Agilent 35670Aオペレーターズ・ガイド Agilent部品番号 35670-90062 適用ファームウェア・バージョン A.00.00 Printed in Malaysia 印刷: 2001年1月 © Agilent Technologies, 2001. All rights reserved. 8600 Soper Hill Road Everett, Washington 98205-1209 U.S.A. i Agilent 35670Aの外観(フロント・パネル) ii Agilent 35670Aフロント・パネル 1-ソフトキーは、現在のメニューから項目を 選択する場合に使用します。各ソフトキーの 機能ラベルは本器の画面に表示されます。本 書では、ソフトキーは[FFT ANALYSIS]のよう に示してあります。 フロント・パネルにあるボタンをハードキー と呼び、これらの機能は一定で変わることは ありません。各ハードキーの機能ラベルは キーそのものに表示してあります。本書では、 ハードキーは[Inst Mode]のように示してあり ます。 2-本器の画面は、メニューエリアとデータ表 示エリアに分けられます。メニューエリアに はソフトキーのラベルが表示され、データ表 示エリアには測定データやパラメータ設定に ついての情報が表示されます。 3-[Rtn]キーを使用すると、1つ前のメニューレ ベルに戻ります。 4-POWERボタンは、本器の電源スイッチです。 5-SYSTEMキーを使用して、システム・レベ ルの機能をコントロールします。これらの機 能には、ファイルのセーブ、測定データのプ ロット、オンライン・ヘルプの表示などがあ ります。 6-ディスク・ドライブを使用して、測定デー タなどを3.5 インチのフロッピーディスクに セーブします。 9-MARKERキーを使って、マーカ機能を選択 します。 10-MEASUREMENTキーを使用して、本器の ソースや入力、また測定パラメータのコント ロールを行います。MEASUREMENTパラメー タを変更すると、新しい測定を行うことにな ります。 11-テンキーは数値の入力に使用します。 12-マイクロフォン・パワーコネクタを使用し て、マイクロフォン・アダプタ・キット(オプ ションUK4)に電力(8Vdc)を供給します。 13-フロント・パネルのコネクタ・エリアの構 成には2種類あります。標準のアナライザに は、1つのソース出力コネクタと2つの入力コ ネクタがあります。4チャネルのアナライザ(オ プションAY6)には、4つの入力コネクタがあり ます。 各入力コネクタの横には、レンジ・インディ ケータがあります。上のLEDはレンジ超過イ ンディケータ( 信号レベルが現在の設定レン ジを超過)、下のLED は半レンジ・インディ ケータ(信号レベルが現在の設定レンジの半 分を超過)です。 14-コネクタ・エリアの左端には、ソース・オ ン/オフ・インディケータがあります。 標準のAgilent 36570A(2チャネル)では、ソー ス・コネクタがフロント・パネルにあります。 7-ノブを使用して、マーカやカーソルを移動 します。また、数値を段階ごとに変えたり、オ ンライン・ヘルプをスクロールするのにも使 用します。 8-DISPLAYキーを使用して、トレースの表示 をコントロールします。DISPLAYキーはデー タの表示をコントロールするだけで、測定パ ラメータの変更は行いません。また、このキー を押しても測定パラメータは変更されませ ん。DISPLAYメニューのキーは、測定パラメー タを失わずに使用することができます。 iii 本器の外観(リア・パネル) iv 本器のリア・パネル 1-GPIBコネクタで、本器を他のGPIB装置と接 続します。GPIBパラメータは、[Local/GPIB] および[Plot/Print]のメニューで設定します。 2-SERIAL PORTおよびPARALLEL PORTを使 用して、本器をプロッタやプリンタに接続し ます。これらのパラメータは、[Plot/Print]メ ニューで設定します。 3-SOURCEコネクタを使用して、本器のソー ス信号を出力します。フロント・パネルのLED は、ソースがオンかオフかを表示します。ソー ス・パラメータは、[Source]メニューで設定 します。 標準のAgilent 36570A(2チャネル)では、ソー ス・コネクタがフロント・パネルにもあります。 4-EXT TRGコネクタで、本器を外部トリガ信 号に接続します。外部トリガ・パラメータは、 [Trigger]メニューで設定します。 5-TACHコネクタで、本器をタコメータに接続 します。タコメータ・パラメータは、[Input] メニューで設定します。 6-KEYBOARDコネクタで、オプションのキー ボードを接続します。 7-DC POWERコネクタを使用して、12~28Vdc (公称)のDC電源を入力します。 8-AC POWERコネクタを使用して、広いレン ジのAC電源を入力することができます。 9-POWER SELECTスイッチで、AC POWERま たはDC POWERのどちらの電源を使用するか 選択します。 10-EXT MONITORポートで、本器をマルチ・ シンク・モニタに接続します。 v 納入後の保証について • ハードウェア製品に対しては部品及び製造上の不具合について保証します。又、 当社製品仕様に 適合していることを保証します。 ソフトウェアに対しては、媒体の不具合 (ソフトウェアを当社指定のデバイス上適切にインス トールし使用しているにもかかわらず、プログラミング・インストラクションを実行しない原因 がソフトウェアを記録している媒体に因る場合) について保証します。又、 当社が財産権を有する ソフトウェア(特注品を除く) が当社製品仕様に適合していることを保証します。 保証期間中にこれらの不具合、当社製品仕様への不適合がある旨連絡を受けた場合は、 当社の判 断で修理又は交換を行います。 • 保証による修理は、当社営業日の午前8時 45 分から午後5時 30 分の時間帯でお受けします。なお、 保証期間中でも当社所定の出張修理地域外での出張修理は、技術者派遣費が有償となります。 • 当社の保証は、 製品の動作が中断されないことや、 エラーが皆無であることを保証するものでは ありません。 保証期間中、当社が不具合を認めた製品を相当期間内に修理又は交換できない場合 お客様は当該製品を返却して購入金額の返金を請求できます。 • 保証期間は、 製品毎に定められています。保証は、当社が据付調整を行う製品については、据付調 整完了日より開始します。但し、 お客様の都合で据付調整を納入後 31 日以降に行う場合は 31 日目 より保証が開始します。 又、当社が据付調整を行わない製品については、 納入日より保証が開始します。 • 当社の保証は、以下に起因する不具合に対しては適用されません。 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) 不適当又は不完全な保守、校正によるとき 当社以外のソフトウェア、インターフェース、 サプライ品によるとき 当社が認めていない改造によるとき 当社製品仕様に定めていない方法での使用、作動によるとき お客様による輸送中の過失、事故、 滅失、損傷等によるとき お客様の据付場所の不備や不適正な保全によるとき 当社が認めていない保守又は修理によるとき 火災、風水害、 地震、落雷等の天災によるとき • 当社はここに定める以外の保証は行いません。又、 製品の特定用途での市場商品価値や適合性に 関する保証は致しかねます。 • 製品の保守修理用部品供給期間は、製品の廃止後最低5年です。 原 典 本書は"Agilent 35670A Operator’s Guide" (Part No. 35670-90001) (Printed in USA, December 1992)を 翻訳したものです。 詳細は上記の最新マニュアルを参照して下さい。 ご 注 意 • 本書に記載した内容は、予告なしに変更することがあります。 • 当社は、お客様の誤った操作に起因する損害については、責任を負いかねますのでご了承くだ さい。 • 当社では、本書に関して特殊目的に対する適合性、市場性などについては、一切の保証をいた しかねます。 • また、備品、パフォーマンス等に関連した損傷についても保証いたしかねます。 • 当社提供外のソフトウェアの使用や信頼性についての責任は負いかねます。 • 本書の内容の一部または全部を、無断でコピーしたり、他のプログラム言語に翻訳することは 法律で禁止されています。 • 本製品パッケージとして提供した本マニュアル、フレキシブル・ディスクまたはテープ・カー トリッジは本製品用だけにお使いください。プログラムをコピーをする場合はバックアップ用 だけにしてください。プログラムをそのままの形で、あるいは変更を加えて第三者に販売する ことは固く禁じられています。 アジレント・テクノロジー株式会社 許可なく複製、翻案または翻訳することを禁止します。 Copyright © Agilent Technologies, Inc. 2001 Copyright © Agilent Technologies Japan, Ltd. 2001 All rights reserved. Reproduction, adaptation, or translation without prior written permission is prohibited. 目次 第 I 部 測定の実行 測定のセットアップ 第 I 部-1 1 回転機の測定 トランスデューサの接続 1-2 トランスデューサの単位と感度の設定 1-3 トランスデューサの校正 1-4 振動パワーの測定 1-6 タコメータ信号の特性評価 1-8 次数スペクトルの測定 1-10 rpmステップのオーダ・マップ表示 1-12 タイム・ステップのオーダ・マップ表示 1-13 オーダ・トラックの測定 1-14 rpmステップのオーダ・トラック表示 1-16 タイム・ステップのオーダ・トラック表示 1-17 タコメータ信号に対する位相の表示 1-18 rpmプロファイルの表示 1-19 オービット・ダイヤグラムの表示 1-20 2 構造物の測定 構造物の測定 2-2 衝撃試験 2-8 駆動点測定 2-10 駆動点測定のアンラップト位相 2-12 駆動点測定の実数および虚数成分の表示 2-13 タイム・レコードのプレビュー 2-14 i 3 音の測定 マイクロフォン・アダプタの接続(オプションUK4) 3-2 マイクロフォンの接続 3-3 マイクロフォンの校正 3-4 音圧レベルの測定 3-6 総合音圧レベルの測定 3-8 総合インパルス特性の測定 3-9 4 スペクトル/ネットワーク測定 広帯域スペクトルの測定 4-2 狭帯域スペクトルの測定 4-4 周波数と振幅の測定 4-5 ノイズ・パワーの測定(PSD) 4-6 高調波歪みの測定 4-7 側波帯パワーの測定 4-8 スペクトル・マップの表示 4-9 周波数応答の測定-FFT 4-10 周波数応答の測定-スエプト・サイン 4-12 位相歪みの測定 4-14 5 制御システムの測定 制御システムの測定 5-2 制御システムの性能測定 5-6 ステップ応答の測定 5-8 性能パラメータの測定 5-10 制御システムの安定度測定 5-12 オープン・ループ応答の測定 5-14 ゲインと位相マージンの測定 5-16 ナイキスト線図の表示 5-17 クローズド・ループ応答の測定 5-18 オープン・ループ応答の計算 5-20 6 オプション1D4任意ソース 任意ソース 6-2 ステップ信号の生成 6-4 ランプ信号の生成 6-6 チャープ信号プロファイルの生成 6-8 ii 7 タイム・キャプチャの使用法 キャプチャ・バッファへの入力の準備 7-2 キャプチャ・バッファへのメモリ割当て 7-4 キャプチャ・バッファへの入力 7-5 キャプチャ・バッファのフロッピーディスクへのセーブ 7-6 キャプチャ・バッファのフロッピーディスクからのリコール 7-7 キャプチャ・バッファのチェック 7-8 解析範囲の決定 7-9 キャプチャ・バッファでの測定の準備 7-10 キャプチャ・バッファでの測定 7-12 第 II 部 表示機能の使用法 8 測定データの表示 アクティブ・トレースの選択 8-2 測定データ表示 -1チャネル、1トレースの場合 8-3 測定データ表示 -1チャネル、複数トレースの場合 8-4 測定データの表示 - 複数チャネル、1トレースの場合 8-5 データ・レジスタの表示 8-6 演算機能の表示 8-7 9 ディスプレイのフォーマット 画面でのトレースの配列 9-2 一般的な画面要素のイネーブル 9-3 トレースごとの画面要素のイネーブル 9-4 トレース・タイトルの入力 9-5 画面の制御 9-6 ウォータフォール表示のセットアップ 9-7 ウォータフォール表示の強調 9-8 ウォータフォール・バッファの表示 9-9 ウォータフォール・バッファからの1トレースの表示 9-10 ウォータフォール・バッファのスライス表示 9-11 iii 10 ディスプレイのスケーリング Y軸オートスケールのイネーブル 10-2 リファレンスとY Per DivのソフトキーによるY軸のスケーリング 10-3 Y軸の上端値と下端値の設定 10-4 軸スケール・マーカによるY軸のスケーリング 10-5 他のトレースのY軸目盛との整合 10-6 軸スケール・マーカによるX軸のスケーリング 10-7 他のトレースのX軸目盛との整合 10-8 11 ディスプレイ単位の選択 座標系の選択 11-2 周波数/時間の単位選択 11-3 位相の単位選択 11-4 振幅の単位選択 11-5 トランスデューサの単位と感度の設定 11-6 表示トランスデューサ単位の変換 11-7 dBmで振幅を表示 11-8 第 III 部 基本的機能の使用法 12 オンライン・ヘルプの使用法 キーについてのヘルプ表示 12-2 関連ヘルプ・トピックの表示 12-3 ヘルプ・インデックスによるトピックの選択 12-4 ヘルプ・トピックの印刷 12-5 オンライン・ヘルプの終了 12-6 iv 13 ファイルとディスクの操作 外部ディスク・ドライブの接続 13-2 デフォルト・ディスクの設定 13-3 フロッピーディスクのフォーマット 13-4 カレントDOSディレクトリの変更 13-5 DOSディレクトリの作成 13-6 トレースのセーブ 13-7 プログラムのセーブ 13-8 その他のファイルのセーブ 13-9 トレースのリコール 13-10 プログラムのリコール 13-11 その他のファイルのリコール 13-12 ファイルの削除 13-13 DOSディレクトリの削除 13-14 ファイルのコピー 13-15 ファイルのリネーム 13-16 14 プロットと印刷 ハードコピー機器のセットアップ - パラレルの場合 14-2 ハードコピー機器のセットアップ - シリアルの場合 14-3 ハードコピー機器のセットアップ - GPIBを使用した場合 14-4 画面内容のプロット 14-5 画面内容の印刷 14-6 プロットまたは印刷の注釈 14-7 プロッタ・ペンの再割当て 14-8 プロット速度の変更 14-9 プロットの位置決め 14-10 v 第 IV 部 高度ツールの使用法 15 オプション1D3シンセシス機能 シンセシス機能 15-2 シンセシス・テーブルとデータ形式 15-4 シンセシス・テーブルの表示 - 極-ゼロ形式 15-14 テーブル形式の選択/変換 - 極-留数形式 15-15 テーブル形式の選択/変換 - 多項式形式 15-16 シンセシス・テーブルの作成 15-17 シンセシス・テーブルの作成 15-21 シンセシス演算へのゲイン係数、遅延、および周波数スケールの入力 15-22 シンセシス・テーブルの消去 15-23 シンセシスの実行 15-24 周波数応答曲線のシンセシス 15-25 X軸のデータ間隔変更 15-27 シンセシス・テーブルの操作 15-28 既存のシンセシス・テーブルの編集 15-29 シンセシス・テーブルのセーブ 15-30 シンセシス・トレースのセーブ 15-31 シンセシス・トレースのリコール 15-32 カーブ・フィット・テーブルのシンセシス・テーブルへの転送 15-33 シンセシス・レジスタの変更 15-34 16 オプション1D3カーブ・フィット カーブ・フィット 16-2 カーブ・フィット手順の概要 16-27 カーブ・フィットのセットアップ 16-30 ウェイト関数の設定 16-32 カーブ・フィットの実行 16-33 手動によるカーブ・フィットのセットアップ 16-34 カーブ・フィット・テーブルの操作 16-36 カーブ・フィット・テーブルの編集 16-37 カーブ・フィット・テーブルのシンセシス・テーブルへのコピー 16-38 周波数応答測定とシンセシス結果との比較 16-39 カーブ・フィット・テーブルのセーブ 16-40 カーブ・フィットの周波数応答関数のセーブ 16-41 カーブ・フィット・テーブルのリコール 16-42 カーブ・フィット・レジスタの変更 16-43 vi 17 リミット・テスト リミットを描く 17-2 リミット・セグメントの削除 17-3 トレースのリミットへの変換 17-4 リミット・テストのイネーブル 17-5 リミットのセーブ 17-6 18 演算機能とデータ編集 演算機能とデータ編集 18-2 定数の定義 18-4 演算でのオペランドの指定 18-5 演算の定義 18-7 演算機能結果の表示 18-8 ケプストラムの計算 18-9 ヒルベルト変換の計算 18-10 関数のエンベロープの計算 18-11 S/N比の計算 18-12 群遅延の計算 18-13 波形の修正 18-14 vii 測定のセットアップ 本器およびそのオプションを使用すると、以下の7つの章で説明するようなさまざまな測定を行 うことができます。各章で、それぞれ異なったタイプの測定について説明しています。 • 回転機械 第1章 • 構造物 第2章 • 音/音響 第3章 • スペクトルとネットワーク 第4章 • 制御系 第5章 さらに後続の2つの章では、オプションの任意ソース(第6章)、本器のタイム・キャプチャ・バッ ファ (第7章)について説明しています。 各測定には基本的な手順があります。測定によっては、ステップが省かれたり繰り返されるこ とがあります。一般的な手順は次のとおりです。 1 本器の初期化 2 接続 3 測定パラメータの設定 4 トリガ・パラメータとアベレージング・パラメータの設定 5 ディスプレイの設定 6 被測定デバイス(DUT)の測定 行いたい測定についての説明が本書にない場合は、類似の測定を参照し、その手順をガイドラ インとして使用してください。手順の中には、プリセットの値を選択するよう指示しているも のがあります。これは、メニューの選択に慣れて、違う設定を選択できるようにするためのも のです。 次の説明は、基本的な測定全体についてのものです。適切な選択を行うために、各ステップに ついて詳しく説明してあります。 第I部 - 1 本器の初期化 このステップでは、本器をプリセットの状態に初期化し、計測器モードとチャネル数、および 測定データを選択します。 プリセット ほとんどの場合、本器をあらかじめプリセットした状態から測定を開始します。このプリセッ ト状態は、測定をセットアップする場合に便利な開始点になります。 測定器モード/チャネル数 ある計測器モードを設定すると、本器に入力データを入力し、それを特定の方法で処理させる ことになります。オプションをすべて装備した場合、本器はスペクトラム・アナライザ、ネッ トワーク・アナライザ、音響サウンド・レベル・メータ、音響強度アナライザ、振動アナライ ザ、可聴周波数オシロスコープ、および振幅ドメイン・アナライザとして機能します。 このような違う種類の「計測器」を使用する場合は、[Inst Mode]ハード・キーを押します。次 に、適切なソフトキーを押して、計測器モードを設定します。標準のモデルには、次のような 計測器モードがあります。 • FFT解析 • 相関解析 • ヒストグラム/時間 さらに本器には、次のオプションの計測器モードを装備することができます。 • オクターブ解析 • 次数比解析 • スエプト・サイン 測定機能の中には、ある計測器モードでは使用できないものがあります(使用できないソフト キーは暗い表示になります)。ソフトキーメニューは、選択した計測器モードによって変ります。 プリセットの計測器モードは、FFT解析です。 第I部 -2 [Inst Mode]メニューでは、測定で使用するチャネルの数を選択します。プリセットは、2チャネ ル測定でチャネル1およびチャネル2の設定になっています。 計測器モードとチャネル数によって、本器の入力データ収集方法が変わります(実際は、フロン ト・パネルのMEASUREMENTグループのハードキーはすべて、本器の入力データ収集方法に影 響を与えます)。これらのキーを使用して何らかの変更を行うと、新たに測定が開始することに なります。 測定データ 6つの計測器モードには、それぞれの測定データの組合わせがあります。あるタイプの測定デー タを選択すると、すでに収集した測定データの特定部分を表示するよう、本器に指示すること になります。測定データは、フロント・パネルのDISPLAYグループにある[Meas Data]ハード キーを使って選択します。このグループのキーを押しても、表示したいデータの種類を選択す るだけで、本器が測定を行う方法を変更したことにはなりません。 次の表は、各計測器モードで表示できる測定データを示しています。測定データの詳細につい ては、オンライン・ヘルプを参照してください。 第I部 - 3 各計測器モードで表示可能な測定データ FFT 解析 オクターブ 解析 次数比 解析 正弦 掃引 パワースペクトル CH1/2/3/4 可* 可* 可* 線形スペクトル CH1/2/3/4 可* タイム・チャンネル 1/2/3/4 可* ウィンドウ 時間チャネル 1/2/3/4 可* 周波数応答2/1 可* 可 周波数応答 3/1 可* 可* 周波数応答4/1 可* 可* 周波数応答4/3 可* 可* コヒーレンス2/1 可† コヒーレンス3/1 可*† コヒーレンス4/1 可*† コヒーレンス4/3 可*† クロス・スペクトル 2/1 可 クロス・スペクトル 3/1 可* クロス・スペクトル 4/1 可* 可 クロス・スペクトル 4/3 可* 可* オービット 2/1 可 可 オービット 3/1 可* 可* オービット 4/1 可* 可* オービット 4/3 可* 可* 相関 解析 ヒストグラム /時間 可* 可‡* 可* 可* 可* 可* 可* 可* * チャネル3とチャネル4は、Agilent 35670A オプションAY6装備の場合に表示可能です。 † アベレージングがオンの場合に表示可能です。 ‡ ヒストグラム/時間モードで、タイム・データは「未選別タイム」データと呼ばれます。 第I部 -4 各計測器モードで表示可能な測定データ(続き) FFT 解析 オクターブ 解析 次数比 解析 正弦 掃引 相関 解析 ヒストグラム /時間 演算機能 可 可 可 可 可 可 データ・レジスタ 可§ 可§ 可§ 可§ 可§ 可§ ウォータフォール・ レジスタ 可 可 可 可 可 可 キャプチャ・ チャンネル CH1/2/3/4 可* 可* 可* 可* 可* 可* コンポジット・ パワー CH1/2/3/4 可*! オーダ・トラック CH1/2/3/4 可*! RPMプロファイル 可 正規化分散 CH1/2/3/4 * † ‡ § ! 可* 自己相関 CH1/2/3/4 可* 相互相関2/1 可 相互相関3/1 可* 相互相関 4/1 可* 相互相関4/3 可* ヒストグラム CH1/2/3/4 可* PDF† CH1/2/3/4 可* CDF‡ CH1/2/3/4 可* チャネル3とチャネル4は、Agilent 35670A オプションAY6装備の場合に表示可能です。 確率密度関数 累積密度関数 1つの計測器モードから他の計測器モードへデータを転送できるので、データ・レジスタは 1つです。 [Freq]メニューでトラックがオンの場合に可能です。 第I部 - 5 被測定デバイス/信号ソースの接続 各測定について、セットアップを図解してあります。ほとんどの場合、図では標準の2チャネル 使用のものです。4チャネル・アナライザ(オプションAY6)を使用する場合、ソース・コネクタ はリア・パネルにあります(2チャネル・アナライザでは、ソース・コネクタはフロント・パネル とリア・パネルの両方にあります)。 測定パラメータの設定 測定パラメータによって、本器が入力データを収集する方法が変わります。これらのうちのほ とんどは、フロントパネルのMEASUREMENTグループのハードキー下にグループ分けされてい ます。これらのメニューでパラメータを変更した場合は、新しいデータを収集することになり ます。 周波数データの設定 本器は、400ライン(401ポイント、またはビン)のデフォルトの解像度を持っています。また、 800、200、100ラインのディスプレイ解像度を設定することができます。ここで、あるディスプ レイ解像度において、スパンが狭ければそれだけ細かい周波数分解能を得ることができます。こ れは、同じ数のディスプレイ・ポイントがより小さなレンジの周波数を表すためです。 フル・スパン測定では、1画面で周波数スペクトル全体を見ることができます。本器では、スペ クトルは1チャネル測定の場合0Hzから102.4kHzまで、2チャネル測定の場合51.2kHzまで、4チャ ネル測定の場合25.6kHzまでの拡大が可能です。これにより、フル・スパンで400ライン解像度 の場合、それぞれ256Hz、128Hz、64Hzの周波数分解能が得られます。 逆に、より小さな部分の周波数スペクトルが必要な場合もあります。スタートまたは中心の周 波数を指定することにより、異なったスパンを必要な数だけ、どこでも必要なところに置くこ とができます。また中心周波数とスパン幅を指定することにより、違うスパンを選択すること もできます。この狭いスパンを見るための方法は、 「ズーミング」または「帯域選択解析」と呼 ぶことがあります。 また、0Hzを開始点とするスパンの測定をベースバンド測定、0Hz以外の周波数を開始点とする スパンの測定をズーム測定と呼ぶことがあります。 第I部 -6 周波数分解能 FFTアナライザにおける周波数分解能は、ふ つうラインの数について表されます。最も 一般的なものは400ラインと800ラインです が、本器の場合、可変の分解能を得ること ができます。4kHzスパン表示設定の400ライ ンFFTアナライザでは、4000Hz/400ライン、 つまり10Hz/1ラインの周波数分解能になり ます。所定の測定に必要な時間の長さと測 定できる最大周波数は、タイム・レコード の長さによって決まります。 例えば、1kHzスパンを測定する800ライン・ アナライザでは0.8秒のタイム・レコードを 必要とします。同じ1kHzスパン測定の3200 ライン・アナライザでは、3.2秒のタイム・ レコードを必要とします。この関係は、処 理スピードによって変わることはありませ ん。スパンが小さいほど、必要なタイム・レ コードは長くなります。 4つの相互関係のあるファンクション、つま り最大周波数、タイム・レコード長、周波 数分解能、および周波数スパンについて、簡 単にその値を求めることができます。 • 最大周波数 = (N/2)× (1/タイム・レコード長) N = サンプル数 • タイム・レコード長 = ライン数/周波数スパン • 周波数分解能 =1/タイム・レコード長 • 周波数スパン = (周波数分解能 ×ライン数) 第I部 - 7 入力の設定 標準では、フロント・パネルに入力コネクタが2つ、オプションのAY6には入力コネクタが4つあ ります。各入力チャネルは独立していて、入力インピーダンス1MΩで、100pF以下の並列容量 があります。本器が1チャネル・モードの場合、接続できるのは1入力だけで、2チャネル・モー ドのときは2入力、4チャネル・モードでは4入力すべてが接続できます。 各入力チャネル設定方法には、次のようなものがあります。 • グランド/フローティング入力 • AC/DC結合 • アンチエリアス・フィルタ オン/オフ • オートレンジ オン/オフ • Aウェイト・フィルタ オン/オフ • ICP電源 オン/オフ また、入力メニューでトランスデューサ単位を指定することができます。このトランスデュー サ単位は、マイクロフォンや加速度計のような校正された変換器を使用して測定を行うときに 便利です。 さらに、本器はタコメータ入力部と外部トリガ入力部があり、どちらのコネクタもリア・パネ ルにあります。 入力レンジ 本器には、2dBの増分で-51~+27dBVrmsの40の入力レンジがあります。入力レンジの設定は、 手動または本器のオートレンジ機能を使用して行います。オートレンジがオンの場合、信号が 現在の入力レンジを超えると、本器は自動的に、より低感度のレンジを選択します。最良の測 定を行うには、入力レンジの設定方法を手動にするか、またはオートレンジを使用するかにつ いて慎重に検討しなければなりません。 最大入力レンジ(+27dBVrms)とその等価単位での最大値 dBVrms dBV(ピーク) Vrms V(ピーク) +27dBVrms +30.01dBV(ピーク) +22.39Vrms +31.66V(ピーク) 最小入力レンジ(-51dBVrms)とその等価単位での最小値 第I部 -8 dBVrms dBV(ピーク) Vrms V(ピーク) -51dBVrms -47.99dBV(ピーク) +2.818mVrms +3.986mV(ピーク) 過入力 各入力コネクタの横には、過入力インディケータがあります。また画面の最下部には、OVLDの ステータス・メッセージが表示されます。 入力チャネルが現在過入力状態であるとき、インディケータが点灯します。入力チャネルが過入力 状態で、本器がより低感度のレンジに変更できないときは、OVLDのステータス・メッセージが表 示されます。これは、本器の最大入力レンジ(+27dBV)を超過したときに起こります。オートレ ンジをオフにした場合、現在の入力レンジを超過すると常にOVLDメッセージが表示されます。 本器の過入力状態に対する反応は、場合によって異なります。オートレンジがオンの場合、最 大入力レンジがすでに設定されていない限り、過入力の状態になるとより低感度レンジへの変 更が行われます。アベレージング測定の場合に過入力状態になると、本器は新しくアベレージ ングを開始します。 場合によっては、過入力状態でなくなったにもかかわらずOVLDのメッセージが画面に残ること があります。これは、過入力状態が進行中の測定に影響を与えたことを示します。例えば、固 定入力レンジを使用してアベレージング測定を行っていたとします。測定中のある点で過入力 が起こります。オートレンジが機能せず本器が測定を再開しないので(オートレンジ・オフのた め)、OVLDのメッセージが残り過入力状態によってアベレージング・データが不正となったこ とを示します。 注意 本器の入力部には保護回路がありますが、次に示す値より大きい値の信号(グラウンドに基準)は 本器を損傷する可能性があります。 • • 入力コネクタの中心導線に入力される±42V(ピーク)の信号 入力コネクタのシェルに(フロート・モードで)入力される±4V(ピーク)の信号 過入力検出は広帯域信号に対しても機能します。これは、オーバレンジの周波数部分が現在の 周波数スパンの外側にあっても、本器が過入力状態を検出することになります。したがって、 オーバレンジ部分のない周波数スパンを見ているときにも、過入力インディケータまたはOVLD のステータス・メッセージが表示されることがあります。 第I部 - 9 オートレンジ オートレンジがオンの場合、本器は常に入力信号の振幅をモニタし、必要に応じて自動的に入 力レンジを変更します。入力信号が現在の入力レンジを超過すると、本器はより低感度の入力 レンジへと変更を行います。オートレンジが発生すると、Autorange in progressのメッセージ が表示されます。アベレージング測定を行っているときにオートレンジが起こると、本器は新 たにアベレージングを開始します。 特定の入力レンジ設定を維持したい場合は、手動で入力レンジを設定することができます。理 想的には、信号のピークが現在設定している入力レンジの上半分になるようにします。 入力レンジを低くし過ぎる(感度が必要以上に高い)と、本器の入力回路は測定に歪みを発生させ ます。また入力レンジを高くし過ぎる(感度が必要以上に低い)と、ダイナミック・レンジ損失の 結果ノイズが増えます。場合によっては、ノイズ・フロアの上昇により、低レベル周波数部分 がぼやけてしまいます。 固定入力レンジを使用すると、各レンジの最上部に約2dBのスペースが生じ、その後入力チャネ ルが歪みます。したがって、固定入力レンジを使用するときは、このレベルを超えない限り過 入力状態は発生しません。このことは、過渡信号が必要な入力レンジを頻繁に超えるような回 転機械の測定の場合、特に重要です。 ソースの設定 本器のソースでは、さまざまな波形を得ることができます。例えば、FFT解析モードでは、次の ような波形を選択することができます(計測器モードごとに、それぞれ得られる波形に制限があ ることに注意してください)。 第 I 部 - 10 • ランダム・ノイズ • バースト・ランダム • 周期チャープ • バースト・チャープ • ピンク・ノイズ • 固定正弦波 • 任意ソース(オプション) ソース・インピーダンス 本器のソース・インピーダンスは非常に低く(5オーム以下)、ほとんどどのようなタイプの負荷 にも対応できるように設計されています。被測定デバイスに特定のソース・インピーダンスが 必要のとき、本器のソース出力に適当な抵抗器を直列に置くように注意してください。例えば、 被測定デバイスに約600オームのソース・インピーダンスが必要な場合は、本器のソース出力に 590オームの抵抗器を直列接続します。 注意 本器ソースには保護回路がありますが、ソース・コネクタの中心導線に±42V(ピーク)を超過す る接続は行わないでください(グラウンドを基準)。 各計測器モードで得られるソース波形 相関 解析 ヒストグラム /時間 可 可 可 可 可 周期チャープ 可 可 可 バースト・チャープ 可 可 可 ピンク・ノイズ 可 可 可 可 可 固定正弦波 可 可 可 可 可 任意ソース 可* 可* 可* FFT 解析 オクターブ 解析 次数比 解析 ランダム・ノイズ 可 可 可 バースト・ランダム スエプト・サイン 正弦 掃引 可‡ * オプション1D4で可能 ‡ オプション1D2で可能 第 I 部 - 11 ウィンドウ機能 ウィンドウは、入力信号に適用される時間ドメインの重み関数です。これは入力タイム・レコー ド内で、周期的でない(つまりスプリアス)信号を除去するためのフィルタとして使用します。タ イム・レコード内で周期的でない信号が変換されたことによって起こるリーケージ、つまり周 波数スペクトル中のエネルギーの分散を防ぐために、ウィンドウによって、本器が入力タイム・ レコードのある決った部分を減衰させます。 本器では、使用できるウィンドウのタイプがいくつかあります。各ウィンドウにはそれぞれの 長所があります。ウィンドウの各タイプによって測定結果が異なる(どのように違うかは、入力 信号の性質とそれに対するトリガのしかたによります)ので、行おうとする測定にあったウィン ドウ・タイプを慎重に選択してください。 ウィンドウ機能の詳細については、オンライン・ヘルプまたはアジレント・テクノロジー・ア プリケーション・ノート243(最寄りの当社営業所でお求めください)を参照してください。また、 付属品Agilent 35288の『DSA Concept Documentation』も参照することができます。 トリガおよびアベレージング・パラメータの設定 トリガは、本器にデータの収集を開始するよう指示します。また測定によっては、アベレージ ングによってランダム・イベント(例えばノイズ)と、実際に特定したい信号成分との区別を行う ことができます。 第 I 部 - 12 トリガ 測定を開始するには3段階のプロセスが必要です。はじめに[Start]キーを押し、次に測定のアー ミング、最後にトリガを行います。 アーミングは、単に本器がトリガへ応答できるようにします。トリガは、本器にデータの収集 開始を指示します。アーミングとトリガは自動的に行われる場合と、指定した条件によって行 われる場合とがあります。自動アーミングおよびフリーラン・トリガを指定した場合、[Start]を 押すとすぐに本器はデータの収集を開始します。 本器では、いくつかの違うタイプのトリガを行うことができます。例えば測定を外部装置と同 期させるような場合、適当な時間に本器が入力データのサンプリングができるように、特定の トリガを選択することができます。ただし、各測定器モードについて、トリガ・タイプがすべ て使用できるとは限りません。 使用可能なトリガ・タイプには、次のようなものがあります。 • フリーラン・トリガ-トリガ信号を待たずに、継続的にデータを収集します。 • 外部トリガ-リア・パネルの外部トリガ入力で、設定トリガ条件が満たされるとデータを収 集します。 • チャネル・トリガ-指定したチャネルの入力コネクタで、設定トリガ条件が満たされると データを収集します。 • ソース・トリガ-内部ソースによってデータを収集します。 • GPIBトリガ-適切なGPIBコマンドを受信すると、データを収集します。 次の表は、各計測器モードで使用できるトリガの種類を示しています。それぞれのトリガのタ イプの詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 第 I 部 - 13 計測器モード * 相関 解析 ヒストグラム /時間 可 可 可 可 可 可 可 可 可 チャネル2 可 可 可 チャネル3 可* 可* 可* チャネル4 可* 可* 可* ソース 可 可 可 GPIB 可 可 可 FFT 解析 オクターブ 解析 次数比 解析 自走 可 可 外部 可 可 チャネル1 可 正弦 掃引 Agilent 35670AオプションAY6で使用可能 ディレイ トリガ信号の前または後にトリガが起きるように、プリ・トリガ・ディレイまたは ポスト・トリガ・ディレイを使用することができます。タイム・チャネル・データ(またはウィ ンドウ・タイム・チャネル・データ)を見ることによって、ディレイの効果をモニタできます。 プリ・トリガ・ディレイの設定には、-10msecのように負の値を指定します。ポスト・トリガ・ ディレイの設定には、10msecのように正の値を指定します。デフォルトのトリガ・ディレイは0 です。 設定することができるトリガ・ディレイの値は、現在の周波数スパンによって異なります。こ れは周波数スパンが狭いほど、タイム・レコードが長いからです。下の表に示すように、多重 入力チャネルで「最初の」チャネルに指定したディレイと「最後の」チャネルに指定したディ レイとの差は、周波数分解能によって異なります。詳細については、オンライン・ヘルプを参 照してください。 第 I 部 - 14 分解能 (ライン) 最小ディレイ差 (サンプル) 最大ディレイ差 (タイム・レコード) 800 6144 3 400 7168 7 200 7680 15 100 7936 31 ポスト・トリガ・ディレイを行うために、本器は指定ディレイ時間が経過するまで測定を遅ら せます。プリ・トリガ・ディレイの場合はさらに複雑です。本器は特殊なトリガ・イベント・ バッファを使用し、ここにタイム・レコード7つ分の入力データが記憶されます。トリガが起こ ると、本器はこのトリガ・バッファの中に戻って、現在の入力データより古い入力データを見 つけます。 タコメータ入力 本器のリア・パネルには、タコメータ信号用の入力部があります。これは、回 転機械に搭載したタコメータからのパルスを受け入れます。このタコメータ信号は、次数トラッ ク測定で本器をトリガするのに使用します。 タコ信号は、測定を行うRPMレンジにわたって、振幅の安定したかなり直線的な範囲を持たな ければなりません。タコ信号の先頭(または立下がりエッジ)のみが使用されるので、タコ・パル ス幅は一定である必要はありません。また、タコ信号は高速立上り時間を持つ必要はありませ ん(例えば正弦波を受け入れることができます)。 アベレージング アベレージングは一連の測定結果を組み合わせたもので、1~9,999,999の範囲の平均を織り込ん だものです。本器が平均をする場合、最後に完了した測定からの結果が前の結果にポイント毎 に計算されます。計算した結果は、更新されつつ保持され、また表示が行われます。 アベレージング測定の速度を増すためには、高速アベレージングを選択することができます。高 速アベレージングでは逐一平均した後の測定の表示は更新はされませんが、一定数の平均後に 測定結果の表示が行われます。 本器が一連のアベレージングを完了すると、測定を再スタートしたり継続することができます。 測定を再スタートする場合は、平均カウントは0に戻って再開します。測定を継続する場合、本 器は前の測定結果に次の一連の平均を追加します。例えば25回のアベレージングを行ったとき に[Pause-Cont]を押して測定を継続すると、もう一度25回のアベレージングが追加されて、そ の測定でのアベレージングは総計50になります。 第 I 部 - 15 各計測器モードで使用可能なアベレージング(および関連の機能) FFT 解析 オクターブ 解析 次数比 解析 正弦 掃引 相関 解析 RMS 可 可 RMS指数 可 可 ピーク・ホールド 可 可* リニア 可 指数 可 イコール・コンフィデンス 可 時間 可 可 可 時間指数 可 可 可 高速アベレージング 可 可† セトリング時間 可 積分時間 可 オーバラップ機能 可 反復機能 可 表示機能 可 過負荷排除 可 ヒストグラム /時間 可 可 可 可 可 可 可 可 オクターブ・モードのピーク・ホールドは他のモードのものとは別です。オンライン・ヘ ルプ参照。 † スエプト・サイン・モードの高速アベレージングは他のモードのものとは別です。オンラ イン・ヘルプ参照。 * 第 I 部 - 16 ディスプレイの設定 計測器モードと適当な測定データを選択したら、ディスプレイの設定を行って選択した測定 データの表示方法を決めます。 ディスプレイ・フォーマット [Disp Format]メニューを使用すれば、次のフォーマットで測定データを表示することができます。 • シングル • 上/下 • 前/後 • 小/大 • 4段 • 測定ステート • ボード線図 すべてのディスプレイ・フォーマットが、それぞれの計測器モードについて使えるわけではあ りません。あるモードについて不適切なフォーマットは、そのモードの使用時には選択できま せん。 また、以下のようなディスプレイ・フォーマット機能を使用すれば、画面に表示する情報量を 減らすことができます。 • グリッドのオン/オフ • 注釈表示のオン/オフ • ディスプレイのオン/オフ • トレース・タイトルの入力 • デフォルト・タイトルのオン/オフ 第 I 部 - 17 トレース座標 dBスケールのトレース座標は、測定データを表示する最も一般的な方法です。しかし、他のト レース座標も便利で、dBスケールでは見ることのできない情報を得ることができます。使用可 能なトレース座標を以下に示します。 • リニア振幅 • ログ振幅 • dB振幅 • 位相 • アンラップト位相 • 実数部 • 虚数部 • ナイキスト線図 • 極座標 • 群遅延 • リニアまたはログX軸 これらのトレース座標は、計測器モードと測定データのほとんどの組合わせで使用できます。た だし、ある測定において特定のトレース座標が適用できない場合があります。この場合には、適 用できないソフトキーは暗い表示になります。例えば、FFT解析モードを選択していて軌道測定 を選択すると、[REAL PART]ソフトキー以外のトレース座標はすべて表示されません。 第 I 部 - 18 ディスプレイのスケーリング 垂直スケールをすばやく変更できるので、[Scale]メニューでは矢印キーおよびノブが大変便利 です。 オートスケール 本器はオートスケールによって、アクティブなトレースに最適の垂直スケー ルを自動的に選択します。オートスケールをオンにしておくと、本器は必要に応じてディスプ レイの更新のたびにスケールを調節します。また、[Scale]メニュー中の他のソフトキーを使用 すれば、手動でスケールを選択することもできます。 オートスケールによって、ウォータフォール・ディスプレイが変化することに注意してくださ い。スケールが変わると、本器はウォータフォール・ディスプレイをクリアし、新しいスケー ルで次のトレースを表示します。これは表示だけの変化で、測定には影響を与えません。クリ アされたトレースはウォータフォール・バッファに保持されています。 スケール・リファレンス オートスケールを使用しないときは、トップ、センタ、ボトムのス ケール・リファレンスを選択できます。y単位/Divに何を選択したかに関係なく、本器はこの基 準を保持します。 例えば、アクティブなトレース上の周波数応答データを見る場合、20dBのトップ・リファレン スを設定すると、画面格子の最上ラインが常に+20dBになります。Y/Divの値を変更すると、トッ プ・スケールは+20dBのままで、スケールのボトムがそれにつれて変ります。 入力レンジ・トラッキング 入力レンジのトラッキングによって、現在使用中の入力レンジを スケールのリファレンスとして使用することができます。この働きは、選択したトレース座標 によって変ります。 • リニア振幅トレースでは、ボトム・リファレンスは常に0です。Y/Divは、スケールのトップ が現在の入力レンジより大きいかまたは等しいように調整されます。 • ログ振幅トレースおよびdB振幅トレースでは、トップ・リファレンスは常に現在の入力レン ジです。 • 実数部および虚数部トレースでは、センタ・リファレンスは常に0です。Y/Divは、スケール のトップが現在の入力レンジより大きいかまたは等しいように調整されます。 • 位相トレースでは、入力レンジ・トラッキングを使用しません。オートスケールの間、また は実数部、虚数部、リニア振幅トレースのY/Divを変更するときは、入力レンジ・トラッキ ングはオフになります。 周波数応答、コヒーレンス、演算機能を表示しているときは、入力レンジ・トラッキングは使 用できません。 第 I 部 - 19 単位/Divの調整 単位/Divの調整は、[Y PER DIV (DECADES)]ソフトキーにより行います。リニ アY軸の場合、これにより垂直目盛の単位/Divの数を設定します。対数Y軸の場合、これによっ て表示されるデケード数を設定します。 新しく目盛を設定すると、現在アクティブなリファレンス(トップ・リファレンス、センタ・リ ファレンス、ボトム・リファレンス)はそのまま保持され、このレベルによって他の目盛が調整 されます。また、囲みのついたリファレンス・ソフトキーが現在アクティブなリファレンスです。 XスケールとYスケールのマッチング [MATCH X SCALE]ソフトキーで、アクティブでないト レースのX軸スケールをアクティブ・トレースにセットします。[MATCH Y SCALE]ソフトキー も同様ですが、Y軸スケールを同じスケーリングにセットします。 これによって、両方のトレースを同じX軸またはY軸スケールにセットできます。これは特に、 上/下や前/後ディスプレイ・フォーマットを使用しているとき、両方のトレース・データを比較 する場合に効果的です。 軸スケール・マーカ 本器では、軸スケーリングという機能を使うことができます。これを使 用すると、表示のトレースを拡大してより詳しく見ることができます。軸スケール・マーカの 使用によって、次のことが可能になります。 • X軸またはY軸スケーリングの設定 • ノブまたはテンキーによるマーカの移動 • フル・スパン画面への復帰 • マーカで特定した帯域の全画面表示 • マーカの保持/移動の指定 軸スケーリングはデータの表示を拡大するだけで、測定の分解能は向上しないということに注 意してください。測定の解析のためによりよい分解能が必要なときは、ディスプレイの分解能 を増すか、または本器の周波数スパンを小さくし、その後で再度測定を行います。 軸スケール・マーカの詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 被測定デバイス/信号ソースの測定 測定を開始するには[Start]キーを押します。[Start]を押すと、本器のバッファからすべての測定 データは消去されます。 [Pause-Cont]キーを押すと、本器は測定の途中で停止し、その時点の測定を表示します。[PauseCont]をもう一度押すと、停止したところから測定を再開します。[Pause-Cont]を押しても、本 器のバッファが消去されることはありません。 第 I 部 - 20 1 回転機の測定 この章では、トランスデューサの接続と校正について説明します。また、いくつかの一般的な回 転機測定についても説明します。これらの測定のほとんどは、本器の次数比解析モードで行いま す。このモードは、オプション1D0を装備した場合だけ使用できます。 1-1 トランスデューサの接続 1 [Input] [ALL CHANNELS] [FRONT END CH* SETUP]を押します。 2 ICPトランスデューサを使用する場合は、[ICP SUPLY ON OFF]を押してONを強調表示にします。 または 他のタイプのトランスデューサの場合は、[ICP SUPLY ON OFF]を押してOFFを強調表示にします。 3 図のように、トランスデューサの出力ケーブルを本器の入力チャネルに接続します。 使用するトランスデューサが大量のDCオフセットを発生する場合、入力するチャネルをAC結合 にすることがあります。AC結合によって、チャネルの感度を上げたときに起こるDC過負荷を防 ぐことができます。AC結合を行うには、[FRONT END CH* SETUP]下の[COUPLING AC DC]を 押して、ACを強調表示にします(チャネルのICP電源をオンにすると、これが自動的に行われます)。 本器をプリセットするとICP電源はすべてオフになり、チャネルはすべてDC結合になります。そ のため、プリセットした後は上の手順の一部を繰り返す場合があります。 1-2 トランスデューサの単位と感度の設定 1 前述の手順に従って、トランスデューサを接続します。 2 [Input]を押し、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押して、トランスデューサを 接続したチャネルを強調表示にします。 3 [XDCR UNIT CHx SETUP] [XDCR UNIT LABEL]を押します(その他の単位を表示するには、 [MORE CHOICES]を押します)。 4 メニューにトランスデューサの入力単位があれば、そのソフトキーを押します。 または どのメニューにもトランスデューサの入力単位がなければ、[MORE CHOICES]メニューを使っ て 自分 で単 位を 入力 する こと もで きま す。[USER LABEL] [USER UNIT LABEL] [CLEAR ENTRY]を押し、次にラベルを入力して[ENTER]を押します。 5 [Input] [XDCR UNIT CHx SETUP] [XDCR SENSITIVITY] <数値> <単位>と押します。 6 設定した単位および感度を表示の振幅に入れるときは、[XDCR UNIT ON OFF]を押してONを強 調表示にします。 本器ではトランスデューサを使用して、機械的デバイスの測定を行うことができます。トラン スデューサは、測定周波数レンジ上の入力エネルギーに比例する出力電圧を生成する必要があ ります。上の手順で指定する単位は、その入力エネルギーを数量化するのに使用します。また 指定した感度は、トランスデューサの公称感度(または校正係数)です。この単位および感度の設 定は、プリセットや本器の電源をオフにした場合に消去されることはありません。ただし[XDCR UNIT ON OFF]をOFFにすると、これらはディスエーブルになります。 ステップ3のユーザーの単位ラベルを入力する代りに、トランスデューサの入力単位を直接選択 する方法があります。加速、速度、または変位の単位のどれかを選択することによって、表示 振幅の単位をすばやく変換することができます。詳細については、第11章の「表示トランス デューサ単位の変換」を参照してください。 トランスデューサの感度は、V/EU、EU/V、または1V/EUを基準とするdBで入力できます(EUは エンジニアリング・ユニットの略で、トランスデューサ・ユニットの別名)。キャリブレータを 使用できるときは、公称感度の入力の代りにトランスデューサの校正を行う場合もあります。次 の手順では、トランスデューサの校正について説明します。 1-3 トランスデューサの校正 ここで説明する手順は、キャリブレータ、FFT計測器モード、および[CAL VALUE AT MARKER] ソフトキーを使用して、トランスデューサの校正を行うためのものです。キャリブレータがな い場合は、前述の手順によって公称のトランスデューサ感度を入力します。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [FFT ANALYSIS]を押します。 [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])を押して、アクティブにしたいチャネル数を強調表 示にします。 [Meas Deta]、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押して校正するトランスデュー サのチャネルを強調表示にします。 [PWR SPEC CHANNEL x]を押します。 2 アクティブなトレースの表示単位をキャリブレータの出力単位に一致させます。 [Input]、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押して校正するトランスデューサの チャネルを強調表示にします。 [XDCR UNIT CHx SETUP] [XDCR UNIT LABEL]、次にキャリブレータの出力単位に対応するソ フトキーを押します([MORE CHOICES]を押すと、さらに単位が表示されます)。 [Input] [XDCR UNIT CHx SETUP]、次に[XDCR UNIT ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [Trace Coord] [Y UNITS] [EU]を押します。 [AMPLITUDE PK PP RMS]を押して、この中の1つを強調表示にします。- キャリブレータの出 力振幅がピーク値の場合はPK、ピーク・ツー・ピークの場合はPP、実効値の場合はRMS 1-4 3 本章の冒頭の説明に従って、トランスデューサの出力ケーブルを本器に接続し、トランスデュー サをキャリブレータに固定します。 4 測定パラメータを設定します。 [Freq] [SPAN]、次に周波数スパンを狭める場合は、下矢印キーを押します。 [Window] [FLAT TOP]を押して振幅確度を最大にします。 5 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6 キャリブレータをオンにして、[Start]を押します。 7 1度でもディスプレイが更新されたら、マーカをキャリブレータの出力周波数に移動し、キャリ ブレータの出力振幅を入力します。 [Marker] [MARKER TO PEAK]を押します。 [Input] [XDCR UNIT CHx SETUP] [CAL VALUE AT MARKER]を押し、次に指定のキャリブレー タ出力振幅を入力したら、[ENTER]を押します。 本器は[CAL VALUE AT MARKER]で入力した数値をもとに、新たな値を[XDCR SENSITVTY]に ついて算出します。この新しい値が、校正係数としてトランスデューサ測定の確度を確実なも のにします。本器は、この値と[XDCR UNIT LABEL]の値を自動的に不揮発性メモリに記憶する ので、これらはプリセットや電源を切ることで失われることはありません。ただし、これらの 値は[XDCR UNIT ON OFF]がONの場合しか使用されません。 1-5 振動パワーの測定 ここで説明する手順は、校正したトランスデューサを使用する振動パワーの測定のためのもの です。多くの場合、振動測定には次数比計測器モードを使用しますが、この手順ではFFTモード を使用するので、タコメータ信号は必要ありません(次数比モード測定では、常にタコメータ信 号が必要です)。 1 本器を初期化します。 前述の「トランスデューサの校正」の手順を行います。 [Active Trace]を押し、1つのトランスデューサで測定する場合は[ A ]、2つのトランスデューサ の場合は[A B]、3あるいは4つの場合は[A B C D]を押します。 [Meas Data] [ALL CHANNELS] [PWR SPEC CHANNEL *]を押してトランスデューサ出力を各 トレースに割り当てます。 2 各校正済みのトランスデューサを被測定デバイス(DUT)に固定します。 1-6 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押して測定する周波数のレ ンジを設定します。 [Input] [ALL CHANNELS] [CH* AUTO UP ONLY]を押します。 4 ディスプレイの設定を行います。 周波数をHzでなくCPMで表示したいときは、[Trace Coord] [X UNITS] [CPM (SEC)]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 DUTのスイッチを入れ[Start]を押します。 本器では、連続スペクトルをマップ(またはウォータフォール)で表示することもできます。これ を行うには、次の手順に従います。 マップで表示したいトレースをアクティブにします。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してOFFを強調表示にします。 [Disp Format] [WATERFALL SETUP]を押し、次に[WATERFALL ON OFF]を押してONを強調表 示にします。 ウォータフォール表示のコントロールと解析の詳細については、第9章「ディスプレイのフォー マット」を参照してください。 1-7 タコメータ信号の特性評価 多くの場合、回転機の測定はタコメータ信号でしか行うことができません。ここで説明する手 順によってタコメータ信号の特性評価が行えるので、本器のTACHコネクタに合った適正なパラ メータを設定することができます。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [HISTOGRAM/TIME]を押します。 [Meas Deta] [UNFILTERD TIME CH 1]を押します。 2 タコメータ信号を本器のフロント・パネルのCH1コネクタ、およびリア・パネルのTACHコネク タに接続します。 3 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 4 測定パラメータを設定します。 [FREQ] [RECORD LENGTH]を押します。 ディスプレイにタコメータ・パルスがいくつか現れるまで、上矢印キーを押します。 [Pause-Cont]を押して測定を休止します。 5 マーカを使って波形振幅を測定します。 [Marker] [MARKER TO PEAK]を押してマーカを波形の頂点に置き、次にノブを回してマーカを 底点に置きます。 各点のY軸表示値を読みます(次のステップで使用するため)。 1-8 6 タコメータのパラメータを設定します。 [Input] [TACHOMETR SETUP]を押します。 波形の上下の点が±4Vのレンジ外の場合は、[TRG RANGE +/-20 4]を押して20を強調表示にし ます。 [LEVEL] <数値> <単位>を押して、本器がタコメータ信号を検出するレベルを設定します。 波形の立下がり(負の)エッジを検出する場合は、[SLOPE POS NEG]を押してNEGを強調表示に します。 [TACH PULS PER REV] <数値> [ENTER]を押して、被測定デバイスの各回転ごとの発生タコ メータのパルス数を入力します。 7 タコメータの設定を確認します。 [TACH DATA ON OFF]を押してONを強調表示にします。 タコメータの表示値(画面の最上部に表示)が安定していることを確認します。 タコメータ信号が明瞭に見えるレベルおよびスロープを設定する必要があります。つまり、与 えられた信号パルスが、指定方向に指定レベルで1度だけ通過するような状態です。これが不可 能な場合、[HOLDOFF TIME]を使えば同レベルを通るマルチ・パスを本器に無視させることが できます。所定のタコメータ信号パルスの同じトリガ・レベルで、本器がマルチ・パスを無視 できるような、十分な長さの値を入力します。 1-9 次数スペクトルの測定 ここで説明する手順は、校正済みトランスデューサを使用して次数スペクトルの測定を行うた めのものです。次数モードは、オプション1D0を装備した場合だけ使用できます。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 「タコメータ信号の特性評価」の手順に従って、タコメータ・パラメータを設定します。ただし 本器のプリセット手順を除きます。 「トランスデューサの校正」の手順に従って、トランスデューサの校正を行います。ただし本器 のプリセット手順を除きます。 [Inst Mode] [ORDER ANALYSIS]を押します。 [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])を押して、アクティブにするチャネル数を強調表示 にします。 [Active Trace]を押し、1つのトランスデューサで測定する場合は[ A ]、2つのトランスデューサ の場合は[A B]、3あるいは4つの場合は[A B C D]を押します。 [Meas Data] [ALL CHANNELS] [PWR SPEC CHANNEL *]を押します。 2 各校正済みトランスデューサを被測定デバイス(DUT)に固定します。 1 - 10 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [MAX ORDER] <数値> [ORDERS]を押して、測定次数の最大数を設定します。 [MIN RPM] <数値> [RPM]を押し、次に[MAX RPM] <数値> [RPM]を押して、測定を行う周波数 レンジを設定します。 [DELTA ORDER] <数値> [ORDERS]を押して、X軸の分解能を設定します。 [Input] を押します。 それぞれのアクティブなチャネルについて、[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押し てそのチャネル番号を強調表示にし、次に[CHANNEL x RANGE] <数値> <単位>を押します。 4 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してOFFを強調表示にし、もう1度[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 DUTをオンにして[Start]を押します。 次数モード測定の実行中は、入力チャネルのオートレンジはできません。そのため、必ず測定 中に超過することのないようなレンジを設定します。これには、次のどちらかの方法が使用で きます。 • 予想される最大信号レベルをわずかに超える値に、各チャネル・レンジを手動で設定します。 手動でレンジを設定する方法についての説明はステップ3にあります。 • 測定を休止し、DUTを稼動させながら全チャネルについて上方向だけのオートレンジを設定 します。これを行うには、[Pause-Cont]を押し、次に[Input] [ALL CHANNELS] [CH* AUTO UP ONLY] を押します(チャネルがオートレンジされた後、スプリアス信号が設定レンジを拡 大するのを防止するために[CH* FIXED RANGE]を選択することもできます)。 入力信号が対応するチャネルのレンジを超過した場合は、そのトレース画面の最下部にOVLDの メッセージが表示されます。その場合は、測定再開の前に過負荷状態のチャネルのレンジを大 きくします。 1 - 11 rpmステップのオーダ・マップ表示 1 「次数スペクトルの測定」の手順を行います。 2 [Trigger] [ARM SETUP] [RPM STEP ARM]を押します。 3 [START RPM USAGE]を押し、次に立上りを測定する場合は[RPM INCREASING]を、立下がり を測定する場合は[RPM DECREASING]を押します。 4 [Rtn] [RPM STEP SIZE] <数値> [RPM]を押し、本器がマップに加える測定数を設定します。 5 マップとして表示するトレースをすべてアクティブにし、次に[Scale] [AUTOSCALE ON OFF] を押してOFFを強調表示にします。 6 [Disp Format] [WATERFALL SETUP]を押し、次に[WATERFALL ON OFF]を押してONを強調表 示にします。 7 被測定デバイス(DUT)をオンにして[Start]を押します。 [RPM INCREASING]を選択すると、タコメータ周波数が[MIN RPM]の値を正の方向に通過する ときに最初の測定がアームされます。[RPM DECREASING]を選択すると、タコメータ周波数が [MAX RPM]の値を負の方向に通過するときに最初の測定がアームされます。[MIN RPM]と[MAX RPM]は、[Freq]ハードキーの下にあります。 注記: [Trigger]のハードキー下で[FREE RUN TRIGGER]を選択した場合のみ、本器は正確な [RPM STEP SIZE]の間隔で測定を行います。 ウォータフォール表示のコントロールと解析の詳細については、第9章「ディスプレイのフォー マット」を参照してください。 1 - 12 タイム・ステップのオーダ・マップ表示 1 「次数スペクトルの測定」の手順を行います。 2 [Trigger] [ARM SETUP] [TIME STEP ARM]を押します。 3 [START RPM] <数値> [RPM]を押して、最初の測定がアームされるタコメータ周波数を設定します。 4 [START RPM USAGE]を押し、次に[START RPM]以上で最初の測定をアームする場合は[RPM INCREASING]を、[START RPM]以下でアームする場合は[RPM DECREASING]を、[Start]ハー ドキーを押したときにアームしたい場合は[START RPM OFF]を押します。 5 [Rtn] [TIME STEP SIZE] <数値> [S]を押し、本器がマップに加える測定数を設定します。 6 マップとして表示するトレースをすべてアクティブにし、次に[Scale] [AUTOSCALE ON OFF] を押してOFFを強調表示にします。 7 [Disp Format] [WATERFALL SETUP]を押し、次に[WATERFALL ON OFF]を押してONを強調表 示にします。 8 被測定デバイス(DUT)をオンにして[Start]を押します。 注記: [Trigger]ハードキー下で[FREE RUN TRIGGER]を選択した場合のみ、 本器は正確な[TIME STEP SIZE]の間隔で測定を行います。 ウォータフォール表示のコントロールと解析の詳細については、第9章「ディスプレイのフォー マット」を参照してください。 1 - 13 オーダ・トラックの測定 ここで説明する手順は、校正したトランスデューサを使用してオーダ・トラックの測定を行う ためのものです。この手順を行う前に、トラックする次数を特定するために次数スペクトルを 測定する場合もあります。これらの次数モードは、オプション1D0を装備した場合だけ使用でき ます。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 「タコメータ信号の特性評価」の手順に従って、タコメータ・パラメータを設定します。ただし 本器のプリセット手順を除きます。 「トランスデューサの校正」の手順に従って、トランスデューサの校正を行います。ただし本器 のプリセット手順を除きます。 [Inst Mode] [ORDER ANALYSIS]を押します。 [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])を押して、アクティブにするチャネル数を強調表示 にします。 [Freq]を押し、次に[TRACK ON OFF]を押してONを強調表示にします。 1 - 14 2 各校正トランスデューサを被測定デバイス(DUT)に固定します。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [MAX ORDER] <数値> [ORDERS]を押して、トラックする最高次数を設定します。 [MIN RPM] <数値> [RPM]を押し、次に[MAX RPM] <数値> [RPM]を押して、測定を行う周波数 レンジを設定します。 [TRACK POINTS] <数値> [ENTER]を押して、トラック中の測定ポイント数を設定します。 [TRACK SETUP]を押し、次に[TRACK x ORDER]ソフトキーによってトラックする次数を指定 します。 [Input] を押します。 各アクティブ・チャネルについて、[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押して、その チャネル番号を強調表示にします。次に[CHANNEL x RANGE] <数値> <単位>を押します。 4 ディスプレイの設定を行います。 [Active Trace]を押し、1つのトランスデューサで測定する場合は[ A ]、2つのトランスデューサ の場合は[A B]、3あるいは4つの場合は[A B C D]を押します。 [Meas Data] [ALL CHANNELS] [MORE CHOICES] [ORDER TRK CHANNEL *]を押し、次にモ ニタするトラックに対応する[TRACK x ORD n.nn]ソフトキーを押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 DUTをオンにして[Start]を押します。 単一のチャネルから複数のトラックを(または複数のチャネルから複数のトラックを)見たいと きは、ステップ4でそれぞれのトレースを個別にアクティブにします。次に、ある特定トレース がアクティブのときに、表示したいチャネルおよびトラックをそのトレースで選択できます。最 後に、[Disp Format] [QUAD]を押せば4トレース全部を同時に表示できます。 入力チャネルのレンジ設定の詳細については、「次数スペクトルの測定」を参照してください。 1 - 15 rpmステップのオーダ・トラック表示 1 「オーダ・トラックの測定」の手順を行います。 2 [Trigger] [ARM SETUP] [RPM STEP ARM]を押します。 3 [START RPM USAGE]を押し、次に立上りを測定する場合は[RPM INCREASING]を、立下がり を測定する場合は[RPM DECREASING]を押します。 4 [Rtn] [RPM STEP SIZE] <数値> [RPM]を押し、本器がトラックに加えるポイント数を設定します。 5 被測定デバイス(DUT)をオンにして[Start]を押します。 [RPM INCREASING]を選択した場合は、タコメータ周波数が[MIN RPM]の値を正の方向に通過 すると最初の測定ポイントがアームされます。[RPM DECREASING]を選択した場合は、タコ メータ周波数が[MAX RPM]の値を負の方向に通過すると最初の測定ポイントがアームされま す。[MIN RPM]と[MAX RPM]は、[Freq]ハードキー下にあります。 注記: [Trigger]ハードキー下で[FREE RUN TRIGGER]を選択した場合のみ、本器は正確な[RPM STEP SIZE]の間隔で測定を行います。 ウォータフォール表示のコントロールと解析の詳細については、第9章「ディスプレイのフォー マット」を参照してください。 1 - 16 タイム・ステップのオーダ・トラック表示 1 「オーダ・トラックの測定」の手順を行います。 2 [Trigger] [ARM SETUP] [TIME STEP ARM]を押します。 3 [START RPM] <数値> [RPM]を押して、最初の測定ポイントがアームされるタコメータ周波数を 設定します。 4 [START RPM USAGE]を押し、次に[START RPM]以上で最初の測定ポイントをアームする場合 は[RPM INCREASING]を、[START RPM]以下でアームする場合は[RPM DECREASING]を、ま たは[Start]ハードキーを押したときにアームする場合は[START RPM OFF]を押します。 5 [Rtn] [TIME STEP SIZE] <数値> [ S ]を押し、本器がトラックに加えるポイント数を設定します。 6 被測定デバイス(DUT)をオンにして[Start]を押します。 注記: [Trigger]ハードキー下で[FREE RUN TRIGGER]を選択した場合だけ、 本器は正確な[TIME STEP SIZE]の間隔で測定を行います。 ウォータフォール表示のコントロールと解析の詳細については、第9章「ディスプレイのフォー マット」を参照してください。 1 - 17 タコメータ信号に対する位相の表示 1 前述の3つのオーダ・トラック手順のうちの1つを行います。 2 タコメータ信号を、TACHおよびEXT TRIGコネクタの両方に接続します。 3 [Trigger] [EXTERNAL TRIGGER]を押します。 4 [TACHOMETER SETUP]を押し、次のステップで使用するために[LEVEL]および[SLOPE POS NEG]の設定を見ます。 5 [Rtn] [TRIGGER SETUP]を押し、次に対応する[TACHMETER SETUP]のソフトキーに合わせて [USER EXT LEVEL]および[SLOPE POS NEG]を設定します。 6 タコメータ信号が±2Vのレンジ内のときは[EXT RANGE +/− 10 2]を押して2を強調表示にし、 レンジ外のときは10を強調表示にします 7 位相表示に使用するトレースをアクティブにし、次に[Trace Coord] [PHASE]を押します。 8 被測定デバイス(DUT)をオンにして[Start]を押します。 この手順の説明に従ってオーダ・トラック測定を設定すると、本器はタコメータ信号に対する 各チャネルの位相データを表示します。ただし、この設定によって位相情報が得られるのは、タ コメータ信号が測定DUTの1回転につき1パルスを送る場合のみです。 フリーラン・トリガを選択した場合、本器はその基準チャネルに対する各チャネルの位相デー タを表示します。2チャネルを使用の場合、チャネル1が両チャネルの基準になります。4チャネ ルを使用の場合、[Inst Mode]ハードキー下にある[REF CHANS 1 1,3]で設定が1のときに、チャ ネル1が全チャネルの基準になります。[REF CHANS 1 1,3]で設定が1,3の場合は、チャネル1が チャネル1と2の、チャネル3がチャネル3と4の基準となります。 1 - 18 rpmプロファイルの表示 1 「次数スペクトルの測定」または「オーダ・トラックの測定」のうち、どちらかの手順を行います。 2 [Active Trace]を押し、次に[ A ]、[ B ]、[ C ]、または[ D ]を押して、トレースのどれかをアク ティブにします。 3 [Meas Data] [MOER CHOICES] [RPM PROFILE]を押します。 rpmプロファイルによって、タコメータ周波数の変化をモニタすることができます。本器が次の 次数スペクトルを測定するか、または次のポイントをオーダ・トラックに加えるたびに、rpmプ ロファイルにもポイントが加わります。次数スペクトル測定の場合、プロファイルのポイント の合計は、[Disp Format] [WATERFALL SETUP]下にある[WATERFALL STEPS]の値に等しくな ります。オーダ・トラック測定する場合は、プロファイルのポイントの合計は、[Freq]下にある [TRACK POINTS]の値に等しくなります。 1 - 19 オービット・ダイヤグラムの表示 90°角で2つの校正済みトランスデューサを装着した場合、本器でオービット・ダイヤグラムを 表示することができます。この測定は、オプション1D0を装備した場合だけ行うことができます。 1 水平のトランスデューサをチャネル1に、垂直のトランスデューサをチャネル2に接続します。 2 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 「タコメータ信号の特性評価」の手順に従って、タコメータのパラメータを設定します。ただし 本器のプリセット手順を除きます。 「トランスデューサの校正」の手順に従い、トランスデューサの校正を行います。ただし本器の プリセット手順を除きます。 [Inst Mode] [ORDER ANALYSIS]を押します。 [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])を押して2を強調表示にします。 [Disp Format] [SINGLE]を押します。 [Meas Data] [ORBIT 2/1]を押します。 1 - 20 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [MAX ORDER] <数値> [ORDERS]を押して、測定したい最大次数の数を設定します。 [MIN RPM] <数値> [RPM]を押し、次に[MAX RPM] <数値> [RPM]を押して、測定を行う周波数 レンジを設定します。 [DELTA ORDER] 1 [ORDERS]を押します。 [Input]を押します。 両チャネルについて、[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押してチャネル番号を強調 表示にし、次に[CHANNEL x RANGE] <数値> <単位>を押します。 4 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 被測定デバイス(DUT)をオンにして[Start]を押します。 4チャネルを使用の場合、4つのトランスデューサを使用して2つの独立したオービット・ダイヤ グラムを表示することができます。これにより、DUT上の2ポイントが同時に測定できます。1 ポイントの測定にはチャネル1と2を、2つ目のポイントについてはチャネル3と4を使用します(水 平位置のトランスデューサをチャネル1と3に接続)。この場合、ステップ2の最後の方のいくつか の手順を次のように変更します。 [CHANNELS 1 2 4]を押して、(2はでなく)4を強調表示にし、次に[REF CHANS 1 1,3]を押して 1,3を強調表示にします。 [Disp Format] [UPPER/LOWER]を押します。 トレースAおよびBをアクティブにし、次に[Meas Data] [ALL CHANNELS] [ORBITS */*]を押し ます。 トレースBをアクティブにし、[CHANNEL 1 2 3 4]を押して3を強調表示にします。 1 - 21 2 構造物の測定 2-1 構造物の測定 構造物にはすべて、共振周波数(固有振動数)があります。周波数応答機能として知られるモード 試験では、励振入力と応答出力を同時に測定します(図2-1参照)。 この測定方法は、被測定システムは線形で、かつ安定しているという前提に基づいています。 図2-1 システムのブロック図 この章では、本器の構造物測定機能への導入を行います。参考資料として、Agilent 35288の『DSA Concept Documentation』 、またはアジレント・テクノロジー・アプリケーション・ノート AN243-3 『The Fundamentals of Modal Testing』(最寄りの当社営業所でお求めください)を参照してください。 2-2 試験のセットアップ 周波数応答測定での基本的な試験のセットアップは、試験する構造物の種類と必要な試験結果 のレベルによって異なります。支持固定装置や励振方法など他の要素も、試験を実施するのに 必要なハードウェア構成に影響します。単純な構造物の測定では、励振機構として、計器ハン マなど基本的なものと最低限のハードウェアが必要です。より複雑な構造物には、ダイナミッ ク・シェーカなどの励振機構が必要な場合があります。 周波数応答測定で行う構造物のセットアップの第1段階は、固定機構について考慮することで す。これは構造物の特性に全体的な影響を及ぼすので、最も大切なステップとなります。しか し固定機構の選択に関しては、本書の範囲では取り扱いません。試験固定装置に関しては、次 の参考資料があります。 • 『Vibration and Shock Test Fixture Design』 Wayne Tustin および Robert Mercado著 (Tustin Technological Institute, 1984) • 『How To Design Stingers for Vibration Testing of Structures』L.D.Mitchell および K.B.Elliott著 (Sound and Vibration, April 1984) • 『Modal Testing: Theory and Practice』Dave J.Ewins著 (Wiley Interscience, 1984) 測定プロセスの次のステップとしては、励振機構に沿った励振関数の選択があります。励振関 数を選択すると励振機構が決まります。選択を決定する要素としては、次があげられます。 • 使用する信号処理装置 • 構造物の特性 • 一般的な測定条件 • 励振の機構 シェーカ・テストおよびインパクト・テストが最も一般的な励振機構です。 構造物に運動を励起する励振機構のセットアップを行ったら、その力と運動を感知するトラン スデューサを選択します。これには、圧電トランスデューサが広く使用されています。これは 電気機械的センサで、振動を与えられると電気的出力を発生します。 2-3 測定結果の解析 質の高い測定を行うには、データ収集の前に測定を何度か試行します。 構造物をセットアップしたら、必ず時間ドメイン信号を見てください。入力レンジ設定は、最 大信号レベルの2倍を超えることはできません。これを、ハーフレンジといいます(図2-2参照)。 図2-2 入力ハーフ・レンジ 応答入力レベルが本器に対して低すぎると、周波数応答でピーク間にノイズが現れ、この結果 コヒーレンス関数が不正確になります。この状態をアンダレンジといいます(図2-3参照)。 図2-3 入力アンダ・レンジ 2-4 応答入力レンジが過大な入力状態になると、入力は切り取られます。この結果、実際の応答が 測定されないので、周波数応答およびコヒーレンスが不正確になります(図2-4参照)。 図2-4 入力オーバレンジ また、信号が期待したものであるか確認してください。不規則信号の場合は、ヒストグラムを 測定してガウス分布を確認します(図2-5参照)。さらに、視覚的に過渡信号を調べることもでき ます(図2-6参照)。 図2-5 不規則信号の確認 図2-6 過渡信号の確認 2-5 確度の改善 測定の確度を改善するテクニックとしては、アベレージングとウィンドウがあります。 アベレージング 不規則励振機能を使った測定で統計的な分散を抑えるために、測定のアベレージングができま す。また、アベレージングは、非線形性の作用を減少させます。 RMSアベレージングは「パワー」アベレージングともいい、すべての値を2乗してこれを加え、 測定の数で割ってから(平均)、その平方根を求めて算出します。RMSアベレージングは平均パ ワーレベルを求めるのに適した手法ですが、S/N比は向上しません。RMSアベレージングは、信 号と雑音パワーの全体をより正確に評価するために行います。 リニア・アベレージングを行うと測定のS/N比は向上しますが、これはスペクトルの周期的部分 と同期するトリガ信号が得られる場合しか使用できません(各タイム・レコードで、入力の周期 部分は全く同じで、雑音は変化します)。リニア・アベレージングは、一連の同期トリガ測定値 の合計をレコード数で割って算出します。雑音は各タイム・レコードで異なるので、0へと平均 化されます。 2-6 ウィンドウ タイム・レコード内で信号が周期的でない場合、ウィンドウ機能によってリーケージを減少さ せることができます(リーケージは隣接の周波数ラインへエネルギーの分散や漏れを起こす作用 で、スペクトルの歪みの原因となります)。リーケージによってスペクトル振幅が実際より小さ く、減衰係数は実際より大きくなります。 ウィンドウ機能により、信号をタイム・レコードの開始点と終了点で人為的に0にします。これ によって信号は周期的となります。ウィンドウ機能を使用した場合、リーケージは完全には除 去されず、データのある部分を消してしまうこともあるので正確な測定結果は得られません。 バースト・ランダムや周期チャープなどの、タイム・レコード内の周期的信号が使用できれば、 これがもう1つの方法となります。これらの信号を利用すれば、リーケージの問題を解消するこ とができます。 2-7 衝撃試験 固有振動数を調べるのに、構造物に対してインパルス応答測定を行いますが、本器を使って構 造物の周波数応答を測定することができます。計器ハンマで構造物に衝撃を与え、加速度計に よってその応答を調べます。 インパクト・ハンマにはロード・セルがあり、これが衝撃の際の力(フォース)のレベルを測定し ます。モード試験では、構造物上のさまざまな点で衝撃測定を行います。得られた周波数成分 は、後の解析のためにモード・ソフトウェア・パッケージによって蓄積されます。 衝撃試験は測定時間が短く、必要なハードウェアが少なくて済むので便利です。しかし、実際 に試験を実施するのが難しく、一貫性のある測定結果が得にくいという欠点があります。ハン マの速度をコントロールすることは困難なので、ふつうハンマの質量を変えることによって、 フォース・レベルのコントロールを行ないます。さらに、もう一つの短所として、衝撃試験の フォース・スペクトルはズーム測定時(開始周波数>0Hz)に低周波数で帯域制限できず、低帯域 外モードが励振されるという問題があります。 ハンマ先端の選択 構造物に加えられるエネルギーの周波数成 分は、両接触面の硬度とハンマの質量の関 数となります。試験対象物の硬さを変える ことはできないので、周波数成分はハンマ 先端の硬さを変えることによってコント ロールします。 2-8 先端が固いほどパルス持続時間は短くな り、高周波成分が多くなります。 フォース・スペクトルの振幅が最大周波数 において10~20dB以下になるような先端を 選びます。 雑音とリーケージの補正 長 時 間 レ コ ー ド の 結 果 と し て、雑 音 は フォースおよび応答信号のどちらにも存在 する可能性があります。短時間レコードの 場合は、リーケージは応答信号に存在する 可能性があります。 ノイズは、タイム・レコードの残りの部分 に存在することがあります。構造物の制動 が弱い場合、応答はタイム・レコードの終 了後も続きます。この結果、リーケージと なります。 雑音は、フォース信号の後に現れることが あります。フォース・ウィンドウは、パル ス自体に影響せずに、すべての雑音を除去 します。 指数ウィンドウによってリーケージを最小 限に抑え、タイム・レコード中の残留ノイズ を除去することができます。指数ウィンドウ は、1/eの率で振幅が減衰するのに要する時 間である時定数を使用します。時定数はタ イム・レコード長Tの約1/4に設定します。 応答信号は指数的に減衰する関数です。構 造物の制動が強いと、応答はタイム・レコー ドの終了前に減衰してしまいます。 2-9 駆動点測定 駆動点測定では、インパクト・ハンマで被測定デバイスを打つポイントに応答加速度計を置き ます。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Active Trace] [A B]を押します。 [Meas Data] [FREQ RESP 2/1]を押します。 2 被測定デバイス(DUT)を下の図のように接続します。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 [Input]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4 ]を押して1を強調表示にします。 [CHANNEL 1 RANGE] <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4 ]を押して2を強調表示にします。 [CHANNEL 2 RANGE] <数値> <単位>を押します。 [Window] [FORCE EXPO]を押します。 [FORC EXPO SETUP]を押します。 [CHANNEL 1 FORC EXPO]を押してFORCを強調表示にします。 [FORCE WIDTH] <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 2 FORC EXPO]を押してEXPOを強調表示にします。 [EXPO DECAY] <数値> <単位>を押します。 2 - 10 4 トリガおよびアベレージングのパラメータを設定します。 [Trigger] [[CHANNEL 1 2 3 4]を押して1を強調表示にします。 [TRIGGER SETUP] [CHANNEL LEVEL] <数値> [PERCENT %]を押します。 または <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 1 DELAY] [ +/− ] <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して2を強調表示にします。 [CHANNEL 2 DELAY] [ +/− ] <数値> <単位>を押します。 [Avg]を押し、次に[AVARAGE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 ディスプレイの設定を行います。 [Trace Coord] [X-AXIS LIN LOG]を押してLINを強調表示にします。 [Active Trace] [ B ]を押します。 [Trace Coord] [PHASE]を押します。 [Active Trace] [A B]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6 DUTの測定を行います。 [Start]を押します。 インパクト・ハンマで、DUTの加速度計またはその付近をゆっくりと10回打ちます。 ハンマ打ちが連続して過負荷になるときは、過負荷の発生が止むまで、ステップ3に従って入力 レンジを大きくしてください。 ステップ4でトリガ・ディレイを設定すると、ハンマ打ちの立上がりエッジを確認することがで きます。 2 - 11 駆動点測定のアンラップト位相 1 駆動点測定を行います。 2 [Active Trace] [ B ]を押します。 [Trace Coord] [UNWRAPPED PHASE]を押します。 3 [Scale] [AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 2 - 12 駆動点測定の実数および虚数成分の表示 1 駆動点測定を行います。 2 [Active Trace] [ A ]を押します。 [Trace Coord] [MORE CHOICES] [REAL PART]を押します。 3 [Active Trace] [ B ]を押します。 [IMAGINARY PART]を押します。 4 [Active Trace] [A B]を押します。 [Scale] [AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 虚数成分がすべて同じ方向を指すことが駆動点測定の特徴です。虚数成分が同じ方向を指して いない場合は、通常加速度計とハンマのインパクト・ポイントが離れていることになります。ま た、相対周波数は同じでも、各共振における相対振幅は違ってきます。 2 - 13 タイム・レコードのプレビュー 本器のプレビュー機能により、各タイム・レコードを調べてそのデータをアベレージング測定 に使用するかどうかを決めることができます。この手順では、手動のプレビューで駆動点測定 を行います。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Meas Data] [FREQ RESP 2/1]を押します。 [Active Trace] [ B ]を押します。 [Meas Data]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して1を強調表示にします。 [TIME CHANNEL 1]を押します。 2 被測定デバイス(DUT)を、下の図のように接続します。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 [Input]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して1を強調表示にします。 [CH1 FIXED RANGE] <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して2を強調表示にします。 [CH2 FIXED RANGE] <数値> <単位>を押します。 [Window] [FORCE EXPO]を押します。 [FORC EXPO SETUP]を押します。 [CHANNEL 1 FORC EXPO]を押してFORCを強調表示にします。 [FORCE WIDTH] <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 2 FORC EXPO]を押してEXPOを強調表示にします。 [EXPO DECAY] <数値> <単位>を押します。 2 - 14 4 トリガおよびアベレージングのパラメータを設定します。 [Trigger][CHANNEL 1 2 3 4]を押して1を強調表示にします。 [TRIGGER SETUP] [CHANNEL LEVEL] <数値> [PERCENT %]を押します。 または <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 1 DELAY] [ +/− ] <数値> <単位>を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して2を強調表示にします。 [CHANNEL 2 DELAY] [ +/− ] <数値> <単位>を押します。 [Avg]を押し、次に[AVERAGE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [AVERAGE PREVIEW] [MANUAL PREVIEW]を押します。 5 ディスプレイの設定を行います。 [Disp Format] [UPPER LOWER]を押します。 [Active Trace] [ A ]を押します。 [Trace Coord] [DB MAGNITUDE]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [Avg] [AVERAGE PREVIEW]を押します。 6 DUTの測定を行います。 [Start]を押します。 ハンマで打ちます。 "WAITING FOR ACCEPT/REJECT"のメッセージが表示されたら、 [ACCEPT TIME REC]を押すか、 または [REJECT TIME REC]を押します。 2 - 15 ハンマ打ちが連続して過負荷になるときは、過負荷の発生が止むまで、ステップ3に従って入力 レンジを大きくしてください。ステップ4でトリガ・ディレイを設定すれば、ハンマ打ちの立上 りエッジを見ることができます。 トリガがかかると、トレースAにチャネル1のタイム・レコードが、トレースBにチャネル2のタ イム・レコードが表示されます。データを受け取ると、トレースAに周波数応答が、トレースB にタイム・チャネル1が表示されます。 2 - 16 ハンマが跳ねる場合 衝撃を与えたときにハンマが跳ねると、測定が不良になります。収集のプロセスでその測定 値がモード・データにアベレージされると、モード測定全体が不正確なものになります。 次のトレースは、1回のハンマ打ちが成功したことを示しています。 次のトレースでは、ハンマが跳ねた場合などの複数回のハンマ打ちを示しています。 本器のプレビュー機能によって、手動または自動で、各測定からの応答データをアベレージ ングに加える前に見ることができます。手動、または時間を合わせたプレビューモードの詳 細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 2 - 17 3 音の測定 この章では、マイクロフォンの接続と校正について説明します。また、一般的な音響測定につい ての説明も行います。これらの測定は、本器のオクターブ解析モードを使用して行います。この モードは、オプション1D1を装備した場合だけ使用することができます。 3-1 マイクロフォン・アダプタの接続(オプションUK4) 1 本器のベイル・ハンドルを下げて、パネルの前面を支えます。 2 マイクロフォン・アダプタのつまみねじを本器底面の穴に差し込み、指でしめます。 3 マイクロフォン・アダプタのマイク・ケーブルを本器のフロント・パネルにあるマイク・コネ クタに接続します。 4 アダプタのBNCをフロント・パネルの対応するBNCに接続します。 マイクロフォン・アダプタおよび電源(オプションUK4)を使用すれば、マイクロフォン接続が単 純になります。フロント・パネルのマイクロフォン・コネクタは、アダプタに8Vdcの電力を供 給します。アダプタ内部の電源は、電圧逓増用コンバータで、28Vおよび200Vの電力を7ピン入 力コネクタに供給します。28Vピンはマイクロフォン・プリアンプに電力を供給し、200Vピン はコンデンサ・マイクロフォン・カートリッジを分極します。 3-2 マイクロフォンの接続 1 [Input] [ALL CHANNELS] [FRONT END CH* SETUP]を押し、次に[COUPLING AC DC]を押して ACを強調表示にします。 2 コンデンサ・マイクロフォンを使用する場合は、マイクロフォン電源の7ピン入力コネクタの横 にある200V分極電圧スイッチをONにします。 または エレクトレット(分極済みコンデンサ)マイクロフォンを使用する場合は、同スイッチをOFFにし ます。 3 下図のように、マイクロフォンの出力ケーブルを7ピン入力コネクタに接続します。 注意 他のコンデンサ・マイクロフォンと違い、エレクトレット・マイクロフォンは外部分極電圧を 必要としません。マイクロフォン感度の一時的な変化(または損傷の危険性)を避けるために、必 ず200V分極スイッチをOFFにしてから、エレクトレット・マイクロフォンを対応する7ピン入力 コネクタに接続してください。 マイクロフォン・プリアンプからの出力信号には、ふつうかなりのDCオフセットがあります。 対応する入力チャネルがDC結合の場合は、チャネル感度を上げるとこのオフセットによって過 負荷が起こる場合があります。DC過負荷は、AC結合を設定すれば防ぐことができます。 3-3 マイクロフォンの校正 音響信号を正確に測定するには、マイクロフォン出力で所定の音圧レベルに対し、どれだけの 電圧が発生するかを示す校正係数の入力が必要です。本器では、この係数を[Input]ハードキー 下のトランスデューサ(Xdcr)ユニット・ソフトキーを使って入力します。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [OCTAVE ANALYSIS]を押します。 [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])を押してアクティブにしたいチャネル数を強調表 示にします。 [Meas Deta]を押し、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押して校正するマイクロ フォンのチャネルを強調表示にします。 [PWR SPEC CHANNEL x]を押し、アクティブなトレースでマイクロフォン出力を表示します。 2 アクティブなトレースの表示単位をキャリブレータの出力単位に一致させます。 [Input]を押し、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押して校正するマイクロフォ ンのチャネルを強調表示します。 [XDCR UNIT CHx SETUP] [XDCR UNIT LABEL] [Pascal]を押します。 [Rtn]を押し、次に[XDCR UNIT ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [Trace Coord] [Y UNITS] [EU]を押します。 [AMPLETUDE PK PP RMS]を押してRMSを強調表示にします。 [dB REF SETUP] [dBSPL (20 uPa)]を押します。 3 前述の手順の説明に従って、マイクロフォンとマイクロフォン・アダプタを接続し、次にマイ クロフォンをキャリブレータに差し込みます。 3-4 4 測定およびアベレージングのパラメータを設定します。 [Input] [FRONT END CHx SETUP]を押し、次に[A WT FLTR ON OFF]を押してOFFを強調表示 にします。 [Avg] [LINEAR] [AVERAGE TIME] <数値> [ S ]を押します(<数値>は2以上)。 5 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6 キャリブレータをオンして[Start]を押します。 7 測定ステータス・ラインに"REAL-TIME MEASUREMENT"の表示が出たら、マーカをキャリブ レータの出力周波数に移動し、キャリブレータの出力振幅をdBSPLで入力します。 [Marker] [MARKER TO PEAK]を押します。 [Input] [XDCR UNIT CHx SETUP] [CAL VALUE AT MKR]を押し、次に指定のキャリブレータ出 力振幅をdBSPLrmsで入力して[ENTER]を押します。 本器は[CAL VALUE AT MARKER]で入力した数値をもとに、新たな値を[XDCR SENSITVTY]に 算出します。この新しい値が、マイクロフォン測定の確度を確実なものにする校正係数です。こ の値と[XDCR UNIT LABEL]の値は自動的に不揮発性メモリに記憶されるので、これらはプリ セットや電源を切ることによって失われることはありません。ただし、これらの値は[XDCR UNIT ON OFF]がONの場合しか使われません。 3-5 音圧レベルの測定 本器では、3つのフィルタ・バンクの1つを使用して、音圧レベル(SPL)を測定することができま す。これらの3つのバンクのフィルタ・スペーシングと帯域は、1オクターブ、1/3オクターブ、 および1/12オクターブです。ただし、必ず前述の手順に従って、使用するマイクロフォンをすべ て校正してからSPLの測定を行ってください。 1 本器を初期化します。 前述の「マイクロフォンの校正」の手順を行います。 [Active Trace]を押し、次に1つのマイクロフォンで測定する場合は[ A ]、2つで測定する場合は [A B]、3つまたは4つの場合は[A B C D]を押します。 [Meas Data] [ALL CHANNELS] [PWR SPEC CHANNEL *]を押し、マイクロフォン出力を各ト レースに割り当てます。 2 各校正マイクロフォンを音響エネルギーソースの前に設置します。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq]を押し、次に[1/1 COTAVE]、[1/3 COTAVE]、または[1/12 COTAVE]を押してフィルタ・ス ペーシングおよび帯域を設定します。 [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押して測定する周波数のレンジを 設定します。 [Input] [ALL CHANNELS] [CH* AUTO UP ONLY]を押します。 AウェイトのSPLを表示する場合は、[FRONT END CH* SETUP]を押し、次に[A WT FLTR ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3-6 4 アベレージング・パラメータを設定します。 [Avg]を押します。 多数の騒音計のLEQ 関数を複写する場合は、[LINEAR]を押し、次に[AVERAGE TIME] <数値> [ENTER]を押して積分時間を指定します。 「高速」の関数を複写する場合は、[EXPONENTL]を押し、次に[AVERAGE TIME] 125 [mS]を押 します。 「低速」の関数を複写する場合は、[EXPONENTL]を押し、次に[AVERAGE TIME] 1 [ S ]を押し ます。 5 ディスプレイの設定を行います。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してOFFを強調表示にし、もう1度押してONを 強調表示にします。 6 DUTの測定を行います。 [Start]を押します。 本器のAウェイト・フィルタは、ANSI規格のS1.4-1983、およびIEC 651-1979のタイプ0許容範囲 に準拠しています。画面右上の"AW"のインディケータは、Aウェイト・フィルタがイネーブル になっているチャネルを示しています。 [Start]を押す前に、[AVRAGE TIME]の値を大きくすることによって、測定の振幅確度を向上さ せることができます。[AVRAGE TIME]は、他のアベレージング・パラメータとともに[Avg]ハー ドキーのもとにグループ分けされています。アベレージングの詳細については、オンライン・ ヘルプを参照してください。 3-7 総合音圧レベルの測定 1 前述の「音圧レベルの測定」を行います。 2 Aウェイト・フィルタがオンになっている場合、[Input] [ALL CHANNELS] [FRONT END CH* SETUP]を押し、次に[A WT FLTR ON OFF]を押してOFFを強調表示にします。 3 [Disp Format] [MORE] [OCTAVE BND SETUP]を押し、次に[OVERALL ON OFF]を押してONを 強調表示にします。 4 ノブを回してマーカを全帯域に置きます。 5 マーカ表示値のY軸値を記録します。 [OVERALL ON OFF]を使うと、本器の全帯域がイネーブルまたはディスエーブルになります。 この帯域は、次のすべてを満足する場合、帯域制限全SPL(現在の周波数スパン内でのSPL)を表 示します。 • リニア、指数、または等信頼アベレージングを選択([Avg]ハードキー下で) • インパルス・ディテクタがオフ([Avg]ハードキー下で) • 対応するチャネルのAウェイト・フィルタがオフ([Input] [FRONT END CHx SETUP]ソフト キー下で) また、Aウェイトで帯域制限の全SPLを表示する、特定帯域をイネーブルにすることができます。 [Disp Format] [MORE] [OCTAVE BND SETUP]を押し、次に[WEIGHTED ON OFF]を押してON を強調表示にします。これら2つのSPL帯域の詳細については、オンライン・ヘルプを参照して ください。 3-8 総合インパルス特性の測定 1 前述の「音圧レベルの測定」を行います。 2 [Avg]を押し、次に[IMPULSE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 [Disp Format] [MORE] [OCTAVE BND SETUP]を押し、次に[OVERALL ON OFF]を押してONを 強調表示にします。 4 ノブを回して、マーカを全帯域に置きます。 5 マーカ表示値のY軸の値を記録します。 本器のインパルス・ディテクタをオンにすると、全帯域は指数時間ウェイトを適用した広帯域 全SPL( 音圧レベル) を表示します。表示の値は、インパルス特性IEC 651 規格に準拠します。 [IMPULSE ON OFF]についてのオンライン・ヘルプに、数種類のアナライザ・セットアップに 対する広帯域を定義した表があります。 3-9 4 スペクトル/ネットワーク測定 この章では、数種類の一般的なスペクトル/ネットワーク測定について説明します。これらの測定 のほとんどはアナライザのFFT解析モードによって行いますが、スエプト・サイン・モードで測 定する周波数応答もあります。このモードは、オプション1D2を装備した場合だけ使用すること ができます。 4-1 広帯域スペクトルの測定 信号成分をさらに詳しく調べるために、本器のレンジ全域の周波数で測定を行う場合もありま す。本器が2チャネル用の場合には、1チャネルがアクティブの場合0~102.4kHz、2チャネルが アクティブの場合は0~51.2kHzの全周波数の測定が可能です。また4チャネル用の場合には、1 チャネルまたは2チャネルがアクティブの場合0~51.2kHz、4チャネルがアクティブの場合0~ 25.6kHzの全周波数の測定が可能です。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [FFT ANALYSIS]を押します。 [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])を押して、アクティブにするチャネル数を強調表示 にします。 [Active Trace]を押し、次に1つの信号を測定する場合は[ A ]、2つの信号の場合は[A B]、3つあ るいは4つの場合は[A B C D]を押します。 [Meas Data] [ALL CHANNELS] [PWR SPEC CHANNEL *]を押します。 2 試験信号を入力コネクタに接続します(下の図を参照)。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [FULL SPAN]を押します。 [Window] [FLAT TOP]を押します。 信号が大きなDC成分を含む場合は、[Input] [ALL CHANNELS] [FRONT END CH* SETUP]を押 し、次に[COUPLING AC DC]を押してACを強調表示にします。 4-2 4 ノイズ・フロアが原因で試験信号の低レベル成分が不鮮明と思われるときは、アベレージング をオンにします。 [Avg] [AVERAGE TYPE] [RMS] [Rtn]を押します。 [NUMBER AVERAGES] <数値> [ENTER]を押します。 [AVERAGE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 ディスプレイの設定を行います。 [Trace Coord]を押し、次にY軸値をVで表示したいときは[LOG MAGNITUDE]、dBVで表示した いときは[dB MAGNITUDE]を押します。 [Scale] [Y PER DIV (DECADES)]を押し、上矢印または下矢印のハードキーでY軸方向にトレー スを拡大または縮小します。 6 信号を測定します。 [Start]を押します。 多くの場合、チャネルごとにパラメータを変更するためのメニューには、ペアのチャネル選択 ソフトキーがあります。このソフトキーを使用すれば、あるチャネルまたは全チャネルに対し て、直接一括で変更を行うことができます。本器が2チャネル用の場合には、この選択ソフト キーは[CHANNEL 1 2]および[ALL CHANNELS]です。4チャネル用を使用の場合には、この選択 ソ フト キー は[CHANNEL 1 2 3 4] およ び[ALL CHANNELS] です。[CHANNEL 1 2]( ま たは [CHANNEL 1 2 3 4])を押すと、強調表示のチャネルに対して引続き直接の変更を行います(この ソフトキーを押すたびに変更可能なチャネルが切り換わります)。[ALL CHANELLS]を押すと、 アクティブな全チャネルに対して引続き変更を行います。 4-3 狭帯域スペクトルの測定 1 前述の「広帯域スペクトルの測定」の手順を行います。 2 詳しく解析する信号成分があるトレースをアクティブにします。 3 [Marker]を押し、次に[MARKER ON OFF]を押してONを強調表示にします。 4 ノブを回してマーカをその成分に置きます。 5 [Freq] [CENTER]を押し、次にテンキーにある[Mkr Value]ハードキーを押します。 6 [SPAN]を押し、次に下矢印ハードキーを押して周波数スパンを狭めます。 7 アベレージングがイネーブルであれば、[Start]を押して測定を開始します。 [Mkr Value]ハードキーを使用すれば、現在のマーカ表示値を即時に数値入力用ソフトキーに入 力できます。そのソフトキーの必要条件に従って、X軸の値またはY軸の値が入力されます。必 ず、マーカ基準に対する相対的位置ではなく、マーカの実際位置を表示値が示すように、Marker メニューにある[MARKER ABS REL]をABSに設定してください。 4-4 周波数と振幅の測定 1 前述の「広帯域スペクトルの測定」または「狭帯域スペクトルの測定」の手順を行います。 2 測定する信号成分を含むトレースをアクティブにします。 3 マーカがオンになっていない場合は、[Marker]を押し、次に[MARKER ON OFF]を押してONを 強調表示にします。 4 ノブを回してマーカをその成分に置きます。 5 マーカの表示値から周波数と振幅を読みます。 [Freq]ハードキー下の[SPAN]と[RESOLUTN (LINES)]のソフトキーを使って、マーカ表示値の周 波数分解能をコントロールします。スパンを減少させるか、またはスパンの分割ライン数を増 やすと分解能が上がります。 4-5 ノイズ・パワーの測定(PSD) 1 前述の「広帯域スペクトルの測定」または「狭帯域スペクトルの測定」の手順を行います。 2 測定するトレースをアクティブにします。 3 マーカがオンになっていない場合は、[Marker]を押し、次に[MARKER ON OFF]を押してONを 強調表示にします。 4 ノブを回してマーカをノイズ・フロアに置きます。 5 [Trace Coord] [Y UNITS] [V^2/Hz (PSD)]を押します。 6 マーカの表示値からパワースペクトル密度(PSD)を読みます。 Y UnitsメニューからPSD単位を選択すると、マーカ表示値を含む振幅の値は1Hz帯域幅に正規化 されます。以下は、正確な測定のためのガイドラインです。 4-6 • 不規則なノイズを測定します。 • 測定の数が多い(100以上)場合は、rmsアベレージングによる平均化が必要です。 • 不連続成分にマーカを置かないようにします。 高調波歪みの測定 1 前述の「広帯域スペクトルの測定」の手順を行います。 2 測定を行うトレースをアクティブにします。 3 [Marker] [MARKER TO PEAK]を押し、マーカを基本周波数に置きます。 4 [Marker Fctn] [HARMONIC MARKER] [FUNDAMNTL FREQUENCY)]を押し、次にテンキーに ある[Mkr Value]ハードキーを押します。 5 高調波マーカが高調波と正しく並ばないときは、ノブ、矢印キー、または直接数値を入力する ことにより[FUNDAMENTAL FREQUENCY]の値を調整します。 6 [THD]を押します。 [THD]を押すと、測定中のトレースの左下部分に全高調波歪み(THD)の値が表示されます。THD 算出の高調波数は現在の周波数スパンに含まれる高調波に自動的に限定されます。また[NUMBER OF HARMONICS]の値を変えることにより、高調波の数をさらに制限することもできます。 4-7 側波帯パワーの測定 1 前述の「広帯域スペクトルの測定」または「狭帯域スペクトルの測定」の手順を行います。 2 測定を行うトレースをアクティブにします。 3 [Marker] [MARKER TO PEAK]を押すかノブを回して、マーカを搬送周波数に置きます。 4 [Marker Fctn] [SIDEBAND MARKER] [CARRIER FREQ]を押し、 次にテンキーにある[Mkr Value] ハードキーを押します。 5 [Marker] [REFERENCE SETUP] [REFERENCE TO MARKER]を押し、次にノブを回してメイ ン・マーカを搬送波の右または左の最初の側波帯に置きます。 6 [Marker Fctn] [SIDEBAND MARKER] [SIDEBAND INCREMENT] [Mkr Value]を押します。 7 側波帯マーカが側波帯と正しく並んでいない場合は、[SIDEBAND INCREMENT]の値を調整し てマーカ位置を修正します。 8 [SIDEBAND POWER]を押します。 [SIDEBAND POWER]を押すと、測定中のトレースの左下部分にマークの付いた側波帯のrms合 計値が表示されます。[NUMBER OF SIDEBANDS]の値を変えることによって、合計に含める側 波帯の数を制限することができます。 4-8 スペクトル・マップの表示 1 前述の「広帯域スペクトルの測定」または「狭帯域スペクトルの測定」の手順を行います。 2 スペクトル・マップで表示するトレースをアクティブにします。 3 [Disp Format] [WATERFALL SETUP]を押し、次に[WATERFALL ON OFF]を押してONを強調表 示にします。 4 アベレージングをイネーブルにする場合は、[Avg]を押し、[FAST AVG ON OFF]と[REPEAT ON OFF]をそれぞれONにセットし、[UPDATE RATE]を[NUMBER AVERAGES]に等しい値に設定し ます。 5 [Start]を押して測定を開始します。 RMS、タイム、またはピーク・ホールド・アベレージングを選択した場合、ふつう設定した数 の測定をアベレージングすると測定が停止します。ここで[REPEAT ON OFF]をONにしておく と、1回アベレージングが終わるとすぐに次のアベレージングを開始します。またステップ4で 行ったように[FAST AVG ON OFF]および[UPDATE RATE]を設定しておくと、マップの各トレー スは当該測定終了後の平均を表します。 ウォータフォール機能を使用した場合の詳細については、オンライン・ヘルプまたは第9章「ディ スプレイのフォーマット」を参照してください。 4-9 周波数応答の測定-FFT FFT解析では、スエプト・サイン解析よりも速く周波数応答が測定できます。しかしダイナミッ ク・レンジが80dBを超えるときは、 「周波数応答の測定 - スエプト・サイン」で示すように、ス エプト・サイン解析を使用してください。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [FFT ANALYSIS]を押します。 本器が2チャネル用の場合は、[CHANNELS 1 2]を押して2を強調表示にします。 本器が4チャネル用の場合は、[CHANNELS 1 2 4])を押して2または4を強調表示にし、次に[REF CHANS 1 1,3]を押して1を強調表示にします。 [Meas Data] [FREQ RESP 2/1]を押し、次に4チャネルで測定の場合は、[CHANNEL 1 2 3 4]を 押して見たい応答チャネルを強調表示にします。 2 被測定デバイス(DUT)をソースおよび入力コネクタに接続します(下の図を参照)。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 [Source] [PERIODIC CHIRP] [LEVEL] <数値> <単位>を押します。 [SOURCE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [Window] [UNIFORM]を押します。 [Input] [ALL CHANNELS] [CH* AUTO UP ONLY]を押します。 4 - 10 4 トリガ・パラメータを設定します。 [Trigger] [SOURCE TRIGGER]を押します。 5 ディスプレイの設定を行います。 [Disp Format] [MORE] [BODE DIAGRAM]を押します。 表示の全トレースをアクティブにします。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 リニアX軸で測定データを表示したいときは、[Trace Coord]を押し、次に[X-AXIS LIN LOG]を 押してLINを強調表示にします。 6 DUTを測定します。 [Start]を押します。 本器が4チャネル用の場合は、1つまたは2つの基準チャネルを使用して周波数応答の測定ができ ます。[REF CHANS 1 1,3]を1に設定すると、チャネル1がチャネル2、3、および4のリファレン スとして使用されます。これを1,3に設定すると、チャネル1がチャネル2の、チャネル3がチャネ ル4のリファレンスとして使用されます。 周期チャープはセルフ・ウィンドウ信号で、現在のスパン内のどの周波数でも同量のエネルギー を供給します。この信号は1つの測定から次の測定に移行しても同じなので、アベレージングな しでも良い測定結果が得られます。コヒーレンス・データによって測定の質を評価する場合だ け、この信号タイプでのアベレージングが必要です([Meas Data]ハードキー下で選択)。 4 - 11 周波数応答の測定-スエプト・サイン 広いダイナミック・レンジのデバイスか、または複数デケードの周波数レンジをカバーするデ バイスを測定する場合、スエプト・サイン解析を使用するとFFT解析よりもよい周波数応答結果 が得られます。スエプト・サイン解析は、本器にオプション1D2を装備している場合だけ使用す ることができます。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [SWEPT SINE]を押します。 本器が4チャネル用の場合は、[CHANNELS 1 2 4])を押して2または4を強調表示にし、次に[REF CHANS 1 1,3]を押して1を強調表示にします。 [Meas Data] [FREQ RESP 2/1]を押し、4チャネルで測定する場合は、[CHANNEL 1 2 3 4]を押 して見たい応答チャネルを強調表示にします。 2 被測定デバイス(DUT)をソースおよび入力コネクタに接続します(下の図を参照)。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 [RESOLUTN SETUP] [RESOLUTN] <数値> <単位>を押し、測定ポイント数を設定します。 [SWEEP LIN LOG]を押して、測定ポイントをリニア・スペーシングにするときはLINを、ログ・ スペーシングにするときはLOGを強調表示にします。 [Input] [ALL CHANNELS] [CH* AUTO RANGE]を押します。 [Source] [LEVEL] <数値> <単位>を押します。 4 - 12 4 ディスプレイの設定を行います。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 アベレージング・パラメータを設定します。 [Avg] [INTEGRATE TIME] <数値> [CYCLES]を押します。 6 DUTを測定します。 [Start]を押します。 測定中に掃引の方向を変えるときは、[Freq] [SWEEP UP DOWN]を押します。 スエプト・サイン解析では、設定周波数スパン内での測定ポイントが、リニア・スペーシング かログ・スペーシングかを選択することができます。スパンがいくつかのデケードをカバーす る場合には、ログ・スペーシングをお勧めします。また、オートリゾリューション機能をイネー ブルにすることにより、リニア掃引またはログ掃引に要する時間が短縮できます。この機能を 利用するには、[Freq] [RESOLUTN SETUP]を押し、次に[AUTO RES ON OFF]を押してONを強 調表示にします。 [AUTO RES ON OFF]の詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。[REF CHANS 1 1.3]の詳細については、オンライン・ヘルプまたは前項の説明を参照してください。 4 - 13 位相歪みの測定 1 FFTあるいはスエプト・サインによって「周波数応答の測定」の手順を行います。 2 位相歪み測定に使用するトレースをアクティブにします。 3 [Trace Coord] [MORE CHOICES] [GROUP DELAY]を押します。 4 [DELAY APERTURE] <数値> [ENTER]を押します 5 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 群遅延は、位相応答の導関数(または傾き)です。これは、デバイスの位相のリニアリティを測定 する場合に便利です。群遅延を式で表すと次のようになります。 - ∆(Ph)/360 ∆(f) ここで、 「デルタ(ph)」はデルタ(f)によって分けられた2周波数の位相差(度)です。 「デルタ(f)」は 群遅延アパーチャ (Hz)で、現在スパンのパーセンテージとして[DELAY APERTURE]を使って入 力します。アパーチャが大きいと、トレース・スムーシングの量が大きくなります。 4 - 14 5 制御システムの測定 5-1 制御システムの測定 本器は、制御システムの性能や安定度を評価する場合に便利です。立上り時間、オーバシュー ト、セトリング時間などの性能パラメータは、ふつう時間ドメインで定義されます。また安定 性基準、ゲイン/位相マージンなどは、一般に周波数ドメインで定義されます。本器は、時間ド メインおよび周波数ドメインの両方で測定を行います。 制御システムの一般的モデル シングル・ループ制御システムの標準的なモデルは、次のものから構成されます。 • 基準信号と呼ばれる入力信号(r) • 制御を行うデバイスまたはプロセス(「プラント」と呼ばれる) • プラントの応答を測定するセンサ(c) • もとの制御信号と結合してエラー信号(e)を形成するための帰還要素H、および出力(c)の指示 (b)を出す加算ブロック • cを駆動してc~r間の誤差を最少に抑えるためにプラントに送られるエラー信号 図5-1は、制御または「サーボ」システムの一般的なブロック図です。プラントの伝達関数はG、 帰還伝達関数はHです。クローズド・ループの性能の最適化が目的で、これはオープン・ループ 要素の修正によって行います。理想的には、制御ループ出力(c)は時間ドメインで入力(r)を完全 にトラッキングします。つまり、ゲイン(出力/入力)は1で、入出力の間に位相のずれはありません。 図5-1 制御システムのブロック図 5-2 実際の環境では、システムの性能に影響を与える内的および外的の障害が存在します。さらに、 クローズド・ループ・システムの物理的特性によってシステムそのものが不安定になるか、ま たは必要な性能が欠如してしまうことがあります。性能の向上と十分な安定性マージンを確保 するために、フィードフォワードとフィードバック・ループのどちらにも補正が加えられます。 図5-2は、伝達関数Gcのフィードフォワードの補正ブロックと、伝達関数Hのフィードバックの 補正ブロックを示しています。他にもいろいろなバリエーションが考えられます。 • 機械装置、またはアナログかデジタルの電気要素、あるいはその両方で制御ループを構成 • GcおよびH=1のときは補正なし • 補正は他の要素と結合(この例は次の項で説明) 図5-2 フォワード経路に補正を付加 図5-1に示すクローズド・ループ・システムは、次の式で表します。 C/R=G/(1+GH) オープン・ループ伝達関数(b/e)を求めると、 b=(r-b)GH e=r-eGH b/r=GH/(1+GH) e/r=1/(1=GH) オープン・ループ伝達関数は、 b/e=GH ここで、 G=GcGp Gcは補正ネットワークの伝達関数 Gpは「プラント」またはプロセスの伝達関数 Hはフィードバック・ネットワークの伝達関数 5-3 一般的なモデルからのバリエーション 制御システムの性能解析を行うには、測定用信号を加えて結果をモニタします。制御システム によっては、試験と結果解析を行うのに特別な条件が必要な場合があります。これによって、測 定のセットアップ方法が制限されます。 • システムによっては、ブロック間の信号へアクセスできます。ヘッドをあちこちに動かすプ リンタやプロッタには、加算接続、補正ブロック、フィードバック・ブロックとして働く チップを持つものがあります。これにより、信号へのアクセスは制限されます。 • 対象となる信号が、測定しにくい形のものである場合があります。プラントがモータの場合、 それを駆動する信号は、パルス幅が変調されていることがあります。スイッチング電源の場 合は、出力信号がかなりの高電圧であることがあり、エラー信号(e)がアナログの場合は、こ の信号が小さすぎてS/N比が悪いことがあります。 • システムによっては、測定信号がr≠0でなければなりません。ディスク・ドライブの試験で はディスクが常に動作している必要があるので、この場合rは0になりません。測定用信号は、 フォワード・ゲイン経路、つまり通常は補正器の出力と電力増幅器への入力の間に加える必 要があります。この挿入点は、2つのカスケード反転オペアンプで回路に加えなければなら ないことがあります。これによって、演算や方法が変わりますが、r(t)が測定用信号に相関が なければノイズとして処理され、その影響を除去するのにアベレージングが使用できます。 システムの設計 制御システムの設計には、システムの性能パラメータの測定、システムの安定性の測定、およ び制御ループのモデル化が必要です。 通常、信号の経路、タイプ、およびレベルなど、システムを表現するブロック図を書くことか ら設計を開始します。次に、測定からクローズド・ループ応答を引き出すための数式を計算を 行います。クローズド・ループ測定を行った後、本器の演算機能を使用して、その測定からク ローズド・ループ応答を得ます。 測定結果の解析 システムの性能と安定性を測定したら、その制御システム・モデルに誤りがないか確認する必 要があります。これには本器オプションのカーブ・フィッタを使用し、応答から極およびゼロ を得て、モデルを更新することができます。 5-4 カーブ・フィッティングは、物理的システムを数学的にモデル化し、その線形システム・パラ メータを予測する手法です。このモデルは、最小2乗法によって、物理的システムの測定周波数 応答にきわめて近似したものになります。カーブ・フィッティング演算の結果は、極およびゼ ロによる表になります。本器のカーブ・フィッティング機能については、第16章の「カーブ・ フィット」で説明します。 設計の点検 モデルが正確であれば、補正器の設計を行って制御システムの性能を目的の仕様へと改善しま す。この補正器を合成し、本器の演算機能を使用して補正器の合成応答をオープン・ループ応 答を使って乗算することができます。これにより、作成した補正器をシステムに付加して、補 正したシステムを測定した場合に期待されるオープン・ループ応答が得られます。 本器の合成機能および演算機能については、第15章の「合成機能」 、および第18章の「演算機能 とデータ編集」で説明します。 5-5 制御システムの性能測定 性能測定値には、ステップ応答から得られるものがあります。立上り時間、オーバシュート、遅 延時間、およびセトリング時間などのパラメータは、時間ドメインで測定されます。ヒストグ ラム/タイム計測器モードで、最も確度の高い時間解析を行うことができます。時間解析マーカ で、臨界時間パラメータの測定を行います(図5-3参照)。 ステップ応答の立上り時間によって、システムが必要な出力レベルをどれだけ速く最初に達成 できるかを測定できます。最大のオーバシュートでは、特定の入力で得られる最大出力レベル の相対的な測定が可能になります。安定状態の変位は、必要な出力を達成した場合の一定誤差 を示します。セトリング時間は、システムがその安定値に落ち着くまでに要する時間を測定し ます。セトリング時間が短いほど安定度が高いと考えれば、このセトリング時間は安定度の相 対的な判断手段であるとみなすことができます。 5-6 本器のアンチ・エイリアス・フィルタには、測定したシステムのステップ応答に多大な時間ド メイン誤差をもたらす入力ステップ応答があります。本器はこの誤差を最小限に抑えるために、 ヒストグラム/タイム計測器モードでアナログとデジタルの両方のアンチ・エイリアス・フィル タをバイパスします。 ここの手順では、ステップ波形を使用しています。本器の任意ソース、オプション1D4を使用し て、そのようなカスタムのソース信号を作ることができます。本器の任意ソースを使用する場 合の詳細については、第6章を参照してください。 図5-3 5-7 ステップ応答の測定 制御システム設計の第一の目的は、必要とする出力レベルをできるだけ速く達成し、その出力 を、変位が最小かゼロの安定した誤差で維持することです。ステップ応答は、制御システムの 設計目標に従っていることを測定するための手段です。この手順では、オプション1D4の任意 ソースによって生成したステップ信号を使用します。 1 ステップ信号を生成し、データ・レジスタD1に記憶します。 第6章の「ステップ信号の生成」を参照してください。 2 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [HISTOGRAM/TIME]を押します。 [Meas Data]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して2を強調表示にします。 [UNFILTERD TIME CH2]を押します。 3 被測定デバイス(DUT)を、下の図に従って接続します。 4 測定パラメータを設定します。 [Freq] [RECORD TIME] <数値> <単位>を押します。 [Input] [CH1 FIXED RANGE] <数値> <単位>を押します。 [Source] [MORE CHOICES] [ARBITRARY (D1-D8)]を押します。 [Rtn]を押します。 [LEVEL] <数値> <単位>を押します。 [SOURCE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5-8 5 トリガ・パラメータを設定します。 [Trigger] [SOURCE TRIGGER]を押します。 [TRIGGER SETUP]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して2を強調表示にします。 [CHANNEL 2 DELAY] <数値> <単位>を押します。 6 ディスプレイの設定を行います。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 7 DUTを測定します。 [Start]を押します。 ステップ応答は入力のステップ変化に対する制御システムの反応です。任意ソースを使用する 場合は、データ・レジスタD1に任意ソースのステップ信号があることを確認してください。 ヒストグラム/タイム計測器モードでは、アンチ・エイリアス・フィルタおよびAウェイト・フィ ルタは自動的にディスエーブルになります。 5-9 性能パラメータの測定 1 ステップ応答の測定を行います。 2 [Pause-Cont]を押します。 3 [Marker Fctn] [TIME PARAMTERS]を押します。 [START TIME] <数値> <単位>を押します。 または、 ノブを使ってマーカを適切な開始時間に置きます。 4 [STOP TIME] <数値> <単位>を押します。 または、 ノブを使用してマーカを安定レベルに置きます。 5 [OVERSHOOT]を押します。 [RISE TIME]を押します。 [SETTLING TIME]を押します。 [DELAY TIME]を押します。 5 - 10 この手順では、ステップ信号を使用して制御システムの機能を測定します。タイム・マーカを 使って、この制御システムの臨界時間ドメイン特性を測定します。遅延時間とセトリング時間 は、入力信号の立上りエッジに関連しています。正確な値を計算するには、必ず開始時間を正 確なものにします。 5 - 11 制御システムの安定度測定 制御システムの測定で必要とされる最も基本的な測定の1つに、ループ安定度の測定がありま す。本器では、一般的なスエプト・サイン測定(オプション1D2)はもとより、より速く生産試験 を行うためのチャープや、ランダム波形のような広帯域測定用信号を使うことができます。さ らに、本器内蔵の演算機能により、容易にクローズド・ループ測定をオープン・ループ応答に 変換したり、試験装置での位相反転や周波数応答誤差の補正を行うことができます。 オーバヘッドが最小になる測定方法は、基準入力加算接続を使用してオープン・ループ周波数 応答関数を得るものです。つまり、図5-4で測定用信号をrに入れて、b点とe点を測定します。計 算は必要ありません。ただし、システムが高いゲイン(80dB)のアナログ・システムの場合は、e が小さすぎて本器のノイズ・フロアに近づくことが考えられるため、この方法は行えません。 図5-4 オープン・ループ周波数応答のブロック図 5 - 12 もう1つの方法は、クローズド・ループ周波数応答関数の測定です。加算接続によりループに測 定用信号(s)を加え、y点およびs点で測定を行います(図5-5を参照)。この後で、オープン・ルー プ周波数応答関数を計算します。 図5-5で示すブロック図を使用して、y/sを求めます。 y=-yG1G2H + sG1G2H y/s=G1G2H/(1+G1G2H) オープン・ループ応答を求めると G1G2H=(y/s)/(1-(y/s)) オープン・ループ伝達関数を表示するには、周波数応答測定データによってy/sを求め、演算機 能を使ってオープン・ループ応答を算出します。演算を行う前に、測定データのチェックを行 うことが大切です。演算機能はまた、位相およびゲインのオフセットなどの測定の補正にも使 用できます。これらのゲインおよび位相のオフセットをチェックするには、y/sの測定値を確認 します。y/s=G1G2H/(1+G1G2H)により、G1G2Hが大きくて位相が0度に近いため、低周波数では 0dBのゲインが予想されます。 図5-5 クローズド・ループ周波数応答のブロック図 5 - 13 オープン・ループ応答の測定 この手順では基準入力加算接続と制御出力を使用して、オープン・ループ周波数応答を求めま す。この測定は、オプション1D2のスエプト・サイン測定器モードで行います。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [SWEPT SINE]を押します。 [Meas Data] [FREQ RESP 2/1]を押します。 2 被測定デバイス(DUT)を、下の図に従って接続します。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 [Input] [CH1 AUTO RANGE]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して2を強調表示にし、次に[CH2 AUTO RANGE]を押します。 [Source] [LEVEL] <数値> <単位>を押します。 5 - 14 4 アベレージング・パラメータを設定します。 [Avg] [SETTLE TIME] <数値> <単位>を押します。 [INTEGRATE TIME] <数値> <単位>を押します。 5 ディスプレイの設定を行います。 [Disp Format] [MORE] [BODE DIAGRAM]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6 DUTを測定します。 [Start]を押します。 データの数学的なモデルを見るには、本器のカーブ・フィット機能を使用します(第16章を参照)。 5 - 15 ゲインと位相マージンの測定 1 オープン・ループ応答の測定を行います。 2 [Marker Fctn] [GAIN/PHAS MARGINS]を押します。 3 [START FREQUENCY] <数値> <単位>を押します。 または、 マーカを必要な開始周波数に置きます。 4 [STOP FREQUENCY] <数値> <単位>を押します。 または、 マーカを必要な終了周波数に置きます。 5 [COMPUTE MARGINES]を押します。 ゲイン・マージンの大きさは、位相が-180°の周波数において、0dB(ゲイン=1)より小さい値で す。位相マージンは、ゲインが1の場合に、-180°より大きな値になります。ゲイン交点は、ゲ インが1の時の周波数です。 補正器のゲインは、目的の周波数でゲイン交点を得るのに必要なゲインによって、決定される ことになります。その周波数でのゲインおよび位相値は、補正器設計のためのゲインおよび位 相の量です。例えば、仕様がゲイン交点周波数265Hzで位相マージンが40° ±5°、またマーカ測 定が265Hzにおいてゲイン-9.15dBと位相-178°を示している場合、補正器にはゲイン9.15dBお よび位相38°のシフトが必要となります(180-178=2、40-2=38)。 5 - 16 ナイキスト線図の表示 1 オープン・ループ応答を測定します。 2 [Disp Format] [SINGLE]を押します。 3 [Trace Coord] [MORE CHOISES] [NYQUIST DIAGRAM]を押します。 4 [Scale]を押します。 [AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 [AXES SCALE MARKERS]を押します。 [AXIS X Y]を押してYを強調表示にします。 [MOVE CENTER]を押します。 ノブを使用して、軸スケール・マーカを-1+j0のX軸位置に近づけます。 [CHANGE WIDTH]を押します。 ノブを使用して、スケール・マーカを-1+j0のY軸位置が含まれるように広げます。 [SCALE AT MARKERS]を押します。 安定度の基準では、原点と-1+j0間でのみ、オープン・ループ応答が負の実数軸と交差すること が要求されます。他の部分での交差は、ループが条件的に安定か、あるいは安定でないことを 意味します。 5 - 17 クローズド・ループ応答の測定 直接オープン・ループの測定が行えない場合、被測定回路に割り込んで試験信号の挿入とモニ タを行うことにより、クローズド・ループ応答を測定します。この手順では、オプション1D2の スエプト・サイン測定器モードでクローズド・ループY/Sを測定します。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode] [SWEPT SINE]を押します。 [Meas Data] [FREQ RESP 2/1]を押します。 2 被測定デバイス(DUT)を、下の図に従って接続します。 3 測定パラメータを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 [RESOLUTN SETUP]を押し、次に[AUTO RES ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [Input] [CH1 AUTO RANGE]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して2を強調表示にし、次に[CH2 AUTO RANGE]を押します。 [Source] [LEVEL] <数値> <単位>を押します。 5 - 18 4 アベレージング・パラメータを設定します。 [Avg] [SETTLE TIME] <数値> <単位>を押します。 [INTEGRATE TIME] <数値> <単位>を押します。 5 ディスプレイの設定を行います。 [Disp Format] [MORE] [BODE DIAGRAM]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6 DUTを測定します。 [Start]を押します。 低周波では、Y/Sのゲインは1(0dB)に非常に接近します。また位相は約0° です。正しくY/Sの測 定を行うようにしてください。測定結果で、不注意から180° の位相オフセットやゲイン・オフ セットを拾うことがあります。演算を行う前には、測定結果のチェックが必要です。 5 - 19 オープン・ループ応答の計算 1 クローズド・ループ応答を測定します。 2 [Analys] [DEFINE FUNCTION (F1-F5)] [DEFINE F1]を押します。 3 [MEAS DATA] [FREQ RESP 2/1]を押します。 [/]を押します。 [(]を押します。 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K1]を押します。 [-]を押します。 [MEAS DATA] [FREQ RESP 2/1]を押します。 4 [ENTER]を押します。 5 [Active Trace] [A B]を押します。 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION]を押します。 [F1]を押します。 6 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [Active Trace] [ A ]を押します。 [Trace Coord] [PHASE]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 この手順では本器の演算機能を使用して、クローズド・ループからオープン・ループへの伝達 関数T/(1-T)の計算を行います。 5 - 20 6 オプション1D4任意ソース 6-1 任意ソース 本器のソースでは、多種の波形を使用することができます。オプション1D4の任意ソースによっ て、正確な特性評価に欠かせない柔軟性が得られます。本器は、データ・レジスタまたはタイ ム・キャプチャ・バッファの内容によってソース出力を供給します。このレジスタおよびタイ ム・キャプチャ・バッファには、時間ドメイン・データが必要です(このデータ・レジスタの内 容を変えた場合は、新たな波形を反映させるためにソースを再設定する必要があります)。 任意ソース波形は、FFT解析、相関解析、およびヒストグラム解析の各計測器モードで使用でき ます。 本器は、ピーク電圧が現在のソース・レベルのVpkに対応するように、データを計測します。 ソースをオンにすると、計測された信号がソース・コネクタに送られます。 ソースの動作 反復機能によって、データは間断なくソース・コネクタに送られます(任意ソース波形は1タイ ム・レコード長のみです)。反復がオフになると、ソースの動作は選択したトリガ・モードによっ て変わります。 フリーラン・トリガ・モードでは、ソース出力は反復がオンになっているときと同様に連続で す。他のトリガ・モードでは、ソースはトリガが起きたときだけその出力を開始し、レジスタ またはタイム・キャプチャ・バッファ内の全データが出力されるとオフになります。トリガが かかるたびにこれが行われます。 [Source] [MORE CHOICES]メニューにある任意ソースに、可変のローパス・フィルタを使用す ることができます。このフィルタは、高周波数エッジのあるソース波形を使用した伝達関数測 定で、帯域パワーを除去するのに使用できます。任意ソース・フィルタの詳細については、オ ンライン・ヘルプを参照してください。 6-2 ソース・インピーダンス 本器のソース・インピーダンスは5Ω以下です。ほとんどのタイプの負荷に対応できるように設 計されています。被測定デバイスに特定のソース・インピーダンスが必要な場合、本器のソー ス出力に適正な抵抗器を直列に置いてください。 複雑な波形の合成 コンピュータ・プログラムによって、複雑な波形関数を生成することができます。任意ソース 波形を生成するプログラム例"ARBSRC"が、 『GPIB Example Programs disk』でご利用になれます。 プログラムのリストは、『GPIB Programming with the Agilent 35670A』の付録Fにあります。 6-3 ステップ信号の生成 この手順では、制御ループの性能特性評価に使用できるステップ・ソース信号の生成を行います。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 2 下の図に従って、ソースをチャネル1入力に接続します。 [Source] [LEVEL] <数値> <単位>を押します。 [SOURCE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 波形を表示します。 [Freq] [RECORD LENGTH]を押し、次に[ 1 ] [ 5 ] [mS]を押します。 [Meas Data] [TIME CHANNEL 1]を押します。 [Pause-Cont]を押します。 [Save/Recall] [SAVE DATA] [SAVE TRACE] [INTO D1]を押します。 6-4 4 波形を修正します。 [Analys] [DATA EDIT] [EDIT D1]を押します。 [MODIFY START Y] [ 1 ] [ENTER]を押します。 [MODIFY STOP Y] [ 1 ] [ENTER]を押します。 [START X] [ 1 ] [ 0 ] [mS]を押します。 [MODIFY START Y] [ 0 ] [ENTER]を押します。 [MODIFY STOP Y] [ 0 ] [ENTER]を押します。 5 ディスプレイを設定します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6 任意ソースを設定します。 [Source] [MORE CHOICES] [ARB SRC SETUP] [DATA REG D1]を押します。 [Rtn]を押します。 [ARBITRARY (D1-D8)]を押します。 本器は、デフォルトとして最新のタイム・レコード長、この場合15.625mSを使用します。 形の違うステップ信号を生成するには、ステップ4のX軸とY軸の開始および終了の値を任意の 値に変えます。 6-5 ランプ信号の生成 この手順では、ランプ波形の生成を行います。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 2 下の図に従って、ソースをチャネル1入力に接続します。 [Source] [LEVEL] <数値> <単位>を押します。 [SOURCE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 波形を表示します。 [Freq] [RECORD LENGTH]を押し、次に[ 1 ] [ 5 ] [mS]を押します。 [Meas Data] [TIME CHANNEL 1]を押します。 [Pause-Cont]を押します。 [Save/Recall] [SAVE DATA] [SAVE TRACE] [INTO D1]を押します。 6-6 4 波形を修正します。 [Analys] [DATA EDIT] [EDIT D1]を押します。 [MODIFY START Y] [ 0 ] [ENTER]を押します。 [MODIFY STOP Y] [ 0 ] [ENTER]を押します。 [START X] [ 5 ] [mS]を押します。 [STOP X] [ 1 ] [ 0 ] [mS]を押します。 [MODIFY START Y] [ 0 ] [ENTER]を押します。 [MODIFY STOP Y] [ 1 ] [ENTER]を押します。 5 ディスプレイを設定します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6 任意ソースを設定します。 [Source] [ARB SRC SETUP] [DATA REG D1]を押します。 [Rtn]を押します。 [ARBITRARY (D1-D8)]を押します。 残留ノイズを除去してより正確な結果を得るために、ステップ4でランプ外の領域は0にしてあ ります。 形の違うステップ信号を生成するには、ステップ4のX軸とY軸の開始および終了の値を任意の 値に変えます。 6-7 チャープ信号プロファイルの生成 この手順では、本器の演算機能を使ってチャープ信号プロファイルを生成します。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 2 下の図に従って、ソースをチャネル1入力に接続します。 3 ランプ信号を生成し、それをデータ・レジスタD1に記憶します(前述の手順参照)。 4 周期チャープ波形を表示します。 [Meas Data] [TIME CHANNEL 1]を押します。 [Source] [PERIODIC CHIRP] [LEVEL] [ 1 ] [Vpk]を押します。 [SOURCE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 6-8 5 波形を修正します。 [Analys] [DEFINE FUNCTION (F1-F5)]を押します。 [DEFINE F1] [MEAS DATA]を押します。 [CHANNEL 1 2 3 4]を押して1を強調表示にします。 [TIME CHANNEL 1]を押します。 [*]を押します。 [DATA REGISTER (D1-D8)] [DATA REG D1]を押します。 [ENTER]を押します。 6 ディスプレイを設定します。 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION] [F1]を押します。 [Trace Coord] [MORE CHOICES] [REAL PART]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 7 任意ソースを設定します。 [Save/Recall] [SAVE DATA] [SAVE TRACE] [INTO D2]を押します。 [Source] [MORE CHOICES] [ARB SRC SETUP] [DATA REG D2]を押します。 [Rtn]を押します。 [ARBITRARY (D1-D8)]を押します。 この手順では、ランプ信号を周期チャープ波形へのウェイト関数として使用します。ステップ5 では、乗算と結果の記憶を行う演算機能を指定します。 6-9 7 タイム・キャプチャの使用法 タイム・キャプチャによって入力データをバッファに入れ、後でそのバッファで測定を行います。 この章では、バッファへの入力とそれによる測定について説明します。 7-1 キャプチャ・バッファへの入力の準備 キャプチャ・バッファへの入力準備は、他の測定の準備をする場合とほぼ同じです。本器に被 測定デバイス(DUT)を接続し、MEASUREMENTハードキー下にあるほとんどのパラメータにつ いて設定を行います。ただし、入力チャネルの適正レンジを維持するためにオートレンジは使 えません。バッファへの入力中、本器はオートレンジを行いません。 1 本器の初期化を行い、データの捕捉を行わない場合と同様に(他の測定手順の説明に従って)測定 用信号を接続します。 2 予想する最高信号レベルをわずかに超えるくらいに、手動で各チャネルのレンジを設定します。 [Input]を押し、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押してレンジ設定を行うチャ ネルを選択します。 [CHANNEL x RANGE] <数値> [ENTER]を押します。 アクティブな各チャネルについてこの手順を繰り返します。 3 データの捕捉を行わない場合と同様に、他の[Input]パラメータ、および[Freq]と[Source]下のパ ラメータを設定します。 4 バッファでの測定を行うときにタコメータ・データが必要な場合 ( 次数比計測器モードや rpmス テップ・アーミングを使用しての測定など)は、[Input] [TACHOMETR SETUP]を押し、タコメー タ・パラメータの設定を行います。 5 バッファでの測定にタコメータ・データを必要としても、バッファへの入力時に次数比計測器 モードを使用しない場合は、タコメータ・データの収集をイネーブルにします。 [Inst Mode] [TIME CAPTURE] [TACHOMETR OPTIONS]を押し、次に[TACH DATA ON OFF]を 押してONを強調表示にします。 [MAX RPM] <数値> [ENTER]を押して、バッファでの測定でモニタする最高回転速度を指定し ます。 7-2 6 データ収集の開始をトリガする場合は、トリガの設定を行います。 [Trigger]を押し、使用するトリガ・タイプのソフトキーを押します。 [TRIGGER SETUP]を押し、トリガ・パラメータを設定します。 7 次数比計測器モードを使用するバッファでの測定で、位相に関する表示を行うときは、外部ト リガをイネーブルにする必要があります。 [Trigger] [EXTERNAL TRIGGER]を押します。 [TRIGGER SETUP]を押し、外部トリガ・パラメータを設定します。 バッファ入力に使用したモードに関係なく、タイム・キャプチャ・バッファでの測定では、ほ とんどの場合どの計測器モードでも使用できます。ただし、次の3つの例外があります。 • スエプト・サイン・モードは、バッファへの入力とバッファでの測定のどちらにも使用でき ません。 • バッファへの入力にFFTモードを使用し、開始周波数が0Hzよりも大きい場合(「ズーム」デー タが使用可能)、FFTモードを選択したときにだけバッファでの測定が行えます。 • タコメータ・データなしでバッファへの入力を行った場合、次数比モードではバッファでの 測定が行えません。 バッファでの測定を行う場合、計測器モードの変更が行えないのは以上の場合だけですが、バッ ファへの入力とバッファでの測定には、なるべく同じモードを使用してください。 次数比計測器モードでバッファへの入力を行う場合、ステップ4は必要ありません。次数比計測 器モードで入力した場合、タコメータ・データは常にバッファに含まれます(また[MAX RPM]値 は、[Freq]メニューより直接使用されます)。 7-3 キャプチャ・バッファへのメモリ割当て 1 前述の手順により、測定パラメータの設定を行います。 2 [Inst Mode] [TIME CAPTURE] [BUFFER LENGTH]を押し、次に捕捉する時間データの量を入力 します(秒、ブロック、またはポイント単位)。 3 [ALLOCATE BUFFER] [CONFIRM ALLOCATE]を押します。 タイム・キャプチャ・バッファの大きさは、[BUFFER LENGTH]の値、およびいくつかの測定 パラメータ設定によって変わります。現在のセットアップで必要とするバッファが使用可能な メモリに対して大きすぎるときは、本器は自動的に[BUFFER LENGTH]の値をバッファがぴっ たり収まるまで小さくします。その場合、バッファ長が減少したというメッセージが表示され ます。このメッセージが表示されたら、[System Utility] [MEMORY USAGE]を押して、バッファ 用のメモリ・スペースがあるか確かめてください。 タイム・キャプチャ・バッファへの入力前に[ALLOCATE BUFFER]を押し忘れた場合は、[FILL BUFFER]を押すと本器が自動的に同等の働きを行います。しかし、通常は[ALLOCATE BUFFER] のご使用をお勧めします。これによって、[FILL BUFFER]の押した時点とデータ収集の開始との 間の遅れを最小に抑えることができます。 7-4 キャプチャ・バッファへの入力 1 前述の2つの手順の説明に従って、測定パラメータの設定とバッファへのメモリ割当てを行います。 2 [Inst Mode] [TIME CAPTURE] [FILL BUFFER]を押します。 [FILL BUFFER]を押すと、本器はすべてのアクティブな入力チャネルからデータの収集を行い、 それをタイム・キャプチャ・バッファへ入れます。また、 「キャプチャ・バッファへの入力の準 備」での設定で必要な場合は、本器はタコメータおよび外部トリガのデータの収集も行います。 バッファが一杯になった場合、または[ABORT FILL]を押した場合、データ収集は停止します。 7-5 キャプチャ・バッファのフロッピーディスクへのセーブ 1 [Inst Mode] [TIME CAPTURE]を押し、[BUFR INFO ON OFF]を押してONを強調表示にし、次 に"Size"の値を読んで、どれだけのディスク・スペースが必要か調べます。 2 タイム・キャプチャ・バッファ全体をセーブするために、両面3.5インチのフロッピーディスク を十分な枚数だけフォーマットします。 3 その中の1枚を、本器のディスク・ドライブに挿入します。 4 内蔵のディスクをまだデフォルトのディスクとして設定していない場合は、[Save/Recall] [DEFAULT DISK] [INTERNAL DISK]を押します。 5 [Save/Recall] [SAVE DATA] [SAVE CAPTURE]を押し、ファイル名を入力したら[ENTER]を押し ます。 6 バッファの分割を必要とするメッセージが表示されたら、[CONTINUE SAVE]を押します。 7 他のディスクを挿入する指示があれば、ディスクを挿入して[CONTINUE SAVE]を押します。 バッファの分割が必要で2枚以上のディスクにセーブする場合、ステップ5で入力したファイル 名が変わります。ファイル名は、1枚目は<ファイル名>_1.<拡張子>、2枚目は<ファイル名>_2.< 拡張子>、3枚目は<ファイル名>_3.<拡張子>、以降同様になります。<ファイル名>の文字数がす で に最 大数 にな って いる 場合 は、最後 の 2 文 字が "_x" に なり ます。例 えば、ス テッ プ 5 で WINGTEST.DATというファイル名を入力し、バッファが2枚のDOSフォーマット・ディスクを必 要とした場合は、2つのファイル名はWINGTE_1.DATおよびWINGTE_2.DATとなります。 ディスクのフォーマット方法については、第13章「ファイルおよびディスクの操作」を参照し てください。 7-6 キャプチャ・バッファのフロッピーディスクからのリコール 1 タイム・キャプチャ・バッファがディスク1枚にセーブされたときは、そのディスクをディスク・ ドライブに挿入します。 または、 タイム・キャプチャ・バッファが複数枚のディスクに分かれてセーブされた場合は、バッファ の最初の部分が入ったディスクをディスク・ドライブに挿入します。 2 内 蔵 ディ ス ク を ま だ デ フォ ル ト の デ ィ ス ク とし て 設 定 し て い ない 場 合 は、[Save/Recall] [DEFAULT DISK] [INTERNAL DISK]を押します。 3 [Save/Recall] [RECALL DATA] [RECALL CAPTURE]を押し、バッファをセーブしたファイル名 を入力し、[ENTER]を押します。 4 分割バッファをリコールしているときは、指示に従ってさらにディスクを挿入し、[CONTINUE RECALL]を押します。 リコールするタイム・キャプチャ・バッファが大きすぎて使用可能なメモリに入りきらない場 合、リコールは中断されます。メモリから他の項目を削除すれば、捕捉バッファのための使用 可能メモリができる場合があります。これは、[System Utility] [MEMORY USAGE]下のソフト キーで行います。 7-7 キャプチャ・バッファのチェック 1 タイム・キャプチャ・バッファの1チャネルを見るためのトレースをアクティブにします。 2 [Meas Data]を押し、次に[CHANNEL 1 2]または[CHANNEL 1 2 3 4]を押して、見たい捕捉デー タのチャネルを強調表示にします。 3 FFT計測器モードを選択している場合は、[MORE CHOICES] [CAPTURE CHANNEL x]を押します。 または、 他の計測器モードを選択している場合は、[CAPTURE CHANNEL x]だけを押します。 4 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 [AXES SCAL MARKERS]を押し、次に[AXIS X Y]を押してXを強調表示にします。 6 MOVEおよびWIDTHソフトキーとノブを使用して、調べる範囲を決めます。次に[SCALE AT MARKERS]を押して、X軸一杯になるように拡大します。 7 拡大したX軸データをスクロールするには、[MOVE CENTER]を押してノブを回します。 タイム・キャプチャ・バッファでの測定は、バッファ全体、またはバッファの指定した範囲で 行うことができます。X軸スケール・マーカによってバッファの各チャネルを詳しく調べなが ら、測定範囲の選択ができます。拡大して見た後、[FULL SCALE]を押すと選択チャネルのデー タ全体が再度表示できます。これで、解析する範囲の決定(次の手順で説明)に移ることができます。 7-8 解析範囲の決定 1 前述の手順に従ってタイム・キャプチャ・バッファの各チャネルを調べ、解析を行う範囲を決 めます。 2 [Active Trace]を押し、タイム・キャプチャ・バッファに1チャネルのデータがある場合は[ A ]、 2チャネルのデータの場合は[A B]、4チャネルの場合は[A B C D]を押します。 3 FFT計測器モードを選択してある場合は、[Meas Data] [ALL CHANNELS] [MORE CHOICES] [CAPTURE CHANNEL *]を押します。 または、 他の計測器モードの場合は、[Meas Data] [ALL CHANNELS] [CAPTURE CHANNEL *]を押します。 4 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 [AXES SCAL MARKERS]を押し、[AXIS X Y]を押してXを強調表示にし、次に[FULL SCALE]を 押します。 6 [Inst Mode] [TIME CAPTURE] [ANALYSIS REGION] [ALL CHANNELS]を押します。 7 [STRT TIME CHANNEL *] <数値> [ S ]を押し、次に[STOP TIME CHANNEL *] <数値> [ S ]を押 して解析範囲の初めと終わりを設定します。 必要に応じて、キャプチャ・バッファ内の各チャネルの解析範囲を個別に決めることができま す。ステップの3と6で[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押し、解析範囲を設定した いチャネルの番号を強調表示させます。個別に範囲を設定すると、トリガ・ディレイを使用し て入力から直接測定を行う場合より、さらに大きな各チャネル間の遅延によって測定すること ができます。ただし、個別の解析範囲には、大きな制限が1つあります。異なるチャネルで異な る長さの範囲を設定すると、最も狭い範囲からデータをすべて出したときに、本器は測定を停 止してしまいます。 7-9 キャプチャ・バッファでの測定の準備 タイム・キャプチャ・バッファで測定する場合、本器はバッファに記憶した生の入力データを 処理して、[Meas Data]ハードキー下で利用できる各種の測定データを得ることができます。 キャプチャ・バッファでの測定の準備では、入力データの処理方法に影響するこれらの測定パ ラメータも設定します。 1 本器を初期化します。 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Inst Mode]を押し、使用する測定器モードのソフトキーを押します。 [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])を押して、バッファに記憶したチャネル数を強調表 示にします。 キャプチャ・バッファに4チャネルの入力データがあるときは、[REF CHANS 1 1,3]を押して基 準チャネル(1つまたは2つ)を選択します。 2 測定パラメータを設定します。 [Freq]を押して、周波数パラメータまたはタイム・レコード長を設定します。 FFTモード、次数比モード、または相関計測器モードのときは、[Window]を押してウィンドウ・ パラメータを設定します。 3 トリガおよびアベレージングのパラメータを設定します。 [Trigger] [ARM SETUP]を押し、アーミング・パラメータを設定します。 次数比計測器モードが選択してある場合に位相情報を表示するときは、[Trigger] [EXTERNAL TRIGGER]を押します。 [Avg]を押し、アベレージング・パラメータを設定します。 7 - 10 4 ディスプレイの設定を行います。 測定結果の表示に使用する全トレースをアクティブにします。 [Scale]を押し、[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 トレースを1つアクティブにして[Meas Data]を押し、次にそのトレースで表示する測定結果に 対応するソフトキーを押します。 タイム・キャプチャ・バッファ内のデータを通して測定の過程を見るときは、トレースを1つアク ティブにし、次に[Meas Data] [CAPTURE CHANNEL x](または[Meas Data] [MORE CHOICES] [CAPTURE CHANNEL x])を押します。 入力に使用したモードに関係なく、タイム・キャプチャ・バッファによる測定では、ほとんど の場合すべての計測器モードが使用できます。ただし、次の3つの例外があります。 • スエプト・サイン・モードは、バッファへの入力とバッファでの測定のどちらにも使えません。 • バッファへの入力にFFTモードを使用し、開始周波数が0Hzよりも大きい場合(「ズーム」デー タが使用可能)、FFTモードを選択したときにだけバッファでの測定が行えます。 • タコメータ・データなしでバッファへの入力を行った場合、次数比モードではバッファでの 測定が行えません。 バッファでの測定を行う場合、計測器モードの変更が行えないのは以上の場合だけですが、バッ ファへの入力とバッファでの測定には、なるべく同じモードを使用してください。 また、タイム・キャプチャ・バッファへの入力に使用した場合よりも狭い周波数スパンか、ま たは長いタイム・レコードを使用して、バッファでの測定を行うことができます。ただし、前 述の説明のようにズーム・データでバッファを一杯にした場合は、これを行うことはできませ ん。また、バッファへの入力に使用したよりも広い周波数スパン、または短いタイム・レコー ドでは、バッファでの測定はできません。[Start]を押してバッファでの測定を開始した場合、こ の制限があります。 7 - 11 キャプチャ・バッファでの測定 1 前述の手順に従って、タイム・キャプチャ・バッファでの測定の準備を行います。 2 [Inst Mode] [TIME CAPTURE]を押し、次に[MEAS FROM INP BUFR]を押してBUFRを強調表示 にします。 3 [Start]ハードキーを押して測定を開始します。 前述の手順にある、タイム・キャプチャ・バッファ内のデータの表示をしているときは、バッ ファ内のデータを通して測定の過程を見ることができます。測定の過程に従って、測定マーカ が表示データの中を移動します。 入力チャネルで直接測定を行う場合は、 必ず[MEAS FROM INP BUFR]をINPに設定してください。 7 - 12 8 測定データの表示 この章では、アクティブなトレースの数をコントロールする方法について説明します。また、ト レースでの各種の測定データ表示についても説明します。 8-1 アクティブ・トレースの選択 1 [Active Trace]を押します。 2 トレースを1つアクティブにするときは、[ A ]、[ B ]、[ C ]、[ D ]のどれかを押します。 3 2つのトレースを1度にアクティブにするときは、[A B]、[C D]のどちらかを押します。 4 4つのトレースをすべてアクティブにするときは、[A B C D]を押します。 本器は、入力チャネルからは独立した4つのトレース・バッファ、トレースA、トレースB、ト レースC、およびトレースDを持っています。Active Traceメニューでこれらをアクティブにし、 [Meas Data]、[Trace Coord]、[Scale]、[Marker]、および[Marker Fctn]ハードキー下のソフト キーを使用して、個別またはまとめて修正を加えることができます。このメニューは、一時的 にしか表示されません。その中のソフトキーまたは[Rtn]ハードキーを押すと、その前まで表示 されていたメニューが再表示されます。 機能の中には、複数のトレースがアクティブであっても、1トレースでしか動作しないものがあ ります。例えば、[SAVE TRACE]ソフトキーは1トレースのセーブにしか使えません。複数トレー スがアクティブの場合は、この機能は最もアクティブなトレースで動作します。 8-2 • [A B]または[A B C D]を選択しているときは、トレースAが最もアクティブなトレースです。 • [C D]を選択しているときは、トレースCが最もアクティブなトレースです。 測定データ表示 -1チャネル、1トレースの場合 1 1トレースをアクティブにします。 2 [Meas Data]を押し、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押してデータを表示する チャネルを強調表示します。 3 表示する測定データのソフトキーを押します。 [Inst Mode]ハードキー下での設定によって、利用できる測定データが異なります。 • 選択した計測器モード。どの計測器モードでも、すべての測定データが得られるわけではあ りません。例えば、自己相関データは[CORRELATN ANALYSIS]を選択したときしか使用で きません。 • [CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])の設定。例えば周波数応答のように、2チャネル からのデータが必要なものがあります。この種の測定データは、アクティブ・チャネル・ソ フトキーを2または4に設定した場合しか使用できません。 • [REF CHANS 1 1,3]の設定(4チャネル時のみ)。2チャネルが必要で、チャネル3をチャネル4 の基準チャネルとして使用する場合は、リファレンス・チャネル・ソフトキーが1,3の設定の ときだけ使用可能です。 8-3 測定データ表示 -1チャネル、複数トレースの場合 1 同じ測定データを表示するのに使用する、複数のトレースをアクティブにします。 2 [Meas Data]を押し、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押してデータを表示する チャネルを強調表示します。 3 表示する測定データのソフトキーを押します。 同じ測定データを、2つ以上の座標系で同時に表示したい場合があります。例えば、周波数応答 データを振幅対周波数、位相対周波数の両方で表示する場合です。ここで示す手順を行えば、同 じデータが複数トレースで表示されます。次に、[Trace Coord]ハードキーで各トレースに異 なった座標系を設定し、トレースを個別にアクティブにします。 8-4 測定データの表示 - 複数チャネル、1トレースの場合 1 2つのチャネルのデータを同時に表示する場合は、2つのトレースをアクティブにします。 2 4つのチャネルのデータを同時に表示する場合(オプションAY6のみ)は、4つの4トレース全部を アクティブにします。 3 [Meas Data] [ALL CHANNELS]を押します。 4 表示する測定データのタイプに対応するソフトキーを押します。 違うチャネルから同じ測定データを同時に表示したい場合があります。例えば、チャネル1およ びチャネル2からの時間データを同時に表示する場合です。ここで示す手順を行えば、同じタイ プのデータが全アクティブ・トレースで表示されます。ただし、各トレースのデータは違うチャ ネルによって測定されたものです。 特定のチャネルからのデータが表示できるのは、そのチャネルがアクティブな場合だけです。 [Inst Mode]ハードキー下の[CHANNELS 1 2](または[CHANNELS 1 2 4])ソフトキーを使用して、 アクティブなチャネルの数を選択します。 8-5 データ・レジスタの表示 1 データ・レジスタの表示に使用するトレースをアクティブにします。 2 オクターブ解析モードを選択している場合は、[Meas Data] [DATA REGISTER]を押します。 3 その他の計測器モードを選択している場合は、 [Meas Data] [MORE CHOICES] [DATA REGISTER] を押します。 4 表示したいデータ・レジスタの[Dx]ソフトキーを押します。 本器の8つのデータ・レジスタを使用して、セーブした測定データが表示できます。データ・レ ジスタへのロードは、次の2つの方法で行います。 8-6 • 現在の測定から直接データ・レジスタにトレースをセーブ • ファイルからデータ・レジスタへトレースをリコール 演算機能の表示 1 演算機能の表示に使用するトレースをアクティブにします。 2 オクターブ解析モードを選択している場合は、[Meas Data] [MATH FUNCTION]を押します。 3 その他の計測器モードを選択している場合は、 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION] を押します。 4 表示したい演算機能に対応する[Fx]ソフトキーを押します。 現在の設定では使用できない測定データを必要とする場合は、その演算機能結果を表示するこ とはできません。ヒストグラム/タイム・モード時にだけ使用可能な、ヒストグラム・データを 演算機能F1が必要とするとします。この場合、他の計測器モードを選択していると、[F1]ソフト キーは使用できません。これは、[F1]が暗い表示になることで示されます。 演算機能の定義の詳細については、第18章「演算機能とデータ編集」を参照してくだい。 8-7 9 ディスプレイのフォーマット この章の前半では、一般的なディスプレイ・パラメータを広範囲にわたって調整する方法につい て説明します。後半では、ウォータフォール・ディスプレイについて説明します。 9-1 画面でのトレースの配列 1 [Disp Format]を押します。 2 単一のトレースの表示には、[SINGLE]を押します。 3 同時に2つのトレースを表示するには、[SINGLE FRNT/BACK]、[UPPER/LOWER]、[UPPER/ BIG LOWER]のソフトキーの中の1つを押します。 4 同時に4つのトレースを表示するには、[UPPER/LOWR FRNT/BACK]、または[QUAD]のソフト キーのどちらかを押します。 2つのトレース・フォーマットのどちらかを選択する場合、[Active Trace]で行う選択によって、 アクティブにするトレースだけでなく、表示するペアのトレースが決まります。[ A ]、[ B ]、ま たは[A B]を押すと、トレースAとトレースBが表示されます。[ C ]、[ D ]、または[C D]を押すと、 トレースCとトレースDが表示されます。 [SINGLE FRNT/BACK]を押すと、選択した2つのトレースは、同じトレースの画面に表示されま す。各トレースの注釈表示は2段になります。Aが上でBが下、Cが上でDが下です。[UPPER/ LOWR FRNT/BACK]を押すと、トレースAとトレースBは上段のトレース・エリア、トレースC とDは下段のトレース・エリアに表示されます。各エリアで注釈表示は2段になります。 9-2 一般的な画面要素のイネーブル 1 タコメータ表示値を表示するには、[Disp Format] [MORE]を押し、次に[TACH DISP ON OFF] を押してONを強調表示にします。 2 X軸およびY軸の注釈表示を行うには、[Disp Format] [MORE] [MORE]を押し、次に[ANNOTATN ON OFF]を押してONを強調表示にします。 タコメータ表示値は、本器リア・パネルのTACH入力に接続した信号の周波数を表します。次数 比モード測定、およびrpmステップ・アーミングを使用する測定では、この表示値は[TACH DISP ON OFF]の設定に関係なく常にオンになります。 9-3 トレースごとの画面要素のイネーブル 1 調整を行うトレースをイネーブルにします。 2 トレースのグリッドを表示するときは、[Disp Format] [MORE]を押し、次に[GRID ON OFF]を 押してONを強調表示にします。 3 オクターブ・モード測定で全SPL帯域を表示するときは、[Disp Format] [MORE] [OCTAVE BND SETUP]を押し、次に[OVERALL ON OFF]を押してONを強調表示にします。 4 オクターブ・モード測定でAウェイト全SPL帯域を表示するときは、[Disp Format] [MORE] [OCTAVE BND SETUP]を押し、次に[WEIGHTED ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 マーカ表示値を表示するときは、[Marker]を押し、次に[MARKER ON OFF]を押してONを強調 表示にします。 トレースのグリッドは、オフにすると画面に表示されず、印刷やプロットも行われません。 [MARKER ON OFF]をONに設定してもマーカ表示値が表示されない場合は、X軸およびY軸の注 釈表示が画面全体でイネーブルになっているか確認してください(前述の手順を参照)。 9-4 トレース・タイトルの入力 1 タイトルを付けるトレースをアクティブにします。 2 [Disp Format] [MORE] [TRACE TITLE]を押します。 3 タイトルを入力して[ENTER]を押します。 1つのタイトルに最高13文字を使うことができます。[ENTER]を押すと、[TRACE TITLE]ソフト キー下の[DFLT TITL ON OFF]が自動的にOFFに設定されます。これを行うことによって、ユー ザが入力したタイトルが、トレースの左上角でデフォルトのタイトルと置き換えられます。 入力したタイトルはアクティブ・トレース・バッファのラベル付けをするもので、表示されて いるバッファ中の測定データをラベル付けするものではありません。例えば、トレースAにタ イトルを付けた場合、[Meas Data]下で新しくソフトキーを選択しても、タイトルは変りません。 しかし、測定データをセーブすると、トレース・タイトルもいっしょにセーブされます。デー タ・レジスタにセーブ・データをリコールするとき、いっしょにセーブされたタイトルはレジ スタのデフォルト・タイトルの一部として含まれています。 9-5 画面の制御 1 [Disp Format] [MORE] [MORE]を押します。 2 画面の明るさを調節するには、[DISPLAY BRIGHTNES]を押し、 上または下の矢印キーを押します。 3 リア・パネルのEXT MONITORポートを使って外部モニタへの出力をイネーブルにするには、 [EXT DISP ON OFF]を押してONを強調表示にします。 4 一定時間、フロント・パネル操作が行われないとき自動的に画面をオフにするには、[SCREEN SAVER ON]を押し、次に[START TIME] <数値> [MINUTE]を押してアイドル時間を設定します。 5 すぐに画面をオフにするには、[DISPLAY ON OFF]を押してOFFを強調表示にします。 外部モニタへの出力がイネーブルのとき、本器の画面の輝度設定はできません。画面をオンに 戻すには、フロント・パネル・キーのどれかを押します。 9-6 ウォータフォール表示のセットアップ 1 ウォータフォール表示を行うトレースをアクティブにします。 2 [Disp Format] [WATERFALL SETUP] [WATERFALL STEPS] <数値> [ENTER]を押して、ウォー タフォール・バッファに記憶する測定の数を指定します。 3 [Z-AXIS RANGE]を押し、ウォータフォール表示を行う測定のレンジを入力します。 4 [WATERFALL ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 本器が測定を行っていない場合は、[Start]を押します。 [WATERFALL ON OFF]をONに設定すると、1つの測定(またはアベレージング)が完了するたび にウォータフォールの上に新しいトレースが加えられます。古いトレースは、画面の下の方に 移動します。[Z-AXIS RANGE]で入力した値によって、ウォータフォールの下の部分で表示され るトレースの数が決まります。 本器は、最後のN個の測定結果(または最後のN個のアベレージング結果)を記憶するために、 ウォータフォール・バッファを使用します。Nの値は、[WATERFALL STEPS]で設定します。測 定を休止した後に、ウォータフォール・マーカ(この章で後述)を使用すれば、ウォータフォー ル・バッファのトレースを逆戻りして解析を行うことができます。 9-7 ウォータフォール表示の強調 1 ウォータフォール表示に使用しているトレースをアクティブにします。 2 [Disp Format] [WATERFALL SETUP]を押します。 3 古いトレースがトレース・エリアの下に向かって移動しながら、左へ移るようにするには、 [SKEW ON OFF]を押してONを強調表示にします。 4 ウォータフォールのトレースからノイズ・フロア・クラッタを除去するには、[BASELINE SUPPRESS]を押し、次に上矢印ハードキーをノイズ・フロアが消えるまで押します。 5 トレース・エリアを広げてY軸を表示したいときは、[MORE] [TRACE HEIGHT]を押し、次に上 矢印ハードキーを何回か押します。 ウォータフォール表示の斜行角度を変えるには、[SKEW RANGE]を押し、0~45度の値を入力し ます。入力した値は、5度の倍数に最も近い値に切り上げられます。 測定中に斜行表示のオン/オフの切換え、斜行角度やトレースの高さの変更を行うと、ウォータ フォール表示はクリアされます。その後測定が継続されると、新たなトレースで表示がうめら れていきます。また測定を休止すると、ウォータフォール・バッファにまだ残っている消去済 みのトレースは、ウォータフォール・マーカをオンにすれば再表示されます。ウォータフォー ルのパラメータについての詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 9-8 ウォータフォール・バッファの表示 1 本章の前述の説明に従って、ウォータフォール表示をセットアップします。 2 本器が測定中であれば、[Pause/Cont]を押して休止します。 3 [Meas Data]を押し、見ようとする測定結果のソフトキーを押します。 4 [Marker Fctn] [WATERFALL MARKERS]を押します。 5 バッファ内の古い位置を見るときは、[SCROLL DOWN]を押します。 本器が測定を行っている場合と休止している場合とでは、ウォータフォール表示の性質に少し 違いがあります。本器が測定中の場合、ウォータフォールは最後に行ったN個の測定(Nは[Z-AXIS RANGE]で設定)のレコードを与えます。このレコードは、X、Y、またはZ軸の目盛やウォータ フォールの斜行角度、またはトレース高を変えるたびに消去されます。さらにこのレコードは、 ある特定の特徴の位置を画面上で評価することでしか解析することができません。 本器が休止中は、ウォータフォール表示によってウォータフォール・バッファの内容を表示す ることができます。バッファは、最後のM個の測定(Mは[WATERFALL STEPS]により設定)を記 憶することができます。このバッファをNサイズで表示し、ウォータフォール・マーカをオンに すれば、その内容がより正確に解析できます。 9-9 ウォータフォール・バッファからの1トレースの表示 1 「ウォータフォール・バッファの表示」の手順を行います。 2 [Marker Fctn] [WATERFALL MARKERS] [TRACE SELECT]を押します。 3 ノブを回して表示するトレースを選択し、[SAVE AND DISP DATA]を押します。 [SAVE AND DISP DATA]を押すと、選択したウォータフォール・トレースがデータ・レジスタ に記憶されます(ウォータフォールの現在のスケール、座標系、および単位の設定もトレースと ともに記憶されます)。[SELECT SAVE REG]と目的の[Dx]ソフトキーを押すことにより、トレー スの記憶に使用するデータ・レジスタを指定することができます。 トレースが記憶されると、データ・レジスタは自動的にウォータフォール表示と対になったト レース・エリアに表示されます。1つのトレースがアクティブの場合は、AとB、およびCとDが 対になっています。2トレースがアクティブの場合、AとC、およびBとDが対です。他のウォー タフォール・トレースを選択したときに、対のトレース・エリアも自動的に更新したいときは、 [AUTO SAVE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 9 - 10 ウォータフォール・バッファのスライス表示 1 「ウォータフォール・バッファの表示」の手順を行います。 2 [Marker Fctn] [WATERFALL MARKERS] [SLICE SELECT]を押します。 3 垂直スライス・マーカの場合、[WATERFALL SETUP]を押し、[SKEW ON OFF]を押してOFFを 強調表示にし、次に[Rtn]を押します。 4 ノブを回して表示するスライスを選択し、[SAVE AND DISP DATA]を押します。 本器はウォータフォール・バッファ内の各トレースのY軸値を同じX軸位置でサンプリングし、 スライスを作成します。スライス中のポイント数は、バッファ内のトレース数に等しい値です。 スライスが表示されると、X軸単位はウォータフォールのZ軸単位に合ったものになります。 [SAVE AND DISP DATA]を押した場合ついては、前述の手順を参照してください。 9 - 11 10 ディスプレイのスケーリング この章では、ディスプレイのスケーリングについて説明します。 10 - 1 Y軸オートスケールのイネーブル 1 オートスケールで使用するトレースをアクティブにします。 2 [Scale]を押し、[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 オートスケールをONにすると、トレースが更新されるたびに、トレース表示を最適化するようにY 軸の目盛が変わります。オートスケールによって、[TOP REFERENCE]、[CENTER REFERENCE]、 [BOTTOM REFERENCE]、および[Y PER DIV (DECADES)]の各ソフトキーの値が変わることに 注意してください。詳細については、 「リファレンスとY Per DivのソフトキーによるY軸のスケー リング」を参照してください。 10 - 2 リファレンスとY Per DivのソフトキーによるY軸のスケーリング 1 スケーリングで使用するトレースをアクティブにします。 2 [Scale]を押します。 3 画面の上端を変更するときは[TOP REFERENCE]、 中央を変更するときは[CENTER REFERENCE]、 また下端を変更するときは[BOTTOM REFERENCE]を押します。 4 ノブまたは矢印キーを使うか、あるいは数値を入力して基準値を変更します。 5 [Y PER DIV (DECADES)]を押し、次にノブまたは矢印キーを使うか、あるいは数値を入力して、 トレースのY軸に沿った拡大縮小を行います。 [Y PER DIV (DECADES)]の値を調整すると、現在アクティブなリファレンス(上端、中央、また は下端)は変わらず、残りのY軸がそのリファレンスを基準に拡大または縮小されます。[Y PER DIV (DECADES)]は、対数座標系を選択しているときはY軸の上端から下端までのデケード数を 設定します。また他の座標系を選択しているときは、目盛線間の距離を設定します(座標系の選 択は、[Trace Coord]ハードキーによって行います)。 ボックスで囲まれたソフトキーが、現在アクティブなリファレンスです。 10 - 3 Y軸の上端値と下端値の設定 1 スケーリングで使用するトレースをアクティブにします。 2 [Scale] [TOP REFERENCE] <数値> [BOTTOM] <数値> [ENTER]を押します。 [TOP REFERENCE]を押すと、画面の上部に入力ウィンドウが表示されます。このウィンドウ の使用方法には、次の2つがあります。 • Y軸の上端値に新しい値を入力します(前述の手順で説明)。 • Y軸の上端および下端の値として新しい値を入力します(この手順で説明)。 最初に入力する値は、Y軸の上端値になります。[BOTTOM]によってカンマが入力され、次に入 力する値がY軸の下端値であることを示します。[ENTER]を押して入力が完了すると、新しい値 が有効になります。 10 - 4 軸スケール・マーカによるY軸のスケーリング 1 スケーリングで使用するトレースをアクティブにします。 2 [Scale] [AXES SCAL MARKERS]を押し、次に[AXIS X Y]を押してYを強調表示にします。 3 [HOLD SCALE]を押し、次に[MOVE TOP]、[MOVE CENTER]、[MOVE BOTTOM]、[CHANGE WIDTH]、または[WIDTH IN DECADES]を押して移動するマーカ(1つまたは複数)を選択します。 4 ノブまたは矢印キーを使うか、あるいは数値を入力して選択したマーカ(1つまたは複数)を移動 します。 5 マーカ間を拡大するときは、[SCALE AT MARKERS]を押します。 6 これらの手順を取り消してもとに戻すときは、[FULL SCALE]を押します。 スケール・マーカは、[AXES SCAL MARKERS]を押したときに現れる2本のラインです。軸のス ケール・マーカを使えば、画面を部分的に拡大して詳しく調べることができます。画面のある 部分を拡大しても、本器の振幅や周波数の分解能は上がらないことに注意してください。単に 表示データが見やすくなるだけです。 ヒント: 軸のスケール・マーカの示す範囲をスケーリングした後、その範囲を[MOVE TOP]、 [MOVE CENTER]、[MOVE BOTTOM]、および[CHANGE WIDTH](または[WIDTH IN DECADES]) の各ソフトキーによって、続けて変更できます。 10 - 5 他のトレースのY軸目盛との整合 1 スケーリングを行うトレース(1つまたは複数)をアクティブにします。 2 [Scale] [MATCH Y SCALE]を押します。 3 目的のトレース ( それの Y 軸目盛を 1 つまたは複数のアクティブなトレースに使用 ) に対応する [TO TRACE x]を押します。 これは、複数トレースで同じY軸目盛を使用したいときに便利な方法です。この方法で目盛が調 節されるのは、互換性のある座標系に限られることに注意してください。 10 - 6 軸スケール・マーカによるX軸のスケーリング 1 スケーリングを行うトレースをアクティブにします。 2 [Scale] [AXES SCAL MARKERS]を押し、次に[AXIS X Y]を押してXを強調表示にします。 3 [HOLD SCALE]を押し、次に[MOVE LEFT]、[MOVE CENTER]、[MOVE RIGHT]、[CHANGE WIDTH]、または[WIDTH IN DECADES]を押して移動したいマーカ(1つまたは複数)を選択します。 4 ノブまたは矢印キーを使うか、あるいは数値を入力して選択したマーカ(1つまたは複数)を移動 します。 5 マーカ間を拡大するときは、[SCALE AT MARKERS]を押します。 6 これらの手順を取り消してもとに戻すときは、[FULL SCALE]を押します。 スケール・マーカは、[AXES SCAL MARKERS]を押したときに現れる2本のラインです。軸ス ケール・マーカを使えば、画面を部分的に拡大して詳しく調べることができます。画面のある 部分を拡大しても、本器の振幅や周波数の分解能は上がらないことに注意してください。単に 表示データが見やすくなるだけです。 ヒント: 軸スケール・マーカの示す範囲をスケーリングした後、 その範囲を[MOVE LEFT]、[MOVE CENTER]、[MOVE RIGHT]、および[CHANGE WIDTH](または[WIDTH IN DECADES])の各ソフ トキーによって、続けて変更できます。 10 - 7 他のトレースのX軸目盛との整合 1 スケーリングを行うトレース(1つまたは複数)をアクティブにします。 2 [Scale] [MATCH X SCALE]を押します。 3 目的のトレース(それのX軸目盛を1つまたは複数のアクティブなトレースに使用)に対応する[TO TRACE x]を押します。 これは、複数トレースで同じX軸目盛を使用したい場合に便利な方法です。この方法で目盛が調 節されるのは、互換性のある座標系に限られることに注意してください。 10 - 8 11 ディスプレイ単位の選択 この章では、表示する値の単位選択のしかたについて説明します。また、エネルギーの数量化に トランスデューサが使用する単位の選択方法についても説明します。 11 - 1 座標系の選択 1 異なった座標系で表示するトレースをアクティブにします。 2 [Trace Coord]を押します。 3 振幅対周波数(または時間)で表示する場合は、[LINEAR MAGNITUDE]、[LOG MAGNITUDE]、ま たは[dB MAGNITUDE]のどれかを押します。 4 位相対周波数で表示する場合は、[PHASE]または[UNWRAPPED PHASE]を押します。 5 時間対周波数で表示する場合は、[MORE CHOICES] [GROUP DELAY]を押します。 6 実数値または虚数値で表示する場合は[MORE CHOICES]を押し、次に[REAL PART]、 [IMAGINARY PART]、[NYQUIST DIAGRAM]、または[POLAR DIAGRAM]のどれかを押します。 座標系の選択によって、X軸およびY軸に使用する単位(次の手順で説明)が変わります。例えば 位相に使用する単位は、位相を表示する座標系にしか適用されません。 注記: [Meas Data]ハードキー下で設定するオプションによって、使用できる座標系が制限され ます。 11 - 2 周波数/時間の単位選択 1 周波数/時間の単位選択を行うトレースをアクティブにします。 2 [Trace Coord] [X UNITS]を押します。 3 [HZ (SEC)]、[CPM (SEC)]、または[ORDER (REV)]を押します。 4 [ORDER (REV)]を押した場合は、[ORDER SETUP] [HZ/ORDER RATIO]を押し、周波数を対応 する1つの次元(Hzまたはrpm)で入力します。 [HZ/ORDER RATIO]の値の設定にマーカを使用することもできます。ノブを回してマーカを1つ の次元の周波数上に置き、次に[ORDER AT MKR]を押します。 注記: [Meas Data]および[Trace Coord]のハードキー下で設定するオプションによって、使用で きるX座標単位が制限されます。 11 - 3 位相の単位選択 1 位相の単位選択を行うトレースをアクティブにします。 2 [Tracee Coord] [Y UNITS]を押します。 3 位相の値を度で表示するときは、[PHASE DEG RAD]を押してDEGを強調表示にします。 4 位相の値をラジアンで表示するときは、[PHASE DEG RAD]を押してRADを強調表示にします。 位相値は、[Trace Coord]ハードキー下で[PHASE]、[UNWRAPPED PHASE]、または[POLAR] のソフトキーのどれかを選択した場合だけ表示されます。 11 - 4 振幅の単位選択 1 振幅の単位選択を行うトレースをアクティブにします。 2 [Trace Coord] [Y UNITS]を押し、次に[VOLT]、[VOLT^2]、[V/rtHz]、[V^2/Hz (PSD)]、または[V^2s/ Hz (ESD)]のどれかを押します。 3 [AMPLITUDE PK PP RMS]を押して、ピーク振幅値を表示のときはPK、ピーク・ツー・ピーク 値を表示のときはPP、実効値を表示のときはRMSを強調表示します。 トランスデューサ単位がオンになっている場合、Yユニット・メニューのVOLTまたはVはEUに 置き換えられます。EUはエンジニアリング・ユニットの略で、トランスデューサ単位の別名で す。次の手順で、トランスデューサ単位をオンにする方法ついて説明しています。 注記: [Meas Data]および[Trace Coord]ハードキー下で設定するオプションによって、使用でき るY座標単位が制限されます。 11 - 5 トランスデューサの単位と感度の設定 1 [Input]を押し、次に[CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押してトランスデューサを接 続したチャネルを強調表示します。 2 [XDCR UNIT CHx SETUP] [XDCR UNIT LABEL]を押します(さらに単位を表示するには[MORE CHOICES]を押します)。 3 メニューのどれかにトランスデューサの入力単位があれば、そのソフトキーを押します。 または、 どのメニューにもトランスデューサの入力単位がなければ、[MORE CHOICES]メニューで自分 で単位を入力することもできます。[USER LABEL] [USER UNIT LABEL] [CLEAR ENTRY]を押 し、次にラベルを入力して[ENTER]を押します。 4 [Input] [XDCR UNIT CHx SETUP] [XDCR SENSITIVITY] <数値> <単位>を押します。 5 設定した単位および感度を表示の振幅に因子として加えたいときは、[XDCR UNIT ON OFF]を 押してONを強調表示します。 トランスデューサを使用すれば、本機で機械装置の測定を行うことができます。トランスデュー サは、入力エネルギーに比例する出力電圧を測定周波数レンジで生成しなければなりません。こ の手順で指定する単位は、入力エネルギーを数量化するために使用します。また指定した感度 は、トランスデューサの公称感度(または校正係数)です。この設定した単位および感度は、プリ セットや本器の電源をオフにしても消去されません。しかし[XDCR UNIT ON OFF]をOFFに設 定してあれば、これらは使用できません。 ステップ3でユーザー単位ラベルを入力する代りに、トランスデューサの入力単位を直接選択す る方が便利です。加速、速度、または変位単位のどれかを選択することによって、表示振幅の 単位をすばやく変換することができます。次の手順でこれを説明します。 トランスデューサの感度は、V/EU、EU/V、または1V/EUを基準としたdBで入力できます(EUは エンジニアリング・ユニットの略で、トランスデューサ単位の別名)。トランスデューサ感度の 入力には、キャリブレータおよび[CAL VALUE AT KR]ソフトキーを使用することもできます。 キャリブレータの使用法の詳細については、第1章の「トランスデューサの校正」を参照してく ださい。 11 - 6 表示トランスデューサ単位の変換 1 トランスデューサの単位の変換を行うトレースをアクティブにします。 2 [Trace Coord] [Y UNITS] [XDCR UNIT CONVERT]を押します。 3 表示の振幅値に使用する単位のソフトキーを押します。 次のトランスデューサ単位は加速度、速度、および変位の数量化に使用されます。 • g、m/s^2、inch/s^2(加速度) • m/s、inch/s(速度) • m、inch、mil(変位) 前述の手順でこれらの単位のどれかを選択してあると、表示の振幅値を他のものにすぐに変換 できます。この機能は、使用中のトランスデューサがエネルギーを数量化するのにある単位を 使用していて、測定結果の表示には別の単位を使いたいときに便利です。 11 - 7 dBmで振幅を表示 1 適当なトレースをアクティブにします。 2 [Trace Coord] [dB MAGNITUDE]を押します。 3 [Y UNITS] [dB REF SETUP] [dBm]を押します。 4 [dBm REF IMPEDANCE]を押し、測定デバイスのインピーダンスを入力します。 dBmの表示には、dB量のトレース座標を選択している必要があります。また、トランスデュー サ単位を必ずオフにしてください。トランスデューサ単位をオフにする方法については、 「トラ ンスデューサ単位の選択」を参照してください。 11 - 8 12 オンライン・ヘルプの使用法 この章では、本器のオンライン・ヘルプ機能について説明します。この機能を使うと、操作に関 する必要な情報をすばやく得ることができます。各手順では、この機能によって情報を得るため の、次の3つの方法について説明しています。 • • • ハードキーまたはソフトキーの使用法 関連トピックへのハイパーテキスト「リンク」の選択 ヘルプ・インデックスからのトピック選択 12 - 1 キーについてのヘルプ表示 1 [Help]を押します。 2 ハードキーまたはソフトキーを押します。 3 トピックが1画面に収まらないときは、ノブを使ってスクロールします。 4 ヘルプを表示したい各キーについて、ステップの2と3を繰り返します。 初めてオンライン・ヘルプをご使用になるときは、テンキーの[ 5 ]を押してオンライン・ヘルプ の概要説明をお読みください。これは全部で4ページあり、インデックスおよび相互参照の「リ ンク」など、さらに進んだヘルプ機能の説明もあります。これによって、知りたい情報がどこ にあるかすぐに捜し出すことができます。 12 - 2 関連ヘルプ・トピックの表示 1 ノブを回して、現在のヘルプ・トピックにある「リンク」を選択します。 2 [ 4 ]を押して関連トピックを表示します。 3 [ 7 ]を押してもとのトピックに戻ります。 ヘルプが表示されている画面で、関連トピックにリンクされている特別な単語(または句)がいく つか存在する場合があります。その中で強調表示されているものが、現在選択されているリン クです。他のものはアンダーラインになっています。ノブを回せば強調表示を移動しながら、リ ンクを選択することができます。選択するリンクが決まったら、[ 4 ]を押すとそのトピックが表 示されます。 20のトピックをリンクによって次々に移動し、もとのトピックに戻ることもできます。移動し てきた各リンクで[ 7 ]を1度押せば、表示した関連トピックをすべて経由して最初のトピックに 戻れます。 12 - 3 ヘルプ・インデックスによるトピックの選択 1 [Help]を押します。 2 テンキーの[ 1 ]を押してインデックスを表示します。 3 インデックスをページごとに表示したいときは、上または下の矢印キーを押します。 4 ノブを回して、ヘルプ表示を行うトピックを選択します。 5 [ 4 ]を押してそのトピックを表示します。 ヘルプ・インデックスは、アルファベット順になったヘルプ・トピックのリストです。リスト 中のトピックは、ほとんどハードキーとソフトキーに関するものですが、一般的な内容のもの もあります。この一般的なトピックは、インデックスまたは関連トピックからの「リンク」で しか選択できません。 インデックスの項目には、利用可能なヘルプ・トピックと相互参照を行うものがあります。こ れらの項目の末尾には、"(XREF)"が付いています。XREFが付いた項目のタイトルは、実際に表 示されるトピックのタイトルとは異なっています。 12 - 4 ヘルプ・トピックの印刷 1 ヘルプの表示中は、テンキーの[ 0 ]を押してオンライン・ヘルプを終了します。 2 プリンタの準備ができていないときは、第14章の説明に従ってセットします。 3 GPIBプリンタを使用する場合は、[Local/GPIB] [SYSTEM CONTROLLR]を押します。 4 オンライン・ヘルプで、印刷したいトピックを表示します。 5 テンキーの[ 8 ]を押します。 [ 8 ]を押すと、画面に表示された部分だけでなく、そのトピック全体が印刷されます。ただし、 グラフィックスは印刷されません。プリント・ファイルの作成については、第14章の「画面内 容のプロット」を参照してください。ここでは、プロットまたは印刷をしてファイルを作成す る2つの方法が説明してあります。これらのステップは、ヘルプ・トピックの印刷手順のステッ プ2の後に行います。 12 - 5 オンライン・ヘルプの終了 • [Help]を押します。 または、 テンキーの[ 0 ]を押します。 ヘルプ終了すると、その前に表示されていたメニューが再び現れます。 12 - 6 13 ファイルとディスクの操作 この章では、測定結果を本器のファイル・システムへ保存する方法について説明します。また、 その他のディスク操作についても説明します。 13 - 1 外部ディスク・ドライブの接続 1 外部ディスク・ドライブと本器の両方の電源を切り、GPIBケーブルでこれらのGPIBポートを接 続します。 2 ディスク・ドライブと本器の電源をオンにします。 3 ディスク・ドライブのGPIBアドレスを定義します。 4 本器で[Local/GPIB] [DISK ADDRESS] <数値> [ENTER]を押します。 本器と外部ディスク・ドライブの接続には、Agilent 10833 GPIBケーブルが使用できます。これ らは、長さが0.5~4mです。このケーブルは、最寄りの当社営業所にご注文ください。 ディスク・ドライブの操作やGPIBアドレスの定義については、その製品に付属のマニュアルを 参照してください。アドレスを定義したら、それを控えておきます。この値は、ステップ4の< 数値>に入力します。 GPIB コネクタ 13 - 2 デフォルト・ディスクの設定 1 [Disk Utility] [DEFAULT DISK]を押します。 または、 [Save/Recall] [DEFAULT DISK]を押します。 2 [NON-VOL RAM DISK]、[VOLATILE RAM DISK]、[INTERNAL DISK]、または[EXTERNAL DISK] のどれかを押します。 3 ステップ2で[EXTERNAL DISK]を選択した場合は、[EXTERNAL DISK UNIT] <数値> [ENTER]を 押し、次に[Local/GPIB] [SYSTEM CONTROLLR]を押します。 ファイルのセーブおよびリコールに使用するディスクを、このデフォルト・ディスクで設定し ます。これらの選択についてはオンライン・ヘルプに詳しい説明がありますが、ここでも簡単 に説明しておきます。 • [NON-VOL RAM DISK]では、本器のバッテリ・バックアップRAMを使用します。この「ディ スク」は、オプションUFFなしで約100Kバイトのデータを記憶します。オプションUFFを付 加すると、約1.1Mバイトを記憶します。どちらの場合も、本器の電源を切ってもデータは消 えません。 • [VOLATILE RAM DISK]では、本器のバッテリ・バックアップされていないRAMを使用しま す。この「ディスク」のデータは、本器の電源を切ると失われます。ただし、このディスク には2つの利点があります。不揮発性RAMよりも多くのデータを記憶できるようフォーマッ トできること、また内蔵ディスク・ドライブよりもずっと速くファイルの操作ができること です。 • [INTERNAL DISK]では、本器の内蔵ディスク・ドライブを使用します。このドライブでは、 3.5インチのフロッピーディスク(両面倍密度または高密度)を使用します。詳細については、 次の「フロッピーディスクのフォーマット」を参照してください。 • [EXTERNAL DISK]では、GPIBコネクタによって本器に接続した、外部ディスク・ドライブ を使用します。このドライブは、必ず前述の手順「外部ディスク・ドライブの接続」の説明 どおりに接続してください。このディスク・ドライブの大容量記憶装置が1 つのときは、 [EXTERNAL DISK UNIT]の値に0を入力します。2つ以上の場合は、使用する装置の数を入力 します。 13 - 3 フロッピーディスクのフォーマット 1 本器の内蔵ディスク・ドライブをデフォルトのディスクとして選択します(前述の手順参照)。 2 内蔵ディスク・ドライブに両面3.5インチのフロッピーディスクを挿入します。 3 [Disk Utility] [FORMAT DISK] [INTRLEAVE FACTOR] 0 [ENTER]を押します。 4 MS-DOS®*用のフォーマットを行うときは、[DISK TYPE LIF DOS]を押してDOSを強調表示にし ます。 または、 LIFのフォーマットを行うときは、[DISK TYPE LIF DOS]を押してLIFを強調表示にします。 5 [PERFORM FORMAT] [ENTER]を押します。 注意 メッセージ"FORMAT DISK In Progress"の表示中、あるいはディスク・ドライブの「アクセス」 ランプの点灯中に無理にディスクを取り出すと、ディスクとドライブの両方を損傷する可能性 があります。 本器でデータ保存するのに3.5インチ・フロッピーディスクを使用する場合は、必ずフォーマッ トしてください。ライト・プロテクトされていない両面ディスク(倍密度または高密度)を使用し てください。約2分半でフォーマットは完了しますが、この間に他の操作を行うことはできませ ん。フォーマットのパラメータについては、オンライン・ヘルプを参照してください。 * MS-DOSはMicrosoft Corporationの米国の登録商標です。 13 - 4 カレントDOSディレクトリの変更 1 [Disk Utility] [DEFAULT DISK] [DEFAULT DIRECTORY]を押します。 または、 [Save/Recall] [DEFAULT DISK] [DEFAULT DIRECTORY]を押します。 2 カレント・ディレクトリのサブディレクトリを新しいカレント・ディレクトリにするときは、 [CLEAR ENTRY]を押し、サブディレクトリ名を入力して[ENTER]を押します。 3 その他のディレクトリを新しいカレント・ディレクトリにするときは、[CLEAR ENTRY]を押し、 そのディレクトリまでのパスおよびディレクトリ名を入力し、[ENTER]を押します このページの下に示すように、DOSフォーマット・ディスクでは階層ディレクトリ構造を作る ことができます。カレント・ディレクトリを選択すれば、ファイルのセーブやリコールに使用 するディレクトリを指定することができます。 「パス」名には、あるディレクトリやファイルに到達するまでに通るディレクトリ名がすべて含 まれています。パスがカレント・ディレクトリから始まる場合は、パスの最初に来るのは最初 に通るサブディレクトリの名前です。メイン(ルート)ディレクトリから始まる場合、パス名の最 初は"\"で、これはルート・ディレクトリを表します。"\"記号は、パス中でディレクトリ名を 区切るのにも使用します。 下のディレクトリの例では、カレント・ディレクトリを"STATES"から"FFT"に変更するのに、次 のどちらかを入力します。 • FFT • \STATES\FFT 13 - 5 DOSディレクトリの作成 1 [Disk Utility] [DEFAULT DISK] [CREATE DIRECTORY]を押します。 または、 [Save/Recall] [DEFAULT DISK] [CREATE DIRECTORY]を押します。 2 カレント・ディレクトリでサブディレクトリを作成するときは、新しいサブディレクトリ名を 入力して[ENTER]を押します。 3 その他のディレクトリでサブディレクトリを作成するときは、そのディレクトリまでのパス名 および新しいサブディレクトリ名を入力し、[ENTER]を押します ディレクトリの作成はDOSフォーマット・ディスクでしか行えません。LIFフォーマット・ディ スクでは階層ディレクトリ構造をサポートしていないため、ディレクトリの作成はできません。 パスに関しては、前述の手順を参照してください。 13 - 6 トレースのセーブ 1 [Active Trace]を押し、[ A ]、[ B ]、[ C ]、または[ D ]のうちセーブするトレースのソフトキーを 押します。 2 [Save/Recall] [SAVE DATA] [SAVE TRACE]を押します。 3 デフォルト・ディスクのカレント・ディレクトリにトレースをセーブする場合は、[INTO FILE] を押し、ファイル名を入力して[ENTER]を押します。 4 本器の内部データ・レジスタの 1 つにトレースをセーブする場合は、そのレジスタに対応する [INTO Dx]ソフトキーを押します。 ディスクまたは本器内部のウォータフォール・レジスタに、ウォータフォールのトレースをす べて1度にセーブすることもできます。これには、ステップ2で[SAVE TRACE]の代わりに[SAVE WATERFALL]を押します。またステップ4で、[INTO Dx]の代わりに[INTO Wx]を押します。 注意 本器の電源を切ると、データ・レジスタおよびウォータフォール・レジスタの内容はすべて失 われます。電源を切る前に、大事なトレースは必ずディスクに保存してください。 トレースはどのデータ・レジスタにもセーブできますが、オプションのカーブ・フィットおよ びシンセシス機能の使用中はD6~D8を使わないようにしてください。これらのレジスタは、オ プションのカーブ・フィットおよびシンセシス機能によって使用されます。 13 - 7 プログラムのセーブ 1 [BASIC] [INSTRUMNT BASIC] [SELECT PROGRAM]を押し、次にセーブするプログラムのソフ トキーを押します。 2 プログラムをASCIIファイルにセーブする場合は、[Save/Recall] [SAVE MORE]を押し、次に [SAVE PROG ASCII BIN]を押してASCIIを強調表示にします。 3 プログラムをバイナリ・ファイルにセーブする場合は、[Save/Recall] [SAVE MORE]を押し、次 に[SAVE PROG ASCII BIN]を押してBINを強調表示にします。 4 [SAVE PROGRAM]を押し、ファイル名を入力して[ENTER]を押します。 選択したAgilentインストルメントBASICプログラムを初めてセーブするときは、[ENTER]を押 すだけでデフォルト・ディスクのカレント・ディレクトリにセーブされます。編集の後など、そ のプログラムを再度セーブする場合は、[ENTER]を押す前に[OVERWRITE FILE]を押す必要が あります。 プログラムの編集後は、この手順の説明に従ってセーブする前に、[END EDIT]を押します。た だし、編集プログラムはすでにアクティブなプログラムとして選択されているので、手順のス テップ1は必要ありません。 プログラム・ファイルのサイズを縮小するには、ASCIIファイルを選択します。ファイルのセー ブおよびリコールの時間を短縮するには、バイナリ・ファイルを選択します。 13 - 8 その他のファイルのセーブ 1 [Save/Recall]を押します。 2 タイム・キャプチャ・バッファの内容をセーブするときは、[SAVE DATA] [SAVE CAPTURE]を 押します。 3 現在の機器ステートをセーブするときは、[SAVE STATE]を押します。 4 リミット、演算定義、データ・テーブル、カーブ・フィット・テーブル、またはシンセシス・ テーブルをセーブするときは、[SAVE MORE]を押して対応するSAVEソフトキーを押します。 5 ファイル名を入力し、[ENTER]を押します。 [ENTER]を押した後、デフォルト・ディスクのカレント・ディレクトリに指定のデータがセー ブされます。リミットまたはデータ・テーブルをセーブする場合は、1トレース(最もアクティブ なトレース)がセーブされます(最もアクティブなトレースの定義については、[Active Trace]の オンライン・ヘルプを参照してください)。 計測器のステートを、"AUTO_ST"という特別なファイルにセーブすることができます。このファ イルは、[Save/Recall] [SAVE MORE] [SAVE AUTOSTATE]を押すと不揮発性RAMに作成されま す。本器をオンにすると、このファイルが自動的にロードされて本器のプリセット・ステート と置き換わります。この機能の詳細については、[SAVE AUTOSTATE]のオンライン・ヘルプを 参照してください。 13 - 9 トレースのリコール 1 [Save/Recall]を押し、[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 2 ノブを回して、リコールするトレース・ファイルを強調表示にします。 3 そのトレースの元のスケールでトレースをリコールする場合は、[RECALL DATA] [RCL TRACE AND SCALE]を押します。 4 使用するデータ・レジスタのスケールでトレースをリコールする場合は、[RECALL DATA] [RCL TRACE]を押します。 5 使用するデータ・レジスタの[FROM FILE INTO Dx]ソフトキーを押し、[ENTER]を押します。 6 [Active Trace]を押し、[ A ]、[ B ]、[ C ]、または[ D ]のうち置き換えるトレースのソフトキーを 押します。 7 [MEAS DATA] [MORE CHOICES] [DATA REGISTER]を押し、ステップ5で指定したデータ・レ ジスタの[Dx]ソフトキーを押します。 ファイルからのトレースは、常にデータ・レジスタにリコールされます。ステップ4とステップ 5を行えば、そのレジスタの内容を表示用に選択することによって、リコールしたトレースを見 ることができます。トレースをファイルでなくデータ・レジスタにセーブした場合は、ステッ プ6とステップ7だけでそのトレースをリコールすることができます。 トレースはどのデータ・レジスタにもセーブできますが、オプションのカーブ・フィットおよ びシンセシス機能の使用中はD6~D8を使わないようにしてください。これらのレジスタは、オ プションのカーブ・フィットおよびシンセシス機能によって使用されます。 13 - 10 プログラムのリコール 1 [BASIC] [INSTRUMNT BASIC] [SELECT PROGRAM]を押し、次に使用するプログラム・バッ ファのソフトキーを押します。 2 [Save/Recall]を押し、次に[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 ノブを回して、リコールするプログラム・ファイルを強調表示にします。 4 [RECALL MORE] [RECALL PROGRAM] [ENTER]を押します。 リコールしたAgilentインスツルメントBASICプログラムは、本器の5つある独立プログラム・ バッファのどれにでもロードすることができます。ただしプログラム・バッファへのロードを 行う前に、それをアクティブなバッファとして選択しておかなければなりません。ステップ1で、 アクティブなバッファを選択しています。 13 - 11 その他のファイルのリコール 1 [Save/Recall]を押し、次に[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 2 ノブを回して、リコールするファイルを強調表示にします。 3 タイム・キャプチャ・バッファにデータをリコールするときは、 [RECALL DATA] [RECALL CAPTURE] を押します。 4 機器ステートをリコールするときは、[RECALL STATE]を押します。 5 リミット、演算定義、データ・テーブル、カーブ・フィット・テーブル、またはシンセシス・ テーブルをリコールするときは、[RECALL MORE]を押し、対応するRECALLソフトキーを押し ます。 6 [ENTER]を押します。 強調表示されたファイルは、押したRECALLソフトキーにそのデータ内容が合っている場合し かリコールされません。リミットまたはデータ・テーブルをリコールする場合、アクティブな トレースのすべてにリコールされます。 ファイルをリコールする場合、最初にディスク・カタログを表示して必要なファイルを強調表 示させれば、リコールが容易になります。これを行うと、RECALLソフトキーを押すと現れる 入力ウィンドウに、ファイル名が自動的に入力されます。後は[ENTER]を押してファイルをリ コールするだけです。カタログを最初に表示しないときは、[ENTER]を押す前に入力ウィンド ウにファイル名を入力しなければなりません。 13 - 12 ファイルの削除 1 [Disk Utility]を押し、[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 2 ノブを回して、削除するファイルを強調表示にします。 3 [DELETE] [ENTER]を押します。 [ENTER]を押すと、強調表示したファイルがデフォルト・ディスクのカレント・ディレクトリ から削除されます。カレント・ディレクトリからすべてのファイルを削除するときは、ステッ プ3で[DELETE ALL FILES] [ENTER]を押します。 13 - 13 DOSディレクトリの削除 1 削除するディレクトリから、ファイルをすべて削除します(前述の手順参照)。 2 カレント・ディレクトリを変更します(この章に前述の手順参照)。 3 [Disk Utility] [DEFAULT DISK] [DELETE DIRECTORY]を押します。 4 [CLEAR ENTRY]を押し、削除するディレクトリまでのパス名とディレクトリ名を入力し、 [ENTER]を押します。 サブディレクトリを持つディレクトリを削除する場合は、まずサブディレクトリを削除します(上 の手順による)。パスについての説明は、この章で前述した「カレントDOSディレクトリの変更」 にあります。 13 - 14 ファイルのコピー 1 [Disk Utility]を押し、[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 2 ノブを回して、コピーするファイルを強調表示にします。 3 [COPY FILE] [SOURCE FILENAME] [ENTER]を押します。 4 [DESTINATN FILENAME]を押し、ディスク指定子(省略可)、パス(省略可)、およびコピー先の ファイル名を入力して[ENTER]を押します。 5 [PERFORM FILE COPY]を押します。 ステップ4でディスク指定子やパス名を入力しないと、ファイルはデフォルト・ディスクのカレ ント・ディレクトリにコピーされます(パスについては、 「カレントDOSディレクトリの変更」参 照)。本器のファイル・システムは、4つのディスク指定子(1種類のディスクに1つ)を認識します。 • NVRAM: 不揮発性RAMディスク • RAM: 揮発性RAMディスク • INT: 内蔵3.5インチ・フロッピー用ディスク・ドライブ • EXT: 外部GPIBディスク・ドライブ これらのディスク指定子によって、デフォルト・ディスクから他の3つのディスクにファイルを コピーすることができます。例えば、内蔵のディスク・ドライブ(現在選択しているデフォルト・ ディスク)から、ファイルmeas1.datを不揮発性RAMディスクへコピーするとします。ステップ 3で[DESTINATN FILENAME]を押した後、ノブを回してカーソルをmeas1.datの最初に置き、 NVRAM:と入力します。そして[ENTER]および[PERFORM FILE COPY]を押すと、不揮発性RAM ディスクにmeas1.datがコピーされます。 13 - 15 ファイルのリネーム 1 [Disk Utility]を押し、[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 2 ノブを回して、リネームするファイルを強調表示にします。 3 [RENAME FILE] [ORIGINAL FILENAME] [ENTER]を押します。 4 [NEW FILENAME]を押し、新しいファイル名を入力して[ENTER]を押します。 5 [PERFORM RENAME]を押します。 13 - 16 14 プロットと印刷 この章では、プロッタとプリンタのセットアップについて説明します。また、画面内容をプロッ トまたは印刷する方法についても説明します。 14 - 1 ハードコピー機器のセットアップ - パラレルの場合 1 ハードコピー機器と本器の両方の電源を切り、セントロニクス・パラレル・ケーブルを使って これらのパラレル・ポートを接続します。 2 ハードコピー機器と本器の電源をオンにします。 3 ハードコピー機器の設定がパラレルであることを確認します。 4 [Plot/Print] [PLOT/PRNT DESTINATN] [OUTPUT TO PARALELL]を押して、本器をパラレルに 設定します。 5 [Rtn] [PLOT/PRNT DEVICE]を押し、次に本器に接続したハードコピー機器タイプのソフトキー を押します([HP-GL PLOTTER]、[RASTER PRINTER]、または[HP-GL PRINTER])。 Agilent 92284Aパラレル・ケーブルを使用すれば、ほとんどの当社製のプロッタまたはプリンタ を本器に接続することができます。このケーブルや他の付属品は、最寄りの当社営業所にご注 文ください。ここで使用するケーブルには、3メートル以内のものをご注文ください。 ハードコピー機器のパラレル設定については、その製品に付属のマニュアルを参照してくださ い。また設定パラメータの詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。パラレ ル・ポートの各ピンに接続されている信号については、[PLOT/PRNT DESTINATN]ソフトキー のオンライン・ヘルプを参照してください。 14 - 2 ハードコピー機器のセットアップ - シリアルの場合 1 ハードコピー機器と本器の両方の電源を切り、RS-232-Cケーブルでこれらのシリアル・ポートを 接続します。 2 ハードコピー機器と本器の電源をオンにします。 3 ハードコピー機器の設定がシリアルであることを確認します。 4 [Plot/Print] [MORE SETUP] [SERIAL SETUP]を押し、現れたメニューの各ソフトキーを、その 値がハードコピー機器の条件に合うまで押します。 5 [Plot/Print] [PLOT/PRNT DESTINATN] [OUTPUT TO SERIAL]を押し、本器をシリアル設定にし ます。 6 [Rtn] [PLOT/PRNT DEVICE]を押し、 次に本器に接続した機器の種類に対応する[HP-GL PLOTTER]、 [RASTER PRINTER]、または[HP-GL PRINTER]ソフトキーを押します。 Agilent 24542Gシリアル・ケーブルを使用すれば、ほとんどの当社製のプロッタまたはプリンタ は本器に接続することができます。このケーブルや他の付属品は、最寄りの当社営業所にご注 文ください(ケーブルの選択については、[PLOT/PRNT DESTINATN]のオンライン・ヘルプを参 照してください。シリアルポートの各ピンに、接続されている信号の説明があります)。ここで 使用するケーブルには、15メートル以内のものをご注文ください。 [SERIAL SETUP]メニューのソフトキーに設定する値については、ハードコピー機器に付属のマ ニュアルを参照してください。マニュアルが入手できないときは、以下の事項を参考にしてス テップ4を行ってください。 • 信頼性の高いプロットや印刷を行うために最高のボーレートを選択します。 • たいていのハードコピー機器では、7または8キャラクタ・ビットおよび1ストップ・ビット を使用しています。 • 8キャラクタ・ビットを使用する機器では、通常[PARITY]をNONEに設定します。 • たいていのハードコピー機器は、[XMIT PACE]がXON/XOFFの設定で動作します。 • [PRTY CHK]および[RCVR PACE]の設定は無視してかまいません。これらはプロットや印刷 では使用しません。 シリアル・ポートの位置については、前述の手順を参照してください。 14 - 3 ハードコピー機器のセットアップ - GPIBを使用した場合 1 ハードコピー機器と本器の両方の電源を切り、GPIBケーブルでこれらのGPIBポートを接続します。 2 ハードコピー機器と本器の電源をオンにします。 3 ハードコピー機器の設定をGPIBにして、その機器のGPIBアドレスを決めます(次の2つのステッ プの1つで<数値>にその値を入力します)。 4 ハードコピー機器がプロッタの場合は、[Local/GPIB] [PLOTTER ADDRESS] <数値> [ENTER] を押します。 5 ハードコピー機器がプリンタの場合は、[Local/GPIB] [PRINTER ADDRESS] <数値> [ENTER] を押します。 6 [Plot/Print] [PLOT/PRNT DESTINATN] [OUTPUT TO GPIB]を押します。 7 [Rtn] [PLOT/PRNT DEVICE]を押し、次に本器に接続したハードコピー機器の機種に対応するソ フトキーを押します([HP-GL PLOTTER]、[RASTER PRINTER]、または[HP-GL PRINTER])。 Agilent 10833 GPIBケーブルを使用すれば、ほとんどの当社製のプロッタまたはプリンタを本器 に接続することができます。このケーブルの長さはは0.5~4mです。最寄りの当社営業所にご注 文ください。 ハードコピー機器のGPIB用の設定やGPIBアドレスの設定については、その製品に付属のマニュ アルを参照してください。また設定パラメータの詳細については、オンライン・ヘルプを参照 してください。 GPIB ポート 14 - 4 画面内容のプロット 1 プロッタをセットアップします。 2 GPIBポートを使ってプロットする場合は、[Local/GPIB] [SYSTEM CONTROLLR]を押します。 3 [Plot/Print] [PLOT DATA SELECT]を押し、プロットする画面部分に対応するソフトキーを押し ます([ALL]、[TRACE]、[TRACE MARKER]、[MARKER REFERENCE]、または[GRID])。 4 [Rtn] [START PLOT/PRNT]を押します。 また、デフォルト・ディスクのカレント・ディレクトリにプロット・ファイルを作成すること ができます。これには、ステップ3の後に次の2つのステップを追加します。 • [Plot/Print] [OUTPUT FILENAME]を押し、ファイル名を入力して[ENTER]を押します。 • [PLOT/PRNT DESTINATN] [OUTPUT TO FILE]を押します。 プロット・ファイルの作成後、後続のプロットが適切なポートに向けて行われるように、[PLOT/ PRNT DESTINATN]を必ずもとの設定に戻します。プロットの宛先とプロット・データの選択の 詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 14 - 5 画面内容の印刷 1 プリンタをセットアップします。 2 GPIBポートを使って印刷する場合は、[Local/GPIB] [SYSTEM CONTROLLR]を押します。 3 [Plot/Print] [START PLOT/PRNT]を押します。 この手順により、ソフトキーラベルを除く画面内容全部が印刷されます。プリンタ・ファイル を作成する場合は、前述の「画面内容のプロット」を参照してください。プロットや印刷をファ イルに落とすための追加の2つのステップについての説明があります。これは、この手順のス テップ2の後に行います。 ハードコピー機器の設定で[HP-GL PRINTER]を選択していると、前述での説明のように画面内 容を印刷できます。HP-GLプリンタの詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 14 - 6 プロットまたは印刷の注釈 1 [Plot/Print] [MORE SETUP]を押し、[TITLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 2 [TITLE LINE 1]を押し、注釈の1行目を入力して[ENTER]を押します。 3 [TITLE LINE 2]を押し、注釈の2行目を入力して[ENTER]を押します。 4 日付と現在の時刻を入れる場合は、[TIME STMP ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 「画面内容のプロット」または「画面内容の印刷」の手順を行います。 タ イム スタ ンプ のフ ォー マッ トを 変更 する には、[System Utility] [CLOCK SETUP] [TIME STMP SETUP]を押してから使用するフォーマットのソフトキーを押します。タイムスタンプの フォーマットの詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 14 - 7 プロッタ・ペンの再割当て 1 [Plot/Print] [PLOT PENS SETUP]を押します。 2 ペン割当てを変更する、プロット・コンポーネントのソフトキーを押します。 3 選択したプロット・コンポーネントで使用するペンの回転板番号を入力し、[ENTER]を押します。 マーカに数種類のペンを割当てている場合は、[PLOT PENS SETUP] の後に[MARKER PEN SETUP]を押してください。プロット・コンポーネントすべてをデフォルトのペン割当てに戻す ときは、[DEFAULT PENS]を押します。 14 - 8 プロット速度の変更 1 [Plot/Print] [MORE SETUP] [PLOT PEN SPEED] [USER SPEED]を押します。 2 [USER PLOT SPEED]を押し、使用するプロッタに使用できる速度(単位はcm/sを使用)を入力し て[ENTER]を押します。 プロッタが速度を選択する場合は、ステップ1で[USER SPEED]の代わりに[DEFAULT SPEED] を押し、ステップ2は行いません。Agilent 7550Aなどのプロッタによっては、使用中のペンのタ イプに最適のプロット速度を自動的に選択します。サポートされるプロット速度の範囲につい ては、ご使用のプロッタのマニュアルを参照してください。 14 - 9 プロットの位置決め 1 [Plot/Print] [MORE SETUP] [P1 P2 SETUP]を押し、次に[USER P1P2 ON OFF]を押してONを 強調表示にします。 2 [USER P1 X]および[USER P1 Y]のソフトキーを使って、プロットの左下端の水平位置と垂直位 置を入力します。 3 [USER P2 X]および[USER P2 Y]のソフトキーにより、プロットの右上端の水平位置と垂直位置 を入力します。 画面内容のプロットを行うときに、ステップ2とステップ3で設定したエリアがプロット位置と して決定します。プロッタの制御でプロット位置を決めるときは、ステップ1で[USER P1P2 ON OFF]の強調表示をOFFにし、ステップ2とステップ3は行いません。適切なP1およびP2の値の設 定については、ご使用のプロッタのマニュアルを参照してください。 14 - 10 15 オプション1D3 シンセシス機能 15 - 1 シンセシス機能 シンセシス機能によって、H(s)モデルをベースにした周波数応答トレースを生成します。この機 能を使用すれば、理論的回路の周波数応答を見ることができます 図15-1 シンセシス・モデル [Analys]ハードキー下のシンセシス・メニューで、伝達関数からのパラメータをシンセシス・ テーブルに入力することができます。FFT解析モードまたはスエプト・サイン・モードでこのシ ンセシス・テーブルを使用し、本器は周波数応答トレースを生成します。一度このシンセシス・ テーブルを作成すると、トレースや演算機能のようにこれを記憶しておくことができます。 この章では、シンセシス機能の使用方法について説明します。特定のソフトキーの詳細につい ては、オンライン・ヘルプを参照してください。 15 - 2 シンセシスの計算 シンセシス・トレースは、単位がHzのX軸で表示します。したがってH(s)に対し、極の位置など のパラメータはHzにしなければなりません。H(s)のシンセシス方程式は、次のようになります。 H(s)|s =jω ラプラス伝達関数はラジアンで表されますが、ディスプレイのX軸はラジアンでないので、Hz でスケーリングする必要があります。 Hzで表すようにH(s)を修正する場合は、DCゲインを一定に保つようにH(s)のゲインを調整する 必要があります。 正のjω軸に沿ってH(s)を求める。 15 - 3 シンセシス・テーブルとデータ形式 シンセシス・テーブルには、シンセシス機能を使用するときに本器が使うデータがあります。こ のデータは、極とゼロ(あるいは極/留数または多項式)の位置とゲイン、遅延、または周波数ス ケール・パラメータから成っています。テーブルのデータの形式は、一般的に使用される次の3 つのどれかです • 極 - ゼロ • 極 - 留数(部分分数) • 多項式 シンセシス・テーブルを別の形式に変換することで、いつでもシンセシス・テーブルのデータ 形式を変更することができます。このうち、極-ゼロ形式での数値が最も正確です。 極-ゼロ形式 極-ゼロのデータでは、シンセシス・テーブルは2つのカラムに分かれていて、左側が極、右側が ゼロです。極(またはゼロ)は実数、または複素共役対のどちらかです(共役対条件は、エルミー ト対称極-ゼロ・データだけがサポートされることを意味します)。 共役対の極またはゼロ、および実数の極またはゼロは、すべて1行を使います。実数の極は「単 純極」、実数のゼロは「単純ゼロ」とも呼ばれます。A±jBは、複素共役対と虚数部を持たない 単純極またはゼロとを区別します。 シンセシス・テーブルは、最大20極および20ゼロから成ります。順序は重要ではありません。 テーブルでは、実数または複素極-ゼロ・データのどんな組合せも可能です。ただし、全行に共 役対があると、テーブルは最大10行に制限されます。 15 - 4 極-ゼロ方程式 伝達関数を極-ゼロ形式で表すと、式は次のようになります。 H(s) = K ここで、 (s-Z1)(s-Z2)(s-Z2*)..(s-Zn) (s-P1)(s-P2)(s-P3)(s-P3*)..(s-Pm) *は共役 Kはシステム・ゲイン Pは極位置(-σp±jBp) Zはゼロ位置(-σz±jBz) この式は、シンセシス・テーブルの極-ゼロ・データを解釈する上での基礎となります。極およ びゼロ位置の単位はHzです。シンセシスの間、本器はsをjfに置き換えます(fは周波数で単位は Hz)。 極-ゼロ・データ 極-ゼロ・データは、次のようにシンセシス・テーブルで表されます。 H(s) = 1x106(s+600) (s+250)(s+500-j2000)(s+500+j2000) ここで、極およびゼロの項はHz(したがって、周波数スケール=1.0を使用) 15 - 5 極-留数(部分分数)形式 ラプラス変数の極-留数形式は、機械的共振を表すのに最も一般的に使われます。極-留数データ では、シンセシス・テーブルは2つのカラムに分けられており、左側が極で右側が留数です。留 数は、部分分数展開における各極の項での分子の定数の別名です。 極は単純(実数)か、または複素共役対として入力できます。極およびその留数は、シンセシス・ テーブルで常に同じ行にあります(これに対し極-ゼロ・テーブルでは、順序は問題ではありませ ん)。A±jBは、複素共役極対と単純極とを区別します。 複素共役極の対は部分分数展開での2項に相当するので、留数もまた複素共役対として解釈され ます。 極-留数データでは、シンセシス・テーブルは最大20行の単純極および単純留数から成ります。 ただしテーブルがすべて複素共役対で構成されるときは、テーブルは最大10行に制限されます。 極-留数方程式 伝達関数を極-留数形式で表すと、式は次のようになります。 H(s)=K[c1s0+c2s1+..+ A2 A2* A3 A3* A4 A4* A1 + + + + + + +..] (s - P1) (s - P2) (s - P3) (s - P3)2 (s - P2*) (s - P3*) (s - P*3)2 ここで、 *は共役 Kはシステム・ゲイン Pは極の位置 Aは留数(定数、おそらく複素数) cは分子次数≧分母次数による項 この式は、シンセシス・テーブルの極-留数データを解釈する上での基礎となります。極の位置 の単位はHzです。シンセシスの間、本器はsをjfに置き換えます(fは周波数で単位はHz)。同じ極 が2度以上入力されると、極の項はカッコで括られその次数は^nで示されます(ここでnは乗数)。 分子次数が分母次数よりも小さい場合、c項はありません。 15 - 6 極-留数では、多次数の極として認識されるためにシンセシス・テーブルの値は一致していなけ ればなりません。したがって、シンセシス・テーブルを多項式から極-留数形式に変換した場合、 同じと思われる極を加えても変換における丸め誤差により、おそらく同じ極としては認識され ません。 極-留数方程式 この極-留数方程式は、対応する極-ゼロ方程式の部分分数展開から得られます。 極-ゼロ方程式 H(s) = 1x106(s+600) (s+250)(s+500-j2000)(s+500+j2000) 極-留数方程式 H(s) = 86.154 s+250 + -43.077-j244.62 s+500-j2000 + -43.077+j244.62 s+500+j2000 単純極の復元 シンセシス・テーブルから極-留数方程式を復元するには、極とその留数を結合する必要があり ます。極とその留数は、シンセシス・テーブルで常に同じ行にあります。 単純留数と単純極の方程式は、 ( 留数 ) s-( 単純極 ) ここで、 (留数)はテーブルの実数留数とその符号 (単純極)はテーブルで留数の向かい側に示される実数極とその符号 ここで単純極の上に複素共役留数を置くと、非エルミート対称伝達関数となり、これは合成で きません。また、テーブルの変換もできません。テーブル形式変換を試みて、極-留数シンセシ ス・テーブルからの係数がテーブルにあると、"Not Hermitian"のメッセージが表示されます。ま た本器のカーブ・フィッタは、非エルミート周波数応答トレースでは機能しません(極-ゼロ形式 では非エルミート・テーブル入力ができないため)。 15 - 7 複素共役極の対の復元 極-留数テーブルでは、本器が共役極対について行うと仮定するために、複素留数の虚数部符号 は重要になります。複素極項と違い、複素留数の虚数部は符号を持つことができます。 複素留数と複素極の公式は、 ( 留数の実数部 )+j( 留数の虚数部 ) s-( 極の実数部 )-j( 極の虚数部 ) + ( 第 1 共役項 ) ( 留数の実数部 )-j( 留数の虚数部 ) s-( 極の実数部 )+j( 極の虚数部 ) ここで、 (実数部)は実数値とその符号 (虚数部)は虚数値とその符号 - 極については正と考える 複素留数の虚数部符号と第1共役項を結合すると、複素共役極の対の虚数部符号の代表となりま す。第2共役項は、第1共役項の留数と極の共役をとることにより得られます。 単純(実数)留数と複素共役極対の場合、公式は、 ( 留数 ) s-( 極の実数部 )-j( 極の虚数部 ) + ( 留数 ) s-( 極の実数部 )+j( 極の虚数部 ) ここで、 (留数)はテーブルの実数留数とその符号 (実数部)は実数値とその符号 (虚数部)は虚数値とその符号 - 極については正と考える この場合、留数には虚数部がありません。したがって、留数と複素共役極対との間に符号の関 連はありません。ばね-質量-ダンピング・システムの変位または加速度を合成する場合、留数は 虚数、すなわち実数部はゼロです。速度を合成する場合、留数は実数です。 15 - 8 次の表は、シンセシス・テーブルの可能なすべての符号入力での第1共役項の復元法を示してい ます。留数の実数部と虚数部の両方が負である場合があるので、留数について可能なテーブル 入力が4つあります(表15-1参照)。極の実数部のみが負であるので、極については可能なテーブ ル入力が2つあります(表15-2参照)。表15-1はテーブル入力例の分子定数、表15-2はその分母を示 しています。 表15-1 第1共役項の復元 - 留数 表入力 分子定数(留数) .5±j 1.0 .5+j1.0 -.5±j 1.0 -.5+j1.0 -.5±j-1.0 -.5-j1.0 .5±j-1.0 .5-j1.0 表15-2 第1共役項の復元 - 極 表入力 分母(極) .6±j 2.0 s-.6-j2.0 -.6±j 2.0 s+.6-j2.0 15 - 9 極-留数データ これはシンセシス・テーブルの極-留数データの例です。 (テーブルの実数部) (テーブルの虚数部) H(s) = (86.154) s-(-250) H(s) = 86.154 s+250 + (-43.077)-j(-244.62) s-(-500)-j(2000) + -43.077-j244.62 s+500-j2000 + + (-43.077)-j(-244.62) s-(-500)+j(2000) -43.077+j244.62 s+500+j2000 (第1共役項) このテーブル中には次のものがあります。 ○ 1つの単純極と随伴する1つの単純留数 ○ 1つの複素共役極対と随伴する1つの 複素共役留数 第1共役項を共役することにより、第2共役項が得られます。 15 - 10 多項式形式 多項式の比の形式を使用するシンセシスを、多項式と呼びます。多項式データでは、シンセシ ス・テーブルは2つのカラムに分けられており、左側が分子多項式で右側が分母多項式です。テー ブル入力は、s多項式の係数と解釈されます。 シンセシス・テーブルの第1行目はs0 の分子および分母係数に相当します。第2行目はs1、n行目 はsn-1に相当します。 20次多項式は、シンセシス・テーブルの最高次多項式入力となります。 多項式方程式 伝達関数を多項式形式で表すと、式は次のようになります。 H(s) = K (a1s0+a2s1+a3s2+...ansn-1) (b1s0+b2s1+b3s2+...bmsm-1) ここで、 K(第1共役項)はシステム・ゲイン この式は、シンセシス・テーブルの多項式データを解釈する上での基礎となります。多項式係 数の単位はHzです。シンセシスの間、本器はsをjfに置き換えます(fは単位がHzの周波数)。 15 - 11 多項式比 次に示すのは、極-ゼロ伝達関数方程式の多項式の比です。 極 - ゼロ方程式 : H(s) = 1x106(s+600) (s+250)(s+500-j2000)(s+500+j2000) 多項式方程式 : H(s) = 15 - 12 1x106s+600x106 s3+1.25x103s2+4.5x106s+1.062x109 データ形式の変換 これまで説明したように、シンセシス・テーブルのデータは極-ゼロ、極-留数、または多項式の 各形式です。これらの間で、データ形式の変換を行うことができます。 空のテーブル(H(s)=1と解釈される)を極-留数形式に変換すると、極-留数テーブルに1s^0の留数 項が現れます。この項は、シンセシス方程式にただ「1」を加えるだけです。s^n項はローラン項 と呼ばれます。ローラン項は、シンセシス・テーブルで編集ができません。1s^0の留数項が必要 なければ、そのテーブルを消去してください。 空のテーブルを多項式形式に変換すると、多項式テーブルにデフォルトの1s^0項が現れます。こ の項は、シンセシス方程式の分子と分母に「1」を加えるだけです。デフォルトの1s^0項が必要 なければ、そのテーブルを消去してください。 不要なテーブル変換は避けてください。演算機能に精度(64ビット)の制限があるために、テーブ ル変換は完全に正確にはなりません。わずかな変化もなく、ある形式から他へ変換し、また元 に戻すのは常に可能な訳ではありません。 テーブルの数値範囲は、IEEE 64ビット倍精度です。数値表示は浮動小数点のみです。 DCにおいて無限利得で関数を合成し(K/S2)、DCビンにゼロを置くと、マーカの表示はNaNとな り、これは"Not A Number"(非数字)を表します。 テーブル形式変換を試みたとき、極留数または多項式のシンセシス・テーブルからの係数がテー ブルにあると、"Not Hermitian"のメッセージが表示されます。本器のカーブ・フィッタは、非エルミー ト周波数応答トレースでは機能しません(現実には非エルミートのシステムが不可能なため)。 15 - 13 シンセシス・テーブルの表示 - 極-ゼロ形式 1 [Analys] [SYNTHESIS]を押します。 極-ゼロ形式のテーブルがない場合は、 [CONVERT TABLE] [CONVRT POLE ZERO]を押します。 2 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 左カラムの内容は極、右カラムはゼロです。 • 極(またはゼロ)は、実数(単純)または複素共役対です。 • A±jBは、複素共役対と単純極あるいはゼロとを区別します。 不必要なテーブル変換は避けてください。 15 - 14 テーブル形式の選択/変換 - 極-留数形式 1 [Analys] [SYNTHESIS] [CONVERT TABLE]を押します。 2 [CONVRT TO POLE RESD]を押します。 3 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 左カラムの内容は極、右カラムは留数です。 空のテーブル(H(s)=1と解釈される)を極-留数形式に変換すると、1s^0の留数項が現れます。1s^0 の留数項が必要なければ、そのテーブルを消去してください。 不必要なテーブル変換は避けてください。 15 - 15 テーブル形式の選択/変換 - 多項式形式 1 [Analys] [SYNTHESIS] [CONVERT TABLE]を押します。 2 [CONVRT TO POLYNMIAL]を押します。 3 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 左カラムが分子多項式で右カラムが分母多項式です。テーブル入力は、s多項式の係数と解釈さ れます。n行目がsn-1に相当します。 空のテーブルを多項式形式に変換すると、デフォルトの1s^0極の虚数部項が現れます。デフォ ルトの1s^0項が必要なければ、そのテーブルを消去してください。 不必要なテーブル変換は避けてください。演算機能に精度制限があるために、テーブル変換は 完全に正確ではありません。 15 - 16 シンセシス・テーブルの作成 シンセシス・テーブルへは、いつでもデータを入力することができます。シンセシス演算を行 うには、FFT解析モードまたはスエプト・サイン・モードのどちらかでなければなりません。 データの入力 極-ゼロ・テーブルでは、最大20の極および20のゼロ、または10の共役極-ゼロ対を入力できま す。順序は重要ではありません。実数または複素数の極-ゼロ・データのどんな組合せも可能で す。ただし、全行に共役対があると、最大10行しか入力できません。共役対の条件は、エルミー ト対称極-ゼロのデータだけがサポートされることを意味します。 極-留数テーブルでは、最大20行の単純極および単純留数が入力できます。ただし、複素共役対 をすべて入力する場合は、最大10行の入力になります。 多項式テーブルでは、入力可能な多項式は20次多項式です。 15 - 17 ゲイン係数の入力 オプションのパラメータを入力し、シンセシスの周波数応答関数にゲインを設定することがで きます。ゲイン係数のデフォルト値は1.0です。ゲイン係数は、テーブルの最下部に表示されます。 ゲイン係数の使用法 次に示す例では、ゲイン係数を使用して20kHzのローパス・フィルタを合成しています (シングル極)。 H(jf)=1/(s+20000) 上の式は、極-ゼロ形式により、-20kHzで極を入力した場合です。これによって、1/20000 (-86dB)の通過帯域ゲイン(0Hzで)が得られます。0dBのゲインを得るには、20000のゲイン 係数を入力します。式は次のようになります。 H(jf)=20000/(s+20000) ゲインは0Hzで1(0dB)となります。 DCゲインを一定に保つ方法 極-ゼロまたは多項式伝達関数でDCゲイン を一定に保つには、ゲインを係数(2π)(n-m)で 調整します。ここで、nは分子の次数、mは 分母の次数です。 15 - 18 極-留数伝達関数でDCゲインを一定に保つ には、部分分数展開の各項でゲインを調整 する必要があります。単純極の場合、これ は留数を2π で割ることになります。複素共 役極対の場合は、留数を(2π)2で割ります。 遅延の入力 必要に応じて、シンセシス演算に遅延を入力することができます。遅延は、サンプル・システ ムの計算遅延や、移送遅延をシミュレートするのに使用できます。負の遅延は、先行すること になります。 遅延は、マイクロ秒(µS)、ミリ秒(mS)、または秒(S)で表します。デフォルトは0秒で、これはシン セシスに影響しません。0以外の遅延(t)を入力した場合、H(s)シンセシスは次の乗数を持ちます。 e -j2πft ここで、 fは単位がHzの周波数 tは遅延 遅延は、テーブルの最下部に表示されます。時間ドメインの遅延は、周波数領域プロットで線 形位相ランプとして現れます。 15 - 19 周波数スケールの入力 この係数は、周波数軸(X軸)を次の式でスケーリングします。 f スケール周波数 ここで、 fは単位がHzの周波数 周波数はHzで入力し、その範囲は10-6~10+6です。デフォルトの値は1Hz/Hz(つまり、数値入力 の最後に単位キーを使用した場合でも無単位)です。多項式係数がラジアンのとき、(2π)nで割ら ずに周波数を1/2πでスケーリングし、適正なX軸のスケーリングを行うことができます。 周波数軸をラジアンにする場合は、1/(2π)のスケール周波数を入力します。単位キーがmHz、kHz、 およびHzとなっていてもH(s)の入力パラメータはラジアンです。周波数軸は常にHz(ヘルツ)と表 示されますが、X軸カーソルはラジアンと解釈されません。シンセシス・テーブルでは周波数ス ケールによる単位は表示されませんが、これは周波数スケール演算であり、Hz/Hz、Hz/kHz、ま たはHz/mHzのような単位を持つためです。 スケール周波数の使用法 スケール周波数機能により、スケーリング値を1/(2π)に設定して極-ゼロ・データをラジアン /秒からHzにスケーリングすることができます。次に示すのは、同一のものです。 Hz スケール周波数 -1の極 1 ラジアン スケール周波数 -6.28318の極 0.159155 極を-6.28Hzと入力しても、周波数スケールの設定が1/(2π)の場合、その極は-1Hz(-6.28 ラジアン)のものとして表示されます。 15 - 20 シンセシス・テーブルの作成 1 [Analys] [SYNTHESIS]を押します。 2 テーブル形式を選択します。前述の手順参照。 3 [EDIT TABLE]を押します。 最初のカラムで、<数値> <単位>を入力します。 複素共役対の入力のときは、複素対の虚数部を指定するためには[ +j ]を押します。 4 ノブで強調表示バーを左カラムに移動します。 <数値> <単位>を入力します。 複素共役対の入力のときは、複素対の虚数部を指定するためには[ +j ]を押します。 5 追加の入力がある場合は、ノブで強調表示バーを移動し、ステップ2とステップ3を繰り返します。 6 入力ミスの場合は、変更したい入力に強調表示バーを移動します。 [CHANGE VALUE] <数値> <単位>を押します。 7 [Rtn]を押します。 テーブルの最大入力数はテーブル形式によって異なります。前項の「データの入力」を参照し てください。 15 - 21 シンセシス演算へのゲイン係数、遅延、および周波数スケールの入力 1 シンセシス・テーブルを作成表示します。 2 [SYNTHESIS SETUP]を押します。 3 [GAIN FACTOR] <数値>を押します。 4 [TIME DELAY] <数値> <単位>を押します。 5 [FREQUENCY SCALE] <数値> <単位>を押します。 15 - 22 シンセシス・テーブルの消去 1 [EDIT TABLE]を押します。 2 [CLEAR TABLE]を押し、次に[CONFIRM CLEAR]を押します。 注意 消去を行うと回復は不可能です。詳細については、オンライン・ヘルプを参照してください。 15 - 23 シンセシスの実行 シンセシス・テーブルへの入力が完了すると、シンセシスを実行することができます。シンセ シス・トレースのシンセシス周波数スパンおよびX軸データ間隔は、本器の設定によって変わり ます。 本器は測定用に設定した周波数スパンを使用して、シンセシスの開始と終了の周波数を決めま す。例えば、開始周波数0Hzでスパンを12.8kHzに設定できます。一度開始と終了の周波数を設 定すると、次のシンセシス演算で設定し直す必要はありません。 X軸のシンセシス・データの間隔はリニアとログのどちらでも可能です。シンセシスを行う前に X軸間隔の設定を行います。デフォルトの設定はリニアです。 シンセシスが完了すると、シンセシス・トレースはデータ・レジスタに記憶され、アクティブ なトレースで表示されます。 15 - 24 周波数応答曲線のシンセシス 本器はシンセシス周波数応答データをアクティブなトレースにプロットします。この手順では、 振幅はトレースAに、位相はトレースBに表示されます。本器は、必ずFFT解析、またはスエプ ト・サイン・モードにしてください。 1 シンセシス・テーブルを作成して表示します。 前述の「シンセシス・テーブルの作成」を参照してください。 [TABLE ON OFF]を押してOFFを強調表示にします。 2 アクティブなトレースをセットアップします。 [Active Trace] [A B]を押します。 [Meas Data] [MORE CHOICES] [DATA REGISTER] [D8]を押します。 3 測定周波数スパンを設定します。 [Freq] [START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 15 - 25 4 ディスプレイの設定を行います。 [Active Trace] [ B ]を押します。 [Trace Coord] [PHASE]を押します。 [Active Trace] [A B]を押します。 [Scale]を押し、次に[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 5 シンセシスを開始します。 [Analys] [SYNTHESIS] [START SYNTHESIS]を押します。 ステップ1で、保存してあるシンセシス・テーブルをリコールしたり、カーブ・フィット・テー ブルを転送することもできます。 本器はシンセシスの結果を指定のデータ・レジスタD8に記憶し、自動的にそれをアクティブな トレースに表示します。デフォルトはトレースAです。ステップ2でトレースBをアクティブな トレースとして追加し、データ・レジスタD8を指定しています。 ステップ3で開始と終了の周波数を指定しない場合は、本器は測定用に設定した周波数スパンを 使用します。一度開始と終了の周波数を設定すると、次のシンセシス演算で設定し直す必要は ありません。 X軸のシンセシス・データ間隔変更は、次の手順を参照してください。 15 - 26 X軸のデータ間隔変更 1 [SYNTHESIS SETUP]を押します。 2 [X-AXIS LIN LOG]を押してLINを強調表示にします。 または、 [X-AXIS LIN LOG]を押してLOGを強調表示にします。 LINによりリニア間隔を指定(デフォルト設定)、またLOGによりログ間隔を指定します。間隔の 指定は、シンセシスの実行前に行います。 15 - 27 シンセシス・テーブルの操作 一度シンセシス・テーブルを作成すると、それの編集や保存をしたり、後でリコールすること ができます。シンセシス・トレースは、専用のレジスタに記憶されます(デフォルトのデータ・ レジスタはD8ですが変更可能です)。トレースを保存しないでシンセシスを実行することができ ます。ただし、次に新たなシンセシス・トレースを行うと、データ・レジスタは上書きされます。 注意 データ・レジスタは、本器の電源を切ると消去されるので、電源を切る前にデータ・レジスタ をファイルに保存しておかないと、データは失われます。 シンセシス・テーブルの編集について、以下を参考にしてください。 • カーブ・フィット・データを編集する場合は、極とその関係するゲイン値を極-留数形式で簡 単に除去することができます。 • 極-留数テーブルで極を削除する場合、極とその対応する留数の両方を削除しなければなりま せん。 • テーブル入力を誤って削除した場合は、[UNDELETE KEY]を使えば復活することができます。 テーブルの数値範囲は、全IEEE 64ビット倍精度です。数値表示は浮動小数点のみを扱うことに 注意してください。強調表示バーを"infnty"(無限)が付いた項に動かして[ADD VALUE]を押すと、 全精度を見ることができます。数値入力ウィンドウに、倍精度が表示されます。 15 - 28 既存のシンセシス・テーブルの編集 1 [Analys] [SYNTHESIS]を押します。 2 現在のシンセシス・テーブルを表示します。 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 [EDIT TABLE]を押します。 4 シンセシス・テーブルに値を加えるには、[ADD VALUE] <数値> <単位>を押します。 5 値を削除するには、削除したい入力にノブで強調表示バーを移動し、[DELETE VALUE]を押し ます。 間違って削除したときは、[UNDELETE VALUE]を押します。 6 値の変更または修正をする場合は、変更したい入力に強調表示バーを移動し、[CHANGE VALUE] <数値> <単位>を押します。 ステップ1では、シンセシス・テーブルをリコールしたり、カーブ・フィット・テーブルを転送 することができます。 15 - 29 シンセシス・テーブルのセーブ 1 デフォルト・ディスクを指定します(第13章「ファイルとディスクの操作」の「デフォルト・ディ スクの設定」を参照)。 2 [Save Recall] [SAVE MORE] [SAVE SNTH TABLE]を押します。 3 外部キーボード ( またはフロント・パネルのアルファベット・キー ) で、適当なファイル名を入 力します。デフォルトは、SYNT1.SYNです。 4 [ENTER]を押します。 他の種類のファイルと区別するため、拡張子に.SYNを使用してください。 本器の不揮発性RAM(NVRAM)、RAM、または内蔵ディスク・ドライブにシンセシス・テーブ ルをセーブすることができます。ステップ1でシンセシス・テーブルのセーブ場所を指定してい ます。また、GPIB で外部ディスクへセーブすることもできます。詳細については、 『GPIB Programming with the Agilent 35670A』を参照してください。 15 - 30 シンセシス・トレースのセーブ 1 デフォルト・ディスクを指定します(第13章「ファイルとディスクの操作」の「デフォルト・ディ スクの設定」を参照)。 2 [Save Recall] [SAVE DATA] [SAVE TRACE] [INTO FILE]を押します。 3 外部キーボード ( またはフロント・パネルのアルファベット・キー ) で、適当なファイル名を入 力します。デフォルトは、TRAC1.DATです。 4 [ENTER]を押します。 この手順により、本器の不揮発性RAM(NVRAM)、RAM、または内蔵ディスク・ドライブにシ ンセシス・トレースをセーブします。ステップ1で、シンセシス・トレースのセーブ先を指定し ています。 注意 データ・レジスタは、本器の電源を切ると消去されます。電源を切る前にデータ・レジスタの 内容をファイルに保存しておかないと、データは失われます。 シンセシス・トレースは専用のデータ・レジスタに自動的に記憶されます。デフォルトのレジ スタはD8です。データ・レジスタの変更については、 「シンセシス・レジスタの変更」を参照し てください。 15 - 31 シンセシス・トレースのリコール 1 デフォルト・ディスクを指定します(第13章「ファイルとディスクの操作」の「デフォルト・ディ スクの設定」を参照)。 2 [Save Recall]を押し、次に[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 [RECALL MORE] [RCL SYNTH TABLE]を押します。 4 ノブでリコールするファイル名を強調表示にします。 5 [ENTER]を押します。 本器の不揮発性RAM(NVRAM)、RAM、または内蔵ディスク・ドライブからシンセシス・テーブ ルをリコールすることができます。ステップ1でシンセシス・テーブルのセーブ先を指定していま す。また、GPIBで外部ディスクからのリコールもできます。詳細については、 『GPIB Programming with the Agilent 35670A』を参照してください。 15 - 32 カーブ・フィット・テーブルのシンセシス・テーブルへの転送 1 [Analys] [SYNTHESIS]を押します。 2 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 [COPY FROM CURVE FIT]を押します。 カーブ・フィット・テーブルは、極-ゼロ形式のシンセシス・テーブルとして転送されます。本 器のカーブ・フィッタは、非エルミートの周波数応答トレースでは機能しません。これは、極ゼロ形式では非エルミートのテーブル入力が不可能なためです。 カーブ・フィット・テーブルをコピーすると、シンセシス・テーブルのもとの値はすべて消去 されます。 15 - 33 シンセシス・レジスタの変更 1 [Analys] [SYNTHESIS] [SYNTHESIS REGISTER]を押します。 2 [D1]を押します。 または、 [D2]を押します。 または、 [D3]を押します。 または、 [D4]を押します。 または、 [D5]を押します。 または、 [D6]を押します。 または、 [D7]を押します。 シンセシス・トレースは専用のデータ・レジスタに記憶されます。デフォルトのレジスタはD8 です。トレースのデータは、実数値および虚数値対周波数としてセーブされます。したがって、 振幅と位相を別の2つのデータ・レジスタにセーブする必要はありません。 シンセシス・レジスタを変更すると、その選択はRAMに記憶されます。本器をプリセットする と、デフォルトのデータ・レジスタのD8に戻ります。 15 - 34 16 オプション1D3 カーブ・フィット 16 - 1 カーブ・フィット カーブ・フィット機能は、最大20個の極と20個のゼロを使用して数学的なモデルを作り、測定 またはシンセシスによって得られた周波数応答に合わせます。カーブ・フィットを行うと、極ゼロの結果はカーブ・フィット・テーブルまたはシンセシス・トレースで見ることができます。 この章では、カーブ・フィット機能の使用法を説明し、またいろいろなカーブ・フィット操作 に共通な、基本的な手順の説明も行います。それぞれのソフトキーの詳細については、オンラ イン・ヘルプを参照してください。 16 - 2 カーブ・フィットとは カーブ・フィットは、測定した周波数応答に最も適合する関数の係数を得るのに使用する有効 な解析手段です。カーブ・フィットでは、周波数応答トレースから開始して、そのトレースに 相当する線形モデルを見つけます。 カーブ・フィットを行うには、本器の演算機能を使用すると大変便利です。演算機能は、多数 の伝達関数トレースと組み合わせて、カスケード・システムのシミュレーションを行います。 カーブ・フィットでは、測定またはシンセシスを行った周波数応答データから線形システム・ モデルを得ます。周波数応答データの重み付き最小2乗曲線を算出することにより、極-ゼロ・モ デルは有理多項式へと展開されます。カーブ・フィットで使用する周波数応答データは、FFT解 析モードまたはスエプト・サイン・モードで得ます。 本器でのカーブ・フィットは、sドメインで行います。カーブ・フィット機能はH(s)のモデルを 得ることになります。ここでのsは、Hz単位の複素変数で、ラジアンではありません。この式は 次のようになります。 H(s) = K a1s0+a2s1+a3s2+...ansn-1 b1s0+b2s1+b3s2+...bmsm-1 ここで、 Kはシステムのゲインです。 カーブ・フィットが終わると、分子多項式および分母多項式は因数に分解されて極とゼロが得 られます。多項式に対して実数係数のみが得られます。したがって、多項式の根(極とゼロ)は、 実数項および複素共役対として表示され、その結果は、カーブ・フィット・テーブルで表に示 されます。 16 - 3 カーブ・フィットでの実測値の使用法 システムの極とゼロの位置がわからないた めに、実測データはカーブ・フィット確度の 評価を困難にすることがあります。反復根や 強く制動された極は、弱い制動の極に隠され てしまいます。実測データにはノイズ、バイ アス誤差、非線形、および付随する歪みなど があるので、問題が複雑になります。線形係 数により、測定データは真実性を持ちます。 本器のカーブ・フィット機能は、経験的に真 実性を高めるように最適化されています。数 値の不安定性(非収束性)や測定ノイズの極 やゼロは、除去または最小化されています。 16 - 4 しかし、カーブ・フィット機能で疑わしい数 字が出てくることもあります。結果の評価に は、的確な技術的判断が不可欠です。カー ブ・フィット機能には、通常の問題はたいて い除去できるエキスパート・システム・ツー ルが含まれていますが、異質な極やゼロは通 過してしまうものも少数あります。 モデルで最大の確度で最小次数のシステム を得るには、まず質の高い測定を行う必要 があります。測定用信号にはランダム・ノ イズを使用し、0.9999のコヒーレンス値で 測定するようお勧めします。 カーブ・フィット動作モード カーブ・フィットには、次の2つの動作モードがあります。 • 固定次数モード • 最大次数モード 固定次数モードでは、カーブ・フィットにユーザー指定の分子と分母の1つの次数だけを使用し ます。本器は、最小2乗法で複素数データを最良近似の周波数応答によって、モデル(特定の固定 次数を持つ)を展開します。 最大次数モードでは、最も適合する曲線が得られるか、最大システム次数に到達するまで、次々 により大きなシステム次数を使用し続けます。最大分子次数(ゼロの数)および最大分母次数(極 の数)の両方を指定することができます。 16 - 5 固定次数モード 固定次数の理論 カーブ・フィット機能の基本的な構成要素は、非反復型の最小2乗複素数データ・フィット機能 です。固定次数では、[CURVE FIT ETUP]メニューで指定したゼロと極の数で、複素数データ・ フィット機能のための分子および分母次数が決まります。最大次数モードと異なり、正確な曲 線を探すのに分子と分母に異なった次数は使用しません。固定次数モードでは、手動で違う次 数について試行することができます。正確に行うために、モデルの複雑度(次数)を交互に試すこ とができます。次数が高いモデルほど正確になります。 カーブ・フィット・モデルの次数が、測定システムの次数よりも高いか等しいときしか、周波 数応答は測定とカーブ・フィット・モデルの間で正確に適合しません。ノイズや歪みから出る 測定誤差があると、正確なカーブ・フィットを行うのはさらに困難になります。したがって、最 大次数で満足なモデルが得られないとき、固定次数を使えばカーブ・フィット・モデルの次数 をコントロールすることができます。 複合データ・フィット機能は本来決定論的な機能です。したがって、同じデータや設定パラメー タを使って固定次数でカーブ・フィットを繰り返すと、同じ答を得やすくなります。 固定次数の動作 最初の極-ゼロの評価が終わると、複素数データ・フィット機能は指定のシステム次数を使って、 最小2乗法で最も測定周波数応答に適合する周波数応答の極-ゼロのカーブ・フィット・モデルを 探します。ここでは最適次数の探索がないため、この動作は短時間で終了します。画面最上段 の2本のステータス・ラインに、"fit running"の文字と現在選択されている次数が表示されます。 フィッティングが終わると、カーブ・フィット・モデルのシンセシスがトレースBに表示され、 ステータス・ラインは、アイドル状態に戻ります。 16 - 6 最大次数モード 最大次数の理論 最大次数モードは、デフォルトのモードです。最大次数モードでは、適合するモデルが見つか るか最大システム次数に到達するまで、最大次数アルゴリズムが、より大きなシステム次数に よって複素数データ・フィット機能(以後単にカーブ・フィットと呼ぶ)を動かします。最大分子 の次数(ゼロの数)および最大分母の次数(極の数)の両方を指定することができます。例えば分子 の上限として3を入力すると、最大次数アルゴリズムのモデル探索を最大3つのゼロを持つもの に制限します。 最大次数アルゴリズムは1,1の分子/分母次数からスタートし、この次数を与えられたカーブ・ フィットによって適合を行います。最大次数アルゴリズムは自動的に適合モデルで合成を行い、 その周波数応答を測定された周波数応答と比較します。結果が良くなければ次数は2,2に増やさ れ、もう1度適合が行われます。この上方への探索は、適合曲線が見つかるか、または上限に達 するまで続けられます。上限が等しくなる必要はありません。最大次数アルゴリズムは最初に 到達した上限で次数を保持し、他方の次数が適当でない場合は高次へと上げます。適合する曲 線が見つからないうちに両方の上限に到達すると、最大次数アルゴリズムは測定の周波数応答 に最も近似した曲線を返します。 カーブ・フィット機能が適合曲線を見つけたときに、最大次数アルゴリズムが、測定の周波数 応答に適合するさらに低次のモデルをまだ作れると判断した場合、分子次数と分母次数を減ら そうとします。これによって、ふつう分子次数は分母次数よりも低くなります。 最大次数アルゴリズムは、コヒーレンス関数を使用します。コヒーレンスは、入力信号による 出力信号パワー量を表す関数です。その値の範囲は、完全である(1)からコヒーレンスなしの(0) までです(0.9999未満の値は「よい」とみなされません)。コヒーレンスは分散の関数で、ふつう アベレージングを行う複数の測定から得ます。 最大次数アルゴリズムは、適合モデルを決めるのにこのコヒーレンス関数を使用して、シンセ シス・モデルと測定の周波数応答との違いの程度を判断します。 16 - 7 適合する曲線が見つかると、その曲線から得られる分子と分母の多項式は因数分解されて極-ゼ ロ形式になります(適合の基準に合う曲線がなければ、本器は最小誤差の曲線を返します)。次に 最大次数アルゴリズムは、互いに約分される一致した極とゼロを探します。コヒーレンスは、 キャンセルが行われる前に、これらの項にどの程度の一致度が必要かを決めます。最終の結果 は、カーブ・フィット・テーブルで表に示されます。 最大次数の動作 カーブ・フィット機能は、測定した周波数応答の実数値と虚数値の2次導関数でピークを探すこ とによって、システムの極とゼロの最初の評価を行います。これが終わると、最大次数アルゴ リズムは次数1,1の適合(1つの極と1つのゼロ)から開始します。結果はトレースBに置かれ、コ ヒーレンスは上書きされます。適合がうまくいかなければ、最大次数アルゴリズムは次数2,2の 適合を行い、結果をトレースBに置いて、次数1,1の曲線を上書きします。次数が増すごとに、現 在の次数が上段の2本のステータス・ラインに表示されます。 適合する曲線があると、最大次数アルゴリズムは次数を減らした場合、さらによい曲線が得ら れるかどうかチェックします。このプロセスを次数低減といいます。次数低減では次数を2以上 低減します。低減次数による適合の誤差が大きすぎると、最大次数アルゴリズムは次数を大き くしてさらに適合を行います。次数はよい曲線が見つかるまで、繰り返し増分されます(ただし、 次数低減開始前の次数を超えない)。増分した次数によって適合する曲線が得られた場合、最大 次数アルゴリズムは再度次数低減が可能でないかチェックします。場合によっては、これによっ てカーブ・フィット機能は2度の適合を繰り返します。別の場合、次数低減は継続して次数を下 げ、それ以上の次数低減では適正な曲線は得られないと判断すると探索を終了します。表16-1 は、連続的な低減の例を示しています。 表16-1 カーブ・フィット次数の連続的な低減の例 例1 例2 (極,ゼロ) (極,ゼロ) 5,5 6,6 5,3 6,1 5,1 6,2 終了 6,3 6,2 6,3 終了 16 - 8 最大次数アルゴリズムが次数低減を終了すると、多項式比曲線を極とゼロに因数分解します。次 に極-ゼロのペアで互いを約分できるほど一致していないかを見る探索が、極とゼロの項で行わ れます。この約分では、極-ゼロのペアの確度の評価にコヒーレンス値を使用します。つまり、 そのペアがS/N比の悪い値がある周波数レンジにないかどうか調べます。項が約分できると、残 りの極とゼロからの合成した伝達関数によって結果表示(トレースB)が更新されます。約分の後、 残った極とゼロ(または約分が行われない場合は因数分解からの全部の極とゼロ)は、得られたゲ インとともにカーブ・フィット・テーブルに置かれます。 最大次数での適正フィットの決め方 最大次数アルゴリズムが常に上限を探索す るのを防ぐため、分散関数を使用して、き たないデータへの適合を行うときに最大次 数アルゴリズムにマージンを与える誤差許 容を設けます。 最大次数アルゴリズムは多くのアベレージ ングとコヒーレンス関数を使用して、測定 での分散関数を計算します(コヒーレンスと カーブ・フィットの関係の詳細については、 この章に後述の「特記事項」を参照してく ださい)。最大次数アルゴリズムはエラー /シ グナル・レベルを計算し、これをS/Nレベル と比較します。エラー /シグナル・レベルが S/Nレベルを下回ると、その曲線は適合して いると判断されます。およその値としては、 コヒーレンス関数の0.9がエラー /シグナル・ レベルの-10dBに相当します。 例えば、0.99は信号レベルの下20dBの雑音 レベル、0.9999は信号レベルの下40dBの雑 音レベルに相当します。コヒーレンス関数 ではなく算出した分散を使用するので、こ れらの値は単に典型的な値です。S/Nレベル 計算では、アベレージングによってさらに 測定雑音レベルが下がります。 スエプト・サイン測定に適合を行うとき、 カーブ・フィットは擬似コヒーレンスを計 算します(スエプト・サイン測定はオプショ ン1D2を使用すれば行うことができます)。 スエプト・サインによる、測定コヒーレン スはFFTベース測定で得られるよりもずっ と高くなります。スエプト・サイン測定は また、バイアス、雑音、および非線形誤差 の影響を受けがちです。擬似コヒーレンス は非線形を与えることにより真実性のある 誤差許容を見込んでいます。 16 - 9 動作モードの選択 あらかじめシステムの次数がわかっている場合は、極とゼロの数を指定して固定次数のカーブ・ フィットが行えます。例えば、2つの極とゼロがないシステムをモデル化するときは、分母次数 (NUMBER POLES)に2を入力し、分子次数(NUMBER ZEROS)に0を入力して固定次数のカー ブ・フィットを実行します。固定次数は、最小2乗法で測定の周波数応答に可能な限り近い2つ の極でゼロがないモデルを生成します。 ただし、測定中のシステムのモデルは概念的なもので、実際のシステムは付加的な極とゼロに 相当する共振や他のパラメータを持つことがあります。したがって、カーブ・フィット・モデ ルでは、より高い次数を見込む必要も出てきます。このため、合理的な次数があると思われる 所よりも数次(3か4)高いシステム次数を上限として最大次数・カーブ・フィットで開始すると、 最大次数アルゴリズムは測定周波数応答に非常に近い線形モデルを自動的に見つけることにな ります。測定中に非線形性が存在すると、カーブ・フィット機能は余分の極とゼロを見つけて、 その周波数応答の非線形性の影響に近似する応答を出そうとします。 一般的に、作業を能率よく進めるには、モデルの極とゼロの数をなるべく少なくします。この ために、測定中の非線形性によってカーブ・フィット次数が高くなり過ぎると、システムの上 限を下げて最大次数カーブ・フィットをやり直すか、または固定次数カーブ・フィットに戻る ことになります。 モデルが最大次数では複雑すぎる場合、固定次数が効果的です。例えば最大次数の適合は、曲 線の確度の許容点を超えるシステム次数の増分を行う場合もあります。このような場合には、適 合したと思われる点でシステム次数を設定して、固定次数の適合を実行してそのモデルを得ま す。後で、手動で行う次数低減方法として、固定次数で分子次数を下げてみることもできます。 最大次数アルゴリズムは本質的には一種のエキスパート・システムで、よい結果を得るための 手段としてカーブ・フィットを使用しています。最大次数では満足な結果が得られないときは、 固定次数にしてカーブ・フィットを直接使用し、妥当なモデルが得られるまで異なったシステ ム次数を試すことができます。 16 - 10 適正モデルの獲得 カーブ・フィットの基本的な前提は、測定の周波数応答は有限次数有理多項式(線形)モデルに相 当するということです。この前提を満足する正確な測定を行うには解決を要する問題が多く、妥 当なモデルを得ようとして測定を利用するときには、ノイズの混入や周波数スパンの制限をと もないがちです。 カーブ・フィット・アルゴリズムによって容易に線形モデルを得ることを妨げる周波数応答内 のデータ誤差のソースには、基本的に次の3つがあります。 • 非線形性 • ノイズ • 量子化誤差 非線形性 周波数応答測定は、システムの非線形性によってできる歪み積によって、ノイズが混入される ことがあります。このノイズ混入によって、最大次数アルゴリズムは、フィット・モデル中の 誤差分を補正するのに充分な高次のシステム次数を探すことになります。例えば、測定のシス テムが4つの極と3つのゼロしか含まないときでも、誤差により周波数応答が振動を受け、10の 極と10のゼロを含むかのように見えることがあります。つまり、最大次数アルゴリズムが測定 誤差と正確なデータを見分ける方法はありません(固定次数も同様に、設定した分子次数と分母 次数によって、測定誤差に適合しようとします)。 使用する測定信号の種類によって、カーブ・フィットの非線形性の影響を低減するために行う アベレージングの成否が決定します。FFT解析モードでは、広帯域の測定信号が使用されます。 この解析で使用される広帯域の測定信号には、2種類あります。 • ランダム・ノイズ • 周期チャープ 真にランダムなソース(ランダム雑音またはバースト・ランダム)が使用されると、非線形性は測 定スパンで歪み積を不規則に出します。このため、アベレージングによって周波数応答測定の 非線形性の影響は低減され、システム周波数応答の線形の最小2乗評価が得られます。 16 - 11 連続的にランダム・ノイズ・ソースを使用するときは、時間ドメインのデータにハニング・ウィ ンドウを適用して、周波数領域のリーケージを低減する必要があります。しかし、時間ドメイ ンでの乗算は、周波数領域のたたみこみを意味します。これは周波数応答がハニング・ウィン ドウのフーリエ変換でたたみこまれることにより、わずかの周波数スミアリングが起こります( ウィンドウの主ローブはおよそ3ビン幅)。周波数スミアリングは、システムの測定で機械的共振 で見られるような、周波数応答の鋭いピークを起こします(周波数スミアリング・バイアス誤差 は、極のダイピングを見かけ上増加させます)。したがって、ソース・トリガおよびユニフォー ム・ウィンドウでバースト・ランダム・ソースを使用すれば、よりよい測定結果が得られます( ソース・トリガ使用時、バースト・ランダムはセルフ・ウィンドウ信号)。ユニフォーム・ウィ ンドウのフーリエ変換は、ハニング・ウィンドウの主ローブよりも狭い主ローブを持ち、これ によって、所定のスパンで可能な最高の分解能帯域幅が得られます。 利用できるもう一方の広帯域ソースは、周期チャープです。これは毎回の平均測定において全 く同様の測定用信号を供給するので、完全に予測可能なソースです。これによって、毎回の平 均で非線形性から同じ歪み積が出ます。したがって、周期チャープ・ソースの使用時には、ア ベレージングは非線形性の影響の低減について全く無意味です。さらに周期チャープ・ソース は、コヒーレンスを非常に高くし、非線形性が重大なときでも測定が良好であるような見かけ の印象を与えます。周期チャープ・ソースは被測定システムがかなり線形なときに、最も効果 があります。 システムによっては、広帯域の測定用信号を使用する上で問題があることがあります。測定ス パンの一部分によいS/N比をもたらす強力な信号は、他の部分に対しては強力すぎて過大な歪み を起こし、被測定システムを動作不能にすることもあります。 この問題は、スエプト・サイン・モード(オプション1D2)を使用すれば解決します。システムへ の測定用信号を正弦波で与えると、周波数応答測定で、広帯域ノイズではなく単一周波数での 信号レベルのコントロールが可能になります。掃引を行うときにオートレベル機能を使用して 自動的にソース・レベルを調整し、入力チャネルの1つで一定の基準レベルを維持します。一般 に、基準として選択した入力チャネルは、被測定システムの出力に接続したチャネルです。こ の構成で、システムの出力は入力よりも一定に保たれます。これによって全体的な歪みのレベ ルが軽減され、S/N比も維持されます。 16 - 12 スエプト・サイン・アルゴリズムは、システムの非線形性によって発生した歪み積(高調波)を除 く傾向があります。ただし、非線形性はまた基本周波数(ソースの正弦波周波数)の測定にも誤差 をもたらします。複数回の正弦波掃引を数種類のソース・レベルで行い、測定結果を比較する と非線形性の影響を見ることができます。変化の量が、システムの非線形の程度を示していま す。カーブ・フィット機能の最大次数モードを使用して観測されるもう1つの非線形性の徴候は、 曲線がかなり適正に見えても、システム次数の増分を停止できないことです。これは、FFTベー スの測定でも起こり得ることです。 非線形性をチェックするもう1つの方法は、固定周波数の正弦波でシステムに測定用信号を与え (FFT解析モードを使用。スエプト・サイン・モードでは、演算機能を定義しチャネル2のタイム・ データのFFTを計算可能)、応答チャネルの線形スペクトルを見ることです。スペクトルで高調 波歪みが明確なときは、システムには何らかの形の非線形性が含まれています。 16 - 13 バイアス誤差の検出 複素極付近のバイアス誤差は、共振のピークでのコヒーレンス関数で急峻な減少を探せば、 効果的に検出できます。 これらのバイアス誤差は、バースト・ランダム・ソースによる測定でバーストが速く遮断さ れない場合に起こることがあります。システム応答は、タイム・レコードの終了までに0近 くまで減衰させる必要があります。 16 - 14 ノイズ ノイズによって測定誤差が発生します。歪み積の場合と同じように、カーブ・フィット機能は ノイズによる測定誤差と正しいデータを区別できません。ノイズの影響は、FFTベースの測定で はアベレージング測定で、あるいはスエプト・サイン測定では積分時間の延長によって最小に 抑えることができます。これは、ノイズ・ソースが使用する測定用信号(ソース・タイプ)と非相 関であることを前提とします。 不必要なノイズや非線形性による誤差を完全に除去するには、理論的には無限回のアベレージ ングが必要です。これは実際的ではないので、妥当な対応策を選ばなければなりません。した がって、いくらかの誤差は常に存在します。アベレージングはその回数を増すに従って、周波 数測定の各ポイントでの分散を減少させます。 カーブ・フィットはコヒーレンス(コヒーレンスは3乗スペクトラム・アベレージングで算出)お よび多数のアベレージングを使用して、測定の分散を評価します。分散は、測定された伝達関 数の平均誤差評価として使用されます。このデータはノイズのあるときに、カーブ・フィット の確度向上のために使用します。また、最大次数アルゴリズムは、算出した測定分散を使って 「適合」曲線と見なすために、カーブ・フィットの測定周波数応答への一致度を判断します。こ の章に前出の「最大次数での適合曲線の決め方」の補足欄を参照してください。 量子化誤差 量子化誤差(量子化ノイズではなく量子化歪みとするのが適当)は、アナログ信号をデジタル化す る場合、常に存在します。システムの非線形性による歪みが平均化されるように、量子化歪み もアベレージングが可能です。内蔵の16ビットA/Dコンバータにより、80dB以上(一般に90dB)の スプリアスのないダイナミック・レンジが得られます。 カーブ・フィットには、この仕様はあまり重要ではありません。カーブ・フィットには振幅応 答のピークを強く強調して、完全な周波数応答を使用します。したがって、80~90dB下がった 1つか2つのスプリアスは適合への影響としては無視できます。アベレージングによって、一般 的なノイズ・フロアは入力レンジの上限から80dB以下になります。 量子化誤差を最小にするため、FFT解析モードでの測定中に、測定がレンジより低くならないよ うに注意してください。 「80dBレンジ・ウィンドウ」の上端とピーク信号強度ができるだけ近接 するように、[Input]メニュー下にある適切なオートレンジ・ソフトキーを押します。スエプト・ サイン・モードでは入力レンジの最適化が行われるため、これについて注意する必要はありま せん。 16 - 15 有限測定スパンの制限 カーブ・フィットは、理論的周波数応答の有限部分で行われます。測定スパン内で正確な適合 を行うために、予想外のスパン外の極とゼロが必要になる場合があります。例えばふつうのオ ペアンプの場合、1つの極のために10~100kHz間でロールオフを開始するオープン・ループ応答 を持ちます。このループを閉じると、この範囲が広がります(例えば、150kHzまで)。このように アクティブなフィルタは2つの極を持つように設計されますが、実際には遠くのもう一つの極の 影響を受けます。以上はカーブ・フィットについて言えることですが、それは最大次数カーブ・ フィットの誤差許容量(測定分散によって決まる)および影響の程度によって異なります。 16 - 16 フィッティング領域 概要 カーブ・フィットは、常に周波数の限定された領域で行われます。これをフィッティング領域 といいます。カーブ・フィット機能は、最大次数モードまたは固定次数モードを使用し、この フィッティング領域で測定周波数応答へのフィッティングを試みます。[FIT REGION]下の [FULL SPAN]を押すと、本器に表示される周波数応答トレース全体がフィッティング領域とし て使用されます。ただし、[USER SPAN]を押した場合は、[FIT REGION]メニュー下の開始と終 了の周波数でフィッティング領域が決まります。 周波数応答トレース全体でのフィッティングで、ある応答の部分で適切な曲線が得られない場 合、ユーザースパンが役に立ちます。例えば、鋭い共振でよい曲線が得られても、応答が高ノ イズの領域に入り込むにつれて、測定から離れて行くことがあります。この領域が重要ならば、 曲線と測定をうまくフィッティングさせたい測定部分に、フィッティング領域をユーザースパ ンで制限することができます。これでも適切な曲線が得られない場合は、自動ウェイトが重要 な領域を充分に強調していないことが考えられます。この場合は、ユーザーウェイトによって 重要な領域を強調します。データ・エディットを使用して、強調が必要な部分へのウェイト関 数に、値(例えば0.5)を設定します。 極とゼロの必要性の決定 測定歪み、バイアス誤差、および非線形性 などによって、正確なモデルに不必要な極 やゼロが出てくることがあります。そのよ うな場合は、フィッティング範囲、カーブ・ フィットで使用するデータ・レンジを変更 して、測定を再度フィッティングすること ができます。 2回のカーブ・フィット操作で繰り返すシス テムの極とゼロは、意味があるので保持す る必要があります。また、周波数でほとん ど等しい極とゼロを削除しても、使用可能 な正確なモデルは得ることができます。 16 - 17 フィッティング領域外の曲線の働き 最大次数アルゴリズムは、フィッティング領域内での測定にフィッティングするのに必要な極 とゼロだけを得ます。したがって、フィッティング領域外のカーブ・フィット・モデルの周波 数応答は、フィッティング領域の境界に近い応答の動きに従いがちです。カーブ・フィット機 能は、フィッティング領域内の応答にフィッティングする曲線が必要なので、フィッティング 領域外で単純な極または複素共役極の対(またはゼロ)を挿入します。フィッティング領域外で得 られる極とゼロは、一般に応答において徐々に降下する結果になります。[FIT TO SYNTH]ソフ トキーを使用して測定スパン全体での周波数応答を合成し、フィッティング領域外のモデル確 度を評価することができます。 フィッティング領域外の極とゼロの影響の把握 次の例は、フィッティング領域外の極とゼロがフィッティング領域内の応答に与える影響を示 しています。図16-1で示す極とゼロを使って25.6kHzのスパンで合成し、データをより狭い領域 (1.28~3.2kHz)にあてはめます。 図16-1で示した極とゼロは、第15章(「シンセシス機能」)で使用したものと同じで、余分に65kHz のゼロと45kHzの極を持ちます。この余分の極とゼロは、どちらもフィッティング領域外です が、フィッティング領域内の応答にわずかの影響を与えます。この影響は、カーブ・フィット 機能が65kHzのゼロと45kHzの極を認識するほど充分ではありませんが、新しいゼロで補償し、 65kHzのゼロと45のkHz極を置き換えるには充分です。カーブ・フィットの結果は、図16-2に示 されています。極-ゼロのモデルは全く異なっているように見えますが、図16-3ではフィッティ ング領域でほとんど同じ周波数応答を示しています。 図16-1 余分の極とゼロがあるシンセシス・モデル 16 - 18 図16-2 フィッティング領域外極とゼロがあるシンセシスでの狭いフィッティング領域 図16-3 シンセシスを重ねた制限フィッティング領域のカーブ・フィット 16 - 19 これを理解しやすくするために、この例で用いた曲線について考えます。試行のカーブ・フィッ トの次数が増えるにつれ、カーブ・フィット・トレースはシンセシス・トレースから離れてし まいフィッティング曲線とは見なされませんでした。次数が2つの極と2つのゼロに達したとき に、カーブ・フィット機能は、フィッティング領域内の周波数応答がシンセシス・トレースに 充分近く、フィッティング曲線と見なされるモデルを見つけました。この時点で、次数を減ら して分子次数を最小にしょうとしましたが不成功でした。つまり、完全な周波数応答の限られ た部分が与えられ、フィッティング領域で充分に正確な別のモデルが発見されました。 51.2kHzでのシンセシス・モデルとカーブ・フィット・モデルを比較すると、2つの応答間の相 違がはっきりわかります。これを図16-4で示します。この表示を出すには、スパンを51.2kHzに 変更し、アクティブなトレースAで合成します。次にカーブ・フィット・テーブルをシンセシ ス・テーブルにコピーし、シンセシス・レジスタをD7に変更してアクティブ・トレースBで合 成を行います。次に前/後ディスプレイ・フォーマットに変更します(45kHzの極と65kHzのゼロ がなければ、1.28~3.2kHzのカーブ・フィットは図16-5に示す、オリジナル・モデルを生成する ことになります)。 16 - 20 図16-4 カーブ・フィットとシンセシスの比較 図16-5 狭いフィッティング領域のカーブ・フィットが示すオリジナル・モデル 16 - 21 特記事項 カーブフィットでコヒーレンスが重要な理由 コヒーレンスは、周波数の関数です。コヒーレンス関数の各周波数点は、0.0~1.0の実数値です。 1.0は、その周波数でノイズが測定を侵していないことを表します。アベレージングでは測定コ ヒーレンスが真のコヒーレンスに収束されますが、これはシステムのノイズを測定したもので、 測定ではありません。コヒーレンス関数の値は、測定用信号によって違います。測定用信号に チャープ信号を使うと、コヒーレンス関数はS/N比の関係を測定します。測定用信号にランダ ム・ノイズを使うと、コヒーレンス関数はS/N比の関係と歪みを測定します。各周波数点で、測 定分散の算出にコヒーレンスと多数のアベレージングが使用されます。測定分散は、測定デー タでのノイズ・レベルを示します。アベレージングを追加すると、コヒーレンス評価がよくな り測定分散が少なくなります。したがって、特定周波数のコヒーレンスが1.0よりかなり低い値 に収束する場合は、その周波数での測定分散を小さくするために、アベレージングの追加が必 要です。 フィッティング領域での測定分散を減らすと、カーブ・フィット結果は向上します。例えば、 フィッティング領域でのコヒーレンス平均値が0.9995の場合、フィッティング曲線を得るには10 のアベレージングしか必要ではありません。しかしコヒーレンス平均値が0.95に落ちると、 フィッティング曲線を得るのに200のアベレージングが必要であると見込まれます。 コヒーレンス・データを使用する場合 本器では、可能な場合カーブ・フィットでコヒーレンス・データを使用します。ただし、そ れを使用するには、トレースBにコヒーレンス・データを表示しなければなりません。 また、次のような場合は、コヒーレンス・データが使えないことに注意してください。 ○ スエプト・サイン・モードの場合(スエプ ト・サイン・モードでは分散を自動的に 計算) 16 - 22 ○ シンセシス・データの場合 ○ 測定データが4以下のアベレージングに よるものである場合 ウェイト関数 コヒーレンスと同様、ウェイト関数は0.0~1.0の実数値の周波数関数です。ウェイト関数は、カー ブ・フィット中、フィッティング曲線領域の重要な領域を強調し、分散度の高い領域の強調は 行いません。ウェイト関数は測定データから自動的に算出するか、または手動で独自のウェイ ト関数を作ることができます。 自動ウェイトを使用すると、カーブ・フィット機能は、極-ゼロ位置の初回の評価と分散関数を ベースに、自動的にウェイト関数を得ます。自動ウェイトアルゴリズムは、低周波数とピーク を強調する傾向があります。したがって、周波数の増加に伴って、振幅のロールオフのレート しか変えない単純極よりも、共振(複素極)に強調が置かれます。このウェイト関数はカーブ・ フィットの間、選択したウェイト・レジスタに置かれます。 ユーザーウェイトを使用すると、カーブ・フィット機能は、選択したウェイト・レジスタに記 憶されたウェイト関数を使います。ユーザーウェイト使用の代表例としては、自動ウェイトを 使用した、前のカーブ・フィットのウェイト関数の修正があります。 自動ウェイトを使ったカーブ・フィットが終わると、データ・エディットによって、ウェイト・ レジスタとして選択したデータ・レジスタの内容を修正することができます。次にユーザーウェ イトを選択し、もう1度カーブ・フィットを行います。ユーザーウェイトを選択した場合、カー ブ・フィット機能はウェイト・レジスタの修正は行いません。 シンセサイズド・データでは、ウェイト関数はフィッティング曲線を得る場合重要ではありませ ん。そのため、自動ウェイトアルゴリズムは全周波数で1.0の値を持つウェイト関数を作ります。 ほとんどの場合、自動ウェイト・アルゴリズムによって適切なウェイト関数が得られます。重 要だと思われる領域で、測定の周波数応答にカーブ・フィットの結果がフィッティングしない 場合は、自動ウェイトアルゴリズムがその応答部分を強調していないと考えられます。この状 態で適切な曲線を得るには、現在のウェイト関数を編集してより高いウェイト値で試してみる のが最善の方法です。 コヒーレンスのウェイト関数への影響 最大次数アルゴリズムは、測定での分散関数の計算に多くのアベレージングとコヒーレンス関数 を使用します。自動ウェイトの使用時、分散の高い領域(平均回数に依存する低コヒーレンス)は ウェイト関数で強調されません。また、分散の低い領域も必ずしも強調されません。分散が低 いときにウェイト関数が強調を行うのは、ピーク周辺とDC周りの周波数だけです。 16 - 23 フィッティング測定と遅延 測定に純粋な遅延が存在すると、カーブ・フィット機能のモデル探索に問題が生じることがあ ります。遅延はDCで無限個の極を意味します。 システム中の純粋な遅延は周波数応答の位相に影響を与えますが、振幅には影響しません。遅 延がわかっている場合は、カーブ・フィットの開始前にカーブ・フィット・テーブルに入力し ます。遅延は、サンプル・システムまたは実システムの移送遅延からの実データで発生するこ とがあります。純粋な遅延は、sドメインの有限次数有理多項式ではモデル化できません。超過 位相の効果の詳細については、Agilent 3562A-3 プロダクト・ノート『Curve Fitting in the Agilent 3562A』を参照してください。 固定極と固定ゼロ システムの既知の固定極と固定ゼロを入力できます。既知の極とゼロは、補償器のゲイン・ブ ロックのカーブ・フィット、あるいは測定データと組み合わせた合成解析データなどから得ら れます。極とゼロが固定されると、カーブ・フィット機能はそれを正しいものと見なして次の フィッティングの開始値とします。手動でカーブ・フィット・テーブルに加えた極とゼロも、す べて固定として扱われます。固定項には、項の右側に"fxd"が付きます。固定ライン機能を使用 すれば、あるカーブ・フィットの結果を他の結果に含めることができます。例えば、共振の周 囲の狭い領域でカーブ・フィットを行ったとします。このフィッティング曲線から得た共振極 を固定し、再度周波数スパン全体でカーブ・フィットを行います。最初のフィッティングで得 られて固定された極とゼロの位置は、保持されて2度目のフィッティングで使用されます。この 方法で、カーブ・フィットをスピードアップし、確度を上げることができます。 16 - 24 最適のカーブ・フィットを得るには まず、できる限り質の良い周波数応答測定 を行います。これが大変重要です。 ○ リーケージや歪みを最小に抑えるよう に、ソースの種類とウィンドウ機能を選 択します。ユニフォーム・ウィンドウの 場合はバースト・ランダムかバースト・ チャープ・ソースを、フォース・エクス ポネンシャル・ウィンドウの場合はハン マ、これ以外はスエプト・サインを使用 します。ソースの振幅を、最もリニアな 動作領域に合わせて調整します。 ○ スエプト・サインを除くすべての計測器 モードで、アベレージングをできるだけ 数多く使用します。対象の全周波数で、 コヒーレンス関数がほぼ同一になるのが 理想的です。 ○ 対象の最小領域に使用する周波数スパン を選択します。できれば、対象の各領域 で個別に測定を行います。また、対象の 帯域が、選択したスパンの非常に狭い領 域になる場合も避けます。ズーム係数も 高くならないようにします。ベースバン ド測定では、フィッティングが最も簡単 です。目安としては、共振の電力半値帯 域幅で最低8 本スペクトル線が必要で す。測定データ内では、ある周波数ビン から次の周波数ビンで0.2dBを超えて変 化することはできません。通常、デルタ f(線間隔)を小さくすれば、どちらの問題 も解決します。 経験によって別の方法を選択する場合を除 き、自動ウェイト機能と最大次数モードを 使用し、その上でフィッティングの質と対 応する次数を見ます。 最適の曲線の次数を控えておき、次に固定 次数モードでそれを指定してより詳しく解 析します。また、フィッティング領域内で 少々の変化があっても、領域内の極とゼロ には影響しませんが、領域外の極とゼロに は影響することがあります。 常に予想よりも少し多い極とゼロを見込 み、帯域外の極や、他のノイズ・ソース、歪 み、および干渉ソースからの残りを処理す る余裕をみます。これらの余分な根は、カー ブ・フィット・テーブルで互いを約分する ことがよくあります。通常、有効な根は、 テーブル入力をオリジナル・データと比較 すればかなり明確になります。フィッティ ングする右半平面のゼロがある場合は、右 半平面の極を問題にする必要はありませ ん。ある極を削除した場合は、その極の負 の値で割ってゲイン定数を調整する必要が あります。同様に、ゼロを削除した場合は、 そのゼロの負の値をゲイン係数に掛けま す。フィッティングする極-ゼロの値を削除 した場合、そのフィッティング曲線を再合 成し、それがまだ適切な曲線であることを 確認するのが適当な方法です(カーブ・フィッ ト・テーブルをシンセシス・テーブルにコ ピーし、必要な場合はゲイン定数を調整し ます)。 (次ページに続く) 16 - 25 最適のカーブ・フィットを得るには(続き) 測定データにある純粋な遅延は、必ずカー ブ・フィット機能のフィッティング開始前 に除去できるように指定しておきます。こ れを行わないと、極とゼロを多く使っても、 適切な曲線を得るのは難しくなります。右 半平面のゼロが原因で過剰位相であって も、次数選択のステップで充分なゼロが許 容される限り、フィッティング上の問題は ありません。 場合によっては、ウェイト関数が増やされ る領域でウェイト関数を調節し、曲線を改 善することができます。一般に明確なデー タには最もウェイトをかける必要があり、 これは多くの場合、周波数応答関数のピー ク付近になります。 例えば原点の場合のように、極やゼロの値 がわかっているときは、固定としてその値 を入力しなければなりません。ただしそれ が正確なものでないと、カーブ・フィット 機能が混乱することになります。 16 - 26 フィットが良好であっても、極かゼロに不 正なものがある場合があります。これは、ノ イズ・レベル・リミットの中で2つ以上の極 -ゼロの構成が同じ周波数応答関数を持つ場 合に起こります。 本来の応答関数を正しく表すには、充分な 周波数分解能が必要です。周波数分解能は、 被測定システムのインパルス応答の時間間 隔の逆数よりも小さくなければなりませ ん。したがって、極とゼロの最小間隔は周 波数サンプリングの数間隔分である必要が あり、そうでないとカーブ・フィット機能 は適正曲線を得るのためのデータが得られ ません。解決策としては、正確な測定を行 うか、または周波数スパンを狭めて周波数 分解能を高めます。 カーブ・フィット手順の概要 以下はカーブ・フィットの一般的な手順ですが、忠実に従う必要はありません。必要に応じて 各ステップを繰り返し、最適な曲線を得ます。 この概要を読んだ後、続きの手順によってカーブ・フィットのセットアップを行います。この 概要で述べている事柄の詳細については、この章の初めの部分を見直してください。 • データ・ソースの選択 本器はトレース A に表示の周波数応答データでフィッティングを行 い、結果のフィッティングモデルをトレースBで合成します。FFT解析モードでランダム・ノ イズ測定用信号を使って測定したデータでカーブ・フィットを行い、最良の結果を得るには、 カーブ・フィット機能がコヒーレンス・データを使用する必要があります。それには、カー ブ・フィットの開始前にコヒーレンス・データをトレースBに割り当てておきます(フィッ ティング後、モデルはトレースBに表示されます。続いて行うカーブ・フィットのために、コ ヒーレンス・データをトレースBに表示します)。 • 最大次数か固定次数の選択 次数がわかっていない場合は、最大次数モードを使用します。 最大次数モードでは、上限として設定した極とゼロの数により、良好なフィットを自動的に 探索します。極とゼロの数を最初から決めたモデルが必要な場合は、固定次数モードを使用 します。 • システムの次数(極とゼロの数)の指定 最大次数モードでは、良好なフィットが見つかるか、 または指定した分母(極)あるいは分子(ゼロ)の次数に到達するまで、カーブ・フィット機能 は、次々により大きな次数で試行を続けます。上限に到達すると、最適の曲線が得られます。 固定次数モードでは、探索は行われません。カーブ・フィット機能は、指定した極とゼロの 数によるモデルを返します。データがわからない場合は、最大次数モードで開始するのが適 切なやり方です。 • 周波数スケールの指定(任意) 周波数軸(X軸)のスケーリングは、次の式で表されます。 f スケール周波数 ここで、 fは単位がHzの周波数 周波数は、Hzでの入力が可能でその範囲は10-6~10+6です。デフォルトの値は1Hz/Hz(数値入力 の終わりで単位キーを使用した場合でも無次元単位)です。 16 - 27 周波数軸をラジアンにしたいときは、1/(2π)のスケール周波数を入力します。次にH(s)の入力パ ラメータを、単位キーがmHz、kHz、またはHzであってもラジアンで入力します。周波数軸は常 にHz(ヘルツ)で表示されますが、X軸カーソルはラジアンを表します。カーブ・フィット・テー ブルの周波数スケールでは単位は表示されませんが、理由はそれが周波数スケール操作で、Hz/ Hz、Hz/kHz、またはHz/mHzのような単位を持つためです。 16 - 28 • フィッティング領域の選択 ( 任意 ) ユーザースパン ( 測定スパンよりも狭いフィッティング 領域)が指定できます。フル・スパンでは、トレースAからの全測定データをカーブ・フィッ トで使用しますが、測定データの一部だけを使用する場合があります。例えば、共振や大き な歪みのありそうな領域を除外するような場合です。このような場合にユーザースパンを指 定することができます。フィッティング領域が狭まることで、フィッティングの過程が短縮 できます。 • カーブ・フィット・テーブルに既知の極とゼロを追加(任意) カーブ・フィットの開始前に、 カーブ・フィット・テーブルを編集して既知の極とゼロを加えることができます。例えば、 システムに積分器があるとき、0Hzの極を加えます。この項を固定にすると、項の右に"fxd" が表示されます。次から行われるフィッティングでは、固定項がモデルに含まれます。ス テップ3での極と0の数は、固定項の次数よりも大きくなければなりません。こうすることで、 フィッティングでの自由度が高くなります。 • 既知の遅延の入力 システムでの純粋な遅延は、周波数応答の振幅を変えずに、位相に影響 を与えます。それらの遅延がわかっている場合は、カーブ・フィットの開始前にカーブ・ フィット・テーブルに入力しなければなりません。純粋な遅延は、sドメインの有限次数有理 多項式ではモデル化することはできません。 • ウェイト関数モードの指定(任意) 自動ウェイトでは、カーブ・フィット機能は極位置の初 回の評価および分散関数に基づいて、自動的にウェイト関数を得ます。次に、カーブ・フィッ ト機能は、このウェイト関数を指定したウェイト・レジスタに入れます。このウェイト関数 によって、カーブ・フィットでカーブの重要部分が強調され、分散度の高い部分の強調が弱 くなります。またユーザーウェイトにより、独自に設定したウェイト関数が使用できます。 カーブ・フィットの間は、指定のウェイト・レジスタがウェイト関数として使用されます。 これにより、ウェイト・レジスタはカーブ・フィット中に上書きされません。 • カーブ・フィットの実行 この章に後述の「カーブ・フィットの実行」を参照してください。 • カーブ・フィット・テーブルの確認(必要な場合は編集) この章に後述の「カーブ・フィッ ト・テーブルの編集」を参照してください。 16 - 29 カーブ・フィットのセットアップ 以下に示すのは一般的なカーブ・フィットの手順です。ただし、ここで示した順番で行う必要 はありません。 1 データ・ソースを選択します。 [Active Trace] [ A ]を押します。 [Meas Data] [FREQ RESP]を押します。 [Active Trace] [ B ]を押します。 [COHERENCE]を押します。 周波数応答の測定を行い、被測定デバイスの特性評価を行います(第4章の「周波数応答の測定」 参照)。 2 システム次数を設定します。 [Analys] [CURVE FIT]を押します。 [CURVE FIT SETUP]を押します。 [ORDER MAX FIXED]を押してMAXを強調表示にし、[Rtn]を押します。 3 フィッティング領域を設定します。 [FIT REGION]を押します。 [FULL SPAN]を押します。 [Rtn]を押します。 16 - 30 4 既知の極とゼロを加えます。 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [EDIT TABLE]を押します。 [ADD VALUE] <数値> <単位>を押します。 5 既知の遅延を加えます。 [CURVE FIT SETUP]を押します。 [TIME DELAY] <数値> <単位>を押します。 この手順の前の、 「カーブ・フィット手順の概要」を必ずお読みください。最適な曲線を得るた めに、必要に応じてそのステップを行います(「手動によるカーブ・フィットのセットアップ」 参照)。 ユーザーによるウェイト関数の設定については、本章に後述の「ウェイト関数の設定」を参照 してください。 16 - 31 ウェイト関数の設定 1 [Analys] [DATA EDIT] [EDIT D7]を押します。 2 [START X] <数値> <単位>を押します。 3 [STOP X] <数値> <単位>を押します。 4 [MODIFY START Y] <数値> <単位>を押します。 5 [MODIFY STOP Y] <数値> <単位>を押します。 ウェイト関数は、専用のデータ・レジスタに記憶されます。デフォルトのレジスタは、D7です。 ウェイト・レジスタを変更すると、その設定はRAMに記憶されます。本器をプリセットすると、 設定はデフォルトのデータ・レジスタD7に戻ります。 注意 データ・レジスタは、本器の電源を切ると消去されます。電源を切る前にデータ・レジスタを ファイルに保存しておかないと、データは失われます。 ユーザーウェイトを選択すると、カーブ・フィット機能はウェイト・レジスタの調整を行いま せん。詳細については、本章で前述の「ウェイト関数」を参照してください。 16 - 32 カーブ・フィットの実行 1 カーブ・フィットをセットアップします。 2 [Analys] [CURVE FIT] [START FIT]を押します。 3 結果をオーバレイします。 [Disp Format] [SINGLE FRNT/BACK]を押します。 4 カーブ・フィット・テーブルを表示するには、[TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 カーブ・フィット・テーブルでは、カーブ・フィット機能がもとの周波数応答測定の特性評価 を行って得た、極とゼロの数が表示されます。 コヒーレンスをトレースBに割り当てない限り、カーブ・フィット機能はカーブ・フィット演算 にコヒーレンス・データを使用しません。最初の極-ゼロおよび分散の計算が終わると、本器は コヒーレンス・データをカーブ・フィット・トレースに置き換えます。 ステップ3で結果をオーバレイすると、トレースBの垂直スケールは自動的にトレースAに合う ように設定されます。 16 - 33 手動によるカーブ・フィットのセットアップ 本器の自動機能を使用してカーブ・フィットを行い、問題のある領域を特定したら、手動でパ ラメータを設定して再度カーブ・フィット操作を行い、最適な曲線を得ることができます。 1 データ・ソースを選択します。 [Active Trace] [ A ]を押します。 [Meas Data] [FREQ RESP]を押します。 [Active Trace] [ B ]を押します。 [COHERENCE]を押します。 周波数応答の測定を行い、被測定デバイスの特性評価を行います(第4章の「周波数応答の測定」 参照)。 2 システム次数を設定します。 [Analys] [CURVE FIT]を押します。 [CURVE FIT SETUP]を押します。 [ORDER MAX FIXED]を押してMAXを強調表示にします。 [NUMBER POLES] <数値> [NUMBER ZEROS] <数値>を押します。 または、 [ORDER MAX FIXED]を押してFIXEDを強調表示にします。 [NUMBER POLES] <数値> [NUMBER ZEROS] <数値>を押します。 3 周波数スケールを設定します。 [FREQUENCY SCALE] <数値>、[ENTER]を押し、次に[Rtn]を押します。 16 - 34 4 フィッティング領域を設定します。 [FIT REGION]を押します。 [FULL SPAN]を押します。 または、 [USER SPAN]、[START] <数値> <単位>を押し、次に[STOP] <数値> <単位>を押します。 [Rtn]を押します。 5 既知の極とゼロを加えます。 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 [EDIT TABLE]を押します。 [ADD VALUE] <数値> <単位>を押します。 6 既知のディレイを加えます。 [CURVE FIT SETUP]を押します。 [TIME DELAY] <数値> <単位>を押します。 7 ウェイト関数を設定します。 [WEIGHT AUTO USER]を押してAUTOを強調表示にします。 または、 [WEIGHT AUTO USER]を押してUSERを強調表示にします。 この手順の前の、 「カーブ・フィット手順の概要」をご覧ください。ステップ3、4、5、6、およ び7は任意です。 16 - 35 カーブ・フィット・テーブルの操作 カーブ・フィット・テーブルを作成することにより、合成結果とオリジナルの周波数応答測定 の比較が行えます。 カーブ・フィット・テーブルは、セーブして後でリコールできます。カーブ・フィットのFRF結 果は、専用のレジスタに記憶されます(デフォルトのレジスタはデータ・レジスタのD6ですが、 これを変更することも2つ以上を使用することも可能です)。 注意 データ・レジスタは、本器の電源を切ると消去されます。電源を切る前にデータ・レジスタを ファイルに保存しておかないと、データは失われます。 カーブ・フィット・データを編集する場合、極とその関連ゲイン値の除去は極-留数のシンセシ ス・テーブルで行うと容易です。カーブ・フィット・テーブルをシンセシス・テーブルにコピー し、それを極-留数の形式に変換します。 16 - 36 カーブ・フィット・テーブルの編集 1 [Analys] [CURVE FIT] [EDIT TABLE]を押します。 2 シンセシス・テーブルに値を加えるには、 [ADD VALUE] <数値> <単位>を押します。 3 値を削除するには、ノブを使用して削除したい入力上に強調表示バーを移動し、[DELETE VALUE]を押します。 間違って削除した場合は、[UNDELETE VALUE]を押します。 4 値を変更するには、変更したい入力上に強調表示バーを移動します。 [CHANGE VALUE] <数値> <単位>を押します。 5 編集が終了したら、[Rtn]を押します。 16 - 37 カーブ・フィット・テーブルのシンセシス・テーブルへのコピー 1 [Analys] [SYNTHESIS]を押します。 2 [TABLE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 [COPY FROM CURVE FIT]を押します。 カーブ・フィット・テーブルは、極-ゼロ形式のシンセシス・テーブルとしてコピーされます。 実際の測定システムはエルミート対称であるため、本器のカーブフィット機能は、非エルミー ト周波数応答では機能しません。 カーブ・フィット・テーブルをコピーすると、すでにシンセシス・テーブルにある値はすべて 消去されます。 16 - 38 周波数応答測定とシンセシス結果との比較 1 カーブ・フィット・テーブルを、シンセシス・テーブルへコピーします(前の手順参照)。 2 [Disp Format] [UPPER/LOWER]を押します。 3 [Active Trace] [ A ]を押します。 [Meas Data] [FREQUENCY RESPONSE]を押します。 4 [Active Trace] [ B ]を押します。 5 [Analys] [SYNTHESIS] [START SYNTHESIS]を押します。 6 [Scale] [MATCH X SCALE] [TO TRACE A]を押します。 7 結果をオーバレイするには、 [Disp Format] [SINGLE FRNT/BACK]を押します。 本器は、合成した周波数応答をアクティブなトレースに置きます。シンセシスのデータをトレー スBに置いて、もとの測定データはトレースAに置いておきます。 ステップ3で結果をオーバレイすると、トレースBの垂直スケールは自動的にトレースAに合わ せるために設定されます。 16 - 39 カーブ・フィット・テーブルのセーブ 1 デフォルト・ディスクを指定します(第13章「ファイルとディスクの操作」の「デフォルト・ディ スクの設定」を参照)。 2 [Save Recall] [SAVE MORE] [SAVE FIT TABLE]を押します。 3 外部キーボード ( またはフロント・パネルのアルファベット・キー ) を使用して、適当なファイ ル名を入力します。デフォルトはFIT1.FITです。 4 [ENTER]を押します。 本器の不揮発性RAM(NVRAM)、RAM、または内蔵ディスクにカーブ・フィット・テーブルの セーブができます。ステップ1でカーブ・フィット・テーブルのセーブ先を指定しています。ま た、GPIBを使えば外部ディスクへのセーブもできます。詳細については、『GPIB Programming with the Agilent 35670A』を参照してください。 16 - 40 カーブ・フィットの周波数応答関数のセーブ 1 [Active Trace] [ A ]を押します。 [Meas Data] [MORE CHOICES] [DATA REGISTER] [D6]を押します。 2 デフォルト・ディスクを指定します(第13章「ファイルとディスクの操作」の「デフォルト・ディ スクの設定」を参照)。 3 [Save Recall] [SAVE DATA] [SAVE TRACE] [INTO FILE]を押します。 4 外部キーボード ( またはフロント・パネルのアルファベット・キー ) を使用して、適当なファイ ル名を入力します。デフォルトはTRAC1.DATです。 5 [ENTER]を押します。 この手順により、本器の不揮発性RAM(NVRAM)、RAM、または内蔵ディスクにカーブ・フィッ ト・トレースをセーブします。ステップ1でカーブ・フィット・トレースのセーブ先を指定して います。 カーブ・フィットの結果は、自動的に専用のレジスタに記憶されます。デフォルトのレジスタ はD6です。データ・レジスタの変更については、 「カーブ・フィット・レジスタの変更」を参照 してください。 注意 データ・レジスタは、本器の電源を切ると消去されます。電源を切る前にデータ・レジスタを ファイルに保存しておかないと、データは失われます。 16 - 41 カーブ・フィット・テーブルのリコール 1 デフォルト・ディスクを指定します(第13章「ファイルとディスクの操作」の「デフォルト・ディ スクの設定」を参照)。 2 [Save Recall]を押し、次に[CATALOG ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 [RECALL MORE] [RCL FIT TABLE]を押します。 4 ノブを使用して、リコールしたいファイル名を強調表示にします。 5 [ENTER]を押します。 本器の不揮発性RAM(NVRAM)、RAM、または内蔵ディスクからカーブ・フィット・テーブル のリコールができます。ステップ1でカーブ・フィット・テーブルの保存先を指定しています。 また、GPIB を使えば外部ディスクへからのリコールもできます。詳細については、 『GPIB Programming with the Agilent 35670A』を参照してください。 16 - 42 カーブ・フィット・レジスタの変更 1 [Analys] [CURVE FIT] [CURVE FIT REGISTER]を押します。 2 [D1]を押します。 または、 [D2]を押します。 または、 [D3]を押します。 または、 [D4]を押します。 または、 [D5]を押します。 または、 [D6]を押します。 または、 [D7]を押します。 カーブ・フィット・トレースの結果は、専用のレジスタに記憶されます。デフォルトのレジス タはD6です。 カーブ・フィット・レジスタを変更すると、その設定はRAMに記憶されます。本器をプリセッ トすると、選択はデフォルトのデータ・レジスタのD6に戻ります。 注意 データ・レジスタは、本器の電源を切ると消去されます。電源を切る前にデータ・レジスタを ファイルに保存しておかないと、データは失われます。 16 - 43 17 リミット・テスト この章では、本器のリミット・テスト機能について説明します。この機能はリミットを定義して、 それらについて測定結果をテストするものです。 17 - 1 リミットを描く 1 リミットを作成するトレースをアクティブにします。 2 [Analys] [LIMIT TEST]を押し、次に[DEFINE UPPER LIM]または[DEFINE LOWER LIM]を押し ます。 3 ノブを回して、リミット・マーカをリミット・ラインの開始点に置きます([MOVE MKR HORIZNTAL] および[MOVE MKR VERTICAL]を押して、マーカへのノブの働きをコントロールします)。 4 [START xxx SEG]を押します。 5 ノブを回して、リミット・マーカをリミット・ラインの終了点に置きます。 6 [FINISH xxx SEG]を押します。 7 [Rtn]またはその他のハードキーを押して、Define Limitメニューを終了します。 この手順ではシングル・セグメントのリミット・ライン作成方法を説明しますが、変更すれば 複数セグメントのラインも作成することができます。それには、ステップ7に行く前にステップ の5と6を数回繰り返します。 作成したリミットは、ステップ2でどちらのキーを押したかによって、アクティブなトレースの 上または下のリミット・レジスタに記憶されます。この章で後述する「リミット・テストのイ ネーブル」での説明のように、リミット・テストをイネーブルにしてトレースをリミットに対 して評価することができます。 17 - 2 リミット・セグメントの削除 1 リミット・セグメントを削除するトレースをアクティブにします。 2 [Analys] [LIMIT TEST]を押します。 3 上限リミットのセグメントを削除する場合は、[DEFINE UPPER LIM]を押します。 4 下限リミットのセグメントを削除する場合は、[DEFINE LOWER LIM]を押します。 5 [MOVE MKR HORIZNTAL]を押し、次にノブを回して削除したいセグメントにリミット・マーカ を合わせます。 6 [DELETE SEGMENT]を押します。 リミットを描いた後で、特定のセグメントを描き直すことがあります。これを行うには上の手 順どおりにそのセグメントを削除した後、 「リミットを描く」に従ってセグメントを引き直しま す。リミット全体を描き直すときは、ステップ6で[DELETE ALL] [CONFIRM DELETE]を押した 後、すべてのセグメントを描き直します。 17 - 3 トレースのリミットへの変換 1 リミットに変換するトレースをアクティブにします。 2 [Analys] [LIMIT TEST]を押し、次に[DEFINE UPPER LIM]または[DEFINE LOWER LIM]を押し ます。 3 [TRACE TO LIMIT]を押します。 トレースをリミットへ変換することができます。これにより基準トレースを作成し(標準デバイ スを測定して)、そのトレースに基づいて他のデバイスの性能を試験することができます。作成 したリミットは、ステップ2でどちらのキーを押したかによって、アクティブなトレースの上限 または下限リミット・レジスタに記憶されます。 トレースをリミットに変換するとき、そのリミットを垂直に移動させて基準トレースからの偏 差を見込みたい場合があります。これには、[MOVE ALL VERTICAL]を押して設けたい偏差の値 を入力します。リミットは、その値だけ移動します。 17 - 4 リミット・テストのイネーブル 1 試験を行うトレースをアクティブにします。 2 [Analys] [LIMIT TEST]を押し、次に[TEST EVAL ON OFF]を押してONを強調表示にします。 3 試験中にリミット表示をするときは、[LINES ON OFF]を押してONを強調表示にします。 4 試験トレースがリミット・テストに不合格の場合にビープ音を鳴らすには、[FAIL BEEP ON OFF] を押してONを強調表示にします。 リミット・テストによって、上限または下限リミット・レジスタの内容についてのトレースの 評価を行うことができます。レジスタへのロードは、リミットを描くか、または前に定義した リミットをファイルからリコールして行うことができます([Save/Recall]ハードキー下のRecall Limitソフトキーを使用)。 リミット・テストをイネーブルにすると、トレースは更新のたびに評価されます。トレースの ある点が上限リミットの上か、下限リミットの下に出ると、そのトレースはテストに不合格と なります。テストの結果は、トレース画面の左下隅に表示されます。 試験トレースがリミット・テストに不合格の場合にビープ音を鳴らすには、[System Utility]ハー ドキー下の[BEEPER ON OFF]もONに設定します。 17 - 5 リミットのセーブ 1 セーブしたいリミットを含むトレースをアクティブにします。 2 [Save/Recall] [SAVE MORE]を押し、次に[SAVE UPPER LIM]または[SAVE LOWER LIM]を押し ます。 3 ファイル名を入力し、[ENTER]を押します。 [ENTER]を押すと、上限または下限のリミットがデフォルト・ディスクのカレント・ディレク トリにセーブされます。複数のトレースがアクティブの場合、リミットのセーブは最もアクティ ブなトレースから行われます(最もアクティブなトレースの定義については、[Active Trace]ハー ドキーのオンライン・ヘルプを参照してください)。セーブされたリミットは、[Save/Recall] [RECALL MORE]下の[RECALL UPPER LIM]または[RECALL LOWER LIM]のソフトキーによっ て、どのアクティブ・トレースにもコピーできます。 本器は4つのトレース上限リミットと下限リミットを各1つずつ、計8つのリミット・レジスタを 持っています。各レジスタはリミットを完全な形で保持します。これらのレジスタの内容は、本 器をプリセットしても変わりませんが、本器の電源を切るとその内容は失われます。リミット を再利用するような場合は、フロッピーディスクに保存しておくのが最も良い方法です。 17 - 6 18 演算機能とデータ編集 18 - 1 演算機能とデータ編集 演算機能の設定とデータ・レジスタ内容の編集は、[Analys]メニューを使用して行います。 演算機能 現在の(または記憶してある)トレースについて、定数や関数を使用するさまざまな演算が可能で す。この演算機能を使って、測定の結果を修正することができます。例えば、被測定システム またはデバイスの固定ゲイン(またはロス)の補償などです。また、トレースの反転など、トレー スの修正も可能です。さらに2つのトレースの間で加減乗除を行ったり、トレース上での定数や 複素定数による演算も行うことができます。 特記事項 演算機能の使用法は難しくありませんが、使用する前に知っておくべき事柄があります。 • 演算機能は現在の入力データ、記憶トレース、または定数を含みます。 • 演算機能は、標準代数表記法でのオペランドおよびオペレータで定義を入力することによっ て指定します。 • ハードキーの内をどれか押すだけで、定数定義の関数に影響を与えず演算機能メニューから 抜けられます。 • 演算機能は揮発性RAMに記憶されます。プリセットでは消去されませんが、電源を切ると失 われます。 データ・レジスタの編集 データ編集により、データ・レジスタに記憶されたトレースを修正することができます。開始X および終了X位置を指定し、次に開始Yおよび終了Y値を入力して、ライン・セグメントが定義 できます。本器はこの2点を直線で結びます。このようなラインを必要なだけ挿入することがで きます。 開始Yまたは終了Yを変更します。Y値をどちらか変更しなければ、2点間のデータは変更されま せん。次に開始Xと終了Xを移動し、新たな帯域を定義します。 18 - 2 データ・レジスタを編集すると、次の修正や設定を行うことができます。 • トレースを修正して目的の構成部分を削除します。例えば、2点間のライン・セグメントを定 義して、トレースの一部分の削除ができます。これは、どの種類のトレースでも行うことが できます。 • 波形を修正して任意ソースとして使用します。例えば、正弦波の負の交差点間にライン・セ グメントを引いて、正弦波の下半分(時間ドメイン)の削除ができます。 • カーブ・フィット操作のウェイト関数を設定します。第16章「カーブ・フィット」の「ウェ イト関数の設定」を参照してください。 • トレースのウェイト・フィルタを設定します。本器には演算機能として使用できる A ウェイ ト、Bウェイト、およびCウェイトの3つのフィルタがあります。これらのフィルタの1つを修 正して、独自のフィルタを作ることができます。 演算機能での対数値の使用 演算機能は、どのトレース座標でも、ログ 単位でなくリニア単位で実行されます。演 算機能は、測定データの表示単位への変換 前に機能します。測定システムでのゲイン やロスの補償を行う場合など、対数値の単 位を加える(または引く)必要のあるとき、こ れは重要なので覚えておかなければなりま せん。 測定結果に3dBを加えるとします。演算機能 はリニア単位で使われるため、単純に3dBを 加える演算機能は作れません。かわりに、必 要なオフセット(dB)の真数をトレースに掛 けます。これで3dBがリニア単位に変換さ れ、このオフセットを10のX/20乗(ここでX はdBオフセット)で表すことができます。パ ワースペクトル単位の変換には、オフセッ トを10のX/10乗(ここでXはdBオフセット) で表します。 したがって、リニア単位で3dBを加えるに は、トレースに1.414を掛けます。またリニ ア単位で3dBを引くには、トレースを1.414 で割ります(または、0.707を掛けます)。パ ワースペクトル単位で3dB を加えるには、 1.995を掛けます。またパワースペクトル単 位で3dBを引くには、1.995で割ります。 18 - 3 定数の定義 1 [Analys] [DEFINE CONSTANT (K1-K5)]を押します。 2 [DEFINE K1]を押します。 または、 [DEFINE K2]を押します。 または、 [DEFINE K3]を押します。 または、 [DEFINE K4]を押します。 または、 [DEFINE K5]を押します。 3 <数値>を入力します。 または、 <数値> [+j] <数値>を入力します。 または、 <数値> [+j] [+/-] <数値>を入力します。 4 [ENTER]を押します。 定数レジスタには、デフォルトの値が置かれています(下図参照)。 定数は複素数としても定義できます。ステップ3で、最初の数字は実数部、また2番目の数字は 虚数部です。-jの入力には、[+/-]キーを使用します。 18 - 4 演算でのオペランドの指定 1 ファンクション・レジスタを選択します。 [Analys] [DEFINE FUNCTION (F1-F5)]を押します。 [DEFINE F1]を押します。 または、 [DEFINE F2]を押します。 または、 [DEFINE F3]を押します。 または、 [DEFINE F4]を押します。 または、 [DEFINE F5]を押します。 2 演算を指定します。 [OPERATION]を押し、必要な演算ソフトキーを押します。 3 データを指定します。 [MEAS DATA]を押し、必要な測定ソフトキーを押します。 または、 [DATA REGISTER (D1-D8)]を押し、必要な[DATA REGISTER]ソフトキーを押します。 または、 [CONSTANT (K1-K5)]を押し、必要な[CNSTANT]ソフトキーを押します。 または、 [FUNCTION (F1-F5)]を押し、必要な[FUNCTION]ソフトキーを押します。 オペランドの内容は、 • 現在の入力データ • 記憶トレース(データ・レジスタの内容) • ファンクション・レジスタの内容 • 定数(定数レジスタの内容) 18 - 5 本器の演算 本器には、演算機能を構成するための種々の演算およびオペランドがあります。 演算 オクターブ解析計測器モード(オプション1D1) PWR SPEC 18 - 6 パワースペクトル AWEIGHT Aウェイト・フィルタを適用 BWEIGHT Bウェイト・フィルタを適用 次数比解析計測器モード(オプション1D0) CWEIGHT Cウェイト・フィルタを適用 PWR SPEC パワースペクトル CONJ 複素共役 TIME 再サンプリング時間 DIFF 微分 COMP POWER コンポジット・パワー /JOMEGA jωで除算 ORDER TRACK オーダ・トラック EXP 指数 RPM Profile FFT 高速フーリエ変換 INVERSE FFT 逆高速フーリエ変換 スエプト・サイン計測器モード(オプション1D2) INTEG 積分 LIN SPEC リニア・スペクトル IMAG 虚数部 TIME 時間データ LN 自然対数 FREQ RESP 周波数応答 MAG 絶対値 CROS SPEC クロス・スペクトル PSD パワースペクトル密度 NORM VAR 正規分散 REAL 実数部 SQRT 平方根 相関計測器モード *JOMEGA jωで乗算 TIME 時間データ AUTO CORR 自己相関 測定データは各計測器モードによって異なります。 CROSS CORR 相互相関 FFT計測器モード ウィンドウ時間データ WINDOWED TIME PWR SPEC パワースペクトル LIN SPEC リニア・スペクトル ヒストグラム/タイム計測器モード TIME 時間データ HISTOGRAM FREQ RESP 周波数応答 PDF 確率密度関数 COHERENCE コヒーレンス CDF 累積密度関数 CROS SPEC クロス・スペクトル TIME 未濾過時間 WINDOWED TIME ウィンドウ時間データ 演算の定義 1 [Preset] [DO PRESET]を押します。 [Analys]を押します。 2 ファンクション・レジスタを選択します。 3 第1オペランドを指定します。 4 オペレータを指定します。 [ + ]を押します。 または、 [ - ]を押します。 または、 [ * ]を押します。 または、 [ / ]を押します。 5 第2オペランドを指定します。 6 演算機能の作成を終了します。 演算機能の作成が完了するまで、ステップ3、4、および5を繰り返します。 [ENTER]を押します。 標準代数表記法によりオペランドとオペレータを入力し、演算機能を定義します。演算機能は アクティブなトレースに適用されます。演算機能を選択するとすぐに計算が行われます。 オペレータ・メニューで始めと終わりのカッコを使用して、演算が行われる順序を指定します。 本器では自動的に閉じカッコ")"を挿入します。 対数絶対値またはdB絶対値は、完全に表示のための機能です。データはリニア形式で記憶され ており、対数絶対値(またはdB絶対値)トレースからの減算は除算となります。 18 - 7 演算機能結果の表示 1 アクティブ・トレースを指定します。第8章の「アクティブ・トレースの選択」を参照してくだ さい。 2 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION]を押します。 3 [F1]を押します。 または、 [F2]を押します。 または、 [F3]を押します。 または、 [F4]を押します。 または、 [F5]を押します。 4 [Scale]を押し、[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 演算機能は、表示の前に必ず定義が必要です。実行不可能な演算機能を表示しようとすると、 データなしの目盛りのみが表示されます。 演算は揮発性RAMに記憶されます。これはプリセットしても保持されますが、電源を切ると失 われます。電源を切る前に、ファイルへセーブしてください。 18 - 8 ケプストラムの計算 1 [Preset] [DO PRESET]を押します。 2 アクティブなトレースを選択します。 3 ファンクション・レジスタを選択します。 [Analys] [DEFINE FUNCTION (F1-F5)] [DEFINE F1]を押します。 4 演算を指定します。 [OPERATION] [FFT(]を押します。 [OPERATION] [MORE] [LN(]を押します。 [MEAS DATA]を押します。 [CHANNEL 1 2](または[CHANNEL 1 2 3 4])を押して1を強調表示にし、次に[POWER SPEC1]を 押します。 5 演算を完成します。 [ENTER]を押します。 ケプストラムは対数(振幅)スペクトルのスペクトルです。これはスペクトル中の高調波、側波 帯、またはエコー効果などの周期的な波形の検出に使用されます。 ここでの手順は、本器の演算機能の1つを使用した場合です。ケプストラムの計算は、電力スペ クトラムのlog eをとり、FFTを計算します。 18 - 9 ヒルベルト変換の計算 1 電源を入れ直します。信号ソースをチャネル1に接続します。 2 [Analys] [DEFINE FUNCTION] [DEFINE 1]を押します。 3 [OPERATION] [INVERSE FFT(]を押します。 4 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K5] [*]を押します。 5 [OPERATION] [FFT(] [MEAS DATA] [TIME CHANNEL 1]を押します。 6 [ENTER]を押します。 7 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION] [F1]を押します。 [Trace Coord] [MORE CHOICES] [REAL PART]を押します。 時間ドメイン信号のヒルベルト変換は、信号の振幅は変えずに正の周波数に対しては-90°、ま た負の周波数に対しては+90° 位相をシフトする、別の時間ドメイン信号です。時間信号のヒル ベルト変換を計算するための手順は、次のとおりです。 • 時間信号のFFTをとります。- ステップ5 • 周波数成分のそれぞれの位相を+/-90°変えます(周波数が正か負かによって異なります)。 - ステップ4 • 結果の逆FFTをとります。- ステップ3 電源を入れ直すと定数レジスタ[CONSTANT K5]がデフォルト値0.000000 -j 1.000000にプリセッ トされます。 18 - 10 関数のエンベロープの計算 1 [Analys] [DEFINE FUNCTION]を押します。 ヒルベルト変換を[FUNCTION F1]に定義します。 2 [DEFINE F2]を押します。 [MEAS DATA] [TIME CHANNEL 1] [*]を押します。 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K1] [+]を押します。 3 [(] [FUNCTION (F1-F5)] [FUNCTION F1] [*] [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K4]を押します。 [ENTER]を押します。 4 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION] [F2]を押します。 5 [Trace Coord] [LINEAR MAGNITUDE]を押します。 ヒルベルト変換は、変調信号のエンベロープを見るための簡便な復調器として使用できます。さ らに、値のピーク位置を見ることにより、システム遅延を読むこともできます。 エンベロープ関数は、解析信号のリニア絶対値です。リニア絶対値トレース座標は、実数部分 と虚数部分の平方の和の平方根です。解析信号はf(t)+jf~(t)の和で、ここでjf~(t)はヒルベルト変 換です。 この手順では、ヒルベルト変換を使用してエンベロープ関数を計算しています。ここでは、既 定義の定数レジスタを使用しています。 18 - 11 S/N比の計算 1 電源を入れ直します。本器と被測定デバイスを、RMS アベレージングによる周波数応答測定の ためにセットアップします。 2 [Analys] [DEFINE FUNCTION (F1-F5)] [DEFINE F1]を押します。 3 [MEAS DATA] [COHERENCE 2/1]を押します。 [/] [(]を押します。 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K1]を押します。 [+] [(]を押します。 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K3]を押します。 [*]を押します。 [MEAS DATA] [COHERENCE 2/1]を押します。 4 [ENTER]を押します。 5 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION] [F1]を押します。 [Trace Coord] [MORE CHOICES] [REAL PART]を押します。 [Scale]を押し、[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 S/N比対周波数は、コヒーレンス関数から計算されます。信号パワースペクトルはGyy、真の雑 音はGnnです。 S(f) N(f) = Gyy(f) Gnn(f) = γ 2(f) 1- γ 2(f) コヒーレンス関数γ 2(f)のレンジは0.0~+1.0で、これはS/N比レンジの0~∞に相当します。 S/N比はコヒーレンス・データを、実数値コヒーレンスと-1との積に1を足した数で割ったもの です。 この手順では、既定義の定数レジスタを使用しています。[CONSTANT K1]の内容は+1、[CONSTANT K3]の内容は-1です。 18 - 12 群遅延の計算 1 電源を入れ直します。本器と被測定デバイス(DUT)を、周波数応答測定のためにセットアップし ます。 2 [Analys] [DEFINE CONSTANT] [DEFINE K1]を押します。 テンキーでπの値3.14159を入力します。 [ENTER] [Rtn]を押します。 3 [DEFINE FUNCTION] [DEFINE F1]を押します。 [OPERATION] [MORE] [DIFF(]を押します。 [OPERATION] [IMAG(]を押します。 [OPERATION] [MORE] [LN(]を押します。 4 [MEAS DATA] [FREQ RESP 2/1]を押します。 [)]を3回押します。 [*]を押します。 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K3]を押します。 [/] [(]を押します。 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K2]を押します。 [*]を押します。 [CONSTANT (K1-K5)] [CONSTANT K1]を押します。 [ENTER]を押します。 5 [Meas Data] [MORE CHOICES] [MATH FUNCTION] [F1]を押します。 [Trace Coord] [MORE CHOICES] [REAL PART]を押します。 [Scale]を押し、[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 群遅延は、周波数応答の位相の負の導関数です。 群遅延=DIFF(位相(FRES21))*(- 1 2π ) この手順では、等価群遅延を最小アパーチャで計算しています。また、既定義の定数レジスタ [CONSTANT K2]=2.0、および[CONSTANT K3]=-1.0を使用しています。[CONSTANT K1]はπに 定義されています。または[CONSTANT K1]を-0.1592に定義し、定数K2およびK3の使用を避け ることもできます。 位相は演算に使用できないため、周波数応答の自然対数の虚数部IMAG(LN(FRES21))を使用して います。アンラップト位相となる結果はラジアンの単位が使用され、2π の整数倍だけオフセッ トされます。 18 - 13 波形の修正 1 編集する波形(トレース)をアクティブなトレースとして表示します。 2 波形をデータ・レジスタに記憶します。 [Pause-Cont]を押します。 [Save/Recall] [SAVE DATA] [SAVE TRACE] [INTO D1]を押します。 3 [Analys] [DATA EDIT] [EDIT D1]を押します。 4 修正するトレース上の開始点にカーソルを置きます。 [START X] [Marker Value]を押します。 修正するセグメント上の終了点にカーソルを置きます。 [STOP X] [Marker Value]を押します。 または、 [START X] <数値> <単位>を押します。 [STOP X] <数値> <単位>を押します。 5 [MODIFY START Y] <数値> <単位>を押します。 [MODIFY STOP Y] <数値> <単位>を押します。 6 [Scale]を押し、[AUTOSCALE ON OFF]を押してONを強調表示にします。 トレースはセーブされ、データ・トレースの時間X軸スケールを設定します。 注意 18 - 14 データ・レジスタの内容は、本器の電源を切ると消去されます。電源を切る前にデータ・レジ スタをファイルに保存しておかないと、データは失われます。 Agilent 35670Aマニュアル・ガイド 操作 ◆本器の開梱と設置 ◆入門操作 ◆測定の実行 ◆自動測定の設定 細目 参照マニュアル 本器の設置 『Agilent 35670A Installation and Verfication Guide』 動作テストまたは性能テストの実施 『Agilent 35670A Installation and Verfication Guide』 初めての測定 『Agilent 35670A Quick Start Guide』 測定の基本の復習 Agilent 35670Aオペレーターズ・ ガイド 各キーの機能を知る [Help]キーを使用 本器での標準的測定を修得 Agilent 35670Aオペレーターズ・ ガイド 本器の各測定器モードについて知る Agilent 35670Aオペレーターズ・ ガイド AgilentインスツルメントBASIC インタフェースについて修得 『Using Instrument BASIC siththe Agilent 35670A』 特定測定のキーストロークを記録 『Agilent 35670A Quick Start Guide』 (AgilentインスツルメントBASICは オプション1C2) AgilentインスツルメントBASICによる プログラム 『 Instrument BASIC User’s Handbook』 ◆リモート操作 GPIBについて知る 『GPIB Programmer’s Guide』 GPIBによるプログラム 『GPIB Programming with the Agilent 35670A』 GPIBコマンドを知る 『Agilent 35670A GPIB Commands: Quick Reference』 アナライザ・データのパーソナル・ コンピュータによる表示、または プロット 『Standard Data Format Utilities: User’s Guide』 ◆本器をPCアプリケーションと使用 アナライザ・データのPCソフトウェア・ アプリケーション・フォーマットへの 変換 PCソフトウェア・アプリケーション・ フォーマットからアナライザ・データへ の変換(たとえば、データ・レジスタへ のデータのロード) ◆保守 本器の調整、トラブルシューティング、 『Agilent 35670A Service Guide』 修理 アフターサービスについて アフターサービスが必要なときは、最寄りの当社営業所までご連絡ください。ご連絡に際して、 以下の点についてもお知らせください。 □ モデル番号: Agilent 35670A □ シリアル番号: □ オプション: □ 問題の起こった日(初回): □ 問題の起こった環境: □ 問題の再現の可否: □ ユーザーへの影響 索引 A AC Coupling,4-2 Agilent計測器BASIC プログラムのセーブ,13-8 プログラムのリコール,13-11 AWインディケータ,3-7 Aウェイト 全帯域,3-8 フィルタ,3-6,3-7 B BASELINE SUPPRESS,9-8 BASIC AgilentインスツルメントBASICを参照 D dBm,11-8 dc coupling,4-2 F FFT解析 周波数分解能,第I部-6 タイム・キャプチャ ,7-11 Front/Backディスプレイ・フォーマット,9-2 FU定義,11-6 O OVERSHOOT,5-10 P parity,14-3 Pascal(単位),3-4 PERCENT OVERSHOOT,5-10 PSD,4-6 Q QUADディスプレイ・フォーマット,9-2 R rpmステップのアーミング,1-12,1-16 rpmプロファイルの表示,1-19 RS-232-Cケーブル,14-3 S S/N比 計算,18-12 screen saver, 9-6 SPL 一般的な説明,3-6 全,3-8 全帯域の表示,9-4 G GPIB PLOTTER ADDRESS,14-4 PRINTER ADDRESS,14-4 ディスクのアドレス,13-2 T THD,4-7 I IEC 651,3-9 Input,4-2 W WATERFALL STEPS,9-7,9-9 M Mkr Valueハードキー ,4-4 N NaN,15-13 U UPPER/LOWERディスプレイ・フォーマット,9-2 X xdcr トランスデューサを参照 X軸 合成のための間隔指定,15-28 軸スケール・マーカによるスケーリング,10-7 スケールのリセット,10-7 i ストレスのスケールをマッチさせる,10-8 マーカの表示値,4-5 Y Y軸 2トレースのスケールをマッチさせる, 10-6 オートスケーリング,10-2 手動によるスケーリング,10-3,10-4 軸スケール・マーカによるスケーリン グ,10-5 スケールのリセット,10-5 マーカの表示値,4-5 Z Z軸スケーリング,9-7, 9-9 あ アーミング rpmステップ,1-12,1-16 タイム・ステップ,1-13,1-17 アクティブ・トレース,8-2 アドレス 外部ディスク・ドライブ,13-2 プリンタ,14-4 プロッタ,14-4 アパーチャ、群遅延,4-14 アベレージング FAST,第I部-15,4-9 REPEAT,4-9 TYPEの選択,4-3 ウォータフォール表示値を用いた,4-9 オンにする,4-3 概要,第I部-15 数値の指定,4-3 トリガ・タイプ,第I部-16 プレビュー機能,2-14 アベレージングのプレビュー ,2-14 い 位相 演算機能による計算,18-13 次数比モード測定,1-18 単位,11-4 歪みの測定,4-14 位相マージン,5-16 印刷 画面内容の,14-6 タイムスタンプ,14-7 注釈,14-7 ファイルへの,14-6 ii ヘルプ・トピックの,12-5 インデックス、ヘルプ,12-4 インパルス特性(オクターブ),3-9 う ウィンドウ 精度を高めるには,2-7 説明,第I部-12 ウェイト Aウェイト・フィルタ,3-6,3-7 ウィンドウも参照 指数タイム(インパルス),3-9 ウォータフォール・バッファ サイズの指定,9-7,9-9 スクロール,9-9 スライス表示,9-11 セーブ,13-7 トレースの表示,9-10 表示,9-9 ウォータフォール・マーカ イネーブルにする,9-9 スライスの選択,9-11 トレースの選択,9-10 ウォータフォールの斜行,9-8 ウォータフォールのスライス,9-11 ウォータフォール表示 BASELINE SUPPRESS,9-8 SKEW,9-8 Z軸のスケール,9-7,9-9 アベレージング,4-9 イネーブル,9-7 オートスケールの影響,第I部-19 クリア,9-9 測定中と休止時の違い,9-9 トレース高,9-8 え エラー (NaNマーカ値),15-13 エレクトレット・マイクロフォン,3-3 演算 S/N比の計算,18-12 T/(1-T),5-20 位相の計算,18-13 ウェイト関数,6-9 エンベロープの計算,18-11 オペランドの定義,18-5 概要,18-2 機能の定義,18-7 群遅延の計算,18-13 結果の表示,8-7,18-8 ケプストラムの計算,18-9 定数の定義,18-4 特記事項,18-2 波形の修正,6-9 ヒルベルト変換,18-10 エンジニアリング・ユニット トランスデューサ単位を参照 お オーダ・トラックの測定,1-14 - 1-18 オーダ・マップ,1-12,1-13 オートスケール,第I部-19,10-2 オートレンジ,第I部-8,第I部-10 オービット・ダイヤグラム,1-20,1-21 オープン・ループ応答,5-14 オクターブ全帯域 Aウェイト,3-8 一般,3-8 オクターブ解析,3-1 SPLも参照 音圧レベル SPL参照 オンライン・ヘルプ 一般,12-2 インデックス,12-4 関連トピックへのリンク,12-3 終了,12-6 トピックの印刷,12-5 か 加速度の単位,11-7 過負荷,2-11 カレント・ディレクトリ,13-5 外部ディスク・ドライブ 接続,13-2 デフォルト・ディスクの設定,13-3 外部モニタ,9-6 画面 外部モニタへの出力をイネーブルにする,9-6 画面のオン/オフ,9-6 輝度設定,9-6 き 基準チャネル,4-11 機能 演算機能も参照 表示,8-7 レジスタの定義,18-7 揮発性RAMディスク,13-3 キャプチャ タイム・キャプチャを参照 キャラクタ・ビット,14-3 狭帯域の測定,4-4 虚数成分の表示,2-13 く 駆動点測定 アンラップト位相,2-12 虚数成分,2-13 実数成分,2-13 設定,2-10 プレビュー ,2-14 グリッド、トレース,9-4 クローズド・ループ応答,5-18 群遅延 計算,18-13 表示,4-14 け 計測器ステートのセーブ,13-9 ケプストラムの計算,18-9 ゲイン係数、シンセシス,15-23 ゲイン・マージン,5-16 こ 校正 トランスデューサ,1-4,1-5 マイクロフォン,3-4,3-5 構造、駆動点測定,2-10 高調波歪み,14-3 コヒーレンス,4-11 コンデンサ・マイクロフォン,3-3 さ 削除 ディレクトリ,13-14 ファイル,13-13 座標系,11-2 し 次数スペクトルの測定,1-10,1-11 周期チャープ,4-11 周波数 FTTのフル・スパン,4-2 シンセシスのスケーリング,15-23 シンセシスのスパン,15-25 単位,11-3 分解能,4-5 周波数応答 FFT解析の使用,4-10 過負荷による歪み,2-11 シンセシス,15-26 スエプト・サイン解析,4-12 iii シリアル・ポート,14-3 シンセシス NaNマーカ表示,15-13 X軸間隔,15-25,15-28 アナライザの設定,15-25 オプションのパラメータ,15-23 カーブ・フィット・テーブルのコピー , 15-34,16-38 開始周波数,15-25 極-ゼロ・データ,15-4 極-ゼロ形式,15-15 極-ゼロの例,15-5 極-留数データ,15-6 極-留数の例,15-10 極-留数方程式,15-10 極留数形式,15-16 計算,15-3 ゲイン係数,15-19,15-23 周波数応答,15-26 周波数スケーリング,15-23 周波数スケール,15-21 周波数スパン,15-25 終了周波数,15-25 数値範囲,15-29 多項式形式,15-17 多項式データ,15-11 単純極の復元,15-7 遅延,15-20,15-23 テーブル形式の変換,15-16,15-17 テーブルの作成,15-18,15-22 テーブルの消去,15-24 テーブルのセーブ,15-31 テーブルの表示,15-15 テーブルのリコール,15-33 テーブル変換,15-13 データ・レジスタの変更,15-35 データ形式,15-4 トレースのセーブ,15-32 非エルミート入力,15-7,15-13 複素共役極対の復元,15-8 部分分数形式,15-6 ローラン項,15-13 シンセシス・テーブル 形式の変換,15-16 作成,15-18,15-22 消去,15-24 セーブ,15-31 表示,15-15 編集,15-30 リコール,15-33 振動 iv FFTモード測定,1-6,1-7 次数比モード測定,1-10,1-11,1-14,1-15 振幅 単位,11-5 - 11-8 復調器(ヒルベルト変換を使用),18-11 振幅の単位,11-5,11-8 時間の単位,11-3 軸スケール・マーカ,10-5,10-7 実数成分の表示,2-13 す スエプト・サイン解析,4-12 スケーリング 2トレースのスケールの整合,10-6,10-8 X軸スケールの変更,10-7 Y軸スケールの変更,10-5 手動Y軸,10-3,10-4 軸スケール・マーカによる,10-5,10-7 軸マーカ,5-17 自動Y軸,10-2 入力レンジ・トラッキング,第I部-19 スケール・マーカ,10-5,10-7 ステートのセーブ,13-9 ステップ応答,5-8,5-9 ステップ信号の生成,6-4 ストップ・ビット,14-3 スパン FFTモードにおける最大値,4-2 タイム・キャプチャの制限,7-11 ズームとタイム・キャプチャ ,7-11 セーブ AUTOSTATE,13-9 ウォータフォール,13-7 シンセシス・テーブルの,15-31 シンセシス・トレースの,15-32 タイム・キャプチャ・バッファ ,7-6 トレース,13-7 プログラムの,13-8 リミット・ライン,17-6 せ 制御システム OVERSHOOT,5-11 T/(1-T),5-20 Y/S測定,5-18 位相マージン,5-16 オープン・ループ応答,5-14 クローズド・ループ応答,5-18 ゲイン・マージン,5-16 ステップ・ソース信号,6-4 ステップ応答,5-9 ステップ応答の測定,5-8 性能パラメータ,5-11 セトリング時間,5-11 遅延時間,5-11 チャープ信号プロファイル,6-8 伝達関数,5-20 ナイキスト線図,5-17 ランプ・ソース信号,6-6 セトリング時間,5-11 セントロニクス・コネクタ,14-2 全高調波歪み,4-7 全帯域 Aウェイトのオクターブ,3-8 オクターブ,3-8 表示,9-4 そ ソース インピーダンス,第I部-11 周期チャープ,4-11 ステップ信号の生成,6-4 チャープ信号プロファイルの生成,6-8 任意ソースも参照 ランプ信号の生成,6-6 掃引、リニア対ログ,4-13 測定データ 1チャネルからの表示,8-3,8-4 複数チャネルからの表示,8-5 利用可能,8-3 速度の単位,11-7 側波帯パワー ,4-8 た タイトル トレース,9-5 プロットまたは印刷,14-7 タイム・キャプチャ 解析範囲の決定,7-9 キャプチャ・バッファでの測定,7-10 - 7-12 キャプチャ・バッファのチェック,7-8 キャプチャ・バッファのフロッピーディス クからのリコール,7-7 キャプチャ・バッファへの入力,7-2,7-3,7-5 スパンの制限,7-11 測定器モード変更の制限,7-11 測定マーカ,7-12 タイム・レコードの制限,7-11 データ収集の停止,7-5 バッファのフロッピーディスクへのセーブ,7-6 メモリ割当て,7-4 レンジの制限,7-2 タイム・キャプチャによるオーダ・アナリシ ス,7-2,7-3,7-10,7-11 タイムスタンプ,14-7 タイム・ステップのアーミング,1-13,1-17 タイム・レコード、タイム・キャプチャの制限,7-11 タコメータ 位相基準として使用,1-18 信号の特性評価,1-8,1-9 表示値,9-3 立上がり/立下がり測定,1-12,1-16 単位 位相,11-4 加速度,11-7 周波数,11-3 振幅,11-5 - 11-8 時間,11-3 速度,11-7 トランスデューサ単位も参照 変位,11-7 ち 遅延 群,4-14 シンセシス,15-23 トリガ,第I部-14 遅延時間,5-11 チャープ,4-11 チャープ信号プロファイルの生成,6-8 チャネル 基準の選択,4-11 プリセット状態,第I部-3 メニューからの選択,4-3 注釈 XおよびY軸値,9-3 トレース・タイトル,9-5 プロットまたは印刷,14-7 て 定数の定義,18-4 テキスト間のリンク、ヘルプ,12-3 データ ディスクからのリコール,13-12 ディスクへのセーブ,13-9 データ・レジスタ,16-32 カーブ・フィット・テーブルの,16-42 シンセシス・テーブルの,15-31 波形の修正,6-9,18-14 表示,8-6 編集,18-2 v ディスク 外部ディスクの接続,13-2 デフォルト・ディスクの選択,13-3 フォーマット,13-4 ディスプレイ 画面内容の印刷,14-6 画面内容のプロット,14-5 ディスプレイのフォーマット,第I部-17,9-2 ディレクトリ カレント・ディレクトリの選択,13-5 削除,13-14 新しいディレクトリの作成,13-6 デフォルト・ディスク,13-3 デフォルト・ディレクトリ,13-5 伝達関数,5-20 と トラック、オーダ,1-14 - 1-18 トランスデューサ 感度の入力,11-6 校正,1-4,1-5 接続,1-2 単位の選択,3-4,11-6 単位の変換,11-7 トランスデューサ単位 選択,11-6 単位も参照 変換,11-7 トリガ 遅延,第I部-14 手順,第I部-13 トレース アクティブ,8-2 ウォータフォール内の高さ,9-8 オートスケーリング,10-2 画面での配列,9-2 グリッドの表示,9-4 座標系,11-2 手動によるスケーリング,10-3,10-4 軸スケール・マーカによるスケーリング, 10-5, 10-7 セーブ,13-7 タイトル,9-5 最もアクティブ,8-2 リコール,13-10 な ナイキスト線図,5-17 内蔵ディスク・ドライブ デフォルト・ディスクの設定,13-3 フォーマット,13-4 vi に 入力 オートレンジ,第I部-10 過負荷状態,第I部-9 固定入力レンジ,第I部-10 次数比モードのオートレンジ,1-11 測定,7-12 レンジ,第I部-8 任意ソース 概要,6-2 計測,6-2 ステップ応答の測定,5-9 ステップ信号,6-4 チャープ信号プロファイル,6-8 トリガ,6-2 反復機能,6-2 ランプ信号,6-6 の ノイズの測定,4-6 は ハンドシェーク,14-3 ハンマ試験、設定,2-10 パス,13-5 パラレル・ポート,14-2 パワースペクトル密度,4-6 ひ 歪み 位相,4-14 高調波,4-7 ビット/キャラクタ,14-3 ヒルベルト変換,18-10 ふ ファイル SAVE AUTOSTATE,13-9 ウォータフォールのセーブ,13-7 コピー ,13-15 削除,13-13 タイム・キャプチャ・バッファのセーブ,7-6 タイム・キャプチャ・バッファのリコール,7-7 通常のセーブ,13-9 通常のリコール,13-12 トレースのセーブ,13-7 トレースのリコール,13-10 プリンタ出力,14-6 プログラムのセーブ,13-8 プログラムのリコール,13-11 プロッタ出力,14-5 リネーム,13-16 リミット・ラインのセーブ,17-6 ファイルのコピー ,13-15 ファイルのリネーム,13-16 フィルタ、Aウェイト,3-6,3-7 フォーマット ディスク,13-4 表示されたトレース,9-2 不揮発性RAMディスク,13-3 フロー制御,14-3 プリンタ セットアップ - GPIB,14-4 セットアップ - シリアル,14-3 セットアップ - パラレル,14-2 プログラム セーブ,13-8 リコール,13-11 プロッタ P1およびP2値の設定,14-10 セットアップ - GPIB,14-4 セットアップ - シリアル,14-3 セットアップ - パラレル,14-2 プロット速度の変更,14-9 ペン割当て,14-8 プロット 位置決め,14-10 画面内容,14-5 タイムスタンプ,14-7 注釈,14-7 ファイル,14-5 へ ヘルプ オンライン・ヘルプを参照 変位の単位,11-7 ほ ボーレート,14-3 ま マーカ NaN,15-13 軸スケール,10-5,10-7 ソフトキーによる数値入力,4-4 タイム・キャプチャ ,7-9,7-12 リミットの移動,17-2 マーカ機能 位相マージン,5-16 ゲイン・マージン,5-16 高調波,4-7 側波帯,4-8 マーカ表示値,9-4 周波数分解能,4-5 相対的,4-4 マイク・コネクタ,3-2 マイクロフォン エレクトレットの注意点,3-3 校正,3-4,3-5 出力単位の指定,3-4 接続,3-3 マイクロフォン・アダプタ 接続,3-2 ピン説明,3-3 マップ、オーダ,1-12,1-13 め メモリ、 タイム・キャプチャのための割当て,7-4 も 最もアクティブなトレース,8-2 モニタ、外部,9-6 ら ランプ信号の生成,6-6 り リコール シンセシス・テーブルの,15-33 タイム・キャプチャ・バッファ ,7-7 通常の,13-12 トレースの,13-10 プログラムの,13-11 リニア掃引,4-13 リミット・テスト,17-5 リミット・マーカ,17-2 リミット・ライン 描く,17-2 コピー ,17-6 削除,17-3 垂直に移動,17-4 セーブ,17-6 トレースからの変換,17-4 表示,17-5 リンク、ヘルプ,12-3 れ レンジ 次数比モードの制限,1-11 タイム・キャプチャの制限,7-2 入力,第I部-8 vii ろ ローラン項,15-13 ログ掃引,4-13 viii
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