公開講座ダイジェスト2015 跡見学園女子大学公開講座の記録 ATOMI U N I V E R S I T Y 公開講座ダイジェスト 2015 跡見学園女子大学公開講座の記録 刊行にあたって 跡見学園女子大学は、平成 27 年度に観光コミュニティ学部を設 置し、そのもとに観光デザイン学科およびコミュニティデザイン学 科を置いた。このことによって、地域に向けて発信する公開講座の テーマに大きな広がりを持つことができた。 春期教養コースにおいては、 「軽井沢 140 年の歩み」 (5 月、新座 キャンパス)と題して、観光デザイン学科教員がリゾート地の発 祥・発展を語った。 秋期教養コースでは、コミュニティデザイン学科教員が「つなが りのある社会を目指して」 (10 月、新座キャンパス) 、 「人をつなぐ 仕組みを考える」 (11 月、文京キャンパス)という2つのテーマに よってコミュニティに関わる多面的な視点を提供した。 今年度はさらに、留学体験をキーワードに「異文化との出会い」 (6 月、文京キャンパス)と題する教養コースも開設し、グローバ ルな視野をも射程に収めた。 以上の新しい企画と並んで、パソコンコース、語学コース、古文 書読解コースおよびくずし字読解コースを実施している。 次年度においては、好評を博したテーマを継続しつつ、斬新な研 究分野をも模索しつつ、公開講座の一層の活性化を図る所存である。 平成 28 年 3 月 跡見学園女子大学 学長 1 山 田 徹 雄 CONTENTS 刊行にあたって 跡見学園女子大学 学長 山田 徹雄 春期教養コース(新座キャンパス) 軽井沢リゾート 140 年の歩み 1.軽井沢のルーツを世界のリゾートに探る―教会や万平ホテルはどこから来たのか― 本学観光コミュニティ学部観光デザイン学科教授 安島 博幸 2.「大衆化」の時代―堤康次郎(西武グループの創業者)の軽井沢開発 本学観光コミュニティ学部観光デザイン学科教授 老川 慶喜 3.旅は進化する―お宿と旅人がつくる新しい“旅の掟” ― 本学観光コミュニティ学部観光デザイン学科教授 松坂 健 春期教養コース(文京キャンパス) 異文化との出会い―留学体験を語る― 1.幕末・明治期におけるパリの留学生―徳川昭武・渋沢栄一の足跡を求めて― 本学文学部人文学科助教 寺本 敬子 2.ドイツが教えてくれること―ことば、生活、考え方― 本学文学部人文学科助教 阿部 一哉 3.イギリスで学んだ「ことば」と「暮らし」の隠れたルール 本学文学部人文学科准教授 山崎 妙 秋期教養コース(新座キャンパス) つながりのある社会を目指して ―コミュニティデザインの世界へようこそ― 1.国境を越えて人と人のつながりを作ろう 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 南里 隆宏 2.新しい消費のかたち―人とつながる幸せを求めて― 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 佐野 美智子 3.近助のススメ―地域の防災力を高めよう― 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 鍵屋 一 4.コミュニティデザインに求められる女性の力 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 石崎 裕子 5.むらに学ぶ地域づくり(コミュニティデザイン) 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 土居 洋平 秋期教養コース (文京キャンパス) 人をつなぐ仕組みを考える 1 3 4 6 7 9 10 11 12 14 1.出産・育児文化の再構築―孤立しない子育てのために― 靏 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 理恵子 2.ビジネス分野におけるコミュニティ―地方都市から学ぶ― 矢野 峰生 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 15 3.徒歩と自転車にやさしいまちづくり―オランダの都市計画から学ぶ― 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 坪原 紳二 責任講師:本学文学部コミュニケーション文化学科教授 責任講師:本学文学部コミュニケーション文化学科教授 奥田 洋子 池上 貞子 17 責任講師:本学文学部コミュニケーション文化学科助教 吉田 さち 18 語学コース 英会話 中国語会話 朝鮮・韓国語会話 古文書読解コース くずし字読解コース パソコンコース 16 春期責任講師:本学文学部人文学科教授 秋期責任講師:本学文学部人文学科教授 泉 雅博 岩田 秀行 福田 博同 秋期講師(新座) :本学兼任講師 柴田 徹 秋期講師(文京) :本学文学部現代文化表現学科准教授 伊藤 穣 春期講師(新座):本学文学部人文学科准教授 20 22 受講生からのレポート 27 資料 29 2 公開講座春期教養コース(新座キャンパス) 軽井沢リゾート 140 年の歩み 平成 27 年 5 月 16 日~5 月 30 日 (毎週土曜日) 〈講座責任講師〉 本学観光コミュニティ学部観光デザイン学科教授 小川 功 日本を代表する避暑地、高原リゾートであ 本講座では、軽井沢の発見から、現在に至 る軽井沢は、どのように生まれ、発展してき る過程を大きく3つに分けて、明らかにしてい たのか。本講座では、地域の発展過程を歴史 く。第1回は、安島博幸が、軽井沢がいつ、誰 に学び、発展の要因を明らかにすることを目 によって発見されたのか、また、彼らはなぜ 的に3人の講師が時代ごとに、様々な切り口か 軽井沢を気に入ったのかを明らかにしていく。 ら、軽井沢について論じた。 第2回は、老川慶喜が、信越線の碓氷峠越え工 軽井沢の歴史を簡単に述べると、避暑地と 事の完了によって、軽井沢が日本人によって しての軽井沢は、明治時代に外国人宣教師に 賑わっていく経緯を明らかにする。第3回は、 よって発見され、最初の別荘ができた。当初 松坂健が、現在の軽井沢を事例として新たな は、外国人の別荘が中心であったが、その後、 リゾートのライフスタイル論を展開する。 外国人たちの斬新なライフスタイルに憧れを いだいた日本人の上流階級が、次々に別荘を <第 1 回 5 月 16 日> 建設していった。日本人の別荘が急増した背 軽井沢のルーツを世界のリゾートに探る 景には、明治28年に、信越線の最大の難所、 —教会や万平ホテルはどこから来たのか— 横川-軽井沢間の碓氷峠を越える工事が完了 本学観光コミュニティ学部観光デザイン学科 教授 し全線開通したことが大きく関係している。 安島 博幸 その後、軽井沢には、社交・交流施設とし てのホテルやゴルフ場、テニスコートなどス 軽井沢は、1885 年(明治 18 年)に、聖公 ポーツ施設も導入されて、本格的なリゾート 会の宣教師 A.C.ショーが布教の途中で軽井沢 としてさらに発展を続ける。しかし、第2次世 を通りがかり、冷涼な気候の軽井沢が猛暑の 界大戦が起こり、外国人は引き揚げ、日本人 東京を避けて、夏を過ごす避暑地として適し の避暑地としての利用は少なくなった。代 た場所であることを発見し、翌年から家族を わって、戦時中は多数あった別荘やホテルは、 連れて軽井沢に滞在し、一夏を過ごした。さ 疎開した人々を受け入れる施設となった。 らに翌年には廃業した旅館を買い取って、別 戦後、また外国人や日本の上流階級の人々 荘としたのが軽井沢別荘の第一号とされてい も軽井沢に戻ってきた。そして、その中で軽 る。その後、ショーは、仲間の宣教師を呼び 井沢が大きく脚光を浴びるのは、 ”テニスコー 寄せ、瞬く間に軽井沢は外国人の別荘が増え トの恋”と呼ばれた今上天皇と皇后の御成婚 ていった。軽井沢の気候をショーの出身地で の舞台となったことである。日本のテニス あるカナダのトロントと比較すると極めて似 ブームのきっかけともなった出来事でもある 通っていることが分かる。おそらく冷涼な気 その後も、日本の経済成長とともに、軽井 候風土が作る特徴ある植生は風景としても故 沢は発展を続けてきたが、近年、長野新幹線 郷を思い起こさせたのではないだろうか。事 (現北陸新幹線)の開業や軽井沢駅の南側に 実、そのような軽井沢を気に入った理由は、 展開するプリンスショッピングセンターなど 彼らの日記や手紙などに記されている。そし の開設によって軽井沢もその性格を大きく変 て、外国人や日本人が東京から離れた軽井沢 えつつある。 に別荘を建設したのは、単に涼しいばかりで 3 はなく、 “社交・交流” 、 “新しい文化・技術の 設され、リゾート地としての発展が始まった。 導入”、“ふるさとの風景”など軽井沢に求め 1909 年には、夏期の 3 ヶ月間だけ追分に臨時 た理想について歴史を掘り起こしながら明ら 停車場が開設され、1910 年には沓掛駅(現・ かにした。 しなの鉄道中軽井沢駅)が開設され、交通の さ ら に 、 一 般 に は カ ナ ダ 人 宣 教 師 A.C. 便が飛躍的に向上した。 ショー軽井沢において日本で初めての避暑地 軽井沢は、第一次世界大戦期の経済発展と を拓いたこととされているが、外国には、そ 大正デモクラシーの昂揚のなかで、開発の時 のモデルになったところがあったのではない 代を迎えることになった。野沢源次郎、星野 かという点について海外の事例から検討を加 嘉助、堤康次郎らが軽井沢の開発を手がけた える。この点から、当時の世界を見ると、既 が、なかでも堤の千ヶ滝から南軽井沢にかけ にイギリスの植民地であったインドにおいて、 ての開発は、その規模において群を抜いてい 暑さを避け、療養・保養をするための場所と た。堤は滋賀県愛知郡八木荘村の生まれで、 して”ヒルステーション”と呼ばれる山岳・ 早稲田大学で学んだのち軽井沢や箱根の開発 高原型リゾートがインド北部のヒマラヤに近 に着手し、のちに西武コンツェルンを築いた いシムラやダージリンに存在していた。それ 実業家として知られる。 らは、1840 年前後に発見され、開発が進んで 1917 年 10 月、堤は軽井沢の沓掛区有地 60 いた。また、アメリカでは、キリスト教徒が 万坪(実測は 80 万坪)を 3 万円で購入し、12 夏の間に林間や島などでサマーキャンプを行 月に沓掛遊園地株式会社(資本金 20 万円)を う習慣が広まっており、これらはアメリカの 設立した。道路、水道、電灯、電話などを整 リゾートの発祥とされており、最初のキャン 備したのち、1919 年から別荘の販売を開始し プは、1835 年に行われた。 た。堤が販売した別荘は、旧軽井沢にみられ これらの歴史的事実を踏まえると軽井沢は、 る上流階級の別荘ではなく、土地 100 坪・建 西からのヒルステーションと東からのサマー 坪 7 坪のAタイプ、土地 100 坪、建坪 11 坪の キャンプが融合して形成されていったと考え Bタイプといった中産階級向けの「簡易別荘」 られる。 で、価格はAタイプが 500 円、Bタイプが 800 円であった。堤は、ここを「千ヶ滝遊園地」 <第 2 回 5 月 23 日> と名づけ、さらに開発を進めた。 「大衆化」の時代 こうして、軽井沢は大衆化していくのであ —堤康次郎(西武グループの創業者)の軽井沢開発 るが、堤は「軽井沢の天恵は、決して一部少 本学観光コミュニティ学部観光デザイン学科 数の人びとにのみによって独占さるべきもの 教授 老川 慶喜 では」なく、 「真に都会に奮闘努力する、多数 の中産階級の人々こそこの天恵を享くる最も 明治初期の軽井沢は、戸数わずか 100 余戸 有資格者であり、必要者であらねばならぬ」 の中山道浅間三宿の一つであったが、1886 年 と考えていた。 にアレキサンダー・クロウト・ショーとジェー ムズ・メイン・ディクソンという 2 人の外国 <第 3 回 5 月 30 日> 人によって避暑地として発見された。そして、 旅は進化する 1893 年 4 月に横川~軽井沢間にアプト式の鉄 —お宿と旅人がつくる新しい“旅の掟”— 道が建設され、高崎~直江津間の信越線が全 本学観光コミュニティ学部観光デザイン学科 教授 通すると、旧軽井沢周辺にホテルや別荘が建 4 松坂 健 軽井沢のルーツ探究、西武グループによる 軽井沢大衆化のうねりの二講座を受け、軽井 沢がこれからどのような方向を目指せばよい か、新しい消費者像としての「BOBOS」(ボ ボス=ブルジョワ・ボヘミアン)と、マンハッ タンの都会性とロッキー山脈の自然が融合す る新しいリゾートタウンモデルとしての「ラ テ・タウン」の二つのキーワードを軸に考え てみた。 ボボスと名付けられた人々のライフスタイ ルには、必要と思う物には大枚をはたくが、 贅沢品にはこだわらない、クラスアップより センスアップを望む、仕事と遊びの境界線が ない、といった特徴がある。きわめて個性的 だが、協調を忘れない。そんな人々が求める のは、気軽に行けて、負担感少なく滞在出来 て、しかも快適、帰りたくなればすぐ帰って、 用事が済んだら戻ればいい。そんなカジュア ル・ニート&カンフォタブルなこれまで日本 にないタイプのリゾートが作れるのではない かと論を展開した。 そして、今、新しいリゾートの役割が求め られていると同時に、これまでなかった「旅」 の姿も見えてくると語り、 「二人だけの宿」 「ド ミトリー(寄宿舎)型宿泊施設」 「後期高齢者 専用の新・湯治場」 「アメリカのミッドプライ スホテルチェーンの居心地創造力」など最新 のビジネスモデルの数々を紹介した。 観光は人々の生活の変化、世の中の価値観 のあり方、人口ピラミッドの変容、またテク ノロジーの進化によって、どんどん変貌して いくものだと伝えるのが、本講師の狙いだっ た。この講演を通じ、参加者の旅することへ の意欲が再燃したのであれば、講師として本 望であった。 5 公開講座春期教養コース(文京キャンパス) 異文化との出会い―留学体験を語る― 平成 27 年 6 月 6 日~6 月 20 日 (毎週土曜日) 〈講座責任講師〉 本学文学部人文学科助教 阿部 一哉 平成 27 年 6 月 6 日、6 月 13 日、6 月 20 日 のある行事などが取り上げられた。また、階 の三回(全て土曜日)に渡り、平成 27 年度本 級意識が、現代の英国人の生活にどれほど根 学公開講座教養コース『異文化との出会い- 付いているかを紹介することで、異文化を理 留学体験を語る-』が、開講された。第一回 解するには深い洞察が必要であることを指摘 は本学文学部助教寺本敬子氏(フランス留学 された。 経験者)、第二回は本学文学部助教阿部一哉 (ドイツ留学経験者)、第三回は本学文学部准 <第 1 回 6 月 6 日> 教授山崎妙子氏(イギリス留学経験者)がそ 幕末・明治期におけるパリの留学生 れぞれ担当し、自身の留学経験を参照しつつ、 —徳川昭武・渋沢栄一の足跡を求めて— 日本人と異文化との出会いについて語った。 本学文学部人文学科助教 寺本 敬子 寺本氏による第一回講座『幕末・明治期に おけるパリの留学生―徳川昭武・渋沢栄一の 幕末・明治期にフランスに留学した日本人 足跡を求めて―』は、豊富な日記・書簡・写 は、いかなる経緯で留学し、異文化のなかで 真等の資料を紹介しつつ、日本人のパリ留学 どのような出会い・体験を重ねていったのか。 の歴史を取り扱ったものである。ここでは、 本講座では、徳川昭武や渋沢栄一を中心に、 明治期に政治の表舞台に立つことのなかった 彼等の足跡を日記・書簡・写真等から分析し、 徳川昭武が、日仏の人的ネットワーク構築に 現代との比較を交えて、日本人のパリ留学の 重要な役割を果たしたことなどが示された。 歴史の一端を明らかにすることを目的とした。 阿部による第二回講座『ドイツが教えてく 徳川昭武は、日本が初めて公式に参加した れること─ことば、生活、考え方─』は、写 1867 年パリ万国博覧会に、将軍徳川慶喜の名 真や動画などの映像資料を交えつつ、自身の 代としてフランスに派遣された人物である。 留学体験にもとづき、ドイツでの生活を紹介 このとき 14 歳であった昭武は、パリ万博に参 した。ここでは、ドイツの生活に関して、季 列し、さらに約 5 年にわたるパリ留学が命じ 節料理や自転車文化といった豊かな側面だけ られていた。このパリ派遣および留学には、 ではなく、盗難など、日本人が気をつけなけ 渋沢栄一をはじめ、明治期に活躍する政治家 ればならない面もあることなど、多岐に渡る 等が同行したことも特筆できる。しかし残念 トピックを取り上げた。 ながらこの留学は、大政奉還によって 1 年余 山崎氏による第三回講座『イギリスで学ん りで中断された。とはいえ、このフランス留 だ「ことば」と「暮らし」の隠れたルール』 学の経験は、彼らの生涯に影響をもたらし、 は、自身が留学生として生活する中で、見聞 日仏交流の発展に寄与した。昭武は帰国後も きしたイギリス人たちの日常と隠れたルール フランス語の勉強を継続し、約 10 年後の 1876 を紹介した。ここでは、留学先のケンブリッ 年に再びフランスに渡り、第 2 次パリ留学を ジ大学について、所属カレッジでの研究、生 果たした。渋沢も 1902 年にフランスを訪れ、 活面について、世界各国から集まった留学生 1924 年の日仏会館の設立に中心的役割を担う たちとの交流や、特徴のある入学・卒業の儀 こととなる。 近年の調査で、徳川昭武は、明治期に政治 式やカレッジ主催の晩餐会などの歴史と伝統 6 の表舞台には立たなかったが、日仏の人的 後の参考にしたい。 ネットワークの構築に重要な役割を果たした また、本学ドイツ語教師という立場から、 ことが明らかになってきた。本講座では、昭 少しだけドイツ語の練習も取り入れてみた。 武が親しく交流したフランス軍人のレオポル これは、ご来場くださったお客様がお互いに ド・ヴィレット、シャルル・アントワーヌ・ 打ち解けられるよう、ドイツ語での自己紹介 マルクリ、法律家のギュスターヴ・ボワソナー を行ってもらう、というものである。まずは ドとその家族、外交官のアレクサンダー・シー 自己紹介の表現を練習してもらい、次に習っ ボルト、ハインリッヒ・シーボルト等の書簡 た表現で、実際にお互いに自己紹介をしてい についても紹介した。一般的に、幕末から明 ただく、という内容のアクティビティを実施 治期にかけて軍事、法学、外交の分野で発展 した。この自己紹介に関しては、互いに見ず した日仏交流は、1880 年代に入ると次第に衰 知らずの受講者同士で感じていた緊張をほぐ 退傾向を見せる。しかし、そうした公的関係 してくれたという好意的な意見や、限られた の衰退とは裏腹に、幕末から明治にかけて 時間を無駄に浪費しているといった批判的な 脈々と日仏の人的ネットワークは継続された 意見が寄せられた。今後の検討課題としたい。 ことが、徳川昭武や渋沢栄一の日仏交流から なお、ちょうどタイミング良く、講座の数 判明するのである。 日前までドイツに研究出張を行っていたので、 飛行機から地上を映した映像や、ドイツの古 <第 2 回 6 月 13 日> い町並みなどの写真など、ドイツの「今」を ドイツが教えてくれること 捉えた資料を交えてプレゼンテーションを行 —ことば、生活、考え方— 本学文学部人文学科助教 阿部 うことができた。これら映像や写真について 一哉 は、概ね好意的な感想を寄せていただいてい る。 全三回の講座のうち、二回目の 6 月 13 日を <第 3 回 担当した。 1995 年秋から一年間ドイツ留学をし、その 6 月 20 日> イギリスで学んだ「ことば」と 後何度か旅行や出張でドイツを訪れている。 「暮らし」の隠れたルール 講座では、これらのドイツ訪問で体験したこ 本学文学部人文学科准教授 山崎 妙 とや感じたことから、いくつか選んで紹介す イギリス人の話すことばや暮らしの中での る形で、話をさせていただいた。 具体的には、留学していたゲッティンゲン 何気ないふるまいが、実は日本人が一見した での大学生活について、ワイン祭りや季節の だけでは気づかないようなルールに従ってい キノコ料理といった食文化について、自転車 る、ということがある。講座では、イギリス を多用するドイツの出勤事情について、治安 人の心に深く根ざしている階級についての意 が比較的良いとは言え油断は禁物な、ドイツ 識などにも触れながら、留学生として生活す の犯罪事情などについて話をさせていただい る中で見聞きした彼らの日常と隠れたルール た。 を紹介した。 受講者の皆様から寄せられたコメントから、 まず、留学生として在籍したケンブリッジ ドイツについて独自の視点から紹介できた、 大学について紹介した。創立は 1209 年で、31 という手応えを感じている。他方、内容が散 の学寮(カレッジ)を要する。現在は学部が 逸的との厳しいご意見もいただいている。今 教育・研究の拠点になっているが、19 世紀後 7 半まではカレッジ単位で教育が行われていた。 現在でも全学生がどこかのカレッジに必ず在 籍し、研究、生活面で様々なサポートを受け ている。各カレッジが教員の宿泊施設と研究 室、学生寮、事務所、図書館、礼拝堂、食堂、 パブ、談話室などを擁している。またケンブ リッジ大学大学院における教育の様子を紹介 した。世界各国から集まる教員・学生とのや り取りを通じて学んだこと、日本人として感 じたことを述べた。英国ならでは、あるいは ケンブリッジ大学ならではの様々な儀式や行 事も紹介した。特徴のある入学・卒業の儀式 やカレッジ主催の晩餐会、バーンズナイトや ガイフォークスナイトといった歴史と伝統の ある行事についても触れた。 次に、英国で生活していく中で感じた英国 人の「階級」に対する意識について述べた。 産業革命以降確立された、上流階級 (Upper Class)、中産階級 (Middle Class)、労働者階 級 (Working Class)という 3 つの階級は、収 入や職業のみならず、言語(訛、語彙)や教 育、講読する新聞から普段飲むお茶の銘柄に まで反映されている。現代の日本人にはあま りなじみのない階級意識が、現代の英国人の 生活にどれほど根付いているかを紹介するこ とで、異文化を理解するには深い洞察が必要 であることを指摘した。 8 公開講座秋期教養コース(新座キャンパス) つながりのある社会を目指して ―コミュニティデザインの世界へようこそ― 平成 27 年 10 月 3 日~11 月 14 日(10 月 24 日、31 日は除く) (毎週土曜日) 〈講座責任講師〉 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 矢野 峰生 本講座は、標記テーマのもと、新座キャン 個々のコミュニティデザイン学科専任教員は、 パスで、南里隆宏「つながりのある社会をめ 研究領域として重要ながら未開拓と言える領 ざして」(10/3)、佐野美智子「新しい消費の 域を対象とした研究を公開したことになる。 かたち-人とつながる幸せを求めて-」 そこには、認知度が未だ十分でないと思われ (10/10)、鍵屋一「近助のススメ-地域の防災 るコミュニティデザインを学ぶ重要性を世間 力を高めよう-」 (10/17)、石崎裕子「コミュ に伝え、しいては本学科生の入学希望者を増 ニティデザインに求められる女性の力」 やすことに結びつける目的もあった。 (11/7)、土居洋平「むらに学ぶ地域づくり(コ アンケートによれば、以上のように設定さ ミュニティデザイン)」(11/14)の 5 回、文京 れた本講座を受講された方々から、概ね好評 キャンパスでは、靏理恵子「出産・育児文化 を頂けた。また、 「タイムリーなテーマについ の再構築-孤立しない子育てのために-」 て現場の研究者から話を聞くのがとてもおも (11/21)、矢野峰生「ビジネス分野における しろい」、「内容をもう少しある部分に限定し コミュニティ-地方都市から学ぶ-」 (11/28)、 て、深い話を希望します」などアカデミック 坪原伸二「徒歩と自転車にやさしいまちづく な知見や分析について一層深く学びたいなど、 り-オランダの都市計画から学ぶ-」(12/5) 総じて学究探索志向と向学心の高さを確認で の 3 回で行われた。 きた。これより、本講座が上記の指摘に応じ また、彩の国大学コンソーシアム主催によ た改善の余地を残しながらも、社会人を対象 る 2015 年度公開講座において、埼玉県に所在 としたコミュニティデザイン研究の認知向上 する 13 大学が公開講座を担当するなか、川越 に一定の成果をあげたと評価できた。その一 西文化会館で、本学による矢野峰生「つなが 方で、受講生を通じた本学科生の入学希望者 りのある社会とは?-コミュニティの諸相と の増加への寄与については、とりわけ短期的 可能性-」 (9/17)が本学で担当する形式で行 視点で考えた場合、課題を残したと思える。 われた。その内容は、主に上記 8 回の講座の 今後、コミュニティデザインの学びを通じた 解題と概要等についてであった。そこには、 本学での実践教育に特化した公開講座の設定 本講座の魅力を伝え、受講生の知的好奇心を を検討しても良いのかもしれない。 喚起して受講を促すイントロダクションの役 <第 1 回 割を担っていた。 以上のように、本講座は、関連講座も含め 10 月 3 日> 国境を越えて人と人のつながりを作ろう ると 9 回という本学による通常の公開講座開 本学観光コミュニティ学部 催回数を大幅に上回る回数で、コミュニティ コミュニティデザイン学科准教授 南里 隆宏 の諸相を、消費、防災、むら、女性の力、出 1、講義概要 産・育児、ビジネス、都市計画の各分野で捉 以下の形で講義を行った。 え、掘り下げる内容となっている。すなわち、 コミュニティを対象とした研究で見出され、 ・コミュニティデザインとは: 「人がつながる 蓄積された知見や調査ノウハウなどを基盤と 仕組みを作ることによって、地域社会の課題 する新たな大学教育を構築できるように、 の改善・解決に寄与していくこと」と説明し 9 た後、具体的なイメージを持ってもらうため、 け:日本財団が中心となって、日本政府、大 いくつかの写真を基にコミュニティデザイン 学・研究機関、人権 NGO、当事者団体などの について解説。 間での協力体制を構築。その結果、2015 年7 月2日に、 「ハンセン病患者・回復者及びその ・ 非営利組織(NGO/NPO)とは: 「利益ではなく、 家族に対する差別撤廃決議」が第 29 回国連人 ミッション(使命)を実現するために存在す 権理事会において、97 の共同提案国(過去最 る」旨を説明したのち、Salamon による以下 多)を得て、全会一致で採択された。その背 5つの構造的機能を紹介。 景や経緯について解説。 組織(組織として体裁が整っている) 民間(政府機関の一部ではない) 結論:日本財団は、国境、セクター、世代を 自己統治(他者の支配によらず自己管理) 超えた様々なアクターを戦略的につなぎ、決 有志による(個人の自由な意思で参加) 議採択の過程で中心的な役割を果たした。 そ 非営利(経営者間で利益を分配しない) れが成功裏に実現した要因として、①日本財 また、日本の非営利セクターの現状として、 団にとって政治的機会が開放されていた、② 法人の種類(NPO 法人、財団・社団法人、任意 ハンセン病回復者を中心とする当事者からの 団体)や数について解説した後、具体的に非営 支持を得ることができた、③様々なセクター 利組織がどのような活動を実施しているのか とのネットワーク・人脈や資金基盤などの組 について写真を基に説明。 織資源が豊富であった、④ハンセン病と差別 の問題を争点化し、組織資源を効果的に動員 国境を超えて人と人がつながる装置として できた、の4点を挙げた。 の非営利組織の機能について、日本財団主導 による国連人権理事会でのハンセン病差別撤 2、所感 廃決議採択の事例を基に説明。 講義の終了後、質疑応答の時間を設けた所、 非営利組織の活動やハンセン病問題の実態な ・日本財団とは:社会福祉・教育・文化など どに関し、受講生から多くの質問があった。 の活動、海や船にかかわる活動、海外におけ 結果として、講義終了時間が 15 分程度遅れた る人道活動や人材育成の 3 つの分野を中心に が、小職にとっても、非常に有意義な時間を 事業を展開している旨を説明。 過ごすことができた。 ・ハンセン病とは:講義の中で世界のハンセ <第 2 回 ン病の実態についてまとめた DVD を視聴(10 新しい消費のかたち 10 月 10 日> —人とつながる幸せを求めて— 分程度)。 本学観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科教授 佐野 美智子 ・日本財団によるハンセン病プログラム:日 本財団は、①WHO に対する支援を通じた公衆 衛生上の問題としてのハンセン病の制圧、② 「自分が必要なもの,欲しいものを手に入 患者・回復者やその家族に対する差別をなく れて,満足」だけでなく,消費体験を人と共 すための活動を実施している旨を説明。 有し,共感することに幸せを感じる――そん な,消費の新しいかたちが広がっている。利 己的欲求を満たす自己充足型の消費者行動と ・日本財団による国連人権理事会への働きか 10 は異なる,共感型,社交型の消費者行動, 〈つ 本学観光コミュニティ学部 ながり〉志向の消費である。本講座では,つ コミュニティデザイン学科教授 鍵屋 一 ながりがもたらす〈幸福〉,つながることの〈豊 かさ〉が,私たちの支出行動を動機付ける要 1.東日本大震災の教訓 因となっていることを紹介した。 21,839 名の死者・行方不明者のうち、3,194 まず,〈豊かさ〉の変遷を概観した。1950 名は震災関連死だった。内訳は、高齢者が死 年代,60 年代の高度経済成長期は,「モノの 者の約6割、障がい者の死亡率は2倍に上る 豊かさ」を求める時代だった。安定成長期に など、災害時要援護者の被害が大きかった。 シフトダウンした 80 年代以降は,「ゆとりや 同時に支援者である自治体職員221名、消 ココロの豊かさ」を求める時代となった。サー 防団員254名、民生委員56名、福祉施設 ビス消費が拡大し,消費者の欲求や行動が多 職員86名も亡くなった。地域とのつながり 様化した。90 年代以降は,少子高齢化,情報 が弱い方や、要援護者の避難支援に向かった 化,グローバル化が急進展,なかでも,情報 支援者、移動中や避難所で衰弱したことは重 技術の革新が私たちの生活を大きく変えて 要な教訓である。 いった。2010 年代にはいると,インターネッ 2.大地動乱の時代 トは生活インフラとなり,ソーシャル・メディ 日本列島は陸のプレート上にあるが、海の アが飛躍的に普及するなか, 「つながりがもた プレートがもぐりこんで歪をためるため、地 らす豊かさ」を求める時代になる。社会との 震災害、津波災害から逃れられない。しかも、 つながり,関係性が人びとの幸福感を左右す 歴史を見ると大地動乱の時代と静穏な時代が る時代である。 あり、現在は間違いなく大地動乱の時代にあ 次に,最近の新聞記事からいくつかの消費 る。首都直下地震や南海トラフ巨大地震の発 実態を引用し,幸せをもたらす消費の特徴を, 生も極めて近いと思われる。 「エクスペリエンス(経験)」 「ソーシャル(社 3.防災対策 交) 」 「シェア(共有)」の3つのキーワードで 防災対策は、自助、近助、新たな共助、公 示した。また,チャリティ商品やフェアトレー 助に分けることができる。自助には、備蓄・ ド商品の購入など,「ソーシャル消費」「エシ 持ち出し品、家族の個人情報、減災対策、地 カル消費」と呼ばれる消費動向について紹介 震直後の対応がある。一方で、自分の力だけ した。 では避難したり、災害対応が困難な人を災害 最後に,つながりの形として,社会的ネッ 時要援護者というが、その支援が重要な課題 トワークについて考えた。社会的ネットワー となる。福祉避難所などの公的支援と同様に、 クとそれが生み出す共通の価値観や規範(他 地域社会による支援が不可欠である。事実、 者への信頼,多様性に対する寛容,公共心, 東日本大震災で避難支援したのは、家族、近 助け合いなど)は,社会関係資本(ソーシャ 所、福祉事業者の順番であった。 ル・キャピタル)として,幸せに大きな影響 4.近助のススメ を及ぼす。ネットワークを自在に広げられる 近所の支援は、災害だけでなく日常の生活 ツールとしてのソーシャル・メディアの役割 でも重要である。アメリカの政治学者 R.パッ についても考察した。 トナムは、アメリカで人や地域のつながり= 社会関係資本が強くなると、人々は賢く、健 <第 3 回 10 月 17 日> 康で、安全で、豊かになり、公正で安定した 近助のススメ —地域の防災力を高めよう— 民主主義が可能となることを論証した。そし 11 て近年、アメリカ全体で、社会関係資本が弱 ながら、 「スペースナナ」で行われている活動 くなったため、公共的課題の解決が困難に の例として、「手仕事カフェ」(手仕事をしな なったと指摘している。 がらおしゃべりする集い、参加費 500 円飲み 平成 26 年度から、地域社会の近助をススメ 物付き)や社会的弱者の支援を考える講演会 るために地区防災計画制度が制定された。町 の実施、子どもの貧困をなくすための「子ど 会・自治会、マンション、企業などで普及す も食堂」の開催(月2回程度)などについて ることにより、地域社会の防災力が高まるこ 紹介し、人と人とをつなぐ場としてのコミュ とが期待される。 ニティカフェの可能性とコミュニティカフェ の運営に携わることによって女性たち自身も <第 4 回 11 月 7 日> エンパワーメントされていることについて理 コミュニティデザインに求められる女性の力 解を深めた。 本学観光コミュニティ学部 受講者は 60 代、70 代以上の男性が多かっ コミュニティデザイン学科准教授 石崎 裕子 たので、今後は男性にとっての男女共同参画 や高齢男性の地域参画に関するテーマなども 本講座では、少子高齢化が進み、社会のし 取り上げたい。 くみの見直しがせまられる中、身近な生活の 場である地域社会においても女性の活躍への <第 5 回 11 月 14 日> 期待が高まっていることをふまえ、女性の力 むらに学ぶ地域づくり(コミュニティデザイン) を活かし、誰もが暮らしやすいコミュニティ 本学観光コミュニティ学部 をつくっていく上でどのような課題があり、 コミュニティデザイン学科准教授 土居 洋平 何が求められているのかということを男女共 現在、都市から農村への移住に注目が集 同参画の視点から考えた。 講座の前半では、男女共同参画社会基本法 まっている。彼らは、農村の自然や景観に惹 (1999 年公布・施行)に定められている男女 かれて移住することが多いが、農村の人のつ 共同参画社会の定義や基本理念、第三次男女 ながり(コミュニティ)にも惹かれて移住し 共同参画基本計画(2011~2015 年度)の重点 ていることが、関連の研究で明らかにされつ 課題など男女共同参画の推進に関する基本的 つある。本講座では、そうした農村コミュニ な事柄についてわかりやすく説明をした。 ティの特徴と、何故それが都市住民を惹きつ けるのかについて解説した。 後半では、実際に男女共同参画の視点を もってコミュニティづくりで活躍している女 講義の前半では、農村コミュニティとは何 性たちの実践事例として、NPO法人スペー かをテーマに、鈴木栄太郎の「自然村」概念 スナナによるコミュニティカフェ「スペース や、有賀喜左衛門の「家連合」論など、農村 ナナ」 (横浜市青葉区あざみ野)の取り組みを 社会学のイエとムラを巡る基本的な考え方を 取り上げた。 「スペースナナ」は、もともと教 紹介した後に、コミュニティの軸となる農業 育や福祉をテーマに地域で活動してきた女性 の共同性が半世紀余りの間に崩壊していく様 たちによって、世代を超えて多様な人々がつ 子と、それでも残るコミュニティ~ムラの共 ながり、交流の場となることを目指して 2010 同性~やその変化について簡単に紹介した。 そのうえで、講義の後半では、農村移住へ 年にオープンした。 カフェ内の貸しギャラリーやチラシ掲示板、 の関心の高まりについて、雑誌等への関連語 句の登場頻度の変化などを例に紹介し、その フェアトレードショップなどの写真を投影し 12 背景として農村に対する「まなざし」が負の イメージから正のイメージに転換したことを 指摘した。また、この背景には農村のインフ ラの整備、都市出身の都市在住者の増加、農 業振興から農業体験や移住支援による振興と いう政策の変化がある点を紹介した。更に、 近年になってメディアの中で描かれる農村像 が変化していることに触れながら、特にここ 数年、農村移住そのものを扱う作品や番組が 出てきている点などを紹介した。 また、以上を背景に農村移住が増えている ことを紹介し、移住の動機に「農村性」が挙 げられていることや、一方で、移住してしば らくすると「農村性」は日常化して必ずしも 強く意識されなくなる点、それでも移住地に 住み続けている要因として農村コミュニティ そのものが評価されている点などを解説した。 そのうえで、そうした農村コミュニティの あり方は農村に限らず参考になるものであり、 都市部や都市郊外においても、そうした形で コミュニティを意識して創る(デザインする) ことが重要である点を指摘した。 13 公開講座秋期教養コース(文京キャンパス) 人をつなぐ仕組みを考える 平成 27 年 11 月 21 日~12 月 5 日 (毎週土曜日) 〈講座責任講師〉 本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 矢野 峰生 <第 1 回 11 月 21 日> 母親がひとりで子育てをするようになったの 出産・育児文化の再構築 —孤立しない子育てのために— 本学観光コミュニティ学部 コミュニティデザイン学科教授 靏 理恵子 は、日本の歴史上、ほんの50年ほどのこと で、それまでは多くの人たちの手と目の中で 子どもは育ってきたし、育てられてきた。母 親ひとりに子育てを背負い込ませない、その ような社会環境が求められている。 日本社会は、高度経済成長を境に、出産・ 今後の展望として、家族の力とその限界を 育児文化が大きく変化(消滅?)した。今、 知ること、地域で子育てする、ということへ 多くの親たち(特に母親)は、それぞれに孤 の理解と共感を広げること、自助・共助・公 立した状況下、手探りで出産・子育てをして 助のバランス等が必要である。また、一人一 いる。日本民俗学および社会学の視点から、 人が親として、あるいは社会の構成員として、 日本で一番出生率の低い東京都や関東圏の現 どのような子ども、どのような大人を作りた 状を明らかにすると共に、よりマシな状況に いのか、そうしたことへの問いかけを行うこ 向けて何ができるか、受講生と共に考えてみ とも求められている。 た。 文化は、社会的諸条件の変化により様々に <第 2 回 変化するものである。したがって、子育ては 11 月 28 日> 史的あるいは通文化的理解の重要性に気づく。 ビジネス分野におけるコミュニティ —地方都市から学ぶ— 本学観光コミュニティ学部 つまり、私(たち)にとって自明だった子育 コミュニティデザイン学科教授 文化であるという視点に立つと、子育ての歴 矢野 峰生 てを相対化して見ることができるようになり、 自身の子育てに対する認識に広がりや深みが 本講座では、青森県八戸市周辺での地域振 増す。今までは当たり前すぎて気づかなかっ 興への取り組みに見られるコミュニティ活動 た(見えなかった)ことに気づくようになる。 等に焦点をあて、首都圏におけるコミュニ 戦後の社会変動の過程で、家族のかたちや ティの果たす役割、ビジネス分野でのコミュ 機能、地域社会のありかたが大きく変わる中、 生活全般において血縁、地縁に頼れない人々 ニティ活動等について再考した。 具体的には、1.コミュニティ活動の目的、 が大量に出現した。孤立しがちな子育て環境 2.地方と首都圏のコミュニティ、3.地域 の下、意識的につながりを作ろうと努力し、 づくりとコミュニティ、4.食によるコミュ それができる人はまだいい。産院、幼稚園、 ニティ 保育園、小学校などでの親同士のネットワー ティ ク作り、職場などでのつながり作り。町内会、 SNS,ICTの活用 母親クラブ、子ども会、子育て支援団体、ス ミュニティ ポーツ少年団、塾などへの参加などがある。 0.地方都市から学ぶ、などを解説した。 しかし、そうした何らかのつながりを構築で 5.ドラマ、映画に関わるコミュニ 6.地域の魅力探索、 7.情報革命、 8.教育分野でのコ 9.首都圏での地域づくり 1 1.と2.に関しては、少子高齢化の進展 きない人は、本当に孤立している。 や地方都市における居住人口の流出と首都圏 14 への流入が依然と続くなか、地方では耕作放 歩と自転車にやさしいまちづくりを例に、人 棄地の増加、地元商店街の衰退、2次交通の と人とがつながれる都市空間のつくり方につ 縮小など課題を抱えてきた。そのため、これ いて考えたいと思います。 らに対応するコミュニティ活動等に先進事例 オランダ内でもフローニンゲンはとりわけ として見出せる事実を示した。そして、創生 自転車利用が盛んな都市で、移動の 40%近く されるコミュニティは、地方都市と首都圏で を自転車が担っています。この高い自転車利 は異質なのか、同質なのか、問題提起した。 用の背景にあるのは、1970 年代から一貫して 3.から5.までは、青森県八戸市周辺の北東 進めてきた、車に厳しく、徒歩・自転車にや 北を事例としたマクロアプローチと地域づく さしい様々な都市政策です。その先駆けと りの実態について報告した。6.から8.に なったのが、中心市街地の「出会い機能」の 関しては、現地での体験、参与観察を伴う筆 強化を謳う、1977 年に導入された『交通循環 者の教育実践の様子を報告し、そのプロセス 計画』でした。同計画は中心市街地を一方通 で生じる問題点を指摘した。9.では、墨田 行規制により車に対して 4 つのセクターに分 区におけるコンテクスト・ブランディングに 割し、セクター間を車が移動するには一度、 よる地域づくりの実態を報告し、考察した。 環状線に出なければならないようにしました。 10.では、それまでの総括を踏まえて、地 これによって中心市街地の自動車交通量は半 域振興の方向性が、地方自治体から地域ネッ 減し、中心市街地に市場が復活しました。そ トワークに拠る地域振興へ推移してきたこと、 の後、1990 年代には歩行者専用空間を大幅に ライフクリエイティブのためのマーケティン 拡大し、今日、中心市街地は歩行者・自転車 グで地域再生・振興されることがメガトレン 中心の空間として大いににぎわっています。 全市的にはやはり 1970 年代から、自転車 ドとして展開されていることを説明した。 このように、北東北の八戸市周辺において、 道のネットワークの整備を進めてきました。 ビジネス分野にコミュニティ活動を伴うこと オランダでは自転車に乗ることは「社会的な の重要性が以前より増してきたことを指摘し、 行為」であると言われています。自転車に乗 非営利のコミュニティ活動と商業活動との連 りながら、友達同士、あるいは親子でおしゃ 携増加、非価格競争の高まりなどと共に地域 べりできるからです。したがってオランダの 資源を活用した複合型の地域振興となってい 自転車道は 2 台並走できるだけの幅員を確保 ること、それは首都圏にも援用可能であると することがめざされており、フローニンゲン した。 にはこうした質の高い自転車道が現在 150km、整備されています。 <第 3 回 12 月 5 日> さらに徒歩と自転車が現実的な移動手段で 徒歩と自転車にやさしいまちづくり あるためには、市街地がコンパクトである必 —オランダの都市計画から学ぶ— 要があります。フローニンゲンは大型店等の 本学観光コミュニティ学部 周辺開発を厳しく規制しており、一方で公共 コミュニティデザイン学科准教授 坪原 紳二 施設の建替え時も、極力中心市街地内で行う ようにしてきました。結果として市街地は現 都市の公共空間がどのようにデザインされ 在でもほぼ半径 5km 内に収まっており、市民 ているかは、私たちがお互いにつながれるか は便利なので自然と自転車を選択するように 否かに大きな影響を及ぼしています。今日は なっています。 オランダのフローニンゲンというまちの、徒 15 語学コース 春期:平成 27 年 5 月 9 日~ 7 月 11 日 毎週土曜日 秋期:平成 27 年 10 月 3 日~12 月 19 日(10 月 24 日、31 日は除く) 毎週土曜日 英 会 話 に寄与したようである。 〈講座責任講師〉 一方、今後の課題としては、受講希望者の 本学文学部コミュニケーション文化学科 レベル選びが残る。まず、 「初級」が初心者向 教授 奥田 洋子 けではなく、易しいながら社会問題をも扱う ことを明記し、かつ「初級」に関しては、授 (春期) 業概要を日本語にした方がよいであろう。 平成 27 年度春期の語学コース「英会話」は、 レベル選択の問題は残るものの、春期の講 5 月 9 日から 7 月 11 日までの毎土曜日の午後、 座は受講生の満足度が高く、これはアンケー 「初級」(1 時から)と「中級」 (2 時 40 分か トの自由記述欄にもあるように、講師のお二 ら)とに分けて実施された。 「初級」は本校文 人のお人柄とよく練られた授業内容に負うと 学部人文学科助教のポール・ホーネス講師が、 ころが大きいと思われる。 「コミュニケーションの探索―ディスカッ (秋期) ション・スキルの養成」と題して、また「中 本年度秋期の語学コース「 英会話 」は、 級」は本校兼任講師のケヴィン・スコット講 10 月 3 日から 12 月 19 日までの土曜日の午後、 師が、昨年度に続き「著名なアメリカ人 2」 「中級(Aコース) 」 (1 時から)と「中級(B という題で担当した。 コース)」 (2 時 40 分から)とに分けて実施さ れた。「中級(Aコース)」“Great Britons” 「初級」では、前半で自分について語る会 話力を、後半で社会問題をディスカッション を本校兼任講師のジョン・オリファント氏が、 する力を身に付け、 「中級」では、著名なアメ そして、 「中級(Bコース)」 “World Mysteries” リカ人の生涯・時代背景・影響などを学びつ を本校兼任講師のケヴィン・スコット氏がそ つ「聞く」、「話す」及びプレゼンテーション れぞれ担当した。 力を伸ばした。 終了後のアンケートによると、英会話コー 「初級」 ・ 「中級」を合わせた 31 名の受講生 スの受講生は、他のコースは受講しておらず、 のうち 26 名が回答した終了後のアンケート 英会話だけに興味があり、中にはすでに数年 によると、4 分の1が講座を知ったきっかけ 継続して英会話コースを受講している生徒も は電車やバスの車内広告であったと答えてい 複数いる。 る。約半数が継続者で、自宅からの所要時間 受講した理由としては、受講料が安いから、 は 1 時間以内が最も多いが、1 時間半以上も 3 会場が近いからという回答もあったが、最も 名、2 時間以上も 1 名いる。また、受講した 多かったのは春期に続きテーマに興味があっ 動機については、テーマへの関心が最多の 4 たからという回答であり、今後とも受講生に 分の 1 を占め、24 名が、受講して内容につい アピールするようなテーマを慎重に選ぶこと ての関心がさらに深まったと答えている。開 が大切である。テーマでコースを選んだ受講 講時期や時間帯、回数や難易度については、 生が多いだけに、講座の内容についての満足 大多数の受講生が適切であったと答え、その 度はかなり高い。また、難易度についても、 ほとんどが、また受講したいと答えた。受講 少なくともコース修了者はほぼ満足しており、 生の性別は半々で、年齢も 20 代から 70 代ま 配布資料やDVDなどの利用方法も高く評価 で幅広く偏りが見られなかったことも満足度 している。 16 担当者の報告によると、受講生は何よりも られる動画なので、自宅でも繰り返して見る 英語を「発信」することに強い熱意を示し、 ことができるので、じっくり理解したり、消 意見を交わすうちに仲間意識が生まれ、とき 化したりすること出来たということである。 には二次会でも英語でディスカッションをす 基礎固めのクラスが無くなって、初級レベル ることがあるそうである。 の学習者も参加していたため、当初はペース 今後の課題としては、現在約 7 割のコース がとれず、大変だったようだ。上記のように、 修了者の割合を増やすことであるが、各コー レベルの違う受講者それぞれのために、早口 スに一人くらいは難易度が高いと感じる受講 言葉や、漢詩や、読解など、各項目について 生がいることから、募集時に講義の難易度を 簡単バージョンと高レベルバージョンを用意 どのようにして伝えるかについてはまだ工夫 して、一人一人が達成感を味わえるように工 を要する。受講生の年齢が三十代から七十代 夫したとのこと。幸いにも、もともとリピー と幅広いために、ジェネレーション・ギャッ ターの多いクラスで学習意欲が高く、みんな プを感じる受講生もいるようだが、この点は で結束して、全体のレベルアップに励んだよ むしろ、世代間交流の好機として前向きにと うである。 らえてほしい。最後に、開講後の詳しいスケ (秋期) ジュールをHPに掲載してほしい、という要 秋期は秋の中秋の名月に因み、名月を詠う 望があったが、所用でやむを得ず欠席したと 漢詩と中秋節の年中行事を取り上げていた。 きなどの予習に役立つと思われるので、これ 授業の始まりで、前週のホットニュースにつ はぜひ実現したい。 いて中国語で表現する際のキーワードを紹介 全体的に見て、英会話コースは以前よりも したため、受講者たちは語学を勉強するリア 本校の公開講座の受講生のニーズに合った内 ルな収穫感を味わっていた。笑い話(ユーモ 容になってきているのではないかと思われる。 ア)の授業では中国語の笑うツボを理解した うえで、慣用句を使った短文作文を宿題にし 中国語会話 て、みんなで共有したようである。 〈講座責任講師〉 また最も楽しく有効だった試みは、ネット 本学文学部コミュニケーション文化学科 で流行っている微小説(ショートショート) 教授 池上 貞子 を解読し、文中の難しそうな常用句を利用し (春期) て、自分の体験談を作文の課題にし、クラス 本講座のコンセプトは中国語で風趣を楽し 全体で鑑賞しあったことだとか。宿題の作文 むことだ。春期は春の季節に合わせ、中国人 を事前にメールで提出して全員が予習し、授 にも日本人にもよく知られている唐詩や宋詞 業中に A の作文を B が朗読、B の作文は C が を解読し、朗読と暗誦を行なった。早口言葉 朗読するというふうにしたために、雰囲気も などは受講者のレベルに合わせて難易度の違 和やかになり、問題点も明確になって、次の うバージョンを用意したため、それぞれが自 ステップに進みやすかったようである。 分のできる範囲で頑張っていた由。読解の授 実は、広報の時点では「初中級」クラスと 業では中国語の新聞記事をそのまま教材とし してあるため、今回もまったくの未習者がい て使い、やや難しい文章語を体験させたとい て、講師は授業運営に苦労したようだ。やは うことである。 り受講者それぞれに合わせた教材作成や教授 さらに、映像篇では中国の広告やショット が必要で、何よりも一人一人が達成感を味わ ムービーを材料にしていた。YouTube でも見 えるように工夫したとのことである。 17 さらに中国語検定試験の各レベルの問題を ついて紹介した。このような韓国や韓国文化 一緒にやり、実際に検定試験を受験して、合 の紹介は、初学者には特に興味深い内容であ 格した受講者もいたとか。互いの努力や苦労 り、学習の動機付けにプラスに働くものであ を知っているため、心から健闘を称えること ろう。最終回の第 10 回は、「楽しい発表会」 ができ、さらなる目標ができたようだ。 を開き、2-3 行の短い文を韓国語で発表する場 を設けた。最終回に発表会というゴールが設 朝鮮・韓国語会話 定されていたことは、受講生にとって学習の 〈講座責任講師〉 励みになったであろう。また、発表会でクラ 本学文学部コミュニケーション文化学科 スメートの前でたとえ短文ではあっても韓国 助教 吉田 さち 語を話せたことによって、受講生は大きな達 (春期) 成感を得たのではないだろうか。 今年度春期の公開講座から、語学コースに 最後に、語学コース受講後のアンケートの 朝鮮・韓国語コースが加わった。すなわち、 結果に触れたい。自由記述欄には、「10 回と 今年度春期が朝鮮・韓国語コースの初年度初 いう授業でしたが、全く読めなかったハング 回となる。春期の受講生は 14 名であった。 ルが、読めたり書けたり聞き取れたり…。と 春期は初学者向けの「朝鮮・韓国語入門」コー ても有意義な時間となりました。ただ、もっ スが設けられた。ご担当頂いたのは、本学兼 と授業をうけたかったです。 (以下略) 」 「ウィ 任講師の魏聖銓(ウィー・ソンジュン)先生 先生の授業を今後も受けたいので、是非秋の である。 講座を開設してください。」「中級講座の開講 講座名は「韓国語入門&会話」とした。こ を希望します。」等の声が寄せられた。試行錯 の講座の特色は、韓国語の学習がより楽しく 誤しながら迎えた初回の朝鮮・韓国語コース なるように、韓国や韓国人の生活、韓国の異 であったが、全体的に講座内容への満足度が 文化なども随時紹介し、それを文字や会話に 高く、またそれが今後の受講希望につながっ 結び付けるようにした点である。 たようである。 テキストには、魏聖銓先生が執筆された (秋期) 『NEW! 韓国語&会話』を使用した。著者本 秋期で第二回目となる朝鮮・韓国語コース 人による講義を受けたことで、使用したテキ の受講生は 9 名であった。秋期も春期に続き、 ストに対する理解も深まりやすくなるという 初学者向けの「朝鮮・韓国語入門」コースが 利点があったと思われる。 設けられた。ご担当頂いたのは、本学兼任講 全 10 回の授業は、次のような構成になって 師の髙木丈也先生である。 いる。初回は、ガイダンスと自己紹介である。 講座名は「基礎から学ぶ朝鮮・韓国語」と 第 2 回~第 9 回は、文字と発音の学習と並行 した。講座の最終目標として、朝鮮・韓国語 して、毎回、日常生活でよく使うフレーズを を使って自分について語り、相手と分かりあ 学習する。加えて、毎回の授業で、韓国や韓 うことができるようになることを掲げ、「話 国人の生活や韓国の異文化などの紹介が取り す」 「書く」 「聞く」 「読む」をバランスよく学 入れられた。各回、 「韓国を旅してみよう(エ べるような内容とした。 全 10 回の授業は、次のような構成で行われ リア別)」 、 「K-POP を聞いてみましょう」、 「異 文化体験:韓国の映画は見たことありますか」 、 た。初回から第 4 回までは、ハングルの読み 「異文化体験:韓国ドラマ」などと称して、 書きを集中的に学ぶ。第 5 回~第 9 回までは、 映像などを活用しながら、韓国や韓国文化に 基本的な文法、単語の学習をしながら、実践 18 的な会話練習をする。第 10 回では全体のまと めとともに、朝鮮・韓国語で簡単なスピーチ をする場を設けた。講座の最後にクラスメー トの前で朝鮮・韓国語で話せたことによって、 達成感を得るとともに今後の学習の動機づけ にもプラスに働いたのではないだろうか。 最後に、受講後のアンケートの結果を見て いく。 「この講座を受講して、内容について興 味や関心が深まりましたか?」という問いに 対し、全員が「深まった」と回答しており、 講座内容に対する満足度の高さがうかがえる。 自由記述欄には、前期・後期ともに受講した 学生から、 「日本人の先生には韓国語、文法の 成り立ちを説明くださり、中年の私にはある 程度理屈を知らないと理解できなくなってい るので、前期の講義の理解が深まりました。 」 とのコメントが寄せられた。 一方、金額、開講回数については以下のよ うな意見が出た。金額面については、受講料 に加え、交通費(バス代含む)、教科書代など がかかったため、教科書代はかからないよう にするなどもう少し配慮してほしいとの要望 があった。 開講回数については、回答者の約 6 割が「少 なかった」と回答していた。自由記述欄には、 「量が多いので、開講回数がもう少し多い方 が良い。」というコメントがあった。今回の講 座は 10 回で文字と発音を習得し、基本的な会 話を学ぶという充実した内容であったが、内 容に対し開講回数が短いと感じた受講生もい たようである。 今年度は、初年度ということで責任講師自 ら不慣れな点が多かったが、担当講師の先生 方には満足度の高い講義を行っていただき感 謝している。今年度良かった点、課題等を踏 まえ、来年度の公開講座をさらに充実したも のにしていきたい。 19 古文書読解コース(春期)・くずし字読解コース(秋期) 春期:平成 27 年 5 月 9 日~ 7 月 11 日 毎週土曜日 秋期:平成 27 年 10 月 3 日~12 月 19 日(10 月 24 日、31 日は除く) 毎週土曜日 〈春期講座責任講師〉 本学文学部人文学科教授 泉 紹介しておこう。 雅博 「古文書を読むためのバックグラウンドが身 に付けられるので、次回も必ず申し込みま 今年度の春期古文書読解コースは、初歩ク す。」 ラスのみの開講であったが、定員を超すご応 「長いようであったが、始まるとアッという 募をいただき、最終的に 21 人の受講者をお迎 間でした。慣れたところでおしまいになった えすることができた。 感じです。」 今回の講座では、『手形証文 全』という 「新しい世界がひらけました。」 江戸時代の文例集(版本)をメインテキスト、 「先生の講義がとてもわかりやすく、古文書 埼玉県所在の古文書をサブテキストとし、受 に関して興味が深まりました。また受講した 講者の皆さまが、御家流の書体や候文に親し いです。時間足りなかったです、あっという み、初歩的な手形類なら読めるレベルを目指 間で。」 した。全 10 回の指導内容は以下のとおりであ しかし他方で、いくつか改善を求める声も る。 あった。 【第 1~2 回】古文書の基礎知識の講義。古文 「(開講時間を)午前中にしてください。」 書解読辞典の引き方の指導。 「定員オーバーでも申込者全員を受講可にし 【第 3~9 回】『手形証文 全』の解読と内容 てください。」 の解説。文例に合わせて、埼玉県所在の古文 「(申し込み後)受講の可否の連絡をもう少 書(借金証文・奉公人請状など)の解読。 し早くして頂けたらと思いました。又、その 【第 10 回】学習成果の確認。講座終了後の勉 後の受講料納入までの期限が短くて、仕事な 強法の指導。 どで忙しい時は不便であった。」 受講者の皆さんは、毎回、慣れないくずし 「志木駅からのバスの時刻表の時間だと、 字を読み解こうと悪戦苦闘しておられたが、 ちょうどいい時間がなかった(途中で時刻表 私見では、最終的には当初の目標をある程度 が変わってちょうどよくなったけど)。」 達成できたように思える。 最後の「今後、また本学の公開講座を受講 そのことは終了後のアンケート結果にも窺 したいと思いますか」という問いには、「受 える(回答者 15 名)。たとえば、全員が古文 講したい」14 人、「どちらともいえない」1 書への関心が「深まった」と回答してくださっ 人という回答をいただいており、今年度の講 ている。開講回数や講義時間については、 「少 座もおおかたご満足いただけるものになった ない」 「短い」と感じた方もいらっしゃるが、 ように思える。とはいえ、今後は、改善を求 おおむね「適切」という回答であった。講義 める声にも真摯に向き合い、より良い講座に の難易度については「適切であった」12 人、 していきたいものである。 「易しかった」1 人、「難しかった」2 人、配 布資料の量については 「適切であった」14 人、 「少なかった」1 人、という結果であった。 講義内容にかんするコメントも、こうした 数値を反映している。羅列的になるが一例を 20 〈秋期担当責任講師〉 本学文学部人文学科教授 岩田 字が読めるのに易しい仮名が読めないという 秀行 逆転現象も生じ、このアンバランスを補う意 味からである。仮名自体はそれほど難しくは 3年目となった古文書の読解コースである ないが、連綿体の女筆に移ると難易度も高く、 が、本年度から、春を「古文書読解コース」、 難しいと言う声も多かった。もう少し進行を 秋を「崩し字読解コース」とした。秋コース 抑え、丁寧な説明を心がけることが次年度へ の題材が、文芸作品を中心とし書簡文等も扱 の課題となった。 うためである。また、昨年は<入門><初級> 昨年は解読に大変な困難を訴えていた方が、 の2クラスとしたが、本年は<入門><一 本年度は驚く程解読能力が向上した例が見ら 般 >の2クラスとした。本講座も徐々に認知 れた。語学と同様、崩し字の解読能力は一朝 されるようになり、入門を終えて次の段階へ 一夕で向上するものではない。継続による積 と進みたい人には、<初級>よりは<一般> み重ねがいかに大切かを物語るものであろう。 の方が適切であると考えたためである。 また春の歴史系古文書の解読クラスと秋の文 <入門>は「はじめてのくずし字 ─江戸の 学系書籍の解読クラスの両方が相俟って、く コミック、江戸の笑い─」と題し、例年のと ずし字解読の総合的能力が高められるような おり、明治期の教科書によって仮名の基礎を 配置は、人文学科の特色を生かした総合的な 学んだ後、十返舎一九の黄表紙と滑稽本を扱 企画と言えるものである。 い、変体仮名と基本的な漢字の崩しが読める 参加者の皆さんにとって、本コースがくず ようになることを目的とした。<一般>は、 し字への入門と発展への手助けとなるよう、 「女筆(にょひつ)の基礎と発展 ─仮名文字 来年度以降もコースの継続と改善の努力をお と女性手紙文─」と題し、仮名文字の基礎か こなってゆきたい。 ら始めて、連綿体の仮名で華麗に綴られる女 性書簡文へと歩を進め、仮名文字と基礎的な 女筆を読めるようになることを目的とした。 受講者は、<入門>13名、<一般>11 名で、両クラスとも10名に満たなかった昨 年までに比し、本講座も徐々に認知度が高 まってきたと思われる。<入門>は、20代 以下の若い参加者、また留学生の方もおり、 多様な受講者となった。<一般>は、初めて の参加者が4名で、後は昨年度の講座経験者 の方々であった。今回は、皆さん非常に熱心 で、両クラス24名総ての方がコース修了者 となった。非常に嬉しい結果である。 <入門>は、毎年、基礎の丁寧な説明と豊 富な資料による江戸文化への広がりが好評で、 初めての方からも好評を持って迎えられた。 <一般>においては、今年度は仮名文字に集 中した講座を組んでみた。これは、歴史系の 古文書では漢字が中心であるため、難しい漢 21 パソコンコース 春期:平成 27 年 4 月 25 日・ 5 月 2 日 土曜日 <2週 1 講座>(新座キャンパス) 秋期:平成 27 年 9 月 19 日・ 9 月 26 日 土曜日 <2週 1 講座>(新座キャンパス) 秋期:平成 27 年 12 月 12 日・12 月 19 日 土曜日 <2週 1 講座>(文京キャンパス) <春期講座講師> (新座キャンパス) (5)CD-RW のコピーと保存(26 名) ホームページ作成入門 ②23% ③23% ④42% ⑤12% 本学文学部人文学科准教授 福田 博同 (6)単語登録(26 名) ②15.5% ③50% ④19% ⑤15.5% 本年度も要望の多かったホームページ作成 (7)ホームページの仕組み、階層の説明(26 名) 入門を 2 日間に分けて行いました(合計 6 時 ②58% ③19%④15% ⑤8% 間)。大学の講座故にアクセシビリティに配慮 (8)HTML5 の特徴とタグの実習(24 名) した文法的にも正しい Web ページ作成です。 ②42% ③38% ④17% ⑤4% HTML5 という最新の世界標準規格の HTML 文書 (9)図の描き方(23 名) をテキストエディタで打ち込む方法です。 ②13% ③48% ④35% ⑤4% HTML5 は HTML4 よりも構造が複雑故に短期間 (10)図や写真の HTML 化(24 名) で習うのは、逆に難しい。アンケート記入者 ②33% ③46% ④17% ⑤4% は 26 名。50 才以上が 89%,老眼者は 62%でし (11)音の作り方(23 名) た。通常 3 日から 2 週間かかる講座内容を 2 ②13% ③57% ④26% ⑤4% 日間(合計 6 時間)で全部行うのはかなりハー (12)スタイルシート実習(21 名) ドルが高いのですが、YouTube 動画教材等の ②33% ③48% ④14% ⑤5% 工夫や見本をコピーして必要事項を修正する (14)ブログ(23 名) 方法、アシスタントの補助で補いました。 ②43% ③35% ④13% ⑤9% ・実習内容とアンケート結果: ・実施時間数(22 名) 評価基準は①「非常にわかりづらい」、②「わ 2 日間では少ない(73%) 充足(27%) かりづらい」、③「まぁまぁわかる」、④「わ ・講義内容の難易度(22 名) かりやすい」 、⑤「非常にわかりやすい」とし 難しい(42%) 適切(47%) 易しい(11%) ました。したがって③~⑤が当初の目的を概 ・配布教材(19 名) 少ない(21%) 適切(79%) ね達していると思います。今回、①「非常に わかりづらい」人はいませんでした。また、 限られた時間で初めてパソコンを触った 個別にはアンケート記入忘れもあるのでそれ 人々や、ブログ作成者も満足できる講座運営 ぞれ母数を( )内に記入します。 はなかなか難しいのが実情です。反省点では 基礎実習: 「HTML5 の仕組み理解」が難しかった人が 58% (1)パソコンの起動と終了(26 名) おられたこと、ブログを説明する時間不足が ②8% ③38% ④39% ⑤15% 挙げられます。階層関係を「マトリョーシカ (2)ショートカットキー(26 名) 人形」の図解で理解されたようですが、HTML5 ②11.5% ③46% ④31% ⑤11.5% の header, nav, main, section, footer の理 (3)フォルダの作り方(26 名) 解が難しかったようです。これらの教授法の ②19% ③42% ④27% ⑤12% 改善が必要と実感しました。 「大変わかりやす (4)日本語入力(25 名) い授業」、「極めて有効な授業」、「写真加工が ②4% ③36% ④48% ⑤12% 有用だった」、「さらに上級講座を切望する」 22 12. データの入力規則,条件付き書式,デー 等のご意見もあり、さらにわかりやすい教材 作成と、授業法の改善に尽くしたいと思って タの検索・置換 おります。アシスタントのかたに感謝しつつ。 13. 条件付き関数,縦方向への検索 14. 文字列の演算 〈秋期講座講師〉(新座キャンパス) 1~5 章は,パソコン初心者が相当割合を占 Excel 入門 本学兼任講師 柴田 徹 める場合に備えて,念のために準備しました。 当日の判断で,講座は 6 章「Excel 2010 を操 秋期公開講座パソコンコースは,平成 27 年 作する前に」から始めています。テキスト(カ 9 月 19 日(土)と 26 日(土)の 2 日間にわ ラー印刷)は,敬体を用いて,キャプチャ画 たって開催されました。公開講座を担当する 像をふんだんに取り入れ,受講者の直観的な のは,今回が初めてです。本講座においては, 理解が促されるような内容にしました。Excel Excel の初心者向けに,基本的な操作の説明 の操作に慣れている受講者のために,各所に と演習を行いました。 発展的な内容も盛り込んでいます。 講座用のテキストや演習課題は,パソコン 講座は,内容のまとまりごとに一斉に説明 (MS Windows)の操作経験がほとんどない したあとで,演習課題に個別に取り組ませる 方や,Excel の操作に一定程度習熟されてい 形としました。一斉説明においては,声の聞 る方の受講にも対応できるように,ひと夏か きやすさ,話す速度,説明画面の見やすさ, けて,入念に準備しました。テキストの内容 内容の理解のしやすさ等に,特に気を配りま 構成は,概ね以下の通りです。 した。また,課題の机間・個別指導において は,1 人 1 人の知識・理解の程度,技能的な ・第 1 回テキスト(pp.1-29) 習熟度,視力・聴力(高齢者の場合)等に応 1. 本学のパソコン(コンピュータ)のタイ じた,理解しやすい,懇切丁寧な対応を心が プ けました。 2. パソコンの起動・ログオン・終了(シャッ 2 日間を通して,いくつか記憶に残ってい トダウン) ることがあります。例えば,おそらく最年長 3. マウスの基本操作(標準設定[右利き用] の場合) であろうと思われる女性受講者の USB メモ リには,過去数年分の公開講座(パソコンコー 4. ウィンドウの基本操作 ス)のデータが,すぐに参照できるような形 5. ファイルとフォルダの基本操作 で,整理・保存されていました。私と同年代 6. Excel 2010 を操作する前に と思われる男性受講者は,配布テキストとと 7. データの入力,編集,表示方法 もに愛用の参考書も開きながら,眉間に皺を 8. セルの書式設定,ワークシートの操作, 寄せ,一心不乱に課題に取り組んでいました。 Excel を仕事で日常的に使っているという, ウィンドウ枠の固定と解除等 同じく私と同年代と思われる男性受講者は, ・第 2 回テキスト(pp.30-56) 「(これまで苦労していたことが)こんなに簡 9. ワークシートの設定,印刷の設定等 単にできるんですね」と,新たな知識の獲得 10. 演算と参照,簡単な関数 に感動をおぼえている様子でした。受講者の 11. 条件判断(論理関数の利用),データの みなさんの向学心,向上心には,本当に頭が 並べ替え 下がります。 23 今回,パソコンコースを担当してみて,例 や,当日のきめ細かなサポートがなければ, えば,1 日 2 コマのところを 3 コマにしたり, 講座は円滑に進めることができなかったと思 2 日のところを 3~4 日にしたりというように, います。感謝しております。 もう少し時間的,日程的に余裕があってもよ 初担当ということで,かなりの緊張と不安 いように感じました。そうすることによって, の中で,講座に臨みました。しかし,結果的 受講者の満足感,達成感のさらなる高まりが, には,楽しく有意義な時間を過ごすことがで 期待されるように思います。 きました。限られた時間の中で,私も多くを アンケートの集計結果(図 1)をみても,時 学ぶことができました。機会があれば,また 間が短いと回答した受講者が 21%(質問項目 是非担当したいと思います。 ③),開講回数が少ないと回答した受講者が, 最後に,受講者のみなさん,アシスタント 過半数の 52%(同①)に達しています。また, のみなさん,担当の教務課職員のみなさん, 同コメント(表 1)にも,もう少し回数(日数) 色々と指導・助言を頂きました講座責任者の を増やして欲しい旨の意見が散見されます。 本学文学部現代文化表現学科准教授・伊藤穣 検討する余地はあるように思います。 先生,同じく公開講座パソコンコース元講師 今回の講座は,知識・経験ともに豊富な 4 の本学兼任講師・近藤佐保子先生,ほか関係 名のアシスタントにサポートして頂きました。 各位に,御礼を申し上げます。ありがとうご アシスタントのみなさんの事前のアドバイス ざいました。 24 表1 アンケートのコメントの一部(原文のまま) ・親切でていねいな説明が良かった。 ・同じ講座でステップアップしたい。 ・もっと覚えたいです。 ・またパソコンを学びたいです。会社で使っていてできる気分になっていましたが,間違いでした。恥ずか しいです。 ・無料なものはもちろん,有料のものも他校と比べると安いし,家からも近い。でも一番いい点は,学校の 職員(教員)を使っているため信頼できます。今後もいろいろな公開講座の開講を楽しみにしています。 ・事前に教材を送付いただけると授業が効果的になる。 (メール等で OK) ・USB の持参は事前に通知すべき。 ・大変よく理解できました。有難うございました。 ・テキストの説明が済んでから演習問題をやると,直前にやった問題でもわからない事が多かった。できた ら,パソコンの操作をしながら説明を聞いた方が理解できると思います。 ・大変多くのことを識りました。本公開講座に厚く感謝致します。このような講座なら何回でも参加させて いただき,レベルを高めていきたいと思います。柴田先生の進め方,大変丁寧で要領よく,最高でした! ・苦手意識がなくなり,楽しく作業できました。 ・講義が,大学と同一で,解りやすく,助手の方々も豊富な知識を持ち,感動致しました。 ・テキストを無料配布していただいて大変ありがたく思います。受講料は 3~6 千円位負担した方が良いと思 います。 (自己学習の自主性,欠席者を防ぐため) ・こんな素晴らしい講座を無料で教えて頂けるなんて,本当にありがたいと思いました。ありがとうござい ました。 ・大変役立ちました。ありがとうございます。またお世話になりたいと思います。宜しくお願い致します。 ・講師の先生の他にも助手の方がついてくださって,ていねいに教えていただけて理解が深まりました。 ・ありがとうございました。丁寧に教えて下さいましたので,何とかついていけました。今後とも宜しくお 願いします。講師の先生のお声がはっきりしておられましたので,聞き取りやすくて助かりました。 ・1 か月(4 回)位あるとうれしいです。少し安い金額でも追加金があっても良い。 ・エクセルのつづきをやってみたいです。初級→中級 ぐらいになるとよいと思います。ありがとうござい ました。 ・公開講座終了後,復習で読む初心者用のパソコン教科書みたいな書籍があればお教え願います。 ・もう一回くらい増やしてもらえると,理解しながら演習ができたと思います。ありがとうございました。 〈秋期講座講師〉(文京キャンパス) ルも昨年までと同じ「Excel 入門」としまし Excel 入門 た。これから Excel を始める方を中心的な対 本学文学部現代文化表現学科 象として、Excel の基本操作や、どのような 准教授 伊藤 穣 機能があるのかについて初歩から説明し、最 終的に簡単な家計簿などを作成できる段階に 公開講座秋期パソコンコースは、12 月 12 到達できるようになることを目指しました。 日(土)と 12 月 19 日(土)の両日、昨年に 一方で、これまでの受講者の方の傾向を見て 引き続き文京キャンパスにて開催されました。 いると、既に仕事などである程度、操作に慣 時間は 1 日 2 コマ(90 分×2)、 計 4 コマです。 れている方もいらっしゃることがあり、そう 例年、抽選となることや、リピーターの方も した方に対応することも考慮して、さらに一 おられることから、Excel の初学者向けの内 歩進んだ内容を含んだ解説資料を付録として 容には未だニーズがあるものと考え、タイト 作成しました。 25 初日は、Excel の基本操作に始まり、セル へのデータ入力の方法や書式の設定、罫線や 網掛けの設定などを行いました。二日目は、 初日の復習を踏まえたうえで、数式や関数の 使い方について解説しました。そして家計簿 を作成することを前提に、練習問題をとおし て知識の定着を図りました。具体的には、四 則演算のほか、関数として SUM、AVERAGE、 COUNT、 MAX、MIN などに加え、論理関数の IF までを 紹介しました。付録の解説資料には VLOOKUP などを含めていましたが、その内容に触れる 前に時間一杯となってしまいました。 受講生の皆様は、非常に熱心に取り組まれ ていました。初学者の方はキー入力の段階で 苦労されている場合もあるようで、説明の仕 方についても、より丁寧である必要があると 感じました。また、経験者の方は、説明の内 容をすぐに理解され、あっというまに操作が 完了してしまい、全体の足並みが揃うまでお 待ちいただいていました。様々な受講生の方 がおられる中、できるだけ全員の方にストレ スなく受講していただけるようにするために は、講師の力量が問われるところかと思いま す。また、例年のことですが、優秀なティー チング・アシスタントに大いに助けられまし た。 最後に、講座を受講してくださった皆様に 深く感謝申し上げます。 26 受 講 生 か ら の レ ポ ー ト コミュニティデザインという新しい視点 地域や社会をよりよいものに変えていくとい 秋期教養コース(新座)受講生 うコミュニティデザインという言葉の意味を 瀧上 浩司さん 考えさせる内容になっているのです。以上 リーフレットの文意が分かりかねていた私で 観光地での体験を通じた地域文化との触れ すが、全 5 回出席した後に仕掛けが分かって 合いならば分かるのですが、今回コミュニ 満ち足りました。 ティデザインという視点は何か、関心を抱き ました。リーフレットには国、地域、むらと いったキーワードが見られ、全 5 回の統一性 「公開講座を受講して」感想 は正直難しいと感じました。第 1 回は「国境 秋期教養コース(文京)受講生 を越えて人と人のつながりを作ろう」で主に 飯野 毅与志さん 感染症患者を支援する非営利組織について語 昨年、秋の公開講座 3 日間受講して、 られていました。これは様々な組織に属する 人々同士の新たな関係 が生じ始めるという 1 回目 子ども教育、育て方 意味で社縁と読み取れました。第 3 回は「地 2 回目 北のヨーロッパ街のつくり 域の防災力を高めよう」でご近所力は地域防 3 回目 自転車について 災の相当部分をカバーできると語られていま の講座が主にありましたが、私は自転車のこ した。これは同じ地域に属する人々同士での とが一番心に残っています。 相互扶助や相互監視という意味で地縁と読み 自転車道路などは、日本ではまだまだです 取れました。第 5 回は「むらに学ぶ地域づく が、ヨーロッパの方などは自転車道路が良く り」でムラ社会は複数のイエから構成されて できていることが生活していく上でとても良 いると語られていました。これは家族は一緒 いことだと思いました。 日本でも自転車道路がもう少しずつ整備さ に暮らし、お互い助け合い、親密な関係を築 れていったら福祉も良くなると思います。 くという意味で血縁と読み取れました。する と順序は逆ながら全 5 回を終えて一見次元が また、子育てもきちんとしていることと、 異なるテーマに思えますが実は、血縁・地縁・ 街全体がすべての人にとって生活しやすく 社縁と配置され無縁社会化という隠れたキー なっていることが講座を聞いて良いことだと ワードで統一されていることに気付かされる 思いました。 のです。それで第 2 回は「新しい消費のかた これからの日本も子どもの教育、育て方、 ち」で消費体験を他者と共有し、共感するこ 自転車、道路、少しずつ良くなっていっても とに幸せを感じると語られ、第 4 回は「コミュ らいたいと思います。 そのことが次の時代に受けつぐ大切なこと ニティデザインに求められる女性の力」で人 だと思います。 が集い、楽しさを生み出す交流スペースをつ 3 日間良い公開講座でした。 くって世代を超えて多様な人々がつながり、 支えあい、元気になれると語られていました。 これはどう繋がるかといえば前 3 者が病気・ 孤独死を思わせるのに対して後 2 者は幸福・ 満足を思わせる訳で、一見社交という言葉で 流されそうで人と人をつなぐ仕組みをつくり、 27 ■資料 29 申込方法 ・ 受付期間 受付期間 8月21日(金)より受付(定員になり次第締切り) パソコンコース 往復はがきに下記の事項をご記入の上お申し込みください。 ①「Excel入門(文京)」受講希望 ②氏名(フリガナ) ③郵便番号・住所 ④電話番号 ⑤性別 ⑥年齢 ⑦職業 ⑧どちらで本講座をお知りになりましたか? 受付期間 11月2日(月)~12月2日(水)必着 平成 11 26 ╱ 平成 27年度 秋期 跡見学園女子大学の 27年 教養コース 〈文京キャンパス〉 毎週土曜日 線 新宿 池袋 線 高田馬場 丸 護国寺 新宿 JR中央線 J R 渋谷 山 手 有 楽 ノ 内 上野 線 町 御茶ノ水 線 有楽町 野 東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷 西武 上 行 袋 至 り そ な 銀 池 秋葉原 都バス 大塚車庫 JR総武線 コンビニエンス ストア 茗荷谷駅 交 春 番 日 通 り 武 線 東上 東武 西 Booksアイ インド料理パナス アトラスタワー 茗荷谷 みかんの木 三井住友銀行 研修所 東京 文京キャンパス入口 法人 線 至 跡見学園女子大学 文京キャンパス 塚 3号 館 ●東京メトロ丸ノ内線/茗荷谷駅より徒歩2分 ●東京メトロ有楽町線/護国寺駅より徒歩8分 池 大 袋・ 跡見講堂 中学・高校 教室棟 1号館 運動場 2 号館 跡見学園前 東京メトロ有楽町線 11 21 場 所 文京キャンパス 定 員 100名 (定員になり次第締切り) ※全3回、全てに出席された受講者に公開講座修了証を発行いたします。 ※今学期(平成28年3月末日まで)内に限り本学図書館を利用することができます(閲覧のみ)。 受講料:無料 ※駐車場がないため、自家用車でのご来校はご遠慮ください。 人をつなぐ仕組みを考える 時 間 13:00~14:30 対 象 15歳以上 (中学生を除く) の男女 〈全 3 回〉 文京キャンパスへのご案内 ATOMI UNIVERSITY 公開講座のご案内 21 12╱5 年度 公開講座リーフレット(文京)」 ウラ面 下 版 ※教養コースは、受講申込み受付後、葉書にて受講証を郵送いたします。 ※お申し込み頂いた方々の個人情報は、跡見学園女子大学文京キャンパス事務室公開講座係にて、講座案内の 他、運営に必要な範囲で適切に管理し、使用いたします。個人情報については同意なしに第三者に開示・提供す ることはありません(法令などにより開示を求められた場合を除く)。 ※悪天候等、不測の事態が生じた場合には、大学HPに中止や時間繰り下げ等の情報を掲載します。 5 跡見学園女子大学様「平成 往復はがき、FAX、Webのいずれかに下記の事項をご記入の上お申し込みください。 ①「人をつなぐ仕組みを考える」受講希望 ②氏名(フリガナ) ③郵便番号・住所 ④電話番号 ⑤性別 ⑥年齢 ⑦職業 ⑧どちらで本講座をお知りになりましたか? 教養コース 土 出産・育児文化の再構築 ─ 孤立しない子育てのために ─ 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 靏 理恵子 日本社会は、高度経済成長を境に、 出産・育児文化が大きく変化(消滅?) しました。今、多くの親たち (特に母親) は、 それぞれに孤立した状況下、手探りで出産・子育てをしています。日本で一番出生率の低い東京都や関東圏の現 状を明らかにすると共に、よりマシな状況に向けて何ができるかを一緒に考えてみましょう。 11 28 土 ビジネス分野におけるコミュニティ ─ 地方都市から学ぶ ─ 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 矢野 峰生 本講座では、青森県八戸市周辺での地域振興への取り組みに見られるコミュニティ活動等に焦点をあて、首都 圏など大都市におけるコミュニティの果たす役割、ビジネスにおけるコミュニティ活動等について再考したいと思いま す。本講座を通じて、個人が社会と今後どのようにつながれば幸せになれるのか考える一助となれば幸甚です。 12 5 土 徒歩と自転車にやさしいまちづくり ─オランダの都市計画から学ぶ─ 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 坪原 紳二 車が行きかうまちは人と人を分断しますが、楽しく歩き回ることができ、安心して自転車で移動できるまちは、人と 人をつないでくれます。オランダは40年以上も前から、生活道路を公園のように変えたり、幹線道路沿いに安全性 の高い自転車道を整備してきました。本講座ではそんなオランダの都市計画の実態を紹介したいと思います。 護国寺駅(出口5) 音羽通り 至護国寺 東京メトロ有楽町線 護国寺駅(出口6) 講談社 大塚警察 跡見学園女子大学 ATOMI UNIVERSITY 文京キャンパス事務室 公開講座係 〒112‒8687 東京都文京区大塚1‒5‒2 TEL. 03‒3941‒7420 FAX. 03‒3941‒8333 E-mail : d-kyomu@mmc.atomi.ac.jp http:// www. atomi. ac. jp/univ/ 27年 ╱12 12 <申込・照会先> 平成 19 毎週土曜日 〈 2 週1講座〉 受講料:無料 パソコンコース 〈文京キャンパス〉 Excel 入門 時 間 13:00~16:10 対 象 15歳以上 (中学生を除く) の男女 場 所 文京キャンパス 定 員 38名 ※全2回、全てに出席された受講者に公開講座修了証を発行いたします。 ※今学期(平成28年3月末日まで)内に限り本学図書館を利用することができます(閲覧のみ)。 講師:本学文学部現代文化表現学科准教授 伊藤 穣 「インターネットやWordは使えるけれどExcelはあまり使ったことがない」という方を対象に、家計簿や簡単な会計 表の作成など、操作の基本について練習問題を交えて丁寧に解説します。 ※「Excel」は米国 Microsoft Corporation の米国及び、その他の国における登録商標です。 後援/文京区 、公益財団法人文京アカデミー 5 跡見学園女子大学様「平成 年度 公開講座リーフレット(文京)」 オモテ面 下 版 27 申込方法 ・ 受付期間 平成 27年度 秋期 教養コース 往復はがき、FAX、Webのいずれかに下記の事項をご記入の上お申し込みください。 ①「つながりのある社会を目指して」受講希望 ②氏名(フリガナ) ③郵便番号・住所 ④電話番号 ⑤性別 ⑥年齢 ⑦職業 ⑧どちらで本講座をお知りになりましたか? 跡見学園女子大学の 受付期間 8月21日(金)より受付(定員になり次第締切) 公開講座のご案内 パソコンコース・語学コース(英会話╱中国語会話╱朝鮮・韓国語会話)・くずし字読解コース 往復はがきに下記の事項をご記入の上お申し込みください。 ①希望講座名(例:英会話中級Aコースなど) ②氏名(フリガナ) ③郵便番号・住所 ④電話番号 ⑤性別 ⑥年齢 ⑦職業 ⑧どちらで本講座をお知りになりましたか? パソコンコース ………………………… 8月21日(金)~ 9月 9日(水)必着 語学コース(英会話╱中国語会話╱ 朝鮮・韓国語会話) … 8月21日(金)~ 9月16日(水)必着 くずし字読解コース 受付期間 ※教養コースは、受講申込み受付後、葉書にて受講証を郵送いたします。 ※パソコンコース、語学コース及びくずし字読解コースは、応募者多数の場合は抽選となります。 ※お申し込み頂いた方々の個人情報は、跡見学園女子大学学務部教務課公開講座係にて、講座案内の他、 運営に必要な範囲で適切に管理し、使用いたします。個人情報については同意なしに第三者に開示・提供 することはありません(法令などにより開示を求められた場合を除く)。 ※悪天候等、不測の事態が生じた場合には、大学HPに中止や時間繰り下げ等の情報を掲載します。 新座キャンパスへのご案内 ※地球温暖化防止のため、自家用車での来校はご遠慮ください。 「新座駅」下車 北口よりバス約7分 14 〈全 5 回〉 平成 27年 各土曜日 ● 西武バス停 新座駅北入口 ロータリー 大学バス停● タクシー 乗り場 南 口 11╱ 19 26 10╱ 新座駅 至西国分寺 27年 3 12╱19 交番 至川越 〈 2 週 1 講座〉 平成 北 口 志木駅 至池袋 27年 10月24日・31日は除く 9╱ 埼玉りそな銀行 乗り場 2 所52 「所沢駅東口行」 ② 3 ●JR武蔵野線 「志木駅」下車 南口より西武バス約15分 「跡見女子大」下車 志32 ① 平成 10╱ 毎週土曜日 ●東武東上線(地下鉄有楽町線) 乗り場 1 「跡見女子大学行」 ATOMI UNIVERSITY 至南浦和 10月24日・31日は除く 毎週土曜日 〈全 10 回〉 ●西武線 「所沢駅」下車 東口より西武バス約25分「跡見女子大」下車 跡見学園女子大学 <申込・照会先> 学務部教務課 公開講座係 ATOMI UNIVERSITY 〒352‒8501 埼玉県新座市中野1‒9‒6 TEL. 048‒478‒3340 FAX. 048‒478‒4133 E-mail : d-kyomu@mmc.atomi.ac.jp 平成 10╱ 27年 3 12╱19 10月24日・31日は除く 毎週土曜日 NPO╱NGO・消費体験・防災・男女共同参画・農村の視点から 教養コース つながりのある社会を目指して ─コミュニティデザインの世界へようこそ ─ 簡単な家計簿が作れるようになります パソコンコース Excel入門 自己を語り、思いを共有して楽しみましょう 語学コース 英会話╱中国語会話 朝鮮・韓国語会話 柔らかく美しい「女筆」手紙文と絵入りコミック本を読む くずし字読解コース 〈全 10 回〉 共催╱新座市教育委員会(教養コースのみ) 後援╱埼玉県教育委員会・新座市教育委員会・埼玉まなびぃプロジェクト協賛事業 http:// www. atomi. ac. jp/univ/ 跡見学園女子大学の秋期公開講座は教養・パソコン・語学とくずし字読解コース 教養コース 平成27年10月3日~11月14日(10月24日、31日は除く) 毎週土曜日〈全 5 回〉 時 間 13:00~14:30 場 所 新座キャンパス 対 象 15歳以上 (中学生を除く) の男女 定 員 100名 受講料 無料 つながりのある社会を目指して ─コミュニティデザインの世界へようこそ ─ 10 3 10 土 10 11 11 7 英会話 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 南里 隆宏 「人の役にたちたい」、「社会のために何かしたい」と思ったことはありませんか? でも、どこから始めるのか、何が実際 にできるのか分からないという人も数多くいるかもしれません。年齢、性別、職業、ひいては国境を超えて人と人がつなが る場を提供するNPO・NGOが、社会変革にどう貢献していけるのかについて考えます。 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 佐野 美智子 近助のススメ ─地域の防災力を高めよう─ 土 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授 鍵屋 コミュニティデザインに求められる女性の力 土 14 土 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 石崎 裕子 少子高齢化が進み、社会のしくみの見直しがせまられる中、身近な生活の場である地域社会においても女性の活躍・ リーダーシップへの期待が高まっています。女性の力を活かして誰もが暮らしやすいコミュニティをつくっていく上で、どのよ うな課題があり、何が求められているのか、男女共同参画の視点から考えたいと思います。 講師:本学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科准教授 土居 洋平 教養コース受講者特典 パソコンコース Excel入門 (前半) (後半) 中国語 会 話 朝鮮・ 韓国語 会 話 Great Britons 講師:本学兼任講師 John Oliphant World Mysteries 講師:本学兼任講師 Kevin Scott 初中級 風趣をたのしむ中国語 (前半) 講師:本学兼任講師 李 振渓 中国語の基礎をもっとかためたい、中国の文化などをもっと知りたい、バラエティーに富んだ角度から中国語を 覚えたい。習ったことを活かして、中国人と交流したい。中国語検定に挑戦してみたい。こんな方はぜひ本講座 に参加して語学の趣を体感し、中国理解の輪を広げてください! 旅がもっとスムーズに、もっと楽しめるようにしませんか。 入 門 基礎から学ぶ朝鮮・韓国語 (後半) 講師:本学兼任講師 髙木 丈也 この講座は、初めて朝鮮・韓国語を学ぶ方を対象としています。まずは、この言語を書き表す文字であるハン グルの読み書きから始め、基本的な文法、会話をバランスよく学んでいきます。初級のクラスですが、自己を語り、 思いを共有する、そんな言葉を一緒に学んでいきたいと思っています。 ※各講座のシラバスについては、大学 HP を参照してください。 語学コース受講者特典 むらに学ぶ地域づくり (コミュニティデザイン) 今、都市から農村に移住する人が増えています。彼らは、農業や自然に惹かれて移住することが多いのですが、実は、 農村の人のつながり、コミュニティの在り方にも惹かれて移住していることが、最近の調査でわかってきました。本講座では、 そうした農村コミュニティの特徴となぜそれが都市住民を引き付けるのかに迫りたいと思います。 中級(Aコース) 中級(Bコース) 一 地震や台風、土砂災害など自然災害が多く発生しています。しかし、地域には避難が難しいおとしよりや障害者もたく さんいます。そのとき、真っ先に頼りになるのはご近所さんです。ふだんから信頼関係をつくり、訓練を重ねることで助ける側も、 助けられる側も安心です。それが幸せな人づくり、地域づくりの第1歩になります。 時 間 (前半) 13:00~14:30╱ (後半) 14:40~16:10 場 所 新座キャンパス 対 象 15歳以上 (中学生を除く) の男女 定 員 各クラス20名 受講料 15,000円 Each lesson will look at various world mysteries--with weekly reading/writing assignments, listening/speaking exercises & worksheets. Students will work individually and together. They will be required to give short presentations during the last class. 新しい消費のかたち ─人とつながる幸せを求めて─ 「自分が必要なもの、欲しいものを手に入れて、満足」だけでなく、消費体験を人と共有し、共感することに幸せを感じ る―そんな、消費の新しいかたちが広がっています。利己的欲求を満たす自己充足型の消費者行動とは異なる、共感型、 社交型の消費者行動である〈つながり消費〉について考えてみましょう。 平成27年10月 3日~12月 19日(10月24日、31日は除く) 毎週土曜日〈全10回〉 The aim of the course is to provide stimulating learning opportunities in a relaxed and enjoyable atmosphere. Through readings and extracts from films we shall examine the lives of some remarkable British people and their contributions to the society in which they lived. Participants, by expanding their vocabulary, will be able to express a wider range of ideas when taking part actively in discussion. Sometimes this will be in in pairs and small groups. I am happy to offer advice to those who wish to follow up work on the class sessions, either in further grammar self-study or research on a topic of interest. 国境を越えて人と人のつながりを作ろう 土 10 17 語学コース くずし字読解 コース ●開講回数の 8 割以上出席された受講者に公開講座修了証を発行いたします。 ●今学期(平成 28 年 3 月末日まで)内に限り本学図書館を利用することができます(閲覧のみ)。 平成27年10月 3日~12月 19日(10月24日、31日は除く) 毎週土曜日〈全10回〉 時 間 (前半) 13:00~14:30╱ (後半) 14:40~16:10 場 所 新座キャンパス 対 象 15歳以上 (中学生を除く) の男女 定 員 20名 受講料 15,000円 入 門 はじめてのくずし字 ─江戸のコミック、江戸の笑い─ ●全 5 回、全てに出席された受講者には、公開講座修了証を発行いたします。 ●今学期(平成 28 年 3 月末日まで)内に限り本学図書館を利用することができます(閲覧のみ)。 (前半) 講師:本学兼任講師 二又 淳 平成27 年 9 月 19日・9 月 26日 各土曜日〈 2 週 1 講座〉 江戸時代の本を原文で読んでみたい!そのような方のための入門コースです。 仮名の基礎を学んだ後、絵入りのコミック本(黄表紙) と笑いにあふれた有名な 『膝栗毛』 を実際に読んでみます。 初めて仮名を覚えた幼少期に帰ったつもりで、楽しく習得していきましょう。 時 間 13:00~16:10 場 所 新座キャンパス 対 象 15歳以上 (中学生を除く) の男女 定 員 38名 受講料 無料 講師:本学兼任講師 柴田 一 般 徹 くずし字解読の能力をさらに高めたい!そのような方のための一般コースです。 まずは仮名文字を確認して、易しい仮名文献に触れ、さらに「女筆」と称される女性手紙文の解読へと歩を 進めます。柔らかく美しい書体を楽しみつつ、くずし字の世界に分け入りましょう。 Excelは 「使いこなせたらカッコいいと思うソフト」の第1位 (某社5月調査) 。本講座では、初心者を対象に、 操作の基本、表組みのある文書の作り方、数式や関数を使った計算のしかたなどを、実習を通して懇切に 指導します。簡単な家計簿などが作れる程度まで、 スキルを身につけましょう。 ※「Excel」 は米国 Microsoft Corporation の米国及び、 その他の国における登録商標です。 パソコンコース受講者特典 ●全 2 回、全てに出席された受講者には、公開講座修了証を発行いたします。 ●今学期(平成 28 年 3 月末日まで)内に限り本学図書館を利用することができます(閲覧のみ)。 にょひつ 女筆の基礎と発展 ─仮名文字と女性手紙文 ─ (後半) 講師:本学文学部人文学科教授 岩田 秀行 ※各講座のシラバスについては、大学 HP を参照してください。 くずし字読解コース 受講者特典 ●開講回数の 8 割以上出席された受講者に公開講座修了証を発行いたします。 ●今学期(平成 28 年 3 月末日まで)内に限り本学図書館を利用することができます(閲覧のみ)。 公開講座ダイジェスト 2015 跡見学園女子大学公開講座の記録 平成 28 年 3 月発行 発 行 跡見学園女子大学 〒112-8687 東京都文京区大塚1-5-2 電話 03(3941)7420 FAX 03(3941)8333 E-mail d-kyomu@mmc.atomi.ac.jp URL http://www.atomi.ac.jp/univ/
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