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 (私の)...
Beautiful Angiola 44
昔 森の中に 年取った 木こり と
三人の孫娘たち が住んでいました.
木こり は年々働くことができなくなって
とうとう仕事ができなくなってしまいました.
どうしたらよいかと考えていた
ある日 森の中の大きな岩の上で
” あーあ 私の... ”
と 大きな ため息 をつきますと 突然 岩の後ろから 巨人 が現れて
” 何か 用事か? ”
と大声で言うのです.
とても驚いた 木こり は
” いいえ あなたを呼んだ覚えはありません. ”
と 怖がりながら答えると
” 今 (私の) と言っただろう?!!
それがオレの名前ダ.
見たところ 何か とても困っているようだが
オレにできることがあれば... 言ってみな!!
でもな ......
今は オレの妻を 先に助けてほしいんだが...
おまえの 孫娘たち は とても 良い子 だと聞いたことがある.
その娘を ここに連れて来てほしい.
そうしてくれれば お金 をやろうと思っている ...
もし その気になったら
娘を ここに連れてきて また (私の) と言ってくれ. ”
そう言って 巨人 は 木こり に五枚の金貨をわたしました.
木こり は急いで家に帰って 一番上の孫娘 に言いました.
” 森に住んでいる人が おまえに助けてほしいと言っている.
そこに 行ってはくれないだろうか?
そうすれば お金もくださるし みんな 何とか暮らしていけそうだ. ”
娘もそうしようと思って 二人は次の日 森にいっしょに行くことになりました.
森に入っていって また あの大きな岩のところで 木こり は 叫びました.
” (私の)!! ”
すると (私の) が 現れて 木こり と そばの美しい娘を見て 言いました.
” おまえ は 約束を守ってくれたな.”
そう言ってから 木こり に 金貨十枚 を渡して 娘を岩の前まで連れて行きました.
二人が岩の前に立つと その岩が開いて 中には大きな ほら穴 がありました.
ほら穴の中のいたるところに 金貨 宝石 首飾り 腕輪 金や銀の食器 ... が
所せましと置いてありました.
宝の数々を見て
” 奥様は どちらにおられるのですか? ”
と娘がたずねると
” 奥様は お ま え さ!!
オレのところには 奥様なんて いやしない.
だから おまえに奥様になってもらうのさ!!
おまえ が 私の言うとおりにすれば この ほら穴 のものは すべて おまえ のものさ. ”
と (私の) が恐ろしい声で答えたのです.
そして 娘を ほら穴 の奥の奥の 牢 まで連れて行って 言ったのです.
” ここにいる ぼろ切れ を着た 女たち を見ろ!!
どうして こんなふうに 牢 の中で暮らしているか わかるか?
それはな.....
オレの言うことを きかなかったからだ.
おまえも 同じように なりたいか?! ”
それを見て 牢 につながれないために 孫娘 は言いました.
” 私は あなたの言うとおり ここで 暮らしていくつもりです. ”
すると (私の) は 娘 をにらみつけて言いました.
” ならば あそこにある毒草を煎じてスープを作ってから
牢 の中の あの みすぼらしい娘たちに飲ませるんだ!! ”
そんなこと できやしないし したくもなかったので
帰った (私の) に ” 何もしなかった. ” と言うと 顔を真赤にして
” おまえも 今までの娘たちと同じだ.
だから 同じように 牢 に放り込んでやる!! ”
と言ってから 孫娘 を 牢 に閉じ込めてしまったのです.
(私の) は そんなことをしておいて 木こり には
” あの娘は ほんとうに良い子だ.
だから 妻 は あの子のことを まるで 自分の娘 のように 可愛がっている. ”
と言って 十五枚の金貨 を渡して 言ったのです.
” もし良ければ 真ん中の孫娘 も 妻の仕事を手伝ってほしい... ”
そこで 年とった 木こり は 家まで走って帰って 真ん中の孫娘 に言いました.
” 素晴らしい方が おまえにも 手伝いに来てほしいと言われているんだが... ”
そうしたら みんなが もっと良い暮らしができると思った 真ん中の孫娘 は
すぐに ” そうする. ” と答えました.
そこで 木こり と 真ん中の孫娘 は 森の中の大きな岩のところまで行って
そこで (私の) と叫びました.
するとすぐに (私の) が現れて 孫娘だけを連れて
岩の中の彼の宮殿の中に入って行きました.
娘は 自分のために用意された素晴らしい部屋と宝石を見せてもらったあと たずねました.
” 私の姉は どこにいるのでしょうか? ”
すると (私の) は 真ん中の孫娘 を牢まで連れて行って 彼女の姉を指さして言いました.
” おまえの姉は 私の言うことを聞かなかった.
だから こんなふうになったのさ. ”
(私の) が指さす先には ボロボロの服を着て眠っている姉と 若い娘たちがおりました.
” もし おまえ がオレ言うことを聞かなければ おまえ も あいつら と同じようになるぞ!! ”
そう言われて仕方なしに ” 必ず 言われることを守ります. ” と言うと
” ならば あそこにある毒草を煎じてスープを作って
牢 の中のみすぼらしい娘たちに飲ませておけ!! ”
と言って 出かけて行ってしまいました.
真ん中の孫娘 も そんなことはできませんでしたから
恐れながら (私の) の帰りを待っておりますと
三日たって (私の) が帰ってきて言いました.
” おまえはオレの言いつけを守らなかったな 姉と同じようになるがいい. ”
そう言って 真ん中の孫娘 も牢に押し込めてしまいました.
何日かたって また 木こり が森にやってきて (私の) を呼び出しました.
(私の) は岩を出て来て 木こり に こう言いました.
” オレの妻は あなたの孫娘たちに とても満足している.
どうか おまえの 一番下の孫娘 も オレの妻の手伝いに よこしてくれ?! ”
木こり はまた金貨をもらったので 家まで走って帰って 一番下の孫娘 に言いました.
” とても親切な あの お方 が おまえにも手伝いに来て欲しいと言っておられる.”
そこで 一番下の孫娘も手伝いに行くことに決めて 二人は森に急ぎました.
木こり と 一番下の孫娘マルッツァ は 森の中の大きな岩のところまで行って
そこで (私の) と叫びました.
するとすぐに (私の) が現れて また孫娘だけを連れて
岩の中の彼の宮殿の中に入って行きました.
娘は 自分のために用意された素晴らしい部屋と宝石を見せてもらったあと たずねました.
” 私の 姉たち は どこにいるのでしょうか? ”
すると (私の) は マルッツァ を牢まで連れて行って 姉たち を指さして言いました.
” おまえの 姉たち は 私の言うことを聞かなかった.
だから こんなふうになったんだ. ”
そう (私の) が指さす先には ボロボロの服を着て眠っている 姉たち と
若い娘たちがおりました.
” もし おまえ がオレの言うことを聞かなければ おまえ も あいつら と同じようになるぞ. ”
そう言われて仕方なしに ” 必ず 言われることを守ります. ” と言うと
” ならば あそこにある毒草を煎じてスープを作って
牢 の中のみすぼらしい娘たちに飲ませておけ!! ”
と言って 出かけて行ってしまいました.
マルッツァ には そんなことはできませんでしたから
どうすればよいか考えておりますと 突然 天井の方から声が聞こえて
” マルッツァ 心配しないで.
良く効く眠り薬を作って 飲ませればいいのよ.
そうすれば 姉さんたち は まるで死んだように見えるし
何日か経てば また目が覚めるんだから... ”
それは 死んだお 母さん の声でした.
ですから マルッツァ は声の言ったとおりに薬を作って 姉や娘たちに飲ませました.
すると みんな まるで死んだように眠ってしまったのです.
ですから 帰ってきて これを見た (私の) は満足して言いました.
” やっと私の言うことを ちゃんとする娘が現れた.
私は おまえを 私の妻にする.
よいな!! ”
マルッツァ は何も言わずに黙っておりました.
すると (私の) が続けて言いました.
” おまえは この岩の中の宮殿で 何をしてもよい.
宝石も おまえのものだ.
だが この死んだ娘たちの牢と その奥の牢の 鍵を開けたら
おまえといえども 殺してしまうほかはないぞ!! ”
そう言われて マルッツァ は奥の牢があることを初めて知りました.
そして (私の) が次の旅に出発するとすぐに 岩の宮殿の奥のまた奥を探しました.
すると 娘たちの牢のずっと奥に 小さな牢があって そこに
薄汚れた服を着た若者が入っておりました.
若者は マルッツァ の足音を聞いて目を覚まして言いました.
” お嬢さん どうぞ 私を助けて下さい.
私は この国の王子です.
私は悪魔の (私の) にだまされて ここに連れてこられたのです.
それから私は ずっとここに入れられたままなのです. ”
マルッツァ は驚いて
” 私の姉たちも牢に入れられています.
でも今は何もできそうにありませんから このまま ここで お待ちください.
きっと助けにまいります. ”
と そう言って また岩の宮殿の部屋にもどりました.
すると間もなく (私の) が帰ってきて マルッツァ を庭に誘い出して
優しく声をかけてきたのです.
そのとき マルッツァ は聞きました.
” あなたの宮殿にやってきて あなたを殺そうとする者がいたら どうしましょう? ”
それに答えて (私の) は笑いながら言いました.
” なぜそんなことを心配するのだ?
私のことを知らないからだろうが 私は不死身で死ぬことはない.
だから 心配など必要ないのだ.
まあ 弱点といえば ここにあるこのハーブだけだ.
このハーブの汁を耳に入れられたら ずっとずっと眠ったままになってしまう.
まえに召使いが オレが眠っている間に 一滴だけ耳にたらしたことがある.
そのときは その一滴だけで百年も眠ってしまったからな...
..... でも このことは誰にも話してはいけない.
ワシのたった一つの弱点だからな. ”
それから (私の) は マルッツァ の作った食事をおいしそうに食べて
ベッドで眠ってしまいました.
(私の) が深く眠ったのを確かめてから マルッツァ は大きな袋を持って庭に走って行って
ありったけのハーブを急いで摘んで 袋いっぱいにしてから 台所に帰りました.
そこで 鉢にハーブを入れて すりつぶして 汁を瓶に入れました.
ちょうど一時間たったとき ハーブは全部すりつぶされて 汁は瓶いっぱいになりました.
ですから マルッツァ はその瓶を持って ベッドのところまで行って
中の汁を ゆっくりゆっくり (私の) の耳の中に たらしていきました.
すると (私の) の顔は青くなり 息はしていましたが 身体の力が抜けたようになりまし
た.
そこで マルッツァ は そこを離れて 牢の鍵を取って 岩の奥の牢に急ぎました.
はじめに 大きな牢まで行って そこを開け 姉たち と 娘たち を外に出しました.
そして 次の小さな牢に行って 王子さま を外に出しました.
それからみんなで 岩の宮殿を出て 町まで帰って来ました.
王さま が大変喜ばれたことは言うまでもありません.
そして すぐさま 王子さま は マルッツァ に
結婚を申し込みましたから
美しい マルッツァ は素敵な 王子さま と結婚して
幸せな生活を始めました.
これで全て うまくいったのでしょうか?
それが...... 大変なことに なってしまったのです.
マルッツァ が 急いでハーブを摘んで 急いでハーブをすり潰した ものですから
純粋なハーブ汁 ではなかったのです.
ですから 千年は眠っているはずだった (私の) は
何と三年で目を覚ますことになったのです.
岩の中の宮殿に 森の風が吹き込んだとき (私の) は ほお に風を感じました.
目を覚まして起き上がると 岩の宮殿の変化に気づきました.
マルッツァ が いない.
奥の牢に行ってみると 鍵が開いて 中に誰もいない.
(私の) は怒り狂って マルッツァ を探す旅に出ました.
村をめぐり 町をめぐり とうとう マルッツァ のいる宮殿までやって来ました.
(私の) は マルッツァ をさらって帰ろうと考えました.
そこで 彼は細工師のところに行って 銀の大きな人形を作らせました.
そして その人形といっしょに オルゴールを用意して きれいな音が出るようにしたあとで
若者を探してきて 街中を オルゴールを鳴らしながら
人形を見せてまわれ と指示したのです.
その若者には たくさんの金貨が わたされました.
若者は 人形の中に (私の) が入っていることも知らずに
馬車に 人形とオルゴールを乗せて 音楽をかけながら
町のすべての通りを 流して回ったのです.
ですから 間もなく 人形のことが町中の噂になりました.
この噂を聞いた 王さま は 若者のところに使いをよこして
宮殿の中に人形を入れて そこでオルゴールを演奏するように言いました.
(私の) が思っていた通りになったということです.
そして その日の夜がやって来ました.
(私の) は人形を割って 外に出ました.
彼は 睡眠薬の液体を持って宮殿に入り まず 召使いたちの寝所に行きました.
そこで 召使いたち の耳に睡眠薬を三滴ずつたらして 彼らを深い眠りにつかせました.
次に 王 と 王妃 と 王子 と 王女 の部屋に行って
王女(マルッツァ) 以外の 他のすべての者の耳に睡眠薬を三滴ずつたらしました.
皆が皆 深い眠りについたことは 言うまでもありません.
マルッツァ を除いて みんなが眠りに入ったあとで
(私の) は彼女のところに行って 体をゆすって起こしました.
マルッツァ は (私の) を見て息を飲みました.
長い眠りに付いているはずの (私の) が そこにいたからです.
(私の) が恐ろしい声で言いました.
” おまえは オレを裏切ったな!!
おまえには 罰を与えなければならない.”
そう言って 台所に走り たくさんのケトルに油をいっぱい入れて 煮え立たせ
その一つを マルッツァ のところまで持ってきて それを彼女に ふりかけようとしました.
そのとき マルッツァ は宮殿中に響く声で 助けを求めて 走り出しました.
部屋から部屋へ 部屋から部屋へ ......
するとどうでしょう?!
宮殿中の人たちが 目を覚まし 起き上がり
そして 王 と 王妃 と 王子 までもが起き上がって
声のするところに急いだのです.
その間 マルッツァ は宮殿中を 声を上げながら逃げまわっておりましたが
まだ (私の) は彼女に追いついては いませんでした.
彼女が逃げ回っている間 王 と 王妃 と 王子 と 召使いたち は
一人に一つずつ 煮えたぎった油の入ったケトルを持って (私の) を追いました.
そして (私の) が振り返った ちょうどそのとき みんな いっせいにケトルの油を
浴びせかけたのです.
そのとたん (私の) の身体は ジュ といって 地上から消えてしまいました.
死ぬことのないはずの (私の) は どうして消えてしまったのでしょうか?
もしかすると あまりにも悪いことをしすぎたので
神さま が そうしたのかもしれません.
でも どうして 王 と 王妃 と 王子 と 召使い は すぐに目を覚ましたのでしょうか?
たぶん (私の) がとても急いでいて
うまくハーブを すりつぶせなかったからでしょう.
でもでも 良かったですねえ.
みんな助かったんですから...
みんな大変な経験をしたんですから これからは ちょっと楽しい時間が
持てることになるでしょう.
それでは みなさん さようなら......