VOL.37を読む - 日本ELFシステム協会

10-12
[ザ・ジェルファ]
October - December
Vol.37
JELFA 会員の皆様にお届けする最新ニュースです。 ・ JELFA2011 年度調査 カナダ花き流通調査 ......2-7P
・鈴木のり子さんのオランダ便り 4/ フロリアードインタビュー ......8P
・〈告知〉エコプロダクツ 2012 に出展 ......8P
ジェルファ コラム
これからの 10 年のために
NPO 法人日本ELFシステム協会
新理事 西宮 哲也
(有限会社 長作園 代表取締役)
あれから 12 年で ELF バケットの累計流通量が
難しいのが現状です。テレビCMや広告活動
4 千万バケットに届こうとしています。これも
を利用するだけの形態に至っていない我々が
関係各位皆様方の努力のおかげと心から感謝
消費者層を拡大していくには、花業界全体が
する次第であります。今後もこのシステムを
その意志を持って「消費者を育てる」という
この度、理事を務めさせていただくことに
維持しながら、より鮮度の高い高品質な花を
意識を持つべきだと思います。
なりました南房総で主にミモザの生産をして
市場に届けられるように日々生産業務に励み
あくまで私の個人的な見解ですが、生産者か
いる西宮と申します。任期中は精一杯やらせ
たいと思います。
らお花屋さんまでを繋ぐ ELF システムの基盤
が固まりつつありますので、今後は JELFA が
ていただきますので、どうぞ宜しくお願いい
JELFA も 10 年の節目を迎え、新たな展開を
その基盤を維持拡大しつつ、お花屋さんから
求められる時期でもあります。世界経済をは
消費者の間の流通もハード面でプロデュース
ELF システム発足時に試験運行地域として
じめ景気は低迷を続けておりますし、この先
する、花業界におけるリーディングアソシエ
南房総が選ばれて、私を含め 4 名が手を上げ
を生き残っていく為にも、ここから先の活動
―ションになれたらと考えております。
てスタートしました。新しいシステムが定着
こそが今後の花業界の行く末を大きく左右す
今後も皆様のご協力をお願い申し上げます。
するか否かと、他の人達は遠巻きにしていま
るものだと考えております。消費者層の拡大
したが、徐々に参加する生産者も増えて、すっ
というのが叫ばれておりますが、一発で利く
かりスタンダードなものになってきました。
カンフル剤は主軸の無い花業界ではなかなか
たします。
ELF バケット流通量のご報告 2012 年 10 月末現在
★月間流通量
7
総計流通量 39,877,590
(2001 年から 2012 年 10 月末まで)
10 月の流通量 264,652 個
回収への
ご協力を
お願いします!
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JELFA調査 2011 カナダ花き流通調査
JELFA の 2011 年度国内外流通調査として、2012 年 5 月、カナダの 2 市場を中心とする花き流通状況
の調査を行いました。
日 程 : 2012 年 5 月 30 日(水)~ 6 月 8 日(金)
視察地 : カナダ(バンクーバー、トロント)
目 的 : カナダの花き市場の物流・商流・消費を調査する
① カナダのセリ市場の商流調査
(どのような取引形態で行なっているか)
② カナダの卸売会社の概要
③ カナダのフローリストの概要
④ カナダの量販店での概要
調査メンバー
オンタリオ花生産者協同組合のせり場
JELFA 副会長 柏村哲徳(日本植物運輸株式会社 代表取締役)
JELFA 常務理事 米田裕史(株式会社コルヌコピア 代表取締役)
JELFA 常務理事 青山松夫(兼弥産業株式会社 代表取締役)
JELFA 常務理事 佐無田仁(株式会社フラワーオークションジャパン常務取締役)
通訳 青山一太(兼弥産業株式会社)
CANADA
ユナイテッド花生産者協同組合にて
カナダの概要
*ロシアに次いで世界で 2 番目に広大な国土をもつ国である。北アメリ
カ大陸の約 41%を占めている。 *太平洋側の西海岸沿岸部を除くと、ほぼ全域が亜寒帯・寒帯に属し非
常に寒冷な気候である。
* 2010 年のカナダの GDP は 1 兆 5636 億ドル ( 約 130 兆円 ) で
あり、世界第 9 位。20 世紀初めまで経済の主体は農業だったが、現
在では世界有数の先進工業国となった。工業は自動車産業や機械産業
が成長し、近年は IT 産業が発展してきている。
*最大の貿易相手国はアメリカで、輸出の 5 分の 4 以上、輸入の約 3
分の 2 を占める。鉱物、木材、穀物は現在も重要な輸出品だが、近年
は工業製品が中心となっている。
*人種別構成は白人 83.7%、南アジア系 4%、中国系 3.7%、黒人 2.5%、
先住民族 3.8%
*言語は英語、フランス語
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調査メンバーからの報告
カナダの花き流通
今回の調査は、カナダ西部地方のバンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)と中東部地方のトロント(オンタリオ
州)、それぞれに一つずつある花き市場を中心としたもので、生産、市場、卸売、小売と、流通全体に渡っての業者を訪問し、
現場での聞き取りなどによって行なった。なお、カナダにはもうひとつモントリオールにごく小規模な市場があるそうだが、
売上は 1,000 万円にも満たないらしいので、実質カナダの花き市場はこの二市場と言える。
カナダの花き産業はオランダからの移民によって成り立ち、事実、生産から市場まではオランダ系カナダ人が担い、販売
は移民した中国・韓国を始めとしたアジア系が担っている。
バンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州)の花き流通
バンクーバーはカナダのみならず、北米全体でも人口当たりで最も花の小売
店が多い地域で、富裕層の移民が多く生活水準も高いため、道を歩いていても
頻繁に花を売る店を見かける。高級なギフト用専門店から、ガーデンセンター、
スーパーなどの量販店、店頭の一部を花売り場にする雑貨店など、その小売形
態も多岐に渡る。また街中では至るところで美しい植栽がなされ、膨大な量の
寄せ植えハンギングなども街全体を彩っている。
バンクーバーはカナダの中でも比較的温暖な地域で、一年を通じて外で花を
販売できることも、他のカナダの地域に比べて花の消費を大きくしている要因
となっている。流通している商品は、競売を行う「ユナイテッド花き生産者協
同組合」を組織する約 150 軒 ( 内 80%はオランダ人 ) の近郊中規模生産者の
商品を中心とし、地元で生産が少ない切花などはマイアミからトラックで冷蔵
輸送される南米産などの商品で需要をまかなっている。
バンクーバー市内の街並
United
Flower Growers (ユナイテッド花生産者協同組合)花市場
ユナイテッド花生産者協同組合(以下 UFG)は、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーの隣・バーナビー市にあり、
北アメリカ最大で、最も古い花市場である。月曜、火曜、木曜の朝 6:00 からセリが始まり、約 100 人の生産者・団体
が 550 のバイヤーに 3 時間で販売をする。4 機のセリ時計が 1 時間に 4,000 件を処理し、年間を通じて 80,000 以上
のワゴンがギャラリー内を行き交う。 4.2 ヘクタールの敷地には 26 の荷受積み下ろし場所があり、16,000㎡の建物に
繋がっている。 荷受後花は全て目視でチェックされ、販売情報がスキャンされ、コンピューターシステムに入る。この情報
は後に 520 席があるセリ場での画面でお客様が確認でき、またオンラインセリで購入するお客様も確認できる情報となる。
UFG の生産者は、多くがブリティッシュコロンビア州の南西部に位置する、肥よくなフレーザーヴァレーで生産をしている。
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生産者が協同組合としての花き市場を運営しているのはオランダと同じで、これは元々この国の花の生産が、オランダか
らの移民によって始められたことから、アルスメールなどのオランダの市場流通をその範としたものと考えられる。外国人
でも 2000 万円を 3 年間政府に預けて何らかのビジネスをすると、カナダ政府から移民権が与えられるということから、手っ
取り早いビジネスとして花屋を始めるアジアからの移民が多く、バンクーバー地域の 150 件の花屋のうち 100 件がこうし
たアジア(特に中国)からの移民による店となっている。
卸会社や小売店は、地元の商品(ローカル品)を積極的に取り扱いたいという意向が強く、結果としてこのUFG経由商
品の割合を高くしている。後述するトロントの市場と比べるとこの地域の生産者は規模が小さいこともあり、自らの販路開
拓の力を持たない生産者にとって出荷販売組織としてのUFGへの依存度が高く、花き市場流通を基本とするオランダや日
本の花き流通形態に近い。
West
Van Florist Home & Garden( 小売 )
1933 年創業の老舗の花屋。北西バンクーバーの高級住宅地
にあり、汎用から高級品まで扱う。現在では切花のみならず、
鉢やガーデン用品も幅広く取り揃え、専門店ながらホームセ
ンターのような規模で販売を行っている。
Maple
Leaf Garden Centres( スーパー )
Hanamo
Florist( 小売 )
バンクーバーには 2 店舗あり、40 年の歴史を持つガーデン
日系の花屋さん。主
センター。
に業務用をターゲッ
トにしている。
Kirby
Floral Inc.( 仲卸、加工 )
花の卸として 1979 年創業。高品質の花とグリーンを世界中から、また近隣から揃えている。社内のバイヤーがユニー
クなネットワークを持っており、オーストラリア、チリ、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、オランダ、イスラエル、
イタリア、ニュージーランド、南アフリカ、アメリカから仕入れている。花屋やデザイン関連者に花を販売してる。また教
育のため、セミナーなども行っている。2010 年 2 月に Signature Floral Supply と合併した。
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Burnaby
Lake Greenhouses Ltd.( 生産 )
ダウンタウンから南東に位置するサーレー市に本社があり、生産拠点
はサーレー市、ラングレーにあります。 生産卸業で、シッパーでもある。
1955 年、小規模な家族経営から始まり、現在ではカナダ西部、アメリ
カ北西部に出荷している。生産面積はハウスで約 200 万スクエアフィー
トあり。
Garlands
Florist( 小売 )
Southland
Farm Market ( スーパー)
調査メンバーからの報告
トロント(オンタリオ州)の花き流通
トロントにも競売を行う花き市場「オンタリオ花き生産者協同組合(以下 OFG)」があり、
バンクーバーと同様、生産者が組合員の協同組合となっている。
この地域も、生産はオランダからの移民、卸売りや小売はアジアからの移民、の構図になっ
ているが、バンクーバーと大きく違うのは生産者の規模が広大で、花き市場への依存度は
決して高くない点である。近郊には 135 軒の切花園芸の生産者があり、その近郊に点在す
るいくつかの生産者(企業)は、OFG への出荷、特に競売への委託出荷はまったくしない。
そして、多品目に渡る自社製品の他に、要望があれば品揃えのために他の生産者からも仕
入れをし、自社製品に加え加工部門も持っている営業部門が、カナダはもちろんアメリカ
などへ販売する仕組みを持ち、納品する物流を完備している。この点で、この地域の花き
流通は、花き市場がないアメリカ型といえるだろう。
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OFG はこうした大規模な生産を兼業とする卸会社が競合関係になるため、
これに対抗すべく、これまでの競売委託販売中心の営業から、花束加工や分荷
業務などの物流的付加価値サービスを取り込んだ総合卸売業務への展開を目指
している。
Ontario Flower Growers Co-operative
( オンタリオ花き生産者協同組合 ) 花市場
1972 年に GM の Jouke Sypkes 氏が、トロントにほど近い Mississauga にオンタリオ花生産者協同組合を立ち上
げた。75 の会員生産者と、40 の非会員生産者が花を提供している。せりで販売される 70%が切花で、30%が鉢花。輸
入切花のシェアは 23%、残り 77%がオンタリオ州で生産された花である。セリ場にある 308 席のうち 80%は予約席で、
席を年間契約している。バイヤーは販売の 27%が卸、41%が小売の花屋(フルサービス)、26%がフルサービスでない花
販売業者、5%がガーデンセンターで、せりでの粗利は 25 億円(年)
。合計販
売ロットは 85 万ロットで、単純計算で 1 ロット約$29.50 となる。この販売
高が過去 3 年間は 12%ずつ落ちている。これはせりでの主要バイヤーである
小売業に、値引きなどをした結果である。地域の花の需要も過去数年間は落ち
気味である。しかしながらセリ以外でのビジネスがこのロスを穴埋めする形で、
毎年 3%の成長を遂げている。新しいウェブサイトにより、生産者が近く出荷
できる花を載せることができ、バイヤーが購入の幅を広げることで、良い結果
が生まれている状況。地域の花をブランド化し、消費者に伝えることも大切と
考えている。花屋にて消費者が輸入花と地域の花の違いが分かるようにするた
めに、ブランド化をして差別化している。 月曜から金曜まで毎日せりがあり、水曜日だけは 10 時から開始であるが、
それ以外は毎日 6 時から開始となる。75%はせり販売、残り 25%が予約販売
である。数年前にセリ参加者から、早い時間の開始のみではお客は集まらなく
なるぞというクレームがあり、それに応える形に変わった。火曜と木曜の 2 回
で一週間分の 2/3 の量を取り扱っている。市場は 15,000㎡、そのうち 1,700
㎡は冷蔵スペースで、4,200㎡はドライブスルーのガレージと屋内荷積の施設
となっている。
Loblaws( スーパー )
オンタリオ州、ケベック州をメインに 70 店舗をもつチェーン店で、本社はブランプト
ンにある。Loblaws(ロブロウズ)はカナダで最も大きな食品販売業者である Loblaw
Companies Limited の一部門である。カナダ西部にスーパーヴァリュー、リアルカナディ
アンスーパーストアーができる 1960 年代初めまでカナダ全土にあり、ニューヨークやペ
ンシルヴァニアなどにも進出したことがあったが、これらのアメリカの店舗は 1970 年に
ベルマーケットに買収された。
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2008 年に店舗はリノベーションされ始め、Loblaw Great
Food(正式名称)として現在のロゴになり、
今に至っている。
Maple Leaf Gardens の店舗は 2011 年 11 月 30 日にオー
プンし、シンプルに Loblaws としてプロモーションされた。
Maple Leaf Gardens には、建物の中にロブロウズとライ
アーソン大学のアスレチックスセンターが入っている。 Pink
Twig Floral Boutique( 小売 )
Westbrook
Rosaflora
その他 ( スーパー )
Floral Ltd.( 加工 )
Ltd.( 加工 )
以上、カナダ西部地区と中東部地区の花き流通についてそれぞれの違いを中心に概要を記したが、人口の約 24%はカナダ
の国外で生まれた移民一世と言われるカナダにあって、生産は「オランダ人」
、販売は中国などの「アジア人」がその中心で、
その花を身近にした豊かな生活を送る消費者は「カナダ人」
、という人種的な流通構造は、移民大国カナダの花き流通を理解
する上で、最も特徴的なことだと思う。また切り花の生産がほとんど南米に移り、国内での生産は壊滅的な状況にあるとい
われているアメリカに比べて、カナダ(特にオンタリオ州)ではまだ大量に切り花が生産されており、豊富な品揃えを武器に、
地元のみならずアメリカまでへも積極的に販売攻勢をかけていることも、実際に現場で話を聞いて初めて知ることができた。
これは、花き生産活動に必要な暖房エネルギーを、いかにもカナダらしい豊富な森林資源による木屑をその燃料とし、一部
不足するときには天然ガスを利用するという燃料事情が、カナダにおける花き生産を存続させている要因の一つと考えられ
る。
大手の生産者は自社で運送も行い、週2回米国向けの配送を行なっている。全量バケット輸送であり、15%はワンウェ
イ、85%はリターナブルで帰り便を利用している。販売先の 80%が米国で、20%がカナダ国内で、量販店をはじめとし
て 250 軒の販売先を確保している。
そしてその販売を優位にさせるために、カナダの花き生産・流通業者も花きの品質保持のためのコールド・チェーンを徹
底させていることは、昨年ロシアの花き流通調査を実施してわかった、ロシアの花がほとんどオランダからの輸入花きであ
る理由と通じるものがあった。
世界各国の花き流通状況を調査し、その実態が明らかになるほどに、コールド・チェーンを前提とした冷蔵湿式流通への
取り組みは、花の消費拡大に不可欠であることが今回の調査でもよく理解できるものであった。
The JELFA 7
Column
鈴木のり子さんのオランダ便り 4
本年はフロリアードが開催されました。こちらの日本政府出展事務局には毎回日本から研修生が派遣されており、今回 ELF シス
テム事業部のある兼弥産業株式会社・青山一太氏も派遣メンバーの一人として半年間オランダに滞在しました。フロリアード閉
会まで僅か数週間のある一日、鈴木のり子さんが青山氏を訪れ、活動内容やオランダでの様子についてを取材していただきました。
〈鈴木〉今の心境は?
〈青山〉あと少しで研修期間が終わるんだ!というなんとも言えない気持ちです。
〈鈴木〉フロリアードを通して得たものは何でしょうか?
〈青山〉人とのつながりです。今回のフロリアードには、市場、生産、販売など、日本全国から優秀な人たちが集まりました。
花業界の将来を担う若い人達と繋がれたのが、一番大きいですね。
〈鈴木〉全期間を通してフロリアード日本出展ブースに関わったわけですが、全体を通して見えてきた課題や問題点はありまし
たか?
〈青山〉はい。まずひとつは、流通時の花の品質管理に多くの課題があると思いました。日本は、定期的にフロリアード会場に
切花を輸出していましたが、その切花がコールドチェーン下で流通していなかったこと、輸出の梱包方法に大きなばら
つきがあったこと、到着時の花の状態を生産者や流通業者にフィードバックするシステムが無かったこと、前処理方法
にばらつきがあったこと、などです。最終的に流通のどの段階に問題があったか分からなかったのは、残念でした。こ
うした花輸送の問題点をデータ化するなどの作業を行っても良かったと思います。データがまとまれば、国内流通の改
善にも役立ちますし。そして、前処理や輸送方法などの情報を蓄積し、そのノウハウを生産者の皆さんに伝えられる機
関があれば良いと思いました。
このほか、定期的に変わる展示デザインの説明や情報の伝達スピードを上げるのも、次への課題だと思いました。展示
物への意識の問題なのでしょうが・・・。日本の品種力を魅せるコンテスト用植物を提供してくださった、日本の育種
家や生産者の方へのフィードバックや配慮がもう少し出来たら、と感じました。
〈鈴木〉そうですね、例えばオランダでは、切花の前処理方法や輸送方法が厳しく決められています。そのため、品質基準は一
律です。また、輸送の梱包技術に関しても、オランダの輸出業者はトラブルが最小限に抑えられるよう努力していますし、
流通工程の温度管理も徹底しています。今回のフロリアードは、日本も色々な輸送技術を試してみる良い機会だったの
かもしれません。
他に、これからの展示会運営に期待することはありますか?
〈青山〉フロリアードを通じて、一般の方へ日本の花の良さ、品種力を世界に伝えることはできたと思います。が、商業ベース
の観点から見た場合には疑問が残ったので、今後の展示会では、製品や知財の販売と流通を視野に入れた展示やアピー
ルにも取り組んで欲しいと思います。
将来的に花を外国とのビジネスにもっと繋げようと思うのならば、IPMやホルティフェアー、IFTFなど、業界の
プロが集まる展示会で定期的に商品を紹介し、年数をかけて日本の花の認知度を上げたほうが、日本の花の価値が生き
てくると思います。今後はこのような準備をしっかり行って、フロリアードのような一般向けの博覧会につなげられる
と良いのではないでしょうか。
〈鈴木〉生活面はどうでしたか?慣れない国で、ストレスも多かったのではとお察しします。オランダ人との交流もあったと思
いますが、特に気がついたことはありましたか。
〈青山〉大学からの長いアメリカ暮らしの経験から、「言いたいことは言う」 姿勢でいたので、個人的には生活ストレスはあまり
ありませんでした。ただ、海外生活を経験したことの無い研修生には負担もあるかと思い、みんなの生活ストレスを最
小限に抑えたり、健康でいられるように心を配りました。仲間と一緒に料理をし食事をしたり、夏は夜遅くまでカフェ
に出たりしました。
オランダ人とも友達になりました。過去の歴史が尾を引いて、日本人に対して壁があるのではと心配していたのですが、
付き合ってみるとそうではないことが分かりました。オランダ人は良くも悪くも人に乱されない、マイペースな人が多
いですね。カフェでは入り口に溜まったり、歩道を二人で歩く時も微妙な距離感で、後ろから抜くに抜けなかったり。
他の研修生たちも同じような印象を持っていたので、面白いと思いました。
ジャパンデーの頃に裏方の作業をしている一太氏。
日本政府屋内展示の様子。 来場者がひっきりな
しで、会期中は約 60 万人の方が訪れました。
〈鈴木〉帰ってから一番初めにしたいことは?
〈青山〉期間中に知り合った人達に会いに行きたいです。また、帰ってからすぐに IFEX があるので、そこで今までの仕事を 頑張ります。
〈鈴木〉最後に、半年間を振り返って、フロリアード参加に向けて立てた自己目標の達成点を付けるとしたら、何点でしょうか?
〈青山〉100点満点ですね。悔い無し、です!
こちらも日本政府屋内展示の様子。 ディスプ
レーは定期的に入れ替わりました。
高い志とヤル気を持ってオランダに乗り込んだ一太氏。日本社会とオランダ社会の間に立って、この半年間で経験した様々なこ
とをしっかりと自分の糧にした様子が伝わってきました。今後ますますのご活躍に期待しています。
エコプロダクツ 2012 に出展します!
「エコプロダクツ展」とは、環境技術やエコ商品を紹介する日本最大級の環境展示会です。エネルギー問題や温暖化対策など、
個人レベルでもエコロジーを重要視するようになってきている今日この頃。JELFA が推進する ELF バケットシステムは、
不要な段ボールを使用せず、環境にもやさしいエコシステムです。広く一般にこのシステムを認知していただく目的で、昨
年に続き本年も出展致します。
■日 時: 2012 年 12 月 13 日(木)~ 15 日(土)10:00 ~ 18:00(最終日は 17:00 まで)
■場 所: 東京ビッグサイト 東展示棟(JELFA のブースは N-20 です)
エコプロダクツホームページ
http://eco-pro.com/eco2012/
★☆次号 1/2 月号は、JELFA 定期研修ツアーの情報を中心にお届けします。
※回覧してください。なお、各部署や個人宛など社内の複数発送も賜ります。ご連絡ください。
JELFA のホームページ
セミナーの報告など様々な情報を公開しています。
http://www.jelfa.net
The
JELFA
8
発行:特定非営利活動法人 日本 ELF システム協会
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