Rhône-Alpes ローヌ・アルプ プレスキット 2015 目次 ローヌ・アルプ Rhône-Alpes: ヨーロッパの中心へようこそ ..................................................................................................1 マップ ...........................................................................................................................................................................................6 I.数字で見るローヌ・アルプ .....................................................................................................................................................7 II.この地方の主な催し ................................................................................................................................................................8 III. ローヌ・アルプに来たら、外せない場所........................................................................................................................12 IV. ヨーロッパの中心、便利なアクセス ...............................................................................................................................16 ローヌ・アルプでのワインツーリズム: 世界に誉れ高いそのブドウ畑 ................................................................................17 I.ローヌ・アルプ地方: 数字で見るワインツーリズム ...................................................................................................20 II.ワインを愛する方へ: この地域の魅力 ...............................................................................................................................21 III.おすすめのスポット .............................................................................................................................................................23 IV.さらに知るには .....................................................................................................................................................................29 ヴィアローナ ViaRhôna レマン湖から地中海に至る新しいサイクリングロード .................................................................30 I. 数字で見るヴィアローナ ViaRhôna .....................................................................................................................................32 II.ローヌ・アルプに来たら必見の場所 ..................................................................................................................................33 III. おすすめのアクティビティー ...........................................................................................................................................35 IV. さらに知るには ...................................................................................................................................................................36 山々:ローヌ・アルプの自然美 .....................................................................................................................................................37 I. 数字で見る山々 .....................................................................................................................................................................46 II. 必見の場所 ............................................................................................................................................................................47 III. おすすめのアクティビティー ...........................................................................................................................................48 IV. さらに知るには ...................................................................................................................................................................49 文化の宝庫 ......................................................................................................................................................................................50 I. 数字で見るローヌ・アルプの文化 .....................................................................................................................................52 II. 必見の場所・美術館・博物館 ............................................................................................................................................53 III. ローヌ・アルプで優雅な体験を .......................................................................................................................................56 IV. ローヌ・アルプの映画 – 過去と現在 .............................................................................................................................59 V. おすすめ情報 ........................................................................................................................................................................60 VI. さらに知るには ...................................................................................................................................................................62 すべての人のためのローヌ・アルプ ..........................................................................................................................................63 I. ローヌ・アルプ地方の主な数値 .........................................................................................................................................66 II. 必見の場所 ............................................................................................................................................................................67 III. おすすめ情報 .......................................................................................................................................................................69 IV. さらに知るには ...................................................................................................................................................................71 お問い合わせ ..................................................................................................................................................................................72 ローヌ・アルプ Rhône-Alpes: ヨーロッパの中心へようこそ フランス南東部にあるローヌ・アルプは、ヨーロッパの交差点とでも言うべき場所にあります。 スイス・イタリアと接し、2 つの国際空港(リヨンサン・テグジュペリ空港とジュネーヴ空港)、 信頼できる鉄道網、充実した高速道路網を有しています。今やローヌ・アルプ地方は、ヨーロッ パの中でも欠かせない観光地になりつつあります。また、面積、経済、人口において、フランス の中では第 2 の地方です。 世界的にも最大級のスキー観光地であるローヌ・アルプ地方は、フランスにあるスキーリゾート の過半数を擁するとともに、モンブランやアルデーシュの峡谷などの自然に恵まれています。 山々やブドウ畑、渓谷、ラベンダー畑、オリーブの木々に囲まれたローヌ・アルプは、2 つの国 立公園(ヴァノワーズ Vanoise とエクラン Ecrins)、さらに 7 つの地方公園(ボージュ Bauges、 ヴェルコール Vercors、アルデーシュ山 Monts d’Ardèche、オー・ジュラ Haut-Jura、ピラ Pilat、シ 1 ャルトルーズ Chartreuse、バロニー・プロヴァンサル Baronnies Provençales)を有しており、多様 な風景を経験できます。この地域は、水にも恵まれています。雪、氷河、そして川がフランスで も最大級の 3 つの湖、つまりレマン湖、ブルジェ湖、アヌシー湖に流れ込んでいます。 この多様な風景の中で、各種のスポーツも楽しめます。サイクリング、ハイキング、パラグライ ダー、カヌーなどを、息をのむような自然環境の中で満喫できます。ゴルフでもフランスで第 2 の地域で、60 を超えるコースがあります。さらにローヌ・アルプは冬季オリンピックの開催地 を 3 度も務めています。シャモニーChamonix(1924 年)、グルノーブル Grenoble(1968 年)、 アルベールヴィル Albertville(1992 年)です。 ローヌ・アルプは、多くの催しで賑わう地域でもあります。リヨンのリュミエールフェスティバ ル、アヌシーの国際アニメーション映画祭、サン・テティエンヌのデザインビエンナーレ、ヴィ エンヌのジャズフェスティバルなど、この地域ならではの豊かな文化が息づいており、1 年を通 じ様々な芸術を堪能できます。リヨンは、ユネスコ世界遺産を有しており、しかも世界的な食の 都でもあります。リヨンを訪れる方々は、有名なポール・ボキューズ中央市場を訪れ、たくさん の著名なレストランを探索してこの地方ならではの名物料理を各種ご賞味いただけます。もちろ ん、ボージョレやコート・デュ・ローヌといった地域の名高いワインも、お忘れなく。 ローヌ・アルプには合計で 2,049 ヶ所もの宿泊施設があり、その観光客向けベッド数は 83 万 8 千床にもなります。ホテル、キャンプ場、ユースホステル、ツーリスト向けレジデンス、ゲスト ハウス、その他珍しい宿泊施設に恵まれ、たくさんの選択肢からお選びいただけます。さらに、 商用での目的地としてもフランスで第 3 位で、展示会センターや会議施設は合計で 30 ヶ所、ま たリヨン国際会議場のアンフィテアトル Amphithéâtre やリヨンのエスパス・テット・ドール Espace Tête d’Or など、豪華なイベント専用施設も 40 ヶ所あります。サッカー大会 EURO 2016 開 催に合わせてオープンする新しいリヨンスタジアムもあることも覚えておいてください。 2 ローヌ・アルプ Rhône-Alpes ならではの名勝・名風景 ローヌ・アルプはフランスの内陸にある一地方で、その面積はヨーロッパの小国に匹敵します。 心に残る各種の名勝に恵まれ、この地を訪れる観光客の方々にとっては、ほぼ完璧な場所だとい えるでしょう。北のアルプスから南のラベンダー畑に至るまで多様な自然が続き、欠けているも のといえば、海だけです。しかしローヌ・アルプには、海に匹敵する場所があります。つまり、 数え切れないほどの川・池・湖に恵まれており、その 1 つとしてレマン湖のフランス側湖岸には 有名なリビエラを彷彿とさせるような環境が整っています。 8 つの県(アン Ain、アルデーシュ Ardèche、ドローム Drôme、イゼール Isère、ロワール Loire、 ローヌ Rhône、サヴォワ Savoie、オート・サヴォワ Haute-Savoie)で構成されているローヌ・ア ルプ地方は、この地方ならではの多様な魅力により、人々を引き付けています。もう何世紀もの 間、アルプスの山並みの美しさと神秘は、人々を魅了してきました。 シャモニーとモンブラン アルプスでスイス・イタリアと接するローヌ・アルプには、国際的に名高い山岳リゾートが、ク ールシュベル Courchevel、メリベル Méribel、ヴァル・トランス Val Thorens、ヴァル・ディゼー ル Val d’Isère、アヴォリア Avoriaz、シャモニーなど数多くあります。19 世紀のすばらしい建築や 多くのホテル・観光施設で賑わうこの町は、スキーや登山に格好の場として知られています。あ るいは、西ヨーロッパの最高峰モンブラン(標高 4810m に及び、「ヨーロッパの屋根」として 知られています)に近接する地域としてむしろ有名なのかもしれません。シャモニーは 1924 年 の第 1 回冬季オリンピックの開催地で、もう何世紀も国外からの観光客を魅了しています。マウ ンテンツーリズムの発展は、ヨーロッパで最も困難な峰々を目指し、冒険家たちがこの地に集ま った時から始まりました。シャモニーは、その時から現在まで、マウンテンツーリズムの発展と 歩みをともにしてきました。 アルプス アルプスもこの地域を象徴する自然風景の 1 つです。地中海とドナウ川の間に、1200km にも及 ぶ自然の壁として立ちふさがり、4000m を超える高峰が 82 もあります。そのうち 24 はフランス にあり、その最高峰がモンブランです。これらの山々について、 レギュイーユ・ヴェールト l’Aiguille Verte、レ・ドリュス Les Drus(4122 m)やレ・グランド・ジョラス Les Grandes Jorasses(4208 m) といった感動的な頂も重要ですが、この地域の谷と谷を結びつける山道も重要です。これらの山 道の中には、標高 2000m という目のくらむような高みに達するものさえあります。これらの山々 は、アウトドア愛好者を惹きつけてやみません。冬にはスキーやスノーボードなどウィンタース ポーツにとって格好の場所になります。夏になれば登山やウォーキング、マウンテンバイクなど で賑わいます。さらにこの地域ならではの特徴としてもうひとつ、氷河の多さがあります。氷河 の面積は合計 400 km²に達し、モンブランをはじめヴァノワーズ、オート・モーリエンヌ、レ・ ゼクランなどの山々に見られます。 アヌシーANNECY – 湖と山 湖とそれを囲む山々で名高いアヌシーも、人気のある目的地のひとつです。この湖が出来たのは およそ 18,000 年前のことで、アルプスの氷河が溶けた結果として生まれたものです。今では、 3 世界でも最も澄んだ湖のひとつと考えられています。これは、1960 年代から今まで大変厳格な 水質保全規則を実施しているためです。近隣のアラヴィ Aravis 山脈には、この地域に最初にでき た「スキーリゾート」がいくつかあり、過剰な開発を避けて昔ながらの村の特徴を維持してきま した。アヌシー湖でも各種のスポーツなどができます。またこの地では文化遺産の探索も楽しめ、 ヴェリエ Veyrier、デュアン Duingt、マントン Menthon などには古の城が佇んでいます。17 世紀 に建てられたタロワール修道院 Abbaye de Talloires も、一見の価値ありです。今では美しい 4 つ 星ホテルに改造されており、多数の著名人が宿泊してきました。たとえば、俳優のジャン・レノ やブルース・ウィリスなどです。セーリング、ウィンドサーフィン、釣りだけでなく、サイクリ ング用に設けた道が湖の周囲を走っているので、サイクリングやローラーブレードも楽しめます。 リヨンとボージョレ リヨンはきらめく大都市で、ローヌ・アルプ地方の中心首都であるとともに、125 万 7000 人が 暮らすフランス第 2 の都市でもあります。ローヌ川とソーヌ川という 2 つの大きな川が流れるリ ヨンは、北ヨーロッパと南ヨーロッパとの間の便利な場所にあることから、昔から旅の目的地で あり続けてきました。現在では商業の中心地として栄え、各種の施設や設備が充実しているため、 商用旅行産業も盛んです。これらの施設として、発着便の多い国際空港や鉄道網があります。訪 問者は、この都市の歴史遺産に惹きつけられます。ローマ時代、あるいはそれ以前からの遺跡に 恵まれた地なのです。ヴュー・リヨン le Vieux Lyon と呼ばれる旧市街地はリヨンの 2 つの丘のひ とつであるフルヴィエール Fourvière の背後に佇み、曲がりくねった通りトラブール traboules と 呼ばれる隠れた通り道が魅力的です。この通路を登っていくと、小さなレストランやバー、ホテ ル、ブティックなどが立ち並び、ローマ時代の遺跡も残る中、壮大な聖堂に至ります。またクロ ワ・ルース Croix-Rousse という丘にはかつて重要なシルク産業があり、18 世紀以降のリヨンで大 いに栄えました。現在では住宅地になっており、リヨンの市街地とその周辺を一望することがで きます。その他の魅力として、重要な収蔵品を有する美術館やショッピングがあります。アンテ ィークショップや有名なチョコレートショップから、高級ファッションやインテリアのブティッ クまですてきなショッピングの機会にあふれています。 リヨンの北に位置するボージョレ地区のワインは世界に知られています。実際にこの地区の主な 産業はワイン生産で、主要アペラシオン(産地を示す呼称)が 12、ワイン生産村は 96 あり、有 名なクリュ crus(ブドウ畑)を 10 か所も有しています。ボージョレ とその風景は、4 つの際立 った特徴を示しています。東側のワイン地帯はソーヌ渓谷に沿って伸び、波打つ丘々にはブドウ 畑が広がり、田園風景が見渡す限り続き、日によってはモンブランまで見渡せます。リヨンのす ぐ外側に当たる南部には金色の石が輝き、バニョル Bagnols、オワン Oingt、シャティヨン・ダゼ ルグ Chatillon d’Azergues といった村々があります。丘が多く森の続く西側は農場が多く、農産物 の試食ができます。また、サイクリングやウォーキング、乗馬など各種のアウトドアスポーツを 楽しめます。ヴィルフランシュ・シュル・ソーヌ Villefranche-sur-Saône という地域はにぎやかで、 ルネッサンス様式の住宅やその中庭・商店・屋内市場・レストラン・博物館など、田舎町の魅力 にあふれています。 ドローム・プロヴァンサル DRÔME PROVENCALE 降り注ぐ日光、ラベンダーの薫る心地よい風、オリーブの木立、丘の上や丘のふもとにある楽し げな村々、ゆったりした生き方、そして地中海は遠からぬこと…休暇を過ごす上でとても大事な 4 ものが、ローヌ・アルプの南端に位置するこの地域には溢れています。当然、観光客にも人気が あります。ブドウの木々は今も残り、四季の変化を表し、秋になると赤と金色に色づいて最も美 しくなります。ブドウとオリーブの木々、そしてラベンダーの茂みが、今も昔も変わらぬ季節の 流れを見せてくれます。 アルデーシュ峡谷 GORGES DE L’ARDÈCHE 湾曲する川、峡谷や洞窟、高原などの自然、そしてその保護された動植物相で世界的に知られる アルデーシュ峡谷は、夏には観光客でにぎわいます。この峡谷では 30 ㎞ほど、水上を漕ぐこと ができます(カヌーやカヤック、急流下りなどが行われています)。両岸には雄大な石灰岩の崖 が続き、その上には低木地が連なり、ポン・ダルクの有名な岩のアーチなど、自然の造形も見ら れます。ヴァロン・ポン・ダルクの町はホテルやレストランで賑わっているだけでなく、各種の 企業がウォータースポーツやアウトドア関連のサービスを行っています。 すばらしい湖やプール この地域は休暇にはもってこいの場所でありながら、海はありません。しかし、水は間違いなく 豊富にあります。ローヌ・アルプには、フランス、というよりヨーロッパで最も重要な湖がいく つかあって、そのほとんどはイゼール、サヴォワ、オート・サヴォワ、アンの各県に集まってい ます(特にアン県は、「千の湖の地」として知られています)。こうした湖の面積を合計すると、 35,000 ヘクタールにも達します。フランスでは最大かつ最深の天然湖であるブルジェ湖から想を 得て、かつてアルフォンス・ド・ラマルティーヌ Alphonse Lamartine はその有名な詩「湖」Le Lac を書きました。ブルジェ湖とエクス・レ・バン Aix-les-Bains の温泉施設を訪れた人々の中には、 英国のビクトリア女王もいました。今日でも当地を訪れた人々は、温泉で癒されるとともに、湖 での各種の活動、セーリング、水泳、釣りなどに興じています。さらにこの地域にはボーフォル タンボーフォルタン Beaufortain のロズラン湖 Lac de Roselend、オワザン Oisans のゴレオン湖 Lac de Goléon(2450 m)、プラーニュ湖 Lac de la Plagne(2144 m)などの山湖がいくつかあり、こう した湖はかなりの深度なので魅惑的な水の色を醸し出しています。この地域の景勝地はレマン湖 の湖畔にあり、フランスとスイスにまたがって、イヴォワール Yvoire、トノン・レ・バン Thonon-les-Bains、エヴィアン Evian といった素敵なリゾートの町々を擁しています。こうしたリ ゾートのどこを訪れても、プロムナードでの散歩とアイスクリームを満喫でき、メニューには地 元の淡水魚が並び、屋外のプールにはダイビングボードや滑り台があります。夜は、カジノに興 じましょう。そして、まさに海岸の保養地のような、爽やかな気候と雰囲気を楽しんでください。 5 マップ 6 I.数字で見るローヌ・アルプ 44,000 km2 の面積。フランス国土の 8%。 630 万の居住人口 8 の県 : アン、アルデーシュ、ドローム、イゼール、ロワール、ローヌ、サヴォワ、オート・ サヴォワ 6 つの主要都市: リヨン、サン・テティエンヌ、グルノーブル、ヴァランス、シャンベリー、ア ヌシー 自然環境の特徴: 6 つの川 21 の大きな湖 3 つの山系: アルプス、ジュラ、フランス中央高地 7 つの地域公園 2 つの国立公園 訪問者数: ローヌ・アルプ地方には 1 億 4,590 万人の観光客が来訪(2013 年) 宿泊数の 52%は夏季の訪問(5 月から 9 月) 宿泊数の 40%は冬季(12 月から 4 月) 宿泊数の 8%は秋季(10 月と 11 月) 観光の経済的効果: 170 億ユーロ–国内外の観光客がこの地域で消費した金額 12 億ユーロ–この地域の観光への投資金額(2013 年) 132,300 人 - ローヌ・アルプ地方の観光業ににおける雇用人数(フランス全体の 10.6%) 10 億ユーロ以上 - 2013-2014 年の冬季にスキー観光から生じた収入 7 II.この地方の主な催し ローヌ・アルプ地方では、1 年を通じてこの地域の魅力を堪能できます。映画祭やスポーツイベ ント、ワインや地元特産品の市場、謝肉祭、音楽祭、コンサート、夜のパーティー、音と光のシ ョー、その他のフェスティバルが、この地域に絶えず活気をもたらしています。 3月 サン・テティエンヌでの国際デザインビエンナーレ – 1988 年の発足以来、この催しは絶 えず発展を遂げてきました。今や、フランスでも最高のデザインイベントになっています。主な 目的は、デザインというものを民主化し、すべての人々の手に届くものにすることです(奇数年 に開催)。 www.biennale-design.com プランタン・ドゥ・ペルージュ Printemps de Pérouges – 歌声、舞台、そして雰囲気…高 名なアーティストも新進気鋭のアーティストも手を取り合うプランタン・ドゥ・ペルージュ音楽 フェスティバルは、すべての観客に対して開かれています。毎年、ペルージュからリヨンに至る 多様な場所で開催されますが、会場は教会兼要塞だった建物、ラパン Rapan 農場やバードパーク など予想外の場所です。これは、この地方の文化的伝統を同時に育てていくためです。 8 www.festival-perouges.org 5月 ニュイ・ソノールフェスティバル Nuits Sonores – キリスト昇天祭の直後の週末、画廊や 映画館、美術館その他リヨンを象徴する施設で、エレクトロ音楽のコンサートを開催します。サ ウンドとビジュアルの両面で、忘れられない演出が繰り広げられます。2003 年に始まったこの フェスティバルは、世界中からアーティストを招待しヨーロッパ全体に知れ渡っています。 www.nuits-sonores.com 6 月/7 月 フルヴィエールの夜レ・ニュイ・ド・フルヴィエール Les Nuits de Fourvière – 6 月のはじ めから、リヨンのフルヴィエールの丘にあるローマ劇場やその他の文化施設にて、演劇や音楽、 舞踏、オペラ、サーカス、映画のイベントを開催します。これは選び抜かれたプログラムによる 現代的で開かれたフェスティバルで、あらゆる種類のアートが 2 か月の間花を咲かせます。参加 できるかどうかの唯一の規準は、芸術としての質の高さと、各プロジェクトに国際性をもたらす かどうか、です。 www.nuitsdefourviere.fr ジャズ・イン・ヴィエンヌ Jazz à Vienne – 著名なジャズ音楽家を集めた毎年のイベント で、6 月終りから 7 月中旬まで、ヴィエンヌのローマ式円形劇場というすばらしい舞台で開催さ れます。このフェスティバル中には、コンサートが町中で行われます。 www.jazzavienne.com グリニャン城ナイトフェスティバル Les Fêtes Nocturnes du Château de Grignan – グリニャ ン Grignan 村にそびえる城が、夏には毎晩その門を開き、夜間パーティーの場所となります。2 か月間、この城を舞台とした演劇を鑑賞することができます。 www.grignan-guide.fr/fetes-nocturnes 8月 アヌシー湖祭 Fête du Lac d’Annecy – 8 月の第 1 日曜日、アヌシーではヨーロッパ最大の花 火大会があります。湖の岸辺に 20 万人近い観客が集まり、花火と、それに照らし出されたたク ルーズ船を眺め、贅沢で魅惑的な夜を満喫します。 www.lac-annecy.com ガイド祭り La Fête des guide – シャモニーでは 8 月 15 日から、4 週間に及ぶフェスティバ ルが始まります。この La Fête des guides では、フランスの登山の都シャモニーが、その優れた山 9 岳ガイドたちを、伝統的かつ親しみやすい雰囲気の中で紹介します。プログラムとしては、音と 光のショー、登山に関する展示会、花火などがあります。 www.fetedesguides.com 子供たちの幸せ Au Bonheur des Mômes – 子供向けの公的な文化イベントとして最も大き なものが、年に一度グラン=ボナール Grand-Bornand にて開催されています。多数のデモンスト レーションやワークショップ、展示会、ゲームや乗馬などがあり、6 日間のファンタジーを創り 出します。その間、あらゆる種類の舞台芸術が登場します。 www.aubonheurdesmomes.com 9月 リヨン・ビエンナーレ Les Biennales de Lyon – 9 月から 1 月にかけ、1 年おきに、リヨン市 ではダンスビエンナーレを開催します。そのプログラムは、ショーや会議、ミーティングとさま ざまで、子供向けのダンスコンテストまであり、だれでも参加できるイベントです。これは偶数 年に行われ、奇数年には Biennial of Contemporary Art が開かれます。 www.labiennaledelyon.com イカロスカップ La Coupe Icare – グルノーブル.近郊では毎年 9 月に、世界最大のフリーフ ライトのイベントが開催されます。このイカルスカップには飛ぶことが大好きな人々8,000 人以 上が会し、パラシュートやパラグライダー、ウィングスーツ、フライトグライダーやハンググラ イダーなどで重力をあざ笑うかのように空を飛び、感情とアドレナリンを顕わにします。 www.coupe-icare.org 10 月 リュミエールフェスティバル Festival Lumière – 毎年 10 月中旬、リヨンのリュミエールイ ンスティテュートがリュミエールフェスティバルを開催します。1 週間にわたるこのフェスティ バルで、全世界からクラシック映画を発掘、あるいは再発見できます。文化的な映画を愛する方々 には、見逃せない催しです。 www.festival-lumiere.org 11 月 ボジョレーヌーボーの解禁 Le Beaujolais Nouveau – ワインのためのパーティーとしては 唯一、国際的に人気のあるこのイベント。全世界に知れ渡っています ! 毎年 11 月第 3 木曜日の 深夜 0 時、友好的な夜の宴の中でその年のボジョレーヌーボーが解禁されます。 www.beaujolais.fr 10 12 月 光の祭典 Fête des Lumières – 毎年 12 月 8 日に催される伝統の祭りで、光と音のイベント としては世界的に知られたものの 1 つになりました。4 日間にわたり、イルミネーションを浴び たモニュメントや建築物、そして光と音のスペクタクルによって、リヨンが魔法にかかります。 www.fetedeslumieres.lyon.fr レ・ザルク Les Arcs ヨーロッパ映画フェスティバル – 12 月中旬、レ・ザルクスキーリゾ ートで大きな文化イベントが開催されます。文化とゲレンデを一体化させるお祭りで、ヨーロッ パで最高の映画を鑑賞できます。 www.lesarcs-filmfest.com 初雪のアルペンスキー選抜選手権 Criterium de la 1ère neige – ヴァル・ディゼールの 1 年 の終わりは、初雪のアルペンスキー選抜選手権が締めくくります。これは世界から競技者が参加 するスポーツ大会です。これでフランスのスキーシーズンが始まり、今ではスキーのワールドカ ップの舞台にもなっています。 www.valdisere.com 11 III. ローヌ・アルプに来たら、外せない場所 城や博物館、考古学遺跡、洞窟や公園に溢れたローヌ・アルプは、他にはない場所や楽しい体験 でいっぱいです。文化活動も毎年発展しており、2015 年にはリヨンではコンフルエンス博物館、 ポン・ダルク洞窟 – アルデーシュも公開され、皆様をお待ちしております。 コンフルエンス博物館 The Confluence Museum 2014 年 12 月にリヨンで開館したコンフ ルエンス博物館は、ローヌ川とソーヌ川との合流地点(コンフルエンスの意)に位置し、現代的 でしかもこの世のものとは思えないような建築です。好奇心と知識欲に応えるこの博物館は、科 学技術や考古学、民族学、博物学、情報発信に関する最先端の研究成果が展示されており、その 他の分野にも対応しています。 、 全世界から 17 世紀から 21 世紀までの品 220 万点以上を収蔵し、 起源・社会・種・永遠という 4 つのカテゴリーに分類しています。 www.museedesconfluences.fr ポン・ダルク洞窟 – アルデーシュ Caverne du Pont d’Arc– Ardèche 装飾を施したポン・ ダルクの洞窟(ショーヴェ Chauvet 洞窟として知られています)は、1994 年に発見されたもので す。保存状態の良さと、発見された洞窟壁画の豊かさから、世界で初めて発見された装飾洞窟と いう名がつけられ、ユネスコの世界遺産にも指定されました。さらにこのたび、ポン・ダルク洞 窟(ショーヴェ洞窟のレプリカ)が 2015 年 4 月にオープンするので、かなり大規模な古生物学 的遺産も、衆目を集めることになるでしょう。これは 2 年以上前に始まった壮大な作業で、実際 の地下環境の典型的な要素すべてを再現してみようという野心的なプロジェクトです。つまり、 冷たさ、湿気、暗闇といった要素です。中に入ると、装飾されたショーヴェ洞窟の壁画や彫刻、 地質学的・考古学的要素すべてが再現されています。 www.cavernedupontdarc.fr 12 必見の場所 アルプスの神話 フランス中央高地東部にあるアルプスの高峰からジュラの丘陵に至るまで、この地域には他に類 なき山岳風景が広がっています。モンブランによって代表されるこの「いと高き世界」には山頂、 山道、谷、牧草地などが、シャブレ Chablais からボーフォルタンへ、タランテーズ Tarentaise か らベルドンヌ Belledonne へ、モーリエンヌ Maurienne からオワザンへと広がっています。時と自 然力が作り上げたこうした石と氷の巨大な光景がエギュイーユ・デュ・ミディ Aiguille du Midi か らメージュ Meije へと広がり、永遠の雪を頂き太陽を目指す大胆な挑戦を待っています。 シャモニー – モンブラン。世界の登山界の都とも呼べるシャモニーはモンブランのふもとにあ り、見逃せない活動や場所が満載の活気あふれる町です。「氷の海」と呼ばれる古代からの氷河 にもモンタンヴェール Montenvers 鉄道の可愛い列車で向かうことができ、そこには他では見ら れない牧歌的風景が広がります。エギュイーユ・デュ・ミディとブレヴァン Brévant にはケーブ ルカーもあり、この地域の最高峰 2 か所を結んでいます。エギュイーユ・デュ・ミディの標高 3,842m にある高台には、ヨーロッパでは「最高の」アトラクションもあります。それは”Le Pas dans le Vide”(空中への一歩の意)というガラス製の立方体で、他にはない方法で高みから世界を眺め るという忘れられない体験ができます。 www.chamonix.com リヨン – 大観光地 ユネスコ世界遺産に多数の美術館・博物館も擁する世界の食の都リヨンは、文化的な旅にも理想 的な都市です。1998 年にユネスコ世界遺産に指定されて以来、リヨン旧市街のルネッサンス時 代の地区とフルヴィエールの丘、またガロ・ローマ時代の遺跡などは、クロワ・ルース地区や中 心部(プレスキル地区 Presqu'île)と同様、散策にもショッピングにも持ってこいです。最近でき たコンフルエンス博物館に加え、ガダーニュ博物館、現代芸術美術館、ファインアーツ美術館、 リュミエールインスティテュート、ミニチュアと映画の博物館もあり、いずれも見逃せません。 www.lyon-france.com アルプスの大型湖 アヌシー湖はこの地域で最も人気のある観光地の 1 つで、今ではヨーロッパでも最も澄んだ湖の 1 つと考えられています。「サヴォワの小さなベニス」とも呼ばれるアヌシーには多数の運河が あります。水の上に佇むアヌシー旧市街では、アーチのある家々や通りがアルプスを背景に連な っています。昼食や、夜を楽しむために、クルーズ船に乗ることもできます。 ブルジェ湖はフランスでも最大・最深の自然湖で、この湖から想を得てラマルティーヌは有名な 詩「湖」を書きました。また、湖畔のエクス・レ・バンやブルジェ・デュ・ラック Bourget-du-Lac にはスパがあり、英国のビクトリア女王などの名士が訪れています。今でも観光客から、このス 13 パの癒しの湯の効果、また湖でのセーリングや水泳、釣りなどの体験は、高い評価を受けていま す。 レマン湖はジュネーヴ湖として世界的に知られ、スイスとの自然国境を形成しています。ロー ヌ・アルプ側の湖畔は優れた景勝地で、トノン・レ・バンやエヴィアン・レ・バン Evian-les-Bains といったスパや湖畔リゾート、またイヴォワールのような釣りの村が多数あります。 www.lac-annecy.com/www.thononlesbains.com/fr /www.evian-tourisme.com / www.lacdubourget.fr プロバンスの入り口、その色彩と芳香 ローヌ県の両側にはラベンダーに囲まれたブドウ畑、オリーブ、桃、トリュフ用の木々などが延々 と連なります。こうした産物はこの地の色彩に富んだ市場で売られ、この地の味わいと職人技の 伝統をいっそう深いものにしています。丘の上の村々、グリニャン、ソーズ・ラ・ルース Suze-la-Rousse、ヴォーグ Vogüe の城、アヴァン・ドルニャック Aven d’Orgnac などの洞窟(フラ ンスの偉大な景勝地の 1 つ)、その他様々なものが溶け合った美しい風景です。 ポン・ダルクとアルデーシュ峡谷。1982 年にユネスコ世界遺産に指定されたポン・ダル クは、フランスでは唯一の使用できる川に面した石製のアーチです。59m の長さで、川にかかっ ています。この巨大な天然の橋は、アルデーシュ峡谷の始まりに位置しており、この峡谷は 30 ㎞以上続きます。この峡谷には陸路でも、カヌーやカヤック、ボートといった水路でも行くこと ができ、1980 年には自然保護区に指定されています。 www.vallon-pont-darc.com ラベンダーの薫り 6~7 月には、この地域南部の野原をラベンダーの花が一面に覆い、上品な紫がかった青色で染 めます。もともと、ローマ人たちが洗濯や香水風呂のために栽培したラベンダーは、現代では多 くの用途のために見直されています。芳香剤、精油、石鹸、匂い袋、ハーブティー、蜂蜜、さら にビネガーになど、多様です。ラベンダーの精製所を訪れてみれば、このいろいろと役に立つ植 物の魅力が、さらに分かるはずです。 フランスでもっとも美しい村 「フランスでもっとも美しい村」協会 The Most Beautiful Villages in France Association は、フラン スの特別な村々の遺産の保護と発展に努めています。その対象となっている村は 157 あり、その うち 13 の村がローヌ・アルプ地方にあります。ローヌ渓谷から見渡すガールド・アデマール Garde-Adhémar の絶景を堪能し、アーティストや職人たちの住まうオワンの黄色い石の住宅を訪 れ、ペルージュの城壁内を散策し、イヴォワールの花咲く小道を歩くことができます。 14 ローヌ・アルプの美食 畑、果樹園、ブドウ畑…フランスの「食料庫」として知られるローヌ・アルプ地方には、非常に 多様な風景が広がり、それを保っているのが 4 万近くもある農場です。ローヌ・アルプには自然 の味覚が溢れ、美食家も満足させます。豊富な果樹、味わい深い野菜、アルデーシュの栗、グル ノーブルのクルミ、ニヨンス Nyons のオリーブなどにより、この地域は責任ある生産方法にこだ わる豊穣の地として高く評価されています。ローヌ・アルプは実際、バイオ農法の実験で有名な 地で、その家畜類は生命力にあふれています。フォレ Forez は山々でも平原でも、牛やヤギの群 れから高品質の肉と豊かなミルクが得られます。つまりチーズ産業にとっては理想的な素材に恵 まれており、AOP(保護された原産地名)が 15 種類もあります。チーズ以外で原産地名を保護 されている産品としては、ブレス Bresse のニワトリ、ニヨンスのオリーブ、ローヌ・アルプのブ ドウ畑で生産されるクリュのワインの過半数があります。そのブドウ品種としては、ガメイ、シ ラー、グルナッシュなどです。この地域全体では原産地名が管理されているワインは 71 種あり、 そのうち 59 種が原産地名の保護対象で、レッドラベルが 50 種以上もあります。 あんず、栗、芳香性の植物、クルミ、チーズといった分野でフランスを先導しており、サヴォワ の山々からローヌ渓谷の果樹園に至るまで、この地域の土地では美味と芳香が尽きることなく生 み出されています。サヴォワのトム Tomme チーズ、リヨンのロゼット Rosette ソーセージ、グル ノーブルのクルミ、ブレスの鶏肉、トリスカン Tricastin のトリュフ、ニヨンスの黒オリーブなど は、ローヌ・アルプの大地の豊かさを示す産品の、ごく一部です。 この地域の優れたレストランなどの食卓に並ぶ、こうした高品質の名産品すべては、ローヌ・ア ルプの常に高く評価される食文化の一部です。 2015 年にはレネとマキシム・メイヤーRené & Maxime Meilleur(サン・マルタン・ド・ベルヴィ ル Saint-Martin-de-Belleville)がミシュランで 3 つ星を獲得、選ばれしシェフたちの仲間入りをし ました。すでに選ばれているシェフとしてはミシェル・トロワグロ Michel Troisgros (ロワンヌ)、 エマニュエル・ルノーEmmanuel Renaut(ムジェーヴ)、アンヌ=ソフィー・ピック Anne-Sophie Pic(ヴァランス)、ジョルジュ・ブラン(ヴォンナ)、ポール・ボキューズ Paul Bocuse(コロ ージュ・オ・モン・ドール)がおり、彼らはローヌ・アルプの料理芸術の大使とも呼ぶべき存在 です。この地の料理はすでに何世紀も、全世界の美食家から賞賛を受けてきました。ローヌ・ア ルプ全体では、ミシュランで星を獲得しているレストランは 82 軒もあります。 15 IV. ヨーロッパの中心、便利なアクセス 飛行機で: リヨンサン・テグジュペリ国際空港(www.lyon.aeroport.fr) フランスでは第4の空港で、各種の交通機関が集中する拠点になっており、115か所への直行 便があります。発着便の63%が国際便で、ヨーロッパの交通拠点の1つです。この空港から行 きやすい国としては、ドイツ、スペイン、英国、イタリアなどがあります。さらに、リヨン とドバイを結ぶ長距離便も就航しました。 新しいビジターセンター: Espace Welcomeという施設で、マルチメディアでの情報提供の拠点 になっており、高速鉄道駅のターミナル1と2の間にあります。 ジュネーヴ国際空港 (www.gva.ch) フランスに向かうお客様のための情報が、ビジターセンターで得られます。 冬季には、次の2つの空港をご利用になれます: シャンベリー・サヴォワChambéry Savoie空港(www.chambery.aeroport.fr) グルノーブル・イゼールGrenoble Isère空港(www.grenoble-airport.com) 列車で: 国際鉄道(長距離列車): 新サービス: 2015年5月から、ユーロスターではロンドン-リヨン間の直通便を週に4本運行しま す。 ブリュッセルとの接続: タリス(ならびにThalys SoleilとThalys Neige)および高速鉄道が、ブ リュッセルからリヨンへ。 ロンドンとの接続: ユーロスターのロンドン-リヨン高速鉄道と、”Eurostar des neiges”。 バルセロナとの接続: バルセロナ・リヨン列車。 トリノならびにミラノとの接続: リヨンからの高速鉄道。 国際鉄道: www.voyages-sncf.com フランス国内鉄道: ローヌ・アルプとフランス国内の主要都市の間を、国営鉄道が接続。その大半は 高速列車。 国鉄: www.sncf.com. 地方内: ローヌ・アルプ地方全域に高速地域鉄道網が走り、地域内の主要都市と山岳リゾートとの間 を定期的に接続しています。 国鉄在来線: www.ter-sncf.com. 道路で: 1,300km以上の高速道路網があり、ローヌ・アルプは道路についても、フランスの中で特に便利な地 域です。 さらに詳細な情報は: www.via-michelin.com. 16 ローヌ・アルプでのワインツーリズム: 世界に誉れ高いそのブドウ畑 アルプスからプロバンスに至るまで、ローヌ・アルプ地方はきわめて多様な地域です。山の頂、 緑の平原、大きな湖、ラベンダーの野原などが独特の風景を創り出しています。太陽の光は降り 17 注ぎ、土壌は豊かで、そのミネラルが、この地のブドウに独自の風味を与えています。こうした 恵みにより、ローヌ・アルプのワイン生産は世界的に高く評価されています。 Cognac を除くと、この地域のワイン生産量はフランス全体でも第 5 位で、経済を支える力の 1 つになっています。生産するワインの 90%以上が、独自のラベルのもと出荷されます。リヨン近 郊には、3 か所の大規模なブドウ畑(ボージョレ、コート・デュ・ローヌ、サヴォワ)がありま す。リヨンが世界に冠たる食の都であるのも、このブドウ畑があればこそです。同地域の星とも 呼ぶべきこれら 3 つのブドウ畑を紹介しましょう。 ボージョレワイン。リヨンとマコンの間に広がるこのブドウ畑ではガメイという独特の ブドウ品種も栽培しています。ブドウ畑はこの地に連なる丘の斜面に位置するため、ブドウはさ んさんと降り注ぐ日光を受けて育ちます。この地の気候の多様性と土壌の豊かさから、12 種類 の際立ったワインが生まれ、10 のクリュ(すぐれたブドウ畑)があります。ブルイィ Brouilly、 レニエ Régnié、モルゴン Morgon、シルーブル Chiroubles、フルーリ Fleurie、ムーラン・ナ・ヴァ ン Moulin-à-vent、シェナ Chénas、ジュリエナ Juliénas、Saint-Amour、コート・ド・ブルーイィ Côte-de-Brouilly です。毎年 11 月の第 3 木曜日には、新しいボージョレワインの到着を、フラン ス全土で、さらには全世界で祝います。ボージョレの中心地であるボージョレ Beaujeu では、地 元の人たちも観光客もサルマンテル祭 Les Sarmentelles に集まり、試飲やコンテスト、たいまつ を掲げたパレードに参加します。 ボージョレワインについて詳しくは、www.beaujolais.fr をご覧ください。 コート・デュ・ローヌワイン。このブドウ畑は、ローヌ・アルプ、プロヴァンス・アル プ・コート・ダジュール、ラングドック・ルシヨンという 3 つの地域にまたがって広がっていま す。コート・デュ・ローヌは、北はヴィエンヌから南はアヴィニョンにかけて広がっています。 古風な段々畑が連なるこの田園地帯は多様で美しく、ローヌ渓谷は絶好の目的地です。特に有名 なワインとしては、コート・ロティ Côte Rôtie、サン・ジョセフ Saint Joseph、クロゼ・ゼルミタ ージュ Crozes-Hermitage といったものが、シラー種のブドウから作られています。 コート・デュ・ローヌワインについて詳しくは、www.vins-rhone.com をご覧ください。 サヴォワワイン。フランスの山並みに広がるブドウ畑の中でも独特なサヴォワのブドウ 畑には、驚くほど多数の銘柄があります。湖と山に囲まれ、16 の地区と 22 の crus があり、この 地域の気候と自然条件の多様性を物語っています。この多様性のおかげで、当地のワインには 様々な個性と特徴が備わっています。シニャン Chignin、マレステル Marestel、モンドゥーズ Mondeuse 、ジョンジューJongieux などのワインは必飲です。 サヴォワワインについて詳しくは、:www.vindesavoie.net/fr/index.htm をご覧ください。 こうした名高いワインや、一見に値する小型のブドウ畑が多数あることから、ローヌ・アルプ地 方はワインツーリズムの代表的目的地になっています。コート・ロアネーズ Côte Roannaise、西 部のコート・デュ・フォレ Côtes du Forez、東部のビュジェ Bugey のワインの他にも多くのワイ ンがあります。南部には、ドローム県のディドワ Diois に高名なクレレット・ド・ディーClairette de Die のようなワインがあります。これは、フルーティーなスパークリングワインです。これら 18 のブドウ畑が、このワイン地帯を豊かにし、人々をいざなっています。良く知られたルートを外 れて、情熱あふれるワイン生産者を訪問することも可能です。 ローヌ・アルプ地方では、ワインツーリズムが台頭しつつあります。この地域の魅力は高まり、 この地を訪れたい観光客は絶えません。大小のワイナリーが試飲や講義、ワークショップ、ブド ウ畑ツアーなどを催して訪問者を受け入れており、ワイン生産者たちはワイン文化を人々と分か ち合いたいと強く願っています。さらにこの地域には、ワイン生産の知識と伝統を専門に紹介す る博物館もいくつかあります。 「ワイン産地と発見」“Vignobles et Découvertes”というラベル: 基準となるもの 2009 年 に導入された「ワイン産地と発見」というラベルは、フランス観光開発機構本部 Atout France が 3 年間の期限で発行しているもので、ワインとブドウに関する観光の推進がその目的です。ロー ヌ・アルプ地方のダイナミズムと多様性のおかげで、これに指定されている地区は 7 か所ありま す。この開発には専門家たちが当たり、観光客が新たに求めているものに対応した一貫性のある 開発戦略を展開しています。たとえばブドウ畑で計画的に週末を楽しむという「魅惑の週末ワイ ン産地と発見」のようなパッケージが好評を得ています。 ローヌ・アルプ地方にある、「ワイン産地と発見」ラベル認証の 7 か所: ボージョレ・デ・ピエール・ドレ地区”Beaujolais des Pierres Dorées”、リヨンから 20 分。ボージ ョレの南にあり、黄土色の石で出来た村々(オワン Oingt、バニョル Bagnols、Charnay)で知られ ています。独特の底土があり、ワインには豊潤さと特有の味わいがあります。 www.tourismepierresdorees.com コンドリユーとコート・ロティ地区“Condrieu-Côte-Rôtie”、リヨンから 30 分足らず。川の両岸。 ここでは、コンドリユーそしてコート・ロティという名称のすぐれた AOC(原産地管理)ワイン を味わうことができます。 www.condrieu-coterotie.com エルミタージュからサン・ジョゼフ地区“D’Hermitage en Saint-Joseph”、北部コート・デュ・ロー ヌのブドウ畑の中心。この地は、エルミタージュ、サン・ジョセフ、クロゼ・ゼルミタージュと いう 3 つの伝説的な銘柄で有名です。 www.hermitage-tournonais-tourisme.com/fr アルデーシュのコルナからサン=ペレイ “De Cornas en Saint- Péray” この地区にもコルナ Cornas、 サン=ペレイ Saint-Péray、サン・ジョセフという 3 つの AOC ワインがあります。 www.rhone-crussol-tourisme.com ドローム・プロヴァンサル Drôme Provençale 最近登録された新しい名所で、ローヌ・アルプ地 方の南端に当たります。この地で名高いブドウ畑としては、グリニャン・レ・ザデマール、コト ー・デ・バロニーCoteaux des Baronnies そしてコート・デュ・ローヌ南部があります。 www.dromeprovencale.fr 19 シャンベリーとアルベールヴィルの間、サヴォワの中心地域 “Coeur de Savoie” この地の AOC ワインは、モンドゥーズ Mondeuse、ジャケール Jacquère、アルテス Altesse という独自のブドウ 品種から作られています。 www.vignobles.tourisme.coeurdesavoie.fr フランス最大の自然湖周辺の“サヴォワ、ブルジェ湖 “Savoie – Lac du Bourget” ローヌ川上流の 丘、レイクハウスのある湖畔などに、ジョンジューJongieux とショターニュ Chautagne のブドウ 畑が連なっています。 www.lacdubourget.fr I.ローヌ・アルプ地方: 数字で見るワインツーリズム 生産量では、第 5 位のワイン生産地域(コニャックを除く) 生産量の 90%以上が独自のラベルのもとで出荷 42 の AOP(原産地名が保護された)ワイン 14 の Vin de Pays ワイン 4,000 近くにのぼるワイン専門の農場 この地域のブドウ畑の面積は、55,000 ヘクタール以上 特に有名な地区: ローヌ県 : 50%以上 ドローム県 : 33% アルデーシュ県 : 27% サヴォワ県 : 16% 3 億 3800 万ユーロの収入 この地域全体で、1,212 のワイナリーが一般公開されています。 ラベル「ワイン産地と発見」に、7 か所が認定。こうした地区は、フランス全体でも 50 か所し かありません。 20 II.ワインを愛する方へ: この地域の魅力 この地域に 55,000 ヘクタール以上も広がるブドウ畑は、散策にも適しています。「ワインルー ト」をはじめ、非常に多くの散策ルートがあります。コート・デュ・ローヌのブドウ畑には、2 つのルートがあります。サフラン Safran ルートはコート・デュ・ローヌ地区の風光明媚なルート で、ヴィエンヌからサン=ジュリアン・アン・サン=タルバン Saint-Julien-en-Saint-Alban に至り ます。もう 1 つのモーヴ Mauve ルートはドローム県のコート・デュ・ローヌを巡る観光ルート で 、 ロ シ ュ ギ ュ ド Rochegude か ら ト リ ニ ャ ン Taulignan と モ ラ ン ・ シ ュ ル ・ ウ ゼ ー ヴ Mollans-sur-Ouzève に至ります。ボージョレのブドウ畑では、ボージョレワインルートがサン・ タムール Saint-Amour とピエール・ドレとを結び、このルート沿いに 12 銘柄のワインの産地があ ります。またこの地域のブドウ畑を探索しながら、次のような美しい場所で、ワインについて充 分な知識を得ることもできます。 アモー・デュブッフ Le Hameau Duboeuf(ボージョレ Beaujolais) 毎年 10 万人ほどの観 光客が訪れるアモー・デュブッフは、ヨーロッパでも第一級のワインのテーマパークです。熱烈 なワイン愛好家だけでなく、初心者や家族連れも楽しめる場所で、テーマによって 4 つの区域に 分かれています。ワイン村、ワインステーション、ワイン作り、ボージョレの庭、の 4 つです。 ホログラム、ワイン作りの秘密、ミニチュアでの再現、さらにはシミュレーターを備えたダイナ ミックな映画館である Cine’Up のような珍しいアトラクションまで活用して、ワインとブドウの 冒険を説明しています。 www.hameauduvin.com シャプティエ氏のワインスクール Mr. Chapoutier Tasting School(タン・レルミタージュ Tain l’Hermitage)200 年もの歴史ある醸造所で、コート・ロティやエルミタージュといった優れ たワインを作っています。この 6 年間、この醸造所では、そのワインの高い品質を人々に示すた め、ワークショップ、ビストロでのディナーやランチ、ブドウ畑の見学などを実施しています。 ワイン文化をすべての人に体験してもらうことが、その目的です。 www.chapoutier-ecole.com ヴィヌアム ポール・ジョブレ Vineum Paul Jaboulet(タン・レルミタージュ)エルミター ジュの丘のふもとに佇む有名なポール・ジョブレの醸造所では、来訪者もあらゆる種類の試飲が できます。セラー、ワインバー、レストランを兼ね備えたこの醸造所では、ディナーやワークシ ョップにより、コート・デュ・ローヌのワインの絶妙な味わいを体験できます。 www.vineum.blogspot.fr ラ・カーヴ・ド・タン La Cave deTain(タン・レルミタージュ)ヨーロッパではじめてシ ラーを生産したタンワイナリーでは、1,000 ヘクタールのブドウ畑で、5 つのクリュワイン(エ ルミタージュ、クロゼ・ゼルミタージュ、サン・ジョセフ、Cornas、Saint-Péray)と Vins de Pays を生産・販売しています。設立は 80 年以上前のことで、この協同組合式ワイナリーではフラン ス語、英語、ドイツ語でのガイドツアーを実施、自らのワインを人々に知らしめています。2015 年春には、新たな観光客向けのルートを設け、新しいブティックが開店します。 21 www.universite-du-vin.com ワイン大学 University of Wine(スーズ・ラ・ルース Suze-la-Rousse)12 世紀の城に設けら れたワイン大学では、ワイン業界で専門職となるためのトレーニングを各種実施しており、ソム リエ向けトレーニング、ワイン流通業者向けトレーニング、マーケティングなどがあります。ワ イン科学センターも広く社会や観光客に門戸を開いており、多数の訓練コースがあります。ワイ ンについて学ぶ 1 日を過ごすため、あるいは専門家たちとともにワインを試飲して週末を過ごす ため、またブドウ畑のただなかで本格的なワインの訓練を受けるためには、絶好の機会です。 www.universite-du-vin.com ネオヴィヌム Néovinum(ルモス Ruoms)仮想と現実との間にあるこの場所はワインを知 るための施設で、ここを訪れた人たちはアルデーシュワインの世界に入り込むことになります。 土地、ワインセラー、味蕾という 3 つの部分に分かれており、いずれもインタラクティブなコー スで楽しく学ぶことができます。そうして人々を、ワインという芸術へと招き入れてくれます。 訪問者は最後に 3 種類のワインを試飲します。さらにもう 1 つの部屋では、各種の操作を行うゲ ーム、塗り絵、パズル、マルチメディアのゲームやクイズなども楽しめ、子供たちを飽きさせま せん。 www.neovinum.fr ワインとブドウの家 House of Wine and Vine(アプルモン Apremont)持続可能な開発とい う考え方によって建設された「ワインとブドウの家」は、高度環境基準(HQE)に準拠した施設 です。ブドウ畑と山々との間にあり、試飲室ではパノラマのような雄美な景色を眺めながら、サ ヴォワのワインについて学ぶことができます。さらにワインルームには、その品質で知られる 60 もの生産者による 150 種類のワインが保存されています。 www.vindesavoie.net 22 III.おすすめのスポット シャトー・ド・ピゼイ Château de Pizay(ボージョレ)4 つ星ホテルに改造された後も、 その敷地には 80 ヘクタールものブドウ畑があり、この地域で最高のクリュワインを生産してい ます。歴史的なワインの道を通ってその庭園を探索した後は、屋外プールや美味しいレストラン、 スパなど高品質の設備を満喫でき、健康的で発見に満ちた宿泊を楽しめます。 www.hateau-pizay.com シャトー・ド・バニョル Château de Bagnols(ボージョレ)ゴールデンストーン地域の中 心部にある 13 世紀の城で、5 つ星ホテルに改装されています。今では 27 の豪華な客室、スパ、 美味しいレストラン、ビストロを備えた楽園です。ボージョレのブドウ畑に面しており、私的な 催しも商用でのイベントも歓迎します。 www.chateaudebagnols.com レ・サンス・シエル Les Sens’Ciel(トゥルノン・シュル・ローヌ Tournon sur Rhône)ワイ ン商人にしてワイン専門家のマリー=ジョセフォール Marie-Josée Faure が、フランス語と英語で のワインツーリズムを開催しています。試飲のワークショップ、地元のワイン生産者との会合、 コート・デュ・ローヌのブドウ畑や高台のセグウェイ Segway による散策などがあり、訪問者は この地区のワインの秘密のすべてを知ることができます。 www.vin-et-sens.com ラ・カーヴ・ジュリアンス La Cave Jaillance(ディ Die)ジュリアンスのワイナリーをガイ ド付きで 45 分間見学し、フルーティーなスパークリングワインクレレットの秘密を学ぶことが できます。この協同組合式ワイナリーには 220 ものワイン生産者が加盟しており、AOC スパーク リングワインの先導者と見なされています(シャンパンを除く)。またブブルバーBubble Bar で は、ジュリアンスの各種スパークリングワインを無料で試飲できます。 www.caveau-jaillance.com アルプ・フラヴール Alpes Flaveurs(サヴォワ)アルプ・フラヴールはワインを専門とし、 サヴォワにあるブドウ畑であらゆる形でのワイン文化の探索を提案しています。体験できる活動 としては、徒歩、スノーシューズ、または馬に乗ってのブドウ畑の散策、気球飛行、2CV 車での Les Deuches du Lac の旅があります。ワイン文化とワイン学について認定を受けている山岳ガイド のベルナベ・ヴィソゥーBernard Vissoud が、これらの体験でのガイドを務めます。 www.alpes-flaveurs.com/www.lesdeuchesdulac.fr 23 ローヌ・アルプの美食 畑、果樹園、ブドウ畑…フランスの「食料庫」として知られるローヌ・アルプ地方には、非常に 多様な風景が広がり、それを保っているのが 4 万か所近くもある農場です。ローヌ・アルプには 自然の味覚が溢れ、美食家も満足させます。豊富な果樹と味わい深い野菜、アルデーシュの栗、 グルノーブルのクルミ、ニヨンスのオリーブなどにより、この地域は責任ある生産方法にこだわ る豊穣の地として高く評価されています。ローヌ・アルプは実際、バイオ農法の実験で有名な地 で、その家畜類は生命力にあふれています。フォレでは山々でも平野でも、牛やヤギの群れから 高品質の肉と豊かなミルクが得られます。つまりチーズ産業にとっては理想的な素材に恵まれて おり、AOP(保護された原産地名)が 15 種類もあります。その他の AOP 産品としては、ブレス のニワトリ、ニヨンスのオリーブ、ローヌ・アルプのブドウ畑で生産される cru ワインの過半数 があります。そのブドウ品種としては、ガメイ、シラー、グルナッシュなどです。この地域全体 では原産地名が管理されているワインは 71 種あり、そのうち 59 種が原産地名の保護対象で、レ ッドラベルが 50 種以上もあります。 あんず、栗、芳香性の植物、クルミ、チーズといった分野でフランスを先導しており、サヴォワ の山々からローヌ渓谷の果樹園に至るまで、この地域の土地では美味と芳香が尽きることなく生 み出されています。サヴォワのトム Tomme チーズ、リヨンのロゼット Rosette ソーセージ、グル ノーブルのクルミ、ブレスの鶏肉、トリスカン Tricastin のトリュフ、ニヨンスの黒オリーブなど は、ローヌ・アルプの大地の豊かさを示す産品の、ごく一部です。 この地域の優れたレストランなどの食卓に並ぶ、こうした高品質の名産品すべては、ローヌ・ア ルプの常に高く評価される食文化の一部です。 2015 年にはレネとマキシム・メイヤーがミシュランで 3 つ星を獲得、選ばれしシェフたちの仲 間入りをしました。すでに選ばれているシェフとしてはミシェル・トロワグロ、エマニュエル・ ルノー、アンヌ=ソフィー・ピック、ジョルジュ・ブラン、ポール・ボキューズがおり、彼らは ローヌ・アルプの料理芸術の大使とも呼ぶべき存在です。この地の料理はすでに何世紀も、全世 界の美食家から賞賛を受けてきました。ローヌ・アルプ全体では、ミシュランで星を獲得してい るレストランは 82 軒もあります。 おすすめ ブッション・リヨネBouchons lyonnais リヨンを訪れるなら、そのブッションと呼ばれる小さなレストランに行かないわけにはいきませ ん。ブッションのおかげで、リヨンの食文化は全世界に知られるものになりました。数世紀にわ たって継承されてきた食文化を守り、今ではリヨンの文化の伝統に欠かせない一部でもあるのが、 ブッションなのです。ブッション Bouchon という言葉はもともと、小枝の束を指していました。 昔、レストランのオーナーたちは、レストランの入り口に看板として小枝の束を吊るしていたの です。今では、昔ながらの陽気さと本物の料理を守っているこれらの伝統的レストランは、主に 観光客を引き寄せています。その成功の秘訣とは? 親しみやすく魅力ある環境(大きなバー、 24 木製の家具、所狭しと並べられたテーブル、赤と白のチェック柄のテーブルクロス、黒板に書か れたメニュー、銅製のなべ、壁には古いポスターなど)、オーナーが醸し出す暖かく家庭的な雰 囲気、リヨンの様々な名物料理。その多くは豚肉や内臓の料理で、リヨン風のサヴィロイという ソーセージ、仔牛の霜降りレバー、アンドゥイエット(ソーセージの 1 種)、チキンレバーのテ リーヌなど。さらには、クネル(肉または魚肉のすり身団子)、セルヴェル・ドゥ・カニュ cervelle de canuts(チーズのディップ)、プラリネのタルトなど。そしてもちろん、ピッチャーに入った 地元産のワイン。ボージョレ産でも、コート・デュ・ローヌ産でも、お好きなほうを。この独特 で、いかにもリヨン、という店にも、今ではブーションの質を示すラベルができており、それを 推進しているのがブッション・リヨネ Les Bouchons Lyonnais 協会です。この品質ラベルの狙いは、 「リヨンの本物のブッション」を守ることにあります。つまり、ブッションならではの高品質の 材料・料理・おもてなしなどの価値を守るレストランの実例を示し、奨励するためです。この認 定を受けたいレストランは、およそ 20 もの基準を満たす必要があります。リヨンでは今のとこ ろ、20 件ほどのレストランがこの“ブッション・リヨネ”という認定を受けています。 認定された店の一覧については、下記ウェブサイトをご覧ください:www.lesbouchonslyonnais.org ビストロ・ド・ペイBistrots de Pays 会合の場、社交の中心であり、地場産業でもあるビストロは、フランスの村のアイデンティティ ーの一部であり、その魂そのものでもあります。ある地域を通る旅行者にとっては、ビストロこ そ、田園の中でフランスならではのアール・ド・ヴィーヴィルを発見する絶好の場所です。フラ ンス全土で独立系ビストロのオーナーのサービスを支援し、擁護するため、ビストロ・ド・ペイ Bistrot de Pays という質を保証するラベルが 1993 年に設けられました。 「フランスビストロ・ド・ ペイ連盟」という組織もあり、今では認定を受けたフランス全土のビストロおよそ 250 軒が加盟 しています。そのうち約 50 軒がローヌ・アルプ地方にあり、具体的にはドローム、アルデーシ ュ、イゼール、ロワールの各県にあります。この認定を受けるには、その店が一定の基準を守る という誓約書に署名せねばなりません。つまり、 1 年を通して営業していること、居住人口が 2,000 人未満の自治体かつ田舎に位置していること、現地の産品をもとに家族向けの食事を出している こと、観光客にとっての情報ポイントとして機能していることなどです。 認定された店の一覧については、下記ウェブサイトをご覧ください:www.bistrotdepays.com 料理教室 ローヌ・アルプ地方を訪れている間にフランス料理の基本を学びたいという方々のため、この地 域の多数の料理学校では、個人に合わせて様々な期間のコースを用意しています。リヨンにある 料理学校には、以下のものがあります。 • Délicieusement Vôtre 各種のコースがあります。集中的ワークショップ、テイスティングのセッ ション、テーマ別のコース、子供向けコースなど。 www.delicieusementvotre.com • In Cuisine 独自のコンセプトに基づいた、書店・デリカテッセン・喫茶店・料理学校(大人向け・ 十代の若者向け・子供向け、特別イベントなど)の複合施設です。 www.incuisine.fr • Plum Teaching Kitchen アメリカ人の女性が運営している学校で、彼女は訓練を受けたペストリ ーシェフでもあります。英語で料理教室を開いています(午前中に市場に行き、午後にこの学校 に行けば、リヨンの特産品もペストリーの作り方も体験できます)。www.plumlyon.com 25 屋内市場-ポール・ボキューズ中央市場 The Halles de Lyon – Paul Bocuse フランス料理 の真の宮殿とも呼ぶべき、リヨンにある国際的な市場です。販売されている食材の質の高さから、 全世界から食通が集まります。有名なカキや魚、農産物や肉の店、ケータリング業者、パン屋、 ペストリーシェフが集まっています。 www.hallespaulbocuse.lyon.fr ヴァローナチョコレート博物館 Valrhona, the Cité du Chocolat タン・レルミタージュの 歴史あるヴァローナ Valrhona チョコレート工場の中にある Cité du Chocolat は、チョコレート作 りの裏にある楽しみを見つけるための場所です。料理映画・展示・対話式のイベント・ガイド付 きワークショップなどがあり、味わいと生産と素材の道へと訪問者を導きます。 www.citeduchocolat.com ジョワイユーズ Joyeuse 栗博物館(アルデーシュ県 Ardèche)アルデーシュ県は、フラン ス随一の栗の産地です。フランスの年間栗生産量のうち、ほぼ 50%の 5,000 トンがここで採れま す。アルデーシュの栗には原産地名が管理されている品種が 65 種あり、特に良く知られている のがシャンバル Camballe、メルル Merle、ブッシュ・ルージュ Bouche Rouge 、ペコス・デ・ヴ ァン Précoce des Vans です。栗の収穫は秋に行われ、それにちなみ 10 月中旬から 11 月中旬にか けて”castagnades”という栗のお祭りが各地で開かれます。各種の栗製品の例として、生栗、乾燥 栗、栗の粗挽粉、栗粉、栗のピューレなどが挙げられます。アルデーシュの砂糖漬け栗もお忘れ なく。これは、クリスマスの時期に食べられる、人気のお菓子です。Joyeuse の栗博物館はその 名の通り、この地を代表する木の実である栗を専門に扱うもので、何世紀にもわたってこの地の 人々をつないできた「パンの実」について語ります。 アルデーシュの栗についての詳細は、www.chataigne-ardeche.com をご覧ください。 トリスカンのトリュフ博物館 La Maison de la Truffe et du Tricastin サン・ポール・トロ ワ・シャトーSaint-Paul-Trois- Châteaux(ドローム) トリスカンは、トリュフの生産でフランス 第一の地域です。サン・ポール・トロワ・シャトーにあるトリスカンのトリュフ博物館では、黒 トリュフの神秘を目にすることができます。トリスカンは黒トリュフの主要な生産地の 1 つです。 トリュフの収穫は 11 月中旬から 3 月中旬までの冬季に行われます。犬(まれに豚)を連れたト リュフ農家の人たちが、この黒いダイアモンドを求めて森林を探索します。農家の人たちは犬の 行動を観察し、タイミングが来ると塊茎を掘り出します。トリュフを見つけた犬には褒美をあげ ます。これは犬の臭覚を利用した賢いやり方で、”ル・カヴァージュ le cavage”と呼ばれています。 11 月中旬から 3 月中旬まで、地元のゲストハウスでは「トリュフの週末」を開催しており、こ れに参加することもできます。 www.truffle-and-truffe.com モンテリマールのヌガーMontélimar nougat(ドローム) このおいしいお菓子は確かに クリスマスの 13 種類のお菓子の 1 つなのですが、クリスマス以外にも手に入り、季節を問わず 楽しめます。モンテリマールはまさにヌガーの都です。モンテリマールにはヌガー工場が 15 か 所ほど、職人の工房が 12 軒あり、そのほとんどが訪問を歓迎しています。その中でも最古の工 場は、一見の価値ありです。アルノー・スベイラン Arnaud Soubeyran という職人の工房で、1837 年の創業です。 26 www.montelimar-tourisme.com ニヨンス協同組合 — ニヨンスのエスパス・ヴィニョリ Espace Vignolis エスパス・ヴィ ニョリを訪れると、この地域の AOP ワインや IGP ワイン、オリーブオイル、ニヨンスのオリーブ の芳醇な味わいを体験できます。さらにオリーブ博物館では、オリーブ栽培と結びついた伝統文 化を体験できます。1923 年設立のニヨンス協同組合には、現在 100 名以上の組合員がいます。 1,400 ヘクタールのブドウ畑からブドウを収穫・加工し、この地区のヴァンソブレ Vinsobres、コ ート・デュ・ローヌ ヴィラージュ、コート・デュ・ローヌ クリュ、バロニーワインを生産しています。さらに 600 ヘクタールのオリーブ果樹園からオリ ーブを収穫、オリーブ油も作っています。ヴィニョリは、ドローム・プロヴァンサル地区の美し さを生き生きと現代的に示しています。 www.vignolis.fr クルミ乾燥農家ヴィネ Vinay(イゼール) グルノーブルのクルミは、1938 年以来、原産 地名が管理されています。9 月に収穫される AOC グルノーブルのクルミは 3 種類あり(フラン ケット Franquette、マイエット Maillette、パリジエンヌ Parisienne)、生でも干しても食べられま す。さらに、クルミワインや粉末、その他の形でも食され、たいへん健康に良い食べ物です。ク ルミの里である南グレジヴォーダン Grésivaudan の中心、ヴィネ Vinay には”Grand Séchoir”という クルミ乾燥機のある古くからの農場があり、また Grenoble クルミを専門に紹介する博物館もあ ります。この地の農業の中心はクルミの栽培です。イゼール渓谷はクルミの森におおわれており、 南グレジヴォーダンにはローヌ・アルプ地方のクルミ農園のほぼ 70%があります。 www.legrandsechoir.fr アルプスのチーズ資料館 Temple du Fromage des Alpes リュグラン Lugrin (サヴォワ・モ ンブラン Savoie Mont Blanc)アボンダンス Abondance、ルブロション reblochon、トム・ド・サヴ ォワなど、サヴォワとオート・サヴォワの多彩なチーズを紹介するには、1 つの建物が必要にな ります。この目的のために、オート・サヴォワのレマン湖湖畔のリュグランに、チーズの宮殿が できました。サヴォワの特産物(この地区のワインや農産物)を扱う店舗に加え、チーズ作りの 過程を学べる博物館もあり、牛の飼育から完成したチーズまでを紹介しています。最後に、チー ズ専門の試食用レストランまであり、サヴォワのフォンデュやラクレットなどもあります。 www.temple-du-fromage.com ボーフォール Beaufort タンチーズと乳業協同組合ここでは感覚に訴える展示をしており、 Beaufort とその土地の持つ秘密を、においを楽しむ設備、模型、音、映画などを活用して紹介し ています。毎日午前 9 時から正午までに訪れれば、ボーフォールチーズを作る様子をご覧になれ ます(日曜と学校の休暇期間中を除く)。見学ルートは地下室から始まり、チーズ作りの過程す べてを学べます。 www.cooperative-de-beaufort.com トーヌのルブロション農家協同組合 Thônes Reblochon Fermier トーヌにあるルブロショ ン農家協同組合では、ルブロション農家のチーズやトムチーズなど、この地の主要産品を集めて います。ルブロション農家協同組合は 1971 年の設立で、今ではルブロション生産者の販売促進 27 とマーケティングを専門にしています。特に、チーズの普及、地元生産、包装、出荷、そしてチ ーズ作りセンターと運営事務所が中心になっています。 www.reblochon-thones.com 28 IV.さらに知るには ローヌ・アルプでのワインツーリズムについて:www.inrhonealpes.com(”Press”セクション) ローヌ・アルプのブドウ畑について:www.baladesduvin.com ローヌ・アルプの TV チャネルについて:saveurs.rhonealpes.tv / discover.rhonealpes.tv ローヌ・アルプのワインツーリズムと美食についての、Twitter アカウント: twitter.com/WineandFood_RA 写真のセレクション: www.phototheque.rhonealpes-tourisme.com > “Ambiance, Art of Life, Gastronomy”というセクション > “Gastronomy and wines” お問い合わせ Martine BRIDIER +33 (0)4 26 73 31 76 martine.bridier@rhonealpes-tourisme.com Isabelle FAURE +33 (0)4 26 73 31 77 isabelle.faure@rhonealpes-tourisme.com 29 ヴィアローナ ViaRhôna レマン湖から地中海に至る新しいサイクリングロード 30 ヴィアローナは、700 ㎞もの自転車用緑道で、レマン湖から地中海まで続いています。ローヌ・ アルプ、ラングドック・ルシヨン、プロヴァンス・コート・ダ・ジュールという 3 つの地方を通 り抜けます。ヴィアローナによって、観光客がこの地帯の美しさを満喫できるだけでなく、環境 に配慮した輸送という点でローヌ・アルプ地方の実体経済と地域開発に大きく貢献しています。 ローヌ・アルプ地方ではこの道路の 70%に当たる 305km がすでに開通しており、この道路が完成 して誰でも通行できるようになった時の様子を、今から感じることができます。2016 年夏には、 この道路全体の道路標識が、仮設のものも含めて設置されます。2017 年には、ローヌ・アルプ 地方の道路 445km が完成します。この道路全体の完成は、2020 年の予定です。 このプロジェクトの目指すところは、ヴィアローナそれ自体で観光客を集めることです。充分な インフラストラクチャーを設け、ヨーロッパ最高の観光ルートにする目標です。そのためロー ヌ・アルプ地方では、文化、観光、環境保護のいずれの点でも、ヴィアローナプロジェクトに高 い優先順位を与えています。 文化的な目標 北ヨーロッパと地中海との間の通商の中心であるローヌ川の岸辺には、 長い歴史があります。ヴィアローナは文明と文明とをつなぐ真の経路となり、訪問者が有史以前 から現代までの自分たちの歴史を追体験できるようにします。リヨンとサン・ロマン・アン・ガ ル~ヴィエンヌとにある考古学的遺跡は、それにはうってつけの存在です。ローヌ県ルートの全 域にわたり、芸術作品や博物館、モニュメントなどが配され、ローヌ県の文化を明らかにします。 この川の支流、動物相、植物相、水門、記録に残すべき洪水なども、この地域が共有する文化遺 産の一部です。 観光面での目的 ヴィアローナによって、種類の大きく異なる観光の間につながりが生ま れます。文化観光、歴史観光、自然観光、グルメ観光、ワイン観光の間のつながりです。これに よって、この地域の多様性を発見・再発見できます。サヴォワのワインの里からリヨンという都 市の川岸、そしてアルデーシュ県のトゥルノン Tournon の城や丘の上の村々に至るまで、ヴィア ローナはこの地域の観光面での豊かさを、家族連れにも親しみやすい形で広く楽しく体験できる すばらしい機会となります。 環境面での目的 モーターを用いない移動手段と歩行者のための優れたルートであるヴ ィアローナ では、この地域の自然保護区や他には見られない風景を、徒歩で探索することがで きます。環境に配慮した旅は自転車ででも可能ですし、徒歩やカヌー、カヤック、さらには立っ て漕ぐパドルボードなどでも可能です。これらの移動手段によって、川の水運・漁業活動および ローヌ・アルプ各地の農業やワイン生産をよりよく見ることができます。 フランスでの自転車による観光について: 確実に発展する市場 フランスは自転車によ る観光で世界第 2 位の国で、このヴィアローナのようなプロジェクトには最適です。しかも、そ のフランスで 3 番目に長い川沿いにこのルートを設けるのですから、格好の場所といえましょう。 サイクリングは休日に楽しむスポーツとして 2 番目に人気の高いものですが、特に観光シーズン の長期化という状況の中で重要な経済効果をもたらします。ローヌ・アルプ地方は今もあらゆる 年齢層・あらゆる背景からのエコロジー志向の観光客を惹きつけており、そうした観光客たちは 新たな地区や風景、文化、人々を発見したいと思っているのです。 31 I. 数字で見るヴィアローナ VIARHÔNA 1 つの共通ロゴ 3 つの地域を結びつけ(ローヌ・アルプ、ラングドック・ルシヨン、プロヴァンス・アル プ・コート・ダジュール) 12 の県を通り(オート・サヴォワ、サヴォワ、アン、イゼール、ローヌ、ロワール、ド ローム、アルデーシュ、ヴォークリューズ、ブッシュ・デュ・ローヌ、ガール、エロー) 222 の都市や町を発見できる 700km の自転車道。レマン湖から地中海まで。 ヴィアローナの現実: 3 つの地域観光委員会が関与(ローヌ・アルプ、ラングドック・ルシヨン、プロヴァンス・ アルプ・コート・ダジュール) 12 の県の観光団体が関与 55 の観光事務所が関与 プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュールを通る経路は 105km で、ヴィアローナ全体 の 15% ラングドック・ルシヨンを通る経路は 140km で、ヴィアローナ全体の 20% ローヌ・アルプを通る経路は 552km で、ヴィアローナ全体の 65% ローヌ・アルプ地方の現状: ローヌ・アルプ地方のヴィアローナの経路は 552km で、そのうち約 75%の 415km がすで に開通。 緑道が 143km 共有道路は 90km 暫定ルートは 152km 32 II.ローヌ・アルプに来たら必見の場所 セッセル Seyssel グラン・コロンビエ Grand Colombier 山脈とプランス Prince 山の間にあ るセッセルでは、川での釣りやセーリング、水泳などで、ローヌ県の自然を満喫できます。 www.cc-pays-de-seyssel.fr/communes/seyssel-haute-savoie.html シャナ Chanaz 「サヴォワの小ベニス」として知られ、フランスで最も美しい運河の 1 つでローヌ川とブルジェ湖とを結ぶ Savières 運河のそばにあります。由緒正しいながらも親しみ やすく、花に彩られた集落は、簡素かつ静けさに溢れています。 www.chanaz.fr リヨン リヨン旧市街にはミシュランから星を獲得したレストランがあちこちにあり、 美食家は選択に迷うはずです。リヨンを訪問すれば、この都市の多様な建築もユネスコが世界遺 産に指定した地区も楽しめます。コンフルエンス博物館(Confluence Museum)も、2014 年 12 月に開館しました。この美術館の独特な建築は未来派的なもので、ローヌ川とソーヌ川の合流地 点の景観を眺めることができます。コンフルエンス博物館では、地球誕生以来の人類と地球の歴 史が展開されます。さらにこの博物館には 220 万点以上もの収蔵品があります。これらは少しず つ収集されたもので、17 世紀から 21 世紀までの 500 年ほどの歴史を作ってきたものです。 www.en.lyon-france.com ; www.museedesconfluences.fr ヴィエンヌ Vienne とサン・ロマン・アン・ガル Saint-Romain-en-Gal 2,500 年間の歴史に 彩られているこの 2 つの町を訪れると、過去へと旅することができます。ローヌ川の両岸にあり、 考古学的遺跡や古代の建造物、博物館などがあり、訪れる人々に歴史を明らかに示してくれます。 www.en.vienne-tourisme.com ; www.musees-gallo-romains.com コート・デュ・ローヌのワイン:この地域のブドウ畑はコート・デュ・ローヌの北部から 南部、 ヴィエンヌから Avignon にまで広がっています。その昔ながらのブドウの段々畑が広が る光景は多様で美しく、ローヌ渓谷は第一級の目的地です。この地のブドウ Syraha からできるワ インの中で最も良く知られているものとしては、コート・ロティ、サン・ジョセフ、クロゼ・ゼ ルミタージュなどがあります。この地域には Vignobles et Découvertes の認定を受けたブドウ畑が 以下の 3 か所あり、いずれもヴィアローナから行くことができます。 コート・デュ・ローヌの北部ブドウ畑の中央にあるエルミタージュからサン・ジョセフ このブドウ畑は、次の 3 つの秀逸な銘柄で知られています。エルミタージュ、サン・ジョ セフ、クロゼ・ゼルミタージュです。 アルデーシュ県のコルナからサン・ペレイ アルデーシュの丘の上に立つ村々を取り囲 むこのブドウ畑は、この町で確固たる存在感を示しています。このブドウ畑には AOC ワ インが 3 種類あり、Cornas、Saint-Péray、サン・ジョセフです。 リヨンから 30 分以内のコンドリユーとコート・ロティ 川の両岸に美しい段々畑。コン ドリユーやコート・ロティといった名高い AOC ワインを生み出します。 33 www.rhone-wines.com トゥルノン Tournon とタン・レルミタージュ 川岸の一方に佇むトゥルノンは魅力ある 南の町で、博物館になっている城もあります。また川の両岸に広がるタン・レルミタージュを訪 れれば、有名なブドウ畑を散策できます。チョコレートがお好きでしたら、ヴァローナのチョコ レートの博物館に立ち寄り、味わいと驚きに溢れた体験をすることもできます。 www.hermitage-tournonais-tourisme.com/en ヴァランス Valence フランス南部の典型的な町のヴァランスは、その昔からの姿を保っ てきました。つまり、多彩な市場、庭園、狭い通りなど、まるでプロバンスのようです。水上で の槍試合はこの町で最古のスポーツイベントで、ローヌ川上流で行われます。町の中心部にある 美術館には、数世紀間の作品が収蔵されており、その多くはこの地の愛らしい風景から着想を得 たものです。 www.hermitage-tournonais-tourisme.com/en モンテリマール Montélimar ヌガーの都として知られる町ですが、「プロバンスへの入 り口」でもあります。この町を訪れると、ラベンダーのすべて、つまり収穫や、品種の多様さ、 用途などを様々に経験できます。 www.montelimar-tourisme.com/en ヴィヴィエールViviers ヴィヴィエールの歴史的な都であったこの町には、素晴らしい文 化遺産と豊かな自然の恵みがあります。その一例が、この町を眼下に見渡す岩山の頂上に立つ豪 華なヴィヴィエール大聖堂です。 www.mairie-viviers.fr/fr 34 III. おすすめのアクティビティー スポーツ好きのあなたに: ヴィアローナが通るビュジェ北部は、ローヌ川を望む山脈の比類なき 景 観で名 高い地 域です 。こ こで自 転車を 降りて カヌ ーかカ ヤック に乗り 換え れば、 ブルニ エー・ Brégnier-Cordon 自然保護区で、自然のままのローヌ川を 2~3 時間探索できます。ブドウ畑から鳥たち、そ してビーバーまで、自然探索をいつでも楽しめるのが、この地です。 www.en.viarhona.com/ideas-course/nature-activities 自然好きのあなたに: この地域の川岸や支流、湿地、川の中の島などには多様な自然に恵まれた場 所が多数あり、美しい自然の中を散策できます。ビーバーやトンボ、カワセミ、グリーンバックなどの野 生動物に出会えるかもしれません。 www.en.viarhona.com/preparing-viarhona/nature-on-the-rhone 歴史好きのあなたに: ローヌ川岸は異なる文明が交錯しあったところで、何世紀もの間人々が多く の遺物を残してきました。サン・ロマン・アン・ガルからヴィエンナにかけてのガロ・ローマ遺跡は、そ の完璧な実例です。ローマ皇帝アウグストゥスとその妻リウィアの神殿、Cybèle の庭園、古代の劇場、屋 外博物館など、必見の場所が多数あります。 www.musees-gallo-romains.com/saint_romain_en_gal/presentation この地域の 2 つのルート: イゼール渓谷の自転車道とアルデーシュのドルス・ヴィア Dolce Via と いう 2 つのルートがあり、徒歩でも散策ができます。いずれもヴィアローナに接続しており、他の地区に 足を延ばすこともできます。 イゼール渓谷の自転車道 この道はシャンベリーとグルノーブル経由でドロームからサヴォワに 至り、Châteauneuf-sur-Isère でヴィアローナとも交差します。全長 42km です。この道はイゼール 渓谷に沿って走っており、4 回渓谷を横断します。その途上では、石畳の道と花々の村ボーム・ド スタン La Baume d’Hostin、水道橋や先史時代の洞窟がある中世の村サン・ナゼール・アン・ロワイ アン Saint-Nazaire-en-Royans など、多くの魅力的な村々を巡ることができます。 www.romans-tourisme.com/en/heritage/natural/veloroute-bike-and-green-trail ドウス・ヴィア Dolce Via イリユーEyrieux 渓谷の徒歩ルートで、ヴィアローナとの最初の交差点 は Voulte-sur-Rhône にあります。昔この地域を走っていた鉄道の経路に沿って、全長 45km のルー トでサン・ローラン・デュ・パップ St-Laurent-du-Pape とシェラール Cheylard を結びます。このル ートを通して、この渓谷の農業と工業の過去を発見できます。しかもこのルートでは、自然のま まの風景や果樹園、古代の遺跡なども多く見られます。 www.en.ardeche-guide.com/search/node/dolce%20via ワインと旅が結びつく、珍しい方法 2 つ: Tournon-sur-Rhône では、Sens'Ciel で初心者向けの試飲と ブドウ畑の散策を楽しめます。タン・レルミタージュの”Des terrasses du Rhône au sommelier”では、 電動自転車で エルミタージュの風光明媚なブドウ畑を探索でき、しかもその途上で試飲も楽しめ ます。 www.vin-et-sens.com / www.ausommelier.com 35 IV. さらに知るには ヴィアローナをもっと知るには、次のソーシャルメディアで: Facebook: www.facebook.com/via.rhona?fref=ts Twitter: www.twitter.com/ViaRhona ヴィアローナのウェブサイト: www.viarhona.com ローヌ・アルプ TVチャネル: www.viarhona.tv 写真のセレクション: www.phototheque.rhonealpes-tourisme.com >検索エンジンで、 ViaRhônaと入力して検索してみてください。 お問い合わせ Julia Grunert Raphaëlle Nicaise +33 (0)4 26 73 31 85 +33 (0)4 26 73 31 84 raphaelle.nicaise@rhonealpes-tourisme.com julia.grunert@rhonealpes-tourisme.com 36 山々:ローヌ・アルプの自然美 37 驚くほど多彩な風景に恵まれたローヌ・アルプ地方には、3 つの山系があります。アルプス、ジ ュラ、そしてフランス中央高地です。さらに 2 つの国立公園と 8 つの地域公園、そして生物多様 性豊かな自然のままの場所も有し、この地域の自然は大きな財産の 1 つでもあります。ローヌ・ アルプは山々で知られ、訪問者は珍しい動植物相に出会うでしょう。屋外での活動も四季を通じ て各種楽しめます。この地域を代表する風景の一部をご紹介しましょう。 アルプス 地中海からドナウ川に至る 1200km もの長壁を形成するフランスアルプスに は、4000m を超える山頂が 24 か所もあります。Aiguilles Vertes、Drus、Grandes Jorasses、などで す。アルプスはアウトドアスポーツ愛好家にとって格好の遊び場で、ハイキング、サイクリング、 スキー、スノーボードなどに興じる人たちが 1 年を通じて集まります。 シャモニー – モンブラン Chamonix-Mont-Blanc 世界的に知られたスキーリゾートを擁 するシャモニーは活気ある町で、19 世紀の美しい建築物を有しています。モンブランに近いう えに観光客向けの設備が多く、スキーゲレンデや難関のハイキングルートなどがあって、人気の リゾートです。西ヨーロッパの最高峰であるモンブランは、全世界から多くの冒険家や訪問者を 集めています。史上初の冬季オリンピックは、1924 年にシャモニーで開催されました。 アヌシーAnnecy 美しい湖や山々に囲まれたアヌシーも、ローヌ・アルプ地方にあって 最も人気の高い場所のひとつです。近隣のアラヴィ山脈には、昔ながらのスキーリゾートがあり ます。アヌシーでは、文化遺跡の見学からウィンタースポーツ、そしてアヌシー湖でのウォータ ースポーツと、様々な活動ができます。アヌシー湖には、この 60 年間大変厳格な水質保全規則 が適用されており、ヨーロッパで最も澄んだ湖の 1 つだと考えられています。 ローヌ・アルプの自然遺産は絶妙なバランスの上に維持されており、環境保全は重要な問題です。 この地域の当局は、1985 年に「山岳法」を導入して以来、山々の開発と保全のバランスを保つ 措置を講じています。建築遺産・風景・自然空間の保全が優先事項で、水資源とエネルギー資源 の管理のための施策が講じられ、さらにこれらの問題について‘Destination Parcs’プロジェクトに より人々を教育しています。 ‘デスティナシヨン・パルク Destination Parcs’: 山での休暇の新しい過ごし方 「デスティナシヨン・パルク」という共同プロジェクトは、4 つの地方公園(ボージュ Bauges、 ヴェルコール Vercors、 シャルトルーズ Chartreuse、 バロニー・プロヴァンサル Baronnies Provençales) の協力で始まったもので、観光客が山での休暇を新しい方法で楽しめるようにするものです。こ のプロジェクトの狙いは、山々が賑わう冬季以外のシーズンにも山を楽しめるよう、「体験的な 休暇」を観光客に実践してもらおう、という点にあります。こうした体験的休暇では、この地域 の自然遺産や環境問題が学べます。たとえば屋外での活動や、養蜂家とともに蜂蜜を集める、こ の地域の地理を学ぶ、ロバとのハイキング、夜空の銀河の観察など、この地域ならではの経験が できます。このプロジェクトのウェブサイト www.destination-parcs.fr があり、熱中できる内容の休 暇として 11 種類の選択肢を現在紹介しています。このウェブサイトを訪れ、一連の質問に答え ていくと、個人の志向に最も適した選択肢が表示されます。 38 ローヌ・アルプの冬 マウンテンツーリズムでは世界一といえるローヌ・アルプ地方。スキーができる土地の面積は世 界最大です。16 か所ものスキー場がつながっており、その中には三大渓谷(クールシュベル、 メリベル、レ・メニュイーLes Ménuires、ヴァル・トランス一帯の 600km もの斜面)、またパラ ディスキ Paradiski(レ・ザルク Les Arcs、ペゼ・ヴァランドリ Peisey-Vallandry、ラ・プラーニュ La Plagne をつなぐ)もあり、いろいろな活動ができます。アルペンスキー、ノルディックスキー、 スノーボード、そり、犬ぞり、ボブスレー、ハイキング、スノーシューなど多様です。毎年、Arêches ボーフォール Beaufort ではピエラ・メンタ Pierra Menta を開催しています。これは 4 日間続く、 大規模で難度の高いスキー登山の大会です。参加者はスキーに登山用スキンをつけて斜面を登り、 登りきるとスキンを外して岩や木々の間を滑り降ります。また午後 5 時以降は、ラ・プラーニュ のボブスレートラックが一般に開放されます。 www.pierramenta.com/ www.la-plagne.com ローヌ・アルプには 160 ほどのスキーリゾートがあり、あらゆる人々を歓迎します。たとえばル・ グラン・ボナール Le Grand Bornand では家族連れ向けの様々な活動を行っており、ティーニュ Tignes リゾートは活気あるスポーツ施設で有名です。またブリデ・レ・バン Brides-les-Bains を 訪れる人たちは、いつでもスパに癒され、若返ることができます。リゾートには主に 7 つの種類 があり、それぞれ違った滞在ができますので、旅行者はその中から自分に合ったものを選べます。 ビレッジリゾートは通常、保存されている環境の中心にあって、本格的な休暇を体験できます。 グランドドメインリゾートではスキー場が連なっており、1 つの利用券で多くのスキーゲレンデ を使えます。ヌーヴェル・グリス Nouvelle Glisse リゾートには、スノーパーク、スノーボードに よるボーダークロス用のトラックなど、新しいウィンタースポーツのための施設が多数あります。 ファミリープラスリゾートは家族連れの休日のために設計されたもので、ノルディックリゾート はノルディックスキーを専門に楽しむ人たち向けです。クラブリゾートには現代的な施設があり、 スキーの後でもいろいろと楽しめます。またアルティフォルムリゾートでは、スパトリートメン トを受けられます。 四季の山々 ある季節しか楽しめない活動がある一方、スキルは関係なく一年中楽しめる活動もあります。サ イクリング愛好家にも多くの選択肢があり、アン、イゼール、オート・サヴォワ、サヴォワでは 湖畔の山々を走り、ミル・エタン Mille Etangs へ、またドンブ Dombes の平坦な田舎道に至るこ とができます。言うまでもなく、各リゾートにはマウンテンサイクリング用の経路が多数ありま す。ローヌ・アルプ地方にある徒歩用の経路を合計すると 43,000km に達し、ハイキングも満喫 できます。この地域にはハイキング用経路がたくさんあり、ハイカーにとっては楽園です。その 1 つが GR5 で、フランスでも最も難度の高いハイキングルートです。レマン湖からブリアンソン Briançon までこの地域を横断し、最高地点では標高 3000m に達し、山々の頂上や氷河を通過しま す。ローヌ・アルプ地方全体ではハイキングルートを合計すると 43,000km に達します。その中 39 で、ジオノ Giono からドローム・プロヴァンサルに至るルートは、アルデーシュ高原を横断して ヴェルコールではニードル山の頂上を通過、さらにダン・ブランシュ Dents Blanches の頂上も通 ります。モンブラン頂上に登ることも、想像するほど困難ではなく、本格的な登山でなくハイキ ングでかなりの高さまで登ることができます。 多数のリゾートや公園ではクライミング用の場所を設けており、登山は今でもローヌ・アルプ地 方の主なアドベンチャースポーツの 1 つです。かなり過酷な登山環境も一部にあります。シャモ ニー – モンブラン地区近辺には最も難度の高い山頂がいくつかあり、登山家であれば一度は行 くべき場所です。 ローヌ・アルプの山々にはまた、水が豊富にあります。田園地域にある多くの湖と川は、ラフテ ィング、カヌー、カヤック、ウィンドサーフィン、渓谷下り、水泳、釣りと、スポーツの選択肢 をさらに広げます。特に Isére 川でのラフティングは、スリルを求める人々にはもってこいです。 漕ぐことが好きな方には、エッグブレット Aiguebelette 湖をお勧めします。これは、フランスで も 3 番目に大きい天然湖です。 ゴルファーの楽園 ローヌ・アルプ地方にはおよそ 60 ものゴルフコースがあちこちにあり、フランスでも第 2 位の ゴルフ地帯です。この地域で最も名高いコースの 1 つがエビアンマスターズゴルフクラブ(オー ト・サヴォワ)で、レマン湖を見渡す植林された 60 ヘクタールのコースは、アボンダンス Abondance 渓谷のアルペンリゾートからほど近いところにあります。優雅な Hôtel Royal と合わせ て 1904 年に設立されたこのゴルフクラブは、今までに何度か改修されています。直近の改修は 1990 年で、建築家のキャベル=ロビンソンが再設計しました。ロビンソンは大会に使えるレベル のコースを設け、現在このクラブでは、世界トップクラスの女子プロゴルファーの大会、エビア ンマスターズが開催されています。エビアンマスターズゴルフクラブにはトレーニングセンター もあり、ゴルファーたちはスイングの向上に努めています。詳しくは、www.evianroyalresort.com をご覧ください。 山々を巡る ローヌ・アルプ地方の山々では夏・冬を通じてあらゆる活動やスポーツができます。ウォーキン グには絶好の山々で、各人の能力・体力・気力に合ったルートや旅程があります。ローヌ・アル プ地方全体で、整備されているルートは合計 43,000km あり、その 1 つがフランスでも最も活気 あふれる GR コースである GR5 です。この GR5 は、レマン湖からブリアンソンまで、3000m の 山頂や氷河を経由し、モンブランの周りを巡ります。他のコースの例としては、ドローム・プロ ヴァンサルのジオノルート、アルデショワ平野経由ルート、ヴェルコールのモン・テギュイユ一 周、ダン・ブランシュ一周などがあります。モン・ブラン一周(ツール・ド・モン・ブラン)は 一見難度が高いように見えますが、実はそれほどでもありません。登山というよりハイキング感 覚で登れます。 40 地図やガイドブックを手に入れ、装備や天候についての助言を求めるには、ツーリストオフィス が最適の場所であることがしばしばです。登山ガイドの連絡先や、ビオナッセイ Bionnassay 氷河 ツアーなどのガイド付きツアーについての情報も、こうしたオフィスでわかります。ビオナッセ イ氷河ツアーは、経験豊かなハイカー向きです。モンブランの登山電車に沿ってル・ファイエッ ト Le Fayet(580 m)からニッド・デーグル Nid d’Aigle(2372 m)に至る 13km の道のりを、氷河 学者のリュック・モローLuc Moreau がご案内します。 もっと家族連れに向いているものとしては、レ・セジ Les Saisies でオフロード用のベビーカーを 借りて、子供を連れてモンブランやボーフォルタン、アラヴィを眺める散歩を楽しめます。さら に帰路では農場に立ち寄り、お茶をして休憩もできます(www.lessaisies.com)。 この地域ではどこでも、すべてのレベルの方がクライミングを楽しめます。リゾートや公園の多 くには専用のクライミングエリアがあり、予めボルトやアンカーが設置されています。これによ り登山者は、安全にスキルを向上させることができます。もちろん、この地域の主なアドベンチ ャーの 1 つは登山であり、経験豊富な登山家の方々には、特に過酷な環境で自らの力を試す機会 が豊富にあります。シャモニーは、モンブランも含めこの地域で最も険しい山頂に近いため、登 山のメッカとなっています。 さらに南にあるドロームでの登山は、サウ Saou、オンブレゼ Ombleze、ビュイ・レ・バロニー Buis-les-Baronnies などで、比較的易しいものです。登山技術は求められるものの、ほぼ確実に晴 天の下で登ることができます。ヴェルコールもこの地域での最高の登山地の 1 つで、白亜の崖か ら巨大な岩、意図的に作ったクライミングウォールまで、様々な場所が揃っています (www.vercors.com)。 登山というよりも登山とウォーキングを組み合わせたような、より容易な登山をお望みでしたら、 フェラタ経由 Via Ferrata が理想的です。こうした安全な登山はヨーロッパ全土で人気が高く、も ともとイタリアのドロミーテ山地で第一次大戦中に生まれたもので、軍隊が梯子やケーブルを戦 略的な地点に設置し、容易にアクセスできるようにしたことが始まりです。フランスでは、フェ ラタのルートを、第二次大戦中に対ナチレジスタンスの戦闘員たちが利用しました。現在最大数 のフェラタ経由ルートを有しているのはモーリエンヌで、アマチュアの登山家や初心者も安全に 岩登りを楽しめます。もっとも、こうした活動をする際には、資格を持ったガイドの付き添いを お勧めします。モーリエンヌのオソワ・ラ・ノルマ Aussois-la-Norma には悪魔のフェラタ経由ル ートがあり、7 つの独立した部分に分かれています。健康状態や登山能力に合わせて適切な部分 を選べます。さらに、小悪魔のフェラタ経由ルートという子供向けの場所もあります (www.aussois.com)。 41 水を楽しむ ローヌ・アルプ地方には川や湖が多数あり、もちろん各種のウォータースポーツなどができます。 その例として、急流下り、カヌー、カヤック、セーリング、ウィンドサーフィン、渓谷下り、水 泳、釣りなどがあります。イゼール川は、急流のスリルを愛する人たちに人気の場所です。ヴァ ノワーズ氷河の雪解け水が流れ込むこの川は Iseran 山の峠に水源があり、急激に激しい水流と化 していきます。フランスラフト Franceraft ではいかだ、カヌー、エアボート、急流での水泳など、 川での多彩な活動を提供しています。臆病な方々にはお勧めできません!www.franceraft.com. 渓谷下りもスリル満点の活動で、ローヌ・アルプ地方の山々全域で楽しめます。この地域の山々 では、急流が人知れぬ谷を刻み込んでいます。参加者はウェットスーツとヘルメットを身に着け、 歩き、飛び込み、川を滑り泳ぎます。 私有湖であるエッグブレット湖は、天然湖としてはフランスで第 3 の大きさを誇ります。エク ス・レ・バンから少しドライブしたところにあります。山々に囲まれたこの無垢な湖では、ボー トも含めあらゆるウォータースポーツを満喫できます。地元のクラブでは初心者向けにボートの 入門講座を行っています。また、プロのボート競技者たちも一年を通じてトレーニングに励んで います。http://www.aviron-lac-aiguebelette.com. ローヌ・アルプ地方には他にも湖があり、セーリングやウィンドサーフィン、スキューバダイビ ング、ウォータースキーといった伝統的な各種のウォータースポーツを楽しめます。フランス政 府のウォータースポーツ当局では、公式なウォータースポーツの場として、ローヌ・アルプの湖 畔リゾート 2 か所、エクス・レ・バンとトノン・レ・バンを登録しています。海岸以外の場所で 登録されているのは、この 2 か所だけです。どのような活動ができるのかについての詳細は、当 局のウェブサイト(www.france-nautisme.com)、あるいはこの 2 か所のリゾートのウェブサイト www.aixlesbains.com と www.thononlesbains.com をご覧ください。 川と湖のクルーズ ローヌ・アルプ地方で、川や湖を楽しみたいが、あまり大変なのは嫌だ…という方には、おあつ らえ向きの乗員付きの選択肢もあります。2 名のシェフがリヴィア Livia 号を借り切り、ヴィエン ヌとコンドリユー間のローヌ川のクルーズを行っています。クルーズでは、ヴィエンヌ の歴史 ある風景とコート・デュ・ローヌのブドウ畑を眺めながら、食事を楽しめます(料金と時刻につ いては、ウェブサイト www.bateau-livia.com をご覧ください)。同様のクルーズを NavigInter 社 で も 行 っ て お り 、 リ ヨン か ら ソ ー ヌ と ロ ー ヌ の 両 河 川 で の ク ル ーズ を 主 催 し て い ま す (www.naviginter.fr)。渓谷や峡谷の荒々しい美しさを堪能するなら、ミラ Mira という船でのク ルーズがあります。グルノーブルから 35km 南にあるイゼール県のモントヤード湖 Lac de Monteynard での、1 時間半から 2 時間半ほどのクルーズです(www.sud-dauphine.com/lamira)。 またブルジェ湖のクルーズ船では一味違う演奏会があり、ロマンチックな雰囲気が溢れます。フ ランスの有名な詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌはロマンチックな詩を創作し、この湖の 42 名前を永遠のものにしましたが、このクルーズではその詩からの抜粋を、弦楽四重奏に合わせて 朗読します。奏でる音楽は、フランツ=シューベルトの「死と乙女」です。夏の間毎週火曜日の 夜に行われるこのクルーズについての詳細は、エクス・レ・バンのウェブサイトをご覧ください (www.aixlesbains.com)。 エデンの園 ローヌ・アルプ地方には自然公園が多数あるだけでなく、多くの庭園も一般に公開されています。 風景や気候の変化に合わせて異なる植物が植えてあり、各種の様式の庭園が幅広くみられ、全世 界から観光客が訪れます。フォーマルなバラ園、日本式庭園、癒しのハーブ園、アルプス式の庭 園、植物園などがあり、あらゆる職業の熱意あるガーデニング愛好者たちが、ローヌ・アルプの 自然環境を一層引き立てる見事な庭園を作り上げています。 リヨンでは、地元民にも観光客にも最も人気の高い場所の 1 つとして、中心部にあるパルク・ド・ ラ・テット・ドール Parc de la Tête d’Or があります。これはヨーロッパでは最大の都市公園で、 ニューヨークのセントラルパークにたとえられます。都市の中心部にあり、高い人気を誇るから です。この公園の 4 か所には丹念に手入れされたバラ園があり、1000 品種を超えるバラが栽培 されています。一見の価値があります。それに劣らず印象に残るのが、1800 品種ものアルプス の植物です。2006 年以降、「アフリカの平原」というエリアも設けられ、多くの訪問者を惹き つけています。特に家族連れに人気が高く、130 種もの動物たちが飼育されているのを見ること ができます。 北に移動してイゼールに行くと、ラ・ソーヌにジャルダン・デ・フォンテーヌ・ペトリファント Jardin des Fontaines Pétrifiantes (www.jardin-des-fontaines.com)という見逃せない魅力的な庭園 があります。10,000 m²の敷地にはこの地域では唯一の石化効果のある泉が湧き出で、18,000 種も の花々や低木、樹木が茂る水の庭園になっています。泉の水内の炭酸カルシウムがシダ類やコケ を水晶のように覆い、次第に固まっていき、色とりどりの植物のきらめく背景になっています。 レマン湖周辺は気候が穏やかで、庭園には理想的です。この地区の最高の庭園の 1 つが、ジャル ダン・デ・サンク・サンス(五感の庭)Jardin des Cinq Sens で、700 年もの歴史を誇る、フランス でも特に美しい村のひとつイヴォワールにあります。この庭園は中世に着想を得て、迷路が設け てあり、人間の五感に対応する 5 つの「庭園の組み合わせ」があります。ここでは、静かな庭園 の散策を楽しみつつ、植物に触れることができます。(www.jardin5sens.net)湖を巡りエヴィア ンに着くと、プレ・キュリユーPré Curieux ウォーターガーデンがあります。これは 2002 年にで きた庭園で、山岳で水が果たす役割を理解できる庭園です。この庭園は 2 つのはっきり区別でき る部分で構成されており、1 つは池に魚が泳ぎ装飾的な低木がある古典的なウォーターガーデン で、もう 1 つは野性的な、あまり明確に構成されていない部分で、湿地帯の多様なエコシステム を示しています。来訪者はエヴィアンのカジノの真向かいにある橋から、太陽光発電の船で庭園 へと移動します(www.precurieux.com)。 43 山の中へとさらに入って行くと、オート・サヴォワの楽しいリゾート Samoens には、Jaÿsinia Alpine 植物園があります。周囲の山々を眺められるこの植物園は、100 年以上も前に Samoens 生まれの Marie Louise Cognacq-Jaÿ が造園したものです。彼女はパリのデパート La Samaritaine の創設者でも あります。 世界の 5 大陸から集めた高山植物 5000 種以上が植えられています(www.samoens.com) 。 地元の花や植物– 見逃せないのは 5 月中旬から 7 月初めになると、アルプスの牧草地や山の斜面には一面に花が咲き、いろいろな 色彩とすばらしい形態を楽しめます。 ローヌ・アルプ地方の多様な風景は山々から南側の低木地、オリーブの果樹園へと変化し、そこ には何千種もの植物が育っています。その多くは希少種で保護されていますが、その例としてア ルプスランとして知られるサボ・ド・ヴェニュ Sabot de Vénus があります。これはヨーロッパで は最大のランで、繁殖力を得るまでに 7 年を要します。唇弁が割れており、花の中央部が明るい 黄色、外側の花弁は紫色に近い茶色なので、すぐに見分けがつきます。大変珍しいランです。森 林地に育ち、5 月中旬から開花します。ヴァノワーズ Vanoise とモーリエンヌで発見されました。 その他の高山植物としてはリンドウがあり、色は青あるいは黄色で、標高 2500m までの石灰岩 地帯に生育します。花弁がピンクの lis martagon など各種のユリ、釣鐘草、シクラメン(エクラ ンに生育)、ツツジ、地域固有のオダマキなどもあります。山岳の花の女王とも呼ばれ有名なエ ーデルワイスは、標高が 1500m を超える岩肌の傾斜面に育つことが多く、そのベルベットのよ うな花は真夏に咲きます。 ヴァノワーズ国立公園は真に植物の宝庫と呼べる公園で、豊富な低木や樹木、地衣類、花々が、 人が最も近づきにくい場所に生育しています。この公園に生育している植物は 1200 種ほどです が、うち 200 種は特に重要なものとされています。その例としてはバニラランがあり、これは赤 茶色の花でバニラの香りがします。また球根が手のような形をしているので、よくそれにちなん だ名前で呼ばれています。若い球根は「神の手」と呼ばれ、他方前年のしなびた茶色の球根は「悪 魔の手」と呼ばれています。soldanelle という花は藤色で房の付いたベルのような形をしており、 雪に覆われたまま育ち、雪解けよりも早く雪の上に顔を出します。最後に Alpine chardon bleu は、 名前からはアザミの仲間のように思えるのですが、実はニンジンやパセリの仲間です。この愛ら しい花はヨーロッパでは保護されており、雪崩後の小峡谷や崖のふもとの草が多い土地などに咲 き、アルプス全体で見られます。 ヴェルコール地方自然公園には無垢の自然が残され、植物や花々が栄える理想的な環境です。過 剰な開発は行われていません。ラベンダーからエーデルワイスまで、1500 種の植物が育ってい ます。ハイカーた ちも、ラッパスイセンやランの覆う地を見て、しばしば魅惑されます (www.parc-du-vercors.fr)。 Savoie の園芸に不思議な味わいを加えているのが、この地に適応したチューリップの生育です。 当初、8 種類のチューリップがサン・ジャン・ド・モーリエンヌ St-Jean-de-Maurienne とムティ エーMoutiers のあたりで自生していました。そのいずれも、世界の他の地域では知られていない 品種でした。21 世紀の初頭に、そのうち 3 種はこの地の牧草地から消えてしまい、今では 5 種 44 だけが生き延びています(Cardinal Billiet、Didier、Maurienne、Montandré、Sarrasins)。いずれも 保護され、Gap にある国立高山植物保存園で栽培されています。この植物園ではタランテーズ (Centron)ならびにモーリエンヌ(Hermillon と St-Julien-Montdenis)の山々でチューリップを増 殖するための実験も進めています。 ドロームはフランスで有機農業のトップを走る県というだけではなく、地元産品の多さでも知ら れています。農産物やワイン、化粧品です。芳香性植物や薬草の栽培では、世界一です。学名ラ ミアケアつまりミントの仲間であるラベンダーは、おそらくその例としてもっとも分かりやすい 植物でしょう。プロバンス全域で栽培されています。lavandula vera、lavandula spica、lavandula stoechas の 3 種がドローム県、アルデーシュ県、プロバンスに自生しています。ドロームの日光 に恵まれた石灰岩の斜面ではさらに他の 2 種のラベンダーが栽培され、また交配も行われていま す。夏の盛りには、ラベンダーが咲き誇ります。Lavandula latifolia、つまりスパイクラベンダー は茎の長い品種で、3 本の若い茎(スパイク)が生えて 8 月に花を咲かせます。ショウノウのよ うな強い香りがします。Lavandula angustifolia という品種は真正ラベンダーとして知られている もので、若い茎(スパイク)は 1 本だけで、短く優美な頭状花が 6 月終りから 8 月終りにかけて 咲きます。この品種の精油は質が高いため、かなり人気があります。この 2 種を交配させたラヴ ァンダン lavandin という種は栽培が簡単で、ラベンダーに比べると質は劣るものの、精油が豊富 に取れます。 45 I. 数字で見る山々 生物多様性の保護: 2 つの自然公園: ヴァノワーズとエクラン(セヴェンヌ Cévennes 国立公園も、その一部が ローヌ・アルプにあり、アルデーシュ地区の町々と接しています) 8 つの地方公園: ボージュ、ヴェルコール、ピラ、アルデーシュ山、バロニー、ピラ、オ ー・ジュラ、 リヴラドワ・フォレ Livradois Forez 3 つの山地: アルプス、ジュラ、フランス中央高地。この 3 つの山地で、ローヌ・アルプ 地方の面積の 65%を占めています フランスにある植物種の内、50%はエクラン公園に生育しています ローヌ・アルプ地方でもっとも来訪者が多いのもこれらの山々で、この地域の宿泊者の半 数は山々を訪れています(1 年を通じて) 世界最大のスキーエリア: フランスの山々の中で、一番人気(宿泊数の 65%) 冬季の観光: 6000 万人が、山々で宿泊 37% の市場占有率 4000km²の氷河 160 か所のスキーリゾート 16 のスキー場が連結 7 タイプのリゾート: 46 か所の 大規模リゾート: ヴァル・トランス、ヴァル・ディゼール、ラ・ オワザ ン、クールシュベル、アルプ・デュエズなど 47 か所のビレッジリゾート: ムジェーヴ、ヴィラール・ド・ラン、コンブルー、レ・ ジェ、ヴァノワーズなど 31 か所の新しいスキーリゾート: アヴォリア、レ・コンタミ、ティーニュなど 5 か所のクラブリゾート: レ・メニュイー、ヴァルメニエ、ル・コルビエ、ラ・タ ニアなど 20 か所のノルディックリゾート: オートラン、レ・セジエ、サン・ピエール・ド・ シャルトルーズなど 3 か所のアルティフォームリゾート: サン・ジェルヴェ・レ・バン、ブイデ・レ・ バン、サン=フランソワ・ロンシャン 29 か所のファミリープラスリゾート:ル・グラン・ボナール、ラ・クリューザ、レ・ カレイ、ヴァルモレル、レ・ドゥ・ザルプなど 46 II. 必見の場所 見逃せない場所と活動: アヌシーの湖と山々 アヌシーの愛らしい町の近くに立つアラヴィ山脈には、フランス でも最古のスキーリゾートがいくつかあります。過剰な開発を避け、昔の魅力を保っています。 南東ではアヌシー湖でセーリング・ウィンドサーフィン・釣り、また湖を囲むサイクリングロー ドでサイクリング・ローラースケートもできます。湖に接するタロワール修道院は 17 世紀の建 造物ですが、今では魅惑的な 4 つ星ホテルに改築されており、一見の価値があります。 www.aravis.com/ www.lac-annecy.com/ www.abbaye-talloires.com 氷河でハイキング 6 月から 9 月にかけて、この地域の 4000 km²に及ぶ氷河では、高山ガ イドの同伴でハイキングができます。氷河の神秘的な美しさを探り、また氷河の頂上からはパノ ラマのような眺めを満喫できます。 www.guides-du-montblanc.com シャッスザック Chassezac の峡谷 フランス中央高地とセヴェンヌの間にあるアルデーシ ュ県のシャッスザック峡谷は、この地域で最も印象的な峡谷の 1 つです。ここでは各種のアウト ドア活動ができ、ロッククライミング・渓谷下り・マウンテンバイクなど多様ですが、いずれも 環境に優しい活動です。さらに、ここでしか見られない魅惑的な景色も満喫できます。 www.ardeche-guide.com/les-gorges-du-chassezac パラグライダー この地域ではパラグライダーは欠かせないスポーツです。パラグライ ダーのクラブは 160 以上、スクールは 70 以上もあり、資格あるガイドの指導付きで、安心して パラグライダーで景観を楽しめます。そこまでは…という観光客の方々も、イカロスカップでプ ロが滑空するのを見ることができます。これは、サン・ティレール・デュ・トゥヴェ Saint-Hilaire-du-Touvet で毎年開催される、世界に知られたフリーフライトのイベントです。 www.coupe-icare.org 47 III. おすすめのアクティビティー ここだけの活動: イグルーでの一夜 ヴァノワーズの壮大な雪景色の田園地帯をハイキングした後で、イグル ーの村で北欧のような忘れられない体験をすることができます。雪だけで出来た 7m²のイグルーで、 一夜を過ごします。 www.alpes-bivouac.com 氷の下でのダイビング シャムルース Chamrousse やティーニュでは、湖の多くで観光客も 20 分から 30 分のダイビングを楽しめます。氷の下での、泡・光・色彩は、信じられないような体験を 与えてくれます。 www.divextreme.fr / www.tignes.net ヴァル・トランスのジップラインから、ワシを探す 世界最高の高さにあるジップラインが あり、サヴォワにある最も美しい氷河の一部を横断できます。オレル Orelle のトロワヴァレの最高地 点にあり、1300m の距離のジップラインです。ヴァル・トランスの峰と Funitel de Thorens の頂上とを 結んでいます。 www.valthorens.com/hiver-fr/val-thorens/evenements-et-activites/activites-sportives/la-tyrolienne.644.html テール・ヴィヴァント Terre Vivante メンス Mens にあるエコロジーパークでは、生物の生息 地や水の管理に関する展示物や、庭園を見て回ることができます。環境にやさしい暮らしの利点と最 もよい暮らし方を楽しく学ぶことができます。子供向けの各種活動もあります。 www.terrevivante.org 最も美しい眺め: メール・ド・グラス La Mer de Glace(氷の海) モンブラン、ヴァノワーズ、オート・モー リエンヌ、エクランの山々には 400km²の氷河があり、その 1 つメール・ド・グラスはフランスで最 大の氷河です。モンタンヴェール Montenvers 鉄道で行くことができ、他の地域では見られない風景 を満喫できます。 ブレヴァン Brévent ケーブルカー プランプラ Planpraz からブレヴァンの山頂に至るケーブル カーからは、シャモニーそして周囲の山々の美しい景観を楽しめます。山頂では、モンブラン周辺の 独特な景観を鑑賞しながら食事を楽しめます。 空中への一歩 ‘Le Pas dans le Vide’ ヨーロッパで最も高いところにあるアトラクションで、 シャモニー - モンブラン、エギュイーユ・デュ・ミディの高台にあります。標高は何と 3842m です。 ガラス製の箱が直下の地面から 1000m のところにあり、床がガラス製なので、足元に広がる絶景を 眺めるという他ではできない体験を楽しめます。 www.compagniedumontblanc.fr 48 IV. さらに知るには ローヌ・アルプの山々に関する情報はすべて、以下で入手できます: ローヌ・アルプ TV チャネル:www.montagne.rhonealpes.tv: discover.rhonealpes.tv 写真のセレクション: www.phototheque.rhonealpes-tourisme.com お問い合わせ Annie Martinez +33 (0)4 26 73 31 75 annie.martinez@rhonealpes-tourisme.com Céline Gomes +33 (0)4 26 73 31 68 celine.gomes@rhonealpes-tourisme.com 49 文化の宝庫 50 ローヌ・アルプ地方の限りなく豊かな文化遺産 ローヌ・アルプは、36,000 年前の人類が創作した、現存している中では最古の傑作芸術を有して おり、それはアルデーシュ県の中心部、ポン・ダルクの装飾洞窟にあります。そこには人類最初 の芸術作品があり、マンモスやサイ、ライオンなどの絵が洞窟の壁面を覆っています。ローヌ川 に面したヴィエンヌでは、ローマ時代の都市全体の遺跡が発見されています。遺跡はリヨンにも あり、フルヴィエールのガロ・ローマ劇場では、今も文化イベントが開催されています。また、 中世の村々や大小の修道院、城郭がいまだにそのまま残っています。いずれも、この地域の歴史 を伝えるものです。建築遺産とルネッサンス時代のシルク市場とが、レッドクロス地区とリヨン 旧市街に今も残っており、その一方で産業都市であるサン・テティエンヌはデザインの歴史を発 展させており、今やデザイン都市として栄え、未来的な建築を誇っています。 この地域の歴史の豊かさを、ユネスコも認めています。1998 年 12 月 5 日、リヨンの一区域(427 ヘクタール)が世界遺産に認定されました。一区域とは、リヨン旧市街、フルヴィエールの丘、 レッドクロス地区、そしてリヨン中心部のプレスキル地区です。2010 年 11 月にはサン・テティ エンヌが、ユネスコのクリエイティブシティズネットワークに登録されています。この都市では 野心的な都市再開発の戦略を設定、 1 年おきに国際デザインビエンナーレを主催しています。2014 年 6 月には、ショーヴェ洞窟がユネスコの世界遺産に認定されました。 多数のアーティストを輩出してきたローヌ・アルプは、オーギュストとルイのリュミエール兄弟 のおかげで、「第 7 の芸術」である映画の発祥地として知られています。今では映画の祭典とし て毎年、リヨンではリュミエールフェスティバルが、アヌシーではアニメ映画フェスティバルが、 さらにレ・ザルクではヨーロッパ映画フェスティバルが開かれており、その他の映画祭もありま す。この地域では、あらゆる種類の芸術が一年を通じて尊重されています。鮮やかなショー、芸 術創作、演奏会、何百ものフェスティバルがあり、四季を通じてローヌ・アルプの文化生活は内 容豊かです。 この地域の文化的魅力に最近更に加わったのがコンフルエンス博物館で、2014 年 12 月に開館し ました。科学センター兼人類学博物館で、宇宙の歴史を「4 幕」に分け、それにそって収蔵品を 展示しています。この世界を物語る「起源」、人間の劇場である「社会」、生命のネットワーク 「生物種」、そして未来のビジョンである「永遠」の 4 幕です。さらに 2015 年 4 月にはポン・ ダルク洞窟 la Caverne du Pont d’Arc が開館しました。これはショーヴェ洞窟の複製などを展示す る博物館です。 51 I. 数字で見るローヌ・アルプの文化 文化施設 この地域には文化施設が 108 か所あり、年間 10,000 人を超える来訪者を迎え入れています。2013 年の合 計入場者数は、390 万人に達しています。 ローヌ・アルプには、あらゆる種類の文化的アトラクションがあります。考古学遺跡や博物館、城、環境 博物館、美術館やポップカルチャー博物館、戦跡地や記念碑、自然史博物館などです。 2013 年、最も来訪者数の多かった文化施設は次のとおりです。 リヨン美術館; 331,447 人 グルノーブル美術館: 196,007 人 リヨンのリュミエールインスティテュート(リュミエールフェスティバルを除く): 185, 828 人 グリニャン城: 169, 497 人 アヴァン・ドルニャック – 洞窟と先史時代の都市: 152,581 人 郵便配達人シュヴァルの理想宮: 150, 864 人 リヨン リヨン現代美術館: 147, 030 人 リヨンのガダーニュ美術館 : 102, 804 人 ミニチュアと映画の博物館: 150, 425 人 パーティーとフェスティバル 180 もの文化フェスティバルがローヌ・アルプ地方で開催されています。たとえば: 111 のライブショー 31 の映画フェスティバル 33 のブックフェスティバル 芸術と歴史の都市・地域 ローヌ・アルプには、認定された「芸術と歴史の都市・地域」が 13 か所あります。 この認定は、建築や文化遺産を尊重し奨励するためのもので、こうした建築や文化遺産を探索するための 活動(ガイド付きツアー・展示・教育サービスなど)を観光客に提案します。 歴史的モニュメント 2,390 もの保護されている歴史モニュメント 出典: Departmental Monitoring of Rhône-Alpes and DRAC 52 II. 必見の場所・美術館・博物館 ローヌ・アルプのいずれの県でも、文化遺産はあなたの訪れを待っています。洞窟や城、著名人 の住居、大小の修道院、美術館、博物館などが豊富にあり、この地域の歴史を伝えています。 美術館・博物館 リヨンの街には、文化が息づいています。リヨンの中心部には、フランスでも最大級の美術館の 1 つ、リヨン美術館があります。17 世紀の壮大な建築物の中に入ると、70 もの部屋があり、古 代から現代芸術に至るまでの歴史をたどることができます。収蔵されている絵画には、ルーベン ス、モネ、ピカソなど、世界を代表するすぐれた画家の作品も含まれています。ローヌ川の対岸 にはガダーニュがあり、ルネッサンス建築を代表する建物の内部は、リヨン歴史博物館と世界操 り人形博物館になっています。そしてリュミエール・ヴィラ Lumière Villa にあるリュミエールイ ンスティテュートには映画博物館もあり、ルイ=リュミエールが 1895 年に発明した映画技術につ いて、芸術的・科学的・歴史的な旅をすることができます。そのすぐそばにある「格納庫」と呼 ばれる場所は、映画の歴史で初めて利用された撮影セットで、リュミエールの最初の映画”Sortie de l’Usine Lumière de Lyon” (工場の出口)で使用したものです。映画の歴史がはじまった場所で す。またインターナショナルシティにある現代美術館は企画展を専門としています。最後にリヨ ンとサン・ロマン・アン・ガルにあるガロ・ローマ博物館では、この地域のガリア時代の遺跡に 光をあてています。陶磁器、宝石、彫刻などが、浴場やローマ式劇場といった考古学遺跡のそば に並んでいます。 www.mba-lyon.fr/ www.gadagne.musees.lyon.fr /www.institut-lumiere.org/ www.mac-lyon.com /www.musees-gallo-romains.com グルノーブルの街には、”Le Rouge et Le Noir”(赤と黒)の作者であるスタンダールが 1783 年に 生まれており、訪れる人たちはこの偉大な作家の作品と生涯を再発見できます。スタンダール博 物館にはスタンダールの祖父のアパートやスタンダールが育ったアパートも含まれており、さら に収蔵されている図書もあります。 グルノーブル美術館には 900 点以上の作品が収蔵され、13 世紀から 21 世紀までの西洋絵画の旅 ができます。ここには偉大な作品が並んでおり、その一例がフランスにあるマティスの作品とし ては最も重要な”Intérieur aux Aubergines”(ナスのある室内)です。さらにフランドル、オランダ、 イタリア、スペインの古典的傑作やエジプトの遺物なども展示されています。 www.bm-grenoble.frwww.grenoble-tourisme.com / www.museedegrenoble.fr 産業都市サン・テティエンヌにはサン・テティエンヌ芸術産業博物館があり、Etienne 地域の過 去・現在・未来を区別して紹介しています。国際的に評価の高い 3 種類のコレクション、武器・ 自転車・リボン類が収蔵されています。 またサン・テティエンヌ近代美術館には 19,000 点以上の作品が集められており、その多くは 21 世紀の作品ですが、古代の芸術作品もあります。モネやピカソ、マニェッリ、レジェなどの作品 が収蔵されています。 53 www.musee-art-industrie.saint-etienne.fr / www.mam-st-etienne.fr シャンベリーの中心部には美術館があり、14 世紀から 17 世紀までのイタリア絵画について重要 な収蔵品を有しています。画家バルトロ=ディ=フレディの聖三位一体画をはじめ、フィレンツェ やヴェネツィア、ナポリ、ボローニャの美しい作品が収蔵されています。 www.musees.chambery.fr ヴァランス旧市街の歴史的中心部にある古い司教館には、ヴァランス美術館があります。ここの 収蔵品は人類と芸術の歴史をたどっており、この地域の先史時代から現代芸術に及びます。特に 注目に値するのは、17 世紀のユベール=ロベールの絵画のコレクションです。 ロマン・シュル・イゼール Romans-sur-Isère にある国際靴博物館は聖母の訪問修道院の古い建物 にあり、古代から現代までの靴類 2 万点以上が収蔵されています。古代エジプト人のミイラ化し た足から、マスケット兵のブーツ、中国女性の靴まで、各種の展示品があります。 www.museedevalence.fr / www.ville-romans.fr 宗教施設 リヨンの北 Ain 県の重要な文化施設の 1 つに、ブール・カン・ブレス Bourg-en-Bresse のブルー王 立 Royal Brou 修道院があります。これはゴシック建築の傑作で、マルグリット・ドートリッシュ が自分の夫であったサヴォワ公フィリベールの埋葬の地として建てたもので、夫への愛の証です。 この夫婦は、フィリベールの母親とともに、今もこの地に眠っています。この霊廟には 3 つの壮 大な墓があるとともに、壮麗なアーチ形天井のある部屋や、各種の回廊もあります。 www.brou.monuments-nationaux.fr ピラ地方公園のそばに立つグランド・シャルトルーズ博物館では、好奇心旺盛な来訪者がカルト ゥジオ修道会の秘密を、文書や映画、日用品などから学ぶことができます。 www.musee-grande-chartreuse.fr ブルジェ湖の岸辺にあるオートコンブ修道院 Abbaye de Hautecombe は、12 世紀から 15 世紀に かけて、大きな精神的影響力を有していました。トルバドール風ゴシック建築の優れた実例です。 17・18 世紀には、サヴォワの谷はバロック様式に占有されます。今でもたくさんの作品を、お もに「バロックの道」をたどって、実際に見ることができます。この道は 80 か所をつなぐもの で、ガイド付きツアーにも、自由旅行にも使えます。 www.fondation-facim.fr 遺跡と先史時代 アルデーシュ県には、歴史遺跡が多数あります。アルデーシュ峡谷とセーズ Cèze の谷の間にあ るオルニャック遺跡・自然センターGrand Site of Aven d’Orgnac は、探索に 1 日を過ごすにはもっ てこいです。先史時代博物館 Cité de la Prehistoric では、技術と遺跡とを融合させ、旧石器時代か ら初期鉄器時代までがインタラクティブな形で展示されており、先史時代の日常生活の核心を学 54 ぶことができます。この場所にはさらに鍾乳洞もあり、地下 121m を冒険して、詩的で空想的な 世界を織りなす地質学上の宝を発見できます。 www.orgnac.com 特筆すべき場所 グリニャンの村を望む城があり、これは最も美しいルネッサンス様式の城の 1 つと考えられてい ます。17 世紀には、マルキーズ・ド・セヴィニエ Marquise de Sévigné がこの城に娘とともに暮ら していました。家具や芸術作品、応接室などが残っており、当時の暮らしが分かります。夏のナ イトフェスティバルの間には毎夜、この城で演劇が催されます。 オートリヴ Hauterives では、1879 年に、郵便配達をしていたシュヴァル Cheval という人物が、 配達中に奇妙な姿の石を発見しました。その翌日、そのような石をもう 1 つ見つけた彼は、おか しなプロジェクトをはじめました。そうした石で、理想の宮殿 Palais Idéal を建設しようというも のです。植物の生い茂る庭園に、人が住めない宮殿、各種の動物が住まう宮殿を建てようとした のです。タコ、鹿、クロコダイル、象、ペリカン、鳥、クマ、さらに巨人や妖精たち、神話の登 場人物が住まう、滝や全大陸からの建築様式を集めた宮殿です。まさしく、分類不可能な建築作 品です。「理想宮」はこの 100 年以上、芸術家たちを鼓舞してきました。建築の規則にまったく 従っていない理想宮は、シュールレアリストたちの称賛を浴びました。アウトサイダーアートの 作品として認められており、1969 年には当時の文化大臣アンドレ・マルローAndré Malraux によ り、「ナイーブアート」という称号のもと、歴史的モニュメントに認定されました。 www.chateaux.ladrome.fr /www.facteurcheval.com ル・コルビジェがヨーロッパで建てた建築の内、 もっとも重要なものの1つが、フィルミニ Firminy にあります。コルビジェの建築物には、若者向けの文化センター、住居、自治体のスタジアム、 サン・ピエール教会、プールがあります。 さらに北に向かうと、バティ・デュルフェ Bâtie d’Urfé 城には、入口のスフィンクス、イタリア 絵画から、城のチャペルにある有名な岩の洞窟まで、ルネッサンス期のあらゆる芸術が集められ ています。さらにこの場所では、夏の”L’Estival de la Bâtie”の期間中に夜のショーが催されます。 www.ville-firminy.fr / www.loire.fr オート・サヴォワのアヌシー城は、ジュネーヴ伯爵そしてジュネヴォア・ヌムール公爵たちがか つて暮らした城で、1959 年に歴史的モニュメントに指定されました。その建築だけでも一見の 価値がありますが、美術館も併設しており、湖畔での考古学的調査からの収蔵品、中世の彫刻、 風景画、現代アート、アニメ映画などが展示されています。 www.musees.agglo-annecy.fr 55 魅惑的な村と町 ローヌ・アルプにある村々のいくつかは、「フランスでもっとも美しい村」に選ばれており、寄 り 道 を し て も 訪 れ る だ け の 価 値 が あ り ま す 。 ロ ー ヌ ・ ア ル プ 地 方 (www.les-plus-beaux-villages-de-france.org)には、13 のそうした村があります。Ain の麗しい中世 の村ペルージュは、かつて織物の重要な中心地でした。アルデーシュ県の Vogüé と Balazuc には、 丸い瓦で葺かれた屋根をもつ家屋や中世の通りが並びます。ドロームの La Garde Adhémar、 Mirmande、Montbrun les Bains、そして Le Poët Laval。イゼールの Saint-Antoine-l’Abbaye には、屋 根つき市場と木骨造りの家屋が並んでいます。イヴォワールは湖畔に佇む中世の村。オート・サ ヴォワの Sixt-Fer-en-Cheval はアルプスの村。Loire の Sainte-Croix-en-Jarez は以前カルトゥジオ会 の修道院でしたが、今ではほとんどが住宅になっています。ローヌにある中世の村オワンは、金 色の石でできた家々がブドウ畑に囲まれた村。そして Bonneval-sur-Arc は、ヴァノワーズ国立公 園のそばの村です。 アヌシーは魅力にあふれた町です。中世の街路、運河のネットワーク、昔の建築、山々を望む湖 畔という位置。これらが相まって、ローヌ・アルプ地方のなかでも最も美しい観光地のひとつに なっています(www.lac-annecy.com)。 サヴォワ渓谷にある村々には魅惑的な伝統があり、美しいバロック様式の教会が合計でおよそ 60 か所あります。いずれも手の込んだ金メッキや手工芸品、様々なすばらしい職人技で飾られ ています。この人里離れた地域の魅惑的な日常生活は、ある面では昔からほとんど変わっていま せん。さらに詳しくは、www.fondation-facim.fr をご覧ください。 III. ローヌ・アルプで優雅な体験を ローヌ・アルプでは各種の優雅な体験を満喫できます。おいしい食事、世界でも最高水準のワイ ン、5 つ星ホテル、ここだけにしかないブティックなどです。この地域には 5 つ星ホテルが 21 軒もあり(フランス全体で 99 軒の 5 つ星ホテルがあるうちの 21%)、そのうち 15 軒はこの地域 の山岳地帯にあります(クールシュベル だけで 11 軒)。リヨンには 3 軒、エヴィアンには 1 軒、 また 2 軒はミシュランで星を獲得したシェフのジョルジュ・ブランとアンヌ=ソフィー・ピック が経営しています。 流行のスキーリゾート ローヌ・アルプには、世界で最も洗練されたスキーリゾートがいくつかあり、一例としては、1910 年にロスチャイルド家が開設したムジェーヴがあります。最近ではトム=クルーズのようなセレ ブが、そのよく整備されたスロープや豪華なシャレー、また Fermes du Grand Champ や Fermes de Marie のようなホテルに魅惑され来訪しています(www.megeve.com)。クールシュベルはアルプ スでも最高のラグジュアリーリゾートのひとつとして昔から有名で、3 つの谷に渡る大きなゲレ ンデ、そして質の高い宿泊施設、レストラン、ショップ、ナイトクラブがあります 56 (www.courchevel.com)。同じく名高いリゾートヴァル・ディゼールでは、超クールなナイトラ イフと素晴らしいスキー体験をともに味わえ、しかも建物の様式は伝統的で、美しい木材と石材 で建てられています(www.valdisere.com)。 極上のスパでの休暇 ローヌ・アルプを訪れる人々の間では、スパでの休暇が人気を高めています。また、新しいスパ 施設を設けたり、既存のスパを改築したりするホテルが増えています。レマン湖岸にあるリゾー トエヴィアンには、スパのある 5 つ星ホテルが 2 つあります。Hôtel Hilton には 170 の客室に加え スイートルームがあり、その Buddha Bar Spa というスパは、クールな雰囲気に溢れています。ト リートメントとしてはオリエンタルマッサージ、ホットストーン、スティームルーム、アジア風 の各種トリートメント、屋内プールと屋外プール、フィットネスエリア、ヨガやピラティスのク ラスがあります。このスパは、宿泊者と来訪者の両方が利用できます(www.buddhabar.com)。 エヴィアンを見下ろす斜面に立ち、湖の対岸のローザンヌを眺められる場所にあるのは、優美な ホテル・ロワイヤル Hôtel Royal とそのエヴィアン・ソース・スパ Evian Source Spa です。ここで は、ほとんどのトリートメントが受けられ、施設には 34 の個別トリートメントキャビン、屋内 プール、スティームルーム、ジャグジー、アクアジムプール、ジム、ウェイトトレーニングルー ムがあります(www.evianroyalresort.com)。 リヨンでは Sofitel ホテルに、Le Sofit というウルトラモダンなスパがあります。個室のマッサー ジルームが 2 つ、トリートメントシャワー、スティームルーム、SHA チェアがあり、くつろげる 照明と音をマッサージと組み合わせています(www.sofitel.com)。また Charbonnières-les-Bains の中心部からほど近い距離のところにある Le Pavillon de la Rotonde は 5 つ星のホテルで、やはり ミシュランから星を獲得したレストランとスパがあります(www.pavillondelarotonde.com)。 アン県のヴォナ Vonnas にはジョルジュ・ブランのホテルとレストラン、洗練された Mosaic Spa の混合施設があり、やはりミシュランから星を獲得しています。豪華なスイミングプール(水流 マッサージジェット)、トリートメント用個室、オリエンタルマッサージトリートメント、パワ ープレートエクササイズマシンなどを備えたこのスパは、レストランでの美食と相まって、最高 の体験を約束します(www.georgesblanc.com)。 ジュネーヴ空港からわずか 10 分の位置、同じく Ain 県にある 5 つ星の JivaHillPark Hotel にはスパ センターがあり、ここの屋内プールの窓からは、緑濃い田園風景を望めます。また、ジャグジー、 サウナ、スティームルーム、そしてカリタビューティートリートメントもあります (www.jivahill.com)。また 4 つ星の Château de Pizay はボージョレ地区のブドウ畑の間に立ち、 14 の客室と 48 の二階式スイート、美味しいレストラン、最近できたスパ施設があります。ワイ ンをテーマにしたトリートメントを楽しめます(www.chateau-pizay.com)。 57 RHÔNE-ALPES でのお買いもの: ファッション、装飾品、手工芸品 買い物中毒の方がローヌ・アルプに来れば、欲しいものがいくらでも見つかります。特にリヨン などの都市の洗練された通りを歩けば、デザイナーブティックやチョコレート店、アンティーク ディーラー、宝飾店などが多数並んでいます。カルティエ、エルメス、ヴィトン、ディオールと いったフランスのトップブランドもありますが、少し違う自然な感覚を備えた独立系ショップの 方が面白いです。 パリでも世界でも今や確立したブランドとなっているラグジュアリー市場のビッグネームのう ちいくつかは、ローヌ・アルプの発祥です。今でもこの地域に本拠を置いているブランドも少な くありません。高品質のレザー品やペン、ジュエリー、たばこ用ライターを作っている S.T.Dupont は、140 年ほど前にサヴォワ生まれのシモン・ティソ=デュポン Simon Tissot-Dupont が始めたも のです(www.st-dupont.com)。1978 年にダニエル・パイヤスーDaniel Paillasseur が最高級宝飾商 を始めたのも、リヨンでのことでした。彼の Korloff ブランドは、今では 43 か国で販売されてい ます(www.korloff.fr)。 Zilli はフランスで販売額首位の男性向けラグジュアリーファッションのブランドですが、1960 年 代後半にリヨンで設立されたものです。今では、全世界で 30 か所の小売店舗を有しています (www.zilli.fr)。服飾デザイナーMax Chaoul (www.maxchaoul.com)が最初のスタジオを開いた の も リ ヨ ン で 、 そ の 後 2 つ の ス タ ジ オ を パ リ に 設 け ま し た 。 Nicolas Fafiotte (www.nicolasfafiotte.com)もやはりリヨンに本拠を置いています。両社とも、ブライダルとイブ ニングウェアのコレクションで、国際的名声を得ています。Corinne と Pierre Bonnet の両デザイ ナーは Zoe Bonbon というジュエリーシリーズをリヨンで確立、樹脂製のビーズを色彩豊かな数々 の方法で組み合わせています(www.zoebonbon.com)。 ラグジュアリースキーブランドも、ローヌ・アルプでは重要な存在です。有名な Aallard がムジ ェーヴでスキーパンツを製造、厳しい顧客からも満足を得ています(www.aallard.com)。またダ ウンジャケットの Moncler はフランスのブランドで、グルノーブルの発祥です。今では世界中に 店舗を構えています(www.moncler.com)。 58 IV. ローヌ・アルプの映画 – 過去と現在 映画観光地といえば、その多くは現代の映画製作にかかわるものですが、ローヌ・アルプ地方は 映画との根本的なつながりを有しています。このつながりは、リュミエール兄弟がシネマトグラ フを発明した 19 世紀末にさかのぼります。この兄弟はリヨンを本拠にしており、商業メディア としての映画の発明者として認められています。つまり、有料での一般公開映画をはじめて上映 しました。兄弟の実家はリヨンのモンパジール地区にあるブルジョアの邸宅で、現在ではリュミ エールインスティテュートが使用しています。各種の内容豊かな展示が、リュミエール兄弟と映 画の発展の歴史とを説明します。この映画博物館は、月曜日と一部の祝日を除き、一般に公開さ れています(詳しくは、ウェブサイト www.institut-lumiere.org をご覧ください)。 RHÔNE-ALPES での映画撮影 この地域と映画製作との関係は、今も発展し続けています。有名なフランスの俳優にして劇作家、 監督の故 Roger Planchon はロワール県の生まれで、1960 年代にリヨンで影響力の強い劇団を設立、 1990 年には、Rhône-Alpes European Film Centre を設立しています。現在このセンターは主に 3 つ の活動をしています。1) 「ローヌ・アルプ・シネマ」は、地域の共同制作基金で、この地域で の映画製作を推進する地域当局からの支援を受けて活動しています。2) 「ローヌ・アルプ・ス タジオ」はリヨンに 3 か所ある施設で、映画会社に貸し出しています。3) 「ローヌ・アルプ・ フィルムコミッション」は映画会社に対して、ロケ地探しのための設備の提供と撮影中のロジス ティクスの支援を行っています。ローヌ・アルプ・シネマは設立以来、200 本以上の映画を共同 制作しています(毎年、10 本から 15 本)。パリ/イル・ド・フランス地方を除くと、映画に出 資する組織としては第 2 位の規模です。詳しくは、ウェブサイト www.rhone-alpes-cinema.fr をご 覧ください。 59 V. おすすめ情報 2015 年の新情報 コンフルエンス博物館 ローヌ川とソーヌ川の合流地点に立つコンフルエンス博物館は、水晶と 雲とをかけ合わせたような大きな建造物の中心にあります。この博物館の 17 世紀にまでさかのぼる収蔵品 は、学者にもアマチュアにも、尽きざる好奇心の対象です。200 万点を超える収蔵品が常設展と特別展で 展示され、隕石、アンモナイト、コーチン鶏、現生人類の骨、侍の甲冑などもあります。 www.museedesconfluences.fr ショーヴェ - ポン・ダルク Chauvet-Pont d’Arc の洞窟 1994 年に発見された、ヴァロン・ポン・ ダルク Vallon-Pont-d’Arc にある装飾洞窟は、多数の壁画がよく保存されているため、実に魅惑的です。現 在知られている主な芸術作品の中では、最古のものと見られています。そこで、ポン・ダルクの洞窟プロ ジェクトが始まりました。この洞窟について可能な限りのものを発見するため、アルデーシュ峡谷で大規 模な復元作業が始まったのです。このポン・ダルク洞窟の復元は文化的・科学的・技術的プロジェクトで、 第 1 段階としてこの洞窟の壁画や彫刻、また地質的・建築的要素の復元が行われています。地下の環境の 特徴(低温・高湿度・暗さ)も丹念に再現していきます。2015 年 4 月 25 日に開館しました。 www.cavernedupontdarc.fr 主な催し 国際デザインビエンナーレ Biennale International du Design デザイン・シティ Design City と共同 で行われるこのフェスティバルは、3 月中旬から 4 月中旬までサン・テティエンヌで開催されます。フラ ンス内外の芸術家たちを招待し、それぞれのデザインのあり方を示してもらいます。このフェスティバル の間、サン・テティエンヌとその周辺では多数の催しや展示が行われます(奇数年に開催)。 www.biennale-design.com 恐怖小説フェスティバル Thriller Fiction Festival 3 月には、恐怖小説に関する見逃せないイベント がリヨンで開催されます。今ではフランスとヨーロッパの文化的風景の一部となったこのフェスティバル は、書物の出版に携わる専門家たちと一般市民の両方に知られており、このフェスティバルの各イベント には両者が毎年参加します。 www.quaisdupolar.com 音楽の夜 ニュイ・ソノール Nuits Sonores – Nights of Sound 質の高いイベントとして今ではヨー ロッパ全体に知れ渡っている「音楽の夜」は、10 万人の聴衆と 250 人の音楽家が毎年、開催都市に広がる 50 か所ほどの会場でコンサートを開きます。会場としては、画廊、映画館、美術館、博物館などがありま す。電子音楽、インディーズ、デジタル音楽、視覚文化などにとっては最大のイベントです。全世界から 音楽家を招き、5 月中旬まで続きます。 www.nuits-sonores.com フルヴィエールの夜 Les Nuits de Fourvière 劇場芸術の催しであるフルヴィエールの夜では、60 近 くのショーが催され、毎年 15 万人以上の観衆が集まります。6 月から 2 か月間続き、演劇・音楽・舞踏・ 60 サーカス・オペラについて、各種の現代的なプログラムが、フルヴィエールのローマ劇場やその他の文化 施設で繰り広げられます。 www.nuitsdefourviere.fr ジャズ・イン・ヴィエンヌ Jazz in Vienne 6 月後半の 2 週間、ジャズ・イン・ヴィエンヌフェステ ィバルでは、この町全体をジャズが占拠します。若い人たちへの教育を目的として、無料で公開のコンサ ートが行われます。ヴィエンヌの華麗な古い劇場でのコンサートには、特に熱心なジャズファンが陣取り ます。このコンサートには、毎年ジャズの著名人たちが出演します。 www.jazzavienne.com ミュージラック Musilac 毎年夏、ローヌ・アルプ地方では最大のポップ・ロックのイベントが、 エクス・レ・バンで開催されます。7 月に 4 日間にわたり、ロックの著名人や、フランスおよび世界の新 星ミュージシャンが湖畔にある 2 か所のステージで演奏し、湖と山々の間の活気あふれる雰囲気の中、あ わせて 30 のコンサートが開催されます。 www.musilac.com ベルリオーズフェスティバル 毎年夏、8 月下旬にサン・タンドレ Saint-Andre の湖畔でロマン派 の天才作曲家エクトル=ベルリオーズをたたえる音楽会が、彼の生まれたこの地で開かれます。プログラム としては、ルイ 11 世の城の中庭、街路、中世時代ホール、トル=ベルリオーズ博物館で演奏会があります。 国際的に知られたフェスティバルで、毎年 25,000 人以上の聴衆が集まります。 www.festivalberlioz.com アンブロネ Ambronay フェスティバル アンブロネという村では毎年 9 月に、ヨーロッパでも最大 級の古楽フェスティバルがあります。このイベントでは、この村の最も重要な場所であるアンブロネのノ ートルダム修道院で音楽が演奏されますが、それはこの修道院の建物に独特の音響効果があるからです。 www.ambronay.org/Festivals リヨン・ビエンナーレ 偶数年の 9 月から 1 月にかけて、リヨンではダンスのビエンナーレが行 われます。ショーや会議だけでなく子供たちのダンスコンテストまであるので、誰にでも魅力のあるイベ ントです。奇数年には現代芸術ビエンナーレが開催されます。 www.labiennaledelyon.com リヨンのリュミエールフェスティバル リュミエールインスティテュートとリヨン広域行政圏に よって行われる映画祭で、毎年 10 月に開催されます。古典映画を中心とするプログラムで、昔の映画や復 元された映画の再上映も行われます。リュミエール賞は映画の歴史への多大な貢献をたたえる賞で、映画 界で優れた業績を達成した人々に授与されています。この 2 年間での受賞者は、2013 年にはタランティー ノ、2014 年にはアルモドバルでした。 www.festival-lumiere.org リヨンの光の祭典 La Fête des Lumières 従来は 12 月 8 日のイルミネーションフェスティバルと呼ばれて いた、この「光のフェスティバル」は、毎年 12 月 8 日から 4 日間開催されています。リヨンだけにある文 化遺産やモニュメント、公園、川を、ライトとビデオを使って浮かび上がらせ、音とともに活きた芸術を 創り出します。 www.fetedeslumieres.lyon.fr 61 VI. さらに知るには ローヌ・アルプの文化について:www.inrhonealpes.com (“Press”セクション) ローヌ・アルプ TV チャンネル:www.culture.rhonealpes.tv/www.discover.rhonealpes.tv ローヌ・アルプの文化に関する Twitter のアカウント:www.twitter.com/Culture_RA 写真のセレクション: www.phototheque.rhonealpes-tourisme.com お問い合わせ Sylvaine Vallini +33 (0)4 26 73 31 69 sylvaine.vallini@rhonealpes-tourisme.com Sophie Vaissellet +33 (0)4 26 73 31 65 sophie.vaissellet@rhonealpes-tourisme.com 62 すべての人のためのローヌ・アルプ 63 ローヌ・アルプではいろいろな観光を楽しめ、皆様のご期待に応えられます。ご家族連れ、サマーキ ャンプ、若い方、ご年配の方、商用でのご旅行など、多様な方々のニーズに合った滞在をお楽しみい ただけます。ヴァロワール Valloire にてマウンテンバイクでのサイクリング、自然の中でくつろぐ週 末、サマーキャンプで山々を探索、城の中でチームの絆を強める、リヨンでの食の旅、そして…。 こうした楽しみも、良い宿泊施設がなければ、満喫できません。ローヌ・アルプにはフランスの中で も特に宿泊施設が集中しており、多数のホテルやキャンプ場、ユースホステル、観光用のレジデンス、 休暇村などがあります。合計でのベッド数は 68,400 床にものぼります。多様なご期待をお持ちの方々 それぞれに対応できるよう、多くの宿泊施設では様々な活動やパッケージ、ご滞在内容を用意してお ります。 こうした努力の結果、ローヌ・アルプ地方には多様な観光客の方々が訪れています。この地域をより 広く探索しようという方々、宿泊施設でくつろぎ計画された活動を楽しむ方々など、様々です。この 地域に不慣れな方やフランス語が得意でない方にも楽しめる地域です。ガイドブックに頼ったり、そ の出版社に問い合わせたりする必要はなく、準備はすべて整っているからです。 時代の流れに合わせた施設のほとんどは、身体を動かしにくいお客様にも容易に利用でき、また、持 続可能な開発という方法を採用しています。こうした取り組みを証明するため、“Green Key”宿泊施設 という認定制度があります。また、自然の中での活動の推進や地元産品の購入、社会の連帯を強める ための観光などを行っています。9 歳から 17 歳までの若い人たちに、環境や市民としての義務などに ついて毎年教える Florimontains という場所もそうした場の 1 つです。休暇村のレ・バルコン・デュ・ ラック・ダヌシーLes Balcons du Lac d’Annecy でも、家族連れを対象にこの地域の土地や生態系の豊か さを体験できる場を提供しています。 若者のために: UCPA に泊まろう! UCPA ならではの特徴: だれでも参加できるスポーツアドベンチャーを企画。出逢いや友達作り、発 見の場所。一言でいえば、社会の絆の源としてのスポーツの場。 社会的企業である UCPA は、80 種類以上もの体育活動を熟知していることで知られています。UCPA では、これらの活動を、最高の場所で体験できます。スポーツと社交と分かち合いとが融けあった、 UCPA ならではの雰囲気の中で、 子供も 10 代の若者も大人も忘れられないスポーツ体験が得られます。 UCPA では 16 歳から 25 歳までの宿泊者を優先しており、スポーツを通して若い人たちの自立を支援 しています。そのために専門家からの助言や教育、すべてのスキルレベルに対応できる設備や練習場 所などを用意しています。またここに宿泊する若い人たちの半数は、経済的な支援も受けています。 ローヌ・アルプには UCPA のセンターが 16 か所あり、若者が山々の魅力を体験したり、冬・夏を問わ ず各種の活動を楽しむうえで、UCPA の支援を受けやすい地域です。活動としては、渓谷下り、マウ ンテンバイク、ハイキング、スキー、ロッククライミングなど多数あります。あらゆる活動に対応で きる UCPA では、優れた指導を行うとともに、スポーツ用品・設備、食事などもすべて備わった宿泊 所も用意していますので、申し分のない体験ができます。 64 注目: 今年の夏、 UCPA では大きな経済的負担なしに休暇を楽しみたい 16 歳から 25 歳までの若者を対象に、 アルジャンティエール Argentière とレ・ザルク les Arcs で下記のプログラムを始めます。充実したア ドベンチャーや楽しい休暇を望む 16 歳から 25 歳の方は、個人で選んだ複数のスポーツを満喫できま す。スポーツ活動の例としては、ラフティング、ロッククライミング、ハイキング、マウンテンバイ ク、綱渡り、ロープに関するコースなどがあります。夏が待ち遠しいですね! 1. 16 歳から 25 歳向け: いつでもスポーツができます! 日常を離れ、広い場所でスリルを満喫したいですか? Happy Argentière と Happy Les Arcs では複数のスポーツを楽しめる 3 種類のプログラムを実施します。16 歳から 25 歳 までの若い方には、山のあらゆる楽しみを堪能できるチャンスです。 Happy Argentière このプログラムでの活動としては、ラフティング、ロッククライミング、ハイキング、マウンテンバ イク、綱渡り、オリエンテーリングに加えて、世界的に知られている場所 エギュイーユ・デュ・ミ ディを探索できます。 6 泊 7 日、7 月 5 日から 8 月 23 日まで、費用は€460 から。 Happy Les Arcs このプログラムでの活動としては、麗しいアルク地域でのマウンテンバイク、ハイキング、ロープに 関するコース、世界的に知られているイゼールでのラフティングがあります。 6 泊 7 日、6 月 28 日から 8 月 23 日まで、費用は€460 から。 * UCPA のプログラムの費用には、すべての食事、宿泊、コーチング、設備が含まれています。 2. 学生向け Happy Ski** Happy Ski : スキーやスノーボードのための 1 週間の休暇です。交通手段の手配が不要な場合には費用 は€475 から、交通手段の手配が必要な場合には€540 からです。シャモニー、アルジャンティエール、 フレンヌ・アルタイル Flaine Altaïr、 フレンヌ・レ・ランダール Flaine les Lindars、コンタミネ Contamines、 オワザン 1800、ティーニュ、ヴァル・トランスの各リゾートから選択できます。このプログラムに は、すべての食事、宿泊、講師による短時間の集団指導、リフトの乗車券、設備類が含まれます。 ** 条件: 参加者は 19 歳以上。学生証あるいは奨学金の証明書を提示していただきます。センターに 到着する日において有効な証明書が必要です。この“Happy Ski” プログラムの申し込みは、次のウェ ブサイトでのみ可能です: http://www.ucpa-vacances.com 65 I. ローヌ・アルプ地方の主な数値 このローヌ・アルプ地方での宿泊施設は 3 種類に分類でき、合計のベッド数は 229,500 で、毎年 の宿泊数は 2150 万泊にのぼります。 観光客用レジデンスなど 518 か所の観光客用レジデンスと居住型ホテル(フランス各地域中最多) 179, 000 床のベッド(フランス全体の 27% ) 2013 年、1660 万泊(75%)29%が国外から 年間の来訪者の内 68%が冬季(夏季は 29%) 休暇村や民宿 195 か所の休暇村(PACA についで第 2 位) 44,440 床のベッド(フランス全体の 16%) 2013 年、410 万泊(3%)。15%が国外から 運営形態による宿泊施設の分類: 団体: 73% 営利企業: 23% 地方政府: 3% ビジネスコミッティー: 1% 社会的・連帯ツーリズムを運営する大型の諸団体は、2013 年に 160 万泊を得て、収入合計は 1300 万ユーロに達しました。 ユースホステル・国際センター・スポーツセンター 80 万泊 19%は国外からの宿泊者 休暇センターは主に、学校単位での旅行やキャンプを対象としています。 447 か所の施設(3 か所の山岳県に、その 80%) 冬季には 160 万泊 学校の旅行: 46.3% キャンプ: 28.1% その他: 25.6% 夏季には 841,000 泊 キャンプ: 70.2% その他: 29.8% 66 II. 必見の場所 AEC Forgeassoud 伝統的な山村サン・ジャン・ド・シス Saint-Jean de Sixt からわずか 2km のところにあるフォルジェス Forgeassoud 休暇村は、夏と冬に家族連れを受け入れています。標 高 1000m の位置にあり、サヴォワ式の宿泊施設だけでなく、地元の産品や料理もありますので、 アラヴィ山脈のそばで本格的に楽しく滞在できます。夏には、緑の景色や新鮮な空気、サウナや プールなどによって、大自然の中でくつろいで休暇を過ごすには完璧な場所となります。冬には、 ここを拠点に多くの活動を満喫できます。アルペンスキー、ノルディックスキー、そり、スノー シューズでの散策などです。このリゾートは子供たちにも対応しており、雪の庭園や動く歩道、 バンパーの設けてあるそり用斜面、 さらに 3 歳から 17 歳までの子供向けの各クラブもあります。 www.aec-vacances.com/fr/individuels/destinations/saint-jean-de-sixt/presentation.html UCPA Val Thorens ヨーロッパで最高の標高にあるヴァル・トランスの UCPA センターは、 元の建物を維持しつつ、最近改装を行いました。ここでは一人一人の希望に合わせた、スポーテ ィーな宿泊を満喫できます。スパでのトリートメントから数々の冬の活動までを含む「レジャー スキー」パッケージから、専門家の指導の下で高所からのスキーに挑戦する「3 大渓谷急降下」 パッケージまで、理想的な ヴァル・トランスのスキー環境の中で、高品質の施設と標高の高さ とを堪能できます。スキー・スノーボードのためのキャンプも歓迎します。 www.ucpa-vacances.com/centre/val-thorens Lou Capitelle Lou Capitelle 休暇村は、ヴォーグ城の前、アルデーシュ県との境界にあると いう理想的な場所にあり、「フランスで最も美しい村」の 1 つに登録されています。3 歳から 17 歳までの子供向けの各クラブもあるので、家族連れでの休暇には最適です。温かい歓迎の後、休 暇客は川岸の部屋、素敵なレストラン、毎夜のプログラム、温水プールなどを満喫できます。や ることは毎日ふんだんにあり、散策や洞窟探検、渓谷下り、さらに本当の冒険家にはカヌーでの アルデーシュ峡谷下りまで可能です。プログラムは、自然とその資源を活用し尊重するものにな っています。 www.loucapitelle.com Valloire la Pulka ガリビエ Galibier のふもとにあるテルネリア・ヴァロワール・ラ・プル カ Ternélia Valloire La Pulka 休暇村は、サイクリングの初心者にも経験者にも適した場所で、サイ クリング公園を走ることもできれば、コル・デュ・ガリビエ Col du Galibier を登り、その山頂で 息を呑むような周囲の風景を楽しむこともできます。部屋もエレベーターも、自転車用にできて います。冬には、このリゾートのそばでスキーやスノーシューズ、犬そり、スピードフライング などが可能です。さらに施設の中にサウナや蒸気風呂、屋内温水プール、リラクゼーションマッ サージ室なども備わっているので、心地よい雰囲気の中で静かな休暇を満喫できます。 www.ternelia-chemins.com 67 Huttopia Dieulefit 家族連れや友達グループでの休暇なら、ユートピア・デュレフィ Huttopia Dieulefit の田園らしい環境はもってこいです。ラベンダーの野原と緑の山々の間にある このリゾートにはキャンパーやトレーラー、ビジター用テントなどが並び、日常から離れたい人 たちが集まっています。自然の中で滞在するためのキャビンや小屋も利用できます。さらに、池 での水泳やサイクリング、乗馬、木登りなどの屋外活動も可能です。好奇心の強い方はラベンダ ーの蒸留所を見学したり、地元のワインの試飲、周囲の村々の散策なども楽しめます。 www.france.huttopia.com/fr/destination/campement/huttopia-dieulefit/site SLO リビングホステル リヨンの中心部に新しくできた出会いの場所、SLO リビングホス テル。ユースホステル・ワインバー・タパスバーを含む新型デザインのホテルで、最近人気の高 いギヨティエール Guillotière という地区にあります。この地区には流行の新しいバーやレストラ ンがあり、リヨンの面白い各所にも近く、しかも地元の人々の生活の中心となる地区でもありま す。そのため、リヨンとその文化や人々を知るうえで優れた場所です。このホステルは家族連れ も利用でき、親子のための部屋はそれに合わせて大きさ・ベッド数が異なります。 www.slo-hostel.com Goutelas 城 グトラ Goutelas 城の文化センターは 65 人を収容でき、地元の産物でできた 美味しい料理を出す伝統的レストランがあります。ここではコンサートやリサイタル、演劇など 多数の本格的な文化イベントも催されます。もとはルネッサンス期の城で、会議室が多数あるの で、セミナーにも最適です。静けさと歴史と文化が融合して時間を超えた滞在ができる、独特の 場所です。 www.chateaudegoutelas.fr レ・バルコン・デュ・ラック・ダヌシーLes Balcons du Lac d’Annecy アヌシー湖のほとり に佇むレ・バルコン・デュ・ラック・ダヌシーからは、山々の見事な景観を眺めることができ、 ここを訪れると立ち止まって眺めてしまいます。そして、宿泊したくなります。山については、 ハイキング・スキー・スノーシュー・カヌー・マウンテンバイク・渓谷下り・ラフティングなど のスポーツができます。街については、アヌシーの愛らしい運河と優雅な 17 世紀の住宅は、散 策するのにぴったりです。このレ・バルコン・デュ・ラック・ダヌシーという休暇村にはパッケ ージがあり、リラックスできる環境、そして子供向けのクラブまで揃っており、心休まる癒しの 休暇を満喫できます。レ・バルコン・デュ・ラック・ダヌシーのレストランも、サヴォワの特産 品を出してくれます。 www.village-vacances.com/les-balcons-du-lac.php 68 III. おすすめ情報 ご家族連れへのお勧め キャロ・ダラシュ Carroz d’Arâches の端という静寂と緑の美しさに恵まれた場所。スキー用リフ トからはわずか 600m、町の中心部からはわずか 800m のところにあるラ・クロワ・ド・サヴォ ワ La Croix de Savoie ホテル・レストランは、この村のランドマークになっています。 4 年の歳月をかけた建築は、環境に気を使いこの地域の昔からの自然と地球環境の保護とに配慮 した耐久性の高い建材で出来ており、観光地のモデルとなるような建物です。ローヌ・アルプ地 方では最初の、フランス全体でも 3 番目の、生物気候的な設計のホテルです。 このホテルの家族用客室はゆとりがあるサイズで明るく、衛星放送チャンネルのある液晶テレビ、 専用のバスルーム、さらにバルコニーまたはテラスがあります。一部の部屋からはさらに、アル ヴ Arve 渓谷やサランス Sallances、クリューズ Cluses、ボンヌヴィル Bonneville、アラヴィ山脈の 絶景をパノラマで楽しめます。 加えて、レストラン、ラ・クロワ・ド・サヴォワ La Croix de Savoie のは 2015 年のミシュランガ イドで、サービスの質の良さを示す 1 フォークを受けています。これは、このレストランで美味 しい新料理を創り出しているティレ Tiret 一家にとっては大きな栄誉で、彼らの料理は洗練され ながらも、簡素で、毎日高品質を保っています。 La Croix de Savoie ラ・クロワ・ド・サヴォワ ホテル・レストラン*** 食事は27 €から ウェブサイト: http://www.lacroixdesavoie.fr/en/welcome The Mountain Echo レコー・モンターニュ L'écho des Montagnes 休暇センターでは、1 年 中いつでも、昔ながらのサヴォワにある家族経営の農場の中で、あらゆる年齢層の人たちがキャ ンプなどで休暇を過ごしています。サヴォワ北部にあり、モルジン Morzine/アヴォリアからは 10 分ほどで、 クレット一周“Tour of Crêtes”など美しい森のハイキングへの出発地点でもあります。 このハイキングの先に待つのは、平和な Alpine Chavannes です。天文学の授業や環境教育、工作、 養蜂体験などの活動で山の小さな喜びを発見しながら、のんびりと自然を堪能できる、優れた機 会です。 www.echodesmontagnes.com コローニュ Collonges 城 これは珍しい休暇村で、多数の訪問者を惹きつける特徴があり ます。ドロームにある 17 世紀の城を全面的に改装した建物で、3 ヘクタールの公園も備えてお り、そこには大きなプールにスポーツ競技場、子供用の遊び場があります。障害のあるお客様の 必要にも対応しており、”Tourism & Handicap”というラベルがその事実を示しています。この城は Saint-Donat-Sur-l’Herbasse という魅力的な村にあります。この村は、同じ名称の教会のもとに建て られており、Hauterives にある郵便配達人シュヴァルの理想宮やシャトーヌフ・ド・ギャロール Châteauneuf-de-Galaure にあるキャリエール Charrière 教会など、いくつかの有名な場所も近くに あります。毎年夏になると、世界的に知られたバッハ音楽祭が開催されます。文化もレジャーも 楽しめるこの城は、高齢者・家族連れ・スポーツクラブなど、多様なお客様がくつろげる場所と なっています。 www.ihtourisme.be 69 エヴィアン・レ・バン休暇村 Evian-les-Bains VVF レマン湖のほとり、スパセンターのそ ばにあるエヴィアン・レ・バン休暇村では、水というテーマにちなんだ平和な滞在を楽しめます。 湖とそれを囲む山々のパノラマのような風景、心が落ち着く散歩、スパでのトリートメントなど です。スイスとシャブレ Chablais 山脈とを探索するには絶好の位置にあるこの村では、歳がいく つの子供でも、たくさんの楽しい活動ができます。健康とフィットネスのための施設もあります。 急流スポーツが好きなら、アルプスの渓流を体験する機会さえあります! www.vvf-villages.fr/villages-vacances/vacances-evian-vvf-villages.html Annibal Fountain ドロームにあるアニバル・フォンテーヌ Annibal Fountain ホテルは、外 観が木製なので田園風景に完全に溶け込んでいます。オリーブの木々の間、ウヴェーズ Ouvèze のそばに立つこのホテルは、プロバンスの世界を体験したいお客様を、老若問わず歓迎します。 「オリーブの田園を電動自転車で散策」・「ビュイ・レ・バロニーBuis les Baronnies に吹く心の 風」といったパッケージバケーションプランがあり、活動的かつ環境にやさしい方法でこの地域 の昔からの自然を探索できます。特に冒険を好む方にとって幸いなことに、古い果樹園に位置す るキャンプ場が近くにあります。 www.vacances-baronnies.com Hautannes ローヌ県のサン・ジェルマン・オ・モン・ドール Saint-Germain-au-Mont-d’Or にあるオータンヌ Hautannes は、2.5 ヘクタールの公園の中にある魅惑的な休暇村です。19 世紀 の家屋が、訪れるお客様を温かく歓迎します。セミナーやイベントを開催する場所としても優れ ています。リヨン中心部からわずか 20 分ほどですが、夏にはプールが営業しており、テニスコ ート、木の生い茂る公園、水生植物庭園などのおかげで、リヨンの料理と文化を体験しつつ、く つろいだ滞在ができます。 www.domainedeshautannes-lyon.com UCPA Argentière 北部アルプスの中心にある、アルジェンティエール Argentières の大型 国際センターは、シャモニーから 2~3km、グラン・モント Grand Montets から徒歩で 5 分という 優れた場所、アルジェンティエール村にあります。国際的な雰囲気のある地域で、スポーツもし やすく、世界最大の高低差の斜面をスキーで滑走できます。さらにここのスノーパークは、フラ ンスで最も優れた 15 のスノーパークの 1 つです。そしてこのセンターに戻ると、モンブランの パノラマのような風景を眺めながら食事をし、サウナで寛ぐことができます。団体旅行も歓迎で、 13 歳から 17 歳の若者向けのプログラムもあります。 www.ucpa-vacances.com/centre/argentiere ULVF Essertets モンブラン地区の中心、標高 1036m の位置にあるエセルテ Essertets 休暇 村では、7 軒のシャレーのある村で本格的な滞在ができます。美食家の方にはサヴォワ料理、騒 ぐのが好きなら夜の遊び、休暇をのんびりと過ごしたい方々のためには子供たちのクラブもあり ます。スキーが好きなら、ヴァル・ダルリ Val d’Arly には 120km のルートが、ディアマン Diamants には 185km のルートがあります。 www.vacances-ulvf.com/nos-villages-de-vacances/a-la-montagne/les-essertets-praz-sur-arly-hiver.html 70 IV. さらに知るには ローヌ・アルプ TV チャンネル:www.discover.rhonealpes.tv Tourism For All ウェブサイト:www.pro.rhonealpes-tourisme.com/paroles-de-pros 写真のセレクション: www.phototheque.rhonealpes-tourisme.com お問い合わせ Muriel Antoniotti +33 (0)4 26 73 31 96 muriel.antoniotti@rhonealpes-tourisme.com Nathalie Vallier +33 (0)4 26 73 31 49 nathalie.vallier@rhonealpes-tourisme.com 71 お問い合わせ 海外からのお問い合わせは: Rachel Gregoris 海外市場プロモーションマネジャー rachel.greogris@rhonealpes-tourisme.com Olivia Poncy 北米プロモーションマネジャー olivia.poncy@rhonealpes-tourisme.com Chengjie Lu 中国市場プロモーションマネジャー lu.chengjie@erai.cn Barbara Breheret インドプロモーションマネジャー bbreheret@orange.fr Zamira Ismatova ロシア市場プロモーションマネジャー zamira.ismatova@atout-france.fr 72
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