The Best From ITALY JAPAN SERVICE CO., LTD. Just Started ! Numero Zero 〒334-0013 埼玉県鳩ケ谷市南 7 丁目 33-1 ユタニ B3F TEL 048-284-9000 FAX 048-284-8900 http://www.msjapan.co.jp/ mail@msjapan.co.jp MSJ クラブニュース MSJクラブ機関紙創刊号 2009年7月15日発行 お待たせしました! 「MSJクラブ」が7月に発足 ◎全国のボディショップ、販売店の皆様へ 株式会社エムエスジャパンサービスは、全国のボ ディショップや販売店の皆様に向けて、新しいネット ワークとして「MSJクラブ」を設立し、7月1日よりサー ビスを開始しました。MSJクラブ会員のお客様だけ が受け取ることのできる新しいサービスです。皆様の 参加をお待ちしております。 ◎「新しい風」MSJクラブの設立趣旨 昨今、自動車産業が急速に勢いを失い、今後のボ ディショップ業界も先行きの不透明さを増してきて います。そのような中で、何を探し求めて、どんな情 報を集めていけば良いのか、不安を感じている経営 者もいらっしゃることでしょう。 このたび弊社は、機器やツールの販売のみならず、 世界のボディショップ用機器メーカーが集うイタリア やヨーロッパなどから、さまざまな業界情報はもとよ り、カロッツェリア情報などもあわせて発信していき ます。それはほかでもなく、会員の皆様が顧客を満 足させ、品質の高いサービスを提供していく道しるべ となるでしょう。技術情報や技術の先端を歩む機器 など、イタリアからの「新しい風 」を送り込もうと 「MSJクラブ」を設立いたします。 皆様の期待に応えるべく、活動の充実を図っていき たいと考えております。会の活動など、詳しくは13 ページをご覧ください。 創刊号目次 2・・・ イタリア訪問記レポート スパネージ社カロッツェリア・製造工場 8・・・チェボラCEBORA社 9・・・アウトプロモテック 10・・・カロッツェリア探訪(その1) フィレンツェ:カロッツェリア・プリマベーラ 12・・・イタリアの風 13・・・ 14・・・ 17・・・ 18・・・ 19・・・ 20・・・ MSJクラブ会員募集中 オートメンテナンスショー2009 モータースポーツをサポート イタリア直輸入の食材販売中 MSJアカデミー開講 無料講習会のご案内 MSJ クラブニュース創刊のご挨拶 株式会社エムエスジャパンサービス 代表取締役 マルコ・スタチオーリ 私どもはこのほど、日本のボディショップの皆様に向けて「MSJクラブニュース」を創刊します。とくに、当社がイタリ アより輸入販売しているボディリペア関連機器メーカーやカロッツェリアの声をはじめ、最新の技術情報や業界事情 など、その香りを少しでも早く、直接お伝えしたいと考えております。皆様のビジネスにとりましてお役に立てる内容と なることを願っております。 (注)カロッツェリア:ボディショップを意味するイタリア語 1 イタリアレポート(1) エムエスジャパンサービスは、イタリア・ボローニャで開催された「アウトプロモテック2009」へ の訪問と、イタリアを代表する車体修理機器メーカーであるスパネージ社のカロッツェリアと工 場、チェボラ社など業界を訪問するツアーを実施しました。 第一弾は、その一部をレポートします。 スパネージ SPANESI 社 カロッツェリアと 製造工場を訪問 オラツィオ社長、 動く姿は休みなく! ■Carrozzeria Spanesi (カロッツェリア・スパネージ) 車体修理作業に必要なあらゆる装置とツールを供 給するスパネージ社の創業は比較的新しく、今から 20年前の1989年。現在、総勢90人のスタッフが働 いている。パドヴァ市から約15km北、北方にアルプ スを望むサン・ジョルジョ・デル・ペルティケにある。 同社の敷地は全体で3万8,500㎡という広大さ。その うち1万㎡が工場設備に当てられている。カロッツェ リアの技術者の立場から、 「お客様をいかに満足さ せるか」を理念に、同社を立ち上げたアイディアマン のオラツィオ・スパネージ社長(写真上)のもと、若 いスタッフを中心に日々商品の研究開発に余念がな い。今回、カロッツェリア・スパネージとスパネージ社 の製造工場を訪問したのでレポートする。 2 カロッツェリアを創業したのは1969年。イメージカ ラーであるイエローの外観が特徴だ(左側下)。フロ ントには、会社を紹介するために映 像を流すモニ ターが壁に掛けられており、サービス案内や設備な どが繰り返し流されている。この映像がフロントに あることにより、お客様の安心につながるとともに、 保険会社にも大きなアピールできるツールとなってい る。 入庫した車両が工場に入っていくエントランスだ け、黄色とグレーのスパネージカラーのタイルが敷 かれている。工場内での車両管理がスムーズにでき るように、車両のルーフにはナンバーカップを置き、 どの車がいまどこでどういう状況なのかがわかるよ うにしている。このような仕組みはカロッツェリアとし ては訪問先のどこでも見受けるものだった。 また、すぐフロントの左側はホイールアライメントテ スターのピット、右側がボディ計測システム「タッチ」 での測定作業ができるように、壁面にスタンバイして いる。工場の床はカラーコンクリートで、真ん中の通 路を挟んで左側が板金エリア、右がビニールカーテ ンによって仕切られた研磨(プレパレーション)エリ アが6ベイ、一番奥に塗装ブースが置かれている。さ らに奥に進めば、ボディ修正やメカニカルなチェック をするスペースがある。 オラツィオ社長が40年ものあいだ、自ら考え実践 し、板金塗装関係の機器を育んできた現場と、製品 を実証した実地工場がここにある。 The Best From ITALY ◎ショールーム 本社屋のすぐ右側にショールームがある。室内 は、板金エリアと塗装エリアにはっきりと分けられ ている。床はコンクリートではなく、スパネージの イメージカラーであるイエローとグレーの2トーン でタイルが敷き詰められ、清潔さが保たれている のが第一印象だ。単に機器を展示する空間として ではなく、修理工場であるかのように作業の流れ を考慮したレイアウトになっている。手前は溶接 機、右側奥は埋め込み式タワーレールとリフト(右 上)、壁面にはハンドツールなどが整然と並んで いる(右中)。右側にはカウンターがあり、女性ス タッフが接客する。こういう雰囲気を醸し出すのも ボディショップの基本的なスタイルのようだ。 また訪問した際、左奥のリフトにはロータスSが 載っており、 「タッチ」の測定データとジグの取り 付けアタッチメントの確 認作業が 行われていた (右下)。データ作成を担当して5年になるリッカ ルドさんは、 「ここは理想的なボディショップの姿 であり、ここで働くのは誇りだ」と感想を話してく れた。 左側は塗装ブースとサンディングベイが設置さ れている。後者は、研磨スペースで集塵装置を備 えたもの(左下)。板金が終ったあとは、塗装の 準備を行うための下地作り。その工程を「プレパ レーション(準備)」という呼び方をしている。 3 ◎製造ラインと開発室 続いて見学したのは、建物の大半を占める製造を 受け持つ工場である。右側に100mほど伸びるのが ボディ修正関連機器の製造・組み立てラインで、左 側には塗装ブースの製造ラインがある。いずれも大 型のプレス機、工作機械が備えられている。リフト、 タワー、ジグなど、あらゆる金属パーツの鋳造、加 工、仕上げ、外板パネルなど部品を製造し、塗装の 仕上げもすべて自社で行っている(左上)。また、コ ンピューター診断機「タッチ」のシステムも、すべてこ こで検証してから出荷している。 また左側の建物にある塗装ブース部門の設計室で は、経験豊富なマネージャーをトップに20人ほどの スタッフが働いている(右中)。工場側とのコンサル ティングを進めた成果として作成された設計図に基 づき、塗装作業に必要とされる最適な条件を設定し て、個別に対応制御により夜間も自動加工を行って いるのが印象に残る(右上)。さらに、金属を加工し て残った端材を回収してリサイクルし、時宜にかなっ た取り組みして生産ラインにのせるのがスパネージ 社流のやり方である。すでに商品としてラインナップ されているのだが、現在の課題は「水性塗料に対応 するブースとして、最適な環境を整える商品を提供す ることだ」と社長は語っていた。 世界最高のギアシステムもここで開発されています ギヤシステム 4 CAD を使って 3D の工場レイアウトもできます。 あなたの最適の作業環境を提案します。 ぜひ、当社にご相談ください。 The Best From ITALY ◎会社を、ボディショップの技術を、 家族で支える ショールーム入口のオープンテラス。 ここでもゆったりとした気分で商談が可能だ オラツィオ社長の令嬢であるクリスティーナさん とその夫であるアンドレアさん。その他のスタッフ も家族が中心となって牽引しているのが同社の特 徴ともいえるだろう。若手社員たちを中心にチーム ワークよく、テキパキとよく働いているのが印象的 だ。 創業から20年。現在スパネージ社のネットワー クは世界各国に広がり、100を超える提携企業や 子会社も存在している。日本では、エムエスジャ パンサービスが担っているわけだが、その働きも 彼らにとって貴重な情報源となっている。 同社はこれからも、世界から集まってくる情報 をリサーチしつつ、絶え間なく新製品のリリースを 行っていくはずだ。 世界各地からやってくるバイヤーたちとの意見交換 スパネージ社製造工場の外観 スパネージ流 仕事の流儀 スパネージ社のランチはケータリングサービス。定時 にデリバリーのバンが到着して、毎日違うメニューで食事 が振舞われる。日本流にいえば、学校給食を思い浮かべ るとよいかもしれない。もっともこのランチは、世界各国 からやってくる代理店のバイヤーやボディショップの技術 者たちを接待するためであり、食事を大切にするイタリア 流のおもてなしといったところ。スタッフたちも、英語、フ ランス語、スペイン語なども堪能で会話も自由自在であ る。現場での意見にじっくりと耳を傾け、意見を交換しな がら交流を深めていくなかで、さらなる技術開発への道 が開かれる場となっていく。それは同社がますます伸び 続けようとする心意気なのかもしれない。 気になる味は?もちろん「ブォーノ(Buono)!」に決まっ てますよ。 5 SPANESI 社製品は、 多くのカーメーカーから認定されています スパネージ社は、自動車補修のあらゆる作業分野で製品を提供している。単品だけでなく、工 場レイアウトまでコンサルティングするのも同社の強みだ。ホームページからその実力を知ること ができる(上)。 「セリエ」と「タッチ」がトヨタ自動車の認証を受けた書面(右下)とともに、認証 を受けた関連機器はスパネージ社の製品が最も多い。各カーメーカーからの認証も表紙にある 通り(左下)。 6 The Best From ITALY ◆コンピュータ計測システム比較 仏ルノー社が SPANESI「TOUCH」を、高く評価! フランス・ルノーが「ボディショップ(車体整備業者)」向けに発行する商 品カタログの2009年版に、コンピューターボディ計測システムの比較表 が掲載されました。そのなかで、五つ星評価を受けたスパネージ社の 「タッチ」が最も高く評価されました。 7 The Best From ITALY ◎チェボラCEBORA社訪問◎ CEBORA社の本社はボローニャ郊外のカドリアー ノにある。創業は1954年で今年55年を迎えた溶接 機やプラズマカッターのメーカーである。近年は世界 各国の自動車メーカーから、サービス用機器として 認定を受けた商品も数多くなってきており、確かな 製品技術が生かされている。なお、メインの組み立 て工場は15km離れたところにあり、製品のアフター サービスセンターも同所内にある。 本社工場の従業員は180人ほど。工場内の製造ラ インには、工作機械メーカーとして世界に名を知ら れる日本のアマダ社製のコンピュータ制御の自動工 作加工機械がある(左下)。ここでは主に、新製品 の開発と一部の製品について組み立て工場を持って いる。とくに、新しい鋼板に対応した溶接作業に必 要なデータの作成を行っている。今後、アップデート されたデータは、オンラインでダウンロードでき、機 器に反映させる仕組みができあがる予定だ。 8 輸出担当のアントニオ・スコニャミリオ氏(右) 組み立て工場のラインでは女性が活躍する(右 下)。男性より女性のほうが製品の完成度にばらつ きがなく、 「正確さ」を重視するのが特徴だ。また同 社は、完成した製品すべて、一つひとつ完成検査を 行うことでより精度の高さをアピールする。10台のう ち何台かを抽出検査し、それでもって「可」とするの ではないというこだわりも、良い製品を生む土壌とい えよう。 同社は、一方で、溶接機だけでなく運搬や移動に 欠かせないキャスターのメーカーでもある。さまざま な製品を作り他の産業機器メーカーに供給している のもユニークな一面だ。 The Best From ITALY ◎AUTO PROMOTEC2009視察◎ ボローニャは、欧州で最も古く1088年に創設され たボローニャ大学があり、イタリアのプロフェッショ ナルな技術者が集う、いわば学問と技術が統合され た由緒ある町である。ここで隔年に開催される自動 車関連の総合展示会「アウトプロモテック」が、5月 20日から24日まで5日間、ボローニャ・フィエーラで 開催された。 独フランクフルトの「アウトメカニカ」や仏パリの 「エキップオート」などと同様に、近年は塗料メー カーの展示がほとんどなくなっている。しかしなが ら、それに対して塗装関連機器や溶接機、ボディ修 正機をはじめとするメーカーの多いイタリアからは、 本国での開催とあってこぞって出展していた。他の 欧州諸国に比べ、まだまだ元気な様子を伺わせた。 全般的には作業環境の改善や修理作業を確実に短 時間で行うための商品が開発されている印象だ。と くに、板金関連機器ではボディのコンピュータ測定 システム、測定ポイントを簡便にするアタッチメント などが目に付いた。 またイタリアでは、すべてのボディショップが水性 塗料を採用しているわけではなく、確実に水性へと 歩みを進めている移行期であることから、一般的に は水性と溶剤系とが混在しているのが実情。スプ レーガン洗浄器では、溶剤と水性の2槽タイプが数 多く出展されていた。ほかの塗装関連では、塗装作 業における環境改善機器。塗装作業での時間や材 料のコスト管理を行うシステムも見受けられた。 注目したのはメーカー名や個々の社名入りのプラ スチック(塩ビなど)のマスキングシート、シートカ バー、フェンダーカバー、ハンドル、 マットカバーなど、 工場内での作業で汚さないための消耗品。顧客の 大切な車を、工場の中でも汚さないで作業していく。 今まで業界ではあまり関心の持たれなかった商品だ と思うが、誰のためのサービスかを考えているショッ プには効果をもたらすはずだ。 ANI 社の展示ブース ガンマプラスト社のマスキングシート展示 9 フランコ・クィント社長(左) ■イタリア・カロッツェリア訪問■ その 1 Carrozzeria Primavera(フィレンツェ : カロッツェリア・プリマベーラ) 顧客満足度の高いサービス品質こそ、専門ショップに存在感 古都フィレンツェ。日本の京都と姉妹都市である。 14世紀からヨーロッパで始まったルネサンス文化の 華を世界に広げた歴史と文化の町として知られ、今 もなおその魅力を存分に伝えている町である。観光 地として世界各国から多くの人が集まる。市街地の 各所に立ち並ぶ多くの教会、建築物、彫刻、絵画な ど、多くの芸術が残っており、今もその姿を生きた形 で伝えている。 そんなフィレンツェの市街地南部、ルネサンス期の 代表的な画家の一人、ボッティチェッリの代表的な 絵画「プリマヴェーラ(春)」を会社の名前に冠する カロッツェリア・プリマベーラがある。世界芸術を生 んだ町にふさわしく、イタリアはもちろん世界を代表 する修理工場といっても過言ではない。カロッツェリ アとは、修理工場という意味だが、単に仕事をこなす だけでなく、常に厳しい目に鍛えられた職人たちの 熟練の技術が人間としての誇りをも磨いている。 社長のフランコ・クィント氏は81歳。経済学の博 士号と税理士の資格を持つ。同社は、同社が行って いるすべてのサービスにおいて、品質保証のための プレパレーション(研磨)作業場。工場内はとにかくきれいだ 10 国際規格であるISO9001(2002年版)と、ドイツを 起源として世界に広がる品質保証するシステムであ るTÜVの認証を取得している。25人の社員が一丸と なって、徹底した品質管理を行っていることも、当然 信頼を高める取り組みとして大きな力をもつ。 同社は表通りに面した立地にあり、フェラーリ、 マ セラッティ、ランボルギーニ、ポルシェなどの高級車 を専門に手がける指定工場である。もちろんそれ以 外の一般車も入庫する。 ヨーロッパ各国から顧客やメーカー担当者が来社 するため、フロント担当はイタリア語はもちろん、フラ ンス語、ドイツ語、英語を自在に話すことができる国 際的なスタッフも欠かせない。 入庫受付と工場とは遮断バーによって明確に区切 られている。工場内は全面タイルが貼られている。ボ ディ修正機は4基、修正機を備えたアルミボディ用の 作業室が1ベイある。天井と床から集塵する研磨エ リア4ベイ、塗装ブース2基、メカニックのための2柱 リフトが5基ある。 メカ作業用リフトと個人用ハンドツールボックス 「成功の秘訣は、 作業環境、整理整頓。 仕事への情熱こそ、 若さを持ち続けるコツである」 ( フランコ・クィント社長 ) 工場内はゴミとは無縁である。土曜、日曜は休業 で、その間に工場内を清掃会社に依頼するほど、徹 底した品質管理を行っている。いつでも道具類は整 然としており、どこにどんな機器やツールがあるかは 一目瞭然で、それを従業員がみな共有している。ま たそれぞれのツールボックスは個人管理で番号がふ られている。スプレーマンたちのブース内用ウェア、ス プレーガンも整然と並んでいる。塗装ブースのダクト は金属がむき出しではなく化粧紙が貼られているほ どで、クィント社長の微に細に、品質へのこだわりを 感じさせる。 従業員たちは、基本的に仕事の時間内には他人と 話すことをしない。与えられた目標に向かって黙々と 作業を進めている。それゆえほとんど残業もない。 「仕事がないと人は言う。けれども、自分のお客 にしたい人脈を作ることが基本。技術だけでなく、 レッカーサービス、顧客管理などもそういう人たちの ために提供することによって差別化が可能。こうした 顧客から特別な代金をもらわないが、しっかり対応 すればその結果当社に戻ってきてくれる。それがで きなければお客さんはディーラーに行ってしまうのだ から」と、クィント社長はキッパリと話す。 隣接する土地を駐車場用地として購入した。ま た、工場の裏地は更地になっているが、新工場を建 設する予定だ。実は、後継者を持たないのだが、それ でも81歳にして れるパワーを持ち、 「これからも工 場で働く従業員たちの将来や未来を考えなければな らない」と仕事に情熱を燃やしている。 一方、サービスに関しては貪欲である。屋外には レッカー車が4台あり、24時間レッカーにも対応す る。さらにバッテリー上がりをはじめ車両の故障に対 応したサービスカーも用意している。 このカロッツェリアこそ、 マルコ・スタチオーリ社長 が若かりし頃に修業して車体修理の仕事について手 ほどきとその流儀の多くを学んだ工場。今もなお、師 と仰ぎ尊敬してやまない修理工場の目指すべき姿に 映っているようだ。 緊急時のためのサービスカーとその内部。溶接機も備える 24 時間対応のレッカー車が並ぶ工場裏 11 《イタリアの風》・・・ちょっと一息 ■イタリア流朝ごはん■ 初めてのイタリア旅行。海外旅行に出かけると、ホテ ルでの朝食は「コンチネンタル」といわれるスタイルが多 い。パンやクロワッサンとともに、バターやジャムが出て いるのが一般的だ。 ホテルとは別に、家庭や観光スポットでなければ、コ ンチネンタルとは限らない。郷に入っては郷に従えという 思いが湧いたのだ。イタリアに到着した最初の朝。立ち 寄ったレストランでは、パンにつけるバターがないことに 気がついた。多彩なハムやサラミとともに、パンには、オ リーブオイルをかけるのがイタリア流なのだ。食卓には、 オリーブオイルしかないのである。頭のスイッチを入れ替 えることが必要で、 「なるほどこれがイタリアか!」と思っ た朝だった。植物性ゆえに健康にもよいということで好 まれるそうだ。 パンには・・・ ■フィレンツェ風ステーキ■ Bistecca alla Fiorentina フィレンツェ風ステーキ ワイングラスが邪魔していますが、、、、お分かりでしょうか 12 マルコ社長とパオロ常務のスタチオーリ兄弟は フィレンツェに近いヴィッキオ(Vicchio)という町 の出身である。フィレンツェのレストランで口にした 郷土料理の名物の一つに「ビステッカ」と呼ばれ る、豪快なTボーンビーフステーキがある。給仕して くれた大柄な男性も、さぞ好物なのだろうと思える ほど非常に印象的な料理だ。 素材は骨付きの牛肉(左上)。ステーキといって も鉄板の上で油やバターで焼くのではなく、炭火で 網の上でレアに焼くステーキなのである。特有の樹 木の炭を使い、塩とコショーだけのシンプルなも の。日本でもおなじみの備長炭のように、炭火特有 の香りがほどよく漂う。厚さは3センチほど。豪快に かぶりつくこともよし。ナイフでこそぎ落としてから 食べるもよし。レアなので当然肉の中身は赤いが、 臭みもなく柔らかく、ほどよい加減で食べられる (左下)。温かく、肉そのものの素材を味わうこと ができるので、なんともいえず芳醇な味だった。 ただ、腹ペコ状態であっても、いささかその迫力 に圧倒されて、少食の日本人だと多くを食べられな いかもしれないので、 くれぐれもご注意を。 The Best From ITALY MSJクラブからのお知らせ 会員募集中 !! ぜひ、ご参加ください ◎主な活動内容 (1)最新情報:会員様のための機関紙として「MSJクラブニュース」を、年間4回発行します。内容は、イ タリアのボディショップ用機器や塗料メーカー情報、ボディショップであるカロッツェリア情報をはじめ、 欧州で起こっている、カーメーカー、損保業界、車体修理、水性塗料、整備業界の情報、新製品情報な どを踏まえ、さらに日本のボディショップ業界の状況も加味しながらお伝えしていきます。また、会員登録 すれば随時メールマガジンでも入手可能です。 (2)最新技術習得:当社が今年開講予定の「MSJアカデミー」や各種セミナーなど、最新板金技術の 講習を受講することができます。受講者の技術レベルに合わせた内容を用意しております。現場で困っ ていること、また新たな技術を習得したいといった希望にも沿えて、必ずご満足いただける内容でセミ ナーを行っていきます。 (3)その他:インターネットなどを通じて、MSJクラブ会員様だけにさまざまなサービスを展開していきま す。 ◎会員特典 1.インターネットを利用して会員だけの最新情報を受け取ることができます。メールマガジンも随時発行 していきます。 2.MSJアカデミー、各種セミナー、情報交換会、親睦会などに参加できます(開催時に実費での参加と なります)。 3.イタリア直輸入のおいしいワイン、チーズ、オイルなど、日本でも指折りのイタリアン・レストランでしか 味わうことのできない食材を、ファミリーセール価格でご購入いただけます。 4.エムエスジャパンサービスが関わる、さまざまな関連のサービスを受けることができます。 ◎会員になるための条件 ・ボディショップ、塗料・工具販売店、部品商に属する業者であればどなたでも入会できます。また、法 人、個人のいずれも入会できます。ただし、SPANESI社のボディサービス機器、CEBORA社の溶接機、 USAG社のハンドツール、ANIやWALCOMの塗装関連機器、PIUSI等、弊社が取り扱っております商 品はもとより、CARBENCH、GLOBALJIG、SAICO、SAIMA、BLOWTHERMなどイタリア製の整備 機器を購入していること(確認できる写真をE-mailにて添付して送付願います)。 ・インターネットの環境が整っていること、電子メールのアドレスをお持ちの方(申し込み時にメールアド レスの事前登録を行っていただきます)。 ◎会費(年会費等)および活動のための諸費用 会費は、事務局の運営に充当する費用として年間1万円(2009年7月より1年間。途中で退会しても返還 いたしません)をいただきます。エムエスジャパンサービスの製品を購入していないメンバーの場合には、 年間2万円をいただきます。ただし、2009年度に限り、当社が販売する商品を新たに12万円以上購入さ れたお客様は、会費を免除いたします。なお、活動の中で講習会や親睦会などを開催する際には、実費 をいただくことがあります。 当会への加入は、弊社ウェブサイトを通じても申し込むことができます。 http://www.msjapan.co.jp/ この件につきましてのお問い合わせは、弊社(担当:ハットリ)までお知らせください。 FAX:03-6421-4130、Eメールmsjclub@msjapan.co.jp 13 The Best From ITALY オートメンテナンスショー2009に出展しました 2 年 に一 度 開 催されて いた「オートサ ービス ショー」が延期となったことを受けて、代わって6月 19日から21日までの3日間、東 京ビッグサイトで 「オートメンテナンスショー2009」が初めて行われ ました。 会場は「スペシャルインポートカーショー」も併設 され、3日間で約7万2,000人が訪れました。当社は 展示ブースで、ボディ修正機と計測システム「タッ チ」、溶接機、塗装関連機器、ハンドツールなど従 来から好評をいただいている商品の紹介をしたほ か、新商品として近々販売するいくつかのアイテムを 参考出品しました。今回はとりわけ、当社が1時間半 の専門セミナーを担当しました。 メインのセミナーは「 かるボデーショップ最前線ー 明日への準備ー」と題して2回、 「確かな診断と確か な技術」を裏付けるために必要なボディ計測システム 「タッチ」を柱に、溶接機やイタリアのカロッツェリア の環境対策を写真で紹介したほか、当社を含む3社 で共同出資したエコウェルディング社の沼田昭康社 長が、専用ワイヤー「EC300」を紹介しました。金曜 日の午後の会では、立ち見になるほど盛況でした。 さらに、会場で特別に設けられた塗装実演コー ナーでは、注目度の高まっている水性塗料対応機器 WALCOM「TD3」のプレゼンテーションを9回行い ました。終了後も質問する方が多く、来場者からの 関心の高さを感じました。 CEBORAとプントのほか、超高張力鋼板対応型半自動溶接用ワイヤー「EC300」も USAG ハンドツールの展示 14 車両管理用ナンバーカップ、マスキングシート、フェンダー用の マスキングシートも実車でサンプル展示。 ●ガンマプラスト「マスキングシステム」(仮称) ボディショップにおける作業場でお客様の大切な 車を、作業時に発生するパテ粉、金属の粉じん、塗 料ミスト、さらに作業者の靴やツナギの汚れから護り ます。入庫時から出庫時まで清潔に保つための使い 捨てタイプのマスキングシートです。 「シートカバー」、 「フェンダーカバー」、 「フットカバー」、 「ハンドルカ バー」、 「マスキングラップ」などがシステムとなってい ます。専用ディスペンサー(別売り)も用意してまいり ます。 また、ハイルーフやロングタイプの車でも、一人で マスキング作業ができるマスキングシートも用意して います。 新製品の「顧客車両管理システム」の参考出品。 来場者の高い関心は予想どおりでした。 展示会場で、当社がこれから発売する新製品を参 考出品しました。販売開始時期については、後日お 知らせしてまいります。 ●エコウェルディング「EC300」 前のページで紹介しましたエコウェルディング社 は、ヤシマ、エクシードと当社が共同で設立した会社 です。軟鋼板から高張力鋼板まで、安全で環境に優 しい半自動溶接機用ワイヤーです。 ●同「顧客車両管理システム」 入庫した顧客車両を容易に管理するためのシステ ム。工場内では1番から30番まである「ナンバーカッ プ」をルーフなど車両の見やすい箇所に置くことがで きます。その際、車両のカギも専用ボックスに掛けて 一括して保管できます。 カップには、 マグネットがついており簡単に着脱で き、しかも車両の中にある紛失してはいけない小物 類をカップに入れて保管することができます。 15 ■専門セミナー■ ■塗装実演コーナー■ ■展示ブース■ セミナーや展示を通じて、スパネージのタッチだけ でなく、TD3やANIの塗装関連機器の認知度も、 少しずつ上がってきています。 16 The Best From ITALY 《モータースポーツ クインタレッリ・コルセをサポート》 世界的に活躍する現役レーシングドライバーであるロニー・クインタレッリRonnie Quintarelli 氏が、大人から子供までを対象に、スキルアップのためのカートスクールを開講しています。特に、 メーカーワークス体制での活動を行い、日本のジュニア世代に向けてトップレベルのドライバーを 育成やドライビング技術、セッティング、メンタルコントロールなど、あらゆるものをドライバーに提供 しています。 エムエスジャパンサービスは、レーシングカートスクールのプロジェクトを運営するクインタレッリ コルセ社に協賛しています。 株式会社コルセ CORSE Co., Ltd. 〒215-0021 神奈川県川崎市麻生区上麻生3-13-1 TEL&FAX:044-712-8871 ロニー・クインタレッリRonnie Quintarelli プロフィール イタリア生まれ。6歳からゴーカートでモータースポーツに目覚める。2000年、イタリア選手権 「フォーミュラ・ルノー2000」でフォーミュラデビュー。2003年、活動拠点を日本に移し、全日 本 F 3 選 手 権 に 出 場 。翌 年 同 選 手 権 で シリ ーズ チ ャン ピ オ ン。6 月 2 0 日 、2 0 0 9 年 AUTOBACSSUPER GT第4戦GT500クラスで優勝した。現在は、活動の重点を日本に置き、 現役レーサーであるとともに、モータースポーツの普及と人材育成にも力を注いでいる。 MS・ワンワンクラブ 愛犬自慢(1) MSJクラブに「ワンワンクラブ」が発足しました。MSJクラブニュー スの癒しの場として、愛らしいお犬様自慢のコーナーを設けました。 我が家の愛犬を紹介していきます。 まず第1回は、当社国際部KさんのピッポPIPPO(♂)です。 イタリアのサッカー選手フィリッポ・インザーギの愛称から命名。 2008年2月7日生まれ。特技は誰とでもお友達になれること。爪も ヒゲも白い、珍しいポメちゃんです。 【投稿のお願い】①写真②犬種・名前③性別④生年月日⑤特技など、メールに写真を ピッポ(Pippo) 添付して msjclub@msjapan.co.jp までお送りください。 17 The Best From ITALY エムエスジャパンサービスからの味なお知らせ 【News】ワイン、チーズ、オリーブオイルなど、 イタリア直輸入の食材をお試しください イタリアから直輸入の各種チーズ、ワイン、オリーブオイルなど、 レストランで業務用にも使用されている食材を販売しております。 チーズは地域によってそれぞれに味が異なり、食文化がほんと うに豊かです。当社が扱うチーズのなかでも特に、ガイア社の「水 牛のモッツァレッラチーズ」が好評です。ガイア社のオーナーはな んと、2006年のサッカーW杯で優勝したイタリア代表チームの キャプテンであるファビオ・カンナバーロ選手です。 モッツァレラ・ディ・ブッファラチーズ 各種ワインを取り えています オーナーのファビオ・カンナバーロ氏とピノ・セーラ社長 ガイア社の水牛のリコッタチーズ アジアーゴチーズ チーズ詰め合わせセット一例 18 珍しい黒トリュフ入りカチョッタチーズも シチリア州・ルタ社のオリーブオイル The Best From ITALY 【News】 MSJアカデミーが 開講します 講師:ドリアーノ・ストゥラティ氏 イタリアの板金スペシャリストであるドリアーノ・ストゥラティDoriano Sturati氏が、9月末まで4ヶ 月、日本に滞在して講習会を開催します。そこで、イタリアで培われた最新の板金技術を私たちが 学ぶため、今後、各地でも講習会やセミナーを開催する予定です。皆様にとりまして、貴重な機会と なるでしょう。また当社商品センターでのセミナーのみならず、皆様からのご要望があれば、出張 サービス(有料)で個別に講習会を開催することもできます。日頃から悩んでいる板金技術の確 認、新しい技術を覚えてスキルアップを目指したい方など、ご要望にお応えすることができます。この 機会にぜひご検討ください。 ドリアーノ・ストゥラティ氏プロフィール (ホームページはhttp://www.battilamiera.com/) 14歳から自動車板金の世界に飛び込み26年の経験を持つ。イタリア・ヴィチェンツァでカロッツェ リアを営む。スパネージをはじめジグベンチ修正機のスペシャリスト。 ◆次回予告(次号は10月上旬発行予定です) ・イタリア訪問レポート第2弾「イタリアカロッツェリア訪問レポート」。カロッツェリアに学ぶエコ対策。 ・MSJクラブ。MSJアカデミーの詳細。MSジャパンサービスからのお知らせ、新製品情報・・・などを 掲載する予定です。 《CODA》 初めてイタリアを訪問しました。ほんの数日だけの滞在でしたが、見るもの聞くものを表面的に、簡単 に答えを出すことのできない深さを感じています。日本とイタリアって共通点がもっとあるのかなと 思っていましたが、むしろまったく違っているのかもしれません。形になったものには、人間が長い時 間を掛けて歩んできた歴史があり、文化的な背景がこめられています。 だから、なぜ違うのか、どうすれば解決できるのか?モノだけを眺めるのではなく、経営する人、現場 で使う人の立場などさまざまな角度から根本的に見ていくことが必要なのだと思わされています。世 界的に見ても自動車業界は元気がない印象を受けますが、どっこいイタリアは元気な感じを受けまし た。イタリアからの耳寄りな情報を中心に、このニュースで提供していきます。何かしら皆様のビジネス のお役に立つものでありたいと願っています。次回もお楽しみに。 (マーケティング部 服部浩巳) Copyright (c) 2009 MS Japan Service CO.,LTD All Rights Reserved これらのニュースは当社の許可なくコピーや転用して使用することはできません MSJクラブニュース 創刊号 2009年7月15日発行 発行元:株式会社エムエスジャパンサービス 本社:埼玉県鳩ヶ谷市南7-33-1 ユタニビル3F TEL : 048-284-9000 FAX : 048-284-8900 19 The Best From ITALY エムエスジャパンサービスからのお知らせ 月例講習会、好評開催中 かるボディショップへのステップアップ! 板金塗装の最新技術を、この目で確かめ、信じてください お客様各位 恒例の月例無料講習会は毎月末の土曜日を中心に下記の要領で開催しています。 「 かるボディ ショップ」となるためには、 「最新の板金塗装技術」を求めると同時に、来るべき次世代に向けて「環 境」と「安全」への対応が求められています。 弊社はボディショップのために、トータルカープランナーとしてイタリアから環境対応機器と最新技 術をご提案いたします。この講習会が利益の出るボディショップビジネスをサポートする足がかりとし て、有益な機会となることを願っております。皆様からのご参加を心からお待ち申し上げます。 また現在、板金作業のスペシャリストであるドリアーノ・ストゥラティDoriano Sturati氏もイタリアか ら来日中です。講習会では特に、イタリアにおける最新の板金技術を紹介する時間も設けました。ぜひ この機会を逃さず、多くを学んでください。 講習内容 ( 予定 ) ―板金塗装のトータルソリューション― デジタル式損傷診断装置 3Dマルチアライメント測定器SPANESI「TOUCH(タッチ)」 けるためにまず、正しい診断と確かな技術が必要であることを理解します。 作業効率向上のボディ修正装置 3次元ジグ式ボディ修正装置SPANESI「セリエ」 小破車も大破車も短時間でセット・リセット。さらに、衝突安全構造のアンダーボディのジグセット方法 を紹介します。 高性能な溶接・切断作業関連機器 インバーター式スポット溶接機SPANESI「プント」、多機能型ミ グ溶接機CEBORA「サウンドミグ」、超高張力鋼板専用ワイヤー「EC300」などを紹介します。 最新の水性塗料対応機器 乾燥用温風ガンANI「ドライヒート」、塗装ブース用エアー温度自動制御 装置WALCOM「TD3」などを紹介します。 新提案:作業環境改善ツール マスキング関連など、ボディショップの作業環境を改善する新製品を 紹介します。 日時: 2009年7月25日(土)、8月29日(土)、10月3日(土) 午前10時 ‒午後3時00分 場所: (株)エムエスジャパンサービス 商品センター 埼玉県川口市安行原1035-1 TEL048-298-5496 定員になり次第締切らせて頂きますので、本社(048-284-9000)までお早めにお申込み頂けますようお願い申し上げます。 20
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