ECU フラッシュ プログラミング

dSPACE ECU Flash Programming Tool
ECU フラッシュ
プログラミング
For dSPACE ECU Flash Programming Tool 2.2.6
Release 2015‑A – 2015 年 5 月
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Also e 2015as
Rele
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お問い合わせフォームは、サポートチームがより迅速かつ効果的に問題点を取り扱うのに役
立ちます。
ソフトウエアのアップデートとパッチ
既存の dSPACE インストレーションに対して、最新のパッチをダウンロードしてインストールす
ることを強くお勧めします。ソフトウエアのアップデートとパッチについては、以下のサイトをご
覧ください。http://www.dspace.jp/goto.cfm/ja_0903
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dSPACE GmbH の登録商標です。その他のブランド名または製品名は、その企業または組
織の商標または登録商標です。
目次
本書について
5
本書で使用する記号と表記規則........................................ ...... 5
オンラインヘルプおよび PDF ファイルの利用............................. 6
関連ドキュメント....................................................................... 8
安全対策
11
警告...................................................................................... 11
dSPACE ECU Flash Programming Tool の基
本概念
サポートされる ECU インターフェースのタイプ.........................
設定オプション.......................................................................
DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する ECU フ
ラッシュプログラミングの原理.................................................
XCP on CAN を介した ECU フラッシュプログラミングの原理 ....
XCP on Ethernet または XCP on USB を介した ECU フラッ
シュプログラミングの原理.......................................................
ECU フラッシュプログラミングのためのメモリセグメント分割.....
ECU フラッシュプログラミングの異常終了........................... ....
dSPACE ECU Flash Programming Tool の使
用
dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎........................
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する方法..........
プロジェクトを作成または編集する方法..................................
フラッシュプロジェクトを選択する方法.....................................
ECU との通信をチェックする方法............................................
ECU のデータを検証する方法................................................
メモリセグメントを書き込む方法..............................................
ECU からデータをアップロードする方法..................................
dSPACE ECU Flash Programming Tool をリモート制御する
方法......................................................................................
ECU フラッシュプログラミング
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t
s 目次 t
dSPACE ECU Flash Programming Tool リファ
レンス
83
[About]............................................................................. .... 85
[Communication Check]........................................................ 86
[Configure Data Identifiers]ダイアログ............................... .... 86
[Configure Flash Project]ダイアログ........................................ 90
Configure Flash Project Wizard.............................................. 91
[Configure Interface Settings]ダイアログ................................ 92
[Configure Logical Memory]ダイアログ.................................. 98
[Configure Physical Memory]ダイアログ............................... 103
[Copy Flash Project]ダイアログ............................................. 105
[Delete Flash Project]........................................................... 106
[Disclaimer]....................................................................... .. 106
dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログ........ 107
[Exit].................................................................................... 109
[Flash Project Logfile]ダイアログ........................................... 109
[Help].................................................................................. 110
[Identifier Details]ダイアログ................................................ 110
[Language].......................................................................... 113
[Memory Segment Details]ダイアログ................................ .. 114
[Remove Selected Segment].............................................. .. 115
[Select ECU Flash Project]ダイアログ.................................. .. 116
[Upload Data from ECU]...................................................... 117
[Verify Data on ECU]......................................................... .. 118
dSPACE ECU Flash Programming Tool エラー
コード
121
dSPACE ECU Flash Programming Tool エラーコード.............. 121
フラッシュカーネルの設定
123
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool の基礎.................. 123
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を開く方法............. 124
フラッシュカーネルの設定を変更する方法............................ 125
索引
4
s
ECU フラッシュプログラミング
127
2015 年 5 月
本書について
本書では、dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用した ECU のフ
ラッシュメモリのプログラミングについて詳細な情報を提供します。
項目の一覧
本章の内容
本書で使用する記号と表記規則
5
オンラインヘルプおよび PDF ファイルの利用
6
関連ドキュメント
8
本書で使用する記号と表記規則
記号
本書では次の記号を使用します。
人身傷害につながる一般的な危険があることを示します。本
書の指示に従って危険を回避しないと、けがをする可能性
があります。
感電の危険があることを示します。本書の指示に従って危
険を防止しないと、死亡または重傷を負う可能性がありま
す。
物的な損害の危険があることを示します。本書の指示に
従って危険を防止しないと、物的損傷を招く可能性がありま
す。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
5
t
s 本書について t
注意すべき重要な情報(故障を回避するための注意など)を
示します。
作業を円滑に進めるのに役立つヒントを示します。
表記規則
本書では次の省略表記と書式を使用します。
%name% パーセント記号で囲まれた名前は、ファイルとパス名の環
境変数を表します。
< > 山形括弧で囲まれた表記は、任意のファイル名やパス名などを表
すワイルドカード文字またはプレースホルダを示します。
リンク先が別のドキュメントを参照する場合にドキュメントタイトルの
前に付記されます。
リンク先が dSPACE HelpDesk で提供されている別のドキュメントを参
照していることを示します。
特別なフォルダ
ControlDesk Next Generation や AutomationDesk などの一部のソフト
ウエア製品では、次の特別なフォルダを使用します。
共通プログラムデータフォルダ アプリケーション固有の設定データ用
の標準フォルダで、すべてのユーザが使用します。
%PROGRAMDATA%\dSPACE\<InstallationGUID>\<ProductName>
ドキュメントフォルダ ドキュメント用の標準フォルダで、各ユーザ固有の
フォルダです。
%USERPROFILE%\My Documents\dSPACE\<ProductName>\
<VersionNumber>
ローカルプログラムデータフォルダ アプリケーション固有の設定データ
用の標準フォルダで、現在の非ローミングユーザが使用します。
%USERPROFILE%\AppData\Local\dSPACE\<InstallationGUID>\
<ProductName>
オンラインヘルプおよび PDF ファイルの利用
目的
6
s
dSPACE ソフトウエアをインストールすると、インストールした製品に関す
るドキュメントがオンラインヘルプまたは Adobe® PDF ファイルとして参
照できるようになります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s オンラインヘルプおよび PDF ファイルの利用 t
オンラインヘルプ
オンラインヘルプ(dSPACE HelpDesk)を使用するには
Windows の[スタート]メニュー [スタート]メニューから[(すべての)プロ
グラム] – [<製品名>] – [dSPACE HelpDesk (<製品名>)]を選択して、選択
した製品のスタートページから dSPACE HelpDesk を開きます。また、イ
ンストールされている他のソフトウエア製品およびそれにサポートされる
ハードウエアのユーザマニュアルに移動して検索することもできます。
状況依存ヘルプ 現在アクティブなコンテキストのヘルプを表示するに
は、F1 キーを押すか、または dSPACE ソフトウエアの[Help]ボタンをク
リックします。
いくつかのソフトウェア製品では、文脈依存ヘルプは入手可
能ではない。
dSPACE ソフトウエアの[Help]メニュー メニューの代わりにリボンを使
用する dSPACE ソフトウエア(ControlDesk Next Generation など)では、
次の手順でオンラインヘルプにアクセスすることができます。
n ユーザインターフェースの右上隅で
をクリックして、現在アクティ
ブな製品に関する dSPACE HelpDesk のスタートページを開きます。
n ご使用の製品のバックステージビュー(リボンタブ左端)で[Help]をク
リックして dSPACE HelpDesk にアクセスし、ドキュメント構造内の移
動やテキストの検索を行います。
n ご使用の製品の作業領域内に[Start Page]がある場合は、dSPACE
HelpDesk 内の製品固有の情報へのリンクが含まれています。
ECU フラッシュプログラミング
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t
s 本書について t
PDF ファイル
PDF ファイルは、次の方法で利用することができます。
dSPACE HelpDesk ドキュメント名の先頭にある PDF リンクをクリックし
ます。
リボンバー付きの dSPACE ソフトウエア ご使用の製品のバックステー
ジビュー(リボンタブ左端)で[Help]をクリックして dSPACE HelpDesk にア
クセスします。
をクリックすると、PDF 形式のユーザマニュアルがある
フォルダが開きます。
関連ドキュメント
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用して ECU のフラッシュメモ
リにプログラミングを行う際には、次のドキュメントも併せて参照すること
をお勧めします。
関連ドキュメント
dSPACE Release のドキュメント
新機能と移行手順
現在の dSPACE Release のすべての dSPACE ソフトウエア製品の新機
能について説明しています。以前の dSPACE リリースからの変更がな
い、または変更が少ないソフトウエア製品についても概要を示します。
また、以前の dSPACE リリース、特に以前の製品バージョンからの移行
手順についても、必要に応じて説明します。
8
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s 関連ドキュメント t
ソフトウエアのインストレーションおよび管理ガイド
dSPACE ソフトウエアのインストール手順および操作手順について詳し
く説明しています。また、dSPACE ライセンスの管理方法についても説
明しています。
ハードウエアの設置および設定
ECU インターフェースハードウエア設置および設定
dSPACE の ECU インターフェースを使用して ECU をホスト PC に接続
する方法が、詳細に説明されています。また、上記インターフェースと
接続ケーブルに関するデータシートが付属しています。このドキュメント
は、特定の ECU に関する十分な知識を持ち、その ECU にデバイスを
接続した際の影響を熟知しているユーザを対象にしています。
適合インターフェース
DCI-GSI1 機能リファレンス
DCI‑GSI1 を使用して適合タスクとバイパス処理タスクを実行するため
に必要な情報をハードウエア中心に提供します。
DCI-GSI1 セットアップアプリケーションノート
このドキュメントはアプリケーションノートで、DCI-GSI1 を使用するお客
様にはクイックスタートガイドとしてご利用いただけます。DCI‑GSI1 を
ECU に接続する際の最初の手順、および DCI‑GSI1 の設定方法につい
て説明します。DCI‑GSI1 を ControlDesk Next Generation で使用する
ために A2L ファイルを適応させる方法についても説明します。
DCI-GSI2 機能リファレンス
DCI‑GSI2 を使用して ECU 適合、計測、機能バイパス処理および ECU
フラッシュプログラミングタスクを実行するために必要な情報をハードウ
エア中心に提供します。
DCI-GSI2 セットアップアプリケーションノート
本書はアプリケーションノートであり、DCI-GSI2 ユーザにはクイックス
タートガイドとしてご利用いただけます。DCI‑GSI2 を ECU に接続する際
の最初の手順、および DCI Configuration Tool を使用して DCI‑GSI2
を設定する方法について説明します。計測および適合ツール
(ControlDesk Next Generation など)と接続した DCI‑GSI2 を使用す
る、および DCI-GSI2 をバイパス処理に使用する(RTI Bypass Blockset
と併用するなど)ために A2L ファイルを調整する方法についても記載し
ています。
ECU サービス
dSPACE Calibration and Bypassing Service 実装
ユーザの ECU コードに dSPACE Calibration and Bypassing Service を
実装し、ECU アプリケーションの C コードを修正してサービスを設定す
る方法について説明します。
dSPACE Calibration and Bypassing Service Feature
Reference
Provides feature-oriented information that you need to carry out
calibration, bypassing and measurement tasks using the dSPACE
Calibration and Bypassing Service.
dSPACE XCP Service 実装
ユーザの ECU コードに dSPACE XCP Service を実装し、サービスを設
定する方法について説明します。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
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s 本書について t
XCP 機能リファレンス
dSPACE XCP Service および XCP サービスが実装されている ECU を
ControlDesk Next Generation または RTI Bypass Blockset と併用する
ために必要なさまざまな機能について説明します。
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s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
安全対策
本章の内容をよくお読みになり、安全上の注意事項を遵守してください。
警告
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する場合は、下記の注意
事項を遵守してください。
ECU フラッシュプログラミング
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s 安全対策 t
危険性
この製品の使用には危険を伴う場合があります。下記の安全上の注意
事項、およびユーザ向けドキュメントに記載されている関連表示を遵守
してください。
警告
不適切な使用または不注意は、重大な人身傷害または物的
破損の原因になります。
dSPACE ECU Flash Programming Tool は、接続している電
子システムに直接影響を与える可能性があります。
n dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用できる
のは、この製品を使用するのに適した人、および上記の
危険性と影響を十分に理解している人に限られます。
n dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する場合、
ユーザは、プログラミングまたは再プログラミングされる電
子システムによる影響を受けるシステム全体が安全な状
態であること、たとえば車両のエンジンが動作していない
ことを確認する必要があります。プログラミングおよび再
プログラミングは、電子システムをリセットする効果があり
ます。ユーザはまた、プログラミングまたは再プログラミン
グされる電子システムが、dSPACE 製の ControlDesk
Next Generation のような適合ツールなど他のツールの
影響を同時に受けないこと、および他のツールが同時に
アクセスしないことを確認する必要があります。
n この注意事項は、プログラミングおよび再プログラミングと
同様に、dSPACE ECU Flash Programming Tool のデータ
検証や通信チェックなどの機能を使用する際にも適用さ
れます。
n dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用して、電子
システムの個別の部分をプログラミングまたは再プログラ
ミングすることもできます。プログラミングまたは再プログ
ラミングを行う部分の決定および選択については、ユーザ
が全責任を負います。電子システムの個別の部分のプロ
グラミングまたは再プログラミングは、電子システム内の
不整合につながる場合があり、それによりシステムの誤
動作が発生する可能性があります。
上記の記述は、ソフトウエアの使用がユーザによる対話形式
によるものか、またはコマンドラインによる自動的なものかに
関わらず適用されます。
責任
12
s
ユーザの責任において指示や警告に従ってください。該当するユーザド
キュメントに記載された個々の安全上の注意事項、警告、およびその他
の指示に違反して、本製品の未熟な操作またはその他の不適切な使用
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s 警告 t
を行うことは寄与過失を構成し、dSPACE GmbH、その販売代理店、仲
介者、および子会社はこれに起因するいかなる損害に対しても責任を
負わず、場合によっては、完全に責任を除外されます。いかなるその他
の適用法令、個別の契約および該当する一般取引条件による責任の
除外または制限も何らの影響も受けません。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
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s 安全対策 t
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ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
dSPACE ECU Flash Programming
Tool の基本概念
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool で、さまざまな ECU タイプのフ
ラッシュメモリをプログラミングすることができます。dSPACE ECU Flash
Programming Tool を使用する ECU フラッシュプログラミングの原理は、
使用する ECU インターフェースの種類によって異なります。
ECU のフラッシュメモリのプログラミングとは、新しい ECU アプリケーショ
ンコード、適合ツール用データ、ECU ブートコードなどをフラッシュメモリ
に書き込むことを意味します。フラッシュメモリに書き込まれたデータは、
その ECU で恒久的にアクティブになります。
書き込むデータは、ECU イメージファイルとして用意する必要がありま
す。このファイルは、HEX、MOT、S19、または SREC ファイルです。ECU
イメージファイルには、適合ツール用データ、コード(ECU アプリケーショ
ンコード/ECU ブートコード)、またはコードと適合ツール用データの両
方を格納することができます。
項目の一覧
本章の内容
サポートされる ECU インターフェースのタイプ
16
ECU のフラッシュメモリは、ECU インターフェースを使用してプログラミングさ
れます。
18
設定オプション
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、いくつかの設定オプションが
用意されています。
DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する ECU
フラッシュプログラミングの原理
19
DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 による ECU フラッシュプログラミン
グには、いくつかの要件があります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
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t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
XCP on CAN を介した ECU フラッシュプログラミングの原
理
24
XCP on CAN を介した ECU フラッシュプログラミングには、いくつかの要件
があります。
XCP on Ethernet または XCP on USB を介した ECU フラッ
シュプログラミングの原理
27
XCP on Ethernet または XCP on USB を介した ECU フラッシュプログラミン
グには、いくつかの要件があります。
ECU フラッシュプログラミングのためのメモリセグメント分割
30
dSPACE ECU Flash Programming Tool では、ECU アプリケーションのニー
ズに従って、ECU のフラッシュメモリをいくつかの領域(論理メモリセグメン
ト)に分割することができます。各論理メモリセグメントに対して、個別にプロ
グラミングおよび消去を行うことができます。これにより、ECU のフラッシュメ
モリの特定の部分を選択してプログラミングすることができます。
ECU フラッシュプログラミングの異常終了
34
ECU フラッシュプログラミングオペレーションが異常終了する場合がありま
す。これは、オペレーションが完了する前に停止したことを示します。これに
はさまざまな理由があります。
サポートされる ECU インターフェースのタイプ
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する場合、ECU のフラッ
シュメモリのプログラミングは ECU インターフェースを介して行われま
す。
サポートされる ECU インター
フェースのタイプ
dSPACE ECU Flash Programming Tool で、次の ECU タイプのフラッシュ
メモリをプログラミングすることができます。
n DCI‑GME1 を実装した ECU
n DCI‑GSI1 を実装した ECU
16
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ECU フラッシュプログラミング
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s サポートされる ECU インターフェースのタイプ t
n DCI‑GSI2 を実装した ECU
n
n
DCI‑GSI2 を実装した ECU は、XCP on Ethernet 経由
でホスト PC と通信します。dSPACE ECU Flash
Programming Tool を使用して、DCI‑GSI2 を実装した
ECU でのフラッシュプログラミングを設定し、実行する
には、XCP on Ethernet ECU インターフェースタイプの
インターフェース設定を指定する必要があります。
DCI‑GSI2 を実装した ECU でのフラッシュプログラミン
グは、dSPACE Calibration and Bypassing Service の
一部を含む dSPACE フラッシュカーネルに基づいて行
われます。ただし、dSPACE ECU Flash Programming
Tool のすべてのフラッシュプログラミング設定を指定
できるわけではありません。一部の設定は、DCI
Configuration Tool で設定する必要があります。
n XCP on CAN を実装した ECU
n XCP on Ethernet を実装した ECU
n XCP on USB を実装した ECU
ECU とホスト PC の間の物理
接続
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する ECU フラッシュプロ
グラミングでは、ECU とホスト PC を接続する必要があります。
ECU
ホスト PC への接続
DCI‑GME1 を実装し
た ECU
DCI‑GSI1 を実装した
ECU
DCI‑GSI2 を実装した
ECU
XCP on CAN を実装
した ECU
DCI‑GME1 は、USB を介してホスト PC に接続(直接またはキャリブレーションハ
ブを介して)されます。
DCI‑GSI1 は、USB を介してホスト PC に接続(直接またはキャリブレーションハブ
を介して)されます。
DCI‑GSI2 は、Ethernet を介してホスト PC に接続されます。
XCP on Ethernet を
実装した ECU
XCP on CAN を実装した ECU は CAN を介してホスト PC に接続され、CAN イン
ターフェースによって通信を実行します。現在、dSPACE ECU Flash Programming
Tool では、以下の CAN インターフェースがサポートされています。
n DCI‑CAN1
n キャリブレーションハブ
n Vector 社製 CAN インターフェース:CANcardXL、CANcardXLe、CANcaseXL、
VN16xx、VN5610、VN7600、VN8900
n Kvaser 社製 CAN インターフェース:Leaf Professional、USBcan II、USBcan
Professional、 Memorator Professional、LAPcan、LAPcan II
n Eberspächer Electronics 社製品:FlexCard Cyclone II、FlexCard Cyclone II
SE、FlexCard USB
XCP on Ethernet を実装した ECU は、Ethernet インターフェースを使用してホス
ト PC に接続されます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
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t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
ECU
ホスト PC への接続
XCP on USB を実装
した ECU
XCP on USB を実装した ECU は、USB を介してホスト PC に接続(直接または
キャリブレーションハブを介して)されます。
XCP on USB を実装した ECU に書き込みを行うには、dSPACE ECU
Flash Programming Tool で dSPACE XCP on USB サービスが必要で
す。また、専用の USB アダプタを ECU に実装する必要があります。
詳細については、dSPACE までお問い合わせください。
設定オプション
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、次の設定オプションが用
意されています。
ユーザの役割の選択 適合エンジニアやフラッシュプログラミング担当
者などのさまざまなユーザの役割を、dSPACE ECU Flash Programming
Tool で指定することができます。これにより、たとえば、既存のフラッ
シュプロジェクトが誤って変更されることを防ぐことができます。
Seed & Key DLL の追加時にツールの動作を事前定義する 設定オプ
ションを使用すると、Seed & Key DLL をフラッシュプロジェクトに追加す
る際の dSPACE ECU Flash Programming Tool の動作を事前定義するこ
とができます。
n dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用して、Seed & Key DLL
を常にフラッシュプロジェクトにコピーするように設定することができ
ます。
n dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用して、Seed & Key DLL
を常にフラッシュプロジェクトで参照するように設定することができま
す。
n dSPACE ECU Flash Programming Tool では、Seed & Key DLL をコ
ピーするか、参照するかを常にユーザに確認するように設定すること
ができます。
設定オプションの設定方法について詳しくは、dSPACE Support サポート
にお問い合わせください。
18
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ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する ECU フラッシュプログラミングの原理 t
DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する
ECU フラッシュプログラミングの原理
目的
本章の内容
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する ECU フラッシュプロ
グラミングの原理は、使用する ECU インターフェースの種類によって異
なります。DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する ECU フ
ラッシュプログラミングの要件と基本手順について、下記に記載します。
「DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 による ECU フラッシュプログラミ
ング」(19 ページ)
「dSPACE フラッシュカーネル」(19 ページ)
「ブートチェック関数を使用しない ECU フラッシュプログラミングプロセス」
(20 ページ)
「dSPACE フラッシュカーネルのダウンロードと起動」(20 ページ)
「ブートチェック関数を使用しないフラッシュプログラミングプロセスの概要」(21 ペー
ジ)
「ブートチェック関数を使用する ECU フラッシュプログラミングプロセス」(21
ページ)
「dSPACE フラッシュカーネルのダウンロードと起動」(22 ページ)
「ブートチェック関数」(22 ページ)
「ブートチェック関数を使用するフラッシュプログラミングプロセスの概要」(23 ページ)
「サポートされる ECU フラッシュプログラミングのコンセプトの比較」(24
ページ)
DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または
DCI-GSI2 による ECU フラッ
シュプログラミング
フラッシュプログラミング機能は ECU アプリケーションとは統合せずに、
フラッシュカーネルと呼ばれる独立した小さなアプリケーションに統合し
ます。dSPACE ECU Flash Programming Tool 内からフラッシュオペレー
ションを要求すると、ホスト PC から ECU RAM にフラッシュカーネルがダ
ウンロードされ、アクティブにされます。その後、ECU はフラッシュカーネ
ルを実行し、ECU のフラッシュメモリをプログラミングする準備が整いま
す。
dSPACE フラッシュカーネル
dSPACE フラッシュカーネルは、dSPACE Calibration and Bypassing
Service(より正確にはサービスのフラッシュプログラミング機能)とご使用
の ECU のフラッシュメモリで使用するカスタムフラッシュドライバで構成
されます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
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t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
フラッシュの機能を個別のフラッシュカーネルに統合すると、次の 2 つの
主要な利点があります。
n 標準の ECU アプリケーションのサイズが抑制されるため、追加する
必要がある RAM やフラッシュメモリを非常に少なくすることができま
す。
n ECU アプリケーション内の欠陥により誤りのあるコードが実行されて
も、ECU のフラッシュメモリを誤ってプログラミングまたは消去するリ
スクはありません。
適切な dSPACE フラッシュカーネルについては、dSPACE に
お問い合わせください。
DCI-GSI1 を介したフラッシュプログラミングに使用する
dSPACE フラッシュカーネルを既にお持ちの場合は、DCIGSI2 を介したフラッシュプログラミングにも再利用することが
できます。
ブートチェック関数を使用しな
い ECU フラッシュプログラミン
グプロセス
DCI-GSI1 および DCI-GSI2 を介した ECU フラッシュプログラミングは、
ブートチェック関数を使用しないで実行することができます。これにより、
正常に機能しない ECU(フラッシュメモリが空である、またはフラッシュメ
モリの内容が破損している ECU)のフラッシュメモリをプログラミングする
ことができます(ブレインデッドフラッシュ)。
ブートチェック関数を使用しない DCI‑GSI1 による ECU フラッ
シュプログラミングは現在、一部のプロセッサではサポートさ
れていません。詳細については、dSPACE までお問い合わせ
ください。
dSPACE フラッシュカーネルのダウンロードと起動 DCI‑GSI1 または
DCI‑GSI2 を装備した ECU に対して、ECU コードに統合されたブート
チェック機能を使用しないで書き込みを行う場合、DCI‑GSI1 または
DCI‑GSI2 は ECU のリセットをトリガして、ECU アプリケーションを直ちに
停止します。ECU の RAM に dSPACE フラッシュカーネルがロードされて
起動します。その後、ECU は dSPACE フラッシュカーネルを実行し、フ
ラッシュコマンドの受信が可能になります。フラッシュツールは消去コマ
ンドとプログラムコマンドのシーケンスを送信して、新しい ECU アプリ
ケーションコード、ECU ブートコード、適合ツール用データを ECU に書き
込みます。
20
s
ECU フラッシュプログラミング
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s DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する ECU フラッシュプログラミングの原理 t
ブートチェック関数を使用しないフラッシュプログラミングプロセスの概
要 DCI‑GSI1 または DCI‑GSI2 を装備した ECU における、ブートチェッ
ク関数を使用しないフラッシュプログラミングプロセスの概要を下図に示
します。矢印は処理の順番を示します。
ECUフラッシュメモリ
アプリケーション
(ブートチェック関数を使用しない)
用途
dSPACEフラッシュカーネル
DCI-GSI1
または
DCI-GSI2
次の処理ステップが実行されます。
1. DCI‑GSI1 または DCI‑GSI2 は ECU のリセットをトリガします。
2. ECU がリセットされます。
3. DCI‑GSI1 または DCI‑GSI2 は、リセット後に直接 ECU を停止し、
dSPACE フラッシュカーネルを ECU の RAM にロードします。
4. ECU が dSPACE フラッシュカーネルを起動します。
5. ECU が dSPACE フラッシュカーネルを実行します。
6. dSPACE フラッシュカーネルは、dSPACE ECU Flash Programming
Tool からフラッシュプログラミングコマンドを受信します。
7. ECU フラッシュプログラミングが実行されます。
ECU フラッシュプログラミング作業が終了するまで、最後の 2 つの手順
を繰り返します。
ブートチェック関数を使用する
ECU フラッシュプログラミングプ
ロセス
DCI-GME1、DCI-GSI1 および DCI-GSI2 を介した ECU フラッシュプログ
ラミングは、ブートチェック関数を使用して実行することができます。
ECU フラッシュプログラミング
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t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
ブートチェック関数 DCI‑GME1、DCI‑GSI1 または DCI-GSI2 を装備した
ECU のフラッシュメモリにプログラミングを行うには、ご使用の ECU コー
ドに 1 つのブートチェック関数を統合する必要があります。ECU がブート
されるたびに、関数はフラッシュオペレーションの要求があるかどうかを
確認します。ある場合は、dSPACE フラッシュカーネルがダウンロードさ
れます。
ブートチェック関数を統合するときは、ECU コード内で(可能な場合は
ECU のブートコード内で)可能なかぎり早く呼び出されるようにしてくださ
い。これにより、ECU ソフトウエアの一部にエラーがある、または一部が
破損している場合でも、ECU に書き込みを行うことができます。
ブートチェック関数は個別の小さなモジュールとして提供され、dSPACE
Calibration and Bypassing Service の一部です。関数の詳細について
は、「dsecuboot_check」 ( 『dSPACE Calibration and Bypassing
Service 実装』)を参照してください。
dSPACE フラッシュカーネルのダウンロードと起動 ECU をフラッシュす
ると、DCI‑GME1、DCI‑GSI1 または DCI‑GSI2 がフラッシュ要求をツール
RAM の dSPACE メールボックスに送信し、ECU にリセットをかけます。
ECU が再起動すると、dSPACE Calibration and Bypassing Service の
ブートチェック関数は保留中のフラッシュ要求があるかどうかチェックし
ます。フラッシュ要求がある場合、ECU のブートチェック関数は dSPACE
フラッシュカーネルが ECU の RAM にロードされて起動するまで待機し
ます。その後、ECU が dSPACE フラッシュカーネルを実行します。ECU
ではフラッシュコマンドを受信する準備ができています。フラッシュツール
は消去コマンドとプログラムコマンドのシーケンスを送信して、新しい
ECU アプリケーションコード、ECU ブートコード、適合ツール用データを
ECU に書き込みます。
22
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する ECU フラッシュプログラミングの原理 t
ブートチェック関数を使用するフラッシュプログラミングプロセスの概要
DCI‑GME1、DCI‑GSI1 または DCI‑GSI2 を装備した ECU で、ECU コード
に統合されたブートチェック関数を使用するフラッシュプログラミングプロ
セスの概要を下図に示します。矢印は処理の順番を示します。
ECUフラッシュメモリ
用途
dSPACEフラッシュカーネル
dSPACEメールボックス
DCI-GME1、
DCI-GSI1、
また
はDCI-GSI2
次の処理ステップが実行されます。
1. DCI‑GME1、DCI‑GSI1 または DCI‑GSI2 がフラッシュ要求を ECU メモ
リ内の dSPACE メールボックスに送信し、ECU にリセットをかけます。
2. ECU がリセットされます。
3. ECU は、フラッシュ要求があるかどうかをチェックします。ある場合
は、ECU は待機します。
4. DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 は、dSPACE フラッシュカー
ネルを ECU の RAM にロードします。
5. DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 は、dSPACE フラッシュカー
ネルのダウンロードが完了したことを示す信号を dSPACE メールボッ
クスに送信します。
6. ECU が dSPACE フラッシュカーネルを起動します。
7. ECU が dSPACE フラッシュカーネルを実行します。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
23
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
8. dSPACE フラッシュカーネルは、dSPACE ECU Flash Programming
Tool からフラッシュプログラミングコマンドを受信します。
9. ECU フラッシュプログラミングが実行されます。
ECU フラッシュプログラミング作業が終了するまで、最後の 2 つの手順
を繰り返します。
サポートされる ECU フラッシュ
プログラミングのコンセプトの
比較
フラッシュプログラミングの各コンセプトの主な特徴を以下にリストしま
す。コンセプトの決定の際にお役立てください。
ポイント
ブートチェック関数を使用 ブートチェック関数を使用す
しない ECU フラッシュプ る ECU フラッシュプログラミ
ログラミング
ング
DCI‑GSI1/DCI-GSI2 デバッグインターフェース
をサポート
前に行われたフラッシュプログラミングオペ
レーションで問題が発生した場合、ECU が停
止
ECU コード要件の調整
機能していない ECU への書き込み
ECU 外部ウォッチドッグのサポート
"フラッシュ有効"識別子のサポート
一部のデバッグインター
フェース 1)
–
すべてのデバッグインター
フェース
✓ (ECU リセット後も、ECU
はブートローダに常駐)2)
–
✓
制限あり
–
✓
–
✓
✓
1)
2)
詳細については、dSPACE までお問い合わせください。
フラッシュ有効識別子のチェックが有効な場合「"フラッシュ有効"識別子」(43 ページ)を参照してください。
XCP on CAN を介した ECU フラッシュプログラミングの原理
目的
本章の内容
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する ECU フラッシュプロ
グラミングの原理は、使用する ECU インターフェースの種類によって異
なります。XCP on CAN を使用する ECU フラッシュプログラミングの要件
と基本手順について、下記に記載します。
「XCP on CAN を介した ECU フラッシュプログラミング」(25 ページ)
「XCP フラッシュカーネル」(25 ページ)
「dSPACE XCP ブートローダ」(25 ページ)
「XCP フラッシュカーネルのダウンロードと起動」(26 ページ)
「フラッシュプログラミングプロセスの概要」(26 ページ)
24
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s XCP on CAN を介した ECU フラッシュプログラミングの原理 t
XCP on CAN を介した ECU フ
ラッシュプログラミング
フラッシュプログラミング機能は ECU アプリケーションとは統合せずに、
フラッシュカーネルと呼ばれる独立した小さなアプリケーションに統合し
ます。dSPACE ECU Flash Programming Tool 内からフラッシュオペレー
ションを要求すると、ホスト PC から ECU RAM にフラッシュカーネルがダ
ウンロードされ、アクティブにされます。その後、ECU はフラッシュカーネ
ルを実行し、ECU のフラッシュメモリをプログラミングする準備が整いま
す。
XCP フラッシュカーネル
XCP フラッシュカーネル(dSPACE XCP フラッシュカーネルなど)は、1 つ
の小さな XCP サービスとご使用の ECU のフラッシュメモリで使用するカ
スタムフラッシュドライバで構成されます。
フラッシュの機能を個別のフラッシュカーネルに統合すると、次の 2 つの
主要な利点があります。
n 標準の ECU アプリケーションのサイズが抑制されるため、追加する
必要がある RAM やフラッシュメモリを非常に少なくすることができま
す。
n ECU アプリケーション内の欠陥により誤りのあるコードが実行されて
も、ECU のフラッシュメモリを誤ってプログラミングまたは消去するリ
スクはありません。
適切な dSPACE XCP フラッシュカーネルについては、dSPACE
にお問い合わせください。
dSPACE XCP ブートローダ
ECU フラッシュプログラミングを実行するには、ご使用の ECU コードに
dSPACE XCP ブートローダを統合する必要があります。ECU がブートさ
れるたびに、dSPACE XCP ブートローダはフラッシュオペレーションの要
求があるかどうかを確認します。ある場合は、XCP フラッシュカーネルが
ダウンロードされます。
dSPACE XCP ブートローダを統合するときは、ECU コード内で(可能な場
合は ECU のブートコード内で)可能なかぎり早く呼び出されるようにして
ください。これにより、ECU ソフトウエアの一部にエラーがある、または一
部が破損している場合でも、ECU に書き込みを行うことができます。
ほかの XCP サービスが ECU コードに統合されている場合は、dSPACE
XCP ブートローダを ECU コードに統合しないで ECU フラッシュプログラ
ミングを実行することもできます。ただし、安全上の理由から dSPACE
XCP ブートローダを使用することをお勧めします。
適切な dSPACE XCP ブートローダについては、dSPACE にお
問い合わせください。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
25
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
XCP on CAN を実装した ECU に書き込みを行うとき、dSPACE ECU
Flash Programming Tool は ECU で実行中の XCP サービスにフラッシュ
要求を送信します。XCP サービスは、フラッシュ要求を受信すると ECU
リセットをトリガします。ECU の再起動時に、dSPACE XCP ブートローダ
は保留中のフラッシュ要求があるかどうかチェックします。ある場合は、
dSPACE XCP ブートローダにより XCP フラッシュカーネルのダウンロード
とアクティブ化を処理します。ECU は、ECU の RAM に XCP フラッシュ
カーネルがロードされて起動するまで待機します。その後、ECU が XCP
フラッシュカーネルを実行します。ECU ではフラッシュコマンドを受信する
準備ができています。フラッシュツールは消去コマンドとプログラムコマ
ンドのシーケンスを送信して、新しい ECU アプリケーションコード、ECU
ブートコード、適合ツール用データを ECU に書き込みます。
XCP フラッシュカーネルのダウ
ンロードと起動
ECU で実行中の XCP サービスがない場合は、dSPACE ECU
Flash Programming Tool は ECU のリセットをトリガすること
ができません。この場合、dSPACE ECU Flash Programming
Tool が ECU に接続しようとしている間に、ECU のスイッチを
オフにして再度電源をオンにするなどの方法により、ECU を
手作業でリセットする必要があります。
XCP on CAN を実装した ECU の ECU フラッシュプログラミングプロセス
の概要を下図に示します。矢印は処理の順番を示します。
フラッシュプログラミングプロセ
スの概要
ECUフラッシュメモリ
2
3
dSPACE XCPブートローダ
4
XCPサービスが実装された
ECU
9
6
ECU RAM
1
5
7
26
s
XCPフラッシュカーネル
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
8
dSPACE ECU Flash
Programming Tool
搭載のホストPC
s XCP on Ethernet または XCP on USB を介した ECU フラッシュプログラミングの原理 t
次の処理ステップが実行されます。
1. dSPACE ECU Flash Programming Tool が、ECU で実行中の XCP
サービスにフラッシュ要求を送信します。XCP サービスは、フラッシュ
要求を受信すると ECU リセットをトリガします。
2. ECU がリセットされます。
3. dSPACE XCP ブートローダが実行されます。
4. dSPACE XCP ブートローダは、フラッシュ要求があるかどうかをチェッ
クします。ある場合は、ECU は待機します。
5. ECU の RAM に XCP フラッシュカーネルがダウンロードされます
(dSPACE XCP ブートローダによって処理)。
6. ECU は XCP フラッシュカーネルを起動します(dSPACE XCP ブート
ローダによって処理)。
7. ECU が XCP フラッシュカーネルを実行します。
8. XCP フラッシュカーネルは、dSPACE ECU Flash Programming Tool
からフラッシュプログラミングコマンドを受信します。
9. ECU フラッシュプログラミングが実行されます。
ECU フラッシュプログラミング作業が終了するまで、最後の 2 つの手順
を繰り返します。
XCP on Ethernet または XCP on USB を介した
ECU フラッシュプログラミングの原理
目的
本章の内容
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する ECU フラッシュプロ
グラミングの原理は、使用する ECU インターフェースの種類によって異
なります。XCP on Ethernet または XCP on USB を使用する ECU フラッ
シュプログラミングの要件と基本手順について、下記に記載します。
「XCP on Ethernet または XCP on USB を介した ECU フラッシュプログラミン
グ」(28 ページ)
「XCP フラッシュカーネル」(28 ページ)
「dSPACE XCP ブートローダ」(28 ページ)
「XCP フラッシュカーネルのダウンロードと起動」(28 ページ)
「フラッシュプログラミングプロセスの概要」(29 ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
27
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
XCP on Ethernet または XCP
on USB を介した ECU フラッ
シュプログラミング
フラッシュプログラミング機能は ECU アプリケーションとは統合せずに、
フラッシュカーネルと呼ばれる独立した小さなアプリケーションに統合し
ます。dSPACE ECU Flash Programming Tool 内からフラッシュオペレー
ションを要求すると、ホスト PC から ECU RAM にフラッシュカーネルがダ
ウンロードされ、アクティブにされます。その後、ECU はフラッシュカーネ
ルを実行し、ECU のフラッシュメモリをプログラミングする準備が整いま
す。
XCP フラッシュカーネル
XCP フラッシュカーネル(dSPACE XCP フラッシュカーネルなど)は、1 つ
の小さな XCP サービスとご使用の ECU のフラッシュメモリで使用するカ
スタムフラッシュドライバで構成されます。
フラッシュの機能を個別のフラッシュカーネルに統合すると、次の 2 つの
主要な利点があります。
n 標準の ECU アプリケーションのサイズが抑制されるため、追加する
必要がある RAM やフラッシュメモリを非常に少なくすることができま
す。
n ECU アプリケーション内の欠陥により誤りのあるコードが実行されて
も、ECU のフラッシュメモリを誤ってプログラミングまたは消去するリ
スクはありません。
適切な dSPACE XCP フラッシュカーネルについては、dSPACE
にお問い合わせください。
dSPACE XCP ブートローダ
ECU フラッシュプログラミングを実行するには、ご使用の ECU コードに
dSPACE XCP ブートローダを統合する必要があります。XCP ブートロー
ダは ECU で実行中の XCP サービスによってアクティブにされ、XCP フ
ラッシュカーネルのダウンロードとアクティブ化を処理します。
dSPACE XCP ブートローダを統合するときは、ECU コード内で(可能な場
合は ECU のブートコード内で)可能なかぎり早く呼び出されるようにして
ください。これにより、ECU ソフトウエアの一部にエラーがある、または一
部が破損している場合でも、ECU に書き込みを行うことができます。
ほかの XCP サービスが ECU コードに統合されている場合は、dSPACE
XCP ブートローダを ECU コードに統合しないで ECU フラッシュプログラ
ミングを実行することもできます。ただし、安全上の理由から dSPACE
XCP ブートローダを使用することをお勧めします。
適切な dSPACE XCP ブートローダについては、dSPACE にお
問い合わせください。
XCP フラッシュカーネルのダウ
ンロードと起動
28
s
XCP on Ethernet または XCP on USB を実装した ECU に書き込みを行
うとき、dSPACE ECU Flash Programming Tool は ECU で実行中の XCP
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s XCP on Ethernet または XCP on USB を介した ECU フラッシュプログラミングの原理 t
サービスにフラッシュ要求を送信します。フラッシュ要求を受信すると、
XCP サービスは dSPACE XCP ブートローダをアクティブにして、XCP フ
ラッシュカーネルのダウンロードとアクティブ化を処理します。ECU は、
ECU の RAM に XCP フラッシュカーネルがロードされて起動するまで待
機します。その後、ECU が XCP フラッシュカーネルを実行します。ECU
ではフラッシュコマンドを受信する準備ができています。フラッシュツール
は消去コマンドとプログラムコマンドのシーケンスを送信して、新しい
ECU アプリケーションコード、ECU ブートコード、適合ツール用データを
ECU に書き込みます。
ECU で実行中の XCP サービスがない場合は、dSPACE ECU
Flash Programming Tool は XCP ブートローダをアクティブに
できず、ECU フラッシュプログラミングを行うことができませ
ん。
XCP on Ethernet または XCP on USB を実装した ECU の ECU フラッ
シュプログラミングプロセスの概要を下図に示します。矢印は処理の順
番を示します。
フラッシュプログラミングプロセ
スの概要
ECUフラッシュメモリ
2
dSPACE XCPブートローダ
XCPサービスが実装された
ECU
7
4
ECU RAM
1
3
5
XCPフラッシュカーネル
dSPACE ECU Flash
Programming Tool
搭載のホストPC
6
次の処理ステップが実行されます。
1. dSPACE ECU Flash Programming Tool が、ECU で実行中の XCP
サービスにフラッシュ要求を送信します。XCP サービスは、フラッシュ
要求を受信すると XCP ブートローダをアクティブにします。
2. dSPACE XCP ブートローダが実行されます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
29
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
3. ECU の RAM に XCP フラッシュカーネルがダウンロードされます
(dSPACE XCP ブートローダによって処理)。
4. ECU は XCP フラッシュカーネルを起動します(dSPACE XCP ブート
ローダによって処理)。
5. ECU が XCP フラッシュカーネルを実行します。
6. XCP フラッシュカーネルは、dSPACE ECU Flash Programming Tool
からフラッシュプログラミングコマンドを受信します。
7. ECU フラッシュプログラミングが実行されます。
ECU フラッシュプログラミング作業が終了するまで、最後の 2 つの手順
を繰り返します。
ECU フラッシュプログラミングのためのメモリセグメント分割
目的
本章の内容
dSPACE ECU Flash Programming Tool では、ECU アプリケーションの
ニーズに従って、ECU のフラッシュメモリをいくつかの領域(論理メモリセ
グメント)に分割することができます。各論理メモリセグメントに対して、
個別にプログラミングおよび消去を行うことができます。これにより、ECU
のフラッシュメモリの特定の部分を選択してプログラミングすることがで
きます。
「物理メモリセグメント」(30 ページ)
「論理メモリセグメント」(31 ページ)
「カバーされないメモリ位置」(31 ページ)
「適合ツール用データのみ書き込み」(32 ページ)
「ブートコードの書き込み時のリスク」(33 ページ)
物理メモリセグメント
フラッシュメモリデバイスは物理メモリセグメントと呼ばれる複数の領域
で構成されており、個別に消去およびプログラミングを行うことができま
す。物理メモリセグメントの区分は固定されており、ECU ハードウエアの
フラッシュメモリデバイスのタイプによって異なります。物理メモリセグメ
ントの数、境界、およびハードウエア固有のその他の情報は、フラッシュ
カーネルに記述されています。
dSPACE ECU Flash Programming Tool では、ECU の物理メモリセグメン
トのハードウエア固有の設定を必要とします。フラッシュカーネルがサ
ポートされている場合は、物理メモリセグメントの境界についての情報を
ECU から直接読み取ることができます。そうでない場合は、物理メモリセ
グメントの設定を手作業で入力する必要があります。
30
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU フラッシュプログラミングのためのメモリセグメント分割 t
論理メモリセグメント
ECU アプリケーションの要件に従って、ECU のフラッシュメモリを論理メ
モリセグメントに分割することができます。たとえば、ECU アプリケーショ
ンコード、ECU ブートコード、適合ツール用データに対してそれぞれ異な
る論理メモリセグメントを定義することができます。dSPACE ECU Flash
Programming Tool では、各論理メモリセグメントに個別にアクセスで
き、したがって消去やプログラミングを個別に行うことができます。これ
により、たとえば、ECU コードを含むメモリ領域は変更しないまま、適合
ツール用データを ECU に書き込むことができます。
論理メモリセグメントには、複数の物理メモリセグメントを含めることがで
きます。また、物理メモリセグメントの一部を含めることもできます(下記
を参照)。
カバーされないメモリ位置
物理メモリセグメントは、まとめて消去することのみ可能です。論理メモ
リセグメントを定義して、その境界が内包する物理メモリセグメントの境
界と一致しない場合は、物理メモリセグメントは論理メモリセグメントに
よって完全にはカバーされていません(下図を参照)。論理メモリセグメ
ントに書き込みが行われるときに、カバーされないメモリ位置が消失す
ることを回避するために、dSPACE ECU Flash Programming Tool では物
理メモリセグメントが消去される前にその内容をホスト PC にアップロー
ドして、消去完了後に再度 ECU のフラッシュメモリに内容を書き込みま
す。このため、カバーされないメモリ位置の内容は変更されないままに
なります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
31
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
論理メモリセグ
メント
物理メモリセグ
メント
データ
データ
データ
古いデータ
データ
データ
書き込み
データ
書き込まれたデータ
ECU フラッシュプログラミングを高速化するには、論理メモリ
セグメントの境界が、内包する物理メモリセグメントの境界と
一致するよう指定することをお勧めします。これにより、カ
バーされないメモリ位置の内容をアップロードしてから再度書
き込まなくても、論理メモリセグメントを消去およびプログラミ
ングすることができます。
適合ツール用データのみ書き
込み
32
s
新しい適合ツール用データのみ ECU に書き込む場合(たとえば、ECU
イメージファイルに含まれるのが適合ツール用データのみであるためな
ど)、データを含む ECU のフラッシュメモリの正確なメモリ位置を把握し
ている必要があります。論理メモリセグメントは、コードを含む ECU のフ
ラッシュメモリのメモリ位置をカバーしていないため、フラッシュプロジェク
トの論理メモリセグメントは慎重に定義する必要があります。そうでない
場合、ECU フラッシュプログラミング中に下図のようにコードエレメントが
上書きされます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU フラッシュプログラミングのためのメモリセグメント分割 t
ECUフラッシュメモリ
ECUイメージファイル
ブートコード
データ
データ
コード
データ
データ
ブートコード
データ
データ
適合ツール用
データの書き
込み
データ
ブートコードの書き込み時のリ
スク
コード
データ
起動コードの変更が実際に必要な場合のみ、ご使用の ECU に ECU
ブートコードを提供する必要があります。新しい ECU ブートコードの
ECU への書き込みに問題が生じた場合、またはフラッシュオペレーショ
ンが適切に完了しない場合は、ECU をブートできず再書き込みもできな
くなる可能性があります。
必要のない ECU ブートコードのフラッシュオペレーションは避
けてください。
ただし、ECU で使用するブートコードが ECU アプリケーションから分離さ
れている場合は、ECU ブートコードを含む論理メモリセグメントを適切に
定義することを強くお勧めします。ECU のブートコードを含む論理メモリ
セグメントの境界は、物理メモリセグメントの境界と一致するようにしてく
ださい。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
33
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
ECU フラッシュプログラミングの異常終了
目的
ECU フラッシュプログラミングオペレーションが異常終了する場合があり
ます。これは、オペレーションが完了する前に停止したことを示します。
これにはさまざまな理由があります。ECU フラッシュプログラミングオペ
レーションをキャンセルするには、[Abort]ボタンをクリックします。そうし
ない場合は、dSPACE ECU Flash Programming Tool を含むホスト PC と
ECU の間の物理接続が失われます。
[Abort]ボタンを使用した意図
的な終了
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用すると、[Abort]ボタンをク
リックすれば ECU フラッシュプログラミングオペレーションをキャンセル
することができます。ただし、この ECU フラッシュプログラミングプロセス
を中止した時点によっては、予測不可能な結果や深刻な問題が発生す
る可能性があります。たとえば、ECU のブートコードを ECU に書き込ん
でいる時点でフラッシュオペレーションを中止した場合、この ECU は、フ
ラッシュプログラミングができなくなる可能性があります。また、ECU のア
プリケーションコードを ECU に書き込んでいる時点でフラッシュオペレー
ションを中止した場合は、アプリケーションが実行されない可能性があり
ます。
ホスト PC の切断による偶発的
な終了
DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 による ECU フラッシュプログ
ラミング ECU フラッシュプログラミングの実行時には、書き込むデータ
がすべて、最初に DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 にロードされ
た後、そこから ECU に書き込まれます。DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または
DCI‑GSI2 を実装した ECU と、ホスト PC の間の物理接続が ECU フラッ
シュプログラミングオペレーション中に失われると、接続が失われたタイ
ミングによっては競合が発生する場合があります。
n DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 にフラッシュデータをダウン
ロードしている間に接続が失われた場合、dSPACE ECU Flash
Programming Tool はフラッシュオペレーションを中止します。ECU の
フラッシュメモリは変更されません。
n DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 にフラッシュデータをダウン
ロードした後に接続が失われた場合、ECU フラッシュプログラミング
オペレーションは通常、正常に終了します。DCI‑GME1、DCI‑GSI1、
または DCI-GSI2 は自律的に書き込みを続行します。物理接続は、
簡単に復元することができます。接続が再確立されるとすぐに、フ
ラッシュオペレーションの実際の進行状況が dSPACE ECU Flash
Programming Tool に表示されます。
34
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU フラッシュプログラミングの異常終了 t
n DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI‑GSI2 を実装した ECU の電源が
ECU フラッシュプログラミング中に切断された場合は、ECU フラッ
シュメモリが未定義の状態になります。フラッシュ有効識別子チェック
がブートチェック関数で有効になっており、フラッシュプロジェクトで識
別子が設定されている場合、ECU フラッシュプログラミングの異常終
了は、ECU のリセット後に dSPACE Calibration and Bypassing
Service のブートチェック関数で認識されます。ECU アプリケーション
が起動しなくなり、代わりにブートチェック関数は、dSPACE ECU Flash
Programming Tool からの新しいフラッシュ要求を待機します。これ
により、ECU フラッシュメモリが正常に再プログラミングされます。
フラッシュ有効識別子チェックについては、「"フラッシュ有効"識別
子」(43 ページ)を参照してください。
XCP on CAN、XCP on Ethernet、または XCP on USB による ECU フ
ラッシュプログラミング XCP on CAN、XCP on Ethernet、または XCP
on USB による ECU フラッシュプログラミングの実行時には、書き込む
データが連続して ECU に送信され、XCP フラッシュカーネルによって直
接書き込まれます。XCP on CAN、XCP on Ethernet、または XCP on
USB を実装した ECU とホスト PC の間の物理接続が ECU フラッシュプロ
グラミングオペレーション中に失われると、通常、ECU のフラッシュメモリ
が未定義の状態になります。フラッシュ有効識別子チェックが XCP ブー
トローダで有効になっており、フラッシュプロジェクトで識別子が設定され
ている場合は、ECU のリセット後に dSPACE XCP ブートローダによって
ECU フラッシュプログラミングの異常終了が認識され、ECU アプリケー
ションが起動されないようになります。XCP ブートローダは、dSPACE
ECU Flash Programming Tool からの新しいフラッシュ要求を待機しま
す。これにより、ECU フラッシュメモリが正常に再プログラミングされま
す。
フラッシュ有効識別子チェックについては、「"フラッシュ有効"識別子」
(43 ページ)を参照してください。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
35
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基本概念 t
36
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
dSPACE ECU Flash Programming
Tool の使用
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用して、ECU のフラッシュメ
モリのプログラミング、dSPACE ECU Flash Programming Tool と ECU と
の間の通信のチェック、ECU のフラッシュメモリに現在格納されるデータ
と ECU イメージファイル内のデータとの比較、または現在の ECU メモリ
の内容のアップロードとファイルへの保存を実行することができます。
項目の一覧
本章の内容
dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎
38
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使って、新しい ECU アプリケー
ションコード、ECU ブートコード、適合ツール用データで、ECU のフラッシュメ
モリをプログラミングすることができます。書き込むデータは、ECU イメージ
ファイルから読み取られます。
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する方法
43
dSPACE ECU Flash Programming Tool は、さまざまな方法で開くことができ
ます。
プロジェクトを作成または編集する方法
46
フラッシュプロジェクトは、dSPACE ECU Flash Programming Tool で ECU の
フラッシュメモリをプログラミングする際の基本的な要素です。
フラッシュプロジェクトを選択する方法
59
フラッシュプロジェクトを ECU フラッシュプログラミング用またはテスト用とし
て使用するには、フラッシュプロジェクトをアクティブなプロジェクトとして選択
する必要があります。
ECU との通信をチェックする方法
62
テストを行う際に、使用しているフラッシュプロジェクトの設定および dSPACE
ECU Flash Programming Tool、ECU、およびフラッシュカーネルの間の通信
をチェックすることができます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
37
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
ECU のデータを検証する方法
66
テストを行う際に、(フラッシュデータソースとして選択した)ECU イメージファ
イル内のデータを、ECU フラッシュメモリに現在格納されているデータと照合
して検証することができます。
メモリセグメントを書き込む方法
71
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用すると、ECU アプリケーション
の要件に従って、ECU のフラッシュメモリをいくつかの領域(論理メモリセグ
メント)に分割することができます。これにより、各セグメントを消去し、独立し
てプログラミングを行うことができます。
ECU からデータをアップロードする方法
76
現在の ECU フラッシュメモリの内容をアップロードし、ファイルに保存するこ
とができます。
dSPACE ECU Flash Programming Tool をリモート制御する
方法
79
dSPACE ECU Flash Programming Tool のリモート制御や、コマンドラインパ
ラメータを使用した自動化環境での制御を実行することができます。
dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎
目的
本章の内容
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使って、新しい ECU アプリ
ケーションコード、ECU ブートコード、適合ツール用データで、ECU のフ
ラッシュメモリをプログラミングすることができます。書き込むデータは、
ECU イメージファイルから読み取られます。
「サポートされる ECU タイプ」(39 ページ)
「ECU インターフェースタイプ」(39 ページ)
「ECU サービス」(40 ページ)
「ECU フラッシュプロジェクト」(40 ページ)
「作業フォルダ」(40 ページ)
「デフォルトの作業フォルダ」(41 ページ)
「別の作業フォルダの指定」(41 ページ)
「チェック機能」(41 ページ)
「ECU のデータの検証」(41 ページ)
「通信チェック」(41 ページ)
「整合性チェック」(41 ページ)
「フラッシュデータ識別チェック」(42 ページ)
「フラッシュデータ整合性チェック」(42 ページ)
「"フラッシュ有効"識別子」(43 ページ)
38
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎 t
サポートされる ECU タイプ
dSPACE ECU Flash Programming Tool で、ECU イメージファイルのデー
タを ECU のフラッシュメモリへとプログラミングするには、ECU が次の要
件を満たしている必要があります。
ECU インターフェースタイプ dSPACE ECU Flash Programming Tool
で、次の ECU タイプのフラッシュメモリをプログラミングすることができま
す。
n DCI‑GME1 を実装した ECU
n DCI‑GSI1 を実装した ECU
n DCI‑GSI2 を実装した ECU
n
n
DCI‑GSI2 を実装した ECU は、XCP on Ethernet 経由
でホスト PC と通信します。dSPACE ECU Flash
Programming Tool を使用して、DCI‑GSI2 を実装した
ECU でのフラッシュプログラミングを設定し、実行する
には、XCP on Ethernet ECU インターフェースタイプの
インターフェース設定を指定する必要があります。
DCI‑GSI2 を実装した ECU でのフラッシュプログラミン
グは、dSPACE Calibration and Bypassing Service の
一部を含む dSPACE フラッシュカーネルに基づいて行
われます。ただし、dSPACE ECU Flash Programming
Tool のすべてのフラッシュプログラミング設定を指定
できるわけではありません。一部の設定は、DCI
Configuration Tool で設定する必要があります。
n XCP on CAN を実装した ECU
n XCP on Ethernet を実装した ECU
n XCP on USB を実装した ECU
詳細と前提条件については、「サポートされる ECU インターフェースのタ
イプ」(16 ページ)を参照してください。
ECU フラッシュプログラミング
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t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
ECU サービス
ECU のフラッシュメモリのプログラミングには、計測された ECU コードが
必要な場合があります。必要な ECU サービスは、フラッシュプログラミン
グに使用する ECU インターフェースによって異なります。
n ECU のフラッシュメモリを、DCI-GSI1 または DCI-GSI2 でプログラミン
グするには、ブートチェック関数を ECU コードに統合することが必要
な場合があります。ブートチェック関数は、dSPACE Calibration and
Bypassing Service の一部です。
一部のプロセッサでは、DCI‑GSI1 および DCI‑GSI2 でブー
トチェック関数を使用しない ECU フラッシュプログラミング
をサポートしています。これにより、フラッシュメモリが空
の、またはメモリデータが破損している(ブレインデッドフ
ラッシュプログラミング)ECU のフラッシュメモリでプログラ
ムを行うことができます。詳細については、「DCI‑GME1、
DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する ECU フラッシュプ
ログラミングの原理」(19 ページ)を参照してください。
n ECU のフラッシュメモリを DCI-GME1 でプログラミングするには、
ブートチェック関数を ECU コードに統合する必要があります。ブート
チェック関数は、dSPACE Calibration and Bypassing Service の一部
です。
n ECU のフラッシュメモリを、XCP on CAN、XCP on Ethernet、または
XCP on USB でプログラミングするには、XCP サービス、XCP ブート
ローダ、またはその両方を ECU コードに統合する必要があります。
ECU フラッシュプロジェクト
フラッシュプロジェクトは、ECU に書き込むコードやデータを含む ECU イ
メージファイルと同様に、dSPACE ECU Flash Programming Tool で ECU
フラッシュプログラミングタスクを実行するための基礎となります。フラッ
シュプロジェクトは、次のような設定とデータで構成されます。
n ECU インターフェース固有の設定(ECU インターフェースタイプなど)
n ECU サービスの設定
n 必要なフラッシュドライバーを含むフラッシュカーネルファイル
n メモリセグメントの設定
n 整合性チェックの設定(オプション)
作業フォルダ
40
s
各フラッシュプロジェクトは、作業フォルダに関連しています。作業フォル
ダはファイルシステム上のフォルダであり、フラッシュプロジェクトに関す
るすべての情報が、dSPACE ECU Flash Programming Tool により保存
されます。複数のフラッシュプロジェクトで同じ作業フォルダを使用するこ
とができます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎 t
デフォルトの作業フォルダ 別のフォルダを指定しないかぎり、dSPACE
ECU Flash Programming Tool は、ドキュメントフォルダをデフォルトの作
業フォルダとして使用します。dSPACE ECU Flash Programming Tool
は、このフォルダにすべてのフラッシュプロジェクトを保存します。
ドキュメントフォルダの位置は、オペレーティングシステムに応じて異なり
ます。たとえば、Windows XP の場合は.\Documents and
Settings\<User>\My Documents\dSPACE\ECUFlashProgrammingTool にあ
ります。
別の作業フォルダの指定 デフォルトの作業フォルダのほかに、別の作
業フォルダを指定することもできます。つまり、フラッシュプロジェクトごと
に保存用のディレクトリを追加して、フラッシュプロジェクトをグループに
分けることができます。
チェック機能
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、テスト用の機能が用意さ
れています。
通信チェック これを使用して、フラッシュプロジェクトの設定や、
dSPACE ECU Flash Programming Tool と ECU の間の通信をテストする
ことができます。
ECU のデータの検証 これを使用して、ECU のフラッシュメモリに現在
格納されているデータと、フラッシュデータソースとして選択した ECU イ
メージファイル内のデータを比較することができます。データの検証は、
特定のデータが既に ECU に書き込まれているかどうかや、ECU のフ
ラッシュメモリに現在格納されているデータが有効なままであるかどうか
をチェックする場合などに便利です。
どちらのテストも個別に実行でき、ECU フラッシュプログラミングのオペ
レーションを開始する必要はありません。dSPACE ECU Flash
Programming Tool は、各 ECU フラッシュプログラミングオペレーション
の最後にもデータ検証を実行します。
整合性チェック
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、ECU フラッシュプログラミ
ングを安全に行えるよう、次のチェックメカニズムが用意されており、そ
れぞれを個別に有効にすることができます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
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s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
フラッシュデータ識別チェック このチェック機能を使用すると、正しいフ
ラッシュデータファイルがフラッシュデータソースとして選択され、ECU に
対応していることを確認することができます。これは、フラッシュデータ
ファイルまたは ECU フラッシュメモリ内の BOOTLOADER、CODE、および
DATA の各セグメントタイプの識別子を、想定される固定識別子と比較
して実行されます。データ識別チェック機能を有効にすると、次の条件を
満たしている場合にのみ、ECU フラッシュプログラミングが可能になりま
す。
n フラッシュデータファイル内の識別子が、想定される識別子と一致す
る。
n ECU フラッシュメモリ領域内の再プログラミングされない識別子が、
想定される識別子と一致する。
フラッシュデータ識別チェック機能は、各メモリセグメントタイプに対して
個別に設定し、有効にすることができます(「[Configure Data Identifiers]
ダイアログ」(86 ページ)を参照)。適切な識別子が ECU フラッシュメモ
リに含まれる場合は、それをフラッシュデータの識別に使用することがで
きます。適切な識別子が ECU フラッシュメモリに含まれていない場合
は、ECU フラッシュメモリで識別子に適切なメモリ位置を指定して予約す
る必要があります。チェックの結果は、[Identifier Details]ダイアログに
表示されます。
また、フラッシュデータ識別チェックは、すべての通信チェックおよびデー
タ検証オペレーションと同時に実行されます。
フラッシュデータ整合性チェック このチェックを使用して、ECU に書き込
むために選択したデータの整合性を確認することができます。dSPACE
ECU Flash Programming Tool では、CODE セグメントタイプと DATA セ
グメントタイプのメモリセグメントの整合性だけでなく、関連するメモリセ
グメントタイプのフラッシュデータファイル内の識別子を比較することによ
り、CODE セグメントタイプと BOOTLOADER セグメントタイプのメモリセグ
メントの整合性もチェックすることができます。データ整合性チェック機能
を有効にすると、関連するメモリセグメントタイプの識別子が同じである
場合にのみ、ECU フラッシュプログラミングが可能になります。dSPACE
ECU Flash Programming Tool では、ECU 上の、関連するメモリセグメン
トタイプのデータ整合性もチェックすることができます。これを使用して、
ECU フラッシュメモリに現在格納されているデータが一貫しているかどう
かを判断し、フラッシュメモリの一部だけを書き込む場合(ECU コードを
含むメモリ領域を変更することなく、新しい適合ツール用データをプログ
ラミングする場合など)に、ECU でのデータの整合性を確保することがで
きます。チェックの結果は、[Identifier Details]ダイアログに表示されま
す。
また、フラッシュデータ整合性チェックは、すべての通信チェックおよび
データ検証オペレーションと同時に実行されます。
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ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する方法 t
フラッシュデータ整合性チェックについては、「[Configure Data
Identifiers]ダイアログ」(86 ページ)を参照してください。
"フラッシュ有効"識別子
この識別子を使用すると、ECU のフラッシュメモリに有効な ECU アプリ
ケーションが含まれているかどうかを ECU の起動中に検出することがで
きます。
フラッシュ有効識別子は、最後の ECU フラッシュプログラミングオペレー
ションが正常に実行された(つまり、ECU フラッシュメモリに有効な ECU
アプリケーションが含まれている)かどうかを示します。これにより、ECU
フラッシュメモリのフラッシュ有効識別子と、フラッシュプログラミングオペ
レーションが正常に実行されたことを示す固定値を比較して、最後のフ
ラッシュプログラミングオペレーションの状態を ECU の起動中に認識す
ることができます。このチェックを有効にすると、ECU フラッシュプログラ
ミングオペレーションが開始されるたびに ECU フラッシュメモリの識別子
が無効になり、フラッシュオペレーション全体が正常に終了した場合に
のみ復元されます。フラッシュ有効識別子が無効である間、最後の ECU
フラッシュプログラミングオペレーションは未完了または無効であると想
定され、ECU はフラッシュプログラミングモードのままになります。ECU
アプリケーションは、ECU フラッシュプログラミングオペレーションが正常
に終了するまで起動しません。
フラッシュ有効識別子チェックについては、「[Configure Interface
Settings]ダイアログ」(92 ページ)を参照してください。
フラッシュ有効識別子を使用するには、ブートチェック関数(DCI‑GME1、
DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 による ECU フラッシュプログラミングの場
合)、または dSPACE XCP ブートローダ(XCP on CAN、XCP on
Ethernet、または XCP on USB による ECU フラッシュプログラミングの場
合)でチェックを有効にする必要があります。
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する方法
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool は、さまざまな方法で開くことが
できます。
操作手順
n dSPACE ECU Flash Programming Tool をスタンドアロンツールとして
開くことができます。「操作手順 1」(44 ページ)を参照してください。
n ControlDesk Next Generation から dSPACE ECU Flash
Programming Tool を開くことができます。「操作手順 2」(44 ペー
ジ)を参照してください。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
43
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s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
操作手順 1
スタンドアロンツールとして dSPACE ECU Flash Programming Tool
を開くには
1 [スタート]メニューから、[プログラム] – [dSPACE ECU Flash
Programming Tool] – [dSPACE ECU Flash Programming Tool]の順
に選択します。
操作手順 2
ControlDesk Next Generation から dSPACE ECU Flash
Programming Tool を開くには
1 ControlDesk Next Generation を起動します。
2 Project Manager で対象のデバイスを選択します。
3 選択したデバイスのコンテキストメニューで、[Flash ECU]を選択しま
す。
結果
44
s
dSPACE ECU Flash Programming Tool が開き、最後に使用したフラッ
シュプロジェクトが表示されます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する方法 t
dSPACE ECU Flash Programming Tool で、データソースとし
て特定の ECU イメージファイルを使用する場合は、次のいず
れかの方法でもツールを開くことができます。
n ControlDesk Next Generation から dSPACE ECU Flash
Programming Tool を開くことができます。フラッシュデー
タソースとして使用する ECU イメージファイルを
ControlDesk の Project Manager でダブルクリックする
か、そのファイルのコンテキストメニューで[Open]を選択し
ます。
n Windows エクスプローラから dSPACE ECU Flash
Programming Tool を開くことができます。Windows エク
スプローラを使用して、フラッシュデータソースとして使用
する ECU イメージファイルを探し、そのファイルをダブルク
リックします。
dSPACE ECU Flash Programming Tool のインストール時に
HEX、MOT、S19、および SREC ファイル名拡張子を dSPACE
ECU Flash Programming Tool と自動的に関連付けるように
確定した場合、拡張子はそのように関連付けられます。上記
のいずれかの方法を使用しても ECU イメージファイルから
dSPACE ECU Flash Programming Tool を開くことができない
場合は、選択した ECU イメージファイルの拡張子が dSPACE
ECU Flash Programming Tool に関連付けられているか
(dSPACE ECU Flash Programming Tool が ECU イメージファ
イルを開くアプリケーションとして選択されているか)を確認し
てください。正しく設定されている場合は、Windows エクスプ
ローラで ECU イメージファイルの横に dSPACE ECU Flash
Programming Tool を示す小さなアイコンが表示されます。
次のステップ
これで、新しいフラッシュプロジェクトの作成、既存のプロジェクトの再設
定、dSPACE ECU Flash Programming Tool と ECU の間の通信チェッ
ク、ECU のフラッシュメモリと ECU イメージファイルの内容の比較、ECU
フラッシュプログラミングの開始、または現在の ECU メモリの内容のアッ
プロードとファイルへの保存を実行することができます。下記を参照して
ください。
n 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
n 「ECU との通信をチェックする方法」(62 ページ)
n 「ECU のデータを検証する方法」(66 ページ)
n 「メモリセグメントを書き込む方法」(71 ページ)
n 「ECU からデータをアップロードする方法」(76 ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
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s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
プロジェクトを作成または編集する方法
目的
フラッシュプロジェクトは、dSPACE ECU Flash Programming Tool で ECU
のフラッシュメモリをプログラミングする際の基本的な要素です。ECU イ
ンターフェース固有の設定、設定データ、および使用するフラッシュカー
ネルファイルの情報に加え、ECU に書き込むために選択した論理メモリ
セグメントが含まれています。
前提条件
dSPACE ECU Flash Programming Tool と通信を行うには、ECU サービ
スを含むフラッシュカーネルファイルが必要です。さらに、使用するフラッ
シュメモリ用の適切なドライバーも必要です。適切なフラッシュカーネル
については、dSPACE にお問い合わせください。
操作手順
フラッシュプロジェクトを作成または編集するには
1 dSPACE ECU Flash Programming Tool を開きます。
最後に選択したフラッシュプロジェクトが、アクティブなフラッシュプロ
ジェクトです。
2 アクティブなフラッシュプロジェクトを変更するか、現在の作業フォル
ダで新しいフラッシュプロジェクトを作成する場合は、手順 7 に進み
ます。
3 変更する別のフラッシュプロジェクトを選択するか、新しいフラッシュ
プロジェクトを保存する別の作業フォルダを選択する場合は、
クリックします。
46
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
を
s プロジェクトを作成または編集する方法 t
[Select ECU Flash Project]ダイアログが開き、現在の作業フォルダと
そのフラッシュプロジェクトが表示されます。
4 別の作業フォルダに変更する場合は、
をクリックします。
[Browse for Folder]ダイアログが開きます。
既存の作業フォルダを選択するか、新しい作業フォルダを作成しま
す。[OK]をクリックして設定を確定し、ダイアログを閉じます。
これで、選択した作業フォルダとそのフラッシュプロジェクトが[Select
ECU Flash Project]ダイアログに表示されます。
5 既存のフラッシュプロジェクトを再設定する場合は、それを[Flash
projects]リストで選択します。
6 [OK]をクリックしてダイアログを閉じます。
7 メニューバーで、[File – New flash project]または[Edit – Edit flash
project]を選択します。
ECU フラッシュプログラミング
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s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
Configure Flash Project ウィザードが開き、[Configure Flash Project]
ダイアログが表示されます。
8 新しいフラッシュプロジェクトを作成する場合は、その名前を入力しま
す。
9 ECU インターフェースタイプを選択します。
ECU インターフェースとして DCI-GSI2 を使用する場合、
[ECU interface type]で"XCP on Ethernet"を選択する必
要があります。
10 [Next >]をクリックします。
[Configure Interface Settings]ダイアログが開きます。ダイアログの
外観は、選択した ECU インターフェースタイプによって異なります。
n
n
48
s
DCI‑GME1 または DCI‑GSI1 の場合は、次の手順に進みます。
XCP on CAN、XCP on Ethernet/DCI-GSI2、または XCP on USB
の場合は、手順 17 に進みます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s プロジェクトを作成または編集する方法 t
11 DCI‑GME1 または DCI‑GSI1 を ECU インターフェースとして指定した
場合、[Configure Interface Settings]ダイアログの外観は次のように
なります。
必要な場合は、固定 ECU 名を入力することができます。ECU 名を入
力しない場合は、任意の DCI‑GME1 または DCI‑GSI1 でフラッシュプ
ロジェクトを使用することができます。ECU 名を指定した場合は、
(DCI Configuration Tool で指定したものと)同じ ECU 名が設定され
た DCI‑GME1 または DCI‑GSI1 でのみフラッシュプロジェクトを使用
することができます。
12 dSPACE フラッシュカーネルを指定します。
n
n
dSPACE フラッシュカーネルファイルをまだ指定していない場合
は、[Add]をクリックします。[Open dSPACE Flash Kernel File]ダイ
アログが開きます。フラッシュカーネルファイルを選択したうえで
[Open]をクリックして設定を確定し、ダイアログを閉じます。
別の dSPACE フラッシュカーネルファイルを指定するには、まず、
最後に選択した dSPACE フラッシュカーネルを削除する必要があ
ります。[Remove]をクリックします。フラッシュカーネルファイルの
エントリが削除されます。これで、[Add]ボタンを使用して dSPACE
フラッシュカーネルを選択できます(上記を参照)。
13 dSPACE メールボックスの開始アドレスとサイズを入力します。開始
アドレスの設定は、dSPACE フラッシュカーネルで指定された、ECU
サービス設定ファイルのブートチェック関数の設定に一致する必要
があります。
14 ECU インターフェースタイプが DCI‑GME1 の場合は、ECU イメージ
ファイルを ECU に書き込むたびにスタートページをプログラミングす
るかどうかを指定します。
ECU フラッシュプログラミング
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s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
15 このフラッシュプロジェクトで「フラッシュ有効」識別子オプションを使
用するかどうかを指定します。使用する場合は、開始アドレスを入力
して、ECU フラッシュメモリ内のこの識別子の場所を指定します。
フラッシュ有効識別子の基本情報については、「"フラッシュ有効"識
別子」(43 ページ)を参照してください。
16 DCI-GSI1 を ECU インターフェースとして指定している場合は、フラッ
シュプロジェクトでブートチェック関数を使用して ECU フラッシュメモリ
のプログラミングを行うかどうかを指定します。フラッシュプロジェクト
を使用して ECU への書き込みを行う際に、ブートチェック関数や機
能していない ECU を使用しない場合は、[Enable brain dead flash
programming]チェックボックスをオンにします。この場合は、ブート
チェック関数が ECU コードに実装されている必要はありません。フ
ラッシュプロジェクトを使用して ECU への書き込みを行う際に、ブート
チェック関数を使用する場合は、[Enable brain dead flash
programming]チェックボックスをオフにする必要があります。
手順 23 に進みます。
17 XCP on CAN、XCP on Ethernet/DCI-GSI2、または XCP on USB を
ECU インターフェースとして指定した場合、[Configure Interface
Settings]ダイアログの外観は次のようになります。
必要な場合は、固定 ECU 名を入力することができます。ECU 名を入
力しない場合は、XCP on CAN、XCP on Ethernet、または XCP on
USB を使用する任意の ECU でフラッシュプロジェクトを使用すること
ができます。ECU 名を指定しない場合は、XCP ブートローダ識別子
が ECU 名と一致する ECU でのみフラッシュプロジェクトを使用する
ことができます。
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s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s プロジェクトを作成または編集する方法 t
18 トランスポートレイヤ固有の設定をいくつか指定します。これらは、
XCP フラッシュカーネルで指定した、ECU アプリケーションと XCP
ブートローダ(使用可能な場合)の設定に一致する必要があります。
n
ECU インターフェースタイプが XCP on CAN の場合は、次の設定
を指定します。
n
n
n
スレーブ CAN 識別子を入力します。XCP on CAN を実装した
ECU では、これを使用して、dSPACE Flash Programming Tool
に XCP 応答を送信します。
n
CAN 識別子タイプを選択します。
n
ドロップダウンリストから CAN ボーレートを選択します。
ECU インターフェースタイプが XCP on Ethernet/DCI-GSI2 の場合
は、次の設定を指定します。
n
n
n
マスター CAN 識別子を入力します。dSPACE ECU Flash
Programming Tool は、これを使用して XCP コマンドを送信し
ます。
Ethernet 送信プロトコル(UDP/IP または TCP/IP)を選択しま
す。
接続した ECU の IP アドレスとポート番号を指定します。
ECU インターフェースタイプが XCP on USB の場合は、次の設定
を指定します。
n
n
XCP on USB を実装した ECU のベンダー識別子を指定しま
す。
XCP on USB を実装した ECU の製品識別子を指定します。
19 ECU フラッシュプログラミングが ECU で Seed&Key メカニズムによっ
て保護されている場合は、Seed&Key DLL ファイルのパスと名前を指
定します。
n
DLL ファイルをまだ指定していない場合は、[Add]をクリックしま
す。[Open Seed&Key DLL File]ダイアログが表示されます。DLL
ファイルを選択し、[Open]をクリックします。[Copy Seed&Key
DLL ?]ダイアログが表示されます。
n
n
n
選択したファイルをフラッシュプロジェクトにコピーするには、
[Copy Seed&Key DLL ?]ダイアログの[Yes]をクリックします。
選択したファイルをフラッシュプロジェクトで参照するには、
[Copy Seed&Key DLL ?]ダイアログの[No]をクリックします。
別の DLL ファイルを指定するには、まず、最後に選択した DLL
ファイルを削除する必要があります。[Remove]をクリックします。
ファイルのエントリが削除されます。これで、[Add]ボタンを使用し
て DLL ファイルを選択できます(上記を参照)。
ECU フラッシュプログラミング
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s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
20 XCP フラッシュカーネルを指定します。
n
n
XCP フラッシュカーネルファイルをまだ指定していない場合は、
[Add]をクリックします。[Open dSPACE Flash Kernel File]ダイアロ
グが開きます。フラッシュカーネルファイルを選択したうえで
[Open]をクリックして設定を確定し、ダイアログを閉じます。
別の XCP フラッシュカーネルファイルを指定するには、まず、最
後に選択した XCP フラッシュカーネルを削除する必要がありま
す。[Remove]をクリックします。フラッシュカーネルファイルのエン
トリが削除されます。これで、[Add]ボタンを使用して XCP フラッ
シュカーネルを選択できます(上記を参照)。
21 dSPACE XCP ブートローダが ECU コードに統合されているかどうか
を指定します。
22 このフラッシュプロジェクトで「フラッシュ有効」識別子オプションを使
用するかどうかを指定します。使用する場合は、開始アドレスを入力
して、ECU フラッシュメモリ内のこの識別子の場所を指定します。
フラッシュ有効識別子の基本情報については、「"フラッシュ有効"識
別子」(43 ページ)を参照してください。
23 [Next >]をクリックします。
[Configure Logical Memory]ダイアログが開きます。
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s
ECU フラッシュプログラミング
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s プロジェクトを作成または編集する方法 t
24 ECU アプリケーションのメモリレイアウトの要件を考慮しながら、論理
メモリセグメントを指定します。
n
セグメントリストにさらに論理メモリセグメントを追加するには、メ
モリセグメントリストのコンテキストメニューで[Add new segment]
を選択します。[Enter Logical Memory Segment]ダイアログが表
示されます。
論理メモリセグメントの設定を指定します。論理メモリセグメントの
重複は許容されないので、注意が必要です。[OK]をクリックして
設定を確定し、ダイアログを閉じます。新しい論理メモリセグメント
がセグメントリストに追加されます。
n
n
既存の論理メモリセグメントを編集するには、そのセグメントをセ
グメントリストでダブルクリックするか、セグメントリストから選択し
てコンテキストメニューで[Edit selected segment]を選択します。
[Enter Logical Memory Segment]ダイアログが表示され、セグメ
ントの現在の設定が表示されます。設定を変更し、[OK]をクリック
して新しい設定を確定し、ダイアログを閉じます。変更した論理メ
モリセグメントがセグメントリストに表示されます。
既存の論理メモリセグメントをセグメントリストから削除するには、
そのセグメントをセグメントリストから選択し、コンテキストメニュー
で[Remove selected segment]を選択します。論理メモリセグメン
トがセグメントリストからすぐに削除されます。
25 [Selected for flash programming]ドロップダウンリストで、フラッシュ
またはアップロードするメモリセグメントのタイプを選択します。
ECU フラッシュプログラミング
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t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
[Logical memory segments]リストで、選択したタイプに一致するすべ
てのメモリセグメントが左側の[Active]列(#)で選択されます。チェック
ボックスがオンになっている場合、そのセグメントがフラッシュまたは
アップロードされるよう選択されていることを示します。
ECU フラッシュプログラミングまたはアップロード用のメモリセグメント
を個別に指定するには、[Selected for flash programming]リスト
で"ユーザ定義"のエントリを選択します。これで、現在のフラッシュ
プロジェクトの最後に選択した"ユーザ定義"のメモリセグメントが、
セグメントリストで選択されます。
"ユーザ定義"以外の設定を行った場合は、手順 26 に進みます。
ECU フラッシュプログラミングまたはアップロードを行う論理メモリセ
グメントを指定するには、[Logical memory segments]リストで、メモリ
セグメントの[Active](#)チェックボックスをオンまたはオフにします。
(protected)セグメントタイプ以外のすべてのメモリセグメントを選択す
ることができます。
26 フラッシュプロジェクトを使用して現在の ECU メモリの内容をアップ
ロードし、ファイルへの保存は行うが、ECU フラッシュプログラミング
は行わない場合、[Upload only (no flash programming)]チェック
ボックスをオンにします。この場合、選択した論理メモリセグメントの
メモリ内容を ECU からアップロードし、ファイルに保存できますが、フ
ラッシュプロジェクトでフラッシュオペレーションを開始することはでき
ません。
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ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s プロジェクトを作成または編集する方法 t
27 厳密なデータ妥当性チェックを有効にするかどうかを指定します。
n
n
このチェックを有効にする場合、フラッシュデータファイルには、
ECU に書き込むために選択した各論理メモリセグメントのデータ
のみが含まれている必要があります。選択した 1 つ以上のメモリ
セグメントのデータがファイルに含まれていない場合は、ECU フ
ラッシュプログラミングを実行できません。
このデータ妥当性チェックを無効にする場合、フラッシュデータ
ファイルには、ECU に書き込むために選択した各論理メモリセグ
メントタイプの論理メモリセグメントが少なくとも 1 つ含まれている
必要があります。たとえば、フラッシュプログラミング用にコードセ
グメントとデータセグメントを選択している場合(上記を参照)、選
択した 1 つ以上の DATA セグメントタイプのメモリセグメントと、
選択した 1 つ以上の CODE セグメントタイプのメモリセグメントに
データが含まれている必要があります。
28 ECU フラッシュのプログラミングまたはテストをフラッシュプロジェクト
を使用して行う場合、フラッシュデータファイルをその都度、dSPACE
ECU Flash Programming Tool のメインダイアログに表示されるフラッ
シュプロジェクトのデフォルトのフラッシュデータソースとして指定する
ことができます。
n
n
デフォルトのフラッシュカーネルファイルをまだ指定していない場
合は、[Add]をクリックします。[Open Flash Data File]ダイアログが
開きます。HEX、MOT、S19、または SREC ファイルを選択し、
[Open]をクリックして設定を確定し、ダイアログを閉じます。
別のデフォルトフラッシュデータファイルを指定するには、まず、
最後に選択したデフォルトフラッシュデータファイルを削除する必
要があります。[Remove]をクリックします。ファイルのエントリが削
除されます。これで、[Add]ボタンを使用してデフォルトフラッシュ
データファイルを選択できます(上記を参照)。
[Allow user to select other flash data files]オプションを使用すると、
指定したデフォルトフラッシュデータファイルの代わりに別のフラッ
シュデータファイルを使用するか、または、このフラッシュプロジェクト
では指定したデフォルトフラッシュデータファイルのみをフラッシュ
データソースとして使用するかを dSPACE ECU Flash Programming
Tool のメインダイアログで指定することができます。
フラッシュプロジェクトのフラッシュデータソースを指定しない場合、
[dSPACE ECU Flash Programming Tool]ダイアログからフラッシュプ
ロジェクトを開くと、フラッシュプロジェクトで最後に使用したフラッシュ
データファイルがフラッシュデータソースとしてあらかじめ選択されま
す。
ECU フラッシュプログラミング
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s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
29 [Next >]をクリックします。
[Configure Physical Memory]ダイアログが開きます。
30 ECU の RAM のフラッシュカーネルから物理メモリセグメントを読み
取るかどうかを指定します。読み取る場合は、手順 31 に進みます。
DCI‑GME1、DCI‑GSI1、DCI-GSI2、XCP on CAN、XCP on
Ethernet、または XCP on USB 用の dSPACE フラッシュ
カーネルを使用している場合、dSPACE ECU Flash
Programming Tool では、フラッシュカーネルから直接物
理メモリセグメント上の情報を読み取ることができます。こ
のため、通常は、これらのインターフェースタイプ向けに物
理メモリセグメントの設定を手動で入力する必要はありま
せん。
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ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s プロジェクトを作成または編集する方法 t
あらかじめ設定された物理メモリセグメントをフラッシュカーネルから
読み取れない場合は、この物理メモリセグメントを手動で入力して、
dSPACE ECU Flash Programming Tool で使用できるようにする必要
があります。
n
さらに物理メモリセグメントを追加するには、メモリセグメントリスト
のコンテキストメニューで[Add new segment]を選択します。
[Enter Physical Flash Memory Segments]ダイアログが開き、新し
いメモリセグメントを設定できるようになります。
現在の物理メモリセグメントのアドレスとサイズを入力し、セグメン
トの書き込みアラインメントと消去バイトを指定します。物理メモリ
セグメントの重複は許容されないので、注意が必要です。[OK]を
クリックして設定を確定し、ダイアログを閉じます。新しい物理メモ
リセグメントがセグメントリストに追加されます。
n
n
既存の物理メモリセグメントの設定を変更するには、そのセグメン
トをセグメントリストでダブルクリックするか、セグメントリストで選
択してコンテキストメニューで[Edit selected segment]を選択しま
す。[Enter Physical Flash Memory Segment]ダイアログが表示さ
れ、セグメントの現在の設定が表示されます。設定を変更し、
[OK]をクリックして新しい設定を確定し、ダイアログを閉じます。
変更した物理メモリセグメントがセグメントリストに表示されます。
既存の物理メモリセグメントをセグメントリストから削除するには、
そのセグメントをセグメントリストから選択し、コンテキストメニュー
で[Remove selected segment]を選択します。物理メモリセグメン
トがセグメントリストからすぐに削除されます。
31 ECU の内容が、ECU に書き込まれるデータと同じである物理メモリ
セグメントを ECU フラッシュプログラミングに含めるかどうかを指定し
ます。含めない場合は、変更されない物理メモリセグメントが ECU フ
ラッシュプログラミング時にスキップされます。
変更されない物理メモリセグメントのスキップにより、ECU
フラッシュプログラミングの所要時間が短縮されます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
57
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
32 消去された物理メモリセグメントを、ECU フラッシュプログラミング時
に常に再プログラミングするかどうかを指定します。ECC 保護フラッ
シュメモリなどでは、消去されたメモリ領域の再プログラミングが必要
な場合があります。
33 [Next >]をクリックします。
[Configure Data Identifiers]ダイアログが表示されます。
34 BOATLOADER、CODE、および DATA の各メモリセグメントタイプでフ
ラッシュデータ識別チェックを実行するかどうかを指定します。実行す
る場合は、フラッシュデータファイル/ECU フラッシュメモリでの識別
子の場所(アドレスは、該当するセグメントタイプの論理メモリセグメ
ント内である必要があります)を指定し、想定される識別子を ASCII
フォーマットで入力します。
安全上の理由により、各セグメントタイプには、それぞれ
異なる識別子を指定してください。これにより、ECU と一
致しない、または不整合が発生する可能性のあるフラッ
シュデータファイルのデータが ECU に書き込まれなくなり
ます。
フラッシュデータ識別チェックの基本情報については、「フラッシュ
データ識別チェック」(42 ページ)を参照してください。
35 フラッシュデータ整合性チェックの設定を指定します。
n
58
s
実行する整合性チェックを有効にします。整合性は、CODE セグ
メントタイプと DATA セグメントタイプのメモリセグメント間、CODE
セグメントタイプと BOOTLOADER セグメントタイプのメモリセグメ
ント間、またはその両方でチェックすることができます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s フラッシュプロジェクトを選択する方法 t
n
n
比較する 2 つの識別子の場所を指定します。識別子は、該当す
るセグメントタイプの論理メモリセグメント内にある必要があること
に注意が必要です。
整合性チェックに使用する識別子のバイト長を指定します。
フラッシュデータ整合性チェックの基本情報については、「フラッシュ
データ整合性チェック」(42 ページ)を参照してください。
36 [Finish]をクリックし、Configure Project Wizard を閉じます。
これで、新規フラッシュプロジェクトの作成、または既存のフラッシュ
プロジェクトの編集が完了します。
結果
新規フラッシュプロジェクトを作成します。または、既存のフラッシュプロ
ジェクトを編集します。dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイ
アログが開きます。新規の、または編集したフラッシュプロジェクトがアク
ティブなフラッシュプロジェクトとして選択されています。
次のステップ
フラッシュプロジェクトを使用して、ECU フラッシュプログラミングや、現在
の ECU メモリ内容のアップロードおよびテストを行うことができます。下
記を参照してください。
n 「ECU との通信をチェックする方法」(62 ページ)
n 「ECU のデータを検証する方法」(66 ページ)
n 「メモリセグメントを書き込む方法」(71 ページ)
n 「ECU からデータをアップロードする方法」(76 ページ)
関連トピック
基礎
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎」(38 ページ)
リファレンス
• 「Configure Flash Project Wizard」(91 ページ)
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログ」(107 ページ)
フラッシュプロジェクトを選択する方法
目的
フラッシュプロジェクトを ECU フラッシュプログラミング用またはテスト用
として使用するには、フラッシュプロジェクトをアクティブなプロジェクトと
して選択する必要があります。
前提条件
適切なフラッシュプロジェクトが定義されている必要があります。「プロ
ジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)を参照してください。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
59
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
操作手順
フラッシュプロジェクトを選択するには
1 dSPACE ECU Flash Programming Tool を開きます。
最後に選択したフラッシュプロジェクトが、デフォルトのアクティブなフ
ラッシュプロジェクトです。
2
をクリックします。
[Select ECU Flash Project]ダイアログが開き、現在の作業フォルダ
と、以前にそこに保存されたすべてのフラッシュプロジェクトが表示さ
れます。
別の方法として、[File] – [Open flash project]を選択して
[Select ECU Flash Project]ダイアログを開くこともできま
す。
60
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s フラッシュプロジェクトを選択する方法 t
3 作業フォルダを変更する場合は、
Folder]ダイアログが開きます。
をクリックします。[Browse for
作業フォルダを選択し、[OK]をクリックして設定を確定し、ダイアログ
を閉じます。
[Select ECU Flash Project]ダイアログに、指定した作業フォルダが表
示され、以前そこに保存されたすべてのフラッシュプロジェクトが
[Flash Projects]リストに表示されます。
[Select ECU Flash Project]ダイアログの
をクリックする
と、現在選択している作業フォルダの内容をエクスプロー
ラウインドウで参照することができます。
4 [Flash Projects]リストでフラッシュプロジェクトを選択し、[OK]をクリッ
クします。
[Select ECU Flash Project]ダイアログが閉じられ、選択したフラッシュ
プロジェクトが、アクティブなフラッシュプロジェクトとして dSPACE
ECU Flash Programming Tool メインダイアログに表示されます。
結果
フラッシュプロジェクトを、アクティブなフラッシュプロジェクトとして選択し
ます。
次のステップ
選択したフラッシュプロジェクトを使用して、ECU フラッシュプログラミング
や、現在の ECU メモリ内容のアップロードおよびテストを行うことができ
ます。下記を参照してください。
n 「ECU との通信をチェックする方法」(62 ページ)
n 「ECU のデータを検証する方法」(66 ページ)
n 「メモリセグメントを書き込む方法」(71 ページ)
n 「ECU からデータをアップロードする方法」(76 ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
61
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
関連トピック
リファレンス
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログ」(107 ページ)
• 「[Select ECU Flash Project]ダイアログ」(116 ページ)
ECU との通信をチェックする方法
目的
テストを行う際に、使用しているフラッシュプロジェクトの設定および
dSPACE ECU Flash Programming Tool、ECU、およびフラッシュカーネル
の間の通信をチェックすることができます。このチェックは、フラッシュオ
ペレーションとは別に実行することができます。
前提条件
適切なフラッシュプロジェクトが定義されている必要があります。「プロ
ジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)を参照してください。
操作手順
ECU との通信をチェックするには
1 dSPACE ECU Flash Programming Tool を開きます。
2 ECU 用の適切なフラッシュプロジェクトを選択します。
3 [ECU Interface]ドロップダウンリストから、フラッシュプロジェクトに使
用する実際の ECU インターフェースを選択します。このリストには、
選択したフラッシュプロジェクトで指定した ECU インターフェースタイ
プに一致し、ホスト PC に現在接続されているすべての ECU インター
フェースが含まれます。
62
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU との通信をチェックする方法 t
4 [ECU]メニューから[Communication check]を選択して、テストオペ
レーションを開始します。
次のような警告が表示されます。
警告
ECU はリセットされます。予期しない結果の発生や損傷を
回避するには、次の手順を実行します。
n
n
n
車両を運転中の場合は、停止してください。
エンジンが駆動中の場合は、スイッチをオフにしてくだ
さい。
ControlDesk Next Generation と ECU の間の通信
を停止してください。したがって、ControlDesk Next
Generation 搭載のホスト PC に接続されたすべての
デバイスハードウエアを"切断"状態にする必要があり
ます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
63
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
5 [OK]をクリックして通信チェックを開始します。
テストオペレーションの進行状況が、dSPACE ECU Flash
Programming Tool メインダイアログの下部に表示されます。通信テ
ストオペレーションの現在のステータス、警告、エラーメッセージなど
が[Status information]フィールドに表示されます。
64
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU との通信をチェックする方法 t
6 通信テストオペレーションのテストの詳細と結果、ステータス情報、警
告、エラーメッセージなどは、フラッシュプロジェクトに固有のログファ
イルにも格納されます。通信チェックが完了したら、[View] – [Flash
project logfile]を選択して、ログファイルを開き、情報を表示すること
ができます。
フラッシュデータ識別機能とフラッシュデータ整合性チェッ
ク機能がフラッシュプロジェクトで設定され、有効になって
いる場合は、これらも通信チェック中に実行されます。テ
スト結果は、[Identifier Details]ダイアログで確認すること
ができます。ダイアログは、フラッシュプロジェクトで設定さ
れたチェックに応じて、次のように表示されます。
[Identifier Details]ダイアログを開くには、メニューバーの
[View] – [Identifier details]を選択します。
結果
フラッシュプロジェクトの設定、および ECU と dSPACE ECU Flash
Programming Tool の間の通信がチェックされます。テストの詳細と結果
が、現在のフラッシュプロジェクトのログファイルに格納されます。
関連トピック
リファレンス
• 「[Communication Check]」(86 ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
65
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
ECU のデータを検証する方法
目的
テストを行う際に、(フラッシュデータソースとして選択した)ECU イメージ
ファイル内のデータを、ECU フラッシュメモリに現在格納されているデー
タと照合して検証することができます。ECU フラッシュプログラミング用に
選択した各メモリセグメントについて、ECU 上とホスト PC 上のチェックサ
ム値が計算され、比較されます。データ検証は、フラッシュオペレーショ
ンとは個別に、つまり、ECU 上のデータを変更せずに実行することがで
きます。
前提条件
n 適切なフラッシュプロジェクトが定義されている必要があります。「プ
ロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)を参照してくださ
い。
n データ(オフラインデータ)を含む ECU イメージファイルが必要です。
このデータと、ECU のフラッシュメモリに現在格納されているデータ
(オンラインデータ)を比較します。
操作手順
ECU のデータを検証するには
1 dSPACE ECU Flash Programming Tool を開きます。
2 ECU 用の適切なフラッシュプロジェクトを選択します。
66
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU のデータを検証する方法 t
3 ECU に書き込むデータを含むフラッシュデータファイルを表示しま
す。
別の ECU イメージファイルを選択するには、
をクリックします。
[Open Data File]ダイアログが開き、ここで、HEX、MOT、S19、または
SREC ファイルを選択することができます。
Windows Explorer を使用して、または ControlDesk Next
Generation の Project Manager で表示される ECU イメージファイル
から dSPACE ECU Flash Programming Tool を起動した場合、ECU イ
メージファイルがフラッシュデータソースとしてあらかじめ選択されて
います。
([Configure Logical Memory[ダイアログで指定した)フラッシュプロ
ジェクト用のデフォルトのフラッシュデータファイルを定義している場
合は、このファイルがフラッシュデータソースとしてあらかじめ選択さ
れています。ただし、フラッシュプロジェクト用として別のフラッシュ
データソースを選択することが許可([Configure Logical Memory]ダ
イアログで指定)されている場合に限り、このファイルの代わりに
ECU イメージファイルを選択することができます。
4 [ECU interface]ドロップダウンリストで、フラッシュプロジェクトで使用
する実際の ECU インターフェースを選択します。このリストには、選
択したフラッシュプロジェクトで指定した ECU インターフェースタイプ
に一致し、ホスト PC に現在接続されているすべての ECU インター
フェースが含まれます。
5 [ECU]メニューで[Verify data on ECU]を選択してデータ検証を開始し
ます。
次のような警告が表示されます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
67
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
警告
ECU はリセットされます。予期しない結果の発生や損傷を
回避するには、次の手順を実行します。
n
n
n
車両を運転中の場合は、停止してください。
エンジンが駆動中の場合は、スイッチをオフにしてくだ
さい。
ControlDesk Next Generation と ECU の間の通信
を停止してください。したがって、ControlDesk Next
Generation 搭載のホスト PC に接続されたすべての
デバイスハードウエアを"切断"状態にする必要があり
ます。
6 [OK]をクリックして、検証オペレーションを開始します。
dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログの下部に、
データ検証オペレーションの進行状況が表示されます。現在のス
テータス、警告、エラーメッセージなど、データ検証オペレーションに
ついての情報が[Status information field]に表示されます。
68
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU のデータを検証する方法 t
データ検証の後、[Memory Segment Details]ダイアログが開き、
チェックされた各メモリセグメントについて、ホスト PC 上と ECU 上の
計算済みチェックサム値が表示されます。このダイアログの例を下
の図に示します。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
69
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
7 データ検証オペレーションのテストの詳細と結果、ステータス情報、
警告、エラーメッセージなどは、フラッシュプロジェクトに固有のログ
ファイルにも格納されます。検証チェックの完了後、[View] – [Flash
project logfile]を選択してログファイルを開くと、情報を表示すること
ができます。
フラッシュデータ識別機能とフラッシュデータ整合性チェッ
ク機能がフラッシュプロジェクトで設定され、有効になって
いる場合は、これらもデータ検証チェック中に実行されま
す。テスト結果は、[Identifier Details]ダイアログで確認す
ることができます。ダイアログは、フラッシュプロジェクトで
設定されたチェックに応じて、次のように表示されます。
[Identifier Details]ダイアログを開くには、メニューバーの
[View] – [Identifier details]を選択します。
結果
ECU のフラッシュメモリに現在格納されているデータと、書き込むために
選択した ECU イメージファイル内のデータを比較します。[Memory
Segment Details]ダイアログが開き、チェックされた各メモリセグメントに
ついて、ホスト PC 上と ECU 上の計算済みチェックサム値が表示されま
す。テストの詳細と結果が、現在のフラッシュプロジェクトのログファイル
に格納されます。
関連トピック
リファレンス
• 「[Verify Data on ECU]」(118 ページ)
70
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s メモリセグメントを書き込む方法 t
メモリセグメントを書き込む方法
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用すると、ECU アプリケー
ションの要件に従って、ECU のフラッシュメモリをいくつかの領域(論理メ
モリセグメント)に分割することができます。これにより、各セグメントを消
去し、独立してプログラミングを行うことができます。
基礎
ECU フラッシュプログラミングを実行すると、複数のチェックが行われま
す。実際のフラッシュオペレーションが開始される前に、フラッシュプロ
ジェクトの設定に従って dSPACE ECU Flash Programming Tool と ECU
の間の通信のチェック、フラッシュデータ識別チェック、およびフラッシュ
データの整合性チェックが実行されます。書き込みの完了後に、ホスト
PC 上と ECU 上のデータが比較され、フラッシュオペレーションが正常に
実行されたかどうかがチェックされます。
前提条件
n 適切なフラッシュプロジェクトを定義している必要があります。「プロ
ジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)を参照してください。
n ECU のフラッシュメモリのプログラミングを行うには、ECU アプリケー
ションコード、ECU ブートコード、ECU にプログラミングされるアプリ
ケーションのパラメータ値を含む ECU イメージファイルが必要です。
ECU イメージファイルは、ControlDesk Next Generation のフラッシュ
メモリにプログラミングするデータセットから作成することができま
す。「ECU イメージファイルを作成する方法」 ( 『ControlDesk Next
Generation ベーシックガイド』)を参照してください。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
71
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
操作手順
メモリセグメントを書き込むには
1 dSPACE ECU Flash Programming Tool を開きます。
2 該当するフラッシュプロジェクトを選択します。
3 ECU アプリケーションコード、ECU ブートコード、ECU のフラッシュメモ
リにプログラミングする適合ツール用データを含む ECU イメージファ
イルを選択します。
別の ECU イメージファイルを選択するには、
をクリックします。
[Open Data File]ダイアログが開き、ここで、HEX、MOT、S19、または
SREC ファイルをフラッシュデータソースとして選択することができま
す。
Windows Explorer を使用して、または ControlDesk Next
Generation の Project Manager で表示される ECU イメージファイル
から dSPACE ECU Flash Programming Tool を起動した場合、ECU イ
メージファイルがフラッシュデータソースとしてあらかじめ選択されて
います。
([Configure Logical Memory[ダイアログで指定した)フラッシュプロ
ジェクト用のデフォルトのフラッシュデータファイルを定義している場
合は、このファイルがフラッシュデータソースとしてあらかじめ選択さ
れています。ただし、フラッシュプロジェクト用として別のフラッシュ
データソースを選択することが許可([Configure Logical Memory]ダ
イアログで指定)されている場合に限り、このファイルの代わりに
ECU イメージファイルを選択することができます。
72
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s メモリセグメントを書き込む方法 t
4 [ECU interface]ドロップダウンリストで、フラッシュプロジェクトを利用
して ECU フラッシュプログラミングを行う場合に使用する実際の ECU
インターフェースを選択します。このリストには、選択したフラッシュプ
ロジェクトで指定した ECU インターフェースタイプに一致し、ホスト PC
に現在接続されているすべての ECU インターフェースが含まれま
す。
5 [Flash ECU]をクリックして ECU フラッシュプログラミングオペレーショ
ンを開始します。
次のような警告が表示されます。
警告
ECU はリセットされます。予期しない結果の発生や損傷を
回避するには、次の手順を実行します。
n
n
n
車両を運転中の場合は、停止してください。
エンジンが駆動中の場合は、スイッチをオフにしてくだ
さい。
ControlDesk Next Generation と ECU の間の通信
を停止してください。したがって、ControlDesk Next
Generation 搭載のホスト PC に接続されたすべての
デバイスハードウエアを"切断"状態にする必要があり
ます。
また、メニューバーから[ECU – Flash ECU]を選択して、
ECU フラッシュプログラミングを開始することもできます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
73
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
6 [OK]をクリックして、フラッシュオペレーションを開始します。
dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログの下部に、
ECU フラッシュプログラミングオペレーションの進行状況が表示され
ます。フラッシュオペレーションの現在のステータス、警告、エラーメッ
セージなどが[Status information]に表示されます。
7 フラッシュプロジェクト固有のログファイルにも、ECU フラッシュプログ
ラミングオペレーションの詳細と結果、ステータス情報、警告、エラー
メッセージなどが格納されます。フラッシュオペレーションの完了後、
[View] – [Flash project logfile]を選択してログファイルを開くと、情報
を表示することができます。
ECU フラッシュプログラミングが完了すると、ECU 上およ
びホスト上で選択したメモリセグメントの計算済みチェック
サム値のリストが[Memory Segment Details]ダイアログ
に表示されます。このリストを表示するには、メニューバー
の[View – Segment details]を選択します。
ECU フラッシュプログラミングの完了後、[Identifier
Details]ダイアログを表示すると、フラッシュプロジェクトの
設定により行ったフラッシュデータ識別チェックとデータ整
合性チェックの結果を確認することができます。このダイ
アログを表示するには、メニューバーの[View] –
[Identifier details]を選択します。
74
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s メモリセグメントを書き込む方法 t
結果
フラッシュプロジェクトで指定した設定に従って、ECU のフラッシュメモリ
に新しい ECU アプリケーションコード、ECU ブートコード、および適合
ツール用データを実装します。フラッシュオペレーションの詳細は、現在
のフラッシュプロジェクトのログファイルに格納されています。
次のステップ
ControlDesk Next Generation と連携して ECU での作業を続行する場
合、ECU のフラッシュメモリのプログラミング後に、追加の手順を実行す
る必要がある場合があります。
n 新しいコードを ECU に書き込んだ場合は、次の手順を実行する必要
があります。
n
n
新しい変数記述ファイル(A2L ファイル)を、ControlDesk Next
Generation の DCI‑GSI1、DCI-GSI2、DCI‑GME、XCP on CAN、
XCP on Ethernet、または XCP on USB デバイスに追加します。変
更した ECU コードによって、変数の位置が変更されることがあり
ます。
新しい ECU イメージファイルを ControlDesk のエクスペリメントに
インポートします。古い ECU コードのデータは通常、新しい ECU
ソフトウエアには対応していません。
詳細については、「プラットフォーム/デバイスに変数記述ファイルを
追加する方法」 ( 『ControlDesk Next Generation ベーシックガイ
ド』)を参照してください。
ECU に適合ツール用データのみを書き込んでいる場合
は、[Calibration Memory]ダイアログを使用して ECU から
ホスト PC にメモリセグメントの内容をアップロードするだ
けで済みます。このダイアログは、オンライン適合を開始
すると開きます。詳細については、「オンライン適合を開始
および停止する方法」 ( 『ControlDesk Next
Generation ベーシックガイド』)を参照してください。
n DCI‑GME1 を実装した ECU を書き込んでおり、ECU フラッシュプログ
ラミング時に dSPACE ECU Flash Programming Tool 上で[Program
GME Start page]オプションが無効になっていた場合は、DCI‑GME1
のスタートページをプログラミングする必要があります。
関連トピック
基礎
• 「ECU フラッシュプログラミングのためのメモリセグメント分割」(30 ページ)
リファレンス
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログ」(107 ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
75
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
ECU からデータをアップロードする方法
目的
ECU メモリの内容を ECU からアップロードし、ファイルに保存することが
できます。これにより、ECU のフラッシュメモリに現在格納されている
データをアーカイブすることができます。
アップロードするデータは、フラッシュプロジェクトの論理メモリセグメント
を選択して指定します。
アップロードのみ
ECU のフラッシュメモリからデータをアップロードしたうえで、フラッシュプ
ロジェクトを使用してファイルへの保存だけを行い、ECU フラッシュプロ
グラミングを行わない場合は、そのようにフラッシュプロジェクトを設定す
ることができます。[Configure Logical Memory]ダイアログの[Upload
only (no flash programming)]チェックボックスで、プロジェクトのフラッ
シュプログラミングを無効にすることができます。つまり、フラッシュプロ
ジェクトに対してフラッシュオペレーションを開始できなくなります。
前提条件
適切なフラッシュプロジェクトが定義されている必要があります。「プロ
ジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)を参照してください。
操作手順
ECU からデータをアップロードしてファイルに保存するには
1 dSPACE ECU Flash Programming Tool を開きます。
2 フラッシュプロジェクトを選択します。
76
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s ECU からデータをアップロードする方法 t
3 [ECU Interface]ドロップダウンリストで、ECU からのデータのアップ
ロードに使用する実際の ECU インターフェースを選択します。このリ
ストには、選択したフラッシュプロジェクトで指定した ECU インター
フェースタイプに一致し、ホスト PC に現在接続されているすべての
ECU インターフェースが含まれます。
4 [ECU]メニューで[Upload data from ECU]を選択してアップロードオペ
レーションを開始します。
次のような警告が表示されます。
警告
ECU はリセットされます。予期しない結果の発生や損傷を
回避するには、次の手順を実行します。
n
n
n
車両を運転中の場合は、停止してください。
エンジンが駆動中の場合は、スイッチをオフにしてくだ
さい。
ControlDesk Next Generation と ECU の間の通信
を停止してください。ControlDesk Next Generation
搭載のホスト PC に接続されたすべてのデバイスハー
ドウエアを"切断"状態にする必要があります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
77
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
5 [OK]をクリックして、アップロードオペレーションを開始します。
dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログの下部に、
アップロードオペレーションの進行状況が表示されます。現在のス
テータス、警告、エラーメッセージなど、アップロードオペレーションに
ついての情報が[Status information field]に表示されます。
選択した論理メモリセグメントの ECU のメモリ内容が ECU からアップ
ロードされた後、[Save Upload Data]ダイアログが表示されます。
6 アップロードしたデータを保存するファイルのパス、名前、タイプを指
定します。
7 [Save]をクリックします。
78
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s dSPACE ECU Flash Programming Tool をリモート制御する方法 t
8 フラッシュプロジェクト固有のログファイルにも、アップロードオペレー
ションの詳細と結果、ステータス情報、警告、エラーメッセージなどが
格納されます。アップロードと保存の完了後、[View] – [Flash project
logfile]を選択してログファイルを開くと、情報を表示することができま
す。
結果
フラッシュプロジェクトで選択した論理メモリセグメントの現在の ECU メモ
リ内容がアップロードされます。指定したファイルにデータが保存されま
す。
関連トピック
リファレンス
• 「[Upload Data from ECU]」(117 ページ)
dSPACE ECU Flash Programming Tool をリモート制御する方法
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、リモート制御を行えるよ
う、コマンドラインパラメータが用意されています。これは、さまざまな
データセットや新しい ECU ソフトウエアリビジョンを ECU に書き込んで自
動的に順番にテストする場合などに便利です。
構文
dsFlashTool [--help] [--nodisclaimer]
[--workroot=<directory>] [--project=<directory>]
[--file=<file>] [--interface=<name>]
[--command=<flash|verify|check|upload <file>>]
使用できるパラメータを下の表に示します。
パラメータ
説明
--nodisclaimer
dSPACE ECU Flash Programming Tool の起動時に最初に表示される免責
事項のメッセージが表示されないようにします。
特定のディレクトリを作業フォルダとして指定します。
指定したディレクトリのフラッシュプロジェクトを選択します。フラッシュプロ
ジェクト、またはフラッシュプロジェクトのフォルダにある DFP ファイルへの
パス全体を入力する必要があります。プロジェクト名のみを指定することも
可能です。現在の作業フォルダから、対応するフラッシュプロジェクトが
ツールによって選択されます。
特定のファイルをフラッシュデータファイルとして指定します。ECU イメージ
ファイルのパス全体を入力する必要があります。
--workroot=<directory>
--project=<directory>
--file=<file>
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
79
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
パラメータ
説明
--interface=<name>
フラッシュプロジェクトの ECU インターフェースを指定します。<name>には、
インターフェース名全体または ECU インターフェース名の一部を指定する
ことができます。パターンに一致する最初のインターフェースが選択されま
す。正確なインターフェース名は、dSPACE ECU Flash Programming Tool
のメインダイアログで検索することができます。
ECU フラッシュプログラミングオペレーションをすぐに開始します。フラッ
シュオペレーションが終了すると、すぐにツールが終了します。dSPACE
ECU Flash Programming Tool は、完全に自動的に実行されます。
データ検証オペレーションをすぐに開始します。検証オペレーションが終了
すると、すぐにツールが終了します。dSPACE ECU Flash Programming
Tool は、完全に自動的に実行されます。
すぐに通信チェックを開始します。テストオペレーションが終了すると、すぐ
にツールが終了します。dSPACE ECU Flash Programming Tool は、完全に
自動的に実行されます。
アップロードオペレーションをすぐに開始します。アップロードオペレーショ
ンが終了すると、すぐにツールが終了します。dSPACE ECU Flash
Programming Tool は、完全に自動的に実行されます。<file>パラメータに
は、アップロードしたデータの保存先となるファイルの名前を指定します。
名前を指定しない場合は、フラッシュプロジェクト名と現在の日時を示すデ
フォルトのファイル名が使用されます。デフォルトのファイル名は
Upload_<flash_project>_<YYYYMMDD>_<HHMMSS>です。
すべてのコマンドラインパラメータと簡単な説明のリストを含むヘルプが表
示されます。
--command=flash1)
--command=verify1)
--command=check1)
--command=upload <file>1)
--help
1) --command=<flash|verify|check|upload <file>>オプションには、--nodisclaimer コマンドが含まれているため、このコマンドを別途指
定する必要はありません。
コマンドラインの引数はすべて、オプションです。
引数を指定しない場合、dSPACE ECU Flash Programming Tool では、
ツールまたはプロジェクトのデフォルト設定が使用されます。引数を複数
回使用した場合は、最後に指定したオプションが使用されます。dSPACE
ECU Flash Programming Tool のそれぞれの呼び出しでは、ECU フラッ
シュプログラミング、データ検証、および通信チェックのいずれかが行わ
れます(1 つの command=…引数のみが実行可能なため)。
操作手順
dSPACE ECU Flash Programming Tool をリモート制御するには
1 DOS ウインドウを開きます。
2 %CommonProgramFiles%\dSPACE\ECUFlashProgrammingTool\Bin フォ
ルダに変更します。
3 dsFlashTool [parameters]と入力します。
80
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s dSPACE ECU Flash Programming Tool をリモート制御する方法 t
結果
dSPACE ECU Flash Programming Tool が起動し、目的のオペレーション
が実行されます。
例
次の例は、dSPACE ECU Flash Programming Tool でコマンドラインパラ
メータを使用し、タスクをリモートで実行する方法を示しています。
n dSPACE ECU Flash Programming Tool で最後に指定した設定で
データ検証オペレーションを実行するには、次のように入力します。
dsFlashTool --command=verify
n 最初に免責事項メッセージを表示せずに dSPACE ECU Flash
Programming Tool を開き、デフォルト作業フォルダとして
E:\flash_projects を指定するには、次のように入力します。
dsFlashTool --nodisclaimer --workroot=E:\flash_projects
n 次のような ECU フラッシュプログラミングオペレーションを実行する
には、
n
フラッシュプロジェクトが MyGSIFlashProject
n
フラッシュデータソースが code_and_data_demo_v01.hex
n
ECU インターフェースが、シリアル番号 123456 の DCI‑GSI1
次のように入力します。
dsFlashTool --project=E:\flash_projects\MyGSIFlashProject
--file=code_and_data_demo_v01.hex --interface=”123456”
--command=flash
n ECU がホスト PC にキャリブレーションハブを介して接続されている
場合に、次のような ECU フラッシュプログラミングオペレーションを
XCP on CAN 経由で実行するには、
n
フラッシュプロジェクトが MyXCPFlashProject
n
フラッシュデータソースが data_demo_v02.hex
n
ECU インターフェースが、接続されたキャリブレーションハブの 2
番目の CAN インターフェース("CAN2")
次のように入力します。
dsFlashTool --project=E:\flash_projects\MyXCPFlashProject
--file=data_demo_v02.hex --interface=”CAN2”
--command=flash
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
81
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用 t
82
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
dSPACE ECU Flash Programming
Tool リファレンス
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、次のコマンドが用意されて
います。
コマンド
コマンド
目的
参照先
[New Flash Project]
新しい ECU フラッシュプロジェクトを作成します。
「[Configure Flash Project]ダイアログ」
(90 ページ)
[Open Flash Project]
フラッシュプロジェクトを開きます。
「[Select ECU Flash Project]ダイアロ
グ」(116 ページ)
[Copy Flash Project]
選択したフラッシュプロジェクトを複製、または別の作業フォル
ダにコピーします。
「[Copy Flash Project]ダイアログ」
(105 ページ)
[Select Flash Data]
ECU イメージファイルをフラッシュデータソースとして選択しま
す。
「dSPACE ECU Flash Programming
Tool メインダイアログ」(107 ページ)
[Exit]
dSPACE ECU Flash Programming Tool を終了します。
「[Exit]」(109 ページ)
既存の ECU フラッシュプロジェクトを編集します。
「[Configure Flash Project]ダイアログ」
(90 ページ)
[File]メニュー
[Edit]メニュー
[Edit Flash Project]
[View]メニュー
[Segment Details]
設定した論理メモリセグメント、および ECU イメージファイルで
「[Memory Segment Details]ダイアロ
指定したメモリセグメントの詳細を表示します。また、ECU フラッ グ」(114 ページ)
シュプログラミング対象として選択したメモリセグメントに関する
情報を表示します。
[Identifier Details]
フラッシュデータ識別とフラッシュデータ整合性のチェックの結
果を表示します。
「[Identifier Details]ダイアログ」(110
ページ)
[Flash Project Log File]
現在のフラッシュプロジェクトのログファイルを表示します。
「[Flash Project Logfile]ダイアログ」
(109 ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
83
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
コマンド
目的
参照先
[Flash ECU]
ECU フラッシュプログラミングを開始します。
「dSPACE ECU Flash Programming
Tool メインダイアログ」(107 ページ)
[Verify Data on ECU]
ECU のフラッシュメモリに現在格納されているデータと、フラッ
「[Verify Data on ECU]」(118 ページ)
シュデータソースとして選択した ECU イメージファイル内のデー
タを比較します。
[Upload Data from ECU]
ECU メモリの現在の内容をアップロードします。また、アップ
ロードしたデータをファイルに保存します。
「[Upload Data from ECU]」(117 ペー
ジ)
[Communication Check]
フラッシュプロジェクトの設定のテスト、および dSPACE ECU
Flash Programming Tool と ECU の間の通信をテストします。
「[Communication Check]」(86 ペー
ジ)
[Help]
dSPACE ECU Flash Programming Tool のオンラインヘルプを
表示します。
「[Help]」(110 ページ)
[Language]
ユーザインターフェースの言語を指定します。
「[Language]」(113 ページ)
[Disclaimer]
dSPACE ECU Flash Programming Tool の免責事項を表示しま
す。
「[Disclaimer]」(106 ページ)
[About]
dSPACE ECU Flash Programming Tool のバージョン情報を表
示します。
「[About]」(85 ページ)
[ECU]メニュー
[Help]メニュー
[Select ECU Flash Project]ダイアログのコンテキストメニュー
[New Flash Project]
新しい ECU フラッシュプロジェクトを作成します。
「[Configure Flash Project]ダイアログ」
(90 ページ)
[Edit Flash Project]
現在選択されているフラッシュプロジェクトを編集します。
「[Configure Flash Project]ダイアログ」
(90 ページ)
[Copy Flash Project]
現在選択されているフラッシュプロジェクト用の別の作業フォル
ダを指定し、そのフォルダを別名で保存します。
「[Copy Flash Project]ダイアログ」
(105 ページ)
[Delete Flash Project]
現在選択されているフラッシュプロジェクトを削除します。
「[Delete Flash Project]」(106 ページ)
[Configure Logical Memory]ダイアログのコンテキストメニュー
[Add New Segment]
新しい論理メモリセグメントを設定し、フラッシュプロジェクトに
追加します。
「[Configure Logical Memory]ダイアロ
グ」(98 ページ)
[Edit Selected Segment]
現在選択されている論理メモリセグメントの設定を変更します。
「[Configure Logical Memory]ダイアロ
グ」(98 ページ)
[Remove Selected
Segment]
現在選択されている論理メモリセグメントをフラッシュプロジェク
トから削除します。
「[Remove Selected Segment]」(115
ページ)
[Configure Physical Memory]ダイアログのコンテキストメニュー
84
s
[Add New Segment]
新しい物理メモリセグメントを手動で設定し、現在のフラッシュ
プロジェクトに追加します。
「[Configure Physical Memory]ダイア
ログ」(103 ページ)
[Edit Selected Segment]
現在選択されている物理メモリセグメントを手動で設定変更し
ます。
「[Configure Physical Memory]ダイア
ログ」(103 ページ)
[Remove Selected
Segment]
現在選択されている物理メモリセグメントをフラッシュプロジェク
トから削除します。
「[Remove Selected Segment]」(115
ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [About] t
ダイアログ
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、次のダイアログが用意さ
れています。
目的
参照先
dSPACE ECU Flash Programming Tool のダイアログ
フラッシュデータの識別および整合性チェックを設定します。
「[Configure Data Identifiers]ダイアロ
グ」(86 ページ)
フラッシュプロジェクトを定義します。また、ECU インターフェースタイプを指定します。
「[Configure Flash Project]ダイアログ」
(90 ページ)
新規または既存のフラッシュプロジェクトの設定、ECU インターフェース固有の設定の指
定、論理メモリセグメントと物理メモリセグメントの設定、ECU にプログラミングされるメモ
リセグメントの選択、フラッシュデータ識別と整合性チェックの設定を行います。
「Configure Flash Project Wizard」(91
ページ)
現在のフラッシュプロジェクトに対する ECU インターフェース固有の設定を指定します。
「[Configure Interface Settings]ダイアロ
グ」(92 ページ)
論理メモリセグメントを設定、および書き込むメモリセグメントを選択します。
「[Configure Logical Memory]ダイアロ
グ」(98 ページ)
ECU フラッシュメモリの物理メモリセグメントを設定します。
「[Configure Physical Memory]ダイアロ
グ」(103 ページ)
現在の ECU フラッシュプロジェクトを保存するための別の作業フォルダ、プロジェクト名、
またはその両方を指定します。
「[Copy Flash Project]ダイアログ」(105
ページ)
フラッシュプロジェクトの作成と設定、オフラインとオンラインのデータ検証または通信テ
ストの実行、および ECU フラッシュプログラミングの開始を行います。
「dSPACE ECU Flash Programming Tool
メインダイアログ」(107 ページ)
現在のフラッシュプロジェクトのログファイルの内容を表示します。
「[Flash Project Logfile]ダイアログ」(109
ページ)
フラッシュデータ識別とフラッシュデータ整合性のチェックの結果を表示します。
「[Identifier Details]ダイアログ」(110
ページ)
設定した論理メモリセグメント、および ECU イメージファイルで指定したメモリセグメント
の詳細を表示します。
「[Memory Segment Details]ダイアログ」
(114 ページ)
ECU フラッシュプロジェクトの選択、作成、管理を行います。
「[Select ECU Flash Project]ダイアログ」
(116 ページ)
[About]
アクセス
このコマンドには、[Help]メニューからアクセスすることができます。
目的
システムにインストールされている dSPACE ECU Flash Programming
Tool のバージョンを表示します。
結果
dSPACE ECU Flash Programming Tool のバージョン番号が表示されま
す。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
85
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Communication Check]
アクセス
このコマンドには、[ECU]メニューからアクセスすることができます。
目的
フラッシュプロジェクトの設定のテスト、および dSPACE ECU Flash
Programming Tool、ECU、およびフラッシュカーネルの間の通信のテス
トを行います。
結果
通信チェックは、フラッシュオペレーションから独立して実行されます。
説明
通信チェックによって、ECU のフラッシュメモリが変更されることはありま
せん。
テストオペレーションの進捗は、dSPACE ECU Flash Programming Tool
メインダイアログの下部に表示されており、メインダイアログの[Status
information]フィールドには、オペレーションの現在のステータスに関す
る情報が表示されます。テストオペレーションの詳細とテスト結果は、現
在のフラッシュプロジェクトのログファイルに保存されます。「[Flash
Project Logfile]ダイアログ」(109 ページ)を参照してください。
フラッシュデータ識別機能とフラッシュデータ整合性チェック機能がフラッ
シュプロジェクトで設定され、有効になっている場合は、これらも通信
チェック中に実行されます。見つかった識別子とテスト結果は、
[Identifier Details]ダイアログで確認することができます。「[Identifier
Details]ダイアログ」(110 ページ)を参照してください。
関連トピック
基礎
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎」(38 ページ)
操作手順
• 「ECU との通信をチェックする方法」(62 ページ)
[Configure Data Identifiers]ダイアログ
アクセス
このダイアログは、「Configure Flash Project Wizard」(91 ページ)の一
部です。
目的
フラッシュデータ識別チェック機能とフラッシュデータ整合性チェック機能
を設定します。
86
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Data Identifiers]ダイアログ t
説明
フラッシュデータ識別チェック機能は、正しいフラッシュデータファイルが
フラッシュデータソースとして選択され、ECU に対応していることを確認
するために使用します。フラッシュデータの識別は、フラッシュデータファ
イルの識別子を、想定される固定識別子、および ECU のフラッシュメモ
リ内の識別子と比較して実行されます。データ識別チェック機能を有効
にすると、フラッシュデータファイルの識別子が、想定される識別子と一
致している場合にのみ、ECU フラッシュプログラミングが可能になりま
す。
フラッシュデータ識別チェック機能は、BOOTLOADER、CODE、および
DATA の各セグメントタイプに対して個別に設定し、有効にすることがで
きます。
安全上の理由により、各セグメントタイプには、それぞれ異な
る識別子を指定してください。
フラッシュデータ整合性チェックは、ECU に書き込むために選択したデー
タの信頼性を確認する場合に使用します。整合性チェック機能は、関連
するメモリセグメントタイプのフラッシュデータファイルの識別子を比較し
ます。整合性チェックを有効にした場合は、識別子が必ず一致する必要
があります。一致しない場合は、ECU フラッシュプログラミングを実行で
きません。
dSPACE ECU Flash Programming Tool では、CODE セグメントタイプと
DATA セグメントタイプのメモリセグメントの整合性だけでなく、CODE セ
グメントタイプと BOOTLOADER セグメントタイプのメモリセグメントの整
合性もチェックすることができます。
有効化されているフラッシュデータ識別チェック機能とデータ
整合性チェック機能のそれぞれについて、検出された識別子
とチェック結果を[Identifier Details]ダイアログで確認すること
ができます。「[Identifier Details]ダイアログ」(110 ページ)を
参照してください。
フラッシュデータ識別チェック機能とデータ整合性チェック機能を有効化
すると、通信チェックまたはデータ検証オペレーションが実行されるたび
に、それらも実行されます。
ダイアログ設定
[Check BOOTLOADER identification] BOOTLOADER セグメントタイ
プのフラッシュデータ識別チェック機能を有効または無効にすることがで
きます。データ識別チェック機能を有効にすると、想定される
BOOTLOADER セグメントタイプの識別子が、フラッシュデータファイルで
指定されたアドレスの識別子と比較されます。これらの値が異なる場合
は、BOOTLOADER セグメントタイプのデータ識別チェックは失敗です。
対応するメッセージが dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイ
アログに表示され、ECU フラッシュプログラミングは開始できません。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
87
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Address] BOOTLOADER セグメントタイプのフラッシュデータ識別
チェック機能の識別子のアドレスを指定することができます。このアドレ
スは、BOOTLOADER セグメントタイプの論理メモリセグメント内である必
要があります。この編集フィールドは、[Check BOOTLOADER
identification]オプションを選択している場合にのみ有効です。
[Expected ID] BOOTLOADER セグメントタイプのフラッシュデータ識別
チェック機能の想定される固定識別子を ASCII フォーマットで入力するこ
とができます。この編集フィールドは、[Check BOOTLOADER
identification]オプションを選択している場合にのみ有効です。
[Check CODE identification] CODE セグメントタイプのフラッシュ
データ識別チェック機能を有効または無効にすることができます。データ
識別チェック機能を有効にすると、想定される CODE セグメントタイプの
識別子が、フラッシュデータファイルで指定されたアドレスの識別子と比
較されます。これらの値が異なる場合は、CODE セグメントタイプのデー
タ識別チェックは成功しません。対応するメッセージが dSPACE ECU
Flash Programming Tool メインダイアログに表示され、ECU フラッシュ
プログラミングは開始できません。
[Address] CODE セグメントタイプのフラッシュデータ識別チェック機能
の識別子のアドレスを指定することができます。このアドレスは、CODE
セグメントタイプの論理メモリセグメント内である必要があります。この編
集フィールドは、[Check CODE identification]オプションを選択している
場合にのみ有効です。
[Expected ID] CODE セグメントタイプのフラッシュデータ識別チェック
機能の想定される固定識別子を ASCII フォーマットで入力することがで
きます。この編集フィールドは、[Check CODE identification]オプションを
選択している場合にのみ有効です。
[Check DATA identification] DATA セグメントタイプのフラッシュ
データ識別チェック機能を有効または無効にすることができます。データ
識別チェック機能を有効にすると、想定される DATA セグメントタイプの
識別子が、フラッシュデータファイルで指定されたアドレスの識別子と比
較されます。これらの値が異なる場合は、DATA セグメントタイプのデー
タ識別チェックは成功しません。対応するメッセージが dSPACE ECU
Flash Programming Tool メインダイアログに表示され、ECU フラッシュ
プログラミングは開始できません。
[Address] DATA セグメントタイプのフラッシュデータ識別チェック機能
の識別子のアドレスを指定することができます。このアドレスは、DATA
セグメントタイプの論理メモリセグメント内である必要があります。この編
集フィールドは、[Check DATA identification]オプションを選択している
場合にのみ有効です。
88
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Data Identifiers]ダイアログ t
[Expected ID] DATA セグメントタイプのフラッシュデータ識別チェック
機能の想定される固定識別子を ASCII フォーマットで入力することがで
きます。この編集フィールドは、[Check DATA identification]オプションを
選択している場合にのみ有効です。
[Check CODE/DATA consistency] CODE セグメントタイプと DATA
セグメントタイプのメモリセグメントについて、フラッシュデータ識別チェッ
ク機能を有効または無効にすることができます。整合性チェックを有効
にすると、[Address (CODE)]および[Address (DATA)]にある、対応する識
別子が比較されます。値が一致している場合は、選択したフラッシュ
データファイルのコードとデータが一貫しており、ECU フラッシュプログラ
ミングが可能です。
[Address (CODE)] CODE/DATA 整合性チェックに使用する CODE セ
グメントタイプのメモリセグメントの識別子のアドレスを指定することがで
きます。この編集フィールドは、[Check CODE/DATA consistency]オプ
ションを選択している場合にのみ有効です。指定したアドレスは、CODE
セグメントタイプの論理メモリセグメント内である必要があります。
[Address (DATA)] CODE/DATA 整合性チェックに使用する DATA セ
グメントタイプのメモリセグメントの識別子のアドレスを指定することがで
きます。この編集フィールドは、[Check CODE/DATA consistency]オプ
ションを選択している場合にのみ有効です。指定したアドレスは、DATA
セグメントタイプの論理メモリセグメント内である必要があります。
[Length] CODE/DATA 整合性チェック機能で使用する識別子の長さを
指定することができます。この編集フィールドは、[Check CODE/DATA
consistency]オプションを選択している場合にのみ有効です。
[Check CODE/BOOTLOADER consistency] CODE セグメントタイプ
と BOOTLOADER セグメントタイプのメモリセグメントについて、フラッシュ
データ識別チェック機能を有効または無効にすることができます。整合
性チェックを有効にすると、[Address (CODE)]および[Address
(BOOTLOADER)]にある、対応する識別子が比較されます。値が一致し
ている場合は、選択したフラッシュデータファイルのコードとブートコード
が一貫しており、ECU フラッシュプログラミングが可能です。
[Address (CODE)] CODE/BOOTLOADER 整合性チェックに使用する
CODE セグメントタイプのメモリセグメントの識別子のアドレスを指定する
ことができます。この編集フィールドは、[Check CODE/BOOTLOADER
consistency]オプションを選択している場合にのみ有効です。指定したア
ドレスは、CODE セグメントタイプの論理メモリセグメント内である必要が
あります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
89
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Address (BOOTLOADER)] CODE/BOOTLOADER 整合性チェックに
使用する BOOTLOADER セグメントタイプのメモリセグメントの識別子の
アドレスを指定することができます。この編集フィールドは、[Check
CODE/BOOTLOADER consistency]オプションを選択している場合にのみ
有効です。指定したアドレスは、BOOTLOADER セグメントタイプの論理メ
モリセグメント内である必要があります。
[Length] CODE/BOOTLOADER 整合性チェック機能で使用する識別子
の長さを指定することができます。この編集フィールドは、[Check
CODE/BOOTLOADER consistency]オプションを選択している場合にのみ
有効です。
[< Previous] Configure Flash Project Wizard での以前のダイアログ
を開きます。「[Configure Physical Memory]ダイアログ」(103 ページ)を
参照してください。
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
[Finish] 指定した設定を確認し、Configure Flash Project Wizard を終
了します。
関連トピック
基礎
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎」(38 ページ)
操作手順
• 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
[Configure Flash Project]ダイアログ
アクセス
このダイアログは、「Configure Flash Project Wizard」(91 ページ)の一
部です。
目的
フラッシュプロジェクトを定義します。また、ECU インターフェースタイプを
指定します。
ダイアログ設定
[Flash project name] フラッシュプロジェクトの名前を入力するか、ま
たは変更することができます。
[ECU interface type] ECU インターフェースのタイプを選択することが
できます。現在、dSPACE ECU Flash Programming Tool では、以下のタ
イプがサポートされています。
n DCI-GME1(dSPACE Calibration Interface – Generic Serial Interface
1)
n DCI‑GSI1(dSPACE Calibration Interface – Generic Serial Interface
1)
90
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s Configure Flash Project Wizard t
n XCP on CAN
n XCP on Ethernet
ECU インターフェースとして DCI-GSI2 を使用する場合、
[ECU interface type]で「XCP on Ethernet」を選択する必
要があります。
n XCP on USB
[Next >] Configure Flash Project Wizard での次のダイアログを開きま
す。「[Configure Interface Settings]ダイアログ」(92 ページ)を参照して
ください。このボタンは、[Flash project name]編集フィールドに入力する
までは無効です。
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
[Finish] ECU インターフェース固有の設定、論理メモリセグメントと物
理メモリセグメントの指定、考えられるフラッシュデータ識別と整合性
チェックの設定を行わずに選択を確定し、ダイアログを閉じます。このボ
タンは、既存のフラッシュプロジェクトを編集した場合にのみ有効になり
ます。
関連トピック
操作手順
• 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
Configure Flash Project Wizard
アクセス
以下のいずれかのコマンドでウィザードにアクセスすることができます。
n [File] – [New flash project]
n [Edit] – [Edit flash project]
または、[Select ECU Flash Project]ダイアログで(フラッシュプロジェクトの
コンテキストメニューから[New flash project]または[Edit flash project]を
選択して)アクセスすることができます。
目的
新規または既存のフラッシュプロジェクトの設定、ECU インターフェース
固有の設定の指定、論理メモリセグメントと物理メモリセグメントの設
定、ECU にプログラミングされるメモリセグメントの選択、ECU フラッシュ
プログラミングの開始前に実行可能なフラッシュデータ識別と整合性の
チェックの設定を行います。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
91
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
ダイアログシーケンス
Configure Flash Project Wizard は、5 つのダイアログのシーケンスで構
成されています。
n 「[Configure Flash Project]ダイアログ」(90 ページ)
n 「[Configure Interface Settings]ダイアログ」(92 ページ)
n 「[Configure Logical Memory]ダイアログ」(98 ページ)
n 「[Configure Physical Memory]ダイアログ」(103 ページ)
n 「[Configure Data Identifiers]ダイアログ」(86 ページ)
関連トピック
操作手順
• 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
[Configure Interface Settings]ダイアログ
アクセス
このダイアログは、「Configure Flash Project Wizard」(91 ページ)の一部
です。
目的
ECU インターフェース固有の設定を指定します。
説明
dSPACE Calibration and Bypassing Service または dSPACE XCP Service
などの設定を行い、フラッシュカーネルファイルを指定する必要がありま
す。
DCI‑GME1 および DCI‑GSI1
のダイアログ設定
[Require fixed ECU name (optional)] 必要に応じて、ECU の名前
を指定することができます。ECU 名を入力しない場合は、任意の
DCI‑GME1 または DCI‑GSI1 でフラッシュプロジェクトを使用することが
できます。ECU 名を指定した場合は、(DCI Configuration Tool の[ECU
Name]ページで指定した)ECU 名と名前が一致する DCI‑GME1 または
DCI‑GSI1 でのみフラッシュプロジェクトを使用することができます。
[dSPACE flash kernel] 現在選択されている dSPACE フラッシュカー
ネルファイルの名前を表示します。dSPACE フラッシュカーネルは、ECU
サービスと、使用するフラッシュメモリに適切なドライバーで構成されま
す。dSPACE フラッシュカーネルは、dSPACE ECU Flash Programming
Tool によって ECU の RAM にロードされ、ECU フラッシュプログラミング
が開始されると、アクティブになります。
適切な dSPACE フラッシュカーネルについては、dSPACE に
お問い合わせください。
92
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Interface Settings]ダイアログ t
[Add] dSPACE フラッシュカーネルを選択するための[Open dSPACE
Flash Kernel file]ダイアログが開きます。dSPACE フラッシュカーネルで
許容されるファイルフォーマットは、HEX、MOT、S19、および SREC で
す。このボタンは、dSPACE フラッシュカーネルが既に選択されている場
合は無効になっています。
[Remove] 現在のフラッシュプロジェクトから、選択した dSPACE フラッ
シュカーネルファイルを削除します。このボタンは、dSPACE フラッシュ
カーネルファイルが選択されている場合にのみ有効になります。
[dSPACE Service mailbox address] dSPACE メールボックスの開始
アドレスを指定することができます。ツール RAM(DCI‑GME1)または
ECU RAM(DCI-GSI1)内に dSPACE メールボックスが存在する必要があ
ります。これを使用して、ECU および使用する ECU インターフェースの
間の通信が行われます。つまり、すべてのコマンドと応答はメールボック
スを介して送信されます。
この設定は、dSPACE フラッシュカーネルとブートチェック関数
用 ECU サービス設定ファイルで指定されているメールボック
スアドレス設定に一致する必要があります。一致しない場
合、dSPACE フラッシュカーネルを開始できず、dSPACE ECU
Flash Programming Tool と dSPACE フラッシュカーネルの間
の通信は実行されません。
[dSPACE Service mailbox size] ECU で dSPACE フラッシュカーネル
がアクティブなときに dSPACE メールボックスが使用するメモリ範囲のサ
イズを指定することができます。
[Program GME start page] (ECU インターフェースタイプとして
DCI‑GME1 を選択した場合にのみ使用可能)ECU への ECU イメージ
ファイルの書き込みの際に、DCI-GME1 のスタートページをプログラミン
グするかどうかを指定することができます。
このオプションを有効にすると、ECU イメージファイルを ECU
に書き込むたびに、DCI‑GME1 のスタートページが自動的に
更新されます。ECU コードと、DCI‑GME1 のスタートページの
一貫性を保つには、このオプションを有効にすることを推奨し
ます。
[Program "flash valid" identifier to ECU flash] フラッシュ有効識
別子オプションを有効または無効にすることができます。このオプション
を使用して、最後の ECU フラッシュプログラミングオペレーションが正常
に実行されたかどうかを特定することができます。このオプションを有効
にした場合は、ECU フラッシュメモリプログラミングを開始するたびに、
ECU のフラッシュメモリ内のフラッシュ有効識別子が無効になり、ECU フ
ラッシュプログラミングオペレーションが正常に完了した後に復元されま
す。ECU のフラッシュメモリ内の識別子の値が無効である間、最後の
ECU フラッシュプログラミングオペレーションは完了していないか、無効
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
93
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
であると想定されます。したがって、ECU はフラッシュプログラミングモー
ドのままになり、ECU アプリケーションは開始されません。
[Address of "flash valid" identifier] ECU フラッシュメモリ内のフ
ラッシュ有効識別子の場所を指定することができます。この編集フィー
ルドは、プログラムフラッシュ有効識別子オプションを選択している場合
にのみ有効になります。
フラッシュ有効識別子の場所を含む物理フラッシュメモリセグ
メントは、ECU フラッシュプログラミング中は常に消去され、再
プログラミングされます。そのため、フラッシュ有効識別子は
メモリ領域内に存在することはできません。また、ECU フラッ
シュプログラミング中にメモリ領域を変更することはできませ
ん。
[Enable brain dead flash programming] (ECU インターフェースタ
イプとして DCI‑GSI1 を選択した場合にのみ使用可能)現在のフラッシュ
プロジェクトを、機能していない ECU のフラッシュメモリのプログラミング
に使用するかどうかを指定することができます。このチェックボックスが
オンの場合、機能していない ECU のフラッシュが可能になり、ブート
チェック関数を使用せずに ECU フラッシュプログラミングが実行されま
す。このチェックボックスがオフの場合、このフラッシュプロジェクトでは、
機能していない ECU を書き込めず、ブートチェック関数を ECU コードに
実装する必要があります。ブートチェック関数を使用する場合、または使
用しない場合の、DCI‑GSI1 を介した ECU フラッシュプログラミングにつ
いて詳しくは、「DCI‑GME1、DCI‑GSI1、または DCI-GSI2 を使用する
ECU フラッシュプログラミングの原理」(19 ページ)を参照してください。
ブートチェック関数を使用しない DCI‑GSI1 による ECU フラッ
シュプログラミングは現在、一部のプロセッサではサポートさ
れていません。詳細については、dSPACE までお問い合わせ
ください。
[< Previous] Configure Flash Project Wizard での前のダイアログを
開きます。「[Configure Flash Project]ダイアログ」(90 ページ)を参照して
ください。
[Next >] Configure Flash Project Wizard での次のダイアログを開きま
す。「[Configure Logical Memory]ダイアログ」(98 ページ)を参照してく
ださい。
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
[Finish] 論理メモリセグメントと物理メモリセグメントの指定も、考えら
れるフラッシュデータ識別と整合性チェックの設定も行わずに、指定した
設定を確定し、ダイアログを閉じます。このボタンは、既存のフラッシュプ
ロジェクトの設定を行った場合にのみ有効になります。
94
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Interface Settings]ダイアログ t
XCP on CAN、XCP on
Ethernet、および XCP on
USB のダイアログ設定
DCI‑GSI2 を実装した ECU とホスト PC の間の通信は、XCP
on Ethernet 経由で行われます。したがって、DCI-GSI2 を使
用する場合に ECU インターフェース固有の設定を指定する
には、XCP on Ethernet という ECU インターフェースタイプの
インターフェース設定を指定する必要があります。
[Require fixed ECU name (optional)] 必要に応じて、ECU の名前
を指定することができます。ECU 名を入力しない場合は、XCP を使用す
る任意の ECU でフラッシュプロジェクトを使用することができます。ECU
名を指定しない場合は、XCP ブートローダ識別子が ECU 名と一致する
ECU でのみフラッシュプロジェクトを使用することができます。
[Master CAN identifier] (ECU インターフェースタイプとして XCP on
CAN を選択した場合にのみ使用可能)接続した XCP on CAN デバイス
のマスター CAN 識別子を指定することができます。dSPACE ECU Flash
Programming Tool は、この CAN ID を使用して XCP コマンドを送信しま
す。
[Slave CAN identifier] (ECU インターフェースタイプとして XCP on
CAN を選択した場合にのみ使用可能)XCP on CAN を実装した ECU の
スレーブ CAN 識別子を指定することができます。XCP on CAN を実装し
た ECU は、この CAN 識別子を使用して、dSPACE Flash Programming
Tool に XCP 応答を送信します。
[CAN identifier type] (ECU インターフェースタイプとして XCP on
CAN を選択した場合にのみ使用可能)メッセージ識別子タイプを指定す
ることができます。値は次のいずれかです。
n [Standard]
Standard(標準)識別子は 11 ビットで構成され、CAN 2.0 A 仕様に
準拠しています。
n [Extended]
Extended(拡張)識別子は 29 ビットで構成され、CAN 2.0 B 仕様に
準拠しています。
[CAN baud rate] (ECU インターフェースタイプとして XCP on CAN を
選択した場合にのみ使用可能)CAN バスのボーレートを指定することが
できます。値は次のいずれかです。
n 1000 Kbit/s
n 500 Kbit/s
n 250 Kbit/s
n 125 Kbit/s
n 100 Kbit/s
n 50 Kbit/s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
95
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
n 20 Kbit/s
n 10 Kbit/s
[Ethernet protocol] (ECU インターフェースタイプとして XCP on
Ethernet を選択した場合にのみ使用可能)使用する Ethernet 送信プロ
トコルを選択することができます。UDP/IP または TCP/IP を選択すること
ができます。
[IP address] (ECU インターフェースタイプとして XCP on Ethernet を
選択した場合にのみ使用可能)接続した XCP on Ethernet 実装 ECU の
IP アドレスを指定することができます。
[Port number] (ECU インターフェースタイプとして XCP on Ethernet
を選択した場合にのみ使用可能)接続した XCP on Ethernet 実装 ECU
のポート番号を指定することができます。
[Vendor ID] (ECU インターフェースタイプとして XCP on USB を選択し
た場合にのみ使用可能)XCP on USB を実装した ECU のベンダー識別
子を指定することができます。
[Product ID] (ECU インターフェースタイプとして XCP on USB を選択
した場合にのみ使用可能)XCP on USB を実装した ECU の製品識別子
を指定することができます。
[Seed&Key DLL] 現在選択されている ECU フラッシュプログラミング
用 Seed&Key DLL ファイルのパスと名前を表示します。
[Add] [Open Seed&Key DLL file]ダイアログを開きます。ここで、ECU
フラッシュプログラミング用 Seed&Key DLL ファイルを選択することがで
きます。
[Open Seed&Key DLL file]ダイアログで[Open]をクリックすると、[Copy
Seed&Key DLL ?]ダイアログが開きます。
n [Copy Seed&Key DLL ?]ダイアログで[Yes]をクリックした場合は、選
択したファイルがフラッシュプロジェクトにコピーされます。ファイル
は、[Seed&Key DLL]フィールドに表示されます。
n [Copy Seed&Key DLL ?]ダイアログで[No]をクリックした場合は、選択
したファイルがフラッシュプロジェクトによって参照されます。ファイル
の名前とパスが、[Seed&Key DLL]フィールドに表示されます。
動作の事前設定により、選択したファイルをコピーするか、ま
たは参照するかを確認するダイアログが dSPACE ECU Flash
Programming Tool で表示されないようにすることができま
す。設定オプションにより、選択したファイルをフラッシュプロ
ジェクトに常にコピーするか、フラッシュプロジェクトで常に参
照するかを定義することができます。詳細については、
dSPACE サポートにお問い合わせください。
96
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Interface Settings]ダイアログ t
[Remove] 現在のフラッシュプロジェクトから、選択した Seed&Key DLL
ファイルを削除します。このボタンは、Seed&Key DLL ファイルが選択さ
れている場合にのみ有効になります。
[XCP flash kernel] 現在選択されている XCP フラッシュカーネルファ
イルの名前を表示します。フラッシュカーネルは、XCP サービス、カスタ
ム CAN ドライバー、および使用するフラッシュメモリ用の適切なフラッ
シュドライバーで構成されます。dSPACE フラッシュカーネルは、dSPACE
ECU Flash Programming Tool によって ECU の RAM にロードされ、ECU
フラッシュプログラミングが開始されると、アクティブになります。
適切な dSPACE XCP フラッシュカーネルについては、dSPACE
にお問い合わせください。
[Add] XCP フラッシュカーネルを選択するための[Open dSPACE Flash
Kernel file]ダイアログが開きます。フラッシュカーネルで許容されるファ
イルフォーマットは、HEX、MOT、S19、および SREC です。このボタンは、
XCP フラッシュカーネルが既に選択されている場合は無効になっていま
す。
[Remove] 現在のフラッシュプロジェクトから、選択した XCP フラッシュ
カーネルファイルを削除します。このボタンは、XCP フラッシュカーネル
が選択されている場合にのみ有効になります。
[Flash programming without XCP bootloader] dSPACE XCP ブー
トローダが ECU コードに統合されているかどうかを指定することができ
ます。
DCI‑GSI2 を実装した ECU で使用する XCP on Ethernet イン
ターフェース設定を指定している場合は、このオプションを有
効にする必要があります。
[Program "flash valid" identifier to ECU flash] フラッシュ有効識
別子オプションを有効または無効にすることができます。このオプション
を使用して、最後の ECU フラッシュプログラミングオペレーションが正常
に実行されたかどうかを示すことができます。このオプションを有効にし
た場合は、ECU フラッシュメモリプログラミングを開始するたびに、ECU
のフラッシュメモリ内のフラッシュ有効識別子が無効になり、ECU フラッ
シュプログラミングオペレーションが正常に完了した後に復元されます。
ECU のフラッシュメモリ内の識別子の値が無効である間、ECU アプリ
ケーションは不整合であるため、実行できません。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
97
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Address of "flash valid" identifier] ECU フラッシュメモリ内のフ
ラッシュ有効識別子の場所を指定することができます。この編集フィー
ルドは、プログラムフラッシュ有効識別子オプションを選択している場合
にのみ有効になります。
フラッシュ有効識別子の場所を含む物理フラッシュメモリセグ
メントは、ECU フラッシュプログラミング中は常に消去され、再
プログラミングされます。そのため、フラッシュ有効識別子は
メモリ領域内に存在することはできません。また、ECU フラッ
シュプログラミング中にメモリ領域を変更することはできませ
ん。
[< Previous] Configure Flash Project Wizard での以前のダイアログ
を開きます。「[Configure Flash Project]ダイアログ」(90 ページ)を参照し
てください。
[Next >] Configure Flash Project Wizard での次のダイアログを開きま
す。「[Configure Logical Memory]ダイアログ」(98 ページ)を参照してく
ださい。
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
[Finish] 論理メモリセグメントと物理メモリセグメントの指定も、考えら
れるフラッシュデータ識別と整合性チェックの設定も行わずに、指定した
設定を確定し、ダイアログを閉じます。このボタンは、既存のフラッシュプ
ロジェクトの設定を行った場合にのみ有効になります。
関連トピック
基礎
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎」(38 ページ)
操作手順
• 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
[Configure Logical Memory]ダイアログ
アクセス
このダイアログは、「Configure Flash Project Wizard」(91 ページ)の一部
です。
目的
論理メモリセグメントを設定、および書き込むメモリセグメントを選択しま
す。
説明
ECU アプリケーションの要件に従って、ECU フラッシュメモリの論理メモ
リセグメントを設定することができます。ECU フラッシュプログラミングを
開始する前に、書き込むメモリセグメントを選択する必要があります。各
メモリセグメントを書き込むかどうかを個別に指定することができます。
98
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Logical Memory]ダイアログ t
ダイアログ設定
[Logical memory segments] 既にフラッシュプロジェクトに含まれて
いる論理メモリセグメントを表示します。各論理メモリセグメントについ
て、以下の情報が表示されます。
n 書き込み対象として選択済み(左側の[Active]列(#))
チェックボックスをオンにすると、その論理メモリセグメントが、ECU
への書き込み対象として選択されます。
n セグメント名
n 開始アドレスおよび終了アドレス
n セグメントサイズ
n 充填バイト
n セグメントタイプ
[Logical memory segments]リストのコンテキストメニューに
は、論理メモリセグメントを管理するための次のコマンドが用
意されています。
n さらに論理メモリセグメントを設定し、それをフラッシュプロ
ジェクトに追加するには、[Add new segment]を選択しま
す。
n 現在選択されている論理メモリセグメントの設定を変更す
るには、[Edit selected segment]を選択します。
n 現在選択されている論理メモリセグメントをフラッシュプロ
ジェクトから削除するには、[Remove selected segment]を
選択します。
[Selected for flash programming] 書き込む論理メモリセグメントの
タイプを指定することができます。値は次のいずれかです。
n コードセグメントとデータセグメント
n データセグメントのみ
n すべてのセグメント(ブートローダ、コード、データ)
n ユーザ定義
選択したタイプに一致する論理メモリセグメントは、[Logical memory
segments]リストで、ECU フラッシュプログラミングの対象として選択され
て(左側の[Active]列(#)のチェックボックスがオンになって)います。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
99
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
ECU フラッシュプログラミング対象のメモリセグメントを個別に指定する
には、「User‑defined」(ユーザ定義)エントリを選択します。ユーザ定義
として選択した最後の論理メモリセグメントは、[Logical memory
segments]リストでデフォルトで選択されるようになります。
「User‑defined」エントリは、ECU のフラッシュメモリセグメント
に精通している場合にのみ選択してください。
[Upload only (no flash programming)] フラッシュプロジェクトで
ECU フラッシュプログラミングを無効にすることができます。チェックボッ
クスをオンにすると、選択した論理メモリセグメントの ECU メモリコンテン
ツのアップロード、および該当データのファイルへの保存を行う場合に
のみフラッシュプロジェクトが使用されます。フラッシュオペレーションは
開始できなくなります。
[Strict data plausibility check] データの妥当性チェックを指定する
ことができます。この検査では、選択したフラッシュデータファイルを、フ
ラッシュプロジェクトの論理メモリセグメント設定と比較します。
n 厳密なデータ妥当性チェックを有効にする場合、フラッシュデータファ
イルには、ECU に書き込むために選択した各論理メモリセグメントの
データのみが含まれている必要があります。選択した 1 つまたは複
数のメモリセグメントのファイルにデータが含まれていない場合、
データ妥当性チェックは完了しません。対応するメッセージが
dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログに表示さ
れ、ECU フラッシュプログラミングを実行できません。データ妥当性
チェックの失敗の原因となったメモリセグメントが、[Memory
Segment Details]ダイアログに赤で表示されます。
n 厳密なデータ妥当性チェックを無効にする場合、フラッシュデータファ
イルには、ECU に書き込むために選択した各論理メモリセグメントタ
イプの論理メモリセグメントが少なくとも 1 つ含まれている必要があり
ます。この条件を満たしていない場合、データ妥当性チェックは完了
しません。対応するメッセージが dSPACE ECU Flash Programming
Tool メインダイアログに表示され、ECU フラッシュプログラミングを実
行できません。データ妥当性チェックの失敗の原因となったメモリセ
グメントが、[Memory Segment Details]ダイアログに赤で表示されま
す。
[Default flash data file] ECU イメージファイルを、フラッシュプロジェ
クトのデフォルトフラッシュデータソースとして選択することができます。
デフォルトフラッシュデータソースを選択した場合は、dSPACE ECU Flash
Programming Tool メインダイアログにフラッシュデータファイルとして表
示されます。
[Add] [Open Flash Data File]ダイアログが開き、ここで、HEX、MOT、
S19、または SREC ファイルをデフォルトフラッシュデータファイルとして選
択することができます。
100
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Logical Memory]ダイアログ t
[Remove] 現在のフラッシュプロジェクトから、選択したデフォルトフラッ
シュデータファイルを削除します。このボタンは、デフォルトフラッシュ
データファイルが選択されている場合にのみ有効になります。
[Allow user to select other flash data files] dSPACE ECU Flash
Programming Tool メインダイアログで、選択したデフォルトフラッシュ
データファイルの代わりに別の ECU イメージファイルを使用できるかど
うか、または、デフォルトフラッシュデータファイルをフラッシュデータソー
スとして使用しなければならないかどうかを指定することができます。こ
のチェックボックスは、デフォルトフラッシュデータファイルが選択されて
いる場合にのみ有効になります。
[< Previous] Configure Flash Project Wizard での以前のダイアログ
を開きます。「[Configure Interface Settings]ダイアログ」(92 ページ)を参
照してください。
[Next >] Configure Flash Project Wizard での次のダイアログを開きま
す。「[Configure Physical Memory]ダイアログ」(103 ページ)を参照して
ください。
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
[Finish] 物理メモリセグメントの指定も、考えられるフラッシュデータ識
別と整合性チェックの設定も行わずに、指定した設定を確定し、ダイアロ
グを閉じます。このボタンは、新しいフラッシュプロジェクトの設定中は無
効になっています。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
101
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Enter Logical Memory
Segment]ダイアログ
論理メモリセグメントの追加設定、およびフラッシュプロジェクトへの追
加、または論理メモリセグメントの設定の変更を行います。
[Segment name] 論理メモリセグメントの名前を指定することができま
す(オプション)。
[Segment address] 論理メモリセグメントの開始アドレスを指定するこ
とができます。論理メモリセグメントの重複は許容されません。
[Segment size] 論理メモリセグメントのサイズを指定することができま
す。0 より大きい値である必要があります。
[Fill byte] 論理メモリセグメントの充填バイトを指定することができま
す。選択したフラッシュデータファイルでカバーされない論理メモリセグメ
ントのメモリ位置にはすべて、ECU フラッシュプログラミング中に充填バ
イト値が入力されます。
論理メモリセグメントは、常にその全体が書き込まれます。新
しいフラッシュデータでカバーされるのは、論理メモリセグメン
トの一部だけであり、使用されないすべてのメモリ位置には、
dSPACE ECU Flash Programming Tool によって充填バイトの
値が入力されます。ECU フラッシュプログラミング中に、デー
タを保持している ECU メモリ位置が充填バイト値で上書きさ
れないようにするには、論理メモリセグメントを適切に定義す
る必要があります。上書きしてはならない ECU メモリ位置
は、論理メモリセグメント外であるか、または ECU フラッシュ
プログラミングが無効である別の論理メモリセグメント内にあ
る必要があります。
ECU のフラッシュメモリのプログラミング時間を最小限にする
には、フラッシュメモリデバイス内の消去されたフラッシュメモ
リ位置のデフォルト値([Enter Physical Flash Memory
Segment]ダイアログの[Erase byte](105 ページを参照)で指
定)に充填バイト値が対応している必要があります。これらの
値が同じである場合、充填されたが使用されていないメモリ
位置についてはすべて、ECU のフラッシュメモリに送信したう
えでプログラミングする必要がなくなります。通常は、消去さ
れたフラッシュメモリ位置のデフォルト値は 0xFF です。
[Segment type] 現在の論理メモリセグメントのタイプを指定すること
ができます。値は次のいずれかです。
n [CODE]
CODE セグメントタイプは、ECU アプリケーションコードまたは適合さ
せることができないデータを含む論理メモリセグメントに使用します。
n [DATA]
DATA セグメントタイプは、適合パラメータを含む論理メモリセグメント
に使用します。
102
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Configure Physical Memory]ダイアログ t
n [BOOTLOADER]
BOOTLOADER セグメントタイプは、標準 ECU コードでプログラミング
されていない ECU 起動コードを含む論理メモリセグメントに使用しま
す。
n [RAM]
RAM セグメントタイプは、ECU RAM にある論理メモリセグメントに使
用します。これらのセグメントのデータは、ECU のフラッシュメモリに
はプログラミングされず、RAM に書き込まれます。データは、フラッ
シュプログラミング手順の完了後に RAM に書き込まれます。
n [(protected)]
(protected)セグメントタイプは、データが ECU イメージファイルに含
まれているが、ECU には書き込まれない論理メモリセグメントに使用
します。フラッシュメモリ領域が上書きされないようにするためや、
ECU のフラッシュメモリ外のメモリ領域(ECU の RAM など)のデータ
が ECU イメージファイルに含まれる場合などに使用することができ
ます。
[OK] 設定を確定し、ダイアログを閉じます。
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
関連トピック
操作手順
• 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
[Configure Physical Memory]ダイアログ
アクセス
このダイアログは、「Configure Flash Project Wizard」(91 ページ)の一部
です。
目的
ECU フラッシュメモリの物理メモリセグメントを設定します。
説明
フラッシュカーネルで指定した物理メモリセグメントと、このダイアログで
手動で定義したセグメントのどちらを使用するかを指定する必要があり
ます。
ダイアログ設定
[Read physical segments from ECU (flash kernel)] 物理メモリセ
グメント上の情報をフラッシュカーネルから読み取るよう指定することが
できます。
dSPACE から提供されたフラッシュカーネルファイルを使用す
る場合は、このオプションを有効にする必要があります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
103
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Use the following manual physical segment configuration] 手
動で定義した物理メモリセグメントを使用するよう指定することができま
す。このセグメントは、下の[Physical memory segments]リストに表示さ
れます。手動での設定は「[Enter Physical Flash Memory Segment]ダイ
アログ」(105 ページ)で指定することができます。このダイアログには、
セグメントリストのコンテキストメニューからアクセスすることができます。
物理フラッシュセグメント上の情報の読み取りをフラッシュカーネルがサ
ポートしていない場合などは、このオプションを有効にする必要がありま
す。
dSPACE から提供されたフラッシュカーネルファイルを使用す
る場合は、このオプションを無効にする必要があります。
[Use the following manual physical segment configuration]
オプションを選択した場合は、[Physical memory segments]リ
ストのコンテキスメニューに、手動で設定した物理メモリセグ
メントを管理するための各コマンドが表示されます。
n 新しい物理メモリセグメントを設定し、それをフラッシュプ
ロジェクトに追加するには、[Add new segment]を選択し
ます。
n 現在選択されている物理メモリセグメントの設定を変更す
るには、[Edit selected segment]を選択します。
n 現在選択されている物理メモリセグメントを、手動での設
定から削除するには、[Remove selected segment]を選択
します。
[Do not flash unmodified physical segments] 変更されていない
物理メモリセグメントを ECU に書き込むかどうかを指定することができま
す。このオプションを有効にすると、チェックサム計算により、各物理メモ
リセグメントの内容が、書き込み対象のデータと比較されます。チェック
サム値が同じである場合は、ECU フラッシュプログラミング中に物理メモ
リセグメントは再プログラミングされません。
[Always program erased flash areas] フラッシュセクタが消去され
ている場合に、常にフラッシュセクタをプログラミングするよう指定するこ
とができます。このオプションを有効にすると、消去された各物理メモリ
セグメントが ECU フラッシュプログラミング中に再プログラミングされま
す。
[< Previous] Configure Flash Project Wizard での前のダイアログを
開きます。「[Configure Logical Memory]ダイアログ」(98 ページ)を参照
してください。
[Next >] Configure Flash Project Wizard での次のダイアログを開きま
す。「[Configure Data Identifiers]ダイアログ」(86 ページ)を参照してくだ
さい。
104
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Copy Flash Project]ダイアログ t
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
[Finish] 考えられるフラッシュデータ識別と整合性チェックの設定を行
わずに、指定した設定を確定し、ダイアログを閉じます。
[Enter Physical Flash
Memory Segment]ダイアロ
グ
物理メモリセグメントの手動での追加設定、およびフラッシュプロジェクト
への追加、または物理メモリセグメントの設定の変更を行います。
このダイアログで行った設定は、フラッシュメモリデバイス仕
様に正確に一致している必要があります。
[Segment address] 物理メモリセグメントの開始アドレスを指定するこ
とができます。物理メモリセグメントの重複は許容されません。
[Segment size] 物理メモリセグメントのサイズを指定することができま
す。
[Segment write alignment] 物理メモリセグメントへの書き込みアク
セス中に必ず ECU のフラッシュメモリに書き込む必要のある最小データ
サイズを指定することができます。
[Erase byte] 物理メモリセグメントの消去バイトを指定することができ
ます。メモリセグメントが消去されると、そのメモリ位置にこの値が充填さ
れます。消去バイト値は、フラッシュメモリデバイス内の消去されたメモリ
位置のデフォルト値と一致している必要があります。
現在のフラッシュメモリデバイスの消去バイトは、常に 0xFF
に指定されます。
[OK] 設定を確定し、ダイアログを閉じます。
[Cancel] 設定を保存せずにダイアログを終了します。
関連トピック
操作手順
• 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
[Copy Flash Project]ダイアログ
アクセス
このダイアログには、[File – Copy flash project]コマンドを使用するか、
または[Select ECU Flash Project]ダイアログ内のコンテキストメニューか
らアクセスすることができます。
目的
選択したフラッシュプロジェクトを複製、または別の作業フォルダにコ
ピーします。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
105
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
ダイアログ設定
[Target folder] 現在の作業フォルダを表示します。別の作業フォルダ
を選択するには、[Browse For Folder]ダイアログ経由で
ます。
をクリックし
[New flash project name] フラッシュプロジェクトの新しい名前を入
力することができます。
[OK] 設定を確定し、ダイアログを閉じます。
[Cancel] フラッシュプロジェクトを保存せずに、ダイアログを閉じます。
[Delete Flash Project]
アクセス
このコマンドには、[Select ECU Flash Project]ダイアログでフラッシュプロ
ジェクトのコンテキストメニューからアクセスすることができます。
目的
現在選択されているフラッシュプロジェクトを削除します。
結果
フラッシュプロジェクトはディスクから削除され、復元することはできませ
ん。選択したフラッシュプロジェクトに含まれている設定とファイルはすべ
て失われます。
[Disclaimer]
アクセス
このコマンドには、[Help]メニューからアクセスすることができます。
目的
安全上の注意事項を含む、dSPACE ECU Flash Programming Tool の警
告を表示します。
結果
dSPACE ECU Flash Programming Tool の使用時に順守する必要のある
安全上の注意事項が表示されます。
106
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログ t
dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログ
目的
フラッシュプロジェクトの作成と設定、オフラインとオンラインのデータ検
証または通信テストの実行、および ECU フラッシュプログラミングの開
始を行います。
説明
dSPACE ECU Flash Programming Tool を開始すると、dSPACE ECU
Flash Programming Tool メインダイアログが自動的に開きます。このダ
イアログで、フラッシュプロジェクトの作成、設定、および管理に必要なす
べてのダイアログにアクセスすることができます。ECU フラッシュプログ
ラミングの開始前に、ECU に格納されるデータを含む ECU イメージファ
イルを指定し、書き込むメモリセグメントを選択する必要があります。
テストを行う際に、ECU 上のデータを変更せずに dSPACE ECU Flash
Programming Tool、ECU、およびフラッシュカーネルの間の通信をチェッ
クすることができます。dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用す
ると、ECU フラッシュプログラミングを開始せずに、ECU 上の現在のデー
タセットとフラッシュデータソースを比較することもできます。
ダイアログ設定
[Flash project] 最後に選択したフラッシュプロジェクトを表示します。
[... (Browse)] 現在の作業フォルダ(最後に選択したフラッシュプロジェ
クトを含むフォルダ)から別のフラッシュプロジェクトを選択するか、また
は「[Select ECU Flash Project]ダイアログ」(116 ページ)を介して別の作
業フォルダからフラッシュプロジェクトを選択することができます。
「[Select ECU Flash Project]ダイアログ」(116 ページ)を参照してくださ
い。
[Flash data file] ECU に書き込むデータを含む ECU イメージファイル
を表示します。
ControlDesk Next Generation の Project Manager から選択するか、ま
たは Windows エクスプローラで ECU イメージファイルをダブルクリック
して dSPACE ECU Flash Programming Tool を開始している場合は、
ECU イメージファイルがデフォルトのフラッシュデータファイルです
(dSPACE ECU Flash Programming Tool のインストール中に、HEX、
MOT、S19、および SREC の各ファイル拡張子が dSPACE ECU Flash
Programming Tool に関連付けられている場合)。このツールを[スター
ト]メニューから起動している場合は、最後に選択した ECU イメージファ
イルがデフォルトになります。
[Open Data File]ダイアログから、別の ECU イメージファイルをフラッ
シュデータソースとして選択する場合は、
をクリックします。
このボタンは、[Configure Logical Memory]ダイアログの[Allow user to
select other flash data files]チェックボックスがオンの場合にのみ有効に
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
107
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
なります。このチェックボックスがオフの場合は、表示されるフラッシュ
データファイル([Configure Logical Memory]ダイアログで選択したファ
イル)の代わりに別のデータファイルを使用することができないため、こ
のファイルをフラッシュデータソースとして使用する必要があります。
「[Configure Logical Memory]ダイアログ」(98 ページ)を参照してくださ
い。
[ECU interface] 選択したフラッシュプロジェクトで指定された ECU イ
ンターフェースタイプに一致するすべての ECU インターフェースを表示し
ます。このインターフェースは現在、dSPACE ECU Flash Programming
Tool に接続されており、これを使用して、現在の ECU フラッシュプログ
ラミングまたはテストオペレーションのドロップダウンリストから実際の
ECU インターフェースを選択することができます。
[Status information field] 現在のフラッシュプロジェクトに関する主
要な情報や警告などを表示し、現在のステータスに関する情報を提供し
ます。すべてのステータス情報、および ECU フラッシュプログラミングオ
ペレーションと個別のテストの結果の詳細については、「[Flash Project
Logfile]ダイアログ」(109 ページ)を参照してください。
[Flash ECU] ECU フラッシュプログラミングを開始します。
フラッシュカーネル(「[Configure Interface Settings]ダイアログ」(92 ペー
ジ)で指定)が、ECU のフラッシュメモリにダウンロードされ、開始されま
す。dSPACE ECU Flash Programming Tool が、フラッシュデータを ECU
に送信します。データの転送後に、ECU のフラッシュメモリの内容が
チェックサム計算によって検証されます。最後に、ECU がリセットされま
す。ECU フラッシュプログラミングの後、[Memory Segment Details]ダイ
アログが開き、ECU とホストに書き込まれた個々のメモリセグメントの計
算済みチェックサム値が表示されます。
また、メニューバーから[ECU – Flash ECU]を選択して、ECU フ
ラッシュプログラミングオペレーションを開始することもできま
す。
フラッシュオペレーションのプロセスは、dSPACE ECU Flash
Programming Tool メインダイアログの下部に表示され、現在のステータ
スに関する情報が[Status information]フィールドに表示されます。フ
ラッシュオペレーションの詳細と結果は、現在のフラッシュプロジェクトの
ログファイルに保存されます。ログファイルの内容を表示するには、メ
ニューバーの[View] – [Flash project logfile]を選択します。
ECU フラッシュプログラミングオペレーションの実行には、次の 2 つのテ
ストオペレーションが含まれます。
n 実際のフラッシュオペレーションを開始する前に、dSPACE ECU Flash
Programming Tool と ECU の間の通信がチェックされます。
108
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Exit] t
n ECU フラッシュプログラミングオペレーションの終了後に、dSPACE
ECU Flash Programming Tool がデータの検証を実行します。オフラ
インとオンラインのデータが比較され、フラッシュオペレーションが正
常に実行されたかどうかがチェックされます。
どちらのチェックもテストとして個別に実行できるため、ECU フラッシュプ
ログラミングのオペレーションを開始する必要はありません。
「[Communication Check]」(86 ページ)および「[Verify Data on ECU]」
(118 ページ)を参照してください。
[Elapsed time/remaining time] 現在のテストまたはデータの検証、
および ECU フラッシュプログラミングオペレーションが完了するまでの予
測残り時間を秒単位で表示します。現在のオペレーションの進行状況も
表示されます。データの検証の終了後、または書き込みの終了後に、そ
の経過時間が秒単位で表示されます。
関連トピック
操作手順
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool を使用する方法」(43 ページ)
[Exit]
アクセス
このコマンドには、[File]メニューからアクセスすることができます。
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool を終了します。
結果
dSPACE ECU Flash Programming Tool が、現在のセッションを終了しま
す。
[Flash Project Logfile]ダイアログ
アクセス
このダイアログには、[View] – [Flash project logfile]コマンドでアクセス
することができます。
目的
現在のフラッシュプロジェクトのログファイルの内容を表示します。
ダイアログ設定
[Project Logfile] 現在のフラッシュプロジェクトのログファイル
(logfile.log)を表示します。フラッシュプロジェクト全体に関するステー
タス情報、警告、エラーメッセージなどを、連続して保存します。
ログファイルは<working_folder>\<flash_project_folder>にあります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
109
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Close] ダイアログを終了します。
関連トピック
操作手順
• 「ECU との通信をチェックする方法」(62 ページ)
• 「ECU のデータを検証する方法」(66 ページ)
• 「メモリセグメントを書き込む方法」(71 ページ)
[Help]
アクセス
このコマンドには、[Help]メニューからアクセスすることができます。
目的
dSPACE ECU Flash Programming Tool のオンラインヘルプを表示しま
す。
結果
dSPACE ECU Flash Programming Tool のすべてのダイアログ、メニュー
コマンド、およびコンテキストメニューコマンドに関する情報を検索するこ
とができます。
[Identifier Details]ダイアログ
アクセス
このダイアログには、[View] – [Identifier details]コマンドでアクセスする
ことができます。
目的
現在のフラッシュプロジェクトで有効にしたフラッシュデータ識別チェック
とデータ整合性チェックの結果を表示します。
説明
アクティブなフラッシュデータ識別チェックとデータ整合性チェックで検出
された、すべての識別子を表示することができます。
チェックが正常終了したかどうかをわかりやすく示すために、エントリは
色付きで表示されます。一致した識別子は緑で、一致しない識別子は赤
で表示されます。
ホストから読み取られた識別子の右側にある矢印は、ECU に書き込む
ために選択したメモリセグメント内に識別子があることを示します。
110
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Identifier Details]ダイアログ t
データ整合性チェックの場合も、表示された識別子の隣にあるラベルの
付いた矢印によって結果が示されます。
矢印をクリックすると、関連するチェックの詳細を確認するこ
とができます。
ダイアログ設定
[Data Identification] – [Expected (Project Configuration)] (フ
ラッシュプロジェクトでフラッシュデータ識別チェックがアクティブなセグメ
ントタイプのみ対象)フラッシュプロジェクトの設定時に[Configure Data
Identifiers]ダイアログで指定したセグメントタイプの想定される固定識別
子を表示します。
[Data Identification] – [Host (File Data)] (フラッシュプロジェクトで
フラッシュデータ識別チェックがアクティブなセグメントタイプのみ対象)フ
ラッシュデータファイルから読み取られたセグメントタイプのメモリセグメ
ントを示す識別子を表示します。フラッシュデータファイル内の識別子の
アドレスはフラッシュプロジェクトの設定で指定され、識別子の長さは対
応する想定される識別子の長さによって定義されます。
n 識別子が対応する想定される識別子と一致する場合は緑で表示さ
れ、データ識別チェックが正常終了したことを示します。メモリセグメ
ントの ECU フラッシュプログラミングが許可されます。
のラベル付
きで赤で表示され、データ識別チェックで問題が検出されたことを示
します。ECU フラッシュプログラミングを行うことはできません。
n 識別子が対応する想定される識別子と異なる場合は
ECU に書き込むために選択したメモリセグメントに識別子がある場合
は、識別子の右側に矢印が表示されます。識別子の矢印の色は、ECU
フラッシュプログラミングが可能(緑)か不可(赤)かどうかを示します。
[Data Identification] – [ECU (Flash Memory)] (フラッシュプロジェ
クトでフラッシュデータ識別チェックがアクティブなセグメントタイプのみ対
象)ECU フラッシュメモリから読み取られたセグメントタイプを示す識別子
を表示します。ECU フラッシュメモリ内の識別子のアドレスはフラッシュ
プロジェクトの設定で指定され、識別子の長さは対応する想定される識
別子の長さによって定義されます。
n 識別子が対応する想定される識別子と一致する場合は緑で表示さ
れ、データ識別チェックが正常終了したことを示します。
n 識別子が対応する想定される識別子と異なる場合は赤で表示され、
データ識別チェックで問題が検出されたことを示します。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
111
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Data Consistency] – [Host (File Data)] (フラッシュプロジェクトで
データ整合性チェックがアクティブなセグメントタイプのみ対象)ホストで
のデータ整合性チェックの結果を表示します。関連するセグメントタイプ
のメモリセグメントに対して表示される識別子は、フラッシュデータファイ
ルから読み取られます。
n 識別子が一致すると、値が緑で表示されます。OK というラベルが付
いた緑の矢印が識別子の左側に表示される場合、整合性チェックが
正常に終了したことを示します。フラッシュデータファイル内のチェッ
クされたデータは、整合性があります。
n 識別子が一致しないと、値が赤で表示されます。
というラベルが
付いた赤の矢印が識別子の左側に表示される場合、整合性チェック
に問題があることを示します。フラッシュデータファイル内のチェック
されたデータは不整合であり、ECU フラッシュプログラミングを行うこ
とはできません。
n 現在のフラッシュデータファイル内のメモリセグメントで識別子のアド
レスがカバーされていないために少なくとも 1 つの識別子が不明な
場合は、エントリがグレーで書き込まれます。?というラベルが付いた
グレーの矢印が表示される場合、少なくとも 1 つの識別子が不明な
ために整合性チェックを実行できないことを示します。
ECU に書き込むために選択したメモリセグメントに識別子がある場合
は、識別子の右側に矢印が表示されます。矢印の色は、ECU フラッシュ
プログラミングにより ECU フラッシュメモリのデータが整合性のあるデー
タとされたかどうかを示します(緑 = 整合性のあるデータ、赤 = 不整合
なデータ、グレー = ツールによって整合性を決定できない)。
[Data Consistency] – [ECU (Flash Memory)] (フラッシュプロジェク
トでデータ整合性チェックがアクティブなセグメントタイプのみ対象)ECU
でのデータ整合性チェックの結果を表示します。関連するセグメントタイ
プのメモリセグメントに対して表示される識別子は、ECU フラッシュメモリ
から読み取られます。
n ECU 上の識別子が一致すると、値が緑で表示されます。OK というラ
ベルが付いた緑の矢印が識別子の右側に表示される場合、整合性
チェックが正常に終了したことを示します。ECU フラッシュメモリ内の
チェックされたデータは、整合性があります。
というラベルが
付いた赤の矢印が識別子の右側に表示される場合、整合性チェック
に問題があることを示します。ECU フラッシュメモリ内のデータは不
整合です。選択したフラッシュデータファイルを書き込んでも整合性
の問題は解決しないため、ECU フラッシュプログラミングを行うことは
できません。
n 識別子が一致しないと、値が赤で表示されます。
112
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Language] t
n 識別子が一致しないと、値が赤で表示されます。
というラベルが
付いた赤の矢印が識別子の右側に表示される場合、整合性チェック
に問題があることを示します。ECU フラッシュメモリのデータは不整
合ですが、選択したフラッシュデータファイルの書き込みにより、フ
ラッシュメモリの内容が整合性のあるものとなります。したがって、
ECU フラッシュプログラミングを行うことができます。
n 識別子が ECU からまだ読み取られていない場合は、エントリはグ
レーで書き込まれます。?というラベルが付いたグレーの矢印が表示
される場合、識別子が不明なために整合性チェックが実行されな
かったことを示します。
[OK] ダイアログを終了します。
関連トピック
操作手順
• 「ECU との通信をチェックする方法」(62 ページ)
• 「ECU のデータを検証する方法」(66 ページ)
• 「メモリセグメントを書き込む方法」(71 ページ)
[Language]
アクセス
このコマンドには、[Help]メニューからアクセスできます。
目的
ユーザインターフェースの言語を指定します。
ダイアログ設定
[Language for the user interface] ユーザインターフェースで使用
する言語を選択します。
[OK] 設定を確定し、ダイアログを閉じます。
この変更を有効にするには、dSPACE ECU Flash
Programming Tool を再起動する必要があります。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
113
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
[Memory Segment Details]ダイアログ
アクセス
このダイアログには、[View] – [Segment details]コマンドでアクセスする
ことができます。
目的
設定した論理メモリセグメント、および ECU イメージファイルで指定した
メモリセグメントの詳細を表示します。また、ECU フラッシュプログラミン
グ対象として選択したメモリセグメントに関する情報を表示します。
ダイアログ設定
[Memory segment details] 設定した論理メモリセグメント、および
ECU イメージファイルで指定したメモリセグメントの詳細を一覧表示しま
す。各メモリセグメントについて、以下の情報が表示されます。
n 書き込み対象として選択済み(左側の[Active]列(#))
チェックボックスをオンにすると、その論理メモリセグメントが、ECU
への書き込み対象として選択されます。
n セグメントタイプ
n 開始アドレスおよび終了アドレス
n セグメントサイズ
n 使用レベル
選択した ECU イメージファイルに関連する論理メモリセグメントの使
用レベルを%で表示します。
n セグメント名
n ホストチェックサム
データ検証オペレーションまたは ECU への書き込みのために選択し
た各論理メモリセグメントに対して、ホストのチェックサム値が計算さ
れます。データの整合性をチェックするには、対応する ECU のチェッ
クサム値を比較します。ホストの計算されたチェックサム値は、デー
タ検証または ECU フラッシュプログラミングオペレーションを実行す
るまで表示されません。
n ECU チェックサム
データ検証オペレーションまたは ECU への書き込みのために選択し
た各論理メモリセグメントに対して、ECU のチェックサム値が計算さ
れます。データの整合性をチェックするには、対応するホストのチェッ
クサム値を比較します。ECU の計算されたチェックサム値は、データ
検証または ECU フラッシュプログラミングオペレーションを実行する
まで表示されません。
メモリセグメントの詳細は、色付きで表示されます。色にはそれぞれ次
の意味があります。
114
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Remove Selected Segment] t
メモリセグメント設定の色 論理メモリセグメントの色は、ECU への書き
込み対象として選択されたかどうかを示します。
n ECU フラッシュプログラミングのために選択した論理メモリセグメント
は、黒で表示されます。
n ECU フラッシュプログラミングのために選択されていない論理メモリ
セグメントは、グレーで表示されます。
n ECU イメージファイルがデータを格納するためのメモリ領域で、フラッ
シュプロジェクト内に対応する論理メモリセグメントがない場合は、不
明なセグメントタイプとともに赤で表示されます。セグメントタイプが不
明なメモリセグメントが存在する場合は、ECU フラッシュプログラミン
グを行うことはできません。それでも ECU フラッシュプログラミングを
行うには、セグメントタイプが不明なメモリセグメントをカバーするフ
ラッシュプロジェクトに論理メモリセグメントを追加して、フラッシュプロ
ジェクトの設定を変更する必要があります。ECU フラッシュプログラミ
ング中に新しいセグメントが無視される場合は、そのセグメントに(保
護された)セグメントタイプを選択します。
ホストおよび ECU のチェックサム値の色 チェックサム値の色は、メモリ
セグメントがホストおよび ECU のチェックサム値と一致しているかどうか
を示します。ホストのチェックサム値と ECU のチェックサム値が一致して
いる場合は、緑で表示されます。チェックサム値が異なる場合は赤で表
示されます。
[Close] ダイアログを終了します。
関連トピック
操作手順
• 「ECU のデータを検証する方法」(66 ページ)
• 「メモリセグメントを書き込む方法」(71 ページ)
[Remove Selected Segment]
アクセス
このコマンドには、[Configure Logical Memory]ダイアログおよび
[Configure Physical Memory]ダイアログから、メモリセグメントリストのコ
ンテキストメニューを使用してアクセスすることができます。
このコマンドは、メモリセグメントリストに 1 つ以上のメモリセグメントが含
まれる場合のみ使用することができます。
目的
現在選択されているメモリセグメントをフラッシュプロジェクトから削除し
ます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
115
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
結果
選択されたメモリセグメントは、メモリセグメントリストと現在のフラッシュ
プロジェクトから削除されます。
関連トピック
操作手順
• 「プロジェクトを作成または編集する方法」(46 ページ)
[Select ECU Flash Project]ダイアログ
アクセス
このダイアログには、dSPACE ECU Flash Programming Tool のメインダ
イアログにある
をクリックして、または[File] – [Open flash project]コ
マンドを使用してアクセスすることができます。
目的
ECU フラッシュプロジェクトを選択、作成、管理します。
説明
ECU フラッシュプロジェクトには、インターフェース固有の設定、設定
データおよび ECU のフラッシュメモリのプログラミングに必要なフラッ
シュカーネルが含まれます。また、論理/物理メモリセグメントの設定、
ECU フラッシュプログラミング用のメモリセグメントの選択も含まれます。
ダイアログ設定
[Working folder] 現在の作業フォルダを表示します。
別の作業フォルダを選択するには、[Browse For Folder]ダイアログ経由
で
116
s
をクリックします。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Upload Data from ECU] t
[Open Explorer window] (
)選択した作業フォルダの内容を
[Explorer]ウインドウで参照することができます。
[Flash project] 現在の作業フォルダに以前保存されたすべてのフラッ
シュプロジェクトを表示します。
[Flash projects]リストのコンテキストメニューには、フラッシュ
プロジェクトを管理するための次のコマンドが用意されていま
す。
n Flash Project Wizard で新しいフラッシュプロジェクトを作
成および設定するには、[New project]を選択します。
「[Configure Flash Project]ダイアログ」(90 ページ)を参照
してください。
n Configure Flash Project Wizard で選択したフラッシュプロ
ジェクトを変更または再設定するには、[Edit project]を選
択します。「[Configure Flash Project]ダイアログ」(90 ペー
ジ)を参照してください。
n 選択したフラッシュプロジェクトを別の作業フォルダに保
存、または別のプロジェクト名で保存するには、[Copy
project]を選択します。「[Copy Flash Project]ダイアログ」
(105 ページ)を参照してください。
n 現在選択されているフラッシュプロジェクトを削除するに
は、[Delete project]を選択します。「[Delete Flash
Project]」(106 ページ)を参照してください。
[OK] ダイアログを閉じ、現在選択されているフラッシュプロジェクトを
dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログでアクティブなフ
ラッシュプロジェクトとして指定します。
[Cancel] フラッシュプロジェクトの選択をキャンセルし、変更を行わず
に dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイアログに戻ります。
関連トピック
操作手順
• 「フラッシュプロジェクトを選択する方法」(59 ページ)
[Upload Data from ECU]
アクセス
このコマンドには、[ECU]メニューからアクセスできます。
目的
ECU メモリの現在の内容をアップロードします。また、アップロードした
データをファイルに保存します。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
117
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
結果
フラッシュプロジェクトで選択されたすべての論理メモリセグメントのメモ
リ内容が、ECU からアップロードされます。アップロードしたデータがファ
イルに保存されます。
説明
アップロードオペレーションの進捗は、dSPACE ECU Flash Programming
Tool メインダイアログの下部に表示されており、メインダイアログの
[Status information]フィールドには、オペレーションの現在のステータス
に関する情報が表示されます。アップロードオペレーションの詳細とオペ
レーション結果は、現在のフラッシュプロジェクトのログファイルに保存さ
れます。「[Flash Project Logfile]ダイアログ」(109 ページ)を参照してくだ
さい。
ECU メモリの内容がアップロードされると[Save Upload Data]ダイアログ
が開きます。ここで、アップロードされたデータを保存するためのファイル
名とファイルのタイプ、および保存先フォルダを指定します。
n デフォルトのファイル名は
Upload_<flash_project>_<YYYYMMDD>_<HHMMSS>です。
n 以下のいずれかのファイルフォーマットを選択することができます。
関連トピック
n
HEX
n
MOT
n
S19
n
SREC
操作手順
• 「ECU からデータをアップロードする方法」(76 ページ)
[Verify Data on ECU]
アクセス
このコマンドには、[ECU]メニューからアクセスすることができます。
目的
ECU のフラッシュメモリに現在格納されているデータと、フラッシュデータ
ソースとして選択した ECU イメージファイル内のデータを比較します。
結果
データ検証は、フラッシュオペレーションとは個別に、つまり、ECU 上の
データを変更せずに実行されます。ECU フラッシュプログラミング用に選
択した各メモリセグメントについて、ECU 上とホスト PC 上のチェックサム
値が計算されます。チェックされた各メモリセグメントに対して計算された
チェックサムは、[Memory Segment Details]ダイアログに表示されます。
118
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s [Verify Data on ECU] t
説明
データ検証は、特定のデータが既に ECU に書き込まれているかどうか
や、ECU のフラッシュメモリに現在格納されているデータが有効なままで
あるかどうかをチェックする場合などに便利です。
ECU のフラッシュメモリのデータとフラッシュデータソースのデータとの比
較は、チェックサムに基づいています。ECU フラッシュプログラミング用
に選択した個別のメモリセグメントそれぞれについて、ECU 上とホスト
PC 上のチェックサム値が比較されます。データ検証後、[Memory
Segment Details]ダイアログが開いて計算されたチェックサムが表示さ
れます。
データ検証の進捗は、dSPACE ECU Flash Programming Tool メインダイ
アログの下部に表示されており、メインダイアログの[Status
information]フィールドには、オペレーションの現在のステータスに関す
る情報が表示されます。テストオペレーションの詳細とテスト結果は、現
在のフラッシュプロジェクトのログファイルに保存されます。「[Flash
Project Logfile]ダイアログ」(109 ページ)を参照してください。
フラッシュデータ識別機能とフラッシュデータ整合性チェック機能がフラッ
シュプロジェクトで設定され、有効になっている場合は、これらもデータ
検証チェック中に実行されます。見つかった識別子とテスト結果は、
[Identifier Details]ダイアログで確認することができます。「[Identifier
Details]ダイアログ」(110 ページ)を参照してください。
関連トピック
基礎
• 「dSPACE ECU Flash Programming Tool の基礎」(38 ページ)
操作手順
• 「ECU のデータを検証する方法」(66 ページ)
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
119
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool リファレンス t
120
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
dSPACE ECU Flash Programming
Tool エラーコード
dSPACE ECU Flash Programming Tool には、例外のエラーコードが用
意されています。
dSPACE ECU Flash Programming Tool エラーコード
エラーコード
次の表は、dSPACE ECU Flash Programming Tool が表示するすべての
エラーコードとその説明の一覧です。
エラーコード
説明
SYSTEM_EXIT_NORMAL = 0
SYSTEM_EXIT_INSTALLATION_ERROR = 1
SYSTEM_EXIT_BAD_COMMANDLINE = 2
システムが正常に終了します。
インストレーションエラーによりシステムが終了します。
コマンドラインが誤っているため、システムが終了しま
す。
SYSTEM_EXIT_OTHER_INSTANCE_BUSY = 4 別のインスタンスがビジー状態のため、システムが終了
します。
SYSTEM_EXIT_NO_PROJECT = 5
プロジェクトが存在しないため、システムが終了します。
SYSTEM_EXIT_NO_INTERFACE = 6
インターフェースが存在しないため、システムが終了しま
す。
SYSTEM_EXIT_CANNOT_LOAD = 7
プロジェクトをロードできないため、システムが終了しま
す。
SYSTEM_EXIT_CANNOT_SAVE = 8
プロジェクトを保存できないため、システムが終了しま
す。
SYSTEM_EXIT_CANNOT_FLASH = 10
ECU に書き込めないため、システムが終了します。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
121
t
s dSPACE ECU Flash Programming Tool エラーコード t
122
s
エラーコード
説明
SYSTEM_EXIT_CANNOT_VERIFY = 11
SYSTEM_EXIT_USER_ABORT = 100
SYSTEM_EXIT_OPERATION_FAILED = 101
SYSTEM_EXIT_INTERNAL_ERROR = 255
ECU を検証できないため、システムが終了します。
ユーザが実行を中止したため、システムが終了します。
オペレーションに失敗したため、システムが終了します。
内部エラーによりシステムが終了します。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
フラッシュカーネルの設定
目的
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool で、フラッシュカーネルの設定
を変更することができます。
項目の一覧
本章の内容
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool の基礎
123
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool で、現在のフラッシュカーネルの
設定に関する情報を表示し、一部の設定を変更することができます。
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を開く方法
124
Microsoft Windows の[スタート]メニューから、dSPACE Flash Kernel
Configuration Tool を開くことができます。
フラッシュカーネルの設定を変更する方法
125
ECU の変更に合わせて、フラッシュカーネルの設定を調整することができま
す。
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool の基礎
目的
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool には、dSPACE ECU Flash
Programming Tool が付属しています。dSPACE Flash Kernel
Configuration Tool で現在のフラッシュカーネルの設定に関する情報を
表示し、一部の設定を変更することができます。
フラッシュカーネルの設定
フラッシュプログラミング機能は ECU アプリケーションとは統合せずに、
フラッシュカーネルと呼ばれる独立した小さなアプリケーションに統合し
ます。フラッシュカーネルは、サービスのフラッシュプログラミング関数と
カスタムフラッシュドライバーで構成されています。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
123
t
s フラッシュカーネルの設定 t
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を使用すると、フラッシュカー
ネルを再設定することができます。たとえば、異なるマスター CAN 識別
子やスレーブ CAN 識別子、または別のボーレートを指定することがで
きます。構成可能な設定は、フラッシュカーネルが指定される ECU イン
ターフェースのタイプに応じて異なります。
フラッシュカーネルを再設定すると、元のフラッシュカーネル
ファイルが上書きされます。バックアップファイルは格納され
ません。
サポートされるフラッシュカーネ
ル
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool は、次の ECU インターフェー
スタイプに指定されたフラッシュカーネルをサポートしています。
n DCI‑GME1
n DCI-GSI1
n DCI-GSI2
n XCP on CAN
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を開く方法
目的
Microsoft Windows の[スタート]メニューから、dSPACE Flash Kernel
Configuration Tool を開くことができます。
前提条件
dSPACE ECU Flash Programming Tool がインストールされています。
操作手順
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を開くには
1 [スタート]メニューで、[プログラム] – [dSPACE ECU Flash
Programming Tool] – [dSPACE Flash Kernel Configuration Tool]の
順に選択します。
結果
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を開きます。
124
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s フラッシュカーネルの設定を変更する方法 t
フラッシュカーネルの設定を変更する方法
目的
ECU の変更に合わせて、フラッシュカーネルの設定を調整することがで
きます。
前提条件
dSPACE ECU Flash Programming Tool と通信を行うには、ECU サービ
スを含む有効なフラッシュカーネルファイルが必要です。さらに、使用す
るフラッシュメモリ用の適切なドライバーも必要です。
操作手順
フラッシュカーネルの設定を変更するには
1 dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を開きます。
2
をクリックします。
[Open]ダイアログが開き、ここでフラッシュカーネルを選択し、再設定
することができます。
3 このダイアログでフラッシュカーネルファイルを選択し、[Open]をク
リックします。
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool に、選択したフラッシュカー
ネルファイルが表示されます。
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
125
t
s フラッシュカーネルの設定 t
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool には、フラッシュカーネル
識別データ、フラッシュカーネルが指定された ECU インターフェース
タイプ、フラッシュカーネル用に予約されたメモリ領域、および実行開
始アドレスなど、現在のフラッシュカーネル設定に関する情報が表示
されます。
ダイアログの下部には、変更できるフラッシュカーネルの設定が表示
されます。構成可能な設定は、フラッシュカーネルが指定される ECU
インターフェースのタイプに応じて異なります。
4 フラッシュカーネルの設定を選択し、必要に応じて設定を行います。
5 [Configure and Update Flash Kernel]をクリックして、設定を確定し、
変更した設定をフラッシュカーネルファイルに保存します。
正常に再設定されたことを知らせるダイアログが開き、設定データが
書き込まれたフラッシュカーネルファイルの場所が表示されます。
6 このダイアログで[OK]をクリックして再設定を終了します。
結果
フラッシュカーネルを再設定します。フラッシュカーネルファイルが、新し
い設定データで上書きされます。
次のステップ
変更したフラッシュカーネルを使用して ECU フラッシュプログラミングを
実行することができます。
126
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月
s 索引 t
C
CommonProgramDataFolder 6
Configure Data Identifiers ダイアログ 86
Configure Flash Project ダイアログ 90
Configure Interface Settings ダイアログ
92
Configure Logical Memory ダイアログ 98
Configure Physical Memory ダイアログ
103
Copy Flash Project ダイアログ 105
D
DocumentsFolder 6
dSPACE ECU Flash Programming Tool
Configure Data Identifiers ダイアログ
86
Configure Flash Project ダイアログ 90
Configure Interface Settings ダイアロ
グ 92
Configure Logical Memory ダイアログ
98
Configure Physical Memory ダイアログ
103
Copy Flash Project ダイアログ 105
dSPACE XCP ブートローダ 25
dSPACE フラッシュカーネル
DCI‑GME1 を使用する書き込み 19
DCI‑GSI1 を使用する書き込み 19
DCI‑GSI2 を使用する書き込み 19
ECU イメージファイル 15
ECU からデータをアップロードする 76
ECU フラッシュプログラミング
ブートチェック関数を使用しない 20
ブートチェック関数を使用する 21
機能していない ECU への書き込み
20
Enter Logical Memory Segment ダイア
ログ 102
Enter Physical Flash Memory Segment
ダイアログ 105
Flash Project Logfile ダイアログ 109
Identifier Details ダイアログ 110
Memory Segment Details ダイアログ
114
Select ECU Flash Project ダイアログ
116
XCP フラッシュカーネル
XCP on Ethernet を介した書き込み
28
XCP on CAN を介した書き込み 25
XCP on USB を介した書き込み 28
安全対策 11
エラーコード 121
コマンドラインパラメータ 79
フラッシュデータ識別チェック 42
フラッシュデータ整合性チェック 42
書き込みの概念 15
書き込みのメカニズム 15
フラッシュ有効識別子 43
メインダイアログ 107
リモート制御 79
dSPACE ECU Flash Programming Tool と
ECU の間の通信をチェックする 62
dSPACE ECU Flash Programming Tool メイ
ンダイアログ 107
dSPACE ECU Flash Programming Tool を使
用する 43
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool
フラッシュカーネルの設定 123
dSPACE Flash Kernel Configuration Tool を
開く 124
dSPACE フラッシュカーネル
DCI‑GME1 を使用する書き込み 19
DCI‑GSI1 を使用する書き込み 19
DCI‑GSI2 を使用する書き込み 19
E
ECU からデータをアップロードする 76
ECU フラッシュプログラミング 37
dSPACE ECU Flash Programming Tool
を使用する 43
dSPACE Flash Kernel Configuration
Tool を開く 124
ECU との通信をチェックする 62
異常終了 34
原理
DCI-GME1 を介した 19
DCI-GSI1 を介した 19
DCI-GSI2 を介した 19
XCP on CAN を介した 24, 27
XCP on CAN を介した 24, 27
XCP on Ethernet を介した 27
中止 34
データを検証する 66
フラッシュプロジェクトを作成する 46
フラッシュプロジェクトを選択する 59
フラッシュプロジェクトを変更する 46
フラッシュプロジェクトを編集する 46
メモリセグメント分割 30
メモリセグメントを書き込む 71
ECU フラッシュプログラミングの異常終了
34
ECU フラッシュプログラミングの原理
DCI‑GME1 を使用する書き込み 19
DCI‑GSI1 を使用する書き込み 19
DCI‑GSI2 を使用する書き込み 19
XCP on Ethernet を使用した書き込み
28
XCP on USB を使用した書き込み 28
XCP on USB を使用する書き込み 25
ECU フラッシュプロジェクト 40
Enter Logical Memory Segment ダイアロ
グ 102
Enter Physical Flash Memory Segment ダイ
アログ 105
F
Flash Project Logfile ダイアログ 109
I
Identifier Details ダイアログ 110
ECU フラッシュプログラミング
L
LocalProgramDataFolder 6
M
Memory Segment Details ダイアログ 114
S
Select ECU Flash Project ダイアログ 116
X
XCP フラッシュカーネル
XCP on Ethernet を介した書き込み 28
XCP on CAN を介した書き込み 25
XCP on USB を介した書き込み 28
ブートコード
ブートコードの書き込み時のリスク 33
書き込み 33
物理メモリセグメント 30
ブレインデッドフラッシュ 20
ア
安全対策
dSPACE ECU Flash Programming Tool
11
エ
エラーコード 121
キ
共通プログラムデータフォルダ 6
テ
データを検証する
dSPACE ECU Flash Programming Tool
66
ト
ドキュメントフォルダ 6
フ
フラッシュカーネルの設定 123
フラッシュカーネルの設定
dSPACE Flash Kernel Configuration
Tool を開く 124
変更 125
フラッシュカーネルの設定を変更する 125
フラッシュデータ識別チェック 42
フラッシュデータ整合性チェック 42
フラッシュプロジェクト 40
フラッシュプロジェクトを作成する 46
フラッシュプロジェクトを選択する 59
フラッシュプロジェクトを変更する 46
フラッシュプロジェクトを編集する 46
フラッシュ有効識別子
dSPACE ECU Flash Programming Tool
43
2015 年 5 月
127
t
s 索引 t
メ
メモリセグメント分割
ECU フラッシュプログラミング 30
メモリセグメントを書き込む 71
リ
リモート制御
dSPACE ECU Flash Programming Tool
79
ロ
ローカルプログラムデータフォルダ 6
ロンリメモリセグメント 31
128
s
ECU フラッシュプログラミング
2015 年 5 月