RDS-X01:Platform

RDS-X01:Platform
Instruction book 1.04
Contents
1 . はじめに ..................................4
おことわり ...................................................4
安全上の注意 .................................................5
2 . パーツリスト ..............................6
3. テストロボットを作ろう .....................8
使用するパーツ .............................................8
使用する工具 .................................................8
自律型ロボットの基本構成 .....................................9
各パートの組立 ............................................10
ビス・ナットのサイズ表示 ....................................10
ホイールの組立 ..............................................10
タイヤの取り付け ............................................11
ギアボックスへの固定用ビスの取り付け ........................11
ギアボックスへの車輪の取り付け ..............................12
キャスターの組立 ............................................12
タッチセンサの組立 ..........................................13
駆動部の組立 ................................................13
コントロール部の組立 ........................................14
コントローラへの配線 ........................................19
4. プログラム環境「TiColla」の準備 ...........20
インストールと起動 ..........................................20
ウィンドウとボタンの名前 ....................................21
ハードウェアコンフィギュレーター ............................22
タイルプログラマー ..........................................23
5 . テストロボットを動かそう .................25
前進するプログラミング ......................................25
タッチセンサが反応したら後進する ............................27
IR センサが反応したら前進する ...............................28
6 . 自律型ロボットの応用 .....................29
ライントレースロボット ......................................29
サッカーロボット ............................................30
各種のロボット競技 ..........................................31
各種ロボット作例 ............................................31
7. TiColla リファレンス .......................32
basic タイル ................................................32
variable タイル .............................................32
control タイル ..............................................33
ハードウェア設定タイル ......................................34
2
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
データロガー ................................................35
メモ(記録).................................................41
8 . パーツリファレンス .......................42
RDC-101 コントローラ .......................................42
RDI-301 232C シリアル通信ボード ............................49
RDP-808 6pin ケーブル ......................................49
RDI-201 タッチセンサ .......................................50
RDI-202 IR センサ ..........................................51
RDO-501 ギアボックス .......................................52
RDP-801 ユニバーサルプレート ...............................55
RDP-802 ユニバーサルプレート L .............................55
RDP-803 ユニバーサルピラー .................................55
RDP-804/805 3pin ケーブル ..................................56
RDP-806 ユニバーサルキャスター .............................57
RDP-807 タイヤセット .......................................58
RDP-809 電池ボックス .......................................59
RDP-901 ソフトウェア CD ....................................59
9 . Q and A...................................60
ロボットに関する Q&A ........................................60
パソコンに関する Q&A ........................................62
プログラムに関する Q&A ......................................63
マニュアルに関する Q&A ......................................65
10.トラブル シューティング ..................66
ロボットを作る時のテクニック、ヒント ........................66
ロボットが動かない場合には ..................................68
ロボットの動きがおかしい場合には ............................69
プログラミングについて ......................................70
ダウンロードが出来ない場合には ..............................71
サポート情報 .................................72
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
3
1 . はじめに
今日、
ロボットは「鉄腕アトム」に代表されるような未来の物語ではなくなってきました。
「知性」や 「 心」といったことは別にして、テレビ CM や数々のイベントで活躍するヒュー
マノイド型ロボット、癒しを与えてくれるペット型ロボット、救援・救助・医療支援型ロボッ
ト、身近なところではお掃除ロボットなど徐々に私たちの生活に関わってきています。こ
れらの動きは、ロボットが近い将来一つの産業として確立することを予感させます。もう
一つの動きとして、国内のみならず海外でも一つのテーマ、ルールにのっとり子供から大
人までが研究・自作したロボットの競技会が多数開催されています。これらの催しは、
人々
に日頃関わりの少ない最新技術に触れる機会を与え、技術力向上と将来の研究者、技術者
を育成することを目的として行われています。ジャパンロボテックはこれらの活動に賛同
し、将来のロボット産業の担い手となる研究者、 技術者の卵を支援する学習教材を研究・
開発しています。
ジャパンロボテックの「ロボデザイナー」は、物理学、機械工学、電子工学、情報工学、
ソフトウェア等の基礎を総合的に学習していくことで、創造力と論理的思考力を身につけ
ることができるよう構成されています。使用する材料が同じでも、組み立て方やセンサー
の設定、プログラミングの違いが人それぞれのロボットとして表現されます。さあ、あな
たの目標を達成させる、あなただけのオリジナルロボットの製作に挑戦してください。
ロボデザイナー RDS-X01 でできること
・計測と制御、コンピューター・プログラミングの基礎を学習します。
・自律型ロボットの製作、ロボットを構成する基礎を実習します。
・基礎を基に競技用自律型ロボットの製作へステップアップを図れます。
おことわり
1.この学習教材を正しくお使いいただくために、組み立て加工前に、必ずこの説明書を
よくお読みください。
2.当社は、この製品の使用の誤り、使用中に発生した故障、その他の不具合によって生
じた損害については、法令上賠償責任が認められる場合を除き、その一切の責任を負
いませんので、あらかじめご了承ください。
3.本製品は、ご利用になる方の学習目的達成を支援するための教材です。本製品をご使
用になられて得られた結果に関していかなる保障もいたしかねますので、あらかじめ
ご了承ください。
4.本製品の仕様及び価格等は、予告なく変更する場合があります。
4
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
はじめに
安全上の注意
安全にお使いいただくために必ずお読みください。
記号の意味
記号は、注意(気をつけること)を表します。
記号は、禁止(してはいけないこと)を表します。
記号は、義務(しなければならないこと)を表します。
警 告:人が死亡または、重症を負う恐れのある内容を示します。
工具及び工作機械の取り扱いには、十分注意してください。
・・・ケガや事故の原因となります。
ビスやナットその他小さな部品は、小さなお子様が口に入れたりしないよう十分注意、管理してください。 ・・・事故の原因となります。
制御基板(コントローラ・センサ等)には、説明書に指示ある電圧以上の電圧を入力しないでください。発火
する恐れがあります。
・・・火災やヤケドの原因となります。
注 意:人がケガをしたり、財産に損害を与える恐れのある内容を示します。
プラスチック部品を切り取ったり、カット加工する際、カットのしかたによっては、カット面がとがったり、
鋭利になっている場合がありますので、ケガや事故のないよう十分注意してください。
・・・ケガや事故、器物を損壊する恐れがあります。
コントロールボード等基板に電源を投入する際は、電源 ( 電池ボックス及び乾電池 ) の極性に注意して下さい
・・・部品を破損する原因となります。
制御基板や CD-ROM、工作物には、重いものを載せたり、曲げたり、投げたり、落としたり、熱いものに近づけ
たりしないでください。
・・・破損、ケガや事故の原因となります。
制御基板など電子部品を水に浸けたり、濡らしたり、濡れた手で触ったりしないで下さい。
・・・破損する原因となります。
コネクター・ケーブル等配線材は無理に引っ張ったり極端に折り曲げたりしないでください。
・・・ケーブルが破損し、動作不良の原因となります。
制御基板など電子部品は説明書に指示及び説明等がない限り不要に改造しないでください。
・・・動作不良の原因となります。
組み立て後、長時間使用しない場合は、乾電池を必ず電池ボックスから外して下さい。
組み立て後の不用となった端材やパッケージに使用しているダンボール等のゴミは、各市町村のゴミ処理方法
に従って処分してください。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
5
2 . パーツリスト
□コントローラボード RDC-101
□ RS232C シリアル通信ボード RDI-301
1枚
□アナログ赤外線センサ RDI-202
2個
□モータ付ギアボックス RDO-501
2個
1枚
□ギアボックス用スペーサ / 補修用パーツ
/ ナットホルダー他セット 1 セット
□タッチセンサ RDI-201(要組立)
6
2個
□タイヤ・ホイールセット RDP-807 1 セット
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
パーツリスト
※構造材・ケーブル等を除き、各パーツ固定用ビス・ナットがセットされています。
□ユニバーサルキャスターセット RDP-806
□ユニバーサルピラー RDP-803
5本
1 セット
□電池ボックス 単2×4 RDP-809
1個
3ピンケーブル
6ピンケーブル
□ RDP-804(20 ㎝)
□ RDP-805(30 ㎝)
□ユニバーサルプレート RDP-801
2枚
□ L 型ユニバーサルプレート RDP-802
1枚
□ RDP-808
□ 232C シリアル通信ケーブル
ソフトウェア CD
□ RDP-901
JAPAN ROBOTECH
3本
2本
RDS-X01 Instruction book
1本
1本
補修用 M3 ビス
・ナットセット
1枚
□
1袋
7
3. テストロボットを作ろう
使用するパーツ □コントローラボード
□ RS232C 通信ボード
1枚
1枚
□モータ付ギアボックス
2コ
□タイヤ・ホイールセット 1 セット
□ユニバーサルプレート
□3ピンケーブル(20 ㎝)
□タッチセンサ
1コ
□ユニバーサルキャスタ
1 セット
□6ピンケーブル
□アナログ赤外線センサ 1 コ
□電池ボックス単2×4
1コ
□補修用ビス・ナットセット
2枚
2本
1本
1袋
※各パーツの取付用ビス・ナットも使用します。
使用する工具
■ニッパ
■ラジオペンチ
■ M3 用+ドライバー と M2 用+ドライバー 2 種類
M2 用+ドライバー
プレートのカット
ピラーのカット
M2 用+ドライバー
はリード線の固定に
使用します。
ニ ッ パ は、 構 造
材の加工にも使
用します。
※ M3 ビ ス を 固 定
する際は、必ず
M3 用+ドライバー
を使用します。
■ナットホルダー
※ギアボックス補修パーツ
セット在中
■調整用ドライバー
※ギアボックス補修パーツ
セット在中
半固定抵抗(VR)の調整
8
RDS-X01 Instruction book
「ナット押さえ」として使用します。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを作ろう
自律型ロボットの基本構成
タイルプログラム
「自律型」とは、自分(ロボット)が自分
TiColla
自身をコントロール(自動制御)するタイ
プのロボットのことです。
自律型ロボットは、マイクロコントロー
PC
ラに入力されたプログラムによる 「 命令 」
によって動作します。センサなどの入力装
置が感知した情報はマイクロコントローラ
に伝えられ、情報をもとに処理が行われ、
その結果選択された命令をアクチュエータ
などの出力装置へ伝えます。
RS232C シリアル
通信ボード
入力
アナログ赤外線センサ
コントローラボード
入力
出力
タッチセンサ
出力
モータ付
モータ付
ギアボックス
ギアボックス
構 造 材
ユニバーサルプレート
JAPAN ROBOTECH
L 型ユニバーサルプレート
ユニバーサルピラー
ユニバーサルキャスター
RDS-X01 Instruction book
9
各パートの組立 ビス・ナットのサイズ表示
ビスやナットのサイズ表示は以下のとおりです。
■ナベビス:ビスの頭がナベを伏せたような形のビスの名称です。
表記:M3 × 10mm
「太さ(直径)3mm、長さ 10mm」
M3
という意味です。
長さ
※ネジが切ってあるところの長さです。
■皿ビス:ビスの頭が皿のように平らな形のビスの名称です。
表記:M3 × 10mm
「太さ(直径)3mm、長さ 10mm」
M3
という意味です。
長さ
※ビスの頭からの長さです。
■ナット 表記:M3
「太さ(直径)3mm のビス用」という意味です。
ホイールの組立
ホイールの左右の「くぼみ」は、「深い方」と「浅い方」があります。
テストロボットでは、この「くぼみ」の「深い方」へ「軸受け」を取り付けます。
オリジナルロボットを製作する場合は、「どちらに取り付けるか」でロボットの動きやサ
イズにに影響します。
ビス M3 × 6mm
×3個
くぼみの深い方
ホイール
ナット M3
×3個
軸受け
0
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1
2
3
4
5
6
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを作ろう
タイヤの取り付け
完成したホイール
タイヤ
※写真のように取り付けます。
ギアボックスへの固定用ビ
スの取り付け
出力軸が必ず左右対称になる方向でビスを固定します。
出力軸
出力軸
ナット M3 × 4 個
注意
1. 出力軸の向きに十分注意
してください。
2. 固定するビスは、
長さ 10m m のビスを使用
します。
※補修用のビス・ナット
の袋に入っています。
ビス
M3 × 10mm
×4個
出力軸
※両方のギアボックスへビスを取り付けます。
0
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
1
2
3
4
5
6
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ギアボックスへの車輪
の取り付け
手の平で上から
押し込みます。
注意
1. 必ず、机やテーブルに図
のように置き、上から手の
平で押し込んでください。
車輪
2. 手でこねずに、ぎゅっと押
し込んでください。
3. 押し込む目安は、下図を
参照してください。
ギアボックス
机やテーブル
に置きます。
出力軸が 1 ~ 2mm
見える程度まで押
し込みます。
キャスターの組立
【組立手順】
ナット M3 × 4 個
1. ホルダ A へボールを入れます。
2. ホルダ B をかぶせます。
3. スペーサをビスとナットで固定します。
スペーサ
高さ 30mm
完成
ホルダ B
ボール
ホルダ A
ビス M3
× 42mm
×4個
0
12
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2
3
4
5
6
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを作ろう
タッチセンサの組立
スプリングを取り付ける位置を変更することで、センサ感度の調整が可能です。
※テストロボットでは、図①の位置に取り付けます。奥に取り付けるほど感度が良くな
ります。
②接触端子とカバー(基板 B)
の取り付け
①スプリングの取り付け
ナット M3
ナット M3 × 2 個
基板 B
ナット M3
スプリング
ナット M3 × 6 個
基板 A
取り付け位置
ビス M3
× 6mm
基板 A
完成
ビス M3
× 12mm × 2 個
駆動部の組立
①ユニバーサルプレート× 1 枚へ取り付けます。
1)ギアボックスの取り付け
②ギアボックスは、タイヤが機体と干渉しない
程度の位置に取り付けます。
モータのリード線を最寄の穴から
出しておきます。
③キャスターは、タイヤの中心点(2 ヶ所)と
ユニバーサルプレート
二等辺三角形の位置になるところへ配置しま
す。
タイヤが機体と干渉しない程度の位置
ナット M3
× 8 個(左右)
0
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
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3
4
5
6
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2)キャスターの取り付け
ナット M3 × 4 個
キャスター
コントロール部の組立
コントローラボード及び RS 232C シリアル通信ボードへ固定用のビスを取り付けます。
※ビス M3 × 20mm は、補修用のビスナットの袋に入っています。
1)固定用ビス・ナットの取り付け
ビス M3
× 20mm × 4 個
ビス M3
× 20mm × 4 個
ナット M3 × 8 個
0
1
2
3
4
5
6
ナット M3 × 8 個
14
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを作ろう
2)ユニバーサルプレートへのスペーサーの取り付け
もう 1 枚のユニバーサルプレートへスペーサを取り付けます。
※スペーサーは、キャスター用スペーサー高さ 10mm を加工し、代用します。
カットしたくない場合は、ピラーやナットを利用して代用してもかまいません。
ビス M3 × 22mm
×4個
ニッパで
切り取ります。
ユニバーサルプレート
4 個準備します。
スペーサー 10mm
×4個
ナット M3 × 4 個
3)コントローラボード及び232C シリアル通信ボードの取り付け
配置図
① コントローラボードの取り付け
注意
コントローラボード及び232C
通信ボードの取り付ける方向に注意
が必要です。
コントローラボードはスイッチ側
が外側、232C 通信ボードは、9
ピンのシリアルコネクタが外側にな
るように取り付けます。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
ナット M3 × 4 個
0
1
2
3
4
5
6
15
② 232C シリアル通信ボードの取り付け
RS232C シリアル通信ボード
ナット M3 × 4 個
4)電池ボックスの取り付け
※電池ボックス固定用のビス M3 × 10m m は、
付属の皿ビスまたは、ナベビスどちらで
ビス M3 × 10mm × 2 個 ※
も結構です。
ナット M3 × 4 個
0
16
RDS-X01 Instruction book
1
2
3
4
5
6
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを作ろう
5)アナログ赤外線センサの取り付け
ビス M3 × 10mm × 2 個
ナット M3 × 4 個
6)タッチセンサの取り付け
ビス M3 × 10mm × 2 個
ナット M3 × 4 個
0
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RDS-X01 Instruction book
1
2
3
4
5
6
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7)テストロボットの組立
作ってきた駆動部とコントロール部を合体させ、テストロボットを組み立てます。
ナット M3 × 4 個
テストロボット組立完了
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RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを作ろう
コントローラへの配線
リード線やケーブルの配線を行います。
コントローラー
ボード側端子 接続部品名 接続方法
CN1
タッチセンサ
3 ピンケーブル RDP-804(805)
CN3
M1
IR センサ
右モータ
3 ピンケーブル RDP-804(805)
モーター附属コード
M2
左モータ
モーター附属コード
回路電源入力端子
電池ボックス
電池ボックス附属コード
シリアル接続端子
RDI-301
6 ピンケーブル RDP-808
※モータの接続は+側、−側の接続を入れ替えるとモータの回転方向が逆になります。
※電池ボックスの接続は、赤色リード線を端子の+側に、黒色リード線を端子のー側に接
続します。
M1:右モータ
+
+
M2:左モータ
-
+
-
-
CN1: タッチセンサ
シリアル通信端子
RDI-301 と接続
+
-
注 意
CN3:IR センサ
回路電源入力端子
電池ボックスと接続
電源端子に電池ボッ
+
クスを取り付ける際
-
は、極性に十分注意
ケーブル用
コネクター
して下さい。
電子部品を破損する
恐れがあります。
ツメ
配線の方法
ー
+ドライバー(M2 用)
+
注 意
リード線の絶縁被覆
はがしは端子内挿入
口の深さまでを守り
ます。端子接続時に
芯線が長すぎて外部
にはみだしていると
他のリード線の芯線
と絡み、ショートの
ミゾ
※リード線の芯線を差し込み、
ドライバーで締め付ける。
※コネクタのツメとミゾを
合わせて差し込む。(3 ピン、
6 ピン共通)
原因となります。
コントローラの詳細は RDC-101 リファレンスを参照してください。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
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4. プログラム環境「TiColla」の準備
Welcome to TiColla World!
TiColla は、
「計測と制御」「コンピューター・プログラミング」の基礎を学習するための
統合プログラム環境です。
TiColla は、プログラムの基本である「プログラミングの考え方」や 「 フローチャートの
作り方」に沿った制御プログラムが組めるよう構成されています。正方形のタイルを、
フロー
チャートの長方形(処理)やひし形(判断)の図形のように組み合わせてプログラムを完成
させます。
また、ソフト上で製作するロボットに最適なハードウェアの入出力がビジュアルに設定で
き、プログラムのためのタイルとリンクしています。常にハードウェアを意識しながらプロ
グラミングができるようになっています。
さらに、計測によって得たデータ、ロボットの製作過程やプログラミングの過程も一つの
プロジェクトファイルとして管理できます。
TiColla を使って、
これから始める学習の成果を一冊の研究資料としてまとめてみましょう!
インストールと起動
CD をいれるとインストーラーが起動します。
インストーラーの指示にしたがって保存場所を決め、TiColla を解凍します。
プログラムエリアの保存場所に、TiColla(ソフトウェア)と RDS-X01 説明書(PDF)が保
存されます。
TiColla
TiColla の起動
スタートメニュー、または TiColla のフォルダから実行モジュールをクリックします。起
動すると、新しいプロジェクトウィンドウが開きます。
説明書を見るには
TiColla のフォルダから「RDS-X01 説明書」をクリックします。PDF で編集された説明書
が開きます。
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RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
プログラム環境「TiColla」の準備
ウィンドウとボタンの名前
メニュー
プロジェクトエクスプローラー
メッセージエリア
ウィンドウ切り替えタブ
ワークスペース
プロパティ
ボタン
新規ボタン
新しいプロジェクトやデータを作成するには、新規ボタンをクリックするか、Project メ
ニューから New Project を選びます。新しいプロジェクトウィンドウが開きます。
オープンボタン
保存したプロジェクトファイルを開くには、オープンボタンをクリックするか、Project
メニューから Open を選びます。Open Project ウィンドウで開きたいプロジェクトファイ
ル(拡張子 .tpj)を指定して [ 開く ] ボタンをクリックします。
セーブボタン
プロジェクトを保存するには、セーブボタンをクリックするか、P r o j e c t メニューから
Save を選びます。Save Project ウィンドウで保存先を指定し、プロジェクトファイル
の名前を入力したら、[ 保存 ] ボタンをクリックします。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
21
ハードウェアコンフィギュレーター
コントローラの I/O ポートの入出力を製作するロボットに合わせて設定します。たとえば、
最初はデジタル入力に設定していたポートをアナログの可視光センサを接続することにした
場合など、プログラムを作成している途中でも、自由に変更可能です。
新規ボタンをクリックするか、File メニューから New を選びます。
Create Necessary Working Space を選び、[Next] ボタンをクリックします。
作成する Resource name に任意のアルファベットまたは、数字を入力し、[Finish] ボタン
をクリックします。作成した Resource のハードウェア (HW), プログラム (PG) 及び、HTML の
プロジェクトファイルのアイコンがプロジェクトエクスプローラーに作成され、同時に画面
下部のタグに追加されます。
プロジェクトエクスプローラーの H W アイコンか、ウィンドウ切り替えタグをクリックし、
ハードウェア設定ウィンドウを表示します。
ハードウェア設定ウィンドウ左側のパレットからハードウェアタイルを C N 表示の上にド
ラック&ドロップして、CN1, CN2, CN3, CN4, CN5, CN6 の各ポートに接続したいセンサーを
設定します。ハードウェアタイルで設定した入出力のみがプログラムタイルに反映され、プ
ログラム作成に使用することができます。
《テストロボット用ハードウェアの設定》
ここでは、CN1 にタッチセンサ、CN3 に IR センサを設定します。
※モータM1・M2は、初期設定されていますので、設定の必要はありません。
※ R D C -101 では C N7 〜 C N11 はモータドライバに接続されていますので、初期状態ではそれ
に適した設定になっています。上記の操作で入力、出力いずれにも設定可能です。
※ CN5 はボードのジャンパの設定を変えることでトランジスタに接続します。Digital Output タイルにより、M3 端子の on/off 出力を制御することができます。
22
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
プログラム環境「TiColla」の準備
タイルプログラマー
TiColla では、動作に必要なタイルをフローチャートの図形(四角やひし形)のように並
べるだけで簡単にプログラムができます。「プログラム」というのは、動作の進行手順の
ことです。プログラムを作る、つまり手順を考えやすくするために重要なのは、実現する
目的を決め、必要な手段や方法を具体的に検討して整理することです。
たとえば、DCモータを制御するには Motor タイルを配置して、プロパティの「回転方向」
「回転速度」などを設定します。自然と「フローチャートの描き方」に沿った制御プログ
ラムが完成します。
フローチャート?
進行手順が複雑になってくると、文章で表現することが難しくなってきます。
このような時、図式で表現すると分かりやすくなります。この図式の描き方とし
て広く使われているのが「フローチャート」です。手順の内容を、その種類に応
じた図形で囲み、図形同士を線でつなぎます。
端子:プログラムの最初 ( 開始)と最後 ( 終了)に使います。
角の丸い四角で表します。
開始
終了
処理:モデル化された手順を書き込みます。
四角で表します。
処理
判断:ある条件によって異なる手順に分岐します。
条件文は、イエス・ノーで答えられる文にします。
ひし形で表します。
NO
判断
YES
処理
処理
処理
処理
ループ:ループで囲まれた処理、判断などを繰り返します。
台形で表します。
ループ
繰り返し開始
処理
エンド
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
繰り返し開始に戻る
23
タイルの操作方法
プロジェクトエクスプローラーのアイコンか、ウィンドウ切り替えタブを押し、タイルプロ
グラムウィンドウを表示します。
タイルをタイルプログラムウィンドウ左側のパレットからワークスペースの上にドラック&
ドロップして配置します。
タイルの配置(選択と移動)
タイルをクリックして、そのまま配置したい位置まで移動してはなします。
タイルのない場所からカーソルをドラッグして、まとめて選択することもできます。
タイルのコピー、ペースト、カット、デリート(消去)
タイルをクリックして選択し、それぞれのボタンを押します。
コピー ペースト カット デリート
タイルのプロパティ入力
タイルをクリックすると、ウィンドウの右上に選択されたタイルに対応するプロパティリ
ストが表示されます。
タイルの接続(つなぎ方)
タイルをクリックして選択し、接続方向ボタンを押して接続ラインの方向を合わせます。
正しく接続されていないとプログラムエラーになります。
作成したプログラムのチェック
タイルをすべてつないでプログラムが完成したら間違いがないかチェックします。
注意
プログラムを作成する時は、ワークスペースの左側 1 列以上を
空けてください。空いていないとプログラムが正しく認識され
ず、ダウンロードできない場合があります。ーーー>その場合は
空白列が出来るようにプログラムを作り直して、再度ダウン
ロードして下さい。
24
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを動かそう
5 . テストロボットを動かそう
プログラミングの前に「ハードウェアの設定(参照 P17)」を行います。
CN1 にタッチセンサ、CN3 に IR センサを設定します。
※モータM1・M2は、初期設定されていますので、設定の必要はありません。
前進するプログラミング ロボットがモータを使って前進するプログラムを作成します。
タイルを接続したら、チェックボタンを押して確認
してみましょう。e n d タイルを除くすべてのタイル
が選択された状態になれば OK です。
※ タ イ ル を ク リ ッ ク す る と、
プログラム開始
そのタイルのロパティが画面
右上に表示されます。
プロパティ上でモータの指定、
及びポートの指定または、設
定を行います。
前進
プログラム終了
プログラムができたらコントローラにダウンロード
します。
電源 モード 実行
パソコンと RDI-301 をシリアルケーブルで接続します。
RDC-101 のモードスイッチを中央(D 位置)に合わせてから、電源 ON にします。コントロー
OFF
ON
R D
F
ラはダウンロード待ちになります。
プログラムダウンロードボタンをクリックします。
Download Wizard ウィンドウが開きます。
1.Set Program Send Config 画面で使用する通信ポートを指定し [Next] をクリックします。
※通信ポートは、各パソコンによって違いますので、以下の要領でご自身のパソコンのポートを確認して下さい。
●スタートメニュー →コントロールパネル →システム(「システム」が表示されていない場合は、画面左上「ク
ラシック表示に切り替える」をクリックし、表示から「システム」を開きます。)→システムプロパティ→ハー
ドウェア・タブ→デバイスマネージャ→ポート ( COMとLTP)をクリックし、232Cポートを確認して下
さい。
2.Ready to download 画面で準備が出来たら [Next] をクリックするとダウンロード開始。
状態表示 LED
同時にコントローラの状態表示 LED が点滅します。
ダウンロードが始まると、コントローラの状態表示 LED が点滅します。
点滅が停止したら、ダウンロード完了です。
完了後は、モードスイッチを中央 (D 位置 ) の状態のまま、電源を OFF にして下さい。
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25
電源 モード 実行
ロボットの動作を確認してみましょう。
モードスイッチを左(R 位置)にして、電源スイッチを on にします。
実行ボタンを押すとプログラムが実行されます。
OFF
ON
R
D F
動きましたか?
このプログラムでは、まだ動きません。その理由は、m o t タイルには時間の幅がなく、
begin program から end タイルまでの動作が一瞬で実行/終了してしまったためです。
実際にモータが回ってロボットが動くような時間を作るためには、そのためのタイルを使
う必要があります。
wait を使用した例 loop を使用した例 プログラム開始
プログラム開始
前進
loop 繰り返し開始
5 秒間続ける
前進
プログラム終了
繰り返し開始
に戻る
プログラム終了
w a i t タイルを使用した場合、プロパティで指定した時間だけそれまでに設定された動作
状態を保持します。
l o o p タイルを使用した場合、対応する e n d タイルとの間の動作を電源を止めるまで繰り
返します。
タイルを接続したら、チェックボタンを押して確認してみましょう。end タイルを除くす
べてのタイルが選択された状態になれば OK です。
26
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
テストロボットを動かそう
前進するプログラムに、タッチセンサを使った条件分岐を追加してみます。
タッチセンサが反
応したら後進する
ロボットが外界の状態を判断して動きを変えることができるのは、プログラムで条件を設
定して、条件ごとに別な動きをさせているからです。
プログラム開始
loop 繰り返し開始
タッチセンサ
Yes
が反応した?
No
前進
後進
繰り返し開始
に戻る
プログラム終了
条件分岐プログラム:タッチセンサで判断する
タッチセンサが何かにぶつかって反応したら後進します。
条件分岐で分岐したプログラムは、それぞれの処理が終わった場所を n o p タイルなどを
使って必ず一本にもどしてください。
実際には、タッチセンサはすぐに off にもどってしまう場合が多いでしょう。すると、左
のプログラムでは、ほとんど後ろに進むことができません。たとえば、右のプログラムの
ように wait タイルを使って一定時間後ろに下がるなどの工夫をしてみましょう。
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RDS-X01 Instruction book
27
I R センサが反応した
ら前進する
タッチセンサが反応したら後進するプログラムを、IR センサに変更します。
IR センサでは、「どのくらい明るいか?」を条件にして分岐します。
プログラム開始
loop 繰り返し開始
IR センサ
の値は 50 以下?
Yes
No
前進
後進
繰り返し開始
に戻る
プログラム終了
条件分岐プログラム:IR センサで判断
プロパティのしきい値 (Value Numeric) がある値以上になると no に分岐します。うまく
設定すると、光を当てた時に前進するはずです。太陽光や、電灯の光などの可視光線には
赤外線も含まれています。いろいろな明るさの場所、懐中電灯などを使って動作を確認し
てみましょう。
注 意
乾電池は、長時間使用し
ない場合は、必ず電池ボ
ックスから外して下さい。
28
条件分岐のプログラムを作る時は、必要な動作とその動作に入るための条件を整理して考
えてみましょう。
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RDS-X01 Instruction book
自律型ロボットの応用
6 . 自律型ロボットの応用
ライントレース
ロボット
床に引かれた黒いラインをたどって進むロボットです。
これを実現するにはどのような条件を判断すればよいでしょうか?
床のラインを探知するには?
床とラインの明るさの違いを光センサで検出して、動きを決めます。
IR センサへの LED 追加(RDI-202 リファレンス参照)
調べる対象が発光する赤外線源ではないので、センサの出力電圧が低く、しきい値を設定
するのが困難です。そこで、センサに赤外線ダイオードを取り付け、照らした対象から反
射してくる赤外線の強度を使って判別します。
IR センサの取り付け位置
L 字プレートを使って IR センサを床に向けて取り付けます。
テストモデルを変更してみましょう。
プログラム?
たとえば、前進しつづけていると、ラインが曲がったところでコースから外れてしまいま
す。そこで、ラインからセンサが外れて床のしきい値になったところでラインが見えると
ころまで旋回します。
ライントレースプログラム
ループ
前進する
ラインが見える?
NO
旋回する
YES
ループエンド
プログラムエンド
動作確認
床にコースをつくって試してみましょう。板床に黒いビニールテープを貼ると簡単につく
ることができます。
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29
サッカーロボット
テストロボットで試した機能をもとにロボカップジュニアのサッカー 2o n2 競技に参加す
る場合について考えてみましょう。
ロボカップジュニアのホームページ
http://www.robocupjunior.jp/
競技の条件は以下のようなものです。
フィールド
広さ 183 × 122cm、壁の高さ 14cm グレースケールの床
ゴールエリアの大きさは 45 × 8cm
ロボットの大きさ
可動部が最大の状態で直径 22cm ×高さ 22cm の円筒に収まること
フィールドに各チーム 2 台のロボットを配置し、直径 8cm の赤外線(IR)発光ボールを使っ
て、前半 10 分/後半 10 分の試合で得点を競います。
障害物をよける
タッチセンサを使って壁や自分以外のロボットとの接触を知り、よける動作をプログラ
ムします。
ボールの位置を知る
ボールの出す赤外線を I R センサで探して、その方向に進んだり、キックするなどの動
作をプログラムします。
自分の位置を知る
床のグレースケールを、ライントレースの場合と同じように I R センサに入力して、
フィールドのどのあたりにいるのかを分析し、次の動作を考えます。
これらのアイデアを出発点に、ロボットの構造、プログラムには様々な工夫が考えられま
す。最近の競技会では、自作や市販の超音波センサ、方位センサなどを使ったロボットも
増えてきました。
使用するセンサの組み合わせを変更するには R D C -101 コントローラリファレンスを参照
してください。
30
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自律型ロボットの応用
各種のロボット競技
全日本相撲ロボット大会
http://www.fsi.co.jp/sumo/
土俵内でロボットを動かして、相手を土俵の外側に接触させるすもう競技です。3分間で
試合を3本行って勝敗を決めます。 3k g 級と 10k g 級、自律型とラジコン型の競技があり
ます。
マイクロマウス
http://www.bekkoame.ne.jp/~ntf/mouse/mouse.html
競技会ごとに新しく設計される迷路の中で、ロボットが自分自身で最短経路を探し出し、
中心にあるゴールまでたどり着く時間を競います。
レスキューロボット
http://www.rescue-robot-contest.org/
ガレキを配置したフィールドで、レスキューダミー(センサを内蔵した人形)を探す競技
です。災害救助活動やレスキュー技術についての理解を深め、新しいレスキュー技術のア
イデアにつなげようという活動です。
ロボカップ
http://www.robocup.or.jp/
自律型ロボットの研究者によるサッカーとレスキューの競技会です。その中の R o b o C u p
ジュニアではロボットの設計製作を通じて次世代の R o b o C u p の担い手を育てることを目
的として、サッカー・ダンス・レスキューの競技を開催しています。
ROBO-ONE
http://www.robo-one.com/
2 足歩行ロボットによる格闘技を目指す競技会です。主にアマチュアの参加者たちが様々
な多関節、人型のロボットを製作して参加しています。
ロボコン
http://www.official-robocon.com/
高専、大学対抗で、毎年設定されるルールに対応したロボットを製作し、競技を行います。
ラジコン/リモコンによる遠隔操作、自律型との混成など、競技によって工夫が必要です。
創造アイデアロボットコンテスト全国中学生大会
http://ajgika.ne.jp/~robo/
全日本中学校技術・家庭科研究会主催 創造アイディアロボットコンテストは、中学校技
術・家庭科技術分野に於いて生徒たちの創造性を伸ばし、知識・技能を高めることを目的
として開催されております。また、現行学習指導要領内で行なわれる授業実践の成果の発
表場として、より良い授業づくりの場としても活用することを目指しておられます。
各種ロボット作例
弊社ホームページで作例を発表しています。
http://www.japan-robotech.com
メニューから「製品 - 作例集」「コンテスト」をご覧いただき、より高度なプログラムや
工作の参考にして下さい。
作例:オリジナルロボット作品紹介 ( 作り方の紹介と、プログラム公開 )
コンテスト:世界各国で作られた作品例 ( デザインや動画など )
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31
7. TiColla リファレンス
このタイルが表示されているときは、必要なタイルライブラリが正しく読み込まれていま
せん。
basic タイル
Begin Program
プログラムの最初にセットします。
End Program
プログラムの最後にセットします。
Motor Rotation
モータ出力の回転方向・パワーを設定します。
Port
コネクタのデジタル出力を設定します。
M3 端子にモータを接続した場合は CN5 に設定して回転の on/off をします。
Stop
モータを停止します。
Nop
離れているタイルをつなぎます。また条件分岐の合流に使用します。
なにも動作しません。
variable タイル
Variable
変数の値を設定します。
Calc(+)
変数または計測した値を設定した値で足し算します。
Calc(ー)
変数または計測した値を設定した値で引き算します。
32
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control タイル
繰り返し
Loop
Loop タイルから End タイルで閉じた場所までのプログラムを無限に繰り返します。
Repeat
R e p e a t タイルから E n d タイルで閉じた場所までのプログラムを設定した回数だけ繰り返
します。
End
Loop/Repeat の繰り返しの命令の終了位置を示します。
Wait
設定した時間だけ待ちます。待っている間もそれまでに設定したモータなどの動作は継続
します。
条件分岐
Port(デジタル)
センサからの入力を on か off か(デジタル)で判定して条件分岐します。
Port(アナログ)
センサからの入力を電圧の程度(アナログ)で判定して条件分岐します。
Variable
変数の値を設定した数値または別の変数と比較して条件分岐します。
Random
乱数によってランダムに条件分岐します。
Yes
条件分岐するタイルの判定が合致して(イエス)分岐する方向につなぎます。
No
条件分岐するタイルの判定が合致せずに(ノー)分岐する方向につなぎます。
Data
ポートからデータを取得します。 このタイルを通過する時にデータがシリアルポート/
RDI-301 に送信され、データロガーで確認することができます。
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33
ハードウェア設定タイル
デジタル入力
コネクタを、変化を on か off で出力するセンサの接続に設定します。
アナログ入力
コネクタを、変化を連続的な電圧差で出力するセンサを接続に設定します。
デジタル出力
コネクタを、on か off で電圧を出力する設定にします。
PWM 出力
コネクタを、PWM 信号波形で電圧を出力する設定にします。
タッチセンサ入力
デジタル入力と同じです。
コネクタを、変化を on か off で出力するセンサの接続に設定します。
IR センサ入力
アナログ入力と同じです。
コネクタを、変化を連続的な電圧差で出力するセンサを接続に設定します。
モータ出力
M3端子にDCモータを接続し、CN5で制御する際に表示されるタイルです。
CN5
をクリックするか、デジタル出力 タイルをドラッグ&ドロップしてプロパティ
内の kind で MORTOR Output を選択すると表示されます。
モータードライバ出力
M1,M2用のモータドライバ制御信号の出力設定をします。(初期設定)
M1には、CN7とCN8から、M2にはCN9とCN 10 から制御信号が出力されます
ので、CN7とCN8、CN9とCN 10 は必ずペアで設定して下さい。
RS232C
データロガーにポートからのデータを送るためのタイルです。CN6 に設定します。
34
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データロガー
情報 (Data) の記録 (Log) をするためのソフトウェ
アですので、Data Logger と呼びます。これを使えば、
赤外線センサからの入力がどれくらいだったのか、言
い換えると、赤外線の床からの反射がどれくらいで
あったかを数値として把握する事が出来ます。左が、
Data Logger で赤外線センサからの出力を記録した例
です。
①入出力ポートの設定
Data Logger を使う為に TiColla の入出力 COM ポートの設定をします。
コントローラーボードとパソコン間でデータ送信を行ないますので、データ受け渡しの
ための C O M ポート設定が正しく行なわれていないとデータの受け渡しが出来ません。忘れ
ずに必ず行なって下さい。
まず、コントローラーボードと接続するパソコンの通信ポートを確認します。
ポート番号がわからない場合には、一旦 TiColla を終了し、パソコンのコントロールパ
ネルからシステムを開き、ハードウェアの中にあるデバイスマネジャーを開きます。この
中にあるポート (COM と LPT) の COM の番号を確認して下さい。
COM ポートの番号を確認したら File
メニューの中にある Preference(プレ
ファレンス)を開き、[COM Port] に番
号を設定し、[Finish] を押します。
これで TiColla の COM ポートの設定が
完了し、コントローラーボードからパ
ソコンへデータ送信を行ない、それを
記録することができるようになります。
②データーロガー起動
では、さっそく使ってみましょう。プ
ロジェクトを作ってから、新規ファイル
ボタンを押します。ここで Data Logger
のアイコン(Chart and Table for XY
D a t a)を選択し、適当な名前をつけて
作成します。
プログラミングの最中などの場合は、
この位置に配置されているデーターロ
ガーのアイコンをクリックすることで、
プロジェクトに Data Logger が追加され
ます。
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35
Data Logger 画面
チャートとは、記録をとるためのグラフ用紙のようなものですが、
+をクリックすると新しいチャートが作られ、-をクリックする
と、現在選択されているチャートが消去されます。
Control Window 説明
Interval(読み込み間隔)の設定です。データを取ってくる時間の間隔を設定するところ
です。最低 100msec(100 ミリ秒 =0.1 秒 ) から、60000msec(60000 ミリ秒 =60 秒 ) までの
間隔を設定できます。設定された間隔に従って、Data Logger はコントローラーボードか
ら送られてくる最新データを読み込みます。
ただし、この間隔は、ロボット本体 ( コントローラーボード ) と 非同期 です。
非同期とは、コントローラーボードは勝手に信号を出すのに、パソコン側は、I n t e r v a l
設定に従い信号を受け取るという事です。
例えば、コントローラーボードが 0.1 秒間隔で信号を出しているのに、Data Logger の
設定が 10 秒間隔なら、10 秒ごとにしか信号を受け取れません。0.1 秒間隔で 10 秒間送ら
Data Logger の設定を行う画面
れるのですから、1 秒間の個数 (10) × 10 秒間で、合計 100 個のデータが送られているは
ずですが、受け取るのは 1 個だけです。
逆に、コントローラーボードが 10 秒に 1 回しか信号を出していないのに、0.1 秒間隔
でパソコンが取り込もうとしても、同じ信号を何回も取り込むだけで意味がありません。
ですから、時間をある程度そろえてあげないと、きちんと取り込めません。時間のそろえ
方については、プログラムのところで説明します。
C h a r t ( グラフ ) を書くときに、目安の
線を入れる機能です。例えば、赤外線
センサのしきい値の調整をしたいとし
ま す。 し き い 値 は、0 ~ 255 の 範 囲 で
設定します。例えば、100、150、200 と
Threshold を入れておけば、だいたいの
目安にする事が出来ます。
C o n t r o l : 記録を開始したり、終了したりする場
合に使用します。
Logging Start: データの取得を開始します。古いデータがあれば、
その後に追加されます。
Logging Stop: データの取得を停止します。
Logging Restart: これまでに取得していたデータを消去し、新し
くデータの取得を開始します。
Time :最新データが記録された時間を表示。
Count :何番目のデータを記録中なのかを表示。
Value :記録された値の最新データを表示。
36
Max
:記録された値の、最大値を表示。
Min
:記録された値の、最小値を表示。
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TiColla リファレンス
Data Window 説明
データのページは、記録されたデータを表形式で表示
するページです。
Time はデータを記録した時間、var は、そのときの値
です。読み込まれた値が順番に記録されていきます。
応用的な使い方:読み込んだデータを調整する事が可
能です。 セルをクリックすると、ハイライトして入
力画面が表示されます。
var は読み込んだ値を表します。
数式を入力することで四則演算が出来ますので、デー
タの振れ幅を縮小/拡大するなど、見やすい形で表
示できます。センサの調整には必要ありませんが、将
来的な拡張のための機能と考えてください ( 例 : オフ
D a t a:実際に記録したデータが表
示される画面です。
セットの調整など )
例:0 ~ 5V を 0 ~ 255 で 表 し て い る と 仮 定 す る と、
1V のオフセットがある場合、51 になります。そこで、
v a r -51 と数式を入力する事で、列の全てのデータを
計算調整することが出来ます。
Chart 説明
最後に、C h a r t(グラフ)のページです。これは、
記録したデータをグラフにするページです。最初は
データが無いので、空白です。
左上のリサイクルのようなマークは、グラフのリフ
レッシュです。ここをクリックするとグラフのデータ
がない余白範囲が削除されます。
C h a r t:データをグラフにした画
面です。
グラフは、最初の設定では 0 ~ 255 の範囲を表示で
きるようになっているのですが、入力が小さい範囲に
集中した場合、変化量が少なく、見づらくなります。
そのときにグラフのリフレッシュをクリックすると、
グラフの上下の軸が変更されて、見やすい状態になり
ます。
Control Window で
Threshold #1,#2,#3に記入した
値に対応した水平ラインがグラフ上に出
現します。しきい値を検討するのに便利
です。
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37
③ハードウェアの設定
ハードウェア ( テスト用ロボット ) の赤外線センサは、CN3 に接続されているとします。
赤外線センサのデータをロボットか
らパソコンに送るために C N6 に R S232C
タイルを設定します。C N6 コネクター
が RS232C 出力として設定完了です。
R S232C タイルのプロパティーで K i n d を C O M に設定します。
他の設定では R S232C に出力されませんので注意してくださ
い。
④データロガープログラミング
使用するタイルは Control パレットの Data Logger タイルです。これは設定
されたポートのデータを取得するためのタイルです。 注意
プロパティーの VariableType で、Variable 1~8、
CN3-AD、CN4-AD が選択できますが、テストロボットで
は C N3 に I R センサ接続しているので、C N3- A D を選択
します。
②ハードウェアの設定項で説明し
た C N6 ポートへ R S232C タイルの
設 定 を 実 行 せ ず に、 プ ロ グ ラ ム
Control パレットの data タイルを
クリックすると [Warning] が出現
し、設定忘れを注意します。
d a t a タイルが実行されると設定されたポートの値が
パソコンに送られ、Data Logger によって記録されま
す。例えば、VariableType が CN3-AD になっている場
合、C N3 に接続された赤外線センサから入力された値
が RS232C を通してパソコンに送られます。そして、送
られた値は、Data Logger に記録される事になります。
データを 0.1 秒間隔で送信するプログラムの例です。
variableType を CN3-AD に変更
C N3 ポートに接続された赤外線センサ
の値を Data Logger に送る設定を完了。
WaitValue を 0.1 に変更
※ 0.1 を入力したら Enter キーを押す。以上
で 0.1 秒間、動きを維持する設定が 完了。
プログラム中の 0.1 秒間の w a i t は、
データの送信を停止するためのもので
す。この秒数変更により、データの送
信間隔を変更出来ます。
Data Logger は 1 回の操作で 1 ポート分しかデータを送信記録できないように
なっています。プログラム例は C N3 用ですが、C N4 を調整する場合は、d a t a
タイルの設定を CN3-AD から、CN4-AD に変更したプログラムを、再度コントロー
ラーボードへダウンロードしてください。
38
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⑤データーロガーの使い方
まず、前頁で作成したプログラムをダウンロードします。その後、実際に Data Logger を
使うには、これまでとは少々違う手順が必要です。その手順は以下のようになります。
1. RS232C のケーブルを接続します。リアルタイムでパソコ
ンのデータを取得するために R S232C ケーブルを接続し
ておく必要があります。
2 . T i C o l l a の
ProjectExproler から
Data Logger を起動しま
す。
R
D
F
3. コントローラーボードのモード設定スイッチを R 位置に
して電源を O N にします。コントローラーボードはダウ
ンロードされているプログラムの実行を待つ状態になっ
R
D
F
ています。
4. モード設定スイッチを D 位置に変更します。コントロー
ラーボードからパソコンへのデータ送信が可能な接続に
なります。
5. Data Logger の Logging Start のアイコンをクリックし
ます。パソコン側でデータの取得が開始されます。
6. コントローラーボードの実行ボタンを押します。プログ
ラムが実行され、指定されたポートのデータをパソコン
R
D
F
に送ります。
※ 5 と 6 の手順は、前後してもかまいません。ロボットの
状態を決めてからパソコンでロギングを開始するか、パ
ソコン側を待ち状態にしてロボットをスタートさせる
か、作業の状況に応じて行ってください。
7. データ取得中はリアルタイムで現在の時間とデータの
値などが表示されます。データの取得を終了するには、
Data Logger の Logging Stop のアイコンをクリックしま
す。
データの取得を終了すると、Data、Chart を参照することが
できます。
ロボットに接続した I R(赤外線)センサが感知している外部状況を把握することが出来るよ
うになりました。
データをどのように読み/解釈するは、皆さん次第ですが、アナログ式のセンサであれば、
どれでも接続して同じようにセンシングしている状況のデータを、リアルタイムにロギング
することが出来ますので、いろいろな計測に使用して頂くことが可能です。
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39
⑥データロガーのデーター保存
Data ウインドウのデータ保存
Data ウインドウのデータの保存ボタンをクリックします。
保存場所を指定して、ファイルネーム入力後、保存をクリッ
クします。
CSV 形式のファイルとして保存されます。
Chart ウインドウのデータ保存
C h a r t ウインドウ内でマウスを右クリックするとコンテ
クストメニューが表示されます。
メニューから Save as... を選択します。
保存場所を指定し、ファイルネームを入力して、保存を
クリックします。
PNG 形式の画像ファイルとして保存されます。
40
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メモ(記録)
ものづくりは、制作の過程が大切です。同じ課題を様々な側面から検証、問題解決してい
くためには試行錯誤の履歴、最終的な結果をまとめて記録しましょう。その記録は新たな
挑戦にも役立つはずです。
ロボットを製作する時には、まず目標(たとえば出場したいロボット競技など)を決め
ます。それから作業項目を書き出し、優先順位をつけて作業を進めます。
目的「〜するロボットを創る」
ルールやフィールド、使用するセンサ等の調査
環境に合わせたロボットのデザインを描く
部品の選定
設計図(部品サイズの計測と紙上配置)を描く
材料の加工と組立 ?
TiColla でコントローラの設定をする
モーターやセンサの配線等のチェック
ロボットの動作フローチャートの作成
プログラムを作成してダウンロードする
ロボットを動かす
目的通りに動いたか?
おそらく一度ではうまく動かないでしょう。考えたとおりにならない原因は様々です。
問題のある場所を見極めて、改良を加えます。
この手順を参考に、試行錯誤を繰り返してロボットをよりよいものにしていきましょう。
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8 . パーツリファレンス
RDC-101 コントローラ
R D C -101 はマイクロコントローラ、モータドライバで構成された、計測制御、ロボット
製作に最適なボードです。センサからの入力を受け、書込まれたプログラムの処理によっ
てポートに出力します。
マイクロコントローラ?
マイクロコントローラ
中央処理装置
(CPU)
アドレス
記憶装置
(メモリ)
制御装置
データ
演算装置
成されています。
CPUはさらに制御装置と演算装置で構成されます。制御装置は入力信号により
記憶装置から「命令」を取り出し、「命令」を解読、出力ポートに「実行命令」を
置きます。
「命令」によっては、演算装置に「演算」の命令を出します。また、デー
タを記憶装置に記憶、あるいは読み出す等の制御を行います。演算装置は制御装置
からの命令により、各種演算(加・減・乗・除)及び、論理演算等を行います。
入出力ポート
入力装置
マイクロコントローラは、CPU ( 中央処理装置 ) とメモリ ( 記憶装置 ) から構
出力装置
CPUの基本的なしくみは、スイッチの「ON、OFF」( 2進数 ) で処理を行
います。スイッチといっても、メカ式スイッチではなく電子部品の「トランジス
タ」の原理を応用しています。マイコンは、「ON ( =1= H i g h)かOFF(=0
= Low)か」の 2 進数で、どのような処理を行っているのでしょう?
CPUは、トランジスタの働きを応用した3種の論理回路を組み合わせることで
計算やいろいろな処理を行います。1 か 0 を入力するとそれぞれの回路に論理に従っ
て出力します。
NOT回路
OR回路
AND回路
X
Z
Y
入 力
X
出力
X
Z
Y
入 力
Z
出力
入 力
出 力
X
Z
0
1
1
0
X
Y
Z
X
Y
Z
0
0
1
1
0
1
0
1
0
0
0
1
0
0
1
1
0
1
0
1
0
1
1
1
たとえば、
「1+1」の計算は以下の回路の組み合わせとなります。
1
X 1
AND
1
1 ( 第二桁)
1
NOT
0
1
Y 1
1
OR
0
AND
0 ( 第一桁)
1
1
1
※ 10(2 進数)=2(10 進数)
CPU内部での信号処理は、1つの信号線では、「1,0」の 2 つの信号しか扱え
ませんので、最低でも4本以上の信号線を組み合わせ、同時に処理します。4種類
の信号を組み合わせると「24=16」種類の信号が判別できることになります。
1つの信号線を 1 ビット、4種類の場合4ビット、8種類の場合8ビットと呼びます。
4bit 信号のコード化
{
2 進 数
42
10 進 数
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
3bit 目
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
1
1
1
1
2bit 目
0
0
0
0
1
1
1
1
0
0
0
0
1
1
1
1
1bit 目
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
1
0bit 目
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
1
16 進 数
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
A
B
C
D
E
F
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
パーツリファレンス
「28=256」とい
8ビットの場合は、1つの入出力ポートで扱える信号数は、
うことになります。ちなみに、マイコンの仕様で、64K b i t ( キロビット ) 等の
「K」は、距離(1000m =1K ) 等と同様に3桁上の単位を表し
表示がありますが、
「1
「1K=1024(210)」となります。64K bit とは、
ますが、2進数では、
「1B ( バイト )
ビット×1024×64」種類のデータが処理できることを表し、
」
「1024KB=1MB ( メガバイト)
、
「1024B=1KB」
、
=8bit( ビット )」
と呼びます。※64K b i t =65536b i t となり、6万5千個以上のON / OF
Fスイッチが内臓されていることになります。
「アドレス」を使って、保存す
メモリはプログラムや各種データを保存します。
る場所を管理します。1つの「アドレス」には、同時に処理するビット単位(4bit
で保管されます。ビット単位8bit の
4bit ×4( 16bit) 等)
×2( 8bit) または、
「16進数」で
「16進数」の2桁で表されます。
場合は、4b i t を1単位として、
「2進数」の4桁を1桁の数値にすることで表現を容易にする
表現される理由は、
ことです。
8bit メモリ
信号線 4 本
(4bit)
信号線 4 本
(4bit)
アドレス
0 0 0 1 0 10 1
0001番地 1 0 1 0 1 0 1 1
0002番地 0 1 1 1 1 1 1 0
0000番地
}
RAM領域
0FFF番地
未使用域
}
未使用
}
1800番地
ROM領域
FFFF番地
メモリにおいてもCPUと同様の処理が行われます。
「OR回路」と「NOT回路」を組み合わせ
この場合、
」や「NAND回路」が使われ、
た「NOR回路(図6)
「NAND回路」の組み合わ
NOR回路の組み合わせ(
せ)で記憶回路が組み立てられています。これら記憶
回路を「フリップフロップ回路」と呼びます。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
NOR回路
X
Z
Y
入 力
出力
X
Y
Z
0
0
1
0
1
0
1
0
0
1
1
0
43
RDC-101 コントローラ
RDC-101 はマイクロコントローラ、モータドライバで構成された、計測制御、ロボット
概要
製作に最適なボードです。センサからの入力を受け、書込まれたプログラムの処理によっ
てポートに出力します。
コネクタ名、+、ーの極性などは基板上にもプリントされています。
PWM によるスピード制御 / 正逆転ができます
M1:DC モータ端子 1
M2:DC モータ端子 2
モータ用電源入力端子
(DC 4.5 〜 27V)
+
入出力コネクタはハードウェア設定によっ
ー
て以下の使い分けができます。
LED on/off スイッチ
デジタル入力 / 出力
J3
B1
CN1 〜 CN11
A
M3:DC モータ端子 3
(電源の on/off のみ)
CN7
-Ground
-Signal
-V
B
CN11
アナログ入力・デジタル入力 / 出力
CN1
シリアル通信端子
RDI-301 と接続
B
-V
-Signal
-Ground
J5 A
回路電源入力端子
(DC 6 〜 12V)
※電池ボックスリード線
赤:+ 黒:ー
CN3
CN4
CN6
PWM 出力
CN6
CN11
+
ー
CN6
J1
注 意
J4 A B
A
電源端子に電池ボッ
J2 A B
B
クスを取り付ける際
は、極性に十分注意
して下さい。
モードスイッチ
R:プログラム実行 電子部品を破損する
D:プログラムダウンロード
恐れがあります。
F:ファームダウンロード 44
電源スイッチ
プログラム実行スイッチ
ジャンパー
設定
内容
J1
J2
J3
(すべて)
J4
A側
CN6 コネクタを使用します。
B側
CN6 の信号を M1 端子の速度制御に使用します。
A側
CN5 の信号を M3 端子の on/off に使用します。
J5
B側
A側
CN5 コネクタを使用します。
M3 端子の電源をモータ用電源端子入力端子から供給
B1
B側
切断
M3 端子の電源を回路電源と共用
回路 / モータ電源を分離(回路電源入力端子と別にモータ用電源端子にも電源が必要)
接続
回路 / モータ電源を共用(回路用電源端子のみ使用)
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
RDC-101 コントローラ
M1 のスピード制御と CN6 コネクタの設定:ジャンパー J1/J2/J3
M1:DC モータ端子 1
B側
M2:DC モータ端子 2
CN6 の信号は M1 端子の速度制御に使用されます。
CN6 コネクタからは信号が出ません。
A
B
J3
ジャンパー J1/J2/J3 の設定
(3つとも合わせて変更します)
A
B
A側
CN6 の信号は CN6 コネクタに出力されます。CN6 をアナ
ログ入力 / デジタル入出力 /PWM 出力ポートとして使用
できます。
M1 端子はM2端子とまとめて CN11 で速度制御されま
す。
J1
J2
CN6 コネクタ
M1 のスピード制御、または CN6 コネクタから PWM 出力を行うには、TiColla のハードウェ
ア設定で CN6 に PWM タイルを置いてください。
注意
ジャンパー1/2/3が B 側(2 つのモータを個別に速度制御する設定)で H W 設定の
CN6 に PWM タイルを置いていない場合、プログラム通りにモータが動きません。
PWM とは
Pulse Width Modulation の略で、一定間隔の出力 on/off の出力 on の幅を変化させ
て調整用の信号としたり、擬似的に出力電圧を変化させる方法です。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
45
RDC-101 コントローラ
M3 端子と CN5 コネクタの設定:ジャンパー J4/J5
M3 端子
A側
M3 端子を使用します。モータや電球などの on/off が
できます。
CN5 コネクタは使用できません。
A
B
ジャンパー J4 の設定
A
B
B側
CN5 コネクタをデジタル入力/出力ポートとして使用
します。
M3 端子は使用できません。
J4
J5
CN5 コネクタ
M3 への出力はトランジスタで行なってい
ます。
C
M3 端子の電源は J5 で設定します。
A
B
B
A側
モータ用電源端子入力
E
ジャンパー J5 の設定
B ( ベース ) に電流が流れるとC ( コ
レクタ ) → E ( エミッタ ) 間に電
流が流れる性質を利用して、Bの電
流のON / OFFで、C→E間の電
流のON / OFFを行います。
R D C -101 で J4 を A 側 に し た 場 合、
A
B
B側
回路電源と共用
CN5 が B に接続されます。CN5 を on/
off することで M3 端子への電源供給
を制御します。
46
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
RDC-101 コントローラ
デジタル入力? アナログ入力?
C N3/ C N4/ C N6 は,アナログ入力デジタル入力/出力が設定可能ですが、
アナログ設定時の「しきい値」について
使用 C P U が8ビットなので、1つの入出力ポートで扱える信号数(分
解能)は、「28=256」ということになります。
アナログセンサ側は0V ~5V で信号を出力しますが、コントローラ
ボード側は信号を 256 段階にて受け取る仕組みです。
プログラム作成でアナログ入力時に設定しなければならない条件分岐
させる値「しきい値」の数値は 0 ~ 255 を利用します。(0を含めて
255 までで 256 種の信号数となります)
例えば、電圧が白で約 4V、黒で約 2V の条件で黒か白かを判別する「し
きい値」を求めてみます。赤外線センサはアナログなので 2V・2.1 V・
2.2 V…4V のように連続した電圧を出力しますが、x V より大きい場
合を白と判断し、x V より小さい場合を黒と判断することにしましょう
(4V > x V > 2V)。回路電圧の 5V を 255、0V を 0 としたとき、白の 4V
は 「204」、黒の 2V は 「102」になります。xV = y とすると「しきい値」
にできる数値は「204 > y > 102」となります。
4(V) × 255
y=
黒
100%
90%
80%
5(V)
70%
60%
電圧 約 2V 〜
50%
約 3V
= 204
40%
30%
20%
10%
白
0%
約 4V 〜
注意!
C N6 のアナログ入力は回路の構成上、接続するセンサの種類に
よって正しく動作しない場合があります。その場合、電源投入後
にセンサを接続する必要があります。
赤外線センサの調整
感度調整用
半固定抵抗 (VR)
VR(感度調整用半固定抵抗のボリューム)の感度を最大(左
にいっぱいに回した位置)にして、まず回路電圧を測定します。
回路電圧は約 5V になります。次に床の黒い所でセンサ出力電圧
光起電力素子
( フォトトランジスタ )
各ポートの回路電圧及び信号電圧の測定
CN3
グランド
信号
を測定します。この時、電圧が 4V 前後あれば、受光素子が飽和
状態にありますので、VRを徐々に絞り ( 右に回す)
、電圧が
2V 程度になる位置に調整します。次に床の白い所で出力電圧を
測定し、電圧が約 4V 出力されていることを確認します。電圧が
測定しづらい場合は、モータM1、M2のリード線をコネクタ
から外して下さい。
回路+
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
47
ジャンパー線(B1)をカットすること
で、モータドライバ部と制御回路部を別
電源で使用することが可能です。
RDC-101 コントローラ:
電源について
※ 1. 初期設定は単一電源方式で、回路電
源からジャンパー線 ( B1) を介して
モータ用電源入力端子
(DC 4.5 〜 27V)
モータドライバ側へ供給されてい
ます。 このままご使用されます
+
と電池は回路電源入力端子 1 個所
のみの接続で動作します。
ー
※ 2. カット後は、回路電源端子とモータ
専用電源端子へ個別に電源を接続
J3
A
B
B1
CN7
-Ground
-Signal
-V
CN11
CN1
してください。
●モータ専用電源端子は、D C4.5V ~
27V ( 最大 2 アンペア)まで使用可
能です。
●長所は、モータノイズが電源線を通
して制御側への回り込みが少なく
なり、制御が安定します。
●短所は、2 種類の電源が必要になり、
B
-V
-Signal
-Ground
J5 A
回路電源入力端子
(DC 6 〜 12V)
※電池ボックスリード線
赤:+ 黒:ー
注意
電源端子に電池ボッ
+
ー
CN6
J1
A
B
J4 A B
注 意
電池などの使用量が増えます。
※ 3. 2 電源にする場合は、必ずジャン
パー線(B1)をカットして下さい。
カットをしないで 2 個所から電源
を加えると回路がショートし故障
の原因となります。
J2 A B
クスを取り付ける際
は、極性に十分注意
2電源にすると、制御基板からモータド
して下さい。
ライバ部を切り離して使用することが可
電子部品を破損する
能です。離れた場所に設置したい時に対
応できます。
恐れがあります。
1). 切り離す際に回路パターンが引っ張
られて剥離することを防ぐために、
最初にカッターナイフで基板裏面側
の回路パターンをカットします。
2). その後、糸ノコなどを使って基板を
切ります。
3). 切り離した制御回路部分とモータド
ライバ回路部は、離れた位置に配置
することが可能ですが、16 本の信
号線(フラットケーブルという市販
品があります)を使って 2 つの回路
基板を接続して下さい。
4) . モータ部を専用電源で稼働される
場合は、B 1は接続しませんので 15
本の信号線を接続します。
注 意
コントロール基板を
切断する場合は , 注
意してください。
※)この、基板切り離しを実行された場
合は、元に戻すことは出来ませんの
で、ご注意願います。
電子部品を破損する
恐れがあります。
48
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
RDI-301 232C シリアル通信ボード
232c とは、パソコンと周辺機器をつなぐための通信方法/コネクタ形状の規格の一つで
す。送信と受信はそれぞれ1本の電線で接続されています。
機器によって送信/受信のピン位置が変わるので、市販の 232c 用ケーブルにはクロス
(送ー受、受ー送)とストレート(送ー送、受ー受)の 2 種類があります。R D I -301 には
切り替えスイッチがありますので、どちらのケーブルでも使用することができます。
注意
附属の 232c 用シリアルケーブルはストレート
タイプです。 RDI-301 通信ボードの切替ス
イッチは STRAIGHT 側でお使い下さい。
(この
切替を間違うと信号が通じなくなり、パソコ
ンとコントロール基板の通信が不能となり、
ダウンロード等が出来ません)
RDP-808 6pin ケーブル
JAPAN ROBOTECH
コントローラ R D C -101 と 232c シリアル通信ボード R D I -301 を接続するためのケーブル
です。
RDS-X01 Instruction book
49
RDI-201 タッチセンサ
タッチセンサは触覚にあたります。ロボデザイナーのタッチセンサ R D I -201 のメカニ
ズムは、スプリングを利用した単純なON−OFFスイッチです。タッチセンサが物に衝
突すると、スイッチがONになり、あらかじめプログラムされた動作を行うことができま
す。
タッチセンサは「取り付ける場所」の工夫がポイントです。ロボットに何を感知させた
いのか、どのような状況で動作するのかを想定して取り付け場所を何度も試してみましょ
う。
3pin の端子の中央がセンサ出力になっています。
デジタル入力?
ポートへの入力電圧がある決められた電圧(マイクロコントローラごとに決まっ
ています)以上か以下かによって on か off か(0/1)を判定します。
《組み立て手順》
②接触端子とカバー(基板 B)
の取り付け
①スプリングの取り付け
ナット M3
ナット M3 × 2 個
基板 B
ナット M3
スプリング
ナット M3 × 6 個
基板 A
取り付け位置
ビス M3
× 6mm
完成
基板 A
ビス M3
× 12mm × 2 個
基板の接続ポートは C N1, C N2 の 2 個がありま
すが、タッチセンサを並列使用する為の拡張
接続用です。増設して複数のセンサを接続す
ることが可能です。
50
スプリングを取り付ける位置を変更することで、センサ感度の調整が
可能です。
※テストロボットでは、図①の位置に取り付けます。奥に取り付けるほ
ど感度が良くなります。
RDS-X01 Instruction book
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
パーツリファレンス
RDI-202 IR センサ
フォトトランジスタ(光起電力素子)を使用した受光センサです。光の波長の
中でも赤外線周辺の帯域をもっともよく検出します。
光の量で電圧が変わりますから、
光源からの距離を計れば「距離センサ」として、
色の反射率を計れば床の図形などの「読み取りセンサ」として使うことができ
るでしょう。
より単純に、デジタル入力的に赤外線の「ある・なし」の判定に使うこともで
きるでしょう。
3pin の端子の中央がセンサ出力になっています。
アナログ入力?
フォトトランジスタなどのセンサ素子は、反応すると出力端子の電圧が変
化します(RDI-202 ではコネクタ中央の端子に接続されています)
。
プログラムの中では、その電圧の程度に応じて条件分岐し、それぞれに動
作を作ります。条件分岐するように決めた電圧の程度を「しきい(閾)値」
といいます。
テスターを使って、実際の電圧とプログラムのしきい値との関係を調べてみ
ましょう。
赤外線とは?
波長が約 1mm 以下 0.77 μ m 以上の電磁波です。人間の目に見える光の範囲
よりも少し長い波長です。それよりもさらに長い波長は、ラジオなどに使わ
れている電波になります。
裏面の L E D 増設用パターンに赤外線発光ダイオードを取り付けると、アクティブセンサとして使うことができます。基板
の表裏面どちらにも取り付け可能です。
カソード ( ー )
電極の大きい方がカソード側
この部分が平らの方がカソード側
アノード ( + )
足の長い方がアノード側
※基板から2~3㎜浮か
して取り付ける。
根元から折り曲げる
2~3㎜
LEDを追加する場合は、J1 をハンダ等でつないでくださ
い。
市販のスイッチを取り付ければ、パッシブ・アクティブの
切り替えができ便利です。
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
51
RDO-501 ギアボックス
ギアボックスはモータの出力から適切なトルクと回転数を引き出します。タイヤを回して
移動したり、機構を駆動します。
タイヤの取り付け
タイヤはギアボックスの出力軸へハンマーなどで圧入(押し込む)します。
DCモータ?
電流を導体(電気を通すもの)に流すと、導体の同心円状に磁力線を発生します。
電流を流した導体をN極・S極の2つの永久磁石の間に挟むとN極側では上向き、
S極側では下向きの力(電磁力)が発生します。「フレミングの左手の法則」で表
されている方向です。導体を回転軸の回りに、軸受け側に永久磁石を配置するこ
とで、軸を回転させます。DCは極性の変化しない直流電流のことです。
「DCモータ」の特徴は、
1.速度制御が容易
2.始動時や加速時のトルク設定が容易
3.効率がよく、正転・逆転の即応性が高い
など扱いやすいものですが、整流子(回転軸に固定された導体コイルの端子)に
電気を送るためのブラシとの接点が火花によるノイズ源になるなどの問題もあり
ます。
モータが一定の電圧のもとで発揮する「最大トルク」とは、モータの回転軸に
負荷(重さ)をかけ、軸が止まった限界の重さのことです。この「トルク」の単位は、
「g - c m」または、「m N - m」で表されます。「1g - c m」のトルクとは、軸の中心か
ら1c m のところに1g の力を加え軸を回すときの力のことです。「トルクと回転
数 ( 及び電流 )」は、下図のグラフのように右下がりの関係になります。逆にトル
クと電流は右上がりの関係になります。
回
電
転
数
流
最大トルク時
回転数0
0
52
RDS-X01 Instruction book
トルク
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
パーツリファレンス
トルク?
電磁力がロータを回転させようとする力を「トルク」と言います。「トルクと電流」
にはどんな関係があるのでしょうか?
軸
回転方向
発生トルク(単位N:ニュートン)=磁束密度×有効導体長×電流値
磁束密度:モータ内の磁石(磁界)の強さ
「1g-cm」
1cm
有効導体長:磁界内の導体の長さ、磁石の長さと同じ
モータを改造せずに発生トルクを大きくしようとする場合は、モータに流す電流
1g
を大きくすれば良いことが式から分かります。単純にモータ単体、無負荷の状態で
モータのみの「トルク」を大きくする場合は、乾電池の数を増やします。電池を直
列にして、モータへ供給する電圧を上げるとロータ軸の回転数は速くなりトルクも
増えます。
しかし、電圧を上げてもモータの回転軸のトルクは電池やセンサを載せたロボッ
トを動かせるほど強くはありません。モータには入力しても大丈夫な限界の電圧が
あり、限界を越えて回し続ければ破壊してしまいます。ですから、トルクを機械的
エネルギーとして有効に使うにはギアやプーリーで適切な力と回転数に調整する必
要があります。
プーリー? ギア?
無負荷の状態ではモーターは高速で回転しますが、トルクはあまりありません。
小型モーターの回転数は、5000 〜 6000r p m(r p m = 1 分間に回転する量)ほどと
大変速いものです。ロボットのタイヤを回すには「トルクを大きくしたい」とか「回
転を遅くしたい」など、調整する必要があります。しかし、乾電池の数の調整では、
トルクをあげつつ回転数を下げることはできません。最適なトルクと回転数(=速
度)の組み合わせを得るには「プーリー」や「ギア」を使用します。
プーリーの場合、駆動側の半径を1、被駆動側の半径を2とすると、出力される
トルク(F b ) は2倍となり、回転数 ( R b ) は1/ 2となります。ギアの場合も同様
に歯数が2倍になるとトルク(Fd) は2倍となり、回転数 (Rd) は1/ 2となります。
モータ ( 駆動側ギア ) の回転数と出力軸 ( 被駆動側ギア ) の回転数の比率が 100:
1 となるようなギアの組み合わせを 減速比 100 と表現します。モータ軸が 100
回転すると、出力軸が 1 回転すると言う意味です。
ちなみに、プーリーのようにベルトやギアの内側で接する歯車は回転方向が同じ
になり、外側で接する歯車は逆回転になります。また、ギアボックス内で、噛み合っ
ている歯車の歯数と回転数の積はどの歯車も等しくなります。
被駆動側プーリー
駆動側ギア
(歯数 c)
駆動側プーリー
被駆動側ギア
(歯数 d)
b
Fa
a
Fb
トルク(F)は、2 つのプーリーの半径に比例します。
被駆動側のプーリーのトルク(Fb) は以下の式で表されます。
b
Fb = a— Fa
回転数を R とすると、回転数(Rb) は半径に反比例します。
Fc
Fd
被駆動側のギアのトルク(Fd) は以下の式で表されます。
d
Fd = c— Fc
回転数(Rd) は歯数に反比例します。
c
Rd = — Rc
d
a
Rb = — Ra
b
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
53
ギアボックスのトルクの変更方法
6ヶ所のビスを外します。(注意:その他のビスは外さないこと)
ギアボックスの黒いギアの位置を変更することにより、
トルクを変更します。
両側のストッパーを
外します。
出力軸と黒いギアの位置、ギア比の関係は図のようにな
ります。
注意:安全上、一定以上のトルクがかかると出力シャフ
トと出力ギアがすべるようになっています。必要以上に
2
1
トルクを高くしたり、指定箇所以外の出力シャフトなど
にグリスをつけたりしないで下さい。空回りの原因にな
ります。
グリスは、矢印のギアのみに使用し、その
※
モータ、サイドパネルは、
ゆっくりと外します。
※のギアのシャフトは、
ラジオペンチ等でゆっ
くり引き抜く。
他のギアには絶体使用しないで下さい。
注意
位 置
3
モータ
注意:モータがベースから外れた場合は、
モーターリード線固定用ナットが
きちんとついているか確認して取
り付けます。
注意
モータがベースから外れた
場合は、モータリード線固
定用ナットがきちんと付い
1/8
2
1/18
3
1/42
4
1/100
5
1/230
6
1/540
6
8
7
1/1250
8
1/2930
注意:黒いギアは、必ず駆動軸(長い方)にあります。 ているか確認して取り付け
ます。
4
2
1
7
5
3
1
減速比
1
2
約30mm
約33mm
約29mm
3
約26mm
4
約36mm
約39mm
約23mm
5
約20mm
6
約42mm
約45mm
約17mm
7
約14mm
8
約48mm
約
11mm
●黒いギアが1・3・5・7の位置( )
約
8mm
約51mm
●黒いギアが2・4・6・8の位置( )
軸穴
モータ
駆動軸(長い方)側
54
RDS-X01 Instruction book
駆動軸(長い方)側
モータ
JAPAN ROBOTECH
RDS-X01 Instruction book
パーツリファレンス
RDP-801 ユニバーサルプレート
RDP-802 ユニバーサルプレート L
RDP-803 ユニバーサルピラー
手軽なプレートのカット方法
ニッパーを使って穴と穴の間をカットしていきます。
カットした断面のでっぱりをカットしてととのえます。
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RDS-X01 Instruction book
55
RDP-804/805 3pin ケーブル
コントローラ RDC-101 とセンサボード RDI-201/202 などを接続するためのケーブルです。
56
RDS-X01 Instruction book
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RDS-X01 Instruction book
パーツリファレンス
RDP-806 ユニバーサルキャスター
キャスタの組み立て
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57
RDP-807 タイヤセット
組み立て時の注意
ホイールにホイール受けを取り付ける際、ホイールの向きに注意して下さい。
ホイールには深い方と浅い方があります。ホイール受けの取り付けは深い、浅いどちらで
も構いません。作るものに合わせて組み立てて下さい。
車輪の取り付け
ギアボックスの出力軸へ車輪を圧入(押し込む)します。
注意:安全上、一定以上のトルクがかかると出力シャフトとホイールがすべるようになっ
ています。必要以上にトルクを高くしたり、グリスをつけたり絶対にしないで下さい。
ホイール&軸受けの組み立て
ビス
( M 3 × 6mm)
×3
ナット ( M 3) × 3 コ
ホイール
軸受け
ホイールへのタイヤの取付
ホイール
タイヤ
58
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パーツリファレンス
RDP-809 電池ボックス
単 2 電池を 4 本使用します。
モータを 3 つ接続するなど、電流消費が大きい使い方の場合、コントローラの C P U 部と
モータドライバ部の電源を分離した方が誤動作を防ぐことができます。別途 006P 角電池
/電池スナップなどを用意してください。CPU 部は 006P の容量で十分です。
RDP-901 ソフトウェア CD 《収録内容》
○プログラム環境「TiColla」
○ROBODESIGNER RDS-X01 説明書
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9 . Q and A
ロボットに関する Q&A
Q: 電源のプラス、マイナス ( 極性 ) を逆に取り付けたらどうなるの ?
A:
ほとんどの電子機器と同じく破損の可能性があります。特に電池とモータドライバが発熱しますので逆接続をし
ないようにお願いします。間違って逆接続のまま放置すると電池発熱により、電池ケースが破損に至る場合があ
ります ( この場合、コントローラーボードの電源スイッチを入れていなくても電池が発熱します )。
Q:SW2 のモードはどうなっているの ?
A:
SW2 には 3 つのモードがあります。
1.R 位置 ( 左端 ): 実行 (RUN) モード TiColla のプログラムを実行するモードです。
SW3(RUN) を押すことによりプログラムが実行されます。
2.D 位置 ( 中心 ): ダウンロードモード TiColla のプログラムをパソコンから転送します。
3.F 位置 ( 右端 ): ファームモード 学習が進み C 言語等でプログラムを作成した場合に使用します。
通常は使用しません。
Q: 電源を入れた後でモード (SW2) を切り替えても OK なの ?
A:
モードの確認は電源投入時に行われます。このため途中で切り替えてもモードは変更されません。
Q:2 電源にするには ?
A:
まず、メイン回路部とドライバー回路部にあるジャンパー線をカットします ( ジャンパー線をカットしないと電
源ショートになり危険です )。回路部の電源を V-IN 端子部に接続、モータ用電源を PV-IN 端子に接続して下さい。
Q:SW4 は何のスイッチ ?
A:
基板上にあるモニター LED の電源スイッチです。必要ない場合はオフにすることで消費電力を抑えられます。ま
た、
ロボットの競技会によっては「競技中 LED を点滅させてはならない」などの規定があります。そのような場合、
このスイッチを切ることで簡単に対応することができます。
Q: 自作のセンサ機器を作成 ( 接続 ) したいが、出力はどうすれば良い ?
A:
各端子は 電源 (+5V)・信号・GND となっています。信号は TTL レベルもしくは 0 〜 5V です。端子位置を間違え
ずにご使用下さい。( 端子位置は説明書を参照してください )
Q:A/D コンバーターの分解能は ?
A:
8 ビットですので 255 段階の分解能になります。入力電圧は 0 〜 5V ですので 1 段階あたり 5/255=0.0196V くらい
になります。
Q: 接触センサを増やしたいのですが ?
A:
単純に増やす場合はパラレル接続が簡単です。接触センサ基板の空きコネクタを利用して次の接触センサへ接続
します。この場合、回路はパラレル ( 並列 ) 接続になっていますので、複数のセンサの内、いずれかのセンサが
接触感知すると、コントローラーボードの接続ポートへ信号が流れ、反応するようになります。
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Q: タッチセンサを市販のスイッチに換えたいが、どうすれば良い ?
A:
タッチセンサ (RDI-201) の基板から市販のスイッチ側へ直接配線することで変更可能です。RDI-201 のスプリン
グ固定端子とスプリングとの接点となるビス端子にリード線を取り付け市販のスイッチ側へ配線します。( 基板に
リード線を半田付けする改造作業です。半田作業の途中で基板を破損することもありますので、電子回路技術者
など専門の方にお願いして下さい。基板に改造を施された場合の破損等についてはメーカーサポートの対象外と
なります )
Q:1 台のロボットにコントローラーボードを 2 枚使用し、同期を取って制御することは可能ですか ?
A:
可能です。使用する方法は、コントローラーボード間を接続するケーブルの +5V がかかる電源ライン (3 本ケー
ブルの内の 1 本 ) を切断してから接続します。電源ラインは説明書を照合し位置確認をして下さい。片方のボー
ドはデジタル出力、もう片方のボードはデジタル入力としてポートを設定して下さい。電源供給は各々のコント
ローラーボードに必要です。
Q: コントローラーボードを 2 枚使用したとき、スタートスイッチを 1 つにできないでしょうか ?
A:
スタートスイッチは、一瞬 ON になれば動作スタートになりますので、スイッチを並列に接続すれば可能です。
回路的には基板上の S W3 の印刷箇所に近いプッシュスイッチの 2 本の足です ( 基板に 2 本線を半田付けする改造
作業です。半田作業の途中で基板を破損することもありますので、電子回路技術者など専門の方にお願いして下
さい。基板に改造を施された場合の破損等についてはメーカーサポートの対象外となります )。別途スイッチを準
備する場合は、
スライドスイッチやレバー ( タクト ) スイッチのように ON や OFF 状態を保持するスイッチではなく、
押している間だけ ON や OFF の状態になるようなスイッチを使用してください。
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パソコンに関する Q&A
Q: 対応 OS は ?
A:
Windows NT・2000・XP・VISTA です (Windows 98 は非対応です。使用できる場合もあるようですが、保証範囲外
となります ) 。
Q:Mac 対応は ?
A:
現段階では未対応です。
Q: インストール画面の英語と日本語の選択で、英語を選択しても日本語の取説になるのはなぜ ?
A:
英語・日本語選択はインストーラのガイダンス表示をどうするかの選択です。
Q: ノートパソコンに RS-232C が付いていないのですが、どうやって使えば良いの ?
A:
USB-Serial の変換ケーブルが各社から販売されています (USB ポートからシリアルの RS-232C へ変換する機器で
す )。
Q: ポートの COM 番号が判らないがどうやって調べたら良いの ?
A:
コントロールパネルからシステムのプロパティを開きハードウェアの中にあるデバイスマネージャを開きます。
この中にあるポート (COM と LPT) を調べて、COM の番号をダウンロード画面で指定して下さい。他にも方法があり
ますが、詳しくは Windows についての解説書などをご覧ください。
Q: USB-Serial 変換ケーブルを TiColla のプログラム作成途中で装着したら、ダウンロード画面で USB-Serial 変
換ケーブルの COM 番号が出てこないのですが ?
A:
JAVA の特性上、立ち上がり時点で周辺機器の状況をチェックします。このため途中で装着しても認識されません。
TiColla を一旦終了し再度立ち上げてご使用してください。
Q: 通信 ( ダウンロード ) の途中で、モードスイッチを切り替えたり、通信ケーブルを外したりしても OK?
A:
通信データの保証は全く出来ません。ダウンロード完了後電源スイッチを切るまでは外したり切り替えたりしな
いでください。
Q: ロボデザイナー付属ソフト「TiColla」の動作条件 ( プログラム環境 ) は ?
A:
• 対応オペレーティングシステム :Windows XP/2000/NT/VISTA
•
•
•
•
CPU:Intel Celeron300MHz 以上
主記憶メモリ : 最低 64MB 以上、推奨 128MB 以上
ハードディスク空き容量 :100MB 以上
ディスプレイ :1024 × 768 以上の解像度を推奨 (640 × 480 でも使用可 )High Color(16 ビット ) を推奨
• CD-ROM ドライブが必要
• パソコン接続方法 : シリアル (RS-232C) ポート
※ USB での接続については、市販 USB シリアル変換コード ( アダプター ) が別途必要になります。
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プログラムに関する Q&A
Q: ハードウェアの設計画面で各コネクタに何が取り付けられるかを知る方法は ?
A:
コネクタの CN ボックスをクリックし、画面右上にある Kind を開いて下さい。そこに表示される物が使用できる
入出力の一覧です。
Q: 途中で分岐したプログラムの合流のしかたは ?
A:
合流の考え方としては、条件分岐毎の集合と考えてください。
最初の条件分岐を A、2 番目を B、3 番目を C、4 番目を D とすると、集合では以下のように表せます。
B,C,D は A に含まれ、C,D は B に含まれ、D は C に含まれます。プログラム D は、プログラム C の一部分、プログ
ラム C は、
プログラム B の一部分、
B は、
A の一部分ということになります。一つの条件分岐を使用したプログラムは、
分岐後プログラムの終了 (end タイル ) に合流しますから、プログラム D の合流後に C の合流、C の合流後に B、B
の合流後に A という流れになります。
Q: エラーとなったプログラムを、正しく修正するチェックポイントは ?
A:
チェックポイント
1. プログラムの最後 ( 最後の条件分岐タイルで構成されたプログラム部 ) から順番に誤りがないか確認します。
2.[begin program] タイルに対する [end] タイル、[loop] 及び、[rep] タイルに対する [end] タイルが正しく配置
されているか確認します。
3. 個々のタイルのつなぎ込みが正しく設定されているか確認します。
4. 条件分岐タイルの次に配置しているタイルが、[ y e s ] 及び、[ n o ] タイルになっているか確認します。 まれに、
[ n o p ] タイルが先に配置されている場合がありますが、この場合はエラーとなります。必ず条件分岐タイルの
次のタイルは、[yes] 及び、[no] タイルを配置します。
5. プログラムの条件分岐の合流に誤りがないか確認します。
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Q: プログラムの中に出てくる「変数」の意味が理解しにくいのですが ?
A:
例えば「リンゴを X 個とする、次の場合に・・・・」などという時の「X」が「変数」です。プログラム中に同
じ部分を設定する数値をそのままたくさん書き込んでいると、そのデータを変更したい時には該当箇所すべてを
訂正しなければなりません。同じように設定したい数値を変数 X としておけば、一箇所で変数 X を設定すればす
べての設定しなおしたのと同じことになり、作業が楽になります。また、条件によって動く回数を増減する場合
の回数を計算するなどの場合にも使用します。
Q: アナログ赤外線センサを使用したプログラムで、プログラムを変更したら思ったように動作しなくなったが ?
A:
原因は複数考えられますが、まず、プログラムのアナログ条件分岐タイルの「しきい値」が設定されているか確
認してください。上記確認を行っても動作しない場合は、「トラブルシューティング」をご覧ください。
Q : 各センサに対して各々の条件分岐タイルを使用することは分かったが、どの順番でどのように配置すれば良い
ですか。
A:
条件分岐タイルの配置順は、以下のような流れで考えるとよいでしょう。
1. 目的の動作 ( スタートスイッチを押した瞬間から電源をきるまでの間 ) をイメージします。
2.「〜したら、〜する」といった表現で動作を書きとめます。
3. 書きとめた動作に優先順位をつけます。
4. 優先順位順に条件分岐タイルを配置します。
配置の仕方は、条件分岐の [yes] と [no] の組み合わせを考え、各組み合わせでの動作を考えます。
4-1. 条件分岐 1 と 2 の 2 つがある場合、組み合わせとしては、条件分岐 1 が [yes] の時、条件分岐 2 が [yes] の
場合。 以下同様に、[yes]-[no] の場合、[no]-[yes] の場合、[no]-[no] 場合の 4 つの組み合わせが考えられます。
4-2. まずこの組み合わせをプログラムタイルで作成し、組み合わせ毎の動作プログラムを作成します。目的の動
作の内容によっては、この限りではありません。
5. 目的の動作になったか実際に動かして確認します。
6. 思った通りの動作であれば、OK です。
7. 思った通りの動作にならない場合は、目的の動作に近づくよう配置を変更し、目的の動作になるまで繰り返し
調整します。
Q: 2 個のモータを、別々のスピードで回転させられるには、どうやれば良いの ?
A:
コントローラーボードの J1 〜 J3 のジャンパーを B 側へセットして、ハードウェアの設計画面で CN6 に [PWM] タ
イルをセットしてください。
Q: TiColla で自作機器を使用する場合の方法は ?
A:
ハードウェアは、[digital in]・[analog in]・[digital out] のタイルを使用し、プログラムでは Control にあ
る [port] の判断タイル ( デジタル・アナログ ) と Basic にある [port] タイルを使用します。
Q: USB シリアル変換コードのポート設定を固定できないがプログラムデータの保存場所を固定できないか ?
A:
メニューバーの File の Preference で設定可能です。
Project Directory ・・・データの保存先を指定します。
COM Port ・・・ポートの指定をします。
データロガーを使用する場合は、必ずこの設定を行う必要がありますので、TiColla 起動後は必ず Preference の
設定を行うことをお勧めします。
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マニュアルに関する Q&A
Q: ロボットの作り方のヒントはありますか ?
A:
現在、
「ライントレース用ロボット製作のヒント」「サッカー競技用ロボット製作のヒント」「ロボット製作と C
言語による制御プログラムの習得」の 3 種類を弊社ホームページのサポートからダウンロードして頂くことが可
能です。ご利用ください。
Q: もっといろいろなロボットの製作ヒントはありますか ?
A:
弊社ホームページの [ オリジナルロボットコンテスト ] に、世界各地で作られたロボットの詳しい紹介がされて
います。作り方と同時に動作プログラムも公開されていますので参考にしてください。
Q: 教本はありますか ?
A:
(ア)教師及び講師の方々にお使い頂けるように指導者用教本があります。久留米工業高等専門学校 情報工学科
熊丸憲男先生著作によるもので、6 ヶ月間に渡り開催されたセミナーで使用した実テキストを収録した全
70 項の詳細な教本です。発売元は弊社です。
• 部品の使い方 / セット部品の解説
• 工具及び機能追加構造材の紹介
• ロボットの仕組み / 構成及び動作例
• 組み立て / 注意点及びプログラム解説
• 制御文解説
• センサ解説
• デジタル信号とアナログ信号
• 通り抜けロボットの製作
• 走り回りロボットの製作
• ロボット制御における時間概念
• ライントレース用ロボットの製作
• データーロガーを利用した計測と制御の実際
等が収録されています。詳しくは弊社ホームページの製品案内で紹介されています。
(イ)
「ロボカップジュニア」という競技に出場する人のために書かれた「ロボット製作入門・自律型ロボット
の作り方」が、出版されています。ロボカップジュニア日本委員会技術委員 黒木啓之著(発売元 カッ
トシステム¥3,990_)
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この本は、RoboDesigner によるロボット製作とプログラムを楽しんでもらえるように書き , また、なるべ
く先生やお父さんお母さんに聞かなくても、一人で学習できるようにしてあります。詳細は弊社 U R L をご
覧下さい。
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10.トラブル シューティング (こんなとき、どうすれば良いの ?)
ロボットを作る時のテクニック、ヒント
ロボットを作る時のテクニック、ヒント
1. ロボットが転びやすい
( ア ) 2 個の駆動タイヤと後輪キャスターの床への設置部分点が可能な限り大きな三角形になるように部品配
置をして下さい。
( イ ) 設置部分点を結ぶ三角形の内側上部に、電池などの重い部品を配置して下さい。
( ウ ) 電池は、可能な限り床面に近づけて下さい
2. 部品が外れやすい
試走を繰り返した時に、ナットがゆるんで、ガタが発生したり、ナットが取れやすい箇所のビスナットの締め
付けには、
( ア ) ナットを 2 個使用し、2 重ナットにすることでゆるみの発生を回避することが可能です。最初のナット
を締め込んでから、2 番目のナットを締め込みます。
( イ ) ホームセンターなどで販売している「ナイロンナット」を使うことで、より強力に固定することも可能
です。
3. スピードを変えたい
次の 2 通りの方法があります。
( ア ) プログラミングによる方法 ...[mot] タイルのプロパティ PWM Speed Number で High, Middle, Slow,
Very Slow の 4 種のスピード設定の他、Direct の項目で回転数の比率を直接数値で指定することが出来
ます。
( イ ) ギアボックス内のギアの位置を変更することにより、1/8, 1/18, 1/42, 1/100, 1/230, 1/540, 1/1250,
1/2930 の 8 段階に減速比及びトルクを変更することが出来ます。製品出荷時は 1/100 減速比で調整さ
れています。ギアボックスでの速度及びトルク変更方法については説明書を参照してください。
4. 電源を回路用、モータ用の 2 電源にする
コントローラーボードの区切りにあるジャンパー線 B1 をカットすることにより、コントローラ回路とモータ
用電源端子の電源回路を分離することが出来ます。
2 電源時にはモータドライバは (PV-IN)DC4.5V ~ 27V、2A までの使用が可能です。メイン回路 (V-IN) からの電
源供給に頼る 1 電源方式よりも、2 電源方式にした方がモータノイズによるコントローラーボードへの
干渉が少なくなり、ロボットのより安定したコントロールが可能となります。
5. 付属モータ & ギアボックスを別部品に変えたい
V - I N からの電源供給の場合、M1, M2 に出力されるモータ電源電圧は 4.5V が供給されます。それ以上の電圧で
動く馬力の大きいモータを取り付ける場合には、コントローラーボードの回路設定を 2 電源タイプに切
り替えて、使用されるモータ規格に適合する電源電圧を PV-IN から供給して下さい。
※ ( モータ規格以上の電圧を加える等無理な使い方をすると、モータ寿命が短くなります )
6. 第 3 モータを使いたい
ハードウェア設定画面で CN5 に [digital out] のタイルを設定するか、CN5 の空の状態のボックスをクリック
して選択状態にした後、プロパティ内の kind を MOTOR Output に選択設定します。プログラム画面で
basic タイル群内の [Port タイル ] を使用します。コントローラーボード基板上 M3 端子にモータを接
続します。基板上のショートピン J4 は A 側へ設定します。( J4 は端子 M3 を使用するか、コネクタ端子
CN5 を使用するかの設定ピンです )
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7. 左右のモータを個別にスピードコントロールしたい ( 例 M1:Mid、M2:Slo)
以下の設定を行なう必要があります。
( 注意:但しこの場合、CN6 は速度個別制御専用となるために他の入出力機器との併用は出来ません )
( ア ) コントローラーボードのジャンパー (J1,J2,J3)3 箇所の設定をすべて B 側に変更します。( 各ジャンパー
の位置についてはボード上に印刷されていますが、分かりにくい場合は RoboDesigner の説明書を参照
してください。)
( イ )TiColla のハードウェアコンフィギュレータ設定画面で CN6 へ PWM タイルをドラック & ドロップで設定し
ます。(CN6 を速度制御として設定します )
( ウ ) 上記アとイの設定により、CN6 から M1 用の速度制御 (PWM) 信号が、CN11 から M2 用の速度制御 (PWM) 信
号がそれぞれ出力され、M1,M2 が独立して各々速度制御が出来るようになります。
8. タッチ 2 個、赤外線 3 個、別売品の地磁気 1 個の計 6 個のセンサと、第 3 モータも同時に使用したい
( ア ) タッチセンサ× 2 個をパラレル接続し、1 本の接続コードで CN1 へ接続。
( イ ) 赤外線センサ× 1 個を CN2 へ接続し、デジタルとして使用。( ハードウェア設定画面では CN2 へ [digital
In] の設定を行ない、プログラム画面では [Port Digital] を使用します。)
( ウ ) 赤外線センサ× 1 個を CN3 へ接続し、デジタルとして使用。( ハードウェア設定画面では CN3 へ [digital
In] の設定を行ない、プログラム画面では [Port Digital] を使用します。)
( エ ) 赤外線センサ× 1 個を C N4 へ接続し、アナログとして使用。( ハードウェア設定画面では C N4 へ [ I R
sensor] の設定を行ない、プログラム画面では [Port analog] を使用します。)
( オ ) 別売の地磁気センサを CN6 へ接続し、アナログとして使用。( ハードウェア設定画面では CN6 へ [analog
in] の設定を行ない、プログラム画面では [Port analog] を使用します。)
( カ ) 第 3 モータを M3 へ接続。( ハードウェア設定画面では CN5 へ [digital out] の設定を行ない、
プロパティ
内の kind を MOTOR Output に選択設定し、プログラム画面では basic タイル群内の [Port タイル ] を
使用します。)
9. 他のメーカーの部品を使いたい
( ア ) 機構部品 ( モータ & ギアボックス ) などは、取り付けピッチが 5m m の n 倍になっている部品を選定して
頂くとユニバーサルボードへ簡単に取り付けることができます。
( イ ) センサなど電子部品の場合は 0 ~ 5V の仕様品を選定して頂くと、コントローラーボードへの取り付けが
可能です。取り付けの際にはコネクタの電源ライン、アースライン、信号ラインの位置を確認して間違
えないようにして下さい。位置関係は本体説明書のパーツリファレンス / コントローラーボードの項に
記載されています。
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ロボットが動かない場合には
ロボットが動かない場合には
1. 電源 ( 電池 ) を調べます
乾電池消耗
回路及びモータドライブを単一電源で使用する場合、おおむね、乾電池電圧 (4 本合計 ) が 5V 弱になるとモー
タを回せない場合があります。新しい電池と交換して下さい。
2. ロボットを調べます
リード線のはずれ
コード端子破損防止 . . . 電池ケースやモータのリード線が切れたり端子ごと外れたりする事への防止に、ホッ
トボンドでコードを固定すると切れにくくなります。
モード SW を R 位置にして、電源 SW を ON にすると、LED1( 緑色 ) が点灯して実行待機状態になっていることを
表わします。LED1 が点灯していない場合は、電源 SW を一旦 OFF にして、再度電源 SW を ON にすると回
復します。
3. プログラムを調べます
( ア )M1,M2 の設定忘れ
( イ )[loop] タイルの設定忘れ ... タッチセンサの場合 [loop] タイルがないと RUN 実行のスイッチを入れた瞬
間にプログラムが終わり、センサが働いていないように見えます。
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ロボットの動きがおかしい場合には
ロボットの動きがおかしい場合には
1. 電源スイッチを入れても LED が点灯しない場合
( ア ) 電池を確認 ... 新しい電池と交換して下さい。
( イ )LED 点滅スイッチが off になっている ...SW4 を ON にして下さい。
2.LED の点灯状態でチェックする
コントローラーボード上に 5 つの LED が配置されています。これらの LED は不具合がある時のチェックに便利
なように設計されています。コントローラーボードが実行状態の時に各 LED が以下のように点灯します。
( ア ) モータ端子からの出力信号が正回転 (Fwd) の場合 ... 緑色の LED が点灯します。
( イ ) モータ端子からの出力信号が逆回転 (Bwd) の場合 ... 黄色の LED が点灯します。
( ウ ) モータ端子からの出力信号がスピードコントロールされている場合 ... 赤色の LED が点灯します。
( エ ) 例えば、次のように利用していただくとよいでしょう。10 秒間前進するようにプログラミングして、ダ
ウンロード後、実行しようとしたが下記のような症状が出た場合。
1 LED が点灯しない ... プログラムのダウンロードが正しく行なわれていません。
2 LED は点灯しているがモータが回転しない ... モータ出力端子 ( コネクタ ) へのモータ配線が外れて
います。
3 緑色 LED が点灯しているのにモータが逆回転している ... モータ出力端子 ( コネクタ ) へのモータ配
線の +( プラス )、ー ( マイナス ) 接続が逆になっています。
4 前進させるつもりで作成したのに黄色 L E D が点灯している . . . プログラミング時のモータプロパ
ティーの設定が Fwd とすべきところを Bwd と間違っています。
( オ ) このように、プログラムの問題なのか、ダウンロードの問題なのか、コントローラーボードからモータ
側配線の問題なのかを見分けるヒントにすることが出来ます。
3. 赤外線センサの感度が極端に悪い、ロボットの動きが遅い
電池を確認しましょう。
新しい電池と交換して下さい。
4. モータが片側しか回らない
ジャンパー 1・2・3 の設定を B 側にしていながら、PWM タイルを CN6 においていない場合がありますので注意
してください。
5. サッカー競技用の赤外線ボールが目の前にあっても反応しない
( ア ) 回転スピードが速すぎる ... 速すぎて捕捉できていないので回転を slow にします。
( イ ) センサ感度が低すぎる ... センサ感度調整用 VR で調整して下さい。
6. センサの感度を最小に絞っても条件分岐が No に分岐しない
センサが外乱の影響を受けているかもしれません。
センサ素子にフードをつけ外乱の影響を低くして下さい。( 厚紙で筒を作るか、キャスターの筒や車高調整板
の筒を利用するなどの方法もあります。材料は黒色が最良です )
問題を切り分けるためには、チェック用に単純な「前進」のプログラムを使うと分かりやすいでしょう。
モータは左右正常か、ダウンロード出来るかこの 2 点の確認のため前進のプログラムを使います。
前進しない場合は、モータ結線を調べて下さい。
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プログラミングについて
プログラミングについて
1. wait を使ったプログラムの注意点
wait タイルで時間待ちをしている間、センサの条件分岐など他の処理は行うことができません。モータの状態
など、一度設定した条件が再度設定し直されるまで変わらない動作は wait の間も継続されます。
( プログラム例 )
赤外線発光ボールを IR センサで捉えようとした時 6 秒間右回りでボールを探して見つけなければ 5
秒 前 進 の プ ロ グ ラ ム に す る と 仮 定 し ま す。「6 秒 間 右 回 り 」= w a i t6 5 秒 前 進 = w a i t5 と す る と、
wait6+wait5=wait11 の時間の間その動作状態を wait( 保持 ) しますから、その時間の間はボールが目
の前にあっても IR センサはで見つけた時の動作に入りません。接触センサを使用する場合も同様です。
2. データロガー使用時の注意点
データロガーは、コントローラーボードからパソコン側へデータを転送します。逆にダウンロードの際はその
逆にパソコンからコントローラーボードへ通信が流れます。ダウンロードする場合に COM ポートの指定
をしなければなりませんが、
同様にコントローラーボードからパソコンへデータを転送 ( データロガー )
する場合も、COM ポートを指定する必要があり、この設定は File メニューの Preference で行ないます。
( 特に USB シリアル変換ケーブルをお使いの場合は注意してください )
3. 第 3 モータが回ったままになる
ある条件の時に第 3 モータを回すようプログラムする場合、条件から外れた時に第 3 モータを止めるには、停
止のためのタイルを設定する必要があります。条件分岐が Yes の時、第 3 モータが回るようにプログラ
ミングし、
No の時にはポート出力タイル (Port CN5 Low に設定:第 3 モータストップ ) を配置して下さい。
4. ハードウェア設定画面で、設定したタイルを消したい
消したいタイルをクリックして ( アクティブにし )、プロパティを表示させて、プロパティの中の [ K i n d ] を
[Un-Use] に設定すると消すことができます。
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ダウンロードが出来ない場合には
ダウンロードが出来ない場合には
1. ロボットを調べます
( ア ) ダウンロードモード ( モード SW を D 位置 ) で電源 SW を ON にすると、5 個の LED が順番に点滅し、その
後 LED4( 黄色 ) が点灯した待機状態に入るが、ダウンロードしても 5 個の LED が点滅しない場合。....SW
の操作順序を間違っていませんか?電源 S W を一旦 O F F にしてから、モード S W を D 位置にし、電源を
O N にする手順で再度ダウンロードしてください。あせらず(それぞれの手順ごとに一呼吸おいて)確
実にスイッチ操作を行ってください。
( イ ) ダウンロード時に LED が点滅しない .... →通信基板のスイッチが [straight] に設定されているかを確
認してください。
( ウ ) ダウンロード時 LED 点滅はするがプログラムが入ってなかったり第三モータが動いたりする .... →再度
ダウンロードしてください。
( エ ) ダウンロード時 LED 点滅はしたが、RUN 実行では動かない .... →電源 SW を切る前に、モード SW を動か
してはいけません。操作手順を逆にすると、ダウンロードしたプログラムが破壊されることがあります。
その場合は、再度始めから手順に従いダウンロードしてください。
( オ )CN-6 へセンサを接続している場合、ダウンロードは出来ません ... →下記の順序で行ないます。
① CN-6 のコネクターコードを一旦外します。
②通常のダウンロード手順に従い、ダウンロードします。
③モード SW を D ポジション ( 中央位置 ) にします。
④電源 SW を ON にします。
⑤ダウンロードします。
⑥電源 SW を OFF にします。
⑦実行モードで、電源を入れます。
⑧モード SW を R ポジション ( 左位置 ) にします。
⑨電源 SW を ON にし、電源を入れます。
⑩ CN-6 へコネクターコードを差し込みます。
⑪ RUN スイッチを入れ、実行します。
2. パソコンを調べます
( ア ) ダウンロード画面上のポート設定の確認をして下さい。ご使用になっているパソコンからロボットのダ
ウンロードするために接続されているポート番号をダウンロード画面で設定する必要があります。特に
USB232C 変換ケーブルを使用する場合は必ずポートの確認をして下さい。
( イ ) プログラム構文チェックは OK の状態で、ダウンロード進行状況の進捗がない ... 同じ画面でのプログラ
ム修正を多くの回数繰り返すと内部データが乱雑になりダウンロード不可となる場合があります。この
様な場合、一旦セーブして記録を残しておき、別の新しい画面でプログラムを作り直して見て下さい。
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サポート情報
ジャパンロボテック カスタマーセンター
メ ー ル
info@japan-robotech.com
電話
ファックス
092-821-4221 (受付時間 AM10 : 00 〜 PM17 : 00)
092-821-4222
改定 第四版 (1.04) 平成 19 年 7 月 31 日
発行
株式会社 JAPAN ROBOTECH
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