アプリケーション・エコノミーにおける成功の鍵は複数

アプリケーション・エコノミーにおける
成功の鍵は複数のチャネルにまたが
る顧客重視のアイデンティティ/
アクセス管理
顧客重視の IAM により関係とセキュリティが向上
変化の要因
現在のネットワーク社会に対応するべく顧客は次々と新しいテクノロジを導入し、それに期待するも
のも急速に変化しています。顧客は、いつでも任意のデバイスからさまざまなアプリケーションを
使って社会的な交流を行ったりビジネス・システムを利用したいと望んでいます。このパラダイム・
シフトは、消費者向けの企業がその顧客との関係を強化する新しいアプリケーションを作り出そうと
競争を繰り広げる「アプリケーション・エコノミー」が誕生する一因となりました。サポートを必要
とするアプリケーションやデバイスの種類が急速に増加するにつれて、顧客のアイデンティティを管
理し、サービスへの安全なアクセスを提供するための調和のとれたアプローチも求められるようにな
りました。
顧客重視のアイデンティティ/アクセス管理(IAM)は、次の 3 つの重要課題に焦点を当てることに
より、安全なデジタル顧客関係の構築に役立つ中核的機能を提供します。

顧客エクスペリエンスの向上

適切なセキュリティ・レベルの維持

市場投入までの期間とスケーラビリティへの対処
柔軟性とアクセスしやすさを提供する IAM は顧客にとっても理想的です。企業はビジネスにおける
IAM の可能性に気付き始めています。IAM は、より多くの顧客を管理でき、顧客のアクティビティ
に関する有用な情報を提供できるうえに、コスト効率が非常に優れています。
Ovum の視点
企業と顧客の間での取引(B2C)のライフサイクル全体を通じて、さまざまな関係を維持する必要が
あります。IAM テクノロジ・プロバイダは、適切なセキュリティ・レベルによって支えられる関係
を促進しつつ閲覧者、見込み客、および顧客とのさまざまなインタラクションを可能にすることで、
状況の現実を認識する必要があります。B2C 関係の力学は大衆化によって変化しました。サービス
品質に対する期待が劇的に増大し、期待を満たせなければビジネス・チャンスを失い、顧客は他社へ
と流れていってしまいます。
顧客の満足と保護をどちらも達成しようとすれば両方でバランスをとる必要があることは従来と変わ
りません。顧客重視の IAM により、ユーザやデータの保護に必要なセキュリティ制御を維持しなが
ら日常的なオンライン・アクティビティへのアクセスをオープンにして簡略化することができ、必要
なコンポーネントをすべてまとめる、まさに接着剤のような役目を果たします。
登録プロセス面倒を省き、セールス・ファネルの一番上に流れ込む見込み客を増やす手段の 1 つとし
て、アイデンティティ管理テクノロジを使用してソーシャル・メディアのアイデンティティを活用す
るという方法があります。登録ユーザは、ターゲット・マーケティングを可能にして製品やサービス
の採用につながる情報を提供します。顧客が求めるさまざまなデバイスおよびアクセス・チャネルを
サポートするために市場に投入されるアプリケーションとサービスの数が増大しており、これ自体が
成長分野です。
従来のビジネス中心の IAM テクノロジでは、多くの場合、顧客がいくつものアイデンティティとア
クセス・クレデンシャルを作成し、その管理に苦労しています。これは、顧客だけでなく運用上すべ
ての関係者にとっても面倒で非効率であり、コストもかかります。業界は IAM に対して顧客中心の
アプローチをとることにより、使いやすさとセキュリティを兼ね備えた一貫した直観的サービスを提
供する機会を得られます。
Ovum の調査では、2014 年にセキュリティ・ソフトウェアに注ぎ込まれる費用は 300 億ドルを超
え、その 4 分の 1 弱の費用(22%)が IAM ソリューションに投入されると予想されています。IAM
ソリューションの最大の効果を得るには、正しいタイプの IAM テクノロジに費用を注ぎ込む必要が
あります。したがって、拡張したサービス・デリバリ・チャネル全体にわたってシステムを顧客に解
放したいと望む企業は、顧客重視の IAM とマルチチャネル・アクセスが意味することを完全に理解
しているテクノロジ・プロバイダを選択する必要があります。
メッセージ概要

顧客重視の IAM は、ユーザの利便性とセキュリティの持続可能なバランスを実現する必
要がある。

アイデンティティに基づくセキュリティは、顧客ライフサイクルの各段階で変化する要
件を満たす必要がある。

顧客ライフサイクル全体を通じて顧客重視の IAM をサポートするソリューションが存在
する。
顧客重視の IAM は、ユーザの利便性とセキュリティの
持続可能なバランスを実現する必要がある
顧客は思いどおりにビジネス・システムを利用したいと考えている
現在使用されているサイロ化した従業員/企業向け IAM テクノロジの多くで特徴として挙げられるの
は、断片化された使用と複雑すぎるセキュリティです。しかし、従業員にとって容認できることでも、
顧客にとっては非常に不便である場合があります。より簡単で直観的なインタフェースとエクスペリ
エンスが求められています。
さらに、現在のユーザは、任意のデバイスから使用可能な任意のチャネルを通じて、絶えず変化する
新世代のアプリケーションを使用してアクセスしたいと望んでいます。これは、顧客重視の IAM の
世界、すなわちアプリケーションおよび API(アプリケーション・プログラミング・インタフェー
ス)主導型の急速に変化する世界では、モノリシック・インフラストラクチャ・システムは通用しな
いことを意味しています。この新たなる要求は、アイデンティティ管理の姿を変えました。
顧客ライフサイクルにおいて、ソーシャル・メディアのアイデンティティを使用すれば通常、関係の
構築を開始するのに十分な認証レベルが提供されます。ソーシャル・メディアのアイデンティティを
使用することで、その顧客が企業の商品やサービスを簡単かつ便利にチェックする機会を承認できま
す。ただし、ユーザがビジネスを開始したら、利便性および使いやすさとセキュリティおよび情報保
護とのバランスをとる必要があります。
Ovum の調査では、今でも金融取引のセキュリティに対する懸念がオンライン・コマースの主な障
壁になっています。最近の消費者調査では、回答者の半数以上(52%)がセキュリティの欠如を 1
番の懸念事項として挙げています。個人データを保持してトランザクションを処理し、その結果とし
て長期的な関係を築くときに、強力なセキュリティは顧客重視の IAM の主要コンポーネントの 1 つ
です。
利便性と安全なアクセスを顧客に提供する IAM 関連製品は、以下の機能を備えています。

シングル・サインオン(SSO): 使用可能なあらゆるデバイスからの安全でシームレス
なアクセスを可能にし、システム間およびアプリケーション間の自由な移動のサポート
を助けることにより、顧客エクスペリエンスを向上させます。

連携 SSO: 組織のドメイン間やパートナーのサイト/サービスへの移動を可能にしてア
クセシビリティを拡張します。その効果を完全に発揮するためには、主要な標準
(SAML、OAuth、WS-Fed、WS-Trust、OpenID、OpenID Connect など)をサ
ポートする必要があります。

安全な API のサポート: 顧客ベースの拡大に対応できるように、新しいアプリケーショ
ンや更新されたアプリケーションのデリバリを加速します。

リスクベースの認証: セキュリティを向上させます(特にモバイル・デバイスが生体認
証を含む多要素認証をサポートしている場合)。
スケーラビリティとパフォーマンスも重要な要因です。利用顧客数が急激に増加して数千万を超すス
パイクが発生することは珍しくありません。顧客向けの IAM システムは、堅固なパフォーマンスを
維持しつつ高い使用率をサポートできる必要があります。
顧客によるモバイル・デバイスと使用可能なあらゆるチャネル
の使用をサポートする必要がある
テクノロジ市場に関する Ovum の調査で、去年スマートフォンの所有者が就業人口の 73%に達した
ことが明らかになりました。タブレットの数字は 42%まで増加し、ウェアラブルの市場は 9%でし
たが、関連するテクノロジはすぐに 2 桁に達すると予想されています。顧客の 41%はモバイル・デ
バイスを選択する際に使いやすさに重視して選択したと回答しています。2 番目に高い数字を獲得し
たのは好みのオペレーティング・システム(37%)、3 番目は価格(36%)でした。
さらに、モバイル・デバイスの多くが消費者アクティビティとビジネス・アクティビティの両方に使
用されます。Ovum の調査で、スマートフォン所有者の 77%とタブレット所有者の 69%は、ビジ
ネス・システムや企業のデータへのアクセスに各自のデバイスを使用する用意があることがわかりま
した。これは、この文書の範囲を超えるセキュリティ上の問題を引き起こしますが、それと同時に、
ユーザがコンシューマ・システムやビジネス・システムとどのようにやり取りするかを決めるときに
はユーザに主導権があることを示しています。
モバイル・テクノロジの劇的な採用の増加が意味するところは、IAM にはすべてのデバイスとアク
セス・チャネルをサポートする柔軟性が求められているということです。これらがサポートされない
場合やアクセスが非常に面倒だったりすれば、顧客はどこかよそへ去って行ってしまいます。
アイデンティティに基づくセキュリティは、顧客ライフサ
イクルの各段階で変化する要件を満たす必要がある
顧客アクティビティのライフサイクル全体をサポートする必要がある
B2C 関係のライフサイクルには多くの段階があります。このライフサイクルは多くの場合、ユーザ
がソーシャル・メディアのクレデンシャルを初期アイデンティティとして提供することから始まりま
す。ソーシャル・メディアのアイデンティティを使ったこの簡単で手軽な登録は、高い放棄率につな
がるとも言われる正式なアプローチより優れています。企業は顧客が自社の製品やサービスの購入ま
で進んでもらいたいと思いますが、顧客は途中でプレッシャーを感じたり頻繁に過大な情報提供が求
められたりすると購入まで行かない傾向があり、企業はその事実を受け入れる必要があります。
次の図は、ユーザと企業とのインタラクションのライフサイクルでユーザが経験する主な段階を示し
ています。
図 1: B2C のライフサイクルの主な段階
これらの段階では、それぞれ企業、顧客、およびセキュリティに関する要件が異なります。たとえば、
早期の各段階では高度な簡素化と使いやすさが求められますが、後半の各段階ではより強固な機能性
とセキュリティが求められます。顧客インタフェースがアプリケーションとデータの保護に必要なセ
キュリティを確保しつつ最大限の利便性を実現するように設計されていれば、顧客と企業の両方の
ニーズを満足できます。
B2C のライフサイクル全体を通じて対処すべき主な領域として次の 3 つがあります。

簡単な登録手順、セルフサービス、および適切なアプリケーションへのシームレスなア
クセス

ライフサイクルの段階に適格で必要な場合にのみ顧客に認識されるセキュリティ

顧客の利用要件の変化に応じて変更できる柔軟性を備えた、サービスへの便利で安全な
アクセス
これらの課題に対処することは、認証済みのユーザにのみアクセスを許可してそれ以外はすべて遠ざ
ける(たいていは侵入セキュリティ・コントロールの対象にする)という従来の IAM の全体的役割
における重点の変化を意味します。顧客向けイニシアチブでは、良好な顧客エクスペリエンスは継続
的な取引関係につながり収益の増大を促進することを認識し、それを念頭に置いてセキュリティ・コ
ントロールを設計する必要があります。
安全な IAM 制御は極めて重要だが導入には適切なタイミングが必
要である
IAM テクノロジとその使用方法に新しいラベルを付けるだけでは、基本的なセキュリティ要件は変
わりません。企業とそのユーザの安全を守るデータ保護機能によって、運用システムの解放をサポー
トする必要があります。モバイル・デバイスとクラウドベース・アプリケーションの急速な普及によ
り、これらの制御がすべての組織にとって重要な課題となる可能性があります。
セキュリティ・コントロールは一般に、前述の顧客ライフサイクルにおいて見込み客がウィンドウ・
ショッピングから購入の意思を固める段階へ移行するときに強化されます。これにより、個人情報が
守られると確信できるため、顧客もこのタイミングでのセキュリティ強化を望みます。通常、セキュ
リティ・コントロールの強化には、より厳格な認証要件と、特定のアプリケーションへのアクセスに
対するより厳しい制御が含まれます。
セキュリティ・コントロールはライフサイクルの変遷に応じて変化する場合がありますが、利便性に
求められる高い要求はライフサイクルのどの段階でも変わりません。その具体的な例を、次のセク
ションで顧客ケース・スタディを使用して説明します。
ケース・スタディ - 良好な顧客エクスペリエンスと
安全性およびセキュリティとのバランスをとる
この自動車メーカーに関するケース・スタディでは、社会的関係と顧客関係の各段階について説明し
ます。特に、セキュリティ・コントロールの導入方法と導入時期、利便性とセキュリティのバランス
の取り方、そしてこのようなアプローチが提供するビジネス上のメリットについて重点的に説明しま
す。
課題
企業が顧客エンゲージメントの向上に取り組む場合の主な課題として、営業パイプラインに取り込む
見込み客の増加、スムーズなオンライン・エクスペリエンスの提供、エンドユーザに負担をかけずに
適切なセキュリティを提供する方法、市場への新たなルートによる事業の拡大などがあります。
状況とビジネス要件
ある世界的な自動車メーカーが、より多くの見込み客を自社のマーケティング/販売サイクルに取り
込んで見込み客の試乗件数をいかに増やせるかを模索していました。
この会社はオンライン・マーケティングによってソーシャル・メディアのサイトで数百万の「いい
ね」と好意的なコメントを獲得しましたが、プロアクティブなマーケティング・キャンペーンを開始
するために必要な連絡先詳細へのアクセスにはつながりませんでした。この会社は、関係を築いてよ
りターゲットを絞ったマーケティングに必要な情報となる詳細なユーザ・プロファイルを作成するた
めに、より多くの見込み客を自社のシステムに取り込む手段を捜していました。
同社は、自社の Web サイトでオンライン・フォーム・ベースの登録プロセスを試しましたが、放棄
率が高く、見込み客を逃していました。そのため、Facebook や Google などのソーシャル・メディ
アのアイデンティティを使って登録とアクセスを簡単に行える連携テクノロジを採用することにしま
した。最初に収集できるデータは限られたものでしたが、関係を構築して見込み客にマーケティング
情報を送るには E メール・アドレスと氏名のデータがあれば十分でした。
同社は SSO テクノロジもデプロイし、試乗やレース・イベントへの参加機会など、すべてのオンラ
イン・アプリケーションに簡単にアクセスできるようにしました。見込み客と自社のパートナーを結
び付け、見込み客がこれらのイベントに簡単に参加できるようにしました。その結果、試乗件数とイ
ベント参加者を増やすことができました。
見込み客が本格的に購入を検討し、自動ローンについて調べたいと思ったら、より機密性の高い個人
情報(年収、負債、社会保障番号など)を提供しなければなりません。この自動車メーカーは、顧客
が安全に情報を提供できるように強力な認証を使用して顧客のアイデンティティと個人情報の保護を
行いました。
そして販売後も、長期的な顧客関係を維持しています。顧客の情報を使用して、さまざまな提案や下
取りに関するメールを送ることができます。顧客は、安全なサインイン、購入、サービスの予約、お
よびセルフサービス作業(パスワードのリセットなど)を、すべて既存のアクセス・クレデンシャル
を使って行うことができます。
アプリケーションのデプロイを加速する必要性も、API 管理ソリューションの採用につながりました。
このアプローチによって、開発者のオンボーディングが簡略化され、API へのアクセスのセキュリ
ティを向上させ、開発者コミュニティの成長を促進しました。その結果、市場の動向や競争上のでき
ごとに迅速に対応できるようになり、新しいサービスの開発やデプロイにかかる時間が大幅に短縮さ
れました。
図 2 は、このメーカーが実現した顧客ライフサイクルと、それをサポートするためにデプロイされた
テクノロジを示しています。
図 2: 顧客重視の IAM のデリバリ
得られたメリット

ソリューション全体の柔軟性により、将来の見込み客や「友達」が既存のソーシャル・
メディアのアイデンティティを使って登録できるようになり、目に見えて見込み客の数
が増加します。

収集した連絡先情報を見込み客の興味に照らして活用することで、ターゲット・マーケ
ティング・キャンペーンをきっかけとして見込み客をセールス・ファネルに取り込める
ようになりました。

多数のオンプレミスおよびクラウドベースのアプリケーションとサービスで SSO を提
供することにより(社内でも社外でも)、優れたユーザ・エクスペリエンスが実現し、
セキュリティ、顧客満足度、および顧客定着率が向上します。

必要に応じて高度な認証を提供できるため、個人情報の保護に関する規制要件を満たす
ことができ、企業とブランドに対するユーザの信頼を維持できます。

見込み客/顧客が企業に登録してオンラインで有意義な経験ができれば、売上と顧客定着
率が向上します。
アイデンティティのライフサイクル全体を通じて顧客重
視の IAM をサポートするソリューションが存在する
CA Technologies がオンプレミスおよび SaaS デリバリ・モデル
向けの顧客重視 IAM ソリューションを提供
Ovum は、定評のあるアイデンティティ管理ソリューションのプロバイダである CA Technologies
を、顧客向けビジネスが現在対処する必要があるさまざまなマルチチャネルの IAM の課題に効果的
に対処できる能力を備えた数少ないサプライヤのうちの 1 社であると認識しています。
図 3 に示すように、CA Technologies のプラットフォームはマルチチャネル IAM 推進への広範なモ
ジュール式アプローチを提供しています。幅広いソリューションと、顧客関係ライフサイクル全体に
わたって適切なセキュリティ・レベルをサポートする能力は、CA Technologies が提供できるユ
ニークな機能の構成するものです。
図 3: CA Technologies の顧客重視 IAM のアーキテクチャ
CA Identity Manager
今日、大企業が実施しているタイプの複雑な IAM 作業において、B2C 運用のトレードマークとなり
つつある大量のコンシューマ・アイデンティティおよびその属性の作成、保存、管理ができる中央管
理機構を持つことが重要です。
この役割を果たすのが CA Identity Manager です。CA Identity Manager は企業とその顧客に対
して、自己登録やデータの一括アップロードなど、ユーザ・オンボーディングのさまざまな機能を提
供します。顧客のアプリケーション/サービスのセットに最適のプロビジョニングが自動的に実行さ
れ、顧客はセルフサービス機能を利用してパスワードの変更やプロファイル情報の更新を行うことが
できます。顧客向けの環境では、この種の機能は顧客エクスペリエンスの向上に役立ち、顧客のクレ
デンシャルをより適切に管理できるだけでなく、運用のオーバーヘッドも低減します。
CA Single Sign-On(CA SSO)
SSO は、アクセス管理の向上、複数のアプリケーションに対する単一ソース認証の拡張、ポリシー
ベース認証の実施、使用可能なすべてのアプリケーションおよびチャネルでの良好な顧客エクスペリ
エンスを目的として、顧客向けの環境で使用されます。
CA SSO は、企業全体にわたり企業と顧客とのインタラクションをサポートします。顧客向けの運用
では、見込み客のオンボーディングを促進して彼らが低リスクのコンテンツに簡単にアクセスできる
ようにするために、既存のソーシャル・メディアのアイデンティティを使って登録とその後のログイ
ンをサポートします。より複雑なマルチチャネル環境では、Web SSO によって、ユーザが再度ログ
インしなくともアプリケーション間をシームレスに移動できるようにします。
マルチチャネル環境で一括管理ソリューションを採用すれば、関係する各チャネルごとにアクセス管
理レイヤを開発する必要がなくなるだけでなく、新しい顧客サービスのデプロイにかかる時間も短縮
できます。アイデンティティ情報を取得するために複数のディレクトリにアクセスでき、使用可能な
あらゆるアクセス・チャネルについて一元化されたユーザのセッション・ログが存在するため、利便
性とセキュリティが向上し、ビジネスおよびマーケティングの価値の高い詳細情報が得られます。
CA SSO はまた、企業のドメインとパートナーのドメインとの間で信頼を確立するための安全な連携
も提供します。シームレスな連携は、ユーザ・エクスペリエンスの向上に役立ち、ホストとパート
ナーの双方で収益の機会を増やすことができます。
CA Advanced Authentication
単純なアクセスであれば従来のユーザ名とパスワードによる認証で十分ですが、リスクの高いアプリ
ケーションやトランザクションのためにより強力なセキュリティを提供するには、柔軟で強力な認証
が必要です。
CA Advanced Authentication は、顧客向けの企業が要求するステップアップ認証に対処するため
に、スケーラブルなソフトウェアベースのソリューションを提供します。辞書攻撃や総当たり攻撃か
ら保護し、モバイル・ブラウザからのアクセスをサポートするこのソリューションは、モバイル・ア
プリケーションにネイティブで組み込むことができます。さらに、SMS、E メール、音声認識などの
帯域外認証方式もサポートされます。
CA Advanced Authentication が提供するリスクベースの評価チェックでは、疑わしい動作をリア
ルタイムで検出するために幅広いコンテキスト要素がカバーされます。たとえば、ユーザのデバイス、
位置、時刻、そして以前の動作パターンまで使用してリスク・スコアを決定し、そのスコアに基づい
てより強力な認証方式が必要かどうかを判断します。必要な場合は、さまざまなステップアップ認証
技法を使用してユーザのアイデンティティを証明したりトランザクションを検証し、不正行為を減ら
すことができます。
CA の API 管理およびセキュリティ
今日のクラウド、モバイル、および複雑な複合アプリケーションのデリバリとイネーブルメントをサ
ポートするためには、API が不可欠です。API を使用したビジネス・サービスが急速に増える中、
パートナーや開発者、モバイル・アプリケーション、クラウド・サービスに API を提供するために、
安全でスケーラブルかつ明確なアプローチをとることが重要です。
API、モバイル、SOA、およびクラウド用の CA のゲートウェイと OAuth Toolkit のような支援ソフ
トウェアを組み合わせることで、組織は API を社内外の開発者に対して安全に公開できます。CA
API Developer Portal は、開発者のオンボーディング、エンゲージメント、教育、管理のための機
能を提供することで、開発者コミュニティをサポートします。
CA Technologies の顧客向け IAM 戦略に関連したその他の製品として、CA Secure Cloud と CA
Directory があります。
CA Secure Cloud は IAM 機能をホステッド・サービスとして提供します。企業はこのアプローチに
より、類似のオンプレミス・システムに通常必要とされるタイプの大規模な IT インフラストラク
チャのデプロイや管理なしに、アイデンティティとセキュリティを導入できます。提供されている
サービスには、高度な認証、SSO/連携、アイデンティティ管理などがあります。SaaS アプリケー
ションとオンプレミス・アプリケーションの両方にソーシャル登録/サインオン、セルフサービス・
ユーザ管理、SSO などの顧客向け機能も用意されています。
CA Directory は、高可用性(HA)、スケーラビリティ、およびパフォーマンス要件をサポートする
ために設計されました。何億ものユーザに対応できるスケーラビリティを提供すると同時に、企業の
顧客向けアプリケーションに要求される高速のディレクトリ管理という要件にも対応できます。
まとめと推奨事項
ソーシャル・メディア・ユーザ、見込み客、および潜在顧客はまだ顧客として定着していないため、
利便性と使いやすさが不可欠ですが、彼らのプライバシーとアクセス権に敬意を払うことも重要です。
B2C 関係において面倒なセキュリティ・プロセスで早々に彼らを煩わせるようなことがあれば、彼
らはすぐによそへ行ってしまい永久に戻ってこないでしょう。
顧客重視の IAM 戦略のデリバリを成功させる要件には、顧客とのインタラクションをできる限り簡
単かつ安全で一貫したものにすること、サービスの品質維持、新しいアプリケーションのデリバリの
加速が含まれます。これらのビジネス目標を達成するには、高度な認証と API 管理機能がとりわけ
重要です。
アイデンティティ管理に対する顧客重視のアプローチが提供すべきビジネス上のメリットを考慮する
ときには、時間をかけて慎重に IAM ソフトウェア・プロバイダを選んでください。

広範囲で幅広い顧客重視の IAM サービスが用意されていることを確認してください。

すべてのアクセス・チャネル(Web、モバイル、API)およびプラットフォームがサ
ポートされていることを確認してください。

選択したソリューションの DNA に新しいビジネス・イニシアチブおよびアプリケー
ションをサポートする能力が組み込まれていることを確認してください。たとえば、デ
プロイ・オプション(オンプレミス、クラウド、ハイブリッド)の柔軟性はビジネスの
機敏性を大きく向上させます。
要約すると、顧客エクスペリエンスのライフサイクルは、使いやすさ、スケーラビリティ、およびセ
キュリティのバランスがとれた土台の上に築く必要があります。これは、ビジネス重視の IAM に対
する従来のアプローチでは達成できなかったことです。
Ovum のコンサルティング
この分析結果が、情報に基づいた創造的なビジネス意思決定のお役に立てれば幸いです。ほかにご希
望があれば、Ovum のコンサルティング・チームがお手伝いいたします。Ovum のコンサルティン
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