2 2011/12/28 ツーリズム産業論 「観光立国」を支援する、サービス工学の先駆的取組みの紹介 2011年12月20日 首都大学東京 都市教養プログラム「ツーリズム産業論」 原 辰徳 工学系研究科 システム創成学専攻 理工学研究科 システム設計工学系専攻 青山 和浩 古賀 毅 首都大学東京 都市環境科学研究科 観光科学域 倉田 陽平 矢部 直人 本保 芳明 (株)ジェイティービー 旅行事業本部 地域交流ビジネス推進室 【理論】サービスのモデル化手法と、サービスの設計手法の研究 【実践】サービス用CADシステム「Service Explorer」 の開発 設計工学、ビジネスプロセスモデリング、マーケティング手法を応用 サービスづくりのためのサービス解析・評価用ソフトウェア 4 【導入】工学部でなぜサービスを考えるのか? – 製品とサービスの関係、製造業のサービス化、 – 【原】サービス用の設計支援システム(サービスCAD)の紹介 【導入2】サービスとは? サービス工学研究とは? 【現在】製造業製品のサービス化に関する「製品サービスシステム」と、顧客経 験が強く表れる「観光サービス」を対象に、企画開発プロセスの高度化、利用過 程のモデル化、顧客参加型のサービス構成支援に関する研究を進めています 年・月 加藤 誠 山下 真輝 原田 吉啓 2011/12/28 ツーリズム産業論 【専門分野】サービス工学、製品サービスシステム、設計工学 経歴 2004.3 東京大学 工学部 システム創成学科(知能社会システムコース)卒業 2006.3 東京大学大学院 工学系研究科 精密機械工学専攻 修士課程修了 2009.3 同専攻 博士課程修了 博士(工学) 2009.4~ 同専攻 助教 2011.4~ 同大学 人工物工学研究センター デジタル価値工学研究部門 講師 【本論】サービス工学で訪日観光を考えるとこうだ! – 個人旅行者の参加をキーとした、観光旅行サービスのエコシステム – 訪日旅行者の観光行動データの収集・分析によるパターン化 – 製造業の設計・生産手法を応用したパッケージツアー企画の高度化 5 2011/12/28 ツーリズム産業論 自動車の使用価値を高める様々なサービス – サービスの一般的な理解、定義 – 日本におけるサービス科学・工学研究の振興 – 産総研 サービス工学研究センターの取り組み 6 自転車の使用価値を高めるサービス事例 ステーション *自転車貸出業務 1,451ヵ所 20,600 台の自転車 24時間365日利用可能 Vélib‘ (ヴェリブ) 部品供給 道路整備 フランス・パリ市が提供する自転車貸出サービス(2007年7月運用開始) 概要 ロードサービス ボルヌ(利用端末) – 20,600 台のセルフサービス自転車 中古車販売 *利用手続き *ステーション状況管理 *返却手続き *電子決済 人間業務を代行し、無人化を実現 – 1,451 のステーションをパリ市全域の300メートルごとに設置 – 27,500,000 人の利用者(サービス開始1年の実績) – 200,000 人が年間長期パス利用者 – 94% の利用者がサービスに満足 導入効果 ディーラー 保険 – 自動車渋滞の緩和 – 公害・環境負荷の低減 – 市民生活の利便性向上 レンタカー 観光 ガソリンスタンド 携帯音楽プレイヤーの使用価値を高めるサービス事例 iPod + iTunes サービス(ソフトウェア) 8 2011/12/28 ツーリズム産業論 戦前 50年代 60年代 70年代 80年代 90年代 00年代 高度成長期 ●オイルショック (’73) ●バブル崩壊 (’91) ●新・三種の神器(’70s) iPodを使えば・・ iTunes *音楽データの管理の容易さ *音楽データの転送の容易さ *音楽データ入手の容易さ *画像出典:アップル社 http://www.apple.com/jp/ 音楽が手軽に持ち出せ、場所を選ばず楽しめる! 洗濯機の進歩 手洗い ⇒ 洗濯機 ⇒ +絞り機 ⇒ +乾燥機 ⇒ 全自動化 製品の高機能化、自動化 手洗い 失われた十年 都市化の進行 相互扶助的 サービス 製品の量的充足による生活水 準の向上&サービスの代替 「行き過ぎた」 工業製品 情報技術の発達による サービスの高度化 製品による サービス侵食 製品とサービスの融合 製品のサービス化 * 三井業際研究所ライフスタイル委員会調査研究報告書より、一部変更して筆者作成 洗濯機 洗濯周辺機能の高度化 – 複合化: 乾燥機,Web化 – 持続性社会対応: Upgradable – 自動たたみ・自動収納 IT革命 (’00) ● 経済成長戦略大綱 (’06) ● 村落共同体 9 洗濯機の将来像は? 経済の成熟化 ●三種の神器 (’60s) iTunes Store 効率的な情報伝達 メンテナンス 2011/12/28 ツーリズム産業論 製品とサービスの関係:機能性の観点 ●「もはや戦後は終わった」(’56) iPod いつでも借りられる。 どこでも借りられる。 いつでも返却できる。 どこでも返却できる。 支払いが容易。 保全活動 7 *デザイン(美しさ、持ち運び易さ) *記録容量の多さ *操作しやすさ *音の良さ 自転車レンタル サービスの実現を支援 不測の事態への 対応 メンテナンス 2011/12/28 ツーリズム産業論 製品 ホットラインサービス Efficiency 効率 人工物工学研究センター 東京大学 山口大学 Rosetta (Research on Service Engineering for Tourists and Travel Agents) 東京大学 本日のお話 原 辰徳の自己紹介 大学は訪日観光に貢献できるか? 3 2011/12/28 ツーリズム産業論 二槽式 洗濯機 全自動 洗濯機 洗濯機 全自動 洗濯機 高機能化 手洗い 洗濯機能供給の多様化 – – – – – 使い捨て下着 個人所有個人利用: 実時間利便性、プライバシ 企業所有個人利用: 購入-廃棄-管理手間からの離脱 コインランドリー: 時間利用 洗濯業との複合化 Flexibility 融通性 機能販売 機能共有 サービスとの融合 10 2011/12/28 ツーリズム産業論 2011/12/28 ツーリズム産業論 【原】 サービスCADシステムの構築 製造業製品のサービス化 製造業製品:人間機能拡大型製品、コンテンツ型製品、製品がコアとなるサービス サービス化の方向:機能販売、生涯価値、共有、利用プロセス強化 細目 社会共有 製品の共有 レンタル・リース 設計支援 タクシー,カーシェア,映画館 メンテナンス エレベータ,コピー機,自動車,エアコン清掃 コンテンツ重視 携帯電話,携帯音楽プレイヤー,家庭用ゲーム機 機能販売 レンズ付フィルム,PC,掃除機ロボット •デザインレビュー、合意形成ツール モデル化 設計プロセス ウィザード 製品挙動 受給者 チャネル 誰と協力して? 利害関係者間の関係 顧客の製品利用段階まで密に掌握する仕組み 顧客の嗜好に対していつでも対応する仕組み 製品サービスシステム:Product/Service-System Customer A 何を? サービス内容の 機能・属性表現 どのように? 行為としてのサービス サービスの提供プロセス Customer B Customer C 11 12 顧客満足度とサービス機能の相関構造 14 2011/12/28 ツーリズム産業論 業務プロセスの構造的特性の分析 サービス 活動 •診断ツール、顧客分析ツール 状態変化 タスク 可視 タスク 利用者とサービ スの相互作用 人的活動と 製品挙動の協調 21 - 12 (57%) - 41 10 (24%) 4 (10%) 6 (17%) 53 17 (32%) 8 (15%) 6 (11%) 顧客満足度の評価 特性 無形性 (Intangibility) 同時性 (Simultaneity) 人間系 13 16 サービス分野における科学的・工学的アプローチの例 サービス設計を技術が支援 認知工学等を活用して、顧客の視点 でより質の高いサービスを実現 従来のサービスをモデル化し、その プロセスを工学により最適化 経験、時間、 プロセス 所有権利の購入可能性 事前チェックの可能性 生産と消費が同時発生. 価値創成の共同作業 相互作用重視 のサービス、 劇 個人対応度 サービスの分岐度合 スカラビリティ 介護、劇、弁 護士 顧客の主観性 サービス選択の多様性 成果の標準化度 消費のために貯蔵しておくこ とができない 空中遠隔モニタリング、ゲーム感覚のリハビリ機器 受付ロボット 2002年 【東京大学】 人工物工学研究センター サービス工学研究部門の設置 サービス設計CAD 金融商品開発 2004年 【米国競争力協議会】パルミサーノ・レポート 市場化された新しい技術を活用して サービスを提供 他分野では既に普及している技術を サービス提供に活用 駅構内の標識研究 アイトラッキングによる消費者の視点分析 年 2006年 2007年 出来事 Deed, act, or performance (Berry, 1980) Deeds, processes, performances (Zeithaml & Bitner, 1996) An activity or series of activities… provided as solution to customer problems (Gronroos, 1990) A change in condition or state of an economic entity (or thing) caused by another (Hill, 1977) 18 2011/12/28 ツーリズム産業論 産業技術総合研究所 サービス工学研究センター サービス工学の基本アプローチ ・脱物質化、製造業製品の高付加価値化、産業構造・経済構造の変化への対応 ・サービスサイエンスは、21世紀のイノベーションの中心 【経済産業省】経済成長戦略大綱でサービス産業の生産性向上の必要性を提言 ・サービス産業の生産性を抜本的に向上させる ・サービス産業を製造業と並ぶ双発のエンジンとする 【経済産業省】サービス産業におけるイノベーションと生産性向上に向けて 報告書 ・ハイサービス300選の選定 ・顧客満足度指数 JCSI (Japan Customer Satisfaction Index)の開発 【経済産業省】研究委託事業の開始 ・サービス産業生産性向上支援調査事業(2007年) ・サービスイノベーションを通じた生産性向上に関する支援事業(2009年) タクシー乗務員の行動分析 GPS活用による新しいプライシングモデル 遠隔医療画像診断支援 *経済産業省「サービス産業におけるイノベーションと生産性向上に向けて」 Intangible and perishable… created and used simultaneously (Sasser et al, 1978) A time-perishable, intangible experience performed for a customer acting in the role of co-producer (Fitzsimmons, 2001) 【サービス産業生産性協議会】サービス産業生産性協議会の設立 エアラインの搭乗時間の短縮 エアラインの座席と価格の最適化 MLBのスケジューリングの最適化 金融マッチングサイト 葬祭用遺影写真デジタル加工&配信 地域テレワークオフィス All economic activity whose output is not physical product or construction (Brian et al, 1987) A service is the diametrically opposed non-material counterpiece of a physical good. 他者に対する行為としてのサービス定義 日本におけるサービス科学・工学の振興 ロボットスーツ、ロボット遠隔手術システム 17 2011/12/28 ツーリズム産業論 *[Spohrer 2006]の調査結果を参考に分類 無形性、消滅性を強調したサービス定義 ホテルの部屋、 貯蔵性 劇 物財との対置によるサービス定義 判別方法・判別基準 サービス産業の特性 中小企業比率が高い グローバル競争に晒されていない 強い地域性 生産性と顧客満足度の測定が進んでいない 立ち上げ期における改善の容易さ 工学的アプローチが進んでいない 製品系 2011/12/28 ツーリズム産業論 消滅性 (Perishability) 例 15 サービスの一般的理解:定義例 実物を見たり触ったりできな い 非均質性.サービスの質は 異質性 (場所、時間、人間 )の関数 (Heterogeneity) で相互作用依存 実体(ヒト、モノ、情報)の重要度分析 サービス提供の過程で、 「技術」が「人」に代替 説明 サービスの提供プロセス(業務手順) 2011/12/28 ツーリズム産業論 サービスの一般的理解:4つの特性 【原】 サービスCADによる解析結果例 利用者 評価 サービス事例の データベース コンテンツ 2011/12/28 ツーリズム産業論 アウトライン 誰に対して、何故? ペルソナ・シナリオ 製造業の環境条件変化:個人嗜好への対応、短製品寿命、グローバル化 etc. 新しいビジネス: 顧客との距離を詰める(顧客囲い込み,顧客満足度評価) 「サービスの仕様書なんて、どうやって書けばいいんだ?」 「品質改善に向けた分析・評価ツールが欲しい」 「エレベータの図面はあるけど、監視や保守活動との 関係がわかるようにしろといわれても・・・・」 設計演算の 知識ベース 設計操作 サービス事例 データベース レンタカー,コインランドリー,家電レンタル, 提供者 例)エレベータの保守・運用サービス •事例収集、新規・改良設計ツール 事例 建機レンタル,出張パック,インターネットカフェ 生涯価値の維持 【原】 サービスCADによる解析事例 設計工学とマーケティングの手法を組み合わせた、世界初のサービスシステム 用の上流設計支援ソフトウェア サービス化の手法 2011/12/28 ツーリズム産業論 【文部科学省】サービスイノベーション推進人材育成プログラム発足 ・2007年度 6大学、2008年度 7大学 【産業技術総合研究所】サービス工学研究センター設立 ・CCE行動理解技術、人間行動センシング技術、大規模データモデリング技術、プロセス可視化技術 2010年 【科学技術振興機構】問題解決型サービス科学研究開発プログラム発足 ・問題解決型研究<A>、横断型研究<B> *http://unit.aist.go.jp/cfsr/contents/result/presentation.htm 19 20 2011/12/28 ツーリズム産業論 21 2011/12/28 ツーリズム産業論 *http://unit.aist.go.jp/cfsr/contents/intro/ 製品設計 (製品+サービス)の設計 サービス設計 産業技術総合研究所 サービス工学研究センター 対事業所サービス 対個人 サービス Design for experience Reference: A.R. Tan, D. Matzen, T.C. McAloone, S. Evans (2010) Strategies for designing and developing services for manufacturing firms. CIRP Journal of Manufacturing Science and Technology. 22 2011/12/28 ツーリズム産業論 顧客要求推定 – 行動測定 : 実時間測定 & 実時間支援 Efficiency 効率 全自動 洗濯機 洗濯機 なぜ観光産業か?:経済波及効果、雇用吸収力、国際相互理解の増進など 日本:独自の観光資源が数多く存在する一方、国際観光の面では観光後進国 【今後の課題】個人旅行の旅行者をいかに惹きつけるか? ニーズの汲み取りを含めた旅行計画の支援サービス それに即応する観光旅行商品(ツアー商品)の造成 個人 手洗い 旅行 セミ・パッ 二槽式 ケージツア 洗濯機 シナリオ変化 フル・パッ 全自動 ICT支援 ケージツア 洗濯機 利用者 32% 実時間 知能 旅行支援 洗濯機 25 [訪日外国人消費動向調査 2010] “消費者”としての役目 ツアー旅行者/個人旅行者 【データソース】 訪日外国人消費動向調査(2010年4月~6月実施分) “設計者“としての役目 個人旅行者(左半分を自分でこなす) 【データ数】 1,342 (観光目的に限定) 数量化三類およびk-meansクラスタの結果、訪日旅行者の観光行動を、 4つのクラスタに分類 どこに宿泊? 何を買ったか? 何をしたか? 現場体験の価値(使用価値)~During~ 着地シーズの情報提供 SUNRISE Toursの 企画(パッケージ化) 【提供者】 観光事業者 観光体験の提供 【提供者】 ツアーガイド 観光体験の強化 SUNRISE Toursの提供 (部品、ツアーの双方) 個人ニーズの提供 発地ニーズ の情報提供 本人 旅先で出会う 旅行者・現地の人々 同行者 SUNRISE Toursを組み込んだ パッケージツアーの企画・販売 事前期待(交換価値)~Pre~ 体験共有 ~Post~ 潜在旅行者 興味を持つ外国人に対し、実際の旅行行動の喚起 日本流の情緒的観光体験と「おもてなし」により、リピータ増 親日派 増 国際社会における日本のプレゼンス向上 今回したこと n 宿泊地 東北、北海道 化粧品 旅館、温泉、四季の体感、日本の 歴史・伝統文化体験、日本の生活 文化体験、親族・知人訪問 39 クラスタ2 中部、北陸、 関西、中国 電気製品、カ メラ、化粧品 旅館、温泉、自然・景勝地、自然体 験ツアー、日本の生活文化、日本 の歴史・伝統文化 494 クラスタ3 九州 化粧品、マン ガ ゴルフ、旅館、温泉、自然・景勝地 86 クラスタ4 関東、北海道 ファッション、 和服、マンガ 繁華街街歩き、ショッピング、テー マパーク、美術館、ナイトライフ、映 画・アニメ縁の地、親族・知人訪問 723 27 【対象】個人旅行者の属性・旅行形態は? クラスタ クラスタ 【顧客】訪日外国人 経験の共有 【提供者】 海外エージェント 消費支出 Research on Service Engineering for Tourists and Tour Agents クラスタ1 クラスタ1 共流通 共消費・経験 SUNRISE Toursの販売 【提供者】 JTB 26 【対象】個人旅行者の観光行動は? 多様性にどのようにして対応し、魅力的な観光旅 行商品を開発・提供すれば良いか? 観光産業 年 専門家意見重視 【対象】観光旅行サービスの全体像 【中国・台湾・香港】 40%超 非利用者 68% 手洗い Flexibility 融通性 【目標】 観光立国の実現に向けた、訪日外国人に対する 魅力的な観光サービスの提供 【欧米諸国】 10%前後 大 高機能化 【目標】 国際競争力を高め、国内外の新規市場を開拓 Service Explorer 【問題】 文化の相異を背景とした訪日外国人の異質性と の領域 訪日旅行者のパッケージツアー利用率 訪日外国人旅行者数の推移と目標 万人 24 【問題】 顧客の異質性・多様性を吸収するには、顧客経験 と設計生産活動をどのように連携すれば良いか? 訪日旅行者数は2009年時点で835万人。世界28位、アジア6位。フランスの1/10 訪日外国人誘致に向けた様々な施策 2019年までに2,500万人を目指す 顧客参加 重視 – 標準化・専用化 ⇔ 変化対応 – 専門家意見重視 ⇔顧客自身表現 【背景】観光産業はサービス研究の好事例 サービス産業 対応形態 23 【背景】「観光立国 日本」に向けて 機能提供重視型 と 顧客経験重視型 性・年代 男女40代~ 居住地 台湾、フランス、 オーストラリア 訪日回数 多 旅行形態 個人 同行者 一人、夫婦、 家族 クラスタ2 男女40代~ 中国 初 団体 職場の同僚 クラスタ3 男40代~ 韓国 数回 団体 職場の同僚 クラスタ4 男女20~30代 韓国、香港、台湾、 初 タイ、英国、米国 個人 一人、友人 日本を初めて訪れる20代~30代の個人旅行者(FIT)が多い 彼/彼女らは日本への再訪意向が高いことが同時に判明 「次回したいこと」として、「温泉」「旅館へ宿泊」「日本食」「四季の体感」等 の日本文化に関する項目を回答 個人旅行者層のターゲットとして捉え、彼/彼女らの東京圏 での旅行計画と観光行動に着目 【対象】パッケージツアー:SUNRISE Tours JTBによる訪日個人観光客向けパッケージツアー ●ベーシックな観光ツアー 【シティツアー】東京・京都・名古屋・大阪等へ 【エスクカーション】富士・箱根、日光、鎌倉等の近郊へ 【パッケージフリープラン】東京・京都間の新幹線を利用 【第二のゴールデンルート】高山・白川郷・金沢 ●体験型の観光ツアー(Hans-on Japan) 握り寿司体験や高尾山での精進料理 Cool Japanのサブカルチャー体験 28 事前期待(交換価値) 訪日旅行者に対する 理解 (不十分) 1: 旅行 計画時 経験と勘に頼っている (科学的な根拠無し) 体験(使用価値) 2: 出発前 3: 滞在中 / 観光中 4: 観光後 企画コスト大 約3,000 約3,000 SUNRISE Toursの構造と課題 満足可能な観光要求のバラエティは限られており、 多彩なツアーを準備することで個別ニーズに対応す るに至っていない 【アプローチ】対話型旅行プラン作成支援システム 旅行経験 「日本にまず来てもらう」ために、 旅行者の旅行計画(観光スポット 、移動・宿泊・滞在)に焦点 観光スポットでの 体験・ホスピタリティ 個人旅行者と旅行代理店の双方 の立場から、設計論的アプローチ をとる 移動・宿泊・滞在 根拠となる個人旅行者の観光行 動と観光後の評価データは積極 的に収集 観光旅行の 付随サービス 旅行者本人が表現しきれない、曖昧な 要求の段階的な明確化 旅行者本人の旅程カスタマイズによる、 高い柔軟性・融通性の確保 CT Planner (倉田 2010) 2. こちらが標準的なお勧めプランですが、ご希望 や行ってみたいところなどございますか? サービス研究の重要課題 異質性・多様性の吸収方法 CT-Plannerを軸に以下と統合できないか? 観光スポット 個人旅行者の行動解析(顧客経験) パッケージツアーの造成(設計開発) 顧客参加型のサービス構成支援 31 1. 横浜を3時間位で まわりたいのですが 3. この県立歴史博物館というのにも行ってみたいですね 33 32 【アプローチ】マス・カスタマイゼーション(MC) 「寄る・寄らない・任せる」を指定可能 【アプローチ】旅行者の参加レベルと観光旅行商品の形態 大量生産のスケールメリットと、個別対応の柔軟性を両立 NIKE iD やDellモデルがMCを実践する事例として有名 滞在上限時間 30 CT Planner 2 [倉田2010] 日帰り旅行プランの作成支援システム 旅行計画に関する対人相談を再現 全172コース 全172コース 部品の組み合わせ (未定義・人手) 【アプローチ】対話型旅行プラン作成支援システム 個人旅行者の課題 土地勘の無い場所で、上手に観光地を めぐるプランを作成するのは未だ困難 ツアー(標準的) 部品 (多数) ブラウザから アクセス可能 29 【スコープ】訪日旅行者の旅行計画 Nike iDでは、“自分だけの一足”により、3割の単価増といわれている 顧客 = 共同生産者(Producer + Consumer = Prosumer) 製品と同様に、サービスのマスカスタマイゼーション実現の手段 差別化が行われる段階を、より顧客に近い時点に持っていく サービス製品ライフサイクル 五軸によって利用 者の嗜好を表現 設計 部品調達 部品組立 販売 (供給) 利用 フル・パッケージツアー A. 低レベルの顧客参加型サービス 提供者 顧客 B. 中レベルの顧客参加型サービス 見込み生産型 (MTS:Make To Stock) ダイナミック・パッケージ 受注組立生産型 (ATO:Assemble To Order) C. 高レベルの顧客参加型サービス オーダーメイド・ツアー (1) 現在の条件のもと で推薦された旅程 繰り返し受注生産型 (MTO:Make To Order) D. 超高レベル?の顧客参加型サービス オーダーメイド・ツアー(2) 観光ポテンシャル の背景表示 顧客参加が存在 【目標】観光旅行サービスのエコシステム 多 10人1色 10人10色 34 1人10色 35 【期待される成果】観光サービスへの貢献 ロングテール 少 旅行代理店、観光業者、顧客の三者に有益な成果が見込まれる 一般化・汎化することで、他分野への波及効果も期待できる 【期待される成果】サービス科学の研究基盤 サービスシステムの表記 方法の標準化・体系化 サービス モデル 中間層 観光資源の再評価と 地域の活性化 個人手配層 研究 要素 Goods Dominant 事前作成型 パッケージツアー (高付加価値化) カスタムメイドの パッケージツアー (最終的に実現) 継続学習 旅行計画 Service 支援サービス Dominant (新たに実現) 【提供者】 観光業者 情報提供 【提供者】 旅行代理店 ツアーラインナップの 設計・管理システム 観光資源の 評価データ 幅広い 旅程データ 対話型の旅行計画 作成支援システム 旅行者像の 類型データ 周遊、滞在 時間データ 観光体験の提供 【顧客】 訪日外国人 工業製品の設計 生産技術の転用 による高度化 (d) 顧客参加型の サービス計画支援法 • 異質性・多様 性への対応 • 価値共創サー ビスへの貢献 観光行動に伴う 情緒的文化経験 サービス プロセス マーケティング 設計 部品 生産 【提供者:旅行代理店】 サービスの設計プロセス 継続学習 募集型観光ツアーの 更新期間の短縮 受注型観光ツアーの 提案力の向上 顧客モデルと顧客行動モデル 注意 (b) 顧客経験の解析に基づく、 サービス部品の定量的評価法 【顧客:旅行者】 顧客経験プロセス 検索 提供者活動への 情報循環方法 組立 観光ツアーの企画 (パッケージ化) 観光ツアーの企画・販売 (c) サービスの 部品化と再構成 訪日観光で得られる 価値の明確化 【提供者へのフィードバック】 利用履歴、感想、口コミ・・ 販売データ CSデータ 現地を訪れる前に 旅行経験イメージを想起 36 (a) サービス製品のモデル構築 ニーズ パッケージツアー層 個別受注生産型 (ETO:Engineer To Order) 【提供者:観光事業者】 サービスの提供プロセス 組立 支援 購入 (販売) 再構成 支援 回収 現場 対応 回収 再構成 現場 準備 利用 (顧客接点) 共有 テーマ一覧& 研究の進め方 標準化 Mass Customization / Variation design カスタム化 類型化 選択 品種の拡充 固定化 Personalization / Co-creative design 構成 多層化 個別適応型 設計 動的構成 価値共創型 • 顧客がいかに設計開発に入り込むか? 統合研究 • 提供者がいかに顧客経験に入り込むか? 40 【進捗0】 観光行動の類型化 ホットスタートプランニング! 参加型設計 嗜好 プラン 嗜好 プラン 嗜好モデルと観光プラン の組合せを複数提示し、 旅行者に選択してもらっ た上で、対話型プランニ ングを開始する 嗜好 プラン モジュール化 と再構成法 観光ツアーラインナップ の設計支援システム 対話プロセス ・推薦機能 Mass Personalization 対話型の観光 計画支援システム (CT‐Planner) ( ) 観光要素の機能的表現を導入した 観光ツアーのモデル化法 統合モデル 観光対象の魅力度、 組合せの導出 観光旅行に対する認識変化、 期待形成プロセスのモデル化 SNS(+GPSログデータ +GPS )に基づく に基づく 観光周遊行動の類型化 (観光内容の類型) 旅行者、観光対象、 観光行動の静的モデル (先行研究より) 旅行者口コミの分析による 満足と不満ポイントの導出 GPSログデータに基づく 観光周遊行動の類型化 (時空間的な類型) What tourists prefer How tourists behave Analytical thinking 顧客経験データの解析とそのねらい 現在分析中であり、 来年3月まで実施予定 41 【進捗0】 大震災の影響により、上半期は実験中止。 10月より再開し、来年2月まで実施予定 個々の観光資源の 評価データの解析 東京広域の観光 行動データの解析 データ TripAdvisor等の観光旅行に関する 口コミサイト上のデータ 訪日旅行者の時間的・空間的な 観光行動データ (GPSロガーにより取得) 分析 方法 • 多変量解析 • テキストマイニング • 歩行軌跡データの分析 • クラスター分析 結果 • 観光資源の評価軸 • 日本人旅行者と訪日旅行者の 評価の違い • 顧客満足/不満足のポイント • 観光資源の滞在時間配分、 訪問順序、地点間の移動時間 • 観光行動パターンの類型化 • 訪日旅行者の東京版ペルソナ 観光資源の 評価データ 43 ホットスタート化 自分に近いペルソナを選択すると、 自動的に嗜好がセットされる仕組み導入 これを実現するため、様々な視点から 観光行動の類型化を試みる 【進捗0】 東京広域の観光行動データの取得実験 実験の実施状況の報告(澤:12/8,京:12/22現在) 経過(日) サンプル数 GPSログ(人日) 平均 目標サンプル 目標ログ(人日) 澤の屋 50 25 96 3.5日/人 80 280 京王プラザ 27 62 140 2.2日/人 140 320 ●京王プラザ 宿泊客(アジア系のFIT中心) 観光スポット DB 多様な 訪問地? 有名どころ 中心? 42 GPSを用いた観光研究の例 北海道でのレンタカーの行動記録[長尾 2005]、鎌倉での観光行動の可視化[野村 2004] 従来は属性面からの観光客の分類が中心であったのに対し、行動面からの観光客 の分類を可能とした点が特徴 本実験の目的 東京を拠点とする訪日旅行者の時間的・空間的な 観光行動データの取得 目標データ数 平成23年度中に、300サンプル程度のデータを収集 時空間的な周遊行動データ •観光資源の滞在時間、 共起性、および訪問順序 線:移動方法 •観光資源間の移動時間 44 【進捗1】 旅程表 & マップの自動生成 •滞在時刻、観光スポットを特定 •観光行動と移動手段を推定 嗜好を表わす五軸の再検討 点:観光資源 iPadから その場で回答 観光行動との 関連を分析 面:観光地 周遊、滞在 時間データ 旅行者像の 類型データ ●澤の屋 宿泊客(欧米系のFIT中心) 満足度調査用の アンケートフォームの自動生成 特に、実データから滞在時間に関する知見を蓄積 システム構築の上で基礎となる顧客経験データの蓄積 GPS ログデータの解析 GPSログデータ 観光空間情報 都内観光行動のカーネル密度 澤の屋旅館 @根津 観光資源の開館・閉館時間や観光価値の 時間変動(時期や滞在時間)に対する対応 + 満足解 ・観光プラン ・明確化された期待 GPSログ解析システムの概要 京王プラザホテル @新宿 対話的旅行プラン作成支援システムの現在の課題 嗜好 プラン 【進捗0】 GPS ロガーの配布・回収 What tourists make 39 【進捗0】 Design thinking What tourists buy Elizabeth B.‐N. Sanders, Pieter Jan Stappers, “Co‐creation and the new landscapes of design”, CoDesign, 2008 初期段階ではDesign Criteriaが定まらず、 非常に煩雑な様相を 呈すことが多い 顧客経験と設計生産活動のデータ統合システム? 観光ツアーラインナップの設計支援システム(将来構想) 対話型の観光計画支援システム(将来構想) Participatory Mindset 1人10色 画一化 Experts Mindset 10人10 色 VoC 顧客モデル サービスの形 (customers as subjects (reactive informers)) 10人1色 顧客参加 38 統合モデルG 商品開発G 行動解析G (customers as partners (active co‐creators)) 37 【期待される成果】サービス設計の今後の姿は? 【進捗1】 訪問地間のフロー(澤の屋) Qstarz社 Black Gold 1300 【進捗1】 47 【進捗1】 訪問地間のフロー(京王プラザ) 観光周遊行動の類型化(時空間的な行動パターン) 遺伝子解析の分野で用いられてきた配列解析をGPSデータの分析に応用 各動物展示の滞在時間と訪問順番の双方を考慮し、来園者の行動を類型化 配列解析を用いた観光周遊行動の類型化 【関連研究】多摩動物公園における来園者の行動分析(矢部 2010) 48 【進捗1】 訪問地とその順番を文字列で表し、文字列(行動) 間の類似性を判定 時間 ID1:原台台浅浅 ID2:原台台台浅浅 ID3:原原原原原原 同様に、本研究開発プロジェクトでは・・・・ (上野)→浅草 その他→渋谷→その他 その他 (皇居)→銀座 (明治神宮)→六本木 上野 上野→渋谷→上野 原宿→上野 訪問箇所の総和:512 訪問箇所の種類:130 分析方法 K-means クラスタリング 対象属性 「るるぶ.com」における観光スポットのカテゴリ 9つ 訪問箇所数、訪問箇所の平均人気度、行動範囲 0.158 0.493 0.025多数訪問/美術館・博物館 0.031 0.029 0.266 0.000 0.302 0.305 1 0.134 0.281 2 0.080ショッピング/温泉・スパ 0.226 0.054 0.162 0.000 0.200 0.053 3 クラス内分散 築地 オブジェクト数 東京に滞在した106人の旅程のうち、72人の旅程を利用 カテゴリの主要な組合せ(コア) + 他のカテゴリ(補足的要素) 訪問箇数 細かくは9パターン 行動範囲 その他 Travel Muse:旅程をシェアするSNSサイト(http://www.travelmuse.com/) 人気 (明治神宮)→六本木 GPS実験が進むまでの間、他のデータソースを用いて試行したい 温泉・スパ 51 ショッピング 上野 似ていない 遊びその他 30分間隔で 現在地をサンプリング 観光周遊行動の類型化(観光内容のパターン) テーマアーク 大まかに三つに分類 似てる 【進捗2】 劇場・エンタメ 50 観光周遊行動の類型化(観光内容のパターン) 美術館・博物館 類型ごとに、旅行者の属性(居住国、年齢・性別、訪日回数、日本滞在期間) との関係について調べる クラス 各観光資源での滞在時間と訪問順番の双方を考慮し、観光行動を類型化 【進捗2】 分析結果 寺社・教会 【進捗1】 浅 3. 明らかとなった行動パターン 動植物園 2. 行動配列に変換しクラスタリング 建物・史跡 1. 来園者の時空間的な行動データ 台 原 Y X 0.326 22.000 0.272 0.343 0.346 0.272 0.332 0.077 15.000 0.657 0.283 0.202 0.254 0.054 0.017 0.050 0.143 0.178 0.024 0.330 0.290 寺社・教会/動植物園 0.124 14.000 0.458 4 0.000 0.161 0.107 0.236 0.600 0.029 0.000 0.000 0.075 0.181 0.062 局所/劇場・エンタメ 0.078 5.000 0.563 5 0.042 0.708 0.042 0.000 0.000 0.156 0.000 0.069 0.000 人気重視/少数訪問/建物・史跡 0.042 16.000 0.263 0.752 0.131 クラス中心 52 【進捗2】 観光周遊行動の類型化(観光内容のパターン) クラス 1, 4, 5 : ホットスタートプランニングの効果大 コア要素の占有率:比較的高い 分析により得られた各クラスの中心オブジェクトが典型旅程に成り得る 【進捗3】 訪日旅行者の口コミの分析 補足的要素の占有率:比較的高い 今後、各クラス内で再度クラスタリングを行うことで、多様性がみられる 補足的要素に対する第二段階の計画支援への知見獲得を目指す コア要素 クラス 1 クラス 2 クラス 3 クラス4 対象:TripAdvisor 上の英語によるクチコミ クラス 2, 3 : ホットスタートプランニングの効果小 目的:観光資源の評価構造を再考する 補足的要素 東京都区内の一般観光資源99箇所 クチコミ数:378 分析方法 定性的な分析、SPSSを用いたテキストマイニング、 使用概念と5段階評価の関係の数量化III類の分析 53 【進捗3】 口コミの定性的な分析(不満/満足) 悪い評価(不満ポイント) ローカリティ不足 主要属性の組み合わせ 占有率 占有率 多数訪問/美術館・博物館 ショッピング/温泉・スパ 寺社・教会/動植物園 局所/劇場エンタメ 中 低 低 高 中 高 高 低 高 低 クラス 5 人気重視/少数訪問/建物・史跡 タトゥ禁止 日本語しかない 混雑 費用 期待はずれ 治安の悪さ 場所がわかりづらい 良い評価(満足ポイント) ローカリティ 桜・庭園 古き良き雰囲気 英語による案内 リラックス,都会の中の静寂 群衆/雑踏 値段の安さ/無料 結婚式,偶然出くわしたイベント 体験性/インタラクティビティ 子供でも楽しめる ショッピング 食事 ホスピタリティ 54 55 【進捗3】 評価基準の拡張案 旅行者の期待形成プロセスのモデル化 旅行カテゴリ (現行のCT-Planner) 旅行テイスト (使用価値を考慮?) 心理的距離と、物事に対する認識との関係に関する理論 心理的距離 大 ↔ 本質的、抽象的、目的が重視(認識) 心理的距離 小 ↔ 表層的、具体的、手段が重視(認識) 58 【進捗4】 【単純集計】時間軸での重視度の変化 日本人に対するWebアンケート 基準点と対象との時間的距離、空間的距離、社会的距離等により定 まる、主観的な距離 時間的距離 心理的距離 空間的距離 文化・情報的距離 旅行に対する心理的距離 澤の屋での行動調査時のアンケート [%] 出発前 観光中 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 観光旅行の構成要素に対する重視度と、旅行者の居住地、時 期(計画時-観光時)、訪日回数、旅行頻度との相関を調べる 61 観光までの時間:計画時-出発前-観光中の三段階 空間的距離 文化・情報的距離 旅行に対する心理的距離 日本文化との社会的距離:訪日回数 観光旅行との距離:旅行経験 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ その他 □ □ □ 京王プラザホテルでの行動調査時のアンケート [%] 出発前 想定された結果 日本人 :重視度の継時的な変化が大きい 澤の屋 :「訪日回数」が重視度の変化を生む最大の要因 京王プラザ:複数の距離要素が複雑に重視度に影響 60 【単純集計】時間軸での重視度の変化 計画時 【分析結果】主成分分析の結果&まとめ 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 計画時 出発前 観光中 n = 17 62 【進捗5】 ツアーラインナップの設計・管理システム 一定以上の需要が見込める旅程を観光ツアー商品として造成 【旅行代理店】 複数ツアーの催行を担保しつつ、幅広いツアー バリエーションの創出を可能とする製品構成の論理構造が重要 パッケージツアー層 中間層 63 個人手配層 今回新たに得られた知見 観光地までの距離:旅行者の居住地 滞在中/観光中 □ □ 【進捗4】 【進捗4】 時間的距離 出発前 □ □ 美術館・博物館・産業観光 自然景観・四季 歴史的・伝統的な景観・寺社 繁華街・都市の景観 n = 21 心理的距離の構成要素 12. 13. 14. 15. その他 16. 旅程計画時 観光中 n = 515 6. 現地ツアー 移動・宿泊・滞在 7. 交通手段・アクセス 8. 宿泊施設 9. 食事 10. ショッピング 観光スポット 11. テーマパーク・遊園地・動物園・水族館 回答割合 計画時 【分析方法】主成分分析による解析 59 【単純集計】時間軸での重視度の変化 【進捗4】 観光旅行の構成要素の重要性 • 旅行経験の重要性 • 観光スポットの重要性 • 食事の重要性 • ガイドの重要性 • etc・・・ 【進捗4】 回答割合 回答割合 [%] 80 70 60 50 40 30 20 10 0 旅行経験 1. 旅行先の生活習慣・生活様式 2. 旅先で遭う人々との交流 観光スポットでの体験・ホスピタリティ 3. 文化・イベント体験(温泉・相撲・茶道・祭り・アニメ・ファッ ション・音楽・スポーツ) 4. ホスピタリティ・おもてなし 観光旅行の付随サービス 5. 現地ガイド(観光案内所・観光タクシー・個人ガイド) 基準点:今ここにいる自身(self, now, here) 心理的距離に関する要素 • • • • Q. 今回の旅行に関して、それぞれの時期に重視したことを 教えてください。 心理的距離(Physiological distance)の定義 57 【進捗4】 【調査内容】構成要素に関する質問内容 解釈レベル理論[Trope 2003] 56 【進捗4】 澤の屋の結果 海外旅行の回数が少ないほど、旅行の経験的要素を重視 不慣れな分、高い解釈レベルで旅行をイメージしている 日本人と外国人の違い 重要度の継時変化は日本人に特徴的で、 外国人は訪日回数、旅行経験や居住地の影響がより大きい 事前作成型 パッケージツアー (高付加価値化) カスタムメイドの パッケージツアー (新たに実現) ツアーラインナップの 設計・管理システム 観光資源の 評価データ 最終的には、観光ツアーの マス・カスタマイゼーション までを実現したい!! 対話型の旅行計画 作成支援システム 旅行者像の 類型データ 周遊、滞在 時間データ SUNRISE Toursをどのように成長させるか? 訪日旅行者に対する 理解が不十分 64 観光ツアーラインナップの設計・管理システム 顧客参加による 観光旅行商品の カスタマイズ 経験と勘に頼っている (科学的な根拠無し) 65 【進捗5】 計算機による支援が必要 明治神宮と浅草寺を ツアーの 多彩化 標準的なツアー 全172コース モジュール未定義 (組合せは人手) Dynamic Tokyo 観光旅行商品の バリエーション設計 モジュールの 構成と明示化 Panoramic Tokyo Tokyo Morning CITYRAMA Tokyo Afternoon Tokyo Morning 単一の観光ツアーのモデル化と制約表現 場(spot & time)および活動(activity)を基点に、ツアー中の観光 資源や人的資源(enabler)により発揮される機能(capability)と呼 ぶ要素を介して各要素を関係づけ、ツアー催行の制約をモデル化 制約の種類:ツアー催行上の時間制約、空間制約、催行能力制約 一本化して、コストを 押さえられないか? CITYRAMA Tokyo Afternoon Edo Tokyo Full day Akihabara Waking Tour 多数の部品 別コンセプトのツアーに 乗り入れられないか? 提案する観光旅行商品の形態 加えて、顧客参加型の設計手法を取り入れることで、サービスにおけるマス ・カスタマイゼーション(個別対応とメリットの両立)を目指します こちらが標準的なお勧めプランで すが、ご希望や行ってみたいとこ ろなどございますか? Provide 浅草寺の軸にして、 ツアーのバリエーション を増やせるかも 67 【進捗5】 単一の観光ツアーのモデル化と制約表現(2) 5つのノードとそれらをつなぐリンクでモデル化 Tour:観光ツアー Place-Activity: 観光活動を行う場の指定を表す Activity-Enabler: あるActivityにおける Enablerの参加を表す Place-Place: 観光活動を行う場の連続を表す 現在のツアー群 ツアーA ツアーB ツアーC … ①新規ツアー群 を自動導出 Enabler:観光活動に参加する実体 Activity-Capability: あるActivityにおいて 必要とされるCapabilityを表す Capability:Activityの実現に必要な能力 Place-Capability、Capability-Enabler: あるCapabilityを実現する能力の 所持を表す 70 制約の種類と同時催行性の判断 新規ツアー群の各ツアーが同時に催行できるか判断する 制約の種類:ツアー催行上の時間制約、空間制約、催行能 力制約、同時催行制約 Place間のリンクをチェック (ツアーの途中で突然場所が飛んでいないか) 50 コスト最安 ツアー数最多 0 0 500000 1000000 1500000 コスト 総合魅力度やコスト評価等をもと に、 旅行企画者が採択する案を決定 製造業製品におけるバリエーション/モジュール化設計の応用 顧客視点の評価 オペレーションコスト 少数の部品をもとに、部品間の相互接続関係(リンク)を再定義・再構成し、 それらを組み合わせることで多数の最終組み立て製品を創出 技術的課題 リソースの共通化を行うと、複数ツアーに参加するEnablerが存在する したがって、複数のツアーの同時催行性が保証されなければならない 72 【まとめ】顧客経験と設計生産活動の統合モデル 各ツアーについての評価 統合モデル = 顧客経験 と 設計生産活動の連携 + α 価値共創 = 顧客参加と マス・カスタマイゼーション/パーソナライゼーション (value co-creation = customer participation + mass-customization) … ツアーに含まれるEnabler・Placeをもとに評価 • 顧客参加、設計&提供方式の違いに よる価値創成プロセスの比較・評価 まずペルソナを設定し、ペルソナごとに各観光活動の「魅力度」を評価 観光地(Place) 観光活動(Activity) Activity、Capability、Enabler 間のリンクをチェック (Activityの実現に必要な能 力が全て提供されるか) Activity間のリンクをチェック (1つのツアーの中で時間が 飛んだり、複数のActivityを同時 に行うことになっていないか) 観光活動の性格 ペルソナの嗜好 知名度 知名度重視度 教養充実度 魅力度 = 美術充実度 教養重視度 ・ 体験 自然重視度 体験充実度 体験重視度 自然 教養 美術 CT‐Plannerに倣う ツアーで行う観光活動の魅力度の総和、ツアーの価格、ツアー全体の時間をも Activityを実現する能力 (Capability) 観光活動における実体(Enabler) •設計&提供方式の切替 •旅行中の観光旅行商品の再構成 •顧客参加レベルの切替 •旅行中の旅程の再構成 知名度 100 80 60 40 20 0 美術重視度 自然充実度 新規ツアー群の導出 混載(共通化)案 71 新規ツアーラインナップの評価 提供者視点での評価 改善指針の決定 69 活動の実体 (Enabler) 例:ツアー間でのバスの混載を通じて、限られたリソースの中 でより多くのツアーを企画する Provide 観光活動 (Activity) 100 【進捗5】 Availability Constraint 観光地 (Place) ④新規ツアー群の決定 【進捗5】 ツアー数 3種類 総合 150 魅力度 ②各ツアー群の 催行可否を判断 Require capability 共通化による新規観光ツアー群の導出の流れ 現在のツアー群 ③各ツアー群 を評価 新規ツアー群α ツアーA 新規ツアー群β ツアーB ツアーA 新規ツアー群γ ツアーC … ツアーB ツアーA 新規ツアー群δ ツアーC … ツアーB ツアーA ツアーC ツアーB… ツアーC … Availability Constraint Join 【進捗5】 訪問地の組み合わせ、リソースの共通化をうまく行うことで、 多様な顧客要求への対応と合理的なコストでのツアー提供を 実現する観光ツアー群(ラインナップ)の設計支援を目指す Activity:観光活動 Place: 観光地、または観光地間 68 観光ツアーのバリエーション設計のプロセス Tour Activities Held on Capabilities 【進捗5】 Activity-Activity: Tourで行う観光Activityの連続を表す Time Places 部品の選別 JTBの観光旅行商品の課題 Time constraint Spatial constraint 企画コスト大 約3,000 66 【進捗5】 Enablers 【進捗5】 各Enablerの行程をチェック (違う場所で行われている複数 のツアーに参加していないか) とに、ツアーの「満足度」を評価 ツアー満足度 = f(魅力度の総和、価格、時間) •旅行者の要求推定 •旅程の個別化 •旅行者への期待価値の提示 •要求と観光資源のマッチング •旅程全体の評価(顧客満足度) •旅行者の行動組込 •部品化と再構成 (部品間の制約計算) •バラエティの検討 •モジュール化/共通化 •付加価値(オプション)の付与
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