00.8.1~00.10

新聞記事に見る環境問題
出典:朝日、毎日、読売、化学工業日報(化工日と記す)、
産業経済(産経と記す)新聞。夕刊は(夕)と記す。
[ ハロ ン削減 戦略 策定] 消 防 庁 、 環 境 庁 、 通 産 省 、 運 輸 省 な ど ハ ロ ン 関 係 8 省 庁 は 、 モ ン
ト リ オ ー ル 議 定 書 第 10 回 締 結 国 会 合 で 先 進 国 が 先 月 末 ま で に UNEP( 国 連 環 境 計 画 ) の オ ゾ
ン事務局に提出することが決定したハロンの排出削減および使用全廃を含む「国家ハロンマネ
ジメント戦略」を策定した。同戦略ではハロンに代わる消化剤が開発されていない領域がある
ことから引き続き使用を認める一方で、ハロンバンク推進協会を中心に適正な管理、回収・再
利用、余剰分の処理などを関係者が自主的に取り組み、不用意な放出を防止することを基本方
針としている。
( 化 工 日 00.8.1)
[企業の環境対策 認識高まる] 国立環境研究所は、「地球環境問題をめぐる消費者の意
識と行動が企業戦略に及ぼす影響(企業編)」の調査報告を発表した。昨秋、上場・非上場の
6,000 社 を 対 象 に 行 っ た 調 査 で 2,223 社 か ら の 回 答 を 分 析 し た 。 「 環 境 分 野 は ビ ジ ネ ス と し て
将 来 性 が あ り 、有 望 な 分 野 で あ る 」と の 回 答 は 前 回 調 査( 96 年 )に 比 べ て 9.4 ポ イ ン ト の 増 加 。
一 方 、「 環 境 対 策 コ ス ト が 増 大 し 、将 来 の 企 業 活 動 を 抑 制 す る 」と の 意 見 は 11.7 ポ イ ン ト の 低
下となった。この調査では、多様な角度からの分析を行っているが、それらを総合しても、企
業のうち、特に大企業では環境への取り組みとその認識が前回調査に比べて格段に進展してい
ることが特徴的に現れている。
( 化 工 日 00.8.1)
[ 健全 な水循 環系 構築へ HP 開 設 ] 建 設 省 の 6 省 庁 は 、 健 全 な 水 循 環 系 の 構 築 に 向 け た 情 報
を 発 信 す る ホ ー ム ペ ー ジ( http://www.nla.go.jp/mizusei/junkan/index.html)を 1 日 に 開 設 す
る 。健 全 な 水 循 環 系 構 築 に 向 け て 総 合 的 、効 率 的 施 策 の 実 施 を 図 る 目 的 で 、98 年 8 月 に 発 足 し
た 関 係 6 省 庁 に よ る 連 絡 会 議 が ま と め た 中 間 取 り ま と め な ど の 合 意 内 容 や 、各 省 庁 が 保 有 する
水循環に関する情報などを掲載する。水循環系に関連した事業としては今年度、「水循環系健
全 化 に 向 け た 総 合 施 策 検 討 調 査 」を 実 施 し て い る 。
( 化 工 日 00.8.1)
[ 綾瀬 川 再 びワ ースト 1] 建 設 省 は 、全 国 の 1 級 河 川 109 水 系 の 99 年 水 質 調 査 結 果 を 発
表 し た 。最 も 汚 れ て い た の は 綾 瀬 川( 埼 玉 県・東 京 都 )で 2 年 ぶ り の ワ ー ス ト ワ ン 。逆 に 最 も
きれいなのは尻別川(北海道)、札内川(同)、姫川(新潟県)だった。環境基準をクリアし
た 地 点 は 82% で 、前 年 よ り 5 ポ イ ン ト 減 少 。同 省 は「 降 水 量 が 減 少 し た こ と で 、流 量 が 減 少 し
た こ と が 原 因 」と 分 析 し て い る 。
( 化 工 日 00.8.1)
[ 冷媒 フロン の回 収対象 量増 加傾向 ] 環 境 庁 は 、冷 媒 と し て 使 わ れ て い る CFC( ク ロ ロ フ
ル オ ロ カ ー ボ ン )、HCFC( ハ イ ド ロ ク ロ ロ フ ル オ ロ カ ー ボ ン )の 99 年 末 現 在 の 回 収 処 理 が 必
要 と な る ス ト ッ ク 量(使 用 中 の 機 器 に 充 て ん さ れ て い る 量 )を 推 計 し た 。CFC の ス ト ッ ク 量 は
21,266 ㌧ と 推 計 、ま た HCFC の 同 年 末 で の ス ト ッ ク 量 は 170,192 ㌧ で 、今 後 も HCFC 使 用 機
器 が 投 入 さ れ る た め ス ト ッ ク 量 は さ ら に 増 加 、2005 年 頃 に ピ ー ク を 迎 え る と し て い る 。し か し
CFC の 回 収 率 は い ぜ ん と し て 低 水 準 で 推 移 、大 気 へ 放 出 さ れ て お り 、HCFC を 含 め た 抜 本 的 な
対策が求められそうだ。
( 化 工 日 00.8.1)
[ ヒバ リ・モ ズが 消える ?] ヒ バ リ や モ ズ な ど 身 近 な 野 鳥 の 繁 殖 場 所 が こ の 20 年 間 で 激 減
する一方、野生化したソウシチョウやガビチョウなど輸入ペットの繁殖地が増え始めているこ
とが、日本野鳥の会が実施した「鳥類生息分布調査」の中間報告で分かった。調査は環境庁の
「 緑 の 国 勢 調 査 」 の 一 環 で 、 延 べ 約 1,700 人 が 全 国 の 平 地 部 で 約 600 種 近 い 鳥 類 を 対 象 に
1997-98 年 に 実 施 し た 。78 年 に 実 施 し た 前 回 調 査 で は 、ヒ バ リ は 繁 殖 確 実 な 区 域 が 211 カ 所 だ
っ た の に 今 回 は 約 71 カ 所 し か 確 認 で き な か っ た 。チ ゴ モ ズ は 20 カ 所 か ら 青 森 県 内 の 1 カ 所 に 、
サ ン シ ョ ウ ク イ は 37 カ 所 か ら 8 カ 所 に 減 少 し た 。チ ゴ モ ズ 、サ ン シ ョ ウ ク イ な ど は 98 年 、環
境庁指定の絶滅危ぐ種に新たに加えられている。
( 産 経( 夕 )00.8.1、朝 日 00.8.10)
1
[紫外線から子供を守れ] 最近、オゾン層破壊の問題をきっかけに、体に有害な紫外線か
ら子供たちを守ろうとする動きが広がっている。プールサイドにテントを張ったり、校庭で遊
ぶ時間を制限したり、また、日焼け止めクリームを塗り、長袖の運動服を着ることを認める学
校もある。母子手帳の「日光浴・外気浴をさせていますか」とのチェック項目から「日光浴」
が 削 減 さ れ た の は 1998 年 か ら 。 紫 外 線 の 害 を 問 題 に し た 皮 膚 科 医 の 指 摘 が き っ か け だ っ た 。
有害紫外線を浴びるほど皮膚ガンや白内障が増え、免疫力も落ちるというのが、専門家の一致
し た 見 方 だ 。幼 年 期 ほ ど 害 は 大 き い 。
( 朝 日( 夕 )00.8.1)
[建築廃材のリサイクル技術開発へ] 通産省は建築解体木材のリサイクル率を向上させる
ため、今年度から廃木材の品位に対応したリサイクル技術の開発に着手する。高・中品位の廃
木 材 は 合 板 の 代 替 が 可 能 な 高 耐 水 性 の 木 質 ボ ー ド に 、中・低 品 位 の も の は 液 化 し て 発 泡 成 形 剤、
抗 菌 剤 、 防 腐 剤 、 着 色 剤 な ど に 、 低 品 位 の も の は 炭 化 さ せ 床 下 調 湿 用 断 熱 材 、 空 気 を 浄 化 する
内 装 面 材 、 家 庭 排 水 用 バ イ オ 資 材 な ど に 再 生 す る 。 研 究 開 発 期 間 は 2004 年 ま で の 5 年 間 。
( 化 工 日 00.8.2、 00.8.16)
[ 紙 、プ ラ製 容器 包装識 別マ ーク決 まる ] 通 産 省 は 7 月 31 日 、産 業 構 造 審 議 会 廃 棄 物・リ
サイクル部会容器包装リサイクル小委員会を開き、紙製とプラスチック容器包装の識別表示マ
ー ク を 決 め た 。こ れ に よ り 、ア ル ミ 缶 や PET ボ ト ル と 同 様 に 、紙・プ ラ ス チ ッ ク 容 器 包 装 につ
い て も 資 源 有 効 利 用 促 進 法 が 施 行 さ れ る 来 年 4 月 1 日 以 降 は「 識 別 マ ー ク 」の 表 示 が 義 務 付 け
られることになった。
( 化 工 日 00.8.2)
[ 下水 道 PRTR マ ニ ュ アル 策定へ ] 来 年 4 月 の PRTR 法 ( 化 学 物 質 管 理 促 進 法 ) 施 行 を
控えて、下水道管理者の化学物質の管理・排出量の把握を促進するために、建設省は学識経験
者 や 自 治 体 の 下 水 道 担 当 者 な ど か ら な る「 下 水 道 PRTR マ ニ ュ ア ル 策 定 委 員 会 」を 発 足 さ せ た 。
同 委 員 会 は 来 年 3 月 末 ま で に 5 回 程 度 会 合 を 開 き 、下 水 道 管 理 者 向 け の マ ニ ュ ア ル を 策 定 する
予定。
( 化 工 日 00.8.3)
[ EPA 最 終 排ガ ス規制 第1 弾 ] 米 環 境 保 護 庁( EPA)は 、大 型 の デ ィ ー ゼ ル・ト ラ ッ ク 、
バスの有毒排ガスを削減するための最終規制策を発表した。自動車用エンジンの改良とディー
ゼル燃料のクリーン化に向けた2段階作戦の第1弾で、トラックエンジンから排出される大気
汚 染 物 質 を 2004 年 ま で に 40% 削 減 す る こ と を 目 指 し て い る 。 排 ガ ス 規 制 の 第 2 段 階 で は 、
2007 年 ま で に デ ィ ー ゼ ル 燃 料 や エ ン ジ ン の 一 段 の 改 良 を 求 め 、ト ラ ッ ク 、バ ス か ら の 大 気 汚 染
物 質 排 出 を さ ら に 90% 削 減 す る こ と を 義 務 付 け る 方 針 。
( 化 工 日 00.8.3)
[ 工技 院が TR 公 表 ] 通 産 省 工 業 技 術 院 標 準 部 は 、1 日 付 で「環 境 ラ ベ ル 及 び 宣 言 - タ イ プ
Ⅲ環境宣言」
( ISO14025)の 標 準 情 報( TR Q0003)を 公 表 し た 。TR は 日 本 標 準 調 査 会( JISC)
の 審 議 を 経 て 、公 表 さ れ る JIS 化 の 前 段 階 と な る 標 準 情 報 で 、今 回 は 製 品 な ど を ラ イ フ サ イ ク
ル ア セ ス メ ン ト( LCA)手 法 に 基 づ い て 環 境 負 荷 を 定 量 的 に 開 示 す る こ と を 宣 言 す る た め の 技
術 報 告 書( ISO/ TR14025)を 翻 訳 し た も の 。
( 化 工 日 00.8.3)
[ 中国 の環境 保全 状況] 中 国 は こ の ほ ど 「 99 年 中 国 環 境 状 況 公 報 」 を 公 表 し た 。 経 済 構 造
の 戦 略 的 調 整 を 推 し 進 め る な か 、 99 年 は 環 境 保 全 分 野 に GDP1 % に 相 当 す る 823 億 2,000 万
元を投入した。環境の総合的改善、排ガス、廃水、廃棄物の排出量のコントロール、企業の環
境保全基準の達成などに取り組んだ結果、環境汚染深刻化問題が緩和され、一部の地域と都市
で環境改善の成果がみられた。しかし、まだ低い水準での環境保全基準しか達成できず、農薬
と化学肥料の環境汚染も深刻化しており、中国の環境問題はいぜんとして厳しい。
( 化 工 日 00.8.3)
[環境ホルモン 室内で高濃度検出] 室内の内分泌かく乱化学物質濃度を調べていた東京
都 は 、 フ タ ル 酸 エ ス テ ル 類 の 濃 度 が 、 外 気 に 比 べ 最 大 で 10 倍 近 く に な る と の 調 査 結 果 を 発表
し た 。 住 宅 や 事 務 所 、 老 人 保 健 施 設 な ど 都 内 の 35 カ 所 の 空 気 を 分 析 し た 結 果 、 フ タ ル 酸 エス
テ ル 類 9 物 質 の う ち 、内 分 泌 か く 乱 作 用 が あ る と さ れ る 6 物 質 を 全 て の 室 内 で 検 出 し た 。室 外
に 比 べ と く に 濃 度 が 高 か っ た フ タ ル 酸 ジ -n-ブ チ ル 、 フ タ ル 酸 ジ エ チ ル 、 フ タ ル 酸 ジ -2-エ チ ル
2
ヘキシルの 3 物質について「室内に発生源が存在することが示唆された」と結論付けた。
( 化 工 日 、 朝 日 、 産 経 00.8.3)
[ 水道 管から 環境 ホルモ ン] 全 国 の 生 協 な ど 9 団 体 で つ く る 環 境 ホ ル モ ン 全 国 市 民 団 体 テ
ーブルの調べで、ビスフェノールAが家庭の水道管から溶出していることが分かった。よく使
わ れ る 7 社 の プ ラ ス チ ッ ク 製 の 計 10 商 品 を 調 査 し た 結 果 、 7 つ か ら 0.1-16ppb の ビ ス フ ェ ノ
ールAを検出した。同団体は今回の調査で出た数値は人体への影響が十分考えられる値だと警
告しており、今後安全性の高いステンレス管を使用するよう、住宅メーカーなどに働きかけて
い く と い う 。現 在 、給 水 管 の う ち ス テ ン レ ス 製 の も の は 約 5% と い う 。
( 朝 日 00.8.4)
[ 待機 時消費 電力 全消 費量 の 9.8% ] 財 団 法 人・省 エ ネ ル ギ ー セ ン タ ー は 、「 家 庭 に お け
る待機時消費電力調査」の結果を発表した。家庭における待機時消費電力量は1世帯当たり平
均 398kw/ 時 / 年 で 全 消 費 電 力 の 9.8% 、 電 気 料 金 に す る と 約 9,800 円 だ っ た 。 待 機 時 消 費 電
力 量 の 最 も 大 き い 機 器 は ビ デ オ デ ッ キ で 1 世 帯 当 た り 96.6kw/ 時 / 年 ( 待 機 時 消 費 電 力 量 全
体 の 24.2% )。待 機 時 消 費 電 力 量 は 機 器 の 主 電 源 を 切 っ た り 、プ ラ グ を コ ン セ ン ト か ら 抜 く な
ど使用法を変えることで大幅に削減できる。また、現在使用されている機器が最近の機器に置
き 換 わ っ た 場 合 、228kw/ 時 / 年( 同 約 43% 削 減 )に 削 減 で き る と い う 。 ( 化 工 日 00.8.4)
[ NO x 規 制 乗用 車も] 自 動 車 か ら 出 る 窒 素 酸 化 物(NO x )の 総 量 削 減 を 目 指 す 自 動 車 NO x
法 の 強 化 を 検 討 し て い た 中 央 環 境 審 議 会 は 4 日 、東 京 、大 阪 な ど の 大 都 市 地 域 で は 、従 来 のト
ラックやバスに加え、新たに乗用車も排ガス車種規制の対象に加える方針を決めた。四輪駆動
レ ジ ャ ー 車 な ど 、乗 用 車 か ら 出 る NO x は 全 体 の 約 1 割 を 占 め 、無 視 で き な い 量 と 判 断 し た た め 。
新 規 制 に は 、デ ィ ー ゼ ル 車 の 排 気 中 の 粒 子 状 物 質( DEP)対 策 も 盛 り 込 み 、対 象 と な る 特 定 地
域 に は 、東 京 、大 阪 の ほ か 愛 知 県 な ど も 加 え る 方 針 。
( 読 売 00.8.5、毎 日 00.8.12)
[ 特殊 車をデ ィー ゼル規 制対 象に] デ ィ ー ゼ ル 自 動 車 の 排 ガ ス に 含 ま れ る 窒 素 酸 化 物(NO
x )や 粒 子 状 物 質( PM)削 減 の た め 、運 輸 省 と 建 設 省 が 、現 在 は 規 制 対 象 外 の ク レ ー ン な ど の
建 設 機 械 や 産 業 機 械( 特 殊 自 動 車 )に つ い て 、2002 年 か ら 規 制 す る 方 針 で 検 討 に 着 手 し た 。ほ
と ん ど が デ ィ ー ゼ ル 車 で 全 自 動 車 が 排 出 す る NO x の 3 割 、 PM の 1 割 を 占 め て い る 。 し か し 、
法律上の自動車と見なされないうえ、「所管官庁がはっきりしない」などの理由で規制の網に
入っていない。省庁再編で来年から国土交通省になる両省は来月にも検討会を設置して、規制
のための基準策定や公共工事での低排出型機械の使用推進などを協議する。
( 朝 日( 夕 )00.8.5)
[ ダイ オキシ ン 火葬場 から も ] 京 都 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 が 97 年 度 か ら 2 年 か け て 、計
22 の 火 葬 場 の 実 態 調 査 を し た 結 果 、わ ず か だ が ダ イ オ キ シ ン が 出 て い る こ と が 分 か っ た 。排ガ
ス 中 の ダ イ オ キ シ ン 濃 度 は 最 も 高 い 施 設 で 1 m 3 中 24ng、最 も 低 い 施 設 は 0.064ng だ っ た 。棺
や多様化する副葬品が発生源だ。今のところ、排出量はごくわずかだが、高齢化が進んで死者
が 増 え る と 、 無 視 で き な い 数 字 に な る 。 厚 生 省 は 調 査 を も と に 今 年 3 月 、 年 50 件 以 上 の 火 葬
を す る 施 設 を 対 象 に ガ イ ド ラ イ ン を 作 り 、 ダ イ オ キ シ ン 濃 度 を こ れ か ら 新 設 す る 炉 は 排 ガ ス1
m 3 中 1ng、 既 設 の 炉 は 5ng 以 下 と 、 ご み 焼 却 場 よ り 厳 し い 指 針 値 を 設 け た 。 ( 朝 日 00.8.7)
[ 戦略 的環境 アセ スメン ト 複数案 の比 較不可 欠] 戦 略 的 環 境 ア セ ス メ ン ト ( SEA) の 導
入に向けて、その原則や導入に当たっての留意点などを検討していた環境庁の「戦略的環境ア
セ ス メ ン ト 総 合 研 究 会 」は 4 日 、報 告 書 を ま と め 公 表 し た 。報 告 は 、SEA の 意 義 に つ い て「 環
境 に 著 し い 影 響 を 与 え る 施 策 の 策 定・実 施 に 当 た っ て 環 境 へ の 配 慮 を 意 志 決 定 に 統 合 す る こ と 。
事 業 の 実 施 段 階 で の 環 境 ア セ ス メ ン ト の 限 界 を 補 う こ と 」と し た 。ま た 、SEA は 幅 広 い 実 行 可
能な選択肢から環境の観点も踏まえて案を選択する手続であることから、「複数案の比較評論
は 不 可 欠 」で あ る と し て い る 。環 境 庁 で は こ の 報 告 書 を 活 用 し 、2、3 年 以 内 を め ど に 、交 通 系
や 土 地 利 用 系 な ど さ ま ざ ま な 計 画 の タ イ プ ご と に SEA を 行 う 場 合 に 必 要 と な る 手 続 、 技 術 手
法、留意点などをまとめたそれぞれのガイドラインを作成するとともに、さまざまな行政分野
で の 取 り 組 み を 支 援 し て 、具 体 的 事 例 を 積 み 重 ね る と し て い る 。
( 化 工 日 00.8.7)
3
[ PRTR パ イ ロッ ト事業 全 国 30 カ 所 で開始 ] 環 境 庁 の 今 年 度 PRTR パ イ ロ ッ ト 事 業 が
始 ま っ た 。 今 年 度 は 全 国 30 カ 所 で の 実 施 。 対 象 物 質 は 法 の 第 1 種 指 定 化 学 物 質 354 物 質 。 対
象 事 業 所 は 施 行 令 で 示 す 業 種 で 常 用 雇 用 者 数 が 21 人 以 上 の 事 業 所 。 取 扱 量 な ど に つ い て は、
い ず れ か の 第 1 種 指 定 化 学 物 質 の 年 間 取 扱 量 が 1 ㌧ 以 上 、 特 定 第 1 種 指 定 化 学 物 質 は 0.5 ㌧以
上など。
( 化 工 日 00.8.7)
[ 4 物 質 内 分泌 かく乱 作用 不明] 化 学 品 審 議 会 試 験 判 定 部 会 の 内 分 泌 か く 乱 作 用 検 討 分 科
会 は 、 内 分 泌 か く 乱 作 用 が 疑 わ れ て い る 化 学 物 質 の う ち 、 4-ニ ト ロ ト ル エ ン 、 ア ジ ピ ン 酸 ジ エ
チ ヘ キ シ ル 、 フ タ ル 酸 ジ -n-ブ チ ル 、 フ ラ ル 酸 ジ -2-エ チ ル ヘ キ シ ル の 4 物 質 に つ い て 国 内 外 の
文 献 評 価 結 果 を 報 告 し た 。 4 物 質 と も 何 ら か の 生 体 異 常 が 認 め ら れ る も の の 、 こ れ が 内 分 泌か
く乱作用によるものなのか十分な科学的知見は得られていないとしている。同分科会では環境
庁 が 内 分 泌 か く 乱 作 用 の 疑 い が あ る と し て リ ス ト ア ッ プ し た 67 物 質 の う ち 、 国 内 で 使 用 され
て い な い 物 質 を 除 い た 40 物 質 を 対 象 に 文 献 評 価 を 進 め て い る 。 こ れ ま で 、 今 回 の 4 物 質 を合
わ せ 13 物 質 の 文 献 評 価 を 完 了 し て い る 。
( 化 工 日 00.8.8)
[ クジ ラから 高濃 度ダイ オキ シン] 原 口 浩 一 ・ 第 1 薬 科 大 助 教 授 ら の 調 査 で 、 国 内 各 地 で
販売されていたクジラ、イルカ肉から高濃度のダイオキシンが検出された。沿岸クジラでは、
赤 身 ( 6 点 ) か ら 1 g 当 た り 平 均 2.97pg、 ベ ー コ ン な ど の 脂 身 ( 13 点 ) か ら は 27.1~ 691pg、
平 均 で 232pg の ダ イ オ キ シ ン を 検 出 し た 。北 太 平 洋 の ミ ン ク ク ジ ラ は 、赤 身( 3 点 )で 平 均 5.2pg、
脂 身( 9 点 )で 同 57.4pg、南 氷 洋 の ミ ン ク ク ジ ラ は 赤 身( 2 点 )で 平 均 1.5pg、脂 身( 5 点 )で
同 4.9pg だ っ た 。ダ イ オ キ シ ン の 残 留 が 多 い と 言 わ れ る ス ズ キ な ど 沿 岸 魚 類 で も 数 pg の た め 、
沿岸クジラ肉の脂身の汚染度は特に高い。
( 毎 日( 夕 )00.8.8)
[ 廃プ ラ有効 利用 化学 工場 など高 率] プ ラ ス チ ッ ク 処 理 促 進 協 会 は 、99 年 度 に 行 っ た 廃
プラスチックの有効利用総合実態調査の結果をまとめた。廃プラスチックの全国発生量は推計
で 年 間 5,692,000 ㌧ で 、総 合 工 事 業 が 最 も 多 く 同 162 万 ㌧ 、次 い で プ ラ ス チ ッ ク 製 品 製 造 業 同
1,335,000 ㌧ な ど 。 廃 プ ラ ス チ ッ ク の 有 効 利 用 は 全 体 の 43% で 、 量 に し て 2,452,000 ㌧ 。 利 用
率 の 高 い 業 種 は 金 属 製 品 製 造 業(81% )、化学 工 場( 69% )、プ ラ ス チ ッ ク 製 品 製 造 業(68%)
で 、 利 用 の 内 訳 は マ テ リ ア ル リ サ イ ク ル が 44% 、 サ ー マ ル リ サ イ ク ル が 29% 、 高 炉 還 元 な ど
そ の 他 の リ サ イ ク ル が 13% な ど と な っ て い る 。
( 化 工 日 00.8.9)
[ CO 2 森 林吸 収 量 3.7% ] 政 府 は 8 日 、地 球 温 暖 化 対 策 と し て 日 本 が 目 標 に し て い る 温 室 効
果 ガ ス の 6% 削 減 に つ い て 、 森 林 の 吸 収 量 の 推 計 を 気 候 変 動 枠 組 み 条 約 の 事 務 局 に 提 出 し た。
「 森 林 に よ る 吸 収 が 最 大 3.7% 見 込 め る た め 、排 出 削 減 は 2.3% で 済 む 」と い う 通 産 省 の 推 計 と 、
森 林 か ら 天 然 林 を 除 い た「 吸 収 が 3.2% で 、排 出 削 減 は 2.8% 」と い う 環 境 庁 と 林 野 庁 の 両 論 を
併 記 し た 。 こ の 日 本 の 見 積 も り は 、 最 終 的 に は 11 月 に オ ラ ン ダ で 開 か れ る 同 条 約 第 6 回 締約
国 会 議 ( COP6) で 認 め ら れ る か ど う か が 決 ま る 。
( 朝 日 ( 夕 ) 00.8.9、 化 工 日 00.8.10、 毎 日 00.8.13)
[ カー エアコ ン 用 CFC 回 収・破 壊量 が減少 ] カ ー デ ィ ー ラ ー な ど を 通 じ て 回 収 し 破 壊 さ
れ た カ ー エ ア コ ン 冷 媒 用 CFC( 特 定 フ ロ ン ) の 量 は 、 99 年 度 は 前 年 度 比 で 倍 増 し た も の の 、
2000 年 に 入 っ て 減 速 し て い る こ と が 通 産 省 の 調 査 で わ か っ た 。日 本 自 動 車 工 業 会 な ど 自 動 車 の
製造・販売・整備にかかわる団体が協力し、全国規模で回収・破壊ネットワークを構築して処
理 し て い る 業 界 シ ス テ ム の 実 績 を 見 る と 、 98 年 の 回 収 ・ 破 壊 量 は 56.8 ㌧ 、 シ ス テ ム が 本 格 化
し た 99 年 は 131.5 ㌧ と 前 年 に 比 べ 2 倍 以 上 に 増 え た 。 だ が 2000 年 は 55.7 ㌧ と や や 減 速 し て
いる。最近の破壊量の減少傾向について同省では「補充用フロンの品薄感から再生利用に回す
量が増えたためではないか」と分析している。
( 化 工 日 00.8.10)
[ 産廃 情報ネ ット 10 月 始 動へ急 ピッ チ ] 産 業 廃 棄 物 の 処 理 業 者 情 報 検 索 シ ス テ ム「 産 廃
情 報 ネ ッ ト 」 の 構 築 を 進 め て い る 産 業 廃 棄 物 処 理 事 業 振 興 財 団 は 、 産 廃 処 理 業 者 約 56,000 社
を 対 象 と し た 許 可 情 報 な ど の 第 1 次 調 査 を 終 え 、引 き 続 き 事 業 情 報 な ど の 第 2 次 調 査 に 入 っ た 。
10 月 の ス タ ー ト に 向 け て ネ ッ ト 構 築 作 業 を 急 ピ ッ チ で 進 め て い る 。こ の シ ス テ ム は 、日 本 で 初
4
めての事業として厚生省の助成で行われている。産廃業界を社会に対して開かれたものにする
とともに、排出事業者にとっても、適正な処理業者を選定する有効な手段になると期待されて
いる。
( 化 工 日 00.8.10)
[ ディ ーゼル 車規 制 知 事要 請で可 能に ] デ ィ ー ゼ ル 車 が 吐 き 出 す 有 害 物 質 の 抑 制 対 策 を
検 討 し て い る 環 境 庁 は 11 日 、 二 酸 化 窒 素 ( NO 2 ) と 浮 遊 粒 子 状 物 質 ( SPM) に よ る 汚 染 が 特
に激しい交差点などについて、都道府県知事が道路管理者である国や自治体、さらに交通政策
を担当する公安委員会に対し、改善策を講じるよう要請できる制度を導入する方針を固めた。
近 く 大 気 汚 染 防 止 法 の 総 理 府 令 を 改 正 、 NO 2 と SPM の 汚 染 濃 度 が 一 定 水 準 を 超 え た 場 合 、 交
差点への大型車の流入規制や車線制限などの対策を要請できるようにする。交通量が多い都市
部の交差点付近にはぜんそくに苦しむ患者が多く、具体的な対策を求める声が強く出ていた。
( 読 売 ( 夕 ) 00.8.11)
[ PCB 機 器 処理 に補助 金] ポ リ 塩 化 ビ フ ェ ニ ー ル ( PCB) を 使 っ た コ ン デ ン サ ー な ど が 、
未 処 理 の ま ま 大 量 に 全 国 の 企 業 で 保 管 さ れ て い る 問 題 で 、 厚 生 省 と 環 境 庁 は 12 日 、 中 小 企 業
が無害化処理を行う場合、処理費用の一部を負担する方針を固めた。来年度予算に、費用とし
て 20 億 円 を 概 算 要 求 す る 一 方 、 メ ー カ ー な ど に も 協 力 を 求 め て 官 民 共 同 の 基 金 を 作 り 、 負担
金 に 充 て る 。PCB を 使 っ た 機 器 の 無 害 化 は 、最 近 に な っ て 安 全 性 の 高 い 化 学 処 理 技 術 が 実 用 化
さ れ た も の の 、 厚 生 省 の 試 算 に よ る と 、 処 理 費 用 は 1 台 約 50 万 円 で 、 全 体 の 9 割 を 占 め る中
小 企 業 保 管 分 19 万 台 で は 950 億 円 に 上 る 。 政 府 は 今 年 度 、 無 害 化 処 理 施 設 の 建 設 費 補 助 に 約
6 億円を計上しており、これらの処理施設で今後 5 年間かけ、中小企業保管分の半数を無害化
することを目指す。
( 読 売( 夕 )00.8.12)
[ 首都 圏産廃 119 万 ㌧ が圏 外で処 分] 97 年 度 に 首 都 圏 で 排 出 さ れ た 産 業 廃 棄 物 の う ち 、119
万㌧が中部、九州地方など県外に運ばれ、埋め立て処分されていることが、厚生省の調査で分
か っ た 。 調 査 に よ る と 、 首 都 圏 の 1 都 6 県 か ら 圏 外 に 移 動 し た 産 廃 119 ㌧ の う ち 、 53 万 ㌧ は
焼 却 な ど で 中 間 処 理 さ れ 、 残 る 66 万 ㌧ が 最 終 処 分 さ れ た 。 首 都 圏 の 産 廃 を 埋 め 立 て る 最 終 処
分 場 の 残 余 年 数 は 、97 年 度 末 時 点 で 0.7 年 分 と ひ っ 迫 し て い る 。
( 化 工 日 00.8.14)
[ 欧州 プラリ サイ クル調 査] プ ラ ス チ ッ ク 処 理 促 進 協 会 は 、 今 年 3 月 に ブ リ ュ ッ セ ル で 開
か れ た 第 7 回 欧 州 包 装 法 会 議 へ 出 席 す る と と も に 、ア ム ス テ ル ダ ム の PETCORE や ブ リ ュ セ ル
の APME( 欧 州 プ ラ ス チ ッ ク 製 造 者 協 会 ) な ど の 業 界 団 体 を 訪 問 し て PET ボ ト ル リ サ イ ク ル
状況や、プラスチック容器包装廃棄物をリサイクルした場合の環境に対する効率(エコ・エフ
ィシェンシー)評価などを調査した。
EU 指 令 の 改 正 案 ( 2006 年 6 月 末 ま で の 目 標 ) で は 、 現 在 オ プ シ ョ ン 1 ( 回 収 率 90% 、 各
素 材 リ サ イ ク ル 率 60% ) と 同 2( 回 収 率 は 定 め ず 、 リ サ イ ク ル 率 は 包 装 廃 棄 物 全 体 で 60% 以
上 で 素 材 別 に 下 限 を 定 め 、プ ラ ス チ ッ ク は 20% と す る が 、マ テ リ ア ル リ サ イ ク ル に 限 る )が あ
り 、検 討 が 行 わ れ て い る 。会 議 で は 、「リ ユ ー ス を 強 調 す べ き 」( ド イ ツ )、「費 用 / 利 益 に よ る
評 価 が 重 要 」( イ ギ リ ス ) な ど の 意 見 が 出 さ れ 、 ま た DSD( ド イ ツ の 包 装 廃 棄 物 回 収 リ サ イ ク
ル 組 織 )か ら は 「SORTEC3.0( プ ラ ス チ ッ ク 包 装 廃 棄 物 を 乾 式 分 離 、光 学 的 分 離 、湿 式 分 離の
後 、 顆 粒 化 す る 技 術 ) の 採 用 で 処 理 費 用 を 半 額 に で き る 見 込 み 」と 報 告 さ れ た 。
PET ボ ト ル の 処 理 状 況 で は 、西 欧 全 体 で 99 年 の 回 収 量 は 23 万 ト ン( 消 費 は 122 万 ト ン )。
デ ポ ジ ッ ト 制 度 を 採 用 し て い る 国 で は 回 収 率 が 高 く な っ て い る 。 回 収 23 万 ト ン の う ち 5 万ト
ン が 中 国 と イ ン ド ヘ の 輸 出 だ っ た が 、 中 国 が WTO に 加 入 し 輸 入 関 税 が 撤 廃 さ れ る と バ ー ジン
と の 価 格 差 が 小 さ く な り 、中 国 の リ サ イ ク ル PET の 輸 入 激 減 が 予 測 さ れ 、欧 州 市 場 内 で リ サ イ
ク ル PET が 過 剰 と な っ て 価 格 変 動 の 要 因 に な る と 指 摘 さ れ て い る 。
エ コ・エ フ ィ シ ェ ン シ ー で は APME が 今 年 1 月 に 報 告 書 を 発 表 し て い る 。こ こ で は 、「15%
マ テ リ ア ル リ サ イ ク ル 、 85% エ ネ ル ギ ー 回 収 」の 場 合 、 コ ス ト が 最 小 で 環 境 へ の 影 響 も 現 在 よ
りはるかに小さくなり、マテリアルリサイクル率が上がるにつれ環境影響は小さくならず、コ
ス ト の 増 大 が 際 立 っ て く る と し て 「15%マ テ リ ア ル リ サ イ ク ル 、 85% エ ネ ル ギ ー 回 収 が ベ ス ト
な 選 択 」と し て い る 。
( 化 工 日 00.08.14)
5
[低環境負荷型住宅 先導研究に着手] 建設省は地域それぞれの気候風土にあった環境調
和型住宅システムを確立するための先導研究に着手した。太陽光発電や植生利用による浄化シ
ステムなど既存の技術や発展途上の技術を組み合わせて、気候風土にあった低環境負荷型の住
宅システムを開発する。最終的には外部に資源やエネルギーを依存しない「自立型住宅システ
ム」の確立を目標にしている。地域性を重視して環境調和型の住宅や市街地の構築を目指す考
え方は「バウビオロギー」と呼ばれ、ドイツ、オーストリア、スイス、オランダなどにおいて
研究開発が進められている。
( 化 工 日 00.8.15)
[ 自動 車 NO x 法 粒子 状物 質も対 象に] 自 動 車 排 ガ ス 中 の 窒 素 酸 化 物( NO x )の 削 減 策 を
検討している中央環境審議会の小委員会はこのほど、中間報告の骨子をまとめた。ディーゼル
車 か ら 出 る 粒 子 状 物 質 ( PM) を 新 た に 規 制 対 象 に 加 え る 一 方 、 ① 大 都 市 圏 の 排 ガ ス 車 種 規 制
を強化する②一定台数以上使う事業者に排ガス抑制計画の策定を義務付ける③汚染が深刻な大
都市の交差点などを対象に局地汚染対策推進計画制度を創設する-ことなどを打ち出した。
( 化 工 日 00.8.15)
[ PRTR に 前 向き ] 東 京 都 中 小 企 業 振 興 公 社 は 中 小 企 業 2,000 社 を 対 象 と し た 環 境 問 題 の 実
態 調 査 報 告 を ま と め た 。PRTR・MSDS な ど 化 学 物 質 管 理 と 産 業 廃 棄 物 に 関 し て の も の で 、PRTR
では、この制度を積極的に利用していこうとの姿勢がある一方、わかりやすいマニュアルの作
成 な ど 行 政 へ の 要 望 も 多 い 。ま た MSDS で は 、全 体 の 半 数 が「 そ れ 自 体 知 ら な い 」と 回 答 す る
など問題点も指摘された。
( 化 工 日 00.8.15)
[地熱エネルギー クリーンで膨大] 地熱エネルギーを利用した発電の実用化が、クリー
ンなエネルギー源として有望視されている。その可能性をさらに広げる技術として山形県の実
験 場 で 研 究 が 進 む 「 高 温 岩 体 発 電 」 が 、 新 エ ネ ル ギ ー ・ 産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 ( NEDO) に よ
り 今 年 末 か ら 2 年 間 の 最 終 基 礎 実 験 に 入 る 。 高 温 岩 体 発 電 は 1972 年 に 米 国 で 考 え 出 さ れ た。
従来の方式は熱い地下水がある場所でしかできないが、高温岩体発電は、地下深くのマグマか
ら伝わる熱で熱くなった地層(高温岩体)に人工的に水を注入し、蒸気や熱水にして発電する
技 術 で 、 地 下 水 の な い 場 所 を 利 用 で き る た め 建 設 適 所 が 広 が る 。 21 世 紀 初 頭 の 実 用 化 へ 向 け 、
成果が期待される。
( 毎 日 00.8.15)
[ 簡 易 な 排 出 量 測 定 法 開 発 へ ] 通 産 省 は 、 PRTR 法 の 円 滑 な 施 行 へ 向 け た 環 境 整 備 を 実 施
し て い る が 、2001 年 度 予 算 で も 排 出 測 定 マ ニ ュ ア ル の 改 訂 に 伴 う 排 出 量 自 動 測 定 シ ス テ ム の開
発 を 日 本 経 済 新 生 特 別 枠 の IT( 情 報 技 術 )枠 で 要 求 す る 考 え 。す で に エ レ ク ト ロ ニ ク ス メ ーカ
ー が 自 社 工 場 の PRTR 測 定 を 自 動 化 す る た め に 開 発 し た 測 定 ソ フ ト が 販 売 さ れ る よ う に な って
いるが、測定手法が多少異なること、中小企業では導入が難しいことなどから、これらも含め
所轄官庁としても統一した簡易型の測定システムを開発する必要があるとしている。
( 化 工 日 00.8.16)
[ 容器 包装分 別収 集不調 ] 全 国 の 政 令 市 に 先 が け て 、 プ ラ ス チ ッ ク 製 と 紙 製 の 容 器 ・ 包 装
の 分 別 収 集 に 乗 り 出 し た 名 古 屋 市 は 、ス タ ー ト か ら 1 週 間 の 収 集 状 況 を ま と め た 。収 集 実 績(平
均 日 量 ) は 、 プ ラ ス チ ッ ク 製 容 器 ・ 包 装 は 約 28 ㌧ で 予 想 量 の 20% 、 紙 製 容 器 ・ 包 装 は 約 16
㌧ で 26% に と ど ま り 、新 制 度 へ の 市 民 の 理 解 が 不 足 し て い る 実 態 を 裏 付 け た 。99 年 2 月 に「 ご
み 非 常 事 態 」を 宣 言 し た 名 古 屋 市 は 、年 間 100 万 ㌧ を 突 破 し て い た ご み 量 を 今 年 度 末 ま で に 80
万㌧にまで減らす目標を打ち出している。
( 化 工 日 00.8.16)
[排ガス対策 自治体バスも補助] ディーゼル排ガス対策を進めるため、環境庁は来年度
か ら 、自 治 体 が バ ス に デ ィ ー ゼ ル 排 気 微 粒 子( DEP)を 除 去 す る 後 処 理 装 置 を 装 着 す る 際 、1
台 約 200 万 円 か か る 費 用 の 2 分 の 1 を 補 助 す る 方 針 を 決 め た 。来 年 度 予 算 の 概 算 要 求 に 約 2 億
円を盛り込み、首都圏や近畿圏などから優先的に補助を始めたいとしている。運輸省は、民間
事 業 者 の ト ラ ッ ク へ の 装 着 に 対 し て 、 4 分 の 1 の 補 助 を 行 う た め 、 数 百 台 分 約 2 億 5,000 万 円
を概算要求する。
( 朝 日 00.8.16)
6
[ 北極 圏の気 温上 昇 過 去 4 世 紀で 最高] 20 世 紀 後 半 の 北 極 圏 の 気 温 が 過 去 4 世 紀 で 最 も
高くなっていることが、米コロラド大学などの研究で分かった。研究グループは、北極圏の気
温上昇が地球温暖化の進行を示すものとして警鐘を鳴らしている。米アラスカ州やユーラシア
大 陸 北 部 の 北 極 圏 の 冬 季 の 平 均 気 温 が 、 最 近 の 30 年 間 で 6℃ 上 昇 し た こ と も 判 明 し た 。
( 産 経 ( 夕 ) 00.8.16)
[ 地下 水から 基準 の 360 倍 のカド ミウ ム] 非 鉄 金 属 大 手 の 三 菱 マ テ リ ア ル は 同 社 総 合 研 究
所 敷 地 の 地 下 水 か ら 環 境 基 準( 1 ㍑ 当 た り 0.01mg)の 360 倍 に 当 た る 3.6mg の カ ド ミ ウ ム を
検 出 し た と 発 表 し た 。 ま た 、 同 社 北 本 製 作 所 で は 環 境 基 準 ( 同 0.03mg) の 8,000 倍 の 240mg
の ト リ ク ロ ロ エ チ レ ン を 、同 社 樋 川 製 作 所 で は 環 境 基 準( 同 0.01mg)の 430 倍 の 4.3mg の テ
ト ラ ク ロ ロ エ チ レ ン を 、 そ れ ぞ れ 地 下 水 か ら 検 出 し た 。 同 研 究 所 で は 1987 年 ま で カ ド ミ ウム
を 主 原 料 と す る 顔 料 工 場 が 稼 働 し て い た 。 ト リ ク ロ ロ エ チ レ ン や テ ト ラ ク ロ ロ エ チ レ ン は 66
年 か ら 90 年 に か け て 、 銅 や ニ ッ ケ ル の 合 金 な ど の 製 造 過 程 で 、 洗 浄 用 に 使 用 し て い た 。
( 朝 日 、 毎 日 、 読 売 00.8.18)
[臭素系の調査研究を] 7 都県市首脳会議(千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、横浜市、
川崎市、千葉市の知事市長で構成)は、総合的なダイオキシン類対策の推進について国に要望
した。排出削減や調査への財政支援などを求めるとともに、底質に関する環境基準の早期設定
や、プラスチック製品の使用素材の表示義務化、臭素系ダイオキシンの調査研究の推進などを
要望した。また食品や母乳、血液中のダイオキシン類濃度についての実態調査を充実し、健康
への影響を早期に解明することも求めている。
( 化 工 日 00.8.18)
[ 温暖 化につ れ花 粉症増 加] 米 農 務 省 の 実 験 で 、地 球 温 暖 化 を 招 く 二 酸 化 炭 素( CO 2 )が 増
えると、花粉症の原因になる花粉の量が多くなることが分かった。米国でもアレルギーに関係
す る 病 気 が 増 え て お り 、 CO 2 の 増 加 も 関 係 し て い る よ う だ と 推 論 さ れ て い る 。ブ タ ク サ を 使 っ
て 実 験 し た 結 果 、20 世 紀 初 め の CO 2 の 濃 度 と 考 え ら れ る 280ppm で 1 鉢 当 た り の 花 粉 量 が 5.5g、
現 在 の 370ppm で は 10g、 21 世 紀 末 の 濃 度 と 予 想 さ れ る 600ppm だ と 20g に な っ た 。
( 朝 日 ( 夕 ) 00.8.18)
[解体中にダイオキシン吸引] ダイオキシン類に汚染された大阪府能勢町のごみ焼却施設
「豊能郡美化センター」の解体に従事した作業員が二次汚染した問題で、工事を請け負った日
立 造 船 が 、ダ イ オ キ シ ン 類 を 除 去 し な い ま ま 一 部 の 設 備 を 、バ ー ナ ー で 切 断 さ せ て い た こ と が、
労働省の調査で分かった。同省はガス化したダイオキシン類が防塵マスクを通過して、人体に
吸収されたとみている。
( 読 売 00.8.19、00.8.20)
[ PCB 含 む 自衛 隊装備 品一 斉調査 ] 防 衛 庁 は 来 月 1 ヶ 月 間 を か け 、 全 国 の 駐 屯 地 な ど で 管
理 し て い る PCB 含 有 の 変 圧 器 な ど 計 約 700 台 の 保 管 体 制 に つ い て 、初 の 一 斉 調 査 に 乗 り 出 す 。
艦 船 や 戦 闘 機 の 通 信 機 器 や レ ー ダ ー 、航 法 装 置 な ど 、PCB を 使 っ た 多 様 な 装 備 品 を 配 備 す る 自
衛 官 に と っ て 、 そ の 管 理 は 厄 介 な 問 題 。 最 近 ま で 安 全 な 処 理 方 法 が な か っ た た め 、 全 国 で 46
カ 所 の 補 給 倉 庫 な ど で 約 770 台 の 変 圧 器 な ど を 保 管 し 続 け て い る 。処 理 費 用 は 4 億 円 前 後 と 試
算されている。
( 読 売( 夕 )00.8.19)
[ ディ ーゼル 車規 制 納 入は 低 NO x 車 で ] 大 阪 府 は 2002 年 度 か ら 、 府 の 本 庁 舎 や 府 警 本
部 に 物 品 を 搬 入 す る 配 送 車 を 低 NO x 車 や 低 公 害 車 に 限 り 、NO x 排 出 量 が 多 い デ ィ ー ゼ ル 車 の 出
入 り を 認 め な い 制 度 を 導 入 す る 方 針 を 決 め た 。 デ ィ ー ゼ ル 車 規 制 に つ い て は 、 東 京 都 が 2003
年度から排ガスに含まれる微粒子の除去装置の装着を義務付ける方針を打ち出しているが、自
治 体 と の 契 約 業 者 に “ 出 入 り 規 制 ” を 設 け る の は 全 国 初 の 試 み 。 東 京 都 も 9 月 25 日 、 「 デ ィ
ー ゼ ル 車 NO 作 戦 」の 一 環 と し て 、来 年 度 か ら 都 庁 本 庁 舎 に 物 品 を 納 入 す る 業 者 に 対 し 、ディ
ー ゼ ル 車 の 使 用 を 抑 制 し 、ガ ソ リ ン 車 や 液 化 石 油 ガ ス( LPG)車 な ど へ の 転 換 を 促 す 方 針 を決
め た 。 2002 年 度 か ら は デ ィ ー ゼ ル 車 の 不 使 用 を 条 件 と し て 契 約 書 に 盛 り 込 む 。
( 読 売 ( 夕 ) 00.8.19、 読 売 00.9.26)
7
[ 家電 リサイ クル 法 来 年 4 月 施行 ] 使 用 済 み 家 電 を 資 源 や 燃 料 と し て 再 利 用 す る 「 家 電
リ サ イ ク ル 法 」が 来 年 4 月 か ら 施 行 さ れ る 。対 象 と な る 家 電 は テ レ ビ 、冷 蔵 庫 、洗 濯 機 、エ ア
コ ン の 4 品 目 。冷 蔵 庫 や テ レ ビ な ど は 分 解 が 簡 単 で は な い た め 直 接 埋 め 立 て ら れ る ケ ー ス がほ
と ん ど 。東 京 都 が 1997 年 に 公 表 し た ご み 処 理 の 費 用 は 、冷 蔵 庫 が 1 台 12,780 円 、エ ア コ ン が
8,733 円 。こ れ ら は 税 金 で ま か な わ れ て い る 。現 在 、廃 家 電 は 1,000~ 2,000 円 程 度 で 自 治 体 や
小売業者が引き取っているが、法施行後は数千円上乗せされることになりそうだ。消費者にと
っ て は 来 年 4 月 か ら 家 電 の 処 理 に 伴 う 費 用 負 担 が 増 大 す る た め 、不 法 投 棄 が 増 え た り 、「 リ サ
イ ク ル シ ョ ッ プ 」に 持 ち 込 む 動 き が 高 ま る と い う 指 摘 も あ る 。
( 毎 日 00.8.21)
[ 北極 点の氷 解 けてい た] 米 紙 ニ ュ ー ヨ ー ク ・ タ イ ム ズ に よ る と 、 国 連 の 気 候 変 動 に 関
する調査グループの共同責任者を務めるハーバード大学のジェームズ・マッカーシー博士らが
今月上旬、北極圏を航行した際、北極点を覆う氷の一部が解けていることを確認した。地球温
暖化が気候に影響していることを示す証拠という。北極点が凍結していない海水で覆われてい
た の は 約 5 千 年 前 が 最 後 と さ れ 、同 乗 し た マ ッ ケ ナ 博 士 は「 温 暖 化 を 認 め な い 人 も 北 極 点 が 解
け て い る と 聞 け ば 目 を 覚 ま す の で は な い か 」と 話 す 。
( 朝 日 、毎 日 00.8.21)
[廃プラ 有効利用の拡大へ] プラスチックをリサイクルする多様な手法の展開が急がれ
て い る 。容 器 包 装 リ サ イ ク ル 法 の 施 行 で 、回 収 さ れ る プ ラ ス チ ッ ク 類 が 増 加 す る こ と に な る が、
そうした量の拡大に対応できる有効なリサイクルの体系を整備することが求められているから
だ 。現 在 、有 効 利 用 さ れ て い る 一 般 廃 棄 物 の 40% 強 の 廃 プ ラ も 、ほ と ん ど は 発 電 付 焼 却 か 熱 利
用焼却で、これからは熱源としての利用以外の用途をどこまで拡大できるかが、大きな焦点で
も あ る 。 油 化 を は じ め 高 炉 原 料 化 、 ガ ス 化 、 コ ー ク ス 炉 化 学 原 料 化 の 技 術 が 確 立 す る に と もな
っ て 、一 般 廃 棄 物 の プ ラ ス チ ッ ク 類 リ サ イ ク ル の 進 展 が 期 待 さ れ る 。
( 化 工 日 00.8.21)
[ 9 割 の病院 で適 正分別 ] 東 京 都 は 、医 療 機 関 か ら 排 出 さ れ る 廃 棄 物 の 処 理 状 況 に つ い て の
調 査 結 果 を ま と め た 。 都 内 の 500 床 以 上 の 病 院 60 機 関 に つ い て 立 ち 入 り 検 査 し た も の 。 感 染
性 廃 棄 物 と 非 感 染 性 廃 棄 物 の 分 別 で は 、 9 割 の 医 療 機 関 で 適 正 な 対 応 が 行 わ れ て お り 、 一 般廃
棄 物 と 産 業 廃 棄 物 の 分 別 も 8 割 の 機 関 で 適 正 に 行 わ れ て い た 。た だ 、保 管 場 所 な ど の 適 正 な 表
示については、5 割の機関で発生場所や保管場所に、感染性廃棄物の存在の表示や、取り扱い
注意事項の記載がないなどの不備があったとしている。
( 化 工 日 00.8.21)
[港湾内に産廃埋め立て処分場整備] 運輸省は、港湾内に産業廃棄物の埋め立て処分場を
整備する方針を固めた。これまで家庭から出るごみなど一般廃棄物に限って搬入を認めてきた
が 、全 国 的 な 産 廃 処 分 場 不 足 を 踏 ま え 、産 廃 受 け 入 れ へ 方 針 転 換 す る 。受 け 入 れ に 当 た っ て は、
自 治 体 な ど が 運 営 す る 第 三 セ ク タ ー の 処 理 施 設 で 無 害 化 す る こ と を 条 件 と す る 。 厚 生 省 と 連携
し て 関 連 経 費 を 2001 年 度 予 算 概 算 要 求 に 盛 り 込 む 。
( 化 工 日 00.8.22)
[ヒートアイランド抑制へ指針づくり] 環境庁は、夏場に都市部で周辺地域に比べ気温が
高くなる現象であるヒートアイランド現象を抑制するため、来年度から対策の導入効果や評価
方法などをまとめた「ヒートアイランド対策指針」の策定に着手する方針を固めた。東京や大
阪 な ど か ら 5 つ の モ デ ル 都 市 を 選 び 、ビ ル の 屋 上 や 壁 面 の 緑 化 な ど を 行 っ て 気 温 の 低 下 効 果 を
把握したうえで、屋上の一定面積の緑化を義務付ける法律の制定についても検討していく。気
象 庁 に よ る と 、過 去 100 年 間 の 日 本 の 年 平 均 気 温 は 約 1.0℃ 上 昇 し た が 、東 京 で は 2.9℃ 、名 古
屋 で は 2.4℃ も 上 昇 し 、 都 市 部 で の 気 温 上 昇 が 目 立 つ 。 こ の た め 、 都 市 部 で 夏 場 に 上 昇 気 流 が
起 き や す く 、局 地 的 な 豪 雨 の 多 発 に つ な が っ て い る と み ら れ て い る 。 ( 化 工 日 、毎 日 00.8.22)
[水質モニター 多種汚濁成分を同時検出] 工業技術院名古屋工業技術研究所は、東ソー
と共同で、種々のイオン性水質汚濁成分の同時分離計測を可能とするイオンクロマトグラフィ
ーを用いたオンサイト型水質モニターの開発に成功した。現在、わが国でも酸性雨被害が顕在
化する危険性のあるなかで、自然・人工環境の酸性化の実態を把握する必要に迫られている。
今後、酸性雨を含む種々の環境水中に含まれるイオン性水質汚濁成分のオンサイトでのモニタ
リングが重要となるために、簡便かつ高速に、しかも多種成分測定が可能な水質モニターを開
発 し た 。モ ニ タ リ ン グ は 、国 内 を は じ め 中 国 、韓 国 の 大 学 と の 共 同 研 究 と し て 進 め ら れ て いる。
( 化 工 日 00.8.24)
8
[ ごみ から肥 やし ] 家 庭 ご み の 半 分 を 占 め る 生 ゴ ミ を 堆 肥 に し 、農 家 に 使 っ て も ら う と い う
生ゴミのリサイクルに乗り出す自治体が増えてきている。取り組む自治体はこれまで農村部に
目 立 っ た が 、最 近 は ご み 問 題 が 深 刻 な 都 市 部 に も 広 が っ て き た 。東 京 都 東 村 山 市 は 、97 年 か ら
3 つ の 自 治 会 で の 実 験 を 経 て 、昨 年 本 格 導 入 に 踏 み 切 っ た 。2007 年 度 に は 全 市 の 4 分 の 1 の 世
帯に広げたいという。ほかに栃木県高根沢町や宮崎県綾町などの自治でも実施している。しか
し 、東 京 都 江 東 区 で は 85 年 に 7 億 3000 万 円 か け て コ ン ポ ス ト セ ン タ ー を 建 設 し た が 、予 想 以
上 に 異 物 が 混 じ り 、機 械 が 故 障 。堆 肥 も 売 れ 残 り 、93 年 、閉 鎖・解 体 さ れ た 失 敗 も あ る 。山 形
県 長 井 市 が 97 年 に 始 め た 「 レ イ ン ボ ー プ ラ ン 」 は 、 市 街 地 の 生 ゴ ミ を 堆 肥 に し て 市 内 の 農家
に 使 っ て も ら い 、で き た 野 菜 類 を 町 の 消 費 者 が 買 う「 地 域 循 環 型 農 業 」を 進 め 、成 功 し て いる。
( 朝 日 ( 夕 ) 00.8.24)
[ 環境 省 2001 年 度 概算 要求 ] 来 年 1 月 に 発 足 す る「環 境 省 」の 来 年 度 予 算 概 算 要 求 案 の 概
要 が ま と ま っ た 。 特 別 枠 ( 日 本 新 生 特 別 枠 留 保 分 を 除 く ) を 含 め た 合 計 は 3,616 億 円 。 特 別 枠
で は 廃 PCB 処 理 を 促 進 す る た め に 官 民 で 拠 出 す る「 PCB 処 理 基 金 」( 仮 称 )の た め の PCB 廃
棄 物 対 策 推 進 費 補 助 金 で 20 億 円 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 し た 地 球 環 境 共 同 研 究 シ ス テ ム 構築
経 費 で 20 億 円 、循 環 型 社 会 形 成 推 進・廃 棄 物 研 究 の 推 進( 政 策 対 応 型 環 境 科 学 研 究 推 進 事 業 )
で 13 億 円 、環 境 技 術 開 発 推 進 費( 環 境 技 術 革 新 支 援 事 業 )で 10 億 円 の ほ か 地 球 温 暖 化 国 内 法
制 度 検 討( 4,500 万 円 )や 炭 素 税 導 入 に 向 け た 対 策 効 果 、経 済 活 動 へ の 影 響 な ど の 検 討( 1,700
万 円 )の た め の 調 査 費 な ど を 要 望 し て い る 。
( 産 経( 夕 )00.8.24、化 工 日 00.8.25)
[ 下水 道普及 率 60%] 建 設 省 は 99 年 度 末 時 点 の 全 国 の 下 水 道 整 備 状 況 を ま と め た 。全 国 の
下 水 道 普 及 率 は 60% と 、前 年 度 よ り 2 ポ イ ン ト 上 昇 。98 年 度 末 か ら 99 年 度 末 ま で の 1 年間 に
宮 城 県 の 総 人 口 に 相 当 す る 約 237 万 人 が 新 た に 下 水 道 を 利 用 で き る よ う に な っ た 。普 及 率 を 都
道 府 県 別 に み る と 、高 い の は 東 京 都( 96% )、神 奈 川 県( 90% )、北 海 道( 81% )。低 い のは
和 歌 山 県( 8% )、徳 島 県( 11% )、高 知 県( 21% )な ど 。
( 化 工 日 00.8.25)
[化学物質の簡易評価手法 開発へ] 通産省は、化学物質のリスクを正確に把握し、必要
な対策を適切に行っていくために、有害性やリスクなどを従来に比べ容易かつ高精度に評価す
ることができる抜本的な手法の開発を行う。またそのためにモデル物質をピックアップし、デ
ー タ 収 集 も 行 う 。 こ れ ら 事 業 を 「 化 学 物 質 総 合 評 価 管 理 プ ロ グ ラ ム 」 と し て 、 来 年 度 予 算 の日
本 新 生 特 別 枠 で 、30 億 円 を 要 求 す る 。
( 化 工 日 00.8.25)
[ PCB 再 度 実態 調査へ ] 通 産 省 は 、来 年 度 か ら PCB を 含 む ト ラ ン ス や コ ン デ ン サ ー の 使
用 状 況 の 実 態 把 握 調 査 と 適 正 管 理 の た め の 啓 蒙 普 及 活 動 に 乗 り 出 す 。7 月 に 厚 生 省 が 98 年 度 の
PCB 廃 棄 物 保 管 状 況 の 調 査 結 果 を 公 表 し た が 、全 体 像 が 完 全 に 把 握 で き な か っ た た め 、通 産省
と厚生省は共同で今年度内に再調査に着手することを決めた。
( 化 工 日 00.8.25)
[ ダイ オキシ ン 大牟田 川 で 350pg] 環 境 省 は 25 日 、 河 川 な ど の 公 共 用 水 域 を 対 象 に し た
過 去 最 大 規 模 の ダ イ オ キ シ ン 類 調 査 の 結 果 を 発 表 し た 。 全 国 11 地 点 が 水 質 の 環 境 基 準 ( 水1
㍑ 当 た り 1pg)を 超 え 、 こ の う ち 福 岡 県 大 牟 田 市 の 大 牟 田 川 中 流 で 、 過 去 2 番 目 に 高 い 350pg
を 検 出 し た ほ か 、 福 島 県 郡 山 市 の 逢 瀬 川 で も 14pg を 記 録 し た 。 い ず れ も 近 く で 操 業 す る 化学
工 場 が 汚 染 源 と 見 ら れ る 。大 牟 田 川 で は 、川 底 か ら 39 万 pg と い う 超 高 濃 度 の ダ イ オ キ シ ン類
を含む油がわき出しているのが確認されており、事態を重視した福岡県は汚染源と見られる三
井化学、三井金属、三西容器製作の 3 工場を立ち入り検査する。
( 読 売 、 朝 日 、 毎 日 00.8.26、 化 工 日 00.8.28)
[ 自動 車税制 グリ ーン化 大 気汚染 対策 前面に ] 運 輸 、 通 産 、 環 境 の 3 省 庁 が 自 動 車 税 制
の グ リ ー ン 化 を 2001 年 度 税 制 改 革 要 望 に 盛 り 込 ん だ 。 昨 年 、 導 入 が 見 送 ら れ た 新 税 だ が 、今
年 は NO x や PM の 抑 制 策 を 前 面 に 打 ち 出 し 、緊 急 を 要 す る 大 気 汚 染 解 決 策 と し て グ リ ー ン 化 を
位 置 づ け て い る の が 特 徴 だ 。今 回 の 要 望 は 、燃 費 と 大 気 汚 染 対 策 の 2 本 立 て と な っ て い る 。新
税 制 で は 、新 車 登 録 か ら 11 年 を 超 え 大 量 の 排 ガ ス を 出 す 古 い 車 に は 、重 い 税 金 が 課 せ ら れ る。
導入が決まるには国民の理解をどう得ていくかが大きな課題だ。
( 毎 日 00.8.26)
9
[ 低公 害車製 造拡 大 義 務付 け ] 低 公 害 車 の 普 及 を 促 す た め 、環 境 庁 は 26 日 、自 動 車 メ ー
カーに対し、車種区分ごとに製造台数の一定割合が低公害車となるような新たな規制値を導入
し て 、低 公 害 車 の 製 造 割 合 を 増 や す こ と を 義 務 付 け る 方 針 を 固 め た 。2002 年 ご ろ の 実 施 を 目 指
す と い い 、自 動 車 窒 素 酸 化 物( NO x )法 や 大 気 汚 染 防 止 法 を 改 正 し て 義 務 化 を 盛 り 込 む な ど具
体 的 な 方 策 を 、今 後 、中 央 環 境 審 議 会 で 検 討 す る 。
( 読 売( 夕 )00.8.26)
[アイスクリームで熱い論争] 米厚生省の枯れ葉剤研究委員会の議長を務めた経歴のある
民間研究機関代表、マイケル・グウ博士らのグループは、アイスクリ-ムから米環境保護局
( EPA)が 定 め た 安 全 量 よ り も 190 倍 高 い 濃 度 の ダ イ オ キ シ ン が 検 出 さ れ た と 発 表 し た 。大手
メ ー カ ー 「 ベ ン ・ ア ン ド ・ ジ ェ リ ー ズ 」 社 の ア イ ス ク リ ー ム か ら 平 均 濃 度 0.79ppt の ダ イ オ キ
シンが検出された。メーカー側は「ダイオキシンは脂肪組織に蓄積しやすく、乳製品にダイオ
キシンが入るのは避けられない。社会全体の問題だ」と攻防に努めている。日本の厚生省研究
班 に よ る 食 品 中 の ダ イ オ キ シ ン 汚 染 実 態 調 査 で は 、 牛 乳 や チ ー ズ か ら 0.05 か ら 0.2ppt 程 度 の
ダ イ オ キ シ ン が 検 出 さ れ て い る が 、ア イ ス ク リ ー ム は 含 ま れ て い な い 。
( 毎 日 00.8.27)
[ 種の 保存法 に限 界] 絶 滅 の 恐 れ の あ る 野 生 生 物 を 保 護 す る「 種 の 保 存 法 」が 制 定 さ れ て 8
年 が た っ た 。 現 在 、 同 法 に 基 づ い て 57 種 が 「 国 内 希 少 種 」 に 指 定 さ れ 、 一 部 で 生 息 地 保 護区
の設定や保護増殖事業が行われている。しかし、国内希少種に指定されているのは、環境庁の
「 レ ッ ド デ ー タ ブ ッ ク 」 に 記 載 さ れ た 「 絶 滅 危 ぐ 種 」 の わ ず か 2.4% だ 。 指 定 に は 「 学 名 」 が
必要とか、「種」全体でないとならないなどの制約もあり、淡水魚ムサシトミヨなど「絶滅危
ぐ種」に指定されながら、法の指定は受けられない。米国では、「絶滅危ぐ種」イコール「種
の保存法の希少種指定候補」となっており、地域個体群での指定もできることになっている。
( 朝 日 00.8.28)
[不法投棄 宇宙からチェック] 環境庁は、来年度から衛星写真を使って全国の地形の変
化を監視し、ごみの不法投棄現場を探し出すシステム作りに取り組むことになった。投棄現場
特有の特徴をコンピューターに覚え込ませたソフトを開発、怪しいとにらんだ地点を自治体に
通報、確認してもらう。すでに埋め終わった全国の最終処分場の場所や埋めたごみの種類など
も イ ン タ ー ネ ッ ト で 公 開 す る と と も に 、 土 地 の 売 買 な ど に 利 用 し て も ら う た め の 台 帳 作 り にも
( 朝 日 00.8.28、 化 工 日 00.10.20)
[深海底で微生物探査へ] 海面下数千㍍の深海底やその下の地殻に生息する微生物からダ
イ オ キ シ ン や ポ リ 塩 化 ビ フ ェ ニ ー ル( PCB)を 分 解 す る 能 力 を 持 つ な ど 有 用 な 新 種 を 探 し 出す
研 究 に 科 学 技 術 庁 が 乗 り 出 す 。2004 年 に 就 航 す る 海 洋 科 学 技 術 セ ン タ ー の 地 球 深 部 掘 削 船 を 使
っ て 海 底 下 約 5,000m ま で ボ ー リ ン グ し 、 微 生 物 を 同 セ ン タ ー に 新 設 す る 分 析 施 設 で そ の 働き
を調べる。有用な微生物は遺伝子を解析して産業利用につなげる考えで、来年度当初予算の概
算要求に 8 億円を盛り込んだ。
( 毎 日 00.8.28)
[ 公共 水域ダ イオ キシン 類調 査 99 年 度 は横 ばい ] 環 境 庁 は 99 年 度 に 実 施 し た 公 共 用 水
域などにおけるダイオキシン類の濃度調査結果をまとめた。このうち公共用水域底質は平均が
5.4pg-TEQ / g ( 98 年 度 調 査 7.7pg-TEQ / g ) 、 濃 度 範 囲 は 0.066-230pg-TEQ / g ( 同
0-260pg-TEQ/ g) 。 98 年 度 に 比 べ 調 査 件 数 を 大 幅 に 増 や し て い る が 、 い ず れ の 測 定 に つ い て
も 98 年 度 調 査 と ほ ぼ 同 じ 結 果 と し て い る 。 底 質 に お け る ダ イ オ キ シ ン 類 濃 度 に つ い て は 環境
基準値が決まっておらず、現在、どのような環境影響があるか評価できない。このため、早急
に環境基準値を制定する必要があるとしている。
( 化 工 日 00.8.28)
[ 三宅 島の火 山ガ ス飛来 ?] 28 日 昼 前 か ら 夕 方 に か け 、 東 京 都 や 神 奈 川 、 静 岡 、 埼 玉 県 な
ど 関 東 や 中 部 地 方 の 一 部 で 、 二 酸 化 硫 黄 ( SO 2 ) の 大 気 中 の 濃 度 が 急 上 昇 し 、 各 自 治 体 な ど に
「 異 臭 が す る 」 と 苦 情 が 相 次 い だ 。 午 後 2 時 に は 八 王 子 市 で 0.935ppm、 福 生 市 で 0.530ppm
を 記 録 し 、環 境 基 準( 1 時 間 当 た り 0.1ppm 以 下 で 、そ の 1 日 平 均 が 0.04ppm 以 下 )を 大 き く
上 回 っ た 。 静 岡 県 で は 、 62 カ 所 の 観 測 地 の う ち 15 カ 所 で 環 境 基 準 を 超 え た 。 環 境 庁 や 気 象 庁
10
などでは、火山活動が続いている伊豆諸島・三宅島で噴出した火山ガスが南風で運ばれてきた
可能性が高いとみているが、同日夕以降は濃度は下がっており、健康に影響するレベルではな
いとしている。
( 読 売 00.8.29、毎 日 00.8.31)
[ オゾ ン層 異例 の減少 率] 世 界 気 象 機 関 ( WMO) は 29 日 、 今 年 の 南 極 上 空 の オ ゾ ン 層
の 減 少 が 過 去 に な い 速 い ペ ー ス で 進 ん で い る と 発 表 し た 。 8 月 下 旬 の オ ゾ ン 量 は 、 基 準 値 にな
っ て い る 1964-76 年 の 平 均 値 と 比 べ て 30% も 減 っ て お り 、オ ゾ ン ホ ー ル が 生 じ る 9-11 月 を 前
に し た 時 期 と し て は 異 例 の 減 少 率 と い う 。8 月 上 旬 の 減 少 率 は 15% に 過 ぎ ず 、そ の 後 の 2 週 間
で 急 速 に 減 少 し た と 見 ら れ る 。減 少 の 理 由 と し て 、6-8 月 に 上 空 の 気 温 が 低 い 状 態 が 続 き 、「 極
成層圏雲」が多く発生。そのため多く放出された塩素が太陽光に当たって化学反応を起こした
結 果 オ ゾ ン が 減 少 し た と 考 え ら れ る と い う 。ま た 、オ ゾ ン ホ ー ル の 面 積 が 観 測 史 上 最 大 の 2,844
万 km 2 に な っ て い る こ と が 9 月 5 日 ま で の 気 象 庁 の 観 測 で 分 か っ た 。
( 読 売 ( 夕 ) 、 毎 日 ( 夕 ) 00.8.30、 産 経 00.9.6)
[ダイオキシン環境測定 精度管理で指針案] 環境庁は、ダイオキシン類の環境測定を実
施する際の精度管理を定めた「ダイオキシン類の環境測定に係る精度管理指針案」を作成、公
表した。ダイオキシン類の環境測定は操作が煩雑で熟練した技術が必要であり、測定濃度レベ
ルも極めて低く、正確なデータを得るためには精度管理が不可欠となっている。同庁では同指
針 案 に 対 す る 意 見 を 募 る パ ブ リ ッ ク コ メ ン ト を 実 施 、 今 年 10 月 を め ど に 指 針 を 確 定 、 ダ イオ
キシン類分析の的確な精度管理を実現するための指針として、各測定分析機関などに同指針を
準拠した業務管理を行うよう働きかけていくことにしている。
( 化 工 日 00.8.30、 毎 日 00.8.31)
[ 有害 大気汚 染物 質排出 量 13 物 質で 目標達 成] 化 学 品 審 議 会 リ ス ク 管 理 部 会 が 開 催 さ れ 、
日 本 化 学 工 業 協 会 な ど 77 の 業 界 団 体 が 大 気 汚 染 防 止 法 に 基 づ い て 策 定 し た 有 害 大 気 汚 染 物質
の 自 主 管 理 計 画 に つ い て 、そ の 実 施 状 況 が 報 告 さ れ た 。77 団 体 に お け る 有 害 大 気 汚 染 対 象 物 質
( ダ イ オ キ シ 類 を 除 く 12 物 質 ) の 99 年 度 総 排 出 量 は 単 純 加 算 で 約 4 万 ㌧ と 、 基 準 年 の 95 年
度 に 比 べ 、 総 量 で 約 28,000 ㌧ 、 削 減 率 で 41% と 大 幅 な 減 少 と な っ た 。 ま た 、 ダ イ オ キ シ ン 類
の 排 出 量 は 95 年 度 比 で 36% 削 減 と な り 、 対 象 全 13 物 質 で 99 年 度 目 標 を 達 成 し た 。
( 化 工 日 00.8.31)
[ ダイ オキシ ン大 幅除去 設備 開発] 日 本 原 子 力 研 究 所 は 30 日 、焼 却 炉 か ら 出 る 煙 に 電 子 ビ
ー ム を 当 て 、 ダ イ オ キ シ ン 濃 度 を 大 幅 に 減 少 さ せ る 試 験 設 備 を 開 発 し た 、 と 発 表 し た 。 9 月か
らごみ焼却場・高浜クリーンセンター(群馬県)で試運転を始め、試験後は民間に技術移転す
る 方 針 。 2002 年 12 月 か ら 大 気 汚 染 法 に よ る ダ イ オ キ シ ン 濃 度 が 大 幅 に 規 制 さ れ る こ と か ら 、
既存の焼却炉改修が迫られている全国の各自治体にとっては朗報となりそうだ。
( 産 経 00.8.31、 化 工 日 00.9.4)
[ 溶媒 開発で ダイ オキシ ン 10 万倍 濃縮 ] 関 東 化 学 は 、ダ イ オ キ シ ン 類 を 測 定 す る 際 に 必 要
と な る 前 処 理 用 溶 媒 で 、濃 縮 濃 度 を 従 来 の 10 倍 に 当 た る 10 万 倍 に ま で 高 め る こ と に 成 功 し た 。
開発に成功した溶媒は、ヘキサン、アセトン、ジクロロメタン、トルエン、メタノール、エタ
ノール。いずれもダイオキシン類を測定する前段階に試料を溶かす時に使う。溶媒が測定に与
える影響がほとんどないことから、これまで難しかった超精密な測定を可能とする。血液中の
ダイオキシン類測定など極微量分野での分析を加速する可能性が高い。同社では、ダイオキシ
ン類の標準品を販売しているほか、ホルムアルデヒドや粒子状物質などの測定用試薬もこのほ
ど 開 発 し た 。環 境 関 連 試 薬 事 業 を 将 来 的 な 柱 と し て 育 成・強 化 し て い く 方 針 。
( 化 工 日 00.8.31)
[ 廃棄 物処理 施設 整備に 2377 億 円 ] 環 境 庁 は 、廃 棄 物 処 理 法 施 設 整 備 費 と し て 来 年 度 に 総
額 2,377 億 円 を 投 入 す る 。 2 年 後 の 排 ガ ス 中 の ダ イ オ キ シ ン 類 濃 度 の 規 制 が 強 化 さ れ る の を
踏 ま え 、 ご み 焼 却 施 設 の 整 備 補 助 ( 719 億 円 ) や 合 併 処 理 浄 化 槽 設 置 整 備 ( 253 億 円 ) 、 広 域
的 な 廃 棄 物 処 理 セ ン タ ー に 対 す る 出 資 ( 100 億 円 ) 、 建 設 解 体 廃 棄 物 リ サ イ ク ル の た め の 環境
事 業 団 へ の 出 資( 10 億 円 )と い っ た 地 方 公 共 団 体 な ど が 実 施 す る 施 設 整 備 を 財 政 的 に 支 援 す る 。
来年1月に発足する環境省の来年度予算概算要求に盛り込んだ。
( 化 工 日 00.8.31)
11
[ エコ オフィ ス 97 年 度比 で 2.0% 減少 ] 2002 年 ま で に 二 酸 化 炭 素( CO 2 )の 排 出 量 の 10%
削 減 を 掲 げ て い る 神 戸 市 は 、「 エ コ オ フ ィ ス プ ラ ン 」推 進 の 結 果 、庁 舎 と 公 用 車 か ら 出 る CO 2
の 99 年 度 の 量 が 、基 準 年 の 97 年 度 に 比 べ 2.0% 削 減 さ れ た と 発 表 し た 。99 年 度 は 、エ レ ベ ー
タ ー の 間 引 き 運 転 や 午 後 5 時 45 分 の 事 務 室 一 斉 消 灯 な ど を 行 う エ コ オ フ ィ ス 推 進 の 日 を 、従
来 の 毎 月 20 日 に 加 え 、 毎 週 水 曜 日 に も 実 施 し た 。 こ の 結 果 、 庁 舎 の 単 位 面 積 当 た り の 電 気 使
用 量 は 基 準 年 に 比 べ 4.0% 、上 水 使 用 量 は 10.2% 、庁 舎 か ら 出 る 廃 棄 物 量 は 29.3% そ れ ぞ れ 削
減された。
( 化 工 日 00.8.31)
[バイオ技術で生産プロセス応用狙う] 農林水産省と通産省はバイオ技術の応用により環
境問題の克服を目指す。バイオ技術を利用した生産方法は環境負荷が極めて低く、環境調和型
の生産プロセスとして期待されることから、実用化のための技術基盤研究開発を行う。農林水
産 省 が 、農 業 に お け る バ イ オ マ ス エ ネ ル ギ ー 実 用 化 技 術 の 開 発( 要 求 額 7 億 円 )、食 品 リ サ イ
ク ル 技 術 開 発 事 業( 同 7 億 円 )で 、通 産 省 が グ リ ー ン バ イ オ イ ノ ベ ー シ ョ ン(41 億 7,000 万 円 )
で日本新生特別枠で予算要求する。
( 化 工 日 00.9.1)
[ ダイ オキシ ン大 気汚染 7 地 点で 基準 を超過 ] 環 境 庁 は 、 昨 年 度 に お け る 有 害 大 気 汚 染
物質の大気環境モニタリング調査結果を公表した。このうちダイオキシン類は平均
0.18pg-TEQ /m 3 で ダ イ オ キ シ ン 類 対 策 特 別 措 置 法 に よ る 大 気 環 境 基 準 値( 0.6pg-TEQ /m 3 )を
上 回 っ た の は 463 地 点 中 、7 地 点 だ っ た 。ま た ベ ン ゼ ン は 平 均 2.5μ g/m 3 で 環 境 基 準 値( 3μ g/m 3 )
を 超 え た の は 340 地 点 中 、 79 地 点 と な り 、 ト リ ク ロ ロ エ チ レ ン 、 テ ト ラ ク ロ ロ エ チ レ ン に つ
い て は 平 均 1.8μ g/m 3 、 同 0.77μ g/m 3 で 、 と も に 313 の 観 測 地 点 す べ て で 環境基準値( 200μ
( 化 工 日 00.9.1)
g/m 3 )を 下 回 っ た 。
[ 畜 産 物 ダイ オ キ シ ン濃 度 前 回調 査 と 同 程度 ] 農 林 水 産 省 は 、 昨 年 度 に 実 施 し た 国 内 で
流 通 し て い る 牛 乳・乳 製 品 、食 肉 と い っ た 畜 産 物 と 飼 料 な ど を 対 象 に し た コ プ ラ ナ ー PCB を 含
め た ダ イ オ キ シ ン 類 の 実 態 調 査 結 果 を ま と め た 。 98 年 度 調 査 に 比 べ 国 産 牛 肉 0.618pg/TEF/g
( 前 回 調 査 0.278 pg/TEF/g)、国 産 飼 料 作 物 栽 培 地 の 土 壌 2.902 pg/TEF/g( 同 1.313 pg/TEF/g)
や 、 同 年 度 の 他 省 庁 調 査 と 比 較 し て 輸 入 チ ー ズ 0.180 pg/TEF/g( 98 年 度 厚 生 省 調 査 0.067
pg/TEF/g) 、 輸 入 牛 肉 0.196 pg/TEF/g( 同 0.074 pg/TEF/g) 、 国 産 豚 肉 0.024 pg/TEF/g( 同
0.008 pg/TEF/g) な ど が 高 か っ た が 、 い ず れ の 品 目 も 前 回 調 査 お よ び 他 省 庁 調 査 と ほ ぼ 同 程 度
だった。
( 化 工 日 00.9.1)
[ 東京 湾のサ メ汚 染] 環 境 庁 は 1 日 、1998-99 年 度 に 実 施 し た 海 洋 環 境 モ ニ タ リ ン グ 調 査 の
中間報告を発表した。海底に住むホシザメの肝臓を汚染の指標として、仙台湾、東京湾、有明
湾で調べたところ、東京湾のサメからほかと比べて約 9 倍の濃度のポリ塩化ビフェニール
( PCB) 、 約 2.4 倍 の ダ イ オ キ シ ン 類 を 検 出 し た 。 不 法 投 棄 さ れ た 変 圧 器 な ど の PCB が 地 下
( 朝 日 00.9.2、 化 工 日 00.9.6)
[ 移入 種駆除 に指 針案] 環 境 庁 は 、日 本 の 固 有 種 を 守 る た め 、外 国 か ら 持 ち 込 ま れ た 移 入 種
を 駆 除 し や す く す る 規 定 を 、 5 年 ご と に 改 訂 す る 鳥 獣 保 護 事 業 計 画 の 指 針 案 に 盛 り 込 ん だ 。こ
れまでは農作物被害を受けた農家からの要請がないと駆除が難しかったが、新指針案では、従
来種への影響が懸念される場合も積極的に駆除できる、とした。環境庁の指針は、都道府県が
鳥獣保護に取り込む際の基本となる。
( 朝 日( 夕 )00.9.2)
[パソコンリサイクル システムづくり始動] 通産省は、使用ずみパソコンの回収やリサ
イ ク ル 方 法 を 検 討 す る 「 パ ソ コ ン 3R 分 科 会 」 を 産 業 構 造 審 議 会 廃 棄 物 リ サ イ ク ル 部 会 の 下に
設 置 し 、8 月 31 日 に 厚 生 省 の「パ ソ コ ン 等 リ サ イ ク ル 検 討 会 」と の 合 同 会 合 を 開 催 し た 。両 省
は資源有効利用促進法(改正リサイクル法)に基づく効率的なパソコンリサイクルシステムの
構築に合同で取り組む。社団法人・日本電子工業振興協会の推計によると、使用ずみパソコン
の 発 生 量 は 98 年 度 で 企 業 で 発 生 す る 事 業 系 が 37,000 ㌧ 、 家 庭 系 が 8,000 ㌧ 。 2001 年 度 に は
総 量 が 80,000 ㌧ を 超 え る と 予 想 し て い る 。 ( 化 工 日 00.9.4、読 売 00.9.5、産 経( 夕 )00.9.14)
12
[ 家電 引き取 り料 発表] 松 下 電 器 産 業 は 4 日 、 来 年 4 月 施 行 の 特 定 家 庭 用 機 器 再 商 品 化 法
(家電リサイクル法)で、消費者が負担する「リサイクル料金」を業界で初めて発表した。製
品 の 大 き さ に 関 係 な く 、 全 国 一 律 料 金 で 、 洗 濯 機 2,400 円 、 テ レ ビ 2,700 円 、 エ ア コ ン 3,500
円 、 冷 蔵 庫 4,600 円 。 既 存 の リ サ イ ク ル 業 者 と 連 携 し 新 規 設 備 投 資 を 抑 え る こ と で 、 地 方 自 治
体が粗大ごみとして回収・処理してきた場合に比べ、低く抑えた。各メーカーもほぼ同じ料金
設定になりそうだ。
( 毎 日 、読 売 00.9.5)
[ガソリン車も低公害車に] 自動車排ガス対策を検討していた中央環境審議会の小委員会
は、排ガス性能を改良したガソリン車も広い意味の「低公害車」に含めるべきだ、とする中間
報告案をまとめた。政府は「低排ガス車」として認められたガソリン車にも、電気自動車など
「 低 公 害 車 4 車 種 」並 み の 税 制 、公 共 料 金 な ど の 優 遇 措 置 を 認 め る 方 針 。価 格 の 安 い ガ ソ リ ン
車 を 加 え る こ と で「 低 公 害 車 」の 普 及 に 弾 み を つ け た い 考 え で 、来 年 の 自 動 車 窒 素 酸 化 物( NO
x)法改正に盛り込む。現在「低公害車」は電気自動車、メタノール車、天然ガス車、ハイブ
リ ッ ド 車 の 4 車 種 。こ れ ら は 従 来 車 よ り 価 格 が 高 い こ と や 、燃 料 供 給 施 設 の 数 が 不 十 分 な こ と
か ら 、普 及 は 進 ん で い な い 。
( 読 売 00.9.5)
[通産省 電子化事業に着手] 通産省は、電子政府実現の一環として、新規化学物質の届
出 と PRTR 法 に 基 づ く 化 学 物 質 の 届 出 文 書 を イ ン タ ー ネ ッ ト な ど を 介 し て 電 子 的 に 容 易 に 行う
ことができるシステムの構築を目指す。化学物質の届出は、少量新規化学物質だけで年間約
9,000 件 の 申 請 が あ り 、 電 子 化 す る こ と で 、 事 業 者 は 作 業 性 、 通 産 省 側 は 検 索 性 の 向 上 が 図 れ
る 。 一 方 、 来 年 4 月 か ら ス タ ー ト す る PRTR で は 、 排 出 量 算 出 を 容 易 に 行 え る ソ フ ト を 開 発 、
無 償 で 提 供 す る こ と に よ り 、事 業 者 側 の 作 業 性 の 向 上 を 図 る 。
( 化 工 日 00.9.6)
[環境ホルモン 高温車内で高濃度] 夏に高温になる自動車内でフタル酸ジエチルへキシ
ルなどの内分泌かく乱化学物質の濃度が非常に高くなることや、プラスチック製の医療器具か
ら ト ル エ ン や ベ ン ゼ ン な ど の 有 害 化 学 物 質 が 溶 け 出 す 可 能 性 が あ る こ と が 、 厚 生 省 の 平 成 11
年度の調査研究で分かった。国立医薬品食品衛生研究所の食品調査では、ビスフェノールAが
缶 詰 食 品 を 中 心 に 広 く 検 出 さ れ た 。最 高 は 肉 類 の 缶 詰 の 1 g 当 た り 602ng だ っ た 。今 後 、詳 し
い汚染状況やこれらの物質が、人体にどれくらい取り込まれているかなどの研究が必要になり
そうだ。
( 産 経 00.9.6)
[ごみ減らしにレジ袋税] 東京都杉並区は買い物客にプラスチック製のごみ袋を配る区内
の ス ー パ ー や コ ン ビ ニ に 対 し 、1 袋 5 円 の「 レ ジ 袋 税 」を 導 入 す る 意 向 を 明 ら か に し た 。買 い
物 客 が 袋 を 持 参 す る よ う 意 識 を 定 着 さ せ 、ご み を 減 ら す の が 狙 い 。山 田・杉 並 区 長 は“ 杉 並 病 ”
問題に触れ、「健康被害を抱える区の義務として、資源循環型社会への転換を目指す動きの先
鞭 を 付 け た い 」と 語 り 、条 例 化 を 目 指 し て 検 討 に 入 る 。
( 朝 日 00.9.6、化 工 日 00.9.7)
[ ダ イ オ キシ ン 耐 容 1日 摂 取 量 再 改 定 を 検討 ] 厚 生 省 は 生 活 環 境 審 議 会 ・ 食 品 衛 生 調 査
会 ダ イ オ キ シ ン 類 健 康 影 響 評 価 特 別 部 会 の 下 に 、 ダ イ オ キ シ ン 耐 容 1 日 摂 取 量 ( TDI) に つ い
ての再評価を行うワーキンググループを設置した。ワーキンググループでは今後、米環境保護
庁( EPA)の 報 告 書 や 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム で 発 表 さ れ る 科 学 的 知 見 を 参 考 に し て 日 本 に お け る TDI
を 再 検 討 す る 。厚 生 省 は 昨 年 6 月 に 、世 界 保 健 機 関( WHO)の 専 門 家 会 合 に お け る 知 見・考え
方 に 基 づ き 、 日 本 に お け る ダ イ オ キ シ ン 類 の TDI を 体 重 1 kg 当 た り 4pgTEQ に 定 め た ば か り
だが、国際的な動きを見極める必要があると判断した。ダイオキシン類の健康影響については
未 解 明 の 部 分 が 多 く 、WHO 専 門 家 会 合 の 報 告 書( 98 年 )で も TDI に つ い て は 5 年 後 程 度 を め
どに再検討することとされている。
( 化 工 日 00.9.6)
[ 大都 市圏の ディ ーゼル 粒子 米の 9 倍 ] デ ィ ー ゼ ル 車 か ら の 排 ガ ス に 含 ま れ る 微 粒 子 の
大気中の濃度が、東京、神奈川、埼玉、大阪では、米国のロサンゼルス、デンバーなどの大都
市 よ り 最 高 で 9 倍 も 高 く な っ て い る こ と が 、環 境 庁 の 報 告 書 で 分 か っ た 。国 内 で の 総 排 出 量 は
年 間 約 6 万 ㌧ に 及 び 、単 位 面 積 で 比 べ る と 米 国 の 13 倍 、欧 州 連 合( EU)の 2 倍 に な る と 推 計
している。同庁は、首都圏と近畿圏などを対象にした自動車窒素酸化物削減法の改正や排ガス
規制の強化を急ぎたいとしている。
( 朝 日( 夕 )00.9.6)
13
[化学物質リスクアドバイザー制度を新設] 環境庁は、化学物質の健康影響などのリスク
を、住民にわかりやすく説明する「化学物質リスクアドバイザー」の認定制度を来年度から新
設 し 、 4 年 間 で 1,000 人 を 養 成 す る こ と を 決 め た 。 専 門 知 識 を 生 か し た ボ ラ ン テ ィ ア と し て 、
地域住民への啓発活動や、事業者と住民との仲介にも当たってもらう。一定レベルの科学知識
と 社 会 経 験 を 持 つ 希 望 者 を 対 象 に 、東 京 、大 阪 な ど 全 国 5 カ 所 で 年 1 回 、各 2 日 間 の 研 修 を 実
施する。
( 読 売( 夕 )00.9.6)
[ 環境 パフォ ーマ ンス評 価規 格 JIS 制 定 へ] 通 産 省 工 業 技 術 院 に よ る と 、 99 年 11 月 に
国 際 標 準 化 機 構 ( ISO) で 環 境 パ フ ォ ー マ ン ス 評 価 ( EPE) で あ る ISO14031 が 国 際 規 格 と し
て 制 定 さ れ た の に 対 応 し 、 産 業 環 境 管 理 協 会 内 に 日 本 工 業 規 格 ( JIS) 原 案 作 成 委 員 会 を 設 け
JIS 原 案 を 作 成 し て き た が 、ほ ぼ 固 ま っ た こ と か ら 10 月 20 日 の 工 業 標 準 調 査 会( JISC)部 会
で JIS が 制 定 さ れ る 運 び と な っ た 。環 境 パ フ ォ ー マ ン ス 評 価 は 、企 業( 組 織 )ト ッ プ が 設 定 し
た基準に沿って過去と現在を比較して、環境パフォーマンスを測ることになり、よりシビアな
活 動 が 要 求 さ れ る 。 JISC は 、 国 際 規 格 ISO14031 の 内 容 を 変 更 す る こ と な く 、 そ の ま ま 翻 訳
し JIS 化 、「 JISQ14031」と す る こ と に な る 。
( 化 工 日 00.9.7)
[ 廃プ ラ高 炉原 料化 塩ビ 樹脂の 選別 不要] 川 崎 製 鉄 は 、一 般 廃 棄 物 系 廃 プ ラ ス チ ッ ク か
ら塩化ビニル樹脂を選別することなく脱塩素処理を施し、高炉原料化するプロセス技術を開発
した。塩ビを分離する工程が省け、効率的なリサイクルが可能になる。千葉製鉄所に設置した
ベ ン チ プ ラ ン ト( 処 理 能 力・日 量 500kg)よ る 実 験 で は 、脱 塩 素 率 90% 以 上 が 確 認 さ れ 、脱 塩
素 樹 脂 は 粉 砕 性 が 良 好 で 通 常 の 粉 砕 機 で 微 粉 化 が 可 能 だ と い う 。開 発 さ れ た 技 術 の ポ イ ン ト は 、
脱 塩 素 の プ ロ セ ス 。 塩 ビ を 含 む 廃 プ ラ ス チ ッ ク を 300℃ 前 後 に 予 熱 し た 溶 媒 中 に 浸 漬 、 撹 拌す
ることで塩ビ中の塩素を塩酸ガスとして除去・回収した後、溶媒を除去・回収して脱塩素樹脂
を得るというもの。塩ビを事前に分離して処理する方法に比べ効率的だという。
( 化 工 日 00.9.7)
[ 11 処 分場 で硫 化水素 被害 ] 全 国 に 約 1,700 カ 所 あ る 安 定 型 最 終 処 分 場 の う ち 、 硫 化 水 素
が 発 生 し て 悪 臭 被 害 な ど が 出 て い る 処 分 場 が 11 カ 所 あ る こ と が 、 厚 生 省 の 調 査 で 明 ら か にな
った。廃棄物の研究者らでつくる同省の対策検討会は、調査結果を受け、処分場の表面を土で
覆うなどの応急対策を策定。同省は都道府県などに業者への対策指導を徹底するよう求めた。
( 朝 日 、 読 売 00.9.7)
[ 新基 本計画 中間 案 環 境税 検討] 環 境 政 策 の 基 本 と な る 新 環 境 基 本 計 画 中 間 案 が 6 日 、
ま と ま っ た 。地 球 温 暖 化 対 策 の た め 化 石 燃 料 に 含 ま れ る 炭 素 量 に 応 じ て 税 金 を か け る 環 境 税 や 、
大気汚染対策として自動車利用者に経済的負担を求める経済的手法の導入を「検討」対象と定
め、従来の「調査研究」対象に比べ、導入に向けて踏み込んだ内容となった。また、「基本計
画が具体性に欠け、達成度の評価が出来ない」との批判に応え、中央環境審議会が、各省庁の
施策の効果を毎年点検して国会に提出する国会報告制度の新設も盛り込んだ。新基本計画は、
年内にも正式決定される。
( 毎 日 00.9.7、化 工 日 00.9.8)
[窒素・リン総量規制 答申案] 中央環境審議会の水質部会は、東京湾、伊勢湾、瀬戸内
海 に お け る 水 質 環 境 基 準 の 見 直 し に 関 し 、従 来 実 施 し て い る COD( 化 学 的 酸 素 要 求 量 )の 総 量
規 制 基 準 の 強 化 値 と 新 た に 設 定 す る 窒 素 、リ ン の 総 量 規 制 基 準 を 示 す 答 申 案 を ま と め た 。COD
は 34 業 種 50 基 準 の 規 制 強 化 、窒 素 と リ ン に つ い て は 232 業 種 に 規 制 基 準 の 設 定 を 求 め た 。来
月 4 日 ま で 一 般 か ら 幅 広 く 意 見 を 募 る パ ブ リ ッ ク・コ メ ン ト を 実 施 、こ の 結 果 を 踏 ま え て 最 終
とりまとめを行い、環境庁に答申する。環境庁は答申を受け、水質汚濁防止法に基づく関係法
令の改正などを実施、関係都府県は同庁の定める範囲内で総量規制基準などを年内に策定、第
5 次 水 質 総 量 規 制 と し て 猶 予 期 間 を 経 た 後 、 一 定 規 模 以 上 の 工 場 ・ 事 業 場 に 新 基 準 が 適 用 され
る。
( 化 工 日 00.9.8)
[ 母乳 に臭素 系難 燃剤] 摂 南 大 学 薬 学 部 の 太 田 壮 一 助 教 授 ら は 、臭 素 系 難 燃 剤 の ポ リ 臭 化 ビ
フ ェ ニ ル エ ー テ ル が 母 乳 と 魚 介 類 に ど れ く ら い 含 ま れ て い る か を 調 べ た 。初 産 婦 6 人 の 母 乳を
14
分 析 し た 結 果 、母 乳 中 の 脂 肪 1 g 当 た り 655~ 1480pg 検 出 さ れ た 。ダ イ オ キ シ ン の 平 均 的 な 濃
度 に 比 べ 、 数 百 倍 も 高 い 。 一 方 、 魚 介 類 で は 、 ブ リ で 1 g 当 た り 1,187pg、 サ ケ で 734pg、 マ
グ ロ で 21.5pg、ア サ リ で 55.6pg だ っ た 。遠 洋 の 魚 よ り 近 海 、沿 岸 魚 で 高 い 傾 向 が 見 ら れ た 。6
人 の 母 乳 を 比 較 す る と 、 週 に 3、 4 回 以 上 、 魚 を 食 べ て い る 女 性 ほ ど 臭 素 系 難 燃 剤 の 汚 染 濃 度
が 高 い こ と が 分 か っ た 。 同 助 教 授 は 「 低 臭 素 化 難 燃 剤 は 毒 性 が 高 い 。 類 似 の 低 塩 素 化 体 PCB
の母乳濃度が高いと子供の知能に影響するという研究報告があるのを考えると、ポリ臭化ビフ
ェニルエーテルも、子供へのリスクがゼロとはいえない」と、今後の研究の必要性を指摘して
いる。
( 毎 日 00.9.8)
[ディーゼル排ガス 初の健康影響評価] ディーゼル車の排ガスに含まれる微粒子が健康
に 与 え る 影 響 を 評 価 し て い た 環 境 庁 の リ ス ク 評 価 検 討 会 は 8 日 、中 間 報 告 を ま と め た 。微 粒 子
の発がん性は認めたものの、ぜんそく、花粉症などアレルギー症状を増幅する作用や、精子数
を減少させたりする内分泌かく乱化学物質作用については判断は避けた。同庁は中間報告を踏
ま え 、 自 動 車 NOx 法 の 抜 本 的 な 改 正 な ど に 乗 り 出 す 考 え だ 。
( 毎 日 、 読 売 ( 夕 ) 00.9.9、 化 工 日 00.9.13)
[ 太陽 光発電 経 済性確 立に 重点] 通 産 省 は 太 陽 光 発 電 の 技 術 開 発 を 加 速 さ せ る 。2001 年
度から研究開発の 2 期目に入るが、2 期目からは大幅な効率化・低コスト化を図るための新素
材・新製造方法による太陽電池の開発、環境負荷低減の観点からリサイクル・リユースを考慮
した太陽電池パネルの開発、信頼性評価技術などの研究開発を進める。第1期研究開発として
は、アモルファス太陽電池など薄膜太陽電池の低コスト化・大面積化や、性能評価手法、一体
型太陽電池などの研究開発を実施してきた。
( 化 工 日 00.9.12)
[ 下水 道工事 現場 で高濃 度 PCB] 東 京 都 大 田 区 大 森 南 の 下 水 道 工 事 現 場 の 地 下 土 壌 か ら 今
年 7 月 、極 め て 高 濃 度 の コ プ ラ ナ ー PCB が 検 出 さ れ て い た こ と が 東 京 都 と 大 田 区 の 調 査 で 分 か
っ た 。 コ プ ラ ナ ー PCB の 検 出 量 は 国 の 環 境 基 準 ( 1 g 当 た り 1,000pg) の 十 数 倍 に も の ぼ り 、
都内の土壌で検出されたダイオキシンとしては最高濃度となった。都と大田区では「以前あっ
た 工 場 な ど が PCB を 廃 棄 し て い た 可 能 性 が あ る 」 と 判 断 、 今 後 、 発 生 源 の 追 跡 調 査 を 行 って
いく。
( 産 経 ( 夕 ) 00.9.13、 読 売 、 毎 日 00.914)
[ 有害 物質 3 段 階で削 減対 策 ] ダ イ オ キ シ ン や ポ リ 塩 化 ビ フ ェ ニ ー ル( PCB)な ど 、有 害
な 化 学 物 質 に よ る 環 境 汚 染 や 健 康 被 害 を 防 ぐ た め の 国 際 条 約 の 交 渉 会 議 の 最 終 議 長 案 が 13 日 、
明 ら か に な っ た 。ダ イ オ キ シ ン や 農 薬 な ど 残 留 性 有 機 汚 染 物 質( POPs)と 呼 ば れ る 12 種 類 の
化 学 物 質 を「 使 用 を 全 廃 す る 物 質 」「 使 用 を 制 限 」「 排 出 を 削 減 」の 3 つ に 分 類 、各 国 に 対 策
を 義 務 付 け て い る 。PCB な ど の 安 全 な 処 理 や 、ダ イ オ キ シ ン な ど に 汚 染 さ れ た 土 地 の 浄 化 対 策
の 推 進 な ど も 盛 り 込 ま れ 、採 択 さ れ れ ば 日 本 も 新 た な 対 応 を 迫 ら れ そ う だ 。
( 産 経( 夕 )00.9.13)
[ 森林 の吸収 量 算定へ ] 地 球 温 暖 化 防 止 に 向 け 、 97 年 に 採 択 さ れ た 京 都 議 定 書 の 具 体 策
を 協 議 す る 気 候 変 動 枠 組 み 条 約 第 13 回 補 助 機 関 会 合 が 11 日 、 フ ラ ン ス ・ リ ヨ ン で 開 幕 し た 。
100 カ 国 を 超 え る 政 府 代 表 が 15 日 の 閉 幕 ま で に 、 二 酸 化 炭 素 な ど 温 室 効 果 ガ ス の 排 出 権 を 先
進 国 間 で 取 り 引 き す る 仕 組 み や 、森 林 に よ る CO 2 吸 収 量 の 算 定 方 法 な ど を 詰 め る 。各 国 の 主 張
に は 大 き な 隔 た り が あ り 、 議 定 書 発 行 の た め の 事 実 上 の 期 限 と い わ れ る 11 月 の 第 6 回 地 球温
暖 化 防 止 会 議 を 前 に 、意 見 調 整 が ど の 程 度 進 む か が 焦 点 と な る 。
( 化 工 日 00.9.13)
[ 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 算 定 で 係 数 案 ] 環 境 庁 の 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 算 定 方 法 検 討 会 は 、 11
日 に ま と め た 報 告 書 で 111 種 類 の 活 動 区 分 に 応 じ た 排 出 係 数 の う ち 1999 年 度 の 係 数 案( 1031
個 )を 示 し た 。排 出 係 数 は 国 や 地 方 自 治 体 が 温 室 効 果 ガ ス で あ る 二 酸 化 炭 素(CO 2 )、メ タ ン、
一 酸 化 炭 素 ( CO) 、 ハ イ ド ロ フ ル オ ロ カ ー ボ ン ( HFC) 、 パ ー フ ル オ ロ カ ー ボ ン ( PFC) 、
( 化 工 日 00.9.13)
六 フ ッ 化 硫 黄( SF 6 )の 総 排 出 量 を 算 定 す る 際 に 用 い る 。
[ 土壌 ・地下 水汚 染浄化 に三 菱重工 が本 格参入 ] 三 菱 重 工 は 12 日 、 土 壌 ・ 地 下 水 汚 染 対
策事業に本格参入すると発表した。有機塩素系化合物および油汚染などが浄化対象。現地事前
15
調査・分析、浄化後モニタリングのほか、処理機械の製作・調達まで一貫した汚染対策事業と
し て 近 く 本 格 受 注 を 開 始 し 、2-3 年 内 を め ど に 20 億 円 強 の 事 業 規 模 を 確 保 し た い 考 え 。国 内 の
土 壌 汚 染 箇 所 は 約 32 万 カ 所 と 推 定 さ れ 、 多 く は 未 処 理 の 状 態 と な っ て い る 。 対 策 に 必 要 なコ
ス ト は 約 13 兆 円 と 見 込 ま れ て い る 。 地 下 水 脈 の 影 響 状 況 な ど 複 数 の 処 理 技 術 を 組 み 合 わ せ る
技術力のほか、最適処理方法を推定するモニタリング技術などが求められている。
( 化 工 日 00.9.13)
[ HPV イ ニ シ ア テ ィ ブ 81 社 が 参 加 表 明 ] 日 本 化 学 工 業 協 会 は 、 経 済 協 力 開 発 機 構
( OECD) の 高 生 産 量 化 学 物 質 ( HPV= 2 カ 国 以 上 で 1,000 ㌧ 以 上 の 生 産 量 物 質 ) 点 検 プ ロ グ
ラ ム に 対 応 し て 、日 米 欧 の 3 極 で 作 業 を 進 め る こ と に な っ た 国 際 化 学 工 業 協 会 協 議 会( ICCA)
の HPV イ ニ シ ア テ ィ ブ に お け る 日 本 企 業 の 取 り 組 み は 、 81 社 が 何 ら か の 国 際 コ ン ソ ー シ ア ム
に 参 加 表 明 、そ の 物 質 数 は 322 物 質 と な っ て い る こ と を 明 ら か に し た 。
( 化 工 日 00.9.14)
[ 衣類 もリサ イク ル対象 に] 通 産 省 は 13 日 、年 間 100 ㌧ 以 上 も 廃 棄 さ れ て い る 衣 料 品 な ど
の 繊 維 製 品 を 、 リ サ イ ク ル の 対 象 と し て 法 的 に 規 制 す る 方 針 を 固 め た 。 現 在 は 、 9 割 以 上 が他
のゴミと一緒に捨てられ焼却・埋め立て処分されているのを分別収集して回収し、メーカーに
再 利 用 す る よ う 求 め る 。通 産 省 は 9 月 下 旬 に も 、「 繊 維 製 品 リ サ イ ク ル 懇 談 会( 仮 称 )」を 発
足させ、繊維製品の回収・再利用システムの具体的な検討に入る。早ければ来年度中にも実施
したい意向だ。
( 読 売 00.9.14)
[ 排水 に高濃 度ダ イオキ シン ] 名 古 屋 市 は 14 日 、高 濃 度 の ダ イ オ キ シ ン を 含 ん だ 排 水 を 川
にたれ流していたとして、東レ名古屋事業場に再発防止などを求める改善勧告をした。同市は
2 月 、港 区 の 大 江 川 で 水 質 検 査 を 実 施 し 、国 の 環 境 基 準 の 23 倍 に 当 た る 1 ㍑ 中 23pg の ダ イ オ
キ シ ン を 検 出 し た 。 7 月 の 立 ち 入 り 検 査 で 東 レ は 製 造 工 程 で 、 最 高 1 ㍑ 中 2,600pg の ダ イ オ キ
シンが含まれた排水を流していたことが判明し、大江川に流れる直前の排水路では1㍑中
170pg が 検 出 さ れ た 。
( 産 経 ( 夕 ) 00.9.14)
[ 環境 G メ ン、 産廃不 法投 棄など 監視 ] 環 境 庁 は 15 日 ま で に 、 増 加 す る 産 業 廃 棄 物 の 不
法投棄や水質・大気汚染対策を強化するため、来年度から環境破壊の情報収集や監視を専門と
す る 担 当 官 「環 境 G メ ン 」約 60 人 を 全 国 に 配 置 す る 方 針 を 固 め た 。 今 年 5 月 に 成 立 し た 循 環 型
社会形成推進基本法に基づく施策で、政府が地方に環境監視の専門官を配置するのは初めて。
( 読 売 00.9.16)
[ 建材 用断熱 材で 調査] 環 境 庁 は 来 年 度 か ら 建 材 用 断 熱 材 に 使 用 さ れ て い る フ ロ ン の 回 収 ・
破壊処理システムについて検討を開始する。建材用断熱材の使用・廃棄の実態調査を行うとと
もに、専門家による検討会を立ち上げて効率的・経済的な回収システム、破壊処理技術につい
て の 検 討 を 行 う 。 こ れ ら の 調 査 ・ 検 討 結 果 を 踏 ま え て 2002 年 度 か ら 自 治 体 に 委 託 し て 回 収 ・
破壊処理システムをモデル的に実施し、システムの構築・運営などにおける課題について整理
して対策を検討する。
( 化 工 日 00.9.18)
[ 中間 処理後 の埋 め立て 基準 改正] 環 境 庁 は 、廃 PCB な ど PCB 汚 染 物 、PCB 処 理 物 の 中
間処理方法(厚生省告示)の項目が追加・変更(現在、改正手続き中)されるのを受け、同処
理方法で生じた廃棄物の埋め立て処分基準(環境庁告示)の一部を改正する。追加される中間
処理方法は分解方法が熱化学反応と光化学反応などによる方法、除去方法は分離設備を用いて
PCB を 十 分 に 除 去 す る 方 法 が 追 加 さ れ る ほ か 、分 解 処 理 の 超 臨 界 水 酸 化 反 応 で 「超 臨 界 」が 削 除
される。これにあわせて従来と同じ廃棄物の埋め立て処分基準を適応することにしている。
( 化 工 日 00.9.18)
[ 排ガ ス削減 、複 合対策 ] 環 境 庁 は 18 日 ま で に 、 様 々 な 施 策 で 自 動 車 交 通 量 を 減 ら す 「交
通 需 要 マ ネ ジ メ ン ト 」( TDM)の 実 験 に 来 年 度 か ら 取 り 組 む こ と を 決 め た 。東 京 、大 阪 、尼 崎 、
横 浜 の 4 都 市 を モ デ ル 地 域 に 選 定 。2002 年 度 の 本 格 実 施 に 向 け 、来 年 度 は 地 元 自 治 体 を 中 心 に
計画立案などの準備を進める。実験を通じて交通量の変化、大気汚染の改善効果などを調査・
分析し、有効な対策作りを進める。
( 読 売 ( 夕 ) 00.9.18)
16
[ 品 質 高 い モ ノ マ ー か に 期 待 ] ペ ッ ト ボ ト ル の リ サ イ ク ル で 、 「モ ノ マ ー 化 リ サ イ ク ル 」と
いう新技術が注目されている。高分子の重合体(ポリマー)のペット樹脂を科学的に分解し、
原料である低分子のモノマーに戻す。ポリマーのまま繊維などに再生する今の方法だと再生後
の用途が限られることもあって、使用済みボトルの処理がなかなか進まない。新技術で再生さ
れる樹脂の品質は高い。使用済みボトルをリサイクルしてもう一度、新しいボトルを作ること
に も つ な が る と 、通 産 省 や 厚 生 省 も 期 待 し て い る 。
( 朝 日( 夕 ) 00.9.18)
[ ダイ オキシ ン対 策、規 制対 象施設 を拡 大] 環 境 庁 は 18 日 、ダ イ オ キ シ ン 類 対 策 特 別 措 置
法で規制する施設の対象を大幅に広げ、今年度中に関係法令を見直す方針を決めた。新たに規
制対象として検討されている施設は、化学物質の製造や処理を行う工場など。特に、ダイオキ
シン発生につながる塩素や有機化合物を原料とする合成繊維などの製造工程を優先して調査し
ていく方針。
( 毎 日 00.9.19)
[フロン回収事業を強化] 環境庁はフロン回収普及事業を強化する。フロン回収装置は事
業者が独自に持つか、あるいは地方自治体が事業者にリースで供給しているが、同庁では地方
自治体がフロン回収装置を整備する際にその費用の半額を補助する制度を来年度からスタート
させる計画。また専門家からなる検討会を設置して、適切なフロンの回収作業基準やフロンの
処理基準について検討を行う。
( 化 工 日 00.9.19)
[ タイ でバイ オマ ス発電 ] 電 源 開 発 は 、 2002 年 か ら タ イ で バ イ オ マ ス ( 生 物 資 源 ) 発 電 事
業 に 乗 り 出 す こ と を 明 ら か に し た 。50 億 円 を 投 じ て タ イ 発 電 工 社 と 共 同 で も み 殻 や ゴ ム の 木の
廃 材 を 燃 料 と す る 火 力 発 電 所 を 2 基 建 設 す る 。日 本 の 電 力 会 社 が 商 業 ベ ー ス で バ イ オ マ ス 発電
を 行 う の は 初 め て 。 も み 殻 の 発 電 所 は 出 力 10,000kw。 ゴ ム の 木 の 発 電 所 は 同 22,000kw。
( 化 工 日 00.9.19)
[アレルギー物質 パソコンから放出] パソコンのモニター装置からアレルギーの原因と
なる化学物質が出ていることを、スウェーデンのストックホルム大学の研究チームが突き止め
た。パソコン作業者の健康への悪影響の可能性も指摘した。検出された化学物質は難燃剤など
と し て プ ラ ス チ ッ ク に 添 加 さ れ る リ ン 酸 ト リ フ ェ ニ ル ( TPP) 。 7 種 類 の 新 品 の モ ニ タ ー で試
験をした結果、放出の多い製品の場合、スイッチを入れて1日目はコンピューターのない室内
に 比 べ 約 100 倍 の TPP 濃 度 を 記 録 し た 。 放 出 は 徐 々 に 少 な く な っ た が 、 1 週 間 後 も 約 50 倍 、
6 ヶ 月 後 で も 約 10 倍 の 濃 度 だ っ た 。
( 朝 日( 夕 )00.9.20)
[ 都バ スに低 硫黄 軽油] 「 デ ィ ー ゼ ル 車 NO 作 戦 」を 推 進 し て い る 東 京 都 は 19 日 、今 年 11
月 か ら 都 バ ス 34 台 分 の 燃 料 を 硫 黄 分 が 低 い 軽 油 に 切 り 替 え る 方 針 を 明 ら か に し た 。 低 硫 黄軽
油 の 実 用 化 は 全 国 で も 初 め て 。 硫 黄 分 の 現 行 規 制 は 500ppm だ が 、 東 京 都 は デ ィ ー ゼ ル 車 NO
作 戦 の 一 環 と し て 、規 制 の 10 分 の 1 に 当 た る 50ppm ま で 軽 油 を 低 硫 黄 化 す る よ う 、国 と 石 油
業 界 に 求 め て き た 。 こ れ に 対 し 石 油 連 盟 は 今 年 3 月 、 当 初 の 予 定 を 2 年 前 倒 し し て 平 成 15 年
か ら 順 次 、低 硫 黄 化 を 進 め る こ と を 表 明 し て い る 。
( 産 経 00.9.20)
[ 微粒 子削減 3 年で最 大 36%] デ ィ ー ゼ ル 車 の 排 ガ ス 中 の 微 粒 子 に つ い て 、 来 年 度 改 正
予 定 の「 自 動 車 NO x 法 」の 規 制 が 2002 年 に 実 施 さ れ た 場 合 、05 年 に は 東 京 、大 阪 な ど 対 象 6
都 府 県 の 微 粒 子 の 排 出 量 が 1,400~ 2,500 ㌧ 削 減 さ れ る と す る 予 測 を 20 日 、環 境 庁 が 明 ら か に
し た 。削 減 量 は 、規 制 し な か っ た 場 合 の 予 測 排 出 量( 約 7,000 ㌧ )の 20~ 36% に 当 た る 。環 境
庁は規制によって廃車となる車の数など社会的影響を考慮して規制方法を検討する。
( 毎 日 00.9.218)
[ 化学 工場汚 泥の 抑制・ 再利 用検討 ] 今 月 29 日 に 開 催 さ れ る 産 業 構 造 審 議 会 第 24 回 廃 棄
物・リサイクル部会は、化学工場で発生する汚泥の抑制やその再利用について検討する。現在
の発生量、リサイクル量、最終処分量などの状況を把握するとともに、含水率の設定いかんに
よって発生の推計値が変動するのをどのように取り扱うのかなどが検討課題となるもよう。ま
た、建築材料に利用されている硬質塩ビ管のリサイクルの可能性や、具体的措置内容及びリサ
イクル表示マークなどについても検討がなされる予定。
( 化 工 日 00.9.21)
17
[ディーゼル車排ガス規制 2 年前倒し] 自動車排ガス対策のあり方を検討している中央
環 境 審 議 会 は 、 2007 年 ご ろ に 導 入 を 目 指 し て い た デ ィ ー ゼ ル 車 排 ガ ス 規 制 を 2 年 前 倒 し す る
ほ か 、硫 黄 分 を 現 在 の 10 分 の 1 に 抑 え た 軽 油 の 供 給 体 制 を 2004 年 末 ま で に 整 え る こ と に し た 。
新 長 期 目 標 は 、排 ガ ス に 含 ま れ る 窒 素 酸 化 物 な ど の 量 を 規 制 水 準 の 4 割 以 下 に 減 ら す も の 。ま
た 、フ ォ ー ク リ フ ト な ど の デ ィ ー ゼ ル 特 殊 自 動 車 の 排 ガ ス 低 減 目 標 も 1 年 前 倒 し し 、2003 年 に
実施するとした。
( 読 売( 夕 )00.9.21、読 売 00.9.23、00.10.19、化 工 日 00.9.26)
[ 温室 ガス排 出量 2 年 連続 減少] 環 境 庁 は 22 日 、 1998 年 度 に 国 内 で 排 出 さ れ た 二 酸 化
炭 素( CO 2 )な ど の 温 室 効 果 ガ ス の 総 排 出 量 が 13 億 3,600 万 ㌧ と な っ た と 、地 球 環 境 保 全 関 係
閣 僚 会 議 に 報 告 し た 。 2 年 連 続 の 減 少 で 、 下 げ 幅 も 前 年 度 比 3.5% 減 と 90 年 以 降 最 大 だ っ た 。
し か し 、 97 年 の 地 球 温 暖 化 防 止 京 都 会 議 で 決 ま っ た 削 減 目 標 の 基 準 年 と な っ て い る 90 年 度 の
排 出 量 を 依 然 、 5% 上 回 っ て お り 、 2008~ 12 年 の 5 年 間 平 均 で 90 年 比 6% 削 減 と い う 目 標 の
達 成 は ま だ 厳 し い 。 温 室 効 果 ガ ス の う ち CO 2 の 排 出 量 は 11 億 8,800 万 ㌧ で 、 前 年 度 比 3.8%
減 。 産 業 部 門 が 40% を 占 め 、 運 輸 部 門 ( 21.7% ) 、 家 庭 部 門 ( 12.7% ) が 続 く 。
( 毎 日 ( 夕 ) 、 朝 日 ( 夕 ) 、 産 経 ( 夕 ) 00.9.22、 化 工 日 00.9.25)
[ ダイ オキシ ン 9 割 削減 ] 政 府 は 22 日 の 公 害 対 策 会 議 で 、初 め て の ダ イ オ キ シ ン 削 減 計 画
を 決 め た 。 排 出 規 制 や ご み 処 理 施 設 の 整 備 支 援 な ど の 対 策 を 実 施 し て 平 成 14 年 度 の ダ イ オキ
シ ン 総 排 出 量 を 、 9 年 比 で 88.2-88.5% 削 減 す る な ど と し て い る 。 計 画 は 、 14 年 度 末 の 総 排 出
量 の 目 標 を 、 年 843-891g に 設 定 。 9 年 の 推 定 排 出 量 の 年 7,300-7,550g よ り 、 9 割 近 く を 削 減
す る と し て い る 。内 訳 は 、廃 棄 物 処 理 分 野 が 大 半 を 占 め 576-622g。こ の う ち 一 般 廃 棄 物 焼 却 施
設 は 310g、 産 業 廃 棄 物 焼 却 施 設 200g、 小 型 廃 棄 物 焼 却 炉 66-112g と な っ て い る 。
( 産 経 ( 夕 ) 、 読 売 ( 夕 ) 00.9.22、 化 工 日 009.25)
[ 基準 の 1,633 倍 トリ クロ ロエチ レン 検出] 日 産 自 動 車 は 22 日 、杉 並 区 の 荻 窪 事 業 所 跡 地
の 土 壌 か ら 最 大 で 環 境 基 準 ( 1 ㍑ 当 た り 0.03mg 以 下 ) の 1,633 倍 に 当 た る 1 ㍑ 当 た り 49mg
のトリクロロエチレンが検出されたことを明らかにした。ロケット部品などの洗浄液が漏れた
と 見 ら れ 、地 下 水 も 最 大 で 同 11mg と 基 準 の 366 倍 を 検 出 し た 。こ の ほ か 重 金 属 で は カ ド ミ ウ
ム が 環 境 基 準 の 最 高 6.5 倍 を 検 出 し 、総 水 銀 と 鉛 も 東 京 都 の 参 考 基 準 値 を 超 え る 量 を 検 出 し た 。
漏 出 量 は 約 2 ㌧ で 、す で に 9 割 以 上 を 回 収 し て お り 、地 下 水 を 通 じ た 敷 地 外 の 汚 染 は な い と い
う 。同 社 は 1994 年 に 同 じ 敷 地 内 か ら 環 境 基 準 の 15,700 倍 強 も の ト リ ク ロ ロ エ チ レ ン を 検 出 し
て い た が 、当 時 は 公 表 し な か っ た 。
( 毎 日 、産 経 、読 売 00.9.23)
[ビスフェノールA 基準量以下で精子減少] ビスフェノールAが、政府の基準以下の投
与量でもラットの精子を減らす作用のあることが国立環境研究所の遠山千春さんらの研究で分
かり、大阪府枚方市で開かれたバイオアッセイ研究会と日本環境毒性学会の合同シンポジウム
で発表された。また、広島大学の太田茂さんは、ビスフェノールAをはじめ数多くの工業物質
が体内の酵素や環境中の細菌によって、エストロゲン活性のより強い物質に変換される研究結
果を発表した。
( 毎 日 00.9.23)
[ 農用 地土壌 のダ イオキ シン 基準 下回 る] 環 境 庁 と 農 水 省 は 22 日 、 全 国 188 地 点 の 農
用地土壌と、その土地で収穫された農作物のダイオキシン汚染濃度の昨年度の実態調査を明ら
か に し た 。 農 用 地 土 壌 は 平 均 値 が 27pg で 環 境 基 準 値 を を 下 回 り 、 農 作 物 は 平 均 値 が 0.046pg
で 、1998 年 度 の 調 査 と 同 程 度 だ っ た 。農 作 物 27 品 目 の う ち 、大 根 や 長 芋 、タ マ ネ ギ 、ト ウ モ
ロ コ シ 、 イ チ ゴ な ど は 検 出 さ れ な か っ た 。 茶 で 最 高 の 0.6pg を 示 し た 。
( 朝 日 00.9.23、 化 工 日 00.9.27)
[フロン回収 法制化へ] 自民党は、オゾン層保護対策、地球温暖化防止対策の取り組み
強化を促すため、フロン回収を義務付けることなどを盛り込んだ法律を議員立法化する。クロ
ロ フ ル オ ロ カ ー ボ ン ( CFC) や ハ イ ド ロ ク ロ ロ フ ル オ ロ カ ー ボ ン ( HCFC) な ど 、 オ ゾ ン 層 を
破壊する化学物質を段階的に回収義務付けるとする方向が強い。日本のフロン生産量は世界全
体 の 生 産 量 の 12% 程 度 と 見 ら れ 、生 産 規 模 で は 世 界 第 2 位 。日 本 で は こ れ ま で に も オ ゾ ン 層 保
18
護 法 を 設 置 し 、CFC の 生 産 規 制 な ど を 実 施 し て き た が 、回 収 義 務 付 け を 明 文 化 し た 法 律 は な い 。
自 治 体 で は 神 奈 川 県 や 兵 庫 県 な ど 10 都 道 府 県 が フ ロ ン の 回 収 義 務 付 け な ど を 条 例 化 ず み 。
( 化 工 日 00.9.25)
[ POPs 廃 農 薬 無害化 へ] 環 境 庁 は 、 残 留 性 有 機 汚 染 物 質 ( POPs) と し て リ ス ト ア ッ プ
さ れ て い る DDT な ど の 廃 農 薬 に つ い て 来 年 度 か ら 無 害 化 処 理 技 術 に 関 す る 調 査 研 究 を 開 始す
る 。 既 存 の ダ イ オ キ シ ン 類 や PCB の 分 解 処 理 技 術 が 廃 農 薬 の 無 害 化 処 理 に も 適 応 可 能 か 調 査
す る と と も に 研 究 施 設 で 実 証 試 験 を 行 う 。 来 年 度 予 算 の 特 別 枠 に 8,000 万 円 を 要 求 、 ま た 農 林
水産省も同様の事業を行う予定で両省庁連携して調査・研究に取り組む。
( 化 工 日 00.9.27 読 売 ( 夕 ) 00.10.3)
[ 廃プ ラ 熱 処理 技術で リサ イクル ] 新 日 本 製 鉄 や NKK、神 戸 製 鋼 所 な ど 、鉄 鋼 メ ー カ ー
が 独 自 の 熱 処 理 技 術 を 生 か し 、廃 プ ラ ス チ ッ ク の リ サ イ ク ル 事 業 に 乗 り 出 し て い る 。1,000℃以
上ある炉に投入して分解、ガスや油に変えて利用する仕組みで、今後、本格化する一般ごみの
回収に対応する構えだ。鉄鋼業は電力業とともに多くの二酸化炭素を排出する「公害産業」と
しての印象も根強いが、業界のイメージアップも兼ね、新ビジネスの拡大に躍起だ。
( 朝 日 00.9.27)
[ディーゼル排ガス ぜんそくを誘発] ディーゼル排出ガスを吸うと、アレルギー反応が
増し、ぜんそくの中心的症状である強い気道狭さくが誘発されることが、国立環境研究所など
の実験でわかった。ディーゼル排ガスが人間の気管支ぜんそくの発症に直接、影響することを
示 す 初 め て の 成 果 で 、国 の 今 後 の 大 気 汚 染 対 策 な ど に も 影 響 を 与 え そ う だ 。
( 読 売( 夕 )00.9.28)
[ ほ乳 類 24% 絶滅 の危 機] ほ 乳 類 の 24% に 当 た る 1,130 種 や 鳥 類 1,183 種 な ど 、動 植 物 合
計 11,046 種 が 絶 滅 の 危 機 に あ る と す る 「 レ ッ ド リ ス ト 2000 年 版 」 を 各 国 政 府 や 環 境 保 護団
体 で 組 織 す る 「 国 際 自 然 保 護 連 合 ( LUCN) が ま と め 28 日 、 ワ シ ン ト ン な ど で 発 表 し た 。絶
滅 の 恐 れ が あ る 動 物 が 1996 年 度 版 に 比 べ 230 種 増 え る な ど 、生 態 系 破 壊 の 進 行 を 裏 付 け る 結
果 と な っ て お り 、IUCN は「 極 め て 深 刻 な 事 態 」と 警 告 し て い る 。日 本 の 動 植 物 は ケ ラ マ ジ カ 、
ノ グ チ ゲ ラ な ど 161 種 が 絶 滅 の 恐 れ が あ る と さ れ た 。全 世 界 の 絶 滅 危 惧 種 は 、ほ 乳 類 、鳥 類 の
ほ か 、は 虫 類 296 種 、両 生 類 146 種 、魚 類 752 種 、無 せ き つ い 動 物 1,928 種 。( 毎 日 00.9.29)
[ 産廃 業者を 格付 け ] 厚 生 省 と 環 境 庁 は 30 日 、 産 業 廃 棄 物 の 不 法 投 棄 対 策 と し て 、 産 廃 業
者の格付け制度の導入に向け、具体的な検討に入る方針を固めた。ごみの排出事業者が実際の
処分を委託する処理業者について、最後まできちんと処理できる優良な企業かどうかを見極め
るための情報を提供することで、悪質な処理業者を一掃する。来年度に設置される検討会は、
企業財務に詳しい公認会計士や経営コンサルタント、マスコミ関係者らで構成。具体的には①
安 全 な 処 理 や 施 設 管 理 な ど の 技 術 力 ② 自 己 資 本 比 率 な ど の 財 務 状 況 ③ ISO14000 シ リ ー ズ の取
得状況など環境保全への配慮④情報公開度-などを基準に格付けすること考えている。
( 産 経 00.10.1、 化 工 日 00.10.3)
[容器リサイクル法 大都市の大半敬遠] 名古屋市がこの夏、全国の政令指定都市で初め
て 、今 年 4 月 に 完 全 施 行 さ れ た 容 器 包 装 リ サ イ ク ル 法 に 沿 う プ ラ ス チ ッ ク と 紙 の 容 器・包 装 の
分 別 回 収 を 市 全 域 で 一 斉 に 始 め た 。し か し 、新 ル ー ル に よ っ て 、ご み の 分 別 は 従 来 の 3 種 類か
ら 、多 い 地 区 で は 14 種 に 増 え た 。分 別 に つ い て 問 い 合 わ せ る 電 話 が 1 日 に 数 百 回 も 鳴 り 続 け 、
市内には市が回収を拒否した「ルール違反」のごみ袋が散乱するなど、混乱が続いている。名
古 屋 を 除 く 11 の 政 令 指 定 都 市 の ア ン ケ ー ト に よ れ ば 、 大 半 の 都 市 は 「 考 え て も い な い 」 のが
現状であることがわかった。「自治体の負担が重すぎる」「複雑な分別を市民に周知するのは
無理」などがその理由。
( 朝 日 00.10.1)
[食品廃材から生分解プラ] 京都大学・食糧科学研究所は、ビールかす、米ぬか、小麦ふ
すまなどの食品廃材を原料にした生分解性樹脂素材の合成に成功した。木材由来の生分解性樹
脂と比べて分解が容易であるとともに、水やアルコールによる加熱抽出液による安全性につい
19
ても内分泌かく乱物質の活性、発がん性および変異原性が認められなかったという。同研究所
では今後、低コストな生分解性樹脂および発泡体の実用化を目指した研究開発を進める。
( 化 工 日 00.10.2)
[農薬の内分泌かく乱作用影響確認へ] 環境庁は内分泌かく乱作用の疑いがある化学物質
をリストアップして有害性評価を行っているが、来年度からこれまで調査対象としてきた物質
以外の農薬についても有害性の検証を行う。海外文献の収集・評価を行うとともに、知見が不
足している農薬については必要に応じて生殖毒性試験などを実施し、その評価を行う。ハーシ
ュ バ ー ガ ー ア ッ セ イ 法 や 子 宮 重 量 ア ッ セ イ 法 な ど 、OECD テ ス ト ガ イ ド ラ イ ン で 提 案 さ れ て い
る複数の方法でスクリーニング試験を行い、内分泌かく乱作用の有無を調査する。
( 化 工 日 00.10.2)
[ PCB 光 分 解法 なども 適用 ] 厚 生 省 は PCB 処 理 に バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 、光 分 解 な ど 新 技
術を適用できるよう廃棄物処理法の一部改正を行い、今月1日に施行した。これまでの超高温
焼却法、脱塩素分解法に加えて、新たに水熱酸化分解法(超臨界水酸化分解法を含める)、還
元 熱 化 学 分 解 法 、 光 分 解 法 の 3 つ の 技 術 が PCB 処 理 に 適 用 可 能 に な る 。 追 加 さ れ た 3 方 式 の
PCB 処 理 技 術 に つ い て は 、各 メ ー カ ー が パ イ ロ ッ ト プ ラ ン ト で 実 証 を 行 い 、今 年 4 月 に 廃 棄 物
処理振興財団が技術評価を取りまとめている。
( 化 工 日 00.10.2)
[蛍光灯再利用 処理費が壁に] 有害な水銀が含まれている蛍光管は全国で年間約 3 億
3,000 万 本 も 捨 て ら れ て い る 。 回 収 し て リ サ イ ク ル す る 自 治 体 も 増 え て い る も の の 、 費 用 が か
かるため、ほかのゴミと一緒に焼却や埋め立て処分しているところも多い。北海道留辺蘂町に
あ る 野 村 興 産 イ ト ム カ 鉱 業 所 は 、 蛍 光 管 の 処 理 が 出 来 る 国 内 最 大 の 工 場 で 、 年 間 約 4,000 ㌧を
リサイクルしている。環境への配慮が浸透し始めたせいか、最近リサイクルに回す自治体や企
業 も 増 え て き た が 、リ サ イ ク ル さ れ て い る 蛍 光 管 は ま だ 一 部 に 過 ぎ な い 。
( 朝 日 00.10.2)
[廃棄冷蔵庫からフロン] 東海豪雨で災害救助法の指定を受けた愛知県西枇杷島町など被
災 地 の 9 市 12 町 の 災 害 ご み の 発 生 量 が 、約 74,600 ㌧ に 達 し て い た こ と が 分 か っ た 。ま た 、大
量のごみを出来るだけ早く回収するため、災害ごみの家電製品からフロンガスが抜き取られず
に処理されていた。県大気環境課では「被災当初は住民の生活環境を優先し、やむを得なかっ
た。フロン対策は反省材料」としている。
( 朝 日 00.10.3)
[ 都庁 敷地に 天然 ガスス タン ド] 「 デ ィ ー ゼ ル 車 NO 作 戦 」 に 取 り 組 む 東 京 都 は 、 低 公 害
の 圧 縮 天 然 ガ ス (CNG)車 の 普 及 を 促 進 す る た め 、 都 庁 の 敷 地 に CNG ス タ ン ド を 設 置 す る こ と
を 決 め た 。 自 治 体 が 土 地 を 提 供 し て 、 一 般 向 け の 燃 料 ス タ ン ド を 作 る の は 初 め て 。 都 は CNG
車 へ の 転 換 を 呼 び 掛 け て い る が 、燃 料 を 補 充 す る ス タ ン ド の 数 が 少 な い の が 障 害 に な っ て お り 、
都 環 境 局 で は こ れ で CNG 車 へ の 転 換 の 呼 び か け に も 説 得 力 を 増 す と し て い る 。
( 読 売 00.10.3)
[ 化学 工場の 汚泥 削減審 議] 産 業 構 造 審 議 会 第 24 回 廃 棄 物 ・ リ サ イ ク ル 部 会 が 先 月 29 日
開催され、資源有効利用促進法(改正リサイクル法)の検討対象業種・製品についての検討状
況 に つ い て 審 議 し た 。化 学 工 業 で は 、工 場 で 排 水 処 理 後 に 発 生 す る 汚 泥 が「 特 定 省 資 源 業 種 」、
また、硬質塩ビ管・継手が「特定再利用業種」のリサイクル材として検討されており、事務局
で あ る 通 産 省 か ら 検 討 状 況 な ど の 報 告 が あ っ た 。同 部 会 は 、来 年 4 月 の「 資 源 の 有 効 な 利 用の
促 進 に 関 す る 法 律 」 ( 改 正 リ サ イ ク ル 法 ) の 施 行 に 向 け て 、 同 法 の 対 象 製 品 ・ 業 種 や 具 体 的な
取り組み内容などについて検討を行っており、年末をめどに審議内容を取りまとめる予定。
( 化 工 日 00.10.3)
[生分解プラ ケミカル再生実現] 工業技術院大阪工業技術研究所は和歌山県工業技術セ
ンター、積水化成品工業との共同研究で、生分解性プラスチックを微生物でモノマーまで分解
し、再びポリマーなど化学原料として再利用する“ケミカルリサイクル技術”の開発に成功し
た 。L-乳 酸 と ε -カ プ ロ ラ ク タ ム を 直 接 共 重 合 す る こ と に よ り 、コ ポ リ エ ス テ ル ア ミ ド を 合 成 し 、
20
生 分 解 性 お よ び 生 分 解 生 成 物 を 調 べ た 。活 性 汚 泥 に よ っ て 約 1 ヶ 月 後 に は 最 大 60% ま で 分 解 し
た。その分解生成物からモノマーとしての乳酸などが生成することが分かったとしており、今
後、回収技術が研究のターゲットになる。
( 化 工 日 00.10.3)
[ 廃 PE の グレ ード 瞬時 に測定 ] 工 業 技 術 院 物 質 工 学 工 業 技 術 研 究 所 、 ベ ン チ ャ ー 企 業
の オ プ ト 技 研 、富 山 県 工 業 技 術 セ ン タ ー の グ ル ー プ は 、98 年 に 開 発 し た 近 赤 外 線 を 利 用 し た 廃
プ ラ の 材 質 判 別 技 術 を さ ら に 高 め 、ポ リ エ チ レ ン( PE)の グ レ ー ド( 密 度 )の 判 別 を 可 能 と す
る技術を確立した。廃プラのリサイクルにおいては、再生材料の特性を向上させるためにプラ
スチックの種類によって分別するだけでなく、同一種のプラスチックをグレード別に分別でき
れば、グレードによる価格差を意識した高品質再生材料にすることが可能となる。今回の方法
を 用 い れ ば 、 高 密 度 ポ リ エ チ レ ン ( HDPE) と 低 密 度 ポ リ エ チ レ ン ( LDPE) の 判 別 だ け で な
く 、PE 以 外 に も 密 度 の 定 量 的 な 測 定 も 可 能 と 考 え ら れ る と し て い る 。
( 化 工 日 00.10.4)
[ 排水 規制施 設拡 大へ] 環 境 庁 は 、ダ イ オ キ シ ン 法 に 基 づ く 排 水 規 制 対 象 施 設 を 拡 大 す る 方
針を固めた。新たに専門家で構成する検討会を設置、今月からダイオキシン類を発生する可能
性のある未規制の化学品製造施設などで排出実態調査を開始、排出実態が明らかになった施設
( 発 生 源 )か ら 随 時 、同 法 に 基 づ く 規 制 対 象 施 設 に 追 加 す る 。同 調 査 は 今 年 度 か ら 3 年 計 画 で 、
ダイオキシン類の発生の可能性がある工程を内外の調査報告などをもとに選定し、生産規模、
想定される排出濃度を勘案して設定した優先順位の高い施設から排出実態を把握するための現
場調査を実施する。
( 化 工 日 、毎 日 00.10.4)
[内装作業員ら健康調査] 労働省は、シックハウス症候群問題で、内装工事の従事者らも
被害を受ける恐れがあるとして、来年度から初の健康面の実態調査に乗り出す方針を決めた。
調 査 は 2 年 が か り で 、内 装 工 事 や 合 板 工 場 、塗 料 工 場 な ど の 作 業 員 約 2,000 人 に 対 し 、健 康状
態や作業内容に関するアンケート調査を実施する。同省では現在、厚生省が定めた有機化合物
の室内濃度指針を参考に、職場のシックハウス対策の指針作りを進めている。
( 読 売 ( 夕 ) 00.10.4)
[内分泌かく乱物質 繊維廃棄物で除去] 大阪市立工業研究所は、水に溶けた内分泌かく
乱物質を効率的に除去する吸着剤を、古着などの繊維系廃棄物から作ることに成功した。吸着
剤 は 、古 着 や 布 の 切 れ 端 な ど を 加 熱 し て 炭 化 、さ ら に 高 温 の 水 蒸 気 で 無 数 の 穴 を 開 け て 作 っ た。
河川などから微量の内分泌かく乱物質を取り除くのは難しいとされていたが、新開発の吸着剤
は 環 境 庁 が 内 分 泌 か く 乱 物 質 の 疑 い が あ る と し て リ ス ト ア ッ プ し た 67 物 質 の 大 半 に 有 効 とい
う 。 ビ ス フ ェ ノ ー ル A や ノ ニ ル フ ェ ノ ー ル な ど 64 物 質 に つ い て 、 吸 着 剤 1 g 当 た り 100mg 以
上を除去したという。また、女性ホルモン(エストラジオール)を含んだ水に吸着剤を入れた
実 験 で は 、女 性 ホ ル モ ン の 62% を 除 去 し た 。
( 化 工 日 00.10.5)
[ BPA な ど 生殖 系影響 は不 明確] 化 学 品 審 議 会 試 験 判 定 部 会 の 内 分 泌 か く 乱 作 用 検 討 分 科
会 が 開 催 さ れ 、内 分 泌 か く 乱 作 用 が 疑 わ れ て い る 物 質 の う ち 、ビ ス フ ェ ノ ー ル A( BPA)お よ
び ノ ニ ル フ ェ ノ ー ル に つ い て の 国 内 外 の 文 献 評 価 を 行 っ た 。 2 物 質 と も 動 物 実 験 な ど の 結 果か
らエストロゲン様作用があると認められるものの、これが繁殖能力などに影響を与えるのかを
評価する必要十分な情報は蓄積されていないとしている。今後はこの相関関係を明らかにする
ため、血中ホルモン濃度測定などを含めた内分泌系の評価が可能な試験の検討が必要としてい
る。
( 化 工 日 00.10.6)
[ 循環 社会構 築 へ 1387 億 ] 厚 生 省 が 5 日 ま と め た 補 正 予 算 要 望 の う ち 、循 環 型 社 会 構 築 に
向 け た 対 策 の 推 進 項 目 は 総 額 1,387 億 円 で 、 う ち 公 共 事 業 費 は 1,232 億 円 と な る こ と が 明 ら か
と な っ た 。 こ れ ら は ほ と ん ど が 2001 年 か ら 環 境 省 に 移 管 さ れ る 廃 棄 物 関 連 と な っ て い る 。 ダ
イ オ キ シ ン 類 対 策 と し て は 、最 大 の 排 出 源 で あ る ご み 焼 却 炉 施 設 整 備 を 軸 に 793 億 円 を 要 望 し
た。
( 化 工 日 00.10.6、化 工 日 00.10.10)
21
[ 国連 環境計 画会 合で決 定へ ] DDT、PCB、ダ イ オ キ シ ン な ど 、分 解 し に く い 12 種 類 の 残
留 性 有 機 汚 染 物 質 ( POPs) を 国 際 的 に 規 制 す る 「 POPs 条 約 」 の 内 容 が 、 今 年 12 月 の 国 連 環
境 計 画( UNEP)の 会 合 で 決 ま る 。12 種 類 の 物 質 を「 使 用・製 造 の 禁 止 」「 使 用 を 制 限 」「 排
出 を 削 減 」の 3 つ に 分 類 し て 各 国 に 対 策 を 求 め 、来 年 5 月 に 採 択 の 予 定 。日 本 は 大 量 に 保 管 し
て い る PCB の 安 全 な 処 理 を 迫 ら れ る ほ か 、 発 展 途 上 国 が 対 象 物 質 の 処 理 を 進 め る た め の 技 術
や資金の援助も課題になる見通しだ。
( 毎 日 00.108)
[ 低公 害車 2010 年に 754 万 台 普及 へ] 低 公 害 車 の 普 及 拡 大 方 策 を 検 討 し て い た 環 境 庁 の
検討会は、報告書をまとめた。今後、普及に取り組む低公害車として低排出ガス車も対象とす
べ き と し て 、2010 年 の 低 公 害 車 の 普 及 台 数 見 通 し を 少 な く と も 全 国 で 中 重 量 車 以 下( 車 両 総 重
量 3.5 ㌧ 以 下 )が 748 万 台 、重 量 車( 同 3.5 ㌧ 超 )が 5 万 台 の 合 計 754 万 台 と 推 計 し た 。一 方 、
普及を確実にする方策としては、乗用車など中重量車は自動車メーカーの自主的取り組みに委
ね 、重 量 車 は NOx( 窒 素 酸 化 物 )法 に よ る 特 定 地 域 の 事 業 者 に 対 し 一 定 割 合 の 低 公 害 車 導 入 の
義務付けを提言した。
( 化 工 日 00.10.10)
[ごみ処分場で行政代執行] 東京日の出町にある一般廃棄物最終処分場「二ツ塚処分場」
の 第 2 期 工 事 を め ぐ り 、 都 は 10 日 、 予 定 地 内 に 反 対 派 住 民 ら 約 2,800 人 が 共 有 し て い た 土 地
約 460m3 を 強 制 収 用 す る た め 、物 件 を 撤 去 す る 行 政 代 執 行 に 乗 り 出 し た 。1992 年 に 隣 接 す る
処 分 場 で 発 覚 し た 汚 水 漏 れ 疑 惑 を き っ か け に 反 対 運 動 が 起 こ り 、事 業 者 の 都 3 多 摩 地 域 廃 棄物
広域処分組合との対立が続いていた。ごみ処分場建設では全国初の強制収用となった。
( 毎 日 ( 夕 ) 朝 日 ( 夕 ) 、 産 経 ( 夕 ) 00.10.10)
[ 廃車 リサイ クル ネッ ト活 用で支 援] NTT-ME は 、自 動 車 リ サ イ ク ル 総 合 ネ ッ ト サ ー ビ
ス「 ELV」の 提 供 を 2001 年 1 月 か ら 開 始 す る 。自 動 車 販 売 事 業 者 、整 備 事 業 者 な ど を 対 象 に 、
使用済み自動車(廃車)を適正処理するための解体事業者との契約代行、廃車処理状況の照会
をインターネット上で取引きするための「流通プラットフォームサービス」で構成される自動
車リサイクル総合ネットサービスを行う。同時に中古部品(リユース)市場のマッチングを促
進 す る た め の マ ッ チ ン グ モ ー ル を 提 供 す る 。事 業 目 標 は 初 年 度 5,000 万 円 。2002 年 約 10 億円
を目指す。
( 化 工 日 00.10.11)
[南極上空のオゾン層破壊最大] 南極上空のオゾンホールにおけるオゾン破壊量が過去最
大 に な っ た こ と が 10 日 、気 象 庁 の 調 査 で 分 か っ た 。先 月 12 日 に オ ゾ ン 破 壊 量 は 9,622 万 ㌧ を
記 録 し 、オ ゾ ン ホ ー ル が 1980 年 代 初 め に 出 現 し て 以 来 、過 去 最 大 だ っ た 98 年 の 8,908 万 ㌧ を
超 え た 。ま た 、オ ゾ ン ホ ー ル の 面 積 も 、先 月 10 日 に 南 極 大 陸 の 2 倍 以 上 の 2,918 万 km2 に 達
し 、 先 月 3 日 に 記 録 し た 過 去 最 大 値 の 2,844 万 km2 を 更 新 し た 。 気 象 庁 は 「 今 年 オ ゾ ン の 破
壊が進んだのは気候的な要因がある。長期的に見ると、今後もさらに破壊が拡大する恐れがあ
る 」と み て い る 。
( 朝 日 00.10.11)
[ 廃木 材を高 炉原 料活用 ] NKK は 、住 宅 解 体 な ど で 発 生 す る 廃 木 材 を 高 炉 原 料 に す る リ サ
イクルシステムの開発に着手した。廃木材を破砕・粉砕したのち、廃プラスチックをバインダ
ーにして造粒し、これをコークス代替の還元剤として高炉に吹き込むという技術。これまで防
腐剤、防蟻剤などが含浸した廃木材はリサイクルが難しかったが、同技術ではこのような低品
位 の 廃 木 材 も 再 利 用 で き る 利 点 が あ る 。2003 年 度 か ら 実 用 化 し 、年 間 10 万 ㌧ の 廃 木 材 を 再 資
源化する計画。
( 化 工 日 00.10.12)
[超電導磁石を用いた水質浄化技術開発へ] 財団法人・国際超電導産業技術研究センター
超電導工学研究所と日立製作所は、先に超電導工学研究所が開発した樹脂含浸型バルク高温超
電 導 体 を 応 用 す る 水 浄 化 装 置 の 実 用 化 技 術 開 発 の 共 同 研 究 を 開 始 し た 。 年 内 に 長 さ 200mm の
バ ル ク 高 温 超 電 導 磁 石 を 適 用 し た 処 理 量 100m3/ 日 の 膜 分 離 装 置 を 製 作 し 、下 水 の 連 続 浄 化 実
験 を 行 う 計 画 。成 功 す れ ば 、下 水 、工 場 排 水 な ど 汚 濁 水 浄 化 装 置 の 小 型 化 、高 速 化 に つ な が る。
実用化は数年後となる見込み。
( 化 工 日 00.10.12)
22
[ダイオキシン 微量でも胎児に影響] 妊娠中に動物が摂取したダイオキシンの一部が胎
児に移行し、ごく微量でも、子の甲状腺機能や雄の生殖器などに影響をおよぼすことを、国立
環境研究所の米元純三総合研究官のグループがラットを使った実験で確かめた。前立腺重量の
低下や免疫機能に関連する胸腺や脾臓の細胞数の減少、甲状腺ホルモンの1種の血中濃度が低
下したりする時期があるなど、母胎からのダイオキシンで、出生後の子どもに様々な影響が出
ることが分かった。また、妊娠初期に、極微量のビスフェノールAにさらされただけでも、子
供の成長過程が促進されるなどの影響が出ることが、東京大学医学部産婦人科、堤治教授らの
実験で明らかになった。
( 読 売( 夕 )00.10.21)
[ おも ちゃの 9 割 に環 境ホ ルモン ] 環 境 ホ ル モ ン 作 用 が 疑 わ れ る フ タ ル 酸 エ ス テ ル 類 が 乳
幼 児 用 お も ち ゃ の 9 割 近 く に 含 ま れ て い る こ と が 、13 日 開 か れ た 東 京 都 の「 内 分 泌 か く 乱 化 学
物 質 専 門 家 会 議 」 で 明 ら か に な っ た 。 都 は 、 市 販 の 風 呂 用 お も ち ゃ や ミ ニ カ ー 、 人 形 な ど 23
品 の 32 部 品 を 調 査 。 そ の 結 果 、 87% に あ た る 20 品 の 計 21 部 品 か ら フ タ ル 酸 エ ス テ ル 類 を 検
出した。また、ビスフェノールAが 7 部品から、ノニルフェノールが 9 部品から検出された。
環 境 ホ ル モ ン が 検 出 さ れ た 材 質 の ほ と ん ど は 、ポ リ 塩 化 ビ ニ ー ル 製 だ っ た 。( 読 売 00.10.14)
[ CO2 削 減 と NOx の 関 係 算 出 モ デ ル 開 発 ] 窒 素 酸 化 物 (NOx )や 粒 子 状 物 質 ( PM) が 、
二 酸 化 炭 素 ( CO2) の 排 出 削 減 に 伴 っ て 、 ど の 程 度 削 減 で き る か を 算 出 す る モ デ ル を 、 京 都大
と環境庁の特殊法人「公害健康被害補償予防協会」の研究グループが開発した。今回のモデル
で は 、 既 存 の CO2 削 減 モ デ ル に NOx、 PM の 削 減 モ デ ル を 加 え 、 相 関 関 係 を 明 ら か に し た 。
モ デ ル で は 産 業 、交 通 、家 庭 、業 務( オ フ ィ ス )の 4 部 門 で 、CO2 排 出 削 減 に つ な が る 行 動 を
23~ 45 項 目 ピ ッ ク ア ッ プ 。 全 項 目 を 「 意 欲 あ る 事 業 者 ・ 個 人 が さ ら に 10% 程 度 増 え る 」 と い
う レ ベ ル 3 で 実 行 す れ ば 、 2010 年 の CO2 排 出 量 は 1990 年 比 7% 減 と な り 、 地 球 温 暖 化 防 止
京 都 会 議 で 義 務 づ け ら れ た CO2 の 削 減 目 標 を 達 成 。 NOx の 排 出 量 も 同 10% 、 PM も 同 8% 削
減できることが分かった。
(毎 日 00.10.15)
[排ガス試験 甘い日本] 自動車の排ガスをチェックする日本の試験方法は、米国や欧州
連 合( EU)の 試 験 方 法 に 比 べ 、排 ガ ス 中 に 含 ま れ る 有 害 物 質 の 割 合 が 低 い 結 果 が で る 仕 組 みに
なっていることが、オランダの研究機関の調査で分かった。日本で試験をパスした車両の排ガ
ス を 3 つ の 方 法 で 検 査 し た 結 果 、炭 化 水 素( HC)が EU 方 式 の 33 分 の 1 し か 排 出 さ れ な い 車
種もあった。試験方法の差異は、想定する走行パターンの違いに基づくもので、東京都は「現
行の試験方法は都市部の走行実態を反映していない」と指摘している。試験方法の抜本的見直
しが迫られそうだ。
(読 売 00.10.16)
[ シッ クハウ ス原 因の化 学物 質測定 方法 JIS 化 ] 通 産 省 ・ 工 業 技 術 院 は 15 日 、 シ ッ ク ハ
ウ ス 症 候 群 へ の 対 策 と し て 、 原 因 と な る 化 学 物 質 の 測 定 方 法 を 日 本 工 業 規 格 ( JIS) 化 す る 方
針 を 明 ら か に し た 。 JIS 化 に 乗 り 出 す の は 揮 発 性 有 機 化 合 物 ( VOC) の ト ル エ ン や キ シ レ ン な
ど 。VOC の う ち ホ ル ム ア ル デ ヒ ド の 測 定 方 法 は す で に JIS 化 さ れ 、そ の 後 、発 生 量 が 多 い 建材
の 生 産 量 が 急 減 す る な ど 、 JIS 化 の 効 果 が 上 が っ て い る 。 シ ッ ク ハ ウ ス 対 策 で は 、 厚 生 省 が 4
月に検討会を発足させ、トルエン、キシレンなどの遺伝子への影響や発がん性の調査データを
収集、健康被害に関するガイドラインの数値化と測定基準づくりを急いでいる。労働省は次年
度から、合板メーカー工場などの空気汚染調査を実施、林野庁も新たな合板製造技術開発への
支 援 を 開 始 す る な ど 、政 府 の シ ッ ク ハ ウ ス 対 策 は 加 速 し て い る 。
( 産 経 00.10.16)
[ 組み 換えト ウモ ロコシ EPA が 栽培 禁止] 米 環 境 保 護 庁( EPA)は 、仏 ア ベ ン テ ィ ス 開
発 の 飼 料 用 遺 伝 子 組 み 換 え ( GM) ト ウ モ ロ コ シ 「 ス タ ー リ ン ク 」 の 栽 培 認 可 登 録 を 抹 消 し た
こ と を 明 ら か に し た 。同 GM ト ウ モ ロ コ シ の 食 品 へ の 使 用 が 相 次 い で 発 覚 し た た め で 、EPA は
“食品汚染”の可能性を完全に排除する栽培禁止という厳しい措置を取った。
( 化 工 日 00.10.17、 読 売 ( 夕 ) 00.10.25、 毎 日 00.10.26)
23
[家庭廃プラから高品質灯・軽油] 一般家庭から排出されるプラスチック容器包装と自動
車エンジンオイルなどの廃油を原料にして高品質な軽油・灯油を作るリサイクルシステムの技
術開発が産官学共同の国家プロジェクトとして進められている。このリサイクルシステムはご
み 収 集 施 設 に お い て い っ た ん 減 容 化 処 理 す る た め 、油 化 施 設 ま で の 搬 送 費 用 が 軽 減 さ れ る ほ か 、
生ごみなどで多少汚れたプラスチックであっても油化処理できるのが大きな特徴。もう1つの
メリットは廃油を混合させることで、既存の加熱油化方式に比べて油の収率が上がること。残
渣 分 が 少 な く な り 、プ ラ ン ト の メ ン テ ナ ン ス も 容 易 に な る 。
( 化 工 日 00.10.17)
[ PET ボ ト ル 廃棄物 最少 化シミ ュレ ーショ ン] 通 産 省 は 、PET ボ ト ル の 設 計 段 階 で ど の
ように設計すれば廃棄する段階で最も廃棄物を少なくすることができるかがわかるシミュレー
ションシステムを開発する。原料・樹脂の製造、ペレットへの加工・成形、ユーザー、回収・
再生業者といった各段階でのさまざまな情報をデータベース化するとともに、各段階のそれら
情報が交換できるようにし、全体として最も環境への負荷およびコストを最少化する体系を探
ることが出来るようなシステムとなる。循環型社会構築への一環となるもので、今年度から 4
年間のプロジェクトとして化学技術戦略推進機構が実施主体となり、東京工業大学フロンティ
ア創造共同研究センターの仲勇治教授と共同で開発する。
( 化 工 日 00.10.19)
[東アジア酸性雨モニタリング 政府間会合] 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク
が 新 潟 に 暫 定 的 に 設 置 し た 「 酸 性 雨 研 究 セ ン タ ー 」 が 98 年 4 月 以 来 行 っ て き た モ ニ タ リ ン グ
試 行 稼 働 の 成 果 と 課 題 を 整 理 し 、本 格 稼 働 へ 向 け て 検 討 す る た め の 政 府 間 会 合 が 25-26 日 、新
潟 市 で 開 催 さ れ る 。モ ニ タ リ ン グ の 本 格 稼 働 入 り の 時 期 、2001 年 の 活 動 計 画 な ど を 審 議 す る 予
定 。現 在 の ネ ッ ト ワ ー ク 参 加 国 は 、中 国 、イ ン ド ネ シ ア 、日 本 、韓 国 、マ レ ー シ ア 、モ ン ゴ ル 、
フ ィ リ ピ ン 、ロ シ ア 、タ イ 、ベ ト ナ ム と な っ て い る 。
( 化 工 日 00.10.19)
[大気汚染物自主削減 高い評価] ベンゼンなど業界の自主管理計画に基づく有害大気汚
染物質の削減策について検討している中央環境審議会・大気部会の排出抑制専門委員会は、大
気部会に提出する報告書を実質的にまとめた。自主管理の取り組みは数多くの企業が参加、総
体 と し て 当 初 見 込 ん で い た 1999 年 度 目 標 を 達 成 、 マ ク ロ 的 に は 環 境 濃 度 の 低 減 が 図 ら れ 、大
きな成果をあげたと高く評価している。しかし環境リスクの高い地域や、自主管理の対象外の
排 出 源 で の 排 出 削 減 が 必 ず し も 十 分 な 効 果 が 出 て い な い な ど の 指 摘 が あ り 、97 年 度 か ら 開 始さ
れた自主管理のあり方を見直す必要性も示唆している。
( 化 工 日 00.10.19)
[ COD 総 量 規制 基準 強化 ] 中 央 環 境 審 議 会 ・ 水 質 部 会 は 19 日 、 水 質 に 係 わ る 化 学 的 酸
素 要 求 量( COD)の 総 量 規 制 基 準 の 設 定 方 法 の 改 正 、窒 素 と リ ン の 総 量 規 制 基 準 の 設 定 方 法 お
よび汚濁負荷量の測定方法などの設定に関する報告書をまとめ、環境庁長官に答申した。今回
の 答 申 で は 、 COD の 総 量 規 制 基 準 を 現 行 の 第 4 次 水 質 総 量 規 制 で の 全 232 業 種 そ の 他 区 分 の
う ち 34 区 分 で 総 量 規 制 基 準 を 強 化 す る こ と が 適 当 と し た 。窒 素 と リ ン に つ い て は COD と 同 様
の 全 232 業 種 そ の 他 区 分 で 総 量 規 制 基 準 を 設 定 す る 。 た だ し リ ン は 18 区 分 で 備 考 を 設 け る 。
ま た 、 海 へ の 排 水 基 準 が な い ホ ウ 素 に つ い て 、 基 準 を 排 水 1 ㍑ 当 た り 230mg 以 下 と す る 答申
案 を ま と め た 。 一 方 、 フ ッ 素 に つ い て は 同 15mg 以 下 、 硝 酸 性 窒 素 は 同 100mg 以 下 と し た 。
( 毎 日 00.10.20、 化 工 日 00.10.23)
[排ガス規制 警視庁が検問車配備] 東京都のディーゼル車の排ガスに対する取り締まり
を 強 化 す る た め 、警 視 庁 は 測 定 器 を 搭 載 し た 公 害 取 締 検 問 車 を 一 斉 配 備 し 、25 日 に 出 動 式 を 行
う。順次、検問を実施し、首都の交通公害対策に本腰を入れて取り組む。ディーゼル車から排
出される黒煙を測定する検問車両の導入は全国初めて。都内の二酸化窒素濃度の国の環境基準
達 成 率 は 、 住 宅 地 で 約 90% 程 度 で 、 道 路 沿 い で は 40% 台 の 低 水 準 に と ど ま っ て い る 。 浮 遊 粒
子状物質も基準値に遠く及ばない状況。
( 産 経( 夕 )00.10.21、朝 日 00.10.25)
[ 大気 汚染が 一時 改善] 環 境 庁 は 、全 国 2,135 の 測 定 局 で 監 視 し た 1999 年 度 の 大 気 汚 染 状
況 を 発 表 し た 。環 境 基 準 を ク リ ア し た 地 点 の 率 は 二 酸 化 窒 素( NO2)が 一 般 環 境 大 気 測 定 局 で
24
98.9% 、 自 動 車 排 出 ガ ス 測 定 局 で 78.7% 。 浮 遊 粒 子 状 物 質 ( SPM) は 一 般 局 で 90.1% 、 自 排
局 で 76.2% と 大 幅 に 改 善 し た 。 し か し 、 今 年 度 前 半 の 観 測 で は 98 年 度 以 前 の 傾 向 を 示 し てお
り、昨年度は「関東地域で夏場、平年以上の強い風が吹くなど気象的要因などによる一時的な
改 善 」 と し て お り 、 大 都 市 地 域 を 中 心 に NO2、 SPM に よ る 大 気 汚 染 は 「 い ぜ ん と し て 厳 し い
状 況 」に あ り 、自 動 車 NOx 法 の 見 直 し な ど 排 出 ガ ス 規 制・対 策 に 取 り 組 む 必 要 が あ る と し た 。
<自 動 車 排 出 ガ ス の 濃 度 が 高 か っ た 上 位 10 地 点 >
二
1
酸
化
窒
素
中山道大和(東京都板橋
( ppm
浮 遊 粒 子 状 物 質
)
(1m 3 中
mg)
0.082
1
松原橋(東京都大田区)
0.137
区)
2
今里交差点(大阪市)
0.080
2
中山道大和(〃板橋区)
0.134
3
松原橋(東京都大田区)
0.079
3
大坂橋(〃目黒区)
0.127
3
池 上 新 田 公 園 前( 川 崎 市 )
同
4
環 七 通 り 亀 有( 〃 葛 飾 区 )
0.126
5
大坂橋(東京都目黒区)
0.078
5
旭 区 都 岡 小 学 校( 横 浜 市 )
0.120
6
上馬(〃世田谷区)
0.076
5
池 上 新 田 公 園 前( 川 崎 市 )
同
6
環 七 通 り 亀 有( 〃 葛 飾 区 )
同
7
川口市神根(川口市)
0.118
8
北 品 川 交 差 点( 〃 品 川 区 ) 0.075
8
西区浅間下交差点(横浜
0.117
市)
8
西区浅間下交差点(横浜
同
9
0.074
10
草加原市(草加市)
0.113
西原(柏市)
0.112
市)
1
茨田中学校(大阪市)
0
(朝日、化工日
00.10.23)
[ 魚介 類のダ イオ キシン 健 康への 影響 ない] 水 産 庁 は 、1999 年 度 に お け る 魚 介 類 中 の ダ
イオキシン類の実態調査結果をまとめた。沿岸・沖合域、遠洋域での漁獲のほか輸入魚介類が
対 象( 150 検 体 )が 対 象 で 、コ プ ラ ナ ー PCB を 含 め た ダ イ オ キ シ ン 類 濃 度( 可 食 部 )は 単 純 平
均 値 で 0.816pgTEQ/g と な っ た 。同 庁 で は 前 年 度( 98 年 度 、0.932 pgTEQ/g)と お お む ね 同 レ
ベ ル と し て お り 、 魚 介 類 を 含 む 食 品 か ら の ダ イ オ キ シ ン 類 摂 取 量 は 耐 容 1 日 摂 取 量 (TDI)を 下
回 っ て お り 、健 康 に 影 響 を 及 ぼ す こ と は な い と し て い る 。
( 化 工 日 00.10.24)
[ 町ぐ るみ脱 温暖 化 ] 世 界 で 最 も 進 ん だ 温 暖 化 対 策 を 進 め て い る ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 で は 、行 政 、
企業、市民が知恵と工夫を結集して、二酸化炭素削減に取り組んでいる。欧州市民は「地球温
暖 化 が 自 分 た ち の 将 来 を 脅 か す 最 大 の 危 機 」 と 受 け 止 め て い る 。 デ ン マ ー ク の 人 口 4,300 人の
サ ム ソ 島 で は 、2007 年 ま で に バ イ オ マ ス( 太 陽 エ ネ ル ギ ー を 蓄 え た 生 物 体 )と 風 力 発 電 に よ る
地 域 暖 房 や 省 エ ネ を 進 め 、 100% 自 給 を 目 指 し て い る 。 英 国 で は 自 然 エ ネ ル ギ ー 導 入 へ の 関 心
が急速に高まっており、銀行も環境保全を目指す融資に乗り出した。スウェーデンではストッ
クホルム中心部を走るバスはすべてエタノール車だ。「大ストックホルム首都圏運輸公社」は
90 年 か ら 2000 年 ま で の 環 境 目 標 と し て 、窒 素 酸 化 物( NOx )は 80 年 レ ベ ル よ り 50% 削 減 、
二 酸 化 炭 素 は 1988 年 レ ベ ル ま で 減 ら す な ど を 掲 げ 、 す で に 達 成 し た 。
( 毎 日 00.10.24、 00.10.25)
[合併浄化槽普及に課題] 下水道が整備されていない地域では、炊事や洗濯に使った生活
排水が川の汚染の大きな原因になっている。そこで来年度からは浄化槽法が改正され、浄化槽
の新設に当たってはし尿だけをきれいにする単独処理が禁じられ、し尿と生活排水の両方を引
25
き 受 け る 合 併 処 理 浄 化 槽 し か 認 め ら れ な く な る 。合 併 槽 は 標 準 的 な 5 人 槽 で 1 基 100 万 円 か か
る 。 今 年 度 か ら 国 の 新 し い 補 助 制 度 を 採 用 す る と 、 個 人 負 担 額 は こ れ ま で の 4 分 の 1 の 15 万
円ほどですむが、一般家庭には大きな負担だし、単独槽を新しくしたばかりの世帯では合併槽
への切り替えを強制することは出来ず、拒否されてしまう。普及率アップには、合併槽の長所
を説明して回る市町村の努力はもちろん、数世帯での共有といったさらなる負担軽減策も検討
されるべきだ。
(読 売 00.10.24)
[ た た き 台 に 日 本 案 な し ] 日 本 が 主 張 す る 二 酸 化 炭 素 ( CO2) の 森 林 吸 収 分 の 算 定 方 法 の
一 部 が 、来 月 開 か れ る 気 候 変 動 枠 組 み 条 約 第 6 回 締 約 国 会 議 の 交 渉 の た た き 台 文 書 に 盛 り 込 ま
れ て い な い こ と が 23 日 、明 ら か に な っ た 。日 本 は 温 暖 化 ガ ス の 6% 削 減 の う ち 3.7% を 森 林 吸
収 で ま か な う と し て い る が 、 日 本 の 主 張 が 通 る の は 厳 し い 状 況 と な っ た 。 ( 毎 日 00.10.24)
[ 廃棄 物再資 源化 PFI 方 式が割 安] 社 団 法 人 ・ 日 本 プ ロ ジ ェ ク ト 産 業 協 議 会 は 、 PFI 方
式 に よ る 廃 棄 物 再 資 源 化 事 業 に つ い て 検 討 を 行 っ て き た が 、 モ デ ル ケ ー ス と し て 人 口 40 万人
規 模 の 地 方 中 核 都 市 で PFI 方 式 に よ り 廃 棄 物 再 資 源 化 事 業 を 行 っ た 場 合 の 物 質 収 支 や コ ス ト の
試算結果を報告書としてとりまとめた。マテリアルリサイクルを優先させて再資源化(再資源
化 率 約 90% ) を 行 う こ と を 想 定 。 事 業 期 間 20 年 で 、 地 方 自 治 体 が 単 独 で 行 う 場 合 に 比 べ て 選
別 リ サ イ ク ル 事 業 で 14 億 1,000 万 円 、 廃 棄 物 発 電 事 業 で 6,900 万 円 の コ ス ト ダ ウ ン が 図 れ る
と試算している。
( 化 工 日 00.10.25)
[マテリアルフローの国際研究比較] 国立環境研究所は、マテリアルフローの国際比較に
関する研究をまとめた。マテリアルフローは資源消費量や廃棄物の排出量を体系的に把握、勘
定 す る も の 。米 国 、ド イ ツ 、オ ラ ン ダ 、オ ー ス ト リ ア の 研 究 機 関 と の 共 同 研 究 で 、こ れ ら 5 カ
国の経済活動から環境への排出物フローの総量と内訳を明らかにするとともに経年変化も比較、
大量のモノに依存した経済社会の転換の必要性を指摘している。研究成果では、経済活動に投
入された資源のうち半分から 4 分の 3 が同じ年のうちに排出ガスや廃棄物として環境に戻され
て い る こ と 、 ま た 日 本 で は 1 人 当 た り の 直 接 排 出 物 量 は 年 約 11 ㌧ で 他 国 よ り や や 少 な い もの
の 、 CO2 排 出 量 の 伸 び な ど に よ り 80 年 代 半 ば を 底 と し て 微 増 傾 向 に あ る こ と な ど が 明 ら か に
なったとしている。
( 化 工 日 00.10.25)
[ダイオキシン対策 共同取り組み強化] 神奈川県、千葉県、東京都、埼玉県、横浜市、
川 崎 市 、 千 葉 市 の 7 都 県 市 ダ イ オ キ シ ン 類 対 策 フ ォ ー ラ ム が 25 日 、 千 葉 市 で 開 催 さ れ た 。ダ
イオキシン類は人の健康への影響が危惧されており、その対策は国および地方自治体などが取
り 組 む べ き 緊 急 の 課 題 で あ る た め 、 7 都 県 市 首 脳 会 議 環 境 問 題 対 策 委 員 会 は ダ イ オ キ シ ン 類対
策に関する情報交換、新たな知見の収集などを通じて、周辺都県市の共同の取り組みを強化す
る目的で実施された。
( 化 工 日 00.10.26)
[ 臭素 化ダイ オキ シン/ フラ ン類 クラ イテリ ア完 訳] 環 境 情 報 科 学 セ ン タ ー が 、98 年 に
世 界 保 健 機 関 ( WHO) が ま と め た 臭 素 化 ダ イ オ キ シ ン 類 / フ ラ ン 類 の 環 境 保 健 ク ラ イ テ リ ア
( NO.205)を 日 本 語 完 訳 し た 。臭 素 化 ダ イ オ キ シ ン 類 / フ ラ ン 類 に つ い て の 知 見 は 世 界 的 に も
ま だ 不 足 し て い る と い わ れ る が 、 現 状 で の 科 学 的 知 見 を 集 大 成 し た WHO の 環 境 保 健 ク ラ イ テ
リアが日本語版としてまとめられたことで、日本におけるこの問題への理解が進むものと期待
さ れ る 。環 境 情 報 科 学 セ ン タ ー で は こ の 日 本 語 訳 を 実 費( B5 判 、217 ペ ー ジ 、1,000 円 、送 料
込み)で提供している。タイトルは「臭素化ダイオキシン類とフラン類-物性から健康影響ま
で - ポ リ 臭 素 化 ジ ベ ン ゾ -パ ラ -ダ イ オ キ シ ン 類 お よ び ジ ベ ン ゾ フ ラ ン 類 」 。 郵 便 振 替 口 座 ( 番
号 00110-6-561822、名 称 = ダ イ オ キ シ ン )。
( 化 工 日 00.10.26)
[ 新た に 8850 本 の 巨木 確認 ] 環 境 庁 の 自 然 保 護 局・生 物 多 様 性 セ ン タ ー は 、第 6 回 自 然 環
境保全基礎調査の一環として実施している「巨樹・巨木林フォローアップ調査」の中間報告を
まとめた。同調査は国内の巨木の現状を把握し、自然環境保全のための基礎資料を得るのが目
的 で 、 2 回 目 と な る 今 回 は 第 1 回 調 査 の 追 加 調 査 も 行 っ た 。 新 た に 8,850 本 の 巨 木 が 確 認 さ れ
たが、前回調査で確認された巨木のうち一部で枯死しているケースもあった。
( 化 工 日 、 読 売 、 毎 日 00.10.26)
26
[海水の酸性化 赤土も原因?] 沖縄本土や石垣島に多い赤土が海水に溶けると、化学反
応が起きて有毒なアルミニウムイオンが高濃度で溶け出し、海水が酸性に傾くことが、琉球大
学理学部の渡久山章教授らの研究で分かった。周辺海域では、サンゴ礁の白化など海洋環境の
悪化が進んでいるが、開発で流出した赤土による海水の化学的変化も原因の1つである可能性
が出てきた。沖縄本島中北部などには、鉄やアルミニウムを多く含む赤土が分布する。自然状
態 で 赤 土 が 1 年 間 に 海 に 流 出 す る 量 は 1 km2 当 た り 50m3 以 下 だ が 、ゴ ル フ 場 造 成 な ど 大 規 模
開 発 で は 流 出 量 が そ の 2,000 倍 の 同 10 万 m3 に も な る こ と が あ る と い う 。
( 毎 日( 夕 )00.10.26)
[ DEP 初 の 全 国 調 査 ] 環 境 庁 は 、 デ ィ ー ゼ ル 車 の 排 ガ ス に 含 ま れ る 微 粒 子 ( DEP) の 大
気 汚 染 実 態 を 把 握 す る た め 、初 の 全 国 一 斉 調 査 を 行 う 方 針 を 決 め た 。今 年 度 中 に 3 大 都 市 圏 を
中 心 に 40-50 カ 所 で 測 定 す る 予 定 。同 庁 は 、大 気 汚 染 物 質 の う ち 浮 遊 粒 子 状 物 質( SPM)の 測
定 は 行 っ て い る が 、DEP の 汚 染 状 況 に 関 す る 明 確 な デ ー タ は な か っ た 。継 続 調 査 に よ っ て 、デ
ィ ー ゼ ル 車 排 ガ ス 規 制 な ど の 対 策 が 、DEP 汚 染 の 改 善 に ど れ だ け の 効 果 を 発 揮 し た か を 分 析す
る。
( 化 工 日 00.10.27)
[ホーキング博士も警告] 英国人宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士は、「人
類 は 今 後 1000 年 以 内 に 災 害 か 地 球 温 暖 化 の た め に 滅 亡 す る 」 と 警 告 し た 。 近 年 、 夏 の 猛 暑 な
ど温暖化の影響と思われる現象が続く。気温上昇と乾燥化のために北極圏に広がるエゾマツの
成長率が大幅に低下していることが明らかになった。また、グリーンランドの氷原が溶け、毎
年 90cm 以 上 後 退 し て い る と の 報 告 も あ る 。 「 気 候 変 動 に 関 す る 政 府 間 パ ネ ル ( IPCC) 」 は
21 世 紀 末 の 地 球 の 平 均 気 温 は 90 年 よ り 1.8~ 3.8℃ 高 く な る と し 、95 年 の 第 2 次 報 告 書 で の 予
測( 1~3.5℃ )を さ ら に 上 方 修 正 し た 。IPCC は「 地 球 温 暖 化 の 原 因 は 、人 類 活 動 と 考 え る の が
適 当 」と 指 摘 し て い る 。
( 毎 日 00.10.29)
[アジア・太平洋の生物 データベース化] 国立環境研究所は、アジア・太平洋地域の生
物のデータベース構築に乗り出す方針を固めた。「種の宝庫」といわれる東南アジア諸国など
11 カ 国 の 研 究 機 関 と 協 力 し て 、膨 大 な 生 物 情 報 を 統 一 し た 形 式 で 整 理 。各 国 の コ ン ピ ュ ー タ ー
を ネ ッ ト ワ ー ク で 結 び 、 5 年 後 の 運 用 開 始 を 目 指 し て い る 。 今 回 の 計 画 は 国 際 的 な プ ロ ジ ェク
ト の 一 環 。地 球 上 で こ れ ま で 確 認 さ れ た 約 175 万 の 種 を デ ー タ ベ ー ス 化 し 、生 物 の 多 様 性 を 保
全していくための基礎資料にする動きが数年前から本格化していた。
( 産 経 00.10.31)
[環境対策効果・負荷で指標作成] 環境庁の「事業者の環境パフォーマンス指標に関する
検 討 会 」 は 30 日 、 「 事 業 者 の 環 境 パ フ ォ ー マ ン ス 指 標 ( 草 案 ) 」 を 発 表 し た 。 事 業 者 が 環境
活動の評価を行う際に把握するための事業活動に伴う環境負荷や、対策の効果などの指標をま
と め た も の で 、企 業 の 環 境 報 告 書 な ど を 作 成 す る う え で 活 用 が 期 待 さ れ る 。
( 化 工 日 00.10.31)
[ へ そ の 緒 に 環 境 ホ ル モ ン ] 環 境 庁 の 調 査 で 、 フ タ ル 酸 ジ エ チ ル へ キ シ ル (DEHP) が 新 生
児 の へ そ の 緒 か ら 検 出 さ れ た 。調 査 は 、新 生 児 10 人 か ら 集 め た へ そ の 緒 を 分 析 。6 人 か ら 脂 肪
1 g 当 た り 14-160μ g の DEHP が 検 出 さ れ た 。へ そ の 緒 を 通 じ て 胎 児 が 母 体 か ら 栄 養 を 取 り 込
む 際 、同 時 に DEHP が 移 行 し て い る 可 能 性 を 示 す 初 め て の 調 査 結 果 だ 。厚 生 省 は 6 月 、塩 ビ 手
袋を食品に触れる形で使うのを避けるよう通知したが、人体への汚染がかなり進んでいる実態
が 明 ら か に な っ た 。 同 省 の 食 品 衛 生 調 査 会 は 、 DEHP の 耐 容 1 日 摂 取 量 を 体 重 1 kg 当 た り
40-140μ g と し て い る 。
( 産 経 、読 売( 夕 )、毎 日( 夕 ) 00.10.31)
27