ご参考資料 ピクテ・マーケット・フラッシュ 2014年10月16日 先進国 Pictet Market Flash 8月のユーロ圏鉱工業生産指数:域内経済は減速の兆し 2014年8月のユーロ圏鉱工業生産指数は大幅に低下し、市場予想に届きませんでした。一時的な要因が指数を実 態以上に押し下げた可能性は高いとしても、ドイツ経済が停滞局面から脱却できなかったことが響きました。また、 ユーロ圏GDP(域内総生産)は、4-6月期のゼロ成長に続き、7-9月期はマイナス成長となることが示唆されました。 図1:ユーロ圏鉱工業生産指数ならびに 米国鉱工業生産指数の推移 ユーロ圏経済は減速の兆し 2014年8月のユーロ圏鉱工業生産指数は大幅に低下し、 前月の上昇分をすべて相殺しました。ドイツの学校の夏 115 休みの時期が昨年とは異なったこと、在庫調整のため 110 自動車業界が減産を行ったこと等、一時的な要因が指 数を実態以上に押し下げた可能性はあるものの、域内 105 経済の基調は極めてぜい弱です。4-6月期のGDP(域 100 内総生産)はゼロ成長となりましたが、8月のユーロ圏 95 鉱工業生産指数は7-9月期のマイナス成長を示唆して 90 います。ピクテの予想も下方修正が必要だと考えます。 8月の鉱工業生産指数は大幅低下 2014年8月のユーロ圏鉱工業生産指数(建設を除く)は 前月比-1.8%と市場予想の同-1.6%に僅かに届かず、 2012年9月以来最大の低下を記録しました(図1参照)。 また、7月改定値は同+0.9%と、当初の数値から0.1ポイン ト下方修正されました。 7-8月の鉱工業生産指数平均は、4-6月期比-0.5%とな り、7-9月期平均がプラス圏に留まるには、9月の数値 が前月比+2.4%以上となる必要がありますが、欧州経済 通貨同盟(EMU)発足以来、当指数がこれほど大きく上 昇したことは一度もありません。したがって、7-9月期の 数値がプラス圏に留まる公算は低いと考えます 部門別サブ指数では、資本財(前月比-4.8%)を筆頭に、 中間財(同-0.7%)、非耐久消費財(同-0.2%)が低下しま した。一方、耐久消費財(同+0.2%)ならびにエネルギー (同+1.2%)は上昇しました。 ドイツは大幅低下、ポルトガルは上昇 国別サブ指数も強弱交錯で、15ヵ国中8ヵ国の指数が低 下しました。ドイツの大幅低下(前月比-4.3%)が総合指 数の下げを主導し、フランスは同-0.1%と小幅の低下 (年率、期間:1999年1月~2014年8月) (ご参考)米国鉱工 業生産指数(右軸) 105 ユーロ圏鉱工業 生産指数(左軸) 95 85 85 75 99年 01年 03年 05年 07年 09年 11年 13年 15年 出所:ピクテ・グループのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 に留まりました。一方、オランダ(同+1.3%)ならびにポル トガル(同+3.1%)が2ヵ月連続で上昇した他、イタリア(同 +0.3%)ならびにスペイン(同+0.1%)も上昇しました。 7-8月の平均値が4-6月期比で上昇したのはフランスの みでした。 ドイツの不調には一時的な要因が影響 2014年8月のユーロ圏鉱工業生産指数には一時的な要 因の影響が大きく反映され、ドイツの夏休み時期の変更 や新車の減産がドイツ製造業の打撃となったことは、10 月10日発行のピクテ・マーケット・フラッシュにも記載の 通りです。9月の数値は上昇が予想されますが、 8月の 低下分を相殺できる公算は低いと考えます。8月のユー ロ圏鉱工業生産指数は7-9月期の域内経済が前期比 0.5%のマイナス成長となることを示唆しています。縮小 幅は0.5%より小幅に留まると考えますが、ピクテの予想 は下方修正の必要がありそうです。 ※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容 が変更される場合があります。 当資料をご利用にあたっての注意事項等 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場 の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将 来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用 目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。 ●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象 ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、 会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。 ピクテ投信投資顧問株式会社 1 1
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