ESSENTIAL GUIDE

パワーエレクトロニクス回路シミュレータ
動作環境
PSIM の実行に必要な動作環境はバージョンによって異なります。ご使用時には
十分ご注意下さい。ご使用のライセンス形態がネットワーク版の場合には LAN 環境
が必要です。ただしネットワーク版ではルータ越えのあるネットワークをサポート
ESSENTIAL GUIDE
しておりませんのでご了承下さい。
for Power Electronics Engineers
対応 OS
Windows® 8 / 7 / Vista / XP(それぞれ 32bit、64bit 版に対応)
Internet Explorer
8.0 以降
メモリ容量
1GB 以上
設計、シミュレーションから実装まで
スタンドアロン版 /
USB2.0 ポート:1ポート
すばらしいPSIMの世界へようこそ!
ネットワーク版(サーバー PC)
(HASP キー接続のため)
DLL 機能を使用する場合
対応コンパイラ Microsoft Visual Studio C/C+
SimCoupler Module を使用する場合
MATLAB/Simulink
R2008(v7.6)、R2009a、R2009b、R2010a、R2010b、
R2011a、R2011b、R2012a、R2012b、R2013a
MagCoupler Module または
MagCoupler-RT Module を使用する場合
ModCoupler-VHDL Module を使用する場合
ModCoupler-Verilog Module を使用する場合
JMAG-Designer Ver 10.0、Ver 12.0、Ver 12.1
ModelSim SE Ver 6.3、6.4、6.5、6.6
Questa Core Ver 6.0、10.0
ModelSim SE Ver. 6.3、Ver .6.5、10.0
DE Ver.10.1 PE Ver.10.1 Altera Actel
Questa Core Ver.10.0
* Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。
デモ版のダウンロードや最新情報は
PSIM
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Mywayプラス株式会社
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神奈川県横浜市西区花咲町6-145 横浜花咲ビル
このカタログの記載内容は 2013 年 12 月現在のものです。
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パワーエレクトロニクス回路シミュレータ
PSIM(ピーシム)とは
パワーエレクトロニクス(パワエレ)及びモータ制御のために開発された回路
導入分野
シミュレータです。高速なシミュレーション、使いやすいユーザインターフェース、
波 形 解 析 機 能 な ど に よ り パ ワ ー エ レ ク ト ロ ニ ク ス の 解 析、制 御 系 回 路 設 計、
PSIM は、その使いやすいインターフェースと、カスタマイズ性に優れたオプション
インバータ、モータドライブの研究に強力なシミュレーション環境をご提供します。
モジュールの存在により、高性能な回路シミュレータとして、さまざまな分野で
パワーエレクトロニクス回路シミュレータ PSIM® は、米国(ボストン)の Powersim 社が開発したシミュレーションソフト
ウェアです。
(www.powersimtech.com)
活躍しています。
実機ではなく、
まずは PSIM でシミュレーション
自動車
理想スイッチを採用しているため収束しやすく、高速シミュレーションが可能な
EV・PHEV など
PSIM。250 種類以上のサンプルがあり、どんな電力変換回路、モータ駆動回路、
Motor Drive Module
MagCoupler Module
MagCoupler-RT Module
SimCoupler Module
HEV Design Suite
アナログおよびデジタル制御にも流用することが可能です。
おもいのままに
Professional
Digital Control Module
Thermal Module
SimCoder Module
新エネルギー
パワーコンディショナなど
Renewable Energy Module
SmartCtrl
白物家電
エアコン・冷蔵庫など
Motor Drive Module
PSIMは操作が簡単で、素子やブロック要素を回路図へ配置するだけ。まるで手書きの
回路図を描くような、直感的なインターフェースを搭載しました。
02
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
03
構成
機能一覧
それだけでも高性能な本体の PSIM Professional と、追加する事で可能性が簡単に広がるオプション
PSIM Professional(本体)
モジュールとで PSIM は構成されています。
名称
PSIM Professional
PSIM Professional
本体
オプションモジュール
追加機能
機能
備考
過渡解析
電気回路、制御系回路
対話型シミュレーション
フリーラン機能
周波数特性解析
−
パラメータスイープ
−
自作の C 言語を組み込んだシミュレーション
C ブロック、DLL ブロック
磁気要素のモデリング
漏れ磁束、エアーギャップ、磁気コア
FFT 解析
−
波形同士の演算
−
オプションモジュール(オプション)
オプションモジュールでの動作のほか、さまざまなシミュレーションソフトと連成が可能です。
設計
シミュレーション
実装
SmartCtrl
SimCoder
PSIM Professional
PSIM 構成要素
各種
Design Suite
各種
Hardware Target
Motor Drive
Thermal
SimCoupler
MATLAB/Simulink
Digital Control
Renewable Energy
MagCoupler
JMAG
ModCoupler
ModelSim
* 連成シミュレーション可能なシミュレーションソフト(PSIM 側でオプション必要)
CosiMate
*Saber、AMESim、Easy5、FMI 等とのリンク可能
modeFRONTIER
EMSolution
* 連成シミュレーション可能なシミュレーションソフト(PSIM 側でオプション不要)
04
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
名称
機能
備考
Motor Drive Module
モータを含めた機械系のシミュレーション
直流機、PMSM、誘導機、トルクセンサ、エンコーダなど
Digital Control Module
デジタル系のシミュレーション
ゼロ次ホールド、z 領域伝達関数ブロック
Thermal Module
半導体デバイスの損失解析
−
Renewable Energy Module
太陽光発電・風力発電・バッテリを含むシステムシミュレーション
−
SimCoupler Module
MATLAB/Simulink との連成
−
MagCoupler Module
JMAG との直接連成
−
MagCoupler-RT Module
JMAG-RT とのテーブル連成
−
ModCoupler-VHDL Module
ModelSim との連成(VHDL に対応)
−
ModCoupler-Verilog Module
ModelSim との連成(Verilog HDL に対応)
−
HEV Design Suite
HEV パワートレインシステムの回路の自動生成
別途 Motor Drive、Digital Control が必要(Thermal 推奨)
Motor Control Design Suite
線形・非線形モータ制御回路の自動生成
別途 Motor Drive、Digital Control が必要
SmartCtrl
制御パラメータの最適化
ボード線図、ナイキスト線図、過渡応答図
および各種パラメータの表示
SmartCtrl Pro
SmartCtrl の機能に加えデジタルの遅れを考慮
ボード線図、ナイキスト線図、過渡応答図
および各種パラメータの表示
SimCoder
C プログラム自動生成
別途 Digital Control が必要
PE-Expert4 Target
PE-Expert3 専用ライブラリに対応した C プログラム生成
別途 SimCoder が必要
PE-PRO/F28335 Target
PE-PRO/F28335 専用 PEOS に対応した C プログラム生成
別途 SimCoder が必要
TI F2833x Target
TIF2833x ライブラリに対応した C プログラム生成、
DSP オシロスコープ
別途 SimCoder が必要
TI F2803x Target
TIF2803x ライブラリに対応した C プログラム生成、
DSP オシロスコープ、スケーリングチェック
別途 SimCoder が必要
MagNet
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05
PSIM Professional(本体)
PSIM Professional(本体)
回路シミュレータPSIMは、コアとなる本体「PSIM Professional」と、あらゆる可能性を秘めた、追加拡張できるモジュールによって
構成されています。PSIM Professionalだけで行えるシミュレーションは大きく4つ。ここではその内容を紹介します。
アナログ制御による
パワー回路シミュレーション。
アナログ系の制御ブロックを用いて制御回路を構成し、パワー
回路を制御するシミュレーションを行なうことができます。
パワー回路と制御
ブ ロックを同じ画面
上に描くことができ、
C 言語ブロックや DLL ブロックを用いた
プログラム制御。
色によって区別され
て い ま す。サ ブ サ ー
キット機能を使用する
C 言語によるプログラムを回路中に素子として組み込ん
でシミュレーションすることが可能です。自作の C 言語
プログラムが期待通りの処理をしていることを確認する
ことができます。
また、DLL ファイルを使用した自作 C プログラムもサポー
トしています。
ことにより、別画面に
描くことも可能です。
過渡特性・周波数特性・パラメータスイープ
など各種解析機能。
周波数特性解析のブ
ロックを使用すると、
主 回 路、制 御 回 路 の
周波数応答が求めら
れます。回路がスイッチ
を含む場合も平均値
による解析に頼ること
なくスイッチングを
忠実に模擬したうえ
で、周 波 数 応 答 を 求
めることができます。
磁気要素を用いた
電気回路のモデリング。
磁気要素ブロック
を用いて磁気回路
をモデリングする
こ と が で き ま す。
電気回路と磁気
回路のパラメータ
から B(磁束密度)と
H(磁界)を算出する
ことができるので、
B-H 特 性(ヒ ス テ リ
シスループ)を描くこともできます。
対話型シミュレーション。
フリーラン機能とオシロスコープの素子を用いることで
波形をリアルタイムに観測することができます。シミュ
レーション実行中に波形を観測しながらパラメータ調整
を行うことも可能です。
パラメータを任意の間隔で変化させたシミュレーション
高速フーリエ変換(FFT)ブロックを利用して信号の基本波
結果を比較し、最適なパラメータを検討することができます。
成分を計算できる他、波形表示ツール Simview にて波形の
FFT 解析を行なうこともできます。
06
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
07
オプションモジュール(シミュレーション)
オプションモジュール(シミュレーション)
PSIM の可能性を広げるオプションモジュール。それぞれのモジュールで多くのアプリケーションをシミュレーションすること
に対応した追加機能が存在しています。ここではその内容を紹介します。
Motor Drive Module
Digital Control Module
モータ駆動シミュレーションの実装。
デジタル制御の実装。
このオプションモジュールでは、モータ駆動系のシミュレーションに必要な素子を提供します。さまざまな回転機モデル、機械
このオプションモジュールを追加する事で、連続信号を離散化し、デジタル制御するシミュレーションを行うことができます。
的負荷モデル、位置センサモデルなどを使うことができます。また、ユーザ独自のモータモデル・負荷モデルを作成することも
一般的なデジタル制御ではサンプリング周波数に従って、AD 変換や演算を行ないます。本モジュールによりサンプリング周波
できます。
数を考慮したデジタル制御のシミュレーションを実行することができます。また、z 領域で表現されたデジタル制御系をシミュ
レーションすることができます。
三相かご形誘導機
永久磁石同期機
定トルク負荷
アブソリュートエンコーダ
ゼロ次ホールド
外部リセット機能付き積分器
メモリ読み出しブロック
z領域伝達関数ブロック
三相巻線誘導機
外部励磁同期機
定電力負荷
インクリメンタルエンコーダ
単位遅れブロック
内部リセット機能付き積分器
離散化ブロック
循環バッファ
ブラシレス直流機
スイッチトリラクタンスモータ(3 相 /4 相 /5 相)
定速度負荷
レゾルバ
微分器(離散型)
FIR フィルタ
デジタルフィルタ
スタック
直流機
最大トルク制御ブロック(MTPA)
トルクセンサ
ホールセンサ
積分器(離散型)
データ配列
速度センサ
畳込みブロック
(上記は一例です)
08
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
(上記は一例です)
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
09
オプションモジュール(シミュレーション)
Thermal Module
Renewable Energy Module
半導体素子の損失計算。
自然エネルギーでの発電。
このオプションモジュールを追加することにより、半導体デバイス(IGBT、MOSFET、ダイオードなど)の損失計算ができ、ダイ
バッテリ、太陽電池と風車のモデルが入ったオプションモジュールです。これらのモデルとコンバータを含むシステムを一括し
オードとトランジスタの導通損失およびスイッチング損失を個別に計算することができます。また、半導体デバイスの特性を
てシミュレーションすることが可能です。
簡単にデバイスデータベースに登録し、素子として使用することも可能です。
本オプションモジュールには以下のサンプル回路が含まれます。
(一例)
・リチウムイオンバッテリの充放電回路
半導体デバイスの損失計算までの流れ
・太陽電池の MPPT 制御回路
素子特性入力
回路モデル作成
シミュレーション実行
データベースに素子の電流電圧特性を入力
熱解析専用の素子モデルを使って回路モデルを作成
作成した回路モデルにて過渡解析を実行
・PQ 制御による風力生成システム
バッテリ。
このモデルでは、メーカのデータシートに基づいて、バッテリの充放電プロセスをシミュレーションすることができます。
右図は、リチウムイオンバッテリモデルのパラメータ入力画面を示しています。本モデルは、様々なタイプのバッテリの
モデルに対して使用することができます。
用途
リチウムイオンバッテリモデル/鉛蓄電池/
ニッケル水素電池等を含んだシミュレーション
その他
バッテリの充放電サンプル回路も付属
出力:W ( ワット )
デバイスデータベースに入力した損失の特性から損失計算を行なうことができます。
風車。
複数のパラメータ(開放電圧、短絡電流、最大電力時電圧、
風車のピッチ角、風速などの設定が可能です。
最大電力時電流など)からI-V特性、P-V 特性を設定す
デバイスデータベースエディタ。
デバイスのデータシートから特性を入力することができます。
太陽電池。
ることが可能です。
グラフの入力方法は 2 種類
風の速度
風の速度
回転角度
手動で値を入力
風の速度
回転角度
回転角度
データシート記載のグラフをキャプチャして入力
10
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
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オプションモジュール(シミュレーション / 連成用)
オプションモジュール(シミュレーション/連成用)
これらのオプションモジュールを追加することで、外部ソフトウェアとリンクすることができるようになります。
SimCoupler Module
MagCoupler-RT Module / MagCoupler-RT Module
* 本製品の使用には、MATLAB/Simulink(MathWorks 社製)の購入が必要です。
* 本製品の使用には、JMAG または JMAG-RT(JSOL 社製)の購入が必要です。
MATLAB/Simulink と PSIM による
2 種のシミュレーション、制御系とパワー回路の連成。
JMAG モデルにインバータ電流を入力。
MATLAB/Simulink との連成用モジュールです。このオプションモジュールの追加により MATLAB/Simulink で制御系のシミュ
ときの応答を見ることができます。また、MATLAB/Simulink→PSIM→JMAG(または JMAG-RT)の 3 つのソフトウェアを連成させ
レーションを、PSIM でパワー回路のシミュレーションを記述し連成することが可能になります。本モジュールを使うことに
JMAG または JMAG-RT との連成用モジュールです。通常 JMAG 単体では見ることのできない、正弦波以外の電流波形を入力した
ることも可能です。
より、システムの一部を PSIM でシミュレーションし、残りを MATLAB/Simulink でシミュレーションすることができます。
MATLAB/Simulink から PSIM を呼び出してシミュレーションを行ないます。
Simulink から PSIM へ変数の値を渡す機能が追
加されました。
MagCoupler Module と MagCoupler-RT Module の機能比較
ModCoupler-VHDL Module / ModCoupler-Verilog Module
MagCoupler Module
* 本製品の使用には、別途 ModelSim(Mentor Graphics® 社製)の購入が必要です。
FPGA の実装。
JMAG との連成方法
直接連成
間接連成
( タイムステップごとに PSIM-JMAG 間で
( あらかじめ JMAG-RT でテーブル化したファイルを
データ受け渡し )
読み込んでシミュレーション )
ModCoupler モジュールは、VHDL コー
・4 種類の MagCoupler-RT ブロック
ドおよび Verilog HDL コードに対応し
・MagCoupler ブロック
たデジタル回路シ ミ ュ レ ー タ で あ る
・MagCoupler-DL ブロック
ModelSim との連成シミュレーション
使用可能なブロック
(PSIM 側と JMAG 側で異なるタイムステップの
ができます。このモジュールを使用す
設定が可能 )
ることで、パワー回路を PSIM で実装し、
・各種機械センサ、負荷
す。これにより、ハードウェア実装時
に近い回路シミュレーションが可能に
-PMSM
- ステッピングモータ
- リニアソレノイド
- リニアシンクロナスモータ
・各種機械センサ、負荷
FPGA を使用した制御回路を ModelSim
でシミュレーションすることができま
MagCoupler-RT Module
解析時間
△
◎
解析精度
◎
○
必要
不要
なります。右図は、VHDL コードで実
装された制御の三相系統連系インバー
JMAG のインストール
タを示しています。
ModCoupler-Verilog Module は、ModelSim、ModelSim-Altera Edition、Actel Edition、QuestaSim に対応しています。
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その他
・パッチメッシュ機能を用いた場合は連成解析不可
・LdLq モデル、空間高調波モデルに対応
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オプションモジュール(設計)
オプションモジュール(設計)
PSIM でシミュレーションする前の設計段階で、
ユーザの工数を大幅に削減する設計支援ツールをご紹介します。
HEV Design Suite
Motor Control Design Suite
シミュレーション可能な回路ファイルを瞬時に生成。
複雑なモータ制御システムを、わずか 2 ステップで設計。
このオプションモジュールでは、ユーザが最上位のシステム仕様を決定するだけで、HEV のパワートレインシス
テムの完成したモデルを生成することができます。わずか 2 つのステップで回路が自動的に生成され、ユーザは自
分で回路を描く必要がありません。システム構成の検討や設計の手間を省くことができるので、工数の大幅な短
縮が可能です。生成された回路は、ユーザが自由に変更することができます。
このオプションモジュールでは、ユーザが最上位のシステム仕様を決定するだけで、最大トルク制御および弱め
磁束制御を持つ線形 / 非線形 PMSM および誘導機の駆動システムの完成したモデルを生成することができます。
テンプレート
トラクションモータ / ジェネレータ / プラグイン HEV パワートレインシステム /HEV パワートレインシステム
(各テンプレートとも線形・非線形の両方が用意されています。)
テンプレート
誘導モータ / 線形 IPM(PMSM)/ 非線形 IPM(PMSM)/ 線形 SPM(PMSM)
主な制御方式
空間ベクトル PWM/ 電流制御 / 最大トルク(MTPA)制御 / 弱め磁束制御 / ダイナミックトルクリミット制御 / 速度制御
HEV Design Suite を使った回路生成の流れ
1
Motor Control Design Suite を使った回路生成の流れ
システム最上位のパラメータを決定
運転モードの選択
0:バッテリ充電
1
システム最上位のパラメータを決定
1:バッテリ駆動
2:エンジン/モータ駆動
3:エンジン駆動&充電
インバータ設定画面
4:エンジン/モータ駆動&充電
5:全開加速
6:減速/エネルギー回生
ジェネレータ設定画面(一部)
PMSM(非線形)モータ設定画面(一部)
非線形 IPM(PMSM)テンプレート
HEV パワートレインシステム
(非線形 PMSM)のテンプレート
負荷設定画面
主機モータ設定画面
DC-DC コンバータ設定画面
モータ制御器設定画面
2
2
回路を生成
PI ゲインなどの制御パラメータが調整された回路が生
成されます。設計された回路は、ユーザが自由に変更
することができます。
生成した制御回路(MTPA 制御、弱め磁束制御を含む)
本オプションモジュールの動作に必要な構成
Professional/Motor Drive Module/Digital Control Module/Thermal Module
(推奨)
/HEV Design Suite
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回路を生成
PI ゲインなどの制御パラメータが調整された回路が生
成されます。設計された回路は、ユーザが自由に変更
することができます。
生成した制御回路(MTPA 制御、弱め磁束制御を含む)
本オプションモジュールの動作に必要な構成
Professional/ Motor Drive Module/ Digital Control Module/ Motor Control Design Suite
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オプションモジュール(設計)
SmartCtrl Pro
安定したフィードバックループ。
遅れを考慮したデジタル制御ループの設計が可能に。
このモジュールは制御ループのパラメータを最適化するために便利なツールです。
安定したフィードバックループの設計は電力変換回路の設計において重要です。多くの電力変換回路はフィード
バックループを持ちます。そのため、ループの設計によっては値が発散し、正常な動作をしないことがあります。
このオプションモジュールを使用することで、安定したフィードバックループを実現するパラメータの設計が
簡単に行えます。
SmartCtrl Pro では、さらに離散化による遅延の定義
が可能です。アナログの s 領域で設計した制御ルー
プに対し、離散化による遅延を定義し、その影響を
考慮した周波数特性を右図のように表示し、比較す
ることが可能です。
SmartCtrl Pro を使った最適化の流れ
さらに、コントローラの設計後生成されるデジタル
制御用のパラメータファイルや、回路(制御 / パワー
/ センサ)を PSIM に出力することができるため、回
路設計の手間を大幅に削減することが可能です。
1
2
3
4
回路構成の決定
デジタルの遅れを考慮
するための設定
遅れの考慮なし
また、アナログ制御ループの設計用途のみに機能を
限定した廉価版の SmartCtrl もあります。SmartCtrl
Pro との機能比較を下の表に示します。
主回路の構成とパラメータ、制御部の構成を決定します。
遅れを考慮
SmartCtrl と SmartCtrl Pro の機能比較
ループの発振安定性を決定
ループの安定性を可視化できるソリューションマップが自動的に作成され、
そこで任意の応答周波数と位相余裕を選択します。
主な機能
特性グラフと共に安定なパラメータを自動生成
設定した回路にて安定に動作する制御回路パラメータが自動生成されます。
また、そのパラメータでの周波数特性をボード線図とナイキスト線図で表示
します。
パラメータ微調整及び PSIM にて動作チェック
結果出力後も、特性図を確認しながらパラメータ
を微調整できます。PSIM へ回路を直接出力も
できます。
3 種類の特性図を確認できます。
「ボード線図」
「ナイキスト線図」
「過渡応答図」
ボード線図
ナイキスト線図
SmartCtrl Pro
SmartCtrl
様々なパワーコンバータのサポート
○
○
制御設計を簡単にするソリューションマップ機能
○
○
マルチループ制御構造
○
○
制御ループの安定化とパフォーマンスを簡単に可視化
○
○
感度分析
○
○
プラントのための s 領域伝達関数
○
○
デジタル制御
○
‒
本オプションモジュールの動作に必要な構成 (SmartCtrl Pro の場合 )
Professional/ Digital Control Module / SmartCtrl Pro
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ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
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オプションモジュール(実装)
オプションモジュール(実装)
PSIM でシミュレーションした内容を、プログラムの書き換えなしにそのまま実装できる強力な
C 言語ソースコード自動生成機能、ならびにハードウェアターゲットをご紹介します。
SimCoder
TI F2803x Target / TI F2833x Target
C 言語の自動生成。
シミュレーションからワンステップで DSP コードへ。
PSIM で作成した制御ブロックから C 言語ソースコードを自動で生成することが可能になる追加モジュール
です。また、特定のハードウェア(PE-Expert3、PE-PRO/F28335 など)に対応した C 言語のソースコードも出力でき
ます。これにより実機検証への移行を効率よく行うことができます。
このオプションモジュールでは、PSIM で作成した制御回路図から、TI 社の F2803x シリーズの固定小数点 DSP、ま
たは F2833x シリーズの浮動小数点 DSP 用の C コードを生成することができます。本オプションモジュールを用い
ることで、F2803x/F2833x ターゲットライブラリを用いたシミュレーションとコード生成、スケーリングとオー
バーフローのチェック(F2803x Target のみ)、DSP オシロスコープの機能を使用することができます。
効率的に。容易に。
F2803x/F2833x ターゲットライブラリには、次の DSP 機能の関数が含まれます。
このモジュールでは制御部の C 言語のソースコードの自動生成が可能になるため、実機検証への移行が効率的に
なります。また、コードを分かり易い PSIM 回路で表現することができるため、変更や履歴管理が容易になります。
A/D 変換器 / デジタル入力と出力 /PWM ジェネレータ / エンコーダとカウンタ /SCI インタフェース /SPI インタフェース
トリップゾーン、コンパレータ、およびキャプチャを含む割り込み / クロック周波数選択
主な特徴
対象のハードウェア
以下のハードウェアを対象に C コードの生成を行なうことができます。
スケーリングとオーバーフローチェックが簡単
※F2803x Target のみ
固定小数点変数では、オーバーフロー状態を防ぎ、量子化誤差を最低限に抑
えるため、固定小数点数をスケーリングしなければなりません。これは多く
の場合、試行錯誤をしながら手作業で行われます。
Myway プラス製
Myway プラス製
TI 社製 DSP TI F2833x
PSIM では、ダイアログウィンドウに示された各変数の値が、数値範囲をオー
デジタル制御システム PE-Expert3
デジタル制御ボード PE-PRO / F28335
または TI F2803x が搭載された任意のボード
バーフローしているかどうかが一目でわかります。上図のように、ある変数
が制限値に近い場合には黄色、超えている場合には赤色でハイライトされま
す。これにより、オーバーフローチェックとデータフォーマット定義が簡単
に行えます。
コード生成・プログラム開発までの流れ
例として対象ハードウェアを PE-Expert3 とした際の使用例を紹介します。
DSP オシロスコープ
SCI インターフェイスに基づいて、DSP 内部の変数をリアルタイムで波形表
示する DSP オシロスコープ機能を提供しています。DSP オシロスコープでは、
システムの動作中にリアルタイムに DSP の内部変数値を変更する機能を提供
します。
DSP オシロスコープは、テストおよびデバッグをプログラムを停止すること
なくリアルタイムに DSP コードを変更することができます。
離散系に変更し、専用ハード
ウェア素子を組み込んでシ
ミュレーション
SimCoder により C コード自動
生成
PSIM
PE-View 上でコンパイル
ダウンロード・動作確認
開発環境
本オプションモジュールの動作に必要な構成
Professional/ Digital Control Module/ SimCoder/ 各種ハードウェアターゲット(推奨)
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ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
本オプションモジュールの動作に必要な構成
Professional/ Digital Control Module/ SimCoder/ TI F2803x Target または TI F2833x Target
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
19
PSIM ご購入の前に
PSIM ご購入の前に
PSIM の各種サービスやライセンス形態、サポート契約についてご紹介します。
デモ版 / トライアル版(無料)
ソフトウェア種別 / ライセンス形態
PSIM には無償の評価版として、デモ版、トライアル版の 2 種類があります。
ウェブサイトよりマニュアルもダウンロードいただけます。
http://www.myway.co.jp/products/psim/download/index.html
デモ版
トライアル版
素子数:34 個
波形データ出力:6000 ポイント
サブサーキット及び C ブロック使用不可
機能制限
使用可能なモジュール
■ Professional
■ Motor Drive Module
■ Digital Control Module
■ SimCoupler Module
■ Thermal Module
■ Renewable Energy Module
■ SmartCtrl
■ PsimBook
PSIM にはいくつかのライセンス形態があります。ライセンスをドングル(ハードウェア、USB 接続)で管理するタ
イプや、PC を固定するソフトキーライセンスなど、ご利用用途に応じてお選びいただけます。
ソフトウェア
種別
購入 /
レンタル版
HASP
スタンドアロン版
なし
購入版
HASP
ネットワーク版
PSIM
Professional
レンタル版
すべてのオプションモジュールが利用可能
( ただし PsimBook を除く )
試用期限
なし
30 日間
費用
無料
無料
ライセンス
種別
PSIM
Student
ソフトキー
スタンドアロン版
HASP
ネットワーク版
購入版
サポート
契約
インストール可能な
PC 台数
納品形態
初年度ベーシック
サポート無料 / 翌
年以降は有料
制限なし
同時使用可能台数を
HASP で管理
ハードウェア
(CD-ROM、HASP キー、
マニュアル冊子等 )
レンタル期間中
ベーシックサポー
ト無料
制限あり(1 ライセ
電子データのみ
ンスにつき原則 1 台)
・オンライン環境必須
・1 ヶ月単位でのレンタル可
制限なし
同時使用可能台数を
HASP で管理
・教育機関でのみ利用可
・合計 60 素子まで使用可
・C ブロック、DLL ブロック使
用不可
・Motor Drive, Digital Control,
Renewable Energy のみ追加可
初年度より有償
(オプション)
ソフトキー
スタンドアロン版
備考
ハードウェア
(CD-ROM、HASP キー、
マニュアル冊子 )
制限あり(1 ライセ
電子データのみ
ンスにつき原則 1 台)
−
・ルータ越えはサポート対象外
・モジュール構成は全ユーザで統一
●デモ版に対してはサポートを提供しておりませんので予めご了承ください。
●なお、トライアル版はご購入前の評価用途に限定して配布しております。
トレーニングセミナー(無料)
サポート契約
定期的に PSIM トレーニングセミナーを開催しています。
日程および会場等の情報についてはウェブサイトでご確認ください。
http://www.myway.co.jp/products/psim/seminar/index.html
PSIM をご利用の皆様向けに PSIM サポート契約サービスをご用意しております。お客様のニーズに合わせて、
「年間メンテナンスサポート」
「ベーシックサポート」
「アドバンスサポート」の 3 種類のサポートサービスを
ご用意しております。購入版では初年度のベーシックサポートが、レンタル版では期間中すべてのベーシッ
クサポート契約が無料で付帯します。
● 開催地区: 横浜 / 名古屋 / 大阪
● 受講料:
無料(実習用のノート PC をご持参ください。)
● 定 員:
各回 10 ∼ 25 名
● 内 容:
1. PSIM の概要説明
年間メンテナンス
1 年間
1 年間
1 年間
○
○
○
使い方サポート(メール・FAX)
○(*2)
○(*2)
‒
使い方サポート(電話)
○(*2)
‒
‒
○
○
○
30%
25%
15%
無料バージョンアップ
3. 演習問題(実習形式)
3-1. 過渡解析
3-2. FFT 解析
3-3. 周波数特性解析
3-4. パラメータスイープ
3-5. 対話型シミュレーション
ベーシックサポート
サポート期間
2. PSIM の操作方法説明(実習形式)
アドバンスサポート
4. PSIM の便利な使い方
(講師によるデモンストレーション)
※開催地区、内容は変更になる場合があります。
あらかじめご了承願います。
※本セミナーを受講していただくことで、
■ PSIM の基本的な操作方法や解析方法が習得できます。
■ 導入までの期間を大幅に短縮することが可能です。
Web サポートページのご利用
価格(*1)製品価格に対して
*1:製品価格とは、PSIM 本体とオプションモジュールを合わせた価格です。
*2:弊社エンジニアが PSIM の使い方に関する技術的なサポートを致します。アプリケーションに関するご質問にはご回答致しかねますので、あらかじめご了承ください。
PSIM ソフトウェアの価格改定に伴いサポート契約費用が更新時に変更になる可能性があります。
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ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
ESSENTIAL GUIDE for Power Electronics Engineers PSIM
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その他
その他
PSIM の関連書籍やブログ、PSIM と連携可能なソフトウェアをご紹介します。
関連書籍
PSIM と連携可能なソフトウェア一覧
最新
パワーエレクトロニクス
入門
無駄なく静かに回す技術をパソコンで学ぶ
ベクトル制御による
高効率モータ駆動法
主な機能
ソフトウェア名
➡ PSIM と連携するメリット
(グリーン・エレクトロニクス No.14)
編:トランジスタ技術 SPECIAL 編集部
著:赤津観 他
出版日:2013 年 8 月
出版元:CQ 出版株式会社
PSIM 回路
ファイルが
出版元 HP にて
ダウンロード
可
著:小山純 / 伊藤良三 / 花本剛士 /
山田洋明
出版日:2012 年 2 月
出版元:株式会社朝倉書店
パワーエレクトロニクス学
入門
―基礎から実用例まで
PSIM™ で学ぶ
基礎
パワーエレクトロニクス
編著:河村篤男
著:横山智紀 / 船渡寛人 / 星伸一 / 吉野輝雄
出版日:2009 年 2 月
出版元:株式会社コロナ社
著:野村弘 / 藤原憲一郎 / 吉田正伸
出版日:2007 年 1 月
出版元:株式会社電気書院
MATLAB/
Simulink
数値解析ソフトウェア
➡ MATLAB で構築した制御モデルに PSIM のパワー回路を
➡ JMAG で生成したモータモデル等のインバータ波形入力
時の応答が解析可能
ハードウェア記述言語用のシミュレーションソフトウェア
➡ VHDL, Verilog HDL で記述したロジックを PSIM 内に組
み込むことが可能
PSIM cafe(PSIM ユーザによる投稿サイト)
CosiMate
SimCoupler Module が必要
組み込むことが可能
電磁界解析ソフトウェア
ModelSim
PSIM のオプションモジュール
複合物理領域シミュレーションプラットフォーム
➡ Saber, AMESim, GT-Suite, Easy5, FMI 等とリンク可能
MagCoupler Module もしくは
MagCoupler-RT Module が必要
ModCoupler-VHDL Module もしくは
ModCoupler-Verilog Module が必要
不要
http://www.myway.co.jp/psimcafe/
多目的ロバスト設計最適化支援ツール
PSIM の便利な使い方やコツなどの情報を、ブログ形式で発信しています。
(以下は一例 )
➡ PSIM 回路中の複数のパラメータを連続自動計算により
不要
最適化可能
PSIMcafe
もっと PSIM の話をしましょう。
電磁場解析ソフトウェア
➡ EMSolution で生成したモータモデル等のインバータ波
不要
形入力時の応答が解析可能
●PSIM 使い方のヒントとコツ http://www.myway.co.jp/psimcafe/?p=552
PSIM ユーザ会 2012 の Myway の発表資料の閲覧と回路のダウンロードが可能です。
電磁界解析ソフトウェア
●磁気エネルギー回生スイッチ (MERS) の応用 #1 http://www.myway.co.jp/psimcafe/?p=160
東京工業大学 原子炉工学研究所 卓越教授 嶋田隆一先生の連載コンテンツです。
こちらも回路のダウンロードが可能です。
MagNet
➡ MagNet で生成したモータモデル等のインバータ波形入
不要
力時の応答が解析可能
●PSIM カスタマイズ #02 http://www.myway.co.jp/psimcafe/?p=53
PSIM を使い易くする自分専用のカスタマイズ方法を紹介しています。
●PSIM Knowledge#3 http://www.myway.co.jp/psimcafe/?p=579
*Windows は米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。
その他本資料に記載の各プロダクト名、およびロゴは各社の商標または登録商標です。
PSIM に関するクイズに挑戦できます。
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