Keysight Technologies U5850シリーズ TrueIR 赤外線サーモグラフィの活用による ソーラーパネルの点検 Application Brief テスト上の問題 – システムを停止せずに迅速に潜在的な障害を 特定 – ホットスポットの検出 02 | Keysight | U5850シリーズ TrueIR 赤外線サーモグラフィの活用によるソーラーパネルの点検 - Application Brief はじめに 多くの国で太陽光発電の普及が進んでいます。ソーラーモジュール/システムのコストが急速に 低下し化石燃料による発電に匹敵する価格を実現できるようになったためです。中にはグリッド パリティを達成した国もあります。グリッドパリティとは、太陽光などの再生可能電力源が既存 の化石燃料電力源と同等または安価なコストで発電できるポイントです。既存の電力系統の普及 が難しい地域では、太陽エネルギーが現実的なエネルギー源の選択肢になっています。太陽エネ ルギーはクリーンで無尽蔵のエネルギー源です。国際エネルギー機関(IEA)が発表した“Technology Solar Photovoltaic Energy, Edition 2014”によれば、太陽エネルギーは2050年までに主要な電源 になる可能性があります。 ソーラーシステムは多数のソーラーパネルを用いて光電効果により太陽光を電気エネルギーに変 換しています。各パネルは数個のソーラーモジュールで構成され、各モジュールは太陽光を電気に 変換するソーラーセルのアレーで構成されています。ソーラーセルに欠陥があると発電が低下し、 出力効率の損失が発生します。日陰になる電池や動作しない電池は発電せずに、近くの直列接続 された太陽電池の電力を消費します。数千のソーラーパネルで構成されることもある太陽光ファー ムでは、個々のソーラーパネルの電気テストに時間と手間がかかります。このアプリケーション ノートでは、赤外線サーモグラフィを使用して欠陥のあるソーラーセルを迅速に特定する方法を ご紹介します。 ホットスポットの特定 ソーラーモジュールは最大出力時の温度係数が負なので、温度が上昇すると出力電力が低下しま す。このような温度特性では、赤外線画像スキャンが、ソーラーモジュールの障害の原因になる過 熱した太陽電池を検出したりその他の異常を特定したりするのに効果的なテスト手法です。図1は、 Keysight U5850シリーズ TrueIR赤外線サーモグラフィによって検出された、過熱したソーラーモ ジュールセルのホットスポットです。 図1. Keysight U5855A TrueIR赤外線サーモグラフィの赤外線画像スキャンにより、ソーラーパネル上で検出された 複数のホットスポットがピンク/赤で表示されています。 03 | Keysight | U5850シリーズ TrueIR 赤外線サーモグラフィの活用によるソーラーパネルの点検 - Application Brief 日陰(日陰の影響)によって生じるホットスポットの数を最小にするために、通常、メーカーはソー ラーパネルにバイパスダイオードを装着しています。しかし、バイパスダイオードには劣化や欠陥 の可能性があり、過熱の問題につながります。この影響を受けたセルが隣接セルを加熱し続ける と、発電電力が大幅に減少します。 Keysight U5855A赤外線サーモグラフィは320×240の高解像度により高品質の赤外線画像が得ら れるので、細部の詳細な情報が明らかになり迅速に問題を特定できます。0.07 ℃という優れた温 度分解能で−20 ℃∼ 350 ℃の範囲をカバーしているので温度の微小な変化も検出でき、クリアな 画像で問題を解析できます。 異常が発生している位置を容易に検出できるように、Keysight U5855Aの融合カメラモードでは 可視画像の上に赤外線画像を重ねて表示できます。特にソーラーファームのソーラーアレーに有用 です。記録された画像はTrueIR解析/レポート作成ソフトウェアツールにインポートできるので、 ツール上で既存テンプレートを用いて赤外線画像を容易に解析/編集してすぐにレポートを作成で きます(図2参照)。赤外線画像と可視画像を並べて表示して、さらに詳細に解析できます。 図2. TrueIR解析/レポート作成ツールの 既存テンプレートで作成した解析レポート 04 | Keysight | U5850シリーズ TrueIR 赤外線サーモグラフィの活用によるソーラーパネルの点検 - Application Brief Keysight TrueIR解析/レポート作成ソフトウェアの重ね合わせモードで赤外線画像の位置を手動 で調整して、必要な位置に重ねることができます(図3参照)。赤外線画像と可視画像の両方を重ね 合わせれば、容易に異常を特定できます。(注記:検出された異常を確認するには、これらの画像 を正常なセルの画像および適切な電気テストと比較する必要があります)。 図3. 2種類の重ね合わせモードで赤外線画像と可視画像を組み合わせれば、異常の位置を容易に特定できます (左:ブレンドモード、右:ピクチャ・イン・ピクチャ・モード) まとめ 赤外線サーモグラフィは、十年以上、ソーラーパネルの性能を検証するために使用されています。 赤外線解析を利用すれば、ソーラーシステムを停止しなくても動作不良や部品の欠陥を容易に検出 できます。U5850 Series TrueIR赤外線サーモグラフィのような機器を使用すれば、異常を検出し て必要なメンテナンスを予測でき、問題の重要度に基づいて優先順位を付けられます。これにより 間接的にメンテナンスコストを削減できます。 05 | Keysight | U5850シリーズ TrueIR 赤外線サーモグラフィの活用によるソーラーパネルの点検 - Application Brief myKeysight www.keysight.co.jp/find/mykeysight ご使用製品の管理に必要な情報を即座に手に入れることができます。 www.keysight.com/go/quality Keysight Electronic Measurement Group DEKRA Certified ISO 9001:2008 Quality Management System Keysight Infoline www.keysight.com/find/service 測定器を効率よく管理するためのオンラインサービスです。無料登録により、 保有製品リストや修理・校正の作業履歴、校正証明書などをオンラインで確認 できます。 契約販売店 www.keysight.co.jp/find/channelpartners キーサイト契約販売店からもご購入頂けます。 お気軽にお問い合わせください。 www.keysight.co.jp/find/trueIRimager キーサイト・テクノロジー合同会社 本社〒192-8550 東京都八王子市高倉町9-1 受付時間 9:00-18:00(土・日・祭日を除く) TEL 0120-421-345 (042-656-7832) FAX 0120-421-678 (042-656-7840) Email contact_japan@keysight.com www.keysight.co.jp © Keysight Technologies, 2015 Published in Japan, September 16, 2015 5992-0719JAJP 0000-00DEP www.keysight.co.jp
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