問1 ①〜③の前提から(a)、(b)が正しく演繹できるか調べよ。 自分に満足していない人だけが他人を妬む・・・ ① 不幸な境遇にあっても他人を妬まない人がいる・・・ ② 不幸な境遇ではないのに他人を妬む人がいる・・・ ③ ①→only ifの構造 →書き換え 自分に満足している人は他人を妬まない・・・ ① ① の対偶:他人を妬む人は自分に満足していない・・・① ②の対偶:他人を妬む人は不幸な境遇ではない・・・② ③の対偶:他人を妬まない人は不幸な境遇だ・・・③ (a)不幸な境遇にあっても自分に満足している人がいる ②より 不幸な境遇にあっても他人を妬まない人がいる ③ より 他人を妬まない人は不幸な境遇だ 正しく演繹できない (b)不幸な境遇でないのに自分に満足していない人がいる ③より 不幸な境遇ではないのに他人を妬む人がいる ① より 他人を妬む人は自分に満足していない 不幸な境遇でないのに自分に満足していない人がいる 正しく演繹できる 問2 次の推論が演繹として正しいことを示せ。 動物も植物も好きな人は自然を愛する人だ・・・・・・① 都会の喧騒を好む人は自然を愛する人ではない・・・・② それゆえ 都会の喧騒を好み、かつ動物好きな人は植物を好きではない・・・③ 動物の好きな人:動 嫌いな人:動 都会の喧騒が好む人 :都 好まない人:都 植物の好きな人:植 嫌いな人:植 自然を愛する人 :自 愛する人ではない:自 ①(動and植)→自 ②都→自 それゆえ ③(都and動)→植 まず②より 対偶 都→自 ①自→(動or植) ②自→都 それゆえ ③植→(都or動) 都→(動or植) さらに①の対偶より 自→(動or植) ここで消去法を用いる 都会の喧騒を好む人は、動物か植物が好きではない 都会の喧騒を好む人が動物を好きなら自動的に この人は植物が好きではないことになる これより③の 都会の喧騒を好み、かつ動物が好きな人は植物が好きでない ということがいえる よってこの文章は演繹として正しい 問3 哲学者か論理学者→理屈っぽい・・・① 理屈っぽいかつ議論好き→人に好かれない・・・② 大学の教師→議論好き・・・③ それゆえ 大学の教師で人に好かれる人物は哲学者ではない・・・④ ②対偶:人に好かれる→理屈っぽくないか議論好きでない ②対偶と③より 大学の教師 理屈っぽくない・・・⑤ + 人に好かれる ①対偶:理屈っぽくない→哲学者かつ論理学者でもない ⑤と①対偶より 大学の教師で人に好かれる→哲学者でない 問4 ある惑星の生物について、次のような報告があった。 赤い目をした生物も青い目をした生物も大きな目をしていた・・・① 大きな目と大きな耳をもつ生物はどれも長い手足をもっていた・・② 大きな耳をもつ生物の中には手足の長くないものもいた・・・③ 以上の報告から次が正しく演繹できるかどうかを調べよ。 (a)手足の長くない生物はどれも目が赤くはない。 (b)大きな耳をもつ生物の中には目が赤くも青くもないも のがいる。 登場してくる生物を性質によって記号化する。 これを用いて表すと 赤い目・・・・・・・A 青い目・・・・・・B ① :(A or B)→C 大きな目・・・・・C ①対偶:C→(A and B) 大きな耳・・・・・・D ② :(C and D)→E 手足が長い・・・E ②対偶:E→(C or D) また、③は「大きな耳をもち、手足の長くない生 物」と書き換えられるので、この存在を『α』と仮 定する。 ③α:(D and E) 赤い目・・・・・・・A 青い目・・・・・・・B 大きな目・・・・・・C 大きな耳・・・・・・D 手足が長い・・・・・・E ① :(A or B)→C ①対偶:C→A and B ② :(C and D)→E ②対偶:E→ C or D ③α:D and E (a)を記号化すると、 (a):E→A Eから始まるものは、②対偶であるので繋ぐと E→ C or D ここで、『α』は、D and Eと仮定されているの で、Dは消去される。続けてCに①対偶を繋ぐと E→C→(A and B)となる。 これより、(a):E→Aは、(Bでない)可能性を含 んでいない為、①②③より正しく演繹できないと 言える。 (b)「大きな耳をもつ生物の中には目が赤くも青くも無いも のがいる」 これを「大きな耳を持ち、目が赤くも青くもないものがいる」 と書き換える。次にこの存在を『β』と仮定、記号化すると、 (b)β:D and(A and B) また、先ほど仮定で使った③を、③:D→Eとする。よってD より繋がるものは③。 またつづけて、③には、②対偶が繋がるので、 D→E→(C or D) とできるが、βはDであると仮定されているので、Dを消去 する。よってCには、①対偶を繋げることができる。 D→E→C→(A and B) これより、(b)は、①②③より正しく演繹できると 言える。 問5 好き・・・・・・○ 嫌い・・・・・・× ③:「算数は好きではないが理科は好きだ という児童がいた」 算数×で理科○の人(α)がいる ②:「国語は好きだが社会は好きではないという 児童は算数が好きだった」 算数×なら (国語×or社会○) が②より考えられる ①:「社会が好きではない児童だけが理科を好 きだった」 Only ifより 理科○→社会× 社会○→理科× 算数×理科○のαは、社会× よって④は正しいといえる 問6.次の推論における演繹の誤りを、「逆を用いた誤り」な いし「裏を用いた誤り」を指摘することによって説明せよ。 ①「英語の教師のすべてが英会話が得意なわけじゃない」 ②「だいたい、内気な人は英会話が得意じゃないよね」 ③「ということは、英語の教師の中には内気な人がいるって ことか」 ①英語の教師のすべてが英会話が得意なわけで はない →英語の教師の少なくとも一人は英会話が得意 ではない ②内気な人→英会話が得意じゃない ③英語の教師中には内気な人がいる ①:条件構造を持たない。 ②逆:英会話が得意じゃない人は内気である。 英会話が得意でない→内気 ②裏:内気でない人は英会話が得意である。 内気でない→英会話が得意 ②対偶:英会話が得意な人は内気でない。 英会話が得意→内気でない 問題文中では②の逆を根拠として③を述べている。 よって、「逆を用いた誤り」である。 問7推論における演繹の誤りを、「逆を用いた誤り」ないし 「裏を用いた誤り」を指摘することによって説明せよ。 ①哲学者ときたら、そろいもそろって非現実的な連中だ。 ②倫理学者の中には哲学者でない者もいる。 ③倫理学者の中には現実的な人間もいるはずだ。 ②倫理学者の中には哲学者でない者もいる。 少なくとも一人以上は、倫理学者で哲学者でない。 ①哲学者ときたら、そろいもそろって非現実的な連中だ。 哲学者 逆 非現実的 裏 哲学者で無い 対 現実的 非現実的 哲学者 現実的 哲学者でない ③倫理学者の中には現実的な人間もいるはずだ。 裏を用いた誤りである。 問8 帽子屋が嘘をついていることを背理法によって示せ。 帽子屋:三月ウサギと眠りネズミは嘘ばかりついている・・・① 三月ウサギ:眠りネズミは嘘ばかりついている・・・② 帽子屋が嘘をついていないと仮定すると・・・ ①は正しいので 三月ウサギと眠りネズミは嘘ばかりついている・・・③ ③より②は正しくないので 眠りネズミは嘘はついていない・・・④ ③・④は矛盾 帽子屋は嘘をついている 問9 「滝本酒店は毎日開店している」を背理法で 示す ・・・・「滝本は開店してない日がある」とする ③:「他の2店のどちらかが休みの日は、大木 酒店は開店してる」 ・・・・滝本が閉店してる日は大木が開店 ②:「滝本酒店が休みか大木酒店が開店の日 は、津端酒店は開店している」 ・・・・大木が開店していることがわかっている ので津端も開店している これまでの要約 ・滝本が開店してないと仮定 ・③より、滝本が開店してないので大木が開店 ・②より、大木が開店してるので津端も開店 ①:「他の2店がともに開店の日は、滝本酒店も 開店している」 滝本は開店していないという仮定はなりたたな い。よって滝本酒店は毎日開店している 問10 4人の容疑者に対して、次の①-④が知られている。そのとき 関口が犯人であることを背理法を用いて示せ。 中善寺が嘘をついていない→犯人は関口か木場だ・・・① 中善寺が嘘をついている→犯人は中善寺だ・・・② 中善寺か榎木津が犯人→関口も犯人・・・③ 関口が犯人でないかつ木場が犯人→榎木津も犯人・・・④ 関口が犯人でないと仮定する ①対偶:犯人が関口かつ木場でない→中善寺は嘘をついている 仮定より「中善寺は嘘をついている」 ②より中善寺が嘘をついている→犯人は中善寺となる しかし ③対偶:関口が犯人でない→中善寺かつ榎木津は犯人でない ①対偶→②と③対偶で矛盾が生じる よって仮定は否定され関口が犯人であると結論できる
© Copyright 2024 Paperzz