はばたき VOI.7 2 014年 12月発行 発行/はぐくみの杜を支える会 発行責任者/堂本暁子 編集/運営委員会 〒299-1104 君津市糠田 64-1TEL/FAX 0439-32-2270 http://www.hagukuminomori-sasaerukai.vaic-cci.jp/ 会員数:個人会員 978 名 団体会員 20 団体(10 月末現在) Facebook ページ、ブログ「HUG・HUG 通信」も見てね! はぐくみの杜を支える会のボランティア活動 はぐくみの杜を支える会では、ボランティア活動を、大きな活動の柱の一つと考え、この間活動を進めてきました。 今回は、ボランティア活動について報告します。 2013年度の活動 また、生活クラブ虹の街の被災地 はぐくみの杜を支える会のボランティア活動をスター 支援活動「福島とみんなをつなぐひまわ トするにあたり、3 日間の第1期ボランティア養成講座 りプロジェクト」(NPO 法人シャローム を開催しました。 *注)への協力として、はぐくみの杜 講座では、社会福祉法人一粒会 の建物の下にある休耕田にひまわりを植 理事長花崎みさをさんを始めとす え、油を取るための種を収穫しました。 る様々な立場の講師から、児童養 *注:NPO 法人シャロームは障がい者支援のための授産事業を行う 団体です。 護施設に暮らす子どもたちの現状 を学びました。 花崎みさをさん 講座受講生 22 名のうち、全日程を受講した人に修了 証を渡し、その内の 19 人がボランティア登録をしまし た。その後登録者は 17 名になっています。 2014 年度の活動は、環境整備から 今年度から、少しずつはぐくみの杜でのボランティア 活動が始まっています。 最初のボランティアは、草取りや芝刈りの環境整備。 はぐくみの杜は自然豊かな場所にあり、特に夏場は雑草 が成長するのが早く、玄関周りの芝もどんどん伸びます。 普段、職員がなかなか環境整備に時間を割くことが難 しい中、ボランティアの手が定期的に入ることで、施設 内がきれいになったと、喜んでもらえています。 基本的には、子どもが幼稚園や学校に行っている時間 毎月の定例会 よりよいボランティアと情報共有のため、毎月定例会 を開催しています。定例会では、高橋施設長を講師に、 以下のテーマでフォローアップ研修を行っています。 <フォローアップ研修の内容> 5月 はぐくみの杜君津の理念と指針について(前編) 6月 はぐくみの杜君津の理念と指針について(後編) 9月 児童養護施設とは 10 月 愛着障害とは 11 月 被虐待児との関わりについて 調理ボランティア 新たなボランティア活動として、月に2回の夕食づく りが始まっています。メンバーは9名。 帯にボランティアに入るのですが、あまりに草が伸びて きちんとコンセプトを持ちながら、 いて、夏休みに庭の草刈りをしたことがあります。 活動をしていきます。 その日は、子どもたち はばたき 第7号 (コンセプトについては、2 面を から冷たい麦茶とスイカ ご参照ください。)これからも、 の差し入れが!子どもた はぐくみの杜のニーズに照らし ちの気持ちとスイカの甘 ボランティア さが、身体にしみました。 活動を作っていきます。 杉山春 さん講演会報 告 11 月の児童虐待防止推進月間にさきがけ、 「ルポ虐待」の執筆者杉山春さん講演会「子どもたちはなぜ命を落 とさなくてはならなかったのか?ルポ虐待(大阪 2 児置き去り死事件)から見えること」を開催しました。 日にち:10 月 11 日(土) 場所:千葉市生涯学習センター 参加者:45 人 杉山さんは、2010 年に起きた 大阪2児虐待死事件をテーマに した「ルポ虐待」の 10 年前に、 愛知県武豊町 3 歳児餓死事件の ルポ「ネグレクト 真奈ちゃん はなぜ死んだか」(小学館文庫 )を執筆しています。 大阪の事件や、2つの事件の共 通点や相違点を通じて、この様な 事件が起きてしまった背景、また 私たち一人ひとりにできることに ついて、お話しいただきました。 杉山春さん ふたりの母親の共通点 〇亡くした子どもを一生懸命育てていた時期があり、子 育てを楽しんでいた。 〇自分の気持ちを周囲に伝えられない。 〇助けを呼んでいた時期がある。 〇拘置所での周囲を拒否する笑顔や、表情を消している 様子。 背景についての共通点 〇それぞれの母親の母親が、幼い時に家を出て、男性の もとに走った。 (頼れない母親を持っていた) 〇ネグレクトを受けていた。 〇父親の不在 など家庭環境や、どちらの母親も成長期に親からネグレ クトを受けていましたが、子どもたちの実際の姿は大人 社会から見えにくく、目の届きにくい生活を送っていた という点です。 「命に関わるほどの困難を体験しても、大人側から支援 を受けた体験のない子どもたちは、長じて社会に SOS を 出す力を持ちません」と杉山さん。 大阪と愛知、ふたつのネグレクトの相違点 〇メディアの進化…メールや SNS の進化 〇母子家庭の急増と貧困 ・母子家庭は、40 年間で 60 万世帯から、124 万世帯 に倍増。離婚、非婚が約9割。父子家庭は 22 万世帯。 ・母子家庭世帯の総所得は年間 252.3 万年。 (全世帯の 47%、児童のいる世帯の 38%にとどまる) ・ひとり親世帯の相対性貧困率は 50.8%と、高い水準 になっている。 〇性意識の変化…10 年間で世界でも例を見ないくら いの性意識の変化が、日本では起こった。 〇安定した就職の困難さ…2008 年のリーマンショッ ク以降、幼い子どもを抱えた若い母親が水商売の現場 に増えた。(取材した風俗店店長の言葉) 問われていること 講演の最後に、杉山さんは「問われていること」と して私たちひとりひとりに何ができるかということの キーワードを示してくださいました。 ●個人が五感を信じて行動できるか。 ●行動を助けるのは正しい知識(啓蒙の大切さ) ●個人を支える体制。ネットワークを張る力 ●自分の不安を語れる人が いるか(大阪の事件でマン ションの住人が通報したの は職場の友人に相談した から) ●世界は信じられると、どの ように若い人たちに伝えるのか ●「適応でなく、対話を」若い人たち、子どもたち、 女性たち、困難を抱える人たちが自分を語る言葉に耳 を傾けているか? 1面の続き 私たちがお手本にしている【NPO 法人 VAIC コ ミュニティケア研究所のボランティア指針】 ◇自分の意志で始めます ◇活動に対して責任を持ちその役割を果たし ます ◇共感を活動のエネルギーにします ◇金銭によらないやりがいと成果を求めます ◇活動を通して自らの新たな発見を見出しま す ◇活動に新しい視点や提案を示します はばたき 第7号 私たちが「食」を通して大切にしたい想い できる限り、安全で安心な食材を選び手作りします。 ○できる限り国産の食材を選びます。 ○安さだけで食材を判断せず素材を確かめます。 ○食品表示を見て、できる限り食品添加物の少ないものを 選びます。 ○出汁は、化学調味料に頼らない天然のものを使います。 ○野菜は、地場のものや季節のものなど、できる限り農薬 の少ないものを選びます。 *食器洗いはせっけんを使いましょう! はぐくみの杜を支える会の運営委員が、日頃の活動の中から見えている COLUM 課題について、それぞれの立場で書いているコーナーです。 震災支援とひまわりと虹の街 はぐくみの杜を支える会運営委員 みちこ 生活クラブ虹の街 市原ブロック運営委員長 並木道代 満開のひまわり越しに見るはぐくみの杜君津 生活クラブ虹の街の震災復興支援 生活クラブ虹の街では、東日本大震災による東 京電力福島第一原発事故の影響のため、日頃思い っきり外に出て遊べない福島の子どもと家族を、 夏休みに千葉に招待して思い切り外で遊んでもら おうという「リフレッシュツアー」を3年連続で 開催したり、子どもの甲状腺の検査活動を行うな ど、様々な取り組みをしています。 なかでもリフレッシュツアーは大人気で、福島 の組合員を対象に募集をして、今年は 5 家族が参 加しました。流しそうめんをしたりすいか割りを したり、虹の街の組合員ボランティアの手作りの 食事を楽しみながら参加者同士はもちろん、千葉 の組合員との交流も楽しんでいただいた様子でし た。 市原ブロックでの取り組み 市原ブロックでは、10 月の終わりに”おおぜい の自主監査” (生活クラブ生協の自主基準に基づ き、組合員が取扱い品を監査する仕組み)の活動 で、宮城県石巻市の「(株)高橋徳治商店」を訪問 しました。はんぺんやちくわなど、魚を原料とす る練り物製品の製造会社です。 震災による津波で工場が全壊し、一時生産がで きない状況でした。 監査では、原料となる魚を見るため、早朝の石 巻漁港をスタートし、山の上に新しく建てられた 新工場での製造過程を見せていただきました。朝 の漁港はとても活気がありましたが、それでも震 災前に比べればまだまだとのこと・・・。 工場へ向かう車窓から見える海岸沿いの風景 は、津波の爪あとが残ったまま・・・新しい工場 で復興までの道のりを伺い、大変な苦労を思い涙 自主監査の 写真 はばたき 第7号 があふれ・・・工場の隣に立ち並ぶ仮説住宅に、 まだたくさんの方がお住まいと聞き胸が痛み・・3 年半が経過したけれど、まだ終わっていない被災 地の現状を目の当たりにして、もう一度、自分に 何ができるだろう・・・なにをするべきだろうと 深く考えさせられる貴重な経験でした。 ひまわりへの思い はぐくみの杜君津の施設の隣に、今年の夏、た くさんのひまわりの花が咲きました。 このひまわりは、地域づくり・障がい者福祉を 目的として福島市を拠点に活動する「NPO 法人シ ャローム」の“ふくしまとみんなをつなぐひまわ りプロジェクト”に生活クラブ虹の街が賛同し、 はぐくみの杜を支える会と共に植えたものです。 ひまわりを植え、種を収穫し油を絞る農業授産 の取り組みは、2011 年の東日本大震災による東京 電力福島第一原発の放射能汚染により福島では行 えなくなりました。そこで「代わりにひまわりの 種を植えて育て、種を収穫して送ってください」 というひまわりプロジェクトを全国に呼びかけ、 今年で 3 年目になります。 はぐくみの杜君津では、7 月にボランティアの 皆さんによって 1000 粒の種を蒔きました。ひまわ りはすくすくと成長し、たくさんの花が咲き、た くさんの種を収穫しました。 満開のひまわりの花は、子どもたちや地域の皆 さんに元気を届けたことでしょう。ボランティア 活動参加にもつながりました。 この種が福島に行き、油になってまた次の人へ 渡る・・復興への思いも一緒に。 NPO法人(特定非営利活動法人)格取得に向けた準備に入ります。 今年度の定期総会の決定に基づき、2 015年度に法人格を取得するための準備を始めています。 設立総会は、2015年5月の予定です。今後も、NPO法人格取得に関する情報発信をしていきます。 第2期ボランティア養成講座を開催します。 ◇1 日目:2015 年2月 5 日(木) 10:30~15:00 ◇2 日目:2015 年2月20日(金)10:30~15:00 場所:生活クラブ風の村はぐくみの杜君津 地域交流スペース *詳細は、同封のチラシをご覧下さい。 ひとまず、目標は達成! ご しかし、さらなるご支援を、 お願いします。 はばたき基金 目標 120 万円のところ 実績:1,214,406 円(11/10 現在) 「はばたき基金」は、児童養護施設を退所する子どもたちが、安心して社会に巣立つことができるように支 援する基金です。引き続き寄付を呼びかけていますので、よろしくお願いします。 ◇◆◇◆◇ 一人の子どもが高校を卒業して 18歳で施設を出るためには、働くにしても大学などに進学するにしても、 一人暮らしをするための準備が必要です。一般的には、それにかかる費用は親が負担しますが、児童養護施設 に暮らす子どもたちには、措置費として一定額支給される以外はお金を準備してくれる人がいませんので、高 校に通いながらアルバイトをして貯めたお金で、準備するしかありません。 大学などに進学したい場合も親の援助はほとんどありませんので、学費は奨学金で、毎日の生活費はアルバ イトで調達するしかありません。奨学金は、後に返さなくてはならない借金です。そして過度のアルバイトは 学業に影響し、せっかく受かった大学で学び続けるとこができなくなる子もいます。 はぐくみの杜は、将来的には 40人の子どもが暮らします。そうすれば、毎年のように何人かが施設を巣立 ちます。子どもたちを継続して支援するためには、かなりの金額を準備しておくことが必要です。 おおぜいの方が少しずつ寄付をしていただけることで、大きな力になります。また、皆さんの応援は、子ど もたちの励みになります。 会報に同封のチラシをご参照頂き、多くの方が寄付をしていただけますよう、ご協力よろしくお願いします。 振込用紙を同封しますので、振込みの際はご利用ください。 参考 【1人の子どもが、1人暮らしを始めるのに必要な資金】 (内訳)①住居費(家賃・敷金・仲介料・保険料等)家賃 6か月分 36万円 ②初期費用(家電・調理用具・寝具小物等) 28万円 ③運転免許取得 30万円 ④生活費( 就職し、1回目の給料までの生活費) 17 .7万円 *措置費の中から就職支援費または大学支援費が 2 7万円程度出ま すが、金額は確定したものではありません。 寄付をありがとうございます! はばたき 第7号 米山和美様
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