験を活用した革新的創薬技
術の開発
3,180
小計
4件
【その他】
氏名・職名
23,000
30,719
(単位:千円)
部門名
種目名
研究課題等
金額
薄田勝男 准教授
呼吸器外科学
(財)北國がん研究振興財団
研究助成金
肺癌の悪性度および治療効果判定における MR 拡
散強調画像と水分子輸送関連遺伝子の解析
1,000
小関陽樹
大学院生
精神神経科学
(公)松原三郎記念精神医学
育成基金松原記念奨励賞
健常成人における Functional MRI を用いた言語
野の脳内賦活部位に関する研究
500
絈野健一 助教
循環器内科学
(財)福田記念医療技術振興
財団研究助成金
スペックルトラッキング法および PET/SPECT
による心臓再同期療法の有効性の検討
2,000
古家大祐 教授
内分泌内科学
(財)上原記念生命科学財団
研究助成金
ミトコンドリアターンオーバー制御による抗老化
対策
5,000
加藤伸郎 教授
生理学Ⅰ
(財)磁気健康科学研究振興
財団研究助成
反復経頭蓋磁気刺激によるアルツハイマー病治療
のための基礎研究
700
梅原久範 教授
血液免疫内科学
財団研究助成
(財)車両競技公益資金記念
スフィンゴ脂質を分子標的としたガン治療法の開
発
4,000
前田修子 講師
看護学部
(財)在宅医療助成勇美記念
財団
医療・衛生材料確保に関する退院支援マニュアル
の開発
1,336
7件
14,536
合計 60 件
小計
155,436
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
35
平成 21 年度各種助成金等受託状況(総括)
(単位:千円)
種目分類
文部科学省・日本学術振興会(科学研究費補助金 / 代表者分)
件数
金額
53
67,788
53
67,788
15
8,000
5
33,631
29
68,550
その他公的機関(環境省、総務省、関係団体 等)
4
30,719
その他(民間助成団体 等)
7
14,536
小計
60
155,436
合計
113
223,224
小計
文部科学省・日本学術振興会(科学研究費補助金 / 分担者分)
文部科学省・日本学術振興会(委託事業)
厚生労働省(がん研究助成金、厚生労働科学研究費補助金 等)
平成 22 年度 金沢医科大学共同研究・奨励研究
研究推進会議委員長 加
藤 伸 郎
本学では、若手研究者の育成を目的とした奨励研究や、学部、大学院、総合医学研究所、他大学等との有機的
連携を目指す共同研究を支援するため、平成 15 年度からこの助成制度が開始され、本学の研究の活性化を進め
ている。
今年度も、引き続き共同研究及び奨励研究の助成事業を実施することとし、4 月 1 日(木)付けで学内公募(各
部門教授・看護学部長・研究所部門長宛)した結果、次のとおりとなった。
なお、今年度から新研究助成制度(アシスト KAKEN ※)を発足させることとし、昨年までの共同・奨励研究助
成資金の総額 2,650 万円のうち、770 万円をアシスト KAKEN に必要な経費として留保したため、共同・奨励研
究の交付額が圧縮されている。
また、審査結果の詳細は、イントラネット(研究推進課ホームページ)に掲載しているので参照願いたい。
※アシスト KAKEN:科学研究費補助金(基盤研究、挑戦的萌芽研究、若手研究、特定領域研究)に申請し不採択とされ
たが、同審査機関の総合評点の順位に A ランクが付された研究に対して、科研採択向上を図ることを目的として助成
する。
平成 22 年度共同研究・奨励研究採択概要
(単位:千円)
区 分
医学領域
共同研究
奨励研究
看 護学領域
申請件数
継続
4
新規
7
一般
26
萌芽
3
11
選定数
4
6
2
29
配付金額
5,500
10,000
4,500
9
10
1
7,200
1,000
8,200
小 計
40
16
18,200
共同研究
1
1
300
奨励研究
1
1
300
小 計
2
2
600
18
18,800
合 計 42
【学術】
金沢医科大学報
36
<医学領域>
共同研究・継続
(単位:千円)
氏名・職名
所属
研究課題
研究組織
H22 交付額
梅原久範 教授
血液免疫内科学
新規疾患、IgG4 関連多臓器リンパ増殖制疾患(IgG4+MOLPS )
の確立のための研究
4名
2,000
八田稔久 教授
解剖学Ⅰ
医工連携による母−胎児間シグナル伝達機構を担う組織構築の
解明
5名
1,500
岩淵邦芳 教授
生化学Ⅰ
53BP1 依存性 DNA 損傷修復経路阻害による癌治療のための基
礎的研究
5名
1,000
秋田利明 教授
心臓血管外科学
重症心不全患者に対する心臓矯正ネットの開発
5名
1,000
共同研究・新規
(単位:千円)
氏名・職名
甲野裕之 教授
所属
看護学部
(専門基礎)
中島日出夫 准教授 腫瘍内科学
研究課題
研究組織
2名
2,500
種を越えて保存された新規がん抑制遺伝子ファミリーFAM107
分子の包括的探索
6名
2,000
奨励研究・新規
(単位:千円)
氏名・職名
佐藤勝明 准教授
石垣靖人 講師
H22 交付額
腫瘍血管の機構、構造、機能に対する一酸化窒素の関与とその
修飾による腫瘍血管の正常化および抗腫瘍薬効果増強への応用
所属
病理学Ⅱ
総合医学研究所
(共同利用部門)
的場宗孝 准教授
放射線医学
H22 交付額
研究課題
Xp11.2 転座関連腎癌の FISH による診断法の確立
1,000
イオン液体による細胞超微細構造の解析
1,000
頭頸部癌に対する化学放射線療法の治療効果予測における機能・代謝画像
の解析
900
河南崇典 助教
血液免疫内科学
ヒト口唇小唾液腺組織からの唾液腺幹細胞の予期的同定
800
倉田康孝 准教授
生理学Ⅱ
ヒト心筋由来バイオペースメーカーのロバスト性及び心臓ドライブ機能強
化方法に関する理論的解析:Gene Therapy への応用を目指して
700
西部明子 准教授
皮膚科学
接触アレルギーにおける角化細胞接着分子と皮膚ランゲルハンス細胞の経
時的解析
700
山本 亮 助教
生理学Ⅰ
ストレスによる「うつ病」発症メカニズムの解明
700
東海林博樹 准教授 一般教育機構
胎盤形成におけるガレクチンファミリーの機能解析
700
長内和弘 准教授
肺胞上皮細胞における小胞体ストレスと間質性肺炎
700
呼吸器内科学
奨励研究・新規〈萌芽〉
氏名・職名
橋本優実 助教
所属
生化学Ⅰ
(単位:千円)
H22 交付額
研究課題
アポトーシス誘導における 53BP1 の働き方及び 53BP1 を介したアポトーシ
ス誘導機構の解明
1,000
<看護学領域>
共同研究・新規
氏名・職名
久司一葉 助教
(単位:千円)
所属
看護学部
(基礎看護学)
研究課題
看護実践能力に影響する要因−臨床看護師への実態調査より
明らかになったこと−
研究組織
2名
奨励研究・新規
氏名・職名
小泉由美 講師 H22 交付額
300
(単位:千円)
所属
看護学部
(高齢看護学)
研究課題
地域の高齢者ボランティアを導入した老年看護学教育−フィジカルアセス
メント演習の学習効果−
H22 交付額
300
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
研究推進ガイダンスを開催
37
り何をしているのかといった初歩的なことから、臨床
にかかわる基礎的な研究活動支援や学内研究者・大学
院生に対してどのようにサポートしているかなどにつ
いて説明が行われた。
日時: 平成 22 年 5 月 12 日(水)午後 4 時
場所: 病院本館 4 階 C42 講義室
最後に竹上所長から最新機器の紹介や研究所活用マ
ップを掲載した「研究所だより(KaMRI )」
(年 2 回発
刊)の案内があり、ガイダンスは終了した。
本学での研究者を対象に『研究推進ガイダンス』が、
共同利用機器、施設関連の情報について知りたいか
平成 22 年 5 月 12 日(水)研究推進センターおよび総合
たは、研究所ホームページを閲覧していただくか、研
医学研究所の共催で開催された。この企画は、研究推
究推進課に直接お問い合わせください。
進会議において研究に関するオリエンテーションの必
(研究推進課 上田正博記)
要性が検討され、今回はじめて計画されたものである。
本会の主な対象者は、大学院生、近年本学に採用され
た研究者、総合医学研究所共同利用施設の利用者また
は利用を予定している方で参加者は 62 名であった。
まず、竹上 勉総合医学研究所長がガイダンスの趣
旨説明を、加藤伸郎研究推進センター長が「本学の研
究推進体制」と題して研究のサポート体制や管理体制
を紹介した。
また、総合医学研究所共同利用部門の石垣靖人講師
から「①総合医学研究所共同利用機器・施設の利用方
法について ②研究所の正しい使い方〈入門編〉
」と題
して、研究機器の管理や使用方法、研究所はどこにあ
《本学スタッフ新刊著書》
小川 聡 編
内科学書
改訂第7版 Vol. 内科学総論 臨床症状
三輪高喜 分担執筆
(臨床症状 頭頸部・感覚器
嗅覚障害:314-315 頁)
中山書店
B5 判、385 頁
定価(本体 28,500 円+税)
2009 年 11 月 10 日発行
ISBN978-4-521-73173-5
内科学テキストのスタンダードの改訂版である。第
6 版を見直し、7 年間に積み上げられたエビデンスが最
新の知見として余すことなく収載されている。今回の
改訂によりオールカラーになり見やすさがアップ。従
来の 2 分冊から 7 分冊になり、携帯性も向上した。また、
国試の出題傾向にも対応した内容になっている。著者
は、臨床症状の分野の中で「嗅覚障害」を分担執筆した。
(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 三輪高喜記)
金沢医科大学報
38
病 院
物学的に考えてみようとい
第 23 回がん診療連携拠点病院研修会
うテーマのもと開催の運び
緩和ケア講習会
となった。
先生は講演の中で、疼痛
神経伝達物質受容体・イオンチャン
ネルの疼痛発生への関与
は神経細胞の電気的活動に
よって伝達されること、そ
れに関わる種々の神経伝達
物質、イオンチャンネルが
講師: 横山 茂先生(金沢大学大学院医学系研究科脳
存在することを詳細に解説
細胞遺伝子学分野准教授)
された。普段聞き慣れない
日時: 平成 22 年 6 月 7 日(月)午後 6 時
単語である静止膜電位・活
場所: 病院新館 12 階大会議室
横山 茂先生
動電位・シナプス後電位・
リニューアルされた緩和ケアのオープンカンファレ
神経伝達物質受容体といった言葉を、図を使って分か
ンスが 1 年ぶりで開催された。今回、金沢大学より横
り易く解説していただいた。多くのイオンチャンネル
山 茂先生をお招きし、標記テーマにて講演をしてい
と神経伝達物質受容体が疼痛の発生に関与し、それが
ただいた。横山先生は、金沢大学医学部を卒業後、免
創薬のターゲットとなりうること、なかでも温度感受
疫学で有名な東京大学免疫学教室(谷口維紹教授)や
性のカプサイシン受容体と伝達物質であるブラディキ
京都大学分子遺伝学講座(沼 正作教授)
、またエール
ニンが、創薬のターゲットとして注目されていること
大学といった世界的に有名な研究室で最先端の仕事を
を教えていただいた。
されて、現在は東田陽博教授のもと准教授として活躍
緩和医療では、麻薬の処方などに知識が片寄ってし
されている。元来、緩和ケアのカンファレンスには多
まいがちであるが、疼痛の基本に立ち返って考える良
くの職種の方の参加が見込まれることから、講演も今
い機会となった。
(緩和ケア委員会 中島日出夫記)
年から多角的に行う方針となり、今回は疼痛を分子生
第 24 回がん診療連携拠点病院研修会
第 6 回リンパ腫コントロールチーム症例
検討会
目からウロコの『眼のリンパ腫』
の話
日時: 平成 22 年 6 月 11 日(金)午後 5 時 30 分
場所: 病院本館 4 階会議室
リンパ腫コントロールチーム検討会(LCT )は、今
安積 淳先生
吉川 洋先生
様々な講演を聴く機会があり、その中でも安積 淳先
回で6回目の開催となった。設立当初は院内の症例検
生(神戸海星病院部長)と吉川 洋先生(九州大学眼科
討会が主体であったが、前回より院外から悪性リンパ
学助教)のお話は、眼科は門外漢にとっても、正に「目
腫のエキスパートを招聘し、講演会も行っている。今
からウロコ!」というほど心に焼き付いていた。これ
回の特集は「眼のリンパ腫」。何故に「眼」で何故に「リ
を一人の記憶に留めておくのは勿体ない。本学や北陸
ンパ腫」なのか、そこの繋がりが不思議な方も大勢い
の医師並びにコメディカルの方々にも、是非聞いても
たであろう。
らいたい。そんな意図があり、今回の開催に至った。
全国の悪性リンパ腫や IgG4 関連疾患の研究会で
安積先生の演題は、
「私の診てきた眼付属器リンパ
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
39
増殖性病変」。眼窩領域の悪性リンパ腫およびリンパ
とはない。眼内リンパ腫は中枢神経リンパ腫の一部で
増殖性病変のマニアックな話。眼科医でここまで病変
もあり、中枢神経リンパ腫治療においては眼内病変を
をたくさん生検し、フローサイトメトリーやサザンブ
いかにして克服するかが今後の課題である。中枢神経
ロット解析まで提出すべきと説く人にはお目にかかっ
リンパ腫に対する多施設共同臨床研究を今後は展開して
たことはない。さらに、最近注目のIgG4関連疾患にま
いく予定。
で触れていただいて、トピックス情報も満載であった。
今回は、多くの院内の医師・コメディカル・学生の
吉川先生の演題は、
「4 cm3 の戦場 眼内リンパ腫と
ほか、石川県内の他施設および富山からも参加者があ
眼科医の話」。眼内リンパ腫との戦いで、僅かな量の
り、計 65 名の大盛況であった。また、来年も皆様の
硝子体検体の中から、僅かな量のリンパ腫細胞を濃縮
興味を惹く研究会を企画致しますので、宜しくご参加
して診断するという、こんな人にもお目にかかったこ
のほどお願いします。 (血液免疫内科学 正木康史記)
第 33 回
北陸診療情報管理研究会
日時: 平成 22 年 6 月 19 日(土)午前 10 時 15 分
場所: 本部棟 4 階講堂
第 33 回北陸診療情報管理研究会が、平成 22 年 6 月
19 日(土)本学講堂において開催された。本研究会は、
医師・看護師・コメディカル・診療情報管理士・事務
邉見公雄先生
島崎猛夫先生
職員等、様々な職種の会員で構成され、北陸における
診療情報管理、医療情報システムの発展ならびに会員
調整係数の段階的な廃止(計 4 回)による平成 28 年全
相互の資質の向上を図ることを目的に、原則として毎
廃予定などボリュームのある内容を短時間で説明さ
年 6 月、11 月に開催されている。
れ、聴衆はその軽妙な語り口に聞き入った。
午前の部(10:15∼11:30 )では、研究会に先立って診
続いて、
「診療報酬改定が医療機関に及ぼす影響に
療情報管理実務者を対象とした研修会が、参加者 91
ついて」をテーマにシンポジウムが開始された。シン
名のなか実施された。講師に本学の島崎猛夫腫瘍内科
ポジストとして松井 忍金沢医科大学病院副院長、清
学講師を迎え、
「化学療法の過去・現在・未来 ∼抗癌
水孝夫富山市民病院医事課長、鈴木広江光陽生協病院
剤は毒ガスから作られた∼」、
「電子カルテからの効率
事務長、吉岡庄治石川県立高松病院医事課長 4 氏が今
的な情報抽出 ∼がん登録支援システムの紹介∼」をテ
回の診療報酬改正に係る影響と現在進行中の対策およ
ーマとして難度の高い内容を解かりやすく講演いただ
び今後の展望について発表した。
いた。
(情報管理課 金山登喜夫記)
午 後 の 部(13:00∼16:30 )で は、 参 加 者 152 名 の も
と 標 記 研 究 会 が 開 催 さ れ た。 今 回 の 研 究 会 の 目 的
は、平成 22 年度診療報酬改定が医療機関に及ぼす影
響について病院規模別での現状と対策について正し
いのち
く理解することである。特別講演には、
『生 命輝かそ
う北陸診療情報管理研究会 ∼22 年度診療報酬改定と
今後の病院医療∼』をテーマに、国の診療報酬を審議
する中央社会保険医療協議会委員である邉見公雄先
生をお招きした。邉見先生は、診療報酬改定内容の
重点項目、改定の詳細、DPC(Diagnosis Procedure
Combination:診断群分類)導入病院における従来の
シンポジウム
【病院】
金沢医科大学報
金沢医科大学地域医療支援プロジェクト
第 1 回健康セミナー
The Latest Science in Pediatric
Cardiac Arrest and Resuscitation
40
ガイドラインに大き
な関心が集まってい
るタイミングでもあ
り、 学 内 職 員 31 名、
学生 16 名、学外(石
川県、富山県の医師、
看護師、救急隊、海
講師:マーク・D・バーグ先生(PALS ガイドライン策
定委員長)
上 保 安 庁 )か ら 151
名の計 198 名が参加
日時: 平成 22 年 6 月 8 日(火)午後 6 時
し、活発に質疑が行
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
われた。焦点となっ
ていたのは、ガイド
平成 22 年 6 月 8 日(火)午後 6 時より、本学地域医療
マーク・D・バーグ准教授
ラ イ ン 2005 で は、8
支援プロジェクト「第 1 回健康セミナー」が病院本館
歳以下にも電気的除細動を行うことになったが、2 ∼
C41 講義室で開催された。今回は、AHA(American
4J/kg と AED では対応しにくい。そこで、新ガイド
Heart Association )の PALS(Pediatric Advanced Life
ラインには病院外でも実用的で単純な指針が期待され
Support )ガイドライン策定委員長である Dr. Marc D.
るという点であったが、Dr. Berg の立場上はっきりと
Berg( Associate Professor of Pediatric Critical Care
回答できないようであった。しかしながら、PALS の
Medicine, University of Arizona, College of Medicine)を
最新の知見に関する世界的に最先端の議論が本学講義
招聘し、上記のテーマで講演していただいた。
室で行われたことは特筆すべきことである。再度有意
内容は小児心肺蘇生のガイドラインの変遷とその
義なセミナー開催を計画したい。
根拠となる膨大な研究背景であった。今年改定予定の
ふれあい看護体験
(救急医学 和藤幸弘記)
大変だったけれどもやりがいがあって楽しかった。将
来看護師免許を取ったら金沢医科大学病院で働きた
い」
「看護師になるか迷っていたが、今日の体験を通
してやってみたい気持ちが強くなった」などの感想が
フローレンス・ナイチンゲールの誕生日を記念し
聞かれた。
て、平成 12 年から 5 月 12 日が「看護の日」、5 月 12 日
を含む週が「看護週間」と制定された。
今年は、5 月 9 日(日)から 15 日(土)が看護週間に
あたり全国各地でふれあい看護体験が実施された。ふ
れあい看護体験は、市民と病院や福祉施設の関係者が
交流し、医療や看護のあり方を共に考える機会と、患
者とのふれあいを通して、看護することや人の命につ
いて、理解と関心を深める機会を提供することを目的
としている。
本学病院では、5 月 14 日(金)にふれあい看護体験
が開催され、小松市、金沢市、輪島市から高校生 12
名の参加があった。参加者は飯塚秀明病院長から辞令
を交付されたあと、6 つの病棟に分かれて現場の看護
師の指導を受けながら、車椅子での移動介助や清拭や
足浴などの清潔援助を体験した。体験後には、
「シー
ツ交換や足浴、車椅子移動を経験したが、責任を感じ
看護体験に取り組む高校生
(看護部 宮下あき子記)
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金沢医科大学報
41
ている」との挨拶があった。
院内感染防止に関する教育講演会
講演では、金沢医科大学病
感染症対策の意義と実践
院における感染対策のための
新しい組織が紹介され、院内
発生感染症と市中発生感染症
講師: 飯沼由嗣先生(臨床感染症学教授)
の伝播防止について説明が行
日時: 平成 22 年 6 月 15 日(火)午後 5 時 30 分
われた。前者では、薬剤耐性
場所: 病院本館 4 階 C41 講義室
菌が主な原因となり、入院患
者の感染発病を防ぐため感染
院内感染防止に関する教育講演会が、本学病院の医
飯沼由嗣先生
伝播防止に注意を払う必要が
師、看護師、医療技術者、事務職員等計 784 名の出席
あること、後者では、強病原
のもと開催された。この講演会は、院内感染防止に関
性の菌やウイルスが原因となるため、院内への持込や
する職員教育の一環として院内感染対策委員会が主催
職員自身が罹患しないようにワクチン接種など注意を
し、定期的に開催されている。
払うことが強調された。
講演会に先立ち、司会進行を担当した井口晶晴医
さらに、院内の針刺し事故の統計データを示し、報
療安全部副部長より、
「感染対策は病院全体で取り組
告の遵守の必要性について説明があった。また、抗菌
むべき大変重要な課題であり、医療監視や病院機能
薬の適正使用の一つの手段として指定抗菌薬の届出を
評価における重要な評価項目となっている。さらに、
行うこと、起炎菌診断のための血液培養の重要性につ
診療報酬においても感染防止対策加算が新設される
いて説明があった。
(臨床感染症学 飯沼由嗣記)
など、病院経営においても非常に重要な要素となっ
療に関する医師などの医療者
平成 22 年度
側と患者側との対話仲介を取
第1回安全管理体制確保のための職員研修会
り持つ中立的な第三者の立場
院内医療メディエーション
で、当事者間の意思疎通の手
− 日常診療から医療紛争まで −
的な対話の促進を図ることに
助けをすることで双方の自主
ある。和解条件や解決策の提
示などの交渉は行わない。
講師:安藤哲朗先生(安城更生病院 医療安全部長・神
研修会では、医療紛争の実
経内科部長)
日時:平成 22 年 7 月 2 日(金)午後 5 時 30 分
場所:病院本館 4 階 C41・C42 講義室
安藤哲朗先生
例を挙げて、医療事故は必ず
一定の比率(2∼4%)で起こる
が全てが医療紛争に至るわけではない。医療紛争に
医療安全研修会が上記のとおり院内勤務職員、関連
進展するのは診療に関する悪い結果と不信感にあると
病院職員、院内保守業者等 828 名の出席を得て開催さ
し、医療者側と患者側の見解の相違を「認知フレーム」
れた。
という考え方を使って説明された。
医療メディエーションとは、医療対話仲介者(医療
なお、この研修会は病院に勤務する全職員だけでは
メディエーター)を通して、医療者と患者および患者
なく関連病院職員やテナント業者等をも対象とするた
家族との対話の促進を図り、双方が納得のいく創造的
め、当日に参加できなかった者を対象に 7 月 14 日(水)
な合意と関係改善の構築を支援するための仕組みを言
および 7 月 16 日(金)の 2 日間、ビデオ上映会が開催さ
う。このメディエーションの手法は、英米では広く普
れた。また、参加できなかった人のために、VOD に
及しており、学校では子供にも教えられているなど、
よるイントラネット放映や DVD の貸出しを行い、全
日常的な問題克服のモデルをさす広い意味でも使われ
員の受講と研修成果を院内の安全管理に反映させるた
ている。
めの手だてが取られている。
(医療安全課 堂前正秀記)
また、具体的な医療メディエーターの役割は、診
【病院】
金沢医科大学報
第 13 回
第 14 回
胸痛・呼吸困難で発症したアミロ
イドーシスの 1 例
排尿・排便障害で発症し、低酸素
血症を呈した 1 例
日時:平成 22 年4月 21 日 ( 水 ) 午後 5 時 30 分
日時:平成 22 年6月 16 日 ( 水 ) 午後 5 時 30 分
場所:病院本館 4 階 C41 講義室
場所:病院本館 4 階 C41 講義室
42
神経内科松井 真教授と腫
高齢医学科森本茂人教授と
瘍内科中島日出夫准教授の司
消化器内科尾崎一晶講師の司
会により 「 胸痛・呼吸困難で
会により 「 排尿・排便困難で
発症したアミロイドーシスの
発症し、低酸素血症を呈した
1例」というテーマで行われ
1例」というテーマで行われ
た。若狭 稔助教(循環器内科)
た。澤木俊興助教(血液免疫
の経過説明があり、佐藤勝明
内科)の指導のもと初期研修
講師(第 2 病理学)の剖検説明
1 年目の米澤克隆先生の経過
の後、活発なディスカッショ
若狭 稔先生
説明があり、病棟担当の近江
ンが行われた。参加した第 5、
谷浩代看護師が入院時の患者
荒山わかな先生
第 6 学年の医学部生は症例を事前に勉強してきたこと
背景と看護上の問題点および課題について解説を行
もあり多数の質問や意見が出され、それに対して若狭
った。その後、黒瀬 望講師(臨床病理学)の指導のも
先生から有意義なコメントや分かり易い解説をいただ
と初期研修 2 年目の荒山わかな先生が病理所見を説明
いた。その後、福井大学医学部・分子病理学の内木宏
し、会場内で活発なディスカッションが行われた。血
延教授から 「 アミロイドーシスへのいざない 」 のミニ
液免疫内科の正木康史准教授から「不明熱の原因疾患
レクチャーがあり、改めてアミロイドーシスについて
としての血管内リンパ腫の重要性 」 のミニレクチャー
学習した。
があり、改めて不明熱の鑑別診断と特殊な悪性リンパ
内木教授はヒトアミロイドーシスの発症機構に関し
ては日本を代表する研究者で、今回のミニレクチャー
腫である血管内リンパ腫について学習した。
一般的に行われている医師を対象とした CPC は、
ではアミロイドーシスの概念、分類、多彩な症状を説
稀有で難解な症例を取り上げることが多いが、
「金沢
明され、最後に治療について述べられた。ヒトアミロ
医科大学病院 CPC 」は、日頃の医療行為を振り返るた
イドーシスについては 20 数種類が知られており、生
めの勉強会として開催している。参加する学生や教職
体内にある様々なタンパク質、脂質、糖類が、ある種
員の皆様にも興味をもって討議に加わってもらえる内
の病的な代謝環境下でそれぞれに固有のアミロイド前
容は、症例選びがなかなか難しく、CPC 実施委員会
駆タンパク質と絡まって、アミロイド線維独特のポリ
では毎回頭を悩ませているが、参加された皆様のアン
マーとβシート構造を形成することを熱く語られた。
ケートの内容は、毎回勉強になったという内容が多く、
本学の病院 CPC は症例を通して疾患、病態を多方
励まされる。
面から勉強し、最後にミニレクチャーで最新の知識に
今回から北陸大学薬学部の実習生が初めて参加し
触れることができる貴重な勉強会です。是非、皆様の
た。薬学部では学べない医療現場の内容で、非常に勉
参加と活発な討議をお待ちしています。
強になったとのアンケートの記載をいただいた。
(臨床病理学 野島孝之記)
(臨床病理学 野島孝之記)
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金沢医科大学報
43
研修医の頁
臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会)
第 36 回臨床病理検討会( CPC )が病院本館 4 階臨
害の改善した。術後、咳嗽が出現し CRP 高値が続き、
床研修センターカンファレンスルームにおいて行わ
低酸素血症が出現した。ARDS と診断し、人工呼吸管
れた。
理を行うも、1ヵ月後、再び呼吸状態が悪化し永眠さ
れた。
第 36 回 CPC 平成 22 年 5 月 19 日(水) 17:30
【症例 1 】 多発性脳腫瘍の一例
病理解剖にて、癌性リンパ管症が呼吸不全の原因で
あったことが明らかとなり、癌性リンパ管症が ARDS
様の臨床症状を呈することを学ぶことができた。
臨床提示 赤井卓也
脳神経外科学教授
臨床提示 正島弘隆
臨床研修センター研修医
司会者
長山成美
神経内科学講師
副司会者 石井夏子
臨床研修センター研修医
病理解説 上田善道
病理学Ⅱ教授
ミニレクチャー
石井夏子 臨床研修センター研修医 テーマ「リングエンハンスを来たす脳病変」
(症例の概要)
50 歳代男性。昨年より歩行障害を自覚していた。
徐々に歩行時のふらつきがひどくなり、上肢の筋力低
下も自覚したため近医を受診した。MRI にて脳腫瘍
を認め、画像上、膠芽腫などの悪性腫瘍が疑われた。
確定診断目的に脳生検が行われ、星細胞腫と診断され
た。放射線療法、化学療法が開始されたが、腫瘍の増
大に伴う意識障害、呼吸状態の悪化により、永眠された。
質疑応答では、診断と治療方針に関する質問が多く
みられ、脳腫瘍の治療の難しさを改めて認識すること
ができた。
【症例 2 】 食道癌術後、急速に進展した呼吸障害
の一例
臨床提示 舟木 洋
一般・消化器外科学助教
臨床提示 森岡絵美
臨床研修センター研修医
司会者
土原一真
呼吸器内科学助教
副司会者 大久保裕章 臨床研修センター研修医
病理解説 尾山 武
病理学Ⅰ助教
ミニレクチャー
大久保裕章 臨床研修センター研修医
テーマ「呼吸障害」
(症例の概要)
70 歳代男性。昨年より、食事のつかえ感があり、
粥食も摂取困難になった。近医を受診したところ胸部
下部食道癌と診断された。内視鏡にて全周性の境界不
明瞭な周堤を伴う不整潰瘍を認め、CT では食道壁の
著明な肥厚、リンパ節腫大がみられた。術前放射線・
化学療法を行い、腫瘍縮小を図り、その結果通過障
第 38 回 臨床研修医のための CPC
日 時: 平成 22 年 9 月 15 日(水)
17 時 30 分から
場 所: 研修センターカンファレンスルーム
第 37 回 CPC は 7 月 21 日( 水 )に 実 施 さ れ、 第 38 回
CPC は上記のように実施が予定されています。研修
医には出席が義務づけられていますが、それ以外の先
生方、学生にも広く開かれていますので、ふるってご
出席ください。
(臨床病理学 黒瀬 望記)
【病院】
金沢医科大学報
44
研修医の頁
金沢医科大学病院 平成 23 年度 臨床研修医募集要項
1. 募集人員 48 名
2. 募集方法 マッチング方式による
3. 必要書類
(1 )応募時必要書類
①臨床研修医採用願
②履歴書
③学業成績証明書
(2 )採用時必要書類(採用が内定した後に
提出する書面)
①身元保証書
②誓約書
③健康診断書
4. 応募資格
平成 23 年医師国家試験合格予定の者
第 98 回日本医師国家試験以降の合格者で
臨床研修未実施の者
5. 研修期間 2年間
6. 研修方法 基幹型
7. 選 考 書類選考・面接
8. 応募締切
一次募集 平成 22 年 7 月 9 日(金)消印有効
二次募集 平成 22 年 9 月 16 日(木)消印有効
9. 説明会
平成 22 年 7 月 2 日(金)12 時 25 分 基礎研究棟 5 階 D51 講義室
10. 面 接
一次募集 平成 22 年 7 月 25 日(日)
集合場所 病院 C41 講義室
集合時間 8 時 30 分
二次募集 平成 22 年 9 月 22 日(水)
11. 処 遇
(1 )給与: 月額 30 万円程度を予定(諸手当
含む)
(2 )社会保険: 健康保険、厚生年金(私学共
済事業団)等加入
(3 )宿舎: なし
(4 )休日: 土曜(隔週)、日曜、祝日、有給
休暇有り
【お問い合わせ・申し込み先】
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1−1
金沢医科大学病院 臨床研修センター事務課
TEL 076-286-3511(代)内線 5482 ∼ 5484
メールアドレス kensyu-j@kanazawa-med.ac.jp
《本学スタッフ新刊著書》
池田 勝久、武田 憲昭、他 編
EBM 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療
2010-2011
三輪高喜 分担執筆
( 1. 鼻 副 鼻 腔 領 域 C. 嗅 覚 障
害 2. ア レ ル ギ ー 性 鼻 炎・ 花
粉症による嗅覚障害の治療の
EBM とは?:75-77 頁)
中外医学社
B5 判、525 頁
定価(本体 11,500 円+税)
2010 年 5 月 25 日発行
ISBN978-4-498-06252-8
耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の診療において、日常
の診療での疑問、最近注目されている疾患の治療、世
界で行われている最新の治療の現況などを厳選し、各
項目の専門家がエビデンスや、患者に適応する際の注
意点などを解説している。耳鼻咽喉科・頭頸部外科の
専門医、若い研修医を主な対象として書かれているが、
非常に多くの項目が 3∼4 ページで簡潔にまとめられて
おり、他科の医師が読んでも参考となる。著者はアレ
ルギー性鼻炎による嗅覚障害の治療の EBM を担当執
筆した。
(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 三輪高喜記)
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
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金沢医科大学氷見市民病院
透析看護認定看護師になりました
金沢医科大学氷見市民病院 血液浄化センター
主査看護師
草山 ひろみ
透析看護分野の認定看護師の資格取得に向け昨年
10 月から半年間、東京女子医科大学認定看護師教育
センターで学び、透析看護分野の認定看護師の試験
に合格しました。認定看護師とは日本看護協会にお
いて、高度化・専門分化が進む医療現場における看
護ケアの広がりと看護の質向上を目的として、特定
の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有
することが認められた者に与えられる資格です。
私が認定看護師を志した動機は、透析分野の看護
のエキスパートになりたいという思いからでした。
私たち看護師は看護学校で基礎を学び、卒業した後
要性を改めて認識させられました。自分が今後何を
配属される科において勉強を積み重ねていきます。 したいのか、そのためにどのようなものの考え方を
それぞれ学んだ知識や技術を臨床で発揮するわけで
しなければならないのか、指導やコンサルテーショ
すが、いざ患者の指導をおこなおうとした時に、果
ンに必要な基礎などについて重点的に学んできまし
たして本当にこの指導で間違いがないのか、もっと
た。
良い指導方法があるのではないかなどと不安が心を
今回、試験に無事合格できましたが、これはゴー
かすめることがありました。これまでの学びは積み
ルではなくスタートにすぎません。これまで支えて
上げられているのですが、その知識や技術、方向性
くださった方々に感謝しながら、半年間で学んだこ
に、自分を後押ししてくれるものがほしいと思いま
とや認定看護師としてのネットワークを活かしなが
した。そして、全力で取り組んでいきたいなどとい
ら院内の看護だけではなく、外部での指導や組織づ
う様々な思いがありました。
くりなどに邁進していきたいと思います。よろしく
教育センターでは、もちろん病態や看護に関する
授業はたくさんありましたが、自分で学ぶことの重
お願いします。
金沢医科大学報
46
図書館
新着図書の紹介( 2009.12 ∼ 2010.6 )
書名 / 出版社 / 出版年 / 請求記号の順で記載
学生用指定図書
(洋書)
Handbook of physiology : microcirculation 2nd ed hbk/
Elsevier/Academic Press/2008/QT104
(和書)
ソークラテースの弁明 / クリトーン / パイドーン 改版(新
潮文庫 : フ− 8-1 )/新潮社/2005/131.3
文化人類学事典/丸善/2009/389
絶妙な「数字で考える」技術 : 素早くざっくりとらえられ
る「数的センス」: 数学ギライで「数」に弱いあなたに
(Asuka business & language books )/明日香出版
社/2008/410.4
ゼロからはじめる化学/丸善/2008/430
生命科学 改訂第 3 版/羊土社/2009/460
理系総合のための生命科学 : 分子・細胞・個体から知る
" 生命 " のしくみ/羊土社/2007/460
細胞の分子生物学 第 5 版/ニュートンプレス/2010/
463
日本人の事典/朝倉書店/2003/469.91
独 検 過 去 問 題 集 2009 年 版 : 5 級・4 級・3 級 / 郁 文 堂 /
2009/840
独検対策 4 級・3 級問題集 新版/白水社/2009/840.7
話すためのドイツ語入門/白水社/2001/840.7
イラスト解剖学 第 6 版/中外医学社/2009/QS4
組織細胞生物学/南江堂/2006/QS504
受精卵からヒトになるまで : 基礎的発生学と先天異常 第
5 版/医歯薬出版/2007/QS604
シンプル薬理学 改訂第 4 版/南江堂/2008/QV4
薬理学(Standard textbook. 標準医療薬学)/医学書院/
2009/QV4
新薬理学入門 改訂 3 版/南山堂/2008/QV4
臨床検査法提要 改訂第 33 版/金原出版/2010/QY25
NEW 法医学・医事法(Nankodo's essential well-advanced
series )
/南江堂/2008/W700
学生のための法医学 改訂 6 版/南山堂/2006/W700
公衆衛生マニュアル 28 版(2010 年版)/南山堂/2010/
WA39
標準公衆衛生・社会医学 第 2 版(Standard textbook )/
医学書院/2009/WA100
NEW 予 防 医 学・ 公 衆 衛 生 学 改 訂 第 2 版(Nankodo's
essential well-advanced series )/ 南 江 堂 /2006/
WA100
シンプル衛生公衆衛生学 2010/南江堂/2010/WA100
環境と健康 第4版(衛生・公衆衛生学)
/杏林書院/2009/
WA100
暮らしと社会の安定にむけた自立支援(厚生労働白書 : 平
成 21 年版)/ぎょうせい/2009/WA525
図説国民衛生の動向 2009/厚生統計協会/2009/WA900
救急診療指針 改訂第 3 版/へるす出版/2008/WB105
標準救急医学 第 4 版(Standard textbook )/医学書院/
2009/WB105
新臨床内科学 第 9 版/医学書院/2009/WB115
ハリソン内科学 第 3 版 1,2/メディカル・サイエンス・
インターナショナル/2009/WB115
終末期医療と生命倫理(生命倫理コロッキウム :4 )/太陽
出版/2008/WB310
現代リハビリテーション医学 改訂第 3 版/金原出版/
2009/WB320
ヒューマンウォーキング/医歯薬出版/2009/WE103
標準整形外科学 第10版(Standard textbook)
/医学書院/
2008/WE168
上肢外傷の手術療法(新 OS NOW 新世代の整形外科手術
:1 )/メジカルビュー社/1999/WE168
下肢外傷の手術療法(新 OS NOW 新世代の整形外科手術
:2 )/メジカルビュー社/1999/WE168
脊椎外傷の手術療法(新 OS NOW 新世代の整形外科手術
:3 )/メジカルビュー社/1999/WE168
先天性心疾患手術書/メジカルビュー社/2003/WG169
標準泌尿器科学 第 8 版(Standard textbook )
/医学書院/
2010/WJ100
TEXT 泌尿器科学 第 3 版/南山堂/2005/WJ100
脳卒中最前線 : 急性期の診断からリハビリテーションま
で 第 4 版/医歯薬出版/2009/WL355
脳神経外科臨床マニュアル 改訂 3 版/シュプリンガー・
フェアラーク東京/2001/WL368
現代臨床精神医学 改訂第 11 版/金原出版/2008/WM100
精神科専門医のためのプラクティカル精神医学/中山書
店/2009/WM100
標準外科学 第 12 版(Standard textbook )/医学書院/
2010/WO100
新老年学 第 3 版/東京大学出版会/2010/WT100
新耳鼻咽喉科学 第 10 版/南山堂/2004/WV100
標準眼科学 第 11 版(Standard textbook )/医学書院/
2010/WW100
ICU ブック 第 3 版/メディカル・サイエンス・インター
ナショナル/2008/WX218
医学の歴史(講談社学術文庫 :[1614] )/講談社/2003/
WZ40
イラスト解剖学 第 6 版/中外医学社/2009/QS4
医師国家試験問題解説書 第 104 回 : 問題解説書、問題集、
写真集/医学評論社/2010/W18
眼科 第 5 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学教育
出版社/2008/W18
耳鼻咽喉科 第 6 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医
学教育出版社/2008/W18
整形外科 第 7 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学
教育出版社/2008/W18
放射線科 第 5 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学
教育出版社/2008/W18
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
麻酔科 第 3 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学教
育出版社/2009/W18
小児科 4 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学教育
出版社/2008/W18
精神科 第 5 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学教
育出版社/2008/W18
泌尿器科 第 5 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学
教育出版社/2008/W18
皮膚科 第 5 版(国試マニュアル 100% シリーズ)/医学教
育出版社/2008/W18
免疫・膠原病・感染症(病気がみえる:v. 6)
/Medic Media/
2009/WB100
婦人科・乳腺外科 第 2 版(病気がみえる :v. 9 )/Medic
Media/2009/WB100
産科 第 2 版(病気がみえる :v. 10 )
/Medic Media/2009/
WB100
消化器 第 3 版(病気がみえる :v. 1 )
/Medic Media/2008/
WB100
免疫・膠原病・感染症(病気がみえる:v. 6)
/Medic Media/
2009/WB100
消化器 第4版(病気がみえる:v. 1)
/メディックメディア/
2010/WB100
循環器 第 2 版(病気がみえる :v. 2 )
/Medic Media/2008/
WB100
糖尿病・代謝・内分泌 第 2 版(病気がみえる :vol.3 )/メ
ディックメディア/2008/WB100
ゼッタイわかる胸部写真の読み方 改訂第 3 版/医学教育
出版社/2005/WF975
ゼッタイわかる心電図・心エコー図の読み方 第 3 版/医
学教育出版社/2008/WG140
肝・胆・膵(ゼッタイわかる腹部写真の読み方 :Part.1 )
/
医学教育出版社/2003/WI141
消化管(ゼッタイわかる腹部写真の読み方 :pt.2 )/医学
教育出版社/2004/WI141
ゼッタイわかる頭部画像の読み方 第 4 版/医学教育出版
社/2008/WL141
新型インフルエンザ(なぜ ? どうして ? : 看護師・看護学
生のための)/メディックメディア/2009/WY18
看護師・看護学生のためのレビューブック 第 12 版/メ
ディックメディア/2010/WY18
看護の統合と実践 第 3 版(なぜ ? どうして ? : 看護師・看護
学生のための :17. 統合分野)/メディックメディア/
2009/WY18
系統別看護師国家試験問題解答と解説 2011 年版/医学書
院/2010/WY18
一般教養図書
(和書)
図書館ハンドブック 第 6 版補訂版/日本図書館協会/
2010/010
NLM コレクション構築マニュアル/日本医学図書館協
会/2009/014.1
よい図書館施設をつくる(JLA 図書館実践シリーズ :13 )
/
日本図書館協会/2010/015
世界大地図/小学館/2009/290.38
47
メーサイズ金沢市 22 年版南、北、中/刊広社/2010/
291.38
メーサイズかほく市・津幡町・内灘町 22 年版/刊広社 /
刊広社販売(発売)/2010/291.38
公法編 1(分冊六法全書 : 平成 22 年版 1 )/新日本法規出
版/2009/320.91
公法編 2 国際法編(分冊六法全書 : 平成 22 年版 2 )/新日
本法規出版/2009/320.91
民事法編(分冊六法全書 : 平成 22 年版 3 )/新日本法規出
版/2009/320.91
刑事法編(分冊六法全書 : 平成 22 年版 4 )/新日本法規出
版/2009/320.91
社会法編(分冊六法全書 : 平成 22 年版 5 )/新日本法規出
版/2009/320.91
経済法編(分冊六法全書 : 平成 22 年版 6 )/新日本法規出
版/2009/320.91
再犯防止施策の充実(犯罪白書 : 平成 21 年版)/太平印刷
社 / 時事通信社(発売)/2009/326.3
日本国勢図会 2010/11 年版/日本評論社/2009/351
社会福祉六法 平成 22 年版/新日本法規出版/2009/369
私学必携 第 14 次改訂第 2 版/第一法規/2009/373.2
地球を守る私たちの責任と約束 : チャレンジ 25(環境白
書 / 循環型社会白書 / 生物多様性白書 : 平成 22 年版)/
日経印刷 / 全国官報販売協同組合(発売)/2010/519
地球温暖化と農業(気象ブックス :024 )/成山堂書店/
2008/613.1
句読点、記号・符号活用辞典。/小学館/2007/801.9
岩波国語辞典 第 7 版/岩波書店/2009/813.1
公用文用字用語辞典 : 注釈 第 4 版/新日本法規出版/
2009/816.4
公用文用字用語の要点/新日本法規出版/1989/816.4
基礎医学図書
(洋書)
Recoding : expansion of decoding rules enriches gene
expression(Nucleic acids and molecular biology:v.
24 )/Springer/2010/QV58
(和書)
オックスフォード生理学/丸善/2009/QT104
驚異の人体 : 不思議な「わたしたち」のしくみ/ほるぷ出
版/2009/QT17
五訂増補食品成分表 2010 : [ セット ]/女子栄養大学出版
部/2009/QU145
制吐薬適正使用ガイドライン/金原出版/2010/QV73
急性中毒情報ファイル 第 4 版/廣川書店/2008/QV600
メタボロミクス : その解析技術と臨床・創薬応用研究の
最前線(遺伝子医学 MOOK:16 )/メディカルドゥ/
2010/QZ50
胃癌取扱い規約 第 14 版/金原出版/2010/QZ241
臨床医学図書
(洋書)
Contemporary aspects of biomedical research : drug
discovery( Advances in pharmacology:v. 57 ) /
【図書館】
金沢医科大学報
Academic Press, an imprint of Elsevier/2009/W1
International statistical classification of diseases and
related health problems 10th revision, 2008 ed v. 1.
Tabular list/World Health Organization/2009/
WB15
(和書)
医学英語論文の書き方マニュアル/共和書院/2010/
W13
コメディカルのための論文の書き方の基礎知識/メディ
カルレビュー社/2010/W18
図解 PubMed の使い方 : インターネットで医学文献を探
す 改訂 4 版/日本医学図書館協会 / 紀伊國屋書店(発
売)/2010/W26.5
医学概論 4 版(コメディカルのための専門基礎分野テキ
スト)/中外医学社/2010/W61
科学が証明する新・朝食のすすめ/女子栄養大学出版部/
2007/WA695
医学への統計学 新版(統計ライブラリー)/朝倉書店/
1993/WA950
今 日 の 治 療 指 針 : 私 は こ う 治 療 し て い る 2010 年 版
(Vol.52 )/医学書院/2010/WB100
ガイドライン外来診療 : 今日の診療のために 2010(第 10
版)/日経メディカル開発 / 日経 BP 出版センター(発
売)/2010/WB101
Minds 診療ガイドライン作成の手引き 2007/医学書院/
2007/WB102
Annual Review 血液 2010/中外医学社/2010/WB115
Annual Review 呼吸器 2010/中外医学社/2010/WB115
Annual Review 消化器 2010/中外医学社/2010/WB115
Annual Review 循環器 2010/中外医学社/2010/WB115
Annual Review 糖尿病・代謝・内分泌 2010/中外医学
社/2010/WB115
Annual Review 神経 2010/中外医学社/2010/WB115
Annual Review 腎臓 2010/中外医学社/2010/WB115
今日の診断指針 第 6 版/医学書院/2010/WB141
正しい方法がわかる臨床基本手技 DVD from the New
England Journal of Medicine/ 南 江 堂 /2009/
VD||WB365
膠原病学 : 免疫学・リウマチ性疾患の理解のために 改訂
4 版/丸善/2009/WD375
熱中症を防ごう : 熱中症予防対策の基本/中央労働災害
防止協会/2009/WD610
シェーグレン症候群の診断と治療マニュアル/診断と治
療社/2009/WE346
造血器腫瘍取扱い規約/金原出版/2010/WH525
消化器疾患最新の治療 2009-2010/南江堂/2009/WI100
大腸癌治療ガイドライン : 医師用 2009 年版/金原出版/
2009/WI529
科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン 2009 年版/金
原出版/2009/WI735
急性膵炎診療ガイドライン2010 第3版/金原出版/2009/
WI805
前立腺がん検診ガイドライン 2010 年増補版/金原出版/
2009/WJ752
講義録産科婦人科学/メジカルビュー社/2010/WP100
48
組織分類ならびにカラーアトラス 第 2 版(卵巣腫瘍取扱
い規約 : 第 1 部)/金原出版/2009/WP322
子宮内膜症取扱い規約 第 2 部 . 治療編・診療編/金原出
版/2010/WP451
子宮体がん治療ガイドライン 2009年版/金原出版/2009/
WP458
必携ハイリスク妊娠の診療を極める/永井書店/2009/
WQ240
科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン II :
皮膚リンパ腫/金原出版/2010/WR500
皮膚疾患最新の治療 2009-2010/南江堂/2009/WR650
小児科学・新生児学テキスト 全面改訂第 5 版/診断と治
療社/2007/WS100
口腔癌取扱い規約/金原出版/2010/WU280
標 準 耳 鼻 咽 喉 科・ 頭 頸 部 外 科 学 第 3 版(Standard
textbook )/医学書院/1997/WV100
診療録の記載とプレゼンテーションのコツ(新基礎臨床
技能シリーズ)/メジカルビュー社/2009/WX173
災害医学 改訂 2 版/南山堂/2009/WX215
小児臨床看護各論 第 11 版(系統看護学講座 : 専門 ; 23, 専
門分野 2. 小児看護学 :2 )/医学書院/2007/WY5
臨床検査 第 6 版(系統看護学講座 : 別巻 ; 6 )/医学書院/
2008/WY5
臨床放射線医学 第 8 版(系統看護学講座 : 別巻)/医学書
院/2009/WY5
看護史 第 7 版(系統看護学講座 : 別巻 ; 9 )/医学書院/
2005/WY5
精神保健福祉 第 2 版(系統看護学講座 : 別巻 ; 12 )/医学
書院/2007/WY5
リハビリテーション看護 第 5 版(系統看護学講座 : 別巻 ;
3 )/医学書院/2004/WY5
医学概論 第 8 版(系統看護学講座 : 別巻 ; 11 )
/医学書院/
2003/WY5
人間関係論 第 2 版(系統看護学講座 : 別巻 ; 14 )/医学書
院/2009/WY5
行動科学(系統看護学講座 : 基礎 ; 10, 基礎分野)/医学書
院/1994/WY5
文化人類学 第 2 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 9, 基礎分野)
/
医学書院/2002/WY5
情報科学 第 4 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 8, 基礎分野)/
医学書院/2004/WY5
教育学 第 6 版(系統看護学講座 : 基礎分野)/医学書院/
2010/WY5
物理学 第 6 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 1, 基礎分野)/医
学書院/2000/WY5
化学 第 6 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 2, 基礎分野)/医学
書院/1996/WY5
生物学 第 8 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 3, 基礎分野)/医
学書院/2004/WY5
統計学 第 6 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 4, 基礎分野)/医
学書院/2002/WY5
社会学 第 5 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 5, 基礎分野)/医
学書院/1993/WY5
心理学 第 5 版(系統看護学講座 : 基礎 ; 6, 基礎分野)/医
学書院/1996/WY5
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
消化器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 9, 専門分野 2. 成
人看護学 :5 )/医学書院/2007/WY5
歯・口腔 第 11 版(系統看護学講座 : 専門 ; 19, 専門分野 2.
成人看護学 :15 )/医学書院/2008/WY5
微生物学 第 11 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 疾病の
なりたちと回復の促進 :3 )/医学書院/2009/WY5
栄養学 第 11 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 人体の構
造と機能 :3 )/医学書院/2010/WY5
総合医療論 第 2 版第 13 刷(系統看護学講座 : 専門基礎分
野 . 健康支援と社会保障制度 :1 )/医学書院/2001/
WY5
公衆衛生 第 12 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 健康支
援と社会保障制度 :2 )/医学書院/2010/WY5
解剖生理学 第 8 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 人体
の構造と機能 :1 )/医学書院/2009/WY5
生化学 第 12 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 人体の構
造と機能 :2 )/医学書院/2009/WY5
病理学 第 4 版(系統看護学講座 : 専門基礎 ; 4. 疾病のなり
たちと回復の促進 :1 )/医学書院/2006/WY5
薬理学 第 12 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 疾病のな
りたちと回復の促進 :2 )/医学書院/2009/WY5
社会福祉 第 12 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 健康支
援と社会保障制度 :3 )/医学書院/2009/WY5
看護関係法令 第 42 版(系統看護学講座 : 専門基礎分野 . 健
康支援と社会保障制度 :4 )/医学書院/2010/WY5
老年看護学 第 7 版(系統看護学講座 : 専門分野 2 )/医学
書院/2010/WY5
精神看護の基礎 第 3 版(系統看護学講座 : 専門分野 ; 2 : 精
神看護学 || ; 1 )/医学書院/2009/WY5
母性看護学各論 第 11 版(系統看護学講座 : 専門 ; 25, 専門
分野 2. 母性看護学 :2 )/医学書院/2008/WY5
母性看護学概論 第 11 版(系統看護学講座 : 専門 ; 24, 専門
分野 2. 母性看護学 :1 )/医学書院/2007/WY5
小児看護学概論 / 小児臨床看護総論 第 11 版(系統看護学
講座 : 専門 ; 22, 専門分野 2. 小児看護学 :1 )/医学書
院/2007/WY5
眼 第 11 版(系統看護学講座 : 専門 ; 17, 専門分野 2. 成人看
護学 :13 )/医学書院/2008/WY5
皮膚 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 16, 専門分野 2. 成人
看護学 :12 )/医学書院/2008/WY5
運動器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 14, 専門分野 2. 成
人看護学 :10 )/医学書院/2007/WY5
老年看護病態・疾患論 第 3 版(系統看護学講座 : 専門分野
; 2 )/医学書院/2009/WY5
アレルギー : 膠原病 : 感染症 第 12 版(系統看護学講座 : 専
門 ; 15. 成人看護学 :11 )/医学書院/2008/WY5
血液・造血器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 8. 成人看
護学 :4 )/医学書院/2007/WY5
臨床看護総論 第 4 版第 6 刷(系統看護学講座 : 専門分野 1.
基礎看護学 :4 )/医学書院/2006/WY5
成人看護学総論 第 13 版(系統看護学講座 : 専門分野 2. 成
人看護学 :1 )/医学書院/2010/WY5
呼吸器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 6, 専門分野 2. 成
人看護学 :2 )/医学書院/2007/WY5
循環器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 7, 専門分野 2. 成
人看護学 :3 )/医学書院/2007/WY5
49
看護学概論 第 14 版(系統看護学講座 : 専門 ; 1, 専門分野
1. 基礎看護学 :1 )/医学書院/2006/WY5
内分泌・代謝 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 10, 専門分
野 2. 成人看護学 :6 )/医学書院/2007/WY5
基礎看護技術 第 15 版 2(系統看護学講座 : 専門分野 ; 1. 基
礎看護学 :3 )/医学書院/2009/WY5
腎・泌尿器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 12, 専門分野
2. 成人看護学 :8 )/医学書院/2007/WY5
女性生殖器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 13, 専門分野
2. 成人看護学 :9 )/医学書院/2007/WY5
脳・神経 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 11, 専門分野 2.
成人看護学 :7 )/医学書院/2008/WY5
耳鼻咽喉 第 11 版(系統看護学講座 : 専門 ; 18, 専門分野 2.
成人看護学 :14 )/医学書院/2008/WY5
消化器 第 12 版(系統看護学講座 : 専門 ; 9, 専門分野 2. 成
人看護学 :5 )/医学書院/2007/WY5
看護総合 [ 第 40 回 ](日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 40
回)/日本看護協会出版会/2010/WY9
精神看護 [ 第 40 回 ](日本看護学会論文集 : 第 35 回 - 第 40
回)/日本看護協会出版会/2010/WY9
母性看護 第40回(日本看護学会論文集:第29回-第40回)
/
日本看護協会出版会/2010/WY9
老年看護 [ 第 40 回 ](日本看護学会論文集 : 第 33 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2010/WY9
看護教育 [ 第 40 回 ](日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 40
回)/日本看護協会出版会/2010/WY9
成人看護 [ 第 40 回 ]2(日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 40
回)/日本看護協会/2010/WY9
小児看護 [ 第 40 回 ](日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 40
回)/日本看護協会出版会/2010/WY9
成人看護 [ 第 40 回 ]1(日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 40
回)/日本看護協会/2010/WY9
看護管理 [ 第 40 回 ](日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2010/WY9
地域看護 [ 第 40 回 ](日本看護学会論文集 : 第 29 回 - 第 39
回)/日本看護協会出版会/2010/WY9
看護大事典 第 2 版/医学書院/2010/WY13
NANDA-I 看護診断 : 定義と分類 2009-2011/医学書院/
2009/WY15
健康支援と社会保障制度 第 3 版(なぜ ? どうして ? : 看護
師・看護学生のための :18. 専門基礎分野)/メディッ
クメディア/2009/WY18
看護白書 平成21年版/日本看護協会出版会/2009/WY31
看護六法 平成 22 年度/新日本法規出版/2010/WY32
看護の倫理資料集 : 看護関連倫理規定 / 綱領 / 宣言の解説
第 2 版/丸善/2007/WY85
基礎看護技術 第 14 版 1(系統看護学講座 : 専門 ; 2-3, 専門
分野 1. 基礎看護学 :2-3 )/医学書院/2006/WY100
ウェルネス看護診断にもとづく母性看護過程 第 2 版/医
歯薬出版/2009/WY157.3
保健師業務要覧 新版 第2版/日本看護協会出版会/2008/
WY193
在宅看護論 新版/医歯薬出版/2009/WY200
在宅看護論 : 実践をことばに 第 5 版 2 刷/ヌーヴェルヒ
ロカワ/2009/WY200
金沢医科大学報
50
管理・運営
次期学長に
学長補佐
勝田 省吾 教授
平成 22 年 7 月 28 日(水)に開催された理事会(第 208 回)において、現学長補佐 勝田省吾教授(病理学Ⅱ)が次期
学長として選任された。任期は、平成 22 年 9 月 1 日から平成 25 年 8 月 31 日までの 3 年間である。
1989 年 5 月
かつだ
しょうご
勝田 省吾
学 長
7月
4月
9月
4月
4月
9月
【主な学会活動】
【略歴】
1971 年 9 月
1976 年 3 月
1976 年 4 月
1977 年 11 月
1983 年 7 月
1994 年
2002 年
2007 年
2008 年
2008 年
2010 年
文部省在外研究員アメリカ合衆国ワシントン
大学(Russell Ross教授に師事、
1990年5月まで)
金沢医科大学病理学第二講座主任教授
金沢医科大学副学長(2004 年 8 月まで)
金沢医科大学学長補佐
学校法人金沢医科大学理事・評議員
国際交流センター長
金沢医科大学学長(第 11 代)
金沢大学医学部卒業
金沢大学大学院医学研究科修了
金沢大学医学部病理学第一講座助手
金沢大学医学部病理学第一講座講師
金沢大学医学部病理学第一講座助教授
日本結合組織学会評議員、日本病理学会評議員、日本血
管細胞生物学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本
動脈硬化学会病理部会委員、Editorial Board of Pathology International
理事及び評議員の選任
平成 22 年 3 月 26 日開催の理事会(第 206 回)において、評議員 1 名が新たに選任された。
評議員 堂故 茂
平成 22 年 5 月 31 日開催の評議員会(第 109 回)において、理事 1 名・評議員 1 名が新たに選任された。
理 事 大島 譲二 評議員 高田 昌美
平成 21 年度 人事評価
平成 21 年度人事評価が、教育職を除いた事務職、
を基に、過去の評価実績、職種間バランスおよび部下
からの評価など多面的に審議され、その審議結果は、
理事長に答申され承認された。
この人事評価の結果に基づき、評価が特に良好であ
技術職、看護職および技能職 1,025 名の職員を対象と
った職員 51 名に対して、夏季期末手当に奨励金を付
して実施された。
加して支給することとなった。評価が不良であった職
評価の結果は、平成 22 年 6 月 25 日(金)開催の第 11
員 29 名については、職員人事委員会が該当者個々に
回人事評価委員会においてまとめられたうえ、理事長
つき検討し、もっとも適切と思われる方法によって指
に報告された。
導することになる。
また、第 72 回職員人事委員会において、評価結果
(人事課 石田豊司記)
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
51
第 1 回 内灘ロマンチックウォーク
主催:内灘町、内灘町ウォーキング協会、金沢医科大学
日時:平成 22 年 5 月 23 日(日)午前 9 時 30 分
第 1 回内灘ロマンチックウォークが、あいにくの天
候にもかかわらず約 1,000 人の参加のもと開催され、
アカシアの咲き誇る内灘の魅力を満喫しながらウォ
ーキングを楽しんだ。
本学は、内灘町と平成 18 年 10 月に包括連携協力に
関する協定を締結、
「健康な町づくり」を目指して施設
の開放や職員の相互支援を図っている。今回の同ウォ
ークでは、本学の西尾眞友教授(薬理学)が運営委員
長を務め、当日は医師、看護師、教職員、学生約 80
名が運営スタッフとして協力したほか、約 120 名が一
般参加した。
「医師・看護師とみんなで歩こう」との趣
旨でのウォーキングは東京都内での開催に次いで全国
サンセットブリッジを渡る八十出町長(左)、山下理事長(中央)
で 2 番目となる。
午前 9 時半から内灘町庁舎前で行われた開会式で
は、八十出泰成内灘町町長の挨拶に続き、大会名誉顧
え、応援のエールを送った。ゴール前では降り出した
雨の中、高田昌美看護部長と本学学生が出迎えた。
問の山下公一理事長が、
「歩くことは人間にとって大
恐竜公園と本学看護学部棟で同時に開催された「ふ
切。元気に歩き、安全に留意して無事ゴールを目指し
れあい健康フェア」では様々な催しが行われた。特に
てほしい」と参加者を激励した。午前 10 時、12 キロの
「金沢医科大学健康づくりブース」では、松井 忍教授
「まるごと内灘コース」
、7 キロの「内灘眺望コース」
、
(先進医療研究部門)の指導のもと 21 世紀集学的医療
子供たちに歩く力をつける 4 キロの「ファミリー歩育
センターと看護学部の協力により、各種の健診コーナ
コース」に分かれ、
「送り太鼓」に送られゴールの恐竜
ー・医療相談・禁煙相談・栄養相談コ―ナーが設けら
公園を目指してスタートした。内灘町役場からサンセ
れ、終日途切れることなく相談者が訪れた。また、雨
ットブリッジまで続く人の列は壮観であった。
のため急遽会場を本学体育館に変更して行われた「松
山下理事長、中農常務理事、勝田学長補佐らも 7 キ
原健之ステージ」には約 240 名の参加があった。
ロコースに参加した。本学の医師・看護師・研修医や
参加者に大きな怪我やトラブルもなく第 1 回内灘ロ
学生は白いビブスを着用し、参加者と健康談議などを
マンチックウォークを無事終えることができ、地域と
通じて交流を深めながらのウォーキングとなった。給
ともに歩む金沢医科大学を知ってもらう良い機会とな
水ポイントでは本学の学生や内灘高校生が元気に出迎
った。 健康づくりブース
給水ポイントで協力してくれた学生たち
(大会実行委員 寺井明夫記)
【管理運営】
金沢医科大学報
52
表 彰
交通事故現場で救急救護活動を行った職員 4 名を表彰
平成 22 年 5 月 22 日(土)に金沢市内で発生した交通
表彰された職員(敬称略)
事故現場に偶然通り合わせた本学職員4名が、迅速な
上田 善道 病理学Ⅱ教授
救急救護措置を行うとともに、後日、事件捜査協力を
山下 祐子 看護部看護師(新館 10 階東病棟)
行ったことに対し、金沢東警察署より謝辞があった。
川渕 彩 看護部看護師( 〃 )
このことは他の職員の模範となる行為であることか
木村 恵 看護部看護師( 〃 ) ら、学校法人金沢医科大学表彰規程に基づき、7 月 15
日(木)
、16 日(金)に表彰が行われた。山下公一理事
長からねぎらいの言葉とともに表彰状が授与され、記
念品が贈呈された。
(人事課 加藤勝人記)
交通事故の救護活動で表彰を受けて
病理学 II 教授 上田 善道
「交通事故現場における救急救護活動と事件捜査
に対する警察への協力」に対して、平成 22 年 7 月
16 日、山下理事長から表彰状をいただきました。
医療関係者としてのあまりにも当然の行為で表彰
に値するか疑問ですが、素直にいただくことにし
ました。表彰いただいたことに対するお礼も兼ね、
今回の経験が本学関係者に何らかの参考になれば
と考え体験を報告いたします。
平成 22 年 5 月 22 日午後 10 時頃、金沢から内灘に
向かう途中の交差点で信号待ちのため停車しよう
としていたとき、
「キーッ」という短いブレーキ音
理事長から表彰状を授与される上田教授
と「ボン」という衝突音と共に対向車線にヒトと自転車が「ドタン、ガッシャン」と投げ出されました。私
はすぐ自分の車を路肩に駐車し、倒れている女性に駆け寄り、意識状態と呼吸・循環状態をチェックし
ました。呼びかけに応答はなく、呼吸・循環も停止状態でした。四肢の変形や出血は観察されませんで
した。加害者男性に安全確保と救急車・警察への連絡を任せ、私は心臟マッサージを開始しました。偶然、
後続車に乗っていた本学病院勤務の看護師 3 人もすぐ駆けつけてくれ、救急車が来るまで心臟マッサー
ジ、人工呼吸、頸部保持を 4 人で分担して行いました。
翌深夜(午前 1 時頃に)の自宅への電話での約 30 分の事情聴取、同日夜に行われた、事故と同時刻の現
場検証、その後の聴取内容の確認、約 3 週間後の調書の確認と同じ話を何度も繰り返しさせられたこと
には閉口しました。警察の最大関心事は事故当時の信号の色だったのですが、私は先行車に応じて減速
していたというだけで、信号色に関しては全く答えることができませんでした。
今回の経験を通じて感じた点をまとめます:1 )本学病院の看護師の優秀さ、2 )医療関係者の BLS
(basic life support )、ACLS(advanced cardiovascular life support )プログラムへの積極的参加の必
要性、3 )車を運転中、ヒトは如何に漠然と行動しているか、4 )
「車はやっぱり凶器だ」ということです。
この事故の後、私の車のスピードは 時速 10∼20km は確実に遅くなりました。
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金沢医科大学報
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看護部看護師(新館 10 階東) 山下祐子
車で事故現場に通り合わせ、近づいたところ、先に処置していた上田教授がお
られ、先生の指示に従い救急処置を手伝いました。
今回、表彰状をいただきありがとうございました。初めての経験でしたが、手
伝えたことはよかったと思いました。
看護部看護師(新館 10 階東) 川渕 彩
事故現場では何もできないかもしれないと思い消極的になってしまいましたが、
勇気を出して駆け寄りました。すでに処置をしている上田教授がおられ、その指示
に従い自分たちも処置を行いました。まさか表彰していただけるとは思いませんで
した。山下理事長にねぎらいの言葉をかけていただき、自分たちは素晴らしいこと
をしたのだと改めて実感しました。
看護部看護師(新館 10 階東) 木村 恵
車で通りかかると人が倒れているところを発見しました。駆け寄ったときにはす
でに意識がなく、先に処置しておられた上田教授の指示に従い処置を行いました。
表彰していただけるとは思っていなかったので、とでも嬉しく思っています。
互 助 会
第 20 回 互助会
ゴルフ大会
恒例の互助会ゴルフ大会が、平成 22 年 6 月 1 日
(月)の開学記念日に、従来のゴルフ倶楽部金沢
リンクスから能登カントリークラブに会場を移
松本忠美副理事長の挨拶
し、会員 34 名、学生 30 名の合計 64 名が参加して
互助会員の成績は次のとおり。
開催された。
午前 8 時 20 分から、松本忠美副理事長の挨拶
〈ネットの部〉
があり、始球式のあと日本海コース 9H とはまな
優 勝
松下 外志雄(総務部(アカシア商会))
71.4
すコース 9H の計 18H で熱戦が繰り広げられた。
準優勝
山田 裕一(学長)
72.4
第3位
今村 吉克(看護学部事務部)
73.2
当日は弱風で快晴と天候にも恵まれ、終始和
やかな雰囲気の中、会員・学生とも普段の実力
〈グロスの部〉
を十分に発揮し充実した大会となった。また、
優 勝
川上 重彦(形成外科学)
学生と教職員との親睦も図られた有意義な一日
準優勝
宮村 順二(医療技術部診療放射線技術部門)88
となった。
第3位
香坂 誠(医療技術部診療放射線技術部門)89
(労務厚生課 坂尾光一記)
82
【管理運営】
金沢医科大学報
学校法人 金沢医科大学
平成 21 年度決算
54
ったことなどにより、前年比 1 億 8 千 9 百万円増の
130 億 2 千万円となりました。
一方、外来収入は、外来延患者数が 0.5%増加し、
診療単価が前年比 6.5%の増加となったことなど
により、前年比 2 億 9 千 1 百万円増の 44 億 8 千万円
となりました。
学校法人金沢医科大学の平成 21 年度決算が、5 月 31
日(月)開催の第 207 回理事会及び第 109 回評議員会に
おいて承認されました。その概要及び収支等の状況は
次のとおりです。
なお、医療収入の帰属収入に占める割合は70.0%
(前年度 67.2%)となりました。
【主な費用】
(1 )人件費
人件費総額は、前年比 3 億 6 千 2 百万円増となる
1.概要
私学を取り巻く厳しい経営環境が続く中、平成 21
119 億 3 千 3 百万円となりました。うち、教員人件
費は、前年比 9 千万円増の 36 億 6 千 2 百万円、職
年度は、前年度から引き続き医師及び看護師の確保を
員人件費は平成 22 年度問題対応のための看護師確
図り、勤務環境の改善に努めました。また、臨床研修
保等により、前年比 2 億 6 千 8 百万円増の 75 億円、
医への奨学金制度の創設、医学部特別奨学金貸与制度
役員報酬はほぼ前年同額の 9 千万円、退職給与引
の拡充、高度先進研究機器の整備などの事業を実施し
当金繰入額及び退職金はほぼ前年同額の 6 億 8 千 1
ました。同時に、グランドデザイン事業(大学施設再
百万円となり、また、退職金支出は、定年及び早
整備計画)に備えるための資金確保についても予定額
期退職制度による退職等を含め、108 名に 5 億 8 千
の積立てを行いました。
7 百万円を支出しました。
なお、人件費の帰属収入に占める割合は 47.7%
2.消費収支計算書の状況
【主な収入】
(1 )学生生徒等納付金
看護学部生の増加等により、前年比 2 億 9 百万
円増の 48 億 3 百万円となりました。学生数は、医
学部生 659 名、大学院生 69 名、看護学部生 192 名
の合計 920 名です。
(2 )寄付金
寄付金総額は、ほぼ前年同額の 5 億 5 千 9 百万円
となりました。
(3 )補助金
補助金総額は、前年比 5 億 8 千 7 百万円減の 14
億 4 千 9 百万円となりました。
うち、私立大学等経常費補助金は 2 千 3 百万円増
の 11 億 3 百万円となりました。補助金総額が減少
(前年度 46.1%)となりました。
(2 )教育研究経費
前 年 比 4 千 3 百 万 円 増 の 15 億 9 千 5 百 万 円 と な
り、引き続き教育研究の充実を図りました。
(3 )医療経費
前 年 比 6 千 1 百 万 円 減 の 85 億 1 千 6 百 万 円 と な
りました。薬品費が 2 億 3 百万円増加し、医療材
料費が 6 千 5 百万円増加しましたが、その他の医
療経費が 3 億 2 千 9 百万円減少しました。これは、
光熱水費が約 1 億 1 千万円の減、委託費が約 1 億 7
千万円の減となったためです。
なお、医療経費の医療収入に占める割合は48.7%
(前年度 50.4%)、また、帰属収入に占める割合は
34.0%(同 34.2%)となりました。
(4 )減価償却額及び処分差額等
しているのは、前年度に病院別館改修及び看護師
減価償却額及び資産処分差額の合計額は、前年
宿舎建設に係る補助金約 5 億円があったためです。
比 6 千 9 百万円減の 26 億 4 千 3 百万円となりました。
文部科学省研究装置・設備補助金は、超高速全
身撮影型 2 管球搭載 CT 装置、ハイスループット
この結果、帰属収入の部合計 250 億 1 千 5 百万円か
組織画像解析システムなど 7 件が採択され、2 億 1
ら、消費支出の部合計 251 億 7 千 9 百万円を差引いた
百万円が交付されました。
収支差額は、前年比 2 億 9 千 4 百万円減となる 1 億 6 千
(4 )医療収入
医療収入総額は、前年比 4 億 8 千万円増の 175 億
円となりました。
入院収入は、病床利用率が 84.0%と前年比 2.7
ポイント増、診療単価が前年比 1.7%の増加とな
4 百万円の支出超過となりました。
なお、有価証券評価差額については、平成 20 年 9 月
のリーマンショック以来、世界経済、金融機関等の混
乱が鎮静化しつつあり、その影響から、本年度は 2 億
6 千万円にとどまりました。
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消 費 収 支 計 算 書
( 自)平成 21 年4 月1 日
( 至)平成 22 年3 月3 1 日
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走査電子顕微鏡 2 千万円(うち、補助金交付額 1 千
3.資金収支計算書の状況
【主な資金収入・支出】
3 百万円)、インキュベータ蛍光顕微鏡 2 千万円(う
ち、補助金交付額 1 千 3 百万円)、消化器内視鏡
※消費収支計算書で説明した項目については割愛させ
シミュレータ 1 千 5 百万円(うち、補助金交付額 7
ていただきます。
百万円)
、高頻度磁気刺激装置 9 百万円(うち、補
(1 )借入金等収入
期中の運転資金として銀行から 10 億円を借入れ
しました。
また、教育振興資金(学校債)を募集し、3 億 5
千万円の資金調達を行いました。
(2 )借入金等返済支出
期中に借入れた短期借入金10億円を返済しました。
また、学校債の定期償還及び繰上償還等で、5
億 6 千 1 百万円の償還を実施しました。
助金交付額 6 百万円)ほかで、合計 8 億 3 千 2 百万
円を支出しました。
(4 )資産運用支出
グランドデザイン事業に対する財源を確保する
ため施設拡充引当特定資産に 10 億円、臨床研修奨
学事業引当特定資産に 5 千万円の合計 10 億 5 千万
円を計画どおり積立てました。
また、金沢医科大学氷見市民病院への元入金と
して 2 億 5 百万円を繰り入れました。
(3 )施設・設備関係支出
施設関係では、特別高圧 2 回線化受電工事に 2
以上の資金収支計算の結果、平成 21 年度の次年度
億 5 千 8 百万円、MR-CT3 撮影室改修工事に 6 千 5
繰越支払資金(手持運転資金)は前年比 1 億 2 千 8 百万
百万円、病児保育室増築工事に 3 千 8 百万円、超
円減となる 41 億 2 千 8 百万円となりました。
高速全身撮影型 2 管球搭載 CT 装置導入工事に 4 千
4 百万円ほかで、合計 5 億 3 千 7 百万円を支出しま
した。
設備関係では、超高速全身撮影型 2 管球搭載 CT
装置 2 億 5 千 4 百万円(うち、補助金交付額 1 億 4 千
9 百万円)、ハイスループット組織画像解析システ
ム 2 千 7 百万円(うち、補助金交付額 1 千 8 百万円)
、
4.貸借対照表の状況
【主な増減】
(1 )資産の部
資産総額は、前年比 7 億 8 千万円減の 551 億 5 千
8 百万円となりました。
これは、建物ほかの減価償却、減価償却引当特
【管理運営】
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資 金 収 支 計 算 書
( 自)平成 21 年4 月1 日
( 至)平成 22 年3 月3 1 日
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1,561
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214
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4,128
25
ٕ 128
31,229
ٕ 2,126
3,491
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31,229
43
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定資産の評価換え及び未収入金等の減少によるも
のです。
りました。
(3 )正味財産は、前年比 4 億 2 千 4 百万円減の 373 億
収益事業元入金については、金沢医科大学氷見
5 千 5 百万円となりました。この結果、資産総額に
市民病院の運転資金として新たに 2 億 5 百万円を
対する正味財産の割合は 67.7%となり、前年度よ
繰り入れました。
り 0.2 ポイント増加しました。
長期貸付金は、医学部生、看護学部生及び臨床
研修医への奨学貸付金で、3 億円となりました。
なお、情報公開の一環として、平成 21 年度財務関
退職給与引当特定資産は、前年同額の 61 億 3 千
係書類(財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報
8 百万円で、これは、退職給与引当金期末残高の
告書及び監査報告書)を本学のホームページ上に掲載
80.7%に相当します。
しています。
(http://www.kanazawa-med.ac.jp「事業
減価償却引当特定資産は、仕組債の評価換えによ
報告及び決算について」)
り2億6千万円減の44億8千9百万円となりました。
施設拡充引当特定資産は、10 億円をグランドデ
ザイン事業に積立てました。
臨床研修奨学事業引当特定資産を新規に設定
し、5 千万円を繰り入れました。
流動資産のうち、現金預金は 1 億 2 千 8 百万円減
の 41 億 2 千 8 百万円となりました。
(2 )負債の部
負債総額は、前年比 3 億 5 千 6 百万円減の 178 億
3 百万円となりました。
5.金沢医科大学氷見市民病院の状況
(1 )損益計算書
医業収益 39 億 2 千 1 百万円に対し医業費用が 43
億 8 百万円で、差引医業収益は 3 億 8 千 7 百万円の
支出超過となり、医業外収益 3 億 3 千 6 百万円を含
めた当期経常利益は 5 千 1 百万円の支出超過とな
りました。
医業収益のうち、入院収益は 22 億 4 千 1 百万円、
退職給与引当金は、取崩しと繰入れを行った結
外来収益は 16 億 5 千 8 百万円、治験等の受託事業
果、前年比 9 千 4 百万円増の 76 億 1 千 3 百万円とな
収益は 1 千 5 百万円、テナント家賃や駐車場賃貸
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金沢医科大学報
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料等の施設設備利用収益は 7 百万円となりました。
医業費用のうち、医薬品費や医療材料費等の
流動負債のうち未払金は、医薬品等材料費の未
払いが 1 億 9 千万円、氷見市への指定管理者負担
材 料 費 で 12 億 8 千 4 百 万 円、 給 与 費 で 22 億 4 千 6
金が 8 千万円、退職金や 3 月の超過勤務手当など
百万円、検査、給食及び清掃などの委託費で 4 億 2
の未払人件費 4 千 3 百万円ほかで 3 億 2 千 5 百万円
千 4 百万円、減価償却費、修繕費、損害保険料等
となりました。
の設備関係費で 7 千 8 百万円、消耗品費、光熱水費、
預り金は、給与からの住民税や所得税、共済掛
旅費交通費等の経費で 1 億 9 千 6 百万円、氷見市へ
金などの徴収分ほかで、4 千 2 百万円となりまし
の指定管理者負担金で 8 千万円となりました。
た。賞与引当金は、平成 22 年 6 月に支払う予定の
医業外収益は、寄付金収益で 1 千 5 百万円、氷
期末手当について、平成 21 年の 12 月から平成 22
見市からの交付金 2 億 8 千 8 百万円を含めた補助金
年 3 月までの 4ヶ月分を積算し、1 億 2 千 1 百万円
収益は 3 億 1 千 4 百万円となりました。
を計上しました。
(2 )貸借対照表
資産総額は 10 億 8 千 4 百万円、負債総額は 5 億 4
千 9 百万円、純資産は 5 億 3 千 5 百万円となりまし
た。
流 動 資 産 は、10 億 4 千 3 百 万 円 と な り ま し た。
うち、現金預金は病院会計窓口釣銭用の小口現金
で 9 百万円、未収入金は、医療未収入金 6 億 4 千 4
百万円、氷見市からの交付金等の補助金未収入金
3 億 1 千万円ほかで 9 億 5 千 5 百万円となりました。
(経理管財部 大野木辰也記)
【管理運営】
金沢医科大学報
58
金沢医科大学氷見市民病院 貸借対照表
平成 22 年 3 月 31 日
《貸借対照表》
(単位:百万円)
科 目
流動資産
徴収不能引当金
488
9
未払金
325
955
預り金
△4
貯蔵品
固定資産
42
121
その他
0
61
41
工具器具備品
賞与引当金
6 固定負債
77
その他
退職給付引当金
41 負債の部合計
純資産
元入金
利益剰余金
純資産の部合計
資 産 の 部 合 計
決算額
1,043 流動負債
現金及び預金
未収入金
科 目
決算額
1,084 負 債・純 資 産 合 計
61
549
535
638
△ 103
535
1,084
金沢医科大学氷見市民病院 損益計算書
(自)平成 21 年 4 月 1 日
(至)平成 22 年 3 月 31 日
(単位:百万円)
《損益計算書》
科 目
医業収益
入院収益
外来収益
受託事業収益
施設設備利用収益
科 目
決算額
4,308
2,241
材料費
1,284
1,658
給与費
2,246
15
委託費
424
7
設備関係費
経費
指定管理者負担金
医 業 利 益
医業外収益
336 医業外費用
寄付金収益
15
補助金収益
314
雑益
決算額
3,921 医業費用
7
経 常 利 益
78
196
80
△ 387
0
△ 51
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
59
随想・報告
報 告
内灘町の大連市旅順口区文化交流訪問団に
随行して
常務理事 中農 理博
発端
平成 22 年 5 月 24 日(月)∼26 日(水)
の 3 日間、内灘町の大連市旅順口区
文化交流訪問団に同行して中国の大
連市と旅順口区を訪問した。
本 年 2 月 3 日、 内 灘 町 と 大 連 市 旅
順口区の友好文化交流関係締結の調
印式が行われ、訪問団歓迎パーティ
ーに本学山下公一理事長と私が招待
された。その際に内灘町長から文化
交流参加への働きかけがあり、今回
の訪問となった。
今回の内灘町訪問団に同行した第
一の目的は、昨年の 11 月に石川県日
中友好協会の古賀克己会長の紹介で
大連市内の大通り
本学病院が大連市の富裕層の人間ド
ック受診者を受け入れたことから、大連市や旅順口区
ケールを有している。一方、医学的な面では、MRI
からの富裕層の本学病院での人間ドック受診者の定期
や CT 装置などは一般病院にはあまり普及していな
的な誘致確保が可能かどうかを現地関係者との交流の
い。人口に比して台数も少なく、なかなか検査が受け
中で模索することであった。また内灘町と大連市との
られない様子であり、また CT 検査などは日本の 3 倍
教育・文化交流の一翼を担う形で、本学が大連医科大
∼4 倍の料金がかかるとの現状である。そのため経済
学や大連大学医学部付属中山病院の関係者との懇談を
人や市・区政府の高官などの富裕層では、旅行を兼ね
通して医学交流や大学附属病院がドック受診後の要治
て日本などで健康診断を希望する人が年々増加すると
療者などの受け皿的医療機関としての紹介が可能か否
いうブームが起こっている。
かを判断する目的もあった。
大連へは富山空港から中国南方航空の往復直行便が
大連大学医学部付属中山病院
週 3 便出ており、日本を始め多くの外国企業が進出す
大連駅に近い市の中心部にある大連スイスホテルに
る大規模な経済先進地域でその発展ぶりから 「 北方の
チェックインした後、先ず大連大学医学部付属中山病
香港 」 と呼ばれる港湾都市である。日本の仙台市と同
院を訪ねた。百年の歴史があるという病院は、日本の
緯度にあり四季がはっきりしており、アカシアの花が
統治時代の南満州鉄道附属病院で重厚な建物はきれい
咲き毎年アカシア祭りと銘打ったイベントなども行わ
に保存されている。広大な敷地では大掛かりな建物の
れているとのことで、気候風土は内灘町とよく似てい
増築工事が行われていた。病院長の趙 徳偉氏は海外
るようである。しかし、大連市は面積が 13,200 ㎢で人
出張で不在であったが、劉 副院長(女性)ほか日本で
口は 211 万人(石川県:4,185 ㎢・117 万人)、旅順口区
検査業務の研修を行った 3 名の医師と懇談した。ベッ
は面積が 506 ㎢で人口は 21 万人(内灘:20 ㎢・26,000
ド数 1,300 床、1 日の外来患者は約 3,000 人とのことで、
人)と面積、人口ともに日本とは桁違いの大陸的なス
300 床増床の工事中で外来棟も増築する予定とのこと
【随想・報告】
金沢医科大学報
60
いるとの説明であった。また大連市内に附属病院を 2
つ所持しており、2 病院合わせてベッド数は 5,000 床、
約 5,000 人以上の職員が働いていると説明された。
広大で近代的なキャンパスは、新しい市街地の様相
で、路上は学生で溢れ図書館や学部校舎、留学生寮な
どが林立し、いくつのもテナントが入った商店街もで
きていて、キャンパス内で完全に生活ができるように
なっていた。 メディカルツーリズムについて
大連大学医学部附属中山病院での案内受付の歓迎電光掲示
帰国後の 6 月下旬、同行した石川県日中友好協会
の古賀会長から、3 つの可能性が伝えられた。1 つは、
であった。股関節関係の治療が盛んであり、日本に研
大連市の教育局の幹部職員の関連希望者。2 つ目は、
究医を送り修練を積ませたいという希望が述べられて
大連市に事務所を構える日本企業 15 社の顧問弁護士
いた。
事務所の弁護士。そして 3 つ目に、元大連大学の学長
で大連市の 「 金沢の友の会 」 会長の趙 亜平氏が関与す
大連医科大学
る関連団体の希望者。この 3 ルートでドック検診を目
2 日目は、旅順口区の大連医科大学を訪問した。こ
的とした富裕層のメディカルツアー希望者が確保でき
ちらは 70 年の歴史という。
「熱烈歓迎 日本内灘町考察
る可能性があるとのことであった。早速、富山発着に
団訪問大連医科大学」の横断幕が張られた本部管理棟
合わせた 3 泊 4 日の旅行日程に 1 日コースと 1.5 日コー
の会議室で、大連医科大学の唐 建武学長が大学概要
スのドック検診メニューを組み込んだ中国語版の旅程
の説明を行い、山下理事長が訪問団を代表して表敬挨
表を作成して、本学の大学案内、病院案内と共に大連
拶を行った。
に出向かれる古賀会長に託した。
大学の建物は、旅順口区の文教関連の開発区の人家
大連からの所要飛行時間は約 2 時間であり、メディ
も街並みもなかった海岸に建設され、大連市内から移
カルツーリズムへの実績が蓄積されればリピーターも
転・新築されたとの説明があり、旅順口区が昨年に正
期待できる。検診後の要治療者は大連の 2 つの大学の
式対外開放となってから外国との交流が盛んになった
附属病院を受け皿医療機関として紹介できるようなシ
とのことであった。約 2 万㎢の敷地内は、医学、臨床
ステムをつくり、医学交流も併せ行えるようになれば、
医学、薬学、歯科などの学部のほか、芸術学院、工業
受け入れ実績も大きく伸展して固定化した検診受け入
学院も併設しているという。教職員と学生合わせて約
れルートになると期待される。当然、本学病院でも富
16,000 人以上おり、世界各国からの留学生数は大学院
裕層向けに検診フロアーのアメニティー、中国語案内通
や学部学生を合わせて約 1,100 人以上とのことで、日
訳、検診結果データの送受など、本学独自の受け入れ
本からの留学生や日本の大学との交流も盛んに行って
体制も順次、整備していかねばならないと考えられる。
大連医科大学旅順口区の新キャンパス
旧日本海軍の広瀬中佐らによって閉塞作戦が行われた旅順港口
第 143 号/2010.8
金沢医科大学報
61
資 料
理事会
第 207 回 平成 22 年 5 月 31 日(月)
議案
1 平成 21 年度事業報告について
2 平成 21 年度決算について
3 評議員の推薦について
4 学長選考会議委員の選出について
5 学校法人金沢医科大学職員給与規則の一部改正につい
て
〈報告事項〉
1 内灘町が建設を予定している保育施設への資金協力と
本学職員の子の保育委託について
2 北陸大学薬学部生の実務実習について
評議会
第 109 回 平成 22 年 5 月 31 日(月)
議案
1 平成 21 年度事業報告について
2 平成 21 年度決算について
3 理事・評議員の選任について
規程の改正・制定・廃止
学校法人金沢医科大学公益通報等に関する規程
(平成 22 年 2 月 1 日制定)
金沢医科大学における科学研究費補助金等の競争的資金に係
る間接経費取扱要領
(平成 22 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院治験審査委員会規程(平成 22 年 4 月 1 日改正)
金沢医科大学病院臨床研修奨励金貸与に関する規程
(平成 22 年 4 月 1 日改正)
がん診療連携拠点病院運営委員会規程(平成 22 年 4 月 1 日改正)
透析機器安全管理委員会規程
(平成 22 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学病院がん登録関係組織規程及びがん登録実施規程
(平成 22 年 4 月 1 日制定)
診療業務役割分担推進委員会規程 (平成 22 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学氷見市民病院規程
(平成 22 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学氷見市民病院運営会議規程
(平成 22 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学氷見市民病院部科長会規程
(平成 22 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学氷見市民病院業務分掌規程
(平成 22 年 4 月 1 日制定)
金沢医科大学氷見市民病院職員人事委員会規程
(平成 22 年 4 月 1 日制定)
学校法人金沢医科大学事務部長会規程(平成 22 年 5 月 1 日改正)
学校法人金沢医科大学事務規程
(平成 22 年 5 月 1 日改正)
金沢医科大学研究推進会議規程
(平成 22 年 5 月 1 日制定)
金沢医科大学病院規程
(平成 22 年 5 月 1 日改正)
学校法人金沢医科大学職員給与規則(平成 22 年 6 月 1 日改正)
金沢医科大学寄付講座等に関する規則(平成 22 年 6 月 1 日改正)
金沢医科大学寄付講座等に関する細則(平成 22 年 6 月 1 日改正)
金沢医科大学病院規程
(平成 22 年 6 月 1 日改正)
金沢医科大学病院栄養サポートチーム(NST )委員会規程
(平成 22 年 7 月 1 日改正)
医学部教授会
第 844 回(定例) 平成 22 年 4 月 8 日(木)
人事関連等
〈議題〉
1 前回(第 843 回)議事録確認について
2 平成 22 年度各種委員会委員(追加分)について
3 その他
〈報告事項〉
1 教員採用について
2 研究医採用について
3 研究医採用取り下げについて
4 出向について
5 出向取り下げについて
6 客員教授委嘱について
7 非常勤講師委嘱について
8 外国留学期間延長について
9 兼担依頼について
10 非常勤講師派遣について
11 短期研究員の受入について
12 その他
教学関連議題
1 平成 22 年度医学部編入学試験(第 1 学年次後期編入)及
び平成 23 年度医学部入学試験(AO・推薦・一般)の各
委員について
2 休学願提出学生の取扱いについて
3 退学願提出学生の取扱いについて
4 平成 22 年度第 6 学年特別指導学生に対する補習について
5 平成 22 年度「介護と在宅医療(実習)
」の履修免除につ
いて
6 その他
〈報告事項〉
1 平成 22 年度医学部入学者について
2 平成 22 年度入学試験判定委員の公表について
3 平成 21 年度成績審査委員及び卒業判定委員の公表につ
いて 4 平成 22 年度教務関連各種委員会について 5 平成 22 年度学生数について
6 平成 22 年度学部学生特別講義について 7 平成 22 年度第 6 学年集中講義について
8 平成 22 年度標準試験の試験監督について
9 第 104 回医師国家試験の概要について
10 第 49・50 回教育懇談会の開催について
11 平成 22 年度科学研究費補助金の交付内定について
12 新研究助成制度「アシスト KAKEN 」の創設等について
13 その他
第 845 回(定例)平成 22 年 5 月 13 日(木)
人事関連等
〈議題〉
1 前回(第 844 回)議事録確認について
2 精神神経科学教授候補者の選考について
3 その他
〈報告事項〉
1 教員採用について
2 昇任について
3 辞職について
4 非常勤講師委嘱について
5 臨床教授(学外)委嘱について
6 国内研修について
7 外国留学期間延長について
8 移籍について
9 勤務先移動について
10 非常勤講師派遣について
11 その他
教学関連議題
1 平成 23 年度医学部入学試験について
2 平成 22 年度第 3・5・6 学年標準試験実施要領及び評価
について
3 平成 22 年度第 4 学年共用試験(CBT )の評価について
【資料】
金沢医科大学報
4 その他
〈報告事項〉
1 進級判定基準における GPA の扱いについて
2 平成 22 年度学生指導経費の使途について
3 金沢医大・同済医学院「交歓学術講演会 2010 」の開催に
ついて
4 平成 21 年度教授会費の決算報告について
5 その他
第 846 回(定例)
平成 22 年 6 月 10 日(木)
人事関連等
〈議題〉
1 前回(第 845 回)議事録確認について
2 その他
〈報告事項〉
1 教員採用について
2 昇任について
3 出向について
4 客員教授委嘱について
5 非常勤講師委嘱について
6 移籍について
7 非常勤講師派遣について
8 その他
教学関連議題
1 平成 23 年度医学部入学試験要項(案)について
2 平成 22 年度第 6 学年実技試験(Advanced OSCE )実施
要領(案)について
3 その他
〈報告事項〉
1 入試説明会及びオープンキャンパスの開催日程について
2 平成 22 年度第 1 学年「医学セミナー」早期臨床体験実習
について 3 平成 22 年度医学系 CBT 問題公募等について
4 第 6 学年「集中講義」の目的及び対象について
5 橘会総会での父兄面談について
6 教室における学生の夏季研修について
7 平成 22 年度マッチング説明会について
8 新任教員オリエンテーションについて
9 第 51 回教育懇談会の開催について
10 平成 22 年度解剖研修について
11 第 9 回 KMU 研究推進セミナー・北陸がんプロ教育セミ
ナーの開催について
12 平成 22 年度金沢医科大学共同研究・奨励研究について
13 その他
看護学部教授会
第 54 回(臨時)平成 22 年 4 月 2 日(金)
〈報告事項〉
1 カリキュラム改正について
2 その他
〈議題〉
1 退学願提出学生の取り扱いについて
2 その他
第 55 回(定例)平成 22 年 4 月 12 日(月)
〈報告事項〉
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 国家試験対策委員会からの報告
5 看護学部進路指導室からの報告
6 統合看護実習について
7 看護研究委員会からの報告
8 科研対策特別委員会からの報告
9 その他
〈議題〉
1 前回(第 53・54 回)議事録確認について
2 編入学既修得単位認定について
3 平成 22 年度前期履修登録について
4 その他
第 56 回(定例)平成 22 年 5 月 17 日(月)
〈報告事項〉
62
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 看護研究委員会からの報告
5 研究推進会議報告
6 倫理委員会からの報告
7 その他
〈議題〉
1 前回(第 55 回)議事録確認について
2 臨床講師(看護)の委嘱について
3 保護者会の開催について
4 その他
第 57 回(定例)平成 22 年 6 月 14 日(月)
〈議題〉
1 前回(第 56 回)議事録確認について
2 助産師選択コース履修辞退願提出学生の取り扱いにつ
いて
3 その他
〈報告事項〉
1 教務委員会からの報告
2 看護学部学生部連絡会からの報告
3 研究推進会議報告
4 日本看護系大学協議会総会報告
5 カリキュラム改正ワーキング・グループからの報告
6 その他
大学院医学研究科教授会
第 395 回 平成 22 年 4 月 8 日(木)
〈議題〉
1 前回(第 394 回)議事録確認について
2 平成 21 年度金沢医科大学学長賞の選考結果について
〈報告事項〉
1 平成 22 年度大学院医学研究科入学者について 第 396 回 平成 22 年 6 月 10 日(木)
〈議題〉
1 前回(第 395 回)議事録確認について
2 学位論文本審査委員の選出について
3 平成 23 年度大学院医学研究科学生募集について 4 第 38 回論文博士外国語試験実施要項について
〈報告事項〉
1 核燃料物質・放射性同位元素等の査察について
総合医学研究所教授会
第 245 回 平成 22 年 4 月 15 日(木)
〈審議事項〉
1 前回(第 244 回)議事録の確認について
2 平成 22 年度研究所予算の配付について
3 平成 22 年度公開及び研究セミナーについて
4 その他
〈報告事項〉
1 金沢医科大学総合医学研究所長任用規程について
2 総合医学研究所関連委員会の委員について
3 併任願いの取扱いについて
4 来月の教授会開催日時について
5 その他 第 246 回 平成 22 年 5 月 20 日(木)
〈審議事項〉
1 前回(第 245 回)議事録の確認について
2 施設管理について
3 教育職員選考について
4 その他
〈報告事項〉
1 学内者からの実験室使用許可申請について
2 外国出張について
3 研究推進ガイダンスについて
第 143 号/2010.8
4 併任願いの取扱いについて
5 来月の教授会開催日時について
6 その他 第 247 回 平成 22 年 6 月 17 日(木)
〈審議事項〉
1 前回(第 246 回)議事録の確認について
2 平成 22 年度公開セミナーについて
3 その他
〈報告事項〉
1 公表論文の評価について 金沢医科大学報
2
3
4
5
6
7
8
辞職について 教育職員選考結果について
学内者からの実験室使用許可申請について
外国出張について
核燃料物質等の査察について
来月の教授会開催日時等について
その他
人物往来
□ Howard L. Weiner 博士 /ハーバード大学医学部神経内科教授・Brigham and Women's Hospital および
Massachusetts General Hospital 多発性硬化症センター長/2010 年 3 月 17 ∼ 19 日の日程で東京で開催された
第 22 回日本神経免疫学会学術集会の招待講演に来日されたのを機に、学会前の 3 月 15 日、
「Meet an Expert in
Neuroimmunology in Kanazawa 」の開催を企画し快く応じていただいた。講演に先立ち、神経内科学教室を訪問、
当科の大学院生 2 名の研究テーマについて院生を交えて討論した。また、AQP4 抗体や NMDAR 抗体のアッセイ
系の確立とその意義について田中惠子特任教授と討論した。講演では、大学院生の研究テーマの一つである脳虚
血における免疫系の関与という問題を含めた neuroinflammation という新しい概念について最新の情報を提供い
ただいた。当科部門教授の松井 真は Weiner 博士の不肖の弟子であったが、講演終了後の席で「生と死の哲学」に
ついて話をできたことは有意義で、疾病研究のみに留まらない偉大な mentor に出会えたことに感謝した。今後
当科のスタッフが彼のもとで学ぶ機会を持てるよう考慮いただく約束も取り付け、今回の訪問は成功裡に終了し
た。/(神経内科学)
□ William Frank Bina, III, M.D., M.P.H. /本学姉妹校ジョージア州のマーサ大学医学部長、地域医療学主任教
授/1975 年 ネブラスカ大学医学部卒業、1983 年 ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生学修士課程修了/本学の第
39 回入学宣誓式に出席のため、4 月 5 日∼6 日、本学を訪問。5 日、一時中断していた医学部生の交換留学の継続
について協議した。6 日には、入学式の祝辞で新入生に対し、医師として医療に関わることの責務の重大さにつ
いてご自身の経験から話された。/(国際交流センター)
□ Gayle Lentz Bina, M.S. /本学姉妹校ジョージア州のマーサ大学医学部地域医療学講師/1969 年 ハワイ大
学教育学部保健体育学科卒業、1983 年 メリーランド州トウソン大学理学部修士課程修了/4 月 5 日∼6 日、ご主
人の Bina 医学部長に伴って来学、医学部生の交換留学に関する協議に参加された。6 日の第 48 回教育懇談会で、
「Mercer Model: Training the Community Responsive Physician 」と題し講演を行った。/(国際交流センター)
63
金沢医科大学報
66
同窓会・後援会
金沢医科大学後援協力会幹事会
総会及び懇親会
平成 22 年 5 月 17 日(月)午後 4 時から、金沢ニュー
年金沢医科大学後援協力会総会を終了した。
グランドホテルにおいて、第 41 回金沢医科大学後援
10 分間の休憩の後、午後 5 時 30 分から同会場にて
協力会幹事会、平成 22 年金沢医科大学後援協力会総
講演会が開催された。今年は金沢医科大学理事長山下
会、講演会および懇親会が開催された。最初に幹事会
公一先生の「わが国の医療と本学」
(副題:金沢医科大
で議案が審議された後、総会に諮られることになった。
学 38 年、その社会的役割を考える)と題した講演会が
総会には 122 社の会員が出席し、冨木隆夫会長から
開催され、会場は大学職員も含め 250 名を超える出席
昨年 1 年間の大学の活動状況について報告があり、ま
た日頃の会員の協力に対して感謝の言葉が述べられ
た。
者で満たされた。
午後 6 時 50 分から「銀扇」において懇親会が開催さ
れた。冨木会長の開会の挨拶の後、大学を代表し、山
その後会長が議長となり審議が進められた。今回の
下理事長から来賓としての挨拶があり、山田裕一学長
議案は、
(1 )平成 21 年事業報告・収支決算報告、
(2 )
の乾杯の発声で、懇親会が開始された。会場は、昨年
平成 22 年事業計画(案)・収支予算(案)、
(3 )その他で
同様多くの参加者で賑わった。アトラクションでは二
あり、審議の結果全て原案どおり承認された。最後に
胡の演奏が入り大いに盛りあがった。午後 8 時 20 分、
議長から、平成 24 年度における金沢医科大学 40 周年
北川晶夫副会長の挨拶で閉会となった。
記念事業について、金沢医科大学後援協力会として、
(教育研究事業支援課 堀 愉記)
積極的に支援していきたいとの発言があり、平成 22
幹事会
山下公一理事長による講演
総会
北川晶夫副会長による閉会の挨拶
第 143 号/ 2010.8
金沢医科大学報
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金沢医科大学学術振興基金募金について
金沢医科大学学術振興基金募集趣意書
本学は、日本海側では初めての私立医科大学として、昭和 47 年に設立され、倫理に徹した人間性豊かな良医を育成する
こと、医学の深奥をきわめ優れた医療技術を開拓すること、人類社会の医療と福祉に貢献することを建学の精神として掲
げて着実に歩み続けてまいりました。
大学、特に医科大学は国の内外を問わず日進月歩の医学・医療をリードする大切な役割を担っていることは皆様充分に
ご承知のことであります。本学でも最高の教育・研究設備に加えて、先進医療機器の充実に意を尽くすとともに、基礎・
臨床医学講座並びに総合医学研究所の各部門において、医学の進歩に貢献できる人材の育成と研究の推進に日夜努力いた
しております。
教育面では、教育スタッフとしてすぐれた人材を配し、学生の教育に専念しており、昭和 53 年に第 1 回の卒業生が誕生
して以来、数多くの医師を世に送り出し、それぞれ国内国外の医学・医療の最先端で活躍しております。
研究面では、平成元年に従来の人類遺伝学研究所、熱帯医学研究所及び共同研究室を母体とし、難病治療など医療の先
端的な分野の開拓を目的とした総合医学研究所を設置し、臓器置換・難治疾患・癌・人類遺伝学・熱帯医学・基礎医学・
共同研究の各部門を中心にプロジェクト研究の推進を図っております。また、国際舞台においても躍進を続けており、欧
米の一流大学や研究所との研究員の交流、海外からの研究員・留学生の受け入れなどを通じて国際レベルの学術環境の整
備にも意を尽くしております。
診療面では、金沢医科大学病院は日本海側随一の規模を誇るまでに成長し、最新の医療機器を整備し、医学教育のみな
らず、文字どおり地域医療の基幹病院として順調に発展し、地域社会の要請に応えるべく最新レベルの医療サービスを提
供することにも十分な配慮をしてまいりました。
また、国際医療協力隊の派遣、世界各地域の種々の難病に対する国際医療協力に早くから取り組み、わが国の医科大学
の中ではトップクラスの実績を持っております。
しかしながら、この様な積極的な教育、学術及び医療活動を維持継続していくためには巨額の資金が必要で、学納金、
国庫補助金、附属病院の医療収入などの収入だけでは健全な経営は不可能であり、教育、研究、診療活動を萎縮させる恐
れがあります。
このために、本学では文部科学省の許可を得て学術振興基金の募集を行っており、広く本学教職員、卒業生、学生の父
兄をはじめ、民間企業、篤志家の多くの皆様のご支援をお願い申し上げる次第であります。
日進月歩の医学の進歩に即応した最新の教育、研究及び診療環境を維持するにとどまらず、未来に向けてさらなる貢献
と飛躍を目指して、全学を挙げて努力いたし、社会的使命を果たし得たいと念願しております。
本趣旨にご理解、ご賛同を頂き、ご協力を賜りますれば誠に幸甚に存じます。
学校法人金沢医科大学 理事長 山 下 公 一
募集要項 学術振興基金は次の要領で広く一般の方々からご協力をお願いしております。
1. 目 的: 金沢医科大学の教育・研究の振興と医
療の充実のため活用させていただきます。
2. 目標額: 10 億円
3. 募集先: 在学生、同窓生及びその父兄、教職員、
一般有志者並びに医学研究機関及び医療関係企
業・団体等
4. 学術振興基金へのご寄付は、
「特定公益増進法人寄
付金(個人のご寄付)」及び「受配者指定寄付金(法
人のご寄付)
」による所得税、法人税の優遇措置を
受けることが出来ます。
5. 応募方法: 寄付申込書等を本学教育研究事業推
進室あてにご請求ください。折り返し、手続方法、
税務に関することなどについてご説明いたします。
TEL 076-286-2211 内線 2720 ∼ 2724
FAX 076-286-8214
金沢医科大学教育振興資金・学術振興基金寄付者ご芳名(過去 1 年間の分、敬称略)
鈴木 比佐(大阪府)
平場 吉治(石川県)
小川 滋彦(石川県)
小川 隆彦(石川県)
林 暁(神奈川県)
中山 治樹(京都府)
街 保敏(大阪府)
加來 朝王(神奈川県)
小野 直見(三重県)
鈴木 昭男(愛知県)
村上賢一郎(京都府)
佐藤 意生(大分県)
萩原 秀男(静岡県)
荒木 壯(福島県)
髙橋 一(栃木県)
藤城 道義(愛知県)
坂部 徹(神奈川県)
内田 信三(長崎県)
朝倉 信一(千葉県)
佐々木真一(京都府)
大山 充徳(群馬県)
野村 泰三(石川県)
隅 一(石川県)
山根 基(広島県)
谷村 幸三(大阪府)
角田 弘一(石川県)
鈴木 政昭(静岡県)
水谷 一裕(東京都)
㈲ アカシア商会(石川県) ㈲ 八田物産(石川県)
丸文通商 ㈱(石川県)
㈲ トレント(石川県)
医療法人社団沖野会(石川県) 医療法人社団小川医院(石川県)
㈱アクト(石川県)
医療法人かぶとやま会(福岡県)
医療法人社団大西医院(兵庫県)
医療法人仁医会 ㈶ 釜石のぞみ病院(岩手県)
広渡レディスクリニック(愛知県)
第 143 号/ 2010.8
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金沢医科大学報
学報 143 号全目次
新アナトミーセンター起工式………………………………… 2
地域医療再生計画による寄附講座「総合医療学」
(石川県)を
設置…………………………………………………………… 3
能登北部地域医療研究所開所式……………………………… 3
■学事
平成 23 年度医学部入学試験要項 …………………………… 4
平成 23 年度大学院医学研究科選抜試験要項 ……………… 5
平成 23 年度看護学部入学試験要項 ………………………… 6
新任教授紹介(川﨑、中橋) ………………………………… 7
第 48 回教育懇談会 …………………………………………… 8
第 49 回教育懇談会 …………………………………………… 8
第 50 回教育懇談会 …………………………………………… 9
第 51 回教育懇談会 …………………………………………… 9
第 32 回納骨式 ……………………………………………… 10
第 38 回解剖学実習解剖体納棺式 ………………………… 10
平成 22 年度金沢医科大学臨床教授(学外)委嘱状授与式
並びに学外臨床実習に係る懇談会……………………… 11
教授会歓送迎会……………………………………………… 12
平成 22 年度看護学部保護者連絡会・保護者会(後援会さくら会)
総会 ………………………………………………………… 12
看護学部新入学生宿泊研修………………………………… 13
<学生のページ>
平成 22 年度医学部第 1 学年早期臨床体験実習…………… 14
第 2 回バーモント大学春期医学研修報告 ………………… 16
クラブ紹介:ESS、柔道部………………………………… 17
■国際交流
華中科技大学同済医学院から訪問団……………………… 19
金沢医科大学−華中科技大学同済医学院交歓学術講演会 20
留学生とその家族 学長と語る会 ………………………… 21
交流カフェ、Kaleidoscope ……………………………… 21
■学術
第 9 回 KMU 研究推進セミナー 北陸がんプロ教育セミナーと
合同開催 ………………………………………………… 22
大学院医学研究セミナー…………………………………… 23
産学官連携:2009 年度医学系大学産学連携ネットワーク
シンポジウム、第 9 回国際バイオ EXPO ……………… 27
石垣靖人講師 医学生物学電子顕微鏡技術学会奨励賞受賞 28
奥山 宏助教 第 53 回日本腎臓学会学術総会 平成 21 年度優
秀論文賞受賞……………………………………………… 28
平成 22 年度科学研究費補助金交付決定 ………………… 29
平成 21 年度各種助成金等受託状況 ……………………… 32
平成 22 年度金沢医科大学共同研究・奨励研究 ………… 35
研究推進ガイダンスを開催………………………………… 37
■病院
第 23 回がん診療連携拠点病院研修会・緩和ケア講習会
第 24 回がん診療連携拠点病院研修会・第 6 回リンパ腫コ
ントロールチーム症例検討会……………………………
第 33 回北陸診療情報管理研究会 …………………………
金沢医科大学地域医療支援プロジェクト第1回健康セミナー
ふれあい看護体験 …………………………………………
院内感染防止に関する教育講演会…………………………
平成 22 年度第 1 回安全管理体制確保のための職員研修会
金沢医科大学病院第 13 回、第 14 回 CPC …………………
<研修医の頁>
臨床研修医のための CPC(臨床病理検討会)……………
金沢医科大学病院平成 23 年度臨床研修医募集要項 ……
□金沢医科大学氷見市民病院
透析看護認定看護師になりました…………………………
■図書館:新着図書の紹介…………………………………
■管理・運営
次期学長に学長補佐勝田省吾教授…………………………
理事及び評議員の選任………………………………………
平成 21 年度人事評価 ………………………………………
第 1 回内灘ロマンチックウォーク …………………………
交通事故現場で救急救護活動を行った職員 4 名を表彰 …
互助会:第 20 回ゴルフ大会 ………………………………
学校法人金沢医科大学平成 21 年度決算 …………………
■随想・報告
内灘町の大連市旅順口区文化交流訪問団に随行して……
■資料
理事会・評議会………………………………………………
規程の改正・制定・廃止……………………………………
教授会…………………………………………………………
人事……………………………………………………………
■同窓会・後援会
金沢医科大学後援協力会幹事会総会及び懇親会…………
■本学スタッフ新刊著書
「Seisuishō 」
(原)……………………………………………
「内科学書」
(三輪) …………………………………………
「EBM 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療」
(三輪)…………
■人物往来
Howard L. Weiner 博士 ……………………………………
William Frank Bina, Ⅲ , M.D., M.P.H. …………………
Gayle Lentz Bina, M.S. ……………………………………
□金沢医科大学学術振興基金募金について………………
表紙写真
蝉の声
38
38
39
40
40
41
41
42
43
44
45
46
50
50
50
51
52
53
54
59
61
61
61
63
66
13
37
44
65
65
65
67
金沢医科大学報 第 143 号
平成 22 年 8 月 1 日発行
中谷 渉
閑さや岩にしみ入る蝉の声 芭蕉
蝉の句といえば、誰もが思い出す名句です。夏の昼
下がり、山寺の静寂の中に蝉の声を対比させて、心澄
みゆくのみ覚ゆと詠んでいます。この句の蝉は写真に
あるアブラゼミという説が多いとか。 (辺本、坂口)
(まつお・ばしょう:1644 ∼ 1694、江戸時代前期の俳諧師。蕉風
と呼ばれる芸術性の高い句風を確立し、俳聖と呼ばれる。しばし
ば旅に出て、
「野ざらし紀行」・「鹿島紀行」・「笈の小文」
・「更科
紀行」などの紀行文を残した。その中でも「奥の細道」
(1702 年)は、
松尾芭蕉が元禄時代に著した最も有名な作品。)
発行者
金沢医科大学理事長 山 下 公 一
編 集
金沢医科大学概要・学報編集委員会
編集委員長 米倉秀人
副委員長
原 亮
委 員
松井 忍
八田稔久
竹田浩一
山下和夫
寺井明夫
島 智一
中嶋秀夫
岡山 均
佐野友美
発行所
岩淵邦芳
元雄良治
甲野裕之
正木康史
宮下あき子
丸谷 良
坂尾光一
米田正明
辺本智恵美
北村 修
相野田紀子
森 茂樹
中谷 渉
笠間孝一
加富喜芳
中川美枝子
坂口友紀子
金沢医科大学出版局
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1−1
TEL 076(286)2211
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