98 入試問題セレクション 1 問題 [98 九州大] 右図のように円周を 12 等分する点 A, B, C, D, E, F, G, H, I, J, K, L が与えられている。これらの中から相異なる 3 点を選んで線分で結ぶと三角形が得られる。たとえば, A, D, I を選べば, 図のような三角形が得られる。このと L A B C K D J き, 次の問いに答えよ。 (1) 正三角形を与えるような 3 点の選び方の総数を求め E I H よ。 F G (2) 二等辺三角形を与えるような 3 点の選び方の総数を 求めよ。 (3) 直角三角形を与えるような 3 点の選び方の総数を求めよ。 (4) 3 点を選んで得られる三角形のうち, 互いに合同でないものは全部でいくつあ るか。 −1− 98 入試問題セレクション 2 問題 [98 お茶の水女大・文] 正方形 ABCD の各辺 AB, BC, CD, DA の各中点を E, F, G, H とし, 対角線の交点を I とする。また, A, G D C B, C, D, E, F, G, H, I とそれぞれ書かれたカード 9 枚 が袋に入っている。次の問いに答えよ。 H I F (1) 袋から無作為にカードを 3 枚取り出すとき, 対応 する 3 点が三角形をなす確率を求めよ。 A (2) 袋から無作為にカードを取り出し, 戻すという操 作を 3 度繰り返すとき, 対応する点が三角形をなす確率を求めよ。 −2− E B 98 入試問題セレクション 3 問題 [98 名古屋大・情報] 9 枚のカードに 1 から 9 までの数字が一つずつ記してある。このカードの中から任 意に 1 枚を抜き出し, その数字を記録し, もとのカードのなかに戻すという操作を n 回繰り返す。 (1) 記録された数の積が 5 で割り切れる確率を求めよ。 (2) 記録された数の積が 10 で割り切れる確率を求めよ。 −3− 98 入試問題セレクション 4 問題 [98 一橋大] A, B の二人があるゲームを独立にくり返し行う。1 回ごとのゲームで A, B の勝つ 確率はそれぞれ 2 , 1 であるとする。(ただし, このゲームは A と B が対戦するゲ 3 3 ームである) (1) 先に 3 回勝った者を優勝とするとき, A の優勝する確率 p を求めよ。 (2) 一方の勝った回数が他方の勝った回数より 2 回多くなった時点で勝った回数の 多い者を優勝とするとき, 2n 回目までに A の優勝する確率 qn を求めよ。 (3) p と qn の大小を比較せよ。 −4− 98 入試問題セレクション 5 問題 [98 東京医歯大] 1 辺の長さが 1 の正四面体 ABCD の辺上を, いくつかの粒子が次の規則に従って毎 秒 1 の速さで運動している。 規則 1 : 各粒子は辺の途中で向きを変えることはなく, ある頂点を出発した粒子 はちょうど 1 秒後に別の頂点に達する。 規則 2 : 各粒子は頂点に達すると, その頂点を端点とする 3 辺のいずれかに, そ れぞれ確率 1 で進む。 3 規則 3 : 粒子どうしは辺の途中で正面衝突しても互いにすり抜けてそのまま進む が, 同一頂点に 2 個以上の粒子が同時に達すると, それらは瞬時に合体し, 以 後は 1 個の粒子として運動する。 今, ちょうど 3 個の粒子が存在し, それぞれ頂点 A, B, C に同時に達したところで ある。 ( n + 01 . ) 秒後にちょうど k 個の粒子が存在する確率を Pk ( n ) とするとき, 以下 の問いに答えよ。ただし, n は自然数とする。 (1) P1 ( 1 ), P2 ( 1 ), P3 ( 1 ) を求めよ。 (2) ちょうど n 秒後に粒子が 3 個から 2 個になる確率 Q ( n ) を求めよ。 (3) P2 ( n ), P1 ( n ) を求めよ。 −5− 98 入試問題セレクション 6 問題 [98 名古屋大・理] 座標平面上に 4 点 A ( 0, 1 ), B ( 0, 0 ), C ( 1, 0 ), D ( 1, 1 ) を頂点とする正方形を 考え, この正方形の頂点上を点 Q が 1 秒ごとに 1 つの頂点から隣の頂点に移動して いるとする。さらに, 点 Q は, x 軸と平行な方向の移動について確率 p, y 軸と平行な 方向の移動について確率 1 − p で移動しているものとする。最初に点 Q が頂点 A にい たとするとき, n 秒後に頂点 A, C にいる確率をそれぞれ a n , cn とする。 a n , cn を求 めよ。 −6− 98 入試問題セレクション 7 問題 [98 広島大・理] A と B の 2 人がジャンケンをする。A がグー, チョキ, パーを出す確率をそれぞれ x, y, z とし, B がグー, チョキ, パーを出す確率をそれぞれ p, q, r とする。1 回のジャ ンケンの結果, A は次の表のような点を得る。 A の得点表 A がグー A がチョキ A がパー B がグー B がチョキ B がパー 0 3 −6 −3 0 5 6 −5 0 このとき, A の得点の期待値を E で表す。 (1) p = q = r = 1 のとき, E を最大にする x, y, z と, そのときの最大値を求めよ。 3 (2) 「B が確率 p, q, r をどのようにとっても E = 0 」となるには, A は確率 x, y, z をどのようにとればよいか。 −7− 98 入試問題セレクション 1 解答解説 [98 九州大] (1) 正三角形は, △AEI, △BFJ, △CGK, △DHL の 4 つより, 正三角形を与える 3 点の選び方は 4 通りとなる。 (2) 正三角形でない二等辺三角形の総数は, 頂点を 1 つ決めると底辺の決め方は 4 通りずつなので, 4 × 12 = 48 通りとなる。 (1)の正三角形と合わせて, 48 + 4 = 52 通り。 (3) 円の直径が直角三角形の斜辺となることに着目する。 まず, 斜辺を 1 つ決めるともう 1 つの頂点の決め方は 10 通りずつとなる。また 斜辺の決め方は 6 通りなので, 直角三角形を与える 3 点の選び方は10 × 6 = 60 通り となる。 (4) 点 A を頂点にもつ三角形を考えても一般性は失われない。 (i) 直角三角形の場合 AG が斜辺となるので, 互いに合同でない三角形の他の頂点の選び方は B, C, D の 3 通りとなる。 (ii) 鈍角三角形の場合 対称性を考えると, 最大辺となるのは AF, AE, AD, AC である。 互いに合同でない三角形の他の頂点の選び方は, 最大辺が AF または AE のと き B, C の 2 通りずつ, AD または AC のとき B だけの 1 通りずつ, 合わせて 2 × 2 + 1 × 2 = 6 通りとなる。 (iii) 鋭角三角形の場合 対称性を考えると, 最大辺となるのは AF, AE である。 互いに合同でない三角形の他の頂点の選び方は, 最大辺が AF のとき H, I の 2 通り, AE のとき I だけの 1 通り, 合わせて 2 + 1 = 3 通りとなる。 (i)(ii)(iii)より, 互いに合同でない三角形は, 3 + 6 + 3 = 12 個ある。 [解 説] (1)から(3)までは有名問題です。昨年も会津大で 6n 等分の場合の類題が出ています。 (4)は(3)と同じ考え方をし, 最大辺に着目して解いてみました。 −1− © 電送数学舎 98 入試問題セレクション 2 解答解説 [98 お茶の水女大・文] (1) 9 枚のカードから 3 枚取り出す 9 C 3 = 84 通りの組合せが同様に確からしい。 対応する 3 点が三角形をなさないのは, 3 点が同一直線上のときである。 このとき, 縦の並び, 横の並びが 3 通りずつで, 対角線上が 2 通りとなるので, 合わせて 3 × 2 + 2 = 8 通りとなる。 よって, 三角形をなす確率は, 1 − 8 = 19 である。 84 21 (2) 9 枚のカードから重複を許して 3 枚取り出して並べる 9 3 = 729 通りの重複順列 が同様に確からしい。 対応する 3 点が三角形をなさないのは, 次の 3 つの場合がある。 (i) 3 点が異なるとき 3 点の選び方が(1)と同じく 8 通りで, その各々に対して 3!通りずつの取り出し 方があるので, 8 × 3 ! = 48 通り。 (ii) 2 点だけが同一点のとき 一致する点も考えた 2 点の選び方が 9 P2 = 72 通りで, その各々に対して 3 通 りずつの取り出し方があるので, 72 × 3 = 216 通り。 (iii) 3 点が同一点のとき この場合は明らかに 9 通り。 以上より, 三角形をなす確率は, 1 − 48 + 216 + 9 = 152 である。 729 243 [解 説] 復元抽出と非復元抽出ということの違いを問う問題です。確率の考え方の基本がわ かっているかどうかが試されます。本番までに演習しておくべき一題です。 −2− © 電送数学舎 98 入試問題セレクション 3 解答解説 [98 名古屋大・情報] (1) 記録された数の積が 5 で割り切れるという事象を A とすると, 事象 A は積が 5 で割り切れない, すなわち記録された数がすべて 5 以外の数なので, ( ) P(A) = 8 9 n ( ) よって, P ( A ) = 1 − P ( A ) = 1 − 8 9 n (2) 記録された数の積が 2 で割り切れるという事象を B とすると, (1)と同様にして, ( ) P(B) = 5 9 n 記録された数の積が 10 で割り切れるという事象は A ∩ B となるので, P( A∩B) =1− P( A∩B) =1− P( A∪B) { =1− P( A)+ P(B)− P( A∩B) } =1− P( A)− P(B)+ P( A∩B) ここで, 事象 A ∩ B は積が 2 でも 5 でも割り切れない, すなわち記録されたすべ ての数が 1, 3, 7, 9 のいずれかなので, ( ) P( A∩B) = 4 9 n ( ) − ( 59 ) + ( 49 ) 以上より, P ( A ∩ B ) = 1 − 8 9 n n n [解 説] 解の中ほどに書いた P ( A ∩ B ) = 1 − P ( A ) − P ( B ) + P ( A ∩ B ) という関係式がポ イントです。余事象の確率の方が考えやすいとき, この式を用いて考えを整理します。 ぜひ経験しておきたい一題です。 −3− © 電送数学舎 98 入試問題セレクション 4 [98 一橋大] (1) A の勝つ確率, 負ける確率はそれぞれ 2 , 1 である。 3 3 (i) 解答解説 ( ) 3 回目で A が優勝するときは, A が 3 連勝より, その確率は 2 3 3 = 8 27 (ii) 4 回目で A が優勝するときは, 3 回目までに A が 2 勝 1 敗で 4 回目に A が勝 ( ) つときで, その確率は 3 C 2 2 3 2 1⋅2 = 8 3 3 27 (iii) 5 回目で A が優勝するときは, 4 回目までに A が 2 勝 2 敗で 5 回目に A が勝 ( )( ) 2 2 1 ⋅ 2 = 16 つときで, その確率は 4 C 2 2 3 3 3 81 8 8 16 64 (i)(ii)(iii)より, p = + + = 27 27 81 81 (2) A が m 回目に優勝するとしたとき, それまでに A が勝った回数, 負けた回数を それぞれ a, b とすると, a + b = m, a − b = 2 となる。 これより, a = m + 2 , b = m − 2 となり, m は偶数である。 2 2 まず, 2 回試合をして, A が 1 勝 1 敗の確率は, 2 C1 2 ⋅ 1 = 4 となる。 3 3 9 k≧ 2 として 2k 回目に A が優勝するのは, A が 2 ( k − 1 ) 回目まで 1 勝 1 敗のパタ ーンを続け, その後 2 連勝する場合である。 この確率は, ( 49 ) ⋅ ( 32 ) = ( 49 ) となり, これは k = 1 でも成り立つ。 1−( 4 ) ⎫ ⎧ 9 =∑(4) = 4⋅ = 4 ⎨1 − ( 4 ) ⎬ 9 9 5⎩ 9 ⎭ 1− 4 k −1 2 k n n よって, qn k k =1 ( ) n 9 ⎫ 64 4 ⎧ 1 = ⎨ − 4 ⎬− 9 ⎭ 81 5 ⎩ 81 ( ) ⎫⎬⎭ q >p ⇔ 1 >( 4 ) ⇔ 1 ( 9 ) >1 81 9 9 4 q <p ⇔ 1 <( 4 ) ⇔ 1 ( 9 ) <1 81 9 9 4 ここで, 1 ( 9 ) = 9 = 729 <1, 1 ( 9 ) = 9 1024 9 4 4 9 4 4 ⎧ (3) qn − p = 4 ⎨ 1 − 4 5⎩ 9 n n n n n 2 n n n 2 5 2 6 3 5 2 4 6 = 6561 >1 4096 よって, n≦5 のとき qn <p , n≧ 6 のとき qn >p [解 説] 設問 (1)と (2)の題意の違いを整理してから , 計算にとりかからないとミスをしてし まいます。そのような意味で, 重要題です。 −4− © 電送数学舎 98 入試問題セレクション 5 解答解説 [98 東京医歯大] (1) 1 + 01 . 秒後に粒子が 1 個となるのは, A→D, B→D, C→D のときなので, ( ) P1 ( 1 ) = 1 3 3 = 1 27 粒子が 2 個となるのは, まず A と B が合体するときを考えると, 「A→C, B→C, C→任意」または「A→D, B→D, C→D 以外」の場合より, その確率は, ( 13 ) 2 ( ) ×1 + 1 3 2 × 2 = 5 となる。 3 27 B と C が合体するとき, C と A が合体するときも同様なので, P2 ( 1 ) = 5 × 3 = 5 27 9 また, P3 ( 1 ) = 1 − P1 ( 1 ) − P2 ( 1 ) = 11 27 (2) 粒子が n − 1 秒後までは合体せずに, n 秒後に合体して 2 個になる確率は, Q ( n ) = { P3 ( 1 ) } n −1 ( ) P2 ( 1 ) = 5 11 9 27 n −1 (3) 2 個の粒子があって, 1 秒後に合体して 1 個になる確率は, (1)と同様に考えて, ( 13 ) 2 × 2 = 2 となり, 2 個の粒子が合体しない確率は, 1 − 2 = 7 となる。 9 9 9 そこで, k 秒後( 1≦k≦n − 1 )に粒子がはじめて 2 個になり, n 秒後にも 2 個の 粒子が存在する確率は, ( 1127 ) k −1 ( ) ⋅5⋅ 7 9 9 n −k ( ) ( 1127 ⋅ 79 ) = 27 ⋅ 5 ⋅ 7 11 9 9 n k ( ) ( 1121 ) = 15 7 11 9 n k これは, k = n の場合もみたすので, ( ) ∑ ( 1121 ) = 1511 ( 79 ) ⋅ 1011 ⎧⎨⎩ 1 − ( 1121 ) ⎫⎬⎭ ⎧ ⎫ = 3 ⎨ ( 7 ) − ( 11 ) ⎬ 2⎩ 9 27 ⎭ P ( n ) = ( 11 ) より, P ( n ) = 1 − P ( n ) − P ( n ) = 1 − 3 ( 7 ) 27 2 9 P2 ( n ) = 15 7 11 9 n n n n k =1 n また, k n n 3 1 2 3 n ( ) + 1 11 2 27 n [解 説] おもしろい状況設定の問題です。最後は n 秒後に粒子が 1 個となる確率を求める わけですが , 誘導は丁寧ですし , 計算もさほど難しくはありません。完答できると , 気持ちのよくなる一題です。 −5− © 電送数学舎 98 入試問題セレクション 6 解答解説 [98 名古屋大・理] n 秒後に B, D にいる確率をそれぞれ bn , d n とすると, a 0 = 1, b0 = c 0 = d 0 = 0 で, また a1 = c1 = 0, b1 = 1 − p, d1 = p となる。 .y a n +1 = ( 1 − p ) bn + pd n ………① A bn +1 = ( 1 − p ) a n + pcn ………② D cn +1 = pbn + ( 1 − p ) d n ………③ d n +1 = pa n + ( 1 − p ) cn ………④ B C .x ①+③より, a n +1 + cn +1 = bn + d n ………⑤ ①−③より, a n +1 − cn +1 = ( 1 − 2 p )( bn − d n ) ……… ⑤ ′ ②+④より, bn +1 + d n +1 = a n + cn ………⑥ ②−④より, bn +1 − d n +1 = ( 1 − 2 p )( a n − cn ) ……… ⑥ ′ ⑤と⑥より, a n + 2 + cn + 2 = a n + cn ………⑦ ⑤ ′ と ⑥ ′ より, a n + 2 − cn + 2 = ( 1 − 2 p ) 2 ( a n − cn ) ………⑧ (i) n が偶数のとき ⑦より, a n + cn = a 0 + c 0 = 1 2⋅ n ⑧より, a n − cn = ( a 0 − c 0 )( 1 − 2 p ) 2 = ( 1 − 2 p ) n よって, a n = 1 1 + ( 1 − 2 p ) n , cn = 1 1 − ( 1 − 2 p ) n 2 2 { } { } (ii) n が奇数のとき ⑦より, a n + cn = a1 + c1 = 0 ⑧より, a n − cn = ( a1 − c1 )( 1 − 2 p ) 2⋅ n −1 2 =0 よって, a n = cn = 0 [解 説] ていねいに漸化式を立てて解いてみましたが, n が奇数のときは a n = cn = 0 である ことは題意から明らかです。そのため n が偶数のときだけを考えればよいということ になり, そのような解でも構いません。 −6− © 電送数学舎 98 入試問題セレクション 7 (1) 解答解説 [98 広島大・理] E = 3⋅ 1 x − 6⋅ 1 x −3⋅ 1 y + 5⋅ 1 y + 6⋅ 1 z − 5⋅ 1 z 3 3 3 3 3 3 2 1 2 1 1 = − x + y + z = − x + y + (1 − x − y ) = − 4 x + 1 y 3 3 3 3 3 3 3 4 1 ここで, y = k ( 0≦k≦1 ) と固定すると, E = − x + k + 1 3 3 3 すると, x の増加に伴って E は減少するので, 0≦x≦1 − k から, どんな k に対し ても x = 0 のとき, E は最大となる。 この x = 0 の状態を保ったまま y を変化させると, E = 1 y + 1 より, y の増加に 3 3 伴って E は増加する。よって, y = 1 のとき E は最大となる。 このとき, z = 1 − x − y = 0 となり, E は ( x , y , z ) = ( 0, 1, 0 ) において最大値 2 をとる。 3 (2) E = −3 yp + 6zp + 3xq − 5zq − 6xr + 5 yr = ( − 3 y + 6z ) p + ( 3x − 5z ) q + ( − 6x + 5 y ) r p, q, r をどのようにとっても E = 0 となる条件は, まず ( p, q, r ) = ( 1, 0, 0 ), ( 0, 1, 0 ), ( 0, 0, 1 ) に対して E = 0 となることが必要なので, − 3 y + 6z = 0 ………①, 3x − 5z = 0 ………②, − 6x + 5 y = 0 ………③ 逆に, ①②③が成立するとき任意の p, q, r に対して E = 0 となる。 ①より y = 2z ……④, ②より x = 5 z ……⑤ 3 5 ④⑤を③に代入すると − 6 ⋅ z + 5 ⋅ 2z = 0 となり, 成立する。 3 ここで, x + y + z = 1 に④⑤を代入すると, 14 z = 1, z = 3 14 3 以上より, x = 5 , y = 3 , z = 3 14 7 14 [解 説] 期待値の計算自体は簡単ですが, 問われているものは, (1)では 1 変数固定という手 法を用いた 2 変数関数の取り扱い, (2)では同値の条件を求めるのに必要条件を求めて 後, 十分性を確認するという手法です。上の解では, その点をやや詳しく書いてみま した。 −7− © 電送数学舎
© Copyright 2024 Paperzz