北陸心理学会第 48 回大会 大会プログラム・発表論文集 2013 年 11 月 16 日(土) 富山大学 発行者 杉谷キャンパス 北陸心理学会第 48 回大会準備委員会 〒930-0194 富山県富山市杉谷 2630 富山大学大学院医学薬学研究部(医学)心理学教室内 代表連絡先:電話 委員長 松井 三枝 委 員 片桐 正敏 委 員 星野 貴俊 委 員 西山志満子 委 員 黒田 昌美 (076)434-2281(内線 2548/2707,片桐・星野) Email medpsych@las.u-toyama.ac.jp 大会プログラム 会場案内 富山大学付属病院 臨床講義室1(2階) ※付属病院正面入り口よりお入り下さい。 〒930-0194 富山市杉谷2630 富山大学杉谷キャンパス(富山大学付属病院) Tel (076)434-2281(内線2548/2707,片桐・星野) Email medpsych@las.u-toyama.ac.jp 交通のご案内 ○バス 富山大学付属病院行き 約30分 (富山駅バスターミナル乗り場3番) ○お車 最寄りの高速道路インターは富山西インターに なります。 県道62号線ファミリーパーク前の信号交差点 をファミリーパークとは反対方向へ曲がると病 院があります。 ※付属病院の駐車場をご利用いただけます。学会 受付に駐車券をご提示下さい。無料化致します。 大会スケジュール 受付 8:30 ~ 開会のあいさつ 9:00 ~ 9:05 個人発表(午前) 9:05 ~ 12:30 昼休み 12:30 ~ 13:40 【理事会】 12:30 ~ 13:40 個人発表(午後) 13:40 ~ 14:40 シンポジウム 14:50 ~ 17:05 総会 17:05 ~ 17:35 懇親会 17:35 ~ (病院のレストラン,売店をご利用下さい) 【カンファレンスルーム5】 (大会発表賞の発表を含む) 大会参加費 非会員の方も参加することができます。当日,受付にて非会員として大会参加費をお支払い下さい。 本大会では,会場の後方にソフト・ドリンクをご用意しております。お気軽にご利用ください。 正 会 員 1,000円 非 会 員(一般) 1,500円 非 会 員(大学院生) 1,000円 非 会 員(学部学生) 500円 個人研究発表者へのご案内 1. 発表時間 発表1件につき,発表時間 12 分,質疑応答 3 分とします。時間経過は,ベルにて合図いたしま す(1 鈴:10 分,2 鈴:12 分,3 鈴:15 分) 。なお,研究発表は,a)発表論文集への論文掲載,b) 口頭発表,c)質疑応答,の要件をすべて満たすことにより,公式発表となります。 2. 発表機器について 当日,会場に用意するノートパソコンは,Windows 7 PowerPoint 2010 です。パソコンの入れ替 えをする時間がありませんので,発表データをご持参ください。なお,Mac や他の機器の利用を希 望される場合,事前に大会事務局までご連絡ください(contact@hpsj.org) 。 3. 発表データについて 発表データは Windows PowerPoint 2010 もしくは 2007 にて作成し,USB フラッシュメモリ- や CD-R などに保存してご持参下さい。 4. 当日のデータ受付時間 8:30~9:00 のデータ受付対応時間を設定し,発表会場に用意するノートパソコンへ発表データを コピーさせていただきます。発表者は必ず対応時間内に会場へお越しになり,データ受付を会場ス タッフにお申し付けください。 5. 発表データの取り扱い コピーさせていただいたデータは,学会終了後,大会事務局にて責任を持って破棄させていただ きます。 大会発表賞 本大会では,研究発表の活性化を目指し, 「大会発表賞」を設けます。詳細は以下の通りです。 1. 第 48 回大会・大会発表賞の対象者について 以下の要件をすべて満たす責任発表者の方が審査の対象となります。 2. a) 大学院生であること b) 常勤の職(任期制含む)に就いていないこと 審査の方法について 以下の 2 点から評価をおこないます。審査員は,座長,北陸心理学会役員・編集委員,その他依 頼された会員が担当します。 a) プレゼンテーション(発表の明瞭性,質疑への応答) b) 研究内容(知見の斬新さや重要性,手続きや議論の妥当性) 3. 結果の発表について シンポジウム終了後同じ会場で引き続き開催される総会において,大会発表賞の受賞者を発表 します。 個人研究発表(午前) (研究発表 3~11 は,大会発表賞の対象者による発表となります) 座長 9:05 小林 真(富山大学) 1. 顔刺激を用いた認知的葛藤時の脳血流反応─近赤外線分光法による検討─ ○ 片桐 正敏・中川 宗英・星野 貴俊・松井 三枝 (富山大学大学院医学薬学研究部(医学)心理学) 9:20 2. リクガメによる放射状迷路学習の個体間一般性 ○ 谷内 通・五十田 裕司(金沢大学人文学類) 9:35 3. 画像の同異関係に基づくラットの条件性弁別学習―4 刺激および 2 刺激を用いた検討― ○ 上條 槙子・谷内 通(金沢大学) 9:50 4. 人が動物に対して抱く基本態度・感情に関する検討 -質問紙による基本態度・感情抽出の試み- ○ 淡路 実紀・谷内 通(金沢大学大学院人間社会環境研究科) 座長 10:05 伊丸岡 俊秀 (金沢工業大学) 5. ポジティブ感情の覚醒度の違いによる心身反応への影響 ○ 菅原 大地(筑波大学人間科学研究科) 荒木 友希子(金沢大学人間科学系) 10:20 6. 絵本の読み方の違いによる物語・内容理解への影響 ○ 谷口 由佳・石川 健介(金沢工業大学大学院心理科学研究科) 10:35 7. 位置記憶における参照枠とオブジェクト特徴の関連 ○ 羽田 詩織・松川 順子(金沢大学大学院人間社会環境研究科) 10:50 8. 大学生の親密な友人関係におけるストレス反応 -ストレスイベントとコーピング尺度の作成- ○ 小西 美結(富山大学大学院人間発達科学研究科) 小林 真(富山大学人間発達科学部) 11:05 9. 大学生の主観的適応と P-F Study に示される主張性との関連 ○ 中野 修・大矢 寿美子(金沢工業大学大学院心理科学研究科) 11:20~11:30 座長 11:30 休憩 平口 真理 (金城大学) 10. パーキンソン病患者における記憶とメタ記憶的知識の関連 ○ 三浦 佳代子(富山大学医学薬学研究部,日本学術振興会) 松井 三枝(富山大学大学院医学薬学研究部(医学)心理学) 11:45 11. 統合失調症への認知機能改善療法の効果研究 ―代償的方略に着目したグループ・アプローチ― ○ 大塚貞男・松井三枝・星野貴俊・三浦佳代子・川名泉・樋口悠子・鈴木道雄 (富山大学大学院医学薬学研究部) 12:00 12. Visual Motion Priming の空間周波数特性—複合波グレーティングによる検討— ○ 井戸 啓介(富山県立大学・工学部・教養教育) 12:15 13. 形態処理が漢字の記憶結合エラーに与える影響 -偏と旁を構成要素とした漢字一字を用いた検討- ○ 田中 孝治(北陸先端科学技術大学院大学サービスサイエンス研究センター) 個人研究発表(午後) 座長 13:40 松本 圭 (金沢工業大学) 14. Transfer of Oddity Discrimination in Rats ○ Md. Abu Bokor Siddik, Tohru Taniuchi (Graduate School of Socio-Environmental Studies, Kanazawa University) 13:55 15. 達成目標が失敗経験後の課題遂行に与える影響 ○ 荒木 友希子・砂川 佳子(金沢大学人文学類) 14:10 16. 動機づけは課題遂行を促進して学習を高めるのか? -虚偽記憶に及ぼす学習の動機づけの効果からの検討- ○ 鍋田 智広(北陸先端科学技術大学院大学) 田中 観自(東京大学先端科学技術研究センター) 猪股 健太郎(関西大学大学院心理学研究科) 興梠 盛剛・松田 憲(山口大学理工学研究科) 小野 史典(山口大学) 14:25 17. 統合失調症患者における運転動作特性および臨床的背景との関連 -運転シミュレータを用いた検討- ○ 星野 貴俊・松井 三枝・鈴木 道雄(富山大学大学院医学薬学研究部(医学) ) シンポジウム 「基礎心理学の臨床への応用」 時間 14:50~17:05 企画・司会 松井 三枝(富山大学大学院医学薬学研究部) 趣旨 近年、心理学における我が国の現状からみると、基礎心理学と臨床心理学の解離があるように思われ る。しかし、それはあるべき姿ではなく、基礎心理学と臨床心理学とは、相互に協働して発展するのが望 ましい。臨床と基礎を分けることではなく、科学者―実践家モデルで示唆される基礎を踏まえた臨床とい うことが念頭におかれるべきであろう。本シンポジウムでは、基礎心理学が臨床にどのように結びつく可 能性があるかについて、基礎心理学者から臨床心理学者までさまざまな分野の会員が所属している本学 会の特性を生かして、この問題について討論したい。このために、これまで、基礎心理学から臨床に接近 しておられる立場の研究者と臨床の立場から心理学的観点を取り入れて研究をすすめられておられる臨 床家をお招きし、話題提供を行なっていただくことにする。今回は統合失調症やうつ病など精神疾患の神 経心理メカニズムや音楽がもたらす治療効果などの基礎心理学に基づく研究を紹介していただき、臨床 応用の可能性について考えたい。 話題提供 ① 「音楽のストレス軽減効果に関する実験的研究」 講演者 海老原 直邦 先生(富山大学人文学部名誉教授) 音楽の聴取や演奏が,高齢者や知的障害者,情緒障害者などの心身の機能を改善し,精神的および身体 的疾患の治癒を促す効果をもつことが数多く報告されている。わが国の医療機関や保健・福祉施設等にお いても,近年,音楽を利用して心身の疾患・障害の治療や機能の改善を図ろうとする音楽療法が積極的に 導入されるようになってきた。臨床の現場ではこのように音楽療法の有効性が実践的に確認されつつあ るが,音楽療法の効果の科学的証拠はまだまだ不十分だと言わざるを得ない。そこで、音楽が心身の機能 に及ぼす効果を科学的に検証することを目的として種々研究を行ってきた。その一環として、特に音楽の ストレス軽減効果について検討するために、心理的および生理的ストレス指標を用いて行った実験的研 究について報告する。 話題提供 ② 「行為を通した自他の弁別と他者の行為の理解」 講演者 佐藤 德 先生(富山大学 人間発達科学部教授) James (1890) が指摘しているように、我々が意図的に何かを行うことができるには、その行為の結果を 予測できなくてはならない。行為の結果を予測できて初めて我々はその結果を引き起こすためにその行 為を選択することが可能となるのである。ある動作を行うと、時間的に近接しかつ一貫して感覚結果(自 己受容感覚・視覚・聴覚など)が随伴する。このような経験を繰り返すと、動作と感覚結果の双方向的な 関係に関する表象が形成される。つまり、動作からその感覚結果を予測できるようになるとともに、結果 を思い浮かべるだけでその動作を自動的に引き起こせるようになる。本発表では、こうした表象が自他の 行為の区別(特に行為主体の弁別)に寄与するのみならず、他者の行為の理解や自己の行為に対する他者 の行為を予測した上での自己の行為の制御にも関与していることを示す。さらには、こうした行為表象の 機能不全と統合失調症の陽性症状、ならびに自閉症のコミュニケーション障害との関連についても言及 したい。 話題提供 ③ 「統合失調症における自己参照過程の神経基盤の変化」 講演者 古市 厚志 先生(富山大学 医学薬学研究部神経精神医学助教) 自己意識 self-awareness の障害は統合失調症の中核的な特徴であると考えられている。特に統合失調 症に特異性が高く、診断における有用性が認められている Schneider の一級症状の多くは、自己の精神 活動や身体活動を他者へ帰属することと捉えることができる。例えば幻聴という症状は、自己の内部か ら発生する内言の起源を外界にあるとする誤帰属であると解釈することできる。統合失調症の実証的研 究では、自己モニタリング能力や自己参照過程の障害が報告されている。さらに脳機能画像の手法を用 いた研究により、自己意識の障害の脳内成立機序についても徐々に知見が蓄積されてきている。自己意 識を調べる心理課題のひとつである自己参照課題を用いた健常者の研究では、内側前頭前野や帯状回な どの皮質正中構造が賦活することが報告されている。当日は、近年行われている統合失調症を対象とし た自己参照課題を用いた研究を紹介する。 話題提供 ④ 「うつ病における光トポグラフィーを用いた鑑別補助法とサポートベクターマシーンに よる鑑別アルゴリズム」 講演者 松田 幸久 先生(金沢医科大学精神神経科学研究員) 近年、精神医学野では近赤外線スペクトロスコピィによる脳機能計測技術を応用した精神病の鑑別診 断補助法が注目されている。課題中の酸素化ヘモグロビンの変化を指標として統合失調症、大うつ病性障 害、双極性障害などの疾患の有無を鑑別する手法であるが、そこで用いられている課題は語彙流暢性課題 であり、いずれも基礎心理学野において親和性の高いトピックスである。 今回、金沢医科大学病院で診察に用いられている光トポグラフィー検査を紹介し、臨床場面での応用例 を紹介する。また、光トポグラフィー測定器の全チャンネルと時間軸を網羅的に組み合わせ、時空間的特 徴を保持したままのデータを用いた鑑別アルゴリズムを紹介する。アルゴリズムには機械学習の 1 種で あるサポートベクターマシーンを適用し、光トポグラフィー検査で用いられている既存のアルゴリズム との比較を行う。 質疑応答・全体討議 ※このシンポジウムは、公益社団法人日本心理学会臨床神経心理研究会との共催です。
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