自然派・オーガニック化粧品市場に関する調査を実施

2016 年 6 月 7 日
プレスリリース
自然派・オーガニック化粧品市場に関する調査を実施(2016 年)
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の自然派・オーガニック化粧品市場の調査を実施した。
1.調査期間:2016 年 3 月~5 月
2.調査対象:自然派・オーガニック化粧品メーカー、小売店、関連団体等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話および e メールによるヒアリング、消費者調査併用
<自然派化粧品とは>
本調査における自然派化粧品とは、①天然植物原料を主成分としている、②化学合成成分の配合を抑制してい
る、の 2 つともあてはまる化粧品をさす。
<オーガニック化粧品とは>
本調査におけるオーガニック化粧品とは、①第三者機関のオーガニック認証を取得している、②使用原料の大部
分を自社及び提携農園のオーガニック素材を使用している、③ブランドラインアップの大部分にオーガニック素材を
用いている、のいずれかがあてはまる化粧品をさす。
【調査結果サマリー】
‹ 2015 年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比 6.0%増の 1,175 億円
2015 年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模はブランドメーカー出荷金額ベースで、前年度比
6.0%増の 1,175 億円であった。近年敏感肌の女性が増加していることや、安全・安心志向が高まってい
ること、環境を意識したライフスタイルを重視する消費者の増加などを背景に、着実な拡大をみせている。
加えて参入各社が高機能を訴求する商品投入を進めたことで、これまで自然派・オーガニック化粧品に
興味の無かった顧客を取り込んだことにより、市場は拡大基調で推移した。
‹ マルチチャネル化進展で、自然派・オーガニック化粧品ブランドの顧客接点が増加
自然派化粧品ブランドでは、これまで少なかった通販ルートや卸ルートでの販売が増える一方、オーガ
ニック化粧品ブランドでは、大手ブランドが積極的にブランド専門店を新規出店し、直営店ルートでの販
売比率が向上するとともに、卸ルートでも拡大が続いている。自然派・オーガニック化粧品市場全体として
も、マルチチャネル化が進み、消費者とブランドとの接点が増加していく見通しである。
‹ 2016 年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比 4.6%増 1,229 億円、
2017 年度は同 4.2%増の 1,281 億円、今後も拡大基調を予測
環境を重視したライフスタイルの顧客への定着に加え、主要化粧品ブランドの店舗数拡大やオンライン
ショップを含む取扱い店舗の増加による顧客接点の増加、ファッション誌や美容雑誌など媒体への露出
増加による製品認知の広がりなどにより、2016 年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模はブランドメ
ーカー出荷金額ベースで、前年度比 4.6%増 1,229 億円、2017 年度は同 4.2%増の 1,281 億円と拡大基
調を予測する。
◆ 資料体裁
資料名:「自然派・オーガニック化粧品マーケティング総鑑 2016 年版」
発刊日:2016 年 5 月 31 日
体 裁:A4判 291 頁
定 価:120,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:press@yano.co.jp
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
2016 年 6 月 7 日
プレスリリース
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況
2015 年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模はブランドメーカー出荷金額ベースで、前年度比
6.0%増の 1,175 億円であった。自然派・オーガニック化粧品市場は、敏感肌の女性が増加していることや、
安 全 ・ 安 心 志 向 が 高 ま っ て い る こ と 、 エ コ ( Ecology ) や ロ ハ ス ( LOHAS ; Lifestyles of Health and
Sustainability)など環境を意識したライフスタイルを重視する消費者の増加などを背景に、着実な拡大を
みせている。加えて参入各社が高機能を訴求する商品投入を進めたことで、これまで自然派・オーガニッ
ク化粧品に興味の無かった顧客を取り込んだことにより、市場は拡大基調で推移した。
2. 注目すべき動向
2-1.マルチチャネル化の進展による化粧品ブランドと顧客との接点の増加
自然派化粧品ブランドでは、これまで直営店展開で拡大してきたが、新規出店できる立地が少なくなっ
てきたことから、今後は通販ルート・卸ルートが拡大し、直営店での販売比率は低下すると考えられる。
一方で、オーガニック化粧品ブランドでは、大手ブランドが積極的にブランド専門店を新規出店し成長を
果たすことによって、直営店ルートの販売比率が向上している。現在の状況からも出店の余地は大きく、
今後もブランド専門店ルートは拡大するとともに、卸ルートについても、販路が広がることによって今後も
拡大が続くと考える。
これらのことから、自然派・オーガニック化粧品市場全体としては、マルチチャネル化が進み、消費者と
化粧品ブランドとの接点が増加する見通しである。
2-2.テスター設置やサンプル提供による潜在需要の掘り起こしが進展
化粧品市場全体が成熟している中で、自然派・オーガニック化粧品市場は成長をつづけているが、さ
らなる拡大には、一般化粧品を使っている層からの自然派・オーガニック化粧品へのブランドスイッチが
必要となる。自分が心地よいと感じる香りによる癒し感や近年強化されている機能性は、消費者が実感す
ることで初めて製品の使用を後押しする。これを裏づけるのが、店頭でのブランドによるテスターの設置や
サンプルの提供である。化粧品ブランドによっては、一部地域で店舗数が過剰なオーバーストア状態とも
なってきている中、既存店の底上げという意味合いも含んでおり、店頭におけるテスター設置やサンプル
提供による潜在需要の掘り起こしが進展すると考える。
2-3.製品品質及び機能性の向上による市場の拡大
自然派化粧品ブランドでは、機能性の訴求が不可欠となって来ており、今後は「自然派+機能」の訴
求によって、顧客の取り込みを図るというメーカーがより一層増加すると考える。オーガニック化粧品ブラ
ンドでは、化粧品製造技術の発展によって、香りやテクスチャー(使用感)、肌への浸透などが著しく向上
しており、さらに製品品質のレベルが向上すると考える。これまで、香りによる癒し効果や肌に優しいという
印象の強かった自然派・オーガニック化粧品であるが、今後は、これらの従来からの強みに加え、肌悩み
を解決する機能性を持つ製品であるという認識が浸透することで、さらなる市場拡大が期待できる。
3. 将来予測
環境を重視したライフスタイルの顧客への定着に加え、主要化粧品ブランドの店舗数拡大やオンライン
ショップを含む取扱い店舗の増加による顧客接点の増加、ファッション誌や美容雑誌など媒体への露出
増加による製品認知の広がりなどにより、2016 年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模はブランドメ
ーカー出荷金額ベースで、前年度比 4.6%増 1,229 億円、2017 年度は同 4.2%増の 1,281 億円と拡大基
調を予測する。
Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
2016 年 6 月 7 日
プレスリリース
図 1. 自然派・オーガニック化粧品市場規模推移
(単位:百万円)
140,000
128,100
122,900
117,500
120,000
110,900
104,000
100,000
98,200
93,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
(予測)
2017年度
(予測)
矢野経済研究所推計
注 1: ブランドメーカー出荷金額ベース
注 2: (予測)は予測値
Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.