2012 情報基盤センター広報誌 [特集]システム更新 Vol.18 教育用計算機システム スーパーコンピュータシステム 目 次 Digital Life の歩き方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 巻頭言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 [特集]システム更新 教育用計算機システム ECCS2012 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 大規模 SMP 並列/大規模超並列スーパーコンピュータシステム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 サービス あなたの研究・教育活動を手助けします!:センターサービス紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 サーバハウジングサービスのご案内 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 文献リスト作成や論文投稿をお手伝い ∼文献データベースだけじゃない、便利なツール∼ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 会議施設等での無線 LAN 一時利用に関するご案内 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 ソフトウェアライセンスについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 お知らせ MailHosting サーバ更新のお知らせ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 本郷∼駒場Ⅰキャンパス間の回線増速 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 報告 迷惑メール対策システムの隔離サーバ障害報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 「Web ページ作成実践編̶デザイン・作成ツールー」セミナー開催報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 UTnet Meeting 開催報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 SC11 参加報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 2011 年度コンピュータネットワーク研修報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 ECCS(教育用計算機システム)相談員の声 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 新任教職員紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41 問い合わせ先 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 ISSN 1345-3017 Digital Life の歩き方 本号では、 「システム更新」の特集をお届けします。2011 年度後半から 2012 年度初 頭にかけて、教育用計算機システムとスーパーコンピュータシステム(の一部)が更 新されます。教育用計算機システムの端末は、Mac OS X と Windows のデュアルブー トが可能となります。一方、スーパーコンピュータシステムの CPU コア数は、本学の 学生・教職員の人数を超える規模になります。研究・教育に是非ご活用ください。 本号の「巻頭言」は、当センターの根岸事務長が執筆しました。アナログ世代から 見たデジタルライフ、そしてアナログライフ(?)が語られます。 「あなたの研究・教育活動を手助けします!:センターサービス紹介」は、当セン ター提供の各種サービスを、研究支援、教育支援、ネットワーク利用、サーバ環境提 供、セキュリティ、講習会に分類してまとめたものです。巻末の「問い合わせ先」と 合わせてご活用ください。 「文献リスト作成や論文投稿をお手伝い」では、今まで取り上げてこなかったサー ビスの中から、Web 版の文献管理ツール RefWorks および EndNote Web とインパクト ファクターで有名な Journal Citation Reports を紹介します。 「サーバハウジングサービスのご案内」、「会議施設等での無線 LAN 一時利用に関 するご案内」、「ソフトウェアライセンスについて」では、センターの既存サービスの 一部を紹介します。 特集からは外れましたが、他にも更新に関する「お知らせ」が 2 件あります。 「MailHosting サーバ更新のお知らせ」では、今年 9 月から正式に稼働する新しいメー ルホスティング用サーバの概要を紹介します。また、 「本郷~駒場Ⅰキャンパス間の回 線増速」では、1G(ビット/秒)から 10G(ビット/秒)への回線のアップグレードを 報告します。 残念なことではありますが、本号ではシステムトラブルの「報告」が 1 件あります。 「迷惑メール対策システムの隔離サーバ障害報告」では、迷惑メールの隔離用サーバ で昨年発生した障害の原因、影響、対応策などについて報告します。 本号では、イベント関係の「報告」が 4 件あります。「『Web ページ作成実践編-デ ザイン・作成ツール-』セミナー開催報告」は、昨年春に開催して好評を得たセミナー の続編、「2011 年度コンピュータネットワーク研修報告」は、毎年開催している技術 職員研修に関する報告です。「UTnet Meeting 開催報告」は、全学のネットワークやセ キュリティの関係者が一同に会する年に一度のミーティングの報告です。これらのセ ミナーやミーティングは、今後も開催されますので、興味のある方は是非ご参加くだ さい。4 件の報告の最後は、高性能計算(HPC)に関する国際会議 SC11 の参加報告で す。当センターでは、筑波大学、京都大学と共同で展示を行いました。この記事では、 最近の HPC のトレンドについても報告します。 他に、ECCS(教育用計算機システム)相談員の声と新任職員紹介を掲載します。 (編集長 2 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 柴山悦哉) 巻頭言 Digital Life の巻頭言をとの依頼を受けたが、アナログ世代に生まれた者としては、 何を書いたら良いのか迷うところである。 しかし、身の回りを見渡すと、テレビ、携帯電話、時計に始まり電車の定期券にま でデジタル化の波が及んでおり、知らず知らずのうちにお世話になっている。 20 代に購入したステレオは、やがてレコードから CD に置き換わり、昨年からはテ レビ放送もデジタル化された。 私の東京大学での職員生活の間に、デジタル機器は凄まじい発展を遂げ、昭和 50 年代に大型計算機センターに勤務した頃、数千円していた「電子式卓上計算機」は、 今や百円均一でも手に入り、しかもソーラ発電により電源も不要である。 当時、文書作成に使われた「簡易タイプライタ」は、「ワープロ」を経て「パソコ ン」に代わり、その機能は多岐にわたっており今も進化し続けている。 我々の世代は、原理はともかく、変わりゆく機器の操作についてゆくことが職務遂 行の必要条件となり、従来の事務計算業務はプログラム化され、その業務は想像を絶 する効率向上と、あらゆる分野への利用拡大を遂げている。 今や、パソコンは職務遂行に欠かせないものとなり、インターネット、メールにと、 生活上のあらゆる場面においても、その情報力・利便性は必要不可欠なものとなって きており、その研鑽に努めないと時代に取り残される感がある。 スーパーコンピュータにおいても、 「大型計算機」の時代から「スパコン」、今や「ペ タコン」へ進化し、さらに「ペタ」の 1,000 倍の「エクサ」の時代も遠からじとされ ている。 情報基盤センターは、学生・教員・研究者ら利用者への計算資源提供に資すること が最大の使命であり、世界的な開発競争のなかでその性能を裏付ける素晴らしい研究 成果をもたらすことが、本センター、ひいては日本の科学技術の更なる発展につなが るものである。 柏キャンパスに展開する新システムの稼働と同時に本センターでの勤務を終える が、今後の本センターの発展に期待しつつ、退職後はボケ防止にパソコンの進化を追 い続け、デジタルライフを送ろうと思っている。 最後に、こうした情報機器の利便性は大いに活用するべきであるが、人と人のコ ミュニケーションにおいては、メールだけでは緊密な人間関係を築きにくく、誤解・ トラブルの基となりかねない。人間らしく「酒」でも介して会話によるコミュニケー ションも図りたいものだ(やはり、アナログ人間かな)。 (事務長 根岸 茂) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 3 はじめに 情報基盤センターは、2012 年 3 月から教育用計算機システム ECCS2012 の運用を開 始しました。ECCS2012 では、利用者にとっての利便性の向上や本センターにとって の運用効率化などを目指して、幾つかの新しい試みを行っています。本稿では、利用 者の皆さんが触れる機会が多いと考えられるシステムやサービスに関して、 「 端末」 「プ リンタ」及び「ECCS 外からの利用」の 3 つにまとめてご紹介します。 端末 ECCS2012 の端末では、Mac OS X 10.7 と Windows 7 のいずれかを起動時に選択でき ます(図 1)。これらは端末のハードディス クに格納されており、市販の Mac / Windows PC とほぼ同様の速度と使用感で、OS やア プリケーションを利用できます。 プログラミング環境、統計処理ソフトウェ ア、数式処理ソフトウェアやオフィスアプ リケーションなどの多くのソフトウェアが、 Mac OS X と Windows の両方で利用可能で す。ただし、CAD ソフトウェアは Windows 図1 端末のイメージ 環境のみでしか利用できません。教育・研 究の目的や内容に応じて、2 種類の環境を効果的に使い分けることができると期待し ています。 なお、従来は、情報基盤センターや情報教育棟の一部の演習室で、Windows のみが 動作する専用の端末がありました。ECCS2012 では全ての場所に同一の端末が設置さ れ、同一の環境が利用できることで、柔軟かつ効率的に演習室を運用可能です。端末 のハードウェアは従来と同様に Apple iMac のため、外観に大きな違いがありませんが、 CPU の処理能力、メモリ容量、画面サイズなどの性能は、従来の端末よりも向上して います。 プリンタ ECCS2012 のプリンタは、印刷/スキャン/コピーの機能を有するフルカラーデジタル 複合機です。全てのプリンタで A3 サイズ用紙の印刷が可能で、従来に比べて印刷速 度も約 2 倍になっており、電子ファイルと紙の文書との間におけるデータ入出力を実 現する機器として高い性能を発揮します。 4 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 印刷代金の支払方式は、プリペイドカード 1 (生協コピーカード)及び電子マネー (Suica/PASMO)を選択できます。通勤・通学にお使いの Suica/PASMO カード(モバ イル Suica は利用できません)に必要な金額をチャージしてあれば、一度に多数の用 紙を印刷することも可能です。 加えて ECCS2012 では、ネットプリン トサービスを利用可能です。これによっ て、例えば ECCS の端末から送った印刷 ジョブをコンビニエンスストア(セブンイレブン)で出力(図 2 の 2)したり、 研 究 室 や 自 宅 の PC 上 の フ ァ イ ル を ECCS2012 のプリンタで印刷(図 2 の 3) したり、といった使い方も可能です。 図2 ネットプリントサービス ECCS 外からの利用 ネットワーク越しにシステムを利用できる仕組みとして、ECCS2012 ではファイル 転送サーバとリモートアクセスシステムを導入しました。 ファイル転送サーバは、ECCS のファイルサーバを ECCS 外から利用するためのサー バです。各種オンラインストレージサービスなどでも利用されている WebDAV に準拠 していることから、WebDAV に対応した OS やアプリケーションで、ファイル転送サー バに接続できます。従って、自宅や研究室の PC から ECCS のファイルサーバ上のホー ムディレクトリに対して、ファイルのアップロードやダウンロードが簡単にできます。 リモートアクセスシステムは、Mac OS X の GUI 環境を ECCS 外から利用するため の仕組みです。ECCS 外の Mac や PC から Web ブラウザでアクセスすると、ECCS の 端末と同様のソフトウェア(ただし、マイクロソフト Office は除く)が動作する環境 を利用できます。 終わりに 上記のシステムやサービスの具体的な利用方法といった ECCS2012 の詳細について は、教育用計算機システムの Web サイト(http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/)でご確認下さ い。 (情報メディア教育部門) 1 従来のプリペイドカード(未使用もしくは使用途中のもの)については、2012 年 2 月から 4 月 30 日までの間、東大生協の一部店舗で払い戻しをしています。詳しくは以下のページ をご覧ください。 http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/announcement/2011/10/03_1492.html Digital Life Vol.18 (2012.3) | 5 概要 2005 年に導入された日立 SR11000/J2 システム(ピーク性能:18.8 TFLOPS)は 2011 年 10 月にサービスを終了し、以下に示す 2 つのスーパーコンピュータシステムが導入 されました。 大規模 SMP 並列 スーパーコンピュータシステム 大規模超並列 スーパーコンピュータシステム 日立 SR16000/M1 富士通 PRIMEHPC FX10 54.9 TFLOPS 1.13 PFLOPS 56 4,800 1,792 76,800 POWER7 SPARC64 IXfx 稼働開始 2011 年 10 月 2012 年 4 月 設置場所 本郷地区・浅野キャンパス (情報基盤センター本館) 柏キャンパス (第 2 総合研究棟) Yayoi Oakleaf-FX 区分 製品名 ピーク性能 計算ノード数 コア数 プロセッサ システム愛称 システム愛称は設置場所に因んでおり、Yayoi は弥生地区における最後のスパコン、 Oakleaf-FX は 2011 年 5 月に柏キャンパスに完成した第 2 総合研究棟に導入された最初 のシステムであることから名付けられました。2008 年 6 月から稼働した日立 HA8000 クラスタシステム(T2K 東大版、140.1 TFLOPS)とあわせて、4 月からは 3 システム による運用となります。 以降では、各システムについて説明します。 大規模 SMP 並列スーパーコンピュータシステム(Yayoi)概要 大規模 SMP 並列スーパーコンピュータシステム(Yayoi)のシステム構成図を図 1 に示します。本システムは SR11000/J2 に引き続き POWER アーキテクチャを採用した メモリ性能(メモリバンド幅、B/F 値)の高いシステムです。計算ノード全体の合計 性能は控えめ(それでも旧システムである SR11000/J2 の約 3 倍あります)ですが、そ の分計算ノードがわずか 2 ラックに収まる高密度・コンパクトなシステムです。 POWER7 CPU および CPU と接続されたメインメモリ、これらからなる計算ノード およびその接続には、SR11000/J2 とは違った特徴があります。詳しくは Web ページに 掲載されている情報やスパコンニュースの記事などをご覧ください。 大規模 SMP 並列スーパーコンピュータシステムご案内 Web サイト: http://www.cc.u-tokyo.ac.jp/system/smp/ 6 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 図 1:大規模 SMP 並列スーパーコンピュータシステム(Yayoi)システム構成図 大規模超並列スーパーコンピュータシステム(Oakleaf-FX)の概要 大規模超並列スーパーコンピュータシステム(Oakleaf-FX)は 2012 年 4 月上旬から 試験運転を開始する予定で、執筆時点では導入作業並びにサービス内容について検討 を行っています。 サービスの詳細については、本部門の Web ページにてお知らせする予定です。 大規模超並列スーパーコンピュータシステムご案内 Web サイト: http://www.cc.u-tokyo.ac.jp/system/fx10/ 管理サーバ群 計算ノード群・インタラクティブノード群 PRIMEHPC FX10 ジョブ管理・運用管理・認証サーバ等 [計算ノード数:4,800] [インタラクティブノード数:50] [総理論演算性能:1.13 PFLOPS] [総主記憶容量: 150 Tbyte] [インターコネクト: 6次元メッシュ/トーラス] 外部接続 ルータ ローカルファイルシステム [容量: 1.1PByte] InfiniBand ネットワーク 外部ファイル システム Ethernet ネットワーク LAN/WAN 共有ファイルシステム ログインノード群 [容量: 2.1PByte] ユーザ 図 2:大規模超並列スーパーコンピュータシステム(Oakleaf-FX)システム構成図 (スーパーコンピューティング部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 7 あなたの研究・教育活動を手助けします! センターサービス紹介 ネットワーク利用を支援します 研究を支援します P. 8 有線 LAN・無線 LAN サービス P.10 データベース・文献検索 P. 9 ネットワーク利用 P.10 計算サービス P.10 ソフトウェアライセンス サーバ環境を支援します セキュリティ対策を支援します P.11 サーバホスティングサービス P.12 セキュリティ対策 P.11 サーバハウジングサービス P.12 情報倫理・情報セキュリティ P.11 ネットワークサービス 教育や遠隔講義・会議を支援します 講習会、その他のご案内 P.13 教育・講義 P.14 講習会・セミナー P.13 遠隔講義・会議 P.14 冊子・ニュース等 P.14 いろいろな学内事務サービス ※ 各サービスの問い合わせ先や URL は、巻末の「問い合わせ先」または 本センターのウェブサイト(http://www.itc.u-tokyo.ac.jp/)をご覧ください。 ネットワーク利用を支援します §有線 LAN・無線 LAN サービス ■携帯端末接続環境 図書館、端末室等で、教職員や学生がご自身の PC を有線 LAN および無線 LAN で インターネットにつなぐための環境を提供しています。利用には教育用計算機シス テム(ECCS)のアカウントが必要です。 ●部局負担による携帯端末接続環境 所属する教職員や学生のために部局負担で設置した有線 LAN および無線 LAN を、 携帯端末接続環境として情報基盤センターで運用するサービスも提供しています。 8 | Digital Life Vol.18 (2012.3) ■UTnet 無線 LAN 接続サービス 表 1 の会議施設等を利用される方に対して、無線 LAN の一時利用サービスを提供し ています。 ■BB モバイルポイントの学内アクセスポイント 表 1 の会議施設等で、ソフトバンクテレコム株式会社が提供する公衆無線 LAN サー ビスを利用できます。 ■livedoor Wireless の学内アクセスポイント 表 1 の会議施設等で、株式会社データホテルが提供する公衆無線 LAN サービスを利 用できます。 表 1:無線 LAN を利用可能な会議施設等 山上会館 武田先端知ビル 武田ホール・ロビー 弥生講堂 一条ホール・会議室 弥生講堂アネックス セイホクギャラリー 本郷地区キャンパス 医学部教育研究棟 鉄門記念講堂 総合図書館 大会議室 向ヶ岡ファカルティハウス セミナー室 工学部 1 号館 15 号講義室 工学部 11 号館 講堂 工学部 2 号館 211 室・212 室・213 室・フォーラム・展示室 医学部附属病院 待合室(*1) 柏キャンパス 柏図書館 メディアホール・ロビー等 *1: BB モバイルポイントのみご利用になれます。 §ネットワーク利用 ■ネットワークにつなぐ アドレスブロック申請やネットワーク敷設、建物間で同じネットワークを使いたい (建物間 VLAN)などのご相談は、nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp まで(まずは、部局の ネットワーク管理者の方にご相談ください)。 ■SSL-VPN Gateway サービス SSL-VPN Gateway を経由して、電子ジャーナル、データベース、東大ポータル等の 学内限定サービスを学外からでも利用することができます。利用には教育用計算機 システム(ECCS)のアカウントが必要です。 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 9 研究を支援します §データベース・文献検索 ■GACoS(Gateway to Academic Contents System) インターネットで文献等の学術情報を探すためのポータルサイトです。 ■東京大学 OPAC 東京大学が所蔵する図書や雑誌を検索できます。 ■E-JOURNAL PORTAL 東京大学で利用できる電子ジャーナルを検索できます。 ■東京大学学術機関リポジトリ(UT Repository) 東京大学の学術情報を集めて発信しています。 ■東京大学学位論文データベース 東京大学で授与された新制の課程博士論文および論文博士論文の書誌事項や要旨を 検索できます。 ■学術研究支援ツール 専門用語(キーワード)自動抽出システムおよび学術研究を支援するツールを提供 しています。 §計算サービス ■スーパーコンピュータシステム 大学教員や学生に対して、HA8000 クラスタシステムと大規模 SMP 並列スーパーコ ンピュータシステムの 2 つのシステムを用いた大規模な計算サービスを提供してい ます。2012 年 4 月からは、大規模超並列スーパーコンピュータシステムの計算サー ビスを開始します。 §ソフトウェアライセンス ■ソフトウェアライセンス Mathematica や JMP、ChemOffice といった各分野で使われる専門的なソフトウェア や、各種 Adobe 製品、ウイルス対策ソフトのライセンスを提供しています。 10 | Digital Life Vol.18 (2012.3) サーバ環境を支援します §サーバホスティングサービス ■MailHosting サービス 研究室、学科・専攻等の学内組織向けに提供する電子メールのホスティングサービ スです。 ■WEB PARK ウェブホスティングサービス 研究室、学科・専攻等の学内組織向けに提供するウェブホスティングサービスです。 ■DNS ホスティングサービス 研究室、学科・専攻等の学内組織向けに提供する DNS ホスティングサービスです。 §サーバハウジングサービス ■サーバハウジングサービス 19 インチラック、電源、空調設備、ネットワーク等の整っている情報基盤センター のサーバ室に、皆様のサーバ機器等を設置して運用できます。 §ネットワークサービス ■DNS スレーブサーバ(部局ネットワーク管理者向け) 部局 DNS サーバのスレーブサーバを引き受けます。nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp までご 相談ください。 ■外部ネットワーク接続サービス JGN-X や SINET4 といった外部研究組織の回線を利用し、 遠隔にある組織と東京大学、 もしくは東京大学の拠点間を高速ネットワークで接続したい場合は、 nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp までご相談ください。 ■NTP(時刻合わせ)サービス UTnet ルータの IP アドレス(デフォルトゲートウェイ)にて NTP(時刻合わせ)サー ビスを提供しています。詳しくは nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp まで。 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 11 セキュリティ対策を支援します §セキュリティ対策 ■ウイルス対策ソフトライセンス Windows、Mac OS X および Linux 環境の PC やサーバで使用できる、ウイルス対策 ソフトのライセンスを提供しています。 ■迷惑メール対策サービス 部局のメールサーバに対して、迷惑メール判定ならびに除外サービスを提供してい ます。 ■サーバ証明書 パブリックサーバ証明書を無料で発行しています。 §情報倫理・情報セキュリティ ■情報倫理教材 インターネットの利用時などに PC や情報を扱う上で守るべき情報倫理の基本につ いて、「情報倫理デジタルビデオ小品集」(企画:放送大学学園等、監修:国立大学 情報教育センター協議会)のストリーミング配信を学内向けに行っています。 http://elearn.itc.u-tokyo.ac.jp/streaming.html#ethics ■情報倫理・コンピュータ利用ガイドライン (注) 本学での計算機資源(情報ネットワーク、コンピュータ等)の利用に関して、 「情報 倫理・コンピュータ利用ガイドライン」 (発行:東京大学情報倫理委員会・東京大学 情報システム緊急対応チーム)が配布されています。利用に当たっては、まず当ガ イドラインを参照の上、関連規則を遵守してご利用ください。 http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/ut-cert/gakunai/gakunai_info.html (注)情報基盤センターのサービス項目には含まれていません。 ■情報セキュリティ・ポリシー (注) 各部局には、情報セキュリティ委員会が作られ、部局ごとに各規則が定められてい ます。機器の設置、ネットワークの敷設の際には、これらの規則を適用されること があります。 (注)情報基盤センターのサービス項目には含まれていません。 12 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 教育や遠隔講義・会議を支援します §教育・講義 ■ECCS2012 教育用計算機システム コンピュータの教育と、コンピュータを利用した教育のための計算機システムです。 駒場の情報教育棟と本郷の情報基盤センターを中心として、本郷・駒場・柏地区キャ ンパス内に約 1,300 台の端末を提供しています。 ■講義用 WWW サーバ 教員が講義資料を広く公開するための Web サーバです。利用には教育用計算機シス テム(ECCS)のアカウントが必要です。 ■教材作成支援 本郷・駒場地区でのマルチメディア教材の制作・利用支援、講義撮影、ノンリニア 編集、DVD 作成、ストリーミング配信等の支援、大判プリンタ利用環境の提供を行っ ています。 ■学習管理システム CFIVE 講義の受講者を対象として、講義資料の配布、レポートの回収、オンラインテスト、 電子掲示板等の機能を提供する Web システムです。利用には教育用計算機システム (ECCS)または教養学部前期課程の学務システム(UTask-Web)のアカウントが必 要です。 §遠隔講義・会議 ■遠隔講義・会議システム 本郷と駒場の遠隔講義室、H.323 プロトコルを使ったテレビ会議システム、多地点 接続制御装置を提供しています。 ■ストリーミング 動画コンテンツをストリーミング(動画コンテンツを見る PC 側で、データを受信 しながら同時に再生を行う方法)で配信するサービスを提供しています。 ■インターネットライブ中継 学術俯瞰講義・卒業式等で、カメラで撮影している映像をリアルタイムでストリー ミング配信します。 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 13 講習会、その他のご案内 §講習会・セミナー ■情報探索ガイダンス レポート・論文作成や学習・研究に役立つ情報探索の講習会です。 ■出張講習会 各種データベースについて、ご要望に応じた内容で、学内どこへでも出向いて講習 会を行います。 ※上記以外にも、センターでは利用者向け講習会やシンポジウムなどを開催していま す。詳しくは以下の URL をご参照ください。 http://www.itc.u-tokyo.ac.jp/seminars.html §冊子・ニュース等 ■ネットでアカデミック 文献や情報をインターネットで収集するために知っておくと役立つ知識や効率よく 探すためのポイントをまとめた小冊子です。 ■Litetopi 各種データベースサービスのニュースやガイダンスのご案内をはじめ、広く情報リ テラシーに関するトピックスをお届けするメールマガジンです。 ■スーパーコンピューティングニュース スーパーコンピューティング部門の広報誌で、スーパーコンピュータシステム利用 者向けの情報を掲載しています。 §いろいろな学内事務サービス ■事務システム (注) 東京大学では、情報サービスの一環として、各種事務サービスが提供されています。 主なものに、東大ポータル、人事情報システム、財務会計システム、出張旅費シス テム、学務システム、職員メールシステム等があります(まずは、学科・専攻等の 担当事務の方にご相談ください)。 (注)情報基盤センターのサービス項目には含まれていません。 14 | Digital Life Vol.18 (2012.3) サーバハウジングサービスのご案内 概要 情報基盤センターでは、2010 年 10 月 1 日から、学内の組織向けにサーバハウジン グサービスを提供しています。 これは、サーバやネットワーク機器を設置するための環境(スペース、電源、空調) に困っている組織に対して、無停電で機器を運用することが可能な環境を提供する有 料のサービスです。例えば、学内の法定点検の計画的停電時でも電源車を用意して設 備への給電を行っていますので、計画的停電を回避することができます。 2012 年 1 月現在で、4 部局が利用しています。 提供するサービス - 19 インチラック(42U フルラック、20U ハーフラック) - 電源(AC100V 30A) - 空調 - UTnet へのネットワーク接続 問い合わせ・ご案内 本サービスのご案内 Web ページ https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/riyou/housing/housing.html Email: nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp フルラック ハーフラック (ネットワーク部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 15 文献リスト作成や論文投稿をお手伝い ~文献データベースだけじゃない、便利なツール~ 学術情報検索ポータルサイト「GACoS」(Gateway to Academic Contents System)を ご利用でも、 「CiNii Articles」や「Web of Science」など文献データベースだけを使って いるという方は多いのではないでしょうか。 文献の検索だけではなく、見つけた文献データの出力や整理、更にそれらのデータ を使った参考文献リストを作成できるツールをご存じですか? また、執筆した論文を いざ雑誌に投稿する際、投稿先はどのように決めていますか? 投稿誌を選定する手が かりが得られるかもしれない、そうしたツールも GACoS からご利用になれます。今 回は文献データベース以外の、研究者に役立つツールをご紹介します。 (GACoS:http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/) ●文献管理ツール「RefWorks」・「EndNote Web」 ◆文献管理ツールとは ⇒「Web of Science」など各種文献データベースの検索結果から、必要なデータを取り 込んで整理することができます。取り込んだデータの他、手持ちの情報(購入した 本や雑誌記事の切り抜き etc.)をツールに入力して追加し、一括して参考文献デー タを管理することも可能。いわば「自分専用の文献データベース」を作ることがで きるツールです。 ⇒更に、集めたデータを使い、参考文献リストを自動作成できます。リストの書式は、 投稿する雑誌の投稿規定に対応した形式にフォーマットしてくれます。 ◆東京大学所属者が文献管理ツールを利用するには ⇒「RefWorks」と「EndNote Web」、2 種類の Web 版の文献管理ツールを無料で使うこ とができます。いずれもアカウントを作成してご利用ください。 詳細は GACoS の FAQ で! →http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/faq.html 講習会も随時開催しています。 →http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/training.html 16 | Digital Life Vol.18 (2012.3) ●インパクトファクターを調べる「Journal Citation Reports」 ◆インパクトファクターとは ⇒ある雑誌の 1 論文あたりの平均被引用数を示すもので、学術雑誌の評価指標の 1 つ です。毎年数値が更新され、同じ分野の雑誌を比較するのに有効です。インパクト ファクターの算出方法は以下のとおりです(2011 年の場合。なお、2011 年のインパ クトファクターは今年の夏ごろリリース予定です)。 A = 2009~2010 年のある雑誌の掲載論文数 B = A の論文が 2011 年中に引用された回数 2011 年インパクトファクター ⇒ B/A ⇒対象となるのは、文献データベース「Web of Science」収録の自然科学・社会科学分 野の学術誌です。Web of Science と同じ「Web of Knowledge」内のツール「Journal Citation Reports」から調べることができます。Journal Citation Reports では、インパ クトファクターの 5 年間の推移なども確認できます。 アクセスは GACoS のデータベース先頭文字「J」から! ◆インパクトファクターを使ってできること、できないこと ⇒書きかけの論文を同分野の A 誌と B 誌のどちらに投稿するか迷った、いつも投稿し ている C 誌の掲載論文がどのくらい引用されているか知りたい、また、最近気にな る D 分野で新規購読する雑誌を選びたい、そうした時にインパクトファクターを判 断材料のひとつとすることも考えられます。 ⇒インパクトファクターは、個々の論文や研究者個人の研究業績の評価指標でも雑誌 の格付けをするものでもありません! 数値のもつ意味を理解してご利用ください。 東京大学で利用できるデータベース は「GACoS」から検索できます。 まずは「GACoS」を検索! (図書館電子化部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 17 会議施設等での無線 LAN 一時利用に関するご案内 ネットワーク部門では、2005 年 3 月から学内の会議施設等における一時利用専用の 無線 LAN 設備を整備してきました。 学内の施設を利用してワークショップやシンポジウム等のイベントを開く場合、以 下の場所であれば、イベントの参加者に対して当日限りの無線 LAN 利用権を与える ことが可能です。イベントを開催する際は、ぜひご利用ください。 ■UTnet 無線 LAN 接続サービス対象拠点 山上会館 武田先端知ビル(武田ホール・ロビー) 弥生講堂(一条ホール・会議室) 弥生講堂アネックス(セイホクギャラリー) 医学部教育研究棟(鉄門記念講堂) 総合図書館(大会議室) 向ヶ岡ファカルティハウス(セミナー室) 工学部 1 号館(15 号講義室) 工学部 2 号館(211 室・212 室・213 室・フォーラム・展示室) 工学部 11 号館(講堂) 柏図書館(メディアホール・ロビー) ■UTnet 無線 LAN 接続サービスの利用方法 前回発行の Digital Life でもご案内したとおり、無線 LAN システムの更新を行いま した。これにともない、無線 LAN の利用方法等が下記のように変更されています。 (1) SSID・WPA2-PSK 全ての場所で SSID・WPA2-PSK 用パスワードが同一のものになりました。今までは、 無線 LAN 利用申請ごとに別の SSID と WEP キーを発行していましたが、今後は全て の場所・日時で同一のものをご使用いただくことになります。 SSID WPA2-PSK 用パスワード UTnet-wireless one-time (2) Web 認証 上記の SSID に接続した後、Web ブラウザを起動すると、自動的にユーザ名・パス ワードを入力する画面が表示されます。ここで、イベントごとに発行されたユーザ名・ パスワードを入力して認証に成功すると、インターネットに接続されます。 18 | Digital Life Vol.18 (2012.3) (3) 802.11n 対応 向ヶ岡ファカルティハウス ※ 以外の全ての場所で、802.11b/g/a/n 規格の通信が可能に なりました。 ※向ヶ岡ファカルティハウスの機器は本部が所有しており、機器更新の対象外であったため、 これまでどおり 802.11b/g/a 規格での提供となります。 ■UTnet 無線 LAN 接続サービスの利用申請方法 UTnet 無線 LAN 接続サービスの利用申請方法は利用する会議施設によって異なりま す。 また、これらの会議施設では、UTnet が提供する無線 LAN 接続サービス以外にも有 料の商用サービスとして以下のものが利用可能です。 (1) BB モバイルポイント(ソフトバンクテレコム株式会社) (2) livedoor Wireless(株式会社データホテル) 各会議施設での利用申請方法、利用できる商用サービスの詳細は、次の Web ページ をご覧ください。 https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/riyou/wlan/wlan.html (ネットワーク部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 19 ソフトウェアライセンスについて 情報基盤センターでは、現在以下の一覧にあるソフトウェアの学内ライセンスを管 理しています。これらのソフトウェアの利用を希望される場合は、各利用内規等をご 確認の上、申請手続きを行ってください。 2011 年度には、以下のソフトウェアを追加しました。 • Symantec Endpoint Protection(クライアント用)の提供開始(2011 年 11 月) • ESET NOD32 Antivirus(Mac 版)の提供開始(2012 年 3 月) ソフトウェア メーカー 利用申込み 利用負担金 (注 3) (課金単位) ウイルスバスター2012 日本語版 ウイルスバスター2012 英語版 1,000 円/年 (1 台) Server Protect for Windows NT 5,000 円/年 (1 台) 問い合わせ先 トレンドマイクロ(株) Server Protect for Linux 10,000 円/年 (1 台) InterScan VirusWall 各エディション 100,000 円/年 (1 台) Sophos Anti-Virus (Windows 版、Mac 版) ESET Smart Security (Ver.4.2) ESET NOD32 Antivirus (Ver.4.2) (Windows 版) 年度単位(注 1) (自動継続) Sophos(株) ut-security @nc.u-tokyo.ac.jp 1,000 円/年 (1 台) キヤノンIT ソリューションズ (株) 1,000 円/年 (1 台) ESET NOD32 Antivirus (Ver.4.2) (Mac 版) Symantec Endpoint Protection 12 クライアント用 (Windows 版、Mac 版) 1,000 円/年 (1 台) 1,000 円/年 (1 台) (株)シマンテック Creo Elements (旧:Pro/ENGINEER Wildfire5.0) PTC ジャパン(株) 10,000 円/年 (1 申請) proengineer @itc.u-tokyo.ac.jp JMP (Ver. 9.0.4) SAS Institute Japan(株) JMP ジャパン事業部 10,000 円/年 (1 申請) jmp @itc.u-tokyo.ac.jp SAS9 (Ver.9.3) SAS Institute Japan(株) 未定 (注 4) sas @itc.u-tokyo.ac.jp Mathematica (Ver. 8.0.4) Wolfram Research 50,000 円/年 (1 申請) mathematica @itc.u-tokyo.ac.jp ChemOffice (Ver.12.0) Perkin Elmer(株) (旧 CambridgeSoft) 30,000 円/年 (1 申請) chemoffice @nc.u-tokyo.ac.jp 20 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 年度単位(注 2) (自動継続) ソフトウェア メーカー LabVIEW 2011 (注 5) 日本ナショナルインスツルメンツ (株) LabVIEW アカデミー (注 5) Adobe CLP ライセンス アドビシステムズ(株) 利用申込み 利用負担金 (注 3) (課金単位) 年度単位(注 2) (自動継続) 50,000 円/年 (1 申請) - 無料 - - 問い合わせ先 labview @nc.u-tokyo.ac.jp 東大生協にて取り 扱い(内線:27991) (注 1) 利用を終了する場合あるいはライセンス数の変更を行う場合は、 「 コンピュータウイル ス対策ソフトウェア利用変更届」を提出してください。 (注 2) 利用を終了する場合は、「利用廃止届」を提出してください。 (注 3) 基本利用負担金額を記載しています。 詳細および最新の情報は、UTnet の Web サイト(https://www.nc.u-tokyo.ac.jp)をご覧 ください。 (注 4) SAS に関しては 2012 年度から利用負担金額の変更(増額)を予定しています。 決まり次第、UTnet の Web サイト(https://www.nc.u-tokyo.ac.jp)でお知らせします。 (注 5) LabVIEW の研究利用および LabVIEW アカデミーの利用は、本郷地区キャンパス(本 郷・弥生・浅野)と柏地区キャンパス(柏・柏Ⅱ)に限ります。 利用申込書の提出およびお問い合わせ 情報基盤センター分散システムセキュリティ支援係 Web ページ:https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/software-license/ Email:software-license@itc.u-tokyo.ac.jp (ネットワーク部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 21 MailHosting サーバ更新のお知らせ 2012 年 8 月末のリース期間満了にともない、9 月(予定)に学内組織向けメールホ スティングサービス(MailHosting M および MailHosting D)のサーバを移行します。 各ユーザがサーバに保存しているメールデータの移行は、8 月中を予定しています。 MailHosting M および MailHosting D は、MailHosting D に一本化します。 MailHosting M は、メールサーバと Web Mail が現状の Mirapoint S6000 と Active!mail から DEEPMail MailSuite に変更されます。 POP、IMAP、SMTP-AUTH は引き続き利用できます。 ドメイン管理者がアカウントを作成できることに変更ありません。 メーリングリスト(Mailman)は、MailHosting D のメーリングリスト機能に移行し ます。 ドメイン管理者が、センターに申請することなくご利用のドメインでメーリング リストを作成することができます。 詳細については、 「 学内組織向けメールサーバのシステムの移行について」 ( Web ペー ジ)をご覧ください。 MailHosting M : MailHosting D : http://mh.itc.u-tokyo.ac.jp/mh2012/ http://mh-d.ecc.u-tokyo.ac.jp/mh2012/ お問い合わせ用メールアドレス: mailhosting-support@itc.u-tokyo.ac.jp (情報メディア教育部門) 22 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 本郷~駒場Ⅰキャンパス間の回線増速 ◇概要 本郷~駒場Ⅰ、本郷~駒場Ⅱ、駒場Ⅰ~駒場Ⅱの各キャンパス間を繋ぐ回線は、ダー クファイバと WDM を用いた構成で、それぞれ 2 チャンネルの波長を多重して通信帯 域を広げています。 ◇これまで 本郷~駒場Ⅰ間の回線は、1GbE を 2 チャンネル搭載した WDM で通信していまし たが、ECCS の更新(ECCS2008→ECCS2012)に伴い、本郷~駒場Ⅰ間の帯域を 1G→ 10G に増速する必要が生じました。 駒場Ⅰ キャンパス ・UTnet WDM 1Gx2 駒場Ⅱ キャンパス WDM 1Gx2 WDM 1Gx2 WDM 10Gx2 ・ECCS2008 ・UTnet ・UTnet WDM 1Gx2 WDM 10Gx2 本郷地区キャンパス 図1 WDM 交換前 ◇10G 化にあたり 最初に ECCS2008 用の通信を駒場Ⅱへ迂回させて、1 月 11 日に 10GbE を 2 チャン ネル搭載した WDM と交換しました。UTnet の通信も 10G に増速されました。 駒場Ⅰ キャンパス ・UTnet WDM 1Gx2 駒場Ⅱ キャンパス WDM 1Gx2 WDM 10Gx2 WDM 10Gx2 ・ECCS2012 ・UTnet WDM 10Gx2 ・UTnet WDM 10Gx2 本郷地区キャンパス 図2 WDM 交換後 (ネットワーク部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 23 迷惑メール対策システムの隔離サーバ障害報告 東京大学の学内メールドメインにおいて利用可能な迷惑メール対策システムの隔離 サーバに障害が発生し、サーバの復旧作業に約 3 ヶ月間を要しました。 利用者の皆様には、長期に渡る障害により多大なるご迷惑をおかけして大変申し訳 ありませんでした。 図:迷惑メール対策システムの概要および障害発生箇所 障害内容 - 障害機器:隔離サーバ(mqm002.nc.u-tokyo.ac.jp) - 障害期間:2011 年 9 月 25 日(日)6:50 頃~2011 年 12 月 28 日(水)11:50 頃 - 障害原因:法定点検に伴う停電時に UPS(無停電電源装置)が正常に動作せず、不 慮の電源断が発生し、隔離サーバのデータベースが破損した。 - 影響:迷惑メール対策システムにおいて振り分け作業を担う迷惑メール対策装置は 正常に動作しており、迷惑メールの隔離処理には支障なかったが、隔離サーバの障 害により、隔離対象となったメールの閲覧やブラックリスト・ホワイトリスト等の 設定操作を利用者が行えなくなった。 ※ 隔離サーバの障害中に、迷惑メールと判定されたメールは、迷惑メール対策装置 に保存され、隔離サーバの復旧後に隔離サーバへ転送されました。 約 3 ヶ月分の迷惑メール全てが隔離サーバへ転送されるまでに、隔離サーバの復 旧からさらに約 1 ヶ月を要しました。 24 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 復旧対応 ・ 正常動作しなかった UPS(無停電電源装置)の交換 ・ 隔離サーバのデータベース復旧の試み ・ 隔離サーバの再構築および再設定作業 (ドメイン毎に各種設定情報を Web インターフェースから手動で入力) ・ 再発防止策/再発時の復旧時間短縮についての検討 ・ 隔離サーバ利用者のアカウント再登録作業 今後の対応 障害の再発防止策および再発時の復旧時間短縮のために、以下の対応を実施済み、 または予定しています。 - 耐障害性の高いストレージへのデータベース保存先の移行 - 隔離サーバデータベースバックアップの多重化 - 隔離サーバのバージョンアップ/システムのクラスタ構成による耐障害性の強化 迷惑メール対策システムの Web サイト・問い合わせ先 https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/security/antispam/ Email: antispam-support@nc.u-tokyo.ac.jp (ネットワーク部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 25 「Web ページ作成実践編-デザイン・作成ツール-」 セミナー開催報告 第 75 回、76 回コンピュータ・ネットワーク利用セミナーとして「Web ページ作成 実践編-デザイン・作成ツール-」を開催し、教職員や大学院生の方々にご参加いた だきました。 第 75 回では、日頃から Web 制作を手がけているプロの方に Adobe Fireworks を用い てデザイン制作の実演を行っていただきました。第 76 回では、参加者の持ち込みノー ト PC で Adobe Dreamweaver を用いて実際に Web ページを作成しました。 参加者へのアンケートでは、「デザイ ン・レイアウトの考え方について参考に なった」「とてもわかりやすく期待以上 だった」 「今後に役立てたい」などの感想 や、 「 もう少しじっくり講義を受けたかっ た」 「 別のソフトの使い方についても知り たい」などのご意見をいただきました。 なお、第 75 回のみセミナーの模様を動 画配信していますので是非ご覧ください。 配布資料や教材をダウンロード(学内限 定)して自己学習することもできます。 第 75 回 Web ページ作成実践編-デザイン- 講師:株式会社フォーイーチ 廣作拓郎 氏 日 時 11 月 8 日(火)14:00~16:00 場 所 本郷 情報基盤センター 駒場 情報教育棟(駒場は TV 会議システムによる中継) 参加人数 44 名(本郷 34 名 駒場 10 名) U R L http://www.itc.u-tokyo.ac.jp/Seminar/075_20111108/ (学内限定でセミナーの模様を動画配信中) 第 76 回 Web ページ作成実践編-作成ツール- 講師:本郷 PC 塾 中村 徹 氏 日 時 11 月 9 日(水)10:00~15:00 場 所 本郷 情報基盤センター 参加人数 U R L 25 名 http://www.itc.u-tokyo.ac.jp/Seminar/076_20111109/ (情報メディア教育部門) 26 | Digital Life Vol.18 (2012.3) UTnet Meeting 開催報告 2011 年 10 月 31 日(月)13:30 から、理学部 1 号館小柴ホールにおいてネットワー ク部門主催の第 9 回 UTnet Meeting が開催されました。 東京大学におけるネットワーク管理等の担当者、部局 CERT 関係者、部局のセキュ リティ担当者等の教員・職員・学生、管理を委託されている外部の方などを対象にし たもので、主催者側を含め 57 名が参加しました。 UTnet の運用報告として UTnet 最新情報およびセキュリティ報告(ウイルス対策、 迷惑メール対策)、UT-CERT 報告、数理科学研究科 一井信吾准教授による「情報倫理 審査専門委員会より(報告)」、また事例紹介として新領域創成科学研究科 藤枝俊輔助 教による「utroam:部局連携による全学共通無線 LAN サービス」、国立情報学研究所 蓑 毛堅一郎係長による「SINET4 と東日本大震災」といったテーマ別の発表と、フリー ディスカッションがそれぞれ行われました。 質疑応答はおおむねテーマごとに行われましたが、フリーディスカッションでは総 合文化研究科 石原知洋特任助教による市販ブロードバンドルータのバグ報告や、迷惑 メール対策システムの復旧状況報告、また情報倫理やセキュリティに関する注意勧告 広報を外国語でも行ってほしいといった要望など、様々な議論が活発に行われました。 回収したアンケートによると、 「今回のミーティングは有意義でしたか」との問いに ついて「満足」~「まあまあ」と答えた方が大半を、また「内容の技術的レベル」に 関する問いについては「丁度よい」が多数を占めました。 なお、当日の資料は下記の URL からダウンロードできます。 Web ページ【学内専用】: https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/utnet-meeting/ (ネットワーク部門) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 27 SC11 参加報告 スーパーコンピューティング部門の教職員が、2011 年 11 月 12 日から 18 日まで、 アメリカのワシントン州シアトルにて開催された SC11( International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis)に参加しました。本会議は、 高性能計算(HPC)分野では著名な国際会議であると共に、様々な情報技術関連企業 の技術展示会でもあります。本稿はその参加報告です。 1 はじめに 今回会場となったシアトルは、マイクロソフト、アマゾンといった、IT 産業の本拠 地となっています。また、ボーイングの旧本社があった場所でもあり、現在も同社の 巨大な工場や博物館が存在します。会期中は天候が悪く、気温が氷点下になることも ありましたが、アメリカ西海岸の主要商工業都市の 1 つとして華やかに発展した土地 であることが感じられました。日本企業との関係も非常に深く、食文化には日本食の 要素も多分に含まれており、回転寿司といった、アメリカではなかなかお目にかかれ ないものもありました。いずれの料理も非常に高いクオリティで、一週間の滞在を殆 ど苦もなく快適に過ごすことができました。 会場である Washington State Convention Center はシアトルの中心に位置するコンベン ションセンターで、2005 年の SC05 の会場にもなっています。SC の会場としては小さ い部類に入り、2005 年と同様、技術展示に関しては階が離れた 2 ホールを利用してい ました。また、各種ワークショップも周辺の高級ホテルを用いて行われ、建物間の移 動を余儀なくされる参加者が近郊にあふれていました。 今回のカンファレンステーマは「Connecting Communities through HPC」であり、す べての科学研究分野に対して横断的に注目されている Data Intensive Science を柱とし て進められ、これに付随する大規模化技術とデータ解析技術が主な展示内容となって いました。技術展示の方では、昨年は、GPU や InfiniBand といった要素技術が非常に 強く目立っていましたが、GPU コンピューティングをはじめとする Heterogeneous Computing に関してはすでに当たり前の動向として認識されており、多くのブースで みることはできたものの、特に GPU については昨年ほど目立った印象はありませんで した。そのほかの全体的な展示の特徴としても特に目立った新規要素技術は少なく、 むしろそれらが統合された(スーパー)コンピュータシステムやストレージシステム が多数展示されていると感じました。今回の SC では、10PFlops を達成した「京」や 東京工業大学の TSUBAME2.0 といった高性能スーパーコンピュータを中心に、これら を利用した研究・各種アワードで高い成果をあげたことにより、日本が大きく注目さ れる結果となりました。 28 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 2 SC について 本会議は、以前は Supercomputing-XY(XY:開催年)という名称で、1988 年フロリ ダ州オーランドで第 1 回が開催されてから、毎年 11 月にアメリカ各地を転々としなが ら開催されています。SC-XY という名前に変わったのは 1997 年で、Supercomputing-88 から数えて、今回で 24 回目の開催となります。 会議は、毎朝行われる基調講演や最大 2 並列で進む研究発表、今後のトレンドを占 う BoF(Birds of a Feather:特定のトピックを定めた小規模集会)、パネル討論、主要 技術の利用を助けるチュートリアルなどで構成されています。また、企業や各種研究 機関による、最新の製品、技術の展示発表も注目すべき内容となっています。 図1 3 富士通ブース・PRIMEHPC FX10 研究機関/企業展示 先にも述べたように、今回は前回までの要素技術の発展が実った統合システムの展 示が盛況で、富士通の「京」や情報基盤センターにも導入された PRIMEHPC FX10、 日立の SR16000、IBM に代わり Blue Waters を受注した CRAY の XK6、IBM の BlueGene/Q などが展示されていました。NEC や China Computer Federation は新たな CPU チップの 展示を行っており、前者は今後開発予定のベクトル計算機システム SX-X、後者は China Computer Federation のペタフロップスマシン神威藍光(Sunway Blue Light MPP)に利 用されるそうです。 また、Intel によるメニーコアプロセッサ Many Integrated Core(MIC)の最新機種、 最初の商用チップである Knights Corner(KNC)のお披露目がありました。50 コア以 上、ピーク性能 1TFlops 以上(倍精度実数演算)とのことです。今回の SC11 では、 KNC の一世代前の機種である Knights Ferry(KNF)を使用した成果が各ブースで発表 されていました。PC クラスタコンソシアムのブースでは、東京大学(石川研究室)で 開発された MIC 専用の通信ライブラリが紹介されており、MIC 同士が直接通信する実 演が行われていました。Oak Ridge National Laboratory(ORNL)では、既存の科学技術 計算プログラムを KNF(32 コア)へ移植した実例が紹介されていました。Intel によ れば、KNF では CPU と同じコンパイラが使え、MPI、OpenMP も利用でき、並列性能 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 29 も良好だそうです。GPGPU も含めて、今後の動向に注目する必要があるでしょう。 参加団体数は企業 207 件、研究機関 132 件と、総数としては年々増加傾向にありま す。 4 情報基盤センターによる展示 情報基盤センターは昨年に引き続き、T2K オープンスパコンを導入した筑波大学、 京都大学と協力して「T2K Open Supercomputer Alliance」という名でブース出展を行い ました(東大版の T2K オープンスパコンは「HA8000 クラスタシステム」のシステム 名でサービス提供中です)。 本ブースでは T2K 連携の一環として進めている e-Science プロジェクトについての 展示発表を行いました。このプロジェクトは小規模な PC クラスタから大規模なスパ コンまで様々な規模・種類のスーパーコンピュータで共通に使用できるソフトウェア 基盤の確立を目指しています。また今回は、ブースの半分を情報基盤センター自身の 紹介に利用し、教員の研究紹介や導入されたばかりのスーパーコンピュータである日 立 SR16000 および富士通 PRIMEHPC FX10 の紹介を行いました。 今回は、ポスターの掲示、紹介ビデオの上映、資料の配布と、様々な形式での展示 発表を行いました。さらに昨年に引き続き、プロジェクトについてのショートプレゼ ンテーションも実施し、多くの来場者に興味を持っていただきました。特に PRIMEHPC FX10 についての質問が多く、性能や「京」との関係について説明を行いました。 図2 T2K ブース全景とプレゼンテーション 30 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 図3 来場者へ研究内容を説明する教員 図4 5 T2K ブース集合写真 基調講演・招待講演 基調講演は「Exascale - An Innovator’s Dilemma」と題し、NVIDIA の CEO、Jen-Hsun Huang 氏が行いました。テーマは昨年の Clayton M. Christensen 氏の基調講演「How to Create New Growth in a Risk-Minimizing Environment」を強く意識しており、Disruptive Technology(破壊的技術)と Exascale HPC の関係を GPU コンピューティングの立場か ら述べた内容となっていました。 氏は、GPU コンピューティングこそが Disruptive Technology であったと述べました。 これまでの HPC 業界では、CPU の性能向上が年単位の性能電力比 1.68 倍程度であり、 このまま伸び続ければ 2020 年前後には 1EFlops に到達しますが、今後その伸びは鈍る と考えられています。スーパーコンピュータの電力として 1 つの区切りである 20MW を上限として考えると、2019 年には 70PFlops、2022 年には 100PFlops で、1EFlops に 至るのは 2035 年となります(図 5)。これは、現在の CPU が演算に用いるエネルギー は全体の数%であり、殆どを演算のスケジューリングやデータ管理に使っているから です。このため、電力効率のよいプロセッサが必要になりますが、このようなプロセッ サの開発は従来の CPU が目指していた、単一スレッド性能の向上という方向性とは違 うものです。 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 31 昨年の基調講演を行った Clayton M. Christensen 氏の著書「The Innovator’s Dilemma」 によれば、企業には、顧客や投資家の関心を集める必要があり、それには大きな市場 が必要となります。このため、大企業では、すでに大きな市場をもった従来技術を洗 練する持続的なイノベーションが行われますが、価値観の変動により、より洗練度は 低いが新しい価値観を持った新興企業の技術(Disruptive Technology)によって、大企 業が主導権を奪われることがあります。これを破壊的イノベーションと呼んでいます。 NVIDIA は、ゲーム用のローエンドな部分という潜在顧客を開拓した破壊的イノベー ションにより従来の GPU 供給企業を押さえ、トップ企業となりました。そして、近年 は CUDA による汎用的な演算を実現したことにより、HPC 業界の破壊的イノベーショ ンをもたらしています。GPU の技術を用いれば、2019 年までに 1EFlops の 20MW スー パーコンピュータができるであろうし、そのまま技術が発展すれば 2035 年には 100EFlops に達する見込みです。NVIDIA はこうした破壊的イノベーションを GPU 業界、HPC 業 界だけでなくスマートフォンなどのその他あらゆる業界に引き起こしていくと述べて いました。 筆者は昨年の Clayton M. Christensen 氏の講演を聴いていたこともあり、本講演を非 常にわかりやすく受け入れることができました。以前にも何回か Jen-Hsun Huang 氏の 講演を聴いたことがありましたが、氏の特徴としてゲーム画像を頻出させることがあ げられます。今回も Assassin’s Creed というゲームの画像を大迫力に上映したり、画像 を作成する過程などをデモしたりして、会場の関心を集めていました。 以上の基調講演の他にも、今年の柱トピックである「Data Intensive Science」に関し て NSF の Ed Seidel 氏による「The Data and Compute-Driven Transformation of Modern Science」が講演されました。また、ハイチなど貧困地域への情報技術援助を行った Inveneo の Robert Marsh 氏による「Addressing Development Challenges through Technology」、ヨー ロッパおよび中国でのスーパーコンピューティングコミュニティについて説明した Forschungszentrum Juelich の Achim Bachem 氏による「RACE - a vision for a sustainable European HPC infrastructure」、Beihang University の Depei Qian 氏による「HPC and e-Infrastructure development in China」といった講演が行われました。 図5 基調講演の模様(出典:Jen-Hsun Huang 氏の基調講演スライド) 32 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 6 Grand Challenge, Award, Technical Paper 6.1 TOP500/Green500/HPCC TOP500 List(http://www.top500.org/)は、世界のスーパーコンピュータの性能を、 LINPACK という、係数行列が密行列の連立一次方程式を解くベンチマークの処理速度 によって競うものです。1993 年の開始以来、6 月にヨーロッパで行われる会議である ISC と本会議 SC にて年 2 回の更新を続けています。 また、TOP500 の結果から、電力当たりの LINPACK 性能を比較したランキングとし て Green500(http://www.green500.org/)があります。TOP500 の上位の順位は、前回の ISC’111での結果と全く変わらず、第 1 位である「京」の性能が向上したにとどまりま した。一方 Green500 では、前回まではプロトタイプであった BlueGene/Q の導入が進 み、上位 5 つを独占するという結果になりました。 さらに、多面的にスーパーコンピュータの性能を評価する目的で作られた HPC Challenge(HPCC)という指標(http://icl.cs.utk.edu/hpcc/)があります。これは複数の ベンチマークアプリケーションにおいて同一のシステム構成で測定するものであり、 幅広いアプリケーションへの対応力が求められます。HPCC では、HPL、STREAM、 RandomAccess、FFT の 4 つを主要なベンチマークアプリケーションとし、それぞれの 上位を HPCC Award として発表しています。今回は「京」が 4 つのベンチマークアプ リケーションすべてにおいて第 1 位となりました。これは「京」の優秀さを強く世界 に印象づける結果となりました。 6.2 ACM Gordon Bell Award 大規模シミュレーションの実効性能および計算科学の成果を競う ACM Gordon Bell 賞では、理化学研究所の長谷川幸弘氏らによる「First-principles calculations of electron states of a silicon nanowire with 100,000 atoms on the K computer」が Peak Performance 賞 を受賞しました。本研究は次世代半導体の基幹材料として注目されているシリコン・ ナノワイヤ材料の電子状態を「京」の一部を用いて計算したもので、10 万原子規模の シミュレーションにおいて実効性能 3PFlops を達成しました。これは理論性能値の 43% 強であり、驚異的な効率です。発表会場には日本人の聴衆が多いようでしたが、部屋 の 7 割ほどが埋まっていました。また、性能は首位ではないものの、より高い科学的 成果を収めた研究に贈られる Special Achievement 賞は、東京工業大学の下川辺隆史氏 らによる「Peta-scale Phase-Field Simulation for Dendritic Solidification on the TSUBAME 2.0 Supercomputer」に与えられました。これは、合金の凝固過程において形成される デンドライト(樹枝状結晶)をシミュレーションするもので、実効性能は 2PFlops と なっています。なお、今回の Gordon Bell 賞の最終候補はどれも高い評価であったため、 その他の 3 チームに対しても Honorable Mention(奨励賞)が授与されました。このう ち、Simone Melchionna 氏の「Petaflop Biofluidics Simulations On A Two Million-Core 1 Digital Life Vol.17 p.34「26th International Supercomputing Conference(ISC’11)参加報告」 http://www.itc.u-tokyo.ac.jp/DigitalLife/Vol17/DigitalLife17.pdf Digital Life Vol.18 (2012.3) | 33 System」は東京工業大学の松岡聡氏、遠藤敏夫氏が共著となっています。 6.3 Graph 500 近年重要とされているスーパーコンピュータの大規模データ処理に利用されるグラ フ処理は、計算効率を上げづらいアプリケーションの 1 つとなっています。この性能 を競うものとして、SC10 から Graph 500(http://www.graph500.org/)というベンチマー クが発表されました。指標としては、グラフ構造の幅優先探索処理における TEPS (Traversed Edges Per Second:1 秒間に辿るグラフのエッジ数)を用います。前回の SC10、2011 年の ISC’11 に続き、今回が 3 回目のランキングの発表となりました。 TEPS 値は、前回は数百億程度でしたが、今回 1 位を獲得した NNSA/SC Blue Gene/Q Prototype II(4,096 nodes / 65,536 cores)は、それを大きく超える 2544 億を達成しまし た。また、50 件提出された結果のうち 7 割強はアメリカからのものでしたが、日本か らも 3 件の提出があり、東京工業大学の TSUBAME2.0 を使ったものが 1000 億 TEPS 超の結果を出し、3 位にランクインしました。会場は満員で、セッションも 15 分ほど 予定をオーバーして終了し、このリストも次第に盛り上がってきているように感じら れました。 6.4 Technical Paper 本会議の Technical Paper は非常にレベルの高い査読となっており、総投稿数は 353、 採択数は 74(21%)でした。日本からは 4 件の発表があり、うち 3 件は東京工業大学 からのものでした。中でも Leonardo Arturo Bautista Gomez らによる 「FTI: high performance Fault Tolerance Interface for hybrid systems」は、George Michael Memorial HPC Ph.D. Fellowships において Honorable Mention を授与されました。内容は大規模環境における 耐故障技術のフレームワーク提案となっており、故障種にあわせた階層型チェックポ イント、RAID にも用いられる Erasure Coding、耐故障に関わる各種コストのモデル化 により、効率の良い耐故障環境を提供するというものでした。 7 おわりに 今回の SC11 は、性能の高いハードウェア、効率の良いアプリケーション、質の高 い研究と三拍子そろった日本の活躍が目立つ会議となりました。これは今の日本の大 きな強みであり、GPU コンピューティングによってもたらされた新たな環境において も、ハード・アプリの密な協調を維持していくことが重要な課題であると考えます。 また、会場では、中国の高校生に見える子達が修学旅行のような体で参加している姿 が見受けられました。中国は HPC 分野にかなりの投資をしているようで、このような 動向があることを意識しなければ、せっかくのアドバンテージを失うかもしれません。 次回の SC12 は、2012 年 11 月 10 日から 16 日にかけてユタ州ソルトレーク市で開催 される予定となっています。 (スーパーコンピューティング研究部門 34 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 實本英之、中島研吾、鴨志田良和) 2011 年度コンピュータネットワーク研修報告 「2011 年度(平成 23 年度)コンピュータネットワーク研修」が、2011 年 12 月 13 日~15 日の 3 日間、情報基盤センターで開催されました。 本研修は、東京大学技術職員研修の一つとして情報基盤センターが担当し、毎年 11 月~12 月頃に開催しています。技術職員研修として実施していますが、受講者につい ては事務系職員の参加も可能なように考慮しており、実際、ここ数年の受講者は事務 系職員の割合が増えています。今回は 14 名の受講者のうち、技術系職員が 4 名、事務 系職員が 10 名でした。また、研修のうち実習を伴わない講義については、学内の教職 員及び学生の方等が講義ごとに受講可能なように、情報基盤センターのコンピュータ・ ネットワーク利用セミナーとして公開しました。 研修内容は、コンピュータネットワークの基本的技術のほか、情報セキュリティ・ ポリシー、迷惑メール・フィッシング対策及び電子証明書等のセキュリティ対策につ いての講義や実習となっています。また、今年は、昨年までの「PC 管理者から初級レ ベルのサーバ管理者」を対象としたものから「コンピュータやコンピュータネットワー クを利用する初心者レベルの利用者」を対象としたものへ研修内容の見直しを行いま した。管理者向けの研修又はセミナーについては、本研修とは別に実施することを検 討中です。 受講者の反応は、次のアンケート結果(抜粋)のとおり、有用度・活用度、満足度 ともに概ね好評なものでした。 なお、研修で配布した資料は、以下の URL の「『2011 年度(平成 23 年度)コンピュー タネットワーク研修』講義」からダウンロード(学内のみ)が可能です。 URL: http://www.itc.u-tokyo.ac.jp/Seminar/ ○アンケート結果(抜粋) 1. 研修内容の職場における有用度・活用度 (単位:名) 良 1. 2. ほぼ良 3. どちらで もない・普通 4. やや不良 5. 不 良 0 0 1.良 2.ほぼ良 3.どちらでもない・普通 4.やや不良 6 7 1 2. 研修全体の満足度 (単位:名) 良 1. 2. ほぼ良 3. どちらで もない・普通 4. やや不良 5. 不 良 0 0 5.不良 1.良 2.ほぼ良 3.どちらでもない・普通 4.やや不良 8 4 2 5.不良 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 35 実習の様子 閉講式 ○日程表 日 付 12月13日 時 間 9:00~ 9:30 (火) 講 義 等 の 内 容 受付 開講式・オリエンテーション・自己紹介 9:30~10:55 講義 12月14日 (水) 12月15日 講 師 若原教授 情報ネットワークの概要 中山准教授 11:00~13:55 講義 ネットワークセキュリティ基礎1&2 妙中助教 14:00~14:55 講義 迷惑メール・フィッシング対策 小川准教授 15:00~17:00 講義 不正アクセスの実状と対策 宮本助教 情報倫理と情報セキュリティ・ポリシー 柴山教授 10:00~10:55 講義 電子証明書とPKIシステム 佐藤准教授 11:00~12:00 講義 SSL-VPNによる学外からの学内情報へのアクセス 清田特任講師 13:00~14:00 実習 ケーブル作成 小薗主任 友西技術職員 14:15~15:35 講義 サーバの仕組みと安全性 関谷(勇)准教授 15:40~17:00 講義 安全なWWWの利用法 品川准教授 Web・コラボツール等の概略説明 佐藤准教授 10:00~12:00 実習 WWWによる情報発信・情報交換1 田中准教授 関谷(貴)助教 岩藤主任 13:00~13:30 見学 情報基盤センターネットワーク機器室 早野副事務長 13:30~16:00 実習 WWWによる情報発信・情報交換2 田中准教授 関谷(貴)助教 岩藤主任 9:00~ 9:55 講義 9:00~ 9:55 講義 (木) 16:00~17:00 レポート・アンケート作成 閉講式 36 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 丸山助教 若原教授 ○講義・実習の概要 ・講義 情報ネットワークの概要 各種サービスもネットワークがきちんと接続され、各種設定が正しく行われていないと 利用することはできない。そのため、ネットワークの基本的な考え方、各種 Ethernet に ついて紹介し、IP アドレスやドメイン名の考え方や利用方法について概説する。 ・講義 ネットワークセキュリティ基礎 ネットワークに接続したコンピュータは、日々ウイルスや情報漏洩などのセキュリティ リスクの脅威にさらされ、セキュリティ対策を講じる必要に迫られている。セキュリティ 確保のために必要な基礎知識を概観し、情報基盤センターが提供するサービスを中心に、 サーバ管理者から個人ユーザまで各レベルで実行可能な対策を紹介する。 ・講義 迷惑メール・フィッシング対策 迷惑メールやウイルス、DDoS 攻撃、フィッシング詐欺など、電子メールをターゲット とした脅威は複雑となり、ネットワークに接続している間は常に危険にさらされている。 このようなネットワークにおける危険を回避するために、セキュリティ対策は非常に重 要である。 本講義では、迷惑メールとフィッシング詐欺に注目して、管理者、利用者の双方の視点 で、被害者、加害者とならないための対策などについて紹介する。 ・講義 不正アクセスの実状と対策 最近の学内外での不正アクセスに関する状況を紹介し、事前対策の重要性を理解しても らう。 ・講義 情報倫理と情報セキュリティ・ポリシー コンピュータネットワークの普及に伴い、インターネットにおける誹謗中傷、著作権侵 害などのトラブルやコンピュータへの侵入、個人情報の流出などのトラブルが頻発して いる。誹謗中傷、著作権侵害などのトラブルを防ぐには、個々人の態度が重要であり、 情報倫理の徹底が求められている。コンピュータへの侵入、個人情報の流出などのトラ ブルを防ぐには、情報の管理に関して情報セキュリティ・ポリシーを定め、履行するこ とが求められている。 本講義では、情報倫理と情報セキュリティ・ポリシーについて、基礎的な概念から東京 大学における現状までを紹介する。 ・講義 電子証明書と PKI システム 学内外の Web アプリケーション・オンラインサービスにおいて、使用者の確認すなわち "認証"が重要な役割を持つ。特に機密情報を扱う場合やプライバシー保護が求められる サービスではより安全・確実な認証方法が必要である。また人の認証だけでなく場合に よっては使用しているパソコン、サーバなどのマシンの認証も行われている。 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 37 本講義では安全な認証方法として電子証明書および PKI システムを解説し、実際に活用 されている事例としてサーバ証明書を取り上げその実態を紹介する。 ・講義 SSL-VPN による学外からの学内情報へのアクセス 学内構成員向けに Web サービスとして提供されているさまざまな学術情報データベー スを、SSL-VPN 技術によって学外からも利用できるようにするサービスを紹介する。ま た、SSL-VPN 技術を各部局が独自に構築しているさまざまな Web システムに適用する 方法についてもデモを行う。 ・実習 ケーブル作成 パソコンを LAN に接続するときに使用する LAN ケーブルはパソコンショップで市販さ れているが、材料と工具があれば自分で作ることができる。 本実習では、実際にエンハンスドカテゴリー5 UTP ケーブルと RJ45 プラグを使い、ケー ブル作りを体験する。 ・講義 サーバの仕組みと安全性 この講義では、サーバ・クライアントモデルに基づき、普段利用者が何気なく利用して いるサーバというものの概念とその仕組み、ならびにその安全性について解説する。コ ンピュータの一般的なユーザであっても、コンピュータでファイル共有等を有効にする ことによって、実は自分が意識しなくともサーバの運用者になっている場合がある。こ のような意図しないサーバの運用も含め、コンピュータの利用者がサーバ・クライアン トモデルに基づきコンピュータを安全に利用するための方法について解説する。 また、サーバ・クライアントモデルの実例として DNS サーバをとりあげ、DNS の動作 原理、利用方法、利用時に注意すべき点をふまえ、一般的なユーザもサーバの利用者で あり、サーバの運用者となり得ることを実践的に解説する。 ・講義 安全な WWW の利用法 本講義では、普段 WWW を利用するに当たってセキュリティ上の問題が生じうる行為に ついて、具体的な事例を挙げながら紹介し、問題が生じる原理などの解説を通してセキュ リティに関する理解を深めることを目指す。 ・講義 Web・コラボツール等の概略説明 実習「WWW による情報発信・情報交換」の前に、Web やコラボツールの概略の説明を 行う。 主な内容: (1) Web アプリケーション、Blog, Wiki の概略 (2) 情報システムのアクセス制御 (3) SSL とサーバ証明書 38 | Digital Life Vol.18 (2012.3) ・実習 WWW による情報発信・情報交換 本実習は、WWW を通じた情報発信・情報交換の方法や技術を体験することを目標とす る。最初に受講者は HTML の基本的な書式を学んだ後、テキストエディタを用いて HTML ファイルを編集することで、Web ページを作成する。次に、Web 上の身近なコラ ボレーションツールである Wiki(PukiWiki)を用いて Web ページを作成し、HTML を直 接記述する場合との違いを体感する。最後に、教育を支援する環境の一つとして情報基 盤センターが学内に提供している CFIVE の使い方に触れる。なお、本研修の最終レポー トは CFIVE を用いて提出してもらう予定である。 (事務部) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 39 ECCS(教育用計算機システム)相談員の声 自分が相談員になったのは学部 2 年の 4 月、ECCS2008 の本格的な運用が始まった 時期だった。それから 4 年弱、ECCS2008 は役目を終え、次の ECCS2012 へと移行し ようとしている。そこでここでは、4 年間 ECCS2008 を末端から支えてきた者として その感想や次期システムに期待することを述べたいと思う。 ECCS2008 を一言で評価するなら非常によくメンテナンスの行き届いたシステムだっ たと思う。各種サービスがどれも決定的なダメージを受けることなく働き続けている のは ECCS の係の人の絶え間ない努力の賜物としか言いようがない。ユーザから見て も学生生活を送る上で必要十分な機能が提供されていると思う。相談員にしたら質問 は計算機の一般的な話題以外、システム固有の問題はホームページに対策が載ってい て慣れてくると淡々とこなすようになり面白みがないと感じるほどだった。 また同時にユーザや相談員の希望を取り入れて途中でいくつかのソフトウェアが導 入されたのが印象的だった。相談員の報告書はユーザからの質問に基づいて作られる ため大半の内容はすでに知られているものであり時々未知の問題が出た時に ECCS の FAQ が更新されるぐらいしか感じなかったが、一時期あった利用したいという相談を きっかけに Google Chrome が追加された時は報告書がフィードバックされていること を実感した。この方針はぜひ今後も貫いてほしい。 システムの移行にあたって、ECCS2012 では、相談員に寄せられる質問の中でも大 きなウエイトを占める印刷周りが大きく改善されるようだ。まず、ECCS 以外に使い どころのなかったプリンタカードが廃止されて生協のコピーカードに一本化される。 しかも市中の電子マネーも使えるとのことで利便性の向上が期待できる。さらに USB メモリから直接印刷できるファイル形式が増え、外部から ECCS2012 のプリンタへの 印刷がサポートされる。これらはユーザからの相談でしばしば散見されるものだった。 ここまで ECCS の賞賛ばかり書いてきたが、不満や不安がないわけではない。ECCS2012 では Mac 環境の他に Windows 環境との選択式になっている。自分の個人的な憶測で はユーザのうち半数は Windows 環境に移行するのではないかと思うが、つまり Windows 環境特有の問題や要望も多く湧き出てくることが予想される。それらに、今まで通り かそれ以上に対処してほしいと切に願っている。そして相談員としてはユーザの声を 橋渡しできるように努めたいと思う。 (駒場システム相談員 中安 淳) ECCS(教育用計算機システム)相談員とは:ECCS に関するユーザからの質問や相談に対応する、本学学生によ るアルバイトスタッフです。詳しくは以下のページをご覧ください。 http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/system/sodan.html 40 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 新任教職員紹介 原田 浩(はらだ ひろし) 特任専門職員 スーパーコンピューティング研究部門 はじめまして、2011 年 10 月からスーパーコンピューティ ング部門の特任専門職員として採用になりました原田 浩です。 スーパーコンピューティング部門で主に e-Science/HPCI に関 する業務を担当させていただいています。 e-Science 関連業務では、理化学研究所 計算科学研究機構 に設置された 88 ノードのクラスタを若手・女性研究者支援用に提供しており、現在の ところ順調に稼働しております。2012 年 2 月からは東京大学 柏キャンパスに設置さ れた 2 台のクラスタ計算機も実運用に入る予定で、アカウント整備、マニュアル執筆、 スケジューラ設定、MPI の動作確認等々の準備を進めている真っ最中です。研究者の 方々に快適に使っていただけるよう環境整備を進めていく所存です。 HPCI では、2 回の詳細設計ミーティングを経て 4 月からはテスト環境が、10 月から は本番環境の稼働が予定されています。 これまでスパコンで科学技術計算を行う場合、用途にあった計算機環境を有する計 算機センターに個々の研究者が個別にアカウントを申請・取得し、各々の計算機セン ターで別々にデータ管理を行わなければなりませんでした。HPCI では研究者をこうし た煩わしさから開放し、研究者がこれまで以上に研究に専念できる計算機環境を提供 する予定です。 具体的には、HPCI が実装を進めている計算機環境では、HPCI の課題審査をクリア した研究者に対して課題に適したスパコンが割り当てられ、複数の計算機センター間 での大規模データ共有を実現します。東京大学情報基盤センターは、HPCI の東拠点と して大規模分散ファイルサーバを構築・運用する予定で、石川センター長、實本先生 にリードしていただいて Gfarm ファイルサーバの構築を進めています。 10 月に HPCI の本番環境の運用を開始して安定稼働に至るまでには、たくさんの準 備作業が必要になるかと思いますが、HPCI 環境を構築することによって、日本の科学 技術の発展に少しでもお手伝いできればと思っております。 まだまだ不慣れで、スーパーコンピューティング部門の教職員のお力添えでなんと か仕事をこなしている状態ですが、一日も早く一員として認めて頂けるよう頑張って いく所存です。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 Digital Life Vol.18 (2012.3) | 41 問い合わせ先 情報メディア教育部門 http://media.itc.u-tokyo.ac.jp/ ECCS2012 教育用計算機システム http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/ ecc-support@ecc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23004(情報教育支援係) 駒場 46140(情報リテラシー教育支援係) MailHosting サービス MailHosting M(~2008 年 2 月) MailHosting D(2008 年 3 月~) http://mh.itc.u-tokyo.ac.jp/ http://mh-d.ecc.u-tokyo.ac.jp/ mailhosting-support@itc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23004(情報教育支援係) 駒場 46140(情報リテラシー教育支援係) WEB PARK ウェブホスティングサービス http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/ park-support@itc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23002(電子教材係) DNS ホスティングサービス http://dh.ecc.u-tokyo.ac.jp/ dh-support@ecc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23004(情報教育支援係) 駒場 46140(情報リテラシー教育支援係) 携帯端末接続環境 http://www.ecc.u-tokyo.ac.jp/system/mobile.html ecc-support@ecc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23004(情報教育支援係) 駒場 46140(情報リテラシー教育支援係) 講義用 WWW サーバ http://lecture.ecc.u-tokyo.ac.jp/ ecc-support@ecc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23004(情報教育支援係) 駒場 46140(情報リテラシー教育支援係) 学習管理システム CFIVE http://cfive.ecc.u-tokyo.ac.jp/ c5-support@mm.itc.u-tokyo.ac.jp 内線:駒場 44402(電子教材係) 教材作成支援 http://elearn.itc.u-tokyo.ac.jp/editing.html elearn-support@itc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23002 駒場 44403(電子教材係) 遠隔講義・会議システム http://elearn.itc.u-tokyo.ac.jp/dist-edu.html DistEdu-support@itc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23002 駒場 44403(電子教材係) ストリーミング、インターネットライブ中継 http://elearn.itc.u-tokyo.ac.jp/streaming.html elearn-support@itc.u-tokyo.ac.jp 内線:本郷 23002 駒場 44403(電子教材係) 42 | Digital Life Vol.18 (2012.3) 図書館電子化部門 http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ kiban-dl@mm.itc.u-tokyo.ac.jp GACoS(Gateway to Academic Contents System) literacy@lib.u-tokyo.ac.jp http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/ 内線:22649(学術情報リテラシー係) 東京大学 OPAC MyOPAC https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/myopac/ https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/iecats/ ・東大附属図書館 ASK サービス https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ask/ 携帯電話版 内線:22649(学術情報リテラシー係) ・システム障害 syskan@lib.u-tokyo.ac.jp 内線:22614(図書館システム係) E-JOURNAL PORTAL http://vs2ga4mq9g.search.serialssolutions.com/ https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ask/ ・東大附属図書館 ASK サービス 内線:22728(デジタル・ライブラリ係) 東京大学学術機関リポジトリ(UT Repository) http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ digilib@lib.u-tokyo.ac.jp 内線:22728(デジタル・ライブラリ係) 東京大学学位論文データベース http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/ digilib@lib.u-tokyo.ac.jp 内線:22728(デジタル・ライブラリ係) 学術研究支援ツール https://mbc.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/tools/ kiban-dl@mm.itc.u-tokyo.ac.jp 情報探索ガイダンス、出張講習会 literacy@lib.u-tokyo.ac.jp http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/training.html 内線:22649(学術情報リテラシー係) ネットでアカデミック http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/net.html literacy@lib.u-tokyo.ac.jp 内線:22649(学術情報リテラシー係) Litetopi(メールマガジン) http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/litetopi.html literacy@lib.u-tokyo.ac.jp 内線:22649(学術情報リテラシー係) Digital Life Vol.18 (2012.3) | 43 ネットワーク部門 https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/ 東京大学情報ネットワークシステム(UTnet) https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/ ・一般 nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp 内線:22750 03-5841-2750(ネットワーク係) ・申込み手続き request@nc.u-tokyo.ac.jp 内線:22750 03-5841-2750(ネットワーク係) ・通信障害 nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp 内線:22748 03-5841-2748(ネットワーク係) ネットワークセキュリティ、ウイルス対策ソフトライセンス https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/security/ ut-security@nc.u-tokyo.ac.jp 内線:22711(分散システムセキュリティ支援係) 迷惑メール対策サービス(メールサーバ管理者向け) https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/security/antispam/ antispam-support@nc.u-tokyo.ac.jp 内線:22711(分散システムセキュリティ支援係) ソフトウェアライセンス https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/software-license/ software-license@itc.u-tokyo.ac.jp 内線:22711(分散システムセキュリティ支援係) UTnet 無線 LAN 接続サービス https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/riyou/wlan/wlan.html nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp 内線:22750(ネットワーク係) BB モバイルポイントの学内アクセスポイント https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/riyou/bbmobile-announce.html livedoor Wireless の学内アクセスポイント https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/riyou/livedoor-announce.html サーバハウジングサービス https://www.nc.u-tokyo.ac.jp/riyou/housing/housing.html nocstaff@nc.u-tokyo.ac.jp 内線:22750(ネットワーク係) 44 | Digital Life Vol.18 (2012.3) スーパーコンピューティング部門 http://www.cc.u-tokyo.ac.jp/ スーパーコンピュータシステム http://www.cc.u-tokyo.ac.jp/support/reference.html 問い合わせ方法のご案内 ・利用申込み関係、手引き等請求 uketsuke@cc.u-tokyo.ac.jp 内線:22717, 82717 03-5841-2717(研究支援係) ・プログラム相談、システム利用に関する質問 soudan@cc.u-tokyo.ac.jp 内線:22712(システム運用係) 22713(システム管理係) ・システムに関する要望・提案 voice@cc.u-tokyo.ac.jp 内線:22712(システム運用係) 22713(システム管理係) 学際情報科学研究体 学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点 http://jhpcn-kyoten.itc.u-tokyo.ac.jp/ PKI http://www.pki.itc.u-tokyo.ac.jp/ SSL-VPN Gateway サービス http://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/sslvpn/service.html sslvpn-soudan@itc.u-tokyo.ac.jp サーバ証明書 http://www.pki.itc.u-tokyo.ac.jp/cerpj/ PublicServerCertificates@itc.u-tokyo.ac.jp ○本センターのサービスに関するご相談: concierge@itc.u-tokyo.ac.jp Digital Life Vol.18 (2012.3) | 45 ※ 各サービスの窓口は、巻末の問い合わせ先をご覧ください。直接お越しになる時は、サービスによって場所が異なりますので事前にご確認ください。 Information Technology Center, The University of Tokyo 〔本郷〕 〒113-8658 東京都文京区弥生 2-11-16 TEL: 03-5841-2710 FAX: 03-5841-2708 〒113-0033 東京都文京区本郷 7-3-1 〔駒場〕 〒153-8902 東京都目黒区駒場 3-8-1 〕 〒277-8589 千葉県柏市柏の葉 5-1-5 〔 柏 〕 総合図書館内 情報教育棟内 第 2 総合研究棟内 Digital Life Vol.18 (2012.3) 編 集・発 行 東京大学情報基盤センター広報誌委員会 編 集 長 :柴山 悦哉 編 集 委 員 :関谷 貴之、吉田 稔、関谷 勇司、實本 英之、 鴨志田 良和、伊藤 祥司、早野 裕士、永岡 陽香
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