院内新聞「早蕨」 第81号

発 行 日 平成28年4月発行 第81号
発 行 元 社会医療法人 昴和会 内山病院 編集委員会
連 絡 先 鹿児島県阿久根市高松町22番地
TEL:0996-73-1551
FAX:0996-73-4636
Homepage http://www.uchimt.com/
E-mail
巻
頭
uchimt@uchimt.com
巻頭言・・・・P1∼2
診療一口メモ・・・P2∼3
部署紹介・・・P3
委員会活動・・・・P4
行事・・・・・P4∼5
基本理念・編集後記P6
言
社会医療法人
理事長
古郷 米次郎
少子化、超高齢化の中で縮小する日本経済、支える労働人口の減少、2025 年問題への対処で国も地
方も根本的解決策が見つからないままゆっくり時は過ぎていく。医師会の会長を引き受けて 6 年が経過
したが行政や日本医師会、鹿児島県医師会との会議に出席して感じることは今まで社会に根付き発展し
てきた医療・介護・福祉の制度維持が可能かという原初的疑問を抱く。制度を支える人材、財政が不安
定になれば医療も介護も適正なサービス提供が困難になるだけでなく、受給者の生活全般へ波及する厳
しい状態なる。皆がより高度、より濃密な恩恵を受けようとすれば一方では制度崩壊を誘発してしまう
自己矛盾のジレンマにぶつかる。その中で今進行している事態は、10 年後の医療の需要を予測してそれ
に合わせた病床数を 4 つの医療機能に分類して提供するという、地域医療構想の議論である。不必要な
ベッドは削減され、医療区分Ⅰの 70%は在宅へ、さらに医療 35%、介護 65%に配分される方向で動き
出している。
慢性期医療を見てみると出水医療圏では既存の 412 床がパターン分類で差はあるが、国の DPC,NDB
の推計ツールを使うと 110∼200 床まで減少する。ベッド数の削減でさらなる効率的医療提供体制に改
編される計画である。このような状況にあっては立ち止まって今一度我々はこの地域で何をすべきか、
何が出来るかを再考しなければならない。組織全体で取り組む訳ではあるが何よりもそれを支える人材
の養成、機能的システムの構築は継続的に取り組まなければならないが医療・介護を日々実践する現場
では不断の課題として医療安全、院内感染防止を含め多くの日常的テーマが山積している。
我々の行っている慢性期医療も新しい「地域医
療構想」の中では今までとは違った位置付け、解
釈がなされているようでそれに合わせた備えが
必要になるようだ。2013 年の社会保障制度国民
会議の議論の中で「競争から協調へ」という表現
で複数の医療法人などが参加して新たな法人を
つくる、いわゆる「地域医療連携推進法人制度」
と呼ばれるものが提唱され、医療機関相互の機能
分担及び業務連携するもので平成 28 年 9 月頃施
行を目途に検討中である。
参加する各法人は新法人の下に連なるような
形をとることになると考えられる。さらには医療
1
法人と社会福祉法人が合併ないしは密に連携する形の組織改編も近い将来現実
のものとなっていく可能性がある。我々が今まで培ってきた組織力を上手く組
み合わせ時代の変化に順応していく事が大事です。まさに時代、地域が求める
医療・介護を含めた様々なサービスを提供できる組織に発展させていく事が肝
要で、そして何よりもそのことが職員のモチベーションを上げ、一人一人の人
生を充実させることに繋がるものでなくてはなりません。皆様の御理解と御協
力をお願い申し上げます。
2 月末九州医事新報社の取材を受け3月 20 日付で発刊される新聞に小生の記
事が掲載されました。私の医師としての地域医療への考え方を語ったものです。別紙綴じ込みで収めて
あります、御笑読下さい。
診療一口メモ
神経内科
伊藤 香世子
めまいの症状として、大きく1)グルグル回転するようなめまい 2)フワフワ体が浮くような感じ
のするめまい
3)グラグラ揺れているような感じのするめまい 4)クラッとするめまい の4つに
分けられます。これらのそれぞれの原因として考えられる代表的な病気について具体的に挙げてみまし
ょう。
1)回転性めまい
自分自身や周囲がグルグル回転するように感じるめまいです。また物が左右や上下に流れるように見
えることもあるようです。
平衡感覚を調整する器官に血流障害、炎症、内耳のむくみなどが急激に生じたときに起こります。こ
れは耳の病気でも、脳の病気でも起きてきます。
〈代表的な病気〉
①メニエール病:耳鳴りや難聴を伴い、めまいの発作を繰り返します。一般的には30分から数時間続
きます。内耳を満たしている内リンパ液が増えて内耳がむくむことが原因です。内リンパ液が増える理
由としてははっきりわかっていませんが、ストレスとの関係があると考えられているようです。
②突発性難聴:急に左右どちらかの耳の聞こえが極端に悪くなります。
③前庭神経炎:激しいめまいが起こり、その後もフラツキが続きます。
④中耳炎によるめまい:昔から中耳炎があり、耳だれが時々出ます。
⑤椎骨脳底動脈循環不全:高血圧や高脂血症など動脈硬化の危険因
子がある場合に考えられます。
⑥小脳や脳幹の出血
①∼④が原因の場合が多いので、まずは耳鼻咽喉科で検査してもら
うことをお勧めします。
2)浮動性めまい
体がフワフワと宙に浮いたような感じ、船に乗っているようなあ
るいは雲の上を歩いているかのような感じ、何となく頭がフワーッ
とする感じといったような表現がなされるめまいです。実際この表
現だけでは病気は断定出来ません。不安、ストレス、過労、睡眠不
足が原因のことが多いと思われます。
2
3)動揺性めまい
頭や体がグラグラ揺れているような感じ、歩こうとするとふらついてうまく歩けないようなめまいで
す。1)の回転性めまいの原因の病気でもこのような症状になることもあります。
〈代表的な病気〉
① 回転性めまいの原因の病気の慢性期
② 薬物によるめまい
③ 聴神経腫瘍:徐々に片耳の聞こえが悪くなり、歩くとふらふらするようになります。
④ 脳幹・小脳梗塞
⑤ 脊髄小脳変性症
④⑤のことがありますので、頭部 CT か MRI 撮影をまず撮ってもらいましょう。
4)立ちくらみ
立ち上がった瞬間にクラクラッとしたり、長時間立っていて目の前が暗くなる感じのことです。
〈代表的な病気〉
①起立性調節障害:子供に多く見られます。
②起立性低血圧症
但し、もともと高血圧症や脳梗塞の既往のある方は、急に血圧が下がることで脳梗塞を起こす危険があ
りますので、要注意です。
以上、大まかにめまいに関してまとめましたが、これらのめまいの症状に半身のしびれや脱力、視野
狭窄などほかの症状もあるようなら、脳の病気が強く疑われますので、すぐに脳外科あるいは神経内科
を受診してください。
部 署 紹 介
管理課
管理課
秋野 勇一
管理課は管理課長以下、男子職員 9 名(うち寺山シルバーハウジング 2 名)、女子職員 5 名
の計 15 名のスタッフで日々の業務を行っています。
管理課の理念としては、施設・設備等を保守管理し、必要に応じて建物改修、環境整備、設備修繕等
を効率的な運用に寄与する。利用者(患者様)送迎に、万全に無事故の運用に、寄与することを掲げてい
ます。
業務の内容としては、Dr 送迎・デイケア送迎・透
析送迎・患者搬送をはじめ、設備関係の点検・修繕・
機器や備品の点検・修理、環境美化に関する院内・院
外の清掃作業、洗濯・清掃業務・寺山住宅シルバーハ
ウジングの保守管理など頑張っております。
また、昴和会の各施設におきましても建物・施設設
備の維持管理、備品等の点検・修理および環境整備に
関する作業・維持管理に取り組んでおります。
今後も送迎において安全運転に努め、設備保全・環
境保全に取り組んで行きたいと思います。
3
委 員 会 活 動
患者サービス・給食委員会
栄養士
松田 理香
患者サービス・給食委員会は患者サービスの向上の為に設けられた委員会です。
活動内容は
・ 意見投書箱の確認と改善策の検討
・ 患者満足度調査の実施(年 2 回)
・ 給食室⇔各部署の意見交換と要望の伝達
毎月、患者様・利用者様のご意見をもとに話し合い、気持ちよくご利用して頂けるよ
う、委員会を通して各部署で周知徹底し、サービスの改善に繋げていきたいと思いま
す。
行
事
栄養課
田上 えり子
栄養課
田上 えり子
じょうし
ひな祭りは上巳の節句・雑節句・桃の節句とも呼ばれています。女児
の健やかな成長を願うお祭りです。この日の病院食はちらし寿司や茶碗
蒸しを取り入れた「ひな祭りメニュー」にしました。「ひな祭り」とい
うことで患者さんには雛人形の和菓子(糖尿病の方には専用の水ようか
ん、ミキサー食の方にはひな祭りゼリー)、職員には桜餅をデザートに
付けました。ひな祭りカードをみながら嬉しそうに召し上がっている姿
がとても印象的でした。
平成 28 年度も、季節ごとに行事食を取り入れた食事が提供できるよう
に頑張っていこうと思います。
「ひな祭りメニュー」
ちらし寿司
鶏のから揚げ
茶碗蒸し
おさのすまし汁
お菓子(疾患等に合わせたもの)
毎月 1 回、4 階会議室にて健康教室を実施しています。テーマは年間を通して決めていますが、参加
者の声を優先にテーマ変更しています。
11 時頃からスタートし 30 分ほどスライドを使いながら説明をしていきます。70 代∼90 代の方が参
加して下さり、一度して好評だった「クイズ」も最近は取り入れています。今回は参加者のリクエスト
4
に答え「大豆について」をテーマにしました。やや難しい内容になりましたが、「勉強になりました」
という声を聞くことができました。
現在の参加者は 3∼4 名ほどと少ないですが、とてもアットホームな教室で、皆さん毎月楽しみにし
てくれているようです。今後も参加者の希望に答えられるよう頑張っていこうと思います。
デイケア
中山 英樹
デイケアでは、ボランティアの各団体が(歌・踊り、三味線)等で来訪があります。現在 7 団体(岩崎会、雅流雅
竹扇会、睦美会、茜会、木の花流良扇会、なかよし会、藤本政出水会)方々が定期的に来訪され利用者様、病
棟の患者様に楽しいひと時を過ごしてもらっています。
雅流
雅竹扇会
花笠音頭、ハンヤ節、さすらい慕情等 7 曲披露して下さいました。
岩崎会
歌、三味線、と 8 曲披露して下さり、民謡に合わせて利用者様も手拍子をされ楽
しんで下さいました。
茜会
きよしのズンドコ節、九段の母等を踊られ見ている方々が「元気をもらった、すごくよかった」
と喜んで下さいました。
5
基本理念
1 質の高い思いやりのある医療福祉の実現
2 地域に必要とされる医療福祉施設に育成・発展させる
基本方針
1 患者の立場に立った高齢者医療介護福祉施設の充実に積極的に寄与する
2 プライマリーケアを実践する中で、今までの実績の更なる積み重ねと時代の求めに応じた拡大を
目指す
3 人材の育成
4 経営の安定化・事業の展開
5 品質管理(危機管理・安全管理・利用者の満足度向上)
患者の権利
1 患者様は、
「平等で良質な医療を受ける権利」があります。
2 患者様は、
「選択と自己決定の権利」があります。
3 患者様は、
「個人の秘密保持・情報に関する権利」があります。
4 患者様は、
「尊厳性の権利」があります。
5 患者様は、
「安全が確保される権利」があります。
患者様の義務
1 患者様は、ご自身の健康に関する情報を提供する義務があります。
2 患者様は、病院のルールを守り、医療に参加する義務があります。
3 患者様は、他の患者様の医療を妨害しない義務があります。
4 患者様は、医療費を支払う義務があります。
編集後記
満開の桜をゆっくり鑑賞する間もなく、あっという間に花びらも散り、新緑が次から次へ
と芽を出しはじめました。
当法人も新しい仲間が 8 名加わり、新年度をスタートすることができました。今年度もま
た一年よろしくお願いします。
さて、今回早蕨第 81 号を発行することができました。ご協力くださいました皆様に感謝申
し上げます。
田上 えり子、笹原 未有、中山 英樹、石澤 朱里
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