1.2 Shallow Water Flow(以下 SWF)コントロールガイドライン この

1.2
Shallow Water Flow(以下 SWF)コントロールガイドライン
このガイドラインには以下のものが含まれている
•
物理探査による予測
•
地層圧力、地層破壊圧力の予測
•
掘削技術
•
セメンチング技術
•
メカニカルシャットオフデバイス
•
改修、P&A 関係
概要
Gulf of Mexico の大水深地域では SWF の存在によりウェルコントロール費用がかさむ結果
となっている。SWF とは BOP 設置前の浅いセクションにおいて、地層圧力が高いために地
層水が海底面へ制御できない状態で上がってくるものである。
SWF は水深 500ft 以上のところで海底面下 200~2000ft の間に存在する。圧力は静水圧より
若干高い位(一般に 9.3~9.4ppg 相当)だが、もっと高くもなりうる。海洋では地層圧力と
地層破壊圧力のマージンが少ないので、シャローフローを止めることは難しく、ほぼ不可能
である。
SWF のタイプとしてはフラクチャーに起因するもの、もともと溜まっていたもの、地圧を受
けた砂層によるもの、地圧を受けた砂層からセメントチャネルを通して上がってきたものが
ある。地圧を受けた砂層とは以下のようないくつかの異なったメカニズムにより作られる。
•
急激な堆積により荷重を受ける
•
砂層の崩壊
•
ガスの蓄積
•
Salt tectonics(塩の動き?)
主な原因は急激な堆積によるものである。
このような SWF は Gulf of Mexico の大水深地域では広く見かけられ、
事実上 Gulf of Mexico
のどの大水深地域にも起こりうる。しかしながら全ての地域で地圧を受けた砂層に SWF の
可能性があるわけではない。Deepster Consortium では、SWF の発生マップを用いて細か
い情報を集めている。これらの情報は CD-ROM の形で購入することができる。
目的深度まで到達するためにケーシングポイントを下げようとする試みで、ケーシングセッ
ト深度を海底面下約 2,000ft に押し下げた。この掘削区間は一般的にライザーレスで掘削す
る。この掘削区間では、スウィープマッドを送るなどして坑内に滞留しているカッティング
スを海底面上に上げると水頭圧が下がり、坑内よりフローが発生するトラブルが起こりえて
いる。
これらのケースではフローを止めるために坑内をキルマッドに置換する必要があり、一般的
に掘削は中止することになる。
SWF の問題はコンダクターケーシングを下げセメンチングを実施した後にも起こりうる。セ
メントに流動性がなくなりつつある状況では、水頭圧が下がっていくことでフローが発生し、
固まる前のセメントを排出してしまう。これは海底面上への抑制されていないフローによっ
て起こる。この場所での改善は普通オペレーションとしては成功しない、そのエリアの状況
を乱し、問題を悪化させるだけである。
抑制されていない SWF により、以下のようなことが起きる。
•
海底面に山、クレータ、沈降により、ロケーションに障害が生じる。
•
坑壁のサポートがなくなり、ケーシングがバックリングを起こす。
•
ウェルコントロールできずに坑井に障害が生じる。
•
廃坑
•
掘削、プロジェクトの数日から数ヶ月の遅延
•
百万ドル単位の出費増
この問題の対処の手助けをするためにガイドラインでは次のようなものを述べる。
•
地球物理学的予測
•
掘削技術
•
地層圧と地層破壊圧の予測
•
セメンチング技術
•
メカニカルシャットオフデバイス
これらの出版物は改修作業やプラグ廃坑関連と同様に以下のアドレスにある。より詳細な情
報のため、このトピックの出典は Well Planning(このセクション)の最後に全リストを載
せている。CD-ROM は 70 超の井戸からの情報を含み、Deepstar を通して手に入る。SWF
の事故はウェブサイトで見られる。
www.gomr.mms.gev/homepg/offshore/safety/wtrflow.html
SWF のエリアマップは MMS から手に入る。(506-736-2947)
SWF フォーラムは 1998 年 6 月に開かれ、議事録は以下にコンタクトをとることで CD-ROM
で手に入る。
Energy Research Clearing House(ERCH)
4800 Research Forest Dr.
The Woodlands, TX 77381
E-mail sparkman@erch.org
Geophysical Prediction(地球物理学的予測)
その場所で SWF が存在するかどうかの予測はとても難しいと立証されている。砂層の存在
を予測する方法はいくつかあるが、十分な地圧を受けているかどうかを予測するのは難しい。
砂層は一般的に海面より下にあるときに堆積されて、震探によって確認できる。高解像度地
球物理学測定器の解釈を適用すると、連続層の同定、シャローフローのポテンシャルとなる
砂層とシールのマッピングが可能となる。この解釈には二次元のシャローハザードと三次元
の震探データを含めて、存在する全ての震探データを含めるべきである。このデータの特別
な処理が必要である。
SWF のポテンシャルを示唆する一つの方法として以下のものがある。
震探の浅い深度での有効なオフセットデータとの相関から、浅い深度での堆積レートを計算
する。もし、計画している掘削候補地の浅い深度での堆積レートが 500ft/100 万年より少な
ければ、その砂層は問題のある圧力層ではありえない。もし堆積レートが 500ft/100 万年よ
り高ければシール層の下にある砂層は圧力を有しているものとしてみる。
(Alberty 1997)
震探データはそのエリアのどんなウェルコントロールにもつながるべきである。一般的にそ
の中心は砂の存在の可能性が高い河床や落ち込み傾向にあるべきである。一つの方法はキー
シーケンスの境界、時間、水平断面、様々な端面露出マップを組み合わせた RMS アンプリ
チュードを用いるもの。もう一つの方法は高解像度で3D の浅層でのハザードを調査したも
のを手に入れること。ただしこれはとてもコストがかかる。
一度砂の傾斜面を位置付けると、坑井位置をできる限りその構造を避けるように調整したり、
ケーシングプログラムを修正したりするだろう。ケーシングポイントまで掘り込む時、LWD
によりケーシングポイントに到達するまでフローゾーンに入り込んでいないか確認すべきで
ある。これら LWD にはガンマレイ、比抵抗、PWD(Pressure While Drilling)のデータが
含まれている。PWD 装置ではフローゾーンでフローし始めると坑底圧力増加が計測される
ので助けになる。
1.2.3.地層圧力/地層破壊圧力勾配
SWF セクションを安全に掘りぬく鍵は、適切な地層圧力と地層破壊圧力を決定することであ
る。適切な泥水比重であればフラクチャーの発生とフローがコントロールされるようにハイ
ドロスタティックを維持している間のウェルボアストレージエフェクトを最小限になるだろ
う。地層破壊圧力勾配と泥水比重との間には少なくとも 0.3ppg のマージンをとるのが一般的
である。
これらの浅い深度では堆積状況が不十分で正確な圧力予測は難しい。堆積環境の違いにより
井戸の間には大きな相違があり、オフセット坑井の情報も掘削された井戸の調査されたもの
に限られる。圧力の予測方法として、狭い間隔での物理探査から算出する方法が治安されて
いる。これには、特別な処理または異なるデータサンプリング装置を必要なるかもしれない。
震探データの詳細な地質学的解釈により、SWF の可能性となる堆積環境が存在するかどうか
判定する必要がある。この解釈には使えるオフセットウェルデータは全て使うべきである。
解釈できるような専門知識を持つところへ外注する必要があるかもしれない。
あるオペレーターは、正確な圧力測定値を得るために、オープンホールフォーメーションプ
レッシャーテスターを使っていた。このデータ収集プロセスがうまくいけば、このデータは
将来のオフセットウェルや将来の掘削の発展のために非常に有益でありえる。LWD ツールと
ともに Pressure while drilling (PWD) ツールは地層圧力評価に役に立つかもしれない。ケ
ーシングポイントでの地層破壊圧勾配を収集することは有用ですが、回復できないダメージ
のリスクを負います。
1.2.4 Drilling Techniques for SWF Intervals
このセクションで論じられる掘削技術は、以下を達成するようになっている:
* シャローフローゾーンを覆うように地層評価検層を行う。
* シャローフローゾーンの上でケーシングポイントを選択する。
* シャローフローゾーンの問題を除くか最小限にする。
* シャローフローがあるか調べる。
* セメンチングに備えて泥の特性を調整する。
これらの技術を適用することにより、シャローフローの影響を最小にして、シャローフロー
ゾーンをうまくコントロールする最大限できるようにします。
1. シャローフローの可能性があるロケーションで掘削することは避ける。これには、予測
のセクションに示される技術における、地球科学者と調整を必要とする。
2. コントロールされるジェットティング技術を使うジェットストリングをとりつける。
(最
初のストリングをより深い深度へ行かせることへの評価?)
3. 坑径を小さくする。これは、カッティングスの除去の助けになる。拡掘をしない(パイ
ロットホールを掘らずに)掘削は、ウォッシュアウトを最小にするであろう。より径の
大きいドリルパイプを使うことによっても、わずかながらカッティングス除去の助けに
なる。循環を最小限にすることも坑径拡大を少なくする。
4. スタンドごとに坑内をきれいにするためにスウィープをポンプする。これは、カッティ
ングスに起因する砂の流出を防ぐ。経済的に実行可能なのは低脱水の泥を使うことであ
る。スウィープは、より良いカッティングス運搬能力のあるゲルやフォームスラリーか
ら成りえる。ゲルスウィープへ着色またはマイカのようなトレーサーを入れて、一定の
循環レートでリターンの時間を計ることでアニュラーフローレートを定量化されうる。
5. 低脱水(10 cc/30min.)
、低いゲルストレングス(10 分ゲル、30 分ゲルともに 10 秒)、
YP を 10、PV を 15 に保って、フロー発生時にスポットするため準備する。泥水比重は
わずかなマージンでそのゾーンの静水圧に対して十分でなければならないが、弱い地層
のフラクチャーまたはバルーニングを引き起こす原因となるので、あまり高くしない。1
つの提案された計算方法は、地層圧が堆積荷重の 80-90 パーセントであると仮定するこ
と。RFT(Repeat formation tester)は、そのゾーンのポアプレッシャーを決めるのに
使われていた。泥は低脱水で、薄い泥壁であるべきであった。低いゲルストレングスは、
低いアニュラーベロシティと同様、効果的なセメント置換をするだろう。ホールボリュ
ームの 2 倍をポンプする。泥は一般的に良いとされるセメント置換の場合一致せず、標
準的なキルマッド使わない。また、この泥は、坑内のハイドレーション問題を引き起こ
すことがありえる。坑内の上の場所で逸泥を防ぐようにハイドロスタティックを維持す
るために逸泥防止剤を入れる必要があるかもしれない。最大レートで動的にフローをと
める。アニュラーでの圧力損失が高くて、あまり速くポンプすることはほとんど不可能
である。もし、2 倍のホールボリューム分をポンプした後でも井戸を抑えられなかったら、
さらにポンプしてもほとんど効果はえられない。泥水比重やポンプレートを変えること
になる。ポンプをとめた後 U チュービング現象が起こるだろう。これによりハイドロス
タティックは保持できるが、フローが引き続きおこる原因を与えることになる。前のビ
デオの定性的な解釈が、井戸が死んでいるかどうか判断するのに用いられる。最後に、
キルが成功してドリルパイプが海水で満たされれば、アニュラーフローは全てとまるは
ずである。
6. ビットの近くで LWD を使う。これは、ケーシングポイントの選択に震探データを相関付
けるのに助けとなる。それは、掘り抜いてしまう砂層の量も最小にする。正確な地層温
度は、セメントの調合のために望まれる。ベンダーがより大きいドリルストリングサイ
ズでモーターの下に測定器を用意できなければ、ドリルアヘッドツールの使用が規制さ
れる。一般的に、LWD からビットの距離は、8 から 15 フィートの範囲である。24"とい
った大きな坑径で得られるデータからの相互関係は、うまくいく。パイロットホールで
のダイナミックキルを行うことで、最大循環レート能力を LWD 機器が持っていることを
確かめる。
7. 砂層を掘っていったならば、坑内をきれいに循環し、ポンプをとめてフローチェックを
行う。もしフローがあれば、観察することによりフローが持続的であるか、時間ととも
になくなるかどうか確かめるべきである。カッティングにより砂が流出することで、フ
ローゾーンの間違った徴候を見出す可能性がある。フローの可能性がある区間を掘削し
ている間、ROV は継続的にウェルヘッドをモニターしていなければならない。また、浮
上することが懸念であるならば、半径 300 フィートで ROV によってチェックする。場合
によっては、サーフェスケーシングがセットされた後まで、慎重にモニターする。
8. ケーシングポイントは、ケーシングシューを最良の状態にするためシャローフローゾー
ンにできるだけ近づけるべきである。しかし、ケーシングシューを完全にすることが重
要なので、地層の考慮を優先しなければならない。
9. フローにあい、かつ、ケーシングがフローゾーンの上にセットされているならば、セメ
ントの土台の働きをするために、ケーシングポイントの下に重泥水をスポットする。ケ
ーシングパッカーはセメントが固まる間フローをとめると同様、セメントを分離する可
能性の助けとなる。
10. フローゾーンを掘削しているとき、坑径拡大と、マッドラインでの地層の蓄積を減らす
ためにフローを最小にしなければならない。一部のオペレーターは、ウォターフローを
防いで、坑内の浸食を制限するためにマッドラインでリターンのロストをともなうキル
マッドでの掘削を選択した。必要となる大容量の重泥水は、論理的な挑戦となりうる。
11. シャローフローのインターバルの間や上のストリングスをセメンチングするときプロダ
クションセメンチングのやり方を用いる。
上記 5 番で述べられている泥をスポットする。
セントラライザーを用いる。プレフラッシュにはフローが発生する比重は用いない(すな
わち、先行水として海水使わず、セメントジョブの間、ハイドロスタティックを保つ)。
インナーストリングのセメンチングでは、ポンプするボリュームと汚染を減らすことが
できる。インナーストリングまたはケーシングは海水の循環を防ぐため重泥水で満杯に
すべきである。井戸は、セメンチングする前に死んでいなければならない。
12. ケーシングを降下するとき、サージ圧を減らす。必要に応じてフロートシューを使う。
13. セメント部で詳述されているように、フローを抑制するセメントスラリーを使う。
14. ケーシングシューをテストするとき、テストで実際にリークオフさせるかどうか、少々
考える必要がある。テストでリークオフさせることは、地層に大きなダメージを与える
かもしれない。実行するかは、オフセット坑井からのデータとその坑井の必要性に依存
している。
15. 一部のオペレーターは、フローゾーンではケーシングを管動している。これはセメント
の置換効率を良くするためだが、ケーシングハンガーやウェルヘッドがランディングし
機械的なシールが動かされてしまうのは避けられない。
16. 開発されている場所での坑井間隔は近隣坑井からの不注意なフローによる問題を最小に
するためにより広く取る必要がある。また、掘削作業は、近隣の井戸の作業との間で時
間と距離を最大にするように、順番を考える必要がある。
17. 一部のオペレーターは、26"ドリフトのライザーを使った。地層圧と地層破壊圧の圧力差
が狭いためライザー内での泥水コラムの比重調整に難しさがある。この調整は、カッテ
ィングスの運搬や大きな泥水容量のために困難となる。シャローゾーンを飽和させるこ
とによってシャローウォーターフローを生じることはありえる。亀裂が生ずることもあ
りうえる。このライザーを取り扱う時間と費用はかなりかかる。
18. 新技術は開発されていて、すぐにテストされるべきである。これらは、in-situ ポリマー
(フローを抑制する活性剤とモノマーの注入)と水中ハンマー現象を起こすようなシャ
ローフローゾーンでのケーシング自体の降下方法を含みます。これらの技術は、近いう
ちに試みられることが報告されている。他のひとつは、デュアルアクティビティリグ使
った方法で、セメントがセットされるまで、隣接した坑井を掘削し、シャローフローゾ
ーンを凍らせるために冷却物を入れ、フローを排除する方法が提案されている。
1.2.4.1 Selling and cementing casing in SWF zone
シャローウォーターフローの地域でのセメンチングの 2 つの主目的は、以下の通り:
*流体の動きを防ぐに十分なシール性を得る
*ケーシングに対して構造的なサポートをする
コンダクターケーシングのセメンチングの成功には、良い泥水管理、短いスラリー遷移時間、
そして地層圧と地層破壊圧勾配と適合した泥水とセメントスラリー比重が必要となる。SWF
の封じ込めはフラックが発生し逸泥が起きるような弱い地層やセメントがリターンしてくる
ことによって困難となる。
ページ番号:1-46
1.2.4.1 SWF 層においてケーシング設置、セメンチング
SWF 層においてセメンチングを行う二つの大きな目的は以下のとおりである。
•
効果的な封印を実現し、流体の移動を防ぐ。
•
ケーシングの構造的な支えを提供する。
成功したコンダクターケーシングセメンチングは、良好な泥水管理、短いスラリー遷移期間、
地層圧、地層破壊圧と両立している泥水およびセメントスラリーの比重等が必要とされる。
SWF の封じ込めは、破粋して泥水やセメントの損失の原因をなる軟弱な地層の存在により、
より複雑になる。
1.2.4.2 大水深用セメンチングデザイン要素
大水深用セメンチングのデザイン要素は、ポンプタイム、遊離水、脱水、粘性、遷移期間、
比重、圧縮強度、圧縮率である。
遊離水 (Free water)
セメントスラリーに過度の遊離水が存在する場合、チャネルが生じ地層の遮蔽性を失う可能
性がありえる。遊離水はスラリーの不安定性を招き、地層に対してリークオフすることで体
積の変化を生じさせるかもしれない。水分がなくなる事で、水頭圧が減少し地層から流体の
侵入を許す可能性がある。沈殿は比重差を生じ、各区間を管理する静水圧に不十分な比重差
となる。
粘性 (Rheology)
一番に念頭に置く事柄は、効果的なアニュラー部分の流体の置換である。リードスラリーは、
スペーサーより大きいがテイルスラリーより小さな摩擦圧力を発生するようにしなければな
らない。
遷移期間 (Transition time)
スラリーの遷移期間は、フロウへの脅威を低減するために出来うる限り短くするべきである。
遷移時間とは、水和反応の始まりからセメントがフロウやインフラックス(流入)を抑制す
るために内的なゲル強度を得るまでの時間の経過として定義される。
遷移期間の間、シャロウフロウは、チャネルを形成することでセメントの完全性を破壊し、
硬化中のセメントスラリーを通して上方に向けて移動可能である。遷移期間の間に、セメン
トコラムが自身を支え始め、水頭圧の影響が止まるにも関わらず、圧縮強度は流体移行を防
ぐには十分ではないため、流体移行は起こりうる。わずかな程度の変化が遷移期間に悪影響
をあたえることができる。
比重 (Density)
スペーサーの比重だけでなくスラリーの比重も、地層破壊圧を超えることなく、置換過程の
間に水頭圧を保つようデザインされなければならない。泥水、スペーサー、セメントスラリ
ーの動的なポンピング結果を検討するために、コンピューターでシミュレーションを行う必
要がある。こうすることで、セメンチング最中およびその後に、地層破壊圧を超えることな
く地層圧を抑制させることが確かにする。
圧縮強度 (Compressive Strength)
セメントは、坑井のライフサイクルを通してケーシングをサポートするのに十分な機械的性
質を得なければならない。必要とされる圧縮強度を得るためには、関連する比重と温度環境
では、特殊ブレンドセメントが要求される。
圧縮力のあるセメント (Compressive
Cement)
セメント内の圧縮されたガスは、遷移期間中のセメントのスラリー内の圧力を地層圧以上に
一定に保つ。また大量のガスは、脱水や収縮によるスラリーの体積減少を埋め合わせるのに
役立つ。
以下の 2 つの主要なセメントシステムが SWF を抑制するために開発された。
•
マイクロファインセメントをマイクロスフェアと併用した、低比重、高性能セメント
スラリー
•
窒素 フォームセメントで可変可能な比重な高性能スラリー
マイクロファインセメント (Mirofine Cement)
マイクロファインセメントは以下の特徴を備える。
•
地層破壊を防ぎ置換最中に全量リターンを可能にするように、比重を管理する余裕を
持たせる。
•
遷移期間を約 30 分に調整可能。
•
水頭圧を維持するために、脱水調整量を低くできる。
•
低スラリー比重かつ低温環境下で、必要とされる圧縮強度を得る。
窒素 フォームセメント (Nitrogen Formed Cement)
窒素 フォームセメントは以下の特徴を備える。
•
セメンチング作業中に比重変更が可能
•
遷移期間を約 45 分に調整可能。
•
脱水調整可能。
•
遊離水が少ない。
•
低スラリー比重かつ低温環境下で、より優れた圧縮強度とより一層の柔軟性を得る。
さらに、窒素 フォームセメントは最善の圧縮性を提供し、フロウを予防し、効果的な泥水置
換を備える。
窒素 フォームセメントを使用するのに必要なものは、以下のとおりである。
•
追加の特殊機材、ソフトウェア、専門知識を持った人員
•
デッキ上に極低温液体
•
より高い摩擦圧力損失
•
一般的に、特殊ブレントセメント
•
冷却されたテスト機材
スラリー比重の範囲はリードスラリーが 11.0 – 12.5 ppg で、テイル用のベーススラリー15.2
ppg である。比重は注入されるガスの量で容易に変更でき、セメントカラムの全体にわたっ
て比重を変更することが出来る。窒素セメントは、より高い摩擦圧力損失を持つ。
スラグセメントは一つの石油会社によって使用されてきた。スラグセメンチング製法は高炉
スラグを使用し、安価な硬化促進剤や希釈剤も併用して掘削用泥水をセメントに転換する。
流体の混和性が泥水のセメントとの汚染を低減し、コストを下げ、廃棄物を減少させること
が出来る。
この技術を、容易さ、様々なの泥水に対する広い適用性、著しい費用節減を兼ね備えること
に成功していないため、ひろく行き渡って使用されていない。しばしば、地層からの泥水の
汚染のために、新たに泥水を準備し坑井を置換する必要がある。従って著しい費用削減とは
なりえない。スラグセメントは、海底での低温環境ではブレンドの水和反応大幅に減少する
ために、シャロウフロウ対策には向いていない。
一般的に、生産用ケーシングセメンチングに使用される全ての技術を使用することを検討す
べきである。その他の論点として以下に含まれる点も評価されるべきである。
•
ケーシングのセントラリゼーション
•
ケーシングの回転と、もしくは往復運動(ケーシングハンガーの構造により、実現可
能ではないかもしれない)
•
リードセメントはテイルセメントの後に硬化するべきである。従ってシールが生じる
まで水頭圧を保つことが出来る。
•
フロウの生じる区間では高性能セメントを使用するべきである。
•
セメントはなるべく早く坑井にポンプされるべきである。
•
セメンチング前の海水循環は、掘削技術の項目でまとめられているように、最小にす
べきである。
•
スペーサーやセメントに染料を使用するのは、情報の手がかりとして、役に立つこと
が出来る。
•
ROV をセメントサンプルをマッドラインから取得するために使用すべきである。こ
れでセメントがマッドラインに戻ってきたか確認し、将来のセメント量を調整できる。
•
ソディウムシリケイト(ケイ酸ナトリウム)フラッシュは幾つかのベンダーによって
フィルターケーキを改善させるために推奨されている。
1.2.4.3 機械的にシャットオフさせる装置
シャローウォーターフローゾーンに対して機械的にシャットオフさせるシステムは、セ
メント以外にゾーンをシールさせるためのものである。セメントの硬化中、ハイドロス
タティックプレッシャーが減少することで、シャローウォーターフローゾーンによるセメ
ントの障害を発生させることがあるが、この障害を防ぐために機械的な装置を用いる
ことによりシールさせるものである。
シャローウォーターフローゾーンを機器的にコントロールする方法として 2 つ挙げられ
る。その一つとしてジェットストリングと、シャローフローゾーンをまたいでセットしよう
としているケーシングの間にインターミディエットケーシングを用いることで、ジェットス
トリングのシューを効率的に深くすることができる。このインターミディエットケーシン
グを用いることで、シャローウォーターフローゾーンを保持するのに十分なジェットス
トリングのシュー強度を確保することができる。2 つ目はインターミディエットケーシン
グとシャローウォーターフローゾーンをまたいで降下されるケーシング間のアニュラス
を機械的な装置を用いることでシールすることである。
少しの例外はあるが、システムのほとんどがこの考え方を用いている。他のアプロー
チとしてシャローウォーターゾーンを保持するフラクチャーグラディエントを与えるのに
十分な深さまでイニシャルジェットストリングを降下することもある。海底面下 800 フィ
ートまで降下することについては、既にフィージビリティスタディが開始されている。デ
ィープスターによれば、近い将来フィールドテストが実施されることとなっている。
シャローフローをコントロールするために考えられた機械的なシステム図面を以下に
示す。個々の図面については、基本概念、特徴、利点と欠点より構成される。
ほとんどのシステムが既に用いられているが、いくつかのシステムについては概念
的である。また、さらなるメカニカルシャットオフの方法を生み出すためにこれらのメカ
ニズムのいくつかを結びつけることができる。
これらのシステムは、ディープウォーター掘削をする上で必要とされる 38”や 42”のよ
うな大きなジェットストリングへ適用するために改良がなされるであろう。
ページ番号:1-47
これらのシステムの大半が、ガイドラインシステムでもガイドラインレスシステムでも
適用可能である。ウェルヘッドハウジング上にガイドベースが用いられるガイドラインシ
ステムやガイドラインレスシステムは、追加の特別機器を必要とする場合がある。
ファンネルダウンを用いたガイドラインレスシステムでは、より容易に適用される。こ
れらの機械的にシャットオフする装置については現在開発中であり、少なくとも新た
な 1 スリムホールシステムのデザインが考えられてきた。最新の技術がアベイラブル
かどうかを検討するには、ウェルヘッドベンダーとよく話し合うことが不可欠である。
フローゾーンをコントロールするために、ほとんどのシステムがピンコネクターと 26”ラ
イザーによる掘削に堪えうるものとなっている。しかしながら、ライザーを用いること
によりカッティングス分の比重のためシュー強度を超えてしまう場合や、砂層のチャ
ージングを引き起こす。また、ライザーの降下、回収および調達コストを考慮する必
要がある。
ガイドアンドアシスト(G&A)システムは、ウェルヘッドハウジングに付けられるフレー
ム上のポストを用いるガイドラインシステムを参考としている。ガイドラインレスのリエ
ントリーアッセンブリー(GRA)システムは、ウェルヘッドハウジングにつけられるファ
ンネルと合わさるガイドラインレスシステムを参考としている。
特定の試掘や開発井に用いられるシステムは、個々の坑井、あるいはロケーション、
オペレーターの考えに従い、リスクマネージメントを行う必要がある。
いくつかのシステムについて次頁以降に図面を用いて示している。
ページ番号:1-49
コンセプト
1.30”ハウジングに ROV バルブが付いた 30”CSG をジェッティングで挿入する。
2.ゾーンをライザーレスで掘削する。
3.一般的な 18-3/4”HP ハウジングでゾーンをまたいで 20”CSG を降下しセメンチング
する。
4.30”と 20”アニュラスのセメントと ROV バルブでゾーンをシャットオフする。
特徴
・30”×20”。
・ガイドラインあるいはガイドラインレス。
・G&A が降下されたら、G&A と 30”ハウジング間のシールで G&A がバルブの役割を
果たす。
利点
一般的な機器。
欠点
30”シュー強度はいつもシャットオフフローに対して十分という訳ではない。30”シュー
強度を超える場合がある。
ページ番号:1-51
コンセプト
1.30” CSG をジェッティングで挿入する。
2.コンダクターホールを掘削する。
3.一般的な 18-3/4”HP ハウジングで、ゾーン直上に 20”CSG パッカーをつけた
20”CSG を降下しセメンチングする。
4.パッカーとセメントでフローゾーンをコントロールする。
特徴
・30”×20”。
・18-3/4”ハウジングのブッシングで 30”CSG の代わりに 36”CSG を使うことができ
る。
・ガイドラインあるいはガイドラインレスの機器を使用できる。
利点
・20”パッカーを除き一般的な機器。
・セメントに加え、パッカーにより機械的にシールを与える。
欠点
・ワイパープラグが到達して圧力を保持しなければ、パッカーをきかせることができな
い。
・もし、パッカーが過度の量で膨張すれば、エレメントが破裂する。
・もし、パッカーの逆支弁が働かなければ、また、パッカーでセメントで膨張しなけれ
ば、ストリングの中間に穴が開くことになる。
・パッカーをセメントで膨張させることができるが、複雑なインナーストリングが必要と
なる。
・パッカーはセメントがセットアップされるまで最小限の圧力を保持させなければなら
ない。
・もし、パッカーが計画されていない、あるいは圧力が保持しなければ、フローをコン
トロールするためセメントのみが頼りとなる。
ページ番号:1-53
コンセプト
1.30” CSG をジェッティングで挿入する。
2.コンダクターホールを掘削する。
3.一般的な 18-3/4”HP ハウジングでゾーン直上に 20”CSG パッカーをつけた
20”CSG を降下しセメンチングする。
4.パッカーとセメントでフローゾーンをコントロールする。
特徴
・30”×20”。
・18-3/4”ハウジングにブッシングで 30”CSG の代わりに 36”CSG を使うことができ
る。
・海底面下か 18-3/4”ウェルヘッド内に 16”CSG をセットできる。
・ガイドラインあるいはガイドラインレスの機器を使用できる。
利点
・20”パッカーを除いて一般的な機器。
・セメントに加え、パッカーにより機械的なシールを与える(パッカーはセメントが硬化
するまで最小限の圧力を保持しなければならない。)
・ワイパープラグの後にセメントでパッカーをきかせることができる。
欠点
・ワイパープラグが到達して圧力を保持しなければパッカーをきかせることができな
い。
・トータルデプスに達するための CSG ストリングの数に限りがある。
・もし、パッカーがきかなければ、コントロールするにはセメントのみが頼りとなる。
・フローイングサンドと共に 16”パックオフをセットするのが困難となる場合がある。
ページ番号:1-55
コンセプト
1.ランディングショルダーをつけた 30” CSG をジェッティングで挿入する。
2.シャローフローゾーン直上までサブマッドラインハンガーをつけた 24”CSG を降下す
る。
3.ハンガーをランディングショルダーからピックアップしセメンチングする。
4.ハンガーセット。
5.もしアニュラスのテストが必要ならば、20”ライザーをピンコネクター上に降下する。
6.ピンコネクターと 20”とを共に、あるいは用いないで掘削する。
7.もしライザーを降下したらならば、ライザーを回収する。
8.一般的な 18-3/4”HP ハウジングでゾーンをまたいで 20”CSG を降下しセメンチング
する。
9.24”CSG と 20”CSG アニュラスとマッドラインハンガーシールにおいてセメントにより
ゾーンをシャットオフ。30”CSG のシューを超えるのを防ぐため 24”CSG シューが十分
な強度を与える。
特徴
・30”×24”×20”。
・30”のショルダーにランディングする 24”サブマッドラインハンガー。
・18-3/4”ハウジングにブッシングで 36”×26”を使うことが可能。
・ガイドラインあるいはガイドラインレスの機器を使用できる。
・24”ハンガーにエラストメリックシールを有する。
・24”シールデザインが可能-ライザーなしでテストと共に確実性が高い(メタルツーメ
タル)。
利点
・24”サブマッドラインを除いて一般的な機器。
・24”を除いて他に特別な機器を必要としない。
欠点
・20”×24”アニュラスのフローをシールするためセメントのみが頼りとなる(セメントの
トランジション中フローをコントロールできない)。
・セメンチング中 24”ハンガーをリングより吊り上げておく必要がある。
・30”×24”アニュラスがプアなセメントによりシールがリークすれば、セメントの矯正
のためライザーとビットのトリップが必要となり、テストのためのクリーンアウトが必要
となる。
・30”マッドラインリングの穴に限界があるので拡掘が必要となる。
・20”のための拡掘が必要となる。
ページ番号:1-57
コンセプト
1.30” CSG をジェッティングで挿入する。
2.コンダクターホールを掘削する。
3.シャローゾーン上に改良された 30”ハウジングをつけた 24”CSG を降下しセメンチン
グする。
4.ピンコネクターと 20”ライザーを用いて、あるいは用いずに掘削する。
5.もし、ライザーを降下すれば、回収する。
6.一般的な 18-3/4”HP ハウジングをつけた 20”CSG をゾーンをまたいで降下しセメン
トする。
7.24”×20”アニュラスにおいてのみセメントによりゾーンをシャットオフする。また、
30”シュー強度を超えるのを防ぐため 24”シューは十分な強度を与える。
特徴
・30”×24”×20”。
・30”の中へロックされ改良された 30”ハウジングをつけた 24”インターミディエットウェ
ルヘッド。
・下の一般的な 30”ハウジング上に G&A をランする。
・18-3/4”ハウジングにブッシングで 30”CSG の代わりに 36”を使用できる。
・ガイドラインあるいはガイドラインレスの機器を使用できる。
利点
・24”ハウジングを除いて一般的な機器。
・24”を降下する以外は他の特別な機器を必要としない。
・サブマッドライン、ハンガーシールアレンジメントを必要としない。
欠点
・ウェルヘッドは一般的な 30”/20”CSG よりも高い位置となる。
・20”×24”のみとしてのベンディングキャパシティがプレロードされる。
・20”×24”アニュラスにおいてセメントのみによりフローをシールする。
・20”のために拡掘が必要。
ページ番号:1-59
コンセプト
1.30” CSG をジェッティングにより挿入する。
2.コンダクターホールを掘削する。
3.シャローゾーン上に改良された 30”ハウジングをつけた 24”CSG を降下しセメントす
る(24”ハウジングポートへ接続された ROV バルブで排出する)。
4.ピンコネクターと 20”ライザーを用いて、あるいは用いずに掘削する。
5.もし、ライザーを降下すれば、回収する。
6.一般的な 18-3/4”HP ハウジングをつけた 20”CSG でソーンをまたいで降下しセメン
チングする。
7.セメンチング後フローイベントにおいて ROV バルブによりゾーンをシャットオフし、
30”CSG シュー強度を超えるのを防ぐため 28”シューは十分な強度を与える。
特徴
・30”×24”×20”。
・改良された 30”ハウジングで 30”CSG の中にロックされた 24”インターミディエットウ
ェルヘッド。
・ROV バルブで排出。
・一般的な 30”と 18-3/4”ハウジングを使用する。
・18-3/4”ハウジングのためのブッシングで 24”/26”のために改良された 36”で 36”を
使用できる。
・G&A を下の一般的な 30”ハウジング上に降下する。
・ガイドライン機器が使用可能。
利点
・24”ハウジングを除いて一般的な機器。
・24”を効果する以外は他の特別な機器を必要としない。
・サブマッドライン、ハンガーシールアレンジメントを必要としない。
・セメントのトランジション中、フローの機械的なコントロールを与える。
欠点
・ウェルヘッドは一般的な 30”/20”よりも高い位置となる。
・20”×24”のみとしてのベンディングキャパシティ(疲労)がプレロードされる。
・30”ハウジング上に G&A をランする(廃坑中バルブのストリッピングが必要)。
・GRA と共にコンパチビリティの評価が必要。
ページ番号:1-61
コンセプト
1.ランディングリングをつけた 30”CSG、あるいは 36”CSGをジェッティングで挿入す
る。
2.コンダクターホールを掘削する。
3.シャローフローゾーン直上にサブマッドラインハンガーをつけた 24”CSG、あるいは
26”CSG を降下する。
4.ハンガーをランディングリングからピックアップしセメンチング。
5.ハンガーをセット。
6.アニュラステストが必要ならピンコネクター上に 20”ライザーを降下する。
7.ピンコネクターと 20”ライザーを用いて、あるいは用いずに掘削可能。
8.もし、ライザーを降下したら、回収する。
9.アニュラスシールのハウジングを有する 18-3/4”HP ハウジングでゾーンをまたいで
20”を降下しセメンチング。
10.ハウジングランニングツールを有するハウジングシールでゾーンをシャットオフ。
30”シュー強度を超えるのを防ぐために 24”シューは十分な強度を与える。
特徴
・36”/30”×26”/24”×20”。
・ 36”/30”の中のリングにランディングする 24”/26”サブマッドラインハンガー。ライ
ザーなしでリプレイスとテストが可能なメタルツーメタルシールを与える。
・ガイドラインあるいはガイドラインレスの機器が使用可能。
・ポテンシャルフローをモニターするためのマッドラインハンガー下にリターンポートを
与えることが可能。
利点
・フローを機械的にコントロールする。
・24”/26”サブマッドライン機器を除いて一般的な機器。
・24”/26”を省略するオプションでは他に特別な機器を必要としない。
欠点
・セメンチング中 24”ハンガーのハングオフが必要。
・30”×24”アニュラスのプアセメントとシールリークの場合、セメンテーションの矯正
のためライザーとビットのトリップ、テストのためのクリーンアウトが必要。
・30”CSG が使用された場合、30”マッドラインリング上のボアに限度があるため拡掘
が必要。
・もし 24”が使用された場合 20”のための拡掘が必要。
・リプレイスではないハウジングシール。
P.62、63
Fig.1-10 SWF コンセプト 8
:36”,28”,20”w/20”bml CSG Hanger. And Pack off 18-3/4”HP Housing. Run & stub
into20”Hanger
コンセプト
1. 36”ハウジングジェッティング
2. コンダクターホール掘削(ライザーの有無は問わない)
3. SWF ゾーン直上まで 28”コンダクター・ハウジング降下、セメンチング
4. 掘進(Pin コネクターは使用してもしなくとも良い)
、26”ライザーセット
5. 20”CSG 降下、セメンチングし、シールつきマッドラインハンガー(コントロールラ
インの有無は問わない)上により SWF ゾーンを塞ぐ。
6. ライザー回収(使用時は)
7. 18-3/4”ハウジングを 20”マッドラインハンガー(ゴム製シールつき)にランディン
グさせる
8. サブマッドラインシール・28“シューによりゾーンを遮断させ、インテグリティ向上・
ブローチング防止する。
特徴
・
30”×28“×20”CSG の同時固定
・
サブウェルヘッドランディングショルダー付きの 28“インターメディエートウェルヘ
ッドを 28”ストリング中にセットできる。
・
サブマッドライン 20“ハンガーとシールはゴム製もしくはメタルシールによるランデ
ィングショルダーを有しており、取り外し・テスト可能(ライザーの有無に関わらず)。
・
28“インターメディエートハウジングに装着された 26”ライザーを通して、20”プラ
イマリストリングつきの 20”スプリットストリングを使用する。
・
ライザー無しで降下・テスト可能
・
18-3/4”ハウジング」はプライマリーストリングにランドし、ゴム製シールにより遮
断する、シールリーク時には回収し再セット可能。
・
18-3/4”ハウジングにつけるブッシング付きの 28”CSG を省ける。
・
ガイドラインエクイップメント・ガイドラインレスエクイップメントともに使用可能。
利点
・
ライザーコントロール有無に関わらず 20”CSG を SWF ゾーンに降下可能。
・
20“/28”間アニュラスの遮蔽信頼性が高い。
・
フローをメカニカルコントロールできる。
弱点
・
複雑シールが増え複雑になる。
・
使用パーツ数が多い。
・
26”ライザーの費用が高い。
・
26”ライザー使用時には 28”に穴を開けてしまう危険性がある。
・
18-3/4”ハウジング下の 20”ストリング内に追加中間シールがあるが、このために
18-3/4”ハウジングセットのためのトリップが必要になる。
・
18-3/4”×28”のプレローディングのためにブートストラップツールの降下が必要と
なる。
P.64、65
Fig.1-11 SWF コンセプト 9
: 36”,26”w/26”bml CSG Hanger & Packoff,20”CSG w /20”bml CSG Hanger &
packoff,18-3/4”HP Run Housing and Stab into 20”Hanger
コンセプト
1.
36”ジェッティング降下
2.
コンダクター坑掘削
3.
26”CSG をシャローウォーターフローゾーン直上まで降下、シールつきサブマッドライ
ンハンガー上でセメンチング
4.
シールテスト
5.
ピンコネクター・26”ライザーの有無に関わらず掘進
6.
20”CSG 降下・セメンチングし、シールつきマッドラインハンガーにて SWF ゾーン遮蔽。
7.
ライザー回収(使用時は)
8.
18-3/4”ハウジングを 20”マッドラインハンガー内にランディングさせる。
9.
サブマッドラインシール及び 26”シューにてシャローウォーターゾーンをシャットオ
フし、ブローチングを防止するためのインテグリティを得る。
10. 26”・36”内のマッドラインハンガーに 20”をつかせるオプションもある。
特徴
・
36”×26”×20”
・
20”サブマッドラインハンガーが 26”ハンガー内のゴム製もしくはメタルシール部に
ランドしシールする。またライザーの有無に関わらずテスト可能。
・
26”サブマッドラインハンガーにはシールがあり、テスト可能・交換可能。
・
20”プライマリストリング付きのスプリット 20”ストリングを使用すれば、36”ハウ
ジング内にラッチした 26”ライザー内を通過できる。
・
18-3/4”ハウジングがプライマリストリング内にランドし、ゴム製シールによりシー
ルする、リーク発生時には取り外し、再インストール可能。
・
36“ハウジング内にランディングさせるため、スタンダード 18-3/4”HP ハウジングに
接続されたブッシングを使用。
・
ガイドラインの有無に関わらない。
利点
・
ライザーコントロールの有無に関わらず SWF ゾーンを 20”CSG で遮断できる。
・
メカニカルによるフローコントロール可能。
・
28”ハウジングをなくすことによりウェルヘッドスタック高さを最小限に出来る。
・
36”ハウジングの中に 20”をランディングさせるので、ランニングツールスが不要で
あり、26”をより深くセットできる。
不利点
・
26”ライザー分の費用が発生(使用する場合)
。
・
26”ライザー使用の場合、26”CSG にブローチングが起きる可能性あり。
・
18-3/4”ハウジング下の 20”ストリングに追加シールがあり、18-3/4”ハウジングセ
ットのため追加トリップが生じる。
・
セメンチングのため 26”上のランディングショルダーをピックアップする必要がある。
パックオフが使用されている場合には、ピックアップの必要は無く、またライザーが
無くとも交換・テストが可能。
P.66、67
Fig.1-12
SWF コンセプト 10
:36”,26”,20”w/18-3/4” HP Housing w/Shutoff Sleeve on 36”Housing
コンセプト
1.
36”ハウジング(w/26”サブマッドラインランディングショルダー及びスライディン
グスリーブ付き)をジェッティング降下
2.
コンダクターホール掘進
3.
フローゾーン直上まで 26”CSG(サブマッドラインハンガー・シールつき)降下
4.
フローゾーンをまたいで 20”CSG 降下し、18-3/4”ウェルヘッドハウジング内にラン
ディング。
5.
18-3/4”ハウジング/36”スリーブ間のシール。
6.
セメンチング後、18-3/4”ハウジングランニングツールスにより、36”ハウジング内
のスライディングスリーブを調整。
7.
26”/20”間アニュラススリーブにより遮断し、フローゾーンをシャットオフと同時
に 26”シューインテグリティを保つ。
8.
ROV によりスリーブを撤去する方法もある。
特徴
・
36”×26”×20“
・
メタル/メタルシールにより 26”サブマッドラインハンガーはテスト可能。
・
36”内外フローを監視するため ROV によるバルブ操作することもある。
・
スライディングスリーブは着脱可能。
・
ガイドライン不要。
・
16”サブマッドラインもしくは 18-3/4”ハウジング降下可能。
利点
・
26”サブマッドラインハンガーの耐圧テスト可能
・
スタンダード 18-3/4”HP ハウジング(w/ブッシング)使用可能
・
セメントトランジション中のメカニカルフローコントロール可能
・
追加エクイップメント無しで 26”を省くオプションもある。
・
ウェルヘッドを低く出来る。
・
オプションでボールバルブを使用するときは、シャローフロービルドアップを観察で
きる。
不利点
・
スリーブをストリッピングするため、スペシャル G&A あるいは GRA が必要
・
36”ハウジングの改造が必要
P.68、69
Fig.1-13 SWF コンセプト 11
:36“,30”,26”,20”w/20”bml CSG Hanger & packoff 18-3/4”HP Housing run and stab
into 20”Hanger
コンセプト
1.
36”をジェッティング。
2.
コンダクターホール掘削。
3.
フローゾ-ン 1 直上まで 30”降下し、30”ハウジングにつかせてセメンチング。
4.
フローゾーン 1 をピンコネクター・26”ライザーの有無に関わらず掘削。
5.
ライザー回収(使用していたら)
。
6.
24”・26”降下・セメンチングし、26”マッドラインハンガーシールにてフローゾーン
1 を遮断。
7.
フローゾーン 2 を掘り抜く(ライザー・ピンコネクターの有無は問わない)。
8.
20”を降下し、サブマッドラインハンガーにつかせる。18-3/4”HP ハウジングを 20”マ
ッドラインハンガー内に降下しエラストマシールにより遮断する。
9.
フローゾーン 1 をサブマッドラインシールにより遮断し、ブローチングを防ぐため、30”
シューインテグリティテスト実施。
10. フローゾーン 2 を 20”サブマッドラインシールにより遮断し、ブローチングを防ぐため
24”シューインテグリティを確保。
11. 開発地域で使用する。
特徴
・
36”×30”×24“×20”
・
開発井用デザイン
・
サブウェルヘッドランディングショルダー付き 30”インターメディエートウェルヘッ
ドハウジング使用。
・
26”サブマッドラインハンガーと 24”/26”カバーが 1st ゾーンを覆い、エラストマシ
ールもしくはメタル/メタルシールつきの 30”サブで圧力をシールする(パックオフ
を使用すれば圧力テスト・リプレイスが可能)
。
・
20”サブマッドラインハンガーが着いてエラストマもしくはメタル/メタルシールで
26”内圧力をシールするため、ライザーの有無によらず圧力テストが可能。
・
30”インターメディエーイトハウジングにラッチした 6”ライザー内に降下した 20”
プライマリスプリット 20”ストリングが着底しシールする。
・
18-3/4”ハウジングがプライマリストリングの中にランドし、エラストマシールシー
ルする。シールリークがあった場合交換可能。
・
ガイドラインの有無に関わらない。
利点
・
シャローフローゾーンを 4 つのストリングでカバー
・
ライザーコントロールの有無に関わらず、20”CSG でアニュラーフローゾーンの 1/4 を
遮蔽できる。
・
26”×30”及び 20”×26”アニュラス内の圧力テスト可能。
不利点
・
必要品目が多い
・
複雑
・
26”ライザーの費用発生
・
26”ライザーを使用する場合、30”CSG に波孔が起こり得る。
・
18-3/4”ハウジング下の 20”CSG に追加シールがあった場合、18-3/4”ハウジング降
下のためトリップが必要。
・
あらかじめ、18-3/4”を 3”に乗せる前に、ブートストラップツールの降下が必要
P.71、72
Fig.1-14 SWF コンセプト 12
: 38 ” ,26”,20” w /18-3/4”HP Housing w/shutoff sleeve on 38”housing or
18-3/4”tieback to 20”sub-mudline hanger option
コンセプト
1.26”サブマッドラインランディングショルダー及びスライディングススリーブ付きの 38”
ハウジングをジェッティング
2.コンダクターホール掘削(ライザーの有無に関わらず)
3.ライザー回収(使用時は)
4.SWF ゾーン直上まで 26”CSG(サブマッドラインハンガー・シールつき)降下。ハンガーを
ピックアップせずにセメンチング(38”ハウジング上のポートからリターンを得ながら)。
5.SWF ゾーンをまたいで 20”CSG(26”CSG ハウジング/20”CSG 間アニュラスをシールする
18-3/4“付き)を降下する。
6.セメンチング後、18-3/4”ハウジングランニングツールによりアクティベートされた 38”
ハウジング上にスライディングスリーブ
7.スライディングスリーブにより 26”/20”間アニュラス及び 26”シューを遮断し、SWF ゾ
ーンを遮断し、ブローチングを防ぐためインテグリティテスト実施。
8.20”サブマッドラインをセットし、18-3/4”HP ハウジングと 20”サブマッドラインハンガ
ー間のタイバックをする。
特徴
・
38”×26”×20”
・
ベンディングモーメント許容の高いスーパーウェルヘッドハウジングを使用。
・
26”サブマッドラインハンガーはメタル/メタルシールであり、何回もインストール
できる、ライザーなシでもテスト可能。
・
ガイドラインの有無に関わらずオペレーション可能
・
20”サブマッドラインハンガー、及び 18-3/4”ハウジングへのタイバックが可能(ス
リーブ不要)
。
・
20”サブマッドラインシールは、メタルシールであり再インストール可能、ライザー
がなくともテスト可能。
・
18-3/4”ハウジング内に 16”サブマッドラインを降下できる。
利点
・
26”サブマッドラインハンガーのテスト可能。
・
18-3/4”スーパーウェルヘッドハウジング
・
セメント硬化中にもフローをメカニカルにシャットオフできる。
・
追加設備無しで 26”CSG を省略できる。
・
セメント排出中は 26”ピックアップし、ショルダーを外しておく。
欠点
・
38”降下用器具を特注しなければならない。
・
38”ハウジングを特注しなければならない。
P.73、74
Fig.1-15 SWF コンセプト 13
:38”,26”,20”w/18-3/4”Super Wellhead Housing w/nested housings and ROV valve
コンセプト
1.
26”サブマッドラインランディングショルダー付きの 38”をジェッティングし、38”ハ
ウジング上には ROV バルブをセットする。
2.
コンダクターホール掘削(ライザーの有無、ピンコネクターの有無は問わない)
3.
ライザーを使用していた場合は、ライザー回収。
4.
SWF ゾーン直上まで 26”CSG を降下し、38”ハウジングとのシールとなっている Nested
Housing につかせる。
5.
セメンチング、38”ハウジング上のロアーポートからリターンを得る。
6.
SWF ゾーンをまたぐように 20”CSG を降下し、18-3/4”Super Wellhead Housing につか
せる、18-3/4”Wellhead Housing は 26”ハウジング内をシールする。
7.
26”/20”アニュラスを ROV バルブにより遮断し、ブローチング防止のため 26”シュー
付近のインテグリティテストをする。
8.
20”サブマッドラインをセットし、18-3/4”ウェルヘッド/20”サブマッドラインハン
ガー間のタイバックをする、CSG ハンガーのシールはゴムで行う。
9.
圧力監視のため ROV バルブを使える。
特徴
・
38”・26”・20”Nested Housing を同時にセット。
・
高ベンディング耐力を持つスーパーウェルヘッドハウジング使用。
・
ガイドラインの有無に関わらない。
・
20”サブマッドライン CSG ハンガー使用可能、また 18-3/4”Housing/26”ライザーの
タイバック可能。
・
バルブ不要フルストリング降下あるいはアニュラス監視時にバルブを立てられる。
・
20”サブマッドライン、シールはメタル/メタルで再インストール。再テスト可能。
利点
・
18-3/4”Super Wellhead Housing。
・
セメント硬化待機中にも機械的に SWF をコントロールできる。
欠点
・
38”降下用器具を特注しなければならない。
・
38”ハウジングを特注しなければならない。
・
26”を省くことも出来るが、ブッシングの追加やダミーハウジングが必要。
1.2.5
Remedial Operations and P&A Concerns
シャローウォーターフローがパイプ背後に入り込んでしまうと、抑え込むのは非常に難し
いが、一般的には、なんとか一時的にフローを止めてセメントプラグによりコントロールす
る。
フローインタバル及び圧力を認識することは非常に重要である。LWD データを使用して無
ければ、フローインタバル特定のために、温度測定ツール・ノイズログ・サーマルディケイ
ログを降下せねばならない。しかし、このデータを解読するのは難しいし、経験からこの予
測に本当に使えるデータはサーマルディケイログのみである。
もしフローインタバルを特定できれば、それを抑えるための作業は可能である、ビハイン
ドパイプフローがあった場合には、CSG にパーフォレートしてセメントリテイナーをセット
し、キルマッドを押し込めばいい。
一回フローがとまれば、アニュラスシールのためセメントを流し込む。セメント種類とし
ては色々考えられる(ディーゼルオイルセメント、シンセティックセメント、通常型、低比
重セメントなど)。
しかし、大部分のケースにおいてサイズ上の問題や置換レート問題があり、CSG 背後の空
間をセメンチングするのは非常に難しい。非常にまれなケースだが、セメンチング後に泥水
経路が発生することもある。坑口から何百 ft も離れた場所で、溢泥を生じることもある。