図書館だより平成27年3月号

図書館と本をより楽しむための情報誌
平成 27 年 3 月 1 日
第 107 号
が ら く た
理系男子の我楽多箱
3 月 8 日は、
「ミツ(3)バチ(8)」の語呂合わせから、全日本ミツバチ協同組合と
日本養蜂はちみつ協会が「ミツバチの日」に制定しました。今月は、みつばちやハチミ
ツについての雑学をご紹介いたします。
<ハチミツの歴史>
ハチミツの利用はスペイン・バレンシア地方の洞窟で発見された
ハチミツ採集の壁画から、人類は一万年程度前から行っていたと考
えられています。
日本では、皇極2年(643年)に百済人が養蜂を行ったという
記述が『日本書記』にみられます。ハチミツを朝廷に献上したという記述が平安時代の『延
喜式』の中にもしばしば登場します。しかし、日本でハチミツが広まるには明治時代に西
洋ミツバチが入って来るまで待たなければなりません。
<蜂によるハチミツのできるまで>
働き蜂が花から蜜を吸いとって、巣の中の働き蜂に口移しで渡します。受け取った
働き蜂は、巣の内壁に花蜜を貼り付けて、翅で風を起こし水分を蒸発させます。この
ときミツバチの唾液に含まれる転化酵素が花蜜に混ぜられ ます。この酵素が花蜜の主
成分であるショ糖を果糖とブドウ糖とに分解します。糖度が花蜜の2倍まで濃縮され
るとハチミツのできあがりです。濃縮されたハチミツは、貯蔵しても成分的な変化は
ほとんどありません。ハチミツが長期保存に向いてるのはこのためです。
1 匹の働き蜂が、1 回に運ぶ花蜜の量は 20mg 程度です。ハチミツ 200g 入り瓶を作るの
に 1000 匹の働き蜂が 10 回運ばなくてはならない計算になります。
ミツバチが苦労して作ったハチミツは人間にとっても消化しやすく栄養価も高い食品で
す。私たちはミツバチに感謝してハチミツをいただきたいと思いました。
<
ハチミツのことがよくわかる本の紹介
>
はちみつ大好き。
ラベイユ監修
ニホンミツバチの社会をさぐる
吉田忠晴著
ハチミツの百科〈新装版〉
渡辺孝著
日本ミツバチ
日本在来種みつばちの会編
ミツバチとともに
農文協編
はちみつができるまで
藤原誠太監修
2006 年 8 月刊行
2005 年 3 月刊行
2003 年 1 月刊行
2000 年 3 月刊行
2012 年 9 月刊行
2011 年 2 月刊行
647.6/ハチ
647/ヨシ
6476/ワタ
647/フジ
J610/ノウ/2
J647/ハチ
多治見タイムトラベル
~多治見にもやってきた青い目の人形~
~
図書館の郷土資料室では、多治見の古いものから新しいものまで歴史資料を数多く
所蔵しています。このコーナーでは、図書館に所蔵している資料を使って、昔の人々
の暮らしを紹介していきます。
♪青い眼をしたお人形は
アメリカ生まれの
セルロイド・・・♪
これは大正から昭和にかけて子供たちの間で
大流行した、野口雨情作詞の童謡「青い眼の人形」
の冒頭です。このころ実際に青い目の人形が日本
へやってきました。
大正 15 年(1926)、日本との親善を願うアメリ
カの宣教師が「世界児童親善会」を設立し、日本
のひな祭りの風習にちなんで昭和 2 年(1927)3
月に 12,739 体の青い目の「友情の人形」を日本
↑ 大勢の生徒たちが奉安殿の前に集まり、
青い目の人形贈呈式が行われた
に贈りました。そのうち 235 体は岐阜県各地の小学校へ届けられました。
そのお礼として日本人形をクリスマスにアメリカへ贈るなど、日米の子供たちの交流が行
われました。しかし第二次世界大戦がはじまると、青い目の人形は敵国からのスパイとされ、
焼かれたり壊されたりしました。そのため岐阜県で現存する人形はわずかに 2 体だけとなっ
ています。
多治見にも青い目の人形が贈られた記録が残っています。養正小学校に残る「昭和 2 年多
治見尋常高等小学校記録帳」に、青い目の人
形の写真や生徒たちの作文をみることができ
ます。昭和 2 年 7 月に奉安殿(ほうあんでん)
(天皇・皇后の写真などを納めた建物)の前
で大歓迎会が行われました。10 体の「プリシ
ラ」という名前の青い目の人形を囲んで、生
徒が家から持ち寄ったひな人形やたくさんの
日本人形が飾られました。多治見尋常高等小
学校では、歓迎会の写真や作文・絵などを集
↑ 多治見にやってきた青い目の人形(中央)
と生徒たちが持ち寄ったひな人形
めた記念帳をお礼としてアメリカに贈りまし
た。
<参考文献>
「岐阜県教育史 別編1ビジュアル版」(岐阜県教育委員会
「写真資料集 青い目の人形」
(武田英子
1985)
2005)ギ 093.72/ギフ
759/タケ
~
懐かしい風景を訪ねて
~
そぞろ歩くにはまだ少し肌寒い季節です。懐かしい風景を訪ねて、本の中を散歩
しませんか。
高橋余一は、簿記学校に通いながら京都の絵画塾で日本画を学びました。帰郷して小学
校の教員や会社勤めをし、退職後は農業に従事しましたが、病に倒れ自宅で療養生活を
送るようになってからは、得意の絵で古井(こび)に暮らした人々の日常を描きはじめ
ました。「美濃生活絵巻」には、明治から昭和にかけての農業や養蚕をはじめとするな
りわいや風俗習慣、子どもの遊び、祭りや年中行事、時代の流行もの、道標や石仏など、
実に多種多様なものがシンプルな線で描かれています。
再発見できます。
虎渓山や土岐川、多治見の町の昔の姿、美濃焼やその他の
産業と共に成長していく明治以降の多治見 100 年の歩み
を、当時の写真を通して知ることができます。現在は誰も
が気軽に日常の光景を撮影できますが、明治・大正時代、
写真は人生のハレの日に着飾って写真館に撮りに行く特別
なものでした。その特別な感じが、この写真集の中の人々
の緊張した表情によく表れています。たまには、アルバムに貼られたまま部屋の隅で忘れ
られかけている写真でも引っ張り出して、来し方行く末を見つめてみませんか。
<まなパ~・フェスティバル(図書館)>
<多読クラブ ~たじみ多読を楽しむ会~>
期 日:平成 27 年 3 月 29 日(日)
時 間:午前 10~午後 4 時
場 所:まなびパーク全館
●エコバックを作って絵本を借りよう!(集合場所 2F)
時間:10:30 11:30 14:00 15:00 各先着 6 名
●「おななしのふくぶくろ」貸出 (限定 25 袋)
●図書館ダンジョン(書庫)ツアー(集合場所 2F)
時間:10:30 11:30 13:30 14:30 各先着 6 名
●10 冊借りて、個人本 1 冊フィルムコーティング
先着 50 名に整理券を配布します。
コーティング後、後日お渡しします。
英語多読を一緒にはじめませんか?英語多読とは、やさしい
英語絵本からはじめて、辞書を引かなくても楽しめる本をたく
さん読むことです。英語多読に興味のある方ならどなたでも参
加できます。
期 日:3 月 27 日(金)
時 間:午後 6 時 30 分~7 時 30 分
会 場:まなびパーク 1階サンルーム
持 物:おすすめの図書(あれば)
内 容 :いま読んでいる英語図書の感想などをおしゃべりし
ながら情報交換します。読んでいる本がなくてもOK
申込み:不要
その他:月一度開催を予定しています
問合せ:多治見市図書館 飯沼
図書館からのおねがい
<こんな資料を探しています>
<古い写真アルバムを断捨離する前に>
多治見市図書館では陶磁器に関する資
郷土資料室では多治見市内で撮影された日常生
料を重点的に収集しております。一般で
活の写真を貴重な地域資料として収集しており
は流通していない陶芸に関する資料(展
ます。街並みや年中行事を撮影した写真がござ
覧会図録・目録・パンフレット・チラシ)
いましたら、処分される前にご一報ください。
でご不用のものがございましたら、是非
郷土資料室 23-3783
図書館へご寄贈頂けないでしょうか。ギ
火~土曜日 10:00~17:00(祝日は休室)
ャラリー等で企画展をされる陶芸作家
さんのポスター・ちらし・フライヤーの
持込も歓迎します。PR の場としてもご
活用ください。
多治見市図書館だより 平成 27 年 3 月 1 日号(月 1 回発行)
発行者 多治見市図書館 本館
編集 (公財)多治見市文化振興事業団
住所 多治見市豊岡町 1-55 まなびパークたじみ
TEL 0572-22-1047
FAX 0572-24-6351
多治見市図書館 HP
http://www.lib.tajimi.gifu.jp/
携帯版図書館 HP
http://www.lib.tajimi.gifu.jp/k/
お問合せ e-mail
toshokan@tajimi-bunka.or.jp
多治見市図書館だよりは多治見市図書館指定管理者(公財)多治見市文化振興事業団が多治見市から受託して発行しています