8.シラバス(心理学専攻 修士課程) 社会福祉学原論 2単位(26年度以降入学生適用) Principles of Social Welfare 山口 光治 〔前学期開講〕 【概要】 今日の社会福祉を理解し、新たな生活問題に目を向けた問題解決学としての社会福祉学の探究を目指します。前半では社会福祉学研 究の基礎となる社会福祉の概念や制度、戦後の変遷を概観し、後半は社会福祉の価値、対象、方法について理解を深めていきます。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 わが国における戦後の社会福祉制度と福祉政策の展開を理解し、今日の生活問題や社会問題に目を向け、専門的価値を中心に置いた 問題解決のあり方について理解することを目標とします。 【教科書・参考書】 ①『社会福祉研究のフロンティア』岩崎晋也・岩間伸之・原田正樹 編 2014年 有斐閣 ②その他、テーマに応じた必読文献を紹介する 【評価方法・基準】 1.課題レポートの内容 80% 2.授業時での発言や参加度 20% 1と2の合計が60点以上の場合に単位取得とする。 【関連科目】 ソーシャルワーク基礎理論・ソーシャルワーク実践理論 【履修要件】 社会福祉学の基礎について学びたい者、ソーシャルワークに関心がある者 【授業計画・授業内容】 第1回 社会福祉学の研究:その社会的意義 第2回 社会福祉の概念①:狭義と広義の定義より 第3回 社会福祉の概念②:高齢者福祉を例に 第4回 社会福祉の歴史①:福祉三法の時代 第5回 社会福祉の歴史②:福祉六法の時代 第6回 社会福祉の歴史③:社会福祉基礎構造改革 第7回 社会福祉の価値①:価値と倫理 第8回 社会福祉の価値②:福祉の哲学、共生 第9回 社会福祉の価値③:社会福祉の権利論 第10回 社会福祉の対象①:貨幣的ニーズ 第11回 社会福祉の対象②:非貨幣的ニーズ 第12回 社会福祉の対象③:新たな社会問題 第13回 社会福祉の方法①:コミュニティケア 第14回 社会福祉の方法②:施設ケア 第15回 社会福祉の方法③:措置制度の今日的意義 【事前・事後学習】 事前:社会福祉学を学ぶ意味をレジュメにまとめる 事後:自らの社会福祉学研究の意味についてまとめる 事前:社会福祉とは何か、どう整理されているか調べる 事後:狭義と広義の社会福祉の定義について整理する 事前:社会保障と社会福祉、社会保険の役割を整理する 事後:高齢者福祉分野を例に社会福祉の定義をまとめる 事前:終戦∼昭和20年代の社会状況と福祉法制を調べる 事後:福祉三法が制定された意義を整理する 事前:昭和30年代の社会状況と福祉法制を調べる 事後:福祉六法が成立した意義を整理する 事前:高度経済成長以降の社会状況と福祉のあり方について関係 文献を読み理解する 事後:福祉における構造改革の意義と課題を整理する 事前:社会福祉の専門的価値とは何か整理する 事後:社会福祉専門職の倫理についてまとめる 事前:福祉哲学の課題文献を読みレジュメを作成する 事後:なぜ社会福祉に哲学が必要なのかについてまとめる 事前:社会福祉の権利論者と主張について調べる 事後:福祉対象者の権利主張の意義についてまとめる 事前:なぜ貧困が社会的問題となるのかについてまとめる 事後:貧困の改善に必要な対応方法についてまとめる 事前:非貨幣的ニーズが生じてきた背景についてまとめる 事後:非貨幣的ニーズへの対応方法についてまとめる 事前:今日対応が迫られている社会問題を調べまとめる 事後:新たな社会問題への対応課題をまとめる 事前:コミュニティケアの萌芽について調べまとめる 事後:コミュニティケアの原則と意義について理解する 事前:福祉施設の果たす役割についてまとめる 事後:施設ケアの原理や原則についてまとめる 事前:行政による措置の意味について調べまとめる 事後:福祉サービスの契約利用が進む中、措置制度の持つ今日的 意義をまとめる 【備考】 2回をまとめて隔週金曜日開講予定 ― 106 ― 社会心理学特論 2単位 社会心理学特論Ⅰ 2単位(25年度以前入学生適用) Social Psychology 田中 一彦 〔前学期開講〕 【概要】 この講義では、社会心理学の主要な理論および最近の動向等を、主として問題論的な角度から下記の英文テキストを講読しつつ論じ ることとする。その際、特に個人と社会、及び人間関係の問題を中心として、臨床社会心理学的に、また方法論的に講じる予定である。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 この講義の目標は、受講生諸君が社会心理学の視角の基礎を理解し、それを身につけると同時に、それによって具体的な諸現象の捉 え方、アプローチについて受講生諸君自身の社会心理学的視座を確立することである。それは伝統的な、個人の内面性への問題定位か らの脱却の作業でもある。 【教科書・参考書】 Vivien Burr, 2002. The Person in Social Psychology. Psychology Press. 【評価方法・基準】 到達目標に示した目標にどれほど到達できているか、文献がどれほど理解できているか、さらに目標とする状態を具体的な例を通じ てどれほど自分の言葉で表現できるかについて、平常点とレポート評価による総合評価。 【関連科目】 心理学研究法特論 集団力学特論 【履修要件】 心理学に関する基礎知識を有すること。特に基礎概念については、授業内でその説明を求める場合があるので注意すること。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション この講義への準備についての説明 第2回 社会心理学的視点とは何か 第3回 学習 ・ 強化理論について 第4回 場の理論について 第5回 認知理論について 第6回 精神分析理論について 第7回 役割理論について 第8回 シンボリック相互作用論について 第9回 エスノメソドロジーについて 第10回 ソーシャル・コンストラクショニズムについて 第11回 言語と身体の問題 第12回 ディスコースと権力の問題 第13回 社会的表象の問題 第14回 文化心理学の問題 第15回 メタファーと心理的世界の問題 【事前・事後学習】 文献サーベイと配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 レポート提出 ― 107 ― 社会病理論 2単位 Social Pathology 野田 陽子 〔前学期開講〕 【概要】 社会病理学の基礎概念と主要理論を批判的に検討することによって、現代社会病理学の方法論的課題を明らかにし、現代社会の病理 の実証的研究に必要な理論的視点を探求する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 現代社会の多様な社会病理現象を相互連関的に把握し、その病理性を解明する視点を獲得する。 【教科書・参考書】 参考書: 松下武志他編著、2004、『社会病理学講座1 社会病理学の基礎理論』学文社 井上眞理子他編著、2003、『社会病理学講座2 欲望社会―マクロ社会の病理』学文社 高原正興他編著、2004、『社会病理学講座3 病める関係性―ミクロ社会の病理』学文社 畠宗一他編著、2004、『社会病理学講座4 社会病理学と臨床社会学―臨床と社会学的研究のブリッジング』学文社 【評価方法・基準】 評価においては、第1に、社会病理学が社会的な問題のどこに所在を見出し、それをどのように説明してきたかを正確に理解するこ と、第2に、理論的説明をつねに具体的事象と結びつけて考え、身近な生活のなかに社会の問題性を発見する姿勢を保つこと、第3に、 以上をとおして多様な社会病理現象を理論的・体系的に考察できるようにすることを重視する。 上記を、授業内での報告30%、議論への参加内容30%、最終レポート40%の配分で評価する。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 【事前・事後学習】 〈社会病理学的関心の所在の明確化〉 自らの研究テーマにアプローチするうえで、社会病理学的視点 を学ぶことがどのような意義をもつかを明確化する。 第2回 古典的社会病理学Ⅰ―前史から20世紀前半のアメリカ社 〈社会病理学誕生の背景の理解〉 会病理学まで 社会病理学が誕生した当時の社会状況と社会学的方法論の趨勢 について調べる。 第3回 古典的社会病理学Ⅱ―C. W. ミルズの社会病理学批判 〈文献講読〉 C. W. ミルズの‘The Ideology of Social Pathologists’in AJS(文 献の詳細情報は授業中に提示)を読む。 第4回 É. デュルケムの社会病理学とその現代的意義 〈文献講読〉 É. デュルケムの『社会学的方法論』を読む。 第5回 社会病理学の基礎概念の整理Ⅰ―社会病理と社会問題 〈社会病理学概念の有効性の比較検討〉 自らの研究に援用可能な社会病理学の概念について検討する。 第6回 社会病理学の基礎概念の整理Ⅱ―機能障害 〈社会病理学概念の適用Ⅰ〉 自らの研究課題に有効と思われる社会病理学概念について、考 察する。 第7回 社会病理学の基礎概念の整理Ⅲ―逸脱 〈社会病理学概念の適用Ⅱ〉 引き続き、自らの研究課題に有効と思われる社会病理学概念に ついて、考察する。 第8回 現代社会病理学の主要理論とその批判的再検討Ⅰ 〈文献講読〉 ―疎外論と物象化論 K. マルクスの『経済学・哲学草稿』を読む。 〈文献講読〉 第9回 現代社会病理学の主要理論とその批判的再検討Ⅱ 「続社会構造とアノ R. K. マートンの「社会構造とアノミー」 ―アノミー論 ミー」を読む。 第10回 現代社会病理学の主要理論とその批判的再検討Ⅲ 〈文献講読〉 ―社会解体論 シカゴ学派の社会解体論の文献を読む(文献の詳細情報は授業 中に提示) 第11回 現代社会病理学の主要理論とその批判的再検討Ⅳ 〈文献講読〉 ―逸脱行動論 T. ハーシィの『非行の原因』を読む。 〈レポートの準備・作成Ⅰ〉 第12回 現代社会病理学の方法論的課題Ⅰ 自らの研究課題への社会病理学アプローチの可能性について考 ―分析視点と分析対象について 察する。 第13回 現代社会病理学の方法論的課題Ⅱ 〈レポートの準備・作成Ⅱ〉 ―分析枠組の構成について 自らの研究課題への社会病理学アプローチの可能性について考 察し、レポート作成に取り掛かる。 第14回 現代社会病理学の方法論的課題Ⅲ 〈レポートの暫定的作成〉 ―理論的枠組の現実分析への適用について レポートを暫定的にまとめる。 第15回 まとめ 〈レポートの作成・提出〉 授業中の報告時に受けた指摘を踏まえ、最終レポートを作成 し、提出する。 第1回 イントロダクション 【備考】 受講生の状況によっては隔週開講とすることもある。 ― 108 ― 精神医学特論 2単位 Geranal Psychiatry 小川 恵 〔前学期開講〕 【概要】 2013年改定の DSM- 5は、発達段階を通じての変化という視点を取り込み、スペクトラム化や多軸評定を廃止するなど、DSM Ⅲ以 来最大の理念上の変更である。その移行期が現在である。現時点ではまだ ICD10と DSM- Ⅳ -TR が基本であり、DSM- Ⅳ -TR の限界を 実用上のから検討することで、DSM- 5の新しさや臨床での有用性を明らかにする。 総論では、DSM に代表される Evidence-based medicine(通称 EBM)としての精神医学が、この20年の生理学や認知心理学の踏まえた、 新しい発達観の上で、30年前に生まれたエンゲルの bio-psycho-social model という社会構成主義的な人間モデルを、新たな心理学的人 間モデルとして再構成しつつある方法論を理解する。この実証的なアプローチが進歩したが故に、人間モデルを考える上で、主体意識 の生成やナラティブ一貫性が、関係性の上に展開する文化的な発達の考察を要請するというという視点の理解である。 精神医学が出現した歴史的なニーズや方法論の検討を通じ、ドイツ精神医学の伝統としての現象学的理解や英語圏で進んだナラティ ブセルフの理解から、2者の知あるいは1人称の心理学が臨床で適用されるあり方を検討する。客観的な疾患理解が EBM であるとす ると、主観的な病いという体験の理解が NBM である。この両極の上に展開される現象世界の理解の仕方を、私たちが生きる現代社会 の上において深める。 各論としての疾患論は、総論を踏まえ体系的に展開する。具体的には、心理臨床に従事する上で必須となる、精神医学の基礎理論と しての生理学理解を情動と不安症群・外傷とストレス因関連障害・抑うつ障害群を通じ行い、神経科学(認知と高次脳機能と発達障碍 と統合失調症)などの臨床的理解を、自閉性スペクトラム障害や注意欠如多動性障害などの発達障碍における機能の高次脳機能の発達 的な問題として明確化するという観点、および統合失調症や認知機能障害における高次脳機能の障害からの理解を展開する。 実際の精神諸現象の理解は統一理論では不可能で、多様な説明モデルからキメラ的に構成されていくことを述べる。多様な心理発達 の理論(発達心理理論・精神分析学的諸理論・認知理論)がどのように実際の不安障害・気分障害・パーソナリティー障害・統合失調 症等の精神障害の理解を可能にし、治療者が適用していくのかを検討する。その際、現代のうつや自殺の変遷を巡る社会環境や、災害 支援などを扱うことで、生物的な基盤が展開される場を社会精神医学的な視点を超えて検討する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 医療現場・学校精神保健・育児支援・保育・福祉・産業など、多様な場面において、独りよがりでなく、かつ自分らしい心理臨床的 な支援のあり方を構築するための、視点や対象化意識を獲得する。精神医学的援助や看護のケアあるいは福祉的支援と心理臨床の援助 の共通点や違いを踏まえて、共働するための知識を掴む。 【教科書・参考書】 テキスト ①『心理臨床へのまなざし』小川恵著 日本評論社 3,500円 および配布資料(援助のプラットホームを考える。開講前に斜め読 みして講師の論理を知り、質問を持って臨んで欲しい) ②『対人サービス職のための精神保健入門』日本評論社 2,500円 ③レジュメ・論文。予習のため、レジュメ・論文の事前配布を PC アドレスで行う。クラウド上の専用のホルダにアクセスして貰い 配布する。アクセス可能な PC メールアドレスを小川(ogawas@soc.shukutoku.ac.jp)まで開講前に届け出て、アクセス権を得て、 事前学習をすること。 ④『精神医学ハンドブック第3版』カプラン/サドック著 7,140円(DSM の構成されかたや、医療の中における精神障害としての 扱いを知る上で、これを使って日頃の実習ケースの理解をして欲しい。これを購入すれば DSM- 5通称ミニ D は不要) 参考文献 『看護のための精神医学 第二版』中井久夫著 医学書院 2,800円(キリスト教的な奉仕の精神としてのケアと人間学的なドイツ精 神医学が日本の精神医学の良い伝統を育んできたことを理解し、EBM 主体の医学に不足するものの本質を知る上で事前に一読が望 ましい) 『ヒルガードの心理学』 金剛出版 18,000円(認知心理学を学んでない場合は、特に前半の感覚過程・知覚・記憶・感情・知能の章 に目を通しておくことが望ましい) 『よくわかる保育心理学』鯨岡峻・鯨岡和子著 ミネルバ書房 2,400円(ピアジェの認知的発達と異なる視点である関係性発達を考 える上での入門書) 【評価方法・基準】 指定の教科書および資料を事前に予習をして臨むことが前提である。授業中の質問とディスカッションにおける内容理解の評価が 50%。それらを踏まえてまとまり事にレポート課題を課す。主観や感想でなく、精神医学的援助や看護のケアあるいは福祉的支援と心 ― 109 ― 理臨床の援助の共通点や違いを踏まえて、共働するための精神医学的な臨床理解の評価が50%。 【関連科目】 精神医学診断治療学特論・事例演習ⅠⅡ 【履修要件】 精神医学診断治療学特論履修者 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合がある。 質問とディスカッションを行う双方向型授業を重視する。講義形式で主に教員が講義する部分と、個々人の理解の形や深さを確認す るために、パワーポイントやレジュメ・論文やビデオなどを併用しながらアクティブラーニングを重視する部分とがある。 【事前・事後学習】 第1回 総論1 精神医学と理論的背景 精神医学と理論モデル(ICD10と DSM Ⅳと DSM- 5) 社会構築主義としての bio-psycho-social model ICF とメンタルヘルス・リテラシー 教科書② p 1 -24 神学的な「狂気」から動物としてのヒトの機能を扱う生理学へ 生理学的なヒトの「こころ」から「精神」の病としての精神医学 ドイツ観念論および現象学的精神医学の系譜 実 証 主 義 的 な ア メ リ カ 精 神 医 学 へ の 変 遷 教 科 書 ① p11-34, p163-178,203-205,269-272 第2回 総論1 内容は第1回と同じ 第3回 生理学を踏まえた発達1 (1)発達というモデルとその多様性 生理身体的発達と関係性としての社会性の発達 遺伝子・環境相関性 早期神経発達 - 神経変成モデル ストレス・コーピング・脆弱性モデル 養育を通じて得る社会性 第4回 生理学を踏まえた発達2 (2)人格発達 愛着形成と性格特性(愛着タイプ) 人格と人格特性という視点 第5回 生理学を踏まえた発達3 (3)人格発達の障碍としてみるパーソナリティー障害 人格発達における内在化と外在化という視点と DSM- 5 におけるパーソナリティ障害のスペクトラム性虐待的環 境の発達への影響 マルトリートメントと4つの虐待 関係性障碍としての発達障碍 第6回 生理学を踏まえた発達4 (4)パーソナリティー障害各論 3群10類型と診断基準 境界性パーソナリティー障害の精神病理学的理論と治療 思春期心性(第二の分離再接近期)の課題 第7回 生理学1 生体という環境 教科書② p36-73 生体制御系とホメオスターシスと経済原則 神経・内分泌系 第8回 生理学2 睡眠学と精神栄養学 睡眠覚醒リズムと睡眠障害 生活習慣リズム障害 精神栄養学 第9回 生理学3 脳神経系と認知心理学 情動と認知にみる心身一元論的理解 認知心理学が臨床 のモデル提供する脳科学が生理学へもたらした影響認知 機能の障害の各論としての認知症と発達障害領域から PDD・アスペルガー障害・AD/HD まで) 事前課題 レポート 各自の学びたい精神医学と本人の把握程度の差異を明確にし、教 える側との整合性を図ることで学びを明確化するために下記につい て事前レポート(字数制限なし)を作成し、開講時提出のこと。 ①臨床心理の実務歴、社会人経験での精神医学ニーズ ②卒業学科と卒論のテーマ ③臨床心理学についてどこでどうに学んだか ④修論で取り上げたいテーマ・領域 ⑤将来の希望心理職種 ⑥精神医学をどの程度ご存じか(学部で履修したか) ⑦本講義で学ぶことのうち何を自分の研究に結びつけたいか 事後学習は課題レポート1(第7回提出)作成準備 事前課題は第1回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート1作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート1作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート1作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート1作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート1作成次回提出 課題1:パーソナリティ障害や発達障碍などを手掛かりに、発達 的な視点からスペクトラム障碍として精神障害総論をま とめて下さい(1,600字以上) 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成準備 ― 110 ― 第10回 生理学4 ストレス科学 教科書② p74-116 ストレスと不安 ストレス・コーピング理論の射程 依存と信頼のもたらす満足 教科書② p66-92 依存と乱用・嗜癖の発達構造的な分類 たばことアルコール 摂食障害 リスカ・自傷 依存と支配 暴力(DV・虐待) 第11回 生理学5 ストレス科学 労働環境とストレス(メンタルヘルスリテラシーとして の理解) ストレスとストレス関連障害を社会環境と適応行動とし て捉え直す ストレスコーピングの失敗としてのバーンアウト メンタルヘルス・リテラシー 教科書 p163-178,203205,269-272) 第12回 生理学6 ストレス科学 ストレス関連障害 自殺学 疫学 介入法 うつと自殺 ストレス関連障害としての虐待・暴力(虐待) 虐待発生の心理社会的要因と生物学的要因 第13回 生理学7 生理学から見た家庭と社会 生理学からみるエコロジカルモデル 家庭と会社労働 家庭を機能から再考する 教科書② p196-230 第14回 生活の中の精神医学 前回提出のレポートをもとにしたディスカッション 第15回 まとめ 災害精神医学(社会精神医学) 喪失と回復(悲嘆学) 事前課題は該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート2作成次回提出 課題2:これまで学んだ生理学を自分の心理臨床にどのように位 置づけ生かすか(1,600字以上) 【備考】 進度は速い。 ― 111 ― 精神科診断治療学特論 2単位 Theories of Psychiatric Diagnosis and Therapy 小川 恵 〔前学期開講〕 【概要】 精神医学特論で学ぶ認知・生理学・神経科学などを前提に、各論では、心理臨床に従事する上で必須となる、精神医学の基礎理論と しての生理学(情動とストレス関連障害・気分障害)、神経科学(認知と高次脳機能と発達障碍と統合失調症)などの臨床的知見を、 発達的に明確化するという観点から押さえる。 それらの一部をある視点から説明するモデルとして、多様な心理発達の理論(発達心理理論・精神分析学的諸理論・認知理論)がど のように実際の不安障害・気分障害・人格障害・統合失調症等の精神障害の理解を可能にし、治療者が適用していくのかを検討する。 その際、現代のうつや自殺の変遷を巡る社会環境や、災害支援などを扱うことで、生物的な基盤が展開される場を社会精神医学的な視 点や、家族関係などの多様な社会システムの関係性において、ライフコース独特の心理社会的ストレスを受け、どのように機能するの かを、広く文化社会的および疫学的視点も踏まえ、検討をし、心理臨床に従事する上で、自分にとって必要な精神医学の基礎理論体系 を明確にする。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 各自の心理臨床のプラットホームとなる精神医学各論の理解。 【教科書・参考書】 テキスト ①『心理臨床へのまなざし』小川恵著 日本評論社 3,500円 および配布資料 (援助のプラットホームを考える。開講前に斜め読みして講師の論理を知り、質問を持って臨んで欲しい) ②『対人サービス職のための精神保健入門』日本評論社 2,500円 ③レジュメ・論文。予習のため、レジュメ・論文の事前配布を PC アドレスで行う。 クラウド上の専用のホルダにアクセスして貰い配布する。アクセス可能な PC メールアドレスを小川(ogawas@soc.shukutoku.ac.jp) まで開講前に届け出て、アクセス権を得て、事前学習をすること。 参考文献 『看護のための精神医学 第二版』中井久夫著 医学書院 2,800円 (キリスト教的な奉仕の精神としてのケアと人間学的なドイ ツ精神医学が日本の精神医学の良い伝統を育んできたことを理解し、EBM 主体の医学に不足するものの本質を知る上で事前に一読 が望ましい) 『ヒルガードの心理学』 金剛出版 18,000円(認知心理学を学んでない場合は、特に前半の感覚過程・知覚・記憶・感情・知能の章 に目を通しておくことが望ましい) 『よくわかる保育心理学』鯨岡峻・鯨岡和子著 ミネルバ書房 2,400円(ピアジェの認知的発達と異なる視点である関係性発達を考 える上での入門書) 【評価方法・基準】 指定の教科書および資料は事前に予習をして臨むことが望ましい。授業中の質問とディスカッションにおける内容理解の評価が 50%。それらを踏まえてレポート課題を課す。主観や感想でなく、各自の心理臨床のプラットホームとなる精神医学各論の理解の評価 が50%。 【関連科目】 精神医学特論・事例演習ⅠⅡ 【履修要件】 精神医学特論履修者 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合がある。 質問とディスカッションを行う双方向型授業を重視する。講義形式で主に教員が講義する部分と、個々人の理解の形や深さを確認す るために、パワーポイントやレジュメ・論文やビデオなどを併用しながらアクティブラーニングを重視する部分とがある。 ― 112 ― 第1回 診断学 症候学と診断 構成主義的な DSM- Ⅳ -TR や ICD10と 現象学的ドイツ精神病理学の必要性 第2回 治療学1 (1)精神療法(心理療法) 常識的精神療法と積極的個別精神療法 その他治療法(環境療法ほか) 第3回 治療学2 (2)薬理学と薬物療法 脳の伝達物質と薬理学 向精神薬とその特徴 薬物精神 療法 第4回 DSM における治療計画 エビデンス・ベイズド・メディスン(EBM)とナラティ ブ・ベイズド・メディスン(NBM) 統合的治療 第5回 不安障害(神経症性障害)1 不安のメカニズムと病的不安 3つの理論モデル 第6回 不安障害(神経症性障害)2 類型と事例と治療 第7回 気分障害(感情障害)1 内因性概念とDSMの違いの理解 分類と疫学 内因性概念 古典的うつ病(メランコリー 親和型うつ病) 大うつ病 双極性障害 気分変調症 気分循環症 第8回 気分障害(感情障害)2 身体症状と精神症状 ストレス脆弱性仮説 性差による違いとライフサイクルによる違い (女性の特徴、子どもの特徴、高齢者び特徴) 第9回 気分障害(感情障害)3 拡大したうつ状態 (現代型うつの諸相) 不安から発展する抑うつ 学習性無力感 絶望感 第10回 崩れゆく不安性障害と大うつ病性障害の境界 特に学習性無力感と不安の発展的結合を不登校など学校 場面(スクールカウンセリング)から考える 第11回 気分障害(感情障害)5 大人のうつと子どものうつの相違点 発達障害が背景に あるうつ 第12回 気分障害(感情障害)6 高齢者のうつ 女性のうつ 第13回 統合失調症1 疫学と歴史的変化 第14回 統合失調症2 早期の診断と治療による2つの統合失調症像 ARMS 認知機能検査 本格発病後を扱う精神病理学から前駆期での変化を扱う 認知心理学的モデルへの移行とカウンセリング的関わり の形 第15回 本格発病後の回復期 精神科リハビリテーション 地域社会(コミュニティ) への参加支援としての多職種連携 【事前・事後学習】 事前課題は該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 【備考】 進度は速い ― 113 ― 臨床心理関連行政論 2単位 Public Administration for Clinical Psychology 大橋 靖史 〔前学期開講〕 【概要】 この授業では、臨床心理士が業務を行っている福祉相談機関及び施設、医療機関及び施設、矯正保護機関及び施設、司法関係機関、 教育相談機関、大学の心理教育相談所、事業所等の心理相談機関、等において必要とされる行政及び関連法規について検討する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 将来、臨床心理士となり実際に機関または施設において勤務することを希望するならば、臨床心理査定技法、臨床心理面接技法、臨 床心理的地域援助技法を習得するだけでなく、臨床心理業務を遂行する際に必要とされる行政や法規に関する基本的知識や考え方を予 め身につけておくことが望ましい。本授業では、行政や法規に関する基礎的な知識や考え方を身につけることを目標とする。 各人は、関心がある領域における行政及び関連法規について発表すると同時に、その他の領域についても議論を通し理解を深めるこ とが期待される。 【教科書・参考書】 教科書:津川律子・元永拓郎(編)2009 心の専門家が出会う法律【第3版】誠信書房 参考書:出口治男(監)〈心理臨床と法〉研究会(編)2009 カウンセラーのための法律相談 新曜社 【評価方法・基準】 授業時に発表提出するレジュメと発表内容・授業への取り組み状況(50%)、および、最終レポート(50%)によって評価する。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 最初の授業において発表者を決め、それにしたがって授業を進めていく。 第1回 オリエンテーション 第2回 司法・矯正分野(1) 第3回 司法・矯正分野(2) 第4回 司法・矯正分野(3) 第5回 医療・保健分野(1) 第6回 医療・保健分野(2) 第7回 医療・保健分野(3) 第8回 福祉分野(1) 第9回 福祉分野(2) 第10回 学校・教育分野(1) 第11回 学校・教育分野(2) 第12回 産業分野 第13回 家庭分野 第14回 その他の分野(各種被害等) 第15回 まとめ 【事前・事後学習】 〈事前学習〉 受講者は全員、各回の授業において扱う内容について、教科書 の該当する章を予め読み、ディスカッションが可能な状態で授業 に臨むこと 発表者は事前に教科書の該当章の他に、様々な関係資料を収集 し、それらをレジュメにまとめ、当日配布すること(レジュメは 成績評価の対象となる) 〈事後学習〉 受講者は授業時に配布されたレジュメおよび授業内で展開され たディスカッションについて復習し、疑問点等があった場合に は、次回の授業初めに質疑を行うこととする また、発表者が発表時にディスカッション内で出された質問に 答えることができなかった場合(資料が不足していた等の理由に より)、次回授業までに補足の資料を作成し配布すること 〈最終レポートの準備、作成〉 授業内において提示された課題に関するレポートを作成し期日 までに提出すること ― 114 ― 心理学研究法特論Ⅰ 2単位 心理学研究法特論 2単位 Research Methodology in Psychology Ⅰ 大橋 靖史 〔前学期開講〕 【概要】 心理学は、研究法の違いによって全く異なった様相を呈する。そのため、心理学の研究を行うためには、研究法の習得が不可欠となる。 従来は、実験的方法や統計的分析が主流であったが、近年では、質的研究や実践研究も大きな位置を占めるようになってきた。 この授業では、こうしたさまざまな研究法についての理解を深めるとともに、研究法を実際の研究と結びつけて考えていく。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 心理学における基本的な研究法について一通りの知識を習得することをまず目標とする。そのうえで、自分自身がこれから行ってい こうと考えている研究がどのような方法論をもとにしているのか、更には、そうした方法論はどういった特徴を持ち、どのように研究 していけばよいか理解し説明することができることを目標とする。 【教科書・参考書】 教科書1:南風原朝和『臨床心理学をまなぶ7 量的研究法』東京大学出版会 2011 教科書2:能智正博『臨床心理学をまなぶ6 質的研究法』東京大学出版会 2011 【評価方法・基準】 到達目標に示した目標、すなわち、心理学の方法論に関する基本的な理解、および、自身の研究の方法論の明確化を評価の対象とする。 上記の内容について、評価方法は、授業時に発表するレジュメと発表内容・授業への取り組み(50%)、および、最終レポート(50%) の評価による。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション、この講義での学び方 第2回 実験研究(1) 第3回 実験研究(2) 第4回 調査観察研究 第5回 個に注目した研究 第6回 データ分析法(1) 第7回 データ分析法(2) 第8回 質的研究とは何か、量的研究との差異 第9回 観察(1) 第10回 観察(2) 第11回 インタビュー(1) 第12回 インタビュー(2) 第13回 質的データの分析(1) 第14回 質的データの分析(2) 第15回 計画から発表・論文執筆まで 【事前・事後学習】 〈事前学習〉 受講者は全員、各回の授業において扱う内容について、教科書 の該当する章を予め読み、ディスカッションが可能な状態で授業 に臨むこと。また、発表者は事前に教科書の該当章の他に、関係 資料を収集し、それらをレジュメにまとめ、当日配布すること (レジュメは成績評価の対象となる) 〈事後学習〉 受講者は授業時に配布されたレジュメおよび授業内で展開され たディスカッションについて復習し、疑問等があった場合には、 次回の授業初めに質疑を行うこととする また、発表者が発表時にディスカッション内で出された質問に答 えることができなかった場合(資料が不足していた等の理由によ り)、次回授業までに補足の資料を作成し配布すること 〈最終レポートの準備、作成〉 授業内において提示された課題に関するレポートを作成し期日 までに提出すること 【備考】 後学期開講の心理学研究法特論Ⅱを併せて履修することが望ましい。 ― 115 ― 心理学研究法特論Ⅱ 2単位 Research Methodology in Psychology Ⅱ 田中 一彦 〔後学期開講〕 【概要】 前学期に開講されている「心理学研究法特論Ⅰ」を履修した諸君に対し、引き続いてさまざまな研究法の背景にあってそれを支える 思考方法と前提について、主に学史的な観点から講じる。主題の一つはわれわれの思考法であるから、随時「客観性」や「実証主義と 実証研究」などさまざまなトピックについてグループ・ディスカッションを行い、いわゆるアクティヴ・ラーニングを試みることにす る。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 諸君が、自らの方法論的な視点、立脚点について、自覚的にそれを認識し、それを他者に対して明確に説明でき、批判に対して応え、 議論できるようになることを目指す。 【教科書・参考書】 ジョン・マクレオッド(谷口明子・原田杏子訳)『臨床実践のための質的研究法入門』金剛出版 2007 【評価方法・基準】 「到達目標」を基本的な基準として、最終レポート評価(50%)と授業内での議論、批判、発言等の平常点(50%)によって総合的 に評価する。 【関連科目】 心理学研究法特論Ⅰ 【履修要件】 上述のように、この講義は、前期に「心理学研究法特論Ⅰ」をすでに履修していることを前提として進行するので、履修者はそのつ もりで履修すること。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション この授業での学び方 第2回 科学以前の眼、科学とは何か 第3回 心への科学的アプローチ 第4回 科学を支える哲学的思考、科学哲学の問題 第5回 心理学における数量化の問題 第6回 科学批判の動向と現象学の登場 第7回 現象学的方法と解釈学 第8回 行動主義、認知革命、パラダイム論 第9回 ポスト・モダニズムの動向 第10回 ソーシャル・コンストラクショニズム 第11回 言語と文化の問題 第12回 ディスコースと権力(パワー)の問題 第13回 プラグマティズムの真理観の問題 第14回 新現象学と語りえぬもの 第15回 心理学における客観性 【事前・事後学習】 文献サーベイと配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 講義の復習と配布資料の予習 レポート提出 ― 116 ― 心理学統計法 2単位 統計処理実習 2単位 Statistics for Psychology Practice of Statistics 神 信人 〔前学期開講〕 【概要】 この授業では、量的な心理学研究に必要な統計解析に関する知識と技能を、実際にデータ解析を体験することを通して学ぶ。具体的 には、履修者は統計ソフト SAS(Statistical Analysis System)を用いて調査データに関する統計分析を実際に行い、その結果を整理して、 調査報告レポートを作成することを学ぶ。こうした授業の性質上、履修者には統計に関する基礎知識を有していることが求められる。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 次のそれぞれの分析の具体的な解析手続きと解析結果の解釈方法の習得を目指す。 ①データ読み込み、②基本統計量の算出、③χ2検定、④T検定、⑤分散分析、⑥相関分析、⑦重回帰分析、⑧パス解析、⑨主成分 分析、⑩因子分析、⑪クラスター分析。 【教科書・参考書】 野宮大志郎・池周一郎・稲葉昭英・杉野勇『SAS プログラミングの基礎』ハーベスト社 2004 田中敏『ユーザーのための心理データの多変量解析法』教育出版 1997 【評価方法・基準】 平常点30%、レポート評価70% 【関連科目】 社会統計解析方法論、質的調査の方法と実際、量的調査の方法と実際、心理学研究法特論 【履修要件】 なし 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 ガイダンス この授業の学び方 第2回 調査計画とデータ入力の方法について 第3回 データ読み込みの方法とプログラム 第4回 データクリーニング方法とプログラム 第5回 データ加工の方法とプログラム 第6回 変数の種類と分布、要約統計量の算出 第7回 χ2検定、T検定、相関分析の分析手続き 第8回 χ2検定、T検定、相関分析の結果の読み方 第10回 重回帰分析の分析手続きと結果の解釈 第11回 パス解析の分析手続きと結果の解釈 第12回 主成分分析の分析手続きと結果の解釈 第13回 因子分析の分析手続きと結果の解釈 第14回 クラスター分析の分析手続きと結果の解釈 第15回 その他の多変量解析について 【事前・事後学習】 第1回 事前学習 統計についての知識を整理しておく 事後学習 自身の研究において、統計的方法の知識と技能がど のように活かせられるのかを検討する 第2∼ 15回 事前学習 授業で学ぶ手続きのロジックを予習する 事後学習 授業で学んだ手続きについて、知識の固定化を図る 【備考】 毎週必ず出席すること ― 117 ― 臨床発達心理学特論Ⅰ 2単位 Clinical Developmental Psychology Ⅰ 川瀬 良美 〔後学期開講〕 【概要】 1.臨床発達心理学の基礎理論 2.発達支援を必要としている人々 3.臨床発達心理学における対象理解の方法(研究方法・評価方法) 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 臨床発達心理学特論Ⅰでは、さまざまな発達の問題・障害を抱えた人々の状態を的確に理解するために臨床発達心理学の基礎理論、 対象となる人々、そして対象理解の方法について理解する。必要に応じて見学会を行い、フィールドでの実践からも理解を深める。 【教科書】 「第1巻 臨床発達心理学概論」2002 長崎勤他編著 ミネルヴァ書房 【参考書】 「第2巻 認知発達とその支援」2002 田島信元他編著 ミネルヴァ書房 「第3巻 社会・情動発達とその支援」2002 須田治他編著 ミネルヴァ書房 「第4巻 言語発達とその支援」2002 岩立志津夫他編著 ミネルヴァ書房 「第5巻 育児・保育現場での発達とその支援」2002 藤崎真知代他編著 ミネルヴァ書房 【評価方法・基準】 授業でのリポーターとしての発表(40%)、ディスカッションでの発言(30%)、期末のレポートの提出(30%)、見学会への参加な どにより総合評価する。 【関連科目】 臨床発達心理士養成科目(参考書参照) 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 臨床発達心理学が目指すもの 第2回 発達理論の歴史的変遷 第3回 発達を支援するとは 第4回 現代社会における発達支援第5回 フィールドの中での 発達 第6回 発達の障害(1) 第7回 発達の障害(2) 第8回 発達の障害(3) 第9回 現代社会における諸問題と精神保健・問題の予防 第10回 臨床発達心理学の基礎研究法 第11回 対象理解のための査定・検査・評価・診断の方法(1) 第12回 対象理解のための査定・検査・評価・診断の方法(2) 第13回 対象理解のプロセス:問題へのアプローチ 第14回 ダイナミックアセスメントと形成的評価(係わりを通し ての評価) 第15回 まとめ 【事前・事後学習】 〈授業に出席前の準備〉 毎回の授業に出席する事前学習として、テキストの授業該当箇 所を精読して理解してくる。また、不明な点については資料や文 献で調べる。 その他の履修者は内容を精読して、学ぶ内容について問題意識 をもって授業に臨む。 〈リポーターの準備〉 リポーターを務める学生は、テキストを読み、不明な箇所につ いては論文・資料によって理解して説明ができるように準備す る。また、全員でディスカッションするテーマを事前に用意する。 また、該当箇所のレジュメを作成し、補足資料が必要と考える場 合は履修者分を印刷して準備する。 〈事後学習とレポートの作成〉 毎回の授業の内容についてまとめを作成する。また学期末には 授業で学んだ内容について発表・議論内容も含めて整理してレ ポートを作成して提出する。 〈見学会報告〉 見学会に参加の後、学習したことをレポートとして提出する。 ― 118 ― 臨床発達心理学特論Ⅱ 2単位 Clinical Developmental Psychology Ⅱ 川瀬 良美 〔前学期開講〕 【概要】 1.発達支援のすすめ方―臨床発達心理学における支援技術― 2.臨床発達心理士の専門性と社会的役割・臨床発達心理士としての倫理 3.臨床発達心理として支援計画の立案 4.臨床発達心理学における事例のまとめ方 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 臨床発達心理学特論Ⅱでは、さまざまな発達の問題・障害を抱えた人々の支援方法とその技術について学ぶ。 また、その支援活動における専門性と社会的役割、そこで求められる倫理について理解する。また、臨床発達実習におけるフィール ドでの事例等について、実際の支援における支援計画の立案のならびに事例のまとめ方を習得する。必要に応じて臨床発達関連施設の 見学会を行い、フィールドでの実践からも理解を深める。 【教科書】 長崎勤他編著『第1巻 臨床発達心理学概論』ミネルヴァ書房 2002 本郷一夫・金谷京子編著『①臨床発達心理学の基礎』ミネルヴァ書房 2011 【参考書】 田島信元他編著『第2巻 認知発達とその支援』ミネルヴァ書房 2002 須田治他編著『第3巻 社会・情動発達とその支援』ミネルヴァ書房 2002 岩立志津夫他編著『第4巻 言語発達とその支援』ミネルヴァ書房 2002 藤崎真知代他編著『第5巻 育児・保育現場での発達とその支援』ミネルヴァ書房 2002 藤崎眞知代・大日向雅美著『②育児のなかでの臨床発達支援』ミネルヴァ書房 2011 秦野悦子・山崎晃編著『③保育のなかでの臨床発達支援』ミネルヴァ書房 2011 長崎勤・藤野博編著『④学童期の支援特別支援教育をふまえて』ミネルヴァ書房 2011 三宅篤子・佐竹真次編著『⑤思春期・成人期の社会適応』ミネルヴァ書房 2011 【評価方法・基準】 授業でのリポーターとしての発表(40%)、ディスカッションでの発言(30%)、期末のレポートの提出(30%)、見学会への参加な どにより総合評価する。 【関連科目】 臨床発達心理士養成科目(参考書参照) 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 臨床発達心理学が目指す支援 第2回 支援活動の展開過程 第3回 発達を支援するとは 第4回 発達障害のための指導と支援 第5回 コンサルテーションによる発達支援 第6回 フィールドにおける発達支援 第7回 養育者への指導・カウンセリング ―「ゆれる養育者の 心理」の理解と指導 第8回 対象者・家族とのコミュニケーション技術 第9回 活動の場(乳幼児期、児童・青年期、成人・老年期 第10回 臨床発達心理士の職務 第11回 関連諸職種とティームアプローチ 第12回 臨床発達心理士の職業倫理 第13回 支援計画の立案 第14回 臨床発達心理学における事例のまとめ方 第15回 まとめ 【事前・事後学習】 〈授業に出席前の準備〉 毎回の授業に出席する事前学習として、テキストの授業該当箇 所を精読して理解してくる。また、不明な点については資料や文 献で調べる。 その他の履修者は内容を精読して、学ぶ内容について問題意識 をもって授業に臨む。 〈リポーターの準備〉 リポーターを務める学生は、テキストを読み、不明な箇所につ いては論文・資料によって理解して説明ができるように準備す る。また、全員でディスカッションするテーマを事前に用意する。 また、該当箇所のレジュメを作成し、補足資料が必要と考える場 合は履修者分を印刷して準備する。 〈事後学習とレポートの作成〉 毎回の授業の内容についてまとめを作成する。また学期末には 授業で学んだ内容について発表・議論内容も含めて整理してレ ポートを作成して提出する。 〈見学会報告〉 見学会に参加の後、学習したことをレポートとして提出する。 ― 119 ― 認知発達とその支援Ⅰ 2単位 Support for Cognitive Disorders Ⅰ 三宅 篤子 〔前学期開講〕 【概要】 発達障害の支援を中心に、認知発達の側面に注目しながら講義をすすめていく。発達障害は脳機能障害に基づく認知障害であり、そ の真の理解のためには、定型発達児の発達の知識が不可欠である。この講義では、発生を含めた認知発達の機序や経年的変化に基づく 発達の様相を理解した上で、発達障害の種類や特徴、及び支援方法について、学ぶ。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 定型発達の認知発達を把握し、その上で認知発達の障害についての理解を深めると同時に、発達支援の方法についての知識を獲得す る。 【教科書・参考書】 教科書:田島信元・子安増夫・森永良子・前川久男・菅野敦編著(2002)『認知発達とその支援』ミネルヴァ書房 参考書:長崎勤・古澤頼雄・藤田継道 編著(2002)『臨床発達心理学概論』ミネルヴァ書房 笹沼澄子編著(2007)『発達期言語コミュニケーション障害の新しい視点と介入方法』医学書院 ブルーム他 著(中村克樹・久保田競監訳)(2004)『新脳の探検上下』(講談社) 【評価方法・基準】 発表とディスカッションへの参加(60%)と期末レポート(40%)によって総合的に評価する。 【関連科目】 認知発達とその支援Ⅱ 【履修要件】 学部において発達心理学・生涯発達心理学等を受講し、発達や発達障害に関する基礎的な理解を持っていることが望ましい。 【授業計画・授業内容】 第1回 授業ガイダンスと「認知発達を支援するとは」 第2回 胎児・乳児期の発達と障害の特徴 第3回 幼児期の発達と認知障害の特徴 第4回 学齢期の発達と認知障害の特徴 第5回 認知発達障害の概要 第6回 言語の発達と障害 第7回 知能の発達と障害 第8回 社会的認知の発達と障害 第9回 学力の基礎の発達と学習障害 第10回 認知発達支援の技法 第11回 知的障害の支援の技法 第12回 教材提示・学習機器としての教育工学 第13回 障害補償・機能訓練の工学 第14回 発達障害のアセスメントと支援 第15回 まとめ 【事前・事後学習】 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 献を読んでおくこと。 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 【備考】 第1回から5回まで及び第14回・15回は教員による講義である。第6回から13回までは教科書の章に沿って担当を決め、担当者がレ ジュメを作成しプレゼンテーションを行う。プレゼンテーションを受けての討議及び教員からの小レクチャーという形式で授業をすす める。 ― 120 ― 認知発達とその支援Ⅱ 2単位 Support for Cognitive Disorders Ⅱ 三宅 篤子 〔後学期開講〕 【概要】 発達障害児について、認知発達の側面に注目して講義をすすめていく。発達障害は脳機能障害に基づく認知障害であり、その真の理 解のためには、定型発達児の認知発達の知識が不可欠である。この講義では、発生を含めた認知発達の機序や経年的変化に基づく発達 の様相の理解、及び認知能力の査定方法などについて学ぶ。こうした知識に基づき、発達障害の支援について概説する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 認知能力とはなにかを把握し、その発達機序を知ることを通して、認知発達の障害についての理解を深めると同時に、発達支援の方 法についての基本的知識をもつ。 【教科書・参考書】 教科書:田島信元・子安増夫・森永良子・前川久男・菅野敦編著(2002)『認知発達とその支援』ミネルヴァ書房 参考書:長崎勤・古澤頼雄・藤田継道 編著(2002)『臨床発達心理学概論』ミネルヴァ書房 笹沼澄子編著(2007)『発達期言語コミュニケーション障害の新しい視点と介入方法』医学書院 ブルーム他 著(中村克樹・久保田競監訳)(2004)『新脳の探検上下』(講談社) 【評価方法・基準】 発表とディスカッションへの参加(60%)と期末レポート(40%)によって総合的に評価する 【関連科目】 認知発達とその支援Ⅰ 【履修要件】 学部において発達心理学・生涯発達心理学等を受講し、発達や発達障害に関する基礎的な理解を持っていることが望ましい。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 授業ガイダンスと「発達臨床とは何か」 第2回 認知発達の臨床的意味 第3回 認知の発生と認知発達の機構∼ピアジェーとヴィゴツ キーの理論とその展開∼ 第4回 臨床の視点からみる認知能力の個人差 第5回 認知能力の神経生理学的基盤 第6回 認知発達の障害の査定∼査定と評価の実際∼ 第7回 認知発達の時期と障害の特徴∼乳幼児期∼ 第8回 認知発達の時期と障害の特徴∼学齢期から成人期まで∼ 第9回 認知発達障害への支援 ∼査定から支援目標の設定、そして実際の支援へ∼ 第10回 認知発達障害のための指導1 TEACCH プログラム 第11回 認知発達障害のための指導2 ESDM、PRT、ABA 第12回 認知発達障害のための指導3 ペアレント・トレーニング 第13回 認知発達障害のための指導4 ソーシャルスキルトレーニング、認知行動療法 第14回 コンサルテーションによる発達支援 第15回 認知発達障害をめぐる家族への支援 【事前・事後学習】 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 献を読んでおくこと。 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 【備考】 教科書の章に沿って担当を決め、担当者がレジュメを作成しプレゼンテーションを行う。プレゼンテーションを受けての討議及び教 員からの小レクチャーという形式で授業をすすめる。 ― 121 ― 社会・情動の発達とその支援Ⅰ 2単位 Social-emotional Development and Support Ⅰ 金丸 智美 〔前学期開講〕 【概要】 生涯発達における社会・情動発達の道筋や課題、及び情動を介した他者や集団との関係の様相とその障害についての基礎を講義す る。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 社会・情動発達の基礎的知識や理論を理解し、さらに事例や関連文献をもとに発展させることで、実際の支援へつなげるための基礎 を修得する。 【教科書】 須田治・別所哲『社会の情動発達とその支援』2002 ミネルヴァ書房 【参考書】 須田治『情動的な人間関係への対応』2009 金子書房 【評価方法・基準】 授業内での報告・参加状況(30%)と最終レポート(70%)の内容・発表態度によって総合的に評価する。 【関連科目】 社会・情動の発達とその支援Ⅱ 【補足説明】 第4回以降は随時、受講生各自の関心領域について指定する文献などをまとめ、発表、討論を行う。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 社会・情動発達の臨床的問題 第2回 情動と社会性発達の基本 第3回 社会・情動発達の個人差・文化差 第4回 胎児期から新生児期にみられる情動と関係の障害(1) 第5回 胎児期から新生児期にみられる情動と関係の障害(2) 第6回 乳児期にみられる情動と関係の障害(1) 第7回 乳児期にみられる情動と関係の障害(2) 第8回 幼児期にみられる情動と関係の障害 第9回 園での集団参入における自己と関係の障害) 第10回 学童期にみられる情動と関係の障害 第11回 学級での集団参入における自己と関係の障害 第12回 思春期以降の同一性発達と関係の障害(1) 第13回 思春期以降の同一性発達と関係の障害(2) 第14回 成人期・高齢期の発達課題と社会・情動的課題(1) 第15回 成人期・高齢期の発達課題と社会・情動的課題(2) 【事前・事後学習】 テキスト該当章の読み込み。講義の復習と関心領域についての文 献などの収集。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習と関心領域についての文 献などの収集。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習と関心領域についての文 献などの収集。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習。 関連資料の読み込み。講義の復習と発展的文献調査。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習。 関連資料の読み込み。講義の復習と発展的文献調査。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習。 関連資料の読み込み。講義の復習と発展的文献調査。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習。 関連資料の読み込み。講義の復習と発展的文献調査。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習。 関連資料の読み込み。講義の復習と発展的文献調査。 テキスト該当章の読み込み。講義の復習。 関連資料の読み込み。講義の復習と発展的文献調査。 ― 122 ― 社会・情動の発達とその支援Ⅱ 2単位 Social-emotional Development and Support Ⅱ 金丸 智美 〔後学期開講〕 【概要】 社会・情動発達に関する基礎知識をもとに、さらに専門的知識へと発展させ、実際の支援を行う際に必要なアセスメントや介入方法 について講義する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 社会・情動発達のアセスメント、介入と支援の考え方、方法及び課題を理解し、具体的支援の進め方を修得する。 【教科書】 須田治・別所哲『社会の情動発達とその支援』2002 ミネルヴァ書房 須田治『情動的な人間関係への対応』2009 金子書房 【参考書】 授業の中でその都度紹介する。 【評価方法・基準】 授業内での報告・参加状況(30%)と最終レポート(70%)の内容・発表態度によって総合的に評価する。 【関連科目】 社会・情動の発達とその支援Ⅰ 【補足説明】 随時受講生各自の関心領域について文献や事例を収集しまとめ、発表、討論を行う。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 【事前・事後学習】 講義の復習と関連領域についての文献などの収集。 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の収集。 第3回 社会・情動発達アセスメントの考え方とその実際(1) テキスト該当章の読み込み。講義の復習と関連領域についての文 献などの収集。 第4回 社会・情動発達アセスメントの考え方とその実際(2) 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の収集。 第5回 他者媒介アセスメント・環境アセスメントの考え方とそ テキスト該当章の読み込み。講義の復習と関連領域についての文 の実際(1) 献などの収集。 第6回 他者媒介アセスメント・環境アセスメントの考え方とそ 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の実際(2) の収集。 第7回 面接法の方法とその実際(1) 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の収集。 第8回 面接法の方法とその実際(2) 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の収集。 第9回 関係の障害への理解とその介入(1) テキスト該当章と関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域に ついての文献などの収集。 第10回 関係の障害への理解とその介入(2) 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の収集。 第11回 情動の失調への理解とその介入(1) 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の収集。 第12回 情動の失調への理解とその介入(2) 関連資料の読み込み。講義の復習と関連領域についての文献など の収集。 第13回 ケーススタディの実際 ケースの分析。講義の復習と関連領域についての文献などの収 集。 第14回 ケース報告とフィードバックの実際 ケースの分析。講義の復習と関連領域についての文献などの収 集。 第15回 総括 義で学んだ内容を振り返り、各自の理解や課題についてまとめ る。 第1回 社会・情動発達と支援の理論(1) 第2回 社会・情動発達と支援の理論(2) ― 123 ― 言語発達とその支援Ⅰ 2単位 言語発達心理学特論Ⅰ 2単位 Developmental Psychology of Language Ⅰ Lectures on Developmental Psychology of Language Ⅰ 中川 佳子 〔前学期開講〕 【概要】 言語発達過程についての概要とその遅れ、障害、アセスメント、支援について理解する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 言語発達過程について、全体像を基礎にその障害について理解し、言語発達に関連する査定、診断、発達を支援できるようになる。 【教科書・参考書】 ①岩立志津夫・小椋たみ子編,2005,よくわかる言語発達,ミネルヴァ書房 . ②小山正編,2008,言語獲得期の発達,ナカニシヤ書房 . 【評価方法・基準】 授業時の討論への参加とレポートの総合評価による。 【関連科目】 言語発達とその支援Ⅱ(言語発達心理学特論Ⅱ) 【履修要件】 なし 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 言語発達研究の歴史 第2回 前言語コミュニケーションの発達 第3回 音声言語と書字言語の発達 第4回 言語の障害(1) 第5回 〃 (2) 第6回 言語発達のアセスメント(1) 第7回 〃 (2) 第8回 言語発達評価と診断の要点 第9回 言語発達支援の現代的問題と支援の場 第10回 言語発達段階に即応した対応 第11回 場面に即した対応 第12回 言語発達評価と支援の実際 第13回 事例研究(1) 第14回 〃 (2) 第15回 総括 【事前・事後学習】 授業時に説明 教科書① Ⅰ pp. 2 -21 教科書の予習復習 教科書① Ⅱ pp. 22-31 教科書の予習復習 教科書① Ⅱ pp. 32-61 教科書の予習復習 教科書① Ⅴ pp. 116-123 教科書の予習復習 教科書① Ⅵ pp. 124-129 教科書の予習復習 教科書① Ⅵ pp. 130-137 教科書の予習復習 教科書① Ⅵ pp. 138-145 教科書の予習復習 教科書① Ⅵ pp. 146-153 教科書の予習復習 教科書① Ⅵ pp. 154-161 教科書の予習復習 教科書① Ⅶ pp. 162-169 ケース予習 教科書② 第3章 pp. 47-70 ケース予習 教科書② 第4章 pp. 71-94 ケース予習 教科書② 第5章 pp. 95-124 ケース予習 教科書② 第6章 pp. 125-148 講義の復習およびケース予習 ― 124 ― 言語発達とその支援Ⅱ 2単位 言語発達心理学特論Ⅱ 2単位 Developmental Psychology of Language Ⅱ Developmental Psychology of Language Ⅱ 中川 佳子 〔前学期開講〕 【概要】 言語発達過程についての概要とその遅れ、障害、アセスメント、支援について理解する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 言語発達の全体像を基礎にその障害についても査定、診断し、発達を支援できるようになる。 【教科書・参考書】 岩立志津夫・小椋たみ子編著,2002,臨床発達心理学4:言語発達とその支援,ミネルヴァ書房 . 【評価方法・基準】 授業時の討論への参加とレポートの総合評価による。 【関連科目】 言語発達とその支援Ⅰ 【履修要件】 なし 【授業計画・授業内容】 第1回 言語発達研究の歴史 第2回 前言語コミュニケーション 第3回 音声言語と書記言語の発達 第4回 言語発達と言語発達支援 第5回 言語発達の生物学的・神経学的基礎 第6回 言語発達の社会的基礎 第7回 言語発達の認知的基礎 第8回 言語発達の概観 第9回 言語発達の教育的側面 第10回 言語発達の社会的・文化的側面 第11回 言語の障害 第12回 言語発達のアセスメント 第13回 事例研究(1) 第14回 事例研究(2) 第15回 総括 【事前・事後学習】 授業時に説明 教科書 第1章 pp. 2 - 5 教科書の予習復習 教科書 第1章 pp. 6 -12 教科書の予習復習 教科書 第1章 pp. 6 -12 教科書の予習復習 教科書 第1章 pp. 13-15 教科書の予習復習 教科書 第2章 pp. 16-29 教科書の予習復習 教科書 第3章 pp. 30-50 教科書の予習復習 教科書 第4章 pp. 51-68 教科書の予習復習 教科書 第5章 pp. 69-101 教科書の予習復習 教科書 第6章 pp. 102-121 教科書の予習復習 教科書 第7章 pp. 122-139 教科書の予習復習 教科書 第8章 pp. 140-150 教科書の予習復習 教科書 第9章 pp. 151-168 教科書の予習復習 教科書 第10章 pp. 169-195 教科書の予習復習 教科書 第11章 pp. 196-226 講義の復習およびケース予習 教科書 第12章 pp. 227-290 ― 125 ― 育児・保育現場での発達とその支援Ⅰ 2単位 On-site Development and Support of Childcare at Home and Nursery Ⅰ 三宅 篤子 〔前学期開講〕 【概要】 育児・保育の現場における今日的特徴と問題点、支援に関連する課題を明らかにし、様々な特徴を持った子どもの発達の特性と支援 の方法について論じる。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 本講義では、学問としての保育学の基礎を理解し、研究と保育実践とを統一的な視点で理解できるようになることを目指す。 かつ、育児現場における子どもの発達支援の基本的在り方を理解し、自分の課題を自覚することを目指す。 【教科書】 秦野悦子・山崎晃「保育の中での臨床発達支援」2011 ミネルヴァ書房 藤崎眞知代・大日方雅美「育児の中での臨床発達支援」2011 ミネルヴァ書房 【参考書】 特に指定しない。 【評価方法・基準】 研究とはどういうことかを理解した上でそれと保育実践をどう関連させるか、そのための自分の研究上の課題を明確に認識し説明で きることを求める。授業中のレポート(70%)、授業の参加態度(30%)で評価する。 【関連科目】 育児・保育現場での発達とその支援Ⅱ 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 現場から発達を捉える臨床的意味 第2回 育児・保育現場の今日的課題 第3回 現場の中での子どもの発達と保育・育児の課題 第4回 現場の中での発達の諸相 第5回 個としての子ども・集団としての子ども 第6回 支援ニーズの把握に関する基本的視点 第7回 支援方法に関する理論的背景 第8回 現場でのアセスメントの考え方 第9回 個別へのアセスメントと集団へのアセスメント 第10回 現場での支援の考え方 第11回 支援者の基本的姿勢 第12回 育児・保育現場での支援の考え方 第13回 支援における保護者の理解と支援 第14回 支援における関係職種の理解と支援 第15回 育児現場での子どもへの支援 【事前・事後学習】 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 献を読んでおくこと。 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 ― 126 ― 育児・保育現場での発達とその支援Ⅱ 2単位 On-site Development and Support of Childcare at Home and Nursery Ⅱ 三宅 篤子 〔後学期開講〕 【概要】 保育現場での子どもの発達支援の在り方を講じると共に、子どもの発達のアセスメントを取り上げ、保育におけるアセスメントと支 援の諸相について明らかにする。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 本講義では、保育現場での子どもの発達支援の基本的在り方を理解するとともに、自分の課題を自覚することを目指す。 さらに、アセスメントと支援の働きを実践に結びつけて理解することを目指す。 【教科書】 大豆生田啓夕・森上史朗他「よくわかる子育て支援・家族援助論」ミネルヴァ書房 臨床発達心理士認定運営機構・臨床発達心理士会「臨床発達心理学の実践研究ハンドブック」2010 金子書房 【参考書】 特に指定しない。 【評価方法・基準】 保育現場での発達支援の基本を自分自身の問題として理解し説明できることを求める。授業中のレポート(70%)、授業の参加態度 (30%)で評価する。 【関連科目】 育児・保育現場での発達とその支援Ⅰ 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 現場でのアセスメントの考え方(1) ・アセスメントの考え方と情報収集 第2回 現場でのアセスメントの考え方(2) ・個別支援に関わるアセスメント 第3回 コンサルテーションによる支援 第4回 カンファレンスによる支援 第5回 アクション・リサーチによる支援 第6回 育児・保育現場での支援の考え方 第7回 保育者への支援(1) ・子どもの発達の特徴と個人差の理解 第8回 コンサルテーションによる子ども理解 第9回 保育者への支援(2) ・保育カンファレンス・個人への支援 第10回 保育環境の評価・連携 第11回 支援評価のフィードバック 第12回 育児・保育現場での子どもへの支援 第13回 育児・保育現場での保護者への支援 第14回 育児・保育支援における臨床発達心理士の役割 第15回 育児・保育支援をめぐる倫理 【事前・事後学習】 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 献を読んでおくこと。 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 ― 127 ― 女性発達心理学特論 2単位 女性発達心理学特論Ⅰ Developmental Psychology of Women 川瀬 良美 〔前学期開講〕 【概要】 1.女性発達心理学における女性発達研究への関心とその展開 2.女性発達の特質とその研究の視点 3.女性の生涯発達の特質 4.女性の生涯発達と月経の発達 5.現代社会における女性と月経の問題について 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 女性発達心理学特論Ⅱでは、女性の発達研究を理解するための専門的な知識と研究法の手引きとなるよう、 「女性と月経」をキーワー ドに女性発達の特質、その社会的に問題点などを理解する。 テキストによる輪読と副読本によるディスカッションにより、女性発達における問題の本質は何かを理解する。 【教科書】 川瀬良美著『月経の研究女性発達心理学の立場から』川島書店 2006 【副読本】 副読本①―1「ワンス・ア・マンス 月経前症候群(PMS)」 副読本①―2「PMS 法廷に行く―月経前症候群と女性の犯罪」 副読本②「ジェンダーのレンズ性の不平等と人間性発達」 副読本③「生理休暇の誕生」 副読本④―1「女はなぜやせようとするのか」 副読本④―2「誰が摂食障害をつくるのか」 副読本⑤「女はなぜ司祭になれないのか:カトリック教会における女性の人権」 副読本⑥―1「どう考える生殖医療[対外受精から代理出産・受精卵診断まで]」 副読本⑥―2「女性と出生前検査」 副読本⑦「治療を超えてバイオテクノロジーと幸福の追求」 副読本⑧ 「人間改造論生命操作は幸福をもたらすのか?」 副読本⑨「生命学に何ができるか脳死・フェミニズム・優性思想」 副読本⑩「異議あり!生命・環境倫理」 副読本⑪「無痛文明論」 副読本⑫「性淘汰ヒトは動物の性から何を学べるか」 【評価方法・基準】 授業中、リポーターとしての発表(40%) 、ディスカッションでの発言(30%) 、レポートの提出(30%) 、等により総合的に評価する。 【関連科目】 臨床発達心理学特論Ⅰ・Ⅱ 【履修要件】 特になし ― 128 ― 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 講義の進め方オリエンテーション 第2回 第1章 人間発達における女性の特質 第3回 第2章 思春期と月経 第4回 第3章 青年期の月経と発達 第1節・第2節 第5回 第3章 青年期の月経と発達 第3節 第6回 第4章 青年期の月経と教育 1節・2節 第7回 第4章 青年期の月経と教育 3節 第8回 第5章 成熟期年齢の月経と PMS 第9回 第6章 日本における PMS の研究 第10回 第7章 月経と心理臨床 第11回 PMS メモリーによる月経随伴症状の診断法演習(1) 第12回 PMS メモリーによる月経随伴症状の診断法演習(2) 第13回 第8章 月経とジェンダー 第14回 発達心理学からみた月経の問題 第15回 まとめ 【事前・事後学習】 〈授業に出席前の準備〉 毎回の授業に出席する事前学習として、テキストならびに副読 本の授業該当箇所を精読して理解してくる。また、不明な点につ いては資料や文献で調べる。その他の履修者は内容を精読して、 学ぶ内容について問題意識をもって授業に臨む。 〈リポーターの準備〉 リポーターを務める学生は、テキスト・副読本を読み、不明な 箇所については理解して説明ができるように準備する。また、全 員でディスカッションするテーマを事前に用意する。また、該当 箇所のレジュメを作成し、補足資料が必要と考える場合は履修者 分を印刷して準備する。 〈事後学習とレポートの作成〉 毎回の授業の内容についてまとめを作成する。また学期末には 授業で学んだ内容について発表・議論内容も含めて整理してレ ポートを作成して提出する。 〈見学会報告〉 見学会に参加の後、学習したことをレポートとして提出する。 ― 129 ― 高齢者心理学特論 2単位 Psychology for the Elderly 久保田 美法 〔前学期開講〕 【概要】 超高齢社会の現在、高齢者と身近に接する機会や臨床現場で出会う可能性は高くなってきた。高齢者臨床では、機能の維持・回復と いう視点とともに、「『老い、かつ、死んでいく』本来の道」(山中,1991)に同行するという視点も必要である。 本講では、老化の過程に関する心理学的知見や老年期の発達課題等を学ぶとともに、それらが高齢者本人にとってどのような体験で あるかを、高齢者の語りや事例を通して考える。 高齢者の感慨の深さや真の寂寥に思いをいたすのは難しい。それでも「分かり得ない」ことを心に据えた上で、高齢者とどのように 向かいあい、共に時を過ごしていけるか。いくつかの視点を紹介しながら、考えていきたい。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 高齢者心理学に関する基礎的な知見を理解するともに、「同行者」としての基本的態度が養われることを目的とする。また高齢者と かかわる要件として、受講生各自が自分なりの老年観・死生観を耕していけることを目指す。 【教科書・参考書】 (参考書) 山中康裕『老いの魂学』有斐閣 1991 小澤勲『痴呆老人からみた世界』岩崎学術出版社 1998 北本福美『老いのこころと向き合う音楽療法 増補改訂版』音楽之友社 2011 黒川由紀子『高齢者と心理臨床』誠信書房 2013 六車由実『驚きの介護民俗学』医学書院 2012 (その他の参考文献は授業中に提示する。) 【評価方法・基準】 [到達目標]にどれくらい達したかにいついて、授業への主体的な参加度(60%)および期末レポート(40%)から総合的に評価する。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 生涯発達の中の老年期と様々な老年観 第2回 老いの過程とその体験世界(1) 第3回 老いの過程とその体験世界(2) 第4回 人生の語りを聴く(1) 第5回 人生の語りを聴く(2) 第6回 人生の語りを聴く(3) 第7回 高齢者の死生観 第8回 高齢者の恋愛と性 第9回 高齢者のこころと身体 第10回 認知症の症状とその心的世界(1) 第11回 認知症の症状とその心的世界(2) 第12回 認知症の症状とその心的世界(3) 第13回 認知症高齢者と家族 第14回 高齢者同士のつながり 第15回 高齢者と若者のつながり 【事前・事後学習】 あらかじめ配布されたテキストは、各自授業までに目を通して おく。また発表担当者はテキストの概要とディスカッションポイ ントをレジュメにまとめてくる。 授業後は、授業時のディスカッションを通じて考察したことを あらためて小レポートにまとめ、翌週提出する。 また参考文献等、授業で読んだテキスト以外の文献にも適宜目 を通し、期末レポートではその成果も踏まえて、各自でテーマを 設定し、それについて論じる。 ― 130 ― コミュニケーション心理学特論 2単位 Communication Psychology 大橋 靖史 〔後学期開講〕 【概要】 言語コミュニケーションを研究する研究領域には、会話分析、言説心理学(ディスコース心理学)、ディスコースの心理学といった 様々なものがある。また、従来の心理学の枠組みにとどまらず、言語学、社会学、哲学といった隣接領域とも密接に関わっている。こ の授業では、それぞれの分析方法の背景となる理論、分析の単位、具体的な分析方法、分析に用いられる資料の範囲、長所や短所等に ついて検討する。具体的には、次のような研究方法について検討する予定である。 1.エスノメソドロジー 2.会話分析 3.言説心理学(ディスコース心理学) 4.ディスコースの心理学 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 言語コミュニケーションを心理学的に分析するさまざまな研究方法の背景となる理論や具体的な分析方法について理解することを目 標とする。特に、各々の研究方法の短所と長所を知るとともに、研究間の共通点と相違点を明確に理解することを期待する。 【教科書・参考書】 教科書1:鈴木聡志『会話分析・ディスコース分析』新曜社 2007 教科書2:鈴木聡志・大橋靖史・能智正博編『ディスコースの心理学』ミネルヴァ書房 2015 【評価方法・基準】 評価方法は、授業時に発表するレジュメと発表内容・授業への取り組み(50%)、および、最終レポート(50%)の評価による。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション、この講義での学び方 第2回 エスノメソドロジー(1) 第3回 エスノメソドロジー(2) 第4回 会話分析(1) 第5回 会話分析(2) 第6回 会話分析(3) 第7回 ディスコース心理学(1) 第8回 ディスコース心理学(2) 第9回 ディスコース心理学(3) 第10回 ディスコースの心理学(1) 第11回 ディスコースの心理学(2) 第12回 ディスコースの心理学(3) 第13回 ディスコースの心理学(4) 第14回 ディスコース研究の方法 第15回 全体のまとめ 【事前・事後学習】 〈事前学習〉 受講者は全員、各回の授業において扱う内容について、教科書 の該当する章を予め読み、ディスカッションが可能な状態で授業 に臨むこと。また、発表者は事前に教科書の該当章の他に、関係 資料を収集し、それらをレジュメにまとめ、当日配布すること (レジュメは成績評価の対象となる) 〈事後学習〉 受講者は授業時に配布されたレジュメおよび授業内で展開され たディスカッションについて復習し、疑問等があった場合には、 次回の授業初めに質疑を行うこととする また、発表者が発表時にディスカッション内で出された質問に 答えることができなかった場合(資料が不足していた等の理由に より)、次回授業までに補足の資料を作成し配布すること 〈最終レポートの準備、作成〉 授業内において提示された課題に関するレポートを作成し期日 までに提出すること ― 131 ― 犯罪心理学特論 2単位 Criminal Psychology 大橋 靖史 〔前学期開講〕 【概要】 この授業では、これまで裁く側・捜査する側の視点から捉えがちであった、犯罪に関わる心理学を、犯罪者・被疑者・被害者という 当事者の視点から捉えなおすことを通し、犯罪心理学について再考する。 なお、受講者に犯罪心理学の基礎的な知識があれば事例を中心に授業を進めるが、知識が不十分であれば、事例の検討に入る前に基 礎的な知識についても学ぶこととする。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 犯罪心理学を当事者の視点から捉えなおすことを、この授業の第一の目的とする。また、犯罪心理学が科学であるためにはどういっ たことが必要かについて考察を深めることを第二の目的とする。 【教科書・参考書】 教科書:大橋靖史『犯罪心理学の光と影』北大路書房(2015夏出版予定) 参考書:法務省法務総合研究所(編)『平成26年版犯罪白書』日経印刷 2014 その他の文献については、授業内において適宜指示する。 【評価方法・基準】 評価方法は、授業時に発表するレジュメと発表内容・授業への取り組み(50%)、および、最終レポート(50%)の評価による。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 犯罪心理学とは(犯罪心理学の概論とこれからの授業の 進め方について) 第2回 犯罪者の視点からみた犯罪原因論(1) 第3回 犯罪者の視点からみた犯罪原因論(2) 第4回 犯罪者の視点からみた精神鑑定のあり方 第5回 犯罪者の視点からみた矯正と更生(1) 第6回 犯罪者の視点からみた矯正と更生(2) 第7回 被疑者の視点からみたポリグラフ検査 第8回 被疑者の視点からみた取調べの方法(1) 第9回 被疑者の視点からみた取調べの方法(2) 第10回 被疑者の視点からみた目撃証言・被害供述 第11回 被害者の視点からみた被害者支援(1) 第12回 被害者の視点からみた被害者支援(2) 第13回 これまでの内容を踏まえた事例の検討(1) 第14回 これまでの内容を踏まえた事例の検討(2) 第15回 まとめ 【事前・事後学習】 〈事前学習〉 受講者は全員、各回の授業において扱う内容について、教科書 の該当する章を予め読み、ディスカッションが可能な状態で授業 に臨むこと。また、発表者は事前に教科書の該当章の他に、関係 資料を収集し、それらをレジュメにまとめ、当日配布すること (レジュメは成績評価の対象となる) 〈事後学習〉 受講者は授業時に配布されたレジュメおよび授業内で展開され たディスカッションについて復習し、疑問等があった場合には、 次回の授業初めに質疑を行うこととする また、発表者が発表時にディスカッション内で出された質問に 答えることができなかった場合(資料が不足していた等の理由に より)、次回授業までに補足の資料を作成し配布すること 〈最終レポートの準備、作成〉 授業内において提示された課題に関するレポートを作成し期日 までに提出すること ― 132 ― 集団力学特論 2単位 集団力学特論Ⅰ 2単位 Group Dynamics 神 信人 〔後学期開講〕 【概要】 集団力学特論では、集団現象をとらえるために用いられてきた様々なアプローチとその前提におかれているメタ理論について講義す るとともに、それらの方法論の利点と限界について議論する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 集団の様々な捉え方を理解することで、現実の集団状況を分析的に捉え、適切に介入できるようになることを目指す。さらに討論を 通して、分析対象となる集団について適切なアプローチ法が考えられるようになる。 【教科書・参考書】 授業時間内に指示する。 【評価方法・基準】 授業中の発表40%、討論への貢献30%、レポート評価30% 【関連科目】 集団力学特論、社会心理学特論 【履修要件】 なし 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 ガイダンス この授業の学び方について 第2回 レヴィンの集団力学とその意義について講義 第3回 レヴィンの集団力学をどのように活用可能かについて討 論 第4回 集団心と方法論的個人主義の考え方とその意義について 講義 第5回 方法論的個人主義の利点と限界について討論 第6回 認知的アプローチの理論とスコープについての講義 第7回 認知的アプローチの利点と限界についての討論 第8回 自己同一性アプローチの理論とスコープについての講義 第9回 自己同一性アプローチの利点と限界についての討論 第10回 相互依存性アプローチである社会的交換理論とスコープ についての講義 第11回 相互依存性アプローチである葛藤理論とそのスコープに ついての講義 第12回 相互依存性アプローチの利点と限界について討論 第13回 ゲーム理論アプローチの理論とスコープについての講義 第14回 ゲーム理論アプローチの利点と限界について討論 第15回 集団ダイナミクスのアプローチ方法についての整理 【事前・事後学習】 第1回 事前学習 集団とは何か、それが我々の生活にどのような影響 を与えるかについて、自分の考えをまとめる 事後学習 自己の専門領域における集団の影響について論じる ことを通して、この授業で何を学ぶのかを確認する 第2∼ 14回 事前学習 事前配布された資料を読み、内容を確認すること 発表者は発表用の資料を作成すること 事後学習 授業および討論を整理して、授業内容の理解を確認 すること 第15回 事前学習 この授業を通して、集団力学についての理解がどの ように変化したかをまとめる 事後学習 この授業での学びを、今後の学び・研究へとどのよ うに位置づけられるかを考察する。 【備考】 なし ― 133 ― 臨床発達査定法演習 2単位 Seminar on Clinical Developmental Assesment 森脇 愛子 〔後学期開講〕 【概要】 アセスメントは、発達臨床においても、他の心理領域と同じく非常に重要であり、支援の基本といえる。アセスメントを通して、ク ライエントの課題とニーズを把握することが発達支援において不可欠である。この講義では、実際の発達臨床で役立ち、支援に直結す るアセスメントを学んでいく。具体的には、発達臨床でよくもちいられる Wechsler 系知能検査、新版 K 式発達検査である。それ以外に 適応行動尺度や自閉症スペクトラムの対人コミュニケーション能力を調べる検査など、グローバル・スタンダードとして使われていな がら、日本ではまだほとんど使用されていない検査も紹介する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 検査の実施から解釈、報告書の作成やフィードバックまでが行えるようになる。また、個々の検査ができるだけでなく、いくつかの 検査を組み合わせ、生態学的なアセスメントなども含めて包括的に対象を理解する力を身につける。 【参考書】 教科書:特に指定しない 長崎勤・古澤頼雄・藤田継道編著『臨床発達心理学概論』ミネルヴァ書房(2002) 藤田和弘ら著『WISC- 3アセスメント事例集―理論と実際』日本文化科学社 上野一彦ら編集『軽度発達障害の心理アセスメント―WISC- 3の上手な利用と事例』日本文化科学社 川畑隆ら『発達相談と援助―新版 K 式発達検査2001を用いた心理臨床』ミネルヴァ書房 中瀬惇著『新版 K 式を用いた研究の方法』ナカニシヤ書店 【評価方法・基準】 実習態度(20%)と小レポート(40%)及び期末レポート(40%)によって総合的に評価する。 【関連科目】 認知発達とその支援Ⅰ・Ⅱ 臨床発達心理実習Ⅰ・Ⅱ 【履修要件】 学部において、発達心理学・心理学査定法などを履修し、発達や心理検査についての基礎的知識を持っていることが望ましい。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 【事前・事後学習】 第1回 臨床発達心理学におけるアセスメント 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 第2回 対象理解のプロセスと対象の包括的な理解のためのアセ 献を読んでおくこと。 スメント 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 第3回 発達臨床における倫理 第4回 発達検査の種類とその概要 第5回 新版 K 式発達検査の解説 第6回 新版 K 式発達検査の実習 第7回 新版 K 式発達検査結果の見方と解釈 第8回 知能検査の種類と Wechsler 系検査の概要 第9回 WISC-IV の実習 第10回 WISC-IV 結果の見方と解釈 第11回 Wechsler 系検査の事例検討 第12回 発達障害に特化した検査の概要1 (ASD に関する検査:PEP- 3、TTAP、ADI-R、ADOS) 第13回 発達障害に特化した検査の概要2 (ADHD に関する検査:ADHD-RS、Conners) 第14回 自閉症スペクトラム幼児の行動観察法 第15回 適応行動の評価(Vineland- 2適応行動尺度) 【備考】 検査実習については、授業時間内に取り切れなかった場合は次の授業までの時間外の課題となる。このような課題も多いので、相応 の熱意が求められる。 ― 134 ― 発達査定事例演習 2単位 Seminar on Assessment of Clinical Developmental Psychology 三宅 篤子 〔前学期開講〕 【概要】 臨床発達心理学の領域においてアセスメントは、非常に重要であり、臨床発達心理学的支援の基本ということができる。どのような 場で支援を行う際にもアセスメントは欠かすことができず、これを通して、クライエントの状態、その課題と支援の方向性を把握する ことができる。本講義では、実際の発達臨床や発達支援の場で役立ち、支援に有効に機能するアセスメントの理解と基本的なスキルの 獲得を目指す。授業では、発達臨床でよくもちいられる Wechsler 系知能検査、K-ABC、新版 K 式発達検査である。それ以外に適応行 動尺度や自閉症スペクトラムの対人コミュニケーション能力を調べる検査など、グローバル・スタンダードとして使われていながら、 日本ではまだほとんど使用されていない検査も紹介する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 検査の実施から解釈、報告書の作成やフィードバックまでが行えるようになる。また、個々の検査ができるだけでなく、いくつかの 検査を組み合わせ、生態学的なアセスメントなども含めて包括的に対象を理解する力を身につける。 【教科書・参考書】 教科書:特に指定しない 参考書: ・長崎勤・古澤頼雄・藤田継道編著(2002)『臨床発達心理学概論』ミネルヴァ書房 ・日本版 WISC-IV 刊行委員会『WISC- Ⅳ知能検査』2010 日本文化科学社 ・川畑隆ら『発達相談と援助―新版 K 式発達検査2001を用いた心理臨床』ミネルヴァ書房 ・中瀬惇著『新版 K 式を用いた研究の方法』ナカニシヤ書店 ・茨木俊夫監訳『PEP- 3自閉児 ・ 発達障害児教育診断検査 [ 三訂版 ]』2007 川島書店 ・スリーン・ソールニアら『自閉症スペクトラム障害の診断・評価必携マニュアル』2014 東京書籍 【評価方法・基準】 実習態度(30%)と授業時間中のレポート(70%)によって総合的に評価する。 【関連科目】 認知発達とその支援Ⅰ・Ⅱ 臨床発達心理実習Ⅰ・Ⅱ 【履修要件】 学部において、発達心理学・心理学査定法などを履修し、発達や心理検査についての基礎的知識を持っていることが望ましい。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 【事前・事後学習】 第1回 臨床発達心理学におけるアセスメント 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 第2回 対象理解のプロセスと対象の包括的な理解のためのアセ 献を読んでおくこと。 スメント 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 第3回 発達臨床における倫理 第4回 発達検査の種類とその概要 第5回 新版 K 式発達検査の解説・実習 第6回 新版 K 式発達検査結果の見方と解釈 第7回 Wechsler 系検査の概要 第8回 WISC- Ⅳの実習 第9回 WISC- Ⅳ結果の見方と解釈 第10回 K-ABC の解説と実習 第11回 Wechsler 系検査、K-ABC の事例検討 第12回 発達障害に特化した検査の概要 第13回 Vineland 適応行動尺度の見方と解釈 第14回 支援のための検査(PEP- 3等)の概要・実習 第15回 自閉症スペクトラムの包括的アセスメントの事例検討 【備考】 検査実習については、授業時間内に取り切れなかった場合は次の授業までの時間外の課題となる。 このような課題も多いので、相応の熱意が求められる。 ― 135 ― 発達障害支援事例演習 2単位 Seminar on Support of Clinical Developmental Psychology 三宅 篤子 〔後学期開講〕 【概要】 臨床発達支援においては、子どもやその親、教師や保育者などの関係者からの情報収集、子供の発達特性、障害特性などを明らかに するための包括的アセスメント、それらの結果の総合判断としてのほう勝的支援方針の確定などを行う。本講義では、具体的な事例を もとに、上記の臨床発達心理学的支援の基本の理解とその事例の特徴に見合った様々な応用についての技能を学ぶ。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 事例に関する基本的情報の収集、基本的アセスメントの実施、その結果の解釈、報告書の作成から包括的支援計画作成が行えるよう になる。また、基本情報の収集についてのスキル、アセスメント実施のスキル、子どもの環境理解のための生態学的なアセスメントな ども含めて包括的に対象を理解するとともに、支援のための社会資源、環境調整、地域連携のためのスキル、子どもへの着雪的支援課 題の設定方法についての力も身につける。 【参考書】 教科書:特に指定しない 長崎勤・古澤頼雄・藤田継道 編著『臨床発達心理学概論』ミネルヴァ書房(2002) 中瀬惇 著『新版 K 式を用いた研究の方法』ナカニシヤ書店 【評価方法・基準】 授業時間に行う事例報告の内容、発表態度、ディスカッションでの積極性などによって総合的に評価する。 【関連科目】 認知発達とその支援Ⅰ・Ⅱ 臨床発達心理実習Ⅰ・Ⅱ 【履修要件】 学部において、発達心理学・心理学査定法などを履修し、発達や心理検査についての基礎的知識を持っていることが望ましい。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 【事前・事後学習】 第1回 臨床発達心理学における発達障害支援と事例研究 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 第2回 臨床発達心理における発達障害のアセスメントと支援 献を読んでおくこと。 ―アセスメント― 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 第3回 臨床発達心理学におけるアセスメントと支援 ―支援仮説の立て方、関連社会資源の理解― 第4回 発達臨床における事例研究の基本 ―被験者に関する基本情報の収集― 第5回 発達臨床における事例研究の基本 ―アセスメントのためのテストバッテリの設定― 第6回 発達臨床における事例研究の基本 ―アセスメントの結果のまとめ― 第7回 発達臨床における事例研究の基本 ―アセスメントから支援プログラムの作成(子ども)― 第8回 発達臨床における事例研究の基本 ―アセスメントから支援プログラムの作成(親・家族)― 第9回 発達臨床における基本的療育技法の事例研究 ―ABA(応用行動分析)について― 第10回 発達臨床における基本的療育技法の事例研究 ―PRT(基軸行動発達支援法)について― 第11回 発達臨床における基本的療育技法の事例研究 ―TEACCH について― 第12回 発達臨床における基本的療育技法の事例研究 ―CBT(認知行動療法)について― 第13回 発達臨床における基本的療育技法の事例研究 ―ESDM(アーリースタート・デンバー・モデル)― 第14回 発達臨床における基本的療育技法の事例研究 ―合併症のある事例― 第15回 まとめ 【備考】 支援計画作成については、実際のケースを参考に検討を行う。関係機関の調査、情報収集など時間外で行う活動も増える。 このような状況から、相応の意欲と熱意が求められる。 ― 136 ― 子ども発達事例演習 2単位 子ども発達事例演習Ⅰ 2単位 Case Studies in Child Development 池畑 美恵子 〔前学期開講〕 【概要】 発達支援に際して、臨床事例から学ぶ視点を共有しつつ、多面的な角度から理解を深めることは、必要不可欠な作業である。この授 業では発達臨床という視点から、事例研究の方法論を包括的に学ぶとともに、実際の子どもの臨床事例を報告してもらい、グループ・ スーパー・ヴィジョンを通して、専門性や支援のあり方を考える。 【到達目標】※原則として、変更されることはありません。 臨床場面におけるさまざまな事例の見方、研究の方法論について学習する。受講者の臨床事例の提供、報告を通して、分析の視点や 臨床仮説、経過の追い方、評価の方法について熟知することを目標とする。 【評価方法・基準】 与えられた課題の発表内容、討論への参加態度を中心に評価する。 【授業計画・授業内容】 第1回 事例研究における臨床発達アセスメント 第2回 事例研究における臨床発達アセスメント 第3回 臨床発達アセスメントを通した目標設定と支援 仮説のたて方 第4回 臨床発達アセスメントを通した目標設定と支援 仮説のたて方 第5回 支援経過の追い方とその評価法 第6回 支援経過の追い方とその評価法 第7回 音楽療法の臨床事例の提示とスーパーヴイジョン 第8回 音楽療法の臨床事例の提示とスーパーヴイジョン 第9回 認知・言語指導の臨床事例の提示とスーパーヴィジョン 第10回 認知・言語指導の臨床事例の提示とスーパーヴィジョン 第11回 遊戯療法の臨床事例の提示とスーパーヴィジョン 第12回 その他の子どもの臨床事例の提示とスーパーヴィジョン 第13回 その他の子どもの臨床事例の提示とスーパーヴィジョン 第14回 その他の子どもの臨床事例の提示とスーパーヴィジョン 第15回 まとめ 【事前・事後学習】 〈関連図書、資料の理解〉 授業内で紹介する関連文献を読み込み、アセスメントや事例の 経過分析の手法について予習および復習をする。 〈臨床事例報告〉 報告資料の作成およびプレゼンテーション準備。必要に応じ て、録画映像の編集や教材提示等も準備する。 〈報告事例に対する事後学習〉 報告とそれを受けた後に行われる集団討論での議論の内容を、 各自で整理し課題レポートとしてまとめる。 【備考】 可能な限り、こどもの発達支援に携わっていたり、ボランティア経験や実習経験を有する受講生をのぞむ。 2回をまとめて、隔週土曜日開講予定。 ― 137 ― 臨床発達障害児実習Ⅰ・Ⅱ 各1単位 臨床発達心理実習Ⅱ B 2単位 Practices in Clinical Developmental Psychology for Handicapped Children Practices in Clinical Developmental Psychology 池畑 美恵子・川瀬 良美 〔前学期・後学期、通年開講〕 【概要】 本実習は淑徳大学発達臨床研究センターにおける大学院生のための通年制の発達臨床実習である。発達臨床研究センターが30年かけ て開発してきた重度の障害児から軽度発達障害児に対する感覚と運動の高次化アプローチの発達支援場面に参加し、年間を通じて一人 以上の子どもを担当していくことになる。本実習科目では、上記の目的を果たすための事前指導や他機関での実習を含み、臨床発達心 理士資格取得を希望する学生は1年次必修である。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 本実習の目標は、障害児に限らず LD 児や AD / HD 児等の、より幅の広い子どもたちの発達臨床アセスメントならびに発達支援の 臨床的技能の習得を目標とする。そのための基礎として、健常児の発達を理解するために保育園において乳幼児の観察実習ならびに発 達診断実習を含む。 二年次には単独で個別臨床を担えることを目標としている。これまでの本人の臨床発達経験及びその資質に応じて、臨床参加メ ニューを考えて実施する。教具を用いた個別発達臨床アプローチと音楽・運動を含む集団アプローチの技術を習得することをめざす。 【評価方法・基準】 課せられた課題、実習への参加、実習態度、ケースカンファレンスへの参加態度、実習記録、課題レポートで評価される。 【履修要件】 心理学専攻で履修可能である。臨床発達心理士資格の取得においてこの実習は必修である。認知発達とその支援Ⅰ・Ⅱ(障害児臨床 特論Ⅰ・Ⅱ)を必ず並行履修すること。必要な学部授業を履修してもらうことがある。土曜日午後に行われるケースカンファレンスへ の出席が義務づけられている。 【実習内容と方法】 月曜日を除く火曜日から土曜日の該当する臨床コマにおいて、毎週一回以上参加し、一人以上の子どもの発達支援に直接かかわるこ とになる。並行して毎週土曜日午後に行われるケースカンファレンスに出席し、年に一回以上のケース発表が義務付けられる。 本発達臨床研究センターでの臨床実習のグレードは、学部三年次実習をグレード1、同四年次実習をグレード2、大学院一年次の標準 はグレード3、大学院二年次の標準はグレード4ということになる。それぞれの臨床経験と資質に応じてスタートラインは決定される。 また、健常児の発達を理解するために、保育園での実習、発達発達アセスメント実習を含む。 【事前・事後学習】 ・関連書籍を実習開始前に紹介するので、読み込むこと ・臨床実習という性格上、毎回の実習記録、臨床行動観察記録の提出は重視される。 ・ケースカンファレンス資料の作成、映像編集、当日の発表準備等も、実習課題となる。 ― 138 ― 臨床発達心理実習Ⅰ・Ⅱ 各1単位 Practices in Clinical Developmental Psychology 川瀬 良美・池畑 美恵子・冨澤 佳代子 〔通年開講〕 【概要】 本実習は、臨床発達心理士資格を取得する課程の科目としては選択実習であるが、より専門性の高い療育技術を習得するためには履 修することが必要である。本実習では、1年次に履修した臨床発達障害児実習Ⅰ ・ Ⅱから継続して、より高いグレード内容で、臨床発 達研究センターでの療育を実践する。原則として本実習の担当ケースによって、資格取得のためのケースリポートを作成する。ケース 報告に加えて、ケースリポート作成の指導も本実習で実施する。 また、療育保育園、子育て支援機関、児童養護施設、特別支援学級、特別養護老人ホーム等で臨床発達の立場からの支援を実習する ことを前提に、支援対象者へのより深い理解と支援技術の習得をめざし、支援方法の検討やアセスメントの実習、スーパーヴィジョン を行なう。 また、必要に応じて見学会、子育て支援相談会あるいは子育て支援サークルへの参加を体験する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 実習において支援に関わることを通して、個別のニーズに即した適切な支援方法を身につける。そのための対象理解、問題点の把握、 アセスメント方法の理解と技術の習得、その支援方法についての理解と実践を通して支援者としての能力の獲得、および支援計画の作 成・見直しなどを習得する。 【教科書・参考書】 本郷一夫・金谷京子編著『①臨床発達心理学の基礎』ミネルヴァ書房 2011 その他については、随時、授業中に紹介する。 【評価方法・基準】 具体的な評価点は、対象者の個別のニーズの理解と問題点の把握、アセスメント方法の理解と技術の習得、支援の実践を通して支援 計画の作成・見直しなどが習得されたか。また、それらのことが適切な表現・方法で記述することができるかなどを評価点する。また、 実習内容の報告、アセスメント報告、ケースリポート作成、討論での発言等も加えた総合評価による。 【関連科目】 臨床発達心理士養成指定5科目、子ども発達事例演習、発達査定法演習、発達査定事例演習、発達障害支援事例演習 【履修要件】 見学会、学外施設での実習を希望する場合は、随時必要に応じて相談しながら実施していく。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回∼ 30回 発達臨床研究センターでのケース担当、加えて、保育・発達支援、発達相談、子育て相談、学習相談、生活支援等の実習をした上で、 毎週実習報告を行なう。必要に応じて発達アセスメント、支援方法の文献研究、グループスーパーヴィジョン、個人スーパーヴィジョ ンを行なう。セラピー、コンサルテーション、スーパーヴィジョン等の多様なやり方で支援する方法を学ぶ。 ― 139 ― 臨床心理学特論Ⅰ 2単位 Principles of Clinical Psychology Ⅰ 中坪 太久郎 〔後学期開講〕 【概要】 臨床心理士として活動を行なっていく上での基礎的な考え方について学ぶ。はじめに臨床心理士を目指す動機について考え、それを 受けて、大学院でどのように学んでいくのか、外部実習やスーパービジョンの意義も含めて考えていく。その後、臨床心理士としての 活動を行っていくことの困難や、専門職としての責任についても検討を行なっていく。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 心理臨床の実践において基本となる知識と技能を習得する。また、心理臨床の実践における自他に対する基本的態度が養われること を目的とする。 【教科書・参考書】 心理援助の専門職になるために(金剛出版) その他については授業内で適宜指示する。 【評価方法・基準】 分担箇所の発表、ディスカッションへの参加、関連テーマに関する自己学習、およびそれらについて各自が主体的に考察を深めた成 果などによって総合的に評価する。 【関連科目】 履修要件の科目群 【履修要件】 この科目の受講は、心理学専攻臨床心理学領域に所属する院生に限られている。 【授業計画・授業内容】 第1回:臨床心理士を目指す動機について 第2回:望ましい臨床心理士のあり方について 第3回:教育訓練を意味のあるものにする 第4回:実習の活用 第5回:スーパービジョンの活用 第6回:心理臨床活動の理論 第7回:援助の諸段階について 第8回:初学者が直面する問題について 第9回:難しいクライエントとどのように会うか 第10回:倫理的な判断について 【事前・事後学習】 事前学習:自分が臨床心理士を目指すことになった動機などにつ いて考えておく 事後学習:話し合いの内容についてまとめておく 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 ― 140 ― 第11回:クライエントの権利とは 第12回:クライエントとの専門的関係について 第13回:クライエントとの価値観の不一致について 第14回:カンファレンスにおける資料作成について 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 事前学習:テキスト該当ページを読んでおく 事後学習:グループで話し合ったこと,全体でシェアしたことを 踏まえて,レポートを作成する。 第15回:まとめとふりかえり 【備考】 授業計画と授業内容は、受講者のニーズや学習の進行状況によって、適宜変更が加えられる。 ― 141 ― 臨床心理学特論Ⅱ 2単位 Principles of Clinical Psychology Ⅱ 千葉 浩彦 〔後学期開講〕 【概要】 臨床心理学の歴史と現在の課題について、主として次の3つの側面を中心として学習をすすめる。 A.世界と日本の臨床心理学および臨床心理士制度の歴史と現在の課題 B.専門職としての臨床心理士の倫理と臨床心理士としての成長課題 C.地元を中心とする日本の心理臨床の職域別の現状と課題 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 臨床心理士の拠って立つ、臨床心理学の全貌と現状の理解に基づいて、臨床心理士が社会から今何を要請されているかを説明できる こと。 さらに、自らの臨床心理士としての特徴を理解し、現在の自らの課題に着手していること。 【教科書・参考書】 テキスト1.下山・丹野(編)「講座臨床心理学1 臨床心理学とは何か」2001 東京大学出版会 テキスト2.大塚義孝(編著)「臨床心理学原論」2004 誠心書房 テキスト3.金沢吉展(編)「カウンセリング・心理療法の基礎」2007 有斐閣アルマ 参考書1.日本臨床心理士会(編)「臨床心理士の基礎研修」2009 創元社 参考書2.コーリィ・コーリィ(下山監訳)「心理援助の専門職として働くために」2004 金剛出版 参考書3.下山晴彦(編著)「臨床心理学の新しいかたち」2004 誠心書房 【評価方法・基準】 臨床心理学の学問の歴史と現状の理解(40点;レポート及び分担発表)、現代日本の臨床心理士の課題の理解(30点レポート及び分 担発表)、自身の倫理的課題の明確化と向き合い方(30点;レポート及び討議)の合計100点で評価する。 【関連科目】 臨床心理学領域の全科目 【履修要件】 心理学専攻臨床心理学領域の学生 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 A1.臨床心理学の歴史と専門性 (テキスト1―第1部、テキスト2―第1章) 第2回 A2.日本における臨床心理学の歴史と資格制度 (テキスト1―第2部、テキスト2―第2・3章) 第3回 A3.BASIC― Ph…臨床心理学の6側面と自身の6チャ ンネル 第4回 B1.臨床心理士の専門性と倫理、成長と発達 (テキスト3―第2章、テキスト1―2部5章、テキス ト2―第7章) 第5回 B2.臨床心理士をめざす動機 (テキスト2―第5章1節、参考書2) 第6回 B3.遭遇した倫理的課題について(1) 第7回 B4.遭遇した倫理的課題について(2) ・「認証」のあり方 【事前・事後学習】 1・2回:事前にテキストの該当部分を読み、疑問点を明確に して参加し、事後に授業のまとめをリアクションペーパー(RP) で提出する。臨床心理学の歴史に関する課題に回答して提出す る。 3回:自身の6チャンネルのバランスとそこから来る強み・弱み についてミニレポートを提出する。 4∼5回:事前にテキストの該当部分を読み、疑問点を明確に して参加し、事後に授業のまとめをリアクションペーパー(RP) で提出する。 6∼7回:事前に自身や他の履修学生がこれまで遭遇した臨床心 理的倫理で課題を感じる場面を書き出し、どのような理解が可能 か調べたり考えたりしておく。「認証」についての課題を事後に 提出する。以上をまとめたミニレポートを提出する。 8∼ 13回:事前に分担した領域における臨床心理士の職務の現 状と課題を調べて、レジュメを作成し、担当時に発表する。授業 中のディスカッションに応じた考察等を RP で提出する。 第8回 C1.千葉県・東京都の臨床心理士の現状、連携のあり方 第9回 C2.医療・保健・障がい者福祉領域の現状と課題 (テキスト3―第4章) 第10回 C3.児童福祉・司法・矯正領域の現状と課題 (テキスト3―第4章) 第11回 C4.教育臨床領域の現状と課題 (テキスト3―第4章) 第12回 C5.産業臨床・私設心理臨床領域の現状と課題 (テキスト3―第4章) 第13回 C 6.コミュニティ心理臨床領域の現状と課題 (テキスト3―第9章) 第14回 B6.臨床心理士としての自己の課題 14回:自己の課題をレポートにまとめる。 第15回 A3.臨床心理学研究のあり方と必要性/倫理的に厳し 15回:自身の倫理的課題の明確化と向き合い方をレポートにまと い状況への向き合い方 めて提出する。 ― 142 ― 臨床心理面接特論Ⅰ 2単位 Clinical Psychological Intervention Ⅰ 千葉 浩彦 〔前学期開講〕 【概要】 心理療法について、次の3つのフェーズに分け、それぞれのテーマと授業形態で学習する。 A.心理療法の全体像・治療構造と治療要因について―主として講義形式 B.心理療法理論の源流について―全員がいずれかを担当し、発表とディスカッションを行う。 C.心理療法の各論について―全員がいずれかを担当し、中心概念とそれを支える理論、基礎技法に関する報告とおよびミニワーク (または事例検討)、基本知識のミニテストを行う。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 心理療法全般に共通する治療構造と基本的治療要因の概念を理解する。力動心理療法、行動療法、人間性心理療法における重要概念 と中心的技法の知識を習得する。さらに、主要な心理療法にかかわる体験を通じて、各技法が、信念・感情・社会・想像力・認知・身 体のそれぞれの側面に何をもたらすかの説明ができる。 【教科書・参考書】 テキスト1.古宮昇「心理療法入門」2001 創元社 テキスト2.ナイ(河合訳)「臨床心理学の源流」1995 二甁社 参考書1.金沢吉展「カウンセラー 専門家としての条件」1998 誠信書房 2.神田橋條治「精神科診断面接のコツ」1984 岩崎学術出版社 3.土井健郎「精神分析」1988 講談社学術文庫 4.大河内浩人・武藤崇(編著)「行動分析」2007 ミネルヴァ書房 5.諸富祥彦 「カール・ロジャーズ入門」 1997 コスモス・ライブラリー 6.増野 肇 「サイコドラマのすすめ方」 金剛出版 7.岡田法悦「実践・“受容的な”ゲシュタルト・セラピー」2004 ナカニシヤ出版 8.スチュアート・ジョインズ(深沢訳)「TA TODAY」1991 実務教育出版 9.ミルトン・ポルマー・ファブリシアス(松木監訳)「精神分析入門講座―英国学派を中心に」岩崎学術出版 10.リネハン「弁証法的行動療法実践マニュアル」2007 金剛出版 11.岡堂哲雄(編)「家族心理学入門(補訂版)」1999 培風館 12.森・黒沢「解決志向ブリーフセラピー」2002 ほんの森出版 【評価方法・基準】 分担した発表とディスカッションのあり方40点、ワークおよび事例検討への参加態度30点、およびまとめのレポート30点として合計 100点で評価する。 レポート課題1:力動心理的アプローチ、認知行動的アプローチ、人間性(クライアント中心)アプローチという、心理療法の三大 源流とその流れを汲む心理療法アプローチについて、授業中に指定する観点について比較・検討しなさい。 レポート課題2:自分が今後心理面接を担当していく上で、上記の心理療法の3大源流をどのように引き継ぎ、活かしていこうとす るかを論じなさい。その際、問題1で比較・検討した観点について、最大限の整合性がとれるような説明をすること。 【関連科目】 臨床心理面接特論Ⅱ、臨床心理学特論ⅠⅡ、行動療法特論、家族療法特論、精神科診断治療学特論 【履修要件】 臨床心理学領域に所属在籍し、心理臨床のミニワークに臨む守秘義務を守れること。 ― 143 ― 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 A1.心理療法の歴史、エビデンス/理論統合アプローチ ―テキスト1―第1章、参考書1 A2.相談における時間と空間・BASIC-Ph ―テキスト1―第12章、参考書2 A3.治療関係の構築と傾聴 ―テキスト1ー第9章、参考書2 A4.多次元的アセスメントと倫理 ―テキスト1ー第7・12章、参考書2 A5.心理療法家になることと倫理 ―テキスト1ー第2・3章、参考書2 B1.臨床心理学の源流1(フロイト) ―テキスト2、参考書3、テキスト1―第8章 B2.臨床心理学の源流2(スキナー) ―テキスト2、参考書4 B3.臨床心理学の源流3(ロジャーズ) ―テキスト2、参考書5、テキスト1―第4章 C1.サイコドラマ 参考書6 C2.ゲシュタルト療法 参考書7 C3.TA(交流分析) 参考書8 C4.精神分析療法(対象関係論) 参考書9 C5.認知療法、第三世代行動療法 ―テキスト1―第5章、参考書10 C6.家族療法とシステム論 ―テキスト1―第7章、参考書11 C7.ブリーフセラピー ―テキスト1―第6章、参考書12 【事前・事後学習】 A1.事前にテキストの該当部分を読み、疑問点を明確にして参 加し、事後に授業のまとめをリアクションペーパー(RP)で提 出する。 A2.自身の6チャンネルについて、ミニレポートを作成し提出 する。 A3∼A4.講義内容について、テキストや他の文献、および自 身の面接体験に照らして整理してみる。自分なりの理解と疑問点 をミニレポートとして提出する。 A 5.事前に、「クライアントとのかかわりにおいて優先すべき こと」を10項目程度書き出して授業に臨み、授業中のディスカッ ションを踏まえて整理したことをミニレポートとして提出する。 B1∼B3.担当したテーマについて、関連文献を整理してレ ジュメにまとめ、発表してディスカッションする。また、基本知 識のミニテストを作成し、解答する。 C1∼C7.全員がいずれかのテーマを担当し、中心概念とそれ を支える理論、基礎技法に関する発表とディスカッションおよび ミニワーク(または事例検討)を行う。また、基本知識のミニテ ストを作成し、解答する。 ― 144 ― 臨床心理面接特論Ⅱ 2単位 Clinical Psychological Intervention Ⅱ 久保田 美法 〔前学期開講〕 【概要】 本講では、心理面接の過程が丁寧に記述されている公刊された事例を読むことを通して、そこでクライエントとセラピストの関係性 がどのようにはたらいているか、体感しながら学ぶ。 前半は臨床心理面接のエッセンスがつまっている遊戯療法をとりあげる。「面接」というと、言葉での対話を考えがちだが、そのベー スにあるのは非言語のやりとりである。遊戯療法では、この非言語による交流が前面に出、言葉にはなりにくいイメージを含めた豊か な世界が展開し、そこに子どもが抱えているテーマが表されることも多い。それらをどのように受けとり、共にしていくか、また面接 の枠があることの意味についても考える。 後半は、描画や箱庭の事例をとりあげる。査定の技法というよりは、それそのものが臨床心理面接でもあることを、クライエントと セラピストの目の前に立ち現れるイメージに触れることを通して知ってもらいたい。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 事例を通して、遊戯療法や描画療法、箱庭療法についておさえておくべき基本的な事柄を知るとともに、そこでクライエントとセラ ピストの関係性がどのようにはたらいているかを学びとり、自身の面接に生かしていけるようになることを目指す。 【教科書・参考書】 (教科書) 河合隼雄編『遊戯療法の実際』誠信書房 2005 (参考書) 山中康裕・皆藤章・角野善宏編『バウムの心理臨床』創元社 2005 岸本寛史『臨床バウム』誠信書房 2011 皆藤章・川嵜克哲『風景構成法の事例と展開 心理臨床の体験知』誠信書房 2002 皆藤章『風景構成法のときと語り』誠信書房 2004 (その他の参考文献は授業中に提示する。) 【評価方法・基準】 [到達目標]にどれくらい達したかについて、分担した発表(30%)、ディスカッションへの参加のあり方(30%)、および期末レポー ト(40%)から総合的に評価する。 【関連科目】 臨床心理面接特論Ⅰ、臨床心理学特論Ⅰ、臨床心理学特論Ⅱ 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 第2回 『遊戯療法の実際』事例1 第3回 『遊戯療法の実際』事例2 第4回 『遊戯療法の実際』事例3 第5回 『遊戯療法の実際』事例4 第6回 『遊戯療法の実際』事例5 第7回 『遊戯療法の実際』事例6 第8回 『遊戯療法の実際』事例7 第9回 『遊戯療法の実際』事例8 第10回 バウムの事例(1) 第11回 バウムの事例(2) 第12回 風景構成法の事例(1) 第13回 風景構成法の事例(2) 第14回 箱庭療法の事例(1) 第15回 箱庭療法の事例(2) 【事前・事後学習】 発表担当者は事前に事例をよく読み、その内容をレジュメにま とめる。 授業後は、授業でのディスカッションを踏まえ、もう一度事例 を丁寧に読み返し、事例の考察やコメントにも目を通して考えた ことを小レポートにして、翌週に提出する。提出された小レポー トは受講生で共有し事例理解をさらに深める。 ― 145 ― 行動療法特論 2単位 行動療法特論Ⅰ Cognitive-Behavioral Approaches to Interventions 千葉 浩彦 〔後学期開講〕 【概要】 複数のテキストを用いて多面的に授業展開する。テキスト1では、行動療法的な治療構造の作り方、治療運営のあり方、そしてケー スフォーミュレーションの方法を学ぶ。その基礎となる応用行動分析の概要にもふれる。テキスト2∼5では、行動療法のエクササイ ズを体験しながら、ケースフォーミュレーションから治療の核となる技法の実践への具体的な流れを、主として不安障害・気分障害を 中心に学んでいく。 後半では、発達障害・強迫性障害・境界性パーソナリティ障害なども取り上げて、その行動療法の独自の部分についてもふれていく。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 シンプルなうつ病性障害および不安障害(社交不安障害・パニック障害など)の事例の行動療法的ケースフォーミュレーションを行 い、治療計画をたてて認知行動療法を実践することができるようになる。そのために、背景となる行動療法の原理およびアプローチ法 の最低限の理解と、技法実践の最低限のスキル習得が必要になる。 【教科書・参考書】 テキスト1.Ledley, Marx & Heimerg(井上監訳)「認知行動療法を始める人のために」2007 星和書店 テキスト2.Forsyth, J. P. & Eifert, G.H.(熊野・奈良監訳)「不安・恐れ・心配から自由になるマインドフルネス・ワークブック」 2012 明石書店 テキスト3.Barlow et. al.(伊藤・堀越訳)「不安とうつの統一プロトコル」セラピストガイド/ワークブック 2012 診断と治療社 テキスト4.前田ケイ「基本から学ぶ SST」2013 星和書店 テキスト5.Linehan, M.M.(小野和哉監訳)「弁証法的行動療法実践マニュアル」2007 金剛出版 参考書1.市井雅哉(編著)「EMDR…トラウマ治療の新常識」こころのりんしょう a・la・carte Vol.27, No. 2 2008 参考書2.Alberto, P.A. & Troutman, A.C.(佐久間・谷・大野訳)「はじめての応用行動分析(日本語版第2版)」2004 二瓶社 参考書3.吉野智富美 「スクールシャドー入門」2012 学苑社 参考書4.Harris, R.(武藤監訳)「よくわかる ACT」2012 星和書店 参考書5.Greco, L. A. & Hayes, S.C.(武藤・伊藤・石川・三田村監修・小川訳)「子どもと青少年のためのマインドフルネス & アク セプタンス―新世代の認知/行動療法実践ガイド」2013 明石書店 参考書6.Spradlin, S.E.(斎藤監訳)「弁証法的行動療法ワークブック」2009 金剛出版 【評価方法・基準】 ミニワークおよびロールプレイの実践(40点)、ロールプレイ事例および配布事例のケースレポート(行動的ケースフォーミュレー ション30点、治療手続き30点)の計100点とする。毎回のミニレポートは、おおよそ800字程度とする。 【関連科目】 臨床心理学特論ⅠⅡ、臨床心理面接特論ⅠⅡ、精神医学特論、精神科診断治療学特論、臨床心理基礎実習、臨床心理実習 【履修要件】 原則として臨床心理学領域の学生で、自分を対象とした行動療法的なワークに参加可能で、かつ受講者同士の守秘義務を守ることが できる人。 ― 146 ― 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 【事前・事後学習】 第1回 行動療法をはじめる前に―治療契約・治療関係・スー 第1回 面接特論Ⅰの復習と関連課題への解答 パービジョン― テキスト1―1∼3・11章 第2回 講義を聴いて理解したこと、疑問点をリアクションペー 第2回 トラウマ治療と EMDR 療法 参考書1 パーで提出する。 第3回 マインドフルネスの体験 テキスト2―10章 第3回 授業で体験したワークについて内省し、何を体験したか、 臨床にどのような意義があるかをミニレポートにして提 出する。 第4回 行動の定義と三項強化随伴性 第4回 復習の上、随伴性ダイアグラム課題 A ∼ C を提出する。 テキスト1―4∼5章、参考書2―2∼3章 第5回 ACT の概要と行動療法的ケースフォーミュレーション 第5回 復習の上、テキスト1の事例の随伴性分析を行う。 テキスト2、参考書4 第6回 治療の開始と最初の難題テキスト1―6∼7章 第6回 テキスト1のロールプレイに関するレポートを提出する。 第7回 うつ・不安障害の行動分析 第7回∼第12回 授業で行ったロールプレイについての課題に解 テキスト3―3∼6章 答し、ミニレポートを提出する。 第8回 うつ・不安障害のケースフォーミュレーション テキスト3―7∼ 10章 第9回 自動思考と認知再構成法 テキスト3―7∼ 10章 第10回 不安障害へのエクスポージャー法 テキスト3―11 ∼ 14章 第11回 ソーシャルスキルズトレーニング(発達障害の SST) テキスト4 第12回 感情調節障害の弁証法的行動療法 テキスト5 第13回 SST 復習/価値のワーク 第13回 配付事例のケースフォーミュレーションを行い、レポー テキスト4/テキスト2 トを作成して提出する。 第14回 感情調節障害の弁証法的行動療法 第14回 授業で行ったロールプレイについての課題に解答し、ミ テキスト5 ニレポートを提出する。 第15回 難しいクライアントへの取り組み・終結とフォロー/レ 第15回 レポートの講評をもとに見直しを行う。 ポート講評 テキスト1―9∼ 11章 ― 147 ― 家族療法特論 2単位 Family Therapy 中坪 太久郎 〔後学期開講〕 【概要】 臨床心理士として活動するためには、基礎実習で学ぶような、セラピストとしての基本的態度や考え方に加えて、クライエントの状 況や活動を行う現場に応じて、さまざまな心理療法の理論モデルを用いた、クライエントの理解と対応を行っていくことが求められる。 本講義では、心理療法の中の「家族療法」について取り上げ、個人療法との異同や適用されうる問題などについて検討を行っていく。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 臨床心理学における心理療法の理論モデルのひとつとして、家族療法についての知識を習得することを目標とする。これまでの家族 療法の歴史に加えて、家族療法の基本的な考え方、技法等について、テキストや事例論文、ビデオ等を用いて理解を行う。 【教科書・参考書】 授業内で指示する。 【評価方法・基準】 家族療法の考え方についての理解度に応じた評価を行う。レジュメの作成と発表およびディスカッションへの参加(50%)、最終レ ポートの提出(50%)によって評価を行う。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 第2回 家族療法の概要 第3回 構造的家族療法(1) 第4回 構造的家族療法(2) 第5回 戦略的家族療法(1) 第6回 戦略的家族療法(2) 第7回 多世代派家族療法(1) 第8回 多世代派家族療法(2) 第9回 ソリューション・フォーカスト・アプローチ 第10回 ナラティブ・アプローチ(1) 第11回 ナラティブ・アプローチ(2) 第12回 社会構成主義アプローチ 第13回 家族心理教育 第14回 セラピーの統合、折衷について 【事前・事後学習】 事前学習:家族療法の概要について調べておく 事後学習:家族療法の概要についてまとめておく 事前学習:家族療法の概要について調べておく 事後学習:家族療法の概要についてまとめておく 事前学習:構造的家族療法についての文献を読んでおく 事後学習:構造的家族療法についてまとめておく 事前学習:構造的家族療法についての文献を読んでおく 事後学習:構造的家族療法についてまとめておく 事前学習:戦略的家族療法についての文献を読んでおく 事後学習:戦略的家族療法についてまとめておく 事前学習:戦略的家族療法についての文献を読んでおく 事後学習:戦略的家族療法についてまとめておく 事前学習:多世代派家族療法についての文献を読んでおく 事後学習:多世代派家族療法についてまとめておく 事前学習:多世代派家族療法についての文献を読んでおく 事後学習:多世代派家族療法についてまとめておく 事前学習:ソリューション・フォーカスト・アプローチについて の文献を読んでおく 事後学習:ソリューション・フォーカスト・アプローチについ てまとめておく 事前学習:ナラティブ・アプローチについての文献を読んでおく 事後学習:ナラティブ・アプローチについてまとめておく 事前学習:ナラティブ・アプローチについての文献を読んでおく 事後学習:ナラティブ・アプローチについてまとめておく 事前学習:社会構成主義についての文献を読んでおく 事後学習:社会構成主義についてまとめておく 事前学習:家族心理教育についての文献を読んでおく 事後学習:家族心理教育についてまとめておく 事前学習:セラピーの統合,折衷についての文献を読んでおく 事後学習:セラピーの統合,折衷についてまとめておく 第15回 まとめ ― 148 ― 臨床心理地域援助特論 2単位 Community Approach in Clinical Psychology 小川 恵 〔後学期集中〕 【概要】 本講義では WHO の定義する well-being を『国際生活機能分類(通称 ICF)』上で理解するものである。通常の臨床心理は個人の心理 理解の上で、個に還元しきれないあり方としての社会との関係に出会う。社会心理学的視点が要請される根拠である。DSM- 5が基礎 に置く Engel.GL の Bio-psycho-social Model はこのような「人間」理解の上に、生物心理社会的総体と構成主義的に人間を捉えたもので ある。本講義は自然な社会心理学的視点だけでなく、レビンの B=f(P,E): Behavior Personality Environment のように、誰もが「社会的存 在」としてコミュニティに規定されつつ、主体的には適応的な行動をしているというエコロジカルモデルから、個人と社会との関係を 理解する。その上で、個人療法的な人の環境への適応を援助する臨床心理学的な援助モデルだけでなく、その個人をとりまく環境を人 に適合するように改善していくような社会系資本への働きかけを組み立てるという、個人心理療法では決してあり得ない臨床心理学的 な援助モデルとしてのコミュニティアプローチを検討する。問題を解決上コミュニティアプローチが有効な対象とは、広義の地域から、 学校・企業・医療福祉など、この10年、時代的に変化の荒波を被った多種多様な領域である。 本講義では、コミュニティアプローチを、臨床心理学的な援助モデルの基本である「臨床心理アセスメント」「臨床心理面接」に対 置されるもう1つの臨床心理学的な援助モデルと位置づけ、それらの具体的な方法論として医療人類学や社会学的な視点を含め講義す る。特に具体的な実践としての各論部分では、多様なコミュニティ援助の実践家を招き、アップツーデートな視点や思考法を学ぶ。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 講義の前半では、コミュニティ援助の理念を歴史や理論的背景から学ぶ。基本的発想として、予防的介入・危機介入・コンサルテー ション・社会的支援とネットワークづくり・他職種との協働などの概論的な解説をおこない、後半では、学校領域におけるコミュニ ティ援助の実際・福祉領域におけるコミュニティ援助の実際・産業領域におけるコミュニティ援助の実際の理解を、さまざまな領域に おける実践家を招き、体験的理解を得ることで深める。 【教科書・参考書】 教科書 ①『心理臨床へのまなざし』小川恵著 日本評論社 3,500円 および配布資料(援助のプラットホームを考える。開講前に斜め読 みして講師の論理を知り、質問を持って臨んで欲しい) 1部4章、2部1章、4部1章、 ②『対人サービス職のための精神保健入門』日本評論社 2,500円 序章、1部1章、2部4章、3部2章、4部 ③レジュメ・論文。 予習のため、レジュメ・論文の事前配布を PC アドレスで行う。クラウド上の専用のホルダにアクセスして貰い配布する。 アクセス可能な PC メールアドレスを小川(ogawas@soc.shukutoku.ac.jp)まで開講前に届け出て、アクセス権を得て、事前学習をす ること。 (開講前に一読して講師の論理を知り、質問を持って臨んで欲しい) 参考書 【評価方法・基準】 授業中の質問とディスカッションにおける内容理解の評価が60%。そのため、指定の教科書および資料は事前に予習をして臨むこと が必須である。それらを踏まえてレポート課題を課す。主観や感想でなく、精神医学的援助や看護のケアあるいは福祉的支援と心理臨 床の援助の共通点や違いを踏まえて、共働するための心理臨床の理解の評価が40%。特に外部講師の回については事前に自習のレポー トを課し、当日のディスカッションに準備して望む能力を双方向で評価する。 【関連科目】 大学院で開講している各種関連領域科目および学部の「精神保健学」「異常心理学」などを学ぶことは、理解の一助となる。 【履修要件】 ― 149 ― 【授業計画・授業内容】※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション、この講義での学び方 WHO の定義する well-being の『国際生活機能分類 (通称 ICF)』上での理解 心理臨床の well-being 増進に果たす役割 第2回 総論 臨床心理地域援助の理念 心理臨床の4つの柱における臨床心理地域支援の定位 社会的責任と役割 第3回 総論 地域活動における方法論 事例性、専門性(専門職論) 倫理的根拠 第4回 総論 地域社会の理解 エコロジカルモデルの発展の歴史的定位 ソーシャルキャピタル、多層的ヘルスケアシステム、 臨床的リアリティなどの医療人類学的理解 周辺領域の概念を取り込む意義 第5回 総論 コミュニティ・アプローチの理念と対象 ①予防の概念と予防的介入 ②危機理論と危機介入・ポストベンション ③広義のメンタルヘルスリテラシー 第6回 総論 コミュニティ・アプローチの対象と方法論 ソーシャル・サポート・ネットワーキングと そのコーディネイティングのあり方 第7回 総論 コミュニティ・アプローチの研究 行動のアセスメントと計画立案 参与観察と見立てた実践研究と倫理 第8回 各論 コミュニティ・アプローチの実際 (1)育児・家庭運営支援における発達相談 (2)医療領域における支援 (3)福祉領域における支援 第9回 各論 コミュニティアプローチの実際 (2)暴力・犯罪などへのコミュニティアプローチ 第10回 各論 発達障害の子どもへのコミュニティアプローチの 実際 (1)発達相談と特別支援教育を中心として 第11回 各論 発達障害の子どもへのコミュニティアプローチの 実際 (2)児童相談所の仕事を中心に 第12回 各論 保健・医療・福祉領域におけるコミュニティアプ ローチの実際 (1)精神科病院における統合失調症を中心に 第13回 各論 保健・医療・福祉領域におけるコミュニティアプ ローチの実際 (2)精神科病院における高齢者を中心に 第14回 各論 産業領域におけるコミュニティアプローチの実際 【事前・事後学習】 事前課題は下記課題についてのレポート課題:コミュニティ心 理学とはどのような学問と考えるか? 各自の理解する臨床心理学の中でどのような特徴を持つと考え るかについて事前レポート(字数制限なし)を作成し、開講時提 出のこと。 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 事前課題は前回講義内容の復習と該当箇所予習 事後学習は課題レポート作成準備 第15回 学生個々の臨床心理地域援助論の発表とディスカッショ ン ― 150 ― 臨床心理査定演習Ⅰ 2単位 Seminar on Psychological Assessment Ⅰ 中坪 太久郎 〔前学期開講〕 【概要】 本講義では、心理臨床場面におけるアセスメントの全体像について学ぶ。まずはアセスメントの意義や目的など、アセスメントの概 略について講義を行う。それを受けて、質問紙法、投影法、神経心理学的検査、構造化面接など、実際の臨床場面で使用されることが 多い個別の検査について、その成り立ち、概要、実施の手順、レポートの作成方法について検討を行う。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 心理臨床場面におけるアセスメントの概要について理解すること、心理臨床の場面でよく利用される検査全般についての知識を習得 することを目的とする。 【教科書・参考書】 授業中に適宜指示する。 【評価方法・基準】 参加者には、それぞれのテーマに沿って発表を行うことが求められる。そのため、発表内容、レポート等で総合的に判断して評価を 行う。 【授業計画・授業内容】 第1回 オリエンテーション 第2回 アセスメントの概要1 第3回 アセスメントの概要2 第4回 質問紙法1 第5回 質問紙法2 第6回 質問紙法3 第7回 投影法1 第8回 投影法2 第9回 投影法3 第10回 神経心理学的検査1 第11回 神経心理学的検査2 第12回 神経心理学的検査3 第13回 構造化面接1 第14回 構造化面接2 【事前・事後学習】 事前学習:心理検査の概論についての文献を読んでおく 事後学習:心理検査の概論についてまとめておく 事前学習:アセスメントの概論についての文献を読んでおく 事後学習:アセスメントの概論についてまとめておく 事前学習:アセスメントの概論についての文献を読んでおく 事後学習:アセスメントの概論についてまとめておく 事前学習:質問紙法の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:質問紙法の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:質問紙法の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:投影法の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:投影法の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:投影法の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:神経心理学的検査の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:神経心理学的検査の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:神経心理学的検査の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した検査の内容についてまとめておく 事前学習:構造化面接の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した面接の内容についてまとめておく 事前学習:構造化面接の概論についての文献を読んでおく 事後学習:その日に使用した面接の内容についてまとめておく 第15回 まとめ ― 151 ― 臨床心理査定演習Ⅱ 2単位 Seminar on Psychological Assessment Ⅱ 大橋 靖史 〔後学期開講〕 【概要】 本演習は、思春期から老年期にわたる成人心理臨床における心理査定について、個別知能検査と質問紙検査を中心に学んでいく。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 本演習では、まず成人の個別知能検査である WAIS- Ⅲと質問紙による代表的な人格検査である MMPI の施行方法および採点・解釈 の基本について習得することを目標とする。更に、これらの検査を中心に適切なテスト・バッテリーを組み、複数の検査結果から、統 合された人格像や疾病像を浮かび上がらせる基本的な技術の習得を目標とする。 【教科書・参考書】 必要に応じ、授業時間内において適宜指示する。 【評価方法・基準】 演習時に発表・提出する心理的所見と発表内容(40%)、授業内での発言など授業への取り組み状況(40%)、および、最終レポート (20%)により評価する。 【関連科目】 臨床心理査定演習Ⅰ 投映法特論 A・B 【履修要件】 心理学専攻臨床心理学領域に所属すること。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション ―なぜ査定は臨床心理にとって必要か、これからの進め方― 第2回 テスト・バッテリーについて ―事例の紹介― 第3回 個別知能検査 WAIS- Ⅲの習得(1) ―施行方法― 第4回 個別知能検査 WAIS- Ⅲの習得(2) ―採点方法― 第5回 個別知能検査 WAIS- Ⅲの習得(3) ―所見作成方法― 第6回 質問紙検査 MMPI の習得(1) ―施行および採点方法― 第7回 質問紙検査 MMPI の習得(2) ―コード化および所見作成方法― 第8回 査定結果のフィードバックについて ―報告書とフィードバック― 第9回 実施結果の発表(1) ―各回2名の発表を予定― 上記の知能検査および質問紙検査に加え、投影法に基づく心理検 査等を組合せ、テスト・バッテリーを組み、知能や人格の全体像 を表す所見の作成を行う。その所見をもとに、各履修者は、自ら 行った査定結果を発表する。具体的には、面接資料、各種心理検 査の資料、その他の資料をもとに、総合的な所見を作成し、発表 する。そして、発表をもとに他の履修者および担当教員とディス カッションを行う。 第10回 実施結果の発表(2) 第11回 実施結果の発表(3) 第12回 実施結果の発表(4) 第13回 実施結果の発表(5) 第14回 実施結果の発表(6) 第15回 全体のまとめ 【事前・事後学習】 〈事前学習〉 WAIS- Ⅲおよび MMPI の実施前に、予め該当のマニュアルや 関係書籍を読み、施行方法や採点方法、所見作成方法等について 理解しておくこと。また、WAIS については、事前に実施に関係 DVD を視聴しておくこと。また後半の実施結果の発表において 各発表者は、検査結果をまとめ、当日、検査結果と報告書を配布 すること(なお、報告書等は成績評価の対象となる) 〈事後学習〉 前半 WAIS- Ⅲおよび MMPI の実施の際は、演習内で生じた疑 問について資料等を参考に解決しておくとともに、復習の中で新 たに生じた疑問等については、次回の授業初めに質問すること。 また施行が予定より遅れた場合は授業時間外において実施してお くこと。また後半発表者が発表時にディスカッション内で出され た質問に答えることができなかった場合は、次回授業時に答える ようにしておくこと。 〈最終レポートの準備、作成〉 後半において発表した報告書を授業内でのディスカッションを 元にブラッシュアップし期日までに提出すること(評価対象とす る)。 【備考】 被査定者のプライバシー等、倫理面について十分な留意が必要である。 ― 152 ― 投映法特論 A 投映法特論Ⅰ 2単位 Projective Technique A 井上 美鈴 〔後学期開講〕 【概要】 代表的な投映法の1つであるロールシャッハ・テストの基礎を学ぶ。 講義に先立ち、履修生にはまず自身がロールシャッハ・テス トの被検者となってもらう。この体験を参考に、試行法、記号化法、解釈法について理解を深める。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 ロールシャッハ・テストの初心者を対象として、その施行法、記号化法、解釈法をひととおり学ぶ。生きた一人の人間像が描けるよ うになるための初歩的な技術を身につけることを目指す。 【教科書・参考書】 片口安史『新・心理診断法』金子書房 小此木啓吾・馬場禮子著『精神力動論』金子書房 馬場禮子著『ロールシャッハ法と精神分析―継起分析入門』岩崎学術出版社 (その他の参考文献については授業中に紹介する) 【評価方法・基準】 授業への貢献度(50%)および、期末レポート(50%)から総合的に評価する。 【関連科目】 投映法特論Ⅱ、臨床心理査定演習Ⅰ、臨床心理査定演習Ⅱ 【履修要件】 心理学専攻臨床心理学領域に所属していること。学部で臨床心理査定についての実習を履修していることが望ましい。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 歴史・ロールシャッハ体験のふりかえり 第2回 試行方法・分類の前提 第3回 記号化(1)反応領域の分類 第4回 記号化(2)反応決定因の分類 第5回 記号化(3)反応内容の分類 第6回 記号化(4)形態水準の評価 第7回 記号化(5)分類結果の整理 第8回 解釈(1)前提・反応数・時間の意味づけ 第9回 解釈(2)反応決定因・反応内容の意味づけ 第10回 解釈(3)形態水準の意味づけ・一般的記号の総合的解釈 第11回 解釈(1)各図版の特徴 第12回 解釈(2)継起分析1 第13回 解釈(3)継起分析2 第14回 解釈(4)継起分析3 第15回 総括 【事前・事後学習】 被検者体験の感想について報告 予習:『新・心理診断法』p27-46 /復習:自分のデータと照合 予習:『新・心理診断法』p47-69 /同上 予習:『新・心理診断法』p71-90 /同上 予習:『新・心理診断法』p98-103 /同上 予習:『新・心理診断法』p105-119 /同上 予習:『新・心理診断法』p121-149 /同上 予習:『新・心理診断法』p153-165 /同上 予習:『新・心理診断法』p177-208 /同上 予習:『新・心理診断法』p209-217 /同上 第11回∼ 14回:『ロールシャッハ法と精神分析―継起分析入門』 の予習。自分のデータと照合し,理解を深める。 自分のデータを整理して,レポート提出。 ― 153 ― 投映法特論 B 2単位 投映法特論Ⅱ 2単位 Projective Technique B 川井 尚 〔後学期開講〕 【概要】 ここでは、臨床心理検査としての投映法のなかで、ロールシャッハ・テストをとりあげる。その理由は、投映法検査のなかで本テス トが最も多く使われ、その有用性が認められているからである。 なお、投映法とは本テストのように、特定のものを指し示さないインクブロットを提示し、これをクライエントがいかに見、体験し 表現するかにある。 ここに、クライエント自身が映し出され、それを解釈しクライエント理解につなげるところに特徴がある。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 ロールシャッハ・テストの持つ特徴と有用性の理解をすすめ、自ら基本的な技法の獲得に努め、クライエント理解、クライエント利 益につなげる。そして、ロールシャッハ・テストを施行し、プロトコルをつくり、解釈しレポートを作成する。本講座の大きな目標は、 本テスト含めた心理診断と心理面接を車の両輪とすることがクライエントをよりよく知り、クライエント利益につながることを会得す るところにある。 【教科書・参考書】 片口安史:新・心理診断法 金子書房 川井尚:母と子の面接入門 クオリテイケア 川井尚:心の臨床入門―こころの言葉に出会うこと 論創社 【評価方法・基準】 ①:ロールシャッハ・テスト所見の提出 ②:①をふくめ、講義、カンファレンスを通して自ら考えた課題を1つ作り、その課題に自ら答え、レポートする。 いかに自ら考え、課題をつくり、それにいかに答えるかが評価のポイントである 【関連科目】 臨床心理学特論 臨床発達心理学特論 精神医学特論 【履修要件】 できうれば、心理臨床経験を有する人が望ましい。しかし、必須条件ではなく、今後、心理臨床を目指す人に履修してほしいと思う。 また、講義、カンファレンスを受け身ではなく、自分ならばこう考え、感じ、こう対応するという心構えを持って臨んでほしい。 また、それを毎回文章化することが望まれる。 【授業計画・授業内容】 第1∼4回 ロールシャッハ・テストとは ―その特性― 第5∼6回 ロールシャッハ・テスト事例研究 ―川井論文から― 第7回 第5回、6回についてのカンファレンス 第8∼9回 ロールシャッハ・テスト事例研究 ―川井論文から― 第10回 第8回、第9回についてのカンファレンス 第11∼14回 学生によるロールシャッハ・テスト所見のプレゼン テイションとカンファレンス 第15回 第1回から14回までのふりかえり、カンファレンス 【事前・事後学習】 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 献を読んでおくこと。 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 ― 154 ― 事例研究演習A 2単位 Seminar on Clinical Case Study A 小川 恵 〔後学期開講〕 【概要】 心理臨床の中核をなす事例理解の質的な検討を2つの視点で行う。2者的な治療関係におけるクライエントの内面理解と、3者的な 言語化の水準において他者と共有できる理解の水準においてである。前者の理解は行動時のクライエントの気持や治療的関わりに対す るクライエントの反応を軸に考える。後者としては、病理的な構造や家族の力動関係などを理解し、援助的介入の輪郭を明確化する practicing skill を得ることを目的とする。その方法が DSM-IV-TR で用いられているケースフォーミュレーションの理解である(随時 DSM- 5による変更を織り込み解説する)。理論を学んだ後に、事例への適用を行う演習を繰り返す。 実証的であることを目指す作業が、本質的には、経験の裏打ちが選ぶ直感的な結論を重視する技術の学習であることを学ぶ。事例を 理解して行くパースペクティブを得ることがこの授業の目的である。ただし、より特定の現象の個別性に対し、個別の環境(治療構造) におけるリアリティを明確にする評価作業としての心理アセスメントを学ぶ。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 心理臨床において、ナラティブあるいは2者関係として組み立てる治療を、どの位3者関係というエビデンス化可能な関係において 理解するか。 例題のアセスメントからケースフォーミュレーションをデザインし、援助の実践場面を想定し、実践知を獲得する。見立てとしての ケースフォーミュレーション(事例の定式化)。見立てが臨床の基本である事を理解し、複雑な事例を理解する骨組みを自分で見い出 す練習をする。 【教科書】 テキスト ①『心理臨床へのまなざし』小川恵著 日本評論社 3,500円 および配布資料 (援助のプラットホームを考える。開講前に斜め読みして講師の論理を知り、質問を持って臨んで欲しい) ②『対人サービス職のための精神保健入門』日本評論社 2,500円③レジュメ・論文。予習のため、レジュメ・論文の事前配布を PC アドレスで行う。 クラウド上の専用のホルダにアクセスして貰い配布する。アクセス可能な PC メールアドレスを小川(ogawas@soc.shukutoku.ac.jp) まで開講前に届け出て、アクセス権を得て、事前学習をすること。 【参考書】 『異常心理学』3 - 5巻 G. C. デビソン/ J. M. ニール著 誠信書房 【評価方法・基準】 授業中、各回ごとに、事前出された事例課題について授業外の予習復習でグループワークを行い発表をする。口頭で質問しケース フォーミュレーションと心理的支援の方法論が達成されているのかを評価する。レポート課題を課し、アセスメントからケースフォー ミュレーションをデザインし、援助の実践知の理解程度を評価する。 【関連科目】 精神医学特論・精神科診断治療学特論・事例研究演習Ⅱ 【履修要件】 精神医学特論・精神医学診断治療学特論履修者 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 パワーポイントやレジュメ・論文やビデオなどを併用しながら行う。講義形式部分もあるが、基本は出された事例課題の理解をグ ループワークで進め、発表し質問を受けディスカッションするという演習形式で行うアクティブラーイングな進め方である。個々人の 理解の形や深さを確認するために、質問とディスカッションを行う双方向型授業を重視する。1事例毎の検討回数は、学生の理解の進 度により2から6事例程度まで変わる。 ― 155 ― 第1回 見立てから診断までの幅の理解 特 に 診 断 基 準(ICD10・DSM-IV-TR) を 用 い る 水 準 の心理臨床における理論としての診断の意味の理解。 DSM-IV-TR の多軸診断記載の意味と臨床での意義の理 解。事例による DSM-IV-TR の多軸診断記載の取り方の 練習(ジェノグラム・生活歴・家族歴・現病歴) 第2回 ケースフォーミュレーションの理解 ⅰ問題のリストアップ(臨床的記述) ⅱ診断基準(主に DSMIV・ICD10)による診断の確定 ⅲ病理メカニズムという作業仮説の作成 ⅳ援助のための資源の特定 ⅴ援助や治療プランの作成と検討 事例によるケースフォーミュレーション作成の練習 第3回 臨床における心理アセスメントの理論と適用 ①心理的問題の記述(同定): 心理的問題や精神病理を同定し記述・分類・類型化 ②心理的問題の発生メカニズムの理解: クライエントの問題や病理現象が生じる構造の理解 ③心理的問題の維持メカニズムの理解: 問題や病理が消失せずに長引くメカニズム理解 ④転帰の予測: 問題や病理が将来どのような経過をへるのかを予測 ⑤発生の予測と予防: 問題や病理が発生する状況や契機の理解。予測と予防 ⑥変化の予測: 問題や病理が反応する援助や有効な技法の予測 ⑦変化メカニズムの理解: 心理学的援助によって改善する際のメカニズムの理解 第4回 事例への心理アセスメントの適用の練習 事例1演習1 事例の概要の提示と問診の仕方、見立てていくプロセス で必要な技術の検討 ⅰⅱを軸にケースフォーミュレーション作成の練習とグ ループでの検討 第5回 事例1演習2 事例の追加情報の提示により前回のケースフォーミュ レーションを修正する検討の練習と、前回ⅰⅱの上にⅲ ⅳⅴ以下を検討。 第6回 事例1演習3 事例理解に必要な心理アセスメントの練習。 ①心理的な問題や精神病理の同定を個別及びグループで 検討し分類・類型化のあり方を体得する。 第7回 事例1演習4 事例理解に必要な心理アセスメントの練習。 グループ検討の提示と評価 【事前・事後学習】 事前課題 レポート 各自の学びたい精神医学と本人の把握程度の差異を明確にし、教 える側との整合性を図ることで学びを明確化するために下記につい て事前レポート(字数制限なし)を作成し、開講時提出のこと。 ①事例とは? ②事例理解で大切なものは何か? ③事例演習とはどのような授業と考えるか? ④事例演習で何を学びたいか?か 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと ― 156 ― 第8回 事例1演習5 事例理解に必要な心理アセスメントの練習。②③④につ いて、検討し問題や病理が将来どのような経過をへるの か展望をする。グループ毎の判断を検討し、可能な介入 技法の検討をし、修正を重ねる。 第9回 事例1演習6 事例理解に必要な心理アセスメントの練習。前回に得た グループ毎の判断から治療援助計画を検討。具体的な介 入技法の検討をし、修正を重ねる。特に⑥⑦の2点を意 識する。 第10回 事例1演習7 事例理解に必要な心理アセスメントの練習。前回に続 き、グループ毎の治療援助計画に基づき、具体的な介入 技法を行った場合の効果の検討をし、修正を重ねる。 第11回 事例1演習8 概要のまとめと自分のアセスメント能力の再検討をディ スカッションし、学習の定着を図る。事例2提示 第12回 事例2演習 インテイクのプロトコルからのケースフォーミュレー ションの練習 第13回 事例2演習1 事例提示のあり方は、インタビューによるものとなる。 フォーミュレーションをする前のインテイク段階での留 意点や意図などの理解と、インテイク中のケアについて 理解をする。その後のフォーミュレーションの練習の練 習内容は第4・5回に同じであるが、速度を上げる。 第14回 事例2演習 進め方は第6・7・8回に同じ 第15回 事例2演習 進め方は第9・10・11回に同じ 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 予習は提示事例についての発表準備をし、授業開始前にホワイ トボードにレジュメしておくこと(授業開始前にディスカッショ ンする場合は事後学習をしていないと評価する) 復習(事後学習)は提示事例の課題について、グループでの発 表準備ディスカッションをし、まとめておくこと 【備考】 事例は子どもの適応障害から気分障害や BPD までを取り上げるので、精神医学特論・精神科診断治療学特論の履修が望ましい。 DSM-IV-TR および ICD-10についての適切な理解が必要となる。グループワークが前提になるので、事前事後の復習予習をして臨む こと、欠席して他のメンバーに迷惑を掛けることのないようにすること。グループワークもあるので、特別な理由がない限り3回以上 の欠席は認めない。 ― 157 ― 事例研究演習 B 2単位 事例研究演習Ⅱ 2単位 Seminar on Clinical Case Study B 川井 尚 〔前学期開講〕 【概要】 事例研究には、2つの重要な役割がある。第1は、いま、現在心理面接を行っているクライエントをよりよく知り、心理臨床過程を クライエント利益とするためにある。心理面接は事例研究と共にあるといってよい。 第2に、ひとりのクライエントの事例研究を行うことにより、人間とは何か、人間理解に寄与することにある。そして、ここで得た 知見が心理臨床に寄与することになる。また、このような事例研究が心理臨床家を育てることにつながる。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 概要に述べたように、事例研究は心理臨床を行う上で最も基本的な心理臨床家としての欠かせない仕事である。「こういう人がいま す。いました」、といくら表現しても、それは事例研究ではない。いろいろな人は確かにいるのである。事例研究は、クライエントを「よ りよく知る」ために努め、クライエント利益となる心理臨床家として、自ら育つことを目標とする。 事例研究は、心理面接そのものといってもよく、従って、面接の基本を習得していく長い道のりが最終的な目標となる。 【教科書・参考書】 川井尚:母と子の面接入門クオリテイケア(テキスト) 川井尚:心の臨床入門―こころの言葉に出会うこと論創社(テキスト) 戸川行男:自我心理学 金子書房 【評価方法・基準】 講義とカンファレンスを通じて、自ら考えた問題、課題を2つつくり、その課題に自ら答え、レポートする。いかに自ら考え、課題 をつくり、それにいかに答えるかが評価のポイントである。 【関連科目】 臨床心理学特論 臨床発達心理学概論 精神医学特論 【履修要件】 できうれば、心理臨床経験を有する人が望ましい。しかし、必須条件ではなく、今後、心理臨床を目指す人に履修してほしいと思う。 また、講義、カンファレンスを受け身ではなく、自分ならこう考え、感じ、こう対応するという心構えを持って臨んでほしい。また、 それを毎回文章化することが望まれる。 【授業計画・授業内容】 第1回:事例研究とは―その1 心理面接入門 第2回:事例研究とは―その2 第3回:第1回、第2回についてのカンファレンス 第4回:川井論文から―心理診断 第5回:川井論文から―聴くこと、尋ねること 第6回:第4回、第5回についてのカンファレンス 第7回:川井論文から―気づくということ 第8回:川井論文から―指示するということ 第9回:第7回、第8回についてのカンファレンス 第10回:心理面接―あるセッションから― 第11回:学生からの心理面接のプレゼンテイション 第12回:第10回、第11回についてのカンファレンス 第13回:ディクテーション実習 第14回:心理面接の基本 第15回:第1回から14回までのふりかえり、カンファレンス 【事前・事後学習】 事前学習:次回授業内容の関係個所のキーワードに沿って関連文 献を読んでおくこと。 事後学習:前回履修箇所を再学習しておくこと。 ― 158 ― 臨床心理基礎実習Ⅰ 1単位 Practical Training of Clinical Psychology Ⅰ 千葉 浩彦・中坪 太久郎・久保田 美法 前田 昭子・川井 尚 〔前学期開講〕 【概要】 臨床心理面接の構造設定、共感的態度、アセスメント面接、基礎的な介入スキルを学び、心理臨床センタースタッフとしての基本業 務を修得し、臨床家としてのアイデンティティの基礎を醸成する。 なお、この実習の運営のあり方については、臨床心理士養成委員会において審議する。 1)オリエンテーション 本学における臨床心理士養成の理念と制度、実習生としての基本的態度、履修上の諸注意を理解した上で、心理臨床センターの見 学を行い、全体の方向づけを行う。本学の「臨床心理士養成規程」で規定されている実習全体の体系、実習における責任を自覚する よう指導を進める。実習への参加ごとに、実習日誌を期限までに提出させて学習内容の定着をはかり、組織内での報告のあり方を学 ぶ。 2)言語面接についての文献検討とロールプレイ実習 臨床心理面接の基本となる傾聴のあり方とその実際について、文献による理解を行った上で、各自がカウンセラー役とクライエン ト役になり、ロールプレイ実習を行う。ロールプレイの内容について全体での検討、ディスカッションを行い、自身の基本的応答ス キルについて修正を行う。 3)アセスメントについての文献検討とロールプレイ実習 臨床心理面接の基本となるアセスメントのあり方とその実際について、文献による理解を行った上で、各自がカウンセラー役とク ライエント役になり、ロールプレイ実習を行う。ロールプレイの内容について全体での検討、ディスカッションを行い、面接におけ る見立てと適切な質問等、アセスメントスキルについて修正を行う。 4)受理面接陪席にむけた実習 受理面接の陪席を行うために、心理臨床場面における倫理的配慮、適切な記録の作成等について学ぶ 5)心理臨床センターのケース会議への参加 センターの相談受理報告、グループスーパービジョン、ケースカンファレンスに参加して、ケースフォーミュレーションを行い、 具体的な相談の進め方やケースマネジメントのあり方等を学習する。初期においては、フォーカシングの技法を用いるなどして、ク ライエントの身になること、クライエント―治療者関係を実感することに配慮する。 6)心理臨床センター配属実習 心理臨床センターの主催する相談会や研修、講座などの各種事業に参加し、交互にスタッフとなり計画・準備や当日の運営実行、 事後の報告書作成などを分担する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 臨床心理基礎実習においては、具体的に以下の7点を到達目標として設定する。 ①受理面接の陪席者として、適切な態度と記録の作成が行えるようになる ②臨床心理技法として、言語面接の基礎を学び、共感的応答、アセスメントができるようになる ③心理臨床センターにおける個人の心理的支援や、地域支援活動のスタッフとして、現場で求められる仕事を理解して実行でき、臨 床家としての基礎的な倫理を実践できる。 ④矛盾を抱えてセルフコントロールするスキルを向上させ、臨床家としてのアイデンティティの基盤を省察する。 【教科書・参考書】 必要に応じて、それぞれの実習の際に必読書や参考書を指示する。 【評価方法・基準】 それぞれのカテゴリーの実習における毎回の出席、実習への参加態度、実習日誌の提出、実習成果の程度、各種の実習の当該分野に 必要とされる実践技術の修得やその習熟度、倫理的な態度の修得等について、総合的に評価する。なお、評価については、臨床心理士 養成規程に基づき、臨床心理士養成委員会が審議する。 【関連科目】 臨床心理学領域の科目群 【履修要件】 心理学専攻臨床心理学領域に在籍する院生であることを条件とする。 ― 159 ― 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 養成実習・基礎実習オリエンテーション 第2回 センターオリエンテーション・見学 第3回 共感的体験の諸側面 第4回 傾聴的面接の基礎①/フォーカシング実習 第5回 〃 ②/ 〃 第6回 〃 ③/ 〃 第7回 〃 ④/ 〃 第8回 アセスメント面接の基礎① 第9回 配属実習オリエンテーション 第10回 アセスメント面接の基礎②/ケースカンファ 第11回 〃 ③/ 〃 第12回 〃 ④/ 〃 第13回 ディクテーション実習 / 〃 第14回 精神科実習事前指導 / 〃 第15回 実習ふりかえり 第16回 ミニカウンセリングオリエンテーション 【備考】 授業計画・授業内容に記載した実習の他に、心理臨床センターの主催する事業への参加が必要である。 なお、臨床心理士養成委員会は、臨床心理士養成規程20条1から4項に該当の場合、実習中止を命ずることがある。 ― 160 ― 臨床心理基礎実習Ⅱ 1単位 Practical Training of Clinical Psychology Ⅱ 中坪 太久郎・久保田 美法・千葉 浩彦 前田 昭子・川井 尚 〔後学期開講〕 【概要】 臨床心理面接の構造設定、基礎的な介入スキルを学び、心理臨床センタースタッフとしての基本業務を修得し、臨床家としてのアイ デンティティの基礎を醸成する。 なお、この実習の運営のあり方については、臨床心理士養成委員会において審議する。 1)ミニカウンセリング実習 臨床心理基礎実習Ⅰで学んだ基本的応答およびアセスメントのスキルを用いて、実習生同士でカウンセラーとクライエントとな り、部屋の準備や時間の設定など、実際の面接と同様の構造にてカウンセリングを行い、その逐語録をもとにフィードバックセッ ションを行う。クライエントとしては、人に相談するということがどういうことなのか、身をもって体感し理解を深めること、カウ ンセラーとしては、クライエントの話をしっかりと聴き、受けとめることを目的とする。これにより面接の担当ができるようになる ことを目指すとともに、カウンセラーとしての自分の特質や弱点についての気づきを深める。 2)心理療法技法実習 3∼5名程度の小グループに分かれて、非言語的な技法を中心とする、基礎的な心理療法の技法実習を行う。今年度は、プレイセ ラピー、フォーカシング、箱庭療法、ソーシャルスキルトレーニングなどを予定している。 3)心理臨床センター配属実習 心理臨床センターに一定時間配属され、センターのスタッフとして、受付業務・心理査定および心理面接の準備・片付け、セン ター事務の補助等を行い、基本業務を身につける。さらに、年間を通して、心理臨床センターの主催する相談会や研修、講座などの 各種事業に参加し、交互にスタッフとなり計画・準備や当日の運営実行、事後の報告書作成などを分担する。 4)心理臨床センターのケース会議への参加 センターの相談受理報告、グループスーパービジョン、ケースカンファレンスに参加して、ケースフォーミュレーションを行い、 具体的な相談の進め方やケースマネジメントのあり方等を学習する。初期においては、フォーカシングの技法を用いるなどして、ク ライエントの身になること、クライエント―治療者関係を実感することに配慮する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 臨床心理基礎実習においては、具体的に以下の4点を到達目標として設定する。 ①ケース担当者として、全体のマネジメントと面接の適切な構造化ができるようになる ②臨床心理学におけるクライエント理解のモデルを学び、具体的な介入スキルを用いた面接ができるようになる ③心理臨床センターにおける個人の心理的支援や、地域支援活動のスタッフとして、現場で求められる仕事を理解して実行でき、臨 床家としての基礎的な倫理を実践できる。 ④矛盾を抱えてセルフコントロールするスキルを向上させ、臨床家としてのアイデンティティの基盤をふりかえる。 【教科書・参考書】 必要に応じて、それぞれの実習の際に必読書や参考書を指示する。 【評価方法・基準】 それぞれのカテゴリーの実習における毎回の出席、実習への参加態度、実習日誌の提出、実習成果の程度、各種の実習の当該分野に 必要とされる実践技術の修得やその習熟度、倫理的な態度の修得等について、総合的に評価する。 なお、評価については、臨床心理士養成規程に基づき、臨床心理士養成委員会が審議する。 【関連科目】 臨床心理学領域の科目群 【履修要件】 心理学専攻臨床心理学領域に在籍する院生であることを条件とする。 ― 161 ― 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 ミニカウンセリングふりかえり① 第2回 〃 ② 第3回 〃 ③ 第4回 カンファレンスオリエンテーション 第5回 心理療法技法実習(A.プレイセラピー)① 第6回 〃 ② 第7回 〃 ③ 第8回 心理療法技法実習(B.フォーカシング)① 第9回 〃 ② 第10回 〃 ③ 第11回 心理療法技法実習(C.箱庭療法)① 第12回 〃 ② 第13回 〃 ③ 第14回 心理療法技法実習(D.SST)① 第15回 〃 ② 【事前・事後学習】 事前学習:自身が実施したミニカウンセリングの逐語録を読み込 んでおく 事後学習:ふりかえりの内容についてまとめておく 事前学習:自身が実施したミニカウンセリングの逐語録を読み込 んでおく 事後学習:ふりかえりの内容についてまとめておく 事前学習:自身が実施したミニカウンセリングの逐語録を読み込 んでおく 事後学習:ふりかえりの内容についてまとめておく 事前学習:ケースカンファレンスについての文献を読んでおく 事後学習:オリエンテーションの内容についてまとめておく 事前学習:プレイセラピーの文献を読んでおく。 事後学習:録画した内容を文字に起こして提出する。 事前学習:1回目の実習で配布した箱庭療法に関する資料を熟読 して、印象に残ったことや疑問に思ったこと等を2回目の実習ま でに挙げておく。 事後学習:箱庭実習の概要を実習日誌に報告する。それとは別 に、箱庭をどのように体験したかを丁寧にふりかえるレポートを 書き、翌週提出する。 事前学習:「行動療法特論」で配付する SST についての配付資料 を熟読し、質問がある場合やビデオを見たい場合は、2週間前ま でに教員に問いあわせる。 事後学習:どのような SST を実施したかを実習日誌で報告す る。それとは別に、SST 実習で何を学んだのか、実際に心理臨床 センターで実施する場合に、さらにどのような準備が必要かをミ ニレポート(A 4で1枚)にまとめて実施後2週間以内に提出す る。 第16回 カウンセラーとしての自己分析 第17回 実習ふりかえり 【備考】 授業計画・授業内容に記載した実習の他に、心理臨床センターの準備実習、心理臨床センターの主催する事業への参加が必要である。 なお、臨床心理士養成委員会は、臨床心理士養成規程20条1から4項に該当の場合、実習中止を命ずることがある。 ― 162 ― 臨床心理配属実習Ⅰ 2単位 Clinical Psychology Internship Ⅰ 大橋 靖史・久保田 美法・中坪 太久郎・金丸 智美 〔通年開講〕 【概要】 本実習は、精神科体験実習及び配属先施設での臨床心理実習とからなる。 1)精神科体験実習 精神科体験実習では、事前指導を行った後、精神科の契約病院における4日間の体験実習を行う。契約病院の指導体制のもとで、 入院患者の介護などの役割を担いながら、精神科心理臨床の特質を学習する。更に体験実習後、実習報告を提出した上で、実習生全 員によるディスカッションを行う。実習前にもっていた心理臨床のイメージと、実際の体験との違いを言語化してふり返り、自らの 心理臨床家としての特徴を内省し、その後の実習や進路の礎とする。 2)配属先施設での臨床心理実習 配属先施設での臨床心理実習では、本学発達臨床研究センターならびに臨床心理関連契約施設(児童領域では、乳児院・児童養護 施設、教育臨床領域では中学校、精神科領域では精神病院・介護老人保健施設、高齢者領域では、特別養護老人ホーム)において、 ケース担当を始めとする臨床心理実習および担当教員・施設内実習指導責任者による継続的スーパービジョンを実施する。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 1)精神体験実習をとおして、精神科心理臨床における臨床心理士の職務、連携のあり方の実際を学習する。精神科施設での臨床心理 における専門性とは何かを理解し臨床活動ができる能力と技術を習得する 2)配属先施設での臨床心理実習 臨床心理関連学外契約施設および本学発達臨床研究センターにおいて、ケース担当を始めとする心理臨床の実践の基本的態度や知 識と技術、他職種協働を体験学習する。 【教科書・参考書】 必要に応じて、それぞれの実習の際に、必読書や参考書を指示する 【評価方法・基準】 施設内実習指導責任者あるいは担当教員の指導を受け、実習への毎回の出席、実習日誌の提出、報告書・感想文の提出、実習先から の評価、実習における臨床心理実践のあり方および臨床心理士になることの心構え、倫理の実践などから総合的に評価する。また、評 価については、臨床心理士養成規程に基づき臨床心理士養成委員会が審議する。 【関連科目】 「履修要件」の科目群 【授業計画・授業内容】 精神科体験実習及び配属先施設での臨床心理実習に先立ち、オリエンテーションを実施する。オリエンテーションでは、実習ノート の記入方法、基礎的な振る舞い等について、また、各実習契約施設の概要についての事前学習、スケジュール、実習報告書の書式と提 出について、担当者の決定方法について説明する。実習先については、実習希望調査を実施し、臨床心理士養成委員会において実習先 を決定する。 1)精神科体験実習 精神病院での精神科体験実習および事前指導、精神科契約施設における体験実習について、施設の概要の事前学習、スケジュール、 報告書の書式と提出等について説明する。 体験実習は、1日8時間程度の実習を連続して4日間実施する。また実習終了後に事後指導を行う。 2)配属先施設での臨床心理実習 本演習は実習事前指導、配属実習、学内スーパービジョンからなる。 実習事前指導:実習目標と実習計画を配属先の指導の臨床心理士と担当教員の指導下で作成する。 配属実習:原則として週1日、8時間程度の継続型実習を延べ10日間以上行なう。実習目標と実習計画に従って実習を行い、実習 日ごとに配属先の臨床心理士から指導を受け、臨床的観点からの問題の理解、査定、援助の実践についての個別指導を受け、その内 容を含め、実習日誌に記す。 学内スーパービジョン:配属施設内の指導責任者による指導後、学内の指導教員に報告して、必要に応じて担当教員による個別 スーパービジョン・指導を受ける。現場の状況の変化や関わる事例の変化に応じて、実習計画を適時修正しながら、臨床場面の特性 の理解を深めてより専門的な能力の獲得を目指す。 実習期間終わりには、実習報告書を作成し、実習の総括を行い、配属先の指導責任の臨床心理士ならびに担当教員による総合的指 導を受ける。以上のまとめによって、それまでに学習した学内および学外諸施設の臨床心理実習で学んだ、自らの臨床家としての資 質、現在の援助技能の水準、抱える課題などを多面的に総括することになる。 【備考】 臨床心理士養成委員会は、臨床心理士養成規程20条1から4項に該当の場合、実習中止を命ずることがある。 ― 163 ― 臨床心理実習 2単位 Internship at the Center for Clinical Psychology 小川 恵・千葉 浩彦・中坪 太久郎・久保田 美法 金丸 智美・前田 昭子・川井 尚 〔通年開講〕 【概要】 淑徳大学心理臨床センターにおいて実習を行う。相談受理報告に参加し、担当となった複数の事例に対して、臨床心理相談および臨 床心理査定を継続的に行う。そしてその事例について継続的に個別スーパービジョンを受けるとともに、実習生全員が参加するグルー プスーパービジョン/ケースカンファレンスに事例を提出し、臨床心理実践の基本を身につけていく。 さらに、年間を通して、心理臨床センターの主催する相談会や研修、講座などの各種地域支援事業に参加し、交互にスタッフとなり 計画・準備や当日の運営実行、事後の報告書作成などを分担して、地域における臨床活動の実務に携わる。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 臨床心理士としての職業倫理、臨床心理査定技法、臨床心理面接法、および臨床心理的地域援助の実際を体験して臨床心理士として の基盤を形成し、修了後の臨床活動のあり方の指針を見いだすことを目的とする。 【参考書】 下山晴彦(編)2003「臨床心理学実習論」誠信書房(臨床心理学全書4) 必要に応じて、それぞれの実習の際に、必読書や参考書を指示する。 【評価方法・基準】 毎回の出席、実習日誌の提出、受理会議やグループスーパービジョンへの事例提出および討議への参加、そして何より、担当事例の 臨床心理実践のあり方および臨床心理士としての倫理の実践を総合的に評価する。なお、評価については、臨床心理士養成規程に基づ き、臨床心理士養成委員会が審議する。 【関連科目】 「履修要件」の科目群 【履修要件】 臨床心理士養成規程第18条に規定される履修要件 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 事前学習:シラバスと臨床心理士養成規定を読み、受理会議やグループスーパービジョンの際に必要な姿勢やマナーについて再確 認しておくこと。提出事例の資料作成やまとめについて 事後学習:オリエンテーションを受けて、提出事例の理解の仕方や討議のあり方、それらを実習日誌にまとめ提出 第2回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第3回 むずかしいクライエントへのかかわり実習 事前学習:事前配布された実習資料の読み込み 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第4回 グループスーパービジョン(GSV) 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第5回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第6回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 ― 164 ― 第7回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第8回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 第10回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第11回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第12回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第13回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第14回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第15回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第16回 前半のふりかえり・個別面接・筆記試験 事前学習:前半のふりかえり面接を受けるにあたり、これまでの実習日誌をふり返り、自分の課題達成程度を評価しておく。 事後学習:個別面接を踏まえた半期についてのまとめを実習日誌に作成し提出 第17回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第18回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第19回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第20回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第21回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は ― 165 ― 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第22回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第23回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第24回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第25回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第26回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第27回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第28回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第29回 実習全体のふりかえり・個別面接・筆記試験 事前学習:後期のふりかえり面接を受けるにあたり、これまでの実習日誌をふり返り、自分の課題達成程度を評価しておく。 事後学習:個別面接を踏まえた半期についてのまとめを実習日誌に作成し提出 第30回 GSV 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第31回 受理ケース報告/ケースカンファレンス 事前学習:事前配布された受理会議やグループスーパービジョンの資料の読み込みと討議に参加するための質問や予習、担当者は 提出事例の資料作成やまとめ 事後学習:提出事例の理解や討議を踏まえた実習日誌の作成と提出 第32回 講話「臨床の現場に出るということ」 事前学習:前期・後期のふりかえり面接や自分の実習日誌をふり返り、これから臨床の現場でる自分の課題を検討しておくこと 事後学習:自分が講話とディスカッションから何を得たのか、今後への展望も含め実習日誌に作成し提出 【備考】 「概要」に記したように、淑徳大学心理臨床センターにおける配属実習であり、時間割上の時間以外に、ケース担当(臨床心理面接 および臨床心理査定の実施)、個別スーパービジョン、心理臨床センター準備実習、センター地域支援事業の運営等の実習が含まれる。 なお、臨床心理士養成委員会は、臨床心理士養成規程第20条1∼4項に該当の場合、実習中止を命令することがある。 ― 166 ― 臨床心理配属実習Ⅱ 2単位 臨床心理配属実習Ⅲ 2単位 Clinical Psychology Internship Ⅱ Clinical Psychology Internship Ⅲ 大橋 靖史・小川 恵・千葉 浩彦 〔通年開講〕 【概要】 「臨床心理配属実習Ⅱ」は、1年次の「臨床心理基礎実習Ⅰ・Ⅱ」「臨床心理配属実習Ⅰ」などによって臨床心理の基礎技能を修得し た2年次生のための選択科目で、学外の契約臨床施設において、実際の事例に関わることも含んだ実習である。 児童臨床領域では児童養護施設、教育臨床領域では中学校、精神科領域では精神病院および老人のデイケア施設等で実習を行う。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 それぞれの学外契約施設における継続的な実習をとおして、各自の心理臨床における専門性を高めるとともに、予め立てた実習目標 と実習計画を、配属実習先の指導責任の臨床心理士と担当教員の指導の下で遂行する。 【教科書・参考書】 必要に応じて、必読書や参考書を指示する。 【評価方法・基準】 毎回契約施設における臨床心理実習に出席し、施設内実習指導責任者および担当教員の指導を受け、実習日誌を提出しているかと いった点に、実習先からの評価、実習における臨床心理実践のあり方および臨床心理士になる心構え、倫理の実践なども加え、総合的 に評価する。 また、評価については、臨床心理士養成規程に基づき、臨床心理士養成委員会が審議する。 【関連科目】 履修要件の科目群。 【履修要件】 臨床心理士養成規程第18条に定める「臨床心理実習」の履修条件をすべて満たし、臨床心理士養成委員会の承認を得なくてはならな い。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 本実習は、事前指導、配属実習、学内スーパービジョンからなる。 [事前指導] この実習は、1年次の「臨床心理配属実習Ⅰ」から継続した一貫性のもとに選択することもでき、各自の心理臨床における専門性 をより高めることになる。この場合の事前指導は既に終えていることになる。それ以外の場合は、「臨床心理配属実習Ⅰ」で行った 見学/体験実習の結果に応じて、実習期間内に可能な範囲の実習目標と実習計画を、配属実習先の指導責任の臨床心理士と担当教員 の指導の下に作成する。 [配属実習] 原則として、4月から毎週1回同一曜日に、契約施設での継続型実習を延べ20回以上行う。事前指導において作成した実習目標お よび実習計画にしたがって実習を行い、実習日ごとに配属実習先の指導責任の臨床心理士の指導を受け、臨床的観点からの問題の理 解、査定、援助の実践などについての個別指導を受け、その内容を含めて、実習日誌に記録する。 [学内スーパービジョン] 施設における実習内容は、原則として毎週学内の担当教員に報告して、個別スーパービジョンを受ける。現場の状況の変化や関 わっている事例に即して、実習計画を適宜修正しながら、臨床場面の特性の理解を深めてより専門的な能力の獲得を目指す。 実習期間の終わりには、実習報告を作成して、実習の総括を行い、配属実習先の指導責任の臨床心理士および担当教員による総合 的指導を受ける。 以上のまとめによって、それまでに学習した学内および学外諸施設の臨床心理学習で学んだ、自らの臨床家としての特質、現在の 援助技能の水準、抱える課題などを多面的に総括することになり、修了後の臨床心理士としての方向性の吟味につながるであろう。 【備考】 臨床心理士養成委員会は、臨床心理士養成規程第20条1から4項に該当の場合、実習中止を命ずることがある。 ― 167 ― 心理学研究指導演習Ⅰ 1単位 Seminar on Thesis Guidance in Psychology Ⅰ 川瀬 良美・田中 一彦・大橋 靖史・千葉 浩彦・小川 恵 神 信人・久保田 美法・中坪 太久郎 〔前学期 隔週開講〕 【概要】 履修学生は自発的に各自の論文テーマを定め、研究目的に沿った研究計画を立て、それに基づき研究活動を進めることが基本である。 そのために、本演習においては、個別的またはグループでの継続した指導を受けることによって、個々の学生の探究を深める。本演習 では特にテーマやタイトルの絞り込みにについて指導を受ける。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 論文に取り組む動機と、テーマ設定の理由を明確化し、研究テーマやタイトルを絞り込むこと。 個別発表、中間報告会等におけるプレゼンテーションの機会を活用して、研究の視点を広げ、考察を深める作業を行うこと。 【教科書・参考書】 必要に応じ、その都度紹介する。 【評価方法・基準】 論文作成への取り組む姿勢、個別発表の状況など(50%)、中間報告会のプレゼンテーション(50%)を合わせ て評価する。 【関連科目】 心理学研究指導演習Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 【履修要件】 修士課程1年生 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 第2回 各自の研究テーマと問題意識の明確化 第3回 同上 第4回 同上 第5回 文献検索と先行研究の検討 第6回 同上 第7回 研究計画の立て方 第8回 研究に取り組む手順・倫理など 心理学研究指導演習Ⅱ 1単位 Seminar on Thesis Guidance in Psychology Ⅱ 川瀬 良美・田中 一彦・大橋 靖史・千葉 浩彦・小川 恵 神 信人・久保田 美法・中坪 太久郎 〔後学期隔週開講〕 【概要】 履修学生は自発的に各自の論文テーマを定め、研究目的に沿った研究計画を立て、それに基づき研究活動を進めることが基本である。 そのために、本演習においては、個別的またはグループでの継続した指導を受けることによって、個々の学生の探究を深める。本演習 では特に研究目的に沿った研究計画を立てることについて指導を受ける。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 論文に取り組む動機と、テーマ設定の明確化し、研究目的に沿った研究計画を立てること。 個別発表、中間報告会等におけるプレゼンテーションの機会を活用して、研究の視点を広げ、考察を深める作業を行うこと。 【教科書・参考書】 必要に応じ、その都度紹介する。 【評価方法・基準】 論文作成への取り組む姿勢、個別発表の状況など(50%)、ポスター発表のプレゼンテーション(50%)を合わ せて評価する。 【関連科目】 心理学研究指導演習Ⅰ・Ⅲ・Ⅳ 【履修要件】 修士課程1年生 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 第2回 研究目的に沿った研究計画の作成 第3回 同上 第4回 同上 第5回 研究倫理委員会申請書類の作成 第6回 研究計画の実施のための準備 第7回 同上 第8回 ポスター発表のための準備 ― 168 ― 心理学研究指導演習Ⅲ 1単位 Seminar on Thesis Guidance in Psychology Ⅲ 川瀬 良美・田中 一彦・大橋 靖史・千葉 浩彦・小川 恵 神 信人・久保田 美法・中坪 太久郎 〔前学期 隔週開講〕 【概要】 履修学生は自発的に各自の論文テーマを定め、研究目的に沿った研究計画を立て、それに基づき研究活動を進めることが基本である。 そのために、本演習においては、個別的またはグループでの継続した指導を受けることによって、個々の学生の探究を深める。本演習 では特にテーマやタイトルの絞り込みにについて指導を受ける。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 論文に取り組む動機と、テーマ設定の理由を明確化し、研究テーマやタイトルを絞り込むこと。 個別発表、中間報告会等におけるプレゼンテーションの機会を活用して、研究の視点を広げ、考察を深める作業を行うこと。 【教科書・参考書】 必要に応じ、その都度紹介する。 【評価方法・基準】 論文作成への取り組む姿勢、個別発表の状況など(50%)、中間報告会のプレゼンテーション(50%)を合わせ て評価する。 【関連科目】 心理学研究指導演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ 【履修要件】 修士課程2年生 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーションと研究計画確認 第2回 研究の進捗状況の発表 第3回 同上 第4回 同上 第5回 個別発表と指導 第6回 同上 第7回 中間報告会発表のための準備 第8回 発表の振り返りと今後の進め方 心理学研究指導演習Ⅳ 1単位 Seminar on Thesis Guidance in Psychology Ⅳ 川瀬 良美・田中 一彦・大橋 靖史・千葉 浩彦・小川 恵 神 信人・久保田 美法・中坪 太久郎 〔後学期隔週開講〕 【概要】 履修学生は自発的に各自の論文テーマを定め、研究目的に沿った研究計画を立て、それに基づき研究活動を進めることが基本である。 そのために、本演習においては、個別的またはグループでの継続した指導を受けることによって、個々の学生の探究を深める。本演習 では特に研究目的に沿った研究計画を立てることについて指導を受ける。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 論文に取り組む動機と、テーマ設定の明確化し、研究目的に沿った研究計画を立てること。 個別発表、中間報告会等におけるプレゼンテーションの機会を活用して、研究の視点を広げ、考察を深める作業を行うこと。 【教科書・参考書】 必要に応じ、その都度紹介する。 【評価方法・基準】 論文作成への取り組む姿勢、個別発表の状況など(50%)、ポスター発表のプレゼンテーション(50%)を合わ せて評価する。 【関連科目】 心理学研究指導演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ 【履修要件】 修士課程2年生 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 学位(修士)論文完成に向けた指導 第2回 同上 第3回 同上 第4回 同上 第5回 学位(修士)論文完成に向けた指導 第6回 同上 第7回 学位(修士)論文発表会 第8回 総括:研究の振り返り準備 ― 169 ― 研究指導演習Ⅰ 2単位 Seminar on Thesis Guidance Ⅰ 千葉 浩彦・小川 恵 〔前学期開講〕 【概要】 履修学生は各自の論文テーマについて、研究計画に基づいて研究活動を開始して、進めることが基本である。そのために、本演習に おいて、個別的またはグループでの継続した指導を受けることによって、個々の学生の探究を深める。中間報告に向けて指導を受ける。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 論文に取り組む動機と、テーマ設定の理由を明確化し、さらに研究方法について検討し、論文全体の構想を練り、研究計画に沿って 取り組むこと。個別発表、中間報告会等におけるプレゼンテーションの機会を活用して、研究の視点を広げ、考察を深める作業を行う こと。 【教科書・参考書】 必要に応じ、その都度紹介する。 【評価方法・基準】 論文作成への取り組む姿勢、個別発表の状況など(50%)、中間報告会のプレゼンテーション(50%)を合わせ て評価する。 【関連科目】 研究指導演習Ⅱ 【履修要件】 本年度、修士論文を提出する者。この演習だけでなく、専攻で行われる中間報告会で発表することが義務づけられている。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 第2回 各自の研究テーマと問題意識の明確化 第3回 同上 第4回 同上 第5回 研究方法 第6回 論文の書き方 第7回 研究に取り組む手順・倫理など 第8回 文献検索と先行研究の活用 第9回 研究の計画 第10回 論文の構成 第11回 中間報告レポートとその指導 第12回 同上 第13回 同上 第14回 論文中間報告会 第15回 総括:これまでの評価と今後の進め方 研究指導演習Ⅱ 2単位 Seminar on Thesis Guidance Ⅱ 千葉 浩彦・小川 恵 〔後学期開講〕 【概要】 履修学生は各自の論文テーマについて、研究計画に基づいて研究を進め、論文の完成に向けて指導を受ける。同時に、研究活動を通 して、専門職・研究者として学生個々の課題を自覚し、そのレベルアップを図っていく。 【到達目標】 ※原則として、変更されることはありません。 論文作成のためだけの研究とならないように心がけること。修士課程での学びを踏まえて、修士論文の完成を期すること。 この論文の作成によって、専門職・研究者として新たなスタートが切れることを目標とする。 【教科書・参考書】 必要に応じ、その都度紹介する。 【評価方法・基準】 論文作成への取り組む姿勢、個別発表の状況など(50%)、修士論文の発表(50%)を合わせて評価する。 【関連科目】 研究指導演習Ⅰ 本年度、修士論文を提出する者。この演習だけでなく、専攻で行われる修士論文発表会で発表することが義務づけられ 【履修要件】 ている。 【授業計画・授業内容】 ※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。 第1回 オリエンテーション 第2回 テーマと研究計画の確認 第3回 進捗情況 第4回 同上 第5回 第6回 同上 第7回 同上 第8回 個別発表と指導 第9回 論文完成に向けた個別、グループ指導 第10回 同上 第11回 同上 第12回 同上 第13回 同上 第14回 修士論文発表会 第15回 総括:研究の振り返り ― 170 ―
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