JANOG10 – 2002/07/26 「キャリア系VoIP電話サービスの技術的考察」 ~「電話」としてのVoIP~ JENS株式会社 ネットワーク技術統括部 森 利行 VoIPでのサービス展開モチベーション 1996年個人向けInternet接続サービスを 定額料金2,000円で開始 – 接続料に大きく依存したビジネスモデルから の脱却の必要性 – 手っ取り早くキャッシュを稼ぎ、新規サービス 開発に充当したい 個人的に何か変わったことをやりたかった サービスに求められる要件 既存のネットワーク利用効率の最大化 – 帯域を埋める – ビットあたりの売り上げ増加 十分な利益幅が当初から期待できる事 – 競合に先駆けてのサービス提供 一定規模の市場が既に形成されている物 – 市場を育てる時間・コストを最小限に 従量制料金/ 市場原理が 十分に 従量制料金 /市場原理 が十分 に機能 していない/ 充分に きい市場 していない /充分 に大きい 市場 電話サービス 電話サービス システムに求められる要件 -心の中にあったもの- 完全を目指すのでなく、使ってもらえる物を きゅーおーえす??GW側でなんとかせい 困らない程度にスケールすること。いくら何でも 一千万加入は無いでしょ。 夜中起こされたくないので、信頼・安定性には気 をつけましょう。 標準はこの際忘れる システム寿命は3年と思え ↑なので投資回収は速やかに なんとしてもサービス開始1番乗り!! システムに求められる要件 -開始までの長かった(期間的には短かった)道のり- 96年当時GWの回線集積度が低かった INS1500に対応した製品がなかった DSPを用いるのが一般的でなかった 特にCall Routing/課金機能が貧弱だった 使える標準プロトコルがなかった 安定性は“無い”に等しかった 日本では“公-専-公”の一種として認可されていなかった 空前のDial-upブームでINS1500が引けなかった 風呂に入れなかった 現在の実現モデル-1 UNI PSTN 0120~ GW GW UNI PSTN NCC-IP 0A~J 特定の番号にかけたあと、相手先の番号をダイヤルする。 (セカンドステージダイヤリング セカンドステージダイヤリング) セカンドステージダイヤリング メリット PSTN メリット •UNIを を 使用 できるので 他事業者 との 手続 きが 必要無 •UNIを を使用できるので 使用できるので できるので他事業者 他事業者との との手続 手続きが きが必要無 必要無い い。。 使用できるので他事業者 できるので他事業者との 他事業者との手続 との手続きが 手続きが必要無 きが必要無い 必要無い •事業者間精算 事業者間精算システム 事業者間精算 システム 必要 ない •事業者間精算 事業者間精算システム システムも も必要ない 必要ない ない。 事業者間精算システムも システムも 必要ない。 ない。。 PSTN •増設 増設も に 増設 べて 容易 •増設 増設も もNNIに NNIに に比 比べて容易 べて容易 容易に に可能 可能 増設も べて容易に 容易に デメリット デメリット •APまでの までの料金 までの 料金 通常 電話料金 依存 •APまでの までの料金 料金が が通常の 通常の の電話料金に 電話料金に に依存する 依存する する までの料金が 料金が 通常の 電話料金に 依存する •コストメリット コストメリットが コストメリット •コストメリット コストメリットが が少 少ない ない コストメリットが 現在の実現モデル-2 PC ITS P Switch PS TN MGC H.323 GK ITS P-1 VoIP Gateway Public Inte rne t Cle a r in g Ho u s e ITS P-2 VoIP Gateway Firewal l ITS P-3 Switch Log server H.323 proxy MGCP proxy Firewal l JENS IP ba c kbo ne GateKeeper Firewal l GateKeeper VoIP Gateway Switch Log server Firewal l PS TN VoIP Gateway DB Firewal l Database Log server Switch DB Log server NMS Firewal l Database 現在の実現モデル-3 サービスの位置づけ – IP インフラ上で提供する1アプリケーション PSTN接続方法 – UNI(国内),UNI/NNI(海外) 使用プロトコル等 – 自網内呼制御および、CODECは独自 QoS – バックボーン設計時に必要帯域を考慮、別線・別VCを使用した りすることにより、実影響を最低限に – 各POP間の遅延・揺らぎは常時監視対象 現在の実現モデル-4 Security – 各POP内のGWをFWにより防御 POP – 国内・国際とも使用状況、顧客プロファイル、コストメリットを鑑み 設置 その他の利用方法 – 海外ITSP及び(日本国内への着信)、soft-phone事業者などへ のVoIPインフラとしての卸売り 将来の実現モデル -どうして大規模展開に慎重なの? NNI接続などを考えた場合、システムコストはあまり安価 でないことがわかったから 仮にシステムコストを抑えられてもそれ以外のコスト(営 業費用、手数料など)が大きいことがわかっていたから 顧客層を広げてARPUを落とすより、特定層へ集中する ことで、安定した利益を得るべきとの判断から 米国版“マイライン”後通信事業者がどうなっていったか を知っていたから もともと電話会社になる気はなかったから 他に低コストで始められる利益の大きいサービスはあっ たから まとめ: と今後の展開(予想) 目的・方針を明確にしないと、VoIPのメリットは生かせな い “理論”・“技術”に捕らわれ過ぎず、許容できる場合は、 妥協も必要 どうせやるなら早め早め 既存のPSTN網をわざわざ置き換えるような動きは後退 する 固定料金のVoIPがあまりにも急激に広まると経済に与 える影響が深刻 殆どのISPは大規模なVoIP展開は見送り、若しくは他社 サービスのOEM提供となる Toshiyuki Mori JENS Corporation Senior Manager Network Engineering & Operations tmori@spin.ad.jp
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