環 境・安 全 報 告 書 2007 Contents 1. 企業理念と環境、安全・労働衛生の基本方針 P1 2. 環境・安全マネジメント P2 3. 環境負荷状況 P3 4. 環境負荷低減への取り組み a. 省エネルギーと温室効果ガス排出量削減への取り組み b. 化学物質管理への取り組み c. 産業廃棄物削減への取り組み P4 5. 保安防災への取り組み P7 6. 安全衛生への取り組み P8 企業理念と環境、安全・労働衛生の基本方針 当社は、両親会社である三井化学とDuPontの企業理念に基づいて、以下のような 企業理念を設定し事業活動を行っています。 この理念に従って環境、安全・労働衛生 について次のような基本方針で取り組んでいます。 企業 理 念 1.環境保全及び安全の確保は企業の社会的責任である。 これらの確保なくしては、企業の発展と永続はない。 2.高品質の製品とサービスを提供することにより、広く社会に貢献する。 環 境 、安 全・労 働 衛 生の基本方針 1.環境 (1)新しい技術・製品の開発により、環境保全に貢献する。 (2)製品の開発から廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたり、 環境負荷の低減に努める。 2.安全、労働衛生 (1)安全の確保を最優先し、無事故無災害を目指す。 (2)適正な職場環境の形成の促進及び社員の自主的な健康確保の支援を図る。 (3)化学物質の取り扱いに関する安全を確保し、社員はもとより工事及び物流 関係者、顧客等関係する人々の健康障害の防止を図る。 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 1 環境・安全マネジメント a. レスポンシブルケア推進体制 当社は、環境・安全マネジメントの中心にレスポンシブルケア (RC)*を置いて活動を行っています。 RCの考え方に則り下図の体制により計画、実施、管理を行っています。保安及び環境保全の最高方 針を審議、決定するため社長を議長とした 「保安環境本部会議」 を設置しています。 また各部門では、 「安全衛生委員会」 「環境保全委員会」 を設置し、会社の方針に沿った実施計画の 策定及び実行を行っています。保安及び環境保全担当取締役による 「保安環境査察」 「RC監査」 を 行い、計画の実行状況を管理しています。 社長 保安環境本部会議 保安及び環境保全担当取締役 保安環境査察、RC監査 大竹、千葉工場 テクニカルセンター 営業開発部門 間接部門 安全衛生委員会 環境保全委員会 *レスポンシブルケア (RC)とは 化学物質を取り扱う企業が開発から製造・流通・使用・最終消費を経て廃棄に至る全ての過程において、環境・安 全・健康を確保することを公約し、 それらに関する対策を、 自主的に改善していこうとする活動のことです。 b. ISO14001の運用と環境の継続的改善 当社の千葉及び大竹工場は、環境管理の国際規格ISO14001を取得しています。 ISO14001の運用にあたっては、EMP(環境マネジメントプログラム) を設定し、Plan(計画)、Do(実 施)、Check(評価)、Action(見直し) のサイクルをまわすことにより改善を進めています。 毎年内部監査を行うと共に、外部機関による定期審査を受けて環境管理が適切に行われていること を確認しています。 認証取得日 定期審査実施日 千葉工場 2001年3月26日 2007年2月22日 大竹工場 2002年4月26日 2007年2月27日 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 2 環境負荷状 況 環境負荷に関連するインプット、 アウトプットをまとめると下図のようになります。 当社は、 エチレンと副原料(コモノマー) を使用し、化学反応させることにより、 エチレン共重合樹脂を 製造しています。 原材料のほとんどすべてが製品となります。製造工程で使用するエネルギーの内、 ガスを圧縮するた めの電力が60%を占めています。 INPUT エネルギー 原 料 電力・LPG・スチーム 水資源 192千t 77千 k l( 原油換算 ) 工業用水 2277千m3 水 道 水 26千m3 地 下 水 189千m3 事業活動 生産/営業/研究開発 製 品 顧 客 OUTPUT 大 気 CO2 144千t NOx 79t SOx 0 PRTR物質 397t 排 水 産業廃棄物 排水量 1929千m3 発 生 量 2562t COD 6t 再資源化量 1803t 0 最終埋立量 13t PRTR物質 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 3 環境負荷低 減への取り組み a. 省エネルギーと温室効果ガス排出量の削減 当社は、GHG(温室効果ガス)排出量の削減を重要な課題として省エネルギー活動に取り組んでいます。 省エネルギー活動の実施に当たっては、 シックスシグマ*の手法を用いて改善の検討を行い、運転条件の見 直しやエネルギー効率のよい設備への更新を実施しています。 2006年度の原油換算エネルギー使用量は、前年度と同じ77千Klとなり、 この3年間は変わっていません。 2006年度GHG排出量は前年度と同じ17万tになりました。GHG排出量は高付加価値製品の割合が増え たために1990年度比では増加していますが、今後とも製造工程の見直しやエネルギー効率のよい設備の導 入などの省エネルギー対策を進め、GHG排出量の削減に努めます。 *シックスシグマ : データの科学的分析により要因を見つけ出して改善を行う手法 エネルギー使用量の推移 温室効果ガス排出量 30 200 150 100 77 77 77 50 温室効果ガス排出量(万t/y ) 温室効果ガス排出量 エネルギー使用量 エネルギー使用量(千kl ) 25 20 16 17 17 17 1990 2004 2005 2006 15 10 5 0 2004 2005 0 2006 年 度 年 度 クリーンエネルギー使用への取り組み ∼太陽光発電システムの設置∼ 当社は、2007年1月に出力10KWの太陽光発電システムをテクニ カルセンターに設置しました。NEDO*との共同研究として、本システ ムの長期実証運転(5年) を行い、 中規模・大規模太陽光発電システム の産業分野などへの普及に向けた性能向上に貢献します。 尚、本システムには当社のエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(エバフレ ックス) を主原料とする三井化学ファブロ株式会社製の太陽電池封止 シート (ソーラーエバ) が使用されています。 *NEDO : 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の略 当社 テクニカルセンター 物流におけるCO2削減への取り組み ∼グリーン物流パートナーシップ普及事業(CO2削減) への参加∼ 当社が山九株式会社と共同で計画している物流合理化事業が、経済産業省、国土交通省などが運営するグリーン物流 パートナーシップ会議にて、2007年度対象事業に認定されました。岩国地区営業倉庫の集約化による輸送距離の短縮や 大竹工場から関東地区への船舶輸送比率を50%から75%に上げることによってCO2排出量の削減を図ります。 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 4 b. 化学物質管理への取り組み PRTR法対象物質の排出・移動 1999年にPRTR法が定められ化学物質の排出・移動量の把握が義務づけられたことに伴い、対象物質の削 減が重要となっています。 当社では対象となる11物質を使用し排出をしています。 この中で最も排出量の多い酢酸ビニルについては2006 年度は389t排出していましたが、排出量削減のため2006年度後半に蓄熱燃焼装置を設置し稼動させました。 2007年度は装置の通年運転を行うので、排出量は2006年度対比45%削減する見込みです。 *PRTR (Pollutant Release and Transfer Register) : 化学物質排出移動届出制度であり、化学物質がどこからどれ位環境中に排出されたかを 把握し、集計し、公表する仕組みのことである。 PRTR法対象物質排出量推移 (単位 トン) 2004年度 酢酸ビニル 2005年度 2006年度 407.0 415.0 389.0 メタクリル酸 2.5 3.1 3.3 アクリル酸 2.5 2.5 2.8 アクリル酸イソブチル 0.8 0.8 1.2 アンモニア 0.5 0.5 0.5 メチルアルコール 0.6 0.6 0.5 アクリル酸エチル 0 0 0 アセトン 0 0 0 エチレングリコール 0 0 0 硫酸 0 0 0 2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール 0 0 0 蓄熱燃焼装置 : 蓄熱体で効率的に熱回収を行いながら排ガスを燃焼する装置 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 5 c.産業廃棄物削減への取り組み 当社の産業廃棄物は大きく分けて廃樹脂、廃材、廃液およびその他(ガラス、一般ゴミ、金属、不燃物) に区分け されます。2006年度は、2562tの産業廃棄物が発生しました。 その内、1803tは再資源化を行い、最終処分量 は13tになりました。 2006年度の最終処分比率*は、0.51%になり、 ゼロエミッション*を達成しています。 産業廃棄物推移 比率(%) 4000 2 産業廃棄物発生量 3500 再資源化量 最終処分量 最終処分比率(%) 発 生量(T) 3000 1.5 2500 2000 1 1500 0.51 0.51 0.51 1000 0.5 500 13 13 13 0 0 2004 2005 2006 年 度 *最終処分比率 = 最終処分量 産業廃棄物発生量 ×100 *当社のゼロエミッション定義=最終処分比率1%以下 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 6 保安防災への取り組み 事故・災害防止活動 当社は、両親会社である三井化学及びDuPontの安全システムを導入し、無事故無災害を目指して積極 的な取り組みを行っています。 プロセス災害防止活動としてDuPont の安全管理手法であるPSM*・PHA*を継続的に実施しています。 PSMでは、技術・人・設備に係わるシステム上の問題点を摘出し、PHAでは、 プロセスの危険性を摘出しま す。PSM、PHA活動については、1回/年保安環境査察で進捗及び対策実施状況について確認しています。 2006年度は、2件の異常現象(事故) がありました。各々の事故については迅速に対策を実施すると共に、 水平展開を行い設備の安全点検をしました。 *PSM(Process Safety Management) : DuPont の安全管理システムであり、プロセス災害を防止するために必要な技術、人、設備に関する 14 の要素 について実行されるべき事項をガイドラインとして定め、実施状況の監査を行い、改善することにより安全レベ ルを向上させる管理システム *PHA(Process Hazard Analysis) : DuPont の手法であり、危険物質を取り扱うプロセスに対して関連する危険性を特定し、評価管理する分析手法 防災訓練 当社では、緊急時の対策として、通報、消火、緊急操作などの防災訓練を年間計画に従い実施しています。 2006年度は、本社 ・工場が合同で緊急時の連絡訓練を行いました。 工場の防災訓練 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 7 安全衛生への取り組み 当社の無災害日数(1日以上の休業災害が発生しなかった日数) は、2007年3月31日で次のようになり 現在も継続しています。 大竹工場 千葉工場 テクニカルセンター 12,238日 (33.5年) 4,335日(11.8年) 7,235日 (19.8年) 1,363日 (3.7年) 7,206日(19.7年) 7,206日 (19.7年) 社 員 協力会社員 当社では、社員及び協力会社員を含めて 【休業+不休業災害】 ゼロを目指しています。社員の休業及び不 休業災害は、 この11年間はゼロを継続していますが、協力会社員では、2006年度に不休業災害が2件発 生しました。 STOP*、 ヒヤリハット活動、5S活動などの安全活動を充実させると共に、協力会社員とのコミュニケーシ ョンを良好にすることによって、社員だけでなく協力会社員を含めて 【休業災害+不休業災害】 ゼロを目指し ます。 *STOP(Safety Traing Observation Program): DuPont で開発された安全トレーニング観察プログラムのことで、管理者が自分の職場で働く従業員を観察し 不安全行動に焦点をあてて作業実態を分析し、共に話し合って納得し不安全行動・状態を是正・防止した後、 観察結果を報告する一連のプロセスです。 休業災害度数率(社員+協力会社員) 4 休業災害度数率(社員+協力会社員) 3.5 度数率 3 2.5 2 1.5 1.1 1 0.5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 年度 度数率 =( 労働災害による死傷者数 / 延労働時間数 ) 100万 三井・デュポン ポリケミカル株式会社 環境・安全報告書 2007 8
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