あじさい Vol.11,No.3,2002 Aug.2002 Vol.11 No.3 ★シリーズ 医薬品副作用解説―7 『光線過敏症』 要旨: 光線過敏症型薬疹には、光毒性反応と光アレルギー反応の2種類があります。しかし、臨床 的には両者を区別するのは必ずしも容易ではありません。いずれの反応も、作用波長は長波長紫外線 (UVA;320∼400nm)や可視光線であることが多いようです。そのため、ガラス越しでも皮疹は発症 します。原因薬剤は数多くありますが、主なものはトランキライザー、抗ヒスタミン剤、消炎鎮痛剤、 降圧利尿剤、スルホニルウレア系経口血糖降下剤、サルファ剤、抗真菌剤、テトラサイクリン系抗生物 質、キノロン系抗菌剤(ニューキノロン系、オールドキノロン系)、です。その他、薬剤性のポルフィ リン症やエリテマトーデスにより、光線過敏症状を示すこともあります。原因薬剤の追求、確定診断に は光線テスト、光貼付試験、内服照射試験を行います。治療の基本は薬剤の中止、日光の遮断、ステロ イド剤外用などの対症療法です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 予防にはどんな情報が必要か調べてみたいと思 います。 ◎ はじめに オゾンは過度の紫外線が地表に注ぐのを防ぎ、 地球上の生命を守ってくれています。しかし、近 年、工業製品やスプレーなどに使用されているフ ロンガスはオゾンを破壊し、南極では「オゾンホ ール」と呼ばれる現象が観察されています。 オゾン層の破壊による紫外線の増加が美容の 問題だけでなく、皮膚癌や白内障の原因にもなり かねません。また、通常では起こりえない程度の 日光暴露でも著しい sun burn(痛みを伴った炎 症性変化)や sun tan(炎症後の色素沈着)な どの光線過敏症を生じる場合があります。このう ち最も頻度の高い物は、化学物質や薬剤によって 引き起こされるものです。 今回のあじさいでは、薬剤性の光線過敏症がど んなものか、またどんな薬剤が引き起こし、その ◎光線過敏症 1:定義 1 ) 日光によって発生ないし悪化する皮膚疾患を 総称していいます。日光中の一定波長域の光線 (作用波長)によりますが、それが不明な疾患も 含まれます。内因性と外因性光線過敏症があり、 内因性に属するものは表1のようなものが関与 することが多く、外因性に属するものが光接触皮 膚炎と光過敏性薬疹です。光増悪物質の皮膚への 接触、または経口摂取により、日光の照射部位に、 日焼け、湿疹、扁平苔癬などを生じます。アレル ギー反応による場合は、光アレルギー性反応とい い、光毒性反応と区別します。 51 あじさい Vol.11,No3,2002 表1 光線過敏症2) 色素乾皮症、Cockayna症 候群、Bloom症候群、 Smith-Lemli-Opitz症候群 遺伝的素因 感染性 代謝異常 内因性 栄養障害 酵素異常 外因性 単純ヘルペス ポルフィリン症 ペラグラ 白皮症 免疫異常 紅斑性狼瘡、日光蕁麻疹、 多形日光疹 Koebner 乾癬、多形滲出性紅斑 光毒性反応 光アレルギー性反応 2:症状 1 ) 光線過敏症型薬疹は多種多様であり、ほとんど すべての型の皮疹が生じます。急性期では、丘疹、 紅斑、浮腫などが出現することが多く、慢性期で は色素沈着、痒疹、苔癬化、色素脱失などがみら れます。 これらの皮疹は、すべて露光部に発症し、顔面 では突出している部分(前額部、鼻背部、頬部、 おとがい部、耳介上部など)、さらに項部、前胸 部(V 字部)、手背や前腕に出現します。逆に非 露光部に皮疹がないことが、診断根拠にもなりま す。また、露光部であっても皮膚皺壁内や髪際部、 下顎には発症しにくいようです。光線過敏型薬疹 は、原因薬剤によって下記のように分類できます が、すべてこれに当てはまるわけではありません。 表2 薬疹の性状3) 皮疹の性状 原因薬剤 日焼け様紅斑 フェノチアジン系、スルフォニル尿 素、テトラサイクリン系、ソラレン、 ナリジクス酸 湿疹・ びまん性紅斑様 フェノチアジン系、スルフォニル尿 素、グリセオフルビン、ジフェンヒド ラミン、5-FU、チアジド系 扁平苔鮮様 サイアザイド系、テガフール 光線性白斑黒皮症 サイアザイド系 エリテマトーデス様 フェニトイン、カルバマゼピン、ヒド ララジン、プロカインアミド、イソニ アジド、メチルドパ、D-ペニシラミ ン、グリセオフルビン、経口避妊 薬、5-FU、サルファ剤 色素沈着 フェノチアジン系、ソラレン ポルフィリン症 アルコール、エストロゲン、経口避 妊薬、ヘキサクロロベンゼン、PCB (ポリ塩化ビフェニル) ポルフィリン症様 ペラグラ様 3:発生機序 1 ) 2 ) 9 ) 薬剤性光線過敏症の発症機序は光毒性反応と 光アレルギー反応に大別されます。 1)光毒性反応 薬剤による光毒性反応は個体の素因あるい はアレルギー機序とは無関係に発症する光線 過敏症です。従って、光毒性作用を有する化学 物質の適量が皮膚に沈着し、適当な波長(作用 波長)の光線が十分に照射されれば、健常人と いえどもすべてのヒトに生じうる反応です。 皮膚症状は、紅斑、浮腫、水疱など通常の日 焼けが増強された型で発症することが多いよ うです。 例)サルファ剤、スルフォニル尿素系製剤、降 圧利尿剤、フェノチアジン系製剤、テトラサイ クリン系製剤 2)光アレルギー性反応 抗原あるいはハプテンの形成に光のエネル ギーが利用され、これによって個体が感作され たとき、光アレルギー性反応が発症します。一 旦、光アレルギー感作が成立すると、光毒性反 応の場合と比較して、少量の薬剤と紫外線で皮 膚症状が誘発されます。つまり、皮膚症状は用 量や日光照射量とは無関係に発現します。一定 の潜伏期間(2日∼2週間)を経て発症し、類 似化合物との交叉反応を起こすことが知られ ています。皮疹は湿疹の形態をとることが多く、 時には多形紅斑や扁平苔癬の症状を呈するこ ともあります。 例)グリセオフルビン、フロセミド、テガフー ル 表3 光毒性反応と光アレルギー性反応の鑑別 1)3) 特色 テトラサイクリン、ナリジクス酸、フ ロセミド、ダプソン、ピリドキシン、 ナプロキセン イソニアジド、メルカプトプリン、5FU 52 光毒性反応 光アレルギー性反応 頻度 高い 低い 薬剤必要量 多量 少量 発現までの時間 数分∼数時間 数日以上 免疫の獲得 不要 必要 臨床像 Sunburn様 湿疹、皮膚炎など様々 皮疹の分布 露光部 露光部∼非露光部 色素沈着 時折 まれ 他剤との交叉反応 無 有 キャリア蛋白との共有結合 無 有 遠隔部位の再燃 無 有 作用波長 通常吸収波長に同じ 通常吸収波長より長波長 リンパ球幼若化現象 無 可能 あじさい Vol.11,No.3,2002 <作用波長>2)10) 皮膚反応の原因となる光線の波長を作用波長 と呼びます。日光には紫外線、可視光線、赤外線 などが含まれています。紫外線は波長の長さによ って UVA(長波長紫外線:400∼320nm)、UVB (中波長紫外線:320∼290nm),UVC(短波長紫 外線:290nm 以下)とよばれます。薬剤による光 線過敏症の主な作用波長は、長波長紫外線UVA です。(図1参照)紫外線量は、春から夏にかけ て最も多くなっています。(図2参照) UVC は、地球のまわりにあるオゾン層に吸収 されるため、地表には到達しないといわれていま す。UVA と UVB がオゾン層を通過して地表まで 届きます。オゾン層破壊で UVB が増加している ため、われわれの皮膚にとって深刻な問題です。 UVA も UVB も人間の皮膚を通過して、皮膚の内 側から光老化を起こす力をもっています。図参照 図1 Sun UVA Tan(色素沈着、老化促進) 真皮の中に弾力繊維を切る、酵素活性があ がってくると報告されており、シワの原因 紫外線のおよそ 90∼95% UVB SUN burn(赤くはれる、火照る、水疱 ができる) UVB がメラノサイトを活性化 させ、シミを生み出す 5:診断 2)3) 1)問診 薬剤摂取の有無や皮膚症状の季節性変動 日光暴露との関連などを問う。 2)視診 皮疹の形態と分布を観察する。顔面、頸部、 手背、上肢伸側などに皮膚症状が強度であれば、 光線過敏症を疑う。 光線スペクトル -7 3)光線テスト 患者皮膚に、蛍光灯型サンランプ(UVB)や ブラックライト( UBA)を照射して紫外線に対 する異常反応の有無を検査する。 UVA、UVBについて、MED(最小紅斑 量*)の測定。 ( 1nm=10A=10 cm) 320nm 290∼300nm 400nm 800nm 紫外線 可視光 UVA 赤外線 UVB *MED:紫外線に対する感受性の基準となるもの。UVA、 UVC UVB のそれぞれについて、背部や腹部など平常は日光 地表に到達する太陽光線 暴露を受けない部分に一定時間、一定の面積に照射を 行い、24 時間後に紅斑が生じる最少量の光線照射量を 図2 UVA、UVB 量の月間変動 18) いう。光線テストはいくつかの異なった時間の照射を 行い、正常人の MED と比較して光線に対して過敏 であるかどうかをみるもの。 図3 <MED のエネルギー換算> MED=単位面積あたりの照射率×照射時間 =単位面積あたりの joule 数 =(watts)×(sec)=(joule) (cm2) (cm2) (1W=107erg/sec、1J=107erg) 紫外線の作用 17) UVC UVB UVA (真皮まで到達) 4)内服照射試験 薬剤を中止して症状が改善するか否かを観 察する。原因として疑われる薬剤を1剤ずつ経 口投与して、投与前後の紫外線に対する反応の 差違を光線テストで判定する。 角質層 真皮 53 あじさい Vol.11,No3,2002 5)光貼付試験(光パッチテスト) 光アレルギー性接触皮膚炎の原因特定を目 的とする。全身投与薬剤で感作された場合でも 陽性反応を呈する患者もあるが、あくまでも補 助手段である。 (1) 同じ検体を一対貼付する(24 時間) (2) 一対の一方のみに UVA を照射する。 (3) 24∼48 時間後に判定する。 (4) 照射部位が陽性、非照射部位が陰性 であれば、光アレルギー性接触皮膚 炎、両者が陽性であれば、アレルギ ー性接触皮膚炎 ①紫外線吸収剤 17) 光のエネルギーが吸 収され、皮膚に放散 される。 サンスクリーン剤の層 皮膚の部位 ②紫外線散乱剤 物理的にはね返す サンスクリーン剤の層 皮膚の部位 ◎対処法 2)3) 1.発症予防 副作用として光線過敏症のある薬剤を処方す る場合には、長時間の日光暴露を避けるように患 者さんに指導します。 また、光感作性物質の投与と日光にあたる時間 との間隔を長く(単回投与が可能な薬剤では、夕 方1回投与)することにより光線過敏症の危険性 を減少させることができます。 表4 2.原因の回避 特定された原因薬剤を中止します。他剤に変更 する場合は、アレルギー交叉反応を避けるために 類似化学構造の薬剤を使用しないようにします。 3.遮光 帽子、衣類(黒色、長袖)、手袋、日傘などの 物理的手段に加えてサンスクリーン剤を使用し ます。サンスクリーン剤を大別すると、①紫外線 のエネルギーを光化学的に吸入する紫外線吸収 剤と、②光線を物理的に反射あるいは散乱させる 紫外線散乱剤とがあります。①は有機化合物が多 く、②は粉末状の無機物です。一般的には無色の 紫外線吸収剤の方が不透明な粉末状の散乱剤よ りも違和感がなく使用感も優れていますが、遮光 領域は散乱剤の方が広くなっています。紫外線散 乱剤としては酸化チタンが繁用され、その他酸化 亜鉛、酸化鉄などがあります。これら散乱剤は吸 収剤に比べて、接触性皮膚炎の発生がない分、皮 膚に対する安全性が高いといわれています。 薬 剤による光線過敏症は、ガラスを透過する光線で も症状が発現するので、要注意です。 サンスクリーンの成分 10) 紫外線吸収剤 UVB領域 PABA誘導体 cinnamic acid誘導体 benzophenone誘導体 salicylic acid誘導体 UVA領域 4-t-butyl-4'-methoxybenzoylmethane(Parsol1789) 紫外線散乱剤 ZnO TiO2 SPF・・・ Sun Protection Factor(サンケア指数)の略。 UVB の防止効果を表す数値です。 SPF50+が日本化粧品工業連合会の 統一基準で定められた上限値です。 SPF 値= サンスクリーン剤塗布部位のMED 近接非塗布部位の MED PA・・・ Protection Grade of UVA の略。 UVA をどのくらい防止できるかという 目安。 3 段階に区分され、効果の度合いを 「+」の数で表示しています。 表5 UVA 遮断効果の分類表示 10) (日本化粧品工業連合会) PA値 2以上4未満 4以上8未満 8以上 分類表示 意味 + UVA防止効果がある ++ UVA防止効果がかなりある +++ UVA防止効果が非常にある 一般的に、真夏の晴れた海辺で、日本人が日やけす る標準時間は、20∼25 分です。 54 あじさい Vol.11,No.3,2002 症状に応じて強度を下げます。項部、手背などは 強度の症状を呈することが多く、また、副作用も 生じにくいため、比較的強力なステロイド剤を塗 布します。 SPF 値×20∼25 分(日本人が日やけする標準時間) =紫外線防止時間 例:SPF50 の日やけ止めをきちんと塗った場合 20∼25 分×50 倍=約 16∼20 時間、肌を赤くなるのを ◎光線過敏症を起こしやすい薬 防ぐことができます。 SPF50 の日やけ止めをきちんと塗れば、十分な紫外 剤 線防止効果が得られることができます。 外因性光線過敏症の中で最も頻度の高いのは、 薬剤や化学物質などによるものです。 光線過敏症を惹起する薬剤としては古くより クロルプロマジン、チアジド系降圧利尿剤、スル ホニル尿素系経口糖尿病薬、グリセオフルビン、 テガフールなどが知られていますが、最近それに 加え非ステロイド系消炎鎮痛剤、ニューキノロン 剤によるものが増加しています。改めて、光線過 敏症の報告がある薬剤について表7にまとめま した。 薬効群ごとにまとめ、光アレルギー性か光毒性 なのか解かっている薬剤について「光ア」 、 「光毒」 で表記しています。また、添付文書に記載されて いる頻度を A∼G で分類しています。 薬剤のみならず、フロクマリンを含むセロリ、 ドクダミ、クロレラなどの食品や、化粧品、そし てサンスク リーンそのものによって光線過敏症 を起こす可能性があることを念頭においておく ことが必要です。 SPF と紫外線防御率の関係 17) 図4 また、図4を見ると、SPF30 前後までは防御率が効 果的に上昇しますが、その後の防御率はあまり変わら なくなってきていることがわかります。 世界的にも SPF30 が標準値となっています。(表6) 必要以上のSPFを求めるよりも、使用性、安全性 を考えた日やけ止め選びが大切です。 表6 SPF 値と遮断率 表7 SPF値 2 5 10 30 50 100 遮断率 50 80 90 96.7 98 99 記載方法 分類 一般名 代表的商品名 剤型 内ー内服剤 坐ー坐剤 外ー外皮用剤 注ー注射剤 作用機序 光アー光アレルギー 光毒ー光毒性 頻度 A:5%以上又は頻度不明 B:1%以上又は頻度不明 C:0.1%∼5%未満 D:0.1%∼1%未満 E: 1%未満 F: 0.1%未満 G:頻度不明 類:類薬で報告がある 外:外国での報告がある 斜線:添付文書に記載がない 重大:重大な副作用の項に記載 文献 引用文献 4・対症療法 薬剤性による光線過敏症である疑いが強い場 合には、患者が使用している薬剤を休薬させるこ とが第一です。大部分の症例では投与中止により 光線過敏症が消退しますが、中止後も長期間症状 が持続する場合は遮光を指導する必要がありま す。 症状の程度や発症部位に応じて、ステロイド外 用剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を使用し ます。重症の場合はステロイドの内服が行われる 場合もあります。顔面には皮疹が必発しますが、 副作用が生じやすい部位であり、強力なステロイ ド外用剤の長期間連用は避けます。ただし、症状 が強度であれば強力な製剤を短期間塗布した後、 55 あじさい Vol11,No3,2002 表7 光線過敏症を起こす可能性のある薬剤 分類 一般名 代表的商品名 剤型 作用機序 頻度 文献 マイナートランキライザー クロルジアゼポキシド コントール 内 F 12) 抗てんかん剤 エトスクシミド ザロンチン 内 G 12) カルバマゼピン テグレトール 内 F 12) アンピロキシカム フルカム 内 B 12) エトドラク ハイペン 内 G 12) 解熱消炎鎮痛剤 光ア ケトプロフェン モーラス 外 G 12) ザルトプロフェン ソレトン 内 G 12) ジクロフェナクナトリウム ボルタレン 内・坐 G 12) スプロフェン トパルジック 外 F 12) スリンダク クリノリル 内 G 12) チアプロフェン酸 スルガム 内 ナブメトン レリフェン 内 ナプロキセン ナイキサン 内 ピロキシカム バキソ メロキシカム 抗セロトニン剤 抗パーキンソン剤 抗うつ剤 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 精神神経用剤(フェノチアジン系) 光ア 光毒 F 12) 重大 12) G 12) 内・外 F.D.F 12) モービック 内 F 12) メシル酸ジメトチアジン ミグリステン 内 A 12) 塩酸アマンタジン シンメトレル 内 F 12) 塩酸イミプラミン トフラニール 内 G 12) 塩酸クロミプラミン アナフラニール 内・注 A 12) 塩酸マプロチリン ルジオミール 内 F 7) マレイン酸フルボキサミン ルボックス 内 G 12) 塩酸パロキセチン水和物 パキシル 内 F 12) 塩酸ピパンペロン プロピタン 内 F 12) オランザピン ジプレキサ 内 D* 12) クロルプロマジン コントミン A 12) チオリダジン メレリル ハロペリドール セレネース フルフェナジン 光ア 内・注 光毒、光ア 内 光ア F 12) 内・注 G 12) フルデカシン 注 F 12) フルフェナジン フルメジン 内 A 12) プロクロルペラジン ノバミン A 12) プロペリシアジン ニューレプチル 内 A 12) ベゲタミン錠-A,-B ベゲタミン 内 G 12) ペルフェナジン ピーゼットシー A 12) マレイン酸トリフロペラジン トリフロペラジン A 12) レボメプロマジン ヒルナミン A 12) ダントロレンナトリウム ダントリウム 内 F 12) アフロクァロン アロフト 内 F 7) 鎮うん・鎮吐剤 ジメンヒドリナート ドラマミン 内 A 12) 不整脈治療剤 塩酸アミオダロン アンカロン 内 E 12) 降圧利尿剤(サイアザイド類似) クロルタリドン ハイグロトン 内 G 12) インダパミド ナトリックス 内 F 12) メチクラン アレステン 内 光毒、光ア C 12) メフルシド バイカロン 内 光ア F 12) 降圧利尿剤(サイアザイド類似) トリパミド ノルモナール 内 光ア F 12) 降圧利尿剤(チアジド系) トリクロルメチアジド フルイトラン 内 光毒、光ア A 12) 筋弛緩剤 1 内・注 内・注 光ア 光毒、光ア 内 内・注 光ア あじさい Vol11,No3,2002 分類 一般名 代表的商品名 剤型 ヒドロクロロチアジド ダイクロトライド 内 ヒドロクロロチアジド配合剤 エシドライ ベンチルヒドロクロロチアジド 作用機序 頻度 光毒、光ア 文献 G 12) 内 G 12) ベハイド 内 G 12) ベンチルヒドロクロロチアジド配合剤 ベハイドRA 内 C 12) ペンフルチジド ブリザイド 内 G 12) メチクロチアジド エンデュロン 内 G 12) 降圧利尿剤(ループ系) フロセミド ラシックス 内・注 光毒、光ア G 12) 抗アルドステロン性降圧利尿剤 トリアムテレン トリテレン 内 光ア F 12) 炭酸脱水酵素抑制剤 アセタゾラミド ダイアモックス G 12) ACE阻害剤 カプトプリル カプトリル 内 F 12) マレイン酸エナラプリル レニベース 内 G 12) リシノプリル ロンゲス 内 F 12) 塩酸イミダプリル タナトリル 内 G 12) 内・注 光ア 光ア 塩酸ベナゼプリル チバセン 内 F 12) A-I I 受容体拮抗剤 カンデサルタンシレキセチル ブロプレス 内 C 12) α1遮断剤 メシル酸ドキサゾシン カルデナリン 内 α2刺激剤 メチルドパ アルドメット 内 β-遮断剤 酒石酸メトプロロール セロケン 内 塩酸チリソロール セレカル 内 Ca拮抗剤 ニルバジピン ニバジール 内 フェロジピン スプレンジール 内 塩酸ニカルジピン ペルジピン 内 塩酸マニジピン カルスロット 内 ニフェジピン アダラート 内 塩酸ベニジピン コニール 内 塩酸ジルチアゼム ヘルベッサー 内・注 クロフィブラート ヒポセロール 内 フェノフィブラート リパンチル 内 F 12) ベザフィブラート ベザトールS 内 G 12) リンバスタチン リポバス 内 G 12) 消化性潰瘍治療剤 オメプラゾール オメプラール 内・注 G 12) エチステロン誘導体 ダナゾール ボンゾール 内 G 12) 痔疾患用剤 エピジヒドロコレステリン,アミノ安息香酸エチル, プレステロン スルフイソミジン 坐 G 12) 塩酸ジブカイン プロクトセディル 外 脱脂大豆乾留タール グリテール 内 脱脂大豆乾留タール・ジフェンヒドラミン グリパスC 内 皮膚疾患外用剤 モクタール モクタール 尋常性白斑治療剤 メトキサレン ビタミンB6 鉄剤 高脂血症治療剤 皮膚疾患治療剤 11) 光ア 光毒、光ア 光ア 光ア 光ア 11) G 12) C 12) F 12) A 12) F 12) F 12) F 12) G 12) G 12) 11) 11) G 12) G 12) 外 G 12) オクソラレン 内 禁 7) 塩酸ピリドキシン アデロキシン 内 G 12) クエン酸第一鉄ナトリウム フェロミア 内 G 12) 溶性ピロリン酸第二鉄 インクレミン 内 G 12) 抗血小板剤 シロスタゾール プレタール 内 G 12) 高尿酸血症治療剤 ベンズブロマロン ユリノーム 内 G 12) 糖尿病用剤(αーグルコシダーゼ阻害剤) ボグリボース ベイスン 内 F 12) 糖尿病用剤(SU剤) アセトヘキサミド ジメリン 内 F 12) グリクラジド グリミクロン 内 F 12) 2 光ア あじさい Vol11,No3,2002 分類 一般名 代表的商品名 剤型 グリベンクラミド オイグルコン 内 グリメピリド アマリール 内 クロルプロパミド アベマイド 内 作用機序 頻度 光ア 文献 F 12) G 12) 光ア G 12) 光ア トルブタミド ヘキストラスチノン 内 G 12) メトトレキサート リウマトレックス 内 G 12) オーラノフィン リドーラ 内 F 12) ダカルバジン ダカルバジン 注 G 12) ドキシフルリジン フルツロン 内 A 12) テガフール フトラフール 内・注・坐 光ア F・G 12) テガフール・ウラシル ユーエフティ 内 光ア F 12) テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム ティーエスワン 内 光ア 類 12) フルオロウラシル 5-FU 内・注・外 光ア G 12) カルモフール ミフロール F 12) メトトレキサート メソトレキセート G 12) フルタミド オダイン 内 光ア E 12) 塩酸プロメタジン ヒベルナ 内・注 光毒、光ア A 12) メキタジン ゼスラン 内 光ア F 12) マレイン酸クロルフェニラミン ポララミン 内・注 A 12) センナ センナ 内 センノシド プルゼニド 内 セファロスポリン系 セファトリジンプロピレングリコール タイセファコール 内 外 8) マクロライド系抗生物質 アジスロマイシン水和物 ジスロマック 内 G 12) クラリスロマイシン クラリス 内 D 12) 塩酸テトラサイクリン アクロマイシン 内・外 光毒 G 12) 塩酸デメチルクロルテトラサイクリン レダマイシン 内 光毒 G 12) 塩酸ドキシサイクリン ビブラマイシン 内 光毒 G 12) 塩酸ミノサイクリン ミノマイシン 内・注 G・F 12) サラゾスルファピリジン サラゾピリン 内・坐 G 12) スルファジアジン テラジア 外 G 12) スルファジアジン銀 ゲーベン 外 G 12 スルファジメトキシン アプシード 内・注 F 12) スルファメトキサゾール シノミン 内 F 12) スルファメトキサゾール・トリメトプリム バクタ 内 G 12) 抗結核剤 イソニアジド イスコチン 内 ハンセン病治療剤 クロファジミン ランプレン 内 G 12) オキサゾリジノン系合成抗菌剤 リネゾリド ザイボックス 内・注 F 12) ニューキノロン系抗菌剤 エノキサシン フルマーク 内 光毒、光ア F 12) オフロキサシン タリビッド 内 光毒、光ア G 12) シプロフロキサシン シプロキサン 光毒、光ア F・A 12) スパルフロキサシン スパラ 内 光毒、光ア D 12) トスフロキサシン オゼックス 内 光毒、光ア D 7) ナリジクス酸 ウイントマイロン 内 光毒、光ア C 12) ノルフロキサシン バクシダール 内 光毒、光ア G 12) フレロキサシン メガロシン 内 光毒、光ア F 12) レボフロキサシン クラビット 内 光毒、光ア F 12) 塩酸ロメフロキサシン バレオン 内 光毒、光ア F 12) アシクロビル ゾビラックス G 12) 抗リウマチ剤 抗悪性腫瘍剤 抗ヒスタミン剤 生薬 テトラサイクリン系抗生物質 サルファ剤 ニューキノロン系抗菌剤 抗ウイルス剤 3 内 内・注 内・注 内・注 光ア 11) 11) 11) あじさい Vol11,No3,2002 分類 一般名 代表的商品名 剤型 作用機序 頻度 文献 サキナビル インビラーゼ 内 G 12) ザルシタビン ハイビッド 内 G 12) ネビラピン ビラミューン 内 C 12) 塩酸バラシクロビル バルトレックス 内 F 12) イトラコナゾール イトリゾール 内 C 12) 塩酸テルビナフィン ラミシール 内・外 F 12) グリセオフルビン グリソビン-FP 内 光ア G 12) フルシトシン アンコチル 内 光ア E 12) インターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え) イントロンA 注 F 12) インターフェロンアルファ スミフェロン 注 A 12) スルファドキシン・ピリメタミン ファンシダール 内 G 12) スルファメトキサゾール・トリメトプリム バクトラミン 注 G 12) 蛍光剤 フルオレセインナトリウム フルオレサイト 注 F 12) 殺菌防腐剤 ハロゲン化フェノール類 内 光ア 13) 化粧品(ベンゾフェノン系) オキシベンゾン 日焼けどめ 外 光ア 9) メトキシジベンゾイルメタン 日焼けどめ 外 光ア 9) para aminobennzoic acid 紫外線吸収剤 内 光ア 13) parsol A 紫外線吸収剤 内 光ア 13) parsol MSX 紫外線吸収剤 抗真菌剤 インターフェロン 抗マラリア剤 香料 食品 ソラレン 内 光ア 13) musk ambrette 内 光ア 11) ベルガモット油 内 光ア 11) 光毒 10) フェオフォーバイド クロレラ 内 くちなし色素 くちなし 内 セイヨウオトギリソウ セントジョーンズワート 内 フロクマリン セロリ 内 光毒 10) フロクマリン ライム 内 光毒 10) フロクマリン ニンジン 内 光毒 10) フロクマリン パセリ 内 光毒 10) フロクマリン イチジク 内 光毒 10) フロクマリン アメリカボウホウ 内 光毒 10) フロクマリン カラシ 内 光毒 10) フロクマリン 8-メトキシソラレン 内 11) フロクマリン 5-メトキシソラレン 内 11) 4 11) 14) あじさい Vol.11,No3,2002 イヨウオトギリソウと薬物相互作用;調剤と 情報 6:7.1013,2000 16) フレロキサシン系抗菌剤による光反応:朝と 夕方;月刊薬事 37:3.135,1995 17) 科薬資料より 18) 佐々木.東海大学総合科学研究所データ ♪♪♪♪♪まとめ♪♪♪♪♪ 光線過敏症の原因となる薬剤は非常に多く、新 薬の登場とともにその種類は増加しています。原 因薬剤は大半は内服薬です。高齢者では多種類の 薬剤を内服していることが多く、光線過敏症を起 こした場合、被疑薬をあげるのがしばしば困難で す。患者に対する対応としては、1)摂取薬剤お よびその摂取歴の問診に漏れがないように聴取 し、特に薬剤性光線過敏症を誘発する薬剤を投与 されているときには、長時間の日光照射はさける ように注意しておくこと、2)薬剤性光線過敏症 の臨床症状のパターンをしっておくこと、3)光 線過敏テストを極力実施することが重要です。 光線過敏症は、夏に発現しやすい副作用ですの で、この時期特に注意したいものです。 <参考文献> 1) 高木.目で見る薬疹―16/光線過敏症型薬疹; 医薬ジャーナル 34:1.5,1998 2) 重大な副作用の臨床像と対処法;大日本製薬 資料 3) 柴田.光線過敏症型薬疹;臨床と薬物治療 9:1.67,1990 4) 矢崎.Ⅸ 皮膚・感覚器系(6);月刊薬事 43:6.99,2001 5) 堀尾.重大な副作用の臨床像と対処法 6) 堀 尾 . 紫 外 線 の 防 御 ; 日 本 医 事 新 報:3822.128,1997 7) 市橋.紫外線による頭皮の光老化とその防止 法;日本医事新報:3928.160,1999 8) 尋常性白斑治療剤 トリオキシサレン、メト キサレンと光線過敏症を起こすことがある薬 剤との相互作用について(DSU 解説);日本 薬剤師会雑誌 48:4.695,1996 9) アンジオテンシン変換酵素阻害剤リシノプリ ルの光線過敏症等の副作用に関する添付文書 の 改 定 ( DSU 解 説 ); 日 本 薬 剤 師 会 雑 誌 49:5.959,1997 10) 上 出 . サ ン ス ク リ ー ン 剤 の 現 状 と 未 来 ; J.JOCD NO.55 January.29,1998 11) 澤田ら.3.薬と食・嗜好品の作用が集積する b) 薬とセロリ;医薬ジャーナル 38:1.576,2002 12) ARIS(副作用文献情報検索 CD-ROM) 13) 添付文書 14) 伊藤.8.化粧品による接触皮膚炎(1);医薬ジ ャーナル 36:12.1240,2000 15) 長谷川ら.わかりやすい薬物相互作用4 セ <編集後記> 薬疹の最もよい治療は原因薬剤の中止とい う最も手間のかからない方法ですが、原因薬と 気付かず投与し続ければ、どんな治療をしても 軽快は得られません。このような大きな差は、 薬疹かもしれないと気付けるかどうかだと思 います。 先生方の参考資料としてご使用していただけ れば幸いです。 発行者:富田薬品(株) 営業推進部CS課 池川登紀子 お問い合わせに関しては当社の社員又は、下記 までご連絡下さい。 TEL (096)373-1141 FAX (096)373-1132 E-mail KYR06545@nifty.ne.jp 56
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