2015.8.19 天体観察Ⅱ 夜の天体観察と観測 日 場 時:8/19(水)17:30~20:30 所:長岡市教育センター特別研修室 望遠鏡を操作して天体を観察する 1 指導のポイント (1) 天体望遠鏡を使って実物に触れる体験の充実 月のクレーターや木星の縞模様、土星の環など肉眼では見ることが難しい天体でも、天体望遠鏡 を使用すると細部まで観察することができ、その美しさに感動するだろう。このように天体望遠鏡 を使って実物に触れる体験を通して、写真や動画では得ることができない感動を味わうことができ、 天体への興味・関心が高まっていくと考える。 (2) 月の観察、記録の方法について 月に関する学習は、小学校第4学年、第6学年、中学校第3学年で行う。いずれも月の観察を行 い、その記録を基に学習が展開される。月の記録の仕方は、観察者から見える木や建物等を目印に して位置を捉えスケッチする。観察する日や時間を変えて複数回行い、月の動きを調べる。子ども が目で見てスケッチするこの方法では、月の位置の変化を正しく記録に表わせないことが予想され る。月の位置を「方位」と「高さ」で調べることによって、月の位置の変化を正しく捉えられるよ うになる。 鏡筒 ファインダー バランスウェイト 2 天体望遠鏡の使い方 天体望遠鏡で星を観察する場合、見たい星を望遠鏡に導入 架台 したり、視野から外れてしまった星を再び導入したりするに (赤道儀) は、望遠鏡を正しく操作する知識や技術が必要である。限ら れた時間の中で、子どもたちが充実した天体観察を行うため 極軸望遠鏡 には、教師が望遠鏡をスムーズに操作できるようにしておく ことが大切である。 (1) ファインダーの調整 三脚 ファインダーの役割は目的の天体を主望遠鏡の視野内に 天体望遠鏡各部の名称 導き入れることである。そのためには、主望遠鏡の中心線と ファインダーの中心線が平行になっていなければならない。遠くにある建造物の避雷針やアンテナ を目印にしてファインダーの向きを調整するとよい。暗くなってからの調整は難しいため、日中の 明るい間に済ませておく。 調整ねじ 調整前 中心線が平行になるように調整する ファインダー 調整後 ①避雷針の先端が主 ②ファインダーに見える避雷 望遠鏡の視野の中心 針の先端が視野の中心になる に見えるようにする。 ように調整する。 3か所ある調整ねじを回してファイ ンダーの向きを調整する。 (2) 天体望遠鏡の設置 天体望遠鏡は「架台」に取り付けて使用する。架台とは望遠鏡を自由に動かすことができる装置 で、 「経緯台」と「赤道儀」の2種類に大別される。 架台の種類 経緯台 赤道儀 仕組み 地面に対して水平方向と垂直方向に動く。 地球の自転軸に対して水平方向と垂直方向に動く 特 ○どの方角に向けて設置しても使うことが できる。 △天体を追尾する際、両方(水平・垂直)の ねじを操作しなければならない。 ○一つのねじを回すだけで導入した天体を容易に 追尾することができる。 △回転軸が地球の自転軸と平行になるように赤道 儀を「天の北極」に向けて設置する必要がある。 徴 「天の北極」とは自転軸の延長を指し、その方角を「真北」という。真北は方 位磁針で示す「磁北」とわずかにずれている。このずれは偏角と呼ばれ、観察す る場所によって異なる。長岡市では偏角が 7.4 度なので、磁北から 7.4 度東にず らした方角が真北である。各地域の偏角は国土地理院のホームページで調べるこ とができる。(国土地理院:http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geomag/index.html) 磁北 真北 偏角 7.4 度 西 東 長岡市における真北 3 月の観察キットの製作 月に向かってかざすだ けで月の高さを簡単に調 べることができる「月の 観察キット」を製作した。 月に向ける 高さを調べる 8 22 土 月の観察キット 【使い方】 ① 方位確認シートの上で月の方を向いて立ち、 月が見える方位を確認する。 ② 腕をまっすぐ伸ばし、キットの丸い窓に月を 導入する。 ③ 左側面の分度器と鉛直に垂れる糸から、月の 高さを読み取る。 ④ 月が見えた方位、高さ、月の形や傾き、時刻 をワークシートに記録する。 4 17:00 37 度 19:00 31 度 高さ 参加者の声 方位 方位確認シート ・天体望遠鏡の扱い方を分かりやすく教えてもらい、初心者でも操作できるようになった。 ・天体を観察するだけでなく、教材製作の実習もあって充実した研修だった。 ・月の観察・観測キットは、簡単に月の高さを測定できるので、小学校、中学校のどちらの授業で も役立ちそうだ。 晴
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