平成23年3月発行 富山県立大学学生委員会 第21回 県大祭 CONTENTS ●退職にあたって ●News Digest ●研究紹介 ●INFOMATION など 90 NO. 県立大学・技術短大の35年を振り返って 工学部教養教育 教授 前澤 邦彦 技術短大の14年、県立大学の21年、物理学を教 えることと研究そして教育と研究に関わる運営 的な仕事との35年間でした。どの時代も、学生に とって必修科目物理学とはもっとも困難な教科 だったようです。できるだけ本質を、考え方をと 思って授業をしてきたつもりですが、独りよがり のこともあったかもしれません。数年前から、教 養教育では学習相談室という個人指導教室を始 めました。研究では金属特にレアアース化合物の 物性研究をやってきました。多くの卒研、修士の 学生とも一緒に仕事をしました。また研究の過程 で派生したレアアース金属の精製法に関して、メ ーカーや国の研究機関、海外の大学との共同研究 にも携わることができました。振り返って、あっ という間であったという感覚は全くありません。 多分いつも七転八倒の繰り返しだったというこ とかもしれません。大学も変わりました。具体的 に書く紙数はありませんが、年々の変化は小さく とも、35年という歳月の初めと終わりを比較する と大変な変化だと思います。教員の仕事・役割、 学生の気質等々。最後に、教育・研究その他様々 な場面で、多くの先生方と一緒に仕事をさせて いただきました。ありがとうございました。 過ぎし日のこと 工学部教養教育 准教授 丸山 義博 退職にあたり 昭和47年 月に技術短期大学応用数学科に助 手として就任しました。本稿の執筆で、なぜか、 就任時の青い空と技短キャンパスでの過ぎし日 の出来事が脳裏に浮かんできます。 就任 年目は計算機演習を担当しました。応数 のほとんどの学生が課外活動に参加していたこ とから、籠球部の手伝いを頼まれました。練習や 練習試合がある日は、けがや移動中の交通事故等 が心配で、学生と行動を共にしていました。夏季 開催の中部公短交歓競技会に合わせての合宿で 早朝から夕方まで練習、夜は公務員試験のための 問題集による演習をしていました。 年次生の担任(任期 年。計 年)で学生の 就職に携わりました。 、 月に進路調査と資 料の作成。 月の最初の企業訪問で大学案内を 持参し、技短のPRと企業の採用予定を聞く。 月の父兄懇談会で父母と進路の確認。 ∼12月 に採用試験を受ける企業の担当者と持参した書 類で面談(課外活動、演習等を通しての学生の人 柄、適正等) 、内定した企業については採用状況 等を聞く。 年を通して推薦したい企業のほと んどを訪問し、学生が希望するあるいは採用内定 企業には、年に 、 回訪問していました。 県立大学ができ、籠球部は北信越の連盟理事会 (新潟大で開催)に加盟申請し、加盟後顧問を退 きました。 最後に、技短で過ごした日を含め、今日まで多 くの先生方と事務局の方々に大変お世話になり ました。ありがとうございました。 富山県立大学の益々の発展を願って 工学部知能デザイン工学科 教授 安達 正利 平成 年 月 日に前任校の京都大学から開 設当初の県立大学に赴任し、以後21年に亘り教員 として勤務しました。そして、この 月31日付け で定年退職となります。京都大学の20年と合わせ ると40年以上を大学で教員として働いてきたこ とになります。その間、 「半導体、強誘電体、圧 電 体 等 の 固 体 中 で 起 こ る 電 子(electron)、光 (photon) 、音波(phonon)の相互作用による物 理的現象や効果の基礎研究を行い、またそれらの 相互作用を積極的に利用した新しい電子機能デ バイスへの応用研究や開発を行う」を研究室の標 語として、これまで一貫して電子材料工学、結晶 工学、機能デバイス、光デバイス、超音波デバイ スに関する基礎および応用研究に従事すること ができました。このことは小生にとって無上の幸 2 せであります。研究室の教員・学部生、院生各位 に感謝します。 赴任した時、工学部には定員各80名の電子情報 工学科と機械システム工学科の 学科のみで、本 当に小さいこじんまりした大学でした。先輩教員 とともに新制富山県立大学を我々の手で作ろう という熱い気持ちが一杯充満していました。現在 では、 学科で教員110人、学生・院生1130人と 発展しています。開学当時は、大学のまわりもパ スコ、千成商店街と小杉駅北に飲み屋があった程 度ですが、今はアルプラザ、多くのアパート、飲 食店が店を並べ、学生にとっても生活しやすい町 になりつつあります。 最後に、富山県立大学の益々の発展と皆様のご 健勝を祈願しております。 本学教員等の受賞について 本学の教員が携わった研究について、 でご紹介します。 件の受賞がありましたの 教養教育 上谷保裕 准教授 銅及び銅合金技術研究会「平成22年度論文賞」H22.11.4受賞 受賞論文「Ge添加した60/40Cu-Zn合金におけるα相のHRTEM観察」 <研究の概要等> 環境および人体に有害な鉛を含まずに切削性の良いCu-Zn合金を開発するために、Cu-40%Zn合 金をβ1単相状態から低温で焼鈍して相分解、生成する 枚の対となった板状α相に注目してきた。 本研究では銅合金の積層欠陥エネルギーを下げるとされるGeを添加して、生成するα相を高分解 能透過型電子顕微鏡観察と電子回折によって調べ、同族元素であるSi添加の場合及び添加元素を含まない場合との差 異を明らかにしてα相の生成および硬さへの寄与について考察した。(上谷) 機械システム工学科 石塚 勝 教授 The K16 committee on Heat Transfer of Electronics and the Electronic Photonic Packaging Division of ASME「2010 CLOCK AWARD」H22.11.16受賞 <表彰内容> ASME(米国機械学会)のK-16 committee(電子機器の冷却に関する委員会)から長年の電子 機器の冷却に関する顕著な業績が認められたものです。(石塚) 機械システム工学科 竹井 敏 准教授 コニカミノルタ科学技術振興財団「平成22年度コニカミノルタ画像科学進歩賞」H23.1.19受賞 受賞論文「 次元微細加工用高転写性環境対応レジスト材料の開発」 <研究の概要等> 糖誘導体を主成分に用いる 次元微細加工用高転写性レジスト材料(感光性材料。加工基板上に 成膜され、加工処理中に基板表面を保護することからレジストと呼びます。)は線幅50ナノメート ル(髪の毛の2000分の )の最先端の微細加工性を有し、アクリル樹脂を主成分とする従来製品に 比べ高転写性と光学特性等に優れることを見出しました。 今後、環境に配慮した有機溶媒を使用しない水溶性光・電子機能性新材料の創成を皆さまとの連携により進め、次 世代デバイス製造分野において環境への先駆的取り組みを発信していきたいと願います。(竹井) 知能デザイン工学科 髙木 昇 准教授 World Automation Congress「Best Paper Award, The 7th International Forum on Multimedia and Image Processing」H22.9受賞 受賞論文「A Pattern Classification Method of Mathematical Figures with Broken Lines」 <研究の概要等> 数学のテキストに描かれているグラフをコンピュータで認識し、何が描かれているかを識別する 技術の研究成果が述べられています。特に、破線で描かれた曲線を含むグラフの識別技術が示され ています。このような技術は、視覚障碍者が利用する触図の作成支援システムへの応用が期待されます。触図とは触 って理解できるように表面に凹凸のある図のことです。触図の作成には経験が必要なため、簡単に作れる技術開発が 求められています。 (髙木) 本学学生の受賞・資格試験合格について 本学学生が次のとおり各学会賞等を受賞、資格試験に合格しました。 受 賞 者 学 科 等 学会賞名/資格試験名 上神 大 情報システム工学科 倉知 幹 博士前期課程機械システム工学専攻 年 廣瀬 優 博士前期課程機械システム工学専攻 年 可視化情報学会全国講演会 (鹿児島2010) ベストプレゼンテーション賞 鈴木 孝明 博士前期課程知能デザイン工学専攻 年 平成22年精密工学会北陸信越支部学術講演会ベストプレゼンテーション賞 國宗 高志 博士前期課程知能デザイン工学専攻 年 平成22年度電気関係学会北陸支部連合大会 計測自動制御学会「優秀論文発表賞」 増山 優香 博士前期課程生物工学専攻 岩瀬 俊光 短期大学部専攻科環境システム工学専攻 境井千佳子 生物工学科 年 年 ㈳富山県機電工業会「ものづくり in とやま」論文 優秀賞 Japan ANSYS Conference 学生ポスターセッション 優勝 年 JSoFF2010 Young investigator Award 年 第21回廃棄物資源循環学会研究発表会 優秀ポスター賞 技術士 第一次試験合格 3 富山県立大学秋季公開講座 10月 日㈯、 日㈯、16日㈯の 日間、本学大講義室において秋季公開講座が 開催されました。 今回は、生物工学科の教員が講師となり、「未来を切り開くバイオ産業」をテ ーマとして講演しました。工業用酵素やバイオエタノール、バイオ燃料、そして 遺伝子組み換え技術に関わるものまで幅広く、大変興味深い内容でした。県内各 地から延べ200名が参加され、皆さん熱心に講義を聴いておられました。 富山県 大学・短大・高専合同説明会 10月10日㈰に富山大学で開催された「富山県 大学・短大・高専合同説明会」 に参加しました。この説明会は、富山県内の高等教育機関への進学を促すため、 県内の高等教育機関が連携して実施したものです。 本学の体験教室では、岩井講師による工業ダイヤモンドの解説、天文部の天体 望遠鏡の展示、ソフトウェア工学講座のユビキタスセンサ体験、大学院生による 流体力学の講義などを用意しました。会場は、工学に興味をもった小学生など多 くの来場があり大変盛況でした。 平成22年度 富山県立大学環境講演会 10月15日㈮本学大講義室において、 「富山県立大学環境講演会」を開催しまし た。この講演会は、本学の学生に環境問題に対する知識や問題意識を持たせるた めに、環境リテラシー形成の一環として毎年実施しているものです。今回は、 「地 球環境変動と富山の自然」をテーマとして、元東京女子大学教授 小島 覚 氏にご 講演いただきました。 講演では、地球の温暖化による立山のハイマツや雷鳥への影響など、身近な富 山の自然についても触れ、終始、聴衆の耳目を引きつける興味深い内容でした。当日は、県立大学の教職員や学生の みならず、一般県民の方を含め総勢200名以上が参加され、講演に聞き入っていました。 キャンパスに熱気あふれた「県大祭」 10月23日㈯・24日㈰に第21回県大祭が開催されました。 今回のテーマは「ふるぱわーでがんばろう」。様々な味が楽しめる模擬店、多 様な参加型ゲーム、サークルの発表やコンテストなど、実行委員会が中心となっ て企画し、多くの学生たちが準備してきた魅力的なイベントが次々に行われまし た。23日㈯午後に行われた「FLOW」の音楽ライブでは、県外からも多数の来 場者があり、会場となった大谷講堂が震えるほどの大熱狂でした。 学生はもちろん、地域の方々や子どもたちなど大勢のご来場をいただき、後夜祭に至るまで、キャンパスは学生た ちの熱気に包まれました。 富山県立大学第 回FD研修会 10月25日㈪、本学において、富山県立大学第 回FD研修会を開催しました。 FDとは、教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組のこと で、例年、県大祭の翌日に研修会を開催し、原則として全教員が参加し研鑽に励 んでいます。 午前中は『富山県立大学工学教育への期待』というテーマで、県内企業 社よ り講師を招き、パネルディスカッションを行いました。午後は、『学生が自発的 な意欲に基づいて能動的に学習を進めるための新しい教育プログラム』について、教員たちが活発に意見交換を行い、 学生へのよりよい指導・教育についてともに考え、理解を深めました。 4 とやま環境フェア2010 10月30日㈯、31日㈰の両日、富山県産業創造センター(高岡テクノドーム)で 開催された「とやま環境フェア2010」に参加し、「環境リテラシー」を備えた技 術者の育成を目指し本学が取り組んでいる環境教育プログラムや持続可能な社会 の実現に向けた本学の研究推進事業・地域貢献の取り組みを広く県民の皆様に紹 介しました。 本学のブースには、親子連れや企業関係者など、 日間で約3,000人が訪れ、 本学の環境教育プログラムの取り組み等に触れていただきました。また、ブース 内では、小型搾油機を用いてひまわりの種から油を搾る「ひまわり搾油体験コー ナー」やパソコンによる親子で楽しめるクイズ「県大・環境クイズ ヘキサゴン ‼」に多くの参加者が挑戦し、両日とも大盛況でした。 また、同会場において開催された、富山県ごみゼロ推進県民大会において、本 学生活共同組合が、省資源の取組み、環境保全・美化の取組みを評価され、平成 22年度環境とやま県民会議会長賞を受賞しました(写真は本学生協学生委員長 生物工学科 年端紗也加さん)。 とやま産学官金交流会2010 県内の経営者、技術者、研究者が一堂に会し、産学官金連携の推進を目指す「とや ま産学官金交流会2010」が12月 日㈫に富山国際会議場を会場に開催されました。 当日は、基調講演、ポスターセッション、分科会が行われ、会場は多くの参加者で 賑わいました。また、ポスターセッションには本学から26もの出展があり、本学の研 究成果の発表や意見交換が活発に行われました。 平成22年度 富山県立大学産学官連携環境シンポジウム 12月17日㈮富山国際会議場で「平成22年度富山県立大学産学官連携環境シンポ ジウム」が開催され、学生、教職員、民間企業など学内外から約150名が参加し ました。このシンポジウムは、企業関係者等の環境マネジメントに対する理解を 深めるとともに、本学の環境調和型先端技術開発や本学が取り組んでいる環境教 育等について情報発信するために開催されたものです。 基調講演では、㈱リコーの環境コミュニケーション推進室長の益子晴光 氏に 「リコーの環境経営について」と題して講演いただきました。また、パネルディスカッションでは、企業における環 境マネジメント、環境技術開発を進めていくことの有益性や大学に期待すること等について議論を交わしました。そ の他、基調講演とパネルディスカッションの合間には、ポスターセッションが行われ、多くの来場者が展示パネルに 見入っていました。 中国瀋陽化工大学との学術交流協定等の 締結について 本学と瀋陽化工大学は、 月 11日、学術交流協定と単位互換 に基づく学生交流協定を締結し ました。これにより、2011年 月より学生の交換留学制度が開 始します。 本学で行われた調印式では、 本学の田中学長、瀋陽化工大学 の 玉俊(ホウ・ギョクシュン) 学長が協定書に署名しました。田中学長は、 「学生が、広い視野と 異文化に対する寛容な態度、国際的人脈を築く能力を身につけるこ とを期待する」とあいさつを述べました。 瀋陽化工大学は、本県と友好県省を結ぶ中国遼寧省に位置し、学 生数は約13,000人、教育は理工系を中心とする総合大学です。 ●新任教員あいさつ● このたび、工学部環境工学 科・環境デザイン工学講座の講 師に着任いたしました大西で す。2006年に名古屋大学で学位 取得後、総合地球環境学研究所 と名古屋大学での研究員を経 て、富山県立大学にやってきま した。専門分野は、環境システ ム工学です。主に、中国の環境 工学部環境工学科 問題、都市のエネルギー対策、 講師 ヒートアイランド現象などを研 大西 暁生 究しています。環境問題は、人 間と自然の相互の関係から発生 し、これを解決するためには我々人間の活動をいか に制御していくのかといった新たなシステム(仕組 み)を考えていく必要があります。このシステム作 りを、皆さんと一緒に模索していきたいと思います。 ご指導の程どうぞ宜しくお願いいたします。 5 建設分野における再生材料と 建設分野における再生材料と 産業副産物の有効利用 産業副産物の有効利用 環境工学科 准教授 橋梁やトンネルなどの構造物の建設は、セメントや土 質材料、木材、鋼材などを新たに調達することで行われ ています。建設された構造物は、耐用年数が経過し老朽 化することで解体・廃棄されます。しかし、良質な資源 の枯渇や解体時の廃棄物処理の問題が生じ、建設に用い る材料を循環させることが求められるようになってき ました。また、建設産業では、他産業の生産活動におい て副次的に生じる産業副産物も、建設材料として積極的 に受け入れています。 今回は、再生材料と産業副産物の有効利用として、再 生骨材コンクリートに関する研究と石炭灰の有効利用 に関する研究を紹介します。 ■再生骨材コンクリートの性能評価の研究 解体されたコンクリートから、コンクリートの原材料 のうち粗骨材(砂利)を取り出して、再び利用する再生 骨材コンクリートの技術があります。この技術は、天然 骨材の採取量の削減や廃棄物量の削減などにつながる ため、実用化に向けた動きが活発になっています。実用 化には、再生骨材コンクリートの性能と天然骨材を用い たコンクリートの性能が同程度である必要があり、いく つかの機関でその方法や評価について研究されていま す。 私たちの研究室では、コンクリート構造物に必要とさ れる性能のうち、塩分浸透性と圧縮破壊特性について研 究しています。塩分浸透性とは、海からの塩分がコンク リート中に浸透する度合いを表すもので、その評価が海 岸沿いに建設される構造物の耐用年数の設計に必要と なります。圧縮破壊特性は、コンクリートが圧縮力を受 けるときの力と変形の関係やどれだけの力で破壊する 6 伊 藤 始 かを表すもので、その評価が地震や自動車などの大きな 荷重に対して、構造物を安全に設計するために必要とな ります。今回評価した性能や他の性能を明らかにしてい くことで、再生骨材コンクリートを用いた場合でも、安 全で長持ちする構造物を建設することが可能になりま す。 ■石炭灰造粒物の路盤材への適用研究 石炭火力発電所では、石炭を燃やすことで電気を発電 しています。石炭を燃やすと大量の灰(石炭灰)が排出 されます。現在、石炭火力発電所は全国で38箇所、北陸 地方で 箇所が稼働し、石炭灰の排出量は全国的に増加 傾向にあるため、これを資源として有効利用することが 求められています。 私たちの研究室では、北陸電力㈱と共同で石炭灰を造 粒固化し、道路のアスファルト下地である路盤材に適用 することを研究しています。石炭灰の造粒物は、水とセ メントを混ぜて、直径20∼ 40mmの球形に転動造粒して 製造します。製造後、十分な硬さになるまで保管します。 研究では、石炭灰に混ぜる水とセメントの量や保管の温 度や期間を変えたときの強さを調べ、路盤材に必要な強 さやすりへり抵抗性、微粒分量を満たすように製造方法 を決めました。そして、現在は、実際の製造工場での実 用試験を進めており、近いうちに研究で決めた方法で製 造した造粒物が建設現場に適用される予定です。 私たちは、これらの研究やコンクリート構造物の長寿 命化に関する研究を行うことで、社会基盤を安全・快適 に使い続けられる仕組みを作っていきたいと思ってい ます。 富山県立大学県民開放授業 「オープン・ユニバーシティ」 ∼平成23年度前期受講生募集∼ 本学では、地域の皆さんに正規の授業を公開する県民開放授業(オープン・ユニバーシティ)を実施して います。 月から開始する前期授業においても、教養教育科目、機械・電子系専門科目、バイオテクノロジーや環 境工学に関する専門科目など約100科目のバラエティに富んだ授業を公開します。 公開科目の中からニーズにあった講義を選んでいただくため、実際の授業を試聴いただいた上で受講科目 を決定することができます。皆様のお申込みをお待ちしています。 開 講 科 目 一般教養科目から各種専門科目まで、バラエティに富んだ授業を公開します! 一般教養科目 社会学Ⅰ、経済学Ⅰ、芸術学Ⅰ など 工学部専門科目(機械・知能・情報・生物・環境) 工業力学、メカトロニクス概論、情報システム工学概論、生物工学概論 短期大学部専門科目(環境システム) 環境材料学、廃棄物処理Ⅱ、水循環工学、流域保全学 など 、水循環工学 など スケジュール 募集期間 平成23年 試聴期間 平成23年 授業期間 平成23年 受 講 月22日㈫∼ 月11日㈪∼ 月11日㈪∼ 月 日㈮ 月22日㈮ 月 日㈬ 料 科目5,000円(複数科目の受講可) 申 込 方 法 「受講希望調書」を地域連携センター受講生窓口に持参、郵送、FAX又は電子メールでお申込みくだ さい。受講希望調書、科目、スケジュール等はホームページに掲載します。詳しくは下記大学ホームペー ジにてご確認ください。( 月頃掲載予定) http://www.pu-toyama.ac.jp/kenmin/zenki/index.html ○募集要項請求先・問合せ先 富山県立大学地域連携センター(受講生窓口) 〒939-0398 富山県射水市黒河5180 TEL:0766-56-0604 FAX:0766-56-0391 E-mail:openuniv@pu-toyama.ac.jp URL:http://www.pu-toyama.ac.jp/kenmin/zenki/index.html 学位記授与式 平成22年度の学位記授与式を小杉文化ホールラポールにて執り行います。 また、授与式後、本学大谷講堂にて後援会及び卒業生一同による「卒業記念・謝恩パーティー」 を行います。 【授与式】 ◆日時:平成23年 月24日㈭ 午前10時∼ ◆会場:アイザック小杉文化ホール ラポール(射水市戸破1500番地) 【卒業記念・謝恩パーティー】 ◆日時:平成23年 月24日㈭ 午後 時30分(予定)∼ ◆会場:本学大谷講堂 7 SCHEDULE 平成22∼23年度 大 学 院 日㈫∼ 日㈭ スキー講習会 工 学 部 短期大学部 ㈫一般入試(前期日程)合格発表 3月 24㈭一般入試(後期日程)合格発表 24日㈭学位記授与式 日㈬入学式 4月 20日㈮ 学生球技大会 6㈬∼8㈮オリエンテーション ㈮オリエンテーション 6㈬∼8㈮学生定期健康診断 6㈬∼8㈮学生定期健康診断 ㈮学生定期健康診断 11㈪前期授業開始 11㈪前期授業開始 11㈪前期授業開始 5月 編集後記 AR部 私たち「富山県立大学AR部」は、まだ立 ち上げてから間もないサークルです。「AR」 とは日本語で「拡張現実」といい、携帯電話 などのカメラを通して現実世界を見ると仮想 的な標識や看板、キャラクター等が見える技 術のことです。活動内容としては、富山県の 観光地などのアピールのためのエアタグ(仮 想看板)を設置したり、AR技術をつかった イベントを企画して、富山県を盛り上げよう と日々頑張っています。エアタグとは、今流 行りのスマートフォンなどで利用できるアプ リ、 「セカイカメラ」で見える仮想看板のこ とです。代表的な活動として、私たちは立山 黒部アルペンルートの観光アピールのため に、室堂で山や高山植物の写真を撮影し、そ れをエアタグとして設置しました。このエア タグを観光客の方が見ることで、違う季節の 風景や、見落としがちな高山植物などを見る ことができるようになります。このように、 私たちは最新の技術に触れながら、富山に貢 献することができるので、とてもやりがいを 感じています。と、まぁ堅苦しいことばかり 書いていますが、結構楽しくやっていますの で、わからないことなどあれば気軽に聞きに 来て下さいね。 再生紙を使用しています。 8 6㈬∼8㈮オリエンテーション この冬は氷見ではブリが大豊漁であった。私も氷見ブリの刺身、照り焼きで大いに舌 鼓を打った。産地偽装などのニュースもあったが、豊漁は久しぶりに富山県内の明るい 話題となった。私の最後の編集後記として、前々回と同様に魚を話題にしたい。 昨年春のフクラギ釣りは大漁であったが、その後がいけない。大型アジは余り釣れず、 キスもいまひとつ、猛暑となってアオリイカが大漁と予想したがこれも外れた。年によ って釣りの成果が変動することはよくあることだが、 ちょっと昨年は期待外れであった。 私が海釣りを始めたのは小学生一年生であった。鮒釣の仕掛けで、縞ミミズを針に付け、 腰まで海に浸かって釣りをした。面白いほどキスが釣れた。小学 年生になると太鼓型 のリールを買ってもらって遠投するようになり、大型のキスが魚籠に一杯釣れるように なった。そのうちに海岸侵食が段々と進み、あまり多く釣れなくなった。このころから 餌を岩虫やイソメ、ゴカイなどに換え、再び釣れだすようになった。その後、岸からの 遠投では成果が伸びなくなり、ボート釣りに変更したが、離岸堤が設置されると次第に 釣れなくなった。その後、しばらくキス釣りをやめていたが、数年前から久しぶりに遠 投によるキス釣りをやり出した。この頃、釣り仲間から妙な噂が聞こえてきた。キスを 釣り上げると、その中にカルキ臭いキスが混じることがあるという。手で触るとその匂 いがなかなか取れず、魚籠の中に入れると他の魚にもその匂いがうつってしまい食べら れなくなるという。このようなキスを「カルキス」と呼ぶそうだ。 魚が段々釣れなくなった原因として、 ①釣り人口の増加による乱獲、 ②海岸侵食を防ぐ ための離岸堤の設置による環境の変化、③離岸堤の設置にともなう黒鯛やスズキなどの フィッシュ・イーターの増加、 ④温暖化による影響、 ⑤魚の学習効果?…などが考えられ る。ところが、 「カルキス」の出現については、まだその原因が分かっていないそうだ。 カルキ臭を出すキスが現れた原因として、①カルキ臭の原因となる汚染物質がキスの体 内に蓄積された、②捕食者からを食べられないように、キス自身が体臭を進化させた、 などが考えられる。しかし、①が原因であるとすれば、同じような餌を食べている他の 種類の魚にもカルキ臭いものが現れてもおかしくない。そうすると②が納得いく説明と なる。キスにしてみれば、「どんどん仲間のキスが釣り上げられ、フィッシュ・イータ ーが増えてきて仲間が食べられてしまう。このままでは絶滅だ!何とか食べられないよ うにするには、どうすれば良いか?そうだ、臭くて食えなくしてやろう。」と考えたか どうかは定かではないが、そのような魚が突然現れた。フィッシュ・イーターはその匂 いに思わず吐き出し、釣り人はその匂いに閉口して海に戻してしまう。まさに進化だ。 逆境に対してそれを克服することによって生物は進化してきた。その逆境を進化のチ ャンスと捉え、それに対して対策をとったものだけが生き残る。現在の就職難において も同様のことが言える。 幸いにも本学は、 文部科学省から 「大学生の就業力育成支援事業」 に選定され、より一層キャリア教育を充実させる計画がある。学生諸君は、この苦境を 乗り越えるために、この計画を利用して、自分自身をどのように変えなければいけない かを熟慮し、対策を立て、それを実行し、検証しながら自分自身を進化させていただき たい。 (野村 俊)
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