AlGaN/GaN

エレクトロニクス先端融合研究所
国立大学法人
豊橋技術科学大学
Electronics-Inspired Interdisciplinary Research Institute
AlGaN/GaN系磁気センサ及び
走査型ホールプローブ顕微鏡の開発
小出 将太*, Abderrahmane Abdelkader*, サンドゥー アダルシュ**
*豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学専攻, **エレクトロニクス先端融合研究所 教授
高温用AlGaN/GaN系磁気センサの開発
4.0
EV
Undoped
AlGaN
spacer
n-AlGaN
2次元電子ガス層
(2DEG)
ホール効果
EF EC
Undoped GaN
Hall voltage (mV)
本研究室では、多分野に渡って利用される磁気センサの中でもホー
ル素子を中心に、様々な研究・開発を行っている。ホール素子とはホー
ル効果を利用して、外部磁界に比例したホール電圧を出力する磁気セ
ンサである。
高温用磁気センサの応用として自動車エンジン近傍や人工衛星など
の過酷な環境における使用が見込まれており高温用磁気センサの需
要が高まっている。
ホール素子の材料には主にSi,GaAs,InSbなどが使われているが、これ
らの材料はバンドギャップが小さいため200 ℃以上での動作が極めて
困難である。そのため本研究室では窒化ガリウム(GaN)を使った
AlGaN/GaNへテロ構造に着目し、高温でも動作が可能な磁気センサの
作製を行っている。
AlGaN/GaN 2DEG
AlGaAs/GaAs 2DEG
InAsSb QW(30nm)
InAsSb QW(100nm)
Fitting function y=ax+b
ID=10μ A
3.0
2.0
a=0.93
1.0
a=0.34
Sapphire
substrate
a=0.077
0.0
0.0
Fig.2 AlGaN/GaN ヘテロ接合とエネルギーバンド図
+
L
+
d
VH
VH
電極
IB

 RH IB
end
Fig.1 ホール効果
幅W、長さL、厚さd、ホール電圧VH
駆動電圧V、電流I、磁束密度B
VH
20µm
Fig.3 AlGaN/GaNヘテロ構造ホール素子
サイズ:5×5µm2
100
M. Bando, T. Ohashi, M. Dede, R. Akram, A. Oral, S. Y. Park, I. Shibasaki, H. Handa, and A. Sandhu, High sensitivity and multifunctional micro-Hall sensors fabricated
using InAlSb/InAsSb/InAlSb heterostructures, Journal of Applied Physics, 105, 07E909, (2009).
T. Yamamura, D. Nakamura and A. Sandhu, High sensitivity and quantitative magnetic field measurements at 600℃, Journal of Applied Physics, 99, 08B302 (2006).
The Supply-current-related
sensitivity (SCRS) can be
expressed as follows:
1 dVH
1
SI 

[VA1T 1 ]
I H dB
ns e
10
1
本研究の実績
II.
AlGaN/GaN 2DEG
AlGaAs/GaAs 2DEG
InAsSb QW(30nm)
InAsSb QW(100nm)
1000
I
1

 μ :電子移動度
  
 RH  
end

 ρ :電気抵抗率
V
I.
1.5
Magnetic field (kG)
ホール電圧と磁界の関係式
W
+
1.0
10000
Sensitivity (VA-1T-1)
I
0.5
Fig.4 ホール電圧の磁界特性
材料の異なる3種類のホール素子の出力比較
磁界が導体中を流れる電流に力(ローレンツ力)
を及ぼし,その両側に起電力が発生する現象
B
a=2.75
0
100
200
Temperature (℃)
300
Fig.5 磁気感度の温度特性
材料の異なる3種類のホール素子の出力比較
走査方向
 m
試料から発生する
漏れ磁界
約100nm
Sample
x-axis (mm)
T = 160 K
Fig.8 SHPMによる鉄ガーネット膜の磁区画像
x-axis (mm)
T = 300 K
Sensing area
世界最小
50nmホール素子!
磁区
Fig.6 走査型ホールプローブ顕微鏡の磁区観測原理
磁性材料の表面漏れ磁界を走査・観測
y-axis (mm)
y-axis (mm)
T = 77 K
圧電素子
チューブ
Hall probe
x-axis (mm)
50nm
nano-Hall
probe
セラミックホルダー
y-axis (mm)
磁界可視化を目的とした走査型ホールプローブ顕微鏡(SHPM)
近年、磁性材料を用いた技術が急速に発展しており、磁性材料の観察、評価は重要な課題と
なっている。本研究室では、これまでに磁性材料を観察するために、ホール素子を用いた磁気顕
微鏡である走査型ホールプローブ顕微鏡(SHPM)を開発し、低温から室温における磁性材料の磁
界の可視化を実現した。
現在、ハイブリッド自動車の普及や宇宙開発の促進により、磁性材料が過酷な環境で使用され
ることが増加し、高温下での磁性材料の観察や磁化特性の評価が求められている。そこで本研究
では、高温における磁性材料の局所的な磁界分布を可視化する技術として高温用走査型ホール
プローブ顕微鏡(HT-SHPM)の開発を目指している。
I
I
VH
Fig.7 SHPM用ナノホールプローブ(左上)
高温SHPM用1μmホール素子(右下)
本研究の実績
I.
II.
T. Ohashi, H. Osawa, A. Sandhu, Contact Mode Scanning Hall Probe Microscopy, IEEE Transactions on Magnetics, 44, 3252, (2008).
Z. Primadani, H. Osawa , A. Sandhu, High temperature scanning Hall probe microscopy (HT-SHPM) using AlGaN/GaN 2DEG micro-Hall probes, Journal of Applied
Physics, 101, 09K105, (2007).
豊橋技術科学大学
エレクトロニクス先端融合研究所
〒441-8580 愛知県豊橋市天伯町雲雀ヶ丘1-1
Sandhu研究室 連絡先
E-mail : sandhu@eiiris.tut.ac.jp
HP URL : http://www.sandhu_lab.eiiris.tut.ac.jp/
400
Fig.9 SHPMによる表面漏れ磁界
フジツボ型の磁界強度分布