瀬田クリニックグループと名古屋大学が、膵がんに対する共同臨床研究

平成21年4月21日
瀬田クリニックグループと名古屋大学が、膵がんに対する共同臨床研究成果を
米国膵臓学会公認の学術誌『Pancreas』に発表
瀬田クリニックグループ
医療法人社団 滉志会
瀬田クリニックグループと名古屋大学医学部附属病院が、2005 年 6 月から切除不能局所進行
膵がんを対象として実施しておりました(治療図)、化学療法と免疫細胞療法を併用した臨床研究
の 結 果 に 関 す る 論 文 が 、 米 国 膵 臓 学 会 ( American Pancreatic Association ) 公 認 の 学 術 誌
『Pancreas(パンクレアス)』(April 2009 - Volume 38 -)に掲載されました。
同共同臨床研究は、5 年生存率がほぼ 0%とされる切除不能局所進行膵がんに対する新たな
治療法の確立を目指して、化学療法(ゲムシタビン)と免疫細胞療法(樹状細胞ワクチン療法 i 及
び活性化自己リンパ球療法 ii )を併用した治療について、安全性と有効性を評価することを目的
に実施されたものです。
◆論文の中では、以下のように報告しています。
「本治療による重篤な副作用はなく、5 例中 1 例では明らかながんの縮小(部分寛解 iii )、2 例で
は 6 ヶ月以上にわたるがんの進行の停止(長期不変 iv )を観察した。また、免疫学的な解析により
がん細胞に対する特異的な傷害性Tリンパ球(CTL)が誘導されていた。免疫細胞療法が化学療
法(ゲムシタビン)との併用で相乗的に作用し、膵がんに対する治療法としての役割を担う可能性
がある。」
今般、共同臨床研究の結果に関する論文が、米国膵臓学会公認の学術誌として世界中の多く
の医師が閲覧し、膵臓疾患分野における治療法に大きな影響を与えている『Pancreas』に掲載さ
れたことは、本併用療法が、治療の困難な疾患の一つである手術不能な膵がんに対する新たな
治療法確立への可能性の道を開くと考えられます。
尚、同治療法の有用性をより明確にすべく、瀬田クリニックグループ、名古屋大学医学部附属
病院、株式会社メディネットの三者間において、さらに症例を集積し評価する共同臨床研究を
2007 年 8 月から実施しております。
以 上
本件に関するお問い合わせ:
医療法人社団 滉志会 本部事務局
神奈川県横浜市港北区新横浜 2-5-14
TEL: 045-478-0223
Email: info@j-immunother.com
URL: http://www.j-immunother.com/index.html
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i
樹状細胞ワクチン療法
樹状細胞は、がん細胞に由来するたんぱく質を貪食し、それをがん抗原として T リンパ球に提示す
ることにより、がん細胞を特異的に攻撃する T リンパ球を誘導する。この働きを利用した免疫細胞療
法が、樹状細胞ワクチン療法。
ii
活性化自己リンパ球療法
免 疫 応 答 の中 心 となるリンパ球 のうち、T 細 胞 を中 心 とする細 胞 群 を活 性 化 、培 養 し、体
内 に戻 す治 療 法 。
iii
部分寛解
画像診断により腫瘍の大きさを測定し、断面積が半分以下に小さくなった場合。
iv
長期不変
画像診断により腫瘍の大きさを測定し、不変(大きさが断面積として半分以下に小さくなっていない
が、25%以上の増加もしていない)の状態が6ヶ月以上継続した場合。
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