1月号 (pdf 292KB

平成28年 1 月発行
可児市役所
可児市 家庭教育通信
地域振興課
生涯学習係
家庭教育担当
後藤
「家庭でしか伝えられない性教育がある」
可児市では、将来、親となる児童・生徒が命の大切さや自己健康管理等を学ぶことができるよう、
「い
のちの教育」事業を推進しています。平成27年度は、11 月に桜ヶ丘小学校、12 月に中部中学校で実施
し、1 月以降に西可児中学校・蘇南中学校で実施する予定です。
ここでは、12 月 18 日に、中部中学校で行われた「いのちの授業(誕生学)」のお話の要旨を皆さんにご
紹介します。
講師:直井 亜紀 先生(ご自身も二人の娘さんをお持ちのお母さんです)
助産師・看護師・公益社団法人誕生学協会認定講師
第4校時
2年生授業「いのちの授業(誕生学)
」(保護者参観可)
第5校時
3年生授業「いのちの授業(誕生学)
」(保護者参観可)
第6校時
保護者対象講演
「家庭で伝えるいのちと性」
第 5 校時、3 年生の生徒が座る椅子の上には、画用紙で作った小さなハートと米粒 1 つが入った小さな
袋がおいてありました。
「ここにいるすべての皆さんは、誰もがみな赤ちゃんでした。今から私が話すのは、みんなにある歴
史、あなた自身の歴史です。
」前半は、赤ちゃんがこの世へ生まれてくるまでのお話でした。
命が始まった瞬間、それはハートの中にある点の大きさです。天にかざしてよく見ると、ハートの中
に小さな小さな穴が開いていました。多くの生徒がその小さな穴を確かめようと、天にハートをかざし
ます。
そして、2 週間後、ゴマ粒の大きさになり、そしてまた 2 週間後、米粒の大きさになります。この頃、
お母さんは自分の妊娠に気がつくようになります。そして、赤ちゃんの成長に沿って、この世に赤ちゃ
んが誕生するまで、順番に話が進みました。途中、赤ちゃんを守っている羊水についてのクイズがあっ
たり、赤ちゃん人形と女性の骨盤模型を使って、生まれるときの赤ちゃん自身の偉大な力を教えてもら
ったりしました。
そして、DVD を見ました。39 歳にして初産を迎える母親の出産ドキュメンタリーです。母親の手を握
り、見守る父親の表情、いきみながらこの世に命を誕生させようとする母親の様子、そして誕生してす
ぐに産声を上げる赤ちゃん、幸せそうな笑顔・・・
直井先生は、優しく、力強い声で生徒に語りかけました。
「赤ちゃんは、栄養としてミルクをもらうだ
けでは生きられません。大切に抱っこされ、優しい言葉をかけてもらい、たくさん笑いかけてもらわな
いと生きることができないのです。私は助産師として、多くの出産に立ち会ってきました。どのお母さ
んも、優しいまなざしで赤ちゃんを抱っこします。一人の例外もありません。皆さんが生まれた時も、
お母さんは優しいまなざしを向けて抱っこしてくれたと、断言できます。そして、赤ちゃんだった時、
毎日大切に抱っこされ、優しい笑顔を向けられ、何があっても守り抜こうと誓った家族が絶対にいまし
た。もしかしたら皆さんの中には、今はそのように思えない人がいるかもしれません。いろいろな事情
でつらい経験をした生徒さんがいるかもしれません。でも、たくさん抱っこされ笑いかけられた『愛さ
れた歴史』は一人の例外もなく全員にあります。そうでないと、私たちは今ここに存在していないので
すから。
」
6 時間目は、保護者対象の講演会でした。
はじめに、中高生を取り巻く性の現状についてのお話がありました。そして『家庭でしかできない性
教育がある』と教えていただきました。
「性行為はだめ、性感染症になると怖いんだよ」という禁止や脅
しではなく、
「あなたが生まれてきて、あなたがいるだけで、幸せ」という親だからこその思いを伝える
ということ。これは、学校の先生や塾の先生ではできないことです。
「あなたがおなかにいると分かって、お母さんは健康に気をつけたんだよ」
「お父さんが重いものを持ってくれたよ」
「あなたの誕生はすばらしかった」
「こんなにかわいいって知らなかった」
「あなたはみんなを笑顔にしたよ」
「ただただ愛おしくて、寝顔をずっと見つめていたよ」
「命をかけて守りぬこうと誓ったよ」
「初めて、お座りできた日も、立てるようになった日も、泣いた日もずっと愛し続けてる、今もずっと」
「笑顔を見てるだけで幸せ」
「幸せな未来を迎えてほしい」
こんな気持ちを伝えることこそ、家庭でしかできない性教育です。自分の成長を、未来を、楽しみに、
大事にしている人がいると分かっていたら、自分自身を大切にできるからです。何か判断に迷うときに
も、心の中にある親からの想いが子どもを支えるのです。
また、思春期に入るお子さんへの接し方についてのお話もありました。
思春期は、
「親として、今までのやり方、話し方が本当によかったのか、これから先もこれでいいのか」
を子どもからつきつけられる時期であると言われました。親から子どもへ注ぐ愛は無償ですが、この時
期、お子さんの言動にその愛情が減ってきてしまうことがあります。そんなときは、自分をどう潤すの
かを考える必要があります。親自身が自分へ注いでもらう愛(夫婦、友達、祖父母など)を確保してい
くことが必要だと教えていただきました。
また、家庭に性教育の本を置くことも薦められました。難しい本ではなくて、マンガやイラストで、
気軽に学べる本を家庭の中において、親子で読むことも性教育ですね。
ここでは、教えていただいた本の中から 3 冊を皆さんに紹介します。
15 歳までの女の子に伝えたい
自分の
体と心の守り方
―やまがた てるえ[著]―
月経不調はどこからくるの?
心と体を大切にできる恋とは?
マンガでわかる
オトコの子の「性」
思春期男子へ13のレッスン
―村瀬
幸浩[監修]染矢
明日香[著]
みすこそ[マンガ]―
中学生からママまで…女性なら
誰でも知っておきたい知識を
大人に近づくこころ、変化するからだ、誰かを好きになって、
マンガとコラムでやさしく解説。
それから…?思春期男子の尽きない悩みをあすか先生がすっ
きり解決!
知ってる?女の子のカラダ
マンガ
ポップコーン天使
―山本 直秀[監修・解説]
手丸 かのこ[マンガ]―
最近の問題にも触れながら、13 のテーマをマンガ+Q&A でわか
りやすく解説。
自分と大切な人を守るために、科学的な正しい性の知識を身
につけましょう!
小学校高学年の女の子「まひる」
。
可児市役所
地域振興課
生涯学習係
初潮がきたのはいいけれど、
担当:後藤
愛
自分の体とどう付き合って行ったらいいんだろう。
電話:62-1111(内線 3429)
第二次成長期を迎えた女の子たちの悩みをマンガで分かりやすく解説。
FAX:62-4248
月刊雑誌『小学六年生』連載の単行本化。
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