2010年9月号 - 岐阜県産業技術センター

岐阜県産業技術センター
岐阜県産業技術センター
産技セnews
紙研究部
9月号 2010
○研究内容の紹介
産業技術センターでは、『地域と共に歩む産業技術センター』を目指して、様々な研究に取
り組んでいます。今回は、紙研究部で昨年度までに実施した研究課題について紹介します。
◎超微細気泡を活用した排水処理に関する研究開発
概要
現在、産業排水の処理方法として、微生物を利用する活性汚泥法が広く普及しています。し
かし、この方法は微生物の増殖を促進するためにエアレーション(曝気、通気)による大量の
酸素供給が必要であり、大型ブロアー等の常時稼働により、ランニングコストが高価となるこ
とが課題となっています。
そこで、この課題を解決するため、多孔質である超微細孔フィルム(クレーズフィルム)と
不織布セパレータで構成される超微細気泡発生装置の開発を行い、その装置から発生する超微
細気泡(マイクロバブル)を利用することにより、排水処理効率を大幅に高めて、電力コスト
を軽減させる超微細気泡発生装置の開発と排水処理システムの確立を行いました。現在も引き
続き実証試験を行っています。(経済産業省 地域イノベーション創出研究開発事業、共同研
究先(株)ナック、岐阜大学)
超微細気泡発生装置
超微細気泡(マイクロバブル)とは
超微細気泡(マイクロバブル)とは
・超微細気泡は直径50μm以下の微細な気泡
・超微細気泡は直径50μm以下の微細な気泡
・上昇速度が非常に遅い
・上昇速度が非常に遅い
・水中での滞留時間が長い
・水中での滞留時間が長い
→酸素溶解効率が非常に高い
→酸素溶解効率が非常に高い
・微生物に必要十分な酸素を供給、活性を促す
・微生物に必要十分な酸素を供給、活性を促す
技術シーズ
技術シーズ
超微細孔フィルム
超微細孔フィルム
基本特許:
基本特許:
岐阜大学、(株)ナック
岐阜大学、(株)ナック
超微細気泡
(拡大写真)
研究
研究
マイクロバブル発生システム開発
マイクロバブル発生システム開発
・フィルム
・フィルム
・不織布セパレータ
・不織布セパレータ
・超微細気泡発生装置
・超微細気泡発生装置
排水浄化システム開発
排水浄化システム開発
新規浄化システム
の確立
超微細気泡
セパレータ
本システムの特徴
・省エネルギー
(電気代 曝気法の1/2)
・高い酸素溶解性
(高濃度処理・負荷変動に強い)
・曝気不要の水処理 等
超微細孔フィルム
超微細気泡の発生メカニズム
・コンプレッサーで加圧された気体が
超微細孔フィルムを通過し超微細気
泡となり水中に放出される。
・セパレータで発生した泡をスムーズ
に分離させることでより微細気泡を
発生させる。
加圧気体
(0.3∼3.0kg/cm2)
排水処理の実証試験にご興味がある方はお問い合わせください。
お問い合わせ
お問い合わせ
岐阜県産業技術センター 紙研究部
担当:松原
〒501-3716
岐阜県美濃市前野777
TEL 0575-33-1241
FAX 0575-33-1242
産技セnews
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○落下衝撃試験について
当研究部では、落下衝撃試験機による包装用緩衝材(段ボール、発泡スチロール、発
泡ウレタンなど)、成形品(バンパー、タンク)等の緩衝特性評価試験を行っています
ので、その概要について紹介します。
なお、この試験機で取り扱う材料は、包装内容品に加わる衝撃及び振動を緩和するこ
とを主目的とする材料とし、組立てによって得られる緩衝構造物やコイルバネ及び防振
ゴムには適用しません。
適合規格は、JIS Z0235:2002「包装用緩衝材料−評価試験方法」のう
ちのシート状、ブロック状、細片状、粒状及び成形した物の緩衝特性の動的圧縮試験方
法(荷扱いによる衝撃を想定し、試験片に速い速度で圧縮加重を加える試験)です。
試験は、錘の試験片に衝突する速度が、自由落下高さ60cmからの速度を基準とし、
1分間隔で原則として連続5回の衝撃を加え、各回の最大加速度及び錘を直ちに試験片
から離した3分後の厚さを計測します。これらは試験片の加速度−静的応力曲線(緩衝
材料が衝撃を吸収する性能を示す)が描ける5点以上を選ぶように錘の質量を変えて行
います。
付属の緩衝特性解析ソフトウェアで、計測したデータから最大加速度−静的応力線図、
最大変位−静的応力線図、緩衝係数−最大応力線図、加速度・変位−時間線図、試験
データ記録表等の作成ができます。
紙製緩衝材(短冊状紙-圧縮成形体)の測定例
試験機の概要は以下のとおりです。
メーカー:吉田精機(株)(現 神栄テクノロジー(株))
型式 緩衝材用落下衝撃試験機 ACST−200
仕様:試験片寸法
最大220mm×220mm
落下重錘質量 0.9∼10kg
静的応力範囲 0.005∼0.1kgf/cm 2
加速度
最大300m/s 2
落下高さ
最大100cm
お問い合わせ
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落下衝撃試験機
紙研究部
担当:松原
〒501-3716 岐阜県美濃市前野777 TEL0575-33-1241 FAX0575-33-1242
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