Vol.13 庄原市 男女共同参画 2012.3 情報紙 昔のように誰もが当たり前に結婚していた時代は終わり、結婚する ためには「婚活」が必要だといわれるようになりました。なぜ若い人 たちは「結婚しない」または「結婚できない」のでしょうか。 いろいろな出会いイベントを企画されている「庄原市男女の出会 いサポート実行委員会」から、田辺 裕二さん、寺内 哲子さんにお 話を伺いました。 昔は、 「結婚しない」という選択肢がなかった 「第一印象から決めてました」は NG!? 【寺内】私たちの頃は、20代半ばくらいでほとんどの人が結 婚していました。結婚することが当たり前だったし、親や親 戚、地域からの大きな「結婚圧力」もあって、「結婚しない」 【田辺】民間の婚活パーティなどに後輩を連れて行ったりし ていますが、その時アドバイスしているのは、告白タイムで 「第一印象から決めてました」と言わないこと。この言葉って という選択肢自体がなかったんです。 結婚は「家」同士の結びつきという一面も強かったので、 お見合いしたら余程のことがない限り結婚するのが当然と いう風潮もありました。 女性にとっては「内面を全く見ていない」と感じてうれしくな いようです。結婚を前提に付き合おうとするなら、相手の性 格や考え方をしっかり理解しようとする姿勢を見せないと。 それと、特に40代くらいの男性は、出会ってすぐに結婚 今でも、ある程度の年齢になっても結婚していないと、 会社や世間で認められていないようで「恥ずかしい」という 感覚は残っていると思いますが、周りから口出しする人は ずい分減りました。昔でいう“適齢期”を過ぎても結婚しな の話をしたりして、まずしっかり関係性を作りたいと考えてい る女性にとっては距離感の違いにびっくりするということもあ りました。その辺に、男女の意識のギャップを感じますね。 い人が増えている理由の一つではないでしょうか。 勤務時間が不規則で、デートもできない若者も 【田辺】20代の男性と話をすると、「彼女は欲しいけど、仕 子どもは産みたいけど…働き続けたい女性の壁 【寺内】女性は出産のタイムリミットがあるため、30代半ばく らいから、結婚したくて焦るという相談も受けます。 私の周りでは、女性も働くことが当たり前と思っていて、 専業主婦になりたいという話はあまり聞きません。でも、そ れまで一生懸命働いてきて、結婚出産後も仕事を続けた いけれど、結婚すると今までのようには働けなくなるのでは と悩んでいる人もいます。共働きが大半になっても、男性 やその家族の意識が「嫁をもらう」という昔の感覚のまま変 わっていないなら、そのことも結婚をためらう原因になるの ではないでしょうか。 事の拘束時間が長く、毎日職場と家の往復だけ」という話 も聞きます。特に、夜勤があったり三交代制などだと、異性 と出会う場もデートをする時間もとれないということもあるか もしれません。 今の若い人は、「経済的に厳 しい」「結婚資金がない」っ て言うけど、「二人で稼いで 生活できればいい」というく らいの気持ちでないと結婚は できないんじゃないかな? 田辺 裕二さん (庄原市男女の出会いサポート実行委員長) とにかく出会うところから始めてみませんか? 身の回りの世話をしてもらう ために結婚したいという人も いますが、結婚相手に母親の 役割を求めても相手は見つか らないでしょうね。 寺内 哲子さん (社会福祉協議会ブライダルサポートセンター相談員) 【寺内】本当に結婚したいと思うなら、積極的に外へ出て チャンスをつかんで欲しいですね!「出会いがない」と言っ ていても何も始まらないので、とにかくたくさんの人と出 会って、失敗もして、経験することが大事だと思います。 いろいろなイベントや出会いづくりを計画していますの で、ぜひ気軽に参加してみてください。 担当者からのメッセージ ■庄原市の未婚率(S60-H22の比較) 資料:「国勢調査」 90 82.9 80 【女性】 S60 H22 70 66.8 60 50 88.9 93.1 【男性】 70.1 60.6 43.2 今村 俊洋 29 歳・独身 44.9 40 約5倍 32.9 30 25.5 19.7 20 約5倍 5.8 3.5 29.5 24.7 16.9 10 2.3 13.3 7.2 6.3 0 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~45歳 20~24歳 25~29歳 30~34歳 35~39歳 40~45歳 約25年前の昭和60年と比較すると、男女ともにどの年代でも未婚率が大きく上がっ ています。30~40代の未婚者も、めずらしくなくなりました。 ■ 独身でいる理由は何ですか? (25~34歳) (%) 「なぜ結婚しないor できない」のか、未 婚者の意識と実態 について、座談会の お話と重なる部分 もありました。 60 51.3 女性 50 46.2 男性 40 30.4 30 31.2 31.1 30.3 25.5 20.7 21.2 20 13.5 11.6 16.5 結婚する意思のある未婚者が 独身でいる理由は、男女ともに 「適当な相手にめぐり会わない」 が多くなっています。また、独身 生活に不自由を感じていないこ とも、積極的に結婚に踏み出せ ない理由となっているようです。 「結婚資金が足りない」という理 由では、男性が女性の倍程度 と男女で差があります。 10 結婚資金が 足りない 異性とうまく 結婚しない理由 つきあえない 適当な相手に めぐり会わない 自由さや気楽さを 失いたくいない 趣味や娯楽を 楽しみたい まだ必要性を 感じない 0 結婚できない理由 H22「第14回出生動向基本調査」(国立社会保障・人口問題研究所) (%) ■ 結婚生活を送っていく 上で不安なこと 70 60 54.4 56.8 ■就労形態別 既婚率(男性) 男性 正社員 70% 女性 61.3 60% 正 社員 非 正社員 59.6% 非 正社員のうちフリーター 無業 50 50% 41.5 40 34.3 30 22.6 20 34.7% 非正規雇用 30.2% 40% 30% 10 配偶者や自分 の親の介護 配偶者の親族 とのつきあい 経済的に十分 な生活ができ るかどうか 0 20% 10% 0% 12.2% 5.7% 1.9% 2.2% 20~24歳 H22「第14回出生動向基本調査」 (国立社会保障・人口問題研究所) 男女ともに、経済面の不安が大きくなっ ています。また、女性は男性に比べ、配 偶者の親族とのつきあいや介護に不安 を持つ人が多いようです。 9.6% 16.8% 15.8% 7.5% 25~29歳 30~34歳 H22「子ども・子育て白書」(内閣府) 男性は、就労形態によって既婚率に大き な差があります。非正規雇用者が増加す る中、ますます結婚できなくなる若者が増 える可能性も!? 庄原市男女共同参画情報紙 発行元・お問合せ先 14.8% 商工観光課 観光定住係 (男女の出会いサポート担当者) あかり Vol.13 男女の出会いという業務に携わる中で、 様々な「男女の違い」に出会ってきたなあと 思います。出会いというと、考えや趣味が 「合う」人を求める傾向がありますが、相手と の「違い」を意識することも、とっても大切な ことだと感じています。 感性や考え方、社会的な位置など様々 ありますが、「違い」があるから助け合えた り、「違い」を許容し合える相手だから安心 して一緒にいることができたりするのではな いでしょうか。 ただ、「違う」ということは不安なことでも ありますよね。 コミュニケーションを取るときには、お互 いに相手の不安を解消できるように心がけ ることが、まずは一番大切なのかなと思い ます。その中でうまく互いの理解を深め合 えれば、良いカップルになれるのかなと考 えながら、私も目下婚活中です。 以前は、「永久就職」という言 葉が使われていたように、女性に とって結婚は生活していくための 手段という一面もあったと思います。今で も、結婚相手の条件として経済力を挙げる 女性がいますが、その条件が失われた時こ わいなぁと思います。反面、厳しい経済状 況で、妻にも働いて欲しいと考える男性が 増えていますが、共働きでも家庭のことは 相変わらず女性の役割となっていることが 多いのではないでしょうか。 未婚者の半数以上が、「結婚と恋愛は別 だ」と答えたという調査もあります。何を求め て結婚するのか、どんな関係を築いていき たいのか、あらためて考えてみたいと思った 婚活特集でした。 a 平成 24 年 3 月 発行 庄原市女性児童課 男女共同参画係 〒727-8501 庄原市中本町1丁目 10-1 TEL(0824)73-1243 FAX(0824)75-0195 Email: jidou-kyoudou@city.shobara.hiroshima.jp URL: http://www.city.shobara.hiroshima.jp/ 庄原市役所>各課のページ>女性児童課>男女共同参画
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