オートルート(シャモニ~ツェルマット)12日間 ルート解説 NO 1 都市名 時間 シ ャ モ ニ エギーユ・デュ・ミディ バレブランシュ氷河 シ ャ モ ニ 午前 交通機関 摘要 食事 ロープウェイ スキー 出発時に日本語アシスタントが同席。身体慣らし、時差ボケ解消等、体調を 整えながら、エギーユ・デュ・ミディよりバレブランシュ氷河を滑ります(登り30m, 下り1,910m 行動時間4~5時間)。夕方より日本語アシスタントと共にミーティ ング。 【ホテル泊】 朝 - 午後 【メモ】ホテルより徒歩にてエギーユ・デュ・ミディ山頂行きロープウェイの乗り場へ移動します。混雑するロープウェイにて山頂へ。エギーユ・デュ・ミ ディ山頂駅3800mよりハーネスをつけて、スキーを脱ぎ歩きはじめます。ゲートを出てしばらく雪稜の踏み跡をたどります。通常、アイゼンは不要で す。手すりがあり、スリップに十分注意しながらフラットなところまで下降をします。ここまで約30分。ここでスキーをはき、氷河スキーに入ります。技 術的には特に難しい箇所はありませんが、広大な氷河上の行動で、なおかつクレバス帯やセラック帯の通過など、転落の危険がある箇所もありま すので山岳ガイドの指示にしたがって下さい(途中、アイスフォール帯の通過が少し斜面が急で技術的に少し難しいところです。場合によってはロー プを使って通過することもあります)。雪崩ビーコンは携帯します。登りの技術確認のためイタリアとの国境、トリノ小屋(エルブロンネ)までシール登 高し、ジュアン氷河上部から滑降に入る場合もございます。天候、状況に応じて途中のレキン小屋でお茶を飲んだり昼食をとったりゆっくりします。モ ンタンベールの手前で滑降を終了(約3時間)し、ケーブルカーで登り、駅には午後の早い時刻に到着することになるでしょう。鉄道にてシャモニの町 へ戻ります。積雪状況などにより、氷河をさらに下降して、標高約1680m付近まで滑降を続ける場合もございます。山岳ガイドの判断によりルートは 決められます。午後は翌日からの行程に備えて、準備にあてます。) ●山岳ガイドの指示には従って下さい。原則的に山岳ガイドが先頭で行動をします。ガイドが止まっている先へは決して行かないで下さい。ガイドの 手前(上)で立ち止まるようにして下さい。ガイドが立ち止まっている先は危険地帯であると認識して下さい。ガイドが立ち止まって待っている地点よ り先へ、コントロールを失って滑りこんでしまいクレバスに落下してしまうなどの重大な事故が発生しています。 ●山岳ガイドとは英語でのやりとりになります。山岳ガイドはフランス人またはスイス人、または日本人の国際山岳ガイドとなります。 シ ャ モ ニ ア ル シ ゙ ェ ン チ エ ー ル グ ラ ン モ ン テ ロ グ ナ ン 氷 河 アルジェンチエール小屋 2 朝 バス ロープウェイ スキー 午後 路線バスにてシャモニを出発し、グランモンテスキー場の駐車場に集合。出発 前に日本語アシスタントが同席。ロープウェイを乗り継ぎグランモンテへ。ここよ りログナン氷河を滑降し、アルジェンチエール小屋(2,771m)へ(登り220m、 下り680m)。 【山小屋泊】 朝 夕 【メモ】シャモニを路線バスにて早朝出発。アルジェンチエールより、ロープウェイにてログナンを経由してグランモンテ(標高3280m)へ。雪崩ビーコ ンのチェックを行い、スキー場内から外へ出ます。エギーユ・ベルトの下部、ログナン氷河を滑り、アルジェンチエール氷河へ降り立ちます。ここよ り小屋まで緩やかな登り。トータルで1時間半から2時間の行動となります。小屋直下にて傾斜は増し、雪も硬くなるのでクトーを付けたり、スキーを 脱いだりして到着します。到着後、山小屋でゆっくり過ごします。 ●グランモンテスキー場内のロープウェイは天候などにより運休する場合もあります。その場合は中間駅からシールをつけて登る場合もあります。 アルジェンチエール小屋 シ ャ ル ド ネ の コ ル ト リ ア ン 小 屋 エキャンディのコル シ ャ ン ペ 3 朝 スキー シャルドネのコルへ登ります。サレーナの窓(3,263m)を経由してトリアン氷河 へ。更に、エキャンディのコル(2,796m)を越え、アルペットの谷を滑降してシ ャンペへ(登り720m、下1,450m)。ロッジに宿泊します。 【ロッジ泊】 朝 夕 午後 【メモ】前日登ってきた登路を降り、エギーユ・デュ・アルジェンチエールの下部をトラバースしてシャルドネ氷河に取り付きます。ここよりキックターン を繰り返し斜面を登ります。斜面の状況によってはクトー(スキーアイゼン)を装着します。シャルドネ氷河の登りは、初めが一番急で、徐々に傾斜は 緩くなっていきます。通常、コルの頂上までスキーを履いて登ることができますが、状況によってはスキーを脱いで、キックステップにて歩く場合もあ ります。コルまで小屋から3時間。シャルドネのコルに到着後、反対側へ下降しますが、狭いクーロワールで、通常ロープにてアンザイレンして横滑 りにて降ります。底近く(ロープ40~50mの一本分下ったところ)になるとクレバスがある場合もあります。慎重に通過します。降り立ちロープを外し てサレイナの窓を目指します。コル直下までは比較的緩やかな斜面を下って、登り返します。コル直下は狭い急斜面を細かいキックターンの繰り返 しで登り、最後はスキーを脱いで岩場を乗り越します。コルの頂上まで1時間半から2時間。広大で緩い斜面のトリアン氷河上部をスキーを滑らせ、 右手にトリアン小屋をやり過ごし、更にトリアン氷河を下降します。しばらくすると傾斜が増してきます。セラック帯を慎重に通過して、割れ目を数箇所 慎重にまたぎ、エキャンディのコルを目指します。ここまでほとんど登りはなく、1時間半~2時間ほどで到着します。コル直下は10分程度の徒歩に よる登りがあります。スキーは通常、肩に担ぐ程度です。ここよりアルペット谷をたどり、シャンペまでの標高差1300mの滑降はオートルートで代表 的な行程のひとつとして知られます。しかしながら状況によって、標高が下がりウェットな積雪などにより雪崩のリスクの高い箇所でもあります。スピ -ディな行動が求められます。標高を下げると積雪量によって徒歩を強いられる場合もございます。シャンペの町まで約2時間。シャンペにて数日ぶ りのシャワーを浴びてすっきりします。 ●傾斜の緩い斜面でのスキーの滑りは、日ごろの手入れとワックスの状態に左右されます。グループでコンパクトな固形ワックスなど用意するとよ いでしょう。緩斜面でのスキーの滑りが良いと体力的にだいぶ楽です。 ●アルジェンチエール小屋からの行程は天候等によるコンディションによりアルジェンチエール氷河をそのまま下降してグランモンテスキー場へ下 降するエスケープルートを採用する場合がございます。 ●アルプスの氷河上でのスキー登高は、日本での山スキーと違い、ガイドにもよりますが、極力スキーを脱がずに行動します。日本では気軽にツ ボ足へと切り替える局面(急斜面)でもスキーを脱がずに時にはシビアなキックターンを繰り返します。これは氷河上での行動、つまりクレバス落下 の危険性を考慮した行動であり、日本で行っている山スキーと大きく異なる点です。日本でのトレーニングも意識的に急斜面でのキックターン技術習 得をこころがけて下さい。通常、スキーを脱いでツボ足での行動となった場合は、クレバス落下に備えてアンザイレン(ロープを結び合って確保する 技術)をします。 ●オートルート・フランスルート(シャモニ~ツェルマット)は、この、シャモニ~シャンペ間の前半部分は全体からすると、急斜面が多いのが特徴と いえます。 シ ャ ン ル ・ シ ャ ー ブ モ ミ ン の コ プ ラ フ ル ー リ 小 ペ ル ル 屋 朝 午後 送迎車 ケーブルカー スキー ル・シャ-ブルへ移動。ショーのコル(2,940m)、モミンのコル(3,059m)を越え、プ ラフルーリ小屋へ。途中、状況が許せばローザブランシュ(3,336m)の登頂を 行います(登り970m、下り1,090m)。 【山小屋泊】 朝 夕 4 【メモ】朝食後、送迎車にて標高約800mのル・シャーブルへ移動。ヴェルビエのスキー場を経由してモンフォー小屋(2457m)をやり過ごし、ショーのコ ル(2,940m)を目指し、ひたすら緩い斜面をシール登高します。ここより標高2,764mまで一旦下降し、モミンのコル(3,003m)を目指します。緩く下り、ロ ーザブランシュ(3,336m)の肩に辿りつき、状況が許せば頂上へ。ここよりプラフルーリ氷河を辿って近年営業小屋として営業を開始したプラフルーリ 小屋(2,624m)へ。全体の行程から比較すると短めの1日となります。小屋に到着後ゆっくりと過ごします。 プ ラ フ ル ー リ 小屋 デ ィ ス 小 屋 5 ルー峠(2,804m)を越え、ディス湖に沿ってトラバースして、ディス小屋(2,928 m)を目指します(登り740m、下り500m )。 【山小屋泊】 朝 夕 午前 スキー 午後 ピン・ダ・ローラ(3,796m)を越えてヴィニエット小屋(3,160m)へ向か います。(登り870m、下り700m 行動時間4~5時間) 【山小屋泊】 朝 夕 【メモ】小屋を出発し、シェイロン氷河を辿ります。次第に傾斜が増します。標高3,423m付近より傾斜が一旦落ち、眼下に広がる氷河の景観で高度感 がある3,592m付近の急斜面を登りブレネイのコル(3,639m)付近を経由してピンダローラの頂上(3,772m)を目指します。頂上からは遠く、マッターホ ルンが望めます。頂上から暫くは風に叩かれた滑りにくい斜面を慎重に滑降し、小屋の所在を見失わないように慎重にビニエットのコルを目指し、こ こよりリッジを辿りビニエット小屋(3,160m)へ。氷河の向こうに広がるモン・コロン(3,637m)やレベック(3,716m)の景観が素晴らしく、アルプスの只中 に滞在する喜びを実感できます。 ヴ ィ ニ エ ッ ト 小 屋 エ ベ ッ ク の コ ル ツ ェ ル マ ッ ト タ ッ シ ュ シ ャ モ ニ 7 スキー 【メモ】かつては、前日スタートのヴェルビエよりこの日の目的地、ディス小屋までは1日で走破していました。大変長い1日であることと、午後、雪が 緩んだ状況の中、ディス湖畔のトラバースを行い、右手の急斜面からの雪崩の高いリスクに神経を使うセクションでした。この日はプラフルーリ小屋 を発ち、ルー峠(2,804m)を経由して、長いトラバースに入ります。ディス湖畔を進み、パス・ドゥ・シャット(2,386m)付近まで来るとやっと一息つけま す。ここよりディス小屋(2,928m)まではひと登り。到着後はゆっくりと過ごします。 デ ィ ス 小 屋 ピ ン ・ ダ ・ ロ ー ラ ヴ ィ ニ エ ッ ト 小 屋 6 午前 午後 早朝 午後 夜 スキー 鉄道 送迎車 ヘッドランプの明かりを頼りに早朝出発。モン・コロン氷河を辿りエベックのコル (3,392m)へ。モンブリューレのコル(3,213m)、ヴァルペリーヌのコル(3,518m)を 越えてツェルマットへ滑り込みます。到着後、シャモニへ戻ります(登り 1,220m、下り2,270m 行動時間10~12時間)。 【ホテル泊】 朝 - 【メモ】ヘッドランプの明かりを頼りに早朝、山小屋を出発します。全行程の中で行動時間が最も長い一日です(8時間から10時間)。上り下りを繰り返 しながら、エベックのコル、モン・ブリューレのコル、ヴァルペリーヌのコルと3つの峠を越えて行きます。最後のコルの登りの途中から(といってもほ とんどコルの頂上付近ですが)マッターホルンの頂上と北壁が少しずつ見えてきて、いよいよツェルマットが近づいたことを実感できます。最後のヴ ァルペリーヌのコルに上り立つとツェルマットへ向けて最後の滑降となります。マッターホルン北壁の下部の長大な氷河を滑り降ります。途中、セラ ック帯があり、慎重な行動が要求されます。積雪が少ない場合はフーリあたりでゴンドラにてツェルマットへ降りることもあります。この日の行動は技 術的には決して高くはないですが行動時間が長いのが特徴です。ヴァルペリーヌのコルへの登りあたりでは、晴天時は暑い位の気温になり、水筒 の水の残りが気になるほどです。 ●小屋を出発して、体調や天候が悪い場合、アローラ氷河を経由してアローラへエスケープ、または往路を引き返しヴィニエット小屋を経由してピー ス氷河を下降~スキー場へ下山というケースもあり得ます。ビニエット小屋をスタートして、ツェルマットまでは途中、山小屋へのエスケープも可能で すが、登りを含むなどの状況により長めの一日ではありますがツェルマットを一気に通常は目指します。 ●ビニエット小屋に到着した時点で翌日の行動に支障があると山岳ガイドが判断した場合には、グループを分けて、一方はピース氷河を下降してア ローラのスキー場へ下山する場合があります。 *スキートレックの行程は天候に非常に左右されるため、日程は現地にて流動的に変更される場合がございます。その時点で、以降の行程を念頭におき つつ山岳ガイドがベターな選択肢を採用していくことになります。予備日を消化せずにツェルマットへ到着した場合、基本的には各自の自由行動となりま す。予備日は予定の行程をこなす為の予備であり、上記日程表に含まれない行程をご希望の場合は別途、追加料金(ガイド料及び諸経費)が必要となりま すのでご了承下さい。 株式会社アトラストレック 黒澤 徹 kurosawa@atlastrek.co.jp
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