HIV/AIDS専任コーディネーターナースの外来相談

The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol 8, No 1, pp 23_33, 2004
原著
HIV/AIDS 専任コーディネーターナースの
外来相談活動に関する研究
その 1
―相談所要時間とその関連要因―
Study on the Consultation Activities of HIV/AIDS Coordinator Nurses at the Outpatient Department
Part 1. Time of Activities and Related Factors
加藤尚子 1) 柴山大賀 2) 渡辺 恵 3) 福山由美 3) 池田和子 3)
大金美和 3) 伊藤将子 3) 武田謙治 3) 小林康司 2) 数間恵子 4)
Naoko Kato Taiga Shibayama Megumi Watanabe Yumi Fukuyama Kazuko Ikeda
Miwa Ogane Shoko Ito Kenji Takeda Koji Kobayashi Keiko Kazuma
Key words : HIV/AIDS, adherence to medication, support for establishment of adherence to
medication, nursing consultation for outpatients, support for continuous hospital attendance
キーワード: HIV/AIDS,服薬アドヒアランス,服薬アドヒアランス形成支援,外来看護相談
活動,外来通院継続支援
Abstract
For highly active antiretroviral therapy(HAART), the most important issue is the patients’
adherence to the medication. So, consultation by coordinator nurses(CNs)for HIV/AIDS has been
carried out at the outpatient department to support the establishment of compliance to the medication.
Here, we investigated the time needed for such consultation and its correlation with various factors at the
4 stages of HAART for each patient. HAART consists of 4 stages : Stage 1 before the introduction of
HAART, Stage 2 at the beginning of HAART, Stage 3 less than 6 months after the beginning and Stage
4 more than 6 months after the beginning. Based on the experience of nursing consultation and its
related documents, possible related factors were extracted and a total of 356 records of 220 patients who
received nursing consultation from July to November 2002 were used as the subjects of this study. The
time needed for nursing consultation was 40.9 ± 33.7 min for Stage 1, 61.8 ± 33.7 min for Stage 2,
35.7 ± 23.8 min for Stage 3 and 31.0 ± 21.2 min for Stage 4. The consultation time in Stage 2 was
significantly longer than those of other groups(p < 0.05)and it was significantly correlated with the
two factors of, “education of the patient”(p < 0.05)and “inability to talk in Japanese”(p < 0.05).
Regarding the purpose of consultation, the most closely correlated factor was the orientation for medical
consultation in Stage 1(p < 0.001), contact and adjustment in Stage 3(p < 0.01)and the orientation
on the first visit of patients referred from another facility in Stage 4(p < 0.01). Therefore, to meet with
a patient with some factors that might change the consultation time, it is recommended to secure a
sufficient time for consultation.
受付日 : 2004 年 3 月 17 日
受理日 : 2004 年 5 月 14 日
1) 東京大学医学部附属病院 The University of Tokyo Hospital
2) 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻成人看護学分野博士後期過程 Doctoral Student, Department of
Adult Nursing, Division of Health Sciences and Nursing, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
3) 国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター AIDS Clinical Center, International Medical Center of Japan
4) 東京大学大学院 医学系研究科 健康科学・看護学専攻 成人看護学/ターミナルケア看護学分野 Department of Adult
Nursing/Terminal & Long-term Care Nursing, Division of Health Sciences and Nursing, Graduate School of Medicine,
The University of Tokyo
日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004 23
要
旨
多剤併用療法(highly active antiretroviral therapy,以下 HAART)では服薬継続が最重要課題
である.服薬継続支援向上に資するために,外来での HIV/AIDS 専任コーディネーターナース
(coordinator nurse,以下 CN)の相談活動を患者の療養時期によって「HAART 導入前(時期 1)」
「HAART 導入時(時期 2)」
「HAART 導入後 6 か月未満(時期 3)」
「HAART 導入後 6 か月以上(時期
4)」の 4 期に分け,時期別の所要時間とそれぞれの関連要因について調べた.文献と CN の相談
経験をもとに関連想定要因を抽出し,2002 年 7 月〜 11 月に対応した全患者 220 名,計 356 件の
相談記録から資料を収集した.療養時期別の相談所要時間の平均と標準偏差はそれぞれ,
40.9 ± 33.7 分,61.8 ± 33.7 分,35.7 ± 23.8 分,31.0 ± 21.2 分で,「時期 2」が有意に長く(p <
0.05),これには相談目的が患者教育であること(p < 0.05),患者が日本語で会話が不可能なこ
と(p < 0.05)が関連していた.重回帰分析の結果,「時期 1」では相談目的が診察前オリエンテ
ーションであること(p < 0.001),「時期 3」では相談目的が連携・調整であること(p < 0.01),
「時期 4」では他施設からの患者の初診時オリエンテーションであること(p < 0.01)がそれぞれ,
最も関連していた.
今後,相談記録を整備し,HAART 導入時(時期 2)の対象を蓄積してより精度の高い活動実
態把握に努める必要がある.
ある 5).
Ⅰ.緒言
HAART による恩恵を維持するためには,患者は
最近のわが国でのヒト免疫不全ウイルス(human
immunodeficiency virus,以下 HIV)感染者の増加
1)
生涯を通じ,95 %以上の服薬率を維持しなければ
ならない 6)― 9).これが達成されなければ,十分な
は,保健政策上の大きな問題である.現在の HIV
治療効果が得られないだけでなく,薬剤耐性ウイ
感 染 な ら び に 後 天 性 免 疫 不 全 症 候 群( a c q u i r e d
ルスが出現し,交叉耐性によって将来の薬剤の選
immunodeficiency syndrome,以下 AIDS)
(HIV 感
択肢を減少させることにも繋がる 7).しかし,一
染と AIDS を併せ HIV/AIDS)治療の主流は,3 種類
般 に H I V 感 染 に は 自 覚 症 状 が な い 1 0 )た め に ,
以上の抗 HIV 薬を組み合わせる多剤併用療法
HAART が導入された患者は薬効による症状改善を
(highly active antiretroviral therapy,以下 HAART)
自覚できないばかりか,副作用(下痢,皮疹,嘔気
であり,1996 年に確立された.この内服継続によ
等)の出現を体調の悪化と捉え,薬効に対する信頼
り体内での HIV 増殖を長期間抑制することが可能
が低下すること 10),感染を知らせていない人の前
になり,患者の免疫レベルは以前に比べて非常に
では内服しにくいこと,HAART に伴う経済的負担
良好に保たれるようになった
2)
― 4)
.そのため,患
が大きいこと 7)10)といった,服薬継続に支障をき
者は外来通院しながら就業や就学が可能になり,
たすいくつかの問題点が指摘されている 11).80 %
HIV/AIDS のケアは従来のターミナルケアや日和
以上内服できていることを服薬のアドヒアランス
見感染症に対する急性期のケアから慢性疾患に対
良好と定義すると,Singh ら 12)は患者の 63 %がア
するケアへと変化した.この流れの中で,国立国
ドヒアランス良好,Murphy ら 13)は青少年では約
際医療センター内に設置されているエイズ治療・
41 %であったと述べている.患者がこうした
研究開発センター
(AIDS Clinical Center,以下 ACC)
HAART 継続に関する問題を克服し,高いアドヒア
に配置されている HIV/AIDS 専任コーディネータ
ランスを維持していくためには,患者をサポート
ーナース(coordinator nurse,以下 CN)の活動の中
することが必要である 10).CN は,①患者―医師関
心は,外来での患者のセルフケア支援になりつつ
係の形成支援,②インフォームドコンセントの充
24 日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004
実,③初診からの患者教育に焦点を当てて活動し
2. 資料収集方法
ており,患者のアドヒアランスを高める担い手と
文献 14)と ACC での一定の勤続経験を有する CN
して,患者や他の医療職者からも期待されてい
の外来相談経験を参考に,CN2 名と調査担当者で,
14)
.そして,ACC の CN 活動は HIV/AIDS 診療
外来での相談所要時間(以下,相談時間)との関連
を行う全国拠点病院の外来看護のモデル的位置付
が想定される要因を抽出し,それをもとに資料収
けにある.
集用紙を作成した.相談記録から資料収集用紙へ
る
CN の活動状況に関する研究には,1999 年に石
の転記作業はすべて患者の担当 CN が行い,患者
原が「感染未確認期」
「感染判明期」
「内服薬開始期」
個人を特定できる情報を一切省いたうえで取りま
「日和見感染症など発症期」
「ターミナル期」という 5
病期別にどのような看護ケアを提供しているかを
明らかにしたものがある
14)
.しかし,前述のよう
とめ役の CN を通じて調査担当者に渡し,分析に
供した.
調査期間は 2002 年 10 月から 11 月であった.
に,HAART の開発以後,HIV/AIDS のケアの場は
外来へと移行し,疾患自体も慢性疾患と捉えられ
3. 調査内容と測定方法
る現在では,この病期分類では対応できない場合
1)療養時期
があり,CN の活動実態も 1997 年の設置当初とは
石原 14)による病期の区分と HAART 開始後 4 〜 6
異なってきている.また,CN の外来患者療養相談
か月の血中ウイルス量が HARRT 効果判定材料の一
指導に関しては,2002 年,福山ら
15)
が初めて相談
つ に な る 1 1 )こ と を 参 考 に , 次 の 4 期 と し た .
所要時間の実態調査を行ったが,患者の時期が考
HAART 導入前,HAART 導入時,HAART 導入後 6
慮されておらず,活動の実態記述としては不十分
か月未満,HAART 導入後 6 か月以上で,各々「療
と考えられる.今日の治療方針に沿って CN 活動
養時期 1」
「療養時期 2」
「療養時期 3」
「療養時期 4」と
を詳細に記述することは,今後の HIV/AIDS 患者
した.なお,HAART 処方変更のある患者に関して
の支援への示唆を得るために重要である.
は初回導入時期からの期間によって「療養時期 3」あ
そこで本研究では,HAART 普及以後の
HIV/AIDS の経過を新たに,「HAART 導入前」
「HAART 導入時」
「HAART 導入後 6 か月未満」
るいは「療養時期 4」に分類した.
2)相談時間
相談時間は,相談記録に記載されている時間と
「HAART 導入後 6 か月以上」という 4 つの療養時期
し,担当 CN が 1 人の患者に対して 1 日あたり対応
で捉え直し,以下について検討することを目的と
した時間とした.本研究では受診日に患者が必要
した.
とする相談時間に着目したため,診察の前後で相
1.療養時期別に,CN の外来相談活動の実態を
相談所要時間により明らかにする.
2.療養時期別に,CN の外来相談所要時間に関
連する要因を探索する.
談が 2 回あった場合は,その合計時間とした.
3)関連が想定される要因
相談目的,患者側からの相談希望(以下,患者希
望)の有無,背景因子とした.相談目的は,石原 14)
の「CN 活動分類」を参考に以下の 6 領域とし,該当
Ⅱ.対象と方法
1. 調査対象
するものを選択した.(1)初診時の診察前オリエン
テーション:初診前の相談,(2)患者教育: HIV 感
染症と HAART の概要,日和見感染症の予防治療,
2002 年 7 月から 11 月に ACC に勤務する CN が外
検査データの見方,二次感染予防,セルフケアの
来で対応した全患者 220 名,延べ 357 件の相談記録
対処法,緊急時連絡方法に関する教育,(3)服薬支
を調査対象とした.
援:服薬に関するオリエンテーション,アセスメ
ント,スケジュール立案,シミュレーション,服
日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004 25
薬指導,フォローアップ,(4)サポート形成支援:
サポート形成,告白相手,社会資源,将来設計,
行った.有意水準は p < 0.05 とした.
相談時間の関連要因の分析には,療養時期別に,
就労支援に関する援助,支援,(5)連携・調整:院
関連を想定した 17 要因について単回帰分析を行っ
内外の医療者や担当者との連携・調整,(6)その
た.さらに,標本数の少なかった療養時期 2 を除
他:帰国支援やセカンドオピニオン希望,挙児希
く 3 つの時期別に,相談時間を目的変数,前述の
望に関する援助,精神面が一時的に不安定な状況
単回帰分析で回帰係数の有意確率が p < 0.2 であっ
への関わりなど,である.
た変数すべてを説明変数とする重回帰分析を行っ
背景因子は,性別,年齢,職業の有無,感染経
路,病期,日和見感染症,HIV/AIDS に関連しな
い併存疾患(以下,併存疾患)の有無,HAART 処方
と変更回数,病名告白相手の有無,日本語の会話
た.有意水準は p < 0.05 とし,p < 0.2 を「関連の傾
向あり」とした.
上記の解析には統計パッケージ SAS Windows 版
Version 8.2J を用いた.
が可能か否かとした.これらのうち,同一患者で
あっても相談日が異なると変化する可能性がある
ものはすべて相談直前時の状態とした.感染経路
はエイズ動向委員会の報告分類名 16)に準じ,①同
Ⅲ.結果
1. 外来相談活動の実態
性間性的接触(以下,同性間),②異性間性的接触
調査対象期間中に外来相談を受けた 220 名の背
(以下,異性間),③凝固因子製剤,④その他の 4
景は以下のとおりであった.性別は男性が多かっ
つに分類した.病期は,無症候性キャリアと AIDS
た(86.8 %).年齢の平均と標準偏差は 38.2 ± 11.6
の 2 期に分類した.日和見感染症は,なし,疑い
歳で,20 〜 40 歳代が 81.8 %を占め,職業は,ある
あり,発症の 3 段階とした.併存疾患とは,心疾
人が多かった(69.5 %).感染経路は,同性間が最
患や糖尿病,精神科受診の既往などである.病名
多で(65.9 %),次いで異性間が多かった(23.6 %).
告白相手は家族,パートナー,友人に限り,医療
病期は,無症候性キャリアが多く(70.5 %),日和
関係者,役場の職員は含めなかった.
見感染症は,未発症が最も多く(78.6 %),発症し
ていたのは 17.7 %であった.HAART は未処方の人
4. 倫理的配慮
が最も多く(42.3 %),処方変更 1 回が 28.6 %,2 回
本研究は,所属施設の部長の了解を得たうえで
が 15.0 %であった.2 回以上の変更経験者は 29.1 %
行った.データセットは前述のとおり,個人を特
で,最高 19 回であった.病名を告白している相手
定できる情報を削除したうえで厳重に管理した.
がいたのは 92.3 %,日本語の会話が不可能な人は
4.1 %であった.
5. 分析方法
表 1 に,延べ 357 件の相談について,療養時期別
療養時期ごとに,相談時間の平均,標準偏差お
の相談時間とその関連要因の分布を示した.相談
よび範囲を示し,さらに「10 分未満」
「 10 分以上 30
時間の平均と標準偏差は,「療養時期 1」で 40.9 ±
分未満」
「30 分以上 60 分未満」
「60 分以上 90 分未満」
33.7 分,
「療養時期 2」
で 61.8 ± 33.7 分,
「療養時期 3」
「90 分以上 120 分未満」
「120 分以上 150 分未満」
「150
で 35.7 ± 23.8 分,「療養時期 4」で 31.0 ± 21.2 分であ
分以上」の 7 水準に分け,頻度を記述した.なお,
った.「療養時期 1」では「10 分以上 30 分未満」
「30 分
精神科受診の既往があり,社会的背景に複数の問
以上 60 分未満」が多く,「療養時期 2」では「60 分以
題を抱えた患者への相談 1 件は,所要時間が 300 分
上 90 分未満」
が最も多く,
「療養時期 3」
「療養時期 4」
と他に比べて明らかに長かったため,以下の解析
ではともに「10 分以上 30 分未満」
「30 分以上 60 分未
からは除外した.療養時期の相違による相談時間
満」が多かった.なお,CN の違いによる相談時間
の群間差の検討には,Tukey 法による多重比較を
の偏りは認められなかった.
26 日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004
表 1 療養時期別の相談時間とその関連要因の分布 a)
N = 357
療養時期
1:HAART 導入前
2:HAART 導入時
全体
3:HAART 導入後
4:HAART 導入後
6 か月未満
6 か月以上
n = 146
n = 14
n = 38
n = 159
n = 357
n(%)
n(%)
n(%)
n(%)
n(%)
相談時間(分)
mean ± SD(range)
(分)
10 分未満
40.9 ± 33.7
61.8 ± 33.7
35.7 ± 23.8
31.0 ± 21.2
36.7 ± 28.5
(10 〜 300)
(25 〜 160)
(10 〜 120)
(10 〜 140)
(10 〜 300)
0 ( 0.0)
0 ( 0.0)
0 ( 0.0)
0 ( 0.0)
0 ( 0.0)
10 分以上 30 分未満
54 (37.0)
1 (7.1)
16 (42.1)
76 (47.8)
147 (41.2)
30 分以上 60 分未満
52 (35.6)
4 (28.6)
12 (31.6)
60 (37.7)
128 (35.9)
60 分以上 90 分未満
28 (19.2)
7 (50.0)
9 (23.7)
17 (10.7)
61 (17.1)
90 分以上 120 分未満
10 (6.8)
1 (7.1)
0 (0.0)
4 (2.5)
15 (4.2)
120 分以上 150 分未満
0 (0.0)
0 (0.0)
1 (2.6)
2 (1.3)
3 (0.8)
150 分以上
2 (1.4)
1 (7.1)
0 (0.0)
0 (0.0)
3 (0.8)
男性
129 (88.4)
13 (92.9)
37 (97.4)
128 (80.5)
307 (86.0)
女性
17 (11.6)
1 (7.1)
1 (2.6)
31 (19.5)
50 (14.0)
背景因子
性別
年齢
mean ± SD(range)
(歳)
20 歳未満
33.8 ± 9.6
37.6 ± 11.8
42.3 ± 10.5
40.9 ± 12.3
37.9 ± 11.6
(20 〜 63)
(21 〜 60)
(27 〜 61)
(22 〜 77)
(20 〜 77)
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
20 歳以上 30 歳未満
55 (37.7)
5 (35.7)
4 (10.5)
30 (18.9)
94 (26.3)
30 歳以上 40 歳未満
57 (39.0)
3 (21.4)
12 (31.6)
61 (38.4)
133 (37.3)
40 歳以上 50 歳未満
24 (16.4)
4 (28.6)
14 (36.8)
26 (16.4)
68 (19.0)
50 歳以上 60 歳未満
4 (2.7)
1 ( 7.1)
3 ( 7.9)
28 (17.6)
36 (10.1)
60 歳以上 70 歳未満
6 (4.1)
1 ( 7.1)
5 (13.2)
14 (8.8)
26 (7.3)
あり
111 (76.0)
13 (92.9)
31 (81.6)
87 (54.7)
242 (67.8)
なし
35 (24.0)
1 (7.1)
7 (18.4)
72 (45.3)
115 (32.2)
同性間性的接触
111 (76.0)
11 (78.6)
25 (65.8)
91 (57.2)
238 (66.7)
異性間性的接触
27 (18.5)
3 (21.4)
12 (31.6)
42 (26.4)
84 (23.5)
凝固因子製剤
4 (2.7)
0 (0.0)
0 (0.0)
21 (13.2)
25 (7.0)
その他
4 (2.7)
0 (0.0)
1 (2.6)
5 (3.1)
10 (2.8)
134 (91.8)
13 (92.9)
30 (78.9)
87 (54.7)
264 (73.9)
12 ( 8.2)
1 (7.1)
8 (21.1)
72 (45.3)
93 (26.1)
128 (87.7)
13 (92.9)
32 (84.2)
119 (74.8)
292 (81.8)
13 (8.9)
0 (0.0)
2 (5.3)
3 (1.9)
18 (5.0)
5 (3.4)
1 (7.1)
4 (10.5)
37 (23.3)
47 (13.2)
職業
感染経路 b)
病期 c)
AC
AIDS
日和見感染症
なし
疑いあり
発症
HIV/AIDS に関連しない併存疾患 d)
あり
50 (34.2)
4 (28.6)
11 (28.9)
63 (39.6)
128 (35.9)
なし
96 (65.8)
10 (71.4)
27 (71.1)
96 (60.4)
229 (64.1)
(つづく)
日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004 27
表 1 療養時期別の相談時間とその関連要因の分布 a)
(つづき)
N = 357
療養時期
1:HAART 導入前
2:HAART 導入時
全体
3:HAART 導入後
4:HAART 導入後
6 か月未満
6 か月以上
n = 146
n = 14
n = 38
n = 159
n = 357
n(%)
n(%)
n(%)
n(%)
n(%)
HAART の処方とその変更回数
処方なし
処方あり
140 (95.9)
4 (28.6)
1 (2.6)
14 ( 8.8)
159 (44.5)
変更なし
6 (4.1)
10 (71.4)
34 (89.5)
63 (39.6)
113 (31.7)
変更 1 回
0 (0.0)
0 (0.0)
3 (7.9)
37 (23.3)
40 (11.2)
変更 2 回
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
21 (13.2)
21 (5.9)
変更 3 回
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
12 (7.5)
12 (3.4)
変更 4 回
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
10 (6.3)
10 (2.8)
変更 5 回以上
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
2 (1.3)
2 (0.6)
あり
123 (84.2)
13 (92.9)
31 (81.6)
158 (99.4)
325 (91.0)
なし
22 (15.1)
1 (7.1)
7 (18.4)
1 (0.6)
31 (8.7)
不明
1 (0.7)
0 (0.0)
0 (0.0)
0 (0.0)
1 (0.3)
135 (92.5)
12 (85.7)
32 (84.2)
154 (96.9)
333 (93.3)
11 (7.5)
2 (14.3)
6 (15.8)
5 (3.1)
24 (6.7)
病名告白相手 e)
日本語会話
可能
不可能
患者側からの相談希望
あり
64 (43.8)
3 (21.4)
16 (42.1)
103 (64.8)
186 (52.1)
なし
80 (54.8)
11 (78.6)
22 (57.9)
55 (34.6)
168 (47.1)
不明
2 (1.4)
0 (0.0)
0 ( 0.0)
1 (0.6)
3 (0.8)
相談目的 f)
初診時診察前オリエンテーション g)
27 (18.5)
1 ( 7.1)
0 (0.0)
4 (2.5)
2 (9.0)
患者教育
77 (52.7)
3 (21.4)
4 (10.5)
29 (18.2)
113 (31.7)
服薬支援
32 (21.9)
12 (85.7)
32 (84.2)
58 (36.5)
134 (37.5)
サポート形成支援
63 (43.2)
3 (21.4)
10 (26.3)
38 (23.9)
114 (31.9)
6 (4.1)
0 ( 0.0)
4 (10.5)
33 (20.8)
43 (12.0)
19 (13.0)
0 (0.0)
4 (10.5)
30 (18.9)
53 (14.8)
連携・調整
その他
N は総相談件数,n は時期別の相談件数を示す.
a)各相談を実施した時点での背景を示す.
b)同性間性的接触には男性の同性愛者とバイセクシャルを含み,その他にはレズビアン,輸血,針刺し,不明等を含む.
c)AC とは asymptomatic carrier 無症候性キャリア,AIDS とは acquired immunodeficiency syndrome 後天性免疫不全症候群を示す.
d)HIV/AIDS に関連しない併存疾患とは心疾患,糖尿病,精神科受診の既往などのことを示す.
e)告白相手は家族,パートナー,友人に限り,医療関係者,役場の職員は含めない.
f)相談目的は無制限複数回答とし,目的とした割合を記載した.
g)療養時期 2 の 1 件は,初診後抗 HIV 療法開始,療養時期 4 の 4 件中 2 件はセカンドオピニオン希望,残り 2 件は不明であった.
全時期を通して性別は男性が多く(86.0 %),年
(13.2 %).併存疾患ありは,各時期約 30 %であっ
齢は 20 〜 40 歳代が最も多かった(82.6 %).職業は
た.病名告白相手は「療養時期 4」で最も多かった
他の時期と比較し,「療養時期 4」では「あり」が少な
(99.4 %).患者側からの相談希望は,「療養時期 2」
かった(54.7 %).凝固因子製剤による感染者は,
では少なく(21.4 %),「療養時期 4」では多かった
ほかの時期と比較して「療養時期 4」で多かった
(64.8 %).相談目的の上位 3 項目は「療養時期 1」で
28 日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004
180
160
140
120
相
談
時 100
間
︵
分 80
︶
60
40
20
0
療養時期
1 : HAART
導入前
2 : HAART
導入時
相談件数
相談時間(分)
146
39.1±25.9
14
61.8±33.7
3 : HAART
導入後
6か月未満
38
35.7±23.8
4 : HAART
導入後
6か月以上
159
30.9±21.3
*p<0.05(Tukey法による一元配置分散分析)
図 1 療養時期別相談時間の分布
は,患者教育
(52.7 %),サポート形成支援
(43.2 %),
なかった「療養時期 2」では,併存疾患があり(p <
服薬支援(21.9 %),「療養時期 2」では,服薬支援
0.05),相談目的が患者教育であり(p < 0.05),日
(85.7 %),患者教育,サポート形成支援(ともに
本語の会話が不可能である(p < 0.05)と,相談時間
21.4 %),「療養時期 3」は,服薬支援(84.2 %),サ
が長く,年齢が高く(p < 0.2),患者の相談希望が
ポート形成支援(26.3 %),患者教育,連携・調整,
ある(p < 0.2)と,長くなる傾向があった.
その他(3 項目とも 10.5 %),「療養時期 4」では,服
表 3 に,「療養時期 2」以外の 3 時期について行っ
薬支援(36.5 %),サポート形成支援(23.9 %),連
た重回帰分析の結果を示した.「療養時期 1」では,
携・調整(20.8 %)であった.「療養時期 4」にも初診
日和見感染症を発症しておらず(p < 0.05),相談目
時の診察前オリエンテーションを目的とした相談
的が初診時診察前オリエンテーション(p < 0.001)
が 4 件(2.5 %)みられたが,これは他の施設での
と患者教育(p < 0.05)であると,「療養時期 3」では,
HAART 導入患者であり,うち 2 件はセカンドオピ
日和見感染症の疑いがあり(p < 0.01),相談目的が
ニオン希望の受診であった.
連携・調整である(p < 0.01)と,「療養時期 4」では,
図 1 に,療養時期別の相談時間の多重比較を行
男性(p < 0.05)であり,相談目的が初診時診察前オ
った結果を示した.時期 1 と 2,1 と 4,2 と 3,2 と
リエンテーションである(p < 0.01)と,相談時間が
4 の間でそれぞれ有意な差(p < 0.05)がみられた.
長かった.
2. 相談時間に対する関連要因の検討
表 2 に,療養時期別の相談時間に対する関連要
因の単回帰分析結果を示した.重回帰分析を行わ
日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004 29
表 2 療養時期別の相談時間に対する関連要因の単回帰分析結果
N = 356
療養時期
1:HAART 導入前
2:HAART 導入時
n = 145
n = 14
3:HAART 導入後
4:HAAT 導入後
6 か月未満
6 か月以上
n = 38
n = 159
背景因子
性別(1 :男性
0 :女性)
− 1.31
年齢
0.15
職業(1 :あり 0 :なし)
3.19
1.92
8.58 *
21.22
1.11 †
− 30.38
− 0.13
0.18 †
0.81
− 7.16 *
感染経路 a)
同性間性的接触 b)
−
異性間性的接触
−
1.74
−
7.35
−
4.03
− 1.87
凝固因子製剤
− 1.69
.
.
その他
− 6.33
.
-3.20
− 0.70
34.23
0.83
0.58
(1 : AC 0 : AIDS)
病期 c)
6.33
0.63
日和見感染症
なし b)
−
疑いあり
−
1.16
− 16.60 †
発症
d)
−
− 0.21
43.00
HAART の処方と変更回数
− 7.14
7.75
(1 :あり 0 :なし)
病名告白相手 e)
日本語会話(1 :可能
0 :不可能)
患者側からの相談希望(1:あり 0 :なし)
− 17.03 †
− 34.23
HIV/AIDS に関連しない併存疾患 (1 :あり 0 :なし)
0.94
−
55.47 ***
.
*
− 30.38
− 10.60
− 4.84
10.59
4.09
2.23
0.79
10.44
5.98
− 8.80
− 56.25 *
− 6.15
5.10
− 1.84
31.67 †
6.42
2.66
3.46
.
相談目的
20.17 ***
初診時診察前オリエンテーション(1:あり 0 :なし)
**
9.00
服薬支援(1:あり 0 :なし)
2.51
− 0.83
3.75
− 1.71
− 15.00
16.07 †
連携・調整(1:あり 0 :なし)
その他(1:あり 0 :なし)
3.51
.
− 2.04
.
23.01
36.22 ***
†
患者教育(1:あり 0 :なし)
サポート形成支援(1:あり 0 :なし)
42.27
*
43.97 ***
− 6.32
3.70
− 2.44
4.47
4.74
− 3.42
N は総相談件数,n は時期別の相談件数を示す.
†
p < 0.2,* p < 0.05, **p < 0.01, ***p < 0.001,値はすべて偏回帰係数を示す.
a)同性間性的接触には男性同性愛者とバイセクシャルを含み,その他にはレズビアン・輸血・針刺し・不明等を含む.
b)−は reference category を示す.
c)AC ; asymptomatic carrier は無症候性キャリア,AIDS ; acquired immunodeficiency syndrome は後天性免疫不全症候群を示す.
d)HIV/AIDS に関連しない併存疾患とは心疾患,糖尿病,精神科受診の既往などのことを示す.
e)告白相手は家族,パートナー,友人に限り,医療関係者,役場の職員は含めない.
れた.本研究での相談件数は,調査対象期間の 4
Ⅳ.考察
か月で 357 件(月平均 89 件)であり,福山ら 15)が報
告した 2001 年度の ACC での CN 相談件数 864 件(月
1. 外来相談活動の実態
平均 72 件)に比べて増加していた.このことは,
本研究の対象者の年齢分布,性別,感染経路は
日本の HIV 感染者数が増加 1)している中,CN 相談
2001 年厚生労働省エイズ動向委員会 1 )の HIV/
活動の必要性が高まっていること,あるいは CN
AIDS 感染者の報告とほぼ一致しており,本研究対
の相談活動が充実してきていることを示唆する.
象者の HIV/AIDS 感染者に対する代表性が示唆さ
30 日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004
福山ら 15)は,外来相談 1 回あたりの所要時間は
表 3 療養時期別の相談時間に対する関連要因の重回帰分析結果
N = 356
療養時期
1:HAART 導入前
3:HAART 導入後
4:HAAT 導入後
6 か月未満
6 か月以上
n = 38
n = 159
n = 145
背景因子
0.16 *
性別(1 :男性 0 :女性)
年齢
職業(1 :あり
0.04
− 0.15 †
0 :なし)
日和見感染症
なし a)
−
疑いあり
−
0.37 **
0.00
発症
− 0.17
b)
HIV/AIDS に関連しない併存疾患 (1 :あり
日本語会話(1 :可能
*
− 0.18 †
0 :なし)
0 :不可能)
患者側からの相談希望(1 :あり
0 :なし)
相談目的
初診時診察前オリエンテーション(1 :あり
患者教育(1 :あり
0 :なし)
服薬支援(1 :あり
0 :なし)
サポート形成支援(1 :あり
連携・調整(1 :あり
0 :なし)
0.33 ***
0.21
**
0 :なし)
0.22 **
0.09
0.09
0.39 **
0 :なし)
決定係数
0.16
0.53
0.11
自由度調整済み決定係数
0.13
0.46
0.09
N は総相談件数,n は時期別の相談件数を示す.
†
p < 0.2,* p < 0.05, **p < 0.01, ***p < 0.001,値はすべて偏回帰係数を示す.
a)−は reference category を示す.
b)HIV/AIDS に関連しない併存疾患とは心疾患,糖尿病,精神科受診の既往などのことを示す.
平均 34 分と述べていたが,これは全療養時期を通
これは,初診時診察前オリエンテーションには綿
した平均であり,療養時期別には明らかにされて
密な情報収集とアセスメントが必要であるためと
いなかった.本研究の結果から,療養時期でみた
考えられる.さらにそのような一連の中で CN が
平均時間では「療養時期 2」が平均約 62 分で,どの
患者との関係性を構築しようとしているためであ
時期と比較しても有意に長かった.これは CN に
ることも考えられる.患者の受療行動に影響する
よる外来相談活動の主目的である,患者の自己管
要因の一つに「医療者との関係」がある 17)とされ,
理行動を高める支援が全療養時期の中でも特に
それは初診時から形成されるといわれている 10).
HAART 導入時で重要視されていることを示唆し,
初診時に信頼関係の形成を誤ると,2 度目の受診が
この時期の患者教育の必要性に裏付けられた結果
果たされるかどうかわからず,それ以降の治療計
であると考えられる.
画や生活支援が円滑に進まなくなる可能性がある.
そのため,患者との信頼関係を築き,患者が治療
2. 外来相談時間に対する関連要因について
を継続できるように働きかけることが非常に重要
療養時期 1 では,相談目的が初診時診察前オリ
であるということを CN が念頭において相談に当
エンテーションである場合は相談時間が長かった.
たっていることが推察される.相談目的が患者教
日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004 31
育である場合も相談時間は長かった.これは,患
ンを求めて初診で来院する患者に対しては,以前
者教育には疾患についての理解の促進や日常生活
の施設でどのような治療が施され,またそれを患
上の指導,二次感染予防に関する指導,今後の病
者自身がどのように捉えているかの確認が必要と
状変化や治療についての説明など,扱うべき内容
なり,それが相談時間の長さに影響していると推
が多いため
10)
と考えられる.特にこの時期は,今
察される.
後の HAART 導入に先立ち,患者自身が治療の重要
性と継続の困難さを理解し,服薬アドヒアランス
を形成していく大切な時期である 18).そのために
3. 相談活動への示唆
今回,遡及的に得た資料の分析結果ではあるが,
は,個々の患者の理解度に応じて,適切な教材を
療養時期別の相談時間の実態およびその関連要因
用い,患者が必要なセルフマネジメントを的確に
はおおむね CN の活動経験と一致するものであっ
実践できるように支援する必要がある.こうした
た.今後,各療養時期について相談時間を左右す
実践には多くの時間を要すると推察される.
る要因をもつ患者に対応する場合には,より相談
療養時期 2 では,HIV/AIDS に関連しない併存疾
患があると,相談時間が長かった.HIV/AIDS 患
の実効を上げるために十分な時間を確保して臨む
必要があろう.
者によくみられる合併疾患として,結核,精神疾
患,肝炎,糖尿病などがある 19).これらの治療に
おける薬剤の相互作用や副作用など,HAART を行
ううえで留意すべきことが多く,そのため相談時
Ⅴ.研究の限界と今後の課題
本研究では資料を過去の相談記録から収集した.
間が長くなったと考えられる.相談目的が患者教
今後,より正確に実態を記述し,相談所要時間の
育の場合も相談時間が長かった.患者教育自体は,
推定ができるように,相談記録の記載方式につい
患者の理解度に応じてどの療養時期にも行われる
てさらに検討し,整備する必要がある.
可能性があるが,導入直前という切迫した状況下
また,今回は CN の外来での相談活動の全体像
では,多様な教育内容を強化・確認することの重
を記述することを目的に,療養時期を 4 期に大別
要性が増し,さらに,患者の自立した療養行動を
したが,「HAART 導入前」には初診の患者とその後
定着させるために時間をかけた教育が必要とされ
の再診受診を繰り返している患者が混在している.
た結果,相談に多くの時間を要したと考えられる.
また「HAART 後 6 か月以上」という区分では,導入
療養時期 3 での相談時間は,日和見感染の疑い
後の時間経過に伴って患者の抱える困難が多様化
がある場合に長く,それが発症している場合に短
することを考慮していない.療養時期の区分の妥
い傾向がみられた.日和見感染が疑われると,そ
当性について,今後さらに検討を加える必要があ
の情報収集とアセスメントに時間を要すると推察
る.
されるが,明確な解釈は難しい.相談目的が連
最後に,今回の調査対象期間では HAART 導入時
携・調整である場合,相談時間は長かった.
に該当する相談件数が少なく,関連要因分析のた
HARRT 導入後 6 か月間は,内服開始に伴い日常生
めの多変量解析には不十分であった.今後,さら
活上のさまざまな困難が推測され,それへの支援
に情報を蓄積し,より精度の高い CN の活動の実
が重要になること,さらに,その支援も看護職の
態把握を行うことが課題である.
みでなく,他職種と連携して行う必要があること
を反映して相談時間が長くなったと推察される.
療養時期 4 では,相談目的が初診時診察前オリ
エンテーションであると,相談時間は長かった.
病期が進んでいるこの時期に,セカンドオピニオ
32 日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004
謝辞:本研究にご支援下さった ACC 岡慎一部長,
ACC 木村哲センター長に感謝いたします.
本論文の要旨は第 7 回日本看護管理学会(2003. 8 横
浜)で発表した.
■引用文献
1)厚生労働省,平成 13 年エイズ発生動向年報,2002
2)石原美和:慢性感染症疾患患者の看護― HIV 感染症
患者の看護,Quality Nursing,6
(12): 19―26,2000
3)Hogg RS, Health KV, Yip B, et al : Improved survival
among HIV-infected individuals following initiation of
antiretroviral therapy, JAMA 279 : 450―454, 1998
4)Palella F, Delaney K, Moormam A, et al : Declining
morbidity and mortality among patients with advanced
human immunodeficiency virus infection, N Engl J
Med 338 : 853―860, 1988
5)石原美和・渡辺恵・池田和子・他:抗 HIV 療法の服
薬支援,エイズクオリティケアガイド,第 3 節,p65,
日本看護協会出版会,2001
6)Paterson D, VA Med. Ctr, Pittsburgh, PA, and Univ.
Nebraska Med. Ctr, Omaha, NE : How much
adherence is enough. A preparative study of
adherence to protease inhibitor therapy using
MemsCaps[ Abstract92]. 6th Conference on
Retroviruses and Opportunistic Infections. Chicago, 3,
1999
7)HIV 感染症治療研究会: HIV 感染症「治療の手引き」,
第 6 版,2002
8)Carpenter C, Cooper D, Fischl M, et al : Antiretroviral
therapy in adults, Updated recommendations of the
International AIDS Society-USA Panel, Journal of the
American Medical Association 283 : 381―390, 2000
9)Montaner JS, Hogg R, Raboud J, et al : Antiretroviral
treatment in 1988, Lancet 352 : 1919―1992, 1998
10)前掲 5),pp65―71,2001
11)HIV 感染症治療研究会: HIV 感染症「治療の手引き」,
第 5 版,2001.8
12)Singh N, Squier C, Sivek C, et al : Determinants of
compliance with antiretroviral therapy in patients with
human immunodeficiency virus, Prospective
assessment with implications for enhancing
compliance, AIDS Care 8 : 261―269, 1996
13)Murphy D, Wilson C, Durako S, et al : Antiretroviral
medication adherence in the REACH HIV-infected
adolescent cohort, AIDS Care 13 : 27―40, 2001
14)石原美和: HIV/AIDS 患者への専門的看護に関する
研究,平成 11 年度 HIV 感染症の医療体制に関する研
究班(南谷班)報告書,1999
15)福山由美・伊藤将子・武田謙冶・他: HIV/AIDS 専
任看護師による外来患者療養相談・指導に関する調
査,日本エイズ学会,名古屋,2002
16)エイズ発生動向調査の概要 http://www.acc.go.jp/
mlhw/mlhw_frame.htm,平成 15 年 10 月 7 日.
17)渡辺恵・大金美和・池田和子・他: HIV/AIDS 患者
の生活の生活の質(Quality of Life),第一回調査結果
報告会,HAART 治療後の QOL 解析法の開発にする
臨床研究,平成 12 年度厚生科学研究費補助金エイズ
対策研究事業,2001
18)前掲 5),p47,2001
19)前掲 5),pp71―73,2001
日看管会誌 Vol 8, No 1, 2004 33