2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― アミカケ部分は 2004 年度版からの変更点です。削除された項目は特に明記していません。 できる限り意訳は避けていますが、日本語としてわかりづらい場合は意訳しています。 訳文の不備により利用者が何らかの不利益を被ることとなっても訳者は一切の責任を負いません。 あらかじめご了承の上ご利用ください。 FIA世界ラリー選手権 1. 一般規定 FIA が FIA 世界ラリー選手権(選手権)を組織し、所有する。そして二つの選手権タイトルを含む。その1つはドライバ ー部門、もう一つはマニュファクチャラー部門である。選手権は最大16イベントから成る。 選手権は、FIA 国際スポーツ法典とその付則(法典)、一般規定(規定)、そして現行の選手権特有のスポーティング規則 によって運営される。 2. 参加車両 2.1 グループ プロダクションカー - グループN ツーリングカー - グループA(ワールドラリーカーを含む) 2.1.1 ジュニア世界ラリー選手権のラリーでは、シリンダ容積(排気量)が 1400 から 1600cc までのグループA(A6 クラス)の2輪駆動車のカテゴリーに参加できるのはスーパー1600 車両と 1600cc 未満のマニュファクチャラーズカップ の技術規則に基づいており、かつFIA規則に従っている車両のみである。また、ジュニア世界ラリー選手権に参加しな い競技者であっても、タイヤの製造元が自由であるという点を除き、ジュニア世界ラリー選手権規定の第 7 項と第 8 項(サ ービスとタイヤ)を遵守しなければならない。 2.1.2 プロダクションカー世界ラリー選手権のラリーでは、この選手権に参加しない競技者であっても、プロダクショ ンカー世界ラリー選手権規定の第 7 項と第 8 項(サービスとタイヤ)を遵守しなければならない。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 参考:プロダクションカー世界ラリー選手権規定 7.サービス 7.1 競技者に割り当てられる総スペースは最大 10×10m とする。 7.2 1度のサービスで1台の車両の作業が許されるメカニックの人数は最大5人とする。この条項の不履行はラリ ーオフィシャルによって審査委員会に報告され、失格を最高とするペナルティを科す。 7.3 各エントラントは車両毎に個別の5枚のタバード(もしくはその他の識別用の衣服)を与えられる。車両(も しくはそのサービス時に当該車両から取り外された部品)への作業を行う場合にはメカニックはこの5枚のタバー ドの内の1枚を着用していなければならない。 7.4 有線接続もしくはメモリカード以外による車両とのデータ交換(データのやりとり)は禁止される。車両との データ交換はその車両のへの作業と見なされ、データ交換を行うメカニックは、タバードを着用しなければならな い。 タバードは1度のサービスの間に複数のメカニックが利用してもよい。 タバードを着用したメカニックはタバードを着用していない者によって手渡された部品を受け取り、取り付けるこ とができる。 8. タイヤ 各ラリーについて、スペアホイールも含め、各車両が使用できるタイヤの最大数はFIAとオーガナイザーにより 決定される。この数はラリー開始の少なくとも4週間前までに関係チームに通知される。この規則を破った競技者 はラリーオフィシャルによって審査委員会に報告され、失格を最高とするペナルティを科される。 各車両について、スペアホイールの最大数は2である。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 1 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2.2 クラス クラスごとに最小台数の5台が出走すれば認められる。:この数に達しない場合、そのクラスに関係する競技者は次のク ラスに上がる(訳注:排気量の大きいクラスで競う)ことで認められる。 ラリーの特徴 3. 3.1 路面タイプ オーガナイザーの ASN(訳注:= Authority Sport Nationale・各国の自動車スポーツ連盟・日本では JAF)によって特認 が要求され、FIA によってそれが認められない限り、単一タイプの路面(アスファルトまたはグラベル)がラリーのスペ シャルステージとして用いられなければ成らない。 3.2 スペシャルステージ 3.2.1 スペシャルステージの総距離は最短 340km、最長 360km とする。 3.2.2 競技長と FIA 安全委員会の共通決議によってヘリコプターが飛行できないとき、指定病院までの救急車の移動時 間が救急委員長と FIA 安全委員会間での協議によってふさわしいと定められた時間よりもながくなる場合にはスペシャ ルステージは延期または中止される。 3.2.3 黄旗の使用に関するポイント a) 黄旗は各ステージの(約5km ごとに置かれた)ラジオポイントで利用できなければならない。 b) 黄旗は競技長の指示によってのみクルーに提示される。 その旗はラジオポイントの表示された明確に区別できる黄色のジャケットを着用したマーシャルによってのみ提示され る。旗を提示する時間は記録され、競技長によって審査委員会に提示される。 c) レッキ中、ラリー一般規定で定められた記号を示す標識が各ラジオポイントの位置に提示されなければならない。こ の標識は小さくてもよいが、レッキを行っているクルーがペースノートにその位置を記すことができるようはっきりと見 えるものでなければならない。 d) 提示された黄旗を通過する際、ドライバーは直ちに減速し、スペシャルステージの終わりまでそのスピードを維持し なければならない。また、その後に出会ったマーシャルもしくはセーフティカーのドライバーの指示に従わなければなら ない。旗は事故の手前にあるすべてのラジオポイントで提示される。この規定の不履行があった場合、審査委員会の自由 裁量によりペナルティを科される。 e) スペシャルステージのどの地点においても黄旗以外の旗が配置されることはない。 f) スーパースペシャルステージでは異なる信号システム(例:クリスマスツリー)が使われるかもしれない。詳細は特 別規則に含まれなければならない。 3.3 ロードセクションの平均速度 ロードセクションの平均速度はラリーが行われる国で有効な現行の法律に従ったものでなければならない。この速度はロ ードブックに明記されなければならない。 3.4 スペシャルステージにおける最高平均速度 以下を推奨する: a) グラベルまたはルースサーフェス(グリップの低い路面)を走行するスペシャルステージにおける平均速度は 130km/h を超えるべきではない。 b) アスファルトまたはシールドサーフェス(グリップの高い路面)を走行するスペシャルステージにおける平均速度は 110km/h を超えるべきではない。 3.5 スタート順と間隔とリスタート 3.5.1 a) レグ1 第1(P1)および第2プライオリティ(P2)ドライバーはその年の世界選手権ドライバー部門の暫定順位を順序とし てレグ1をスタートする。選手権の第1戦については、スタート順は前年の最終順位とする。前年の世界選手権ドライバ ー部門に順位がないドライバーについては FIA が順序を決定する。 b) 第3プライオリティ(P3)ドライバー(ジュニア世界選手権もしくはプロダクションカー世界選手権に参加したドラ 2 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― イバー)はその年の各選手権の暫定順位を順序としてレグ1をスタートする。最大 30 台のこれらの車両は車番 31 から 60 が付けられる。選手権の第1戦については、スタート順は前年の最終順位とする。前年に順位がないドライバーの順 序は FIA が決定する。 その他のすべてのドライバーはオーガナイザーが勧める順にスタートする。これらの車両は車番 61 以降が付けられ c) る。 3.5.2 レグ2とレグ3(スーパースペシャルステージを除いた前のレグの最終スペシャルステージのフィニッシュ時に 決定される順位に基づく) a) レグ1またはレグ2でリタイアしたクルーは、次のレグのスタートからラリーをリスタートすることができる。しか し、当該クルーはそのクルーがリタイアしたスペシャルステージを含む、走行できなかった各ステージについて、そのド ライバーのプライオリティグループの最速タイムに5分のペナルティを加えたタイムを科せられる。ノンプライオリティ ドライバーについては該当するクラスで記録された最速タイムに5分のペナルティが加えられる。最終ステージ後にリタ イアした場合には、当該クルーは(注:そのステージをフィニッシュしたにもかかわらず)最終スペシャルステージを走 行できなかったものとみなされる。 b) P1 および P2 ドライバーは審査委員会が国際スポーツ法典の 141 項を適用するグループとして再スタートする。この グループの先頭の 15 人のドライバーは逆順でスタートする。残りのドライバーは暫定の総合順位の順で再スタートする。 c) P3 ドライバーは通常審査委員会が国際スポーツ法典の 141 項を適用する暫定順位の順で P1 および P2 ドライバーの 後のグループとして再スタートする。 d) 安全に基づいた審査委員会の決定があれば、残り全てのドライバーは暫定総合順位の順序でプライオリティドライバ ーの後のグループとしてリスタートする。 ラリーのスタートにおいて、先頭 20 名の P1および P2ドライバーは少なくとも2分のスタート間隔をとること。 3.5.3 後に続くレグについては、不完全な非公式順位(訳注:暫定順位)の先頭 20 名の P1および P2ドライバーは最低2分間 隔をとる。しかし、ラリーのスタートポディウムでのスタート間隔はオーガナイザーの自由裁量に委ねられる。この点に ついてはそのラリーの特別規則に含まれなければならない。 スペシャルステージを走行しない選手権のラリーもまたこの規則に従わなければならない。 3.6 広告、車番およびドライバーの名前 広告 3.6.1 自動車のマニュファクチャラーの名前がラリーの名前から連想されるものであってはならず、オーガナイザーが義務づけ る広告スペースに表示されてはならない。 車番(訳注:直訳では競技番号) 3.6.2 FIA 世界ラリー選手権においては、オーガナイザーが各クルーに与え、以下に述べる車の位置に貼り付けられなければな らない。 3.6.2.1 周囲に1cm の白い部分を含む幅 67cm、高さ 17cm の前ドアパネル2枚。このパネルはその前方部に常に 15cm×15cm の車番を含む。番号が 99 を超える場合、幅が増やされる。数字はつや消しの黒地に蛍光黄色(PMS803)の高さ 14cm、文 字幅2cm であること。ドアパネルの残りの部分はオーガナイザーが使用するために確保される。 3.6.2.2 各パネルは左右前ドアの前端に、車番と水平に配置される。プレートの上部は窓の底辺の下方7~10cm の間にく ること。 3.6.2.3 パネルの 10cm 以内には車両の配色以外の標識を配置してはならない。 3.6.2.4 幅最大 30cm、高さ 10cm の後部窓パネル1枚はオーガナイザーが使用するために確保される。このパネルは特別 規則で示されるように後部窓の上部中央の右もしくは左に配置され、15cm 四方の範囲に隣接する。この範囲には透明地 に蛍光オレンジ(PMS804)の高さ 14cm の車番を含む。これらの数字は反射するものでもよい。また後方から視認できる ものであること。 3.6.2.5 両リアサイドウィンドウ(後部側面窓)用の車番2枚。高さ 25cm で文字幅が少なくとも 25mm の蛍光オレンジ (PMS804)であること。反射してもよい。これらの数字はドライバーの名前(3.6.3 項参照)と共にリアサイドウィンドウ の上部に配置されること。 3.6.2.6 幅 50cm、高さ 52cm の屋根パネル1枚。パネル上部が車両前方に向いて配置されること。一般規定 10.2 項にある 3 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ように、幅 5cm 高さ 28cm の蛍光オレンジ(PMS804)の車番は幅 50cm、高さ 38cm の白地に表示されること。 3.6.2.7 フロント用として:車番を含め、幅 43cm×高さ 21.5cm の長方形にあてはまるプレート一枚。 3.6.3 ドライバーの名前とコドライバーの名前 3.6.3.1 ドライバーの名前はドライバーのパスポート国籍の国旗と共に車両の両リアサイドウィンドウの車番の下部に表 示しなければならない。姓(名字)のみで、 - ヘルヴェティカ(訳注:フォント名。Windows では Arial)名前の1文字目は大文字で残りは小文字であること。 - 透明地に白字であること。 - 高さ 10cm で文字幅 1.5cm であること。 3.6.3.2 前項に加え、国旗を伴ったドライバーとコドライバーの名前を車両のフロントフェンダーに表示しなければなら ない。 ドアプレートと車番 3.7 参加費 3.7.1 世界選手権に参加する各マニュファクチャラーに対し、28,000 ユーロの標準参加費が選手権の各ラリーに対し て課される。登録されたマニュファクチャラーより参戦する3台目の車が選手権に参加するための参加費は、3,000 ユー ロである。 3.7.2 エントリーの標準的な締め切り日はラリースタートの5週間前にすべきである。 4 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.8 スペシャルステージの騒音レベル 安全面での理由から、スペシャルステージにおいてのみ、排気サイレンサー(消音マフラー)を迂回することの可能性が 推奨される。排気ガスの出口は附則 J 項と一致するように設置され、ガスが通り抜ける触媒が車両に取り付けられている こと。いかなる場合においても、ロードセクションでは常に騒音レベルは附則 J 項に一致するものでなければならない。 3.9 トラッキング(追跡)システム 全ての車両に以下のようにシステムを取り付けなければならない。: - FIA 認定の安全トラッキングシステムは車検時に確認される。収集情報の返信と器具についての使用説明は各オーガナ イザーによって支給される。 - FIA 認定のトラッキングシステムは禁止されたサービスが車両に対して行われていないことを確認することを可能にす る。 - ラリー中にこのシステムを悪用した場合、審査委員会に報告され、失格を最高とする罰則を競技者に科すことになる。 3.10 タイヤ規定 3.10.1 a) タイヤの使用本数(モンテカルロを除く) タイヤパターン モンテカルロラリーを除く全ての世界選手権ラリーにおいて、参加する各マニュファクチャラーに対し、2つのタイヤパ ターンが認められる。 - 選手権にマニュファクチャラーによって登録された P1 および P2 ドライバー: これらのパターンは附則5項の時間表 で与えられる期限に従い、イベントの開始前に FIA に登録されなければならない。 - 選手権にマニュファクチャラーによる登録なしに参加する P2ドライバー: タイヤパターンは車検時に登録されなけ ればならない。車検では P2ドライバーは申告し、2タイプのタイヤのスケッチ図または写真(パターンと寸法)を提出 しなければならない。 - これらのタイヤはラリー中にのみ使用される。各パターンについて、その寸法が提出され、左タイヤが右タイヤと異な る場合、それらは対称でなければならない。ハンドカットすることは許される。 b) タイヤの本数 さらに、マニュファクチャラーによって参加する P1および P2ドライバーは、附則5項の時間表で与えられる期限に従 い、各ドライバーが使用するタイヤのバーコードのリストを FIA に提出しなければならない。 - ドライバーは他のドライバーのためにマーキングされたタイヤを使ってはならない。 - FIA はラリーの走行中、常にタイヤが正しくマーキングされ、各ドライバーのために割り当てられたタイヤを用いてい ることを確認する権利を持つ。 各タイヤは個別のバーコードナンバーを持たなければならない。 c) バーコードリスト: 登録されたマニュファクチャラーチームのクルーとジュニア世界ラリー選手権に参加するクル ーはこの TC がスペシャルステージに続く場合、各サービスパークの出口 TC で TC 通過後 30 分以内に車両に取り付けるバ ーコードの番号を提出しなければならない。 モンテカルロでのタイヤ本数 3.10.2 アスファルト用の2タイプのタイヤ(スパイクタイヤではないもの)に加え、モンテカルロラリーについてはもう1タイ プのタイヤを登録することができる。:それは2リッターターボ車(またはその他のクラスで公認された上限をもつ車両) 用に 8x18インチのリムに合うものでなければならない。スタッドの数はそのラリーの特別規則で定められなければな らない。 3.10.3 グループN車両のフォームラバー(気泡ゴム・訳注:ムースタイヤ)使用の禁止 グループNにおいて、内部圧力が大気圧以下のタイヤの十分な性能を保つためのあらゆる手段の使用は禁じられる。タイ ヤの内部(リムとタイヤの内側部分との空間)は空気でのみ満たされなければならない。 3.10.4 タイヤ規定 スペシャルステージが含まれていない区間であれば、サービスパーク間やスタートからの区間、ラリーフィニッシュへの 区間のリエゾンセクションでは、登録していないパターンのタイヤを使用してもよい。 3.10.5 ステージの開始が各競技者について 10 分以上遅れた場合、タイヤの空気圧の調整は許される。 5 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 3.11 シェイクダウン中の何らかの出来事のためにクルーがセレモニアルスタートと木曜夜のスーパースペシャルステー ジまたはそのどちらかに参加できない場合、審査委員会に報告され、必要な車検に合格することを条件として金曜朝の割 り当てられた時間に残りのラリーをスタートすることが許可される。これらの事情によって影響された(訳注:救済され た)クルーはそのプライオリティグループ(P1、P2、P3そしてノンプライオリティドライバー)内で記録されたスー パースペシャルステージの最速タイムに 30 秒を加えたタイムを割り当てられる。さらに当該クルーはセレモニアルスタ ートに参加しなければならない。 3.12 エンジン数の制限 3.12.1 エンジン マニュファクチャラーによって参加する車両は、対に組み合わされたラリーについては同じエンジンが装備されなければ ならない。エンジンは競技者番号に割り当てられる。 同じエンジンで走行するラリーのリストは以下の通り: 1. モンテカルロ と スウェーデン 2. メキシコ と ニュージーランド 3. イタリア と トルコ 4. キプロス と ギリシャ 5. フィンランド と ドイツ 6. アルゼンチン と イギリス 7. 日本 と オーストラリア 8. フランス と スペイン 3.12.2 エンジンのシーリング マニュファクチャラー参加の各車両のエンジンは、各対の最初のラリーのスタート時に車検員によって封印され、対の2 番目のラリーの終わりまで封印が残されなければならない。 これらの封印は次の場合にのみ破ってもよい。: - (車検員の監視下でのみ)オイルパンの交換 - 車両が対の最初のラリーで完走しない場合(新しいエンジンは2番目のラリーの前に封印される) 車両が最初のラリーを完走し(従って、最終結果に掲載される)、(オイルパンの交換を行った場合を除き)封印が対の 2番目のラリーの前に破られているのが発見された場合、審査委員会により次のイベントで 60 秒のペナルティが科され る。 3.13 機械部品の制限 選手権の登録マニュファクチャラーによって参戦する車両については、次の部品を各ラリーの前に封印する。: - 車両に取り付けられたフロントサブフレーム1とリアサブフレーム1 - 1チーム2台の車両用のスペアのフロントサブフレーム2とスペアのリアサブフレーム2 - 車両に取り付けられたステアリングラック1 - 1チーム2台の車両用のスペアのステアリングラック2 これら全ての部品はラリーが終了するまで封印が残されていなければならない。 車両は常に封印されたフロントサブフレーム、リアサブフレームおよびステアリングラックを装備していなければならな い。 3.14 シャシー数の制限 選手権の1シーズン間に各2台体制のチームにつき 10 個以上のシャシーを使用することはできない。 全損の場合には、2つまでの追加シャシーが FIA によって許可される。 6 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― サービスとリタイア時の修理 4. 4.1 サービスパーク ラリーを通して、シェイクダウンからサービスパークは一つであるべきである。ラリーのアイティナリを通して 4.1.1 リモートタイヤフィッティングゾーン(タイヤ交換のみのサービス)の使用を許可する権利放棄(特別認可)が FIA によ ってされることがある。 サービスパーク内における各ラリーカーは以下のように時間が定められる。: 4.1.2 a) 一日のうちで最初のSSの前:10 分 b) 2つのステージ群の間:(3 分のテクニカルチェックゾーン後)30 分 c) レグ1とレグ2の終わり:45 分 4.1.3 サービスパーク間のスペシャルステージ距離は最大 120km とする。 4.1.4 P1 および P2 ドライバーのエントラントは、参加車両1台につき8名までサービスクルーをつけることができる。 リフューエルエリア、タイヤ交換エリアを除くサービスパークにおいては、これらのサービスクルーはFIAから支給さ れたアームバンドを着用しなければならない。 4.2 リモートタイヤフィッティングゾーン サービスパークに加え、リモートタイヤフィッティングゾーンが設定される。 4.2.1 リモートタイヤフィッティングゾーンは、次のようなものであること。: - 一般規定のスペシャルステージ距離(12.5.1 項)にのっとったもの。 - その入口と出口はタイムコントロールで定義されること。 - 各車両の時間(訳注:滞在時間)は 10 分を超えないこと。 - タイヤ交換および 4.2.3 項に基づくサービスが認められる。 - 出口のタイムコントロール後にタイヤマーキングゾーンを組み合わせること。 - 4.2.2 項に示すように、認可されたチーム員、ラリーオフィシャル、および適切なパスを持ったメディアのみ立入りを 認める。 - サービスパーク外において、タイヤのカッティング、および人為的にタイヤを暖めるあらゆる手段を用いることを禁止 する。 いかなるタイヤフィッティングゾーンにおいても、ゾーン内に立ち入ることができるサービス員は競技車両ごと 4.2.2 に最大2名とする。ゾーン内では、クルーとサービス員2名のみが車両への作業を行うことができる。リモートタイヤフ ィッティングゾーンは、サービスパークと同様に同じチーム員がゾーンに入ることができるように配置されることが推奨 される。 推奨ルートの指示が与えられなければならない。 4.2.3 リモートタイヤフィッティングゾーン内では、ジャッキ・シャシースタンド(訳注:リジッドラック)・ホイー ルナット用スパナ・トルクレンチおよび(ただの)水の使用を除き、サービス員は競技車両に乗せて運んできた装備、パ ーツ、工具のみを使用しなければならない。工具は必要な照明を含め、バッテリーで動作するものであるかもしれない。 4.2.4 水は、(充填装置が使われているものも含め)車両システムに加えることができる。(訳注:水を必要とする箇 所に補充することができる。) 4.2.5 (一般規定の)12.2.2 項に対する特例として、リモートタイヤフィッティングゾーンにサービス員が移動する ための車両進入許可証が競技車両1台につき1枚発行される。 各車両に対して、最大 12 本のタイヤをリモートタイヤフィッティングゾーンに運ぶことができる。選手権にマニュファ クチャラー登録され参加する P1 と P2 ドライバーの場合には、これら最大 12 本のタイヤのバーコードリストをサービス パークの出口タイムコントロールでその TC から出発する際、またはそれより前に提出しなければならない。 7 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 4.3 フレクシサービス – 45 分 4.3.1 45 分のフレクシサービスでは、パルクフェルメから一般規定の 12.3.2 項の示された必要条件に従った入口と出 口のタイムコントロールに隣接するサービスパークまで競技車両を移動(排除)することが許される。 4.3.2 45 分のフレクシサービスの実施に対し、クルーは指定された時刻(一般規定 18.6.11 項参照)にパルクフェル メに入る。スペシャルステージの後に続く場合、このパルクフェルメの前に3分間のテクニカルチェッキングゾーン(訳 注:車両検査区域)を設置してもよい。この区域では車重を測ってもよい。 4.3.3 次にクルーはサービスパークに入る、もしくはパルクフェルメで車を離れることになる。競技中の車両はパルク フェルメからサービスパークまで、またその逆の区間のみ、全てのタイムカードの提出手続きと関連するペナルティを尊 重した上で、エントラントの公認された代表者(訳注:サービス員登録された者)が運転してもよい。 4.3.4 いかなる場合もペナルティを与えることなくサービス時間は 45 分間を超えてはならない。競技中の車両は 45 分が経過する前にパルクフェルメに戻らなければならない。 4.3.5 パルクフェルメに最初の車両が到着してから始まるフレクシサービス時間に使用できる時間枠はオーガナイザ ーの自由裁量に任せられる。ただし、ラリーのアイティナリに従わなければならない。 4.4 サービス計画 世界ラリー選手権規定 16.1 項および 16.3.1 項に従うために、オーガナイザーはステージルートの草案における 4.1、4.2 そして 4.3 項の決定稿を FIA に提出しなければならない。 4.5 サービスパークで認められる車両 4.5.1 ラリー開始時における各競技車両につき2台のサービス車両がラリーを通して認められる。これらの車両はオー ガナイザーによって発行され、指定された位置に貼り付けられた"Service"のプレートによってはっきりと識別されなけ ればならない。 4.5.2 さらに、各選手権に登録されたマニュファクチャラーは 4.6.1 項で示されるように識別される2台の追加サービ ス車両が許可される。 4.5.3 その他のチームの車両はオーガナイザーによって発行される"Auxiliary"のプレートによって識別されなければ ならない。 4.5.4 スペースが許す限り、"Auxiliary"(予備)車両はオーガナイザーの自由裁量で 4.6.1 項によりサービスパーク で認められたサービス車両の隣に駐車することを許可してもよい。 4.5.5 4.6.4 項を適用するための十分なスペースがある場合、オーガナイザーはサービスパークのすぐそばに予備車両 のために定められた駐車区域を用意すること。 4.5.6 4.6.4 項を適用するための十分なスペースがある場合、選手権登録されたマニュファクチャラーの予備車両は人 員や装備の積み降ろしのために単独でサービスパークを利用することができる。 4.6 メディアゾーン 柵で囲まれたメディアゾーンはサービスパーク、リモートサービス、もしくはリグループエリアの黄色いタイムコントロ ール看板の手前に設置される。この区域の中には、適切なパスを所持した者に限り立ち入ることができる。 4.7 リタイアした場合の修理 4.7.1 あるレグをリタイアしたクルーは、3.5.1 項(レグ2&3のb・注:3.5.2 項の間違い?)に関わらず、その次 のレグをリスタートするものと仮定される。クルーがリスタートを望まない場合には、ロードブックの後にある用紙を完 成させ、リスタートに先立ち行われる審査委員会の前にできるだけ早くオーガナイザーに提出しなければならない。 リスタートを希望する車両は、ラリーのサービスパークでサービスを行わなければならない。リタイア後、車両は 4.3.2 項に示すようなパルクフェルメに直接移動させる許可を競技長から得るまで、リタイアした場所に残されなければならな い。 4.7.2 リタイアした車両のサービス作業はラリー一般規定第 12 項の全ての条件を遵守しなければならない。(ただし 12.3.1 項を除く。)競技長は次のレグをスタートする前に車両に対し車検を行うことを要求することができる。車両は 45 分(のサービス時間)に加え、2 時間までの連続した時間、いつでもサービスのためにパルクフェルメから移動するこ とができる。 4.7.3 競技者がエンジンの故障によりリタイアした時には、エンジンは 3.12.1 項に従って交換してもよい。時間ペナ 8 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ルティは 3.5.2 項の a)に従って科される。 スーパースペシャルステージ 5. 5.1 スーパースペシャルステージは1台より多くの車両が同じ時刻にスタートする可能性を持つスペクテイター(観戦 者)が観戦するために設計されたスペシャルステージである。スーパースペシャルステージの開催は任意とする。 5.2 スーパースペシャルステージの走行と開催についての明確な規則は一般規定の 19 章に含まれる規定に従ったもので なければならず、ラリーの特別規則に含まれていなければならない。 別にされた安全計画はそのラリーに対して任命されるオブザーバーが承認される少なくとも4ヶ月前に FIA に、そして FIA 安全委員会に提出されなければならない。メディアが使用するために特定の区域が明確に特定されなければならない。 5.3 道路は、そのスタート地点において、別の道に近接していなければならない。同じスタート手順が各車両に適用され なければならない。さらに異なるスタート位置からのステージ距離を等しくするために各車両のスタートラインを前後に ずらしてもよい。 5.4 スーパースペシャルステージの距離は 1.5km から5km にすること。 5.5 スーパースペシャルステージの路面はラリーの残りのステージと同じタイプにすること。 5.6 スーパースペシャルステージのスタート順はもっぱらオーガナイザーの自由裁量による。しかし、オーガナイザーは 特別規則に手順を詳述しなければならない。 5.7 車両が正確にスーパースペシャルステージを完走できなかった場合、オーガナイザーによってそのステージのフィニ ッシュコントロール直後の道路もしくはステージ後にサービスパークまでにロードセクションがない場合は直接サービ スパークに移動される。 クルーはその後全ての規則、サービスの制限事項、およびアイティナリに従うことになる。 このクルーもしくは実際のステージタイムがステージ最速タイムに3分を加えたものを越えたタイムを記録したクルー には、最速タイムに3分を加えたタイムが与えられる。 ラリーの日程 6. 火・水曜日: * レキ。レキは水曜夕方までに各ステージの2回の走行を完了するために必要な火曜の最も遅い時間に開始すべきである。 水曜日: * 参加確認 * ブリーフィング * 車検開始 木曜日: * 08:00-11:00 シェイクダウン。P1ドライバーは参加が義務づけられる(WRC規定13.1項)。オーガナイザーはP2およ びP3ドライバーを含めることができる。サービスパークを出てから25km以内の走行で戻ることができること、もしくはシ ェイクダウンコース近くの適切なエリアでラリーカーのサービスをする選択肢があることが理想的である。 * 11:00-13:00 P3ドライバーのシェイクダウンの推奨時間 * 11:30-12:30 FIAメディア会見 * 13:00-18:00 プロモーション活動 * 18:00-21:00 開始セレモニーまたはスーパースペシャルステージのP1ドライバーの時間枠 金曜日: 9 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― * 前日にスーパースペシャルステージを実施した場合には朝の10分サービス * ステージ(1ステージにつき2回を越えて走行しないこと) * サービスパークにおいて最低1回の30分サービス * (夜のスーパースペシャルステージを除き)17:30までに最初の車両が最終ステージの走行を終える * その日の最後に45分のフレクシサービス 土曜日: * オーバーナイトパルクフェルメ後の10分サービス * ステージ(1ステージにつき2回を越えて走行しないこと) * サービスパークにおいて最低1回の30分サービス * (夜のスーパースペシャルステージを除き)17:30までに最初の車両が最終ステージの走行を終える * その日の最後に45分のフレクシサービス 日曜日: * オーバーナイトパルクフェルメ後の10分サービス * ステージ(1ステージにつき2回を越えて走行しないこと) * サービスパークにおいて1回の30分サービスがあり得る(ヨーロッパ外のラリーもしくはヨーロッパでのテレビ放映の 要望があったときには、このスケジュールを変更するための特認申請が行われることがある) * ポディウム進行の前に20分サービス * 13:00までに最初の車両が最終ステージの走行を終える(ヨーロッパ外のラリーもしくはヨーロッパでのテレビ放映の 要望があったときには、このスケジュールを変更するための特認申請が行われることがある) * FIAの手順に従ったフィニッシュセレモニー。ラリーの中心となる地点が理想的。 * ポディウムでの表彰 * ラリー後のFIAメディア会見 * 再車検 7. 車検 7.1 車重の計測 附則J項の254-5と255-4に基づき、イベント中いつでも車重を計測することができる。 7.2 再車検は次の要素に関して行う。: - サスペンション - ブレーキ - トランスミッション - シャシーの適合 - (訳注:リストリクターによって)制限されたターボチャージャー(装着されている場合) 車検を受ける車両の最小台数は総合成績で異なるメーカーによる上位2台の車両とグループNで1位になった車両とする。 車検エリアに車両が到着してから結果が発行されるまでの時間は2時間より少ないものであってはならない。 7.3 クルーが車検に出席する必要はない。しかし、クルーは文書で正当に示した競技者の代表者を代理としなければなら ない。 7.4 選手権にマニュファクチャラーによって登録された車両もしくはラリー中にマニュファクチャラーによるサービス を受ける車両は、オンボードカメラまたはカメラと同じ位置に設置される等量のバラスト(おもり)を積載しなければな らない。 10 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 7.5 7.7 項で提示されたような場合を除き、ラリー期間中においては、個々の車両は同じエンジンブロックとボディシェ ルを用いなければならない。 レグをリタイアし、次のレグをリスタートすることを望む競技者については、予備の車両を用いない場合がある。さらに、 事前車検でシーリングされた部品のみがラリーの3レグを通して用いられることができる。この場合、部品はシールされ た状態を保っていなければならない。 7.6 車検を目的として、選手権に参加するマニュファクチャラーは車両の代わりに書面で正式に任命された代理人によっ て署名された技術適合証明書を提出することができる。 7.7 マニュファクチャラーによって指定された車両については、車検からラリースタートまでにエンジンが故障した場合 に限り、スペアエンジンへの交換が許可される。 このエンジン交換が一組の最初のラリーで行われる場合、ペナルティは適用されない。一組の2番目のラリーで行われる 場合、60秒が科される。 選手権に参加するマニュファクチャラー毎に、1ラリーにつき1スペアエンジンのみ許される。 シーリングの数は車検で公表される。 8. 燃料 - 一般条件と使用条件 8.1 選手権ラリーに1種類の燃料を配給する唯一のサプライヤー(供給者)は、案内を差し出した後、FIA によって指名 される。FIA 燃料は全てのプライオリティドライバーに使用されなければならない。ノンプライオリティドライバーはロ ードブックに記された給油所でポンプから提供される市販燃料を用いることができる。 燃料供給者はFIAとの契約を尊重しなければならない。この燃料は各レグのスタートで入手できるものとする。ラリーの ルート上に給油所がない場合、オーガナイザーはノンプライオリティドライバーに対し、集中管理のJ項に従った燃料の 供給を手配することができる。そのようなリフューエル地点は全ての安全条件を満たさなければならず、ロードブックに 記載され、オーガナイザーによってインフォメーションブルテンとして公表されなければならない。 8.2 プライオリティドライバーの車両は FIA 燃料サンプルカプリングを装着されなければならない。FIA はいかなる競技 者であっても、その燃料を調査する権利を持つ。標準の(ノーマルの)タンクを保持している車両を用いるノンプライオ リティドライバーを除き、全ての競技者はリフューエルカプリングを装着することを要求される。 8.3 FIA は常に、また理由を提示する必要なく国際スポーツ法典(附則 J 項)に従って FIA 燃料を別の燃料に取り替える 権利を持つ。 9. 燃料 - 供給条件 9.1 ラリースタートの3週間前までに、競技者は次のアドレスの唯一のサプライヤーに必要な燃料の量を届け出なければ ならない。: Shell Global Solutions - Germany PAE-Labor Att. Mr. Richard Karlstetter Hohe Schaar Strasse 36, 21107 Hamburg, Germany Tel: +49 40 7565 4715 Fax: +49 40 7565 4502 Email: richard.karlstetter@shell.com 9.1.1 この届け出のコピーは FIA にも送付されなければならない。 9.1.2 覚書:オーガナイザーは FIA 事務局に最終的な参加者リストを送付しなければならない。 11 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 9.2 燃料は車検場でサプライヤーが所有する車両から配給される。(時間と場所は。オーガナイザーの同意を得ているこ と。また競技者に通知されること。)配布は 25 リットル缶を用いて行われる。この缶は競技者との協定に基づき後でサ プライヤーに返還される。 9.3 また配給車両は、スケジュールに従ってパルクフェルメに近い各レグのスタート地点に配置されていなければならな い。このスケジュールはオーガナイザーの同意を得て設定され、競技者に通知される。 9.4 競技者はサプライヤーから引き渡されるごとに、また競技にそれを用いる前にそのイベントの燃料の適合を調査する 責任を負う。 9.5 競技者はサプライヤーに直接精算する責任を負う。サプライヤーには不適合燃料の供給の可能性のために問題が生じ る場合があるが、FIA はこの供給のいかなる有害な結果にも責任を負わないと解釈される。 スペアタイヤ 10. FIAのP1およびP2ドライバーの車両はスペアタイヤを一つのみ搭載することができる。(ただし最大2つのスペアタイ ヤを搭載してもよいアクロポリスラリーを除く。) 他のドライバーの車両は最大2つのスペアタイヤを搭載してもよい。 ロードブック 11. ロードブックはラリースタートの30日前に全ての競技者が入手可能にしなければならない。 レキ(試走) 12. FIAプライオリティドライバーとそのコドライバーまたはその一方がスペシャルステージにいることはいかなる場合に おいてもレキとみなされる。 12.1 期間 権利放棄が認められた場合を除き、全ての競技者のレキは第 6 項に沿ったラリースケジュールの範囲内で行わな 12.1.1 ければならない。このルールに違反したことが発覚したクルーは、国際スポーツ法典 152 項で規定される罰則の一つを審 査委員会から科せられる。さらに、審査委員会が非常に重大な罰則を決定した場合、審査委員会は違反クルーが関係する ASN にその原因となった世界ラリー選手権イベントの数に相当する期間の彼らのライセンスの効力を停止するよう提案 することができる。 レキは競技者がいつレキを始めるのか具体的に述べている時間表に従って行われるべきである。オーガナイザーは各ドラ イバーが2回より多く同じスペシャルステージを対象としないよう確保しなければならず、各スペシャルステージのスタ ートとフィニッシュにはコントロールマーシャルを配置するものとする。さらに各スペシャルステージ中に監視を行って もよい。 a) いついかなる時も、FIA の P1ドライバーおよびコドライバーがラリー開催時以外にラリーの開催地域を訪れる場合、 そのプライオリティドライバーまたはコドライバーがその地域に在住していることが認知されている場合を除き、事前に オーガナイザーと FIA に通知しなければならない。 b) 世界選手権ラリーの開催国でテストを行う競技者は誰でも、テストを行うドライバーの名前を挙げ、事前にオーガナ イザーに通知しなければならない。以上のルールa)およびb)の不履行があった場合、特別な事情がない限り、国際ス ポーツ法典 152 項で定められる罰則の一つの適用を行う。 12.1.2 オーガナイザーによって設定されるスケジュール外でのレキは非常に重大な罰則が検討され、罰則の適用を行う 審査委員会(12.2 項参照)に報告される。現在または過去2年の間にAまたはBプライオリティリストに掲載されたド ライバー、またはFIAに指名されたドライバーで、ラリーに参加するもしくは参加する意志があり、そのラリーでスペ シャルステージに使われるか、使われる可能性のある道をドライブしたいと願うドライバーは、事前にオーガナイザーに 届け出て、オーガナイザーの許可証を手に入れなければならない。 この許可証は直ちに FIA に送付されなければならない。このルールを遵守しなかった場合、そのドライバーは罰則の適用 を行う審査委員会(13.2 項参照)に報告されることになる。レキは練習走行ではないということが重視される。ラリー 12 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― が開催される国の全ての道路交通法は厳重に守られなければならず、安全と他の道路使用者の権利は尊重されなければな らない。 ドライバーは誰でも、翌年に参加する目的でそのラリーのレキに参加することができる。レキにおける規則はそ 12.1.3 の全てを遵守しなければならず、またオーガナイザーは(訳注:参加を)報告されなければならない。 12.1.4 GPS によるレキ中の速度を監視するためのシステムは全ての車両に用いられなければならない。 12.1.5 レキ終了から、いかなる場合においても参加クルーに繋がりのある者が競技長の特別な許可なくスペシャルステ ージのルートを(徒歩を除き)通過することは禁止される。 WRCに参加しているマニュファクチャラーの車両に装着されている各タイヤメーカーは、ラリーのスペシャル 12.1.6 ステージを1度走行することができる。 その走行のために用いられる各車両には最大2名までのタイヤメーカーの技術者が乗ることができる。 これらの技術者がそのラリーの参加クルーのノートを車両に搭載し所持することは厳重禁止とする。これらの車両は競技 長の管理下に置かれ、競技長はマーシャルが同乗するよう指示することができ、またスペシャルステージを走行する時間 を決定する。 12.2 罰則 レキの間中、制限速度は開催国で有効な現行法に従うこと。しかし、オーガナイザーはスペシャルステージでの制限速度 を設定することができる。 発見された全ての違反はオフィシャル掲示板で公表され、審議と考えられる罰則のために第1回審査委員会に通知される。 またさらに、審査委員会は国際スポーツ法典152項に基づく罰則の適用を検討することが要求される。その違反の重大性 により、競技者をそのさらなる罰則の可能性についてFIAに報告することができる。 いかなる場合にも、オーガナイザーは違反者を監視するために罪を犯した各競技者とドライバーの名前をFIAに送付しな ければならない。 シェイクダウンとテスト 13. 13.1 シェイクダウン 与えられた車両について、現在の規則の第 12 項に記載されたエンジン、完全なトランスミッションと機械部品は(その 車両に)シーリングされる。 ラリーの時間表(第 6 項参照)より、シェイクダウンステージはラリーの代表的な路面で実施されなければならない。 シェイクダウンステージはラリー中のステージ走行のように実施されなければならない。また、一般規定の附則4項に詳 述されている全ての安全対策が盛り込まれていなければならない。不可抗力の場合を除き、全ての P1クルーとその車両 の参加を義務付ける。 シェイクダウン中に乗車するラリーに参加しない人は、オーガナイザーによって配布される免責条項に署名しなけれ ばならない。 13.2 テスト 13.2.1 テストは競争意識を持って運転されるワールドラリーカーと、チームに雇われているもしくはラリーのアイティ ナリー外でチームと契約している人員が同時に存在していることと定義される。 その年に選手権に登録しているマニュファクチャラーについては、以下のテストのみ許される。: 13.2.2 - フランス、イギリス、スペイン、イタリア、およびチェコ共和国。 - フィンランド、スウェーデン、ギリシャおよびドイツでは、カレンダーが示す(訳注:1~12月の)1年間に最大4 日間。このテスト日程は FIA と関連する世界ラリー選手権イベントのオーガナイザーに事前に報告されなければならない。 - 選手権に初参加のマニュファクチャラーがその他のテストが禁止されているイベントにおいてレキより前の日程で行 うこと。 選手権の登録マニュファクチャラーについては、以下のテストは禁止される。: - その他の全ての国でのテスト。 - 各世界ラリー選手権ラウンドの開催国において、レキ開始からラリー終了まで。 - 現在の選手権ラリーのスペシャルステージで使われる、またはその可能性のある道路でのテスト。 13.2.3 チームが組織する、この規則に違反する可能性のあるプレス、メディアもしくは PR 役はまず FIA と FIA メディ 13 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日 2005 世界ラリー選手権 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ア委員に通知しなければならない。 14. コースカー P2ドライバーもしくはプライオリティ A ドライバーはコースカーを運転してはならない。 14.1 オーガナイザーのコースカー オーガナイザーのコースカーは FIA に公認されたシリーズプロダクションカー(もしくは公認手続き中の車両)でなけれ ばならない。そして全ての特別な場合を含むこれらの車両に関する要望は FIA の承認を得なければならない。 またオーガナイザーは公認されていない車両を用いる許可を FIA に要請しなければならないが、広く入手可能である。 14.2 レキ車両 FIA はあらゆる車両にスピード監視装置を装着することができる。ステージ内の制限速度は特別規則書にて告知される。 グラベル(未舗装)ラリーについては、特別規則書で特に詳述されない限りタイヤは自由とする。アスファルトラリーに ついては道路使用を承認された市販タイヤが使用されるものとする。 レキ中においては、以下の車両が使用される。: 14.2.1 標準的な車両 一般大衆に提供されるような全く未改造の車両。標準的な車両は最大 2000cc の容量の自然吸気エンジンを持つ2輪駆動 車でなければならない。180 馬力より低い SUV(訳注:スポーツ用多目的車・いわゆる RV)もまたレキに用いることが できる。これらの車両はボディ下部の保護を施され、車載のナビゲーション装置を搭載することができる。 14.2.2 ラリー車両 そのラリーに出場するための競技者自身の車両の使用。 14.2.3 量産車 一般規定 14.3 項(レキ車両)に従った車両。 14.2.4 1日目と2日目のレキスケジュールの間、レキ車両のサービスは第 14.2 項に従った、サービスに必要な全ての 装備を搭載する1台の車両を用いてチームごとに最大2名の技術者によって行うことができる。 以下略 14 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2005年 3月 30日
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