月刊 ビジネス移民法ニュース‐2009年11月

月刊 ビジネス移民法
ニュース
2009年11月
目次
2011年度の永住ビザ抽選(DV-2011)の申請登録期間は、2009年
10月2日から11月30日まで
DV-2011 の申請登録期間は、2009年10
月2日から11月30日まで.................. 1-4
SEVIS システムについての最新情報 ... 4
DOS は、2009年11月号ビザ・ブリテンを
米国国務省(DOS)は、2011年度(2010年10月1日から2011年
9月30日まで)の永住権者の多元化ビザ抽選プログラム(the Diversity
Immigrant Visa Lottery Program, 以下 「DV-2011」という。)に関する情
報を発表した。国務省は、日本を含む、米国への移民人口の低い国の
人々に対して、年間 50,000 人分の「グリーン・カード」を発給する。
発表‐雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーの
ほとんどの分野で進展なし .................... 5
2009年10月2日から開始した DV-2011
への申請登録数が急増 ...................... 5
DHS は、不一致規則を撤回 ................ 6
この永住ビザ抽選プログラムで「グリーン・カード」を取得するためには、
一定の資格要件を満たす外国人でなければならない。抽選ビザの応募
者の中から、コンピュータが無作為に当選者を選出する。ビザ抽選によ
る「グリーン・カード」は、6つの地域のうち、米国への移民率の低い国に
対して、より多くの「グリーン・カード」が発給され、逆に、過去5年間に米
国へ 50,000 人以上の移民を送り込んだ国には、一切発給されない。そ
の6つの地域の中で、1つの国に対して発給される「グリーン・カード」の
数は、その年度の「グリーン・カード」の発給割当数の7パーセントを超え
ることはない。
派遣会社のオーナーとそのアシスタントが
不法滞在の外国人を匿い、オヘア空港へ
のアクセスを不法に提供 ................... 6
DV-2011 プログラムへの参加資格を与えられない国
以下の国々は、家族および雇用に基づく移民ビザ分類で主な移民を
送り込んでいる、または「移民率が高い」ため、DV-2011 プログラムへの
参加資格がない。
ブラジル、カナダ、中国(本土生まれ)、コロンビア、ドミニカ共和国、エ
ルサドバドル、ガテマラ、ハイチ、インド、ジャマイカ、メキシコ、パキスタ
ン、ポーランド、フィリピン、ペルー、韓国、ベトナム、英国(アングィラ島、
バーミューダ諸島、英国領バージン諸島、ケイマン諸島、フォークランド
諸島、ジブラルタル、モントセラト島、ピトカム、セント・ヘレナ島、ターク
ス・カイコス諸島を含む。ただし、北アイルランドを除く)。香港特別自治
区、マカオ特別自治区および台湾は、永住ビザ抽選の応募資格が与え
られる。(ロシアおよびコソボが DV-2011 プログラムの参加資格を与えら
れたとに注意すること。)DV-2011 プログラムへの応募資格を与えられた
国は、別表 A に記載されている通りである。(別表 A については、当事
務所の英語ウェブサイトをご参照ください。)
増田・舟井移民法関係記事の編集物は、移民法に関する最新情報をお伝えするためのものであり、法務相談に代わるものではありません。
広告とみなされる内容を含む場合もあります。
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新登録手続方法
DV-2011 プログラムへの応募はコンピュータで行うことが義務付けらている。応募期間は、2009年10月2日
正午(東部標準時)から2009年11月30日正午(東部標準時)までである。DOS は、郵送による申請書は受け付
けず、オンラインによる申請のみ受け付ける。この60日間の応募期間中に、応募者は、永住抽選ビザプログラム
のウエブサイト www.dvlottery.state.gov から応募票にアクセスし、登録することができる。本登録期間中に応募でき
るのは、1人につき1回のみである。同人物が2回以上応募した場合、その申請者は、出身国を問わず、資格を喪
失する。
DV-2011 プログラムの応募手続きは以下の通りである。
応募票
DOS は、2009年10月2日から始まる60日間の応募期間中に、応募者が、永住抽選ビザプログラムのウエブサイ
ト www.dvlottery.state.gov を通して提出した多元化永住ビザ申請登録のみを受け付ける。ただし、同人物が2回以
上申請登録した場合、提出者が誰であろうと、その申請者は資格を喪失する。
申請者は、登録に際し以下の質問に答えなければならない。
1.
申請者の氏名
2.
申請者の生年月日
3.
性別
4.
申請者の出生地 (市町村)
5.
申請書の出生地 (国名)
6.
出身国の応募資格の有無
7.
申請者の写真を添付。要領については、以下に記載する「写真の要件」に従うこと。
8.
現在の郵便の宛先
9.
現在住んでいる国名
10.
電話番号(記載自由)
11.
E-メール・アドレス(記載自由)
12.
最終学歴
13.
婚姻の有無
14.
申請者の子供(未婚で21歳未満)の人数。(適格な子供は全員記載すること。記載漏れがあった
場合、その申請者は資格を喪失し、ビザの面接時に全てのビザを却下される結果となる。)
15.
申請者の配偶者情報: 氏名、生年月日、性別、出生地(市町村)、出生国、および、以下に記載
する「写真の要件」を満たした写真。(配偶者情報を記載しないと、その申請者は資格を喪失し、
ビザの面接時に全てのビザを却下される結果となる。)
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16.
申請者の子供に関する情報: 氏名、生年月日、性別、出生地(市町村)、出生国、および以下
に記載する「写真の要件」を満たした写真。申請者の子供は全て記載すること。子供の記載漏れ
があった場合、その申請者は資格を喪失する。
17.
署名は不要。新規に電子的応募票が採用されたため、従来の応募票に要求された署名は不要
となった。
写真の要件
申請者は、申請者の配偶者および21歳以下の全ての子供(嫡出子、法的な養子および継子。ただし、すでに
米国の市民権、または永住権を取得している子供は除く)の写真を提出しないと失格となる。子供が申請者と同居
しておらず、永住ビザ抽選(DV-2011)プログラムでグリーン・カードを取得する意思がない場合でも、その子の写
真は必要である。写真は、応募票と共にコンピュータを用いて添付しなくてはならない。写真は各自別々でなけれ
ばならない(家族で一緒に撮ったもの、グループで撮ったものは不可)。従って、申請者、申請者の配偶者および
子供は、各自のデジタル写真を応募票と共に、オンラインで提出しなければならない。デジタル写真は、デジタ
ル・カメラで撮った写真、または写真をデジタル・スキャナーでスキャンしたもので、以下の要件を満たしていなけ
ればならない。
1.
写真は、ジェイペグ(JPEG)の国際規格に従ったもの。
2.
写真は、カラー写真またはグレー・スケールでなければならない。(白黒写真は、不可)
3.
新しくデジタル写真を撮る場合、解像度は、幅 600 ピクセル、高さ 600 ピクセル、色彩の濃度は、24 ビッ
トでなければならない。
4.
写真をスキャンする場合、サイズは、2インチ x 2インチ(50mm x 50mm)で解像度は、1インチに最低
150 ドット、イメージ解像度は、300 x 300 ピクセル、色彩の濃度は、24 ビットでなければならない。
5.
サイズは、最高 240 キロバイツまで受け付ける。
6.
正面写真
7.
頭は、真っ直ぐカメラを向いていること。上向き、下向き、横向きは不可
8.
顔の大きさが写真全面の 50%以上でなければならない。
9.
写真の背景は、明るい中間色であること。(かなり暗い色や柄のある背景の写真は不可)
10.
焦点の合っていない顔写真は不可
11.
サングラス、その他の顔を覆う装身具をつけた写真は不可
12.
宗教的な理由においてのみ、申請者が頭を覆うものや帽子を被った写真が認められる。ただし、顔を少
しでも覆った場合は不可
国務省(DOS)による応募処理
申請者が応募票を提出すると、国務省は、応募票の受取確認通知を電子的に申請者に送ってくる。応募資格
を満たした申請者の中から、コンピュータが無作為に当選者を選出する。当選者は、応募期間が終了した後、
2010年4月から7月までの間に、申請書に記載された住所宛に通知書が郵送され、米国の永住権取得費用等の
情報を含み、手続について詳細が知らされる。選出されなかった申請者には、通知がこない。国務省は、DV© 2009 Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd. All rights reserved.
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2011 永住ビザ抽選プログラムの応募者の中から通常約 100,000 人の当選者に通知をする。ただし、実際に「グリ
ーン・カード」が発行されるのは、その半分の 50,000 人分である。なぜなら年間の発行割当数が 50,000 人分だか
らである。このビザ抽選プログラムの当選者にグリーン・カードが発行されるのは、2010年10月1日から2011年
9月30日までであるが、発行割当分を超えた人数が当選者として登録されているので、移民ビザの取得を希望す
る当選者は、その通知を受けた後、速やかに手続を進める準備をしなければならない。
教育または職業経験
永住ビザ抽選プログラムに応募するためには、申請者は、高卒以上またはそれと同等の資格を有しているか、
過去 5 年間に、少なくとも 2 年間の訓練または経験を必要とする職業に就いた職業経験が、2 年以上なければな
らない。高卒またはそれと同等とは、米国の高卒に相当する 12 年間の初等および中等教育を受けているものと定
義される。教育または職業経験を証明する書類は、応募票と共に提出してはならないが、ビザの変更または滞在
資格変更のために領事館で面接を受けるときに、領事職または市民権移民局(USCIS)の係員に提出しなければ
ならない。職業経験の資格は、DOL の O*Net というオンライン・データベースに基づいていなければならない。
O*Net データベースは www.doleta.gov で閲覧できる。
永住ビザ抽選プログラムへの応募は無料
国務省は、毎年行われる多元化永住ビザ抽選プログラムへの応募は、無料であることを指摘した。このプログラ
ムの実施に当たり、外郭団体または民間サービスを使用しないことを強調した。申請者から直接オンラインで提出
された応募票は、応募資格を満たす限り、有償で申請を委託された代理人がオンラインで提出した申請書と同様
に、国務省のケンタッキー領事センターのコンピュータで平等に選出されるチャンスがある。ただし、申請者または
申請委託代理人が一人につき2つ以上の申請をすると、このプログラムから失格する。多元化ビザ抽選特別料金
は、抽選に「当選」し、「グリーン・カード」を発給される者が後日支払えばよい。
(別表 A については、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)
SEVIS システムについての最新情報
ICE(移民関税執行局)下の SEVP(留学生交換訪問者プログラム)は、現在の SEVIS(留学生・交換訪問者情
報制度)が2009年10月30日付けでさらに更新されるとの発表を行った。以下がその変更内容である。
1. SEVIS のサイトで20分以上使用しない状態(Inactivity)が続くと時間切れになる。
2. 本システム更新後、DSO(指定大学職員)および RO(担当官)は、本プログラム校に入学している(または以
前関係のあった)学生および交換訪問者とその扶養家族の事象履歴を確認することができるようになる。
3. 本システム更新後、75日間 SEVIS を利用していないユーザーに対して、本システムから、15日後にアカウン
トを使用不可(Inactivity)にするという趣旨の E メールが送られる。90日間 SEVIS を利用しなかったためにそ
のアカウントを使用不可(deactivated)にされた DSO は、SEVIS へのアクセスを取り戻すためにパスワードをリ
セットしてもらう必要がある。同様の機能が RO の場合にも適用される。
(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)
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DOS は、2009年11月号ビザ・ブリテンを発表-雇用に基づく移民ビザ・カテゴリーのほとんどの分野で進展なし
DOS(国務省)は、2009年11月号ビザ・ブリテンを発表した。10月号ビザ・ブリテンと同様、移民ビザ・カテゴリ
ーのほとんどの分野に変化はなかったが、これは例外であった。なぜなら、通常、10月から始まる政府の会計年
度の初頭は、大きく前進するものだからである。
以下に、2005年10月から現在までの人種別の「雇用に基づく移民ビザ・嘆願申請受付開始可能日」の一覧表
を掲載する。
2005 年 10 月 2007 年 12 月 2008 年 6 月 2009 年 8 月
2009 年 9 月 2009 年 10 月 2009 年 11 月
EB-3 世界
03/01/01
09/01/02
03/01/06
U
U
06/01/02
06/01/02
EB-2 中国
05/01/00
01/01/03
04/01/04
10/01/03
01/08/05
03/22/05
04/01/05
EB-3 中国
05/01/00
10/15/01
03/22/03
U
U
02/22/02
06/01/02
EB-2 インド
11/01/99
01/01/02
04/01/04
10/01/03
01/08/05
01/22/05
01/22/05
EB-3 インド
01/01/98
05/01/01
11/01/01
U
U
04/15/01
04/22/01
EB-3 そ の 他
10/01/00
の労働者
10/01/01
01/01/03
U
U
C
06/01/01
(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)
2009年10月2日から開始した次期会計年度の永住ビザ抽選(DV-2011)への申請登録数が急増
DOS(米国国務省)は、2011年会計年度永住ビザ抽選(DV-2011)についての最新情報を提供した。DV-2011
の申請登録期間は、2009年10月2日から2009年11月30日までだが、政府はこのプログラムにより、年間50,0
00人分の「グリーン・カード」を発給する。本件についてのさらなる情報は、当事務所のウエブサイト
http://www.masudafunai.com/showarticle.aspx?show=5349. を参照のこと。
DOS によれば、DV-2011 の申請登録が開始した最初の週に世界中から提出された申請数は900,000件を超
え、昨年の同じ時期に比べ63%も増加したとのことである。このままいくと、全登録期間中に受理する申請数は、
13,000,000件を超えるのではないかと予想される。ちなみに DV-2010 において DOS が受理した登録申請数
は、約9,000,000件だったとのことである。
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DHS は、不一致規則を撤回
2009年10月7日、DHS(米国国土安全保障省)は、2007年8月15日に公表された「不一致」規則を無効にす
る規定を発表した。不一致の手紙とは、従業員の社会保障番号(SSN)が SSA の記録と一致しない場合、社会保
障省(SSA)が雇用主宛にその旨を通知するものである。この規則は、2007年9月14日に発効したが、発効される
やいなや連邦裁判所で異議申し立てが提出された。
不一致規則は無効になったが、不一致の手紙を受取った雇用主は、その記録をチェックし、該当従業員に対し、
矛盾解決のための十分な時間を与えるなど、合理的な手続を踏まなければならないと DHS は警告した。
(本記事についての詳細は、当事務所の英語ウエブサイトをご参照ください。)
派遣会社のオーナーとそのアシスタントが不法滞在の外国人を匿い、オヘア空港へのアクセスを不法に提供
2009年10月7日、ベンゼンビルにある派遣会社である Ideal Staffing のオーナーとそのアシスタントが、経済的
利益を目的として不法滞在の外国人を匿い、オヘア空港滑走路を含む保安区域に不法にアクセスできるように手
を貸したという理由で、連邦地方裁判所の判決を受けた。オーナーのメアリー・グーリンは連邦刑務所で懲役 36
ヶ月の刑、アシスタントのベニテズは、懲役 12 ヶ月と 1 日の刑を受けた。グーリンは、2006年 2 月から2007年 11
月までの間に、少なくとも 54 人の不法滞在者を承知の上で雇用し、空港内の警備用のバッジを手に入れる手助
けをした。また警備バッジの申請用紙の情報を偽り、彼らが保安区域に立ち入り、オヘア空港で営業する商業用
航空会社などのために荷物や食事の積載業務ができるように手を貸した。不法滞在者は、メキシコ、ガテマラ、エ
ル・サドバドルからの労働者であった。移民関税執行局(ICE)は、34個の偽のバッジを回収した。
本記事及びその他の移民法について質問のある方は、エルドン・角田弁護士までご連絡ください。
E メール:ekakuda@masudafunai.com (日本語可)
また、当事務所のサービス、弁護士の説明などについて、ご質問、コメント等ございましたら、クライアント・サービ
ス部門の江口 香、または徳吉 史子 (Tel: 312.245.7500)までご連絡ください。
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移民法部門
増田・舟井法律事務所
増田・舟井法律事務所の移民法部門は、株式公開会社、非公開会
増田・舟井法律事務所は、シカゴ、シカゴ郊外(シャンバーグ)、およ
社、教育機関、非営利団体、及び個人に対し、ビジネス関連の非移民
びロサンゼルスに事務所を構え、米国で事業経営や投資を行う国際
ビザや移民ビザの申請手続を代理しています。当部門は、米国有数
企業を代理しています。当事務所に所属する45名以上の弁護士た
の規模を誇り、自動車業界、コンピューター・コンサルタント会社、工作
ちは、会社設立、買収、売却、融資、事業や施設の売却、海外から
機械、電子、運輸、建築・建設機械、銀行、金融、医療及びハイテク業
の従業員派遣、外国人従業員の採用や管理、製品の流通、販売、
界など多岐に渡る企業を代理しています。年間に取り扱うビザの申請
サービス・システムの構築など、事業のあらゆる側面からクライアント
数は2,500件以上、代理する企業も275社に上ります。
にリーガル・アドバイスを提供しています。
キャサリーン・ゲイバー
エスター・コントレラス
ブライアン 舟井
コーリン 原
エルドン 角田
デイン 河野
スティーブン・プロクター
ファズィラ・ベイド
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