ファイナルレポート IMB2006 ケルン国際縫製機器見本市

ファイナルレポート IMB2006 ケルン国際縫製機器見本市
フレキシブル素材加工における世界をリードする展示会明るい雰囲気のもと開催
前回2003年より3%アップの 115ヵ国から2万5千人の専門ビジターが来場
IMB2006は、5月13日、業界の期待を十分に満たし4日間の日程を終えました。IMB は今回
も世界のフレキシブル素材加工の国際的なリーディングメッセとしての存在を新たにしました。
出展者および来場者からは、今年の展示会はすべての分野においてトップクラスのイベントで
したとの意見をいただきました。「IMB は縫製工業のすべてのユニークで多様な商品をカバー
し、世界中からの質の高い専門ビジターを迎え、世界市場におけるその存在を強力なものとし
ました。今年の IMB はより明るく未来を視野に入れたメッセとして好転しました」とケルンメッセ
副社長ヴォルフガング・クランツは展示会の成功を述べました。「IMB2006では出展者も来場
者も必要とする情報を得ることができ、ここ最近でこのような肯定的な雰囲気の世界的展示会
はないでしょう。IMB2006は世界をリードする、技術のプラットホーム、出会いの場です。工業
繊維加工を総合するこの展示会のコンセプトが肯定的に受け入れられました」と、ドイツ縫製
機械工業会エルガー・シュトラウプ専務理事も同じくこの展示会への高い賞賛を述べました。
今回ケルンメッセ会場の新装ホールは IMB をより魅力的にしました。出展者、来場者ともケル
ンで質の高いサービスを得、展示会においてはトップクラスの効果を得ました。ドイツ縫製機械
工業会エルガー・シュトラウプ専務理事は、「ケルンの見本市会場は装いを新たにし、その最
高の展示会場であらゆる製品を紹介できたことに業界は非常に満足しています」と見本市を総
括しています。この見本市の成功に大きく貢献したのが出展企業でした。出展企業はブランド
およびイメージを効果的に演出するために、積極的に展示スタンドやディスプレイに投資をし
ていました。
IMBは「テキスタイル・プロセッシング」の出会いの場
世界のテキスタイル・プロセッシングの市場関係者がIMBに一堂に会しました。世界40ヵ国か
ら631社の企業が出展し、3分の2である423社が外国からの出展でした。総出展面積は8万
平米。衣服製造の最新技術や機材を始めとして、今回は工業繊維関連のソリューションも初め
て紹介されました。会期中、115ヵ国から合計約2万5千人のビジターが見本市を訪問しました。
そのうち外国からの専門ビジターの割合は64%を記録し、前回を3%上回りました。また、外
国からのビジターの全体数も、見本市会期が1日短縮されたにもかかわらず、10%以上の伸
びを記録しました。特に、ロシア、ウクライナ、ルーマニアおよびブルガリアなどの東欧諸国、ま
たトルコ、アラブ諸国、東南アジア、ラテンアメリカおよび南アフリカなどでビジター数の顕著な
増加が見られました。
IMB — ハイテクの拠点
IMB国際縫製機器見本市は、バリューチェーン全体の最新技術を紹介する最高の拠点とな
っています。JUKI 株式会社の飛田茂営業技術マネージャーは、「他の見本市では低価格の
製品や大量製品を対象とした展示が行われていますが、IMBはハイテクの機械や革新的ソリ
ューションなど、高品質の製品を紹介するビジネスステージとなっています」と述べています。
JUKI 社も他の出展企業同様、既存のビジネス関係をさらに深めただけでなく、新規問い合わ
せや新たなビジネスコンタクトを得ることができたとのことです。それもフレキシブル素材の加工
分野から、アパレル業界、自動車・航空産業、クッション家具産業、医療、フィルターメーカー
に至るまで広範囲においてです。さらに、ドイツのデュルコップアドラー社マーケティング部長
メレケン氏も「今回初めてIMBを訪れた工業繊維分野のお客様は、自分たちのニーズに合っ
たソリューションが豊富に紹介されていることに驚いていました。これは工業繊維分野を新たに
見本市に組み入れたことが成功した証です」と述べていました。工業繊維分野関連のビジター
は、その大半がヨーロッパからのビジターでした。これは工業繊維においてヨーロッパが以前
強い市場であることを示すものとメレケン氏は述べています。
ビジターの殆どが専門ビジターであったことから、出展企業のスタンドでは専門知識に関する
質問や、具体的な使用方法に関する議論が行われていました。その中でも、特にハイテク・イ
ノベーションが注目を浴びていました。ドイツの PFAFF 社マーケティング・セールス担当シュミ
ット氏は、「工業繊維加工分野からは多数の開発担当者が来場していました。特に、レーザー
や超音波溶接など新しい接合技術に興味を示していましたので、見本市の期間中とはいかな
くても、今後、受注が期待できます」と述べていました。出展企業はまずはビジターとのコミュニ
ケーション、相談、ビジネスコンタクトを大切にし、それを深めることを最優先としているようです。
ただ、多数の出展企業が見本市期間中に受注し、実際に見本市の成果を手にしていました。
景気上昇への明るい兆し
IMBの明るい雰囲気を表すかのように、ドイツのファイトグループのファイト社長は、「見本市期
間中にも受注を得ましたが、景気回復に向けた明るい兆しが感じられるので、今後の受注にも
期待しています」と述べています。出展企業からは主催者(ケルンメッセおよびドイツ縫製機械
工業会/VDMA)の準備やマーケティングに関しても、今回の見本市の成功要因の一つと高い
評価が聞かれました。ドイツのガーバー・テクノロジー社のヨーロッパ、中東およびアフリカ地域
マーケティング・コミュニケーションマネージャー、ハイネン・フォウデー氏は、「IMBは世界をリ
ードする見本市であることをまた実証しました。それは、主催者であるケルンメッセが工業繊維
を見本市対象分野に組み込んで、市場の動向に即したマーケティングを行ったことがその理
由です」と述べています。
90%が購買決定権をもつ専門ビジター
出展企業は一様にビジターの専門性を高く評価していました。このことは、ビジターアンケート
調査でも裏付けされました。アンケート結果によれば、専門ビジターの74%以上が買い付け・
調達の決定に関与していることが分かりました。この割合は、外国からのビジターにおいては8
6%となっています。また、今後12ヶ月間で投資を予定しているビジターは63%、これは外国
のビジターにおいては78%でした。
見本市訪問の目的に関する質問で、最も多かった解答が、「新製品および改良案を求めて」と
いうもので、71%でした。また、87%は希望した製品を見つけ出すことができ、「非常に満足し
ている」、あるいは「満足している」と解答しています。その他、49%のビジターが「購入あるい
は購入の準備」を訪問目的に挙げました。また、54%は「新しいビジネスコンタクトを求めて」と
答えています。外国ビジターではなんと65%が新しいサプライヤーを求めてとの答えを出して
います(アンケートは複数回答形式)。さらにアンケートにはビジターの関心の幅の広さが表れ
ており、回答者のほぼ半数が、工業繊維加工の関連分野からのビジターでした。見本市の訪
問に「満足」あるいは「非常に満足」と解答したビジターは92%にまで及びました。このような高
い満足度を背景に、ビジターの62%が「確実に」あるいは「恐らく」次回の2009年もIMBを訪
問すると答えています。
見本市会場でのレクチャー — キャンパスの雰囲気に包まれたIMB
専門テーマを扱った併催プログラムに注目が集まりました。特に、急速に発展するITおよびロ
ジスティックスへの関心は高く、それをテーマとしたIMBフォーラムが5月11日に開催されまし
た。学術界および産業界の著名人が情報技術について幅広くレクチャーをしました。約500
人のビジターが専門知識を得る格好の機会としてこれらを聴講し、フォーラムは大盛況となりま
した。ITの中でも最も関心が高かったのがPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネージメント)で
した。今ホットな話題であるPLMの講演には、多数のビジターが押し寄せました。この他、出
展者が新しいトレンドを紹介する「スピーカーズ・コーナー」も設けられました。さらに、各スタン
ドでもレクチャーや講演を行った出展企業も数多くあったため、IMB国際縫製機器見本市は、
大学のキャンパスのような雰囲気に包まれていました(http;//www.imb-forum.de)
第一回IMBイノベーション賞
ケルン見本市およびドイツ縫製機械工業会(VDMA)による第一回IMBイノベーション賞の授
賞式が行われました。この賞は、フレキシブル素材の革新的な加工技術を競うもので、審査委
員会は様々な国の審査員から構成されています。今回、「国際研究機関部門」では、テキスタ
イル製自動車カバーの自動製造機を開発したドレスデン工科大学繊維・服飾技術研究所が
授賞しました。また、「IMB出展企業部門」では、「制御式溶接技術」を考案したドイツの
PFAFF 社に贈られました。この溶接のチェックパラメーターはタッチスクリーンを介してプログラ
ムされ、100%のチェック機能を持ちます。この賞の後援は、EUの学術・研究担当委員、ポト
ニック氏が引き受けました。
次回の繊維加工産業関連の催し物(ケルン):
2007年:IMBフォーラム — 繊維・服飾産業の情報技術(2007年11月21日~22日、ケル
ンメッセ会場メッセ大通り/北コングレスセンターにて開催)
2009年:IMBケルン国際縫製機器見本市(春に開催)
次回の繊維加工産業関連の催し物(上海):
テキスタイル・プロセッシング・チャイナ(TPC): 2006年10月19日~21日開催
デジタル・プレスサービス
IMBホームページhttp://www.imb.deにて、ファイナルレポート、プレス資料、新情報、出展企
業のプレス情報および最新の見本市会場写真などを閲覧できます。
そ の 他 保 存 版 の 印 刷 物 に つ い て は ド イ ツ 縫 製 機 械 工 業 会 ( VDMA 、 ミ ュ ン ヘ ン )
http://www.vdma.deにお問い合わせください。
ケルンメッセ株式会社
〒105-0001 東京都港区虎ノ門 5-13-1 虎ノ門 40MT ビル 9F
TEL:03-5405-2202 FAX:03-5405-2203
e-mail: kmjpn@koelnmesse.jp
URL: www.koelnmesse.jp