FOOD Contact Materials(FCM)

FOOD Contact Materials(FCM)
食品に接触する素材および製品の解説④
物質ごとの具体的な要求事項
特定物資/製品の特定移行限度(Specific migration limit, SML)の要求事項を下表にまと
めて示します。
製品
ポリカーボネート
(哺乳びん以外)
エポキシコーティング
物質
ビスフィノール A
CAS 番号
80-05-7
SML 制限値
0.6mg/kg
(a) BADGE
(b) BADGE. H20
(c) BADGE. 2H20
(a) BADGE. HCL
(b) BADGE. 2HCLH20
(c) BADGE. H20.HCI
ポリ芳香族アミン、PAA
001675-54-3
076002-91-0
005581-32-8
013836-48-1
004809-35-2
22947-06-0
9mg/kg または
9mg/6dm2
香港および中国を原産
地とするポリアミドプ
ラスチック台所用品
香港および中国を原産 ホルムアルデヒド
地とするメラミンプラ
スチック台所用品
エラストマー、哺乳びん N-ニトロソアミン
の乳首およびおしゃぶり N-ニトロサブル
1mg/kg または
1mg/6dm2
検出しないこと
(DL = 0.02mg/kg)
15mg/kg
0.01mg/kg(N-ニト
ロソアミン)
0.1mg/kg(N-ニト
ロサブル)
ビスフィノール A
ビスフィノール A(2, 2-ビス (4-ヒドロキシフェニル) プロパン、BPA)は、ポリカーボネー
トの食品容器や、食品の缶詰/飲料缶を作るときに使用されるプラスチックおよび樹脂の製
造に用いる化学物質です。BPA は、規則 (EU) No 10/2011 に示された認可物質のユニオン・
リスト(Union List)に FCM 物質番号 151 として記載されています。FCM の要件を満たし、SML
が 0.6mg/kg を超えなければ、
モノマーまたは原料として使用することが認可されています。
BPA はポリカーボネート哺乳びんを製造する際の使用が禁止されています。2011 年 6 月 1
日以降、EU 市場で販売することはできなくなっています。
エポキシ誘導体
アクティブおよびインテリジェント素材および製品など、以下の物質を、食品に接触する
素材および製品の製造に使用することは、規則 (EC) No 1895/2005 で規制されています。
(a) 2, 2-ビス (4-ヒドロキシフェニル) プロパン、ビス (2, 3-エポキシプロピル) エー
テル、BADGE (CAS No 001675-54-3) およびその派生物。BADGE は素材および製品の製
造に使用できますが、指令 82/711/EEC および指令 2002/72/EC で定められた規則にし
たがって試験をしたとき、BADGE の含有は規則 No 1895/2005 の移行限度内であること
が要求されます。
(b) ビス (ヒドロキシフェニル) メタン、ビス (2, 3-エポキシプロピル) エーテル、BFDGE
(CAS no 039817-09-9)
(c) 他のノボラック・グリシジルエーテル、NOGE
BFDGE および NOGE を食品に接触する素材および製品の製造に使用することは禁じられ
ています。
tuv.communication
2014 年 第 1 号掲載
(c) TÜV Rheinland Japan Ltd.(無断転載・転用を禁じます)
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ポリアミドとメラミンプラスチック
規則 (EU) No 284/2011 は、中国および香港を原産地とするか、または中国および香港から
出荷されるポリアミドおよびメラミンプラスチック製の台所用品の輸入に関し、特定の条
件および詳細な手続を定めています。輸入者は貨物ごとに、第一級芳香族アミン(PAA)およ
びホルムアルデヒドの放出に関する要求事項を満たすことを確認した宣言書を、所管当局
に提出しなければなりません。該当要求事項事項は、指令 2002/72/EC の付属書 V のパート
A「一般仕様」、および付属書 II のセクション A「モノマーおよびその他の原料の認可リスト」
に定められています。詳しくは、中国および香港からのポリアミドおよびメラミン台所用
品に関する EU ガイドラインをご覧ください。
N-ニトロソアミンおよび N-ニトロサブル
エラストマーまたは哺乳びんの乳首、おしゃぶりから放出される、N-ニトロソアミンおよ
び N-ニトロソアミンに変化し得る物質の量には上限値があり、指令 93/11/EEC で制限され
ています。
温度 40 ± 2ºC で 24 時間浸漬したとき、
哺乳びんの乳首およびおしゃぶりから、
下記の量を上回る放出は禁じられています。
- N-ニトロソアミン放出総量 0.01mg/kg(エラストマー製またはゴム製の哺乳びん乳首
またはおしゃぶり)
- N-ニトロサブル放出総量 0.1mg/kg(エラストマー製またはゴム製の哺乳びん乳首また
はおしゃぶり)
詳しくは、以下参考資料をご参照下さい。
1. Regulation (EC) No 1895/2005 on the restriction of use of certain epoxy derivatives
in materials and articles intended to come into contact with food.
2. Commission Regulation (EU) No 284/2011 of 22 March 2011 laying down specific
conditions and detailed procedures for the import of polyamide and melamine plastic
kitchenware originating in or consigned from the People’s Republic of China and Hong
Kong Special Administrative Region. China.
3. Commission Directive 93/11/EEC of 15 March 1993 concerning the release of the
N-nitrosamines and N-nitrosatable substances from elastomer or rubber teats and
soothers.
◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: info@jpn.tuv.com)までお願いします。
tuv.communication
2014 年 第 1 号掲載
(c) TÜV Rheinland Japan Ltd.(無断転載・転用を禁じます)
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