研究論文
OA用システム家具の研究
デザイン部川口比呂志
情報化社会の到来によりOA機器、 OA家具が急速に普及している。職場環境ばかりでは
なく個人の住宅にまで普及しっつぁる。オフィス用のOA家具には大手メーカーが参入し
ており製品群もかなり充実しているが、一般住宅を対象にした製品はあまり見られない。
とのような状況下において、今後、一般住宅用の製品の需要力吐謝扣すると思われ、県内製
造業者のOA家具ヘの参入が考えられる。そこで、 OA家具開発時に必要となる情報、資料
の収集及び必要機能、寸法系、材質、規格等に関する研究を行なう。
平成5年度は、各OA家具の機能ディテールを整理・分析し、一般住宅におけるOA作
業、使用機器類および収納物を考慮しながら、各OA用家具アイテムに必要と思われる機
能を選定、抽出した。また、広いスペースを確保できない住環境を考え、ホームユースと
して必要と考えられる機能の検討を行った。規格に関しては、JIS規定(木製事務机及び
テーブル、木製事務用収納家具等)を調査し、寸法系、材料、構造・強度等について整
理・分析を行った。
1
はじめに
る。考え方としては、まず、人問工学的なアプロー
OA用システム家具を考える際に、まず必要なと
チによる各アイテムのイメージ設計を行い、それぞ
とは、 OA作業自体の特性、またそれにともなう必
れ関係の深い機器類や物の寸法系を抽出することに
要空問の把握、より快適に作業できるための人問工
よって、イメージをより具体的な形にしている。特
学的なアプローチによる寸法系の把握である。この
に、ホームユースという点を考慮し、狭いスペース
点に関しては平成4年度に研究を行った。
でも有効に活用できるための機能、寸法、形状の基
次に、より具体的な設計をするに当たって、アイ
本イメージを考えている。
テムごとにどういう機器類や物と関係が深いのか、
次に、JIS規格(ⅡSSI023木製事務用机及びテー
どういうかたちで置かれたり、収納されるかを整理
ブル、JISSI024木製事務用収納家具)で定められ
する必要がある。特に収納を考えた場合、物自体の
ている事柄の中で、一般住宅用OA家具に必要と思
寸法とそれを収納するために必要なスペースを確実
われるものを整理し記載した。
におさえることが重要である。ここでは、ホーム
ユースのOA用家具を想定し、平成6年度に具体的
2.各アイテムのイメージ
設計に移るために、狭いスペースを有効に活用する
平成4年度に絞り込んだ 5 アイテム(OAデス
ための寸法系と各アイテムの機能に対する提案を
ク、収納棚、キャビネット、ワゴン、パーティシヨ
行っている。ある程度具体的なイメージを提示して
ン)について、基本イメージ、関係の深い機器及び
いるが、これは、各アイテムの留意点をわかりゃす
物、設計に当たっての留意点を以下に示す。関係す
く説明するためのものであり、最終的なものではな
る機器及び物については重複しているものもある
が、基本的にこの路線で具体設計に移る考えであ
が、関係する可能性があるものをあげている。
157 ー
2
1
OAデスク
最低750mm
亜関連する機器および物
⑪
回
EE0吊堆畷
0ノぐソコン
07ープロ
0プリンター
、^
・書類等
フロッビー類
・ステーショナリー
ロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロ
0電話
口
ロロロロロロロロロロ
0ファクシミリ
0
0計算機
650 70omm
'゛
低ひ
昼茎妻葦
天板の局さ
6
ームー
葺1
^上コ上コιコ上tコιニコ1コ』コ
650・△厚み一620
図・1
3.各種機器類のコードの整理機能
ここであげているOAデスクのイメージ(図、1)
は、最小限の寸法及び機能を示している。
組み込まれる電気機器及び配線材料は、電気用品
OAデスクを設計する際、特に留意すべきこと
取締法に基づく電気用品の技術上の基準を定める
は、以下の3点であると考えられる。
省例に適合していなけれぱならない。
1.天板の上下調整機能(650 700,血)
基本的に、一度調整が終了すればほとんど変更す
ることはないと思われるが、使用者のOA作業に
対する快適性を提供するために容易に調整可能で
あるべきである。また、その際天板がぐらつかな
い構造であるととを考えなければならない。
2.下肢スペースの十分な確保
158 -
収納棚
2 - 2
多種多様な居住スペースのなかに、どう収納系を
対応させるかが、狭い空間を有効に使うためのポイ
ントといっても過言ではない。
図、2
ここでの収納棚のイメージ(図・2)は、使用頻度
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が高いと思われるB5,A4,B4,A3判のファイルをもと
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に最小限の寸法系によるモデュールで構成されてい
コ:,:,NC.コ'.
る。各判のカタログ、書籍等はファイルより小さい
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(
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ので寸法的にこの範疇にある。ここで重要なってく
一冒.
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るのは、箱同士のジョイント方法であり、とれは平
成6年度に検討する予定である。
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収納棚を設計する際に必要になると考えられる書
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籍、雑誌、ファイル、バインダー等の寸法を以下に
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示す(図3 6、表1 2)。
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30omm
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685mm
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奥行内法
330mm
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皿関連する機器および物
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0プリンター
・書籍・雑誌
0電話
・轡類
0ファクシミリ
・ファイル
0
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凶
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JJ
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- 159 -
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冒代表的なファイル寸法に対応した棚の寸法系
20
220
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20
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゛鬼.1,."「『.」『 i,.1、 JYJT'1 '、 iY^^
粂風々諺'茶抑
總鞄稀.ゞ島
之騎懲舗
鴎謡予:兆ヅν
運妬セ菩の
3U6'a90
飴ワ..尹イ子革
謡瑞紹餉鯵滋欝.款
「ノを.「^〆'.1弔.i..〆,.1、.J、 i',、.十一.,
342.5
390
465
330'465
一一一
一一一
立帥,餉弓
卓印!遡5
一
一
一﹄一
295
使加烹吾5)
3425
ノノノ〆ノノノノノノノ一ノノノプノ'ノノゞノノノー,ノノノノノノノノノノ
685mm
A紳」
歪t0卜155
鹸ン諺.Z.恕
鍍熹ブ轤罵義
鱈説魚戯
高さ内法
465
390
3425
295
220
20
幅内法330mm
図3
.ファイル、バインダーの寸法系
1, B6判、 A5判
2-1
タテ型
肪判
タテ型
3-1・ A4判
4-1・ B4判
5・1・ A3判
61・ A2判
タテ型
タテ型
タテ型
タテ型
、
2質
塁膳
3伽
念砿
3伽
ど加
'貼
1
1帥
高る5
美的
2M
635
2^
塁榔
0^
3劫:
3即
2-2 ・ B6判
ヨコ型
3-2 ・ A5判
ヨコ型
4・2 ・ B5判
5、2 ・ A4判
ヨコ型
ヨコ型
4鞍
'助
6-2 ・ B4判
ヨコ型
.....^..^^^^^.^^
2価
2帥
2駒
,帳
235
ユ等
嚢軒
3^
^
3舶
2郎
m
ネ
T
:
T:電:.電:::::::
+棚の高さ・内法゛
410
6-3 ・ A3判
ヨコ型
図4
3^
き命
4欄の奥行き・内注、
、..
'帥
160
圏バーチカルホルダー、ハンガーホルダーの寸法系
1・召6判
2 ・ A5判
ノ'ノ'ノ'コ干ν'ノ'ノ'
、、一、、、"、、
201
ノノノノ
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ノノノノノノ
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一、、、、、、
ノノノノノノノノ
1閃^、ノ、ノ、ノ゛、 1胎的ノ、ノ、ノ、ノ、
4・ M判
4・ M判
3 ・ B5判
"ノ
ノ'ノ'ノ','W、ノ'ノ'ノ'ノ'
ノノノノ
関1
図、5
398
匝本・雑誌の寸法系
3 ・ A5判
2 ・ B6判
A
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6
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A
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5帖 A
厶
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205
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325
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A ムム
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165
''''''側き'.''''
005
^
8 ・ A3判以上
フ・ B4判
6・菊倍判
5 ・ A4判
4 ・ B5判
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AAA厶Aム'A厶AAA
AA厶A厶AAA厶人AAA
A''AAハAAAA厶A
AAム'ムA厶AA厶AAA
AAム.AムムAA'AA
AAム''A厶AAAAんA
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Aム'AAム''AAムム
ム'AA'ム'AAAA厶A
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AAハAAA'AAAAA
1・ A6判
A
'
図・6
415
臣本・雑誌、ファイル・バインダー等の寸法一覧
. 4
260
伽
1邑0
260
450
635
410
2θ5
4BO
330
児
童
?101
210
260
150
185:
260:
210
180
,08:
180:
260
210
1401
195:
300
禽1 160:
2151
2301
310:
113:
,30:
^・・・
291
212
331
2釦
3鯛
292
投
本:2001
2101
マ001 2751
2901 2701
豪
華
350:
4501
3BO:
500・
4101
560:
ヨ 8
193
200:
誌
8
163
244
伯?:
1451
18 伯相
216
170!
.卑...^...
年
訂訂如印抑。
235
1息5:
1551
表、2
表、1
161
45345
330
130:
溝省!
5
4価
参
'
330
学習
6
205
5
305
伯01
6
108:
誌
学
390
芸
305
刊
7
272
"5
1息5
週
5
378
21012751 令0
楽
5
B4判
260
音
映匝
3
240
170
頓
馴一舶舶肪肪
192
3"
250
羽理
術
.
271
A4判
325
男性誌
2
B5判
T15
210
物1 12"1 1001 8
250
64
163
260
女性誌
1
143
224
115
1.5
誌
6
196
A5判
285
:2001270: 3
.・ 4,.・・・・・・・・・,・・・・4・・・・・・・・・・・
33
B6判
12345
バーチカルホルダー・ ハンガー, ルダー
115
215
雛
3
320
35
U
275
470
155
鑑! 150:?201
3
A3判ヨコ型
625
230
団
揺
1
B4判ヨコ型
225
295
7
A2判タテ型
455
260
4
財判ヨコ型
320
3 4
A3判タテ型
1 15
185
3
195
230
19012601 55
主
2
295
215
1
B5判ヨコ型
255
N%刈7
380
190
話
専門害
5
B4判タテ型
295
113
145
! 901 1661 66 1'
1251 1B51 28
2
1印
"3
300
7
.
240
280
230
総
5
A5判ヨコ型
300
210
文芸
3
315
280
230
5
162
^^^、、^、^、、^^、、、^^^
4
240
260
210
4
?901 2651
345
'
A4判タテ型
?85
IB5
6
145
?10
^
4 5
162
?
220
215
^
.フフフ
162
函焦(薙)1 2601 3401
2.
B6判ヨコ型
104
1'5
牡
政錘
.
2151 2901
325
.ー
2B5
2且0
科
5
305
"学
220
104
210
然
5
写真捺(厚)!飴0{ 3101 33
..゛........................゛...............゛..、.......,
2
B5判タテ型
:::::.、::::::::::::;::.直:曝:::::::::.直:.
245
1
2
1
2
1
2
1?一
12一
3
一2
一3
一3
一4
一4
一一
2
5一
56一
66
IBO
260
自
3
1 1601 ?151 47
^、^、、^^4^^、、^^^
辞
B6判・A5判タテ型
104
105
3
.............巨、......、..、..........^....................
文学・杵譲(単行劇 1 1401 1951 47
5傍
ファイル・バインダー
104
315
-
^^^^、、、、^、、4、、..^^、、
5
270
努客(、,)110B1 佃01 61
5
555
285
?50
N0
4
405
215
:
A3以上
104
,/100帥
5
335
?60
合
285
,急5
雛誌
学
B4判
230
息3
?
315
,95
150:
7
295
245
伯5
108:
立
5
210
本
.
A4判
菊悟判
高
6
2印
シ¥ン」レ
種類
N0
3
IB5
210
1/、1伽師
平均柵数 参孝
帳
高 1平均冊数 参者
ーー.き
155
185
即40鮎怖印郭怖惜
日5判
130
幅
高
ーーーー2224
A5判
175
12345679
B6判
110
シャンJレ
桂類
6
幅
本・雑誌
A6判
棚内法寸法
N0
高
4
幅
3
平均的寸法
゛
区牙
2 - 3
キャビネット
0
0
0
0
0
0
フロッピーディスク35インチ/'MO
=VV96mm、H97mm
0
60omm月1」イ
CD・ROM/'CD
内法265mm以上
1
=VV124mm'H142mm
317mm以上
園関連する機器および物
0プリンター
・書類等
0電話
・フロッピー類
0ファクシミリ
・ステーショナリー
0園
ここではフロッピーディスク、 MO、 CD、ROM等
........,............JJ .冒..゛.../J..J゛.J゛.゛.
を主に収納するためのキャビネットを考えている
.コユ'ノ.'.:..','.'.'.'.....'.'.'.り. H...゛.
(図・フ)。
::::
.....J........、..........
i ^.....
揮 ・.・:・.・・ ..J.J.',...,.J..J .:、:,:.:
::・.・
::ーノ.,::1:
高さ的には、 OAデスクの下にも配することがで
きる寸法とし、脇に置く場合は、プリンターや電
話、ファクシミリ等がのせるととができるよう考え
図、フ
ている。
フロッピーディスク、 MO、 CD、ROM等のための
引出しは、ラックとして使えるようにすることが効
率的であると思われる。また、フロッピー等の落下
を避けるための機能が必要であろう。
162
1
2 - 4
.関連する機器および物
1
650
ワゴン
0プリンター
・フロッピー類
0電話
・ステーショナリー
0ファクシミリ
・用紙等
作業中は何かと物が増えるものであり、基本的に
70omm
必要なものは手の届く範囲にあることが望ましい。
ここでのイメージ(図、8)は、簡単に動かすことが
でき、かつ安定性を確保するために、前方だけに
キャスターを施している。また、様々なものが収納
.
できるよう、中だなを可動式とし、少ないスペース
を有効に活用することができるよう2段式のワゴン
図、8
にしている。小さいほうのワゴンは天板にものを乗
せない場合は、中に組み込むことができる。さら
に、簡単な筆記作業ができるよう高さを650
70ommに設定するのが望ましいと考える。
2 - 5
イション
パーティシヨンについては、どのような空間に置
かれどう使われるか定かではないが、少なくとも他
者の目を避けるため、あるいは余計なものを目隠、し
するために置かれると考えられるので、高さを
図、9
150omm (平均的な目の高さの
"...'.'.'J.0
ーーーーー
ーー、^'.J^^^^ー^^^^ー^
^.:.:.:.^'.:
目.燐癌さ
.'.'.'."..'.'..J.
機能的には、平面的にも、くの
巡熱
嵳゛:
:1tド
C.:・:^
・:^
J::.
写#土
・:・
ミ:
一..
J.
:・:→・
値)に設定している(図、9)。
ξ,{・:く・
:ゞ
字型にもフレキシプルに変化させ
J"
Ξることができるようここでは考え
..........
ん・一・ー::'
::
鷲ている。
Cン
'メ'
150omm
...........
乞
・:・
R
163
¥
..
ノ::"
、^
.%:電^
・:・:・ン'
..一.
裟11
ι.
リリ一,:.リVUι
之:::工づ
J: J.゛
:.'イ゛
灘
:::#
(10)脚にアジャスタ及びキャスターを取り付け
3.nS規格
る場合は、丈夫でがたや抜けなどがなく、滑らか
ホームユースのOA家具を考えるにあたって、参
に作動すること。
考となるⅡS規格を抜粋した。
(11)組み込まれる電気機器及び配線材料は、電
3-1 木製事務用机及びテーブル(JISS I023)
気用品取締法に基づく電気用品の技術上の基準を
<構造>
定める省令に適合していること。
(1)組立て後、割れ、くるいなどの欠陥が生じ
にくい構造であること。
<製作上の寸法>
(2)各構成部材には、割れ、変形、虫食いなど
モデュール呼び寸法(表3)
著しい欠点がないこと。
(3)部材をフラッシュ構造とする場合は、ねじ
<甲板の高さ>
れ、凹凸などが生じにくい構造であること。
65011血、 670fnm、 70olnm、 720mm
(4)接着部は、はがれが生じないよう適切に接
着されていること。
<製品寸法>
(5)ねじ類、その他の金具を用いて組み立てる
表、3のモデュール呼び寸法及び甲板の高さ設計寸
場合は、結合部に緩みが生じない構造であるこ
法を定め、問口方向については、 0 、20mm、奥行
と。
方向及び高さ方向については0 ・10mmの範囲でな
(6)棚板は、使用中容易に抜け落ちない方法で
ければならない。
取り付けられていること。
(フ)扉、引出しなどの開閉は円滑で、かつ操作
<製品寸法の許容差>
が容易であること。
士2.5mm
(8)引出しは、引き出す際に容易に抜け落ちな
いようにストッパなどが取り付けられているこ
<各部の寸法>
と。
表・4及び図・10に示す寸法条件を満たしていなけ
(9)錠の作動は円滑で、確実に取り付けられて
いるとと。
ればならない。ただし、構造上必要な足掛けなど
は、下肢のための空間を著しく妨げないものとす
単位 mm
間口方向W
4ω450 6
奥行方向D
8(冷
10伽
12(冷
14(冷
16(冷
18(冷
20卯
24Ⅸ)
易吋.
口国口[ヨEコE^[ΣΣヨ区三ヨ区111三区三三三ヨ
8
8ト
ロロEヨ区ヨE^E^E区区]EI^
gM
ロロEヨ区ヨE^E^E^E^
図口EヨEヨ区ヨ区ヨE^1区1^
条呂N-
図図区ヨ仁1ヨEヨ仁1ヨE11]
図図口区区ヨ区ヨ
表3
164 -
る。
※ファイル用引出しを付ける場合は、内のり寸法
で間口方向は317mm以上、高さ方向は265mm以上
とする。
<完成品の寸法>
取手、引手など突起部分を含めた最大投影寸法と
して示す。
d2
工
二
Z:ZZ
d1
XVI
D
W2
XV
図・10
号
寸法の名称
問口方向*1
520
以上
XV2
560
以上(中心振り分けで)
d1
550 以上
h
高さ方向*3
備考
下肢のための空間の幅
XVI
2
奥行方向*2
寸法
記
下肢のための奥行
400 以上
、^、、風風風、、.五.^、.^邑、.風鳳貞、、、旦^、^^..、.^、、.'..^.A風.^^^風、、..^、^
H650,670 の場合は 590 以上
下肢のための空間の高さ
H700,720 の場合は 620 以上
(注)
'1モデュール呼び寸法W:400,450mmのものは除く。
'2モデュール呼び寸法D :450mmのものは除く。
、3床のアジャスターに対して調整する寸法は含まない。
表4
165
<材料>
主要部分に使用する材料は、表、5または、これと
同等以上の品質を持つものとする。
含水率は 15%以下で、材質は、家具本体の強度と耐久性が十分なものである
こと
なお、含水率の測定は、JISZ2102 (木材の平均年輪幅・含水率及び比重測熊
方法)に規定する方法による
木材
また、電気的測定方法によってもよい
、風、^^風.^^^風.^^^略^^'.'..、.^、..^、^、.上..、、'、、..^^.^.^.^^.^、.昌^.^、風"、^、、岡'、、'..^^、亀.^、、.'.."..^亀、.^'..^.^.'^亀'、"具^、角.^^鴫.
日本農林規格(JAS)に規定する2類以上の普通合板及び特殊合板で、 Fほた1;
合板
F2のものであること
木質材料
化粧板
金属材料
キャスタ
ガラス
、、
JIS A5906 (中質繊維板)
ⅡS A5907 (硬質繊維板)
JIS A5908 (パーティクルボード)
JISK6903 (熱硬化性樹脂化粧板)
JISG3101(一般構造用圧延鋼材)
JISG3131(熱間圧延軟鋼板及び鋼帯)
J玲G3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)
JISG4305 (冷間圧延ステンレス鋼板)
JISG4307 (冷間圧延ステンレス鋼帯)
ⅡSH4000 (アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)
ⅡSH41Ⅸ)(アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材)
JISS I038 (事務いす用キャスター)
JISR 3201 (普通板ガラス)
金属性及び合成樹脂製の附属部品などの材料は、原則として日本工業規格によることとし、そ
れ以外のものは、それぞれの機能を果たせる十分な強さをもち、かつ、接触による腐食などを
生じない材料または処理を施したものとする。
表、5
使用する材料は、人休に有害な物性をもたないものとする。
3-2 木製事務用収納家具(JIS S I024)
構造、製品寸法、製品寸法の許容差、完成品の寸
法、材料については、前述の木製事務用机及びテー
ブル(JISS I023)と同様である。
製作上の寸法としてのモデュール呼び寸法は表、6
に示す。
表、6
方向
モデュール呼び寸法
問口方向(W) 400 450 600 800 1000 1200 1400 16(刃 1800
奥行方向 ①) 200 300 400 450 600
高さ方向 (H) 400 500 600 700 800 900 1000 1200 1400 1500 1600 1700 1800 1900 2100 2200
、、゛.^.'^.^略^.^^
強度試験に関しては、木製事務用机及びテーブル
(JIS S I023)および木製事務用収納家具(JIS S
1024)参照。
166
4.おわりに
今回、一般住宅用のOA用家具アイテムについ
て、それぞれについて必要と思われる機能がより具
体的に整理することができ、設計段階における有効
な資料になると思われる。JIS規定に定められてい
る一部の寸法系や構造・強度に関しては、一般住宅
用の家具としてどこまで必要なのか今後検討してい
かなければならないが、今回整理した規定は、将
来、県内企業がオフィス用家具を製造することに
なった場合にも、どのような条件を満たす必要があ
るのか参考になると思われる。
現在のOA機器の小型軽薄化にともない、その使
われ方、 OA作業・作業環境自体変化することが予
想され、必要とされるOA用家具もそれに対応した
ものでなけれぱならない。 OA機器の動向を見なが
ら、今後具体的な家具アイテムのデザインに取り組
む必要があると考えている。
文献
1)室内(工作社)、特注書棚を設計するためのマ
ニユアル、 P2835
2) JISSI023、木製事務用机及びテーブル
3) JISSI024、木製事務用収納家具
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