2016年度版パンフレット

I A M A S S C H OO L G U I D E 2 0 16
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
情報科学芸術大学院大学[ IAMAS ]は、岐阜県が 2001 年に開学した大学院大学( 修士課程、メディア表現研究科一専攻 )です。
充実した講師陣による少数定員の大学院大学として海外にも広く知られ、
英文名称 Institute of Advanced Media Arts and Sciences から IAMAS(イアマス)と呼ばれています。
芸術と科学の融合を建学の理念に掲げる IAMAS は、最新の科学技術や文化を吸収しながら、
先端的な芸術表現やデザイン、新しいコミュニティやものづくりのあり方などを社会に提案しながら、
それらの研究と実践によって高度な「表現者」の育成を目指しています。
2014 年度に IAMAS はソフトピアジャパン地区に移転して以来、社会と地域に開かれたフィールド 型のキャンパスを中心に、
これまでの研究教育機関にはない開放的な空間の中で活動を拡げ、今までの専門性を活かした
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多様な研究と実践のみならず、それらの成果を統合し未来の社会を牽引する組織として生まれ変わりました。
IAMAS の研究教育の特色は、プロジェクトを主軸とした社会的実践、多分野の教員による
チームティーチング、専門的かつ綜合的な知識と技術を習得する充実したカリキュラムの 3 つです。
また芸術、デザイン、思想、理工学、社会学など、多分野からなる学生間の
コラボレーションが互いを刺激し合い、少人数精鋭を前提とした研究環境の中で
それぞれのスキルや知識を広げます。
さらに卒業後の IAMAS 生 OB・OG のネットワークの強さも本学の魅力です。
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IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
04
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
TIME LINE
1 年次はプロジェクト科目や、研究の基礎となる
科目の受講を通じて知識と応用力を養います。
1
年次
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
タイムライン
4月
1年前期は
研究するために必要となる
1年後期は
講義等による知識と
1年次から
プロジェクトに参加し、
リテラシー等を中心に習得
応用について取り組む
2年間を通じて
実践的な研究に取り組む
5
6
7
8
2 年 次は引き続きプロジェクト科目を通じて研究を進め、
主に各学生の修士研究を中心に活動し、
その成果として修士作品や修士論文をまとめ、
修士号の取得を目指します。
9
10
11
12
夏季休業
1
2
冬季休業
3
春季休業
リテラシー等
講義・演習
プロジェクト
マイルストーン
研究テーマ決定
イベント
年次制作発表
05
オープンハウス
入学後最初に受講する導入科目は、
共同作業やディスカッションを中心とする
ワークショップ形式の授業です。
2
複 数 の教 員との面 談を実 施し、
主査と副査から指導を受け
年次
カリキュラム:履修科目など
4月
修士研究を進める
5
6
7
8
TIME LINE
また前期はプロジェクトの実施や修士研究で必要となる
知識や技術、論文作成等に必要な技術を習得します。
専門科目では研究内容や目的に応じて知識を習得し
問いを見つけ考察する力を身につけます。
プロジェクトは社会の問題を見つけ、協同活動により
高度な研究成果を目指す実践的な授業です。
プロジェクト科目などの研究を通して、
修士作品・論文をまとめる
9
10
11
夏季休業
12
1
冬季休業
2
3
春季休業
リテラシー等
講義・演習
プロジェクト
マイルストーン
イベント
修士研究構想発表
中間発表
オープンハウス
修士作品
予備審査 I
修士作品
予備審査 II
修士作品審査
修士論文審査
修士研究発表
PROJECTS
IAMAS のプロジェクトは、メディア表現の
社会的な実践としての研究、成果の発信や、行政や企業、
他大学との連携などを行う場です。
学生と教員が集い共同活動を通して、
高度でユニークな研究成果を目指しています。
06
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
プロジェクト
あしたをプロトタイピングするプロジェクト
研究代表者:鈴木宣也
研究分担者:赤羽亨
2014 – 2016 年度
デザイン思考などの多様なデザイン手法を含む制作プロセス
を検 討しながら、現 状の社 会 課 題を抽出し、未 来 像の創出
を試みるために実 体 験 可 能なプロトタイプを制 作しています。
リアルプロジェクトとして共同研究を実施し、企業の課題を通
PROJECTS
じた実 践 的な研 究をしています。
体験拡張環 境
プロジェクト
研究代表者:平林真実
研究分担者:小林孝浩
2015 – 2017 年度
シンギュラリティ等の大きなパラダイム変化による影響を見据
えつつ、私たちの体 験を拡 張する環 境を創 出するための研
究を行っています。リアルタイム性や実空間を重視した未来を
見 据えた体 験として拡 張するために技 術 開 発や既 存 技 術の
応 用などを行いながら作 品やサービスとして実 現しています。
上)
声に反応してボールが浮き上が
るデバイス「コエノグラフ」展示風景 下)
初期のアイデアスケッチ
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
アートを/で考えるプロジェクト
研究代表者:小林昌廣
研究分担者:安藤泰彦
2013 – 2016 年度
学 生 個々のアート活 動( 作 品 制 作・企 画な
ど)を中 心に、ゼミや企 画 展 示・イベントを
行っています。今 年 度は、大 垣 市 内にある
空きスペ ースでの展 示や公 共 空 間でのイ
ベントを希 望 参 加というかたちで実 施しまし
た。自分にとってアート活 動 がどのような意
上)I AMAS WOR KS #5 具志堅裕介:
「 時刻
生成音響 」作品写真 右 )
イアマスオープンハウ
ス レクチャー風景
味をもっているのかを「 考える」ことを重 視し
07
ています。
PROJECTS
あたらしい T OY
研究代表者:クワクボリョウタ
研究分担者:金山智子
2016 年度∼
メディア表 現を研 究する上では表 現の内 容
を問うことが 重 要なのはもちろんのこと、い
かに伝えるかという問 題も無 視することは出
来ません。本プロジェクトは各自のテーマを
巡って、
「作る」
「伝える」
「考える」の 3 つの
過 程を循 環しながら TOY を制 作し、現 代
社 会が 抱えるアカデミズムとポピュリズムの
乖 離を超える、新しいクリエイションのあり方
を模索します。
根 尾コ・クリエイション
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
研究代表者:金山智子
研究分担者:小林孝浩、
ジェームズ・ギブソン、
中原淳(グレイセル株式会社)、
西田拓馬(株式会社 TAB )
2015 年度∼
プロジェクトでは、限 界 集 落 化のすすむ岐 阜 県 本 巣 市 根 尾
地 区の古いビルをリノベーションして活 動 拠 点「ねおこ座 」
をつくり、地 元の人たちと地 域 内 外のクリエーターたちが 交
流や協働しています。自然やエネルギー、生産活動と自分た
ちの暮らしについて問い、考え、そこから何かを創るという活
動を通して、共 創による新しい社 会を模 索していきます。
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上)ねおこ座から見える風景 中)
フィールドワークの様子 右)
リノ
ベーションでの製作作業
PROJECTS
H D II 高精細 映 像 技 術を用いた表 現 研 究プロジェクト
研究代表者:前田真二郎
研究分担者:瀬川晃
2014 – 2016 年度
現 代における映 像メディアの技 術 革 新にともなう表 現 研 究。
4K や 8Kと呼 称される次 世 代 高 精 細 映 像 技 術は、従 来より
も繊 細な描 写を実 現することは当 然の事 実としてあるが、さ
らに、それらによって実 現される新たな表 現 形 式や手 法につ
いて研究をすすめている。
左「
) A to Z [ images on t h e
ビジュ
network]」MM Lab. 中)
アルスタジオを使った作品制作
「 # selfie I n t e r n e t
の様子 右)
Collection 」丹羽彩乃
Craft, Fabrication and Sustainability
IAMAS 図 書 館・アーカイブ・プロジェクト
研究代表者:小林茂|研究分担者:ジェームズギブソン、山下健| 2014 年度∼
研究代表者:小林昌廣|研究分担者:伊村靖子、松井茂、三輪眞弘| 2016 年度∼
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IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
IAMASと岐 阜 県 立 森 林 文 化アカデミー、株
図 書 館 は、学 術 情 報を体 系 的に収 集・保
式 会 社 TAB が参 加し、それぞれの持つスキ
存・提 供する場です。図 書 館を「知」の循 環
ルやノウハウ、手 法を共 有し、手 仕 事とデジ
を体 感する場と位 置 づけ、アーカイバル・リ
タルファブリケーションを組み合わせた持続可
サーチ ─ 実 証 的な情 報 収 集と編 集による
能なスモールビジネスのためのプラットフォー
資 料 化、
「知」の改 変と再 編 ─を手 法とし
ムをつくることに挑 戦するプロジェクト。
て、作 品 制 作やメディア表 現 研 究を実 践しま
す。特に、メディア・アート作 品に関する資 料
収集、編纂、閲覧環境のデザイン、展示、再
制作・再演も視野に入れて活動します。
福祉の技術プロジェクト
ものづくりオープンメソッド
研究代表者:山田晃嗣|研究分担者:小林孝浩| 2014 年度∼
研究代表者:小林茂|研究分担者:吉田茂樹| 2011 年度∼
福 祉に関わる事 柄を調 査し、新たな方 法の
IAMASと岐 阜 工 業 高 等 専 門 学 校との学 校
提案や、課題解決等を目的としたプロジェクト
連 携をきっかけに始まった新しいものづくり手
です。先 進 国での高 齢 者の問 題、発 展 途 上
法の開 発を目指すプロジェクト。それぞれが
国での課題解決の他、福祉現場への新たな
得 意とするスキルを提 供し、ワークショップや
提 案 等をメンバーらと議 論しながら探ります。
展 示、実 証 実 験などを繰り返しながら、外 部
の連 携 パートナーと共に地 域の人々によって
PROJECTS
持 続 可 能な計 画の提 案と実 装を目指す。
上記[履修対象プロジェクト]の他、下記の 4 プロジェクトが[参加可能型プロジェクト]として活 動しています。
NxPC.L ab プロジェクト/研究代表者:平林真実 金生山プロジェクト/研究代表者:前林明次
これからの創 造のためのプラットフォーム/研究代表者:前林明次 メディア・地域・鉄道プロジェクト/研究代表者:金山智子
ENVIRONMENT
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
創 造する環 境
2 つの校舎があるキャンパスは、2014 年度から
ソフトピアジャパンという先進情報産業エリアに移転し
集積企業をはじめ産学連携の
新たなイノベーション創出拠点としての役割が期待されています。
人々との交流を通して未来を見据えた研究が
実践的に展開されることでしょう。
サウンドスタジオ
(センタービル| 3F )
残響調整板が備わった音楽用の部屋です。楽器演奏の練習や
録音に適しています。ピアノや数種類の楽器を備えています。また、
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ナレーション録音などにも活用されています。
ワークショップ 24
ENVIRONMENT
ソフトピアジャパン
センタービル
ワークショップ 24:学生の研究スペースと
なるロフトやプロジェクト室のほか、イノベー
ション工房や図書館のある施設
ソフトピアジャパンセンタービル:教員室の
ほか、様々な専門的スタジオやシアター、
ギャラリーがある施設
ギャラリー
(センタービル| 3F )
作品展示の他、コンサートやワークショップなどにも使用可能な多
目的スペースです。
ディレクター:小林茂
3D プリンターやレーザー加 工 機、
CNC などのデジタル工 作 機 械や、
3D モデリング機器を備えた工房で
す。見たり、触れたり、感じたりでき
るプロトタイプをつくりながら、アイデ
アを発展させる拠点です。
ENVIRONMENT
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IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
イノベーション工房
(ワークショップ 24 | 1F )
上)
レーザー加工機の出力設定を確認することができ
る素材ごとの出力見本 下)
デジタル工作機械を体験
できるワークショップの成果物と使用した治具
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
シアター
(センタービル| 3F )
HD プロジェクターを備えたミニシアターで
す。映像作品や資料を閲覧できます。ミニレク
図書館
(ワークショップ 24 | 1F )
図 書 館では、情 報、科 学、芸 術 関 連の専 門
書を中心として、現在約 4 万 1 千冊の図書や逐
チャー、プレゼンテーションスペースとしても活
次 刊 行 物を所 蔵し、ビデオ、DVD 等 2 千点
用できます。
以上の視聴覚資料を視聴することができます。
研 究 資 料 の検 索などのサービスも行ってい
ENVIRONMENT
12
ます。学 外の方もご利 用いただけます。
ロフト
(ワークショップ 24 | 5F )
同じフロアで分 野や学 年をまたいで
交 流しながら研 究 制 作を行なう共
有スペース。個人研究や制作に必
要な PCとアプリケーションの貸 与と
一人一人専用のスペースを確保し、
存分に 24 時間利用できる環境を備
えています。
R カフェ
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
(ワークショップ 24 | 5F )
小規模なレクチャーやワーク
ショップ、ミーティングなど、
自由に使うことができるカフェ
スタイルのオープンスペース
です。
プロジェクト室
(ワークショップ 24 | 5F )
プロジェクトの研究拠点とし
て割り当てられるスペース。
規模や内容によって部屋が割
り振られ、必要な機材が各部
屋に導入されています。
ビジュアルスタジオ
デザインスタジオ
(センタービル| 3F )
印刷物の出力・加工を目的とし
た部屋です。カラーレーザー
プリンタ、大判インクジェット
プリンタ、カッティングプロッ
ター、裁 断 機 など、様 々な制
作機器を配備しています。
学生寮[ RIST ]
(センタービル|3F )
白ホリゾントの撮影用スタジ
オ。画像合成のためのブルー
バック撮影が可能です。カメ
ラやモニタ、ライト、クレーン、
ドリー 等 の 撮 影用機 材 一 式
を備え、ストロボやディフュー
ザ ー など 写 真 撮 影 にも対 応
しています。
IAMAS から大垣駅の中間(約 1.3km )の住
宅 街に位 置し、ユニットバス、ベッド、電 気
調理器具、駐車場など快適さと機能性を備
えています。また全 40 室はほぼ 全ての在 学
生が利用可能となっています。
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所在地:大垣市藤江町 1 丁目 1–7
部屋数:全 40 室(洋間)
間取り:1K(約 9 畳)
寮費:22,800 円(共益費別)
金工室
金工のための機器が ってお
り、軟鉄やステンレス、アルミ
ニウム等 の 加 工 や 溶 接 が 可
能です。
木工室
(ワークショップ 24 | 1F )
昇降盤、パネルソー、
サンダー、
糸ノコ盤等の機器が ってお
り、一 般 的 な 木 材 加 工 が 可
能です。
洋間(約 9.6 畳)
ベッド
貸出機 材 室
(ワークショップ 24 | 3F )
デジタル一眼カメラ、HD ビデ
オカメラ、マイクなどの記録用
機材、ノート PC 、デスクトップ
PC 、液晶ディスプレイ、プロ
ジェクタ、ペンタブレット、オー
ディオインターフェースなどの
制作用機材、その他、各種ソ
フトウエアを貸出しています。
間取り例
バルコニー
ENVIRONMENT
(ワークショップ 24 | 1F )
仮眠室
(センタービル| 2F )
仮眠を取ることができる和室
です。研 究 活 動 で 疲 れ た身
体を癒します。
浴室
寮室内の設備等
バス
(浴室)、トイレ
(便所)、洗面所、キッチン
(流し台、
電磁調理器)、ベッド、洋服入れ、寝具入れ、エアコン、
ホームテレホン、照明器具、バルコニー
(物干し台付き)
、
カーテン
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
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情報科学芸術大学院大学 第 14 期生修了研究発表会・プロジェクト研究発表会「 IA MAS 2016 」会場の様子
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IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
MASTER’S RESEARCH
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IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
修士研究
学生は、自らの研究テーマを決め、在学中の 2 年間、
複数の教員と相談しながら修士研究に取り組みます。
修士作品と修士論文(論文のみも可)の
審査に合格した者は修士号(メディア表現)が
授与されます。
1
[修士作品一例( 2015 年度)
]
1. 大山 千尋「モノのための取扱説明書
↔物語─ 2 つの方法─」
2. 島影 圭佑「日本を思索する」
3. 大野 睦昌「論理憲法」
MASTER’S RESEARCH
4. 山本 一彰「算道」
5. Scott Allen「 spring」
6. ソルスンジェ「 TANGRAM 」
7. 東谷 俊哉「囁きの計算機」
8. 大澤 悟「 Excessive Motion」
[これまでの修士論文の一例]
水野雄太( 2015 年修了)
「映像としての Google Maps 」
「自己を見いだす場─身体と空間」
河合由美子( 2014 年修了)
佐原浩一郎( 2012 年修了)
「力の対位法 ─「感覚の論理」
におけるアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル」
3
2
MASTER’S RESEARCH
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IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
4
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6
7
8
ACTIVITIES IN SOCIETY
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
社 会での活 躍
IAMAS は、先端メディア表現を学ぶ学校の
草分け的な存在として、多くの卒業生が
新しい教育機関や文化施設などに就職しています。
「リンツの地 元 FM 局 Radio F ROを
電 波ジャックしたのもいい思い出です」
植田憲司
Ueda Kenji
高知県立美術館学芸員。文化庁、N TT インターコミュニケーション・セ
ンター[ I C C ]などを経て現職。展覧会「デイリー・リフレクションズ展 」
「 没後 50 年 石川寅治展」
「アノニマス・ライフ展」などを担当。
そのほかにも、IT 関連企業、ウェブ、グラフィック、
プロダクトなどのデザイナー、エンジニア、アーティスト、起業、
博士課程への進学など、その進路はさまざまです。
A1 現在、高知県立美術館で学芸員と
です。
して勤務しています。ICC ではメディアアー
あと、伝わりにくいと思うのですが、自分
トの作家と仕事をしていましたが、現在の
が IAMAS を選 べたことが、今の自分を
勤務館では、絵画、版画、彫刻、写真を
作っていると思います。詳しくは、
「内田樹 中心とした近現代の作品の収集・保存管
指折り待ってた夏休み」で検索を……。
理・調査研究、展覧会の企画運営を担
ACTIVITIES IN SOCIETY
18
当しています。とくに、高 知ゆかりの写 真
A3 文化庁に在籍していたころからの課
家である故・石元泰博の写真のアーカイ
題ですが、メディアアートなど、比較的新し
学芸員の植田さん( 2004 年修了)、
ブの構築・整理を重点的に行っています。
いテクノロジーを使った現代的な美術作
TAB の山下さん( 2010 年修了)
・横山さん( 2011 年修了)
・冨田さん( 2015 年修了)、
また、美 術 館 以 外の活 動としては、高 知
品の保存について、調査研究だけでなく、
アーティストの三原さん( 2006 年修了)にインタビューを行なった。
県 立 大 学の非 常 勤 講 師として芸 術 学を
実 務 的にも前に進めて行きたいと考えて
担当するほか、少し前のことですが、文化
います。
Q1 現在の主な活動をお教えください
庁メディア芸術祭の海外展のキュレーショ
Q2 IAMAS で経験したことを教えてください
ンを担当しました。
Q3 これからの活動について教えてください
A2 スコットランド へ の 短 期 留 学 や、
IAMAS のギャラリーで展覧会をキュレー
ションしたことはよい 経 験 でした。アル
ス・エレクトロニカのキャンパス展 示で、
IAMAS の同 期でやっていた IAMAS 非
公 認 公 式インターネットラジオ「 美 チャ
ンネル 」が、リンツの地 元 FM 局 Radio
FRO を電波ジャックしたのもいい思い出
美チャンネルの LINE グループのスクリーンショット。
背景は生放送中の様子。激レアマストバイの LINE ス
タンプもあり!
「自分たちで企 画からプロトタイプまでを繰り返し、制 作を一 貫して行うことで、
躊 躇なく改良を早く重ね、机上の空 論に終わらない D IY 精神が流れています」
ACTIVITIES IN SOCIETY
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IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
TAB
西田拓馬(代表|1979 生|大垣)
・山下健( 1982 生|東京|IAMAS )
・横山将基( 1986 生|愛知|IAMAS )
・冨田太基
( 1990 生|埼玉|IAMAS )による大垣市に拠点を置く建築設計事務所。建築設計を基盤にデジタルファブリケー
ションを用いた家具や雑貨などのプロダクト制作からイベントやショップ、街づくりに関することまで幅広く手がける。
美濃青柳の住宅( 2014 年)
A1 現 在は建 築 設 計を中心として新 築
浮かぶ佐 久 島にて海と空を結ぶ見 晴 台
し、制 作を一 貫して行うことで、躊 躇なく
住宅、住宅のリノベーション、什器制作、
を設計しました。アルゴリズムを用いた設
改 良を早く重ね、机上の空論に終わらな
プロダクトの開発をメインに活動しています。
計 手 法による建 築を提 案しました。立 地
い DIY 精神が流れています。
新築住宅「美濃青柳の住宅」では山下
条件、制作条件を考慮し、従来より培わ
コンピューテショナル(アルゴリズミック・
が設計・施工監理まで行いました。住宅の
れた技法の上に新しい考え方を実験的に
アーキテクチャー)な知 識やスキル、工
リノベーション「 HOUSE ITH 」では基
取り入れました。設計を山下、施工、施工
作機械(デジタル・ファブリケーション)の
本設計を西田と横山で進め、施工監理を
監理を横山が行い、アイデアから 2 人共
応用など、在学中身近にあった制作環境
横山が行いました。大垣近隣の地域特性
同で進めていきました。
を新しい事務所でも整えることの重要さを
を活かした住環境の提案を実現しました。
岐 阜 お お がきビ エンナーレ 2015 で は
実感しています。
什器設計では TABと株式会社 GOCCO.
IAMAS 准 教 授 の James Gibson のプロ
( 卒 業 生 ベンチャー企 業 )とのシェアビ
ジェクト「 TYPOGAKI 2015 」の什器デザ
ル STUDIO3 の 2F の空 間 設 計を冨 田
イン・会場構成を横山が担当しました。
が担当し、様々な用途に対応できるデザイ
A3 手狭になった事務所を 2015 年に移
転したことを期に、オープンスペースを設け
て食堂の営業やワークショップ・イベントを
A2 入学前(在学時期は各々異なる)は
開催することで人の流れが活 性 化され刺
「 mikketa 」プロジェクトでは、山下を中心
建築の専門性に縛られていましたが、様々
激を生み出す場づくりが出来てきました。
に三星毛糸(繊維製造)と連携して、生
な分 野で研 究している学 生や教 員 から
現 在は岐 阜・愛 知を中心に京 都や東 京
地の製 造 過 程で出る余り糸や端 切れ布
違った視 点や価 値 観を受け入れる柔 軟
でも活動を広げていますが、今後は海外
をアクリル樹脂や和紙と組み合わせたプ
さを身につけることができました。そして学
にも視野を入れて、メンバー個々の興味
ロダクトや糸巻きの芯などの廃 材と3D プ
内で出会った仲間とお互いを尊重しなが
の違い( 建 築・インテリア・プロダクト・手
ンを行いました。
mikketa のプロダクト商品展開( 2014 年∼)
リントしたパーツとの組み合わせによるプ
ら、今の仕事に結び付いてきていると思い
法・地域、コミュニケーション)など、それ
ロダクトの企画・デザインを行いました。
ます。
を起 点に広げていくことで次の活 動や仕
また三河佐久島アートプラン 21 のアートプ
スキルとして直結している点としては、自分
事のきっかけとして繋げていきたいです。
ロジェクト「 北のリボン」では、三 河 湾に
たちで企 画からプロトタイプまでを繰り返
アートプロジェクト「北のリボン」
( 2015 年)
「 TYPOGAKI 2015 」の什器デザイン・会場構成
「大 震 災をきっかけに始めた空白のプロジェクトの最 終目的は、
日本 人として近 代を総 括することです」
ACTIVITIES IN SOCIETY
20
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
三原聡一郎
Soichiro Mihara
音、泡、放射線、虹、微生物、苔など多様なメディア を用いて、世界に対し
て開かれたシステムを芸術として提示。2011年より、テクノロジーと社会の
関係性を考察するために空白をテーマにしたプロジェクトを国内外で展開中。
A1 現在はフルタイムで京都を拠点に現
しろ鋭敏な感覚を持って一個人を尊敬し
代において可能な芸術の方法を探ってい
て接する為の態度だと思います。
ます。IAMAS での濃い 2 年間の後、山口
情 報 芸 術センターインターラボに 7 年 間
A3 2011 年の東日本 大 震 災をきっかけ
勤 務し、現 在のメディアアートと呼ばれる
に始めた空白のプロジェクトの最 終目的
分 野を形 成していったアーティスト達の
は、日本 人として近 代を総 括することで
イマジネーションのサポート、また同世 代
す。過 去や現 行の動 向を扱うのではな
の科 学 者、研 究 者との触 覚 分 野での共
く、人 間自体をも相 対 化し得る体 験を、
同 研 究などに従 事しました。退 職 後 は
未来の仮説として芸術実践し、検証して
世 界各地を渡り歩きながら調査と実践を
いく予 定です。2016 年は茨 城 県 北 芸 術
重ね 現 在に至ります。2016 年 1 月には継
祭 2016, そして国 内 外で 2 箇 所ほど、具
続して行っていた触 覚 分 野の実 践を入
体的に展示の準備を進めています。平行
門 書としてまとめた共著「触楽入門」
(朝
して具体的な調査として、現在取り組んで
日出版社)が刊行。その他、大学や美術
いる微生物燃料電池及び生命を用いた
館でレクチャやワークショップを行ったり、
発 電 方 法を研 究している科 学 者や企 業
メディアアートを含んだ現 代 芸 術 全 般に
の視 察を計 画中です。オランダはヴァー
て特 殊なセットアップや作 品 修 復などに
ヘニンゲンに居を構えるplant-e 社は既に
関わっています。
「空白のプロジェクト #1 を越える為の余白」
クンストクオーターベタニアン、ベルリン
「空白のプロジェクト #2 鈴」
クンストクオーターベタニアン、ベルリン
社 会 実 践として植 物を用いた微 生 物 燃
料電池を製品化していて、非常に先験的
A2 専 攻や年 齢、その他 様々な違いを
な試みだと思います。また、同期の斉田一
持った人の集まる IAMAS で実感したこと
樹、むぎばやしひろことのコラボレーション
は、結 局、人はわかりあえないということ
であるmoids の次の展開を予定してます。
でした。これは全く悲しいことではなく、む
「空白のプロジェクト #3 コスモス」Photo:Takuya Oshima
DIY Arduino ワークショップ@ピルゼン、チェコ
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
卒業生の主な進路
在校生・卒業生の主な受賞( 2015 年度)
[就職:一般企業]
Prix Ars Electronica 2015 – DIGITAL MUSICS & SOUND ART 部門 Honorary Mentions
(株)アマナインタラクティブ、
(株)アマナホールディングス、
(株)イメージソース、
三原聡一郎( 2006 年修了)
「 鈴 / bell 」
(株)インフォファーム、エディプレックス(株)、面白法人カヤック、
(株)ケイズデザインラボ、
特定非営利活動法人 こどもNPO 、
(株)コルグ、
(株)サイバーエージェント、
(株)新東通信、
(株)バスキュール、ソニー(株)、タック(株)、大日コンサルタント(株)、
IPA 2015 年度「未踏 IT 人材発掘・育成事業」採択
「マウントアダプタの自動制御によるレンズ交換式カメラ拡張システムの開発」
篠田篤( 2 年生)
チームラボ(株)、
(株)二番工房、日本システム開発(株)、
(株)日本テレビアート、
(株)博報堂プロダクツ、任天堂(株)、ユカイ工学(株)、BANZAI CREATIVE 、
ISEA 2015, The 21st International Symposium on Electronic Art 入選
(株)grasp at the air 、N and R Foldings Japan 、Noiz Architects 、SK テレコム(韓国)、
大久保雅基( 2 年生)
「私は .mp3 の中で座っています( I am sitting in a .mp3 )」
Soft device.inc. 、SOLIZE engineering 、
(株)TAB
アートと遊びと子どもをつなぐメディアプログラム「汗かくメディア 2015 」汗かくメディア賞
[就職:文化施設]
大澤悟、竹内環、玉田雄一、蛭澤法子( 2 年生)
「ぶりゅっくん」
NTT インターコミュニケーション・センター
[ ICC ]、高知県立美術館、静岡県舞台芸術センター、
せんだいメディアテーク、日本科学未来館、山口情報芸術センター
第 21 回学生 CG コンテスト 審査員賞(四方幸子選定)
21
「 Portrate of daucus carota 」
石塚千晃( 2015 年修了)
[就職:教育・研究機関]
愛知県立芸術大学、秋田公立美術大学、京都造形芸術大学、岐阜県立岐阜各務野高等学校、
第 19 回文化庁メディア芸術祭 アート部門 優秀賞
女子美術大学、椙山女学園大学、成安造形大学、多摩美術大学、東京藝術大学、
長谷川愛( 2001 年卒業)
「(不)可能な子供、01:朝子とモリガの場合」
名古屋学芸大学、名古屋造形大学、広島市立大学、武蔵野美術大学
ACTIVITIES IN SOCIETY
第 19 回文化庁メディア芸術祭 アート部門 新人賞
[起業]
「算道」
山本一彰( 2 年生)
アライアンス・ポート(株)、アイティア(株)、
(株)エージーリミテッド、グレイセル(株)、
(株)GOCCO .
、セミトランスペアレントデザイン、
(株)ソネル、
(同)マスラックス、
第 19 回文化庁メディア芸術祭 アート部門 審査委員会推薦作品・高松メディアアート祭 入選
(有)
トリガーデバイス、動画まわり、南原食堂、
(株)間チルダ、
(株)メタファー、
「 fl/rame」
こやまともえ( 2015 年修了)
(株)ライゾマティクス
第 19 回文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門 審査委員会推薦作品
[進学]
愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程、
大阪大学人間科学研究科博士後期課程、大阪大学人間科学研究科、
真鍋大度( 2004 年卒業)、石橋素( 2001 年卒業)、堀井哲史( 2005 年卒業)
「 Perfume ライブ「 SXSW 2015 」」
真鍋大度( 2004 年卒業)
、石橋素( 2001 年卒業)
「YASKAWA×Rhizomatiks×ELEVENPLAY」
岐阜大学大学院工学研究科博士課程、筑波大学大学院博士課程、
東京藝術大学大学院映像研究科博士課程、名古屋大学大学院情報科学研究科博士課程、
高松メディアアート祭 優秀賞
京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程、
菅野創( 2009 年修了)
「セミセンスレス・ドローイング・モジュールズ SDM #2 レターズ」
リンツ美術工芸大学博士課程(オーストリア)、ロイヤルカレッジオブアート(イギリス)
RCIC
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
産 業 文 化 研 究センター
地域・産業連携
IAMAS の研究成果を産官学連携や
文化的活動を通して広く社会に活かし、様々な貢献をすることを
目的とした附置機関です。
( Research Center for Industrial Culture、通称 RCIC )
地 獄 絵スタンプラリー
RCIC が地域との連携に取り組んだ事例「揖斐川町地獄絵スタンプラリー」では、タウンフェス
ティバルを企画している町民の相談からスタートし、失われつつあった地域の「地獄絵の拝観」
22
という風習をヒントに、スタンプラリーで地獄について知る参加型イベントへと発展させました。
RCIC は主に三つの活動を行なっています。
まず、地域や産業連携として、県内外の企業やグローバル企業、
自治体や文化施設、教育研究機関や福祉 NPO など、
多種多様な組織と共同研究や受託研究を行なっています。
二つ目に文化活動として、岐阜おおがきビエンナーレや
RCIC
Ogaki Mini Maker Faire、IAMAS Artist Fileといった
イベントの運営に携わっています。
三つ目として、研究成果、連携成果、文化活動の報告書や記録制作など、
本学のさまざまな広報と情報アーカイブを担当しています。
最近では、RCIC 独自の企画や連携、卒業生とのコラボにも
積極的に取り組んでいます。
R C I Cトーク「2 1 世 紀 型 産 業 文 化 のつくり方」
参県内外の企業・団体を対象とした新たな産業文化形成の可能性について議論する場を企画
運営しています。2015 年度は、ハードウェアスタートアップなどの分野の資金調達方法として注目
されているクラウドファンディングをテーマにした「21 世紀型産業文化のつくり方」を開催しました。
文化活動
I A M A S 非 公 式 ポッドキャスト「ヒアマス」
岐 阜 おおがきビエンナーレ
ヒアマスは「耳で聴く、今の IAMAS 」として IAMAS の 活動を紹介する非公式のポッドキャス
岐阜おおがきビエンナーレは市民が新しい芸術や文化の試みに触れる機会をふやすことを目
ト番 組です。ゲストとともに「これまでの 20 年、これからの 20 年」をテーマに話し合います。
的に隔年で開催するアートイベントです。昨年は「Cracks of Daily Life 日々の裂け目」をテー
収 録 音源は、iTunes Music Store から聴取することができます。
マに、日常の中に潜むさまざまな亀 裂に焦 点をあて、作 品 展 示とイべントを行いました。
データビジュアライゼーション
Ogaki Mini Maker Faire
RCIC
23
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
広報・情報アーカイブ
RCIC では、研究成果を広く社会に活かし様々な貢献をすることを目的として、地域や産業と
Maker( つくり手)たちが全国から集まり、つくったものを見せ、語り、楽しさを共有するイベン
の連 携を積 極 的に推めています。IAMAS の産 学 官 連 携の取り組 みをまとめたアプリケー
ション「 IAMAS NOD E 2011 – 2015」では、活動の広がりや関係性を視覚的に表現します。
ト「 Ogaki Mini Maker Faire」は「つくることから、はじめよう。もの/あそび/ぶんか」をテー
マに、ものづくりの新しい文 化をつくるきっかけになることを目指しました。
FA C U LT Y
金山智 子 /産業文化研究センター長・
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
教員紹 介
メディア・コミュニケーション
Tomoko Kanayama
19 名 19 分野の教員が個人研究やプロジェクトを通じて、
地域コミュニティとコミュニケーションや、市民のエンパワー
メントとメディアが主な研 究テーマ。近 年はデザインや
アート、
ものづく
りを地域社会に実装させていくデザインと、
領域を横断しながら学生とともに活動しています。
メディア社会が取り巻く広範囲の分野で活躍する表現者の育成を目的として、
そこから新しいニーズを創造することに取り組んでいる。
奄美大島の宇検村にある FM うけんで参与
観察
多様な価値や議論の中から知見を広げ深めていけることを願っています。
小 林昌廣 / 図書館長・表象文化論
Masahiro Kobayashi
医学と哲学と芸術による三角形の中心に「身体」をす
え、独自の身体 論を展 開。医 学 史・医 療 人 類 学から
見た身体、古典芸能から見た身体、そして現代思想か
岐阜おおがきビエンナーレ 2015 クロージ
ングトーク
24
ら見た身 体などについて横 断 的に考 察している。
吉田茂 樹 / 学長・ネットワーク工学
赤 羽 亨 /インタラクションデザイン
Shigeki Yoshida
Kyo Akabane
インターネット黎明期以前から WIDE プロジェクトにお
メディアテクノロジーを使った表現についての研究を行
いて研究をする他、教育機関や行政関連のネットワーク
FA C U LT Y
システム構築に関わってきた。現在は IT に関する教育・
啓蒙やコミュニティ形成、社会応用を活動としている。
い、Generative Idea Flow の一員として、メディア表現
岐阜イノベーションセンターにて毎月 2 回
kinect 勉強会を開催
を扱ったワークショップ開発や、その内容を共有するた
めのアーカイブ手法の研究にも取り組んでいる。
三輪眞弘 / 研究科長・作曲・現 代 音 楽
赤 松 正行 /メディアアート
Masahiro Miwa
Masayuki Akamatsu
コンピュータを用いたアルゴリズミック・コンポジションと
インタラクティブな音楽や映像を制作、近年はモビリティ
呼ばれる手法で数多くの作品を発表。並行して「フォ
とリアリティをテーマとする。書籍「 Max の教科書」、ア
ルマント兄弟」という音楽ユニットを組み、多岐にわたる
活動を展開している。
「 Hybrid Music 」コンサートで「ひとのきえ
さり」を日本初演。
(愛知芸術文化センター)
プリ「Banner」、展 覧 会「 AR アートミュージアム」、先
進的な IT 製品の開発を通じてアートの領域を広げる。
[ 3Dスキャニング技術を用いたインタラクティ
ブアートの時空間アーカイブ ]撮影風景
モバイル AR
( 拡張現実感 )
によるアート表
現を探求する A R A R T プロジェクトの展示
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
安 藤 泰 彦 / 現代美術
小 林 孝 浩 / 情報システム工学
Yasuhiko Ando
Takahiro Kobayashi
ユニット
「 KOSUGI+ANDO」
として既知の物語を換骨
IT 弱者や障碍者向けの装置を開発するとともに、農業
奪胎したインスタレーションを制作。90 年代よりコンピュー
をテーマとした取り組みを行なう。小規模な稲作に行き
タ制御された映像やオブジェなどをとりこみ、アートを通
してテクノロジーが生活や生命に与える影響を考える。
BEACON2015 -Look Up! 第二室展示
(プロペラ) 岐阜県美術館
詰まりを感じ、太陽光発電を備えた農業施設を農地に
設置するなど、持続可能な農業の実践を目指している。
伊 村 靖 子 / 芸術学
ジェームズギブソン/ デザイン
Yasuko Imura
James Gibson
アートとデザインの歴史的区分を再考することで、芸術と
商業 活 動、産業との横断的な表 現 領 域が研 究 対 象。
2013 年京都市立芸術大学博士号取得。博士学位論文
メディアと芸術のあいだ ― ヤシャ・ライハー
トの 60 年代の「展覧会」を読み解く
Fieldwork. May 2015.
25
「1960 年代の美術批評 ─ 東野芳明の言説を中心に」
。
Notes on Living Outside Cultural Norms.
‘Which is better - to have rules and agree, or to hunt
and kill?’
www.hi.co/people/bigson2000
廃材を利用したヤーコン茶焙 機(回転式
撹拌器)
と熱源としてのロケットストーブ
クワクボリョウタ/メディアアート
鈴 木 宣也 / 情報・デザイン工学
Ryota Kuwakubo
Nobuya Suzuki
点光源を動かしながら日用品などの影を室内に投影す
メディアや情 報 通 信 技 術を用いたプロダクトなどのプ
るインスタレーションあるいは映像作品を制作。影像な
ロトタイプ制 作とそのインタラクション・サービスデザイ
FA C U LT Y
らではの特性を利用して、見る者それぞれの記憶を喚起
し内的な体験をもたらす作品を国内外で発表している。
LOST#7 点光源を備えた鉄道模型を走ら
せ、日用品を並べて室内に影を映し出す
ンを研 究 対 象とする。アート、デザイン、工 学などの複
合 領 域を横 断し、展 示 運 営なども実 践する。
小 林 茂 /イノベーションマネジメント
瀬川晃 / グラフィックデザイン
Shigeru Kobayashi
Akira Segawa
オープンソースハードウェアとデジタルファブリケーション
展覧会・学会の広報ツールからサイン、記録冊子まで
を活用し、多様なスキルや視点、経験を持つ人々が共
トータルにデザインおよびディレクションを行う。近年は
にイノベーションを創出するための方法論や、その過程
で生まれる知的財産を扱うのに適切なルールを探求。
限界集落を日本の近未来と捉え、IoT の可
能性と課題を考えるワークショップを実施
食、交通、史跡など暮らしを取り巻く身近な環境とデザ
インの関わりに注力している。
「つみきでえいご」英語とプログラミングを
組み合わせた積み木型ツール
岐阜おおがきビエンナーレ 2015 メイン
ビジュアル・フライヤー
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
平 林 真 実 /コミュニケーションシステム
山田晃 嗣 / 情報工学
Masami Hirabayashi
Koji Yamada
Web 構造解析、位置情報ベースの研究 / 作品などをは
ネットワークの使われ方や情報の共有のしかたに関す
じめ、近年は音楽体験を拡張するためのシステムの研
る研 究を行っている。最 近は障がい者を技 術 的に支
究を行う。NxPC.Lab 名義でクラブイベントを開催する
ことで音楽会場で展開可能な実践的な展開を行なう。
「 Sense of Space 」
高可聴域音 ID を使っ
た参加型音楽作品( Kafuka と共作)
援をする研究にも取り組み、ネットワークを活用した方
法、タブレット端末を利用した方法など行っている。
特別支援学校の子どもたちへタブレット端末
を活用した就労支援の方法を提案している
前田真 二 郎 / 映像表現
Shinjiro Maeda
映画、ドキュメンタリー、メディアアートといった分野を
横 断し、国 内 外の展 覧 会や映 画 祭で発 表。他 領 域
アーティストとのコラボレーション、展覧会の企画、映像
日々
“A U G ”8 ye ars mix[ 2008-2015 ]
岐阜おおがきビエンナーレでのライブ上映
26
レーベルのオーガナイズなども積極的にすすめている。
[非常勤講師]
前 林 明 次 /メディアアート
秋庭史典 /名古屋大学大学院情報科学研究科准教授
Akitsugu Maebayashi
ドミニクチェン/特定非営利活動法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事
アンドレアスシュナイダー/ Institute for Information Design Japan
身体と環境のインターフェイスとして介入することで知覚
永原 康史 /多摩美術大学情報デザイン学科教授
のあり方を問いなおす作品を発表。近年身体と場所と
FA C U LT Y
の関わりに対する想像力を喚起し、結びなおすための
装 置として作 品 制 作を行っている。
「これからの創造のためのプラットフォーム」
第 9 回講演『金生山明星輪寺』
における対談
入江経一 /パワーユニットスタジオ一級建築士事務所
中谷日出 / NHK 解説委員
熊坂賢次 /慶應義塾大学環境情報学部教授
古堅真彦 /武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科教授
松 井 茂 / 詩・映像メディア学
四方幸子 /メディアアート・キュレーター
Shigeru Matsui
室井尚 /横浜国立大学教育人間科学部教授
関口敦仁 /愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工学科教授
近 年はサウンド・デザイナー、映 像 作 家との協 業によ
吉岡洋 /京都大学大学院文学研究科教授
る制作を行う。研究は映像メディア学に基づいて、マ
ス・メディアを分 母とした現 代 芸 術の表 現 動 向に着
目し取り組んでいる。
詩=松井茂|山本一彰、作曲=檜垣智也、
映像=七里圭「入院患者たち」
( 2016 年)
田川とも子 /神戸女学院大学、他非常勤講師
STUDENT PROFILE
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
学生情報
[性別]
[入学時]
IAMAS の学生は、多様な専門分野、様々な地域から入学します。
40~45 歳( 1 )46歳以上( 2 )
35~39歳( 4 )
国籍・年齢・分野(芸術・デザイン系、理工系、人文系など)といった
壁を越え、互いの考え方に共感したり議論するなかで
女性
( 14 )
それぞれの研究を深めています。
2013 年度
集計データ:2013、2014、2015 年度在学生( 2 学年分合算値) [年齢]
30~34歳( 5 )
社会人
( 16 )
24 歳以下
( 14 )
学生
( 36 )
男性
( 38 )
25~29歳
( 26 )
40~45歳( 4 ) 46歳以上( 1 )
27
35~39歳( 2 )
[出身地]
()内の数字は上から
2013 、2014 、2015 年度
の人数
STUDENT PROFILE
女性
( 14 )
北海道( 0 )
(2)
(4)
海外( 6 )
(5)
(2)
近畿( 7 )
(6)
(8)
男性
( 33 )
2014 年度
社会人
( 28 )
学生
( 19 )
九州・沖縄( 2 )
(3)
(4)
25~29歳
( 21 )
東北( 0 )
(3)
(3)
40~45歳( 2 )46歳以上( 2 )
関東( 12 )
( 13 )
( 11 )
中国・四国( 1 )
(1)
(1)
30~34歳
(9)
24 歳以下
( 10 )
中部( 24 )
( 14 )
( 19 )
35~39歳( 3 )
女性
( 16 )
2015 年度
男性
( 36 )
社会人
( 19 )
30~34歳( 5 )
学生
( 33 )
24 歳以下
( 20 )
25~29歳
( 20 )
EXCHANGE PROGRAM
REPORT 01
交換留学
イシドラ・フィコビック(Isidora Fićović)さん
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
リンツ美術工芸大学 >>> IAMAS
IAMAS では、海外の教育機関との学生交流事業を実施しています。
このプログラムは、学生に海外で豊かな経験を積んでもらうもので、
私はベオグラード(セルビア共和国)でファインアートを学んだ後、2012 年からリンツ美術
毎年 2 名が提携校に 1 ∼3ヶ月留学するとともに、
工芸大学の Interface Culture で学んでいます。そこで私の表現活動はインタラクティブ
提携校の学生が IAMAS に滞在し、互いに交流を深めます。
アートにまで広がりました。日本での生活は私の修士研究にとってプラスになると考えてい
ます。それは漢字やひらがな、カタカナなどの日本の文字が私の研究に関係しているから
です。初めて体験した書道では機械的に印字された文字とは異なるデザインや色味を感
じます。学生の研究スペースには、制作や研究のために玩具や色とりどりのものが置か
れています。それらの中にも日本の伝 統 的な文 化が垣 間 見え、例えばけん玉には大き
な刺 激をうけました。IAMAS の人々と経験した、おおがきビエンナーレ、イベント、語ら
28
い、食事 会などは刺 激 的で充 実したものになり、これらは一 生の思い出になるでしょう。
REPORT 02
宮野有史さん(M1)
EXCHANGE PROGRAM
IAMAS >>> リンツ美術工芸大学
2015 年 9 月から 11 月の 3ヶ月間、留 学していました。リンツからの留 学 生の話を聞いて
ヨーロッパのほうがキャリアが多様なイメージを持ち、社会人から大学院に入った自分
の参 考になると思い留 学を志 望しました。Interface Culture では 2 年で卒 業する人が
少なく、制作を行いながら作品が増えてきたら論文にして卒業するという学生が多いこ
提携校:
2007 年から提携中の同校メディア研究科インターフェイス・カ
とに驚きました。学費の違いもありますが、修士課程のために作品を制作しているように
リンツ美術工芸大学
ルチャー(修士課程)では、クリスタ・ソムラー、ロラン・ミニョノー
メディア研究科
両教授を中心に交流をしています。またリンツにはデジタルアー
も見える日本とは異なると感じました。授 業はメディアアートの歴 史や様々な作 品を紹
インターフェイス・カルチャー
トとメディアカルチャーの分野での国際的拠点「アルスエレクト
(オーストリア)
http://www.ufg.ac.at/
ロニカ」があり、毎年開催されるフェスティバルでは IAMAS の
卒業生を含め多くの 作家・研究者が受賞を果たしています。
介するものが多く、知識不足を痛感している自分にとって、とても勉強になりました。また
Ars Electronica を見 学できたことと、その成り立ちや目的、役割について学べたことも収
穫で、あっという間に 3ヶ月が過ぎました。
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
SCHOLARSHIP
E N T R A N C E E X A M I N AT I O N
奨学金
入試情報
特別給費生制度
募集定員:20 名(大学院修士課程)
○情報科学芸術大学院大学特別給費生報償金
推薦入学試験
支給団体名:岐阜県
出願期間:2016 年 6月 10 日(金)− 6 月 17 日(金)
支給人員:1 学年 1 名以内
入学試験日:2016 年 7 月 2 日(土)
支給額:年額 60 万円( 1 年間)
合格発表日:2016 年 7 月 15 日(金)
対象者:
入学手続期限:2016 年 8 月 5 日(金)
大学院大学の学生
本学の教育・研究内容に関連する分野の活動において、高い評価や優れた実績のある者
原則として大学、研究所、企業などからの推薦のある者
一般入学試験
○第 1 回
S C H O L A R S H I P / E N T R A N C E E X A M I N AT I O N
29
出願資格審査書類提出期間:2016 年 9 月 7 日(水)− 9 月 14 日(水)
○大垣市情報科学芸術大学院大学報奨金
出願期間:2016 年 9月 23 日(金)− 9 月 30 日(金)
支給団体名:大垣市
入学試験日:2016 年 10 月 15日(土)
支給額:年額 60 万円( 1 年間)
合格発表日:2016 年 10月 21日(金)
支給人員:2 年生 1 名
入学手続期限:2016 年 11 月 11 日(金)
対象者:
○第 2 回
大学院大学の学生で大垣市の住民基本台帳に登録されている者
出願資格審査書類提出期間:2017 年 1 月 5 日(木)− 1 月 12 日(木)
又はされていた者、大学院大学における研究において、優れた実績がある者
出願期間:2017 年 1 月 20 日(金)
− 1 月 27 日(金)
大学院大学在学中に大垣市の情報関連施策に協力する意欲がある者
入学試験日:2017 年 2 月 11 日(土)
大学院大学の卒業後、大垣市内に事業所等を有する企業に就職し、
合格発表日:2017 年 2 月 17 日(金)
又は大垣市内で起業する見込みのある者
入学手続期限:2017 年 3月 3日(金)
内 容は変 更されることがあります。詳細は募集要項を確認してください。
入学金 ○県内の者:226,000 円 ○県外の者:338,000 円
授業料(年額)
:535,800 円
※ 入試に関する相談や学校見学は随時受け付けています。
IAMAS 教務課
〒 503-0006 岐阜県大垣市加賀野 4 丁目 1-7
TEL: 0584 ‒ 75 ‒ 6641(ダイヤルイン) FAX: 0584 ‒ 75 ‒ 6637
E-mail: info-exam@ml.iamas.ac.jp
ACCESS
30
[各都市から大垣へ]
100 分
東京
名古屋
新幹線
40 分
新大阪
米原
新幹線
中部国際空港
セントレア
30 分
名古屋鉄道ミュースカイ
金山
30 分
JR 東海道本線
30 分
JR 東海道本線
大 垣
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
アクセス
40 分
JR 東海道本線
[周辺図]
至米原、関ヶ原
シェル
楽田町
大垣商業高
JR 東海道本線
国道21号
ACCESS
大垣駅
和合I.C.
学生寮
伝馬町
大垣城
イオンタウン ソフトピア
大垣
ジャパン南
大垣東小
大垣東中
至岐阜、名古屋
ソフトピアジャパン
総合体育館
中ノ江
大垣フォーラム
ホテル
大垣市役所
県道 57 号
国道 258 号
県道 50 号
所在地:〒 503-0006 岐阜県大垣市加賀野 4 丁目 1-7
大垣駅より○タクシー:JR 大垣駅南口から約 5 分
○バス:JR 大垣駅南口から 3 番乗り場ソフトピア線・羽島線「ソフトピアジャパン」行き 約10 分( 1 時間に 2∼3 便程度)
紙種:
表紙 キャピタルラップ 四六判 86kg
31
IAMAS SCHOOL GUIDE 2016
本文用紙 エアリーボウル 四六判 79kg
〒 503-0006 岐阜県大垣市加賀野 4 丁目 1-7
TEL: 0584 ‒ 75 ‒ 6600 FAX: 0584 ‒ 75 ‒ 6637 E-mail: info@ml.iamas.ac.jp
発行:情報科学芸術大学院大学[ IAMAS ]
発行日:2016 年 4 月 1 日
編集:瀬川晃・八嶋有司(産業文化研究センター)
|中西要介 デザイン:中西要介
写真:今井正由己( p.1 – 4 /6 /10 – 12/ 14 – 15 /32 )
印刷:株式会社ダイキュー
本書からの無断転載を禁じます。
掲載内容は 2016 年 3月現在のものであり、一部変更される場合があります。
最新情報については、本学 Web サイトをご覧ください。
www.iamas.ac.jp