メルマガ グローバル教育041号 国際バカロレア(IB)日本語 TOK 特集号

メルマガ グローバル教育041号 国際バカロレア(IB)日本語 TOK 特集号
セオリー・オブ・ナレッジ / 世界が認めた「知の理論」 日本語抜粋翻訳版
PEARSON 日本語抜粋翻訳版『セオリー・オブ・ナレッジ
世界が認めた「知の理論」
』は、小学校から大学までの教育
関係者や保護者、企業研修関係者など、幅広い読者を想定
した書籍です。英語版の第1章~第3章の翻訳と、実際に
TOK に関わる、アメリカ、日本の学校の先生方との対談を
掲載して「TOK とは何か?」をわかり易く解説します。
(編
者 後藤 健夫)
*Pearson Baccalaureate Theory of Knowledge 2/E の日
本語抜粋翻訳版です。
Sue Bastian, Julian Kitching, Ric Sims 著 / 大山智子 訳
/ 後藤健夫 編 / Pearson Japan 刊 / 本体価格(税別)
2,300 円
http://www.info-global.jp/files/magazine/041-01.jpg
国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)において核となる「Theory o
f Knowledge(TOK)
」について、小学校から大学までの教育関係者や保護者、
企業研修関係者など、幅広い読者を想定した書籍。原書である英語版『2nd Editi
on』の第1章〜第3章の翻訳と、実際にTOKに関わる、アメリカ、日本の学校の先生
方との対談を掲載し、
「TOKとは何か」を、わかりやすく解説している。
原書は、世界各国のIB校で教科書として活用されており、演習問題も含まれている。翻
訳版にも演習問題が収録され、IB校でおこなわれているTOKの授業がイメージしやす
くなるだろう。現在の日本においても、教育改革が求められるなか、
「正解のない問い」に
如何に取り組んでいくか、その授業構築のための参考書として活用できるだろう。
ピアソンジャパンより
本書は、IB を指導される教員の方はもちろん、IB を教えない教員の方や、各教育関係者、
保護者の方にも TOK のエッセンスを理解して頂くことができる内容になっています。
第2部では、Pearson Education の『Theory of Knowledge 2nd Edition』の冒頭の3章で
ある「TOK の概要」
、
「知るための方法」、
「知識の領域」を翻訳し、TOK のエッセンスを解
説しています。演習問題も翻訳・掲載することで、世界の IB 校で展開される TOK の授業
イメージをつかんで頂くことができるようになっています。第1部、第3部では、実際に
IB を海外で教えて活躍する日本人教員、国内で IB の教育に関わる先生方のインタビュー
を掲載しており、多方向から、
「TOK とは何か」を理解できる構成になっています。
【目次】
・いま、TOK が必要とされる理由
・第1部 国際標準を教えるフロンティア
対談 どこへ向かう世界の教育 IB プログラムのこれまでとこれから
津田和夫(国連国際学校) 島野雅俊(セント・ポールズ校) 聞き手
学コンサルタント)
後藤健夫(大
・第2部 セオリー・オブ・ナレッジ:TOK とは
第1章: TOK 概要
第2章: 知るための方法
第3章: 知識の領域
・第3部 「知の理論」を日本で教える
鼎談 TOK を取り入れることで、日本の高校の授業も先生も、生徒も変わる
福島浩介(関西学院千里国際中等部・高等部) ダッタ・シャミ(東京学芸大学)
藤健夫(大学コンサルタント)
後
ピアソン・ジャパン株式会社
http://www.pearson.co.jp/
立命館宇治中学校・高等学校 小澤 大心先生
「今という時代になぜ TOK が必要であるか。それを知りたければこの本と対話してみる必
要がある。
」
メディアや IT 技術の発達に伴い、その止まりを見せない社会のグローバル化。そのよう
な流れは、社会全体に対して恩恵をもたらす一方で、複雑で現代的な課題も新たに生み出
している。そして、そのような昨今の諸課題は、これまでの特定の学術分野による解決方
法では太刀打ちできず、一筋縄に解決できるものとも言えない。まさに、これまでの知識
体系を再構築する必要が今の社会には問われている。
そのような社会を担う未来の子供たちのために、私たちはこれからの教育に対してどのよ
うな期待と願いを込めなければならないのだろうか。この本では、これからの世界の教育
がどこへ向かうべきかが、グローバルに活躍する教師たちによって熱く語られている。な
ぜ今という時代に TOK を軸とした教科横断的な学びが必要なのか。時代を切り開く教育の
最前線から発せられる教師たちの言葉を丁寧に受け止めながら、TOK を学習活動にどのよ
うに落とし込んでいくのかを読者は能動的に考えさせられることだろう。
一読して思うことは、この本は TOK の科目に対する言及にとどまらず、書籍自体が教科
の枠組みを越えてホリスティックに現代的な課題と向き合っているということだ。何度も
読みながら、じっくりと今の社会を咀嚼したい仕上がりとなっている。今という世の中を
捉え直してみるきっかけには、この書籍 1 冊があれば十分であるのかもしれない。
第 1 部・第 3 部 編者 後藤健夫(Takeo GOTO)
政府は 2013 年に教育再生実行会議を立ち上げ、教育改革に乗り出しました。若者の未来
にはこれまで経験をしたことのない複雑な社会が形成されようとしているといった背景が
あります。こうした未来はこれまで経験をしたこともない課題を次から次へと提示します。
そして、これまでの日本の大学入試で問われるような「正解が唯一の問い」に、敏速に解
答を出していく能力をいくら身につけても対応できません。なぜならば未来が提示する課
題は「正解のない問い」だからです。大学入試センター試験のような解答に選択肢が用意
される問題は「正解が必ず選択肢にある問い」です。解答は深い思考を経ることはなく、
選択肢の中から犯人を探し出すようなものに過ぎません。
こうした与えられた選択肢の中から唯一の解答を見つけ出す作業を繰り返しても「正解の
ない問い」には太刀打ち出来ません。「正解のない問い」は選択肢すら自らが設定しなけれ
ばならないうえに、その選択肢が絶対的に正しいものである保証はありません。
「正解のな
い問い」に対しては、その問いの本当の問題はどこにあるのかを探し出して、その問題の
解決に向けた的確な問いを設定して、その問いから最善解を、仲間とともに協働的に、見
出していく能力が必要となります。
こうした能力を育てる方法はあります。世界が認めた「知の理論」<Theory of Knowledge
(TOK)>です。TOK は、国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)の 1 つの学
習ですが、しかし、単なる 1 つの学習ではありません。IBDP の核をなすとも言える学習
であり、すべての他の学習に派生する学習でもあるのです。
そこでは、知識を単に知識として享受するのではなく、知識をクリティカルにとらえてい
きます。教員は生徒に常に「なぜ?」と問い、生徒のその答えに対して、さらに「なぜ?」
と問います。生徒は「なぜ?」と繰り返し問われ続けることで、知識を多面的にとらえ、
知見を広げ、思考を深めていきます。そして、この問いの連鎖が、やがて問題解決への道
を開くことになります。
さて、文部科学省は次期学習指導要領を策定していますが、それに先立って文部科学大
臣が「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」を中央教育審議会に諮
問しました。その諮問で IB の教育を高く評価するとともに、
「「何を教えるか」 という知識
の質や量の改善はもちろんのこと、
「どのように学ぶか」という、学びの質や深まりを重視
することが必要」として、
「課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習(アクテ
ィブ・ラーニング)
」の必要性を説いています。そこでアクティブ・ラーニングへの関心が
一気に高まりました。このアクティブ・ラーニングには上記の定義からもわかるように、
まさに TOK が該当するのです。
ある商社の幹部が『セオリー・オブ・ナレッジ 世界が認めた「知の理論」』をダボス会
議に向かう飛行機の中で読んでくれました。
「日本人がダボス会議で精彩を欠くのは英語の
運用能力に課題があるだけではない。日本人は TOK のような思考の基礎訓練ができていな
い。ここに大きな課題がある」と感想を送ってくれました。
未来を担う若者たちが、TOK を学び、世界で大いに活躍できるようになることを祈って
います。
TOK(知の理論)を解読する 〜教科を超えた知識の探求〜 日本語翻訳版
Z会編集部 編 / 本体価格(税別) 2,200 円 / B5判 / 4
色刷り / 本体 240 ページ / ISBN:978-4-86531-099-3
http://www.info-global.jp/files/magazine/041-02.png
ホームページより
大学入試改革でも求められる「思考力・判断力・表現力」を伸ばす
TOK(Theory of Knowledge:知の理論)は、IB(国際バカロレア)のディプロマプログ
ラムにおいて中核となる学習の一つで、Critical Thinking(批判的思考)を体系的に培う
学習として広く注目されています。本書は、TOK 導入用の学生向け解説書“Decoding
Theory of Knowledge”の翻訳書です。豊富なケーススタディにより、大学入試改革でも求
められる「現行の教科・科目の枠を超えた『思考力・判断力・表現力』」を伸ばします。
実社会の状況に即した豊富な課題
各章の課題は、批判的思考力や分析力を磨くことを目的として設定されており、高校生に
もわかりやすい身近なトピックで導入を行います。Real-life situation 欄では実社会の状況
を紹介することで、学習者がより一層思考し、探究するきっかけを与えます。
プレゼンテーションやエッセイでのアウトプット
本書では、分析や研究、議論を通して、さまざまなものの見方を認識して理解します。ま
た、プレゼンテーションを上手に計画・実施したり、エッセイの質を高めるための説明や
評価基準が掲載されています。
Z会
http://www.zkai.co.jp/
はしがきより
知の理論(TOK)は、国際バカロレア・ディプロマプログラムのまさに中核であるとと
もに、生徒、教師、大学、企業が重んじる学問的な厳密さを追求するために役に立つもの
です。TOK によって学習者は、振り返りができる人、知識のある人、心を開く人、コミュ
ニケーションができる人、バランスの取れた人、考える人、探求する人、挑戦する人とい
う IB の学習者像の原則のいくつかを実践するようになります。
本書「TOK(知の理論)を解読する 〜教科を超えた知識の探求〜」は“Decoding Theory
of Knowledge”の翻訳書であり、tok に関する IB の新しい指導の手引きに合わせられた、
生徒が利用しやすいリソースです。本書は簡潔明瞭で非常に利用しやすい形式で記されて
おり、授業で使ったり自習で使ったり他の TOK の教科書と併用したりと、多目的に使うこ
とができます。利用者が過程をこなしていくことができるようにする実用ガイドとして作
られたものです、教科の内容と主旨の両方を理解したり過程の評価要件を読み解いたりす
るのに、ひいては TOK の評価課題における成績を上げるのに役立ちます。
本書は異なる知識の領域を探求するための、そしてそれらの知識の領域が依拠するさま
ざまな知るための方法を調べるためのツールを提供します。本書にちりばめられた課題は、
批判的に思考するスキルや分析スキルを磨くことを目的としたものです。このようなスキ
ルは、生徒が TOK の評価でよい成績を収めるのに役立つだけでなく、他の DP 科目の理解
をも深め、生涯にわたってかけがえのないものとなるでしょう。
立命館宇治中学校・高等学校 小澤 大心先生
「学習者向けの待望の TOK 書籍がついに発刊」
ここ最近になって、国際バカロレア関連の日本語による書籍が多く発刊されるようになっ
た。その中でも、IB ディプロマプログラムのコア科目である Theory of Knowledge(以下、
TOK)へ関心は高まりを見せている。多様に変化し続ける社会情勢を見据える上でも、子
どもたちが知識の探求を通じて物事の本質を考えることが今の教育現場で求められている。
「知識とは何か?」
「知識はどのように獲得されるのか?」「知識が私たちの世界において
どんな役割を担っているのか?」多くの教育現場で展開されてきた「唯一の答え」を追い
求めていく時代は今終わりを迎えようとしている。これからの時代は、社会における現代
的な課題に対して、多様なアプローチで「開かれた問い」に向き合う必要性がある。その
役割を期待できるのが TOK の科目である。
私たちが「知っている」とばかり思っていた知識の不確かさに気づき、物事の認識を捉え
直してみること。それを改めて見つめなおすことが、この TOK の狙いである。これまで発
刊された TOK の書籍では、その科目の理論や特性を幅広く解説したものである。
本書では、知識を探求をする上での具体的な事象を取り上げている点が特徴である。その
ことにより、抽象的な議論になりがちなものを現代の事象という文脈に落とし込むことで、
より具体的に理解できるような仕上がりとなっている。テキストの中では、知識の探求を
通じて教科横断的な学びへの有機的な仕掛けが随所にある工夫もされており、ホリスティ
ックな学びを中心に据えることが期待できる。すべての教科の中心に据えることができる
TOK の入門書として手元に置いておきたい一冊である。
ぐんま国際アカデミー(GKA) 桐生 朋文先生
本書は、国際バカロレア(IB)の中核をなす科目である科目「知の理論( Theory of
Knowledge)
」の学生向け解説書”Decoding Theory of Knowledge”の翻訳書である。
<目次>
Unit 1 知識の読解
1 知識の種類と知識に関する問い
2 正当化と証拠
3 共有された知識と個人的な知識
Unit 2 TOKにおける知識の枠組みと知るための方法の読解
4 知識の枠組みと知るための方法
5 数学的知識の枠組み
6 科学的知識の枠組み
7 ヒューマンサイエンス(人間科学)の知識の枠組み
8 歴史の知識の枠組み
9 芸術の知識の枠組み
10 倫理の知識の枠組み
11 宗教的知識の枠組み
12 土着の知識の枠組み
Unit 3 TOK評価の解読 ― TOKエッセイ
13 評価で要求されることについての理解
14 分析、つながり、比較
15 論題の展開と議論の構築
16 構成、導入部、例、結論
Unit 4 TOK評価の読解 ― TOKプレゼンテーション
17 評価で要求されることについての理解
18 実社会の状況から知識に関する問いを抽出する
19 成功するプレゼンテーションの展開
20 基本事項:デリバリと自分の考えの構成
TOKでは、従来の日本の授業のように科目についての特定の内容を学ぶのではなく、私
たちが持っている「知識」そのものについて考えることになる。「知識」とは何かを考え、
そこから「知識に関する問い」を探っていく。
本書は、生徒が課程をこなしていくための実用ガイドとして作られたということもあり、
記述は明瞭で非常に理解しやすい。実社会での状況や演習問題、そしてチャプターごとに
Task 欄も設けられており、内容を確実に咀嚼しながら読み進められるような工夫も盛り込
まれている。例えば「科学的知識の枠組み」の章では、化学や物理の内容を学ぶのではな
く、
「どの程度まで、知識が正確であることよりも知識が役に立つことのほうが重要だろう
か」
(本書P71)といった問いを、様々な角度から学生達は吟味する。こうした学習を通
じて、IBの学習者たちは批判的思考力を体系的に培うことができる。
TOKを学んでいる学生はもちろんのこと、TOKを学んでみたいと考えている全ての人
に薦めたい。教科学習だけでは身につけることの出来なかった「知識」に対する眼差しは、
高校での学習に留まらず、学習者の人生を間違いなく深みのあるものにしてくれるであろ
う。
IB Theory of Knowledge : Skills and Prectice / 知の理論 スキルと実践 日本語訳付き版
http://www.info-global.jp/files/magazine/041-03.png
著者: Sara Santrampurwala, Kosta Lekanides, Adam Rothwell, Jill Rutherford, Roz
Trudgon / 参考価格(税込): ¥5,616 / ISBN: 9780193955998 / 308 ページ
IB(国際バカロレア)ディプロマプログラムの必須教科の一つ「Theory of Knowledge」(TOK
または知の理論)用の基礎教材「Skills & Practice」
(スキルと実践)に完全日本語訳を付け
たパックです。
「批判的思考」のテキスト決定版。体系化された説明とステップごとに分けられた明解な
手順で、初めて学ぶ人にもわかるように、複合的で多分野にまたがる「批判的思考」の世
界をナビゲートします。国際バカロレア(IB)のコア学習「知の理論」
(TOK)の最新版シ
ラバスに完全準拠した実践型の解説書として、学習者が理解を深め、課題に取り組むプロ
セスを全面サポート。チャレンジに満ちた TOK 流の考え方をわかりやすく整理して、確実
な学習成果につなげます。
「オックスフォード大学出版局 国際バカロレア(IB)スキルと実践」シリーズは、国際
バカロレアの学習に必要なスキルを着実に身につけるための参考書です。
必要とされるスキル全般を強化して、具体的に試験や課題での高評価に導きます。
学習者自身が手ごたえと自信をもって実力を発揮できるよう促します。
ステップごとの学習方法で効果的に試験や課題に取り組めるようサポートします。
オックスフォード大学出版局
http://www.oupjapan.co.jp/
著者まえがき 本書のアプローチと 感謝のことば
この本の各章を担当した私たち執筆者は異なるさまざまな文化を代表しています。私たち
はそれぞれ異なる大陸に住み、異なる人生の道を歩んできました。
「知の理論」
(TOK:Theory
of Knowledge)に取り組んだ経験も、教師としての指導経験もさまざまです。それでも、
この本に著した内容が、私たちのこの多文化的な世界を十分に表しているというつもりは
ありません。私たちは、主に西洋とアジアの伝統の中で教育を受け、それがいまの私たち
を形成しています。私たちは、私たちが他の人々のちがいを理解していることを願い、そ
のようであるように努めています。同時に、私たちの個人的な経験が、いかに特定の世界
観へと結びついているかということに気づかされます。
TOK は、各教科での学びに影響を与えます。また、教科で学んだことが TOK での学びに
影響を与えます。これは、さまざまな意味で「終わりのない旅」です。この入門書の限ら
れた紙面で、すべてのものの見方や「知るための方法」、「知識の領域」を網羅することは
意図していません。TOK がどのようなものかをのぞいてみる「窓」となり、TOK の探究
をより深めるためのツールを提供することをめざしています。この本で取り上げるスキル
は、国際バカロレア(IB)のディプロマプログラムでの学習のあらゆる面で役立つもので
す。
一方で、何よりもまず TOK の課題に取り組むための指針となることを意図しました。生徒
のみなさんがこの本を通じてスキルを身につけ、TOK の課題であるエッセイ(小論文)と
プレゼンテーション(発表)に自信をもって取り組めるようになることを願っています。
この本は、アイデアや実践例を提供してくれた多くの同僚たちの寛大な協力なしに執筆す
ることはできませんでした。特に、Tom Arbuthnott、SueAustin、Michael Dunn、Nick Lee、
Karla Schmidt、Gautam Sen、Andrew Watson には、深く感謝します。
すべての遺漏および誤りはすべて表紙に名前が記載された執筆者の責任です。
日本語版訳者より―日本語版に寄せて
岡山大学 田原 誠
岡山大学は、国際バカロレア(IB)教育が我が国で広く認知される前から、これを高く評
価し、国立大学として最初にディプロマ資格修得者の書類審査入学制度を導入しました。
訳者はこの制度導入を提案し、現在は、IB 教育を大学教育と入試制度の改革に生かすべく
活動しています。TOK は多様な視点から「知識」を検討し、検証的に考える力を養う科目
です。TOK の基本である「知について考える」姿勢は、人が知的に生きていくために欠か
せないもので、IB 生だけでなく、高等教育を受ける全ての人たちに修得してもらいたいと
考えます。TOK とそのアプローチ法は我が国の教育には見られないものです。本書は、TOK
について事例を用いながら具体的な学習ガイドを示している極めて優れた TOK 入門書です。
本書を通して、より多くの方が TOK について知り、スキルを身につけ実践することを願っ
ています。
岡山大学 森岡 明美
TOK- IB Skills and Practice の本に出会った時、このように楽しく知の理論を教えてくれ
る本があることに心が踊りました。この世の中には情報があふれていますが、
「情報」を「知
識」と誤解している人がたくさんいます。「知識」というのは、本などから個人個人の頭の
中へ「移される」ものではなく、人や物と「対話を通して構築」していくものです。
「知っ
ている」ということはどういうことなのか、この本で体験してみてください。学校教育は、
人生の一部でしかありません。人生のあらゆる場面で正しい判断ができるようになるため、
効率的に即答を求めるのではなく、じっくりと考えてみませんか。
ぐんま国際アカデミー(GKA) 桐生 朋文先生
国際バカロレア(IB)の参考書として定評のある書籍を数多く出版しているオックスフ
ォード大学出版局より、IBコア科目の一つである「知の理論(Theory of Knowledge)
」
のテキストの完全日本語訳が出版された。
<目次>
第 1 章 はじめに
第 2 章 TOK用語とスキル
第 3 章 TOKスキルの活用
第 4 章 評価に向けて
第 5 章 根源的な考え
「トコポリス」―TOK攻略ゲーム
TOKは、様々な視点から私たちの持っている「知識」そのものについて考える科目であ
る。特定の内容を学ぶというよりは、知識についての考え方を学ぶ。大変ユニークで、こ
れからの社会で必要な批判的思考力を養うことに大きく資する科目であるが、初めて学ぶ
人にとっては「TOK流の思考法」を理解するのに最初は戸惑うかもしれない。
この本では、TOKを教えてきた経験豊かな教師陣によって、多数の具体的な例の紹介を
通じて、TOKの世界を読者に紹介してくれる。例えば、「豚インフルエンザが流行する兆
候があるという証拠がある。」というニュースが流れたとする。そこからTOKでは、「あ
る理論を真であるとみなすためには、科学者は、どれだけ多くの証拠を必要とするのか?」
(本書P49)といった「問い」を導きたし、探求する。もちろんこの「問い」に唯一の
正解は無い。IBの学生がTOKで学ぶのは、こうした「正解の無い問い」にアプローチ
するスキルであり、考え方であり、姿勢である。
教員、生徒のみならず、
「知の理論」に関心を持つ全ての人に是非お読みいただきたい。
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ご要望・ご不明な点があれば、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
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株式会社日教販 グローバル教育事務局
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(協力:世界で生きる教育推進支援財団)
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