emr_na-c01976255 - HPE Support Center

HP-UX Workload Manager A.03.02.xx
リリースノート
HP-UX 11i v1、HP-UX 11i v2、HP-UX 11i v3
Manufacturing Part Number : B8843-90040
2007 年 10 月
Printed in U.S.A.
© Copyright 2000-2007 Hewlett-Packard Development Company, L.P.
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ださい。
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著作権
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SAS および他のすべての SAS Institute Inc. 製品やサービス名は、米国およびその他の国におけ
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2
SNMP Toolkit は、CMU が作成したライブラリを使います。
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BEA、Tuxedo、および WebLogic は、BEA Systems, Inc. の登録商標です。BEA WebLogic
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Portal、BEA WebLogic JRockit、BEA WebLogic Platform、BEA WebLogic Express、BEA
WebLogic Workshop、BEA WebLogic Java Adapter for Mainframe、BEA Liquid Data for
WebLogic および BEA eLink は、BEA Systems, Inc. の商標です。
HP-UX Workload Manager と JFreeChart:
HP-UX Workload Manager はバージョン A.02.01 から、図表とグラフの表示のために、オー
プンソースのソフトウェアパッケージである JFreeChart を使うようになりました。
JFreeChart は GNU Lesser General Public License (LGPL) に基づいてライセンスされてい
ます。このライセンス文書のコピーは、/opt/wlm/lib/mongui/LGPL.txt、および下記の
GNU の Web サイトにあります。
http://www.gnu.org/licenses/lgpl.txt ( 英語 )
Workload Manager が使っている JFreeChart のバージョンは、JFreeChart 0.9.4 に変更を加
えたバージョンです。この変更の内容については、/opt/wlm/lib/mongui/README を参照し
てください。JFreeChart の最新のバージョンは、以下の Web サイトにあります。
http://www.object-refinery.com/jfreechart/ ( 英語 )
http://www.sourceforge.net ( 英語 )
HP-UX Workload Manager と libxml2:
3
バージョン A.03.00 より、HP-UX Workload Managerでは libxml2 (MITのGnomeプロジェク
ト向けに開発された XML C パーサーおよびツールキット ) を使用しています。このライブ
ラリは C 言語で記述されていますが、多くの言語バインディングが用意されているため、他
の環境への移植が可能になっています。このライブラリは、/opt/wlm/lib/README.libxml2
にある使用許諾契約に従ってライセンスされます。HP-UX Workload Manager で使用する
libxml2 のバージョンは、libxml2 2.6.10 です。
原典
本書は『HP-UX Workload Manager A.03.02.xx Release Notes for HP-UX 11i v1, HP-UX 11i v2,
and HP-UX 11i v3』(HP Part No. B8843-90038) を翻訳したものです。
4
納入後の保証について
•
保証の期間は、ご購入時に当社よりお出しした見積書に記載された期間とします。保証サー
ビスは、当社の定める休日を除く月曜日から金曜日までの、午前 8 時 45 分から午後 5 時 30
分の範囲で無料で行います。当社で定めたシステム製品については出張修理を行い、その他
の製品については当社にご返却いただいた上での引取り修理となります。当社が定める地域
以外における出張修理対象製品の修理は、保証期間中においても技術者派遣費が有料となり
ます。
•
ソフトウェア製品の保証は上記にかかわらず、下記に定める範囲とさせていただきます。
— ソフトウェア製品およびマニュアルは当社が供給した媒体物の破損、資料の落丁および
プログラムインストラクションが実行できない場合のみ保証いたします。
— バグおよび前記以外の問題の解決は、別に締結するソフトウェアサポート契約に基づい
て実施されます。
•
次のような場合には、保証期間内でも修理が有料となります。
— 取扱説明書等に記載されている保証対象外部品の故障の場合。
— 当社が供給していないソフトウェア、ハードウェア、または補用品の使用による故障の場合。
— お客様の不適当または不十分な保守による故障の場合。
— 当社が認めていない改造、酷使、誤使用または誤操作による故障の場合。
— 納入後の移設が不適切であったための故障または損傷の場合。
— 指定外の電源 ( 電圧、周波数 ) 使用または電源の異常による故障の場合。
— 当社が定めた設置場所基準に適合しない場所での使用、および設置場所の不適当な保守
による故障の場合。
— 火災、地震、風水害、落雷、騒動、暴動、戦争行為、放射能汚染、およびその他天災地
変等の不可抗力的事故による故障の場合。
•
当社で取り扱う製品は、ご需要先の特定目的に関する整合性の保証はいたしかねます。ま
た、そこから生じる直接的、間接的損害に対しても責任を負いかねます。
•
当社で取り扱う製品を組み込みあるいは転売される場合は、最終需要先における直接的、間
接的損害に対しては責任を負いかねます。
•
製品の保守、修理用部品の供給期間は、その製品の製造中止後 5 年間とさせていただきます。
本製品の修理については取扱説明書に記載されている最寄の事業所へお問い合わせください。
5
6
1 HP-UX Workload Manager リリースノート
このリリースノートには、HP-UX Workload Manager A.03.02.xx に関する以下の情報が記載さ
れています。
•
はじめに
•
このバージョンの概要
•
既知の問題と回避策
•
互換性に関する情報とインストールのための要件
•
このバージョンでの修正点
•
各言語でのソフトウェア使用の可否
•
セキュリティ
•
利用可能なマニュアル
•
WLM のツールキット
•
HP-UX WLM に関するフィードバック
注記
WLM のサポートポリシーについては、次の Web サイトの「Patches/support」
を参照してください。
http://www.hp.com/go/wlm ( 英語 )
WLM のサポート情報として、WLM の各バージョンのサポート期間とパッチ提
供期間が提示されています。
第1章
7
HP-UX Workload Manager リリースノート
はじめに
はじめに
HP-UX WLM A.03.02 は、次の HP-UX オペレーティングシステムおよびハードウェアで動作し
ます。
オペレーティングシステム
ハードウェア
HP-UX 11i v1 (B.11.11)
HP 9000 サーバー
HP-UX 11i v2 (B.11.23)
HP 9000 サーバーおよび HP Integrity サーバー
HP-UX 11i v1 (B.11.11) および
HP-UX 11i v2 (B.11.23)
HP 9000 パーティションと HP Integrity パー
ティションが共存するサーバー。このような環
境では、HP-UX 11i v1 (B.11.11) は、HP 9000
パーティションでのみサポートされます
HP-UX WLM A.03.02.01 は、次の HP-UX オペレーティングシステムおよびハードウェアで動
作します。
オペレーティングシステム
ハードウェア
HP-UX 11i v3 (B.11.31)
HP 9000 サーバー、HP Integrity サーバー、お
よび HP 9000 パーティションと HP Integrity
パーティションが共存するサーバー
HP-UX WLM は、目標値に基づくワークロード ( 作業負荷 ) 管理を提供します。このマネージャ
では、優先順位付けした SLO (service-level objective) を使用して、自動的なリソースの割り当
ておよびアプリケーションのパフォーマンス管理を行うことができます。このマネージャの機能
は、HP Process Resource Manager (PRM)、HP-UX Virtual Partitions、nPartitions、および
プロセッサセットの機能を自動化することで実現されています。
HP-UX WLM には以下の機能があります。
•
お使いの最も重要なアプリケーションに対して、CPU リソース ( コア ) を自動的に割り当てま
す。( コアのタイムスライスの割り当てを行うだけでなく、プロセッサセット、仮想パー
ティション、または nPartitions を管理している場合には、コア単位での割り当ても行いま
す。)
8
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
はじめに
「コア」とは、プロセッサ内部にある実際のデータ処理エンジンです。単一のプロセッサが
複数のコアを持つことがあり、コアは複数の実行スレッドをサポートすることがあります。
詳細は、
『HP-UX Workload Manager ユーザーガイド』を参照してください。
•
ユーザーの設定に従って実メモリーおよびディスクバンド幅リソースを割り当てます。
•
シェアおよび目標値に基づく SLO。
•
メトリックに基づく CPU シェアの割り当て。たとえば、ワークロード内の各々のプロセスに
2% の CPU リソースを割り当てるといったことができます。
•
複数の優先順位を持つ SLO により、ワークロードごとに、「必ず達成すべき」目標値やオプ
ションの拡張目標値を設定することができます。
•
構成結果の動作を分析するためのパッシブモード。
•
監査データと課金データ。
•
ワークロードで使用するコアの最小量および最大量を設定することができます。
•
時間およびメトリックに基づいた SLO のアクティブ化。フェイルオーバー時に、
Serviceguard のパッケージと関連する SLO をアクティブ化することもできます。
•
ローカルに、またはリモートシステム上で、WLM 構成を作成、変更および適用するための
GUI。
•
HP Systems Insight Manager との統合。これにより、多くのノードで稼働している WLM
を、遠隔地にある一ヵ所の監視地点から制御できるようになります。
第1章
9
HP-UX Workload Manager リリースノート
このバージョンの概要
このバージョンの概要
ここでは、WLM A.03.02 および WLM A.03.02.01 で追加または変更された機能について説明し
ます。WLM A.03.02 は HP-UX 11i v1 (B.11.11) および HP-UX 11i v2 (B.11.23) をサポートしま
す。WLM A.03.02.01 は HP-UX 11i v3 (B.11.31) をサポートします。
本書では、両方のバージョンの WLM を総称して A.03.02.xx と呼びます。
•
WLM A.03.02.01 は、HP-UX 11i v3 (B.11.31) をサポートします。
•
WLM A.03.02.01 は、論理 CPU ( ハイパースレッド ) 機能をサポートします。この機能は、
HP-UX 11i v3 (B.11.31) から提供され、この機能をサポートするように設計され、適切な
ファームウェアを備えたプロセッサで使用できます。論理 CPU とは、コアの中に存在する
実行スレッドです。ハイパースレッド機能が有効になっているコアには、それぞれ複数の論
理 CPU が含まれます。WLM では、PSET ベースのグループでハイパースレッド機能がサ
ポートされます。WLM は、デフォルト PSET のハイパースレッド機能の状態を自動的に設
定して、パフォーマンスを最適化します。( デフォルト PSET は PSET 0 とも呼ばれ、すべ
ての FSS グループが割り当てられています。) 新しい PSET を作成するときには、WLM を
アクティブ化する前のシステムのハイパースレッド機能の状態が継承されます (WLM をア
クティブ化する前のシステムの状態が継承されるのは、パフォーマンスを最適化するため
に、WLM によってデフォルト PSET のハイパースレッド機能の設定が変更される場合があ
るためです )。コアはパーティション間で移動させることができ、移動先の PSET のハイ
パースレッド機能の状態が継承されます。特定の PSET グループに割り当てられているコア
のデフォルトのハイパースレッド機能の状態を変更することができます。また、システムの
ハイパースレッド機能の状態を変更することもできます。(WLM の動作中はハイパースレッ
ド機能の状態を変更しないでください。) 詳細は、wlmconf(4) または『HP-UX Workload
Manager ユーザーガイド』を参照してください。
•
ドキュメント、WLM の表示、データレポートでは、CPU ハードウェアを指す場合には、
「コ
ア」と呼ぶようになりました。コアは、プロセッサの内部にある実際のデータ処理エンジン
です。プロセッサは複数のコアを持つことがあり、コアはハイパースレッド機能を通じて複
数の実行スレッドをサポートすることがあります。「CPU リソース」、「CPU 使用率」など
の概念を指す場合は、「CPU」という用語も引き続き使われますが、WLM が報告したり、
ドキュメントで説明する物理処理デバイスの数では、明示的にコアという用語が使われま
す。なお、PSET の規模と Instant Capacity (iCAP) パーティションでもコアという用語が
使われるようになりました。
10
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
このバージョンの概要
注記
•
wlminfo parおよび wlminfo hostコマンドは、明示的にコア (core) という用語で統計情報を
表示するようになりました。たとえば、wlminfo par コマンドでは、次のように表示されま
す。
Hostname
•
ハイパースレッド機能を無効にすると、それぞれのコアは CPU として見えま
す。ハイパースレッド機能を有効にすると、それぞれのコアは複数の論理
CPU として見えます。
Intended Cores
Cores
Cores Used
Interval
wlminfo group コマンドは、現在展開されている構成内の、すべてのグループのメモリー使
用量を表示するようになりました。さらに、このコマンドは -v オプションをサポートし、
各グループの gmincpu、gmaxcpu、gminmem、および gmaxmem が、現在展開されている構成
で使用できる場合に、その値を表示するようになりました。この新しいオプションは、ライ
ブデータが表示されない場合 ( たとえば -o オプションが使用されている場合 ) には無視され
ます。メモリー管理が使用されていない場合、「Mem Shares」欄にはゼロではなくダッシュ
(-) が表示されます。グループの gmincpu、gmaxcpu、gminmem、gmaxmem のいずれかの値が
現在の構成に割り当てられていない場合、対応する欄にはダッシュ (-) が表示されます。
詳細は、wlminfo(1M) または『HP-UX Workload Manager ユーザーガイド』を参照してく
ださい。
•
WLM は、アプリケーションレコードの代替名定義での拡張正規表現 (ERE) の使用をサポー
トしています。このサポートを利用するためには、PRM C.03.02 以降が同じシステムで実行
されている必要があります。詳細は、wlmconf(4) または『HP-UX Workload Manager ユー
ザーガイド』を参照してください。
•
WLM は、Unix グループに基づいたプロセスの配置とユーザーアクセスの割り当てをサポー
トしています。prm ストラクチャに uxgrp レコードを定義することで、ワークロードグルー
プに Unix グループを割り当てることができます。実効グループ ID (GID) が Unix グループ
レコードと一致するプロセスは、関連付けられたワークロードグループ内で実行されます。
WLM は、システム上で PRM C.03.02 以降が実行されている場合に限り、Unix グループレ
コードをサポートします。詳細は、wlmconf(4) または『HP-UX Workload Manager ユー
ザーガイド』を参照してください。
•
Temporary Instant Capacity (TiCAP) は、
30 日 (1 日= 24 時間× 1 コア ) などの単位で、処理能
力を一時的に「テレホンカード方式」でアクティブにします。Temporary Instant Capacity
を使用するシステムでは、前払いの temporary capacity 時間を使い切るまでは、Instant
Capacity コアをいくつでも使用開始することができます。デフォルトでは、temporary
capacity 時間の利用残が 15 日未満になると、WLM は Temporary Instant Capacity リソー
第1章
11
HP-UX Workload Manager リリースノート
このバージョンの概要
スの使用を開始しなくなります。WLM のこのリリースからは、WLM グローバルアービ
ターの utility_reserve_threshold キーワードを設定することで、このデフォルトを変
更することができます。
•
Pay Per Use Toolkit (PPUTK) と utilitydc コマンドはサポートされなくなり、製品から削
除されました。wlmpard で使用でき、より簡潔で確実な Temporary Instant Capacity/Pay
Per Use ソリューションを使用してください。
•
WLM インストールスクリプトは、Java™ Runtime Environment (JRE) の正しいバージョン
が実行されていることや、PRM の正しいバージョンが実行されていることを確認しないよ
うになりました。WLM GUI (wlmgui) およびウィザード (wlmcw) の実行には、JRE バー
ジョン 1.4.2 以降が必要です。また、PRM ベースの構成の場合は、PRM C.03.00 以降が必
要です (WLM の新機能を利用するときには、PRM の最新版 (C.03.02 以降 ) を使用してくだ
さい )。
12
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
既知の問題と回避策
この項では問題と回避策について説明します。
PRM が有効になっている場合のシステムパニック。特定のカーネルパッチが存
在し、PRM が存在しないと、インストールに失敗する
問題
HP-UX 11i v1 では、Process Resource Manager (PRM) が有効になっている
場合にシステムパニックの問題が発生することがあります。また、特定のカー
ネルパッチが存在し、PRM が存在しない場合に、WLM のインストールが失
敗します。
回避策
バージョン A.01.00.00.07 以降の PROCSETS プロダクトバンドルをインス
トールしてください。このバンドルには、重要なコアカーネルパッチとプロ
セッサセットパッチが含まれています。また、このバンドルでは、パッチの
PHKL_30032 ~ PHKL_30036、またはその置き換えパッチがインストールさ
れます。パッチについての説明は、37 ページの表 1-4 を参照してください。
使用上限の問題
問題
WLM は、ワークロードによる CPU アクセスに上限を設けることにより、
CPU 割り当てを制御します。ただし、WLM が使っている CPU スケジューラ
のアルゴリズムでは、使用上限の制御が維持できなくなることがあります。
この問題の症状は wlminfo の出力に現れる場合があります。出力例の一部を
次に示します。ここでは、g_nice グループの「CPU Util」の値が、「CPU
shares」の値に比べて明らかに大きくなっています。
# wlminfo group
Workload Group
OTHERS
g_nice
g_nightly
g_team
PRMID
1
2
3
4
CPU Shares
450.00
108.00
0.00
6.00
CPU Util
4.49
125.57
0.00
0.00
Mem Shares
0.00
0.00
0.00
0.00
State
ON
ON
OFF
ON
「CPU Util」の値が「CPU Shares」の値より大幅に大きなグループがあれば、
システムでこの問題が発生しています。(「CPU Util」の値が「CPU Shares」
よりもわずかに大きいのは正常です。)
第1章
13
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
回避策
HP-UX 11i v1 (B.11.11) では、パッチ PHKL_30034、PHKL_30035、
PHKL_31993、PHKL_31995、PHKL_32061 をインストールします。これら
のパッチは、すべて同時にインストールしてください。
HP-UX 11i v2 (B.11.23) では、パッチバンドル BUNDLE11i をインストール
します。このバンドルのバージョンは、どれでもかまいません。
utilitypri を設定していても、WLM が割り当て済み CPU リソースだけを使用す
る
問題
Instant Capacity (iCAP) を使用している環境で、WLM のグローバルアービ
ター構成に utilitypri が設定されているときには、WLM はすべての所有コ
アを使用開始コアとして扱います。しかし、Instant Capacity を構成していな
い (Instant Capacity コアが指定されていない ) 環境では、WLM は、WLM
グローバルアービター (wlmpard) の起動時に仮想パーティションに割り当てら
れていたコアだけを使用します。
回避策
wlmpard を起動する前に vparmodify を使って、所有しているすべてのコア
を仮想パーティションに割り当ててください。wlmpad が起動済みの場合は、
-k オプションで停止した後に vparmodify を使って、所有しているすべての
コアを割り当ててください。
WLM で nPartitions を管理している時に、Temporary Instant Capacity
(TiCAP) を使い切った場合の問題
問題
WLM は、wlmpard デーモンを使って nPartitions を管理します。仮に、
Temporary Instant Capacity を使っているシステム上で wlmpard が起動され
たとします。Temporary Instant Capacity が終了した場合、wlmpard は問題
なくコアを使用停止することができます。しかし、wlmpard は、終了した
キャパシティに基づいてコアを使用開始しようとする場合があります。
Temporary Instant Capacity はすでに存在しないため、この動作は失敗しま
す。wlmpard はアボートしないため、使用できないコアを使用開始しようと
し続け、次の形式のメッセージが /var/opt/wlm/msglog に出力されます。
Error increasing core count on partition par_name (has x needs
y).
また次のメッセージも表示されます。
Unable to set the local partition to z cores. Check the
partition status.
14
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
x、y、z は整数値です。
回避策
wlmpard 構成ファイル ( たとえば、configuration_file) に utilitypri 文
を追加してロードします。
# /opt/wlm/bin/wlmpard -a configuration_file
utilitypri キーワードを使うと、Temporary Instant Capacity が有効に
なっているときに、WLM はコアの合計値を目的に合わせて調整できます。
この優先順位を指定すると、WLM が Temporary Instant Capacity の使用権
に従うことが保証されます。前払いの temporary capacity を使い切ったとき
には、WLM はその一時的なリソースに対して使用開始を試みません。
注記
WLM A.03.02 からは、WLM が temporary capacity リソース
の割り当てをいつ中止するかというしきい値を設定できるよう
になっています。WLM A.03.02 より前のバージョンでは、し
きい値は 15 日に固定されていました ( 利用可能な temporary
capacity が 15 日以下の場合、WLM は temporary capacity の
割り当てを中止します )。詳細は 50 ページの「WLM
Temporary Instant Capacity の 15 日のしきい値では制限が強
すぎる」と wlmparconf(4) を参照してください。
許可なしで Instant Capacity コアが自動的に使用開始される
問題
カスタマの許可なしで Instant Capacity (iCAP) コアが自動的に使用開始され
ることがあります。
回避策
当社の担当者にご連絡ください。
Instant Capacity ソフトウェアや Pay Per Use (PPU) ソフトウェアをインス
トールしている場合、次のいずれかの対処を行ってください。
第1章
•
WLM の仮想パーティション管理を使わない。
•
vPars バージョン A.03.01 またはそれ以降を使う。
15
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
FSS グループでアプリケーションがハングアップする
問題
HP-UX 11i v2 (B.11.23) で、FSS グループに基づくワークグループ内のアプ
リケーションが、シングルプロセッサの仮想パーティション、nPartitions、
またはシステムでの実行中にハングアップすることがあります。
回避策
パッチ PHKL_33052 をインストールします。
低速のシャットダウン。“Waiting for shutdown confirmation” および
“Shutdown initiated; however, ... unable to acquire confirmation” というメッ
セージが表示される
問題
状況によっては、WLM のシャットダウンに予想より長い時間がかかることが
あります。特に、WLM がパーティション間での CPU リソースの配分を変更
する処理を行っている場合に発生します。このような場合、シャットダウン要
求は変更が完了するまで受け付けられません。WLM A.03.02 からは、30 秒後
に次のようなメッセージが表示されるようになっています。
Waiting for shutdown confirmation...
その後、90 秒以内にシャットダウンの確認が受信できなかった場合、WLM
は次のようなメッセージを表示します。
Shutdown initiated; however, we were unable to acquire
confirmation. Check the messages in /var/opt/wlm/msglog for
more details.
A.03.02 より前のバージョンの WLM では、同じような状況で、30 秒後に以
下のメッセージのいずれかが表示されます。
wlmd -k failed: Resource temporarily unavailable
wlmpard -k failed: Resource temporarily unavailable
wlmcomd -k failed: Resource temporarily unavailable
これらのメッセージは、シャットダウン要求が失敗していない場合でも失敗し
たと思わせる点で、紛らわしいメッセージです。これらは、上に示したより正
確なメッセージに変更されました。
回避策
16
シャットダウン処理が 30 秒遅れた場合、WLM は “Waiting for shutdown
confirmation” というメッセージを表示します。WLM は、パーティション変
更の完了を待っている際にシャットダウン処理を遅延させます。トータルで
120 秒経過してもシャットダウンがまだ完了しない場合、WLM は “Shutdown
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
initiated” というメッセージを表示します。通常、これはパーティション変
更がまだ完了していないことを意味します。パーティション変更には、120 秒
より長くかかることがあります。変更が完了すると、WLM はシャットダウン
要求を受け付けます。シャットダウンが成功したことは、ps コマンドで確認
できます ( 必要に応じて、シャットダウンコマンドを再度発行してください )。
また、/var/opt/wlm/msglog 内のメッセージを確認してください。
プロセス数によっては CPU 割り当てが満たされないことがある
問題
WLM は、システムの各コアをワークロードグループに割り当てることによ
り、グループの割り当てを満たします。各コアに対応させるだけのプロセスが
ないグループでは、WLM は埋め合わせるためにプロセスの割り当てを増加さ
せます。たとえば、単一スレッドのプロセスからなるワークロードグループで
は、4 つのコアの 10% は、1 つのコアの 40% として割り当てられます。
この同じグループで、4 つのコアの 50% が割り当てられているとします。
WLM は、2 つのコアの 100% をこのワークロードグループに割り当てます。
しかし、グループにはスレッドが 1 つしかないため、コアを 1 つしか使うこ
とができず、割り当ては 25% になります。
回避策
回避策はありません。ただし、アプリケーションの実行状況に注意し、使うこ
とができないようなリソースを割り当てないようにしてください。
動作中にデータコレクタをアップデートするとコレクタが終了する
問題
データコレクタが WLM にデータを供給しているときにデータコレクタの実行
形式ファイル ( バイナリまたはスクリプト ) をアップデート ( 上書き ) すると、
コレクタが終了することがあります。
回避策
この問題に対しては次の 2 つの回避策があります。
•
データコレクタを直接アップデートする
1. WLM を停止します (wlmd -k)。
2. データコレクタをアップデートします。
3. WLM を再起動します (wlmd -a configuration_file)。
•
データコレクタを置き換える
1. 現在使用しているデータコレクタを別の場所へ移動します。
第1章
17
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
2. データコレクタが今まで置かれていた位置に新しいコレクタをインス
トールします。
3. WLM を再起動します (wlmd -a configuration_file)
GlancePlus/OpenView Performance Agent とプロセッサセット
問題
複数のプロセッサセットが構成されているシステムでは、GlancePlus が保持
している、PRM_SYS グループ (ID 0) のデータは誤っている可能性があります。
これらのシステムでは、GlancePlus はデフォルトのプロセッサセット外にあ
るプロセスを、誤って PRM_SYS グループ (ID 0) に属するものとして扱います。
この結果、WLM の glance_prm データ収集スクリプトを使って、PRM_SYS グ
ループや、PSET を基にして定義されている PRM グループのアプリケーショ
ン (APP または APP_PRM) のメトリックを追跡することはできません。
この問題の影響を受けるのは、GlancePlus だけです。WLM では、ワーク
ロードグループ (PRM グループとその PRM ID) が正しく識別されます。
回避策
HP-UX 11i v1 (B.11.11) では、GlancePlus C.03.55 以降を使い、パッチ
PHKL_28052 をインストールすることで、この問題を回避することができま
す。HP-UX 11i v2 (B.11.23) では、この問題は GlancePlus C.03.58.05 で解決
されています。
GlancePlus がプロセスの PRM グループを正しく認識しない
問題
システムによっては、GlancePlus がプロセスの PRM グループを正しく認識
しない場合があります。WLM では、これらの PRM グループをワークロード
グループとして使います。このようなシステムでは、GlancePlus はすべての
プロセスが PRM_SYS グループ (ID 0) に属しているものとしてレポートします。
その結果、WLM のデータ収集スクリプト glance_prm は、PRM グループご
とにプロセスのアプリケーション (APP) メトリックを追跡するためには使え
なくなります。
回避策
この問題は、GlancePlus C.03.35.00 では解決されています。HP-UX 11i v1
で、このアップグレードを実行する最善の方法は、11i エンタープライズオペ
レーティング環境または 11i ミッションクリティカル オペレーティング環境
をインストールするときに GlancePlus をインストールすることです。
18
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
glance Adviser のメモリー使用量が増加し続ける
問題
GlancePlus の glance Adviser は、連続的に使うとメモリーリークを起こしま
す。Adviser は WLM のデータコレクタ glance_app、glance_gbl、
glance_prm、glance_prm_byvg および glance_tt で使われます。
回避策
このメモリーリークは、GlancePlus C.03.35.00 では解決されています。
HP-UX 11i v1 で、このアップグレードを実行する最善の方法は、11i エン
タープライズオペレーティング環境または 11i ミッションクリティカル オペ
レーティング環境をインストールするときに GlancePlus をインストールする
ことです。
WLM は時間間隔の終わりに、SLO の有効 / 無効を切り替える
問題
WLM は、時間間隔の終わりにのみ、時間に基づく SLO の有効 / 無効を切り
替えます。この時間間隔はデフォルトで 60 秒ですが、構成ファイル内で
wlm_interval キーワードにより変更することができます。
構成ファイル内で condition または exception キーワードに値を設定したと
きは、SLO は時間ベースになります。
時間間隔が長すぎると、SLO は構成ファイルで指示したとおりに有効になら
ないことがあります。たとえば、間隔が 1800 秒 (30 分 ) であるとします。ま
た、1 つの SLO で短時間の間システム全体を占有し、WLM によってその 1
つの SLO が 20 分間有効になり、他のすべての SLO は同じ 20 分間無効にな
るとします。この 20 分間が毎日午後 3 時に始まり、時間間隔が午後 3 時 15
分に終了する場合、この構成は、実際には午後 3 時 15 分まで有効になりませ
ん。さらに、午後 3 時 45 分まで元に戻りません。
回避策
時間間隔と時間に基づいた SLO がどのような関係になっているか確認し、そ
れに従って適切に調整します。
起動時または再構成時にメトリック値がない
問題
WLM の起動時または再構成時には、メトリックに値がありません。WLM
は、メトリック値なしで SLO を実現することはできません。
回避策
データコレクタは、起動後または再構成後すぐにメトリック値を報告する必要
があります。
第1章
19
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
使用可能なメモリーが 100M バイト未満の場合に、WLM 構成をアクティブにで
きない
問題
メモリーを制御する際に、WLM は少なくとも最小容量のメモリーを各グルー
プに割り当てます。extended_shares が有効になっている場合は、この最小
量は使用可能メモリーの 0.2% です。それ以外の場合は 1% です。( 使用可能
メモリーは prmavail で表示される容量です。これは、カーネル
(/stand/vmunix) およびそのデータ構造と、非カーネルシステムプロセスに対
して予約されていない容量です。そのため、使用可能メモリーはシステムの総
メモリーではありません。使用可能メモリーは時間の経過とともに変化しま
す。詳細は、/opt/prm/doc にある『Process Resource Manager ユーザーガイ
ド』を参照してください。) WLM では、この最小容量として、少なくとも
1M バイトのメモリーが必要です。そのため、メモリー制御を使用する場合、
少なくとも 100M バイトの使用可能メモリー、または extended_shares が有
効であれば 500M バイトの使用可能メモリーがシステムにある必要がありま
す。
回避策
システムのメモリーを増設するか、またはカーネルパラメータ dbc_min_pct
を使ってダイナミックバッファーキャッシュの最小サイズを小さくしてくださ
い。
セキュアリソースパーティション :
仮想ネットワークインタフェース上のポートがブロックされる
問題
HP-UX の Security Containment 機能を使うと、各セキュアコンパートメン
トに対して、仮想ネットワークインタフェースを設定できます。セキュアコン
パートメント内のプロセスは、別のセキュアコンパートメントに対応付けられ
ている仮想ネットワークインタフェース上のソケットにバインドできます。こ
のプロセスは、コネクションを受け付けたり、ソケットを使ってデータの送信
や受信を行うことはできませんが、他のプロセスがこのソケットへバインドで
きなくします。
回避策
ネットワークにアクセスするアプリケーションでは、対応しているセキュアコ
ンパートメント用に作成された仮想ネットワークインタフェース上のソケット
だけにバインドするようにします。詳細は、『HP-UX 11i Security
Containment Release Notes』と『HP-UX 11i Security Containment
Administrator’s Guide』を参照してください。
20
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
システム V セマフォの数が制限値を超える
問題
システムでシステム V セマフォを数多く使っている場合は、WLM がセマフォ
を使うため、セマフォの総数がシステムの制限値を超えることがあります。特
に、WLM の構成で多くのデータコレクタを設定している場合に、このような
状況になります。WLM デーモン wlmd は、2 つのセマフォセットを作成しま
す。1 方のセマフォセットには 1 つのセマフォが含まれるだけですが、もう 1
方のセマフォセットには WLM の構成で設定したデータコレクタごとに 1 つ
のセマフォが含まれます。
システムの制限値を超えると、wlmd は、次のエラーを表示し、最初の WLM
の時間間隔が始まる前に終了します。
Cannot allocate a system V semaphore set of size x: Increase
the system-imposed limits.
次のようなエラーが表示されることもあります。
WLM--"wm_knob_init, prm_rep_load": PRM--"PRM internal daemon
binary is missing or has incorrect permissions (PRM-2352)"
このメッセージについての詳細は、syslog を参照してください。このメッセー
ジは、使用できるセマフォがないことを示している場合もあります。
回避策
SAM (/usr/sbin/sam)、SMH (/usr/sbin/smh)、または kcweb
(/usr/sbin/kcweb、HP-UX 11i v2 以降 ) のカーネル構成ユーティリティを使っ
て、システムの制限値を大きくします。
HP-UX 11i v1 以降では、次のカーネルパラメータを増やします。
semmns
全セマフォの最大数
semmsl
1 つのセマフォセットに許されるセマフォの最大数
構成ウィザードに PRM が必要
問題
第1章
A.03.01 リリースから、WLM には Process Resource Manager (B3835DA) が
含まれなくなりました。しかし WLM 構成ウィザードには PRM が必要です。
PRM をインストールしていない場合、ウィザードは次のように動作します。
•
ウィザード自体が表示される前にポップアップするダイアログで、初期
CPU ( コア ) の数として常に 1 を設定する。
•
構成を検証しようとしたときに、PRM API がインストールされていない
というメッセージを表示する。
21
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
回避策
PRM A.03.00 以降をインストールしてください。
一時 FSS グループ内のプロセスが、予期しない形で他のワークロードグループ
に表示される
問題
transient_groups に 1 が設定され、FSS 一時グループ候補を含む、展開さ
れた WLM 構成には、ときどき _IDLE_ という名前の FSS グループが含まれ
ることがあります。WLM は必要に応じて一時グループのジョブを _IDLE_ に
移動し、ここでこれらのジョブは最小の CPU リソースとメモリーリソースを
得ます。グループ _IDLE_ の内部 ID は、WLM が実行時に選択します ( 未使
用 ID のプールから取得 )。
再展開の際、新しい構成に FSS グループが含まれ、そのグループの ID が、
再展開する前の _IDLE_ グループに対して WLM が選択した ID と同じであっ
た場合、_IDLE_ グループのジョブは同じ ID を持つ FSS グループに移動され
ます。
次のような場合にも、同じ問題が発生することがあります。
回避策
•
一時的な展開から他の一時的な展開への移行
•
一時的な展開から一時的でない展開への移行
この状態は、構成を展開または再展開する際に、wlmd に -i オプションを指定
することで回避できます。まず wlmd をシャットダウンして (-k オプションを
使用 )、それから -i オプションを使用して再起動してください。
WLM が管理するパーティションを変更する前に、WLM とグローバルアービ
ターを停止しなければならない
問題
22
wlmpard が動作しているときには、WLM が管理するパーティションを調整し
ないでください。この調整には、vparmodify、icapmodify、または
icod_modify による、仮想パーティションまたは nPartitions に関連付けら
れた名前、構成、リソース (CPU およびメモリー ) の変更が含まれます ( ま
た、parolrad を用いて WLM が管理するパーティションのセルを変更する作
業も含まれます。これについては、23 ページの「WLM がパーティション、
メモリー、または PSET を管理するシステムでオンラインのセル操作を実行
する前に、WLM を停止しなければならない」で説明しています )。
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
回避策
パーティションを調整するには、まず、変更の影響を受けるすべてのパーティ
ションで WLM (wlmpard も含む ) をシャットダウンし、パーティションを変
更し、それから WLM を再起動する必要があります。Instant Capacity
(iCAP) の変更は、コンプレックス全体に影響します。仮想パーティションへ
の変更は、nPartitions のみに影響しますが、nPartitions で Instant Capacity
が構成されている場合は例外です。たとえば、WLM が vParA と vParB とい
う 2 つの仮想パーティションを管理しており、メモリーリソースを vParA か
ら vParB に移動する必要が生じた場合は、両方の仮想パーティションで
WLM をシャットダウンしなければなりません。また別の例を挙げると、
nPartitions の名前を変更するには、まずコンプレックス全体にわたって、各
オペレーティングシステムインスタンスの WLM をシャットダウンする必要が
あります。これは、名前の変更が Instant Capacity に影響し、Instant
Capacity の変更がコンプレックス全体にわたって、すべての nPartitions に影
響するためです。
WLM を停止するには、wlmpard および wlmd デーモンを停止します ( 対応す
るコマンドで -k オプションを使用します )。
WLM がパーティション、メモリー、または PSET を管理するシステムでオンラ
インのセル操作を実行する前に、WLM を停止しなければならない
問題
WLM を使用してメモリーレコード、パーティション、または PSET ベースの
ワークロードグループを管理しており、かつ WLM の動作中にオンラインのセ
ル操作 (parolrad) を実行しようとした場合、その操作による CPU リソース
への変更が WLM によって検出されず、WLM による CPU リソースの管理で
問題が発生することがあります。エラーメッセージが生成されます。
回避策
WLM がメモリー、パーティション、または PSET を管理するシステムでオン
ラインのセル操作 (parolrad) を実行する際には、実行の前にまず WLM を停
止し、操作を行い、その後に WLM を再起動する必要があります。WLM を停
止するには、wlmpard および wlmd デーモンを停止します ( 対応するコマンド
で -k オプションを使用します )。WLM で管理されるすべてのパーティション
で wlmd を停止しなければならないことに注意してください。
オンラインのセル操作の状態は、parolrad -m コマンドで確認できます。
第1章
23
HP-UX Workload Manager リリースノート
既知の問題と回避策
WLM GUI は、バージョンの異なる WLM と互換性がない
問題
WLM GUI (wlmgui) を、GUI が関連付けられている WLM とは異なるバー
ジョンの WLM で使用しようとすると、次のようなメッセージが表示されま
す。
The WLM product running on <hostname> and this tool are
incompatible.
WLM GUI のバージョンは、それが管理する WLM 製品のバージョンと一致
していなければなりません。
回避策
使用している WLM GUI のバージョンに合わせて WLM をアップグレードす
るか、または GUI で管理する WLM のバージョンに合わせて古いバージョン
の WLM GUI を使用してください。Microsoft Windows PC には、複数のバー
ジョンの WLM GUI をインストールできます。
WLM を C.03.00 またはそれ以前のバージョンからアップグレードする前に、
PRM のアップグレードまたはインストールを行うと、WLM が swverify の
チェックに失敗する
問題
A.03.00 またはそれ以前の WLM を使用しているシステムで最新バージョンの
PRM (C.03.02 以降 ) をインストールまたはアップグレードすると、WLM は
swverify のチェックに失敗します。
回避策
PRM C.03.02 以降を使用するシステムで WLM を正しく動作させるためには、
WLM を A.03.02 以降にアップグレードしてください。WLM A.03.00 または
それ以前からアップグレードする場合は、PRM をアップグレードする前に
WLM をアップグレードしてください。
24
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
互換性に関する情報とインストールのための要件
HP-UX WLM A.03.02 (B8843CA) は、以下の環境で利用できます。
•
HP 9000 サーバー上の HP-UX 11i v1 (B.11.11)
•
HP 9000 サーバーまたは HP Integrity サーバー上の HP-UX 11i v2 (B.11.23)
•
HP 9000 パーティションと HP Integrity パーティションが共存するサーバー上の、HP-UX
11i v1 (B.11.11) および HP-UX 11i v2 (B.11.23) ( これらが混在する環境では、HP-UX 11i
v1 は HP 9000 パーティションでのみサポートされます )
HP-UX WLM A.03.02.01 (B8843CA) は、次の環境で利用できます。
•
HP 9000 サーバー、HP Integrity サーバー、および HP 9000 パーティションと HP Integrity
パーティションが共存する環境での HP-UX 11i v3 (B.11.31)
HP-UX WLM 製品には、メディア、マニュアル、リリースノートが含まれます。
また、『HP-UX Workload Manager ユーザーガイド』(B8844-90015) も用意されています。
ディスクとメモリーの要件
WLM A.03.02.xx では、次の記憶容量が必要です。
•
/opt/wlm ディレクトリに 16M バイトのディスクスペース
•
/opt/prm ディレクトリに 9M バイトのディスクスペース
•
5M バイトのメモリー ( また、WLM がワークロードでのメモリー使用量を正確に管理するた
めには、システムには少なくとも 100M バイトの使用可能メモリーが必要です。
extended_shares が有効になっている場合は、WLM のメモリー制御に、少なくとも 512M
バイトの使用可能メモリーが必要です。使用可能メモリーは、prmavail で表示される容量
です。これは、カーネル (/stand/vmunix) およびそのデータ構造と、非カーネルシステムプ
ロセスに対して予約されていない容量です。そのため、使用可能メモリーはシステムの総メ
モリーではありません。使用可能メモリーは時間の経過とともに変化します。詳細は、
/opt/prm/doc にある『Process Resource Manager ユーザーガイド』を参照してください。)
第1章
25
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
ネットワークオペレーティング環境
WLM ネットワークインタフェースは、DMZ のように危険度が中~高程度の環境で正しく動作
し、攻撃から防御するように設計されています。ファイアウォールのようなネットワーク保護機
能を使用すると、防御レベルを高め、セキュリティホールが見つかった場合でも、対処する時間
をかせぐことができます。
注記
A.03.01 では、/sbin/init.d/wlm スクリプトを使用して WLM を起動した場合、デ
フォルトでセキュア通信が有効になります。/etc/rc.config.d/wlm 内で、セキュア
モード変数が有効になっていることを確認してください。また、同じ WLM グ
ローバルアービター (wlmpard) が管理するすべてのシステムまたはパーティショ
ンに、セキュリティ証明書を配布する必要があります。セキュリティ証明書や、
セキュア通信を有効にするために必要なその他の作業については、wlmcert(1M)
を参照してください。
WLM wlmpard および wlmcomd デーモンは、デフォルトで次のポート番号を使用します。
wlmpard
9691
wlmcomd
9692
これらのポートが開いていることを確認してください。これらのポート番号を変更する方法は、
wlmpard(1M) および wlmcomd(1M) を参照してください。
他のソフトウェアとの互換性
WLM A.03.02.xx は、次の表にリストされているソフトウェアを使って動作が確認されていま
す。明記されている場合を除き、これ以外のバージョンのソフトウェアパッケージとの互換性は
不明です。
表 1-1 確認されているソフトウェア構成
ソフトウェア
パッケージ
HP-UX 11i v1
(B.11.11) での
バージョン
HP-UX 11i v2
Update 2 (B.11.23)
でのバージョン
HP-UX 11i v3
(B.11.31) での
バージョン
PRM
C.03.00、
C.03.01、
C.03.02
C.03.00、
C.03.01、
C.03.02
C.03.02.01
26
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
表 1-1 確認されているソフトウェア構成 ( 続き )
ソフトウェア
パッケージ
HP-UX 11i v1
(B.11.11) での
バージョン
HP-UX 11i v2
Update 2 (B.11.23)
でのバージョン
HP-UX 11i v3
(B.11.31) での
バージョン
Processor Sets
A.01.00.00.07
HP-UX に組み込まれ
ている PSET のバー
ジョン
HP-UX に組み込まれ
ている PSET のバー
ジョン
Serviceguard
A.11.15 (A.11.17 以降
を推奨 )
A.11.17
A.11.17
Servicecontrol
Manager、
HP Systems
Insight
Manager
C.05.00
C.05.00
C.05.00
Instant
Capacity
(iCAP)
(nPartitions 管
理で使用 )
B.05.00、
B.11.11.06.50、
B.11.11.07.01 (vPars
A.03.x 以降と共に利用
可能 )
B.06.00、
B.11.23.06.03、
B.11.23.07.00、
B.11.23.08.00
B.11.31.08.01
Virtual
partitions
(vPars)
A.02.02、
A.03.03
A.04.01、
A.04.02、
A.04.03
A.05.01
Pay Per Use
(PPU)
B.07.00
B.07.00
B.08.00
EMS
A.04.00.02、
A.04.20
A.04.10、
A.04.11、
A.04.20
A.04.20
GlancePlus
Pak
C.03.86、
C.04.50
C.03.85、
C.03.86、
C.04.50
C.04.70
WLM Toolkits
A.01.10
A.01.10
A.01.10
OpenSSL
A.00.09.07-d 以降
A.00.09.07-d 以降
A.00.09.07-d 以降
第1章
27
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
表 1-1 確認されているソフトウェア構成 ( 続き )
ソフトウェア
パッケージ
HP-UX 11i v1
(B.11.11) での
バージョン
HP-UX 11i v2
Update 2 (B.11.23)
でのバージョン
HP-UX 11i v3
(B.11.31) での
バージョン
HP-UX
Bastille
B.02.01
B.02.01
B.03.00
長いホスト名との互換性
WLM は、長いホスト名をサポートしています。ただし、事前に NodeHostNameXpnd バンドル
をインストールしてこの機能を構成しなければなりません。詳細は、32 ページの「インストー
ル手順」を参照してください。
X ウィンドウとの互換性
WLM 構成ウィザード (/opt/wlm/bin/wlmcw) と WLM モニタリング GUI (wlminfo -i または
wlmgui で起動 ) は、次の種類の X ウィンドウで動作が確認されています。
•
HP-UX の X ウィンドウ
•
XFree86、バージョン 4.1.0-15 (Linux)
•
Reflection X for Windows 2000
当社では、他の X ウィンドウに関しては保証していません。
GlancePlus との互換性
GlancePlus を使用すると、WLM が使用している PRM を監視することができます。
GlancePlus では、SLO を達成するために使用できるメトリックを得ることもできます。
WLM は、HP-UX 11i バージョンの GlancePlus と互換性があります。HP-UX 11i v1 では、
WLM と完全に互換性のあるバージョンの GlancePlus を使うために、11i エンタープライズオ
ペレーティング環境または 11i ミッションクリティカル オペレーティング環境をインストールし
てください。
注記
28
GlancePlus を使って PRM での割り当てを変更しないでください。WLM が
PRM を制御しています。
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
WLM 仮想パーティション管理と Instant Capacity / PPU の互換性
Instant Capacity (iCAP) または Pay Per Use (PPU) ソフトウェアがインストールされている場
合は、vPars バージョン A.03.01 またはそれ以降があるときだけ、WLM 仮想パーティション管
理を使ってください。
A.03.01 より前のバージョンの vPars で、WLM 仮想パーティション管理を使うと、Instant
Capacity コアがカスタマの了解なしに自動的に使用開始されることがあります。このような現
象が発生した場合は、当社の担当者にご連絡ください。
vPars バージョン A.04.01 以降を使う場合には、Instant Capacity v7 以降を使ってください。
WLM 仮想パーティション管理と特定の CPU バインディングの互換性
WLM を使って管理する仮想パーティションでは、セル指定の CPU バインディングやユーザー
割り当ての CPU バインディングは使わないでください。
WLM と HP Integrity Virtual Machines の互換性
WLM は、HP Integrity Virtual Machines (Integrity VM) をサポートしています。WLM は、
Integrity VM ホストと Integrity VM ( ゲスト ) の両方で実行できますが、それぞれの WLM は
独立したインスタンスとして実行されます。Integrity VM ホストで WLM を実行するためには、
厳密にホストベースの構成を使用する必要があります。この構成は、HP-UX Virtual Partisions
または nPartitions の間でコアを移動するか、または Temporary Instant Capacity (TiCAP) コ
アまたは Pay Per Use (PPU) コアを使用開始するために専用に設計された構成です。(WLM は、
ゲストが実行されている Integrity VM ホストで FSS グループや PSET とともに実行されること
はありません。) また、WLM ホストに割り当てられているコアの最小数が、各 VM ゲストに割
り当てられている仮想 CPU の最大数 (vCPU 数 ) と同じかそれ以上であることを確認してくださ
い。そのようになっていないと、vCPU 数が WLM の最小割り当てと同じかそれ以上である VM
ゲストは、十分なリソースを受け取ることができず、最終的にクラッシュすることがあります。
たとえば、Integrity VM ホストに 8 つのコアと 3 つのゲストがあり、それぞれのゲストに仮想
CPU が 1 つ、2 つ、4 つ割り当てられている場合、WLM ホストは少なくとも 4 つのコアの割り
当てを常に管理する必要があります。これは、WLM hmincpu キーワードを用いて行います。
WLM が Integrity VM の内部で実行される場合は、PPU、vPars、Instant Capacity (iCAP) の
統合をサポートしません。ただし、Integrity VM は、PPU、Instant Capacity、および TiCAP
によって Integrity VM ホストに追加されたコアを利用します。前述のように、WLM は、シス
テム上の任意の VM ゲストに割り当てられている仮想 CPU の最大数と同じ数の、コアの配置を
第1章
29
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
継続しなければなりません。さらに、Integrity VM の内部で WLM を実行する場合、60 秒より
も長い WLM 間隔を指定する必要があります。これにより、FSS グループに対して公平に CPU
リソースを割り当てることができるようになります。
Integrity VM についての詳細は、次の Web サイトにアクセスして「Solution components」
ページに移動してください。
http://www.hp.com/go/vse ( 英語 )
WLM のパーティション管理と PSET の互換性
WLM では、パーティション ( 仮想パーティションまたは nPartitions) と、PSET ベースのワー
クロードグループを同時に管理できるようになりました。このサポートには、以下の要件があり
ます。
•
コンプレックスに Instant Capacity (iCAP) がある場合は、v7 以降でなければなりません。
•
コンプレックスに HP-UX Virtual Partitions (vPars) がある場合は、v4 (A.04.01) 以降でなけ
ればなりません。
•
コンプレックスに Pay Per Use (PPU) がある場合は、v7 以降でなければなりません。
psrset と PSET の互換性
WLM が PSET を管理している場合は、psrset コマンドで設定を変更しないでください。
PRM との互換性
バージョン A.03.01 では、WLM のバンドルには PRM は含まれていません。その結果、WLM
をアップグレードしても、システムはリブートしなくなりました。
WLM は PRM C.03.00 以降でのみ動作します。WLM のインストールまたはアップグレードを
行っているマシン上に、PRM C.03.00 以降がすでにある場合は、FSS および PSET ベースの
ワークロードグループを引き続き管理できます (PRM が WLM とともにインストールされた場
合と同じです。)。
マシンに WLM を初めてインストールする場合、使用できるのは厳密にホストベースの構成だけ
です。これは、prm ストラクチャを含まず、HP-UX Virtual Partisions または nPartitions の間
でコアを移動するか、または Temporary Instant Capacity (TiCAP) または Pay Per Use (PPU)
コアを使用開始するために専用に設計された構成です。FSS および PSET ベースのワークロー
ドグループを管理するためには、PRM を個別にインストールする必要があります。WLM を購
30
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
入すると、PRM ライセンスを取得することができます。PRM ライセンスの入手については、
HP のコードワード発行センターまでお問い合わせください。なお、その際には購入した WLM
のバージョンおよびカスタマ ID を必ずお伝えください。
WLM のインストールの際に Servicecontrol Manager (SCM) バンドルを構築するときには、
PRM がすでにインストールされている場合に限り、PRM API が含められます。SCM 統合バン
ドルは、PRM API がなければ PRM ベースの構成を検証することはできません。
注記
WLM 構成ウィザードを使用する場合は、適切なバージョンの PRM をインス
トールしてください。WLM の新機能を利用するためには、PRM の最新版
(C.03.02 以降 ) を使用してください。
PRM C.03.02 以降を使用するシステムで WLM が確実に正しく動作するようにす
るためには、WLM を A.03.02 以降にアップグレードしてください。A.03.00 また
はそれ以前の WLM をアップグレードする際には、PRM をアップグレードする
前に WLM をアップグレードしてください。
WLM を使用して、PRM が管理するリソースを制御できます。WLM は、prm ストラクチャが
WLM 構成に含まれている場合に PRM を使用します。このような構成では、PRM の情報コマ
ンドとモニタリングコマンド (prmlist と prmmonitor など ) を使用できます。また、prmrun
コマンドと prmmove コマンドも使用できます。prmconfig コマンドを使用する場合は、オプ
ションを指定しないで実行するか、または -u (unlock) オプションを指定して実行してください。
-r (reset) オプションは使用しないでください。
通常、WLM と PRM は、同時に同じシステムでリソースの管理に使用することはできません。
WLM と PRM の両方を同時に使ってリソースを制御すると、動作の不整合や性能上の問題が発
生する可能性があります。ただし、PRM 構成で FSS グループのみを使用し (PSET ベースのグ
ループを使用しない )、かつ WLM 構成が厳密にホストベースであれば、両方の製品を同時に使
用できます。( 厳密にホストベースの構成とは、prm ストラクチャを含まず、HP-UX Virtual
Partisions または nPartitions の間でコアを移動するか、または Temporary Instant Capacity
(TiCAP) コアまたは Pay Per Use (PPU) コアを使用開始するために専用に設計された構成です。
) 両方の製品を利用すると、WLM の最新リリースに含まれていない PRM の機能が利用できる
ようになります。このような機能には、PRM の CPUCAPOFF モード (prmconfig -M CPUCAPOFF
コマンドで有効になる ) などがあります。( このモードでは、PRM グループの CPU リソース使
用上限は、HP-UX 11i v3 以降で利用できる CAP 値によって決まります。詳細は、『HP Process
Resource Manager ユーザーガイド』または prmconfig(1M) を参照してください。)
第1章
31
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
gWLM との互換性
WLM と HP Global Workload Manager (gWLM) を同時に使って同じシステムを管理しないでく
ださい。これらの製品を同時に使ってリソースを制御すると、動作の不整合や性能上の問題が発
生する可能性があります。
Java との互換性
WLM GUI (wlmgui) やウィザード (wlmcw) を実行するためには、Java Runtime Environment
のバージョン 1.4.2 以降が必要です。PRM ベースの構成では、これらのユーティリティには
PRM C.03.00 以降が必要です。WLM の新機能を利用するためには、PRM の最新版 (C.03.02 以
降 ) を使用してください。
インストール手順
3ヶ月ごとにリリースされる Application Release (AR) メディアから WLM をインストールする
場合は、システムのリブート回数を少なくするために、この項の手順を使ってください。
ソフトウェアをインストールするには、SD-UX の swinstall コマンドを使ってください。GUI
を使ってインストールする方法については、48 ページの「swinstall のグラフィックユーザーイ
ンタフェース (GUI) の使用」を参照してください。
注記
WLM をアップグレードした場合、インストール後に、wlmd -a コマンドまたは
wlmd -A コマンドを使って HP-UX WLM を明示的に再起動しなければなりませ
ん。
次の手順は、HP-UX WLM A.03.02.xx のインストール処理の概要です。
手順
1. HP-UX が最新であることを確認します。
手順
2. ( オプション ) 長いホスト名を構成します。
手順
3. 必要に応じて OpenSSL をインストールします。
手順
4. 必要なパッチを確認します。
手順
5. ( オプション ) システムのリブートを最小限にするために、ソフトウェアデポを作成し
ます。
手順
6. PRM が自動的に起動されないようにします。
手順
7. ( オプション ) PRM のリモート構成デーモンを無効にします。
32
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
手順
8. 現在 WLM を実行中の場合には、WLM をシャットダウンします。
手順
9. パッチをインストールし、WLM をインストールまたはアップグレードします。
手順 10. /var/adm/sw/swagent.log ファイルをチェックします。
手順 11. ( オプション ) 適切なバージョンの GlancePlus があることを確認します。
手順 12. ( オプション ) HP Systems Insight Manager と統合するためのファイルをインストー
ルします。
手順 13. ( オプション ) 新しい /etc/rc.config.d/wlm ファイルと変更済みのファイルをマージし
ます。
以下で、これらの手順を詳細に説明します。
手順
1. HP-UX が最新であることを確認します。
システムの定期保守やサポートの一環として、HP IT リソースセンターの Support
Plus プログラムによってシステムを最新の状態に保つことをお勧めします。このプロ
グラムでは、Web サイトを通して、パッチバンドルが 3ヶ月ごとにリリースされま
す。また、3ヶ月ごとにリリースされる AR メディアにも含まれます。登録するには、
まず次の Web サイトにアクセスします。
http://itrc.hp.com
パッチ / ファームウェアデータベースのリンクを選択し、説明に従って登録してアカ
ウントを作成し、ログインします。ログイン後、「標準パッチバンドルを検索」のセク
ションまでスクロールして「HP-UX パッチバンドル」を選択します。対象のバンド
ルは「Quality Pack」と「Support Plus」です。
HP-UX 11i v1 (B.11.11) では、次の表に示すバンドルが推奨されています。
表 1-2 HP-UX 11i v1 (B.11.11) の一般サポートパッチ
HP-UX 11i v1 のパッチ
説明
GOLDQPK11i
HP 9000 ワークステーションおよびサーバー用の、HP-UX 11i
v1 の不具合修正パッチ。
( ローカルデポに置いたときには、このバンドルの名前は
GOLDBASE11i と GOLDAPPS11i になります。)
第1章
33
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
表 1-2 HP-UX 11i v1 (B.11.11) の一般サポートパッチ ( 続き )
HP-UX 11i v1 のパッチ
説明
HWEnable11i
HP-UX 11i v1 ワークステーションおよびサーバー用の、必須
のハードウェアサポートパッチ。
HP-UX 11i v1 (B.11.11) を使っていてプロセッサセット (PSET) を使用したい場合は、
次の Web サイトからソフトウェア ( プロセッサセットをサポートする ) をダウンロー
ドできます。
http://www.hp.com/go/wlm ( 英語 )
「Patches/support」のリンクを選択して「processor sets」で検索します。このソフト
ウェアにより、いくつかの問題も修正されます (13 ページの「PRM が有効になって
いる場合のシステムパニック。特定のカーネルパッチが存在し、PRM が存在しない
と、インストールに失敗する」の項を参照してください )。
注記
プロセッサセットをインストールするときに、デポを使って同時に
GOLDQPK11i をインストールするのでなければ、プロセッサセットソ
フトウェアをインストールする前に GOLDQPK11i をインストールし
てください。
プロセッサセットは HP-UX 11i v2 (B.11.23) と HP-UX 11i v3 (B.11.31) に含まれてい
ます。
HP-UX 11i v2 (B.11.23) では、次のパッチをインストールします。
表 1-3 WLM の HP-UX 11i v2 (B.11.23) パッチ
HP-UX 11i v2 パッチ
説明
BUNDLE11i パッチバ
ンドル
パッチのバンドル ( このバンドルをインストールすると、システム
は HP-UX 11i v2 Update 2 にアップデートされます )
34
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
表 1-3 WLM の HP-UX 11i v2 (B.11.23) パッチ ( 続き )
HP-UX 11i v2 パッチ
説明
PHKL_35174
rx8640 または rx7640 Integrity サーバー上で、WLM を使って
nPartitions または仮想パーティションを管理するために必要なパッ
チです。このパッチの詳細については、次の場所にある IT リソース
センターの Web サイトを参照してください。
http://itrc.hp.com
a. どのバッチバンドルがシステムにすでに存在しているかを調べます。
バンドルを検索してリストする、swlist コマンドを実行します。
# /usr/sbin/swlist -l bundle patch_bundle
patch_bundle は、GOLDBASE11i、GOLDAPPS11i、または HWEnable11i で
す。
b. 存在しなかったパッチバンドルを、
http://www.hp.com/go/softwareinfo/SUPPORT_PLUS/ ( 英語 ) から /tmp へダウ
ンロードします。
注記
この時点では、これらのパッチをインストールしないでください。
関連するサポートサイトを、次に示します。
•
HP Software Depot (http://www.hp.com/go/softwaredepot)
“enhancement releases” リンクを参照してください。
•
HP IT リソースセンター (http://itrc.hp.com)
“maintenance and support ( メンテナンス / サポート )” リンクを参照してくださ
い。
•
HP テクニカルドキュメント Web サイト (http://docs.hp.com/ja)
「リリースで探す」の「HP-UX 11i v1」を選択し、「インストール&アップデー
ト」および「パッチ管理」を参照してください。
手順
第1章
2. ( オプション ) 長いホスト名を構成します。
35
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
HP-UX 11i v2 または v3 で長いホスト名を使う場合には、NodeHostNameXpnd バン
ドルをインストールしてください。その後次のようにして長いホスト名を設定します。
カーネル調整パラメータを設定して、長いホスト名を有効にします。
# kctune expanded_node_host_names=1
ノードとホスト名を設定して、ブート後も変更が維持されるようにします。
# /sbin/set_parms hostname
ここで指定する hostname は文字通り hostname であり、設定するホスト名ではあり
ません。ホスト名はこのコマンド実行の途中で入力します。
構成情報については、NodeHostNameXpnd バンドルがインストールされているシス
テムの /usr/share/doc/NodeHostNameSize.pdf にある『Node and Host Name Sizes
on HP-UX』を参照してください。
手順
3. 必要に応じて OpenSSL をインストールします。
Web からソフトウェアをダウンロードして独自のソフトウェアデポを作成する場合
は、WLM をインストールしているシステムに OpenSSL A.00.09.07-d 以降をインス
トールしておく必要があります。OpenSSL ソフトウェアは、HP Software Depot
(http://www.hp.com/go/softwaredepot) から入手できます。3ヶ月ごとにリリースされ
る AR メディアから WLM をインストールする場合は、必要な OpenSSL ソフトウェ
アは WLM とともにインストールされます。
手順
4. 必要なパッチを確認します。
a. 次のデータをチェックして、WLM に必要なパッチを確認します。
Java (Java Runtime Environment バージョン 1.4.2 以降が必要 ) に依存する
WLM 構成ウィザード (wlmgui コマンド ) または wlminfo の対話型モード GUI
(-i) を使う予定の場合は、次の Web サイトにアクセスして、パッチ情報を確認し
てください。
http://www.hp.com/go/java ( 英語 )
また、PRM ベースの構成でこれらのユーティリティを実行するためには、PRM
C.03.00 以降が必要です。
HP-UX 11i v1 では、pthread ライブラリの問題を解決するために、パッチ
PHCO_29109 を適用してください。
36
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
WLM のパッチの最新情報は、次の Web サイトにある「Patches / support」の
ページを参照してください。
http://www.hp.com/go/wlm ( 英語 )
第1章
37
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
HP-UX 11i v1 では、次のパッチが必要です。
表 1-4 WLM 用の HP-UX 11i v1 (B.11.11) パッチ
HP-UX 11i v1 のパッチ1
説明
PHKL_32619
メモリーリソースグループ (MRG) のパッチ
PHKL_30034、
PHKL_30035、
PHKL_31993、
PHKL_31995、
PHKL_32061
注記 : これらのパッチは、すべて同時にインストールしてくださ
い。
これらのパッチの内容は、次のとおりです。
•
割り当てが大きいが、その割り当てを確保する分だけしか
ジョブが存在しないワークロードグループよりも、割り当て
が小さく、より多くのジョブがあるグループが優遇される可
能性がある場合に、割り当てを順守します。
•
Fair-Share Scheduler (FSS) が有効になっている場合に、I/O
ベースのアプリケーションの性能を改善します。
1. これらのパッチは、新しいものに置き換わっていることがあります。リストしたパッ
チ、またはその置き換えパッチが使用できます。
HP-UX 11i v2 (B.11.23) では、次のパッチをインストールします。
表 1-5 WLM 用の HP-UX 11i v2 (B.11.23) パッチ
HP-UX 11i v2 パッチ1
説明
BUNDLE11i パッチバン
ドル
パッチバンドル ( このバンドルをインストールすると、システム
が HP-UX 11i v2 Update 2 にアップデートされます。)
PHKL_32518
64 を超えるワークロードグループを作成できるようにします
(BUNDLE11i をすでにインストールしている前提 )。
PHKL_33052
シングルプロセッサの仮想パーティション、nPartitions、システ
ムの FSS グループに基づくワークロードグループを使用する際
に、性能の低下を防ぎます。
38
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
表 1-5 WLM 用の HP-UX 11i v2 (B.11.23) パッチ ( 続き )
HP-UX 11i v2 パッチ1
説明
PHKL_33604、
PHKL_33605
注記 : これらのパッチを同時にインストールします。
これらのパッチを使用すると、FSS ベースのワークロードグルー
プ内のそれぞれのジョブに対して、HP-UX の基で動作した場合
に比べて、より均等にグループのリソースが配分されるようにな
ります。
1. これらのパッチは、新しいものに置き換わっていることがあります。リストしたパッ
チ、またはその置き換えパッチが使用できます。
b. どのバッチバンドルがシステムにすでにインストールされているかを調べます。
最近の Quality Pack がインストールされている場合、これらのパッチのうちの一
部がすでにシステムにインストールされている可能性があります。これらのパッ
チがインストールされているかどうかを調べるには、swlist を次のように実行し
ます。
# /usr/sbin/swlist [-l patch] patch
patch は、パッチのタグです。たとえば、パッチ PHKL_32061 がインストールさ
れているかどうかをチェックするには、次のコマンド行を実行します。
# /usr/sbin/swlist -l patch PHKL_32061
また、手順 1 でパッチバンドルをダウンロードした場合には、次のコマンドで、
バンドルにパッチが含まれていることを確認します。
# /usr/sbin/swlist -d patch @ /tmp/bundle_name
指定したパッチがリストされない場合、このパッチの置き換えパッチがないか当
社の IT リソースセンター (http://itrc.hp.com) でチェックしてください。その後、
swlist を使って、置き換えパッチをリストしてください。
c. インストールされていないパッチを /tmp へダウンロードします。
必要なパッチがない ( インストールされていない、またはダウンロードしたバンド
ルに含まれていない ) 場合は、そのパッチを当社の IT リソースセンターからダウ
ンロードしてください。
http://itrc.hp.com
第1章
39
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
注記
手順
この時点では、これらのパッチをインストールしないでください。
5. ( オプション ) システムのリブートを最小限にするために、ソフトウェアデポを作成し
ます。
次の作業項目を複数行う必要がある場合は、デポを作成すると便利です。
•
パッチバンドル (GOLDQPK11i または HWEnable11i) のインストール
これらのパッチバンドルには、カーネルパッチが含まれています。パッチバンド
ルをインストールしたときには、システムをリブートする必要があります。
•
PHKL_* パッチのインストール
PHKL_* パッチは、HP-UX のカーネルパッチです。これらのパッチをインス
トールしたときには、システムをリブートする必要があります。
•
WLM のインストール / アップグレード
WLM のインストールまたはアップグレードを行ったときには、カーネルの再構
築とシステムのリブートが必要です。
上記の作業項目を複数行うときには、ソフトウェアデポを作成しない限り、リブート
が複数回実行されます。上記のパッチ、パッチバンドル、および WLM をすべて含む
デポがあれば、インストール手順を 1 回の操作にまとめることができるため、インス
トール時に必要なリブートの回数を少なくすることができます。
リブートを複数回実行しても構わない場合、またはソフトウェアが最新のものになっ
ているためシステムのリブートが複数回実行されない場合は、43 ページの手順 6 へ進
んでください。
これらの項目を 1 回の swinstall(1M) コマンドでインストールするためには、すべて
の関連ファイルセットが、1 つのソフトウェアデポ配布ディレクトリに集められてい
なければなりません。
下記の手順は、ソフトウェアデポの作成方法の概要を示しています。この手順では、
次の項目をデポに含める方法を例として説明します。
40
•
Quality Pack GOLDQPK11i ( パッチバンドルとも呼ばれます )
•
パッチ PHKL_32619
•
perl
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
•
WLM
注記
SD-UX の要件により、依存対象のファイルセットをこの共通デポにコ
ピーしなければならないことがあります。
a. 適切なディスクスペースが利用できることを確認します。各パッチのサイズにつ
いては、README テキストを参照してください。
b. デポ用のディレクトリを作成します。
# mkdir /tmp/wlm_depot
c. 手順 1 でダウンロードしたパッチバンドル (GOLDQPK11i または HWEnable11i)
が /tmp/ に格納済みでなければ、そこに格納します。
これらのパッチバンドルについての詳細は、表 1-2 を参照してください。
d. 各パッチバンドルをチェックします。
# /usr/sbin/swlist -d @ bundle_path
たとえば、GOLDQPK11i をチェックするには次のようにします。
# swlist -d @ /tmp/GOLDQPK11i_11.11.depot
出力には次のような行が含まれます。
GOLDAPPS11i B.11.11.0312.4 Gold Applications Patches for HP-UX 11i
v1, December 2003
GOLDBASE11i B.11.11.0312.4 Gold Base Patches for HP-UX 11i v1,
December 2003
上記のように出力されなかった場合は、ファイルを再度ダウンロードしてくださ
い。
e. パッチバンドルを、デポに追加します。
# /usr/sbin/swcopy -s bundle_path bundle_name @ depot_path
ここで、bundle_path と depot_path は絶対パス名で、bundle_name はパッチバ
ンドルの名前です。たとえば、次のようになります。
# swcopy -s /tmp/GOLDQPK11i_11.11.depot GOLDAPPS11i @ /tmp/wlm_depot
# swcopy -s /tmp/GOLDQPK11i_11.11.depot GOLDBASE11i @ /tmp/wlm_depot
第1章
41
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
この手順により、wlm_depot が自動的に登録されます。このため、swreg コマン
ドを使って登録する必要はありません。
f. デポを確認します。
# /usr/sbin/swverify -d \* @ depot_path
ここで、depot_path は、絶対パス名です。たとえば、次のようになります。
# swverify -d \* @ /tmp/wlm_depot
g. 手順 4 でダウンロードした不足していたパッチを、/tmp ディレクトリに置きま
す。
HP-UX 11i v1 (B.11.11) 用のパッチについては、表 1-4 を参照してください。
HP-UX 11i v2 (B.11.23) 用のパッチについては、表 1-5 を参照してください。
h. 各パッチファイルをデポに追加します。
# swcopy -s patch_file_path \* @ depot_path
ここで、patch_file_path と depot_path は、絶対パス名です。たとえば、次の
ようになります。
# swcopy -s /tmp/PHKL_32619.depot \* @ /tmp/wlm_depot
i. デポを検証します。
# swverify -d \* @ depot_path
ここで、depot_path は、絶対パス名です。たとえば、次のようになります。
# swverify -d \* @ /tmp/wlm_depot
j. perl が /opt/perl/bin/perl の位置にあることを確認します。
次のソフトウェアを使う予定があり、
•
監査レポートを表示する wlmaudit ユーティリティ
•
WLM ODBTK (Oracle Database Toolkit)に含まれているwlmoradcユーティリ
ティや smooth ユーティリティ
•
WLM BEA WebLogic Server Toolkit (WebLogicTK) に含まれている
expsmooth ユーティリティ
•
wlmcert ユーティリティおよびセキュアネットワーク通信
perl が /opt/perl/bin/perl の位置にない場合、次のようにしてください。
42
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
•
perl がまだインストールされていない場合、次の swcopy コマンドを使って、
3ヶ月ごとにリリースされる AR (Application Release) メディアからデポへ
perl を追加してください。
# swcopy -s mount_path perl \* @ /tmp/wlm_depot
ここで、mount_path は、3ヶ月ごとにリリースされる AR メディアのパス名
です。
•
perl はインストールされているが、/opt/perl/bin/perl 以外の位置にある場合、
/opt/perl/bin/perl からその perl へのシンボリックリンクを張ってください。
k. WLM のインストールメディアを挿入し、マウントします。詳細については、
mount_cdfs(1M) を参照してください。または、SAM、SMH、swcopy の SD-UX
対話型ユーザーインタフェースのいずれかを使って、メディアを「見つける」こ
とができます。
l. デポに WLM ( 製品 B8843CA) を追加します。
注記
WLM のバンドル B8843CA では、3ヶ月ごとにリリースされる AR
メディアのロックを解除するために、customer_id/codeword のペ
アが必要です。WLM を購入すると、この codeword が付与されま
す。codeword は、当社が発行するソフトウェア使用許諾書に記載
されています。WLM の codeword は、次の手順を実行するために
必要です。
次のようなコマンドを実行して、デポに WLM を追加します。
# /usr/sbin/swcopy -x customer_id=cust_id
-x codeword=codeword
-s mount_path
B8843CA @ depot_path
\
\
\
ここで、mount_path はメディアのパスで、depot_path は前の手順で指定したデ
ポの絶対パス名です。たとえば、次のようになります。
# swcopy -x customer_id=xyzCorp -x codeword=123456789101bcdf \
-s /cdrom B8843CA @ /tmp/wlm_depot
m. デポを検証します。
# swverify -d \* @ depot_path
ここで、depot_path は、絶対パス名です。たとえば、次のようになります。
第1章
43
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
# swverify -d \* @ /tmp/wlm_depot
手順
6. PRM が自動的に起動されないようにします。
以前に WLM または PRM をインストールしていた場合は、/etc/rc.config.d/prm ファ
イルの PRM_CONFIG 変数に 0 を設定して、PRM が自動的に起動されないようにしま
す。
PRM_CONFIG=0
手順
7. ( オプション ) PRM のリモート構成デーモンを無効にします。
PRM のリモート構成デーモンは、WLM では使えないため、起動する必要はありませ
ん。無効にしておくことをお勧めします。
以前に WLM または PRM をインストールしていた場合には、ファイル
/etc/rc.config.d/prm 内の変数 PRM_RMTCONF が、次のように 0 に設定されていて、
PRM のリモート構成デーモンが自動的に起動されないようになっていることを確認
してください。
PRM_RMTCONF=0
手順
8. 現在 WLM を実行中の場合には、WLM をシャットダウンします。
WLM をインストール / アップグレードするすべてのシステムまたはパーティション
で、以下のコマンドを実行します。
# /opt/wlm/bin/wlmd -k
また、動作中の WLM グローバルアービターがあればシャットダウンします。
# /opt/wlm/bin/wlmpard -k
手順
9. パッチをインストールし、WLM をインストールまたはアップグレードします。
注記
次に示す手順は、swinstall のコマンド行バージョンを使ったインス
トールについて説明しています。swinstall GUI の使用方法について
は、48 ページの「swinstall のグラフィックユーザーインタフェース
(GUI) の使用」を参照してください。
WLM は B8843CA というバンドル名を持ち、そのバンドルには Workload-Mgr、
WLM-Monitor、WLM-Dev ツールというプロダクトが含まれています。必要であれ
ば、swlist を使って、プロダクトに含まれているファイルセットをリストできます。
44
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
# swlist -l fileset -s depot_path B8843CA
WLM をインストールすると、次のプロダクトもインストールされます。
•
WLM Toolkits A.01.10 以降 (WLMToolkits)
適切なバージョンがシステムにすでにインストールされている場合は、このプロダク
トは変更されません。
WLM 製品 B8843CA は、WLM バージョン 1.0 の WLM 製品 B8843BA を置き換えま
す。swinstall の match_target オプションを使ってインストールすると、新しい製
品 B8843CA が、インストール済みの製品 B8843BA にマッチします。
Workload Manager は、/opt/wlm ディレクトリにインストールされます。マンページ
も、/opt/wlm ディレクトリにインストールされます。
a. システムを停止させる時期を計画します。この中には、現在のシステムのバック
アップをとる時間や、すべてのユーザーへ通知する時間を含める必要があります。
b. MeasureWare が動作している場合は、次のようにしてシャットダウンします。
# /usr/sbin/init.d/mwa stop
c. WLM をインストールします。
WLM のインストールには、次に示す 2 通りの方法があります。
•
手順 5 で作成したデポを使って WLM をインストールする
•
メディアから直接 WLM をインストールする
これらの方法について以下に説明します。
デポからの WLM のインストール
ローカルデポから WLM をインストールする場合は、swinstall を次のように実
行します。
# /usr/sbin/swinstall -x patch_match_target=true
\
-x autoreboot=true
\
-s depot_path
\
B8843CA [patch_bundles] [individual_patches]
ここで、depot_path は、作成したばかりのデポの絶対パスです。たとえば、次の
ようになります。
第1章
45
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
# swinstall -x patch_match_target=true
-x autoreboot=true
-s /tmp/wlm_depot
B8843CA GOLDAPPS11i GOLDBASE11i
\
\
\
PHKL_32619
SD-UX は、新しいカーネルを構築し、システムをリブートしようとします。
注記
46
WLM A.03.01 から、WLM のインストールではリブートは不要に
なりました。autoreboot オプションに true を設定する必要はな
くなりました。これは、HP PRM のカーネルを構築するファイル
セット PRM-Sw-Krn.PRM-KRN をインストールするために必要で
した。その結果、SD-UX の対話型ユーザーインタフェースで、リ
ブート了解の入力要求が表示されることもありません。
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
メディアからのインストール
注記
デポを活用しないでインストールすると、不必要にリブートが実行
されることがあります。リブート回数を削減する方法については、
手順 5 のソフトウェアデポの作成を参照してください。
メディアから WLM をインストールするには、以下の手順を実行します。
i. 手順 1 に従い、一般サポートパッチバンドルとソフトウェアをインストールし
ます。
手順 1 で説明した一般的な HP-UX パッチバンドルまたはソフトウェアがシス
テムにインストールされていない場合は、この段階でインストールします。
インストールについての特別な指示がある場合もありますので、パッチバンド
ルのドキュメントを注意深く読んでください。
ii. WLM をインストールします。
注記
WLM のバンドル B8843CA では、AR メディアのロックを解除
するために、customer_id/codeword のペアが必要です。WLM
を購入すると、この codeword が付与されます。codeword は、
当社が発行するソフトウェア使用許諾書に記載されています。
WLM の codeword は、次の手順を実行するために必要です。
以下のコマンドを実行して、WLM をインストールします。
# /usr/sbin/swinstall -x
-x
-x
-s
customer_id=cust_id
codeword=codeword
autoreboot=true
mount_path B8843CA
\
\
\
ここで、mount_path はメディアのパスです。たとえば、次のようになりま
す。
# swinstall -x
-x
-x
-s
第1章
customer_id=xyzCorp
codeword=123456789101bcdf
autoreboot=true
/cdrom B8843CA
\
\
\
47
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
iii. 手順 4 に従い、WLM 固有のパッチをインストールします。
手順 4 のパッチがインストールされていない場合には、この段階でインストー
ルします。
インストールについての特別な指示がある場合もありますので、パッチのド
キュメントを注意深く読んでください。
d. WLM をアップグレード / インストールする前に、MeasureWare が動作していた
場合には、次のようにして再起動します。
# /usr/sbin/init.d/mwa start
手順 10. /var/adm/sw/swagent.log ファイルをチェックします。
WLM バンドル B8843CA に対して swinstall を実行した後に、注意が必要な追加作
業に関するメッセージが出力されていないか、/var/adm/sw/swagent.log ファイルを
チェックします。
手順 11. ( オプション ) 適切なバージョンの GlancePlus があることを確認します。
Glance Adviser に依存する WLM データコレクタ (glance_app や glance_tt など )
を使う予定の場合は、GlancePlus C.03.35.00 またはそれ以降をインストールして使
うようにし、Glance Adviser を連続して実行した場合に発生するメモリーリークが起
こらないようにしてください。HP-UX 11i v1 を使っている場合は、11i エンタープラ
イズオペレーティング環境または 11i ミッションクリティカル オペレーティング環境
をインストールするときに、GlancePlus をインストールしてください。プロセッサ
セットを使っている場合は、GlancePlus C.03.58.05 またはそれ以降をインストール
してください。
手順 12. ( オプション ) HP Systems Insight Manager と統合するためのファイルをインストー
ルします。
WLM を HP Systems Insight Manager ( または Servicecontrol Manager) と一緒に使
う予定の場合は、CMSConfig.WLMB-CMS-Tools ファイルセットを CMS 上にインス
トールしてください。このファイルセットは、WLM がインストールされたホスト上
の /var/opt/mx/depot11 デポから入手できます。
このファイルセットを WLM がインストールされた CMS 上にインストールする場合、
インストール済みの WLM とこのファイルセットの互換性がない ( リビジョン文字列
が異なる ) 場合、インストールが失敗します。
48
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
手順 13. ( オプション ) 新しい /etc/rc.config.d/wlm ファイルと変更済みのファイルをマージし
ます。
/etc/rc.config.d/wlm ファイルを編集して “_ENABLE” で終わる変数に 1 を設定した場合
には、/opt/wlm/newconfig/etc/rc.config.d/wlm ファイルと既存の /etc/rc.config.d/wlm
ファイルをマージする必要があります。
WLM A.02.02 からは、/opt/wlm/newconfig/etc/rc.config.d/wlm ファイルには、変数
WLMCOMD および WLMCOMD_ENABLE が含まれています。
注記
今回初めて WLM をインストールし、以前に PRM をインストールしたことがあ
る場合には、ファイル /etc/rc.config.d/prm を編集して、次のように変数を設定し
てください。
PRM_CONFIG=0
PRM_RMTCONF=0
これらの設定によって、PRM とそのリモート構成デーモンがリブート時に自動的
に起動されなくなります。(PRM のリモート構成デーモンは WLM では使わない
ので起動する必要はありません。)
swinstall のグラフィックユーザーインタフェース (GUI) の使用
swinstall GUI を使うと、インストールが簡単になります。次の手順は、GUI を使ってデポか
らパッチと WLM をインストールする方法を示しています ( 上記の手順 9)。
手順
1. swinstall GUI を起動します。
# /usr/sbin/swinstall -s depot_path
ここで、depot_path は、パッチ、パッチバンドル、および WLM 用に作成したデポ
のパスです。
手順
2. [Actions] メニューから [Manage Patch Selection] を選択します。([Match What
Target Has] というメニュー項目は選択しないでください。このメニュー項目は製品
をロードするためのものであり、パッチには使えません。)
手順
3. 表示されたサブメニューから、次のメニュー項目を選択します。
[Automatically select patches for software installed on the target]
第1章
49
HP-UX Workload Manager リリースノート
互換性に関する情報とインストールのための要件
このメニュー項目はデフォルトの選択肢ではないため、他のオプションのマークを解
除してから先に進む必要があります。
これで swinstall コマンドはデポを走査し、ロードされるパッチをマークします。
手順
4. マークフェーズが完了したら、[Actions] メニューに戻り、他のパッチ、パッチバンド
ル、および WLM (B8843CA) を個別にインストール対象として選択します。
手順
5. [Actions] メニューから [Install (analysis)...] を選択します。
手順
6. 分析フェーズの完了後、[OK] を選択してソフトウェアをインストールします。
これらの製品にはカーネルのファイルセットが含まれているため、SD はリブートが
必要になることを表示します。
注記
今回初めて WLM をインストールし、以前に PRM をインストールしたことがな
い場合には、ファイル /etc/rc.config.d/prm を編集して、次のように変数を設定し
てください。
PRM_CONFIG=0
PRM_RMTCONF=0
これらの設定によって、PRM とそのリモート構成デーモンがリブート時に自動的
に起動されなくなります。(PRM のリモート構成デーモンは WLM では使わない
ので起動する必要はありません。)
50
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
このバージョンでの修正点
このバージョンでの修正点
WLM バージョン A.03.02.xx では、以下の点が修正されています。
同名の新しい証明書をインストールしたときに、wlmcert は既存の証明書ファ
イルを切り詰めない
WLM の以前のバージョンでは、既存の証明書と同名の証明書が新しくインストールされた場
合、wlmcert は、既存のファイルが新しいファイルより大きい場合に、既存のファイルを切り詰
めなければならないのに、切り詰めていませんでした。たとえば、host1.pem という証明書が次
の場所にすでにインストールされているとします。
/var/opt/wlm/certstore/truststore/host1.pem
host1 の新しい証明書をインストールし、新しい証明書ファイル host1.pem が既存のファイルよ
り小さい場合に、wlmcert は古いファイルを切り詰めません。古いファルの残がいが新しいファ
イル内に残ってしまいます。
この問題は修正され、証明書ファイルは適切に切り詰められるようになりました。
この修正により、不具合 CR# JAGag04768 が解決されました。
A.11.16 またはそれ以前の Serviceguard で sg_pkg_active スクリプトを使用し
たときに、CPU の使用量が著しく増加する場合がある
WLM の以前のリリースでは、A.11.17 より前の Serviceguard で WLM sg_pkg_active スクリ
プトを使用すると、多数の Serviceguard パッケージが動作するコンプレックスで、CPU の使用
量が通常より増加することがありました。
この問題は修正されました。
WLM Temporary Instant Capacity の 15 日のしきい値では制限が強すぎる
Temporary Instant Capacity (TiCAP) は、30 日 (1 日= 24 時間× 1 コア ) などの単位で、処理
能力を一時的に「テレホンカード方式」でアクティブにします。Temporary Instant Capacity
を使用するシステムでは、前払いの temporary capacity 時間を使い切るまでは、Instant
Capacity コアをいくつでも使用開始することができます。WLM の旧バージョンでは、
temporary capacity 時間の利用残が 15 日未満になると、WLM は Temporary Instant Capacity
リソースの使用を開始しなくなります。このしきい値は、環境によっては制限が強すぎる場合が
あります。
第1章
51
HP-UX Workload Manager リリースノート
このバージョンでの修正点
WLM のこのリリースからは、グローバルアービターの新しい構成キーワード
(utility_reserve_threshold) を設定して、しきい値の増減ができるようになりました。デ
フォルトは 15 日です。次の例では、しきい値を 5 日に設定し、temporary capacity の残量が 5
日未満になるまで、WLM が temporary capacity の割り当てを継続します。
par {
utility_reserve_threshold = 5;
}
このキーワードに 0 を設定すると、WLM は常に、temporary capacity リソースが利用できる限
り、temporary capacity リソースを使用開始状態にします。temporary capacity は、一定量を
常に予約しておくことをお勧めします。temporary capacity のバッファーを用意しておくこと
で、処理能力の追加が必要になったときに、それを購入する手続きのために追加のコアの使用開
始が遅延するのを防止できます。詳細は、『HP-UX Workload Manager ユーザーガイド』または
wlmparconf(4) を参照してください。temporary capacity リソースの使用開始に関するその他の
制限については、Instant Capacity (iCAP) のドキュメントを参照してください。
この修正により、不具合 CR# JAGaf97368 が解決されました。
prmmonitor が WLM グループのメモリー「上限」を表示しない
gminmem、gmaxmem、および memweight が指定されたワークロードグループがある WLM 構成
では、prmmonitor MEM コマンドで、現在の PRM メモリー上限を「Upper Bound」欄に表示す
ることができません。この問題は、prmmonitor で各グループのメモリー使用権と使用量を
チェックしたときに発生します。
prmmonitor MRG コマンドの表示に新しく「MB Max」欄が追加され、グループで使用できるメ
モリーの最大容量が表示されるようになりました。この機能拡張は PRM C.03.02 で導入されて
いるので、新しい prmmonitor MRG 表示を行うためには、このバージョン ( またはそれ以降 ) の
PRM が必要です。
WLM A.03.02 からは、wlminfo group コマンドの機能が拡張され、現在展開されている構成の
全グループのメモリー使用量が表示されるようになりました。また、-v オプションを指定する
と、各グループの gmincpu、gmaxcpu、gminmem、および gmaxmem の値が ( 使用できる場合 ) 表
示されます。ライブデータが表示されない場合 ( たとえば、-o オプションを使用している場合
)、新しい -v オプションは無視されます。メモリー管理を使用していない場合、「Mem Shares」
欄にはゼロの代わりにダッシュ (-) が表示されます。現在の構成でグループの gmincpu、
gmaxcpu、gminmem、gmaxmem の値が割り当てられていない場合は、対応する欄にはダッシュ
(-) が表示されます。
この機能拡張により、不具合 CR# JAGaf86413 が解決されました。
52
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
このバージョンでの修正点
WLM がパーティションの CPU リソースを増やせない場合、wlminfo par コマ
ンドが間違った CPU ( コア ) 数を表示する
WLM がパーティションの CPU リソース ( コアの数 ) を増やせない場合、wlminfo par コマン
ドは、意図したコア数と実際のコア数の両方に同じ値を誤って表示します。たとえば、WLM が
パーティションのコア数を 2 から 3 に引き上げることができなかった場合、wlminfo par は、
意図したコア数として 3、実際のコア数として 2 を表示するはずですが、コマンドの表示では意
図したコア数と実際のコア数の両方が 3 になります。
wlminfo par コマンドは修正され、意図したコア数と実際のコア数のどちらも正しく表示する
ようになりました。
この修正により、不具合 CR# JAGaf88801 が解決されました。
無視しても良い vparstatus 失敗の警告を WLM が表示する
vparmodify コマンドを使用した直後に vparstatus コマンドを使用すると、vparstatus コマ
ンドの実行に失敗することがあります。これは、仮想パーティションモニターが、まだ仮想パー
ティションデータベースをロックしているために発生します。その結果、WLM は次のような警
告を表示します。
vPar command failures seen while gathering partition status information.
このメッセージは、以下の条件に該当しなければ無視してかまいません。
•
WLM が、コアの変更に失敗したというエラーメッセージを表示した場合
•
システムユーザーが、期待されるコアの移行に失敗したと気づいた場合
WLM A.03.02 から、WLM はコマンド失敗の警告を表示することが少なくなりました。これは、
vparstatus の失敗について、直前の vparstatus の呼び出しが仮想パーティションの変更中で
あった場合には、無視するようになったためです。
この修正により、不具合 CR# JAGaf86468 が解決されました。
wlmpard が Temporary Instant Capacity (TiCAP) の変化を無視する
WLM A.03.00 から、utilitypri を有効にしたとき ( グローバルアービター構成ファイル内で
)、wlmpard は、いったん全ホストが接続されると、temporary capacity の変化の認識に失敗し
ます。新しいホストが接続された場合にのみ変化を検出します。その結果、TiCAP の残量がし
きい値 ( デフォルトで 15 日、または utility_reserve_threshold キーワードで指定した日数
) を下回ったときに、wlmpard は、temporary capacity の使用開始を続行することがあります。
第1章
53
HP-UX Workload Manager リリースノート
このバージョンでの修正点
WLM A.03.02 からは、wlmpard はこのような変化を検出し、しきい値に達した後は TiCAP の
割り当てを停止するようになりました。
この修正により、不具合 CR# JAGag06301 が解決されました。
wlmprmconf が無効な構成を生成することがある
PRM 構成ファイルを WLM ファイルに変換するスクリプトの wlmprmconf は、PRM 構成ファ
イルが PRM_SYS グループとセキュアコンパートメントレコードを含んでいる場合に、構文に
誤りのある構成を生成することがありました。エラーメッセージには、prm ストラクチャ内の
ユーザーおよびセキュアコンパートメント文の多くに、予期しない構文があることが示されま
す。
WLM A.03.02 から、wlmprmconf は、このような場合でも有効な WLM 構成ファイルを生成す
るようになりました。
この修正により、不具合 CR# JAGag03890 が解決されました。
WLM デーモン (wlmd) のメモリー使用量が増加し続ける
wlmd のメモリー使用量が時間の経過とともに増え続けることがあります。特に、PRM API エ
ラーが WLM メッセージログに記録されている場合に発生します。
WLM A.03.02 からは、このメモリーリークは修正されました。
この修正により、不具合 CR# JAGag06034 が解決されました。
WLM 構成ウィザードでは PSET ベースのワークロードで primary_host が設定
できない
WLM 構成ウィザード (wlmcw) を使って PSET ベースのワークロードを含む構成を作成し、パー
ティション管理用に primary_host キーワードを指定すると、ウィザードからエラーメッセー
ジが出力されます。
WLM A.03.01 からは、PSET ベースのワークロードを含む構成のパーティション管理がサポー
トされています。構成ウィザードは、このような構成が可能になるように修正されました。
この修正により、不具合 CR# JAGag07511 が解決されました。
54
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
各言語でのソフトウェア使用の可否
各言語でのソフトウェア使用の可否
マンページには、英語版だけがあります。リリースノート ( 本書 ) とユーザーガイドには、英語
版と日本語版があります。
第1章
55
HP-UX Workload Manager リリースノート
セキュリティ
セキュリティ
ここでは、セキュリティ上の留意点について説明します。
ホスト名と SSL 証明書の関係
SSL 証明書は、WLM のインストール時に作成されます。これにより、WLM がインストールさ
れたシステムの中で、WLM はセキュアモードで実行できるようになります。バージョン
A.03.01 では、“/sbin/init.d/wlm start” スクリプトを使用して WLM を起動すると、スクリ
プトはデフォルトでセキュアモードを使用します。この場合、同じ WLM グローバルアービター
(wlmpard) が管理するシステムとパーティションのすべてに、セキュリティ証明書を配布する必
要があります。また、WLM をアップグレードする際、その前に /etc/rc.config.d/wlm スクリプト
が変更されている場合は、/etc/rc.config.d/wlm 内の以下の変数が有効になっている (1 が設定さ
れている ) ことをチェックする必要があります。
WLMD_SECURE_ENABLE
WLMPARD_SECURE_ENABLE
WLMCOMD_SECURE_ENABLE
WLM をインストールするときに作成される各証明書の名前は、証明書を生成するホスト名に基
づいています。したがって、host1 では証明書名は host1.pem になります。これにより、信頼で
きるシステムが識別しやすくなります。WLM をインストールするシステムにホスト名を割り当
てていない場合、証明書はデフォルトの loopback.pem という名前になります。ホストに名前を
割り当てるときには、そのホスト名が証明書名と異なっていても、セキュリティは引き続き機能
します。ホスト名と証明書名を一致させるには、wlmcert コマンドを使用して現在の証明書を削
除し、次に証明書を再設定して、ホスト名と証明書名を一致させます。セキュリティ証明書と
wlmcert コマンドについての詳細は、wlmcert(1M) を参照してください。このマンページと他
の WLM マンページは、次の Web サイトにもあります。
http://www.hp.com/go/wlm ( 英語 )
WLM を使用してパーティションを管理するときには、各パーティションのトラストストア内
に、管理している他のすべてのパーティションの証明書が必要です。
注記
56
wlmpard を実行しているシステムで Serviceguard を使用する場合、wlmpard が
フェイルオーバーする可能性のあるシステムにはすべて、一次 wlmpard ノードと
同じ証明書を、トラストストアにインストールする必要があります。したがって、
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
セキュリティ
wlmpard がフェイルオーバーする可能性があるどのシステムでも、その wlmpard
が管理するシステムからの証明書を必ずインストールするようにしてください。
また、すべてのフェイルオーバーシステムから、その wlmpard が管理しているシ
ステムに証明書をインストールしてください。
データコレクタ
WLM で起動されるデータコレクタは root の権限で動作するので、セキュリティ上の問題が発生
する可能性があります。当社では、他社製のデータコレクタのセキュリティに関しては何の要求
も行っていません。また、当社では他社製データコレクタの使用に起因するセキュリティ上の欠
陥に関してはいかなる責任も負いかねます。
wlmgui と wlmcomd
WLM と WLM GUI を使うと、wlmcert(1M) で説明されているセキュア通信を設定することが
できます。セキュア通信を使わない場合のセキュリティ上のヒントを以下に示します。
•
wlmgui はインターネットを通して使わないでください。wlmgui と wlmcomd は、すべての
ユーザーが信頼できる、信頼性の高い LAN でのみ使ってください。wlmcomd と wlmgui と
の間で交換されるすべてのデータ ( ユーザーのパスワードも含む ) は、ネットワーク上を暗
号化なしで転送されます。
•
セキュリティを強化するには、wlmcomd と wlmgui の間の通信を、許可されたユーザーだけに
限定してください。
•
イントラネット上の信頼できる範囲でのみ、wlmgui から得られた監視情報を基にして、行動
方針を決定してください。
•
WLM GUI は、受信者を確かめずに、ネットワーク上で wlmcomd にデータを送信します。
•
wlmcomd への接続が確立されるたびに、システム上でプロセスが起動されます。このため、
各接続は、オープンファイル記述子、プロセス ID、およびメモリーなどのリソースを消費
します。大量に接続が確立されると、サービスが拒否されることがあります。使用中のポー
トへのアクセスをブロックするファイアウォールの内側にあるシステムにのみ wlmcomd を
配置することで、接続の数を制限できます。
第1章
57
HP-UX Workload Manager リリースノート
セキュリティ
パーティション
WLM は、仮想パーティションと nPartitions を、グローバルアービターを通して管理します。
WLM のグローバルアービトレーションでは、保護されていない通信を使います。悪意のある
ユーザーが通信を操作して、1 つ以上のパーティションに、不正な数のコアを割り当てる可能性
があります。グローバルアービターは、信頼性の高い LAN でのみ使ってください。
デフォルトでは、wlmpard は、ポート 9691 を介してシステム上のパーティションと通信しま
す。
パーティションでファイアウォールを使っている場合、またはパーティションで HP-UX
Bastille 製品を使っている場合には、このポートの通信はブロックされている可能性がありま
す。ご使用の環境で wlmpard を使う場合には、ポート 9691 または他のポートを個別に受信接続
のために空けておくようにしてください。9691 以外のポートを使う場合には、新しいポートで
通信が行えるように、wlmpard を再起動することを忘れないでください。
IPFilter ファイアウォールの構成に Bastille または Install-Time-Security Levels を使っている
場合には、空けておくポートについての規則を次のファイルに設定します。
/etc/opt/sec_mgmt/bastille/ipf.customrules
その後、bastille -b を実行し、その規則をロードします。そして、後続する実行やロックダ
ウンの際に Bastille がその規則を削除しないことを確認します。
58
第1章
HP-UX Workload Manager リリースノート
利用可能なマニュアル
利用可能なマニュアル
利用できる関連マニュアルがいくつかあります。これらのマニュアルの日本語版は Web 上の
http://docs.hp.com/ja、英語版は http://docs.hp.com でアクセスできます。
WLM の情報については、次のマニュアルを参照してください。
• 『HP-UX Workload Manager ユーザーガイド』(B8844-90015)
WLM のリリースノートについては、上記の Web サイトにある各バージョンを参照してくだ
さい。
/opt/wlm/share/doc ディレクトリには、WLM のオンライン マニュアル ( 英語版 ) が収めら
れています。
WLM Toolkit の情報については、次のマニュアルを参照してください。
• 『HP-UX Workload Manager Toolkits ユーザーガイド』(T1302-90041)
/opt/wlm/toolkits/doc ディレクトリには、WLMTK のオンライン マニュアル ( 英語版 ) が収
められています。
PRM の情報については、次のマニュアルを参照してください。
• 『HP Process Resource Manager ユーザーガイド』(B8733-90020)
HP-UX のシステム管理と Logical Volume Manager の情報については、次のマニュアルを参照
してください。
• 『HP-UX 11i システム / ワークグループの管理』(B2355-90951)
第1章
59
HP-UX Workload Manager リリースノート
WLM のツールキット
WLM のツールキット
当社では、Workload Manager と主要なサードパーティーのアプリケーションとの統合を容易に
する統合ツールキットを提供します。
ツールキットは開発が終わり次第、Web 上で提供します。そして、今後の Workload Manager
のリリースにもバンドルして提供します。ツールキットのダウンロードについては、次の
Workload Manager の Web ページを参照してください。
http://www.hp.com/go/wlm ( 英語 )
HP-UX WLM に関するフィードバック
•
HP-UX WLM/WLM Toolkit の現バージョンの機能についてのご意見、ならびに将来のリ
リースへのご提案は、開発チームの次のアドレス宛てに電子メールでお寄せください。
wlmfeedback@rsn.hp.com ( 英語 )
•
IT リソースセンターに、他の WLM ユーザーと情報交換できるフォーラムがあります。
http://forums.itrc.hp.com/cm ( 英語 )
(HP-UX 内の「workload/resource management」カテゴリを選択 )
•
日本語版マニュアルに関するフィードバックは、当社のテクニカルドキュメント Web サイト
にある「カスタマ フィードバック」ページからお寄せください。
http://docs.hp.com/ja/feedback.html ( 日本語 )
60
第1章